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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
G02B15/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018224406
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020086331
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】三觜 隆広
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 嘉人
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-32842(JP,A)
【文献】特開2017-191127(JP,A)
【文献】特開2006-337745(JP,A)
【文献】特開2014-203027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370052(US,A1)
【文献】特開平8-5913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する後レンズ群からなり、前記後レンズ群は第1サブレンズ群、第2サブレンズ群、第3サブレンズ群を有し、
広角端から望遠端への変倍に際して、隣り合うレンズ群及びサブレンズ群の間隔が変化するように、少なくとも前記第2レンズ群と前記後レンズ群の有する2つ以上のサブレンズ群とが光軸に沿って移動し、
以下の条件式を満足するズームレンズ。
(1) 15.0 ≦ β2T / β2W ≦ 70.0
(2) -0.27 ≦ βs1T ≦ -0.10
(5) -5 0.0 ≦ βs2W / βs1W ≦ -15.0
ただし、
β2W:第2レンズ群の広角端における横倍率
β2T:第2レンズ群の望遠端における横倍率
βs1T:第1サブレンズ群の望遠端における横倍率
βs1W:第1サブレンズ群の広角端における横倍率
βs2W:第2サブレンズ群の広角端における横倍率
【請求項2】
前記後レンズ群は、広角端から望遠端への変倍に際して、光軸に沿って移動する正の屈折力を有するサブレンズ群を有し、
以下の条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(3) 10.0 ≦ ft / mxp ≦ 30.0
ただし、
ft:当該ズームレンズの望遠端における焦点距離
mxp:後レンズ群に配される正の屈折力を有するサブレンズ群のうち、最も移動量 の大きなサブレンズ群の広角端から望遠端にかけての最大移動量
【請求項3】
以下の条件式を満足する請求項1又は請求項2に記載のズームレンズ。
(4) 5.0 ≦ ft / fs1 ≦ 15.0
ただし、
ft:当該ズームレンズの望遠端における焦点距離
fs1:第1サブレンズ群の焦点距離
【請求項4】
前記第1サブレンズ群が、光軸に対して垂直方向へ移動可能に構成され、防振機能を有する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
以下の条件式を満足する請求項に記載のズームレンズ。
(6) 1.0 ≦ (1-βs1T )× βreT ≦ 5.0
ただし、
βs1T:第1サブレンズ群の望遠端における横倍率
βreT:第1サブレンズ群より像側に配されるレンズ群全体の望遠端における合成 横倍率
【請求項6】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。 (7) 3.0 ≦ |f1/ f2 | ≦ 10.0
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
【請求項7】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
(8) -0.4 ≦ β2W ≦ -0.1
ただし、
β2W:第2レンズ群の広角端における横倍率
【請求項8】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
(9) 3.0 ≦ D2rw / fw ≦ 9 0
ただし、
fw:当該ズームレンズの広角端における焦点距離
D2rw:広角端における第2レンズ群と後レンズ群との光軸上の間隔
【請求項9】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。 (10) 0.1 ≦ βrt / βrw ≦ 3.0
ただし、
βrw:広角端における後レンズ群の横倍率
βrt:望遠端における後レンズ群の横倍率
【請求項10】
請求項1からの何れか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高倍率を達成し且つ高い光学性能を得ることが可能であり、ミラーレス一眼カメラ、セキュリティーカメラ、デジタルスチルカメラ等に好適に使用できるズームレンズ及びそれを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のズームレンズにおいて、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、セキュリティーカメラ等は高倍率であるものが多く存在した。しかしながら、カメラに搭載されている固体撮像素子は近年高画素化が進んでおり、またズームレンズ系は以前に比べ更に高倍率で且つ高性能なものが求められている。
【0003】
上述したズームレンズの従来技術として、物体側より順に正負正正または正負正正正のレンズ構成であって、所定の条件式を満足する高倍率ズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述したズームレンズの他の従来技術として、物体側より順に正負正正正のレンズ構成であって、所定の条件式を満足する撮像レンズが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上述したズームレンズのさらに他の従来技術として、物体側より順に正負正負正のレンズ構成であって、所定の条件式を満足するズームレンズが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5028104号
【文献】特開2013-151153号
【文献】特許第5907616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1によって提案された高倍率ズームレンズにおいては、負パワーの第2レンズ群によって大きく変倍がなされているが、第3レンズ群の横倍率が大きくなっており、第3レンズ群の屈折力が大きい。そのため、第3レンズによって発生する収差の補正が十分に行われておらず、高い光学性能が得られていない。
【0008】
特許文献2によって提案された撮像レンズにおいては、第2レンズ群による変倍比が小さいため、第2レンズ群の移動量が大きく、レンズ全長の短縮化が困難になっている。また、第3レンズ群の横倍率が大きく、従って第3レンズの屈折力が大きくなりすぎている。そのため、第3レンズ群によって発生する収差の補正が十分に行われておらず、高い光学性能が得られていない。
【0009】
特許文献3によって提案されているズームレンズは、第2レンズ群による変倍比が小さいため、高倍率を達成させるために第3レンズ群も移動させている。しかし、移動レンズ群の移動を確保するためのクリアランスが大きくなり、レンズ全長の短縮化が困難になっている。また、第3レンズ群の横倍率が大きく、第3レンズ群の屈折力が大きくなりすぎている。そのため、第3レンズ群で発生する収差の補正が十分に行われておらず、高い光学性能が得られていない。
【0010】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、高倍率を達成し且つ高い光学性能を得ることが可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のズームレンズは、
物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、
正の屈折力を有する後レンズ群からなり、前記後レンズ群は第1サブレンズ群、第2サブレンズ群、第3サブレンズ群を有し、
広角端から望遠端への変倍に際して、隣り合うレンズ群及びサブレンズ群の間隔が変化するように、少なくとも前記第2レンズ群と、前記後レンズ群の有する2つ以上のサブレンズ群とが光軸に沿って移動し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) 15.0 ≦ β2T / β2W ≦ 70.0
(2) -0.27 ≦ βs1T ≦ -0.10
ただし、
β2W:第2レンズ群の広角端における横倍率
β2T:第2レンズ群の望遠端における横倍率
βs1T:第1サブレンズ群の望遠端における横倍率
【0012】
本発明の撮像装置は、
前記ズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高倍率を達成し且つ高い光学性能を得ることが可能なズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のズームレンズの第1実施例のレンズ構成図である。
図2】本発明のズームレンズの第1実施例の広角端状態における縦収差図である。
図3】本発明のズームレンズの第1実施例の中間焦点位置状態における縦収差図である。
図4】本発明のズームレンズの第1実施例の望遠端状態における縦収差図である。
図5】本発明のズームレンズの第1実施例の望遠端状態における横収差図である。
図6】本発明のズームレンズの第2実施例のレンズ構成図である。
図7】本発明のズームレンズの第2実施例の広角端状態における縦収差図である。
図8】本発明のズームレンズの第2実施例の中間焦点位置状態における縦収差図である。
図9】本発明のズームレンズの第2実施例の望遠端状態における縦収差図である。
図10】本発明のズームレンズの第2実施例の望遠端状態における横収差図である。
図11】本発明のズームレンズの第3実施例のレンズ構成図である。
図12】本発明のズームレンズの第3実施例の広角端状態における縦収差図である。
図13】本発明のズームレンズの第3実施例の中間焦点位置状態における縦収差図である。
図14】本発明のズームレンズの第3実施例の望遠端状態における縦収差図である。
図15】本発明のズームレンズの第3実施例の望遠端状態における横収差図である。
図16】本発明のズームレンズの第4実施例のレンズ構成図である。
図17】本発明のズームレンズを備えた撮像装置の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明に係るズームレンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する後レンズ群から構成され、隣り合うレンズ群は広角端から望遠端への変倍に際して間隔が変化するように、少なくとも第2レンズ群が光軸に沿って移動する。
【0017】
正レンズ群が最も物体側に配置されるズームレンズにおいて、負の屈折力を有する第2レンズ群を光軸に沿って移動させることによって変倍の大部分を担うが、第2レンズ群の変倍による収差変動を補正するために、第2レンズ群の像側に全体で正の屈折力を有するレンズ群を配置することが好ましい。第2レンズ群の像側に全体で負の屈折力を有するレンズ群を配置すると、第2レンズ群による収差変動を補正しきれず、かつ、ズームレンズの全長が長くなる。従って、第2レンズ群の像側に全体で正の屈折力を有するレンズ群を配置することは、収差変動の抑制による高性能化、全長の短縮を図ることが可能となり好ましい。
【0018】
前記後レンズ群は、3つ以上のサブレンズ群を有する。サブレンズ群は、後レンズ群に配置され、変倍の際に間隔が変化しない一つ以上のレンズによって構成され、後レンズ群に隣り合って配置されるサブレンズ群の間隔は、変倍の際に変化する。一例として、前記後レンズ群は物体側から順に第1サブレンズ群、第2サブレンズ群、第3サブレンズ群を有する。広角端から望遠端への変倍に際して、後レンズ群に含まれる2つ以上のサブレンズ群が光軸に沿って移動する。
【0019】
ここで、後レンズ群は、全体で正の屈折力を有していれば、負の屈折力を有するサブレンズ群を含んでいても良い。全体で正の屈折力を有していれば、正の屈折力又は負の屈折力のサブレンズ群を、適宜配置することが可能である。従って、第1サブレンズ群は正の屈折力であっても、負の屈折力であっても良く、第2サブレンズ群は正の屈折力であっても、負の屈折力であっても良く、第3サブレンズ群は正の屈折力であっても、負の屈折力であっても良い。
後レンズ群に4つ以上のサブレンズ群が配置される場合は、第4サブレンズ群、第5サブレンズ群、第6サブレンズ群・・・等はいずれも正の屈折力であっても、負の屈折力であっても良い。サブレンズ群の数を増やすことによって、変倍時の収差補正を良好に行うことができ、高性能なズームレンズを設計することが可能になる。高性能化と小型化を考慮した場合、サブレンズ群は5つ以下であることが好ましく、4つ以下であることがより好ましい。
【0020】
後レンズ群は、広角端から望遠端への変倍に際して光軸に沿って移動する正の屈折力を有するサブレンズ群を有する。このとき、光軸に沿って移動する正の屈折力を有するサブレンズ群は、第1サブレンズ群、第2サブレンズ群、第3サブレンズ群の何れかであっても良いし、後レンズ群が4つ以上のサブレンズ群を有する場合には第3サブレンズ群よりも像側に配置されるサブレンズ群であっても良い。
【0021】
後レンズ群の中の最も物体側のサブレンズ群、つまり、第1サブレンズ群は正の屈折力を有することが好ましい。この構成によって、特に球面収差の補正に有利であり、第2サブレンズ群が正の屈折力を有する場合であっても、あるいは負の屈折力を有する場合であっても、球面収差の補正に効果的である。このとき、広角端における第2レンズ群と後レンズ群との光軸上の空気間隔が、ズームレンズで最大の空気間隔であることがより球面収差の補正に好ましい。
【0022】
後レンズ群中に配されるサブレンズ群は、正の屈折力のサブレンズ群及び負の屈折力のサブレンズ群が交互に配置される構成、例えば後レンズ群が正の屈折力を有するサブレンズ群、負の屈折力を有するサブレンズ群、正の屈折力を有するサブレンズ群の順番で配置されることにより、それぞれのサブレンズ群で発生する収差を打ち消し合うことができ、より効果的である。
【0023】
さらに、広角端から望遠端への変倍に際して、後レンズ群に有する少なくとも2つのサブレンズ群を移動させることによって、変倍のための第2レンズ群の移動量を小さくすることができる。第2レンズ群の移動量を小さくすることにより、第2レンズ群の変倍によって発生する収差変動を抑制し良好な光学性能を得られ、高倍率でありながら高性能な小型のズームレンズを構成することができる。なお、後レンズ群に有するサブレンズ群は変倍の際に全て移動しても良く、あるいは少なくとも2つのサブレンズが移動し、他のサブレンズ群は光軸上に固定されていても良い。
【0024】
また、移動する2つ以上のサブレンズ群のうち少なくとも1つのサブレンズ群が広角端から望遠端にかけての一点でUターンする軌跡をもつことにより、有利に高倍率化を実現できる。移動レンズ群の最大移動量は、Uターンする軌跡をもつ場合は、Uターンする点と広角端または望遠端との間の変位量を示し、Uターンする軌跡をもたない場合は、広角端と望遠端との間の変位量を示す。
【0025】
変倍作動においてサブレンズ群にUターンする軌跡をもたせる構成は、光軸上の限られたスペース、すなわちレンズ移動可能範囲を有効に活用でき、小型化且つ高倍率化に有利である。例えば、負の屈折力を有するサブレンズ群を、広角端から望遠端の変倍作動において像面側に凸となるUターンの軌跡にする。この場合、変倍作動を負の屈折力のサブレンズ群をメインに移動させることによって、大きな厚みを持つ傾向がある正の屈折力のサブレンズ群の光軸上の最大移動量を抑制することができ、高倍率で小型のズームレンズをさらに効率的に実現できる。このとき、Uターンの軌跡で移動する負の屈折力を有するサブレンズ群をフォーカス群とすることによって、合焦においても正の屈折力を有するサブレンズ群の移動量を抑制することが可能となり、より小型のズームレンズを実現できる。
【0026】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を少なくとも1つ以上満足することが好ましい。
【0027】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1) 15.0 ≦ β2T / β2W ≦ 70.0
ただし、
β2W:第2レンズ群の広角端における横倍率
β2T:第2レンズ群の望遠端における横倍率
【0028】
条件式(1)は、第2レンズ群による変倍比を規定している。
【0029】
条件式(1)を満たすことにより、第2レンズ群と他のレンズ群との変倍比のバランスをとることができ、高倍率化を達成しつつ良好な収差補正が可能となる。
条件式(1)の下限を下回ると、第2レンズ群を移動させることによって得られる変倍比が小さくなり移動量が増加し、所望の全長での高倍率化が困難となる。
条件式(1)の上限を上回ると、第2レンズ群の屈折力が強まり、移動量を増加させることにより高倍率化は容易になるが、変倍時の収差変動が増大し、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を得るのが困難になる。
【0030】
なお、上記条件式(1)の下限値は、20.0以上であることが好ましく、25.0以上であることがより好ましく、30.0以上であることがより好ましく、35.0以上であることがより好ましい。
また、上記条件式(1)の上限値は、60.0以下であることが好ましく、58.0以下であることがより好ましく、56.0以下であることがさらに好ましく、52.0以下であることがさらに好ましい。
【0031】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
(2) -0.27 ≦ βs1T ≦ -0.10
βs1T:第1サブレンズ群の望遠端における横倍率
【0032】
条件式(2)は望遠端における第1サブレンズ群の横倍率を規定している。
【0033】
条件式(2)を満たすことにより、高倍率化に伴う収差補正を最適にすることができる。
条件式(2)の下限を下回ると、第1サブレンズ群の収差補正は容易になるが、第1サブレンズ群による減倍の割合が大きくなりすぎてしまい、高倍率化が困難となる。
条件式(2)の上限を上回ると第1サブレンズ群の屈折力が強くなりすぎてしまい、第1サブレンズ群内での収差補正が困難となる。
【0034】
なお、上記条件式(2)の下限値は、-0.268以上であることが好ましく、-0.265以上であることがより好ましい。また、上記条件式(2)の上限値は、-0.12以下であることが好ましく、-0.14以下であることがより好ましく、-0.16以下であることがさらに好ましい。
【0035】
条件式(1)と条件式(2)を同時に満足することによって、より高倍率化に伴う収差補正を最適にすることができるため、好ましい。
【0036】
さらに、当該ズームレンズにおいて、上述したように、変倍の際に、少なくとも第2レンズ群と、後レンズ群のうち少なくとも2つのサブレンズ群とが光軸に沿って移動する構成を有する。
第1レンズ群は、変倍に際して光軸上を移動してもよいが、第1レンズ群を光軸上に固定することによって、全長の小型化やゴミの混入防止が可能となる。また、後レンズ群に配するサブレンズ群は少なくとも2つのサブレンズ群が変倍の際に移動すればよく、求める性能によって、適宜選択することができる。
【0037】
また、第1サブレンズ群は光軸上を移動してもよいが、第1サブレンズ群を光軸上に固定してもよい。第1サブレンズ群を光軸上に固定することによって、より簡易な機構構造にできる。また、第2サブレンズ群は、第1サブレンズ群が変倍の際に光軸上を移動する場合は光軸上に固定されていても良く、より好ましくは、変倍の際に移動することによって、収差補正を良好に行うことができる。
さらに、第3サブレンズ群は、第2サブレンズ群が変倍の際に光軸上を移動する場合は光軸上に固定されていても良く、より好ましくは、変倍の際に移動することによって、収差補正を良好に行うことができる。後レンズ群に4つ以上のサブレンズ群が配置される場合は、第4サブレンズ群、第5サブレンズ群・・・等は何れも光軸上を移動しても、固定されても良い。
【0038】
本発明に係るズームレンズにおいて、近接被写体への合焦を行う際に、後レンズ群に含まれるいずれかのサブレンズ群を光軸方向に移動させて合焦を行うことが好ましい。後レンズ群に含まれるサブレンズ群のいずれかを合焦レンズ群とすることによって、物体側に配置されるレンズ群を光軸方向へ移動させて合焦を行う場合に比べ、比較的径の小さいレンズを用いて合焦することが可能となり、合焦群が軽量化され、駆動装置が小さくなることから、小型化を達成することができる。また、後レンズ群に含まれる負の屈折力を有するサブレンズ群を合焦群とすることがより好ましい。負の屈折力を有するレンズ群は正の屈折力を有するレンズ群と比べ、軽量化しやすいことから、より小型化を達成することができる。より好ましくは、第2サブレンズ群を光軸方向に移動させて合焦を行う。なお、合焦レンズ群は、単一の硝材からなる単レンズ又は複数の硝材のレンズを組み合わせた接合レンズ等の空気間隔を有しない一つのレンズ成分からなることが好ましい。
【0039】
本発明に係るズームレンズは、第1レンズ群中にd線に対する屈折数が1.90以上の負レンズを配置することが好ましい。この負レンズを配置することによって、像面湾曲の補正に有利となり、より高性能なズームレンズを実現することができる。より好ましくは、当該負レンズが最も物体側に配置されることで、収差補正により有利である。
【0040】
本発明に係るズームレンズは、前記後レンズ群は、広角端から望遠端への変倍に際して、光軸に沿って移動する正の屈折力を有するサブレンズ群を有し、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3) 10.0 ≦ ft / mxp ≦ 30.0
ただし、
ft:当該ズームレンズの望遠端における焦点距離
mxp:後レンズ群に配される正の屈折力を有するサブレンズ群のうち、最も移動量 が大きなサブレンズ群の広角端から望遠端にかけての移動量
である。
【0041】
条件式(3)は望遠端の焦点距離に対する後レンズ群において最も移動量が大きい正サブレンズ群の移動量を規定している。
ここで、移動量とは、広角端から望遠端への変倍において、最も像側に位置する点と最も物体側に位置する点との光軸上の間隔である。また、光軸に沿って移動する正の屈折力を有するサブレンズ群は、第1サブレンズ群、第2サブレンズ群、第3サブレンズ群のいずれかであってもよく、第3サブレンズ群よりも像側に配置されるレンズであってもよい。
【0042】
条件式(3)を満たすことにより、高倍率化に伴う移動レンズ群の移動量を最適化することができる。特に、正レンズ群は大きな厚みを持ちやすいことから光軸上距離を占める割合が大きくなるため、本発明のレンズ全長の小型化の達成が顕著になる。
条件式(3)の下限を下回ると、望遠端の焦点距離を延長し、高倍率化の際に移動するレンズ群の移動によって占める空間が多くなり、所望の全長での高倍率化が困難となる。
条件式(3)の上限を上回ると正レンズ群の屈折力が大きくなりすぎてしまい、変倍もしくはフォーカスの際に収差変動が大きくなる。または、他の移動レンズ群の移動量が増加し、所望の全長での高倍率化が困難となる。
【0043】
なお、上記条件式(3)の下限値は、12.0以上であることが好ましく、14.0以上であることがより好ましく、16.0以上であることが更に好ましく、17.0であることが一層好ましい。また、上記条件式(3)の上限値は、29.0以下であることが好ましく、28.5以下であることがより好ましい。
【0044】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
(4) 5.0 ≦ ft / fs1 ≦ 15.0
ただし、
ft:当該ズームレンズの望遠端における焦点距離
fs1:第1サブレンズ群の焦点距離
である。
【0045】
条件式(4)は望遠端の焦点距離と第1サブレンズ群の焦点距離を規定している。
【0046】
条件式(4)を満たすことによって、望遠端における収差補正を最適にすることができる。
条件式(4)の下限を下回ると、第1サブレンズ群内での収差補正は容易になるが、第1サブレンズ群の屈折力が弱くなりすぎてしまい、所望の全長を満たしつつ高倍率化することが困難となる。
条件式(4)の上限を上回ると、第1サブレンズ群の屈折力が強くなりすぎてしまい、第1サブレンズ群内での収差補正が困難となる。
【0047】
なお、上記条件式(4)の下限値は、6.0以上であることが好ましく、7.0以上であることがより好ましく、8.0以上であることが更に好ましく、9.0以上であることが一層好ましい。
また、上記条件式(4)の上限値は、14.0以下であることが好ましく、13.0以下であることがより好ましく、12.0以下であることが更に好ましく、11.0以下であることが一層好ましい。
【0048】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
(5) -50.0 ≦ βs2W / βs1W ≦ -11.0
ただし、
βs1W:第1サブレンズ群の広角端における横倍率
βs2W:第2サブレンズ群の広角端における横倍率
である。
【0049】
条件式(5)は広角端での第1サブレンズ群、第2サブレンズ群の横倍率を規定している。
【0050】
条件式(5)を満たすことによって広角端における収差補正を最適にすることができる。
条件式(5)の下限を下回ると、第2サブレンズ群の収差補正は容易になるが、第1サブレンズ群の屈折力が強くなりすぎてしまい、そこで発生する収差を抑制することが困難となる。
条件式(5)の上限を上回ると、第1サブレンズ群の収差補正は容易になるが、第2サブレンズ群で急激に倍率をかけることになり、後続のサブレンズ群に収差補正の負担が大きくかかる。
【0051】
なお、上記条件式(5)の下限値は、-40.0以上であることが好ましく、-35.0以上であることがより好ましい。また、上記条件式(5)の上限値は、-13.0以下であることが好ましく、-15.0以下であることがより好ましく、-17.0以下であることが更に好ましい。
【0052】
本発明に係るズームレンズは、前記第1サブレンズ群が、光軸に対して垂直方向へ移動可能に構成され、防振機能を有することが好ましい。
【0053】
第1サブレンズ群を光軸に対して垂直方向へ移動させることによって、撮影時の振動を抑制する防振機能を有することが可能となる。第1サブレンズ群を防振機能を有する防振レンズ群とすることにより、第1サブレンズ群の光軸直交方向の補正移動量に対する像補正量を大きく、且つ、第1サブレンズ群の光軸直交方向の補正移動による像劣化を少なくすることが可能となり、すなわち、像面湾曲、偏心コマ収差、偏心非点収差の変動が少ないという利点を有する。この利点は、望遠端において特に顕著である。
【0054】
このとき、第2レンズ群と後レンズ群との間に開口絞りが配置されることが好ましい。開口絞りの像側に防振レンズ群を配置することによって、補正移動量に対する像補正量をさらに大きくすることが可能となる。
【0055】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6) 1.0 ≦ (1-βs1T)×βreT ≦ 5.0
ただし、
βs1T:第1サブレンズ群の望遠端における横倍率
βreT:第1サブレンズ群より像側に配されるレンズ群全体の望遠端における合成 横倍率
である。
【0056】
条件式(6)は望遠端での第1サブレンズ群とそれ以降のサブレンズ群の横倍率を規定している。
【0057】
条件式(6)を満たすことによって第1サブレンズ群での手振れ補正をした際に必要となる補正量を小さくしつつ効果的に手振れ補正性能を得ることができる。また、上記補正量を小さくできることにより、レンズ筐体を小さくすることができる。
条件式(6)の下限を下回ると第1サブレンズ群の手振れ補正のために必要な補正量が大きくなり、レンズ筐体を小さくすることが困難となる。
条件式(6)の上限を上回ると第1サブレンズ群による手振れ補正の必要補正量は小さくできるが、防振時の収差変動が大きくなりすぎてしまい、防振時の光学性能に影響をきたす。
【0058】
なお、上記条件式(6)の下限値は、1.3以上であることが好ましく、1.6以上であることがより好ましく、1.8以上であることが更に好ましい。また、上記条件式(6)の上限値は、4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.0以下であることが更に好ましく、2.5以下であることが一層好ましい。
【0059】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
(7) 3.0 ≦ |f1 / f2| ≦ 10.0
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
である。
【0060】
条件式(7)は第1レンズ群と第2レンズ群の焦点距離の比を規定している。
【0061】
条件式(7)を満たすことによって高倍率化と望遠端の収差補正を良好にできる。
条件式(7)の下限を下回ると第2レンズ群の変倍による収差変動が小さくなるが、望遠端の収差補正が難しくなる。
条件式(7)の上限を上回ると高倍率化と望遠端での収差補正が容易となるが、第2レンズ群の変倍による収差変動が大きくなりすぎ、全ズーム域での収差補正が難しくなる。
【0062】
なお、上記条件式(7)の下限値は、4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましく、5.5以上であることが更に好ましい。また、上記条件式(7)の上限値は、9.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましく、7.0以下であることが一層好ましい。
【0063】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
(8) -0.4 ≦ β2W ≦ -0.1
ただし、
β2W:第2レンズ群の広角端における横倍率
である。
【0064】
条件式(8)は広角端における第2レンズ群の横倍率を規定している。
【0065】
条件式(8)を満たすことによって広角端の収差補正を良好にできる。
条件式(8)の下限を下回ると広角端の収差補正が容易となるが、広角端の焦点距離を広角化することが難しくなる。
条件式(8)の上限を上回ると広角端の焦点距離を広角化することが容易となるが、
広角端の収差補正が難しくなる。
【0066】
なお、上記条件式(8)の下限値は、-0.35以上であることが好ましく、-0.30以上であることがより好ましく、-0.25であることが更に好ましい。また、上記条件式(8)の上限値は、-0.12以下であることが好ましく、-0.15以下であることがより好ましく、-0.20であることが更に好ましい。
【0067】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
(9) 3.0 ≦ D2rw / fw ≦ 9.0
ただし、
fw:当該ズームレンズの広角端における焦点距離
D2rw:広角端における第2レンズ群と後レンズ群との光軸上の間隔
【0068】
条件式(9)は広角端における焦点距離と第2レンズ群から後レンズ群までの群間隔との比を規定している。
【0069】
条件式(9)を満たすことによってレンズの小型化と広角端の焦点距離をより広角化できる。
条件式(9)の下限を下回るとレンズの小型化が容易となるが、広角端の焦点距離の広角化が難しくなる。
条件式(9)の上限を上回ると広角端の焦点距離をより広角化することが容易となるが、レンズの小型化が難しくなる。
【0070】
なお、上記条件式(9)の下限値は、4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましく、6.0以上であることがさらに好ましい。また、上記条件式(9)の上限値は、8.0以下であることが好ましく、7.5以下であることがより好ましく、7.0以下であることが更に好ましい。
【0071】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
(10) 0.1 ≦ βrt / βrw ≦ 3.0
ただし、
βrw:広角端における後レンズ群の横倍率
βrt:望遠端における後レンズ群の横倍率
【0072】
条件式(10)は広角端と望遠端での後レンズ群の横倍率比を規定している。
【0073】
条件式(10)を満たすことによって高倍率を達成させるための後レンズ群による変倍の負担を最適化できる。
条件式(10)の下限を下回ると後群の収差補正が容易となり、後レンズ群の変倍による負担が小さくできるが、第2レンズ群の変倍による負担が大きくなる。
条件式(10)の上限を上回ると第2レンズ群の変倍による負担を小さくできるが、後レンズ群の収差補正が難しくなる。
【0074】
なお、上記条件式(10)の下限値は、0.20以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.60以上であることが更に好ましい。また、上記条件式(10)の上限値は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.0以下であることがより好ましい。
【0075】
本発明に係る撮像装置は、本発明に係るズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、本発明に係るズームレンズの光学的特性を活かし効率的に光電変換して高精度な結像信号を形成する。
【0076】
以下に、本発明の数値実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。
以下の表中、FNOはFナンバー、fは全系の焦点距離(mm)、Wは半画角(°)、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Ndはd線の屈折率、vdはd線基準のアッベ数、Hは有効半径を示す。
また、非球面は次式で定義されるものとする。
z=ch2/[1+{1-(1+k)c2h2}1/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10・・・
(但し、cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10・・・は各次数の非球面係数)
各縦収差図(図2図4図7図9図12図14)は、左側から順に、球面収差(SA(mm))、非点収差(AST(mm))、歪曲収差(DIS(%))を示す。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(d-line)、短破線はF線(F-line)、長破線はC線(C-line)の特性である。非点収差図において、縦軸は画角(図中、ωで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Tで示す)の特性である。歪曲収差図において、縦軸は画角(図中、ωで示す)を表す。
図5、10、15は、各々実施の形態1~3に係るズームレンズ系の望遠端における横収差図である。各横収差図において、左側3つの収差図は、望遠端における手振れ補正を行っていない基本状態、右側3つの収差図は、手振れ補正光学系を光軸と垂直な方向に所定量移動させた望遠端における手振れ補正状態に、それぞれ対応する。基本状態の各横収差図のうち、上段は最大像高の70%(図中、0.70FAで示す)の像点における横収差、中段は軸上像点(図中、0.00FAで示す)における横収差、下段は最大像高の-70%(図中、-0.70FAで示す)の像点における横収差に、それぞれ対応する。手振れ補正状態の各横収差図のうち、上段は最大像高の70%の像点における横収差、中段は軸上像点における横収差、下段は最大像高の-70%の像点における横収差に、それぞれ対応する。また各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線はd線(d-line)、短破線はF線(F-line)、長破線はC線(C-line)の特性である。
【0077】
なお、各実施例のズームレンズ系について、望遠端における、手振れ補正状態での手振れ補正光学系の光軸と垂直な方向への移動量(図中、Decで示す)は、以下に示すとおりである。
第1実施例 0.588mm
第2実施例 0.588mm
第3実施例 0.587mm
第4実施例 0.585mm
撮影距離が∞で望遠端において、ズームレンズ系が0.3°だけ傾いた場合の像偏心量は、手振れ補正光学系が光軸と垂直な方向に上記の各値だけ平行移動するときの像偏心量に等しい。
【0078】
各横収差図から明らかなように、軸上像点における横収差の対称性は良好であることがわかる。また、+70%像点における横収差と-70%像点における横収差とを基本状態で比較すると、いずれも湾曲度が小さく、収差曲線の傾斜がほぼ等しいことから、偏心コマ収差、偏心非点収差が小さいことがわかる。このことは、手振れ補正状態であっても充分な結像性能が得られていることを意味している。
ズームレンズ系の手振れ補正角が同じ場合には、ズームレンズ系全体の焦点距離が短くなるにつれて、手振れ補正に必要な平行移動量が減少する。従って、いずれのズーム位置であっても、0.3°までの手振れ補正角に対して、結像特性を低下させることなく充分な手振れ補正を行うことが可能である。また、望遠端での手振れ補正光学系の平行移動量を広角端及び中間焦点位置状態に適用することにより、手振れ補正角度を0.3°よりも更に大きく取ることも可能である。
【0079】
(第1実施例)
図1は広角端状態及び望遠端状態におけるレンズ構成図、図2~4はそれぞれ広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における縦収差図である。図5は望遠端における横収差図である。表1~表4はその数値データである。
【0080】
第1実施例のズームレンズは、図1に示すように、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、開口絞りS、正の屈折力を有する後レンズ群GR、カバーガラスCGから構成される。後レンズ群GRは、正の屈折力を有する第1サブレンズ群SG1、負の屈折力を有する第2サブレンズ群SG2、正の屈折力を有する第3サブレンズ群SG3から構成される。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は光軸上に固定され、第2レンズ群G2は像側に移動する。また、第1サブレンズ群SG1は光軸上に固定され、第2サブレンズ群SG2は像側に移動したのち物体側へ移動するように、像側に凸の軌跡で移動し、望遠端においては、広角端よりも像側に配置されるように移動する。さらに、第3サブレンズ群SG3は像側に移動する。
図1にVCで示すように、第1サブレンズ群SG1を光軸に垂直方向に移動可能に構成することによって、手振れ補正を行う。
図1にFで示すように、第2サブレンズ群SG2を像側に移動させることによって、無限遠合焦状態から近接物体への合焦を行う。
【0081】
(表1)諸元表
面No. r d Nd vd H
1 159.9787 1.5000 2.00069 25.46 25.97
2 64.2254 8.6500 1.49700 81.61 24.63
3 -238.4009 0.1500 25.58
4 53.7326 6.0000 1.49700 81.61 24.09
5 313.5097 0.1500 23.90
6 54.1374 4.0000 1.88100 40.13 22.87
7 103.6959 D(7) 22.45
8 49.6192 0.8000 1.95375 32.32 11.04
9 13.7400 4.5500 8.97
10 -41.8900 0.8000 1.90068 37.12 8.80
11 11.1104 4.9000 1.95906 17.47 8.00
12 97.7716 1.5458 7.68
13* -26.9688 0.8000 1.85135 40.10 7.65
14* -50.0000 D(14) 7.63
15 INF 0.6000 9.30 (開口絞り)
16* 33.4327 3.1000 1.61881 63.85 9.53
17* -349.0666 0.1000 9.59
18 28.6840 0.8000 1.92286 20.88 9.61
19 19.5872 7.6500 1.49700 81.61 9.36
20 -19.5872 1.0000 1.59270 35.45 9.19
21 -24.5000 D(21) 9.16
22 -319.9441 3.0000 1.84666 23.78 8.33
23 -23.3150 0.8000 1.83481 42.72 8.10
24 25.0900 D(24) 7.60
25* 18.1100 4.7000 1.55332 71.68 8.43
26* -22.0300 0.2447 8.28
27 49.3766 0.6000 1.94594 17.98 7.67
28 27.3842 D(28) 7.44
29 INF 1.0000 1.51680 64.20 4.88
30 INF 1.0000 4.78
*は非球面。
【0082】
(表2)非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。)
面No. K A4 A6 A8 A10
13 7.17762E+00 1.85273E-04 -3.17387E-06 1.01807E-08 1.66066E-10
14 -7.12431E+00 1.36508E-04 -3.70891E-06 2.33941E-08 -6.80951E-12
16 1.16500E+00 6.08087E-06 -4.92518E-07 4.13104E-09 -2.88173E-11
17 -9.99005E+00 3.45902E-05 -4.16195E-07 3.27647E-09 -2.35287E-11
25 2.18617E-01 -2.44497E-05 -3.13791E-07 4.16204E-09 -2.03403E-11
26 -8.44203E+00 -3.42608E-05 1.30284E-07 2.00378E-09 -1.54311E-11
【0083】
(表3)可変間隔表
f 6.7600 76.1022 237.2957
FNO 1.6315 4.0639 5.5896
W 34.6203 3.4235 1.1103
D(7) 1.1107 35.0153 42.4770
D(14) 43.6398 9.7351 2.2735
D(21) 1.1000 18.0129 3.8529
D(24) 18.3829 2.3532 29.4651
D(28) 17.3162 16.3387 3.4841
【0084】
(表4)各レンズ群の焦点距離
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 61.619
G2 8-14 -9.540
SG1 16-21 22.000
SG2 22-24 -28.104
SG3 25-28 24.792
【0085】
(第2実施例)
図6は広角端状態及び望遠端状態におけるレンズ構成図、図7~9はそれぞれ広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における縦収差図である。図10は望遠端における横収差図である。表5~表8はその数値データである。
【0086】
第2実施例のズームレンズは、図6に示すように、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、開口絞りS、正の屈折力を有する後レンズ群GR、カバーガラスCGから構成される。後レンズ群GRは、正の屈折力を有する第1サブレンズ群SG1、負の屈折力を有する第2サブレンズ群SG2、正の屈折力を有する第3サブレンズ群SG3、負の屈折力を有する第4サブレンズ群SG4から構成される。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は光軸上に固定され、第2レンズ群G2は像側に移動する。また、第1サブレンズ群SG1は光軸上に固定され、第2サブレンズ群SG2は像側に移動したのち物体側へ移動するように、像側に凸の軌跡で移動し、望遠端においては、広角端よりも像側に配置されるように移動する。第3サブレンズ群SG3は像側に移動する。さらに、第4サブレンズ群SG4は光軸上に固定される。
図6にVCで示すように、第1サブレンズ群SG1を光軸に垂直方向に移動可能に構成することによって、手振れ補正を行う。
図6にFで示すように、第2サブレンズ群SG2を像側に移動させることによって、無限遠合焦状態から近接物体への合焦を行う。
【0087】
(表5)諸元表
面No. r d Nd vd H
1 131.5405 1.5000 2.00069 25.46 27.04
2 58.2570 8.6500 1.49700 81.61 25.63
3 -389.1371 0.1500 25.16
4 53.6574 6.0000 1.49700 81.61 23.06
5 371.2531 0.1500 22.77
6 59.4706 4.0000 1.88100 40.13 21.89
7 122.7413 D(7) 21.40
8 69.3437 0.8000 1.95375 32.32 11.05
9 13.7400 4.5500 8.95
10 -41.8900 0.8000 1.90069 37.12 8.81
11 15.8543 4.9000 1.95906 17.47 8.34
12 -36.8967 0.8000 8.12
13* -20.2312 0.8000 1.85135 40.10 8.05
14* -324.0000 D(14) 7.95
15 INF 0.6000 9.30 (開口絞り)
16* 30.4941 3.1000 1.61881 63.85 9.61
17* -229.0252 0.1000 9.60
18 25.4638 0.8000 1.92286 20.88 9.51
19 16.2300 7.6500 1.49700 81.61 9.14
20 -16.2300 1.0000 1.59270 35.45 8.95
21 -28.2408 D(21) 8.86
22 -130.4688 3.0000 1.84666 23.78 8.22
23 -17.0722 0.8000 1.83481 42.72 8.07
24 29.1570 D(24) 7.62
25* 18.1100 4.7000 1.55332 71.68 8.40
26* -22.2191 D(26) 8.34
27 -78.4325 1.5000 1.83481 42.72 5.54
28 -26.1095 0.6000 1.94594 17.98 5.42
29 68.1103 3.6000 5.30
30 INF 1.0000 1.51680 64.20 4.95
31 INF 2.2738 4.89
*は非球面。
【0088】
(表6)非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。)
面No. K A4 A6 A8 A10
13 1.64320E-01 1.11433E-04 -2.40036E-06 2.05169E-08 -6.24446E-11
14 -1.00000E+01 8.84716E-05 -2.40290E-06 2.16702E-08 -7.11931E-11
16 6.85367E-01 -3.13340E-06 -1.45957E-07 1.71046E-09 -1.61195E-11
17 -10.00000E+00 1.78499E-05 -1.34292E-07 1.51791E-09 -1.53346E-11
25 -7.67144E-01 -6.42694E-06 -5.08078E-08 6.67334E-10 -5.63763E-12
26 -10.00000E+00 -6.13838E-05 6.59317E-07 -4.94687E-09 1.60311E-11
【0089】
(表7)可変間隔表
f 6.7616 74.8349 220.8629
FNO 1.5573 4.0941 5.3645
W 34.9485 3.4892 1.1788
D(7) 1.0249 35.4473 43.3159
D(14) 44.2911 9.8686 2.0000
D(21) 1.1000 18.6963 2.9857
D(24) 20.5698 3.6110 26.4550
D(26) 9.1800 8.5425 1.4092
【0090】
(表8)各レンズ群の焦点距離
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 62.734
G2 8-14 -10.173
SG1 16-21 22.579
SG2 22-24 -28.741
SG3 25-26 18.813
SG4 27-29 -34.470
【0091】
(第3実施例)
図11は広角端状態及び望遠端状態におけるレンズ構成図、図12~14はそれぞれ広角端状態、中間焦点位置状態、望遠端状態における縦収差図である。図15は望遠端における横収差図である。表9~表12はその数値データである。
【0092】
第3実施例のズームレンズは、図11に示すように、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、開口絞りS、正の屈折力を有する後レンズ群GR、カバーガラスCGから構成される。後レンズ群GRは、正の屈折力を有する第1サブレンズ群SG1、負の屈折力を有する第2サブレンズ群SG2、正の屈折力を有する第3サブレンズ群SG3、負の屈折力を有する第4サブレンズ群SG4から構成される。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は光軸上に固定され、第2レンズ群G2は像側に移動する。また、第1サブレンズ群SG1は光軸上に固定され、第2サブレンズ群SG2は像側に移動したのち物体側へ移動するように、像側に凸の軌跡で移動し、望遠端においては、広角端よりも像側に配置されるように移動する。第3サブレンズ群SG3は像側に移動する。さらに、第4サブレンズ群SG4は光軸上に固定される。
図11にVCで示すように、第1サブレンズ群SG1を光軸に垂直方向に移動可能に構成することによって、手振れ補正を行う。
図11にFで示すように、第2サブレンズ群SG2を像側に移動させることによって、無限遠合焦状態から近接物体への合焦を行う。
【0093】
(表9)諸元表
面No. r d Nd vd H
1 116.2375 1.3000 2.00331 28.32 27.04
2 56.1972 8.8000 1.49700 81.61 25.66
3 -632.6550 0.1500 25.11
4 53.4508 6.1000 1.49700 81.61 23.07
5 521.5687 0.1500 22.63
6 58.1276 4.0000 1.77250 49.62 20.91
7 121.8991 D(7) 20.39
8 73.7535 0.8000 2.00100 29.13 10.96
9 14.3000 4.1000 8.98
10 -56.1000 0.8000 1.91082 35.25 8.88
11 13.7000 4.9000 1.98612 16.48 8.27
12 -77.8418 0.9482 8.00
13* -25.2123 0.8000 1.85135 40.10 7.94
14* -574.0000 D(14) 7.83
15 INF 0.6000 9.30 (開口絞り)
16* 30.2397 3.1000 1.61881 63.85 9.63
17* -254.8522 0.1500 9.66
18 24.3910 0.9000 1.92286 18.90 9.63
19 16.2300 7.6500 1.49700 81.61 9.25
20 -16.2300 1.0000 1.59270 35.31 9.08
21 -25.4833 D(21) 9.01
22 -87.6477 3.5873 1.92286 18.90 8.31
23 -18.2772 0.8000 1.83400 37.34 8.11
24 23.7819 D(24) 7.60
25* 18.1100 4.7000 1.55332 71.68 8.30
26* -22.0300 D(26) 8.23
27 -42.3270 0.6000 1.80809 22.76 5.20
28 20.3594 1.9207 1.61800 63.39 5.11
29 -205.6319 3.6000 5.07
30 INF 1.0000 1.51680 64.20 4.81
31 INF 1.5082 4.76
*は非球面。
【0094】
(表10)非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。)
面No. K A4 A6 A8 A10
13 2.22053E+00 7.64825E-05 -1.00118E-06 4.26730E-09 6.88262E-12
14 -1.00000E+01 4.97446E-05 -1.10701E-06 6.61419E-09 -1.24792E-11
16 -3.02244E-02 7.84580E-07 -2.41105E-07 2.35996E-09 -2.10711E-11
17 -10.00000E+00 2.33626E-05 -1.94074E-07 1.83713E-09 -1.84730E-11
25 -5.79965E-01 -1.28002E-05 -2.55617E-07 5.31094E-09 -4.28764E-11
26 -10.00000E+00 -7.03122E-05 5.86108E-07 -1.95689E-09 -1.23140E-11
【0095】
(表11)可変間隔表
f 6.7589 74.6346 220.7556
FNO 1.5578 4.0930 5.3980
W 34.7986 3.4927 1.1753
D(7) 1.0865 35.8407 43.9347
D(14) 44.8482 10.0940 2.0000
D(21) 1.1000 15.1521 1.7500
D(24) 16.6536 3.4935 24.0934
D(26) 9.8423 8.9504 1.7525
【0096】
(表12)各レンズ群の焦点距離
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 63.466
G2 8-14 -10.1525
SG1 16-21 21.1625
SG2 22-24 -24.146
SG3 25-26 18.7449
SG4 27-29 -39.4299
【0097】
(第4実施例)
図16は広角端状態及び望遠端状態におけるレンズ構成図である。表13~表16はその数値データである。
【0098】
第4実施例のズームレンズは、図16に示すように、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、開口絞りS、正の屈折力を有する後レンズ群GR、カバーガラスCGから構成される。後レンズ群GRは、正の屈折力を有する第1サブレンズ群SG1、負の屈折力を有する第2サブレンズ群SG2、正の屈折力を有する第3サブレンズ群SG3、負の屈折力を有する第4サブレンズ群SG4、正の屈折力を有する第5サブレンズ群SG5から構成される。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は光軸上に固定され、第2レンズ群G2は像側に移動する。また、第1サブレンズ群SG1は光軸上に固定され、第2サブレンズ群SG2は像側に移動したのち物体側へ移動するように、像側に凸の軌跡で移動し、望遠端においては、広角端よりも像側に配置されるように移動する。第3サブレンズ群SG3は像側に移動する。第4サブレンズ群SG3は物体側に移動する。さらに、第5サブレンズ群SG5は光軸上に固定される。
図16にVCで示すように、第1サブレンズ群SG1を光軸に垂直方向に移動可能に構成することによって、手振れ補正を行う。
図16にFで示すように、第2サブレンズ群SG2を像側に移動させることによって、無限遠合焦状態から近接物体への合焦を行う。
【0099】
(表13)諸元表
面No. r d Nd vd H
1 117.6401 1.3000 2.00331 28.32 27.04
2 56.5133 8.8000 1.49700 81.61 25.66
3 -576.5689 0.1500 25.12
4 53.1139 6.1000 1.49700 81.61 23.02
5 478.0582 0.1500 22.58
6 57.7576 4.0000 1.77250 49.62 21.08
7 120.3404 D(7) 20.57
8 77.5922 0.8000 2.00100 29.13 10.98
9 14.3000 4.1000 8.99
10 -56.1000 0.8000 1.91082 35.25 8.90
11 13.7000 4.9000 1.98612 16.48 8.31
12 -76.5186 0.9985 8.04
13* -24.3953 0.8000 1.85135 40.10 7.99
14* -271.4814 D(14) 7.92
15 INF 0.6000 9.30 (開口絞り)
16* 30.6394 3.1000 1.61881 63.85 9.60
17* -225.7754 0.1500 9.61
18 24.5604 0.9000 1.92286 18.90 9.55
19 16.2300 7.6500 1.49700 81.61 9.17
20 -16.2300 1.0000 1.59270 35.31 8.99
21 -25.3797 D(21) 8.90
22 -75.4970 3.2023 1.92286 18.90 8.19
23 -18.0227 0.8000 1.83400 37.34 8.01
24 26.1415 D(24) 7.52
25* 18.9469 4.7000 1.55332 71.68 8.30
26* -22.0300 D(26) 8.26
27 -51.4130 0.6000 1.80809 22.76 5.50
28 21.5800 D(28) 5.36
29 17.7284 1.7958 1.61800 63.39 5.39
30 98.4010 3.6000 5.29
31 INF 1.0000 1.51680 64.20 4.90
32 INF 1.5022 4.82
*は非球面。
【0100】
(表14)非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。)
面No. K A4 A6 A8 A10
13 1.44737E-02 9.74994E-05 -2.12521E-06 1.21738E-08 -1.25748E-11
14 -1.00000E+01 8.55420E-05 -2.11565E-06 1.32742E-08 -1.84500E-11
16 1.76895E-02 3.15436E-07 -2.11654E-07 2.33575E-09 -2.26043E-11
17 -1.00000E+01 2.29867E-05 -1.72233E-07 1.88967E-09 -2.03334E-11
25 -4.56275E-01 -1.03838E-05 -2.65665E-07 5.25846E-09 -4.05968E-11
26 -9.79919E+00 -6.44175E-05 5.31443E-07 -1.53158E-09 -1.26571E-11
【0101】
(表15)可変間隔表
f 6.7592 73.8634 220.7668
FNO 1.5593 4.0628 5.4209
W 35.0402 3.5380 1.1781
D(7) 1.0501 35.8190 43.9070
D(14) 44.8569 10.0880 2.0000
D(21) 1.1000 15.1498 1.7500
D(24) 16.7315 3.5242 23.9295
D(26) 9.7781 8.8112 1.3916
D(28) 0.2000 0.3244 0.7386
【0102】
(表16)各レンズ群の焦点距離
群 面番号 焦点距離
G1 1-6 63.423
G2 8-14 -10.1778
SG1 16-21 21.2115
SG2 22-24 -25.0967
SG3 25-26 19.1935
SG4 27-28 -18.741
SG5 29-30 34.6959
【0103】
[条件式対応値]
各実施例の請求項記載の数式に対応する条件式対応値を表17に示す。
(表17)条件式対応値
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
(1)β2T/β2W 38.951 37.752 50.349 50.136
(2)βs1T -0.263 -0.254 -0.178 -0.178
(3)ft/mxp 17.152 28.422 27.288 28.131
(4)ft/fs1 10.786 9.781 10.431 10.408
(5)βs2W/βs1W -17.844 -18.910 -32.401 -24.485
(6)(1-βs1T)×βreT 2.111 1.966 1.971 1.974
(7)|f1/f2| 6.459 6.167 6.251 6.232
(8)β2W -0.225 -0.234 -0.232 -0.233
(9)D2rw/fw 6.544 6.641 6.723 6.725
(10)βrt/βrw 0.901 0.865 0.649 0.399
f1 61.619 62.734 63.466 63.423
f2 -9.540 -10.173 -10.153 -10.178
fs1 22.000 22.580 21.164 21.212
β2W -0.225 -0.234 -0.232 -0.233
β2T -8.752 -8.841 -11.693 -11.669
βs1W -0.505 -0.517 -0.465 -0.465
βs1T -0.263 -0.254 -0.178 -0.178
βs2W 9.008 9.785 15.070 11.382
βreT 1.671 1.568 1.673 1.676
βrw -0.488 -0.460 -0.459 -0.748
βrt -0.440 -0.398 -0.298 -0.298
fw 6.760 6.760 6.760 6.759
ft 237.296 220.863 220.756 220.767
D2rw 44.240 44.891 45.448 45.457
mxp 13.835 7.771 8.090 7.848
【0104】
(第5実施例)
第5実施例の100は、図17に示すように、ハウジング102内に、ズームレンズ104と、撮像素子106を配置して構成される。
【符号の説明】
【0105】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
GR 後レンズ群
SG1 第1サブレンズ群
SG2 第2サブレンズ群
SG3 第3サブレンズ群
SG4 第4サブレンズ群
SG5 第5サブレンズ群
S 開口絞り
CG カバーガラス
100 撮像装置
106 撮像素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17