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特許7170556給油ノズル及び給油ノズル挿入状態判別装置
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  • 特許-給油ノズル及び給油ノズル挿入状態判別装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】給油ノズル及び給油ノズル挿入状態判別装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/12 20100101AFI20221107BHJP
【FI】
B67D7/12 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019023852
(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2020132162
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000154152
【氏名又は名称】株式会社トミナガ
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】山田 公夫
(72)【発明者】
【氏名】川村 知嗣
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-061596(JP,U)
【文献】実開昭57-009798(JP,U)
【文献】特開2002-255297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を連通/遮断する弁機構を備えたノズル本体と、
前記ノズル本体に基端が接続されて、前記弁機構の下流側流路に連通する吐出パイプと、
前記吐出パイプに設けられ、前記吐出パイプが給油口に挿入されたときの前記吐出パイプ外周と給油口との間に生じる隙間を覆う鍔状部材と、
前記鍔状部材と前記ノズル本体との間に位置する前記吐出パイプの部分に嵌合されて前記鍔状部材の位置の変位を許容するコイル状バネ部材とを備えた給油ノズルであって、
前記吐出パイプの前記部分には、前記鍔状部材が前記ノズル本体側に所定量以上変位すると前記鍔部によって一部または全部が覆われるマークが形成されていることを特徴とする給油ノズル
【請求項2】
流路を連通/遮断する弁機構を備えたノズル本体と、
前記ノズル本体に基端が接続されて、前記弁機構の下流側流路に連通する吐出パイプと、
前記吐出パイプに設けられ、前記吐出パイプが給油口に挿入されたときの前記吐出パイプ外周と給油口との間に生じる隙間を覆う鍔状部材と、
前記鍔状部材と前記ノズル本体との間に位置する前記吐出パイプの部分に嵌合されて前記鍔状部材の位置の変位を許容するコイル状バネ部材とを備えた給油ノズルであって、
前記鍔状部材が前記ノズル本体側に所定量以上変位すると前記鍔状部材に設けた操作部によって操作されて露出するマークを備えたマーク露出機構が前記ノズル本体に設けられていることを特徴とする給油ノズル。
【請求項3】
前記マークは、撮影装置で撮影したときに、その存在が明確に判別できる材料によって形成されている請求項1または2に記載の給油ノズル。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の給油ノズルの前記給油口への挿入状態を、1以上の撮影装置で撮影した前記給油ノズルの画像データから前記マークの存在の有無または前記マークの存在量に基づいて判別する給油ノズル挿入状態判別装置。
【請求項5】
前記1以上の撮影装置は、前記給油口に挿入されている前記給油ノズルを常に撮影できるように配置されている請求項に記載の給油ノズル挿入状態判別装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の給油ノズルが前記給油口に挿入されている状態を、1以上の撮影装置で撮影した1以上の挿入状態の画像データを取得する画像データ取得部と、
試験を行って得た複数の挿入状態の画像データ及び該複数の挿入状態の画像データに対応する挿入結果のデータを教師データとして作成した学習モデルと、
前記学習モデルを用いて、前記撮影装置で撮影した前記1以上の挿入状態の画像データから挿入結果を決定する挿入状態決定部を備えてなる請求項に記載の給油ノズル挿入状態判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などに燃料を補給する給油装置に備えられて、給油作業の際に、作業者が操作する給油ノズル及び給油ノズル挿入状態判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記文献1乃至3には、給油時に給油口に挿入している給油ノズルの状態をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影した画像データにより給油ノズルの挿入状態を監視する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平4-64959号公報
【文献】特許第2959822号(特開平4-128187号)公報
【文献】特許第3738099号(特開平10-139100号)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、撮影した画像データのみから給油ノズルの挿入状態を監視する場合に、どのようにすれば判別精度を高めることができるかについての検討が十分になされていない。
【0005】
本発明の目的は、画像データに基づく給油ノズルの挿入状態の監視精度を高めることができる給油ノズル及び給油ノズル挿入状態判別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給油ノズルは、流路を連通/遮断する弁機構を備えたノズル本体と、ノズル本体に基端が接続されて、弁機構の下流側流路に連通する吐出パイプと、吐出パイプに設けられ、吐出パイプが給油口に挿入されたときの吐出パイプ外周と給油口との間に生じる隙間を覆う鍔状部材と、鍔状部材とノズル本体との間に位置する吐出パイプの部分に嵌合されて鍔状部材の位置の変位を許容するコイル状バネ部材とを備えている。そして本発明の給油ノズルでは、吐出パイプの前記部分に、鍔状部材がノズル本体側に所定量以上変位すると鍔状部材によって一部または全部が覆われるマークが形成されている。
【0007】
このようなマークを撮影装置で撮影すれば、撮影装置で得た画像データからマークが鍔状部材によって覆われている状態、即ち給油ノズルが給油口に正しく挿入され、鍔状部材が給油口を覆っている状態を確実に判別することができる。したがって画像データ中のマークの存在量に応じて確実に給油ノズルの挿入状態を判定することができる。
【0008】
なお本発明は、鍔状部材を有しない給油ノズルにも適用可能であり、この場合には、吐出パイプのノズル本体に近接する部分に、吐出パイプが給油口に挿入された際に少なくとも一部が給油口内に入るマークを形成すればよい。このようにしてもマークを撮影装置で撮影すれば、撮影装置で得た画像データからマークが給油口内に入っている状態、即ち給油ノズルの挿入状態を確実に判別することができる。
【0009】
さらに本発明では、鍔状部材がノズル本体側に所定量以上変位すると鍔状部材に設けた操作部によって操作されて露出するマークを備えたマーク露出機構をノズル本体に設けてもよい。このようにするとマークの露出により給油ノズルの挿入状態を画像だけでなく、視覚によっても明確に確認することができる。
【0010】
なおマークは、撮影装置で撮影したときに、その存在が明確に判別できる材料によって形成されているのが好ましい。例えば、反射性能の高い反射シートや、蛍光性のある蛍光シート、縞模様、市松模様のような模様付きのシート等によりマークを形成することができる。またマークは、塗料を吐出パイプの上に塗布することにより形成してもよい。
【0011】
本発明の給油ノズルの給油口への挿入状態は、1以上の撮影装置で撮影した給油ノズルの画像データからマークの存在の有無またはマークの存在量に基づいて判別する給油ノズル挿入状態判別装置により判別することができる。
【0012】
1以上の撮影装置は、給油口に挿入されている給油ノズルを常に撮影できるように配置されているのが好ましい。撮影装置としては、全方位カメラ等、各種のカメラを用いることができる。撮影装置により撮影する画像は、静止画及び動画のいずれでもよい。
【0013】
給油ノズル挿入状態判別装置の具体的な構成は任意である。例えば、給油ノズルが給油口に挿入されている状態を、1以上の撮影装置で撮影した1以上の挿入状態の画像データを取得する画像データ取得部と、試験を行って得た複数の挿入状態の画像データ及び該複数の挿入状態の画像データに対応する挿入結果のデータを教師データとして作成した学習モデルと、この学習モデルを用いて撮影装置で撮影した1以上の挿入状態の画像データから挿入結果を決定する挿入状態決定部を備えた構成としてもよい。このように学習モデルを用いると、いわゆる人工知能を用いて判別をすることになるため、判別精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の給油ノズルの第1の実施の形態を説明するために用いる図である。
図2】本発明の給油ノズルの第2の実施の形態の要部の拡大図である。
図3】(A)及び(B)は、本発明の給油ノズルの第3の実施の形態を示す図である。
図4】(A)及び(B)は、本発明の第4の実施の形態の要部の変化の前後の状態を示す図である。
図5】(A)及び(B)は、5台の撮影装置を用いて撮影を行う場合の撮影装置の配置状態の一例を示す図である。
図6】複数の撮影装置で撮影した画像データから給油ノズルの状態を給油ノズル挿入状態判別装置で判定する場合に、マイクロコンピュータを用いて判定を行うためのプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートである。
図7】給油ノズル挿入状態判別装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の給油ノズルの第1の実施の形態を説明するために用いる図である。給油ノズル1は、ノズル本体3と、吐出パイプ5と、油液跳ね返り防止部材(スプラッシュガード)としての鍔状部材7を備えて構成されている。ノズル本体3内部には、流路が形成されており、この流路を連通/遮断する弁機構が内蔵されている。弁機構は、操作レバー9の操作に応動して開/閉(連通/遮断)するようになっており、給油作業の際、顧客(作業者)はノズル本体3の握り部4を把持しながら、この操作レバー9で開弁/閉弁操作する。
【0017】
なお、ノズル本体3には、操作レバー9が開弁操作状態にあり、弁機構が開弁状態になっているにかかわらず、この弁機構を強制的に自動閉弁するための自動閉弁機構が設けられている。加えて、ノズル本体3内の流路における、例えば弁機構の弁体近傍といった狭隘部分には、油液の流れによるベンチュリ効果を利用して負圧を発生する負圧発生部が設けられている。また吐出パイプ5の先端側には、液面検知口が開口して設けられている。そして、これら負圧発生部及び液面検知口は、それぞれ油液流路とは独立した負圧連通路及び大気連通路を介して、弁閉止機構の負圧室に連通された構成になっている。吐出パイプ5の先端側の液面検知口が燃料タンクの給油口内の液面又は泡によって閉塞されると、負圧発生部で発生する負圧が補償されなくなり、弁閉止機構の負圧室が負圧状態に変化し、このときの負圧室と大気圧室との差圧によってダイアフラムが変位することで、自動閉弁機構の弁閉止機構が、操作レバー9の開弁操作状態にかかわらず弁機構を閉弁し、吐出パイプ5の先端開口からの油液の吐出を停止できるようになっている。
【0018】
ノズル本体3内部の途中に弁機構が配置された流路は、一端側がノズル本体3のホース接続端部11において開口し、他端側が吐出パイプ5が接続されるノズル本体3の吐出パイプ接続端部13において開口している。ノズル本体3内部の流路は、このホース接続端部11に接続された給油ホースと連通され、給油装置のポンプから送液された油液の供給を受けるようになっている。そして、ポンプから供給を受けた油液は、操作レバー9の開弁操作により、吐出パイプ接続端部13に接続され、このノズル本体3内部の流路と連通する吐出パイプ5から吐出される。
【0019】
鍔状部材7は、ノズル本体3に基端が接続され且つ弁機構の下流側流路に連通する吐出パイプ5に設けられ、吐出パイプ5が給油口に挿入されたときの吐出パイプ5外周と給油口との間に生じる隙間を覆う。さらに本実施の形態では、鍔状部材7とノズル本体との間に位置する吐出パイプ5の部分51に嵌合されて鍔状部材7の位置の変位を許容するコイル状バネ部材8を備えている。このコイル状バネ部材8は、給油ノズル1を給油口に挿入したときに鍔状部材7に加わる押圧力で鍔状部材7がノズル本体3側に移動したときに圧縮されて蓄勢し、鍔状部材7への押圧力が解かれると放勢される。給油ノズル1の吐出パイプ5が正しく給油口に挿入されると、コイル状バネ部材8は完全に圧縮されて、吐出パイプ5の部分51は完全に見えない状態になる(図1の右下の状態)。
【0020】
そしてこの給油ノズル1では、吐出パイプ5の部分51に、鍔状部材7がノズル本体3側に所定量以上変位すると鍔状部材7によって一部または全部が覆われるマーク15が形成されている。本実施の形態では、コイル状バネ部材8が放勢されて吐出パイプ5の部分51が露出されているときに、この部分51のほぼ中央部にマーク15が形成されている。このマーク15は、撮影装置17で撮影したときに、その存在が明確に判別できる材料によって形成されている。具体的には、例えば、反射性能の高い反射シートや、蛍光性のある蛍光シート、縞模様、市松模様のような模様付きのシート等によりマーク15を形成することができる。本実施の形態では、斜め縞模様付きシートがマーク15として張り付けられている。なお吐出パイプ5の部分51の上に塗料を塗布することによりマーク15を形成してもよい。
【0021】
このようなマーク15を撮影装置17で撮影すれば、撮影装置17で得た画像データからマークが鍔状部材7によって覆われている状態が分かるので、画像データ中のマークの存在量に応じて確実に給油ノズル1の挿入状態を判定することができる。
【0022】
本実施の形態では、撮影装置17の出力は、後に説明する給油ノズル挿入状態判別装置19に入力される。
【0023】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の給油ノズルの第2の実施の形態の要部の拡大図を示している。第2の実施の形態では、マーク15を吐出パイプ5の部分51全体に形成している。このマーク15は、3のラインの束を斜め縞模様にして表示したものである。本実施の形態のように、吐出パイプ5の部分51全体にマーク15を形成した場合には、画像データ中のマーク15の存在量によって、給油ノズル1の挿入状態を判定することができる。
【0024】
(第3の実施の形態)
図3(A)及び(B)に示すように、本発明は、鍔状部材7を有しない給油ノズル1´にも適用可能である。この実施の形態では、吐出パイプ5のノズル本体3に近接する部分に、吐出パイプ5が給油口に挿入された際に少なくとも一部が給油口内に入るマーク15を形成すればよい。図3(A)の例では、マーク15は図2のマーク15と同様であり、図3(B)の例では、複数のマーク15が吐出パイプ5の長手方向に間隔を開けて形成されている。このようにしてもマーク15を撮影装置で撮影すれば、撮影装置で得た画像データからマーク15の存在量により給油ノズル1が給油口内に入っている状態を判別することができる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図4(A)及び(B)は、本発明の第4の実施の形態の要部の変化の前後の状態を示している。本実施の形態では、鍔状部材7がノズル本体3側に所定量以上変位すると鍔状部材7に一体に設けた操作部71によって操作されて露出するマーク15を備えたマーク露出機構31をノズル本体に設けている。マーク露出機構31は、断面形状が扇形をなす回動部材32をノズル本体に設けた凹部33内に扇形の収束点を中心に回転するように収納して回転自在に保持している。図4(A)に示すように、吐出パイプ5が給油口に挿入されて鍔状部材7がノズル本体3側に押されると、操作部71が回動部材32の端面32Aを押し、回動部材32は可動中心を中心にして回動し、図4(B)に示すようにノズル本体3の外側に回動部材32の一部が露出する。回動部材32の外面には、マーク15が施してあるので、撮影装置でこのマークの有無と露出量を撮影することにより、給油ノズルの挿入状態を判別することができる。このようにするとマークの露出により給油ノズルの挿入状態を画像だけでなく、視覚によっても明確に確認することができる。
【0026】
(撮影装置の配置)
給油ノズルの給油口への挿入状態は、図1に示すように1以上の撮影装置17で撮影した給油ノズルの画像データからマークの存在の有無またはマークの存在量に基づいて判別する給油ノズル挿入状態判別装置19により判別することができる。図5(A)及び(B)は、5台の撮影装置17及び18を用いて撮影を行う場合の撮影装置17及び18の配置状態の一例を示している。この例では、4台の通常のカメラ(撮影装置17)を車止め位置の前方上方及び後方上方に給油口を撮影できる角度で配置し、車止め位置の中央の真上に全方位カメラ(撮影装置18)を配置している。そして給油ノズル挿入状態判別装置19は、5台のカメラ(撮影装置17及び18)が撮影した画像に基づいて、マーク15の有無、存在量及び露出量を検知して、給油ノズル1の挿入状態を判別する。
【0027】
図6は、図5(A)及び(B)に示した複数の撮影装置17及び18(監視カメラ及び全方位カメラ)で撮影した画像データから給油ノズルの状態を図1に示した給油ノズル挿入状態判別装置19で判定する場合に、マイクロコンピュータを用いて判定を行うためのプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートである。なおこのフローチャートでは、撮影装置17が監視カメラであり、撮影装置18が全方位カメラであり、マーク15が検出ラインである。まず全方位カメラ(撮影装置18)、或いは監視カメラ(撮影装置17)のうち、検出ライン(マーク15)を確認するのに最適な監視カメラ1台または複数台が、給油レーンに車両が停止したことを確認する(ステップS1)。このとき全方位カメラ(撮影装置18)で車両の給油口、顧客の位置を確認し、複数ある監視カメラ(撮影装置17)のうち、検出ライン(マーク15)を確認するのに最適な監視カメラ1台または複数台を選択する。そして計量機(図1に示した給油ノズル挿入状態判別装置19を含む)が、給油ノズル1がノズルブーツから取り出される(ノズルスイッチがオンとなる)のを確認すると(ステップS2)、監視カメラに対して検出ラインの追跡を指示する(ステップS3)。監視カメラは検出ラインを監視し、画面から消えると給油ノズルが給油口に挿入されたことを計量機に伝える(ステップS5)。監視カメラは検出ラインを監視し(ステップS6)、画面上に検出ラインが出現すると、給油ノズルが給油口から抜去されていること(挿入されていないこと)を計量機に伝える(ステップS7)。監視カメラが検出ラインを監視している間に、給油ノズルがノズルブーツに戻されると(ノズルスイッチがオフになると)(ステップS8)、計量機は検視カメラに検出ラインの追跡を止めさせる(ステップS9)。
【0028】
給油ノズル挿入状態判別装置19の具体的な構成は任意である。本発明では、給油ノズル挿入状態判別装置19に学習モデル(人工知能)を採用してもよい。この場合には、図7に示すように、例えば、給油ノズル1が給油口に挿入されている状態を、1以上の撮影装置17で撮影した1以上の挿入状態の画像データを取得する画像データ取得部19Aと、試験を行って得た複数の挿入状態の画像データ及び該複数の挿入状態の画像データに対応する挿入結果のデータを教師データとして作成した学習モデル19Bを用意する。そしてこの学習モデルを用いて撮影装置で撮影した1以上の挿入状態の画像データから挿入結果を決定する挿入状態決定部19Cを給油ノズル挿入状態判別装置19内に構築すればよい。このように学習モデルを用いると、判別精度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の給油ノズルでは、鍔状部材とノズル本体との間に位置する吐出パイプの部分に、鍔状部材がノズル本体側に所定量以上変位すると鍔状部材によって一部または全部が覆われるマークを形成したので、このようなマークを撮影装置で撮影すれば、撮影装置で得た画像データからマークが鍔状部材によって覆われている状態を確実に判別することができる。したがって画像データ中のマークの存在量(表示量)に応じて確実に給油ノズルの挿入状態を判定することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 給油ノズル
3 ノズル本体
5 吐出パイプ
7 鍔状部材
8 コイル状バネ部材
9 操作レバー
11 ホース接続端部
13 吐出パイプ接続端部
15 マーク(検出ライン)
17 撮影装置(監視カメラ)
18 撮影装置(全方位カメラ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7