IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クイデル コーポレーションの特許一覧

特許7170624疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム
<>
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図1
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図2
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図3
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図4A
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図4B
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図5
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図6
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図7
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図8A
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図8B
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図9
  • 特許-疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】疾病を準リアルタイムで監視するワイヤレスシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20221107BHJP
【FI】
G16H15/00
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019234921
(22)【出願日】2019-12-25
(62)【分割の表示】P 2017501128の分割
【原出願日】2015-03-20
(65)【公開番号】P2020064658
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】61/968,160
(32)【優先日】2014-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516282776
【氏名又は名称】クイデル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブッカー,デイビッド,ディクソン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,シェリル,マリー
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-010964(JP,A)
【文献】特開2001-290889(JP,A)
【文献】特開2002-245173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データセットをデータベースから検索することであって、前記データセットは、検査機器によって前記データベースに転送され、前記データセットは、前記検査機器によって分析される標本内の疾病関連分析物又は感染性病原体の存在に基づいた検査結果を含む、検索することと、
地理的領域にわたって分布する複数の検査機器のうちの1つ又は複数からのデータを含むデータベース情報に基づいて前記データセットの図表現を生成することと、
前記データセットと前記図表現とに基づいてリポートを生成することと、
前記リポートをエンドユーザに提供することであって、前記リポートは、前記図表現を含み、ユーザ選択の時間頻度で前記エンドユーザに提供されることと、
を含み、
前記データセットは、前記データセットの所有者識別を含み、前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、指定された所有者の前記所有者識別に基づいて、前記エンドユーザが複数の指定されたユーザのうちの1人であることを確認することを含む、方法。
【請求項2】
前記データセットを前記データベースから検索することは、前記複数の検査機器のうちの1つ又は複数からの新たに転送されたデータセットについて前記データベースを照会することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データセットを前記データベースから検索することは、所定の頻度で前記データベースを照会することと、感染性疾病の流行の間に前記所定の頻度を上げることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データセットの図表現を生成することは、前記複数の検査機器のうちの1つ又は複数の場所に基づいて陽性の検査結果の割合を求めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データセットと前記図表現とに基づいて前記リポートを作成することは、経時的に1つ又は複数の疾病についての複数の結果の傾向を示すチャートを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、前記データベースにアクセスして前記データベースに記憶された複数のデータセットを閲覧又は照会するためのインターフェースを前記エンドユーザに提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、エンドユーザデバイスの表示インターフェース上に前記データセットの少なくとも一部を表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、前記エンドユーザがエンドユーザデバイスの表図形態の表示上で前記リポートを操作できるようにすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、1つ又は複数の検査結果を取得した日と、前記1つ又は複数の検査結果のそれぞれのタイプと、前記1つ又は複数の検査結果を提供する1つ又は複数の検査機器のそれぞれの場所とに基づいて前記データセットを表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記リポートを前記エンドユーザに提供することは、前記リポートを前記エンドユーザに送信するための定期的にスケジュールされた頻度を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
データセットを記憶するデータベースであって、前記データセットは、検査機器によって前記データベースに転送され、前記データセットは、前記検査機器によって分析される標本内の疾病関連分析物又は感染性病原体の存在に基づいた検査結果を含む、データベースと、
指示を記憶するメモリと、
プロセッサと、を含むシステムであって、
前記プロセッサは、前記指示を実行し、前記システムに、
前記データセットを前記データベースから検索することと、
複数の検査機器のうちの1つ又は複数からのデータを含むデータベース情報に基づいて前記データセットの図表現を生成することと、
前記データセットと前記図表現とに基づいてリポートを生成することと、
前記リポートをエンドユーザに提供することであって、前記リポートは、前記図表現を含み、ユーザ選択の時間頻度で前記エンドユーザに提供されることと、
を行わせるように構成され、
前記データセットは、前記データセットの所有者識別を含み、前記リポートを前記エンドユーザに提供するために、前記システムは、指定された所有者の前記所有者識別に基づいて、前記エンドユーザが複数の指定されたユーザのうちの1人であることを確認するように更に構成される、システム。
【請求項12】
前記データセットを前記データベースから検索するために、前記システムは、前記複数の検査機器のうちの1つ又は複数からの新たに転送されたデータセットについて前記データベースを照会するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記データセットを前記データベースから検索するために、前記システムは、所定の頻度で前記データベースを照会し、感染性疾病の流行の間に前記所定の頻度を上げるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記データセットの図表現を生成するために、前記システムは、前記検査機器の場所に基づいて陽性の検査結果の割合を求めるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記データベースは、前記データセットの所有者識別に基づいて前記検査機器からの前記データセットを記憶するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
指定されたエンドユーザによって選択されるスケジュールに従って、前記データセットの所有者識別に基づいて、前記リポートを前記指定されたエンドユーザに提供するように更に構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記データセットに基づいて前記リポートを生成するために、前記システムは、前記データセットの特徴を選択し、前記リポートを、指定されたエンドユーザに提供するように更に構成され、前記特徴は、前記エンドユーザによって提供される、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記データセットと前記図表現とに基づいて前記リポートを生成するために、前記システムは、エンドユーザの要求に基づいて、カスタムリポートにおいて、第1の検査機器からの第1のデータセットの第1の部分を、第2の検査機器からの第2のデータセットの第2の部分と組み合わせるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、前記エンドユーザについての表示画面に前記データセットの前記図表現を生成するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年3月20日に出願された米国仮特許出願第61/968,160号の利益を主張するものであり、この仮特許出願は参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、臨床検査、監視、データ分析、及び医療機関への報告のネットワーク化されたシステムに関する。本明細書に記載されるシステムは、現在の臨床検査データを含むデータベースを生成し、関わる機関及びエージェンシーに適時に報告するプロセスを自動化する。
【背景技術】
【0003】
背景
臨床検査は、核酸配列(ゲノム配列データ)及びプロテオミクスを含む病原体構造の特定の爆発的増大によって大きく促進された急速に成長しつつある医学分野である。配列知識のこの急速な増大には、検出技法、特に、タンパク質の検出並びに核酸検出のための核酸の増幅及び検出のための免疫組織化学の大きな進歩が結びついてきた。これらの改善された検出方法から十分な恩益を受けるためには、可能な場合は常に、様々な検査方法を自動化することが極めて重要である。そのような自動化は、面倒な作業及び高レベルの人員の必要性を低減し、ヒューマンエラーの導入を低減する。
【0004】
臨床検査テストの数及びそのようなテストを受ける患者数が増大するにつれて、結果データを収集し記憶する作業は、重要性及び困難性を増大させてきた。現在及び後に使用するために、データを記憶する必要があるのみならず、データは当事者により容易にアクセス可能であり、操作が容易である必要もある。
【0005】
米国疾病対策センター(CDC)によって説明されるように、電子検査報告(ELR)とは、電子カルテ(EHR)システム又はラボラトリー情報管理システム(LIMS)を通して、商用、公衆衛生、病院、及び他の検査所から州及び地方の公衆衛生部門への検査所関連データの自動送信である。ELRは、確認テストによって特定される要報告状況の識別を助け、州又は地方レベルでの事例報告をサポートする。ELRは、検査所提供者によって使用されて、提供者が特定疾患の事例を保健所に報告することを義務付ける州の要報告疾病法に準拠するのに役立つ。ELRは、州及び地方の保健所への事例報告の適時性及び正確性並びに確認の改善を助けることにより、全体的な公衆衛生監視をサポートする。ELRは、CDCがある州によって自発的に共有される届出疾患データの適時性及び正確性を改善することにより、国の公衆衛生監視をサポートもする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、臨床検査データを収集し、維持し、送信できるようにする手段の必要性が大きい。より重要なのは、これらのデータの安全性及び機密性を保つ必要性である。好ましくは、これらの作業で必要な人的介入及び保守は最小である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
関連技術及びそれに関連する制限の上記例は、排他ではなく例示であることが意図される。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図面を調べた上で、当業者に明らかになる。
【0008】
一態様では、準リアルタイムでの疾病監視が可能な疾病監視システム(disease surveillance system)が提供される。一実施形態では、本システムは、検査機器と、ルータと、第1のサーバとを含み、これらは集合的に、1つ又は複数の臨床検査検定を実行し、その結果を送信する。別の実施形態では、本システムは、第2のサーバを更に含む。一実施形態では、検査機器は、テスト検定(test assay)と対話して(interact)、検査テストを実行する検出器と、検査機器内、例えば、機器のハードドライブ及び/又はリムーバブル記憶デバイスに記憶することができる結果又はデータセットを生成するソフトウェアとを有する。ルータは、結果又はデータセットを検査機器から第1のサーバに送信し、第1のサーバは、複数のデータセットを記憶するように構成された第1のデータベースを収容する。一実施形態では、第1のサーバは、検査機器の地理的場所から離れた地理的場所にある。別の実施形態では、データセットは、セルラ信号を介して、又はインターネット接続を通して、ルータから第1のサーバに送信される。
【0009】
本システムが第2のサーバを含む実施形態では、次に、データセットは第2のサーバに送信され、第2のサーバは、複数のデータセットを記憶するように構成された第2のデータベースを収容する。一実施形態では、第2のサーバは、第1のサーバ及び/又は検査機器の地理的場所から離れた地理的場所にある。
【0010】
一実施形態では、第2のサーバは、前回の照会以来の1つ又は複数の新しいデータセットの存在に関して第1のサーバに照会し、第2のサーバへの1つ又は複数の新しいデータセットの転送を開始するアプリケーションを含む。
【0011】
一実施形態では、第2のサーバは、検査監視リポートを生成するアプリケーションを含み、検査監視リポートは、第3のサーバ又はエンドユーザワークステーションに収容される顧客報告データベースに送信される。エンドユーザワークステーションは、例えば、保健所の疾病監視システムの部分であり得る。第3のサーバは、例えば、第1のサーバ、第2のサーバ、及び/又はエンドユーザワークステーションから離れた地理的場所にあり得る。
【0012】
一実施形態では、検査機器は、検査検定を実行し、検定からの結果と、患者識別子、検査機器識別子、検査機器識別子の所有者、検査機器の地理的場所の識別子等の検査検定関連データ要素とを含むデータセットを生成する。別の実施形態では、データセットは暗号化され、ルータに送信される。別の実施形態では、患者識別子データ要素はマスキングされるか、又は削除されて、規制に準拠するために非特定化されたデータセットを提供し、1つの検査検定又はデータセット内の結果に関連付けられた患者を非特定化する。一実施形態では、検査機器の地理的場所の識別子は、郵便番号である。別の実施形態では、検定関連データ要素は、患者の住宅の郵便番号及び/又は検査機器の場所の郵便番号である。
【0013】
一実施形態では、検査機器は、臨床検査テスト検定を実行し、検定の結果を分析し、例えば、ルータ、サーバ、又はコンピュータシステムに保存し、及び/又は送信することができるデジタル信号に結果を変換することが可能な任意の装置である。一実施形態では、臨床検査検定は、免疫組織化学検定である。別の実施形態では、検定は、例えば、ポリマー連鎖反応(PCR)又は例えば染料又は蛍光標識が検出される、ヘリカーゼ依存性増幅等の等温増幅を使用する増幅検定である。
【0014】
別の態様では、臨床検査テストが実行され、結果がエンドユーザに送信されるプロセスが提供される。
【0015】
更に別の態様では、疾病監視システムが提供され、本システムは、検査検定と対話する検出器を含む検査機器を含む。検査機器は、(i)検査検定に複数の値を自動的に関連付けて、データセットを生成することであって、データセットは、検査機器のメモリ内に記憶され、複数の値は、患者識別子、検査機器識別子、検査機器識別子の所有者、及び検査機器の地理的場所のうちの1つ又は複数に関連する、生成することと、(ii)ルータを介してデータセットを第1のサーバに送信して、第1のサーバに記憶することとを実行するように構成される。本システム内のサーバは、データセットに基づいて検査リポートを生成し、データベースサーバ又はエンドユーザワークステーションに収容されるデータベースに送信する。
【0016】
一実施形態では、ルータは、データセットを暗号化するアプリケーションを含む。別の実施形態では、ルータは、データセットを検査機器から受信し、次に、データセットを第1のサーバに送信する。
【0017】
別の実施形態では、第1のサーバは、検査機器によって生成される複数のデータセットを記憶するように設計された第1のデータベースを含む。
【0018】
更に別の実施形態では、エンドユーザワークステーションは、エンドユーザワークステーションがデータベースを照会できるようにするアプリケーションを含む。
【0019】
一実施形態では、本システムは、第1のサーバによって送信されるデータセットを受信する第2のサーバを更に含み、第2のサーバは、検査機器によって生成された複数のデータセットで構成される第2のデータベースを含む。
【0020】
更に別の実施形態では、エンドユーザワークステーションは、エンドユーザが第2のデータベースを照会できるようにするアプリケーションを含む。別の実施形態では、エンドユーザは、インターネットブラウザを介して第1又は第2のサーバ上のデータセットにアクセスすることができる。
【0021】
更に別の実施形態では、第2のサーバ及び/又は第1のサーバは、検査リポートをエンドユーザコンピュータに送信する報告アプリケーションを含み、検査リポートは複数のデータセットを含み、エンドユーザコンピュータは、検査リポートを受信するように構成されたデータベースを含むか、又はエンドユーザコンピュータは、ブラウザアプリケーション等のインターネットツールを使用して検査リポートにアクセスできるようにする。
【0022】
別の実施形態では、本システムは複数の検査機器を含む。
【0023】
別の態様では、疾病監視システムが提供される。本システムは、a)患者標本を受信するテスト検定と対話する検出器、及び検出器がテスト検定と対話して、データセットを生成する際に、検出器によって検出される結果を分析し記憶するソフトウェアをそれぞれ含む1つ又は複数の検査機器であって、データセットは、少なくとも検査機器所有者識別子、検査機器識別子、及びテスト検定結果を含む複数の検定関連データ要素を含む、1つ又は複数の検査機器と、b)1つ又は複数の検査機器から受信される第1の複数のデータセットを記憶する第1のデータベースを含む第1のサーバであって、データセットのそれぞれについて、第1の複数のデータセットのそれぞれは、第1のデータベースに保存され、一意の識別子が第1の複数のデータセットのそれぞれに割り当てられて、第2の複数のデータセットを生成する、第1のサーバとを含む。
【0024】
一実施形態では、本システムは、第2の複数のデータセットを記憶する第2のデータベースを含む第2のサーバを更に含み、第2のサーバは、複数の検定関連データ内の検定関連データ要素に固有の複数の検査情報クエリを生成するように構成されるクエリ生成プログラムを含み、クエリ生成プログラムは、複数の検査情報クエリに基づいて、1つ又は複数の検査検定関連データ要素を含む検査リポートを生成する。
【0025】
一実施形態では、本システムは、1つ又は複数のルータを更に含み、データセットのそれぞれは、1つ又は複数の検査機器から1つ又は複数のルータに送信され、次に、第1のサーバに送信される。
【0026】
別の実施形態では、本システムは、ラボラトリー情報システム(LIS)を記憶するワークステーションを更に含み、ワークステーションは、ローカルエリアネットワークを介して1つ又は複数の検査機器のうちの1つ又は複数に接続される。
【0027】
更に別の実施形態では、複数の検査検定関連データ要素は、患者又は検査機器の場所の現住所又は郵便番号、患者の年齢、及び/又は患者の性別を含む。更に別の実施形態では、検査リポートは、患者の現住所又は郵便番号に基づいて、地図の形態で生成される。
【0028】
別の実施形態では、感染性病原体に関連する検査情報を含むデータセットを生成し報告する方法が提供される。本方法は、a)臨床検査検定に関する情報及び患者の識別データを検査機器に入力することであって、検査機器は、テスト検定と対話する検出器を含む、入力することと、b)検査機器で、患者からの標本を用いてテスト検定を実行して、検定テスト結果を取得することと、c)検査機器を用いて、検定テスト結果を患者識別データと組み合わせて記憶して、データセットを生成することと、d)データセットを検査機器からルータに送信することと、e)データセットをルータから第1のサーバに送信することであって、第1のサーバは、複数のデータセットを記憶するように構成される第1のデータベースを含む、送信することとを含む。データセットは、第1のデータベースに追加され、サーバ、エンドユーザワークステーション、又はエンドユーザサーバは、第1のデータベース内の新しいデータセットの存在について、第1のサーバに照会し、存在する場合、新しいデータセットのエンドユーザワークステーション又はエンドユーザサーバへの送信を開始するアプリケーションを含む。
【0029】
一実施形態では、本方法は、f)データセットをルータから第2のサーバに送信することを更に含み、第2のサーバは、複数のデータセットを記憶するように構成される第2のデータベースを含み、データセットは第2のデータベースに追加され、第2のサーバは、検査機器所有者識別子に固有の複数の検査情報クエリを生成するように構成されるクエリ生成プログラムを含み、クエリ生成プログラムは、複数の検査情報クエリに基づいて、1つ又は複数の検査検定関連データ要素を含む検査リポートを生成する。
【0030】
別の実施形態では、本方法は、データセットを検査機器からルータに送信する前に、データセットを暗号化することを更に含む。
【0031】
別の実施形態では、患者の識別データは、患者に一意の識別子を含み、データセットは、ルータに送信される前に、アプリケーションによって処理されて、患者に一意の識別子をデータセットから除去する。
【0032】
別の実施形態では、本方法は、第1のデータベース又は第2のデータベースから自動報告データセットを生成することと、自動報告データセットをエンドユーザワークステーションがある健康情報データベースに送信することとを更に含む。
【0033】
本システム及び本方法の追加の実施形態は、以下の説明、図面、例、及び特許請求の範囲から明らかになる。上記説明及び以下の説明から理解することができるように、本明細書に記載されるありとあらゆる特徴及びそのような特徴のうちの2つ以上のありとあらゆる組合せは、そのような組合せに含まれる特徴が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。さらに、任意の特徴又は特徴の組合せは特に、本発明の任意の実施形態から除外し得る。本発明の追加の態様及び利点は、特に添付の例及び図面と併せて考慮される場合、以下の説明及び特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示によるシステムのブロック図である。
図2】幾つかの検査機器がルータに接続される、本開示によるシステムのブロック図である。
図3】幾つかの検査機器がルータ及びLISに接続される、本開示によるシステムのブロック図である。
図4A】検査機器の実施形態を示す。
図4B】検査機器の実施形態を示す。
図5】検定テストストリップの実施形態を示す。
図6】サーバ上のデータベースとの対話の実施形態を示す。
図7】サーバ上のデータベースから生成される出力の実施形態を示す。
図8A】サーバ上のデータベースから生成される出力の実施形態を示す。
図8B】サーバ上のデータベースから生成される出力の実施形態を示す。
図9】サーバ上のデータベースから生成される出力の実施形態を示す。
図10】臨床検査機器によって生成されるデータを取得し、記憶し、報告する方法ステップの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
これより、様々な態様についてより十分に以下説明する。しかし、そのような態様は、多くの異なる形態で実施し得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、より正確に言えば、これらの実施形態は、本開示が完璧で完全であり、その範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0036】
I.定義
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により別段のことが明らかに示される場合を除き、複数形を含む。したがって、例えば、「コンピュータ(a computer)」への言及は、1台のコンピュータ及び同じ又は異なる2台以上のコンピュータを含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、任意の項目が「及び」又は「又は」という用語で分けられた一連の項目に先行する「少なくとも1つ」という語句は、リストの各メンバ(すなわち、各項目)ではなくむしろ、リストを全体として修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、列挙された各項目のうちの少なくとも1つの選択を要求せず、むしろ、この語句により、項目のうちの何れか1つ、項目のうちの任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目のうちのそれぞれの少なくとも1つを含む意味が可能である。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という語句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組合せ、及び/又はA、B、及びCのそれぞれの少なくとも1つを指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「データ」は、総称的に使用され、限定ではなく、コンピュータによる処理に適する形態の情報を含む。別段のことが記される場合を除き、「データ」は、データソース(以下に定義されるような)に含まれるか、又は含まれることが可能な情報(オペレーショナル及びレガシーを含む)である。例えば、「データ」は、限定ではなく、身長、体重、性別、及び年齢等の個々の患者の情報、所有者及びシリアルナンバー等の検査機器情報、並びにテストのロット番号及び時間等の検査テストデータを含む。「データセット」とはデータの集まりであり、データセット内の個々のデータは全て、1つの検査テストから生じたものである。
【0039】
本明細書で使用される場合、「検査機器」は、被験者から得られる標本に対して検査テストを実行し、結果を分析し、コンピュータによる処理に適するデータに結果を変換することができる任意の装置又はデバイスである。検査機器は、限定ではなく、陽性又は陰性として結果を示す機器又は結果を定量化して、定量値を結果に提供する機器を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「データベース」は、総称的に使用され、限定ではなく、データを提供し、及び/又は記憶するデータベース及び/又はソフトウェアアプリケーションを含む。例えば、「データベース」は、臨床検査テスト、検査機器、現場、研究、患者、又は臨床検査業界に関する任意の他のエンティティに関する情報を含む。
【0041】
II.疾病監視システム
本開示は、人々の間での疾病の発生及び拡散に関する情報を検出し、記録し、報告する方法及びシステムを提供する。対象となる人又は機関による情報への効率的で有用且つ管理されたアクセスを実行する手段も提供される。
【0042】
図1は、疾病監視システム5の実施形態を示し、このシステムは、少なくとも1つの検査機器10、ルータ20、第1のリモートサーバ30、第2のリモートサーバ40、及びエンドユーザデバイス50を含む。検査機器10は、より詳細に後述するように、検査テストストリップ又はデバイスを読み取り、結果を分析し、結果の少なくとも部分を暗号化し、結果をルータ20に送信するように機能する。データの検査機器10からルータ20への送信は、好ましくは、物理的接続(例えば、ワイヤ又はケーブル)を通して行われるが、任意選択的に、ワイヤレス接続を介して行うこともできる。データは、セルラ接続を通してルータ20から第1のリモートサーバ30に転送される。幾つかの実施形態では、データは、インターネット接続(例えば、Ethernet又は光ファイバケーブル)を通してルータ20から第1のリモートサーバ30に送信される。送信は、SSL TCP/IPを介して安全である。第2のリモートサーバ40に配置されるアプリケーションは、第1のリモートサーバ30に一時的に記憶されるデータを検索するようにプログラムされる。アプリケーションは、新しい、すなわち、アプリケーションによってまだ検索されたことがないデータのみを識別し、検索するようにプログラムすることができる。
【0043】
検査機器10を使用して生成され、第2のリモートサーバ40に送信されたデータは、第2のリモートサーバ40のデータベースに記憶され、このデータベースは、検査機器10の所有者によって決定される当事者にアクセスが制限される。第2のリモートサーバ40上のデータベースは、報告データセットを生成するために、リモートユーザによる照会が可能であるように構成される。第2のリモートサーバ40は、データリポートを生成し、エンドユーザデバイスに送信するようにプログラムされたアプリケーションを収容することもできる。データリポートは、1つ又は複数の検査機器10によって生成されるデータセットの所有者又はブラウザアプリケーションを有するワークステーション等のエンドユーザデバイスのユーザ55及び/又は管理者によって設定される仕様に従ってデータを含むリポートである。エンドユーザデバイス50は、エンドユーザデバイス40からのクエリなしで、第2のリモートサーバ40から送信されるデータを受信することができるアプリケーションを含み得る。この実施形態では、第2のリモートサーバ40のアプリケーションは、エンドユーザデバイス50のユーザ又は管理者によって設定される仕様(データタイプ、送信頻度)に従って、エンドユーザデバイス50にデータを送信するようにプログラムされる。エンドユーザデバイス50は、第2のリモートサーバ40に記憶されたデータを照会することができるか、又は第2のリモートサーバ40のデータベースから得られたデータを受信し、記憶することができるデータベースを収容することができるアプリケーションを実行するように構成される任意のデバイスを含む。リモートサーバ40のアプリケーションは、データリポートを生成し、データリポート内のデータの所有者によって決定されるような複数のエンドユーザデバイスにデータリポートを送信することができる。別の実施形態では、エンドユーザは、インターネットブラウザを介して第1又は第2のサーバ上のデータセットにアクセスすることができる。
【0044】
上述したような疾病監視システムは、1つ又は複数の検査機器の接続及び管理を可能にするように設計される。例えば、後述する等の数十、数百、数千、数万、又はそれ以上の検査機器がそれぞれ、1つ又は複数のルータを介して第1のリモートサーバに接続される。各検査機器は、検査検定を実行し分析するように設計され、患者標本が検査機器に導入された後に生じる検査機器と人との対話は、あったとしても極わずかである。検査機器は、ルータが新しいデータセットを第1のリモートサーバに送信可能である限り、国内又は世界中の任意の場所に配置し得る。
【0045】
上記及びここに記載される疾病監視システムは、代替の構成を含むことができる。一実施形態では、図2に示されるように、監視システム100は、それぞれが有線接続105a、105b、105c、105dによりハブ又はスイッチ110に接続される1つ又は複数の検査機器(例えば、100a、100b、100c、100d)を含む。各検査機器100a~100bとハブ又はスイッチ110との接続は、ケーブル接続又はワイヤレス接続であることができる。次に、ケーブルは、ワイヤ115によってハブ又はスイッチ110を1つのルータ120に接続する。次に、ルータ120は、セルラ又はケーブル/インターネット接続により第1のリモートサーバ130に接続される。
【0046】
別の構成のネットワーク化システム135は、ラボラトリー情報管理システム(LIMS)を収容するワークステーションを含む。図3に示されるように、例えば、臨床検査所内の1つ又は複数の検査機器140a、140b、140cはそれぞれ、ワイヤ145a、145b、145cによりハブ又はスイッチ150に接続される。次に、ハブ又はスイッチ150は、LIMSを収容することができるパーソナルコンピュータ又はワークステーション170に接続される。ハブ又はスイッチ150は、ケーブル162によりルータ160に接続することもできる。ルータ160は、セルラ接続又はケーブル/インターネット接続により第1のリモートサーバ180に接続される。
【0047】
図2及び図3に示される実施形態は、ニーズに従って変更可能な例示的な実施形態である。1つ又は2つ以上の検査機器をスイッチに接続することができる。スイッチとして示される装置は、ハブであることもできる。検査機器とスイッチ又はハブとの接続は、Ethernetケーブル等の有線接続であり得る。スイッチ又はハブとルータとの接続は、任意の適切な有線接続であり得る。
【0048】
システムが、ラボラトリー情報システム(LIS)を有するワークステーションを含むように構成される場合、各検査機器とワークステーションとの間及び各検査機器とルータとの間に接続がある。幾つかの実施形態では、図3に示されるように、ルータをLISに直接接続するワイヤ又はケーブルがある。そのような実施形態では、ルータとLISワークステーションとの間に直接接続がない(ルータ及びLISワークステーションに接続されるワイヤがない)ことがある。図3は、LISワークステーションに直接接続される。この直接接続は任意選択的なものである。ルータ160は、セルラ信号を介して第1のリモートサーバに接続される。代替の実施形態では、LISは、Ehternetケーブル又は光ファイバケーブル等の有線インターネットケーブルを介して、図3の第1のリモートサーバ180等の第1のリモートサーバに接続される。
【0049】
検査機器を互いに、LISに、及び/又はルータに接続するために、様々な接続手段が使用可能なことを当業者は理解する。代替の実施形態では、スイッチ又はハブとLISとの間及びスイッチ又はハブとルータとの間に接続がある。例として、ある臨床検査所は、8つの検査機器を有し得、各検査機器は独自の検査テストを実行することが可能であり、8つ全ての検査機器は、1つのルータに接続される。第2の臨床検査所は、ある部屋内で第1のルータに接続された5つの検査機器と、第2の部屋内で第2のルータに接続された7つの検査機器とを有し得る。第1及び第2のルータはそれぞれ、セルラ信号を介して第1のリモートサーバに接続し、第1のリモートサーバに、第1及び第2の部屋内の12の全ての検査機器からのデータ及び情報が記憶される。第1のリモートサーバへの全てのルータの互換性を仮定して、第1及び第2の臨床検査所は、例えば、異なる町、異なる州、又は異なる国に配置し得る。第1のリモートサーバに保存されたデータは、次に、第2のリモートサーバに転送される。例えば、異なる町、州、又は国に配置し得る、コンピュータ、ワークステーション、又はハンドヘルドデバイス等の1つ又は複数のデバイスは、許可付与ユーザに基づいて、第2のリモートサーバにアクセスして、そこに保持されたデータを照会又は閲覧することが可能である。
【0050】
本明細書に記載されるシステムは、部分的に、検査機器によって生成された結果のルータ、第1のリモートサーバ、次に第2のリモートサーバへの送信を自動化しセキュア化できるように設計される。1つの検査検定からの各結果には、患者、検査機器、及び検査機器の所有者に関連する複数の値が自動的に関連付けられて、データセットを生成し、次に、データセットは検査機器のメモリ内に記憶される。例えば、1つの検査検定からの陽性結果は、機器識別番号及び検査所の所属等の機器データと、患者の年齢及び住宅の場所等の患者情報とに関連付けて保存される。このようにして、例えば、1つの検査検定からの各結果を患者に関連する複数の値に自動的に関連付けることにより、検査機器の機能が改善される。例示的で非限定的な例として、そのような改善は、メモリ使用の低減及び検査機器によるより高速の処理を挙げることができる。これらの改善例が、検査機器に限定されず、検査機器に関連付けられた他の構成要素(例えば、サーバ、ルータ、エンドユーザコンピュータ等)で生じることも可能なことを理解されたい。次に、各データセットは、ルータを介して第1のリモートサーバに送信される。各データセットが送信される前、データは、検査機器内のプログラムを使用して暗号化される。さらに、検査機器の管理者及び/又はユーザは、例えば、患者識別番号を省くか、又はマスキングしたデータセットを送信用に生成するように、検査機器をプログラムし得る。
【0051】
図1(10)及び図2(100a~d、130、及び170)に示される等の検査機器は、本明細書に記載される任意のネットワーク化システムで使用し得、少なくとも、1)キーボード、キーパッド、又はバーコードリーダ等のユーザインターフェースを介してオペレータ又はユーザによって入力されるデータを受け入れることができ、2)標本が存在する場合、検査テストを実行するテストストリップを受け入れることができ、3)テストストリップが存在する場合、光信号を生成し検出し、メモリデバイスに記憶し、分析することができるデジタルデータに光学データを変換する光学リーダ等の検出器であることができ、4)デジタルデータを処理して、結果を生成することができるソフトウェアを有するプロセッサであることができ、4)テストストリップの使用及び分析を通して生成されるデータ及び/又は結果を外部記憶デバイス又はサーバに送信することができる出力機構であることができる任意の検査機器を含む。そのような検査機器は当分野で周知であり、それぞれ、疾病関連分析物又は感染性病原体の存在を検出するように構成された特定の化学検定を分析するように設計される。本開示では、検査機器は、テストストリップが機器に導入されたときから、データがオペレータ又は他のユーザによってアクセスされるまで、オペレータの活動を必要としない。
【0052】
本明細書に記載されるネットワーク化監視システムと併用される検査機器の例示的な実施形態は、米国特許出願公開第2013/0230845号に詳細に開示されており、この内容は全体的に、参照により本明細書に援用される。
【0053】
テストデバイスによって生成された信号を検出可能な装置の実施形態を図4A及び図4Bに示す。検査機器300は、光学系と、電子ソフトウェアと、検査機器の他の構成要素とを囲む筐体312を含む。検査機器の前側314はユーザインターフェース316を含み、ユーザインターフェース316は、例えば、キーパッド318及び表示画面320を含み得る。キーパッドは、数値の入力用の数値キーを含み、キーパッドは、アルファベットの文字、小数点、バックスペースキー、及びエンドユーザが望む他のキーのラベルを付けることもできる。キーパッドの一部又は検査機器上の他のどこかに位置する別個のキーとして、デバイスは、テスト結果をプリントするキー、プリンタ用紙を進めるキー、デバイスのドロワーを開閉するキー、方向矢印キー、及びユーザが装置と対話し、指示するためのソフト又は選択キーを含み得る。表示画面320でユーザが見えるのは、テスト結果、エラーメッセージ、指示、較正情報、トラブルシューティング情報、ユーザ情報等である。
【0054】
検査機器300の後部パネルの実施形態が、図4Bに示され、AC電源322を受けるポートと、オン/オフトグルスイッチ324とを含むことができ、オン/オフトグルスイッチ324は、この実施形態では、ソフトウェアをアクティブ化するソフトキーである。検査機器は、後部パネル又は装置の他の場所に、任意選択的な構成要素を接続し、及び/又は外部機器とインターフェースするポートを更に提供する。例えば、検査機器は、例えば、外部バーコードリーダとインターフェースするPS2コネクタ、ローカルエリアネットワーク又はEthernetに接続するRJ-45ポート(例えば、図4Bのポート330)、リムーバブルメモリカードポート又はスロット、及び/又はUSBポートを含み得る。好ましい実施形態では、検査機器は、SDカード等のリムーバブル不揮発性フラッシュメモリカードを挿入するスロット又はポート326を含み、検査機器は、SDカードに対して読み書き動作が可能であり、それにより、例えば、各テストストリップからの全てのスキャンデータを記憶し、又はシステムソフトウェアを更新する。
【0055】
検査機器には、任意選択的な外部デバイスに取り付けるためのポートが備えられ、一実施形態では、検査機器は、外付けバーコードスキャナに接続される。バーコードスキャナは、検査機器に提供される適切なデータポートを介して、装置とインターフェースする。外部デバイスは、データの装置への転送及び装置からの転送を容易にし、ユーザのキーボード入力をなくすことができ、分析すべきテスト又は患者情報若しくは標本情報に関して装置への正確なデータ入力を可能にする。一実施形態では、外付けバーコードスキャナは、装置のPS-2ポートを介して取り付け可能であり、線形又は1Dバーコードを読み取ることが可能である。
【0056】
検査機器300のハードウェア構成要素は、IC間バス(I2Cバスとしても知られ、この構成要素は電子構成要素間の通信に役立つ)、シリアルインターフェースバス(SPIバス)、電池、電子デバイス、任意選択的な内部バーコードリーダ、及びSDカードを更に含む。
【0057】
検査機器300は、検査テスト並びに品質コントロール(QC)テスト及び較正検定を実行することができる。
【0058】
本明細書に記載されるシステムは、様々な検査機器を使用して生成されるデータの伝送、記録、及び報告に有用である。ここで記載されるシステムで有用な検査機器は、検定の結果が単純に陽性又は陰性であるか、それともより定量的な尺度で測定されるかに関係なく、分析検定の結果を読み取ることが可能である。そのような検査機器の例としては、限定ではなく、免疫学的検定及びPCRを実行する機器が挙げられる。検査機器は、患者標本又はコントロール標本を含むテストストリップの結果を読み取り、テストストリップが陽性結果を表すか、それとも陰性結果を表すかの自動判断を提供することができる任意の機器であり得る。一実施形態では、検査機器は、1~10又は1~100のスケール上の数等の定量的テスト結果を提供する機器である。検査機器は、例えば、インターネット、ワイヤレス信号、セルラ信号等を介して伝送することができるデジタル信号に検定テスト結果を変換することができる機器である。
【0059】
一実施形態では、検査機器は、側方フローテストストリップと併用されるように設計され、検査機器は、側方フローリーダ機能を実施する。例示的な側方フロー免疫学的検定テストストリップは、米国特許出願公開第2013/0230844号(例えば、段落[0078~0085]及び図8図10を参照のこと。この内容は全体的に、参照により本明細書に援用される)に記載されている。図5を参照して、検査機器と対話するテストストリップの実施形態を示す。テストストリップは、以下の図面では側方フローテスト免疫学的検定によって例示されるが、側方フロー免疫学的検定が、本装置との対話に適するテストストリップの例示であることが理解される。テストストリップ400は順に、標本パッド402、標識パッド404、まとめて406で示され、テストラインから選択される1つ又は複数のライン、コントロールライン及び基準ライン、並びに吸収パッド408で構成される。一実施形態では、支持部材410が提供され、標本パッド、標識パッド、ライン、及び吸収パッドのそれぞれ又は幾つかは、支持部材上に配置される。テストストリップは、図5に示される実施形態では、インフルエンザ抗原(例えば、抗インフルエンザA型抗体を含むテストライン)である最も下流の分析物固有のテストラインの下流縁部と、吸収パッド408の上流縁部との間の領域を含み、図5ではPCZとして示される手順的コントロールゾーンである。
【0060】
一実施形態では、テストストリップは、カセットと呼ばれることもある筐体に囲まれる。バーコードラベルが、筐体と、検査機器内に位置決めされる内部バーコードスキャナと対話する位置とに固定することができる。一実施形態では、バーコードラベルは、例えば、テストストリップのスキャンにメモリ内のどのプロトコールを開始するかを検査機器に通知する、テストストリップが検出するように設計される病原体/分析物(例えば、インフルエンザA/B、連鎖球菌A、RSV等)、一意のテストシリアルナンバー等の検定テストストリップに関する情報を符号化した2Dバーコードであり、それにより、検査機器は同じテストストリップを2度読み取ることがない。一実施形態では、バーコードに含まれる情報は、患者又は標本タイプに関連する情報を含まず、テストストリップについての情報に限定される。
【0061】
上述したように、ここで開示されるシステムは、必要とされる人的対話が最小の状態で、検査データの効率的な記録、記憶、検索、及び報告を行うように設計される。一実施形態では、ユーザは、標本を提供し、標本を、例えばテストストリップに適用しなければならない。標本を有するテストストリップが検査機器内に配置され、患者及びテストストリップに関する情報が機器に入力されると、検査テスト結果が第2のリモートサーバのデータベース内に保存されるか、又はエンドユーザに報告される前に必要な更なるユーザ活動はない。
【0062】
テストデバイスのスキャンを開始するために、検査機器は、必要な場合に電源投入され、検査機器のソフトウェアを開始するトグルスイッチがアクティブ化される。標本を有するテストストリップを検査機器に挿入する前に、任意選択的な外部バーコードリーダを使用して、ユーザ、標本、患者等についての情報をスキャンし、検査デバイスのメモリに入力することができる。検査機器又はタッチスクリーン上の「テスト開始」ボタンが押下されて、テストストリップの測定を開始する。検査機器は、装置のドロワーを自動的に開いて、標本が付与されたテストデバイスを受け取る。標本が装填されたテストデバイスは、検査デバイスのドロワー内に挿入され、ドロワーは閉じられる。
【0063】
ドロワーを閉じると、以下で構成されるイベントシーケンスが開始される。内部バーコードリーダは、テストデバイス上のバーコードをスキャンし、検定タイプ(例えば、インフルエンザA/B、連鎖球菌A、RSV等)、テストデバイスのシリアルナンバー及び使用期限、検定タイプの光学遮断情報、及びテストデバイスに固定されたバーコードに含まれる任意の他の情報に関する情報を受信する。バーコードラベル上の情報は、ユーザがキーパッドを使用して、又は外付けバーコードスキャナを介して装置に入力することができるため、内部バーコードリーダが任意選択的な特徴であることが理解される。
【0064】
検査機器に電源が入れられた後、随時、オペレータは、テストストリップのバーコードから得られない情報を入力し得る。例えば、オペレータは、検査機器のキーパッドを使用するか、又はバーコードリーダを使用して、識別番号(オペレータID)を入力することができる。次に、デバイス機器オペレータは、標本が得られ、検査機器を使用してテストすべき患者に関する患者情報を入力することができる。患者情報は、例えば、検査機器に機能的に接続されるバーコードリーダを使用することにより入力し得、又は患者情報は、検査機器に配置されるキーパッドを使用してオペレータによって手作業で入力し得る。
【0065】
任意選択的にデバイス機器オペレータIDを入力した後、オペレータは、検定名及びタイプ、キットロット番号、カセット番号及び/又はロット番号、及び分析物名等のテストストリップに関する情報を入力する。必要とされ関連する全ての情報が検査機器に入力されたことを保証した後、患者標本を有するテストストリップは、製造業者の指示に従って検査機器に配置され、検定が開始される。検査機器は、検定の結果を分析し、結果の定量的及び/又は定質的測定を行うことが可能である。例えば、検査機器は、検査機器によって測定される特定の波長で検出可能なラインの有無のそれぞれに陽性又は陰性の値を割り当て得る。次に、結果は、デバイスのメモリ及び/又はリムーバブルSDディスク等の一時的な記憶デバイスに保存することができる。結果は、検査機器、組織及び設備、オペレータ、並びに患者に関する上述した情報とリンクされたままであるように保存される。
【0066】
バーコードラベル上の情報又は他の方法で検査機器プロセッサに提供される情報から識別されるテスト検定タイプに基づいて、検査デバイスは、テストデバイスが設計される検定及び/又はユーザ定義の選択基準に基づいて、検査デバイスのメモリに記憶されたアルゴリズムを開始する。
【0067】
検査機器内の光学系は、測定すべき化合物又は分析物の励起波長範囲の光を送るように働く機械的構成要素、電子的構成要素、及び光学的構成要素の組立体であることができる。発せられた光は、検出器によって測定され、蛍光値が機器に表示される。光源は、キセノンランプ、高圧水銀灯、キセノン水銀アーク灯、レーザ、及びLEDを含む。一実施形態では、検査機器の光学系は、紫外線発光ダイオード(UV LED)を用いて、特定の励起でテストストリップを照明し、次に、フォトダイオードを使用して、結果として生成されるユーロピウム蛍光信号を収集し、処理し、電子信号に変換し、電子信号は、アナログ/デジタルコンバータによって使用可能な分析データに変換される。
【0068】
一実施形態では、検査機器が、上述したようにテストストリップの使用を通して生成された結果を適宜読み取り、分析していることを保証するために、較正カセットが利用可能である。例示的な較正カセットが、米国特許出願公開第2013/0230844号(例えば、段落[0068~0073]を参照のこと。この内容は全体的に、参照により本明細書に援用される)に記載されている。本明細書に記載される例示的な検査機器の動作は、米国特許出願公開第2013/0230844号(例えば、「Operation of Apparatus」という見出しのセクション、段落[0088~0098]を参照のこと。この内容は全体的に、参照により本明細書に援用される)により詳細に記載されている。
【0069】
テストストリップが検査機器によって分析される都度、品質コントロール検定を検査機器により実行することができ、又は較正カセットを分析することができる。ここでも、品質コントロール検定及び/又は較正検定の結果は、機器のハードドライブ又はリムーバブルメモリデバイスに保存される。検査機器内での検定及び結果分析の完了後、検査機器に配置されるアプリケーションは、情報をルータに送信させるプログラムを開始する。検査ストリップが使用されて、患者標本を分析する場合、プログラムは、検定結果に患者及び機器情報を関連付け(以下の表1参照)、一意のデータセットを生成する。情報は、機器及び存在する場合には、SDディスク等の外付けドライブに記憶される。
【0070】
検査機器には、表1において以下に示されるフィールドのうちの1つ又は複数を含む、検査機器に関する情報が関連付けられ、及び/又は検査機器はそのような情報を生成する。各情報には、データベースに記憶するためのデータタグが関連付けられる。
【0071】
【表1】
【0072】
検査テストの実行に使用される各検査機器には、製造時に一意のシリアルナンバーが提供される。「機器タイプ」識別子には、各検査機器も関連付けられる。検査機器が、使用のために検査所に設置されるとき、検査機器に登録日、時間ゾーン、及びファームウェア改訂番号を割り当てることができる。検査機器の設置時に、設備の名称及び住所並びに検査機器を所有するか、又は制御する組織の名称を検査機器のメモリに記憶することができる。例えば、管理者又は監督者の名前及びコンタクト情報を検査機器のメモリ内に保存することもできる。一実施形態では、情報は、機器内のハードドライブに保存される。別の実施形態では、情報は代替又は追加として、SDディスク/カード又はUSBデータ記憶デバイス等の一時的なディスクに保存される。検査機器メモリは、1つの検査テストに関連付けて保存し得る情報のタイプに関して、カスタマイズされるようにプログラムもされる。換言すれば、機器の所有者は、追加の情報を受け入れ、又は要求するように、検査デバイスをプログラムすることができ、次に、追加の情報は所有者定義フィールドに記録として保存される。
【0073】
検査機器は、各検定に一意の識別(例えば、プライマリキー)を割り当て、それにより、各検定(一意の識別子)に患者情報の幾つか又は全て並びに設備及び検査機器の識別子情報の幾つか又は全てを関連付けることができる。重要なことには、各検査検定にこの情報を関連付けて、データセットを形成することにより、データセットは、個々のデータセットの所有者又は所有者によって指定されたユーザのみが、所有者識別を含むデータセットにアクセスできるように、指定されたユーザのみがアクセス可能であるようにすることができる。
【0074】
好ましい実施形態では、検査機器は、テスト結果、ユーザ情報、患者情報、及び/又は機器情報を暗号化することが可能なプログラムを含む。検査機器は、患者を非特定化することができるプログラムも含む。換言すれば、患者名及び識別子番号は、マスキングするか、又は各データセットから削除することができる。所望であれば、年齢等の他の患者情報を削除するか、又はマスキングすることもできる。一実施形態では、患者年齢は年齢範囲で置換される。例えば、80才を超える患者には年齢「>80」が割り当てられ、又は50才と60才との間の患者には年齢値「50-60」が割り当てられる。
【0075】
本明細書に記載される方法に従って使用される検査機器は、ネットワークケーブルを接続し得るポートを含む。ネットワークケーブルは、検査機器とルータとの間に有線接続を提供する。代替的には、ケーブルが使用されて、検査機器をハブ又はスイッチに接続し、ハブ又はスイッチは、ルータと、ラボラトリー情報管理システムが設置されたワークステーションとの両方に有線接続できるようにする。ハブ又はスイッチの使用により、複数の検査デバイスを1つのルータに接続することもできる(例えば、図2及び図3参照)。
【0076】
検定結果が検査機器x内で得られると、結果は、検査機器のハードドライブ及び/又は外付けハードドライブ、SDカード、又はフラッシュドライブ等の外付けドライブに保存される。
【0077】
図1に示されるように、ネットワーク化監視システムはルータ20を含み、ルータ20は、検査検定が検査機器10によって実行され、分析される都度、検査機器10からデータセットを受信し、次に、ルータ20を通してこのデータセットを第1のリモートサーバ30に送信する。ルータ20は、セキュアSSL TCP/IP接続を介して検査機器からデータを受信することができる。好ましい実施形態では、情報は、Ethernetケーブル又は光ファイバケーブル等のケーブルを通して検査機器10から送信される。代替の実施形態では、情報は、ワイヤレス接続により検査機器からルータに転送される。
【0078】
ここに記載されるシステムに使用されるようなルータは、少なくとも1つ又は2つのEthernetポートを含む。第1のEthernetポートは、検査機器への接続を提供するのに使用される。ルータと機器との接続は、直接であってもよく、ハブ若しくはスイッチを通してもよく、又は他の間接的手段を通してもよい。第2のEthernetポートは、例えば、セルラモデムを通して、インターネット接続をLANに提供するのに使用することができる。
【0079】
ルータは、セルラ信号又はインターネット(有線)接続を介して第1のリモートサーバと通信することが可能である。任意の理由で、第1のリモートサーバとの接続が中断される場合、ルータは、暗号化データをバッファリングし、接続が復元されたとき、第1のリモートサーバに送信することができる。ルータは、構成可能なルーティング及び切り換え機能を含む。ルータは、世界規模のセルラワイヤレス互換性(現在、少なくとも57の国々で認定されている)を有する。
【0080】
データセットを生成するために、本明細書に記載されるように1つ又は複数の検査機器によって生成されたデータ及びテスト結果はまず、ルータに送信され、次に、ルータから第1のサーバに送信され、第1のサーバ上のフォルダ又は他の同様のディレクトリに少なくとも一時的に記憶される。一実施形態では、第1のサーバは、1つ又は複数の検査機器から離れた場所にあるが、第1のサーバがシステムの機能のためにリモートである必要があることが理解される。本明細書に記載されるシステムは、第1のリモートサーバを有するシステムの文脈の中で説明されるが、それでもなお、それが単なる例示であることを理解されたい。この第1のリモートサーバは、サーバがルータを介する接続を有するあらゆる検査機器から受信される複数のデータセットのそれぞれを記憶する。データセットは、上述したように、1つ又は複数のルータを介して得られる。したがって、結果及び関連付けられた情報は、検査テストが検査機器によって実行され分析される都度(又は1日に1回若しくは2回等の定期的にスケジュールされた頻度で、又は感染の流行が発生している場合にはより頻繁に)、ルータから第1のリモートサーバに送信される。代替の実施形態では、1つ又は複数のデータセットは、検査機器に保存され、検査機器内に配置されるアプリケーションは、スケジュールに従って実行されて、毎日、指定された時刻で第1のサーバへの1つ又は複数のデータセットの送信を開始する。
【0081】
多くのルータにより第1の(リモート)サーバに転送されるデータセットは、指定された認可ユーザしかアクセスできないセキュアディレクトリに記憶される。一実施形態では、データセットは、一時的に第1のリモートサーバに記憶され、すなわち、データセットは第1のリモートサーバに少なくとも1時間であるが、24時間未満、48時間未満、72時間未満、1週間未満、又は1ヶ月未満、記憶される。データセットは、リモートサーバのディレクトリ内の単純なフォルダに記憶することができる。第1のリモートサーバに送信されるデータセットは、例えば、検査機器の所有者に基づいて整理され、次に、個々の検査機器によって整理することができる。特定の所有者のデータセットは、異なる所有者のデータセットから分けることができる。
【0082】
第1のリモートサーバに記憶されるデータセットは続けて、エンドユーザデータベースサーバ40、エンドユーザワークステーション50、及び/又は第2のリモートサーバ(図1)に転送されて、エンドユーザ55によるアクセスを促す。続く説明は、任意選択的な第2のリモートサーバを含むシステムの文脈の中でのものであるが、エンドユーザデータベースサーバ又はエンドユーザワークステーションとの間での直接通信を好んで第2のリモートサーバがない場合でも、システムの機能が達成されることが理解される。第2のリモートサーバ(又はエンドユーザデータベース、又はエンドユーザワークステーション)は、第1のリモートサーバに接続し、第1のリモートサーバに配置される第1のデータベース内に記憶された全てのデータを調べ、第2のリモートサーバにまだ転送されていない任意のデータを識別するように、第2のリモートサーバ(又は第2のサーバがない場合には第1のサーバ)に命令するソフトウェアアプリケーションを収容する。次に、ありとあらゆる新しいデータは、第2のリモートサーバに収容されるデータベースに転送される。巡回冗長検査(CRC)が、第2のリモートサーバに保存されたデータに対して実行される。これらのデータへのアクセスは、一実施形態では、第2のリモートサーバの管理者によって特定されたユーザに制限される。別の実施形態では、複数のデータセットの所有者のみがデータセットにアクセスすることができる。第2のリモートサーバのデータベースの管理者は、全てのデータセットの全ての所有者に属するデータセットにアクセスすることが可能である。
【0083】
第2のリモートサーバに転送される全てのデータセットは、第2のリモートサーバに収容される第2のデータベース内に記憶される。個々のデータセットが、第2のリモートサーバに収容されるデータベースに保存される場合、第2のリモートサーバ上のアプリケーションが実行され、アプリケーションは、各データセットにSNOMED識別子及びLOINC識別子を割り当て、それにより、SNOMED識別子及びLOINC識別子はデータセットに関連付けられるようになる。
【0084】
第2のリモートサーバに配置されるデータベースは、セキュアであり、データベース管理者及びデータベースへのアクセスが認められたユーザのみによってアクセス可能であるように設計される。第2のリモートサーバは、複数のデータベースインスタンスを収容することができる。一実施形態では、第2のリモートサーバ上のデータベースは、1人の所有者のみに属するデータセットを受信し、記憶する。別の実施形態では、複数の第2のリモートサーバがあり、それぞれ、上述したように、ルータを介して検査機器から受信された結果を記憶するデータベースを含む。
【0085】
別の実施形態では、第2のリモートサーバ上のデータベースは、各検査テスト結果が、表1に列挙されるパラメータ(本明細書では、検定関連データ要素又は値とも呼ばれる)のうちの1つ又は複数に関連付けて記憶されるフラットファイルデータベースである。別の実施形態では、第2のリモートサーバ上のデータベースは、関係データベースである。
【0086】
第2のリモートサーバは、報告アプリケーション及びクエリアプリケーションの両方を有する。報告アプリケーションは、データセットの1人又は複数の所有者に属する個々のデータセットを含むリポートを生成し、次に、リポートを指定されたエンドユーザ装置に送信する。クエリアプリケーションは、部分的に、データベースへのアクセスを有するエンドユーザが、第2のリモートサーバ上のデータベースに記憶されたデータセットを閲覧又は照会できるようにするインターフェースを提供する。
【0087】
報告アプリケーション、例えば、スケジュールされたエージェントは、エンドユーザによって選択された特徴、検査テストを実行する臨床検査所の名称、患者の性別、及び患者の現住所に基づいてリポートを生成するようにプログラムされる。スケジュールされたエージェントは、所定及び/又は定期的にリポートを生成するようにプログラムすることができる。例えば、スケジュールされたエージェントは、毎日、08H00 UTC(協定世界時)で、指定された所有者によって所有される全ての新しいデータセットを含むリポートを送信し得る。リポートを送信するタイミングの他の選択肢は、限定ではなく、管理者により任意の日で任意の時間にリポートを手作業で送信すること又は12時間毎等の24時間間隔以外の規則正しい間隔でリポートを送信することを含む。リポート送信スケジューリングのこの柔軟性は、例えば、パンデミック又は他の認識された健康関連クライシスのときに重要であり得る。代替又は追加として、指定された所有者に所属しているユーザは、随時、全ての新しいデータのリポート生成に対する要求を送信し得る。生成されたリポートは、複数の臨床検査結果及び各検査結果に関連付けられたデータを含むことができる。生成されたリポートに含まれる情報は、情報の最終受信者によって決定することができる。例えば、州の保健所は、生成されたそのようなリポートを受信するように設計されるデータベースを有し得る。したがって、この州の保健所に送信するために第2のリモートサーバで生成されたリポートは、情報を含み、その州の保健所の要件に準拠するようにフォーマットされる。
【0088】
報告アプリケーションによって生成されたリポートは、限定ではなく、単純なテキストファイル、CSVファイル、又はPDFドキュメントを含め、様々なフォーマットを有することができる。報告アプリケーションによって生成された情報は、電子メールの本文にペーストして、情報の最終受信者に電子メール送信してもよく、又は情報を含むファイル(例えば、テキストドキュメント、CSVファイル、PDFドキュメント)を電子メールに添付し得る。一実施形態では、報告アプリケーションによって生成されたファイルは、リポートの最終受信者によって所有されるサーバにアップロードされる(例えば、ftpクライアントを介して)。代替の実施形態では、報告アプリケーションによって生成されるリポートは、最終受信者データベースによって受信することができるフォーマットのものであり得、最終受信者のサーバに収容されたアプリケーションは、リポート内のデータを最終受信者のサーバに配置されたデータベースに転送することができ、それにより、個々のデータはデータベース内の正確なフィールドに割り当てられる。
【0089】
第2のリモートサーバはクエリアプリケーションも収容し、このアプリケーションは、生成するリポートを設計するための、エンドユーザへのユーザインターフェースを提示することができる。この実施形態では、第2のリモートサーバは、リモートユーザによって実行することができるスクリプトプログラムを記憶する。リモートユーザは、リモートワークステーションからの第2のデータベースにアクセスし、照会する。一実施形態では、リモートワークステーションはウェブブラウザアプリケーションを含み、このアプリケーションは、第2のリモートサーバに配置される第2のデータベースにアクセスし、対話することができる。第2のリモートサーバは、リモートワークステーションを操作しているエンドユーザによって実行されるスクリプトプログラムを含む。例えば、コンピュータ又はワークステーションは、エンドユーザが第2のリモートサーバ上のデータベースにリモートからアクセスして照会できるようにするウェブブラウザを含み得る。
【0090】
第2のリモートサーバ上のデータベースへのアクセスに認められたエンドユーザは、エンドユーザが関連付けられた所有者によって所有されるデータセットのみについて、データベースを照会することが可能である。一実施形態では、疾病監視システム内の1つ又は複数の検査デバイスに関連付けられたデータセットへのアクセスを有するエンドユーザは、エンドユーザが従属する所有者によって生成され所有される全てのデータセットを含む第2のデータベースを照会することができる。このインターフェース及び第2のリモートサーバに収容される関連付けられたスクリプトを通して、エンドユーザは、代替のデータセットを生成し、カスタムリポートを生成し、及び/又はデータセットの表図表現を生成することができる。図6は、第2のリモートサーバ(又は第2のサーバが存在しない場合には第1のサーバ)上のデータベースにアクセスするために生成されるインターフェースの例示(アーティストによるレンダリング)を示す。インターフェースは、例えば、臨床検査検定が実行された時間、実行された検査検定のタイプ、結果のタイプ、組織名、検査機器のシリアルナンバー、及び/又は例えば、設備又は検査機器の郡、州、国、郵便番号を含め、検査機器が配置された設備に基づいて、データセットを表示することができる。データセットはまず、行列で表示し得る。そのような表示では、エンドユーザは、列及び行が表示される順序を操作することができる。各臨床検査検定結果は、LOINCコード及びSNOMEDコード、患者情報、使用された検査検定キットに関する情報、テスト現場に関する情報、並びに検査機器及び所有者に関する情報を含む結果の詳細を示すように選択し得る。
【0091】
さらに、照会されたデータはチャートとして表示し得る。例えば、データは、実行日(図7)、検査検定、結果、結果の傾向、陽性割合、又はタイプ(患者、品質コントロール、又は較正)によるテストボリュームによってチャート化し得る。各チャート表示は、数日、数週間、数ヶ月、又は数年によって結果を示すように操作することもできる。患者の結果の傾向を示すようにデータをチャート化する場合、チャートは、1つの臨床検査検定タイプ(図8A及び図8B)についての結果を示すように更に操作し得る。
【0092】
特定の実施形態では、エンドユーザは、データベースを照会して、図9に示されるように、各テスト結果の地理的場所(例えば、市内、州内、又は国内の場所)の地図を生成することができ、図9は、カナダ、米国、及びメキシコの一部を示す北米の一部の地図のアーティストによるレンダリングである。エンドユーザは、データベースを照会して、州又は県、テスト設備、機器、及び/又は患者標本がテストされた郵便番号、国等に従って、表図の形態でデータセットからのデータを提示することができる。ピン490等のピンが、エンドユーザによって見やすいようにテスト結果の視覚的インジケータを提供する。ピン又はカラーインジケータを使用して、陽性の割合並びに国、州、郡、郵便番号等による場所で実行されたテスト数を示すことができる。
【0093】
図10は、本明細書に記載される疾病監視システム(500)の一実施形態を示すフローチャートである。患者標本が、テストストリップ又は他の臨床検査検定デバイスに適用され、医療技師又は臨床アシスタント等のオペレータにより、検査機器に配置される(505)。検査検定デバイス、検査機器、検査機器の所有者、標本が採取された患者又は被験者に関する情報が、検査機器に入力される(510)。検査検定が、検査機器によって実行され(515)、検定の結果が検出されて分析され(520)、検査機器のメモリに保存され(525)、各検査検定結果に、510において入力された情報が関連付けられて、データセットを形成する。データセットは、検査機器内の暗号化アプリケーションによって暗号化される(530)。一実施形態では、患者は非特定化される。次に、検査機器内のアプリケーションがトリガーされて、データセットをルータに転送し(535)、ルータは第1のリモートサーバに接続する。ルータがリモートサーバに接続することができない場合、データセットは、第1のリモートサーバへの接続がなされるまで、ルータのバッファに保存される。次に、データセットは、第1のリモートサーバ上のデータベース又はディレクトリに転送されて保存され、データセットは、所有者に基づいて、次に検査機器シリアルナンバーによってファイリングされる(540)。定期的に、第2のリモートサーバは第1のリモートサーバに接続し、アプリケーションを実行し、アプリケーションは、第1のリモートサーバ上の適切なディレクトリを照会して、新しいデータセット(第2のリモートサーバにまだ転送されていないを識別する(545)。新しいデータセットは、第2のリモートサーバに送信され、第2のリモートサーバに収容されるデータベースに保存される。第2のリモートサーバは、定義された時間期間(例えば、前の24時間)にわたるデータセットを含むリポートを生成するようにプログラムされたアプリケーションを有することができる。このリポートは一般に、1人の所有者に関連付けられたデータセットを含む。次に、リポートは、生成されたリポート内のデータセットの所有者によって指定されたエンドユーザに送信される(550)。第2のリモートサーバに配置されるデータベースは、所有者が従属する所有者によって所有されるデータセットのみにアクセス可能な指定されたエンドユーザによってアクセス可能である。これらのエンドユーザは、例えば、ウェブブラウザを使用して、インターネットを通して第2のリモートサーバ上のデータベースにアクセスすることができる。エンドユーザは、エンドユーザがフォームを使用してデータベースに照会でき、カスタムリポートを生成できるようにするインターフェースへのアクセスを有する(555)。
【0094】
一実施形態では、第1及び/又は第2のサーバは、検査機器から又はシステムの他の構成要素からリモートであり得る(例えば、異なる地理的場所にあり得る)が、幾つかの状況では、一方又は両方のサーバが同じ場所にあることもできるため、第1の「リモート」サーバ又は第2の「リモート」サーバとしてのサーバの説明が、例示であることが理解される。
【0095】
幾つかの例示的な態様及び実施形態を上述したが、当業者は、特定の変更、置換、追加、及びそれらの下位組合せを理解する。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び今後導入される特許請求の範囲が、真の趣旨及び範囲内にあるものとして、そのような全ての変更、置換、追加、及び下位組合せを包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10