(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】外科ナビゲーションシステム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20221107BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20221107BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/10
(21)【出願番号】P 2019518285
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(86)【国際出願番号】 US2017055299
(87)【国際公開番号】W WO2018067794
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-05
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】フィンリー,エリック
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0277832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0049629(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01872737(EP,A2)
【文献】特開2007-260404(JP,A)
【文献】特開2008-119472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 - 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術ナビゲーションのためのシステムであって、
脊椎ピンと、
トラッキングマーカを含む第1のアレイと、
前記第1のアレイをトラッキングするように構成される少なくとも1つのカメラと、
プロセッサを含むコンピュータシステムと、を含み、
前記脊椎ピンは、
アレイと連結し且つ連結されるアレイに対する回転に抗するように構成される、第1の端と、
解剖学的構造に挿入されるように構成される鋭利な先端を有する、前記第1の端とは反対側の、第2の端と、
第1の放射線撮影グリフと、
前記脊椎ピンの軸方向においてある距離だけ前記第1の放射線撮影グリフから分離される第2の放射線撮影グリフと、を含み、
前記第1のアレイは、前記脊椎ピンの前記第1の端との接続を介して椎骨と解放可能に固定されるように構成され、
前記コンピュータシステムは、
前記少なくとも1つのカメラから前記アレイの1つ以上のカメラ画像を受信し、
前記解剖学的構造のシミュレーションをディスプレイスクリーンの上に表示する
ように構成され
、
前記第1の端は、前記脊椎ピンの前記軸方向に対する横方向において三小葉断面プロファイルを含む、
システム。
【請求項2】
前記トラッキングマーカは、6自由度における半球形マーカを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
トラッキングマーカを含む第2のアレイを更に含み、該第2のアレイは、第2の解剖学的構造と解放可能に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアレイは、凹部を含み、前記トラッキングマーカは、前記凹部内に少なくとも部分的に収容される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアレイは、少なくとも2つの反対に面する表面を含み、各表面は、複数の前記トラッキングマーカを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記トラッキングマーカは、前記第1のアレイの第1の表面に配置される少なくとも1つのマーカと、前記第1のアレイの第2の表面に配置される少なくとも1つのマーカとを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のアレイは、360度アレイである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のアレイは、360度プリズムアレイである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つのCアームアレイマーカを含むCアームアレイマウントと連結されるCアームを更に含み、
前記コンピュータシステムは、
前記少なくとも1つのカメラから前記少なくとも1つのCアームアレイマーカの1つ以上のカメラ画像を受信する、
ように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのカメラは、赤外線カメラと、可視光カメラとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、
1つ以上の3D画像を受信し、
前記1つ以上の3D画像内で前記第1の放射線撮影グリフ及び前記第2の放射線撮影グリフを認識し、
前記第1のアレイの前記トラッキングマーカを感知し、且つ
前記第1のアレイの前記感知されたトラッキングマーカと前記認識された第1及び第2の放射線撮影グリフとを用いて位置合わせを実行する、
ように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、
1つ以上の3D画像を受信し、
前記1つ以上の3D画像内で前記距離だけ分離される前記第1及び第2の放射線撮影グリフの幾何学的形状を認識し、
前記第1のアレイの前記トラッキングマーカを感知し、且つ
前記第1のアレイの前記感知されたトラッキングマーカと前記認識された幾何学的形状とを用いて位置合わせを実行する、
ように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記距離は、5ミリメートル~100ミリメートルの間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の放射線撮影グリフ及び前記第2の放射線撮影グリフは、前記脊椎ピンの長さと同軸である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の放射線撮影グリフから延びる第1のグリフアームと、
前記第1のグリフアームに連結される第3の放射線撮影グリフと、
前記第2の放射線撮影グリフから延びる第2のグリフアームと、
前記第2のグリフアームに連結される第4の放射線撮影グリフと、を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の放射線撮影グリフと前記第2の端との間に配置される深さリミッタを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記脊椎ピンは、ツール係合構成を更に含み、
当該システムは、前記ツール係合構成と連結し且つ前記脊椎ピンの挿入を容易にするように構成される脊椎ピン挿入装置を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2016年10月5日に出願された米国仮出願第62/404,761号及び2017年2月10日に出願された米国仮出願第62/457,610号の優先権の利益を主張し、それらの全文は、恰も完全に本明細書中に示されているかのように本明細書中に参照として明示的に援用される。
【0002】
本出願は、脊椎手術(spine surgery)に関する。より具体的には、本出願は、空間認識(spatial awareness)及び器具視覚化(instrument visualization)を強化すると同時に放射線被曝を最小に抑えるために使用されるナビゲーションシステムに関する。そのようなデバイス、システム、及び使用方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
脊柱(spinal column)は、身体の支えを提供し、繊細な脊髄及び神経を保護する、骨と結合組織との非常に複雑な系(system)である。脊柱は、互いに積み重ねられた一連の椎体(vertebral bodies)を含み、各椎体は、比較的弱い海綿骨の内側又は中央部分と、比較的強い皮質骨の外側部分とを含む。各椎体の間に位置するのは、脊柱に加えられる圧縮力を和らげ減衰させる椎間板(intervertebral disc)である。脊髄(spinal cord)を含む脊柱管(vertebral canal)が、椎体の背後に位置する。脊椎(spine)は、上方及び下方の椎骨(vertebrae)の端板(endplates)が互いに向かって傾けられるよう、自然な湾曲(即ち、腰椎領域及び頸椎領域の脊柱前湾症及び胸部の脊柱後湾症)を有する。
【0004】
脊柱側弯症(脊椎の異常な側湾)、過剰脊柱後湾症(脊椎の異常前湾)、過剰脊柱前湾症(脊椎の異常な後湾)、脊椎すべり症(1つの脊椎上の他の脊椎の前方偏位)、及び(椎間板破裂又は椎間板すべり、椎間板変性症、脊椎骨折、及び同等のことのような)外傷、疾患、又は異常によって引き起こされる他の障害を含む、多くの種類の脊柱障害がある。そのような状態を患う患者は、普通、極度の消耗性の痛み並びに神経機能の減少を経験する。
【0005】
医学界における注目すべき傾向は、いわゆる「最小侵襲」又は「最小破壊」技法を支持する、従来的な「観血(open)」技法を介した手術の実行から離れる動きである。開放手術技法は、それらが、典型的には、手術標的部位へのアクセスを得るために多量の組織変位を伴う大きな切開を必要とし、それは付随する多量の痛み、入院の長期化(ヘルスケアコストの増加)、及び患者集団における高い疾病率をもたらすという点で、一般的に望ましくない。(最小アクセス技法及び最小侵襲技法を含む)低侵襲手術技法は、それらが実質的により小さいサイズの切開を介して手術標的部位にアクセスすることを含み、大幅に減少した組織変位要求を伴うという事実の故に、支持を得てきている。これは、ひいては、そのような処置と関連する痛み、罹患率、及びコストを減少させる。現在まで発達したそのような最小侵襲技法の進歩にも拘わらず、未だに満たされていない臨床ニーズがある。
【0006】
最小侵襲手術(MIS)は、小さな外科切開を含み、それは従来的な「観血」技法と比較して患者解剖学的構造の外科医視覚化及び三次元(3D)空間認識を減少させる。視覚化の低下は、場所認識の低下及びインプラント配置の不正確さにつながり得る。最小侵襲手術の技術的挑戦は、より長い手術室時間及び/又はインプラント誤配置のリスクの増加につながり得る。
【0007】
術中蛍光透視、即ち、モニタに連続的なX線画像を示す医用撮像は、最小侵襲手術中の外科医視覚化のための現在の「ゴールドスタンダード(gold standard)」である。手術中の器具及びインプラントの場所を評価するために、しばしば、反復的な患者の術中蛍光透視が必要とされる。X線暴露は、一般的には、患者について無視できるが、時間の経過と共に、そして、異なる患者に対する複数の処置に亘って、この曝露の増大は、外科医及び手術室(OR)スタッフを健康リスクの増大に曝す。
【0008】
現在の脊椎ナビゲーション技術は、広範囲な採用に対する数多くの障壁を提示している。システムセットアップ時間、不正確さの可能性、及び手術ワークフローの乱れは、脊椎ナビゲーション技術の広範な採用を制限してきた。一方で、ORは益々混雑してきており、追加的な技術のための限定的な空間を有する。他のORシステムと統合されない独立したシステムは、OR環境に複雑さ、混乱(clutter)、及び非効率性を加える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、手術計画の一部としての代償的変更を含み、外科医視覚化の改良をもたらし、患者及びORスタッフへの放射線を削減し、手術効率の増加、手術効率を増大させ、且つOR器具のフットプリントを減少させるシステム及び方法についてのニーズは、存在し続ける。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述のニーズ並びに他のニーズは、この開示中に記載される手術ナビゲーションのためのシステム及び関連方法の実施形態によって対処される。(しかしながら、上述の全てのニーズが任意の1つの実施形態によって必ずしも対処されないことが理解されるべきである。)何故ならば、本開示の手術ナビゲーションのためのシステムは、複数のピースに分割可能であり、手術計画及びナビゲーション方法のような方法において使用されることができるからである。
【0011】
或る態様では、手術ナビゲーションのためのシステムが提供される。システムは、トラッキングマーカを含む第1のアレイを含み、第1のアレイは、第1の解剖学的構造と解放可能に固定される。システムは、アレイをトラッキングして、アレイの画像を、プロセッサを含むコンピュータシステムに送信するように構成される、少なくとも1つのカメラを含み、コンピュータシステムは、解剖学的構造のシミュレーションをディスプレイスクリーンの上に表示するように構成される。第1の解剖学的構造は、椎骨であってよい。第1のアレイは、脊椎クランプ又は脊椎ピンによって椎骨と解放可能に固定されてよい。第1のアレイは、6自由度におけるマーカを含んでよい。マーカは、半球形であってよい。第1のアレイは、凹部を含んでよく、マーカは、凹部内に少なくとも部分的に収容されてよい。第1のアレイは、少なくとも2つの反対に面する表面を含んでよく、各表面は、複数のマーカを有してよい。マーカは、第1のアレイの少なくとも2つの表面の上に分散させられてよい。第1のアレイは、360度アレイ又は360度プリズムアレイであってよい。
【0012】
システムは、少なくとも1つのマーカを含むCアームアレイマウントと連結されるCアームを含んでよい。少なくとも1つのカメラは、Cアームアレイマウントの少なくとも1つのマーカをトラッキングするように構成されてよい。少なくとも1つのカメラは、赤外線カメラと、可視光カメラとを含んでよい。
【0013】
他の態様では、被験者の脊椎の第1の椎骨内の第1のネジに基づいて第2のネジを案内する方法が提供される。方法は、脊椎の第1の椎骨と解放可能に固定される少なくとも1つのアレイを提供するステップを含む。方法は、プロセッサを有するコンピュータシステムを含むナビゲーションシステムと通信する光学トラッキングシステムを提供するステップを含み、光学トラッキングシステムは、アレイ及び脊椎の画像を取り込み、それらの画像をコンピュータシステムに通信する。方法は、光学トラッキングシステムで第1の椎骨内への第1のネジの挿入をトラッキングし、トラッキングされる第1のネジの画像をコンピュータシステムに通信するステップを含む。方法は、コンピュータシステムを介して、トラッキングされる脊椎及びトラッキングされる第1のネジに基づく所定の向きで第2のネジをシミュレートするステップを含む。方法は、シミュレートされる第2のネジをコンピュータシステムと通信するディスプレイの上に表示するステップを含む。
【0014】
シミュレートされる第2のネジは、シミュレートされる軌跡を含む。コンピュータシステムは、ユーザから命令を受信して、トラッキングされ且つ挿入される第1のネジの表現をブックマークし、ディスプレイスクリーンにトラッキングされ且つ挿入される第1のネジの表現を表示させる、ように構成されてよい。コンピュータシステムは、被験者の脊椎のシミュレートされた三次元モデルを生成するように構成されてよい。コンピュータシステムは、脊椎の椎骨レベルを決定するように構成されてよい。方法は、第1の椎骨から少なくとも1つのアレイを解放するステップと、少なくとも1つのアレイを脊椎の第2の椎骨と解放可能に固定するステップと、光学トラッキングシステムで第2の椎骨を備える少なくとも1つのアレイの画像を取り込むステップと、第2の椎骨を備える少なくとも1つのアレイの取り込まれた画像をコンピュータシステムに通信するステップと、光学トラッキングシステムで第2の椎骨内への第3のネジの挿入をトラッキングし、トラッキングされる第3のネジの画像をコンピュータシステムに通信するステップと、コンピュータシステムを介して、トラッキングされた脊椎及びトラッキングされた第3のネジの画像に基づく所定の向きで第4のネジをシミュレートするステップと、シミュレートされた第4のネジをコンピュータシステムと通信するディスプレイの上に表示するステップとを含んでよい。
【0015】
上記は、請求する主題事項の幾つかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された要約を提示する。この要約は、網羅的な概要ではない。鍵となる又は重要な要素を特定したり或いは請求する主題事項の範囲を境界付けたりすることを意図しない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な記述の序文として、幾つかの着想を単純化された形態において提示することである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ナビゲーションシステムの1つの実施形態に従ったコンピュータシステムを例示している。
【
図2】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った光学トラッキングシステムを例示している。
【
図3】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った光学トラッキングシステム及び移動式カートを例示している。
【
図4A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った組み立てられたトラッカを例示している。
【
図4C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎ピンの断面図である。
【
図5】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったアレイの分解図である。
【
図6A】ナビゲーションシステムの1つの実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6B】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6D】ナビゲーションシステムの更に別の実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6E】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6G】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6I】ナビゲーションシステムの更に別の実施形態に従ったアレイの正面斜視図を例示している。
【
図6K】
図6Iのアレイの90度の回転に亘る立面図を例示している。
【
図7】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎ピンを例示している。
【
図8A】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従った脊椎ピンを例示している。
【
図8B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎ピン及び(トラッカアセンブリとしての)アレイを例示している。
【
図8C】ナビゲーションシステムの更に別の実施形態に従った脊椎ピン及び(トラッカアセンブリとしての)アレイを例示している。
【
図8D】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったクランプの正面斜視図を例示している。
【
図8E】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったクランプの正面斜視図を例示している。
【
図9A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った棘突起に脊椎ピン及びアレイを固定する脊椎トラッカ挿入装置の使用を例示している。
【
図9B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った棘突起に脊椎ピン及びアレイを固定する脊椎トラッカ挿入装置の使用を例示している。
【
図9C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った棘突起に脊椎ピン及びアレイを固定する脊椎トラッカ挿入装置の使用を例示している。
【
図10】患者の脊椎と取り外し可能に固定されたアレイ及び脊椎ピンを例示している。
【
図11A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11D】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11E】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11F】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11G】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図11H】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った軸の周りで種々に回転させられる一体化された360度の器具を例示している。
【
図12A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったCアームアレイマウントを例示している。
【
図12B】Cアームに取り付けられた
図12AのCアームマウントアレイを例示している。
【
図13】受信した画像から1以上の脊椎ピンを識別するために使用される計算を例示している。
【
図14A】第1、第2及び第3の脊椎の棘突起に固定された脊椎ピンのセット画像を例示している。
【
図14B】第1、第2及び第3の脊椎の棘突起に固定された脊椎ピンのセット画像を例示している。
【
図14C】第1、第2及び第3の脊椎の棘突起に固定された脊椎ピンのセット画像を例示している。
【
図15】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったセグメント化プロセスを描写している。
【
図16A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎のCTモデルからの椎骨セグメント化を例示している。
【
図16B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎のCTモデルからの椎骨セグメント化を例示している。
【
図16C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従った脊椎のCTモデルからの椎骨セグメント化を例示している。
【
図17A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったセグメント化された3D画像セット及びセグメント化された3D画像セットの様々な2D DRR図を例示している。
【
図17B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったセグメント化された3D画像セット及びセグメント化された3D画像セットの様々な2D DRR図を例示している。
【
図17C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったセグメント化された3D画像セット及びセグメント化された3D画像セットの様々な2D DRR図を例示している。
【
図17D】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったセグメント化された3D画像セット及びセグメント化された3D画像セットの様々な2D DRR図を例示している。
【
図18A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったCアームによって捕捉された第1、第2、第3、第4、第5及び第6の椎骨の棘突起に固定された脊椎ピンを備える画像を例示している。
【
図18B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったCアームによって取り込まれた第1、第2、第3、第4、第5及び第6の椎骨の棘突起に固定された脊椎ピンを備える画像を例示している。
【
図19】ナビゲーションスクリーンの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上のスタートアップメニューを例示している。
【
図20】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上のレベル選択メニューを例示している。
【
図21】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上のテンプレート及び外科医プロファイルメニューを例示している。
【
図22】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上の格納されたテンプレートのセットアップスクリーンメニューを例示している。
【
図23】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された手術計画スクリーンを例示している。
【
図24】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された別の手術計画スクリーンを例示している。
【
図25】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された2D-3D画像位置合わせメニュースクリーンを例示している。
【
図26A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された受信画像のための位置合わせ及び較正アルゴリズム画面を例示している。
【
図26B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された受信画像のための位置合わせ及び較正アルゴリズム画面を例示している。
【
図26C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された受信画像のための位置合わせ及び較正アルゴリズム画面を例示している。
【
図26D】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された受信画像のための位置合わせ及び較正アルゴリズム画面を例示している。
【
図27A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された結果として得られた位置合わせ決定のための検証スクリーンを例示している。
【
図27B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された結果として得られた位置合わせ決定のための検証スクリーンを例示している。
【
図27C】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された結果として得られた位置合わせ決定のための検証スクリーンを例示している。
【
図27D】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された結果として得られた位置合わせ決定のための検証スクリーンを例示している。
【
図28】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された3D-3D画像位置合わせメニュースクリーンを例示している。
【
図29】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された器具セットアップメニュースクリーンを例示している。
【
図30】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示されたアレイ割当てメニュースクリーンを例示している。
【
図31】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された投射軌跡及びネジスクリーンを例示している。
【
図32】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された投射軌跡及びネジスクリーンを例示している。
【
図33】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された投射軌跡及びネジスクリーンを例示している。
【
図34】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示されたセグメント化された椎骨のスクリーンを例示している。
【
図35A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示されたブックマークされたネジ構成を例示している。
【
図35B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディス
【
図36A】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された手術計画メニュースクリーンを例示している。
【
図36B】ナビゲーションシステムの或る実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された手術計画メニュースクリーンを例示している。
【
図37】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された手術前からの計画されたネジに従った計画された軌道スクリーンを例示している。
【
図38】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示された手術前からの計画されたネジに従った計画された軌道スクリーンを例示している。
【
図39】ナビゲーションシステムの別の実施形態に従ったディスプレイスクリーン上に表示されたブックマークされたネジ構成を表示するスクリーンを例示している。
【
図40】ナビゲーションシステムの或る実施形態を例示するフローチャートである。
【
図41】ナビゲーションシステムの或る実施形態を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
手術ナビゲーションシステム及び関連方法のためのシステムの例示的な実施形態を以下に記載する。明瞭化のために、実際の実装の全ての構成(features)が本明細書中に記載されるわけではない。もちろん、任意のそのような実際の実施形態の開発では、実装毎に異なるであろうシステム関連の制約及びビジネス関連の制約の遵守のような開発者の特定の目標を達成するために、数多くの実装特異な決定が行われなければならないことが理解されるであろう。その上、そのような開発努力は複雑で時間がかかることがあるが、それにも拘わらず、この開示の利益を有する当業者にとって日常的な取組み(undertaking)であることが理解されるであろう。本明細書に開示される手術ナビゲーションシステム及び関連方法のためのシステムは、個別及び組み合わせの両方において、特許保護を正当化する様々な発明的構成及び構成要素を有する。
【0018】
本明細書に示し且つ記載するとき、「ナビゲーション(navigation)」という用語は、解剖学的構造と器具との間の空間的認識を得るために、リアルタイムで術中撮像を利用する能力を記述する。ナビゲーションシステムは、MIS及び従来的な観血脊椎処置の間に革新的で効率的な解決策を通じて、最小限の放射線被曝で最大限の外科医視覚化(surgeon visualization)を提供する。具体的には、ナビゲーションシステムは、外科医が後柱(posterior column)及び前柱(anterior column)処置中に増大した精度で3D画像誘導手術を行うことを可能にする。これは、1)放射線被曝を低減すると同時に視覚化の向上を望む変性外科医及びMIS外科医のために、2)複雑な脊椎処置においてリアルタイム脊椎骨盤パラメータ評価及び解剖学的配向を望む変形外科医のために、及び3)正確なインプラント配置及びMIS処置の罹患率の低下からより予測可能な結果を通じて総ヘルスケアコストを低減することを望む病院管理者のために、外科医と病院に同様に利益をもたらす。実際、本開示のシステムは、より予測可能な転帰、OR時間の短縮、入院期間の短縮、術後合併症率の低減、及び(正確かつ反復可能なインプラント配置による)修正手術の減少を促進することを通じて、総ヘルスケアコストの減少をもたらす。
【0019】
本明細書に記載するナビゲーションシステム及び方法は、脊椎処置並びにそれに関連する器具及びインプラントに適合する。例として、本明細書に記載するナビゲーションシステム及び方法は、胸腰部融合、側方腰椎椎間固定術(XLIF)を含む側方椎間固定術、外傷処置、最大アクセス手術経椎間椎体間固定術(MAS TLIF)、最大アクセス手術後部腰椎椎体間固定術(MAS PLIF)、側方固定処置、コペクトミー、前方頸椎椎間板切除術及び固定術(ACDF)、及び後方頸椎固定術(PCF)のための、観血及びMIS椎弓根ネジ配置と適合する。ナビゲーションシステム及び方法は、解剖学的構造の全体像を提供し且つ処置的解決策の強化を促進するために、NuVasive, Inc.によるiGAプラットフォーム、術中モニタリング、自動ロッド曲げなどのような、計画を統合することを想定する。
【0020】
第1の態様では、ナビゲーションシステム10が提供される。
図1に示すように、ナビゲーションシステム10は、1以上(1つ又はそれよりも多く)のハードウェアコンポーネント(構成要素)、1以上のソフトウェアコンポーネント、及び1以上の補助コンポーネントを含むことがある。例えば、ナビゲーションシステム10は、コンピュータ実行可能命令(即ち、ソフトウェア)を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む制御ユニット14と、1以上のディスプレイスクリーン16とを含む、コンピューティングシステム12を含むことがある。制御ユニット14は、技術ハブ18内に収容されてよく、技術ハブ18は、技術ハブ18をORの周りに容易に位置決め可能であるよう、その上に配置された1以上の係止ホイール20を有する。技術ハブ18は、ディスプレイスクリーン16に接続する1以上のアーム22を含んでよい。制御ユニット14は、アプリケーションソフトウェア及びアルゴリズムを実行し、補助ディスプレイ24、タブレット又は電話のような遠隔制御デバイス26、及び術中神経監視技術者のラップトップのようなモバイルコンピューティングデバイス28、並びにクラウド遠隔システム及びクラウド計画システム30のような、ナビゲーションシステム10と関連付けられる他のシステムコンポーネントと通信し且つインタフェース接続するように、構成されてよい。
【0021】
コンピュータシステム12は、汎用撮像入力(universal imaging inputs)を受信してよく、それは、コンピュータシステム12が、術前CT入力、術前MRI入力、3D Cアーム入力、又は術中CT入力で作動する能力を有することを意味する。撮像入力は、医学(Medicine)(DICOM)規格、ピクチャアーカイブ及び通信システム(Picture
Archive and Communication System)(PACS)規格、位相交替線(Phase Alternating Line)(PAL)規格、及び全国テレビジョン方式委員会(National
Television System Committee)(NTSC)規格における、デジタル撮像及び通信のような、業界規格に従ってフォーマットされてよい。コンピュータシステム12は、1以上のネットワーク(例えば、病院PACSのような有線又は無線ローカルエリアネットワーク)を通じて、或いはUSB、CD、DVD、DVI、コンポジットビデオ、又はアナログビデオを介して、入力を受信してよい。有利には、本明細書で議論するように、本システム10は、術中及び術前CT画像との自動位置合わせ(レジストレーション)(registration)を利用し、システム10は、画像認識を通じて各椎体のセグメント化(セグメンテーション)(segmentation)を行うように構成され、システム10は、外科的処置中に脊椎を動的にトラッキングし得るよう、個々の椎体を位置合わせするように構成される。
【0022】
1以上のディスプレイスクリーン16は、ユーザがスクリーン16に触れることによってコマンドを直接的に入力することができるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含むよう、タッチスクリーンであってよい。システム10は、外科医(及び手術野内の他のユーザ)及び(手術野の外側の)他の病院職員が利用できるソフトウェア及びハードウェアとの直感的で便利なシステム相互作用(システム対話)(system interaction)を提供する。本開示の態様の様々な記述は、外科医又は複数の外科医を指すことがあるが、そのような態様の機能性は、「(複数の)外科医(surgeon(s))」という用語が「(複数の)ユーザ(user(s))」をサポートするよう、文脈上適切であるように他のユーザに拡張し得ることが理解されるべきである。ソフトウェアは、ナビゲーションシステム10を制御する1以上のディスプレイスクリーン16上のタッチスクリーングラフィカルユーザインタフェースを通じて主に制御されてよい。1つの実施形態において、システム10は、1以上の遠隔制御デバイス26を通じた二次的な制御を含む。
【0023】
ナビゲーションシステム10は、(以下に更に詳細に議論する)手術器具及び椎骨をトラッキングする(複数の)光学カメラ34,36及び3D撮像データ、外科医の入力、及び外科医又はOR職員にリアルタイムナビゲーション情報を提供するための処理を含む、システム10の様々な他の部分からのデータ及び入力を受信する。外科医/OR職員は、ナビゲーションビューの設定(setting)、器具選択/較正リアルタイムインプラント計画及びサイズ設定(sizing)、管理機能(administrative features)、及びオプション選択のために、滅菌フィールドからのナビゲーションソフトウェアと相互作用(対話)することができる。ソフトウェアは、他の術中コンピュータ支援モダリティと干渉せずに制御され、システム10は、例えば、術中神経モニタリング(IOM)サービス、NUVAM AP O.R. BENDINIソフトウェアモードのために、ナビゲーションモードと他のモードとの間で容易に移行することができる。
【0024】
ナビゲーションシステム10の第2の態様において、システム10は、
図2及び
図3に示す光学トラッキングシステム32を含む。光学トラッキングシステム32は、物体が空間を通じて移動するときの互いに対する関係における物体のリアルタイム場所(例えば、脊椎の椎体のような1以上の身体場所、及び手術中の使用のための1以上の器具)を提供してよい。光学トラッキングシステム32は、ナビゲーションシステム10のコンピュータシステム12の制御ユニット14と通信してよい。光学トラッキングシステム32は、赤外線(IR)カメラ34及び/又は可視光カメラ36である1以上のカメラを含んでよい(即ち、IR又は可視光スペクトルからのデータを感知してよく、送信してよい)。各カメラ34,36は、制御ユニット1によるソフトウェア制御の下でIRモードと可視光モードとの間で選択されてよい。光学トラッキングシステム32は、システム32の視野内の1以上のトラッキングアレイ38(
図4A及び
図4B)の場所を感知する(即ち、見る)。トラッキングアレイ38は、脊椎手術を受ける人間の椎体及び1以上の手術器具6のような、被験体2の1つ以上の解剖学的構造4(anatomical features)に位置付けられてよい。光学トラッキングシステム32は、トラッキングされる解剖学的構造4及び/又は手術器具6に対応する動的3D位置情報をナビゲーションシステム10に提供する。
【0025】
光学トラッキングシステム32は、任意の適切な向きにおいで構成されてよい。
図2に例示する1つの実施形態において、光学トラッキングシステム32は、第1の可視光カメラ36の側面に位置する、第1及び第2のIRカメラ34を含む。カメラ34,36は、離散的なユニットであってよく、或いはカメラベース37によって互いに接続されてよい。カメラ34,36は、処置と干渉せずに、外科的処置の滅菌野内に位置付けられるのに十分な程にコンパクトであってよい。カメラ34,36は、多数のピクセルを含んでよい。本明細書中で使用するとき、「ピクセル(画素)(pixel)」という用語は、(光サイト(photosite)とも呼ばれる)多成分表示の単一のスカラー要素を指すために使用される。カメラ34,36は、少なくとも1メガピクセル、少なくとも2メガピクセル、少なくとも5メガピクセル、少なくとも10メガピクセル、少なくとも12メガピクセル、少なくとも15メガピクセル、又は少なくとも20メガピクセルを取り込むことがある。薄い透明なバリア40が、カメラ34,36のレンズ41の上に配置されてよい。有利には、高ピクセルカウントは、感知されるトラッキングアレイ38の位置の精度を犠牲することなく使用中である間に、バリア40がカメラ34,36のレンズ41の上に配置されることを可能にする。バリア40は、カメラ34,36がドレープされ、滅菌野内に配置されることを可能にする。バリア40を有するシステム10の実施形態の別の利点は、バリア40が、カメラ34,36がトラッキングアレイ38と近接近することを可能にすることであり、それは、アレイ38が実行される外科的処置と干渉する可能性がより低いように、アレイ38の寸法が減少されることを更に可能にする。
【0026】
光学トラッキングシステム32(光学追跡システム)は、(以下に議論する)1以上のアレイ38上に配置されるマーカ42と共に使用されてよい。マーカ42のサイズは小さくてよく(例えば、直径3mm又は技術的に可能な限り小さい)、(小さなアレイ38のサイズを可能にするマーカ42間の10mm未満の)最小トラッキングアレイフットプリントを備える。アレイ38を空間的にトラッキングすることに加えて、光学トラッキングシステム32は、物体が向き(例えば、回転、ヨー、ロール)を変えるときに、アレイ38を有する物体をトラッキングしてよい。光学トラッキングシステム32は、外科的処置を行う外科医のために被験者2との視線混乱(ling-of-sight disruptions)の可能性を最小にするように、OR内に位置付けられてよい。
【0027】
カメラ34,36が滅菌野の外側に配置されるナビゲーションシステム10の実施形態において、カメラ34,36は、カート44をOR内で回転させることによってカート44を様々に位置付けてよいように、1以上の係止ホイール46を備える移動式カート44(
図3)上に配置されてよい。カート44は、外科ベッドの一端に近接して配置されてよい。カート44は、カメラ34,36を受けるベース48を含んでよい。ベース48は、カメラ34,36が外科的処置のために最適に位置付けられることがあるよう、高さ方向、長手方向及び横方向を含めて、係止的に調整可能であってよい。
【0028】
カメラ34,36が滅菌野内に配置されるナビゲーションシステム10の実施形態において、ドレープ付きカメラ34,36は、1以上のカメラ34,36を、以下の場所、即ち、患者アンカアタッチメント、ベッドレールアタッチメント、カートアタッチメント、オーバーヘッドブーム/ライトアタッチメント、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つに配置することによって、Cアーム、(解剖学的構造4及び/又は器具6上を含む)アレイ38を見るように構成されてよい。以下に議論するナビゲーションシステム10の幾つかの実施形態は、カメラ34,36の単一の(即ち、初期的な)セットアップを可能にする光学トラッキングシステム32を含み、外科的処置中に追加的な調節は不要であるか或いは行われず、それにより、病院職員が処置手続中にカメラ34,36を調整及び再調整することを排除することによって手術ワークフロー効率を向上させて、ナビゲートされる器具6又はマーカ42を「見る(see)」又は較正する。
【0029】
図4~
図12Bを参照すると、第3の態様において、ナビゲーションシステム10は、解剖学的構造4及び/又は手術器具6に確実に配置することができる1以上のトラッキングアレイ38を含む。ナビゲーションシステム10は、以下により詳細に記載するように、カメラ34,36によって受信される情報によってトラッキングアレイ38をトラッキングして、解剖学的構造4及び手術器具6のナビゲーション及びトラッキングを達成する。1以上の実装によれば、ナビゲーションシステム10は、トラッカ50(tracker)を使用して脊椎をトラッキングすることがある。
【0030】
図4A~
図4Bの実施形態に示すように、トラッカ50(即ち、アレイ38及びピン52のアセンブリ)は、その上に配置される1以上のマーカ42を有するアレイ38を含む。アレイ38は、脊椎ピン52と確実に或いは係止的に且つ解放可能に係合してよい。マーカ42は、アレイ38上に様々に位置付けられてよい。マーカ42は、アレイ38の第1の表面56上の様々な点に位置付けられてよい。アレイ38は、
図4A及び
図4Bに示すように、第1の表面56上に散乱させられてよい。脊椎ピン52は、脊椎トラッカ挿入装置54(spine tracker inserter)(
図9A~
図9C)の使用によって、1以上の解剖学的構造4(例えば、椎骨)と位置決めされるか或いは係合してよい。有利には、脊椎ピン52を介して係合させられるとき、ナビゲーションシステム10は、脊椎ピン52と係合させられるアレイ38の位置を感知及びトラッキングすることにより、脊椎ピン52が係合させられる椎骨4の位置をトラッキング(追跡)してよい。トラッカ50は、第1の端58と、対向して配置される第2の端60とを有してよく、アレイ38は、第1の端58に配置され、脊椎ピン52は、第2の端60に配置される。第2の端60の末端で、脊椎ピン52は、解剖学的構造4と係合し且つ解剖学的構造4内に取り外し可能に挿入可能であるように構成される、鋭利な先端62(tip)を含んでよい。よって、アレイ38が、椎骨のような解剖学的構造4と挿入される脊椎ピン52に接続されるとき、トラッカ50は、以下により詳細に記載するように、個々の椎骨レベル位置合わせ及び動的脊椎トラッキングを可能にする。脊椎ピン52は、ピン52を解剖学的構造4と軸方向に固定するために、先端62に近接する軸方向保持構成76(例えば、螺旋ネジ)を含んでよい。
【0031】
トラッカ50は、球体のような1以上の放射線撮影グリフ要素78(radiographic glyph element)を含んでよい。トラッカ50は、アレイ38が脊柱ピン52とインタフェース接続する場所に近接する第1の放射線撮影グリフ要素78と、軸方向保持構成76に近接する第2の放射線撮影グリフ要素78とを含んでよい。放射線撮影グリフ要素78間の距離80は、5mm~100mm、15mm~80mm、約40mm、又はその任意の値又はサブ範囲とであってよい。
図4Cに示すように、脊椎ピン52のアレイ端82は、脊椎ピン52がアレイ38と係合するときに脊椎ピン52の回転を防止するよう、三小葉プロファイル(即ち、断面)を有してよい。アレイ38は、脊椎ピン52が解剖学的構造4と固定された後に脊椎ピン52と連結されてよい。脊椎ピン52は、以下により詳細に説明するように、少なくとも4自由度、少なくとも5自由度、又は少なくとも6自由度のような、多自由度内の位置合わせを可能にする、システム10との画像位置合わせのための基準(fiducial)として機能してよい。
【0032】
図5は、システム10の或る実施形態に従ったアレイ38の分解図を例示している。アレイ38は、トラッカ50の第1の端58でアレイ38を確実に連結するための接続部分64を含む。接続部分64は、トラッカ50の相補的な表面(例えば、基準面)66に確実に連結するような大きさ及び寸法にされる。アレイ38は、マーカ42のようなアレイ38の様々な構成要素を支持するための本体68と、マーカ42を保護するためのカバー70とを含む。マーカ42は、アレイ38の両側(例えば、第1の表面56及び反対側に面する第2の表面72)に配置されてよい。マーカ42は、本体68内の相補的な形状の凹部72内に少なくとも部分的に受け入れられてよい。マーカ42及び/又は本体68は、それらを滅菌手術野内で利用することができるように、滅菌形態で提供されてよい。マーカ42は、滅菌パッケージング内に提供されてよい。保護カバー70は、透明かつ薄くてよく、マーカ42が、手術を受けている患者からの血液のような破片によって、システム10、特に光学トラッキングシステム32から覆い隠されることから守る。カバー70は、ポリマ又はガラスで構成されてよく、或いはフィルムであってよい。カバー70は、所望であれば、視野を制限するよう偏光されてよい。
【0033】
マーカ42は、反射性で、
図5に示すように、半球形の形状であってよく、或いは球形の形状であってよい。半球形マーカ42を有するシステム10の実施形態において、半球形の形状は、反射球に対して幾つかの利点を提供する。半球形の形状の利点は、他のマーカ42がカメラ34,36を直接的に面するときに、マーカ42がカメラに提示されないように、視野角が物理的に制限されることで、システム10による正確なマーカ42トラッキングを可能にするよう、凹部74でより十分に窪まされる能力を含む。加えて、マーカ42は窪まされるので、カバー70をマーカ42の上に配置することができる。高ピクセル数カメラ34,36のようなシステム10の他の構成要素との組み合わせにおいて使用されるとき、マーカ42は、約3mmのサイズになるような寸法とされてよい。マーカ42は、カメラ34,36が解剖学的構造4又は器具6の場所及び向きを感知し且つ追跡することができるように、アレイ38の本体68の周りに示差的なパターン(distinctive pattern)を創成する。
【0034】
図6A~
図6Kは、アレイ38の実施形態を例示している。
図6A~
図6Dにおいて、アレイ38の本体68は細長く、本体68から延びる複数のアーム84を含む。本体68は、脊椎ピン52を解放可能に固定するための脊椎ピン係合構成88を含んでよい。アレイ38は、アレイ38が右手向き又は左手向きのいずれかにおいて脊椎ピン52又は手術6と位置決めされてよいように、取り外し可能又は再位置決め可能である。有益なことに、この構成は、アレイ38が、ビューによるか物理的閉塞によるかに拘わらず、外科的処置と干渉しないように、外科医が、外科的処置が行われている側から離れるようにアレイ38を再位置決めすることを可能にする。この構成は、カメラ34,36が、障害物なしに或いはより少ない障害物でマーカ42を見る能力も支援する。何故ならば、手術が、例えば、脊椎を下って進行するときに、外科医が、左向き及び右向きの間でアレイ38を交互に配置し得ることで、カメラ34,36が複数の椎骨レベルを見ることを可能にするからである。アレイ38の場所に起因する視線が手術中に問題となるならば、手術されていない椎骨は、手術領域を片付ける(declutter)よう、それらのそれぞれのアレイ38をピン52から取り外させて、次に、外科医がその場所を過ぎるときに、解放可能に再固定させることができる。手術領域を片付ける利益は莫大である。何故ならば、現在のシステムの最小化されたフットプリントは、病院の従業員の需要を減少させ(費用と病院資源を節約し)、単一のシステムで既存の技術と統合するからである。アレイ38の比較的小さなサイズは、患者及び外科医の衝突も低減させ、外科医が自由に働くこと及びOR時間を最小にすることを可能にし、それは患者にとって有益である。
【0035】
アーム84は、各アーム84が本体68に対して異なる位置で終端するように、本体68から横方向、長手方向、及び垂直方向に様々に延びてよい。各アーム84は、球形マーカ42(
図6A~
図6B)のようなマーカ42を含んでよい。
図6C~
図6Dに描写するアレイ38において、アーム84は、接着反射ドットのような反射マーカ42をパドル86上に配置することができるように、パドル86で終端する。
【0036】
図6E~
図6Kに示すように、アレイ38は、360度アレイ38であってよい。360度アレイ38は、
図6E~
図6Hに示すように、切頭円錐形である本体68を含んでよい。切頭円錐形の本体68は、本体68から球形マーカ42まで様々に(垂直に及び本体の周りに)延びる1以上のアーム84を含んでよい。アレイ38は、ベース90を含んでよい。ベース90は、ベース90とカラー92(collar)との間のインタフェースを固定し且つ封止するOリングシールのような保持機構94によって、カラー92とインタフェース接続してよい。カラー92は、カラー92から離れる方向に上向きに延び且つ本体68内の(代替的に凹部であることができる)対応する孔98と係合するように構成される、対向して配置されるペアのような、1以上の脚96を含んでよい。本体68は、内部チャンバ102に開口する頂部孔100を含んでよく、内部チャンバ102は、カラー孔104に開口する。アーム84は、カラー92が本体68から延びるよりも遠く、本体68から離れて延びてよい(
図6E~
図6F)。
【0037】
図6G~
図6Hに示すように、360度アレイ38は、シールド106を受けるように構成されてよく、或いはシールド106と確実に解放可能に連結されてよい。シールド106は、本体68、アーム84、及びマーカ42の周りに360度延在してよい。カラー92は、アーム84が本体68から延びるよりも遠く、本体68から離れて延びてよい(
図6G~
図6H)。カラー92は、シールド106を解放可能に固定するために、その周囲の周りに延びる或いはその周囲に近接して延びる溝108を含んでよい。カラー2は、カラー孔104から溝108まで延びて、溝108内でシールド106を更に案内し且つ固定する、1以上のガイド110を含んでよい。頂部カバー112は、カラー92の反対側のシールド106の上に解放可能に固定されてよく、頂部カバー112は、シールド106を受け入れるための溝108に類似する溝114(図示せず)を含む。
【0038】
図6I~
図6Hに例示するように、360度アレイ38は、360度プリズムアレイ38であってよい。本体68は、例えば、2つの対向する錐台のプロファイルを有する10側面ピラミッドのような、多角形(例えば、プリズム)であってよい。本体68の外表面又は外面116は、それぞれ、それらの中に配置された1以上のポケット118を有してよい。ポケット118は、ポケット形状プロファイル(即ち、実質的に直線的な側壁に至る連続的に湾曲した第1の端で連続的に湾曲するプロファイルであって、実質的に直線的な側壁は連続的に湾曲する第1の端とは反対側の平坦な第2の端に至るプロファイル)を有してよい。接着反射ドットのようなマーカ42がポケット118内に配置されてよい。有利には、ポケット118のポケット形状プロファイル、特に湾曲した第1の端は、マーカ42を案内して固定するのを助ける。本体68は、カラー92と一体的に形成されてよく、保持機構94は、カラー92に固定されるように構成される。本体68は、
図6Jに示すように、1以上の協働区画(cooperative sections)に一体的に形成されてよい。90度回転させられた
図6Kに例示するように(1、2、3及び4)、ポケット118は、2つの面116が同じポケット118の位置及び向きを有しないように、本体68の各面116で異なる向き及び位置にあってよい。有利には、マーカ42と共に使用されるとき、これは本体68及びそれぞれの面116の各90度の回転を見るときにマーカ42の配置を特異にさせる。例えば、幾つかのポケット118は、本体68の中心120に向かうのに対し、他のポケット118は、本体の遠位端112に向かい、ポケット118は、互いに対して0°~360°の間で様々に回転させられてよい。有利には、この構成は、各ポケットが全ての面116上の全てのポケット118に対して面116上に特異に位置付けられる場合があることを可能にし、それはマーカ42を備えるアレイ38を使用するときに特に有利である。何故ならば、各マーカは、異なる相対的な位置及び向きにあり、それは、システム10の使用時に、カメラ34,36がマーカ42のうちのより多くを見て、より多くの空間的データを感知することを可能にするからである。
【0039】
図7~
図8Eを参照すると、システム10の第4の態様が、脊椎ピン52及び/又は脊椎クランプ124を含む。脊椎ピン52及び脊椎クランプ124は、アレイ38の固定及び解放可能な取付けを可能にして、アレイ38を、脊椎又はより具体的には棘突起(spinous process)のような、解剖学的構造4に接続する。
図7に示すように、脊椎ピン52は、グリフアーム128(glyph arms)によってピン52から外向きに延びる遠位放射線撮影グリフ要素126(radiographic glyph elements)を有してよい。グリフアーム128は、グリフアーム128が放射線撮影グリフ要素78と遠位放射線撮影グリフ要素126とを接続するよう、放射線撮影グリフ要素78から遠位放射線撮影グリフ要素126まで延びてよい。有利には、グリフ要素78,126のこの構成は、ピン52が放射線撮影基準として機能することによって、システム10のトラッキング能力に寄与することを可能にする。
【0040】
深さ保持構成76に近接して、先端62の反対側で、ピン52は、深さリミッタ129(例えば、拡張円周ボディ)を含んでよい。深さリミッタ129は、例えば、ピン52が解剖学的構造4内に深く挿入され過ぎること及びその結果として患者への損傷を引き起こすリスクを防止するよう、ピン52が解剖学的構造4に挿入されるときに、物理的ストッパとして機能する。
【0041】
軸方向保持構成76は、図示のように、螺旋ネジを含んでよい。一方、軸方向保持構成76とピン52の先端83(tip end)との間のピン52の部分は、骨ネジ130を含んでよい。骨ネジ130及び軸方向保持構造76は、ピン52が解剖学的構造4(例えば、棘突起)と係合するときに、骨保持を増加させるよう差動ピッチ(differential pitch)にあってよい。ピン52は、ピン52の装着中(
図9B及び
図9C)、(
図9Aに示す)脊椎トラッカ挿入装置54のようなツールを係合及び保持するためのツール係合構成131を含んでよい。
図8B~
図8Cは、アレイ38と係合させられたピン52を例示している。
【0042】
システム10の幾つかの実施形態では、棘状クランプ124(spinous clamp)が提供される。棘状クランプ124は、解剖学的構造4に対してクランプして、アレイ38を解放可能に固定するインタフェースを提供することによって、アレイ38を解剖学的構造4で固定するのに役立つ。棘状クランプ124は、棘状クランプ124のアレイ端134から棘状クランプ124のクランプ端136に終端する中央本体132を含んでよい。クランプ124は、
図8Dに示すように対称的であってよく、或いは
図8Eに示すように非対称的であってよい。クランプ124は、棘突起のような解剖学的構造4を固定するように構成される対向する第1及び第2の把持部138,140(grasps)を含んでよい。把持部138,140は、(図示のような)第1の閉鎖位置に向かって弾性的に付勢されてよく、1以上の翼142を中央本体132に向かって枢動させることによって第2の開放位置に並進するように構成されてよい。
図8Dに示す実施形態において、翼142の枢動は、横方向に配置されたアーム144を並進させ、把持部138,140を第1の位置から第2の位置に移動させる。アーム144は、例えば、外科医に対する手術領域の視界を妨げるのを最小にするように、それらの中心に向かって内向きに連続的に先細るように、輪郭付けられてよい。把持部138,140は、それぞれ、把持部138,140と解剖学的構造4との間の握り(grip)を増大させるよう、複数のスパイク146(spikes)を含んでよい。クランプ124のアレイ端134で、クランプ134は、アレイ38をクランプ124と係合させるときに、アレイ38が正しく測定される(clocked)ことを確実にするために、中央本体132上の平坦な表面のようなアレイ配向構成148を含んでよい。クランプ124は、解剖学的構造4へのクランプ124の装着の間にクランプ124が脊椎トラッカ挿入装置54のようなツール内で保持されることを確実にするために、ノッチ(notch)のようなドライバ保持要素150(driver retention element)を含んでよい。中央本体132は、放射線撮影グリフ要素78と、遠位放射線撮影グリフ要素126とを含んでよい。
【0043】
図8Eに示すように、クランプ124は、非対称的であってよい。非対称的なクランプは、それぞれ、第1のジョー152及び第2のジョー154である把持部138,140を有する。第1のジョー152は、移動式であってよく、第2のジョー154は、中央本体132に対して固定されてよい。移動式の第1のジョー152は、第1の閉鎖位置に弾性的に付勢されてよい。移動式の第1のジョー152は、支持体156とヒンジ式に接続されてよい。次に、支持体156は、被付勢部材158(付勢される部材)(biased member)に接続される。被付勢部材158は、被付勢部材158を第1の閉鎖位置に保持するバネのような2つの付勢部材160(付勢する部材)(biasing members)の間で、中央本体132の周りに配置されてよい。被付勢部材158が中央本体132に沿って並進させられるとき、被付勢部材158は支持体156を並進させ、次に、それは移動式の第1のジョー152を第2の開放位置に枢動させて、被付勢部材158の並進運動を第1の移動式のジョー152の枢動運動に変換する。付勢部材160は、中央本体132の周りに配置されてよい。
【0044】
図10は、システム10の或る実施形態に従ったアレイ38に連結された脊椎ピン52を例示している。図に見ることができるように、左手及び右手のアレイ38は、手術回廊(operative corridor)から離れる方向に移動させられることができ、アレイ38のトラッキング能力を維持しながら、外科医に無制限の又は制限のより少ないアクセスを有利に可能にする。本開示のアレイ38は、器具6と連結されるときに特に有用である。何故ならば、アレイ38上のマーカ42のパターンは、器具6が回転させられるときに、トラッキングシステム10が、アレイ38、よって、器具6の位置を3D空間内で決定することを可能にするからである。これは、使用中に回転させられる軸方向に対称的な器具6に特に当て嵌る。何故ならば、器具6が軸162に沿って回転するときに、器具6自体は不変に見えるからである。
【0045】
アレイ38は、脊椎ピン52の相補的な表面66上のアレイ38の接続部分64を通じて噛合い構成(mating feature)に付着されることが示されているが、いずれのアレイ38も同様の仕方で手術器具6の遠位端にある噛合い構成に付着されるように構成されてよいことが想定される。
【0046】
図11A~
図11Hは、本開示の第5の態様に従った軸162の周りの様々な回転位置における軸対称的な手術器具6の近位端を例示している。器具6は、器具6のハンドル端166にハンドル164を含む。シャフト168が、ハンドル164から円筒状アレイ170に延びている。円筒状アレイ170は、複数の凹部172を含む。凹部172は、図示のように、円筒状アレイ170の周りに特異にパターン化されてよく、マーカ42を少なくとも部分的に受けるように構成されてよい。(
図11A~
図11Hに示すように)器具6が回転するとき、少なくとも3つの凹部172、よって、関連するマーカ42は、カメラ34,36から見えるままであるので、システム10は、アレイ38及びその関連する器具6の空間的位置を識別することができる。システム10の幾つかの実施形態によれば、凹部172は、円筒状アレイ170が回転させられるときに可視マーカ領域の3D中心が安定的なままであるように構成される。
【0047】
図12~
図12Bを参照すると、システム10の第6の態様が、Cアームアレイマウント174を含む。Cアームアレイマウント174は、(BNCケーブルのような)ビデオケーブルを介してシステム10に接続されてよい、GE OEC(900及び9990シリーズ)、Phillips(Pulsera)、Siemens(Arcadis)、Ziehm(Vision)によって販売される商業的Cアームのような、Cアーム194の受信器端に付着するように構成されてよい。Cアームアレイマウント174は、リング178に動作可能に接続される或いは取り付けられる黒色ポリカーボネートグリフマウント176で構成されてよい。リング178は、例えば、アルミニウムで構成されてよい。マウント174は、グリフマウント176が受信器端を参照するように、グリフマウント176の背面(図示せず)を引っ張るためのリングクランプのようなクランプ180を含んでよい。クランプ180は、受信器端鋳造部(receiver end casting)の外周を押圧して、受信器端の最頂部ネジがCアームマウント174の皿整列穴182(countersunk alignment hole)と中心化される(例えば、整列される)よう、リング178が径方向及び回転方向に位置決めされることを可能にする。マウント174は、リング178とのグリフマウント176のアセンブリを案内するためのアセンブリ整列ピン186を含んでよい。
【0048】
アレイ38は、リング178の背面(即ち、グリフマウント176の反対側)でアレイマウント174に含められてよい。アレイ38は、アレイ38をマウント174に固定するために、親ネジのような、取付け要素184を含んでよい。アレイ38及び取付け要素184は、患者間の反復的な使用のために、それらがオートクレーブ可能であることを可能にする材料で構成されてよい。そして、有益なことに、本設計は、リング178又はアレイ38を装着又は調整するための特殊なツールの使用を回避する。よって、マウント174を使用するならば、Cアームアレイマウント174は、アレイ38からナビゲーションシステム10への連続的な視線を提供し、それは全ての手術撮像レベルについて垂直向き及び水平向きにおいてCアーム194をトラッキングすることができる。平面的な光学トラッキングアレイ38が
図12Aに示されているが、360度アレイ38及び360度プリズムアレイ38も利用されてよいことが想定される。システム10は、感知されるCアームマウント174からのデータを利用して、病院の既存のCアーム194及び術前CTデータセットをOR内に手術のために位置付けられる患者に正確に位置合わせする較正ツールの使用を可能にしてよい。
【0049】
図26A~
図26Dを参照すると、ドレープがリング178と係合させられるように、位置合わせプレート(registration plate)(図示せず)がCアーム194のドレープの上に配置されてよい。AP、+25、-25、及び横方向画像が、システム10によって取られ、受信され、システム10は、以下により詳細に記載するように、受信画像のために位置合わせ及び較正アルゴリズムを実行することができる。
【0050】
システム10の第7の態様において、
図40を参照すると、システム10は、トラッキングされる解剖学的構造4に基づいて剛性体(例えば、椎骨)にセグメント化される(CT、CBCT、及びMRIのような術前ソース及び術中ソースからの2D及び3D医療画像のような)受信される撮像入力から3D脊椎モデルを再構築する命令を含むコンピュータ実行可能命令を含む。コンピュータ実行可能命令は、各解剖学的構造4をリアルタイムに動的にトラッキングして表示するように構成される。システム10のコンピュータ実行可能命令は、各々のトラッキングされる解剖学的構造に対する手術ツールのリアルタイム場所をトラッキングして相関させるように構成される。コンピュータ実行可能命令は、動的な3D脊椎モデルを計算して表示するように構成され、仮想ツールのストリーミングデータが動的な3D脊椎モデルの上にオーバーレイされて、直接的な解剖学的可視化が強化される。
【0051】
図41に見ることができるように、撮像入力デバイス(例えば、術前ソース及び術中ソース)は、コンピュータシステム12と通信する。コンピュータシステム12は、タッチスクリーンディスプレイ16と通信し、タッチスクリーンディスプレイ16は、システム10からのデータを外科医に表示することができ、システムからの入力データを受信することができる。コンピュータシステム12は、IRカメラ34及び可視光カメラ36を含む、光学トラッキングシステム32と通信する。コンピュータシステム12は、カメラ34,36(ビュー、IR/可視光機能性等)を制御してよく、カメラ34,36に画像を取り込んで送信させ、カメラ34,36から画像データを受信させる。
【0052】
コンピュータ実行可能命令は、位置合わせステップを実行するように構成されてよい。本明細書で使用するとき、「位置合わせ(registration)」という用語は、患者の現在の解剖学的位置の1以上の参照点との仮想3Dデータセットの1以上の参照点との相関を意味するために使用される。位置合わせステップは、各々の受信画像ソースについて生じるように構成されてよい。好ましい実施形態において、位置合わせステップは、患者の脊椎の物理的可撓性(フレキシビリティ)に関するパラメータを含む。位置合わせステップは、受信画像データに従って異なることがある。例えば、受信画像データが1以上の術中2D Cアーム画像に対して同期された術前CTデータセットに由来するならば、位置合わせは、1以上の脊椎ピンの画像認識を含み、2つの蛍光画像内の1以上の画像マーカは、各椎骨を位置合わせし、術前3D画像から3Dモデルを再構築する。位置合わせが術中CT/CBCTであるならば、術中3D画像内の1以上の脊椎ピンの画像認識は、各椎骨を位置合わせする。一方、画像データがMRI-CTに由来するならば、CT画像の画像認識は、MR画像をCTセグメント/椎骨にマージさせる(merge)。蛍光MRI位置合わせにおいて、命令は、如何なるCT画像もなしに、3D MRI画像を位置合わせするように構成されてよい。
【0053】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、脊椎ピン52を識別するように構成されてよい。コンピュータ実行可能命令は、脊椎ピン52を感知し、感知した脊椎ピン52を使用して、術中放射線画像をスケーリング(scale)して、患者空間、画像空間、及びナビゲーション空間を位置合わせする、ように構成されてよい。ピン52は、既知の所定の直径を有するグリフ要素78,126(例えば、球体)を有してよい。カメラ34,36によって撮像されるとき、各グリフ要素78,126は、(既知の所定の直径のような)画像認識技法によって活用し得る各撮像モダリティ内の1以上の特性識別子(characteristic identifiers)を有する。
【0054】
一例として、CTについて、撮像されるグリフ要素は、放射線撮影ハロー(radiographic halo)の中心をグリフ要素78,126の中心に相関させるために使用し得る、その周りのハローの特性を有し得る。また、一例として、透視画像について、撮像されるグリフ要素78,126は、黒色ドットとして表示されることがある。その中心位置の場所は、最初の3Dピクセル(ボクセル)の精度に制約されることがある。第2のグリフ要素78,126の追加は、2つのグリフ要素78,126と二重ハロー(又は二重ドット)との間の既知の距離に基づくサブボクセル精度(sub-voxel accuracy)を可能にする。これらの撮像されるグリフ要素78,126が単一の軸に沿って配置されるとき、5自由度ピンが生成される。全ての6自由度を生成するために、脊椎ピンの向きが決定されるよう、5自由度を有する第2のピン52が画像内に配置されてよい。1つだけの脊椎ピン52を使用して全ての6自由度を解決することが望ましいならば、第1の軸に少なくとも2つのグリフ78,126を有し、ピン52の軸に直交する追加的なグリフ78,126(例えば、遠位グリフ126)を有する、6自由度脊椎ピン52を使用することができる。
図13は、画像内の1以上の脊椎ピン52を識別するために使用される計算を例示している。
図13に見ることができるように、アレイ38の6自由度における位置及び向きを使用して、コンピュータ実行可能命令は、各マーカ42の2つのグリフ中心を計算するように構成された。
図14A~
図14Cは、本明細書に記載する方法に従って識別された3つの隣接する椎骨の棘突起内に位置する脊椎ピン52のセットを例示している。幾つかの実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、脊椎ピン52全体の幾何学的形状を決定するために構成された画像認識を含んでよい。
【0055】
システム10が、5自由度にあるか或いは6自由度あるかに拘わらず、ピン52の向きを決定した後、コンピュータ実行可能命令は、(複数の)ピン52についての相対的な位置を決定するように構成されてよい。光学トラッキングシステム32は、カメラ34,36を通じて、ピン52と連結されるアレイ38を感知することができる。ピン52が6自由度ピン52である(例えば、グリフ78に加えて遠位グリフ126を有する)ならば、コンピュータ実行可能命令がピン52の位置を決定するために、1つのアレイ38のみがシステム10によって必要とされる。ピン2が5自由度ピン52である(例えば、遠位グリフ126を含まない)ならば、コンピュータ実行可能命令がカメラ34,36に対する脊椎の向きを決定するために、ピン52に連結されたアレイ38及び2つのピン52が必要とされる。光学トラッキングシステム32は、ピン52に連結される左アレイ/右アレイ38を感知するように構成されてよく、コンピュータ実行可能命令は、感知されたアレイ38に基づいて各ピン52についての相対的位置を計算するように構成されてよい。コンピュータ実行可能命令は、ピン52の放射線撮影向きの決定された相対的位置を比較して、それらが受け入れられる許容値内で整列することを確認する、ように構成されてよい。1つのこの相関は、システム10によって確認され、トラッキングシステム32から検出されるあらゆる脊椎の相対的な動きは、放射線撮影データ内のセグメント化された脊椎の場所を更新するために使用されることができる。その上、トラッキングアレイ38は6自由度を有することがあるので、ピン52が5自由度を有するとしても、1つの位置合わせが確認され、手術領域が妨害されないように外科医が残ることを望むアレイを除いて、アレイ38の全てが除去されることができる。外科医の好みに依存して、解剖学的構造4(個々の椎体)の相対的な動きの表示を示すために、複数の脊椎ピン52及びアレイ38は適所に残されてよい(即ち、解剖学的構造4に接続さあれてよい)。CTに類似する従来的な3D放射線撮影ビューが好ましいならば、ナビゲーションシステム10は、器具6の頂部が配置される場所を検出することができ、解剖学的構造4の決定された位置に基づいて、システム10は、頂部に最も近い又は先端と交差する最も近位の椎体基準として決定して、器具に対する3Dデータセットの向きを決定することができる。
【0056】
コンピュータ実行可能命令は、セグメント化ステップを実行するように構成されてよい。本明細書で使用するとき、「セグメント化(segmentation)」は、椎骨が分離及び治療され、操作され、且つ互いから別個に表示されることができるよう、3D画像データ内の個々の椎骨を識別するプロセスを記述する。セグメント化ステップは、撮像処理及び画像認識ソフトウェアを使用して脊椎レベルセグメント化プロセスを自動化する、セグメント化アルゴリズムを利用してよい。
図15は、コンピュータ実行可能命令が自動的に脊椎曲線を識別して抽出し、次に、それらが互いにセグメント化されるまで、各個々の椎骨を検出して識別する、セグメント化プロセスを描写している。1以上の適合メッシュを適用して、脊椎のセグメント化された3Dモデルを生成してよい。各椎骨又は他の解剖学的構造4を別個に着色して骨-軟組織インタフェースを可視的に強化することができ、或いは縁(margin)だけを着色することができる。
【0057】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、セグメント的なトラッキングを実行するように構成されてよい。本明細書で使用するとき、「セグメント的なトラッキング(segmental tracking)」は、臨床的に有意な各椎骨をトラッキングするシステム10の能力を指す。有利には、セグメント的なトラッキングは、処置の間でさえ単一の位置合わせを含み、精度の増大を含み、外科医が、トラッキングの精度を失うことなく、例えば、体内インプラントの配置中に、脊椎が移動する間にナビゲートし続けることを可能にする。
【0058】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、3D-2D画像位置合わせを実行するように構成されてよい。本明細書で使用するとき、「3D-2D画像位置合わせ(3D-2D image registration)」は、2D画像(蛍光)を受信すること、2D画像を較正すること、及び少なくとも2つの視野を用いて患者が手術のために位置決めされる間に患者の解剖学的構造の場所を3D画像(術前CT)に位置合わせすることを意味する。次に、2D画像を用いて、3D画像をナビゲーションシステム10と位置合わせすることができる。3D-2D画像位置合わせは、システム10内に術前CT情報を受信するステップを含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、セグメント化アルゴリズムを使用して椎骨をCTモデルから個々のレベルにセグメント化するように構成されてよい。
図16Aは、脊椎のCTモデルを例示しており、
図16B及び
図16Cは、
図16Aの脊椎の3つの脊椎レベルからのセグメント化を例示している。コンピュータ実行可能命令は、デジタル式に再構成される放射線撮像(DRR)アルゴリズムによって、3D CTモデルに基づく2D画像のセットを外挿し且つ生成することができる。
【0059】
図17Aは、セグメント化された3D画像データセットを例示している。
図17Bは、3D画像データセットの2D DRR(軸方向図)を例示している。
図17Cは、3D画像データセットの2D DRR(矢状図)を例示している。
図17Dは、3D画像データセットの2D DRR(冠状図)を例示している。脊椎ピン52が、Cアーム194を使用して蛍光透視法の視覚化の下で行われることができる関心脊椎レベルに挿入されるとき、脊椎ピン52のグリフ要素78,126の幾何学的形状は、上記で議論したように、患者空間、画像空間、及びナビゲーション空間を位置合わせするのに必要なスケーリングをシステム10に提供する。Cアームアレイマウント174によってナビゲーションシステムによってトラッキングされてよいCアーム194は、少なくとも1つのビューにおける関心脊椎レベルのうちの少なくとも1つの関心脊椎レベルの少なくとも1つの画像を取り込む。コンピュータ実行可能命令は、少なくとも1つの画像を受信するように構成されてよい。Cアーム194によって取り込まれる例示的な画像は、
図18A及び
図18Bに描写されている。幾つかの実施形態において、位置合わせを検証することができる。第1の例として、自動画像処理及び自動画像認識を使用して、コンピュータ実行可能命令は、撮像アルゴリズムを介して、各々の生成されるセグメント的なDRRを検索して、2D術中蛍光透視画像の画像との3D画像データセットの2D表現との一致を決定してよい。一例として、アルゴリズムは、2つのビューにおいて所定値を超える(類似性スコアを介した)相互相関値によって一致を決定して、単一の解をもたらしてよい。第2の例として、
図27A~
図27Dを参照すると、成功裡の位置合わせが、現実のCアーム画像上に重ね合わせられたDRR(例えば、シミュレートされたCアームショット)を示してよい。各レベルは、4つのショットのCアームシリーズ窓(C-arm series window)内に識別されてよく、99.5%のZスコア(又は他の予め指定されたレベル)と整列する任意の画像の上に緑色の境界を示してよい。位置合わせされないレベルは、不要な情報を省くように関連付けられる(部分レベル)DRRを有さないことがある。GUIは、外科医が選択して位置合わせを検証することができる各画像のための確認ボタンを表示してよい。システム10の幾つかの実施形態では、GUIのナビゲーションスクリーンに進むために、(2つの画像の)少なくとも2つの検証が実行されなければならない。
図27A~
図27Dにおいて、
図27Cは、検証に失敗し、
図27A、27C及び
図27Dは、検証に合格した。次に、コンピュータ実行可能命令は、各椎体のモデル位置を術前CT位置から現在の手術患者位置に調整するように構成されてよい。
【0060】
コンピュータ実行可能命令は、3D-2D画像位置合わせメニュースクリーンをディスプレイスクリーン16(
図25)上に表示させるように構成されてよい。
【0061】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、3D-3D画像位置合わせを実行するように構成されてよい。本明細書で使用するとき、「3D-3D画像位置合わせ(3D-3D image registration)」は、3D術中画像を取り込むこと及び受信すること、並びに3D術中画像を移入すること/3D術中画像をナビゲーションシステム10と位置合わせすることを指す。脊椎ピン52は、(例えば、蛍光透視法の視覚化の下で)関心脊椎レベルに挿入されてよい。上述のように、脊椎ピン52のグリフ要素78,126の幾何学的形状は、患者空間、画像空間、及びナビゲーション空間を位置合わせするのに必要なスケーリングパラメータを備えるコンピュータ実行可能命令を提供する。加えて、脊椎ピン52が術中3D画像内で撮像されると、ピン52(特にピン52の構造の金属)は、セグメント化アルゴリズムを最適化するためのシードポイントとして機能する。セグメント化がひとたび実行されると、コンピュータ実行可能命令は、術中3Dイメージャに関心椎骨レベルの(複数の)画像を取り込ませる。コンピュータ実行可能命令は、術中3Dイメージャから術中3D画像を受信するように構成され、脊椎の画像は、セグメント化されることができる。幾つかの実施形態において、先ず、ピン52は、骨からセグメント化され、次に、椎骨は、セグメント化アルゴリズムを使用して、CTモデルから個々のレベルにセグメント化される。コンピュータ実行可能命令は、3D-3D画像位置合わせメニュースクリーンをディスプレイスクリーン16(
図28)に表示させるように構成されてよい。
【0062】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、3D MRI-2D画像位置合わせを実行するように構成されてよい。本明細書中で使用するとき、「3D MRI-2D画像位置合わせ(3D MRI-2D image registration)」は、2D画像(蛍光)を取り込むこと及び受信すること並びに患者の解剖学的構造(例えば、解剖学的構造4)の場所を少なくとも2つの異なる視野を使用して手術のために位置付けられる患者と位置合わせすることを意味する。コンピュータ実行可能命令は、2D画像に基づいて、患者の解剖学的構造の場所を位置合わせするように構成されてよい。有利には、3D MRI-2D画像位置合わせは、術前CTを必要とせず、3D撮像機器を欠く施設で使用されることができる。MRI-2D画像位置合わせの別の利点は、軟組織ナビゲーションの容易化である。何故ならば、コンピュータ実行可能命令は、軟組織と器具6との間の空間認識を生成して表示するように構成されることがあるからである。例えば、3D MRI-2D画像位置合わせを利用する実施形態においてシステム10を使用するならば、外科医は、XLIFのような処置のために血管及び神経根を可視化して探し出して(位置特定して)、手術標的部位への安全なアクセスを提供することができる。コンピュータ実行可能命令は、3D MRI-2D画像位置合わせメニュースクリーンをディスプレイスクリーン16に表示させるように構成されてよい。
【0063】
システム10のコンピュータ実行可能命令は、(複数の)ディスプレイスクリーン16に、上述の位置合わせを利用して生成された画像の様々なワークフロー及び可視化を表示させてよい。例えば、システムの幾つかの実施形態は、「ウィザード」(段階的に案内される命令)に外科医に表示させて、ナビゲーションのセットアップ及び使用を通じて外科医を歩行させる、コンピュータ実行可能命令を含んでよい。
図19は、ディスプレイスクリーン16上の例示的なスタートアップメニュースクリーンGUIを例示している。選択領域から、外科医は、事例特異な情報を入力してよい。例えば、外科医は、外科的処置の対象である解剖学的領域、外科的処置のレベル(例えば、
図20に示すレベル選択メニュースクリーン)、及び手術アプローチ(例えば、後方、前方、側方)を選択してよい。
図19において、外科医は、側方アプローチから腰椎処置、レベルL3~L5を選択した。「スタート(start)」ボタンを選択することは、外科医をワークフロー中の次のステップに移動させる。見ることができるように、外科医は、処置を保存し、保存した処置をインポートし、例えば、トレーニング又は手術計画目的のために、「実証(demonstration)」モードを入力することもできる。外科医は、クラウドへの安全なログインアクセスを通じて、設定及び保存した処置にアクセスすることもできる。本明細書に含まれるコンピュータ実行可能命令は、いずれもクラウド内にあってよく、或いは(例えば、コンピュータシステム12によって)ナビゲーションシステム10内にローカルに格納されてよい。
【0064】
コンピュータ実行可能命令は、好ましいビュー(例えば、軸方向、プローブの眼、前頭、冠状、矢状、インラインなど)のためのテンプレートのような、格納されたテンプレート及び外科医プロファイルを検索して、患者とのシステム10の初期セットアップ(setup)を簡素化してよい。コンピュータ実行可能命令は、
図21に示すように、ディスプレイスクリーン16に、テンプレート及び外科医プロファイルのメニューを外科医に表示させ、外科医からテンプレート及び外科医プロファイルの選択を受信してよい。
図22は、好ましいビューのための格納されたテンプレートがディスプレイスクリーン16上に表示されるセットアップスクリーンメニューを例示している。コンピュータ実行可能命令は、外科医から選択されたテンプレートを受信するように構成されてよい。
【0065】
コンピュータ実行可能命令は、外科医が、外科的処置を計画する目的のために、術前画像データセットをロードして、ディスプレイスクリーン16上で、2D及び/又は3D画像データを見ることを可能にする、ように構成されてよい。
図23は、ディスプレイスクリーン16上に表示される手術計画スクリーンの例を例示している。
図23に見ることができるように、コンピュータ実行可能命令は、ディスプレイスクリーン16に、外科医(例えば、外科医又は他のOR職員)が、外科的処置のためにレベル、ネジタイプ、及びネジサイズを選択できる、手術計画メニューを表示させる、ように構成されてよい。
【0066】
図24に見ることができるように、コンピュータ実行可能命令は、ディスプレイスクリーン16に、外科医が、術前画像データセットの軸方向、矢状、及び冠状ビューにアクセスし、1以上の解剖学的測定値(例えば、椎弓根幅、椎体幅又は椎体深さ)を決定し、手術軌跡を提案することができる、手術計画スクリーンを表示させる、ように構成されてよい。手術計画は、各々の個別の椎体計画のために保存されてよいので、システム10は、外科的処置中の適切な時間の間に、個々の椎体計画の(複数の)3D又はCアームビューを提示してよい。
図36A及び
図36Bを参照すると、システム10の幾つかの実施形態によれば、ネジは、(選択される外科医を介して手動で或いはシステムによって自動的に)最良適合に従って、各椎弓根内に配置されてよい。手術計画は、各々の個別の椎体計画について保存されてよいので、システムは、外科的処置の適切な時間の間に、個々の椎体計画の(複数の)3D又はCアームビューを提示してよい。理解されるように、NuVasive, Inc.によるNuvaMap手術計画ソフトウェアのような他の手術計画タイプがコンピュータ実行可能命令に組み込まれてよい。
【0067】
コンピュータ実行可能命令は、ディスプレイスクリーン16に、器具セットアップメニュー(
図29)及びアレイ割当てメニュー(
図30)を表示させる、ように構成されてよい。コンピュータ実行可能命令は、システム10に、光学トラッキングシステム32を介して1以上の画像を取り込ませて、(複数の)アレイ38を自動的に認識させてよい。システム10は、器具6のためのアダプタを利用してもよく、アダプタは、システム10が器具を認識することを可能にして、第1レベル記述子(describer)(例えば、ネジ回しのためのネジ回し)を識別する。コンピュータ実行可能命令は、ディスプレイスクリーン16に、ドロップダウンメニューのようなメニューを表示させてよいので、外科医は、器具6についての最終的な記述を選択してよい。有利には、この構成は、外科医が手術ワークフローを継続して、ナビゲートされる器具6をシームレスに選択することを可能にする。
【0068】
コンピュータ実行可能命令は、特に位置合わせ及びセットアップステップを完了した後に、1以上の手術器具の表現を3D画像データセットの2D表現上にリアルタイムでオーバーレイさせる、ように構成されてよい。一例として、器具の表現は、(コンピュータ支援設計モデルのような)エンジニアリングモデル、ワイヤフレームモデル、又は(シリンダ、長方形、又はブロックのような)単純な形状であり得る。コンピュータ実行可能命令は、
図31~
図33に示すように、解剖学的構造に対する手術器具の場所に基づいて(椎弓根ネジのような)シミュレートされた軌跡188を更に生成し、シミュレートされた軌跡188をディスプレイスクリーン16上の2D表現上に表示する、ように構成されてよい。
図32に見ることができるように、コンピュータ実行可能命令は、ツールメニューを表示させるように構成されてよく、ツールメニューでは、シミュレートされた軌跡188のネジタイプ、インプラントタイプ、システムタイプのような種々のオプションが、外科医によって選択されることができる。コンピュータ実行可能命令は、ツールメニューに関するシミュレートされた軌道及び外科医入力に基づいて、シミュレートされたインプラント190(例えば、椎弓根ネジ)を表示するように構成されることができる。外科医が軌跡及びインプラント選択にひとたび満足すると、システム10は、好ましくは
図33に描写するようなシミュレートされた軌跡188に従って、実世界のインプラント191(図示せず)をその意図された場所にナビゲートするために使用されることができる。椎弓根ネジの位置決めが本明細書に記載さるが、ナビゲーションシステム10は、任意の数の器具及びインプラントについてのナビゲーション情報を提供し得ることが理解されるであろう。
【0069】
システム10は、シミュレートされたブックマークされたネジ192(simulated bookmarked screw)を生成して、シミュレートされたブックマークされたネジ192をディスプレイスクリーン16上で外科医に表示させるように構成される、コンピュータ実行可能命令を含んでよい。この構成は、外科医が特定の視野(例えば、側方)から整列させられた単一の椎骨に2つのネジを挿入することを望むときに有益である。
図35A及び
図35Bに示すように、上述のように、生成されたセグメント的なDRRを使用して、コンピュータ実行可能命令は、シミュレートされたブックマークされたネジを生成して、椎骨内の第1の配置されたネジの最終的な場所を取り込むように構成されてよい。外科医が第2のネジを椎骨内に配置する準備ができているとき、シミュレーションされたブックマークされたネジは、外科医が第2のネジを配置するための整列のための基準を有するよう、DRR画像の上に表示される。シミュレートされたネジは、ネジの中実の不透明な表現、透明な本体を備えるネジの輪郭、又は線によって描かれてよい。コンピュータ実行可能命令は、3D矢状スライスビューのようなDRR以外のビュー内にシミュレートされたネジを生成するように構成されてよい。
図35Aは、基準のための脊椎のDRR内のシミュレートされたブックマークされたネジを例示しており、
図35Bは、シミュレートされたブックマークされたネジの上に配置されたネジを例示している。
【0070】
第8の態様において、システム10は、3D術後シミュレーションCTを生成する。この態様によれば、動的にトラッキングされた椎骨の最後の場所及び各々の配置されたネジの最後の位置を、コンピュータ実行可能命令を介して、システム10によって処理して、患者の術後3Dビューを生成してよい。有益なことに、この3Dビューは、手術直後の患者の正確な描出であるので、手術の終了時の追加的な3Dスキャンは必要とされず、患者及びORスタッフへのより少ない放射線曝露、及び時間の節約(即ち、より低い病気状態のリスク及びコスト節約)がもたらされる。
【0071】
上述のセグメント化ステップは、それらが外科医に追加的な視認オプションを提供するという点で、特に有利である。
図37~
図39を参照すると、GUIは、外科医の好みに基づいて手術部位の異なるビューを表示することがある。
図37を参照すると、GUIは、外科医の好みに基づいて手術部位の異なるビューを表示することがある。幾つかの実施形態では、位置合わせされた椎体のみが表示されてよく、位置合わせに基づいて(術前CT向きでない)現在の向きにおいて示されてよい。隣接する椎骨レベルは、3D.stl又は他のフォーマットファイルのような忠実なエンジニアリングファイルとしてそれらの新しい場所に表示されてよく、全ては(手術レベルより上の)単一の患者基準アレイ38に対してトラッキングされてよい。幾つかの実施形態では、外科医によって現在作業されている椎体のみについて、DICOM画像がナビゲートされてよい。CTスライス及び側方DRR(左半分又は右半分)の軸方向DRR若しくはツールビュー又は矢状ツールビューCTが
図37に示されている。
図38は、外科医によってオン及びオフに切り替えられてよい、上述のような、術前からの計画されたネジに従った、表示された計画された軌跡を例示している。ブックマークされたネジ構成は、
図39に示すように、外科医によってオン及びオフに切り替えられてもよい。GUIは、実世界の手術状況及び外科医の専門医の医学的判断に基づいて計画されたネジの新しい軌跡を調整するオプションを外科医に提供するための「新しい軌跡を保持する(Hold New Trajectory)」という選択を含んでよい。
【0072】
システム10の第9の態様において、システム10は、第1のカメラ34,36が手術領域の視野を有し、第2のカメラ34,36が位置合わせ装置(例えば、C-アーム194)の視野を有するように、1つよりも多くのカメラ34,36から取り込まれる画像を受信する。システム10は、アレイ38を参照することによって、第1のカメラ34,36及び第2のカメラ34,36の相対的な位置を較正するように構成された、コンピュータ実行可能命令を含んでよい。カメラ34,36は、例えば、カメラベース37内に一緒に、或いは別個に提供されてよい。システム10は、カメラ34,36が同じ方向においてトラッキングしているか或いは反対方向からトラッキングしているときに、動的較正(ダイナミックキャリブレーション)を行ってよい。
【0073】
例えば、システム10は、上述のように、脊椎と通信するアレイ38の画像を取り込んでトラッキングするために、滅菌手術野内に第1の赤外線カメラ34を含んでよい。システム10は、位置合わせデバイスの画像を取り込んでトラッキングする滅菌手術野の外側に位置付けられる第2の赤外線カメラ34を含んでよい。第2の赤外線カメラ34は、第1の赤外線カメラ34によってトラッキングされるアレイ38の少なくとも1つの画像を取り込んでトラッキングしてよいが、視野妨害の故に、第1の赤外線カメラ34によってトラッキングされるアレイ38の全てをトラッキングしないことがある。しかしながら、上記で議論したように、システム10は、これらのデータを受信して、3Dモデルを生成し、3Dモデルの2D表現をディスプレイスクリーン16上に表示してよい。
【0074】
別の例において、システム10は、単一の構造として取り扱われてよいS1/骨盤複合体のような単一の剛性セグメントである解剖学的構造4に接続される1つよりも多くのアレイ38を取り込んでトラッキングするために使用されることがある、1つよりも多くのカメラ34,36を利用する。
【0075】
更に別の例示的な使用では、側方脊椎処置、例えば、XLIF処置の間に、第1の赤外線カメラ34が、脊椎トラッカアレイ38を取り込んでトラッキングしてよい一方で、第2の赤外線カメラ34が、手術回廊及び腸骨稜に付着されたアレイ38を取り込んでトラッキングしてよい。第1又は第2のカメラ34はどちらも同じアレイ38をトラッキングしないことがあるが、システム10は、位置合わせされ且つセグメント化された単一の剛性構造を使用して、システムが位置合わせの間にカメラ34の間の間接的な相関を計算することを可能にするので、どちらのカメラ34も共通のアレイ38をトラッキングする必要はなく、2つのカメラ34は、システム10が受信して手術領域の統一された3Dビューを生成することができる画像及びデータを送信する。
【0076】
システム10の第10の態様において、システム10は、拡張現実(augmented reality)を生成するように構成される。システム10は、少なくとも3つのカメラ34,36を含んでよく、赤内マーカ42であってよいマーカアレイ42をトラッキングするために第1及び第2の赤外線カメラ34が使用されることがある一方で、第3の可視光スペクトルカメラ36が手術領域に焦点を合わせられる。この少なくとも3つのカメラ34,36の構成は、システム10のコンピュータ実行可能命令が、赤外線カメラ34及び可視光スペクトルカメラ36によって取り込まれる画像を重ね合わせることによって、仮想ツール場所及びトラッキングマーカ42の位置の正確な描写(portrayal)を生成することを可能にする。椎体がそれらに接続されたアレイ38を有するときに、セグメント化された椎体のためにも、仮想表現及び可視要素のこの重ね合わせを使用することができる。次に、外科医は、システム10が、例えば、外科医によってシステム10に入力された所定の手術計画を通じて外科医を視覚的に誘導することができるように、可視カメラ36からのオーバーラップと共にいずれかの赤外線カメラ34から椎体及び手術器具を見ることができる。システム10は、システム10が、例えば、拡張現実眼鏡を通じて、患者の上にシミュレートされた脊椎及び器具を表示することができるように、外科医が着用することができるウエアラブルカメラ及びアレイアセンブリを含んでよい。
【0077】
システム10の或る実施形態において、システム10は、1以上のアレイ38に関する問題をトラブルシューティングするために拡張現実機能を使用するように構成される。例えば、アレイ38が遮断(ブロック)されるか或いは汚染されるならば、システム10は、遮断された或いは汚染されたアレイ38の位置を表示するために、可視光スペクトル内にハイライト(強調表示)されたピクセルを表示するように構成されてよい。システム10は、ハイライトされたピクセル上に、アレイ38のマーカ42のトラッキングされた赤外線位置の、着色ボールのようなシンボルを、オーバーレイしてよい。このトラブルシューティング構成は、外科医が、視線の問題がアレイ38に存在するか否か又はマーカ42の1つに欠陥があるか否かを理解することを可能にする。
【0078】
特に有利なことは、現在記載しているナビゲーションシステム10が、手術作業計画フローを中断させずに、ナビゲーションシステム10の較正を可能にすることである。例えば、システム10は、システム10が器具の場所を決定した拡大されたピクセルを表示することができるので、外科医は、OR条件がシミュレーションで較正され且つシミュレーションによって正確に表示されることを確認することができる。較正が必要であるならば、システム10は、可視光カメラ36から画像を取り込んで受信することによるような、画像認識を使用して、それ自体を再較正することができる。較正は、外科医が可視光カメラ36に鑑みて器具6を回転させることによって動作起動され(motion activated)、アクティブ化され(activated)、且つ較正される(calibrated)。
【0079】
器具6は、ネジ回しのような、多くのアタッチメント(attachments)を有することがある。システム10は、カメラ34,36を介して器具6及び関連するネジを取り込んでトラッキングして、ネジの直径及び長さを計算するように構成された、コンピュータ実行命令を含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、ディスプレイスクリーン16上に適切なネジの仮想表現を表示するように構成されてよい。スクリューの仮想表現は、外科医による容易な視覚的識別のために、ネジの直径及びネジの長さのような、ネジのサイズと関連付けられるカラーコードを有してよい。
【0080】
第11の態様において、システム10は、冗長脊椎トラッキングを実行してよい。上記で議論したように、システム10は、1つよりも多くの脊椎トラッキングアレイ38を含んでよい。システム10は、各アレイ38の動きをトラッキングしてよく、アレイ38の相対的動きが所定の値を超えるならば、外科医は、GUIを通じて選択して、基準としての二次アレイ38を追跡するか、或いは椎体を位置合わせすることができる。
【0081】
第12の態様において、システム10は、個々のセグメント化された椎体をトラッキングし、椎体の個々の動きを表示する。
図34を参照すると、各椎骨は、上記で議論したように、脊椎ピン52及びアレイ38を通じてシステム10によってトラッキングされて、椎骨の残余からセグメント化されることができる。システム10は、トラッキングされ且つセグメント化された椎骨に基づいて、隣接する椎骨に対して移動する任意の2D又は3D視野(2D or 3D perspective)において外科医が視認して選択することができるシミュレートされた椎骨を生成して表示するように構成される、コンピュータ実行可能命令を含んでよい。シミュレートされた個々のセグメントは、システム10が外科医からの命令を受信してシミュレートされたセグメントをスライスして開くときに視認可能であり得る、それぞれの放射線撮影データを含んでよい。シミュレートされたセグメントの外側シェルに特定の色を付与して、外科医が1つの椎骨を同様にトラッキングされてシミュレートされる隣接する椎骨から区別するのを助けることができる。コンピュータ実行可能命令は、バックグラウンド(即ち、非椎体組織)を表示するように構成されてよく、隠すように構成されてよい。バックグラウンドは、外科医が感心を有する椎骨を照らすことによって外科医を助ける黒色又は他の対比色のような、シミュレートされる椎骨とは異なる色として表示されてよい。バックグラウンドが3Dビューから隠されるとき、変形可能な変換行列を適用して、軟組織がどのように伸張したかのシミュレーションを表示することができる。CT及びMRI画像がマージされる(merged)ならば、この変形可能な変換行列を使用して、軟組織をハイライトすることができ、それは更なる色を使用して異なる組織タイプをハイライトすることを含む、システム10の幾つかの実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、特定の椎体の境界をハイライトするために外科医からの入力を受信するように構成される。この構成は、骨粗鬆症患者に対する手術に特に有利であり、外科医は、椎体の境界を認識する際にこの支援から利益を得る。
【0082】
第13の態様において、システム10は、その全文を本明細書に参照として援用する国際出願番号PCT/US17/20491に記載されているような、脊椎変形矯正の手術計画及び評価のためのシステム及び方法において使用されてよい。有利には、ナビゲーションシステム10は、システム10のコンピュータ実行可能命令が、外科的処置の開始時に椎骨の位置及び向きを取り込んでトラッキングするように構成されるように、手術計画及び評価と組み合わせられることができる。コンピュータ実行可能命令は、カメラ34,36から画像を受信し、脊椎骨盤パラメータ(spinopelvic parameters)を更新し或いは孔(foraminal)又は管容積(canal volume)の変化を計算し、適切な減圧(decompression)を評価して、最適化された手術計画の遵守を自動的に決定する、ように構成されてよい。有利には、この自動トラッキング及び更新は、追加的なCアーム画像を手動で取り込むために手術ワークフローを中断する必要性を排除する。
【0083】
第14の態様において、システム10は、それらの全文を本明細書中に参照として援用する米国特許第7,957,831号及び米国特許第8,549,888号に記載されている、NuVasive, Inc.によるBENDINI脊椎ロッド曲げシステムのような、ロッド曲げソフトウェア及び機械と共に利用されてよい。脊椎ロッド曲げシステムは、ネジのデジタル化された場所を使用して、曲げ命令を生成するので、本システム10は、1つよりも多くの椎骨に付着される基準物(即ち、アレイ38)を通じてプロセスを簡素化し、システム10は、光学トラッキングシステム32を介して、ネジが脊椎に挿入されるときに、ネジの場所、位置、及び向きを取り込むことができる。有利には、これは脊椎ロッド曲げシステムの使用のためのワークフロー内のデジタル化ステップを自動化し、手術の進行に応じて仮想ロッドプレビューが動的に更新されることを可能にする。何故ならば、椎骨、インプラント及び器具は、外科的処置に亘って自動的かつ連続的にトラッキングされ続けることができるからである。有利には、脊椎ロッド曲げシステムを用いてロッドがひとたび創成されると、システム10は、ロッド挿入のナビゲーションを容易にするために、外科医への指向性情報を生成してシミュレートするように構成されることができる。
【0084】
第15の態様において、システム10は、NuVasive, Inc.によるNVM5神経モニタリング(neuromonitoring)プラットフォームのような、術中神経モニタリングと共に使用されるときに、統合的な神経モニタリングを提供する。神経モニタリングプラットフォームは、例えば、それらの全文を本明細書中に参照として援用する、米国特許第8,538539号、第8,548,579号、8,550,994号、8,556,808号、8,562,21号、8,591,432号、8,602,982号、8,628,469号、8,634,904号、8,663,100号、8,672,840号、8,679,006号、8,696,559号、8,708,899号、8,738,123号、8,747,307号、8,753,271号、8,764,649号、8,768,450号、8,784,330号、8,821,396号、8,942,801号、8,945,004号、8,956283号、8,977,352号、8,989,866号、及び9,037,250号に示されている。本明細書に記載するシステム10のナビゲーション構成は、EMG結果が発生した場所がトラッキングされて、ナビゲーションシステム10によって生成される脊椎の2D表現/ビューの上にオーバーレイされることがあるように、EMG及び自走活動(free run activity)と統合されてもよい。ほんの一例として、椎弓根ネジのような移植(インプラント)されるデバイスは、閉鎖又は破損(close or breached)が移植されたデバイスを赤色として表示することがあり、付近(near)が移植されたデバイスを黄色として表示することがあり、許容限界の距離(acceptable margin of distance)が移植されたデバイスを緑色として表示することがあるように、骨-軟組織インタフェースへのそれらの近接性に基づいて、赤色、黄色、又は緑色に着色されることができる。
【0085】
前述の記載は、本開示のプロセス、機械、製造者、及び他の教示を図示し、記載する。加えて、本開示は、開示のプロセス、機械、製造者、及び他の教示の特定の実施形態のみを示しているが、上述のように、本開示の教示は、様々な他の組み合わせ、修正、及び環境において使用可能であり、本明細書に表される教示の範囲内で、当業者の技能及び/又は知識に見合った変更又は修正が可能であることが理解されるべきである。上述の実施形態は、更に、本開示のプロセス、機械、製造者、物質の組成物、及び他の教示を実施することが知られている特定の最良の形態を説明することを意図しており、当業者が本開示の教示を、そのような又は他の実施形態において特定の用途又は使用によって要求される様々な修正を伴って利用することを可能にすることを意図している。従って、本開示のプロセス、機械、製造者、及び他の教示は、本明細書に開示する正確な実施形態及び実施例を制限することを意図しない。本明細書の各セクションの見出しは、37C.F.R.§1.77との整合性のために或いはさもなければ組織的な待ち行列を提供するために設けられている。これらの見出しは、本明細書中に示される(複数の)発明を制限せず或いは特徴付けない。
【0086】
本発明は、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすいが、その具体的な実施形態は、図面中に一例として示されており、本明細書中に詳細に記載されている。しかしながら、特定の実施形態の本明細書中の記述は、本発明を開示の特定の形態に限定することを意図せず、逆に、本発明は、本明細書に定義されるような本発明の精神及び範囲内に入るすべての修正物、均等物、及び代替物をカバーするものであることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載の特定の例の任意の構成のいずれかは、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の任意の他の例と共に使用されることがある。幾つかの実施形態によれば、以下に記載する手術ナビゲーションシステム、方法、及びワークフローの一部又は全部を、上述のシステム、方法、及びワークフローの一部又は全部と共に使用することができる。