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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】マイクロメータ用情報伝達装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/18 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
G01B3/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020046255
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021148485
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000220103
【氏名又は名称】株式会社アライドマテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正志
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067235(JP,A)
【文献】特開2000-076577(JP,A)
【文献】特開2017-129461(JP,A)
【文献】特開2019-100841(JP,A)
【文献】特開平10-047903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00- 3/08
G01B 3/11- 3/56
G01B 5/00- 5/30
G01B 7/00- 7/34
G01B 21/00-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロメータに接続させる台座と、
前記台座に取り付けられるスイッチと、
前記スイッチに取り付けられて前記スイッチを駆動させるレバーとを備え、
前記マイクロメータに接続された際に、前記レバーは前記マイクロメータの操作部に隣接して設けられる、マイクロメータ用情報伝達装置。
【請求項2】
マイクロメータに接続させる台座と、
前記台座に取り付けられるスイッチと、
前記マイクロメーターに接続された際に、前記スイッチに取り付けられて前記スイッチを駆動させる、直線形状の部分を有するレバーとを備える、マイクロメータ用情報伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロメータ用情報伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロメータは、たとえば特開2019-215231号公報(特許文献1)に開示されている。測定したデータを収集するデータ収集装置は、たとえば特開2011-242271号公報(特許文献2)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-215231号公報
【文献】特開2011-242271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマイクロメータにおいては、測定したデータをコンピュータに送る動作が煩雑であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マイクロメータ用情報伝達装置は、マイクロメータに接続させる台座と、前記台座に取り付けられるスイッチと、前記スイッチに取り付けられて前記スイッチを駆動させるレバーとを備え、前記レバーは前記マイクロメータの操作部に隣接して設けられる。
【発明の効果】
【0006】
測定したデータを簡単にコンピュータに送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの正面図である。
図2図2は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの平面図である。
図3図3は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの背面図である。
図4図4は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの底面図である。
図5図5は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの右側面図である。
図6図6は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの左側面図である。
図7図7は、クランプに取り付けられたマイクロメータ用情報伝達装置およびマイクロメータを人が操作する状態を示す斜視図である。
図8図8は、クランプに取り付けられたマイクロメータ用情報伝達装置およびマイクロメータを人が操作する状態を示す斜視図である。
図9図9は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の組立図である。
図10図10は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の分解図である。
図11図11は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の台座の斜視図である。
図12図12は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の台座の斜視図である。
図13図13は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置のレバーの斜視図である。
図14図14は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置のキャップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0009】
一つの局面に従ったマイクロメータ用情報伝達装置は、マイクロメータに接続させる台座と、前記台座に取り付けられるスイッチと、前記スイッチに取り付けられて前記スイッチを駆動させるレバーとを備え、前記レバーは前記マイクロメータの操作部に隣接して設けられる。
【0010】
このように構成されたマイクロメータ用情報伝達装置においては、レバーはマイクロメータの操作部に隣接して設けられるため、使用者は操作部を操作しながらレバーを操作することができる。そのためレバーを操作することで容易にスイッチを駆動させ、情報を伝達することができる。「隣接して設けられる」とは使用者が測定対象物の大きさを測定するために操作部を操作しながら同時にレバーを操作できる程度に操作部とレバーとの距離が調整されていることをいう。
【0011】
別の局面に従ったマイクロメータ用情報伝達装置は、台座と、前記台座に取り付けられるスイッチと、前記スイッチに取り付けられて前記スイッチを駆動させる、直線形状の部分を有するレバーとを備える。
【0012】
このように構成されたマイクロメータ用情報伝達装置においては、使用者はマイクロメータを操作しながらレバーを操作することで、容易にスイッチを駆動させ、情報を伝達することができる。
【0013】
[本開示の実施形態の詳細]
図1から6は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置およびそれが取り付けられたマイクロメータの正面図、平面図、背面図、底面図、右側面図、および左側面図である。これらの図で示すように、デジタル方式のマイクロメータ100は、本体フレーム104と、本体に設けられたディスプレイ105と、本体フレーム104に設けられて使用者が操作する操作部101と、使用者の操作に連動して軸方向に移動するスピンドル102と、スピンドル102に接触可能なアンビル109と、アンビル109を保持する保持部103とを備える。
【0014】
操作部101は軸方向に延びており、その軸を中心として操作部101は、回転可能である。操作部101が回転するとスピンドル102が回転しながら軸方向に移動する。操作部101の回転方向により、スピンドル102はアンビル109に近づく方向またはアンビル109から遠ざかる方向のいずれかに移動する。
【0015】
スピンドル102とアンビル109との間の距離がディスプレイ105に表示される。スピンドル102とアンビル109との間に試料が置かれた状態でスピンドル102を回転させると、試料がスピンドル102の先端102tおよびアンビル109の両方に接触する位置までスピンドル102を近づけることが可能である。このときのスピンドル102の先端102tとアンビル109との間の距離が試料の寸法であり、この寸法をディスプレイ105に表示することができる。本体フレーム104の端部に送信ボタン190が設けられている。
【0016】
情報伝達装置10は台座11を有する。台座11は本体フレーム104に沿った形状とされている。台座11の一方の面が本体フレーム104に取り付けられている。台座11のフレームへの取り付け方法として、両面テープ、クランプ、接着剤による接着などがある。
【0017】
台座11にはスイッチ21が取り付けられている。スイッチ21はマイクロメータ100で測定したデータをコンピュータに送るための装置である。スイッチ21にはアーム22が取り付けられている。アーム22はスイッチ21の一部分を構成している。アーム22にはレバー23が接続されている。情報伝達装置10は、台座11と、台座に取り付けられるスイッチ21と、スイッチ21に取り付けられてスイッチを駆動させる、直線形状の部分を有するレバー23とを備える。
【0018】
アーム22およびレバー23は操作部101に沿って設けられている。この例ではアーム22にレバーが被せられている。アーム22およびレバー23は別体品であっても良く、一体品であっても良い。アーム22およびレバー23が押し下げられることによってマイクロメータ100の情報がコンピュータに伝達される。
【0019】
ケーブル160がマイクロメータ100に接続されている。ケーブル160はコンピュータまたはデータ送受信機器に接続されており、ケーブル160を経由してコンピュータとマイクロメータ100との間でデータの送受信をする。
【0020】
スイッチ21にケーブル150が接続されている。ケーブル150は、コンピュータまたはデータ送受信機器に接続されており、ケーブル150を経由してスイッチ21の入力によりデータの送受信をするタイミングを伝達する。情報伝達装置10は、マイクロメータ100に接続させる台座11と、台座に取り付けられるスイッチ21と、スイッチ21に取り付けられてスイッチ21を駆動させるレバー23とを備える。レバー23はマイクロメータ100の操作部101に隣接して設けられる。
【0021】
図7および図8は、クランプに取り付けられたマイクロメータ用情報伝達装置およびマイクロメータを人が操作する状態を示す斜視図である。これらの図で示すように、マイクロメータ100に情報伝達装置10がクランプ300により接続されている。マイクロメータ100に情報伝達装置10が接触した状態で、これらをクランプ300で挟み込むことによりマイクロメータ100に隣接するように情報伝達装置10を位置決めする。
【0022】
使用者が右手の親指201および人差し指202で操作部101を回転させる。中指203をレバー23に接触させることができる。レバー23を下方向に押し下げることでマイクロメータ100の情報をコンピュータに送ることができる。この例では右手の親指201、人差し指202および中指203でレバー23を操作する例を示しているが、他の指で操作部101およびレバー23を操作してもよい。さらに、左手でマイクロメータ100およびレバー23を操作できるようにしてもよい。
【0023】
図9は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の組立図である。図10は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の分解図である。図9および図10で示すように、台座11の隆起部11bにスイッチ21が取り付けられている。スイッチ21には押し下げ可能なアーム22、電気情報を入出力するための端子25,26,27を有する。ケーブル150のカプラー151,152に端子27,25が差し込まれる。端子26にはキャップ24が被せられる。スイッチ21はボルト29により台座11の隆起部11bに固定される。アーム22はレバー23の孔に挿入される。
【0024】
図11および図12は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置の台座の斜視図である。図11および図12で示すように、台座11は第一表面11aと、第一表面11aと反対側の第二表面11eとを有する。台座11の外周には凹部11dが設けられている。凹部11dは本体フレーム104に沿った形状とされている。第一表面11aには隆起部11bが設けられている。隆起部11bの頂面は平坦に形成されている。隆起部11bにはネジ孔11cが設けられている。第二表面11eは平坦な面である。第二表面11eはマイクロメータ100の本体フレーム104に接触する。本体フレーム104に凹凸が設けられている場合にはその凹凸に対応した凹凸を本体フレーム104に設けてもよい。
【0025】
図13は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置のレバーの斜視図である。レバー23は、アーム22を受け入れるための孔23aを有する。この実施の形態ではレバー23はアーム22を受け入れる部分において直線形状で、それ以外の部分において湾曲形状を有している。レバー23の全体が直線形状を有していても良い。レバー23の材質は、樹脂、金属、セラミックなどの様々な材質であっても良い。さらに、アーム22に被覆をすることでレバー23を形成しても良い。
【0026】
図14は、実施の形態に従ったマイクロメータ用情報伝達装置のキャップの斜視図である。キャップ24は、端子26の露出を防ぐために設けられる。キャップ24には孔24aが設けられて孔24aに端子が挿入される。すべての端子25-27にカプラー151,152が嵌められる場合にはキャップ24を設けなくてもよい。
【0027】
以上のように構成された情報伝達装置10によれば、マイクロメータ100の操作部101をある指で回転させながら別の指でレバー23を操作することでマイクロメータで読みとった数値のデータをコンピュータに伝達することができる。フットスイッチを用いたデータの伝達と比較して簡単かつ確実にデータを伝達することができる。
【0028】
マイクロメータに送信ボタン190が設けられてこれを押してデータを伝達する場合には、一旦操作部101から手を離して送信ボタンを押す必要がある。これに対して操作部101に隣接するようにレバー23が設けられているため、操作部101から手を離すことなくレバーを操作することができる。その結果、簡単かつ確実にデータを伝達することができる。
【0029】
フットスイッチを用いてデータを伝達する場合には、フットスイッチは通常はテーブルの下に設けられる。使用者はフットスイッチを視認することが困難な場合があるため確実にフットスイッチを踏めない可能性がある。これに対して操作部101近傍にレバー23を設けることで使用者は常にレバー23を視認できるので、素早く確実にデータを伝達できる。さらに、常にレバー23を視認できるので、使用者の疲労を軽減することができる。また、送信のタイミングのずれが起きにくい。
【0030】
フットスイッチをテーブルの下に設ける場合にはテーブル上のマイクロメータ100からテーブルの下のフットスイッチに配線を設ける必要があるため配線の取りまわしが困難となる可能性がある。操作部101近傍に情報伝達装置10を設けることで配線の取りまわしが容易となる。
【0031】
(実施例)
一つの部品の4個所をマイクロメータ100で測定するに当たって、従来の情報伝達装置(送信ボタン190)と、図1から14で示す本開示の情報伝達装置とを対比することによってデータを転送する時間短縮の効果を検証した。
【0032】
(送信ボタン190によるデータ転送)
送信ボタン190によってデータを転送する比較品では、マイクロメータ100にデータ転送用の送信ボタン190を取り付け、使用者が送信ボタン190を押すことによりマイクロメータ100で測定したデータがコンピュータに転送される。
【0033】
ステップ(1):使用者が部品を持ってその部品をマイクロメータ100のスピンドル102とアンビル109との間に置く。
【0034】
ステップ(2):使用者が操作部101を正回転させてスピンドル102の先端102tおよびアンビル109に部品の第一の部分を接触させて部品の大きさを特定し、送信ボタン190を操作して測定された情報をコンピュータに送る。
【0035】
ステップ(3):使用者が操作部101を逆回転させてスピンドル102の先端102tとアンビル109との間の距離を大きくした後、部品を移動させる。使用者が操作部101を正回転させてスピンドル102の先端102tおよびアンビル109に部品の第二の部分を接触させて部品の大きさを特定し、送信ボタン190を操作して測定された情報をコンピュータに送る。
【0036】
ステップ(4):使用者が操作部101を逆回転させてスピンドル102の先端102tとアンビル109との間の距離を大きくした後、部品を移動させる。使用者が操作部101を正回転させてスピンドル102の先端102tおよびアンビル109に部品の第三の部分を接触させて部品の大きさを特定し、送信ボタン190を操作して測定された情報をコンピュータに送る。
【0037】
ステップ(5):使用者が操作部101を逆回転させてスピンドル102の先端102tとアンビル109との間の距離を大きくした後、部品を移動させる。使用者が操作部101を正回転させてスピンドル102の先端102tおよびアンビル109に部品の第四の部分を接触させて部品の大きさを特定し、送信ボタン190を操作して測定された情報をコンピュータに送る。
【0038】
ステップ(6):使用者が操作部101を逆回転させてスピンドル102の先端102tとアンビル109との間の距離を大きくした後、部品を所定の場所に載置する。
【0039】
比較品である送信ボタン190では、このステップ(1)から(6)に必要な時間を継続したところ、ステップ(1)から(6)について、2秒、2.5秒、2.5秒、2.5秒、2.5秒、2秒必要であり、合計で14秒必要であった。
【0040】
図1から14で示す情報伝達装置10によるデータ転送)
図1から14で示す情報伝達装置10およびマイクロメータ100においてステップ(1)から(6)を実施した。ただし、ステップ(2)から(5)における「送信ボタン190を操作して測定された情報をコンピュータに送る」は、「レバー23を操作して測定された情報をコンピュータに送る」とした。
【0041】
ステップ(1)から(6)に必要な時間を継続したところ、ステップ(1)から(6)について、2秒、1秒、1秒、1秒、1秒、2秒必要であり、合計で8秒必要であった。
【0042】
以上のように、図1から図14の情報伝達装置10を用いれば作業時間を大幅に短縮できることが分かる。
【0043】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
10 情報伝達装置、11 台座、11a 第一表面、11b 隆起部、11c ネジ孔、11d 凹部、11e 第二表面、21 スイッチ、22 アーム、23 レバー、23a,24a 孔、24 キャップ、25,26,27 端子、29 ボルト、100 マイクロメータ、101 操作部、102 スピンドル、102t 先端、103 保持部、104 本体フレーム、105 ディスプレイ、109 アンビル、150,160 ケーブル、151,152 カプラー、190 送信ボタン、201 親指、202 人差し指、203 中指、300 クランプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14