(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】揮発性物質を保持するための容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
B65D83/00 F
(21)【出願番号】P 2020515949
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(86)【国際出願番号】 US2018052052
(87)【国際公開番号】W WO2019060615
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-05-25
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【氏名又は名称】三品 明生
(72)【発明者】
【氏名】ピーパー、 グレゴリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マグガード、 リチャード、 ディー., ジュニア
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0132308(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0016904(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0101730(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0139891(US,A1)
【文献】特表2006-513100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A61L 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質を分配するためのリフィルであって、
ボトルであって、
少なくとも1つの側壁によって画定された本体部と、
前記少なくとも1つの側壁から外向きに延びるネック部であって、前記ネック部の上端にリムを備え、前記リムは内部表面、上面、及び外表面によって画定されるネック部と、
を含むボトルと、
前記ボトル内に配置された第1端部及び前記ボトルから延びる第2端部を有する吸液芯であって、前記吸液芯が縦軸をさらに画定する吸液芯と、
前記ボトルのネック部に結合されたプラグであって、前記プラグが前記ボトル内に前記吸液芯を保持するプラグと、
を含み、
前記リムの前記内部表面の
上部が
、前記上面に近い部分ほど前記縦軸との距離が大きくなるように、前記縦軸に対して
2から9度の間の角度で
外側に向けて傾斜している、リフィル。
【請求項2】
前記ネック部にねじ式で係合するキャップをさらに含む、請求項1に記載のリフィル。
【請求項3】
前記リムは、前記リムの前記上面と前記内部表面とを接合する傾斜面をさらに含み、
前記傾斜面は、前記縦軸に対して
30度から70度の間の角度で配置される、請求項1に記載のリフィル。
【請求項4】
前記プラグは、前記吸液芯の周りにシースの一部を形成する内壁、前記内壁と中間壁とを接合する下壁、及び前記中間壁と外壁とを接合する上壁によって画定される、請求項1に記載のリフィル。
【請求項5】
プラグの前記内壁、前記下壁、及び前記中間壁がウェルを形成し、
前記キャップが前記リフィルに固定されるときに、キャップのスカートがウェル内に収容される、請求項4に記載のリフィル。
【請求項6】
前記リムの前記内部表面は、4.5から6.5度の間の角度で先細になっている、請求項1に記載のリフィル。
【請求項7】
前記ボトルの前記ネック部にねじ式で取り付けられたキャップをさらに含み、
前記キャップの環状スカートは、前記プラグの1つ以上の壁によって画定されたウェル内に延び、
前記環状スカートは、前記ボトルの前記ネック部のフープ応力を低減するために前記プラグの一部に力を加える、請求項1に記載のリフィル。
【請求項8】
前記キャップがボトルに固定された後、前記スカートが前記プラグの前記下壁と接触する、請求項7に記載のリフィル。
【請求項9】
少なくとも1つの芳香油を含む揮発性物質が、前記ボトルの前記本体部内に配置される、請求項1に記載のリフィル。
【請求項10】
第1環状突出部が、前記ネック部に沿ったねじ山と前記リムの前記上面との間で前記リムの前記外表面に沿って配置され、前記第1環状突出部は、前記プラグの第2環状突出部と相互作用して前記リフィルの前記ネック部に前記プラグを固定させるように構成される、請求項1に記載のリフィル。
【請求項11】
揮発性物質を分配するためのリフィルであって、
ボトルであって、
少なくとも1つの側壁によって画定された本体部と、
前記少なくとも1つの側壁から外向きに延びるネック部であって、
前記ネック部が、前記ネック部の少なくとも一部を囲むねじ山と、内部表面、外表面、及び前記内部表面と前記外表面との間に延びる上面に画定される、前記ネック部の上端にあるリムと、を備えるネック部と、
を含むボトルと、
前記ネック部によって形成されるチャネルであって、縦軸が前記チャネルによって画定されるチャネルと、
前記ボトル内に配置された第1端部及び前記ボトルの外向きに延びる第2端部を有する吸液芯であって、前記吸液芯は前記チャネル内に配置される吸液芯と、
前記ボトルの前記ネック部に結合されたプラグであって、前記プラグは、前記ボトル内に前記吸液芯を保持し、前記プラグの壁によって画定されたウェルを備えるプラグと、
前記ボトルに取り付けられたキャップであって、前記キャップは、前記キャップが前記ボトルに固定されたときに、前記ウェル内に延びるシールスカートを備えるキャップと、
を含み、
前記リムの前記内部表面
の上部が
、前記上面に近い部分ほど前記縦軸との距離が大きくなるように、前記縦軸に対して
3から8度の間の角度で
外側に向けて傾斜している、リフィル。
【請求項12】
前記プラグは、前記チャネル内に配置された第1及び第2の離隔壁と第1及び第2の離隔壁の端部とを接合する下壁を含み、前記ウェルは、第1、第2、及び下壁によって形成され、前記シールスカートは、前記キャップが前記ボトルに固定された後、前記プラグの第1及び第2の離隔壁のうち少なくとも1つと接触する、請求項11に記載のリフィル。
【請求項13】
前記キャップの固定部の内部表面は、前記ボトルの前記ネック部を囲むねじ山とねじ式の係合が可能な第2ねじ山を含む、請求項11に記載のリフィル。
【請求項14】
少なくとも1つの芳香油を含む揮発性物質が、前記ボトルの前記本体部内に配置される、請求項11に記載のリフィル。
【請求項15】
第1環状突出部が、前記ねじ山と前記リムの前記上面との間で前記リムの前記外表面に沿って配置される、請求項11に記載のリフィル。
【請求項16】
前記プラグの外壁の内部表面に沿って第2環状突出部が配置され、
前記第2環状突出部は、第1環状突出部の上にスナップ留めして前記リフィルの前記ネック部に前記プラグを保持する、請求項15に記載のリフィル。
【請求項17】
前記リムの前記内部表面は、6度の角度で先細になっている、請求項11に記載のリフィル。
【請求項18】
前記ボトルがポリマー製である、請求項11に記載のリフィル。
【請求項19】
前記プラグは、前記プラグのベースから延びるシースをさらに含み、前記シースは、前記吸液芯の上部の半分以上を覆う、請求項11に記載のリフィル。
【請求項20】
前記リムの前記内部表面は、前記リム全体の周りで先細になっている、請求項19に記載のリフィル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にディスペンサで使用するためのリフィルに関し、より詳細には、リフィルのネック部における応力を低減するように構成されたリフィルに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な揮発性物質分配装置が従来技術で知られており、一般にディスペンサ及びその中に配置された1つ以上の揮発性物質を有する1つ以上のリフィルを含む。揮発性物質分配装置に使用される典型的な揮発性物質分配機構は、リフィルから揮発性物質の放出を助ける加熱装置及び/又はファンを含む。
【0003】
ディスペンサのためのリフィルは、一般に、ボトルと、ボトルのネック部の口部に挿入されるプラグ又は吸液芯ホルダと、プラグによって保持される吸液芯(wick)とを含み、吸液芯は、揮発性物質と接触する第1端部とボトルの外に延びる第2端部とを有する。揮発性物質は、毛細管現象によってボトルから吸液芯の第1端部を通って吸液芯の最終端に移動する。リフィルの口部を画定する表面は、ボトル自体に使用されている材料の類型に応じて様々な形状を有する。さらに、このようなボトルに使用される材料の種類は様々であり得る。一部のボトルはガラス製であり、一部のボトルはメタロセンポリプロピレン(mPP)やバレックス(Barex)樹脂などのプラスチック樹脂で作られる。芳香油の供給空間では、透明なポリマーが、特に温度の上昇及びボトル応力にさらされたときに、口部を囲むリフィルのネック部に沿って応力亀裂が発生することが明らかになった。応力亀裂の一部は、応力亀裂剤、即ち芳香油及び/又は溶剤からの選択的吸収によるものと考えられているが、応力亀裂の一部は、プラグと吸液芯が挿入された後、及びキャップがリフィルに取り付けられた後にボトルが受けるフープ応力又は円周方向応力による可能性がある。このような応力亀裂剤は、微小降伏又は応力膨張の区域の形成を引き起こし、ボトルを形成するポリマーの降伏強度を低下させると考えられている。ポリマーの降伏強度の低下は、亀裂の発生及び破壊を引き起こす可能性があり、これは、プラグ及び/又は吸液芯の挿入、及び/又はキャップの取り付け時に悪化する可能性がある。
【0004】
ポリマーを含む典型的なリフィルボトルの応力亀裂の多くは、ボトルのネック部、例えばボトルの口部近くに形成される。応力亀裂は、典型的にリフィルボトルの一部に対する応力の結果である。吸液芯ホルダによるネック部の締め付けにより、ネック部の最上部に沿って多くの応力が発生する。多くの場合、応力亀裂は、シール表面から生じて、ネック部の中間部分に伝播する。リフィルボトルは、その中に保持された液体を保持しなければならないため、プラグとボトルとの間に液体シールを維持し、また、ボトルのネック部に隣接して伝播する応力亀裂を低減することが好ましい。従って、通常のシール圧力を維持しながら、ボトルのネック部縁部において発生するプラグ組み立て引張フープ応力を最小化することが好ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、揮発性物質を分配するためのリフィルは、少なくとも1つの側壁によって画定された本体部と、少なくとも1つの側壁から外向きに延びるネック部とを含むボトルを備える。ネック部は、上端にリムを含み、リムは、内部表面、上面、及び外表面によって画定される。リフィルは、ボトル内に配置された第1端部とボトルの外に延びる第2端部とを有する吸液芯をさらに含む。吸液芯は、縦軸をさらに画定する。リフィルは、ボトルのネック部に結合されたプラグをさらに含み、これは、ボトル内に吸液芯を保持する。リムの内部表面の少なくとも一部は、縦軸に対して約2から約9度の間の角度で先細になっている。
【0006】
別の態様によれば、揮発性物質を分配するためのリフィルは、少なくとも1つの側壁によって画定された本体部と、少なくとも1つの側壁から外向きに延びるネック部とを有するボトルを含む。ネック部は、ネック部の少なくとも一部を囲むねじ山(threading)とネック部の上端にリムを含む。リムは、内部表面、外表面、及び内部表面と外表面との間に延びる上面によって画定される。リフィルは、縦軸がチャネルによって画定されるようにネック部によって形成されたチャネル、及びボトル内に配置された第1端部とボトルの外に延びる第2端部とを有する吸液芯をさらに含み、吸液芯はチャネル内に配置されている。リフィルは、ボトルのネック部に結合されたプラグをさらに含み、プラグは、ボトル内に吸液芯を保持し、プラグの壁によって画定されたウェル(well)を含む。リフィルは、ボトルに取り付けられたキャップをさらに含み、キャップは、キャップがボトルに固定されるときにウェル内に延びるシールスカートを含む。リムの内部表面は、縦軸に対して約3から約8度の間の角度で先細になっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示のいくつかの様態によるリフィルの正面、上面斜視図である。
【
図3】吸液芯のない
図2のリフィルの部分断面図である。
【
図5】
図1のリフィルのボトルの正面、上部、及び側面の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、揮発性物質を気化及び分配することができる揮発性物質ディスペンサ用のリフィルに関する。本明細書に開示された装置は、多くの異なる形態で具現化され得るが、本開示に記載される実施形態は、本明細書で記載された原理の例示に過ぎないと考えるべきであり、本開示は、例示の実施形態に制限されることを意図しないいくつかの特定の実施形態が本明細書で議論される。本開示を通して、「約」及び「およそ」という用語は、各用語が先行する数のプラス又はマイナス5%を意味する。
【0009】
本明細書における用語「揮発性物質」の使用は、消費者が揮発性物質を保持する1つ以上のリフィル及び/又は1つ以上のリフィルを保持するディスペンサを囲む領域に放出することを望む任意の揮発性物質を指す。実例として、揮発性物質の種類は、例えば、洗浄剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、防虫剤、かび又はかび抑制剤、芳香剤、消毒剤、空気清浄機、アロマテラピーの香り、防腐剤、ポジティブ芳香剤揮発性物質、空気清浄剤、消臭剤など、及びこれらを組み合わせることができる。例えば、芳香剤及び/又は防腐剤などの添加剤が揮発性物質に含まれてもよい。
【0010】
図1~
図3は、一般にリフィル20内に配置された揮発性物質を周囲の環境に能動的又は受動的に発散させることができる揮発性物質ディスペンサ(図示せず)で使用するためのリフィル20を示す。いくつかの実施形態では、リフィル20は、揮発性物質ディスペンサ内に挿入及び保持することができる。ここで、
図1を参照すると、リフィル20は、一般に揮発性物質を保持するボトル30を含み、円筒状のネック部32は、ボトル30から上方に延びている。ボトル30は、ガラス、ポリマー、又は他の適切な材料又は材料(複数)から形成されてもよい。ボトル30のネック部32に固定されたキャップ34が示されている。キャップ34は、一般に固定部36とカバー部38とを含む。固定部36は、例えば、ボトル30のネック部32にキャップ34を固定するのに使用され得る内部表面に沿ってねじ山を含んでもよい。固定部36とカバー部38は、接合部40で接合される。
【0011】
図2を参照すると、リフィル20の正面断面図が示されている。
図2に示すように、リフィル20は、リフィル20のネック部32内に配置され、それに取り付けられるプラグアセンブリ50をさらに含む。プラグアセンブリ50は、一般にシース52とベース54とを含む。プラグアセンブリ50は、ボトル30内の中心に吸液芯56を保持し、ボトル30から揮発性物質60の漏れを防ぐ。吸液芯56の下部58は、ボトル30内に配置された揮発性物質60と流体連通する。吸液芯56は、キャップ34が除去されたときに、その上部62が周囲の環境に露出するようにネック部32を通って上方に延びる。
【0012】
プラグアセンブリ50のシース52は、ボトル30の口部70から上方に延び、吸液芯56の一部を囲んでいる。吸液芯56は、例えば(多孔性材料の)典型的な吸液芯、浸漬管、中空管、及び重力供給表面又は構成要素、又は他の任意の適切な運搬機構などの任意の類型の運搬機構であってもよい。
【0013】
図2に示すように、ボトル30は、底壁80及び少なくとも1つの側壁82をさらに含む。底壁80は、ほぼ凹状であるように示されているが、底壁80は、平面であってもよく、任意の他の適切な構成を有してもよい。
図2に示すように、側壁82は、底壁80から上方に延び、吸液芯56を通って延びる縦軸86から外側に曲がる。側壁82は、ボトル30のネック部32で終結する。吸液芯56及びシース52は、リフィル20のネック部32によって画定されたチャネル88内に挿入される。
【0014】
図5を参照すると、ボトル30の側壁82は、前面及び後面162,164と、前面及び後面162,164を接合する第1及び第2側面166,168とを含む。前面162は、概して曲がった中心部分を有し、その側部及び底部で内側に湾曲している。後面164は、前面162の鏡像であってもよく、異なる構成を有してもよい。いくつかの実施形態において、後面164は一般に平面である。いくつかの実施形態では、突出部又はデザイン要素170は、前面162から外側に延び、デザイン要素170は、ディスペンサ内にリフィル20を保持するように機能してもよい。本明細書に開示されたボトルは、特定の形状を有するものとして示されているが、本発明の原理は、任意の適切な形状のボトルを有するリフィルに適用され得る。
【0015】
ここで、
図3及び
図4を参照すると、第1ねじ山(thread)72は、ボトル30のネック部32上に配置され、その上にキャップ34を保持するのを助け、及び/又はディスペンサ内にリフィル20を保持するのを助ける。キャップ34は、その内部表面に第1ねじ山72に対応して、それを受け入れるように動作可能な第2ねじ山104を含む。第1ねじ山72及び第2ねじ山104は、リフィル20上にキャップ34を保持し得る、例示的な固定機構を含む。他の実施形態では、リフィル20上にキャップ34を保持するために、他の固定機構が利用されてもよい。第1及び/又は第2ねじ山72,104は、単一の連続するねじ山を含んでもよく、二重のねじ山であってもよく、又は異なるタイプのマルチスタートねじ山であってもよい。第1及び/又は第2ねじ山72,104は、代替的に不連続であってもよい。
【0016】
図3を再び参照すると、環状リム110は、第1ねじ山72上のネック部32の上端112に配置される。リム110は、内表面114、上面116、及び外表面118によって画定され、これらについては、以下でより詳細に説明する。第1環状突出部120は、リム110の外表面118と第1ねじ山72との間でネック部32から外側に延びている。いくつかの実施形態では、第1環状突出部120は、プラグアセンブリ50を保持するように含まれ、
図3及び
図4に示すように、ロック機構122を含んでもよい。ロック機構122は、第1環状突出部120の上にスナップ留めする第2環状突出部124を含んでもよい。ボトル20のネック部32はまた、チャネル88を形成する内部表面130を含む。第1及び第2環状突出部122,124は、環状であるように説明されているが、第1及び第2環状突出部122,124は、別個の不連続な突出部であってもよい。
【0017】
引き続き
図3を参照すると、プラグアセンブリ50のベース54がより詳細に示されている。ベース54は、内壁142、下壁144、及び中間壁146によって画定されたウェル140を含む。内壁142と中間壁146とは、実質的に平行である。下壁144は、内壁142を中間壁146と接合し、さらに内壁142及び中間壁146のそれぞれに対して実質的に垂直である。上壁148は、中間壁146と接合し、そこから外側に延びている。上壁148はまた、上壁148に実質的に垂直な外壁152に連結されている。第2環状突出部124は、外壁152の内部表面154に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、内壁142、中間壁146、及び外壁152は、互いに実質的に平行である。いくつかの実施形態では、内壁142と底壁80、下壁144と中間壁146、中間壁146と上壁148、及び上壁148と外壁152との間の接合部156は丸くなっている。本明細書で画定され、別の壁又は部分に対して実質的に平行なものとして画定された任意の壁又は部分は、第1の壁又は部分によって画定された軸から最大10度オフセットすることができる。
【0018】
図3及び
図4を再び参照すると、キャップ34は、プラグアセンブリ50のウェル140内に延びるシールスカート160を含む。シールスカート160は、プラグアセンブリ50の下壁144と当接するような寸法とすることができ、それによってその間にシールを形成する。シールスカート160はまた、中間壁146の下部150に対して圧力又は応力を提供するようなサイズ及び位置とすることができ、それによりボトル30のネック部32のリム110に沿った応力を緩和することができる。シールスカート160は、追加的又は代替的に、中間壁146の中間部分151、即ち下部150の上の部分に対して圧力又は応力を提供するようなサイズ及び位置とすることができる。シールスカート160には、ボトル30のネック部32の上部からの応力を緩和又は変位させるのを助けることができる1つ以上の特徴が取り付けられるか、そこから延長し得る。
【0019】
図4に示すように、プラグアセンブリ50はボトル30に固定され、キャップ34はプラグアセンブリ50に固定される。シールスカート160は、ウェル140内に配置され、中間壁146の中間部分151に当接する。キャップ34の形状により、シールスカート160は中間壁146に対して圧力を加える。シールスカート160と中間壁146の中間部分151との間に第1シールが形成され、これを「シース-キャップ間」シールと呼ぶ。ネック部32の中間壁146と内壁130との間に第2シールが形成され、これを「シース-ネック間」シールと呼ぶ。シース-キャップ間シール及びシース-ネック間シールは、キャップ34がボトル30に固定されたとき、及びプラグアセンブリ50がボトルに固定されたときに、それぞれ揮発性物質がリフィル20から漏れるのを防ぐ。このように、シース-キャップ間シール及びシース-ネック間シールのそれぞれは、気密シールであってもよい。
【0020】
図7及び
図8を参照して、ボトル30のリム110の構成をより詳細に説明する。
図8を具体的に参照すると、ボトル30のネック部32への歪みを減らし、それによって発生し得る応力亀裂を低減するために、リム110の内表面114は角度を付けて示されており、即ち内表面114は面取り面200である。
図7及び
図8に示した実施形態において、面取り面200は、縦軸86から測定して約6度の面取り角θを有する。しかし、面取り面200は、約1度から約10度の間、又は約2度から9度の間、又は約3度から約8度の間、又は約4度から約7度の間、又は約6度の面取り角θを有してもよい。いくつかの実施形態では、リム110の内部表面130の単一部分又は複数の個別の部分のみが面取り面200を形成する。いくつかの実施形態では、内部表面130の全体が面取り面200を形成する。いくつかの実施形態では、面取り面200は、
図8に示すように、第1ねじ山72の最上部の範囲又はそれより上で始まるが、代替的に、面取り面200は、第1ねじ山72の最上部の範囲より下で始まり得る。
【0021】
図8を続けて参照すると、リム110の内部表面130は、面取り面200と、頂点206で面取り面200と接合する傾斜面204とによって部分的に画定される。傾斜面204は、縦軸86から約45度の角度βを有し得る。いくつかの実施形態では、傾斜面204の角度βは約20度から約70度の間、又は約30度から約60度の間、又は約40度から約50度の間である。傾斜面204は、リム110の上面116で終結する。上面116は、縦軸86に対してほぼ垂直である。
【0022】
面取り面200の利点について説明する。既存のリフィルテストによって、ボトルネック部で大きな応力が測定された。また、既存のリフィルの組み立て中に、高い応力点は干渉の強い位置で生成されることが測定され、これは上述のようにシース-キャップ間シール及びシース-ネック間シールのそれぞれにあると判断された。
【0023】
実験的試験を通じて、シース52がネック部32内に挿入されて保持された後、約4度から約7度の面取り面200がボトル30のネック部32のフープ応力を大幅に低減することにより、組み立て中及び/又は芳香油にさらされたときにボトルのネック部32内で応力亀裂を低減又は防止できることがわかった。シース-ネック間シールのための2度の面取りを有するボトルの最初の設計からの圧縮シールの減少によって、応力が8%減少し、シース-キャップ間シールの応力は6.7%減少した。5度の面取り設計では、シース-ネック間シールによって、応力が9%減少し、シース-キャップ間シールによって、応力が20%減少した。面取り面200を含むことにより、亀裂が一般的に起きる/生じるボトルネック部の先端から干渉の強い位置を遠ざけるように、干渉の強い位置がボトルネック内の下方に移動することがわかった。
【0024】
別の試験では、6度の面取りをしたリフィル(「面取りリフィル」)の組み立て中に発生したシール圧力及び引張フープ応力を、面取りなしで既存のmPP-ベースのリフィル(「既存のリフィル」)で発生した引張フープ応力と比較した。試験中、面取りされたリフィル及び既存のリフィルには、室温でそれぞれ同じ芳香剤が充填され、それぞれトルクレンチを使用して組み立てられた。面取りされたリフィルと既存のリフィルの両方を、ボトルシース及びシースキャップの接触面が濡れるように素早く反転した。mPPベースのリフィルは、関連する全ての側面(即ち、ボトルのネック部)で、6度の面取りリフィルと同一である。面取りされたリフィルのシールは、既存のリフィルのシールよりも優れていることが明らかになった。既存のリフィルの場合、シース-ネック間の最大シール圧力は1419psiであり、シース-キャップ間のシール圧力は427から540psiであった。面取りされたリフィルの場合、シース-キャップ間のシール圧力は1434psiである一方、シース-キャップ間のシール圧力は520から726psiであった。面取りされたリフィル及び既存のリフィルの両方が、同様のシース-ボトル間の圧縮シール圧力を生成する一方で、面取りされたリフィルは、ネック部の典型的な引張フープ応力を保持することが明らかになった。圧縮シールを保持することは、運送及び使用中に芳香剤がボトル内に残るようにするために重要である。
【0025】
本明細書に記述された任意の実施形態は、異なる実施形態に関連して開示された構造又は方法論のいずれかを含むように変更されてもよい。また、本開示は、具体的に示された類型の基板及び/又は支持構成要素の形状/サイズに制限されない。さらに、本明細書に開示された実施形態のいずれかの支持構成要素は、本明細書の開示と一致する様々な類型の基板と共に動作するように変更されてもよい。
【産業上利用の可能性】
【0026】
上記の説明を考慮すると、本開示に対する複数の変更は、当業者に明らかである。従って、この説明は、単なる例示と解釈されるべきであり、当業者が本明細書に開示された装置を作成及び使用し、それを実施できるようにする最良の形態を教示する目的で提示される。添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての変更に対する排他的権利は留保される。