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▶ ジーヴィー エンジニアリング ゲーエムベーハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】緊急用ホイール
(51)【国際特許分類】
   B60B 11/10 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
B60B11/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020520244
(86)(22)【出願日】2018-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2018077353
(87)【国際公開番号】W WO2019072775
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-07
(31)【優先権主張番号】102017123513.2
(32)【優先日】2017-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519274943
【氏名又は名称】ジーヴィー エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティン
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-122802(JP,A)
【文献】実開昭62-105802(JP,U)
【文献】米国特許第06068346(US,A)
【文献】特開2016-107768(JP,A)
【文献】特開平09-300927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 11/10
15/00 - 15/28
B60C 17/00 - 17/10
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ機能を低下させた運転操作を可能にする車輪(1)用のアタッチメント(14)であって、
前記アタッチメント(14)のトレッド面(18)を含むトレッド部(16)と、前記アタッチメント(14)の取り付け時に、前記トレッド面(18)から半径方向内側に配置され、かつ前記車輪(1)のリム(2)のボルト円(4)の領域で前記車輪(1)に固定されるように適合された初期装着部(20)と、を有し、前記トレッド部(16)は、固定装置(28、30)によって取り外しできように前記初期装着部(20)に固定され、前記固定装置(28、30)は、前記初期装着部(20)への固定時に、前記トレッド部(16)が前記リム(2)に向かって軸方向(A)に移動するように構成され、前記トレッド部(16)は、前記車輪(1)の前記リム(2)の部分(10、11)、特にリムフランジ(10)の後ろでフック部分(42)と係合するように構成された少なくとも1つの支持手段(40)を備える、アタッチメント(14)。
【請求項2】
前記初期装着部(20)は、前記リム(2)の前記ボルト円(4)の領域における嵌合を介して、および/又は前記リム(2)の前記ボルト円(4)の領域における接続、好ましくは摩擦に基づく接続を介して、前記リム(2)の前記ボルト円(4)の領域で前記車輪(1)に固定されるように適合される、請求項1に記載のアタッチメント(14)。
【請求項3】
前記初期装着部(20)は、前記リム(2)の開口部(13)、好ましくは円形開口部とグリップ装置(22)の嵌合および/または摩擦に基づく嵌合を介して前記車輪に固定されるように構成され、前記開口部は前記ボルト円(4)の領域に配置され、前記開口部(13)は、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるように前記リム(2)に設けられた穴(7)から離間して前記リム(2)に配置され、好ましくは、前記開口部は、前記リム(2)の中心開口部(6)であるか、または前記リム(2)の回転軸(5)から離間して配置されている、請求項1に記載のアタッチメント(14)。
【請求項4】
前記グリップ装置(22)が、好ましくは前記ボルト円(4)の領域の前記開口部(13)の後ろで係合するように構成された、拡張可能部分(24)を備えることを特徴とする、請求項3に記載のアタッチメント(14)。
【請求項5】
前記グリップ装置(22)が、圧縮状態では、前記ボルト円(4)の領域の前記開口部(13)を通して案内されるとともに、前記開口部(13)を通して案内されたときに、非圧縮状態に拡張するように構成された圧縮可能部分(90)を備える、請求項3または4に記載のアタッチメント(14)。
【請求項6】
前記グリップ装置(22)の一部が、いずれの場合でも、取り外しできない方法で前記初期装着部(20)に接続される、請求項3~5のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項7】
前記初期装着部(20)は、クランプ装置(140)によって前記車輪(1)のホイールボルト(15)に固定されるように構成され、前記クランプ装置(140)は、前記ホイールボルト(15)をクランプ方式で係合してそれを把持するか、または少なくとも2つのホイールボルト(15)をクランプ方式で一緒に係合してそれらを把持するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項8】
前記トレッド部(16)が、作動装置(162)、好ましくは、空気圧および/またはばね付勢作動装置を介して、前記初期装着部(20)に対して前記軸方向(A)に移動できるように、前記初期装着部(20)に接続可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項9】
前記トレッド部(16)は、特に周方向(U)において、マルチパート形態であり、好ましくは、前記トレッド部(16)は、特に、互いに分離可能であり、および/または互いに対して旋回可能または変位可能である少なくとも2つの周縁セグメント(32、34)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項10】
前記トレッド部(16)は、前記周方向(U)に切れ目がなく、外側部分(56)から半径方向内側に配置された内側部分(54)を備え、前記外側部分(56)は、前記周方向(U)にギャップ(58)を備えて構成され、前記外側部分(56)は、挿入部分(60)をさらに備え、前記アタッチメント(14)が前記車輪(2)に取り付けられた状態にあるとき、前記外側部分(56)が閉じた円形トレッド面(18)を有するように、前記挿入部分(60)が前記ギャップ(58)に収容される、請求項1~6のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項11】
前記アタッチメント(14)が、接触部分(50)を有する支持機構(52)を備え、前記接触部分(50)は、前記接触部分(50)が作動され、特に圧力を受けたときに、前記支持手段(40)を作動させ、かつ前記リム(2)の前記部分(10、11)、好ましくはリムフランジ(10)の後ろで前記フック部分(42)を係合させるように構成される、請求項1に記載のアタッチメント(14)。
【請求項12】
前記アタッチメント(14)が前記車輪(1)に取り付けられ、前記車輪(1)が回転して前記接触部分(50)を作動させ、特に圧力を加えたときに、前記支持機構(52)は路面(F)を前記接触部分(50)と接触させるように構成され、好ましくは、前記接触部分(50)は、特に軸方向に見たときに、空間的に前記アタッチメント(14)の前記トレッド面(18)に配置され、好ましくは、展開状態の前記接触部分(50)は、前記アタッチメント(14)の前記トレッド面(18)と同一平面で前記周方向(U)に延びる、請求項11に記載のアタッチメント(14)。
【請求項13】
前記トレッド部(16)が前記初期装着部(20)に固定されたときに、または、前記初期装着部(20)に固定された状態で前記初期装着部(20)に向かって移動されるときに、前記支持機構(52)は、前記車輪(1)、特に前記リム(2)または前記初期装着部(20)を前記接触部分(50)と接触させて、前記接触部分(50)を作動させ、特に圧力を加えるように構成され、好ましくは、前記接触部分(50)は前記リム(2)に面する前記アタッチメント(14)の側に配置される、請求項11に記載のアタッチメント(14)。
【請求項14】
前記軸方向(A)に見たときに、前記支持手段(40)の前記フック部分(42)は半径方向内側に、好ましくは直線状または弓状に傾斜するように構成され、前記支持手段(40)が作動され、前記支持手段(40)が前記リム(2)、特に前記リムフランジ(10)に向かって移動するときに、前記フック部分(42)は、半径方向内側に移動する、特に変位するとともに、前記トレッド部(16)は、前記フック部分(42)の移動の結果として、前記リム(2)に向かって前記軸方向(A)に付勢されるように、構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項15】
前記アタッチメント(14)は、支持手段ロック装置(204)を備え、前記支持手段ロック装置(204)は、固定位置(SP)に移動することができ、かつ、前記固定位置(SP)において、前記支持手段ロック装置が前記固定位置(SP)にある限り、前記フック部分(42)が前記車輪(1)の前記リム(2)の前記部分(10、11)の後ろでの係合から外れて移動できないように、特に嵌合ロックによって前記支持手段(40)をロックするように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項16】
前記支持手段ロック装置(204)は、前記支持手段ロック装置(204)が前記固定位置(SP)へ移動されるときに、前記支持手段(40)の前記フック部分(42)をさらに支持するように前記支持手段(40)に対して配置され、かつ構成され、前記支持手段(40)は、前記リム(2)の前記部分(10、11)を背にして、前記リム(2)の前記部分(10、11)の後ろで係合する、請求項15に記載のアタッチメント。
【請求項17】
アタッチメント(14)と、車輪(1)のリム(2)と、を備えるシステムであって、
前記アタッチメント(14)は、請求項1~16のいずれか1項に記載のように構成され、前記リム(2)は、ボルト円(4)の領域の前記リム(2)に配置された少なくとも1つの開口部(13)、好ましくは、複数の開口部(13)を備え、前記開口部(13)は、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられた穴(7)から、好ましくは前記リム(2)の中心開口部(6)からも離間して配置されている、システム。
【請求項18】
複数の開口部(13)が存在し、前記開口部(13)の中間点(99)は、円(100)から離間して、好ましくは半径方向外側に離間して配置され、前記円(100)は、前記ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられた穴(7)の中間点を通って延び、および/または、前記開口部(13)の中間点(99)は、前記ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられたすべての穴(7)を囲む最小の円を形成する円(102)から離間して、好ましくは半径方向内側に離間して配置されている、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、タイヤ機能を低下させた運転操作を可能にする車輪用アタッチメントに関する。
【0002】
さらに、本発明は、それとは独立して、車輪のアタッチメントおよびリムを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
車輪は、自動車の車輪を意味する。ここで、タイヤ機能を低下させた運転操作とは、通常の路面状況や通常のタイヤ状況下でタイヤが発揮する特性で運転できない運転操作を意味する。これは、例えば、パンクしたタイヤでの運転や、氷や雪の状態での車両の操作を意味し得る。本発明の好ましい適用分野は、パンクしたタイヤでの運転を可能にすることである。
【0004】
この場合、軸方向は、車輪の回転軸の方向を意味する。ラジアル方向とは、車輪の回転軸に直交する方向をいう。したがって、車輪のタイヤは、車輪のリムから見て半径方向外側に配置される。例えば、車輪の中央開口部を備えたリムのボルト円は、半径方向内側に配置され、車輪のボルト円は、この場合、ホイールボルト、または固定ボルト(中央開口部等)を受け入れるために設けられたリムの穴の配置を意味する。周方向とは、車輪の外周に沿った方向、つまりトレッド面に沿った方向を意味する。
【0005】
本発明の目的は、簡単かつ確実に取り付けることができる車輪用のアタッチメントを提供することであり、特に、アタッチメントは、誤った取り付けを防止することである。さらなる目的は、アタッチメントおよびリムを備えるシステムを提供することであり、これにより、シンプルかつ確実な方法で、アタッチメントをリムに取り付けることができる。
【0006】
この目的は、請求項1に記載のアタッチメントによって達成される。さらなる目的は、請求項17に記載のシステムによって達成される。本発明によるアタッチメントは、タイヤ機能を低下させて運転操作を可能にする車輪用のアタッチメントであり、アタッチメントのトレッド面を含むトレッド部を有し、アタッチメントの取り付け時に、トレッド面から半径方向内側に配置される初期装着部を有する。ここで、初期装着部は、車輪のリムのボルト円の領域で車輪に固定され、特に、リムのボルト円の領域での嵌合により、および/または、接続、好ましくは摩擦に基づく接続により、リムのボルト円の領域で車輪に固定されるように構成される。
【0007】
したがって、本発明によるアタッチメントにより、リムのボルト円の領域で初期装着部を固定することが可能である。以下でより詳細に説明するように、トレッド部は、初期装着部から取り外し可能に構成することができる。取り外し可能であることに加えて、またはその代わりに、トレッド部は、変位可能および/または旋回可能に初期装着部に接続することもできる。
【0008】
取り付け時に、最初のステップで、アタッチメントは、初期装着部によって上記の方法で車輪のリムに固定することができる。オプションとして、アタッチメント、特にトレッド部は、別の方法で車輪または車輪のリムにさらに固定することができる。
【0009】
必要に応じて、初期装着部は、グリップ装置とリムの開口部、特に円形開口部の摩擦ベース係合および/または嵌合を介して固定され、開口部は、ボルト円の領域に配置され、開口部は、リムに設けられ、ホイールまたは控えボルトを受け入れるためにリムに設けられた穴から離間して配置され、好ましくは、開口部は、リムの中央開口部であるか、またはリムの回転軸から離間している。いずれにしても、「ボルト円の領域に配置された」とは、開口部がリムのスポーク間のギャップとは異なることも意味する。そのような開口部は、特にいわゆるポリコントロールボアであり得る。
【0010】
グリップ装置は、特にそれがリムの中央開口部に係合するように構成されている場合、例えば、スロット付きスリーブの形態とすることができる。スロット付きスリーブの内側には、半径方向の範囲が変化する要素、特にスロット付きスリーブに対して軸方向に移動可能な円錐要素を配置することができる。該要素の軸方向の動きにより、スロット付きスリーブは、中央開口部で摩擦に基づいて係合するように広げることができる。該要素は、例えば、ねじを介して展開スリーブに対して軸方向に移動可能であり得る。要素は、例えば、ねじを介して展開スリーブに対して軸方向に移動可能であり得る。ここで、スロット付きスリーブは、複数の展開可能なアームを意味することもできる。
【0011】
必要に応じて、グリップ装置は、初期装着部の一部として構成される。換言すれば、着脱不能に初期装着部に接続することができる。
【0012】
グリップ装置は、フック領域を含むことができる延長部、特にロッド状の延長部の形態とすることができ、延長部は開口部に挿入されるように構成される。フック領域は、例えば、拡張可能または展開可能であるように構成され得、その結果、それが開口部を通して案内されたとき、それは、嵌合によってリムの後ろに係合することができる。
【0013】
フック領域は、圧縮可能に構成することもできる。次に、フック領域は、開口部を通って案内されるときに直径を小さくすることができ、開口部を通って案内されたときに自動的に広がるので、リムの後ろでほぼ自動的に係合することができる。この目的のために、フック領域は、例えば、可逆的に圧縮可能であり、弾性的であり、および/またはばねで取り付けられるように構成され得る。
【0014】
一実施形態では、グリップ装置は、ボルト円の領域の開口部の後ろに係合するように構成された拡張可能な部分を含む。このような拡張可能な部分は、例えば、拡張可能に構成されるフック領域によって形成され得る。例えば、グリップ装置は、互いに離れるように移動する2つのフックアームを備えることができ、したがって、例えば、ねじなどの拡張要素をねじ込むことによって拡張することができる。
【0015】
グリップ装置は、特に、中空ロッドの形態とすることもでき、その場合、軸方向への移動により拡張可能部分を広げる拡張要素、特にフレアロッドを内側に備えることができる。複数のグリップ装置が、初期装着部に配置されることが好ましい。グリップ装置が、例えば、上記のような中空ロッドの形態である場合、任意で存在するフレアロッドまたは拡張要素は、一緒に接続することができ、拡張可能な部分を広げるために、例えば、作動ユニット(例えば、ねじの形態)によって軸方向に一緒に移動させることができる。
【0016】
作動部分には、例えば、ランプ状の高さで走る円形セグメントの形状を有するスロットを設けることができる。作動部分の回転により、拡張要素は、ランプ状の高さに沿ってスライドすることによりグリップ装置内に移動し、それにより、グリップ装置は拡張される。作動部分の回転は、例えば対応するハンドルを介して手動で行うことができる。
【0017】
作動部分は、一般に、初期装着部の残りの部分に対する作動部分の動きによって、拡張要素の動きをもたらすことができるように構成することができる。
【0018】
必要に応じて、初期装着部は、クランプ装置を介して車輪のホイールボルトに固定されるように構成され、クランプ装置は、締め付け方式でホイールボルトに係合し、それを把持するか、またはホイールボルトのうち少なくとも2つ、好ましくはすべてと一緒に係合し、それらを把持するように構成される。
【0019】
クランプ装置がホイールボルトにクランプ方式で係合してそれを把持するように構成されている場合、クランプ装置は、例えば半径が調整可能なスリーブ、ホイールボルト、またはそれぞれ個別に複数のホイールボルトを介して係合し、把持するように構成できる。半径が調整可能なスリーブは、ここでは、クランプ装置の形態の一例にすぎない。調整可能な半径のスリーブをホイールボルトのボルトヘッドに配置し、スリーブの半径を小さくして、ホイールボルトを把持することができる。このような半径の調整可能性は、例えば、スリーブのスロットによって達成することができ、スロットによって離間されたスリーブの個々の部分は、互いに向かって移動または曲げることができ、いわば旋回可能または曲げ可能なアームを形成する。クランプ装置が単一のホイールボルトにクランプ方式で係合してそれを把持するように構成されている場合は、ホイールボルトのヘッドの開口部に挿入され、その開口部で広がるように構成されているため、開口部で詰まる可能性がある。単一のホイールボルトに係合してそれを把持する、先に説明したクランプ装置の1つを、各ホイールボルトに取り付けることができる。
【0020】
クランプ装置が少なくとも2つのホイールボルトを締め付け方式で一緒に係合してそれらを把持するように構成されている場合、クランプ装置は、例えば調整可能な半径のスリーブを介して複数のホイールボルトを一緒に係合してそれらを把持するように構成することができる。半径が調整可能なスリーブは、ここでは、クランプ装置の形態の一例にすぎない。半径が調整可能なスリーブは、通常、幅が広いため、すべてのホイールボルトのボルト頭に取り付けることができ、スリーブの半径を小さくして、ホイールボルトを把持することができる。次に、スリーブがホイールボルトの半径方向外側にクランプする。クランプ装置はまた、ホイールボルトの間に配置され、次に半径方向内側からホイールボルトに接触するように広げられ、このようにしてホイールボルトの間に詰まるか、またはそれらを係合し、それらを把持する拡張可能要素を備えることもできる。クランプ装置はまた、少なくとも2つの締結要素を含むことができるが、好ましくは各ホイールボルトに対して1つの締結要素を含む。締結要素は、ホイールボルトのヘッドの開口部に挿入されるように構成することができる。締結要素をホイールボルトの頭部に配置されるように構成することも可能であり、ボルト頭部を受け入れる締結要素の部分は、ホイールボルトのヘッドの外側の輪郭(通常は六角形)と相補的であるように構成することができるか、またはボルトヘッドを受け入れる締結要素の部分は、ねじヘッドに対する締結要素の回転を防止するために、その内側に長手方向の溝がある。クランプ装置は、少なくとも2つの締結要素、好ましくはすべての締結要素を、それらがホイールボルトの頭に配置されるか、またはホイールボルトのヘッドの開口部に挿入されると、互いに向かって、または互いに離れるように曲げるように構成される曲げ装置を備えることができる。締結要素を互いに向かって、または互いに離れてこのように曲げることによって、締結要素は互いに支えられる。その結果、クランプ装置は、ホイールボルトを一緒に締め付け方式で係合し、それらを締め付け方式で把持する。
【0021】
曲げ装置は、例えば、ねじによって、初期装着部に対して軸方向に移動可能であり、初期装着部に向かって、またはそこから離れるように軸方向に移動すると、締結要素を互いに向かって、または互いに離れるように曲げるように構成できる。これは、例えば、曲げ装置の斜面を介して達成することができる。曲げ装置がテンションリングの形態であることも考えられる。曲げ装置は、ばねを介して初期装着部に向かって、またはそれから離れるように付勢され、ばねの付勢方向とは逆にねじを介して動かすことができると考えられる。
【0022】
曲げ装置はまた、円形経路から全体的に逸脱する弓状スロットを有する板状要素を含むことができる。このタイプの曲げ装置は、締結要素がスロットを通って延びるように、スロットと共に配置することができる。次に、曲げ装置の回転は、スロットが全体的に円形経路から逸れる方向に応じて、互いに離れるように、または互いに向かって曲げられる締結要素につながる。
【0023】
既に上述したように、トレッド部は、オプションとして、初期装着部から取り外し可能であるように構成される。次に、初期装着部を車輪のリムに固定することができ、その後、トレッド部を初期装着部に固定することができる。それにより、トレッド部が、好ましくは、トレッド部が初期装着部に固定されたときにボルト円の領域を超えて延びる接続部分を有し、この接続部分は軸方向に見て初期装着部と重なり合うように構成される場合が好ましい。その結果、例えば、ねじ止めによってトレッド部を初期装着部に簡単な方法で接続することができる。
【0024】
トレッド部が、軸方向に変位可能および/または旋回可能であるように、取り付け部分に接続されることも考えられる。次に、初期装着部を車輪のリムに固定することができ、その後、トレッド部をリムに向かって押すおよび/または旋回させることができる。好ましくは、それは次いで、取り付け部分に対して固定またはロックされ得る。
【0025】
必要に応じて、トレッド部は、特に取り外し可能な方法で固定することができ、または固定装置を介して初期装着部に取り外し不可能な方法で固定され、この固定装置は、初期装着部に固定されると、トレッド部がリムに向かって軸方向に移動するように構成される。例えば、締結装置は、ウェブ状のストラットおよびねじの形態とすることができ、ストラットは、トレッド部に設けられ、例えば、初期装着部にねじ込むことができるねじを受け入れるための開口部を有する。したがって、トレッド部は初期装着部にねじ込むことができ、ねじを締めると、トレッド部はリムに向かって移動する。
【0026】
必要に応じて、トレッド部は、作動装置、好ましくは空気圧および/またはばね付勢作動装置を介して初期装着部に対して軸方向に移動可能であるように、初期装着部に接続されるか、または接続され得る。このような可動性は、以下に説明するように、特にリムに面するトレッド部の接触部分と組み合わせて有利である。特に、トレッド部が軸方向の並進によって初期装着部に向かって移動可能である場合に有利である。例えば、作動装置は、初期装着部に対してトレッド部を移動させるために圧力媒体を加えることができる圧力シリンダーの形にすることができる。
【0027】
必要に応じて、トレッド部は、特に周方向の、マルチパート形態であり、好ましくは、トレッド部は、特に、互いに分離可能であり、かつ/または互いに対して旋回可能または変位可能である少なくとも2つの周縁セグメントを備える。これにより、アタッチメントの車輪への取り付けが容易になる。
【0028】
トレッド部が、好ましくは180°を超える、特に190°を超える周縁範囲を有する第1の周縁セグメントと、第2の周縁セグメントを含む場合も、本発明の意味の範囲内である。ここで、第2の周縁セグメントは、第1の周縁セグメントに取り外し可能または旋回可能または変位可能に接続されている。これにより、アタッチメントを車輪に特に簡単に取り付けることができる。取り付け時には、例えば、初期装着部を最初に車輪に固定することができる。次に、トレッド部、またはトレッド部の周縁セグメントを、初期装着部に固定することができる。例えば、2つのセグメントが互いに対して回転可能である場合、取り付け時に、第1の周縁セグメントが車輪または初期装着部に取り付けられている場合、第2の周縁セグメントは、最初は第1の周縁セグメント上で回転したままになり得;したがって、車輪は、第1の周縁セグメントがそのトレッド面を路面に接触するように移動することができる。次に、第2の周縁セグメントを容易に上方に旋回させ、好ましくはロック機構を介して、意図された動作位置にロックすることができる。
【0029】
必要に応じて、第2の周縁セグメントは、整列装置、好ましくは旋回可能な形態の位置合わせ装置を介して、第1の周縁セグメントに対して整列することができる。この整列装置は、上述のロック装置を形成することができる。
【0030】
180°を超える、または190°を超える第1の周縁セグメントの周辺範囲は、第1の周縁セグメントが周辺方向のアタッチメントの主要部分を形成し、したがって、簡単な方法で車輪に安定してしっかりと取り付けることができるという利点を有する。特に、第1の周縁セグメントは、弓形の形状であり得、好ましくは、弦のように延びるストラットを備える。これにより、特に高い安定性と、アタッチメントの車輪への簡単な取り付けが達成される。第1の周縁セグメントおよび第2の周縁セグメントを有するそのようなアタッチメントはまた、リムに面して配置される接触部分を備えることができる。
【0031】
必要に応じて、トレッド部は、周囲方向に切れ目がなく、外側部分から半径方向内側に配置される内側部分を含むことができ、外側部分は、周囲方向にギャップを有して構成され、外側部分は、挿入部分をさらに含む。アタッチメントが車輪に取り付けられた状態にあるときに、外側部分が、閉じた円形のトレッド面を有するようにギャップに収容される。外側部分に周方向の隙間があるため、車両から車輪を外したり、カージャッキで車両を持ち上げたりすることなく、初期装着部やトレッド部を挿入部分なしで車輪に嵌合させることができる。この目的のために、例えば、上述の方法の1つで、初期装着部を車輪に固定することができる。次に、トレッド部の外側部分のギャップが地面に向けられ、トレッド部が初期装着部に固定される。初期装着部とトレッド部を車輪に取り付けた状態で、車両を少し動かすことができる。次に、車輪が回転した結果、ギャップが路面の方向から離れる。例えば、車輪を半回転させると、車両を前方に移動させることができる。この場合、ギャップは路面の方向を向いておらず、上方を向いている。次に、挿入部分をギャップに挿入または収容することができる。その場合、アタッチメントは周方向に閉じた円形のトレッド面を持っている。これで、アタッチメントの取り付けが完了する。または、アタッチメントは、追加の手段(例えば、ブレース手段)を介して車輪にさらに固定できる。
【0032】
必要に応じて、トレッド部は、車輪のリムの一部、特にリムフランジの後ろのフック部分と係合するように構成された少なくとも1つ、好ましくは複数の支持手段を備える。これにより、トレッド部を車輪に特にしっかりと固定することができる。
【0033】
必要に応じて、アタッチメントは、接触部分を有する支持機構を備える。接触部分は、それが作動したとき、特に圧力を受けたときに、支持手段を作動させ、フック部分をリムの部分、好ましくはリムフランジの後ろで係合させるように構成される。これにより、リムフランジの後ろの係合を簡単な方法で行うことができる。
必要に応じて、支持機構は、アタッチメントが車輪に取り付けられ、車輪が回転しているときに、路面を接触部分と接触させ、それによって接触部分を作動させる、特にそれに圧力をかけるように構成される。好ましくは、接触部分は、特に軸方向に見たときに、アタッチメントのトレッド面に空間的に配置され、好ましくは、接触部分は、展開状態では、アタッチメントのトレッド面と同一平面で周方向に延びる。アタッチメントが取り付けられた状態で車輪を回すことにより、支持手段の作動、したがってリムフランジの後ろの係合が確保される。
接触部分は、フリーホイール装置を有する圧力伝達装置を介して支持手段に接続することができる。フリーホイール装置は、支持手段がさらに移動することなく、接触部分が移動できるように構成されている。したがって、支持手段が十分に移動されたとき、または意図された位置に移動されたときに、接触部分が支持手段に圧力をかけ続けないことが防止される。
【0034】
フリーホイール装置の有無にかかわらず圧力伝達手段はまた、保持機構を備えることができる。保持機構は、接触部分がもはや圧力を受けないときに、支持手段がリムの部分、またはリムフランジの後ろの係合から外れるのを防ぐように構成される。
【0035】
支持機構は、トレッド部が初期装着部に固定されているときに車輪、特にリム、または初期装着部を接触部分と接触させ、それによって接触部分を作動させ、特にそれに圧力をかけるように構成することができる。好ましくは、接触部分は、リムに面するアタッチメントの側に配置される。
【0036】
必要に応じて、軸方向から見たとき、支持手段のフック部分は、半径方向内側に、好ましくは直線状または弓状に傾斜するように構成され、支持手段は、その支持手段が作動し、支持手段がリムに向かって、特にリムフランジに向かって移動すると、半径方向内側にフック部分が移動する、特に変位するように構成される。フック部分の移動の結果としてトレッド部がリムに向かって軸方向に付勢される。その結果、支持手段がリムフランジの後ろに係合すると、トレッド部がリムに向かって引っ張られ、トレッド部の特に確実な固定が保証される。
【0037】
必要に応じて、アタッチメントは、アタッチメントの取り付け時および/またはトレッド部の初期装着部への固定時および/または支持手段の作動時に、タイヤをリムフランジから離れて軸方向に変位させるように構成されたタイヤ変位装置を備える。それにより、支持手段はリムフランジに自由にアクセスできる。
【0038】
必要に応じて、タイヤ変位装置は、支持手段とは別に構成される。タイヤ変位装置が、支持手段または支持手段の一部によって形成されるか、またはそれを含むことも考えられる。
【0039】
必要に応じて、アタッチメントは、支持手段ロック装置を備え、該支持手段ロック装置は、固定位置に移動することができ、固定位置で、支持手段を特に嵌合によってロックするように構成される。それにより、支持手段ロック装置が固定位置にある限り、フック部分が車輪のリムの部分の後ろの係合から外れないようになる。
【0040】
必要に応じて、支持手段ロック装置は、支持手段に対して構成および配置されており、支持手段ロック装置が固定位置に移動すると、リムの部分を背にして、リムの部分の後ろで係合している支持手段のフック部分をさらに支持する。
【0041】
支持手段ロック装置が、支持手段の一部、好ましくは突起状の、特にピン状の部分の後ろに係合し、それに圧力をかけるように構成および配置される可動支持面を有することが好ましい。それにより、支持手段ロック装置が固定位置に移動したときに、支持手段のフック部分が車輪のリムの部分の後ろの係合位置に付勢されるか、またはその係合位置で支持されるようになる。
【0042】
好ましくは、支持手段ロック装置は、作動部分が作動されたとき、特に圧力を受けたときに、支持手段ロック装置が固定位置に移動されるように、作動部分と結合される。
【0043】
好ましくは、作動部分は、トレッド面に配置される。
【0044】
好ましくは、作動部分は、ゴム材料から作られるか、またはゴム材料を含む接触面を有する。好ましくは、接触面は、トレッド面に配置され、路面との接触時に、路面と面一に延びるように摩耗するように構成される。
【0045】
支持手段、支持機構および支持手段ロック装置は、様々な形態で上記に説明されてきた。これらの形態は、前述の本発明によるアタッチメントの実施形態に関する。
【0046】
独立した発明は、トレッド面を備えたベース本体を有するアタッチメントでもあり、アタッチメントは、前述の支持手段の1つまたは複数の実施形態、特に、支持機構の1つまたは複数の実施形態、好ましくは1つまたは複数の実施形態の支持手段ロック装置をさらに含む。したがって、そのようなアタッチメントは、前述の実施形態のトレッド部および初期装着部を必ずしも含む必要はない。特に、独立した発明は、トレッド面を備えたベース本体を有するアタッチメントであり、アタッチメントは、車輪のリムの一部、特にリムフランジの後ろのフック部分と係合するように構成された、1つ、好ましくは複数の支持手段を備える。好ましくは、アタッチメントは、接触部分を有する支持機構を備える。接触部分は、それが作動され、特に圧力が加えられると、支持手段を作動させ、フック部分をリムの部分、好ましくはリムフランジの後ろに係合させるように構成される。好ましくは、支持機構は、トレッド部が初期装着部に固定されたときに、車輪、特にリム、または初期装着部が接触部分と接触して、接触部分を作動させ、特にそれに圧力を加えるように構成される。接触部分がアタッチメントの側面に配置されていることが好ましい。好ましくは、軸方向に見たときに、支持手段のフック部分は、半径方向内側に、好ましくは直線状または弓状に傾斜するように構成される。支持手段は、作動されて、リム、特にリムフランジに向かって移動するときに、フック部分が半径方向内側に移動し、特に変位するように構成され、かつフック部分の移動によって、アタッチメントがリムに向かって軸方向に付勢されるように構成される。好ましくは、アタッチメントが、特に手動でおよび/または作動部分を介して、固定位置へ移動できる支持手段ロック装置を備える。作動部分は、好ましくは、アタッチメントが取り付けられた状態にあるときに、路面と接触するように構成および配置され、かつ固定位置においては、支持手段ロック装置が固定位置にある限り、車輪のリムの部分の後ろでの係合から外れて移動できないように、支持手段をロックするように構成される。好ましくは、支持手段ロック装置は、支持手段ロック装置が固定位置へ移動したときに、支持手段のフック部分をさらに支持するように、支持手段に対して構成および配置される。支持手段のフック部分は、リムの部分に反して、リムの部分の後ろで係合する。そのようなアタッチメントは、車輪に特にしっかりと固定することができる。
【0047】
また、本発明の意味の範囲内には、アタッチメントおよび車輪のリムを備えるシステムがあり、アタッチメントは、前述の実施形態の1つまたは複数に従って構成され、リムは、少なくとも1つの開口部、好ましくは複数の開口部を有する。開口部は、リムのボルト円の領域に配置され、開口部は、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられた穴から、または好ましくはリムの中央開口部から、離間して配置されている。開口部は、リムのスポーク間のギャップとは異なる。好ましくは、開口部は、いわゆるポリコントロールボアである。
【0048】
必要に応じて、システムでは、開口部の中間点は、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられた穴の中間点を通って延びる円から離間して、好ましくは半径方向外側に離間して配置され、および/または開口部の中間点は、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられたすべての穴を囲む最小の円を形成する円から離間して、好ましくは半径方向内側に離間して配置される。
【0049】
前述の実施形態では、アタッチメント、特にトレッド部は、車両のタイヤに噛み込み、タイヤ材料をクランプまたは貫通するように構成されたタイヤグリップ装置を備えることができる。これにより、タイヤをアタッチメント、特にトレッド部に固定し、運転中の脱落を防止することができる。
【0050】
独立した発明は、タイヤ機能を低下させた運転操作を可能にするとともに、アタッチメントのトレッド面を含むトレッド部分を有する車輪用のアタッチメントでもある。アタッチメントは、車輪のタイヤに噛み込み、タイヤ材料をクランプまたは貫通するように構成された少なくとも1つのタイヤグリップ装置を含む、好ましくは、タイヤグリップ装置は、この目的のために、タイヤの材料を貫通するように構成された歯状突起を有する。
【0051】
これにより、アタッチメントを車輪のタイヤに直接固定することができる。
【0052】
独立した発明はまた、最初にタイヤグリップ装置を介してタイヤに固定される環状要素が提供されることであり、環状要素は好ましくはタイヤよりも小さい直径を有する。次に、最初に説明したように、トレッド部を環状要素上に配置することができる。したがって、別の発明では、タイヤグリップ装置を介して固定された環状要素は、初期装着部の代わりを形成することができる。
【0053】
また、タイヤグリップ装置に加えて、またはその代わりに、吸引要素または接着要素が使用されることも考えられる。また、タイヤの材料との化学反応を介してタイヤとの材料結合接続を形成するように構成されている化学的固定要素の使用も考えられる。
【0054】
このような手段は、上述の変形例において、アタッチメントをさらに固定するため、および/または運転中にタイヤが脱落しないように固定するために役立つことができる。
【0055】
独立した発明はまた、最初に吸引要素、化学的固定要素、および/または接着要素を介してタイヤに固定される環状要素が提供されることであり、環状要素は好ましくはタイヤよりも小さい直径を有する。次に、最初に説明したように、トレッド部を環状要素上に配置することができる。したがって、別の発明では、タイヤグリップ装置を介して固定された環状要素は、初期装着部の代わりを形成することができる。
【0056】
本発明のさらなる特徴、可能な用途および利点は、図面を参照して説明される本発明の例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。これらの特徴は、明示的に再度言及することなく、それ自体および異なる組み合わせの両方で本発明の基本となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】軸方向に見た車輪を示す。
図2図1の車輪のリムの断面図である。
図3】本発明によるアタッチメントの第1の実施形態を示す。
図4図3のアタッチメントの取り付けを示す。
図5】支持手段を示す。
図6】本発明によるアタッチメントのさらなる実施形態を斜視図である。
図7】本発明によるアタッチメントのさらなる実施形態を示す。
図8】本発明によるアタッチメントのさらなる実施形態を示す。
図9】組み立てられた構成における図8のアタッチメントを示す。
図10】支持機構を示す。
図11】グリップ装置による初期装着部の固定を示す。
図12】グリップ装置による初期装着部の固定のさらなる代替を示す。
図13】グリップ装置による初期装着部の固定のさらなる代替を示す。
図14】本発明によるシステムのリムを示す。
図15】初期装着部を示す。
図16】初期装着部の異なる変形を示す。
図17】中央開口部を介して固定するための初期装着部を示す。
図18】グリップ装置の異なる実施形態を示す。
図19】曲げ装置を有する初期装着部を示す。
図20】固定要素の可能な様々な変形を示す。
図21】トレッド部と初期装着部との間の可能な接続方法を示す。
図22】アタッチメントを固定するために使用できる吸盤を示す。
図23】独立した発明によるタイヤ把持装置およびアタッチメントを示す。
図24】支持手段ロック装置の詳細を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の図では、対応するコンポーネントと要素には同じ符号が付いている。より明確にするために、すべての符号がすべての図で再現されているわけではない。
【0059】
図1は、概略図で車輪1を示す。車輪1は、リム2と、リム2に取り付けられたタイヤ3と、を備える。リム2は、図2では、タイヤ3なしでそれ自体で示されている。
【0060】
周方向は、符号Uを有する矢印によって表される。軸方向は、符号Aを有する矢印によって表される(図2)。半径方向は、符号Rを有する矢印によって表される。
【0061】
半径方向内側において、リム2は、車輪1のボルト円4を備える。ボルト円4の中心には、軸方向Aに延びる車輪1の回転軸5の周りに、いわゆる中央開口部6が配置される。これは、ハブボアホールまたはセンターホールセンタリングとも呼ばれる。この場合、ボルト円4は5つのボルト穴7を含み、そのうちの2つには符号が付けられている。本車輪1では、5つのスポーク8がボルト円4の領域から半径方向外向きに延在する。
【0062】
リム2は、リムウェル9およびリムフランジ10を含み、中央開口部6は、凹んだ周辺溝12を有する。
【0063】
リム2は、ボルト円4の領域に配置された複数の開口部13を有する。開口部13は、ボルト穴7、すなわち、ホイールボルトまたは控えボルトを受け入れるために設けられた穴7から、またはリム2の中心開口部6から離間してリム2に配置される。開口部13は、例えば、ポリコントロール穴の形態であることができ、それを介して、車輪1の車軸の車軸クリアランスを測定することができる。
【0064】
車輪のタイヤ3にパンクがあると、タイヤ内の空気が抜け、車輪1のタイヤ機能が低下する。このような場合に運転操作を継続できるようにするために、本発明によるアタッチメント14を使用することができる。
【0065】
このようなアタッチメントの例を図3に示す。アタッチメント14には、アタッチメント14のトレッド面18を含むトレッド部16と、アタッチメント14の取り付け時にトレッド面18から半径方向内側に配置された初期装着部20が形成されている。
【0066】
この場合、トレッド部16は、初期装着部20から取り外し可能に構成されている。
【0067】
初期装着部20は、車輪1のリム2のボルト円4の領域で車輪1に固定されるように構成され、特に、リム2のボルト円4の領域で嵌合および/または接続、特に摩擦に基づく接続を介して固定されるように構成される。
【0068】
本例では、嵌合は、1つまたは複数のグリップ装置22によって達成される。本例では、グリップ装置22は、拡張可能部分24を備える。本例では、グリップ装置22は、ボルトのような形態であり、初期装着部20の締結穴26に挿入することができる。拡張可能部分24は、グリップ装置22が挿入された後に広げることができる。
【0069】
トレッド部16は、固定装置28を介して初期装着部20に締結することができる。この場合、固定装置28は、中央ねじ込み装置30の形態である。固定装置28は、トレッド部16が、初期装着部20への締結時に処理取り付け部分20に向かって、初期装着部20がリム2に既に取り付けられている場合はリム2に向かって、移動するように構成されている。
【0070】
この場合、トレッド部16は、周方向Uにマルチパート形態であり、好ましくは、トレッド部16は、第1の周縁セグメント32および第2の周縁セグメント34を備える。第2の周縁セグメント34は、取り外し可能なヒンジ装置36を介して第1の周縁セグメント32に取り外し可能かつ枢動可能に接続される。ヒンジ装置36は、取り外しできない形態であってもよい。
【0071】
第2の周縁セグメント34は、2つの整列装置38を介して第1の周縁セグメントに対して位置合わせすることができ、この場合、これは旋回可能な形態である。
【0072】
整列可能とは、第2の周縁セグメント34が、整列装置38を介して第1の周縁セグメント32に対して意図された位置に付勢され得、整列装置38を介してその位置に保持され得ることを意味する。
【0073】
整列装置38は、第1の周縁セグメント32に対する第2の周縁セグメント34の位置をロックすることができるロック機構の形にすることもできる。
【0074】
初期装着部20を固定するために、締結穴26は、リム2の開口部13の上に配置される(図4a)。次に、グリップ装置22が締結穴26に挿入され、リム2の開口部13に押し込まれる。グリップ装置22が開口部13を通して完全に押し込まれると、拡張可能部分24が広がり、リブ2の開口部13の後ろに係合する(図4b)。
【0075】
初期装着部20が車輪に固定されると(図4b)、トレッド部16は次のステップ(図4c)で初期装着部20に固定される。このため、本実施形態のトレッド部16は、固定装置28を介して初期取り付け部20に固定されている。この締結動作中、トレッド部16は、軸方向Aに車輪1に向かって移動する。
【0076】
トレッド部16を初期装着部20に固定すると、第1の周縁セグメント32は、最初に、固定装置28を介して初期装着部20に固定される。これにより、第2の周縁セグメント34は、整列装置38によって第1の周縁セグメントに対してまだ位置合わせされていない。したがって、第2の周縁セグメント34は、依然として第1の周縁セグメント32に対して旋回可能である。したがって、簡単な方法で、第1の周縁セグメント32を初期装着部20に固定することが可能である。
【0077】
第1の周縁セグメント32が初期装着部20に接続されると、車輪1は半回転移動することができ、それにより第2の周縁セグメント34はもはや路面Fに向けられず、上方に向けられる。次に、整列装置38を介して、第2の周縁セグメント34を第1の周縁セグメント32に対して位置合わせし、オプションでロックすることができる(図4d)。
【0078】
これで固定作業が完了する場合がある。しかしながら、トレッド部16が(例えば、以下に記載される支持手段を介して)車輪1にさらに固定される場合も、本発明の意味の範囲内である。これについては、以下で詳しく説明する。
【0079】
トレッド部16は、車輪1のリム2の部分11、この場合はリムフランジ10の後ろのフック部分42と係合するように構成された支持手段40を備えることができる。リムフランジ10の後ろの支持手段40のそのような係合は図5に示されている。
【0080】
支持手段40は、例えば、半径方向に変位可能または旋回可能であるように構成することができる。好ましくは、支持手段40は、作動時に、リム2の部分11、特にリムフランジ10の後ろで係合するように作動させることができる。図5では、支持手段40は、作動ねじ44を介して作動させることができる。作動ねじ44は、対向部材46に係合し、作動ねじ44が締められると、支持手段40は、図5に示される係合位置になるまで、リムフランジ10に向かって半径方向に動かされる。
【0081】
好ましくは、支持手段40のフック部分42は、軸方向Aで見たときに、半径方向内側に、好ましくは直線状または弓状に傾斜するように構成され(図5に示す)、支持手段40は、支持手段40が作動され、支持手段40がリム2に向かって、特にリムフランジ10に向かって移動すると、フック部分42が、半径方向内側に移動する(特に、変位する)とともに、フック部分42の移動の結果として、トレッド部16が、リム2に向かって軸方向Aに付勢されるように構成されている。
【0082】
図6は、アタッチメント14の本発明によるさらなる実施形態を示す。この実施形態では、トレッド部16は、形状が環状である。一方、初期装着部20は、円盤状の部分47と、そこから突出するアーム48とを有している。トレッド部16は、対応する固定装置28を介してアーム48に固定することができる。図6の実施形態では、トレッド部16は、単一のヒンジ装置36を有し、第2の周縁セグメント34上でそれに対して反対側に蟻継ぎのような係合構造49を有する。
【0083】
図6の実施形態では、トレッド部16は複数の接触部分50を有する。接触部分50はそれぞれ、支持機構52の一部である。接触部分50は、接触部分50が作動されたとき、特に圧力を受けたとき、それに関連する支持手段40を作動させ、フック部分42をリム2の部分11、好ましくはリムフランジ10の後ろで係合するように構成される。
【0084】
図6の支持機構52は、アタッチメント14が車輪1に取り付けられ、車輪1が回転することにより、特に接触部分50を作動させる(特に、圧力を加える)と、路面Fが接触部分50と接触するように構成される。好ましくは、接触部分50は、図6に示されるように、特に軸方向に見たときに、アタッチメント14のトレッド面18に空間的に配置される。
【0085】
図7は、トレッド部16のさらなる実施形態を示し、これはワンピースの形態であり、例えば、図3および4の初期装着部20と組み合わせることができる。
【0086】
図8および9は、例えば図3および4の初期装着部20と組み合わせることができるトレッド部16のさらなる実施形態を示す。
【0087】
図8および9のトレッド部16は、周方向Uに切れ目がなく、外側部分56から半径方向内側に配置される内側部分54を含み、外側部分56は、周方向にギャップ58を備えて構成される。ここで、外側部分56は、アタッチメント14が車輪1に取り付けられた状態にあるとき、外側部分56が閉じた円形トレッド面18を有するようにギャップ58に受けられる挿入部分60をさらに備える(図9)。
【0088】
図8は、外側部56から取り外した状態の挿入部分60を示し、図9は、隙間58に挿入した状態を示す。
【0089】
初期装着部20にトレッド部16を取り付けるために、ギャップ58を最初に路面Fに向けることができる。これにより、取り付けの間、車輪1は路面Fと接触したままでいることができる。そして、隙間58が路面Fから離れるように車輪1を移動させることができる。隙間58に挿入部分60を挿入することができる。
【0090】
図8および9の実施形態はまた、すべての支持手段40の作動または動きを一緒に結合する結合機構62を備える。このような結合機構62は、支持手段40のすべての実施形態に提供され得る。例えば、結合機構62は、ケーブル引張装置の形態とすることができ、それにより、すべての支持手段40を半径方向内側に均一かつ均一に移動させることができる。
【0091】
図8および図9の左側において、トレッド部16は、車輪1から離れた側を見ているように示されている。図9の右側の表現では、トレッド部分16は、車輪1に面する側から見た状態で示されている(いずれの場合も、トレッド部分16の車輪1への取り付け状態に基づく)。
【0092】
図8および図9のトレッド部16は、図9の右側の図に示されているように、トレッド部16が初期装着部20に固定されたときに初期装着部20を接触部分50と接触させて、接触部分50を作動させる(特に、接触部分50に圧力をかける)ように構成される支持機構52を備える。この目的のために、接触部分50は、図9の右側に示されるように、リム2に面するアタッチメント14の側に配置される。
【0093】
図10は、図6または7のように配置された接触部分50と支持手段40との結合を示す。
【0094】
接触部分50は、フリーホイール装置66を有する圧力伝達装置64を介して支持手段40に接続することができる。フリーホイール装置66は、第1のシリンダー部分70および第2のシリンダー部分72を有する圧力シリンダー68を含むことができる。支持手段40は、フリーウィール装置66を介して接触部分50に機械的に結合されている。この場合、これは、接触部分50の移動により、力がフリーホイール装置66を介して支持手段40に伝達され得ることを意味する。アタッチメント14が取り付けられた車輪1が転がると、接触部分50は、路面との接触により径方向内側に移動する。これにより、上記の構成の補強手段40が作動するか、この場合、力が補強手段40に伝達される。補強手段40は、その力によってリム2またはリムフランジ10に向かって押される。支持手段40は、作動すると、リムフランジ10の後ろに係合する。すべての支持手段40がリムフランジ10の後ろに係合すると、アタッチメント14が車輪に固定される。上述の力伝達中に支持手段40がリムフランジ10に向かって押される特定の力または限界圧力を超えると、2つのシリンダー部分70および72が互いに押し込まれる。これは、例えば、接触部分50がその最終位置にまだ到達していないが、フック部分42がすでにリムフランジ10の後ろに完全に係合しており、その上に載っているときに起こる。
【0095】
本実施形態では、接触部分50は、周方向Uに湾曲し、トレッド本体74の一部を径方向外側に付勢するばね鋼板73の形態である。したがって、トレッド本体74のこの部分は、無負荷状態でトレッド本体74の残りの環状形態から外れ、車両が路面F上を転がるときに内側に押され、力は圧力伝達装置64およびフリーホイール装置66を介して支持手段40へ伝達される。
【0096】
フリーホイール装置66を備えた圧力伝達装置64はまた、保持機構78を備えることができる。この例示的な実施形態では、保持機構78は、接触部分50がトレッド面18を完全に入り込んだときに、2つのシリンダー部分70および72を共にロックするように構成される。保持機構78の他の形態が考えられる。保持機構78は、接触部分50が路面F上にもはや静止していない場合、またはもはや圧力を受けていない場合、支持手段40がリム10の部分11またはリムフランジ10の後ろの係合から外れないようにする。
【0097】
非常に異なる構造の、好ましくはフリーホイール装置66および/または保持機構78を備えた、対応する圧力伝達装置63はまた、すべてのタイプの接触部分50、特に図8および9の実施形態に示されたように、トレッド部16の車輪1に対向する側に配置された接触部分50と組み合わせることができる。
【0098】
図11~13は、グリップ装置22の例を示す。
【0099】
図11a)およびb)の実施形態では、グリップ装置22の拡張可能部分24を表す拡張可能スリーブ80が、開口部13に挿入される。初期装着部20を固定するために、初期装着部が開口部13上の締結孔26と位置決めされる。次に、拡張要素82を表すねじが、拡張可能なスリーブ80にねじ込まれ、それにより、スリーブが分離されて拡張される。拡張状態では、スリーブ80は、開口部13の側壁と、したがってリム2との摩擦に基づく接続を形成する。スリーブ80はまた、取り外し不可能な方法で初期装着部20に接続することができ、その後、初期装着部20に取り外し不能に接続されたグリップ装置22の一部の例を表す。
【0100】
図11c)は、開口部13の後ろのグリップ装置22の嵌合の例を示す。ねじ84は、開口部13の側壁に設けられたねじ山86にねじ込まれ、そのねじ山86の後ろに嵌合することができる。
【0101】
しかしながら、初期装着部20に、ねじ山のない開口部13の後ろに嵌合することができるか、またはねじ山のない開口部13に摩擦に基づく方法で固定することができるグリップ装置22を設けることが一般に好ましい。
【0102】
図12の実施形態では、グリップ装置22の圧縮可能部分90を含む圧縮性スリーブ88が示されている。図12a)から12c)は、圧縮性スリーブ88が開口部13にどのように挿入されるかを示す。
【0103】
図12b)は、開口部13への圧縮性スリーブ88の挿入を示す。圧縮可能部分90は、開口部13を通って案内されるときに内側に移動でき、開口部13を通って案内されるときに非圧縮状態に拡張し、開口部13の後ろに嵌合するフック領域92を含む。次に、初期装着部20は、拡張要素82(図12c)を表すねじを用いて固定することができる。
【0104】
圧縮性スリーブ88はまた、取り外し不可能な方法で初期装着部20に接続することができる。そのようなバージョンは、断面図で図13に概略的に示されている。図13のバージョンでは、トレッド部16は、対応する穴94を介して初期装着部20に固定され、これらの穴94は、拡張要素82と共に固定装置28を形成する。初期装着部20は、(この場合は、取り外し不可能な方法で)それに接続された圧縮性スリーブ88を介して開口部13内に、そのままクリップすることができる。圧縮性スリーブ88は、圧縮可能部分90を含み、グリップ装置22を表す。トレッド部16は、次に、拡張要素82を介して初期装着部20に固定することができ、この固定作業中にトレッド部16は、軸方向Aにリム2に向かって移動する。
【0105】
また、本発明の意味の範囲内には、車輪1のアタッチメント14およびリム2を備えるシステムがあり、アタッチメント14は、以下の請求項のうち1つ、前述の実施形態の1つに従って構成され、リム2は、ボルト円4の領域でリム2にあるかまたは配置されている少なくとも1つまたは複数の開口部13を有し、開口部13は、ホイールボルトまたは控えボルトを、好ましくはリム2の中央開口部6から、受けるため設けられた穴7から離間してあるかまたは配置されている。
【0106】
図14は、そのようなシステムのリム2の例を示している。
【0107】
図14のリム2は、この場合、5つの開口部13を有する。しかしながら、より多いまたはより少ない開口部13を設けることもできる。図14に示すように、開口部13の中間点99が、ホイールまたは控えボルトを受容するために設けられた穴7の中間点101を通って延びる円100から、好ましくは半径方向外側に、離間して配置されることが好ましい。開口部13の中点99が、ホイールボルトまたは控えボルトを受けるために設けられたすべての穴7を囲む最小の円を形成する円102から離間して、好ましくは半径方向内側に離間して、配置されることも好ましい。開口部13の位置に関する上記の説明は、軸方向Aの観察方向に関する。
【0108】
好ましくは、開口部13は、円101と102との間に配置されており、それらは、それらの断面の大部分、好ましくはそれらの断面全体が円の間にあるようになっている。
【0109】
図15は、初期装着部20(図15a)と、車輪1または車輪1のリム2(図15bおよび15c)へのその固定を示している。
【0110】
図15に示される実施形態は、中空ロッドの形態、または拡張可能なスリーブ80の形態であるグリップ装置22を備える。中空ロッドの形態のグリップ装置22は、それぞれ、拡張可能部分24を有する。フック状突起104は、拡張可能部分24上に配置されている。
フック状突起24は、リム2の開口部13の後ろにぴったりと嵌合するように機能する。初期装着部20は、スペーサー106をさらに備えることができる。スペーサー106は、リム2に対する所定の距離を特定するように機能することができる。有利には、スペーサー106は、スリーブの形態である。スペーサー106がホイールボルト15またはそのヘッドに取り付けられるように構成されている場合が好ましい。
【0111】
図15bでは、リムへの初期装着部20の取り付けが示されている。本実施形態の初期装着部20は、この場合はプレート状であり、拡張要素82が取り付けられる作動部分108を備える。作動部分108は、拡張要素82が中空ロッドの形態でグリップ装置22内に配置されるように、中央ねじ110を介して初期装着部20の残りの部分に接続され得る。作動部分108と初期装着部20の残りの部分との間の他の可動接続も考えられる。この構成は図15bに示されている。中央ねじ110がねじ込まれている場合、作動部分108は、初期取り付け部20の残りの部分から離れるように軸方向に移動する。その結果、拡張要素82は、中空ロッドの形態のグリップ装置22内に移動して、それらのそれぞれの拡張可能部分24が広がり、その上に配置されたフック状突起24が開口部13の後ろにぴったりとはまるようにしっかりと係合するようになる。
【0112】
初期装着部20は、例えば図3から図9に示すように、トレッド部16を初期装着部20に固定することができる固定装置28を有する。図15に示す固定装置28は、半径方向外側に延びる2つのリム112を有し、各リムは、対応するねじ116をねじ込むことができるねじ山を有する穴114を含み、ねじ116によって、トレッド部16を初期装着部20に固定することができる。
【0113】
図16aは、図15の初期装着部20を斜視図で示している。
【0114】
図16bは、初期装着部20の代替形態を示す。図16の初期装着部20では、作動部分108は、ランプ状の隆起128上を走る円形セグメントの形状を有するスロットを備える。作動部分108の回転によって、拡張要素82は、ランプ状の隆起部に沿ってスライドすることによってグリップ装置22内に移動され、それにより、グリップ装置は拡張される。作動部分108の回転は、対応するハンドル130を介して手動で行うことができる。
【0115】
説明された作動部分108は、単に例として理解されるべきである。一般に、作動部分108は、初期装着部20の残りの部分に対する作動部分108の動きによって、拡張要素82の動きをもたらすことができるように構成することができ、その結果、グリップ装置22は、特に、グリップ装置22の拡張可能部分24が離れて広がるまたは広げられるように、対応する開口部13の後ろに嵌合するようになる。
【0116】
図17は、初期装着部20のさらなる可能な形態を示す。それにより、締結装置28は、図15の締結装置28の形態に対応する。トレッド部16を締結するための固定装置28の他の形態が可能である。
【0117】
図17に示される初期装着部20は、グリップ装置22を有する。初期装着部20は、グリップ装置22とリム2の中央開口部6との摩擦に基づく係合を介して車輪1に固定されるように構成される。グリップ装置22は、中央開口部6に嵌合するように構成されることも可能である。
【0118】
図17の例では、グリップ装置22は、スロット付きまたは拡張可能なスリーブ80の形態である。スロット付きまたは拡張可能なスリーブ80の内部には、半径方向の範囲が変化する要素118が配置される。この場合、要素118は、円錐要素120の形態である(要素118は円錐形部分122を有する)。半径方向の範囲が変化する要素118は、スロット付きまたは拡張可能なスリーブ80に対して軸方向Aに移動可能である。要素118をスロット付きまたは拡張可能なスリーブ80に対して軸方向Aに移動させるために、初期装着部20は支持ねじ124を有する。要素118の軸方向の動きの結果として(図17aの表示では上向き)、スロット付きまたは拡張可能なスリーブ80は、中央開口部6内で摩擦に基づく方法で係合するように、離れて拡張することができる。この場合、これは、それが中央開口部6内に延び、それを内側から係合するか、または摩擦に基づいて内側から中央開口部6の壁に載ることを意味する。スロット付きスリーブ80は複数の拡張可能なアーム126を有する。可動性の、特に半径方向外向きに曲げることができる、アーム126は、拡張可能な部分24を表す。アーム126はまた、図17bに示されるよりも互いに実質的にさらに間隔を空けてもよい。例えば、好ましくは互いに反対側に配置される2つの拡張可能なアーム126のみが存在することが可能である。突起は、アーム126の1つ以上、または一般に拡張可能部分24上に配置することができ、これらの突起は、対応する溝または一般に中央開口部6の凹部に係合することができる。固定は、嵌合を介して行うことができる。
【0119】
図18は、リム2の開口部13、好ましくはポリコントロールボアに挿入することができ、嵌合または摩擦に基づく係合による固定に役立つことができるグリップ装置22の異なる実施形態を示す。
【0120】
図18aに示す変形例は、図12に示す実施形態に類似している。しかしながら、グリップ装置22の図18aの変形例は、圧縮可能部分90を表す複数のフック領域92を有する棒状要素によってのみ形成される。図18aの変形例は、拡張要素82を必要としない。図18aによるグリップ装置22を用いて、初期装着部20は、開口部13またはポリコントロールボアにほぼ直接挿入することができる。グリップ装置22は、固定して(図13と同様に)または着脱可能に初期装着部20に取り付けることができ、または初期装着部を通して挿入されるように構成することができる。
【0121】
図18bに示される変形は、図15および16に示されるグリップ装置22の変形に対応して構成される。図18bのグリップ装置22は、嵌合のために構成される。
【0122】
図18cに示されるグリップ装置22の変形は、摩擦に基づく係合のために構成される。この目的のために、グリップ装置22は、この場合、圧縮性スリーブ132によって形成される、拡張可能部分24を有する。圧縮性スリーブ132は、その軸方向範囲が減少すると半径方向範囲が増加するスリーブを意味する。この場合、ナット136を介して拡張要素82が締め付けられると、圧縮性スリーブ132の軸方向範囲が減少し、圧縮性スリーブ132の半径方向範囲が増加する。これにより、圧縮性スリーブ132は、開口部13の内壁に対して摩擦に基づく方法で静止し、摩擦に基づく係合が達成される。
【0123】
図18dに示されるグリップ装置22の変形例は、嵌合のために構成される。図18dの変形例では、グリップ装置22は、ねじによって形成される。これは、開口部13がねじ山を有すること、または開口部の後ろに配置される嵌合ねじが必要であり、そこにねじをねじ込むことができる。
【0124】
グリップ装置22が開口部13におけるねじ山なしの嵌合のために構成されることが好ましい。これは、開口部13がねじ山を有さず、開口部(グリップ装置がその中に入る)の後ろに配置された結合用のねじ山がないことを意味する。それにより、ねじ山はまた、材料が開口部13に導入される場合、ねじが自動的にねじ山を切ることができるか、またはそのような材料が開口部13の後ろに配置されることを意味する。しかしながら、そのような材料とねじ切りねじとの併用も、本発明の意味の範囲内である。好ましくは、グリップ装置22自体はねじ山なしである。したがって、それは嵌合を生成するためのねじ山を有しない。しかしながら、グリップ装置22を動かすためにねじ山が存在してもよい。例えば、図15bの実施形態は、ねじ山のないグリップ装置22を有する。
【0125】
図19は、クランプ装置140を介して車輪1のホイールボルト15に固定されるように構成された初期装着部20を示し、クランプ装置140は、少なくとも2つのホイールボルト15をクランプ方式で一緒に係合してそれらを把持するように構成される。クランプ装置140は、複数の締結要素142を備える。クランプ装置140は、少なくとも2つの締結要素142を有するが、好ましくは、図19に示すように、各ホイールボルト15に対して1つの締結要素を有する。締結要素142は、ホイールボルト15のヘッドの開口部に挿入されるように構成することができる(図20c)。締結要素142をホイールボルト15のヘッド上に配置されるように構成することも可能であり(図19a~cおよび図20aおよび20b)、締結要素142は、ホイールボルト15のヘッドの外側の輪郭(通常は六角形)に相補的なボルトヘッドを受け入れる部分144を備えるように構成されるか、またはボルトヘッドを受け入れる締結要素142の部分144はその内側に長手方向の溝を有することで、ボルトヘッドに対する締結要素142の回転が防止される。
【0126】
クランプ装置140は、曲げ装置144を備える。この場合、曲げ装置146は、締結要素142を曲げるように、好ましくは、図示のように、すべての締結要素142がホイールボルト15(図19a~c、図20aおよび20b)のヘッド上に配置されたときに、またはホイール15のヘッド(図20c)の開口部に挿入されたときに、互いに離れるように、構成される。
【0127】
曲げ装置146はまた、締結要素142がホイールボルト15(図19a~cおよび図20aおよび20b)のヘッド上に配置されるか、またはホイールボルト15のヘッド(図20c)の開口部に挿入されると、締結要素142を互いに向かって曲げるように構成され得る。
【0128】
この例では、曲げ装置146は、ねじ150を介して締結要素142に向かって動かされると、締結要素142を互いに離れる方向に曲げる。互いに向かってまたは互いに離れるように曲げられた結果として、締結要素142は、互いに対して固定される。その結果、クランプ装置140は、締め付け方法でホイールボルト15を一緒に係合し、締め付け方法でそれらを把持する。
【0129】
図19に示されているように、曲げ装置146は、例えば、ねじ150によって、初期装着部20の残りの部分、または締結要素142に対して軸方向に移動可能であるように構成することができる。それが軸方向に初期装着部20に向かって、またはそこから離れるように、または締結要素142に向かって、またはそこから離れるように移動すると、締結要素142は、互いに向かって、または互いに離れるように曲げられる。これは、例えば、図19に示されているように、曲げ装置146上の斜面154を介して達成することができる。
【0130】
図19bは、締め付けられていない状態の締結要素142を示し、図19cは、締め付けられた状態、または互いに離れるように曲げられた状態の締結要素142を示す。
【0131】
曲げ装置146が、締結要素142を取り囲み、直径を小さくすることができる、または締結要素142の間に配置され、拡張可能であるテンションリング(図示せず)の形態である場合も考えられる。図19に示されるように、曲げ装置146は、ばね158を介して、初期装着部20に向かって、または締結要素142に向かって、または初期装着部または締結要素から離れるように付勢されることが可能である。曲げ装置146は、ねじ150を介してばね158の付勢方向に抗して移動することができる。
【0132】
曲げ装置146はまた、円形経路から全体的に逸脱する弓状スロットを有する要素、好ましくは(図16bの円形セグメントの形状を有するスロットを有する作動部分108と同様の)板状要素を含むことができる。そのような要素は、隆起128を有さず、図16bとは異なり、円形セグメントの形状を有するスロットは、円形経路上で全体的に延在せず、そこから逸脱する。要素が回転すると、円形セグメントの形状を有するスロットに配置された締結要素142は、スロットが円形経路から外れる方向に応じて、内向きまたは外向きに曲がる。
【0133】
図20は、締結要素142、特にボルトヘッドを受け入れる部分144の考えられる異なるタイプを示している。ボルトヘッドを受け入れる部分144は、ホイールボルト15のヘッドの外側輪郭(通常は六角形)を補完するように構成することができる(図20a)。ボルトヘッドを受け入れる締結要素142の部分144はまた、ボルトヘッドに対する締結要素142の回転を防止するために、その内側に長手方向の溝160を有することができる(図20b)。図20cは、締結要素142がボルトヘッドの内側凹部に挿入され得る、一種の締結要素142を示す。
【0134】
図21は、トレッド部16が作動装置162を介して初期装着部20に対して軸方向Aに移動可能であるように、トレッド部16と初期装着部20を接続する可能な方法を示す。
【0135】
図21aは、軸方向に見た初期装着部20を示す。図示の実施形態の初期装着部20は、トレッド部16を取り付けるための2つの突出した取り付けアーム164を有する。図示の実施形態の初期装着部20は、それぞれ取り付け要素168を受け入れるように構成された2つのレシーバー166も有する。取り付け要素168は、図21bに関連してより詳細に説明される。
【0136】
取り付けアーム164は、一部品のトレッド部16をそれに取り付けることができるように構成することができる。しかしながら、好ましくは、取り付けアーム164は、第1の周縁セグメント32および第2の周縁セグメント34を有するトレッド部16を初期装着部20に取り付けることができるように構成される。取り付け時には、最初に初期装着部20を、リム2のボルト円4の領域での嵌合を介して、および/またはリム2のボルト円4の領域でのリムのボルト円4の領域での車輪1への接続、好ましくは摩擦に基づく接続を介して、例えば上述の方法の1つで、ボルト円4の領域での領域のリム2に取り付ける。
【0137】
次に、第1の周縁セグメント32を初期装着部20上に配置し、作動装置162の作動により、作動装置162を介して軸方向Aに初期装着部に向かって移動させることができる。
【0138】
好ましくは、トレッド部16は、部分11の後ろのフック部分42と係合するように構成される支持手段40を有し、この場合、車輪1のリム2のリムフランジ10である。好ましくは、アタッチメント14は、好ましくはトレッド部16上に配置される接触部分50を有する支持機構52を備える。接触部分50は、好ましくは、車輪1に面するアタッチメント14の側に配置される。作動装置162によってトレッド部16が初期取り付け部20に対して軸方向Aに移動すると、接触部分50は、車輪1および/または初期取り付け部20に接触し、それにより、作動するように配置されることが好ましい。したがって、アタッチメントまたはそれぞれの周縁セグメント32、34は、作動装置162の作動時に、リムフランジ10の後ろでほぼ自動的に支持手段40と係合することができる。
【0139】
この場合、空気圧作動装置162が示されている。しかしながら、作動装置162は、純粋に機械的、特にばねで付勢された形態であってもよい。空気圧でかつばね付勢で作動する作動装置162を提供することも考えられる。電気作動装置162も可能である。
【0140】
作動装置162の機能に関して:周縁セグメント32、34は、取り付けアーム164上に配置される。取り付け要素168は、初期装着部20上のレシーバー166に挿入される。取り付け要素168は、トレッド部16の周縁セグメント32、34に変位可能に取り付けられる。取り付け要素168は、ピストン部分170とともに圧力室172内に延びる。圧力室172は、弁176を有する圧力媒体接続174を有する。圧力媒体源178は、圧力媒体接続174に接続され得る。そのような圧力媒体源178は、例えば、自転車のタイヤの修理セットから知られているように、小さなガスカートリッジであり得る。しかしながら、そのような圧力媒体源178はまた、依然として十分な空気圧を有する車両のさらなるタイヤであり得る。コンプレッサーの使用も考えられる。
【0141】
圧力媒体供給源が圧力媒体接続部174に接続されている場合、弁176を開けて、圧力媒体を圧力室172に加えることができる。次に、ピストン部分170は、圧力室172内で、トレッド部16、またはマルチパートトレッド部16の場合、それぞれの周縁セグメント32、34は、軸方向Aに、初期装着部20に向かって、または車輪1に向かって動くように、動く。この動きは、図21bに矢印179として示されている。
【0142】
「トレッド部16は、初期装着部20に対して作動装置162を介して軸方向Aに移動可能であるように、初期装着部20に接続され、または接続され得る」とは、少なくとも部分的に、特に、トレッド部16の周縁セグメント32、34は、初期装着部20に対して軸方向Aに移動可能である。好ましくは、トレッド部16全体、またはすべての周縁セグメント32、34は、作動装置162を介して移動可能である。
【0143】
好ましくは、アタッチメント、特にトレッド部16は、それが初期装着部20に対する意図された位置に移動したときに、トレッド部16(またはそれぞれの周縁セグメント32、34)を初期装着部20に対するその位置にロックするロック機構180を有する。図21bは、ロック機構180の例として、ばね付勢されたロッドを示し、このロッドは、トレッド部16が初期装着部20に向かって移動したときに、取り付け要素168上の凹部にラッチする。
【0144】
取り付け要素168は、圧力媒体によって動かされる代わりに、または圧力媒体によって動かされることに加えて、付勢されたばね、特に圧縮ばねによって動かされることも考えられ、該付勢されたばねは、トレッド部16の取り付け時にロック解除されて、トレッド部16が初期装着部20に向かって移動するように、取り付け要素168を移動させる。作動時に、トレッド部16と初期装着部20との間に相対移動を引き起こす、作動装置162の他の形態も、同様に本発明の意味の範囲内である。好ましくは、作動装置162は、作動装置162が作動されると、トレッド部16が初期装着部20に向かって移動するように構成される。
【0145】
図21cは、作動装置162のさらなる可能な形態を示す。図21cの実施形態では、トレッド部16の2つの周縁セグメント32、34は、初期装着部20に枢動可能に取り付けられている。作動装置162の作動時に、周縁セグメント32、34は、車輪1に向かって旋回する。
【0146】
本発明の意味の範囲内には、初期装着部20とトレッド部16またはその周縁セグメント32、34との間に相対運動を引き起こすように構成された作動装置162を含むアタッチメント14がある。
【0147】
本発明の意味の範囲内で、トレッド部16は、並進および枢動可能の両方で(図21cの例によって示される)作動装置162を介して、初期装着部20に対して軸方向Aに移動可能であり得る。
【0148】
図22に示すように、アタッチメント14を固定するために吸盤182、184を使用することができる。特に、初期装着部20が、吸盤182によって、車輪1、特に車輪1のリム2のボルト円4の領域に固定されるように構成されることも考えられる。この目的のために、負圧を介してリム2に付着するように構成された吸盤182が有利に提供される。初期装着部20を取り付けるために、吸盤182は、特にねじ山を有する棒状の延長部186を備えることができる。さらに、またはあるいは、トレッド部16は、吸盤182を介してリム2に、および/またはさらなる吸盤184を介してタイヤ3に固定され得る。
【0149】
特に、初期装着部20が、材料結合接続、特に接着接続によって車輪1に、特に、車輪1のリム2のボルト円4の領域で固定されるように構成されることも考えられる。材料結合または接着接続は、特に、接着剤でコーティングされた吸盤188を介して達成することができ、接着剤でコーティングされた吸盤188は、必ずしも負圧を維持する必要はない。タイヤ3のゴムに結合する組成物を使用することも考えられる。特に、吸盤190は、そのような組成物でコーティングすることができる。次に、吸盤190は、タイヤ3との化学反応に基づいて、タイヤとの材料結合接続に入り得る。
【0150】
吸盤184、190は、一方ではアタッチメント14を車輪1に固定するとともに、そして他方ではタイヤ3を、車輪1に固定接続されたアタッチメント14に固定して、運転中しっかりと保持し、リム2から離れないように、使用することができる。
【0151】
アタッチメント14が、タイヤ3をアタッチメント14に保持するように構成されたタイヤ保持装置192を有する場合、概して本発明の意味の範囲内である。このタイプの可能なタイヤ保持装置192は、1つ以上の上述の吸盤184、190(図22)である。そのようなタイヤ保持装置192のさらなる可能性が図23aに示され、車輪1のタイヤ3に食い込んでタイヤ材料をクランプするように構成されたタイヤ把持装置194によって与えられる。好ましくは、タイヤ把持装置194は、この目的のために、タイヤ3の材料を貫通するように構成された歯状突起198を有する。
【0152】
独立した発明は、アタッチメント14のトレッド面18を備えるトレッド部16を有する、タイヤ機能を低下させた運転操作を可能にする車輪1用のアタッチメント14であり、アタッチメント14は、少なくとも1つのタイヤグリップ装置194を備える。タイヤグリップ装置194は、車輪1のタイヤ3に食い込んでタイヤ材料をクランプするか、車輪1のタイヤ3に食い込んでタイヤ材料を貫通するように構成される。
【0153】
さらに独立した発明が図23bおよび23cに示されている。本発明は、アタッチメント装置198、特に吸盤182、184、188、190を備える初期装着部20を有する、タイヤ機能を低下させた運転操作を可能にする車輪1用のアタッチメント14に関する。アタッチメント装置198(特に、吸盤182、184、188、190)によって、車輪1、特にリム2、好ましくはリム2の半径方向外側領域に取り付けることができ、アタッチメントは、アタッチメント14のトレッド面18を有するトレッド部16を含み、トレッド部16は、接続装置200(これは、例えば、上述の作動装置162によっても形成され得る)を介して初期装着部20に接続され得、トレッド部16は、好ましくは、少なくとも1つのタイヤグリップ装置194、および/またはタイヤ保持装置192を含み、好ましくは、トレッド部16は、少なくとも2つの周縁セグメント32、34を含む。
【0154】
図23dは、タイヤグリップ装置194のさらなる可能な変形例を示す。図23dに示される変形例は、それをグリップするためにタイヤの材料を通して旋回可能であるフック状グリップ要素202を備える(図23d右)。フック状グリップ要素202は、車輪1のタイヤ3の材料に食い込み、タイヤ材料を貫通する。
【0155】
図24aおよび24bは、固定位置SPに移動することができ、固定位置SPにおいて、特に嵌合ロック(図24b参照)によって支持手段40をロックするように構成された支持手段ロック装置204を備えるアタッチメント14の一部を示す。ここで、支持手段ロック装置204が固定位置SPにある限り、フック部分42は車輪1のリム2の部分10の後ろの係合から外れないようになっている。取り付けは、図24aに部分的にのみ示され、特に、支持手段ロック装置204および支持手段40の描写をより明確に見えるようにするために、特にトレッド部は示されていない。
【0156】
本実施例では、固定位置SPでのロックは、支持手段ロック装置204の可動支持面208が、本実施形態では、ピン形状の突起210の後ろに嵌合方式で係合することで保証される。しかしながら、支持面208はまた、支持手段40の異なる部分の後ろにぴったり合うように係合することができる。この例では、ピン形状の突起210は、支持手段40から横方向に突出する。このような突起210および支持面208は、支持手段40の両側に存在する。
【0157】
図24に示されるように、アタッチメント14は、一般に、タイヤ変位装置206を有することもできる。これは、タイヤ3をリムフランジ10から持ち上げて、その後ろの支持手段40の係合を容易にするのに役立つ。
【0158】
ここに示される支持手段ロック装置204は、支持手段40に対して、固定位置SPに移動したときに(この移動は矢印212によって図24aに示されている)、支持手段ロック装置204がリム2の部分10、11に反対して、リム2の部分10、11の後ろに係合する支持手段40のフック部分42をさらに補強するように構成され、かつ配置される。これは、本実施例では、支持面が208は、面取りされるように構成され、支持手段ロック装置204またはその支持表面208が移動するかまたは半径方向内側に移動するときに、支持手段40を突起210を介して係合位置にさらに補強することで達成される。
【0159】
支持手段ロック装置204またはその支持面208の動きは、作動部分214を介して生成することができる。作動部分214は、支持手段ロック装置204が、作動部分214が作動されたとき、特に圧力を受けたときに、固定位置SPに移動されるように、支持手段ロック装置204と結合することができる。
【0160】
作動部分214は、好ましくはトレッド面18に配置される。
好ましくは、作動部分214は、ゴム材料から作られるか、またはゴム材料を含む接触面216を有する。好ましくは、接触面216は、トレッド面18に配置され、路面との接触時に、それがトレッド面18と同一平面に延びるように摩耗するように構成される。
【0161】
作動部分214は、好ましくは、可変部分220を介して支持手段ロック装置204と機械的に結合される。特に、可変部分220は、その半径方向の範囲で調整可能であり得る。これは、図24aの例では、支持手段ロック装置204の対応する凹部222に押し込むことができるリブ状の突起221を有する可変部分220によって達成される。
【0162】
支持手段ロック装置204の機能は以下の通りである:リムフランジ10の後ろの支持手段40の係合後またはその間に、アタッチメント14が回転し、トレッド面18が路面上を転がる。これにより、作動部分214が路面に接触する。これにより、作動部分214は半径方向内側に移動する。作動部分214の動きは、支持手段ロック装置204との機械的結合によって支持手段ロック装置204に伝達される。支持手段ロック装置は、半径方向内側に移動する。これにより、支持面208は、支持手段40の突起210の後ろに係合する。それにより、支持面208は、この場合、軸方向Aに突起210を変位させ、それにより、支持手段40は、突起210を介してリムフランジ10に対して補強され、突起210は、支持手段40に接続される。したがって、支持手段40は、形状にぴったりした方法でロックされ、同時に、特に、そのフック部分42は、リムフランジ10に対して補強される。支持手段40は、リムフランジ10の後ろの係合位置から外れて旋回することができなくなる。
【0163】
しかしながら、支持手段ロック装置204は、様々な他の方法で移動可能にすることもでき、特に、支持手段ロック装置204は手動で移動可能である。好ましくは、支持手段ロック装置204は、固定位置SPにラッチする。支持手段ロック装置204が、固定位置SPに付勢される、特にばね付勢されることも考えられる。
【0164】
支持手段40、支持機構52および支持手段ロック装置204は、これまでに様々な形態で説明されてきた。これらの形態は、特に、前述の本発明によるアタッチメント14の実施形態に関する。独立した発明はまた、トレッド面18を備えたベース本体を有するアタッチメント14であり、アタッチメント14はさらに、前述の支持手段40の1つ以上の実施形態、特に、支持機構52の1つ以上の実施形態、好ましくは、支持手段ロック装置204の1つ以上の実施形態を含む。
【符号の説明】
【0165】
1 車輪
2 リム
4 ボルト円
14 アタッチメント
18 トレッド面
20 初期装着部
22 グリップ装置
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