(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】モジュール式電動駆動システム、モジュール、ならびにその使用および製造方法
(51)【国際特許分類】
E05F 15/622 20150101AFI20221107BHJP
【FI】
E05F15/622
(21)【出願番号】P 2020524581
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2018079728
(87)【国際公開番号】W WO2019086467
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】102017125681.4
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503219640
【氏名又は名称】シュタビルス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】STABILUS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クノップ、アクセル
(72)【発明者】
【氏名】クロンツ、カトリン
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー、ヨナタン
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02369125(EP,A2)
【文献】特表2013-534396(JP,A)
【文献】特開2015-161157(JP,A)
【文献】特表2013-534997(JP,A)
【文献】国際公開第00/011372(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0040777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/622
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア用のモジュール式電動駆動システム(200)であって、
a.いくつかのモジュール(100)が、前記モジュール(100)の長手軸(LA)に沿って直線状に並べて配置され、前記駆動システム(200)の機能グループ(170)を形成し、
b.前記モジュール(100)の各々は、前記長手軸(LA)に直交する前面(101)上のいくつかのラッチ要素(110)、および/または前記前面(101)の反対側に位置しかつ前記長手軸(LA)に直交する後面(102)上の前記ラッチ要素(110)に対して相補的であるいくつかの受け入れ要素(120)を備え、
c.第1のモジュール(100)の前記ラッチ要素(110)が、前記長手軸(LA)に沿って前記第1のモジュール(100)に隣接する第2のモジュール(100)の前記受け入れ要素(120)と機械的な接続を形成する、
前記駆動システム(200)であり、
d.前記第
2のモジュール(100)の前記受け入れ要素(120)および前記第
1のモジュール(100)の前記ラッチ要素(110)は、前記長手軸(LA)に沿って確実に協働して、前記機械的な接続の緩みを防止するように設計され、
e.前記ラッチ要素(110)および/または前記受け入れ要素(120)は、前記長手軸(LA)に沿った前記機械的な接続の緩みに抗する少なくとも1つのアンダーカットを備え
、
f.第1のモジュール(100)のラッチ要素(110)のアンダーカット(HS)と第2のモジュール(100)の受け入れ要素(120)のアンダーカット(HS)とが、互いに相補的であり、
g.第1のモジュール(100)および第2のモジュール(100)は、第1のモジュール(100)のラッチ要素(110)のアンダーカット(HS)が第2のモジュール(100)の受け入れ要素(120)のアンダーカット(HS)と係合するまで長手軸(LA)に沿って互いに押し合わせるように設計され、
h.アンダーカット(HS)は、第1のモジュール(100)のラッチ要素(110)および/または第2のモジュール(100)の受け入れ要素(120)を破壊することなく、モジュール(100)を長手軸(LA)に沿って分離させることを防止するように設計されている、
ことを特徴とする駆動システム(200)。
【請求項2】
前記モジュール(100)のうちの少なくとも1つが、前記機械的な接続を非破壊で切り離すための少なくとも1つの分離要素を備える、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項3】
前記モジュール(100)のうちの少なくとも1つが、前記モジュール(100)の構成要素を受け入れるためのケージ(150)を備え、前記ケージ(150)は、
前記ラッチ要素(110)および/または前記受け入れ要素(120)を備え、さらには/あるいは前記長手軸(LA)に沿って作用する力を吸収するように設計されている、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項4】
前記モジュール(100)のうちの少なくとも1つが、
前記モジュール式の駆動システム(200)のハウジング上に前記モジュール(100)を前記長手軸(LA)を中心とする前記モジュール(100)の回転に抗して固定するためのいくつかの回転防止要素(180)を備え、前記回転防止要素(180)は、
いくつかの溝および/または突起を備える、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項5】
前記機能グループ(170)は、
a.モータ(171)、
b.トランスミッション(172)、
c.クラッチ(173)、
d.ブレーキ(174)、
e.ベアリング(175)、および
f.ねじスピンドル(176)
から選択される、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項6】
複数の前記モジュール(100)
が、前記ラッチ要素(110)および受け入れ要素(120)の形状および配置に関して互いに対応している、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項7】
前記モジュール(100)のうちの1つが、ねじスピンドル(176)およびベアリング(175)を備え、前記ベアリング(175)は、
前記長手軸(LA)に沿って作用する力を吸収するように設計されている、ことを特徴とする請求項1
に記載の駆動システム(200)。
【請求項8】
ドア
を動かすための、請求項1~
7のいずれか一項に記載の駆動システム(200)の使用。
【請求項9】
ドア用の請求項1~
7のいずれか一項に記載のモジュール式電動駆動システム(200)の製造方法(300)であって、
a.前記駆動システム(200)用の前記モジュール(100)を製造するステップ(310)と、
b.前記個々のモジュール(100)の機能を試験するステップ(330)と、
c.前記試験(330)後の前記モジュール(100)を組み立てて、前記駆動システム(200)を形成するステップ(340)と
を少なくとも含む製造方法(300)。
【請求項10】
前記モジュール(100)を前記製造(310)後かつ前記組み立て(340)前に、ある保管期間にわたってある保管温度で保管するステップ(320)
を特徴とし、
前記保管期間は、
少なくとも24時間であり、かつ/または前記保管温度は、
前記モジュール(100)の材料のガラス転移温度を上回る、
ことを特徴とする請求項
9に記載の製造方法(300)。
【請求項11】
前記試験(330)は、前記保管(320)の前または後に実行される、ことを特徴とする請求項
10に記載の製造方法(300)。
【請求項12】
前記組み立て(340)は、前記モジュール(100)をプレロードすることを含む、ことを特徴とする請求項
9に記載の製造方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にはドア用のモジュール式電動駆動システムのためのモジュールであって、モジュールの長手軸に沿って直線状に並べて配置されたいくつかのモジュールによって駆動システムの機能グループを形成するように設計されたモジュールに関する。さらに、本発明は、特にはドア用のモジュール式電動駆動システムであって、モジュールの長手軸に沿って直線状に並べて配置されたいくつかのモジュールによって駆動システムの機能グループが形成される駆動システムに関する。さらに、本発明は、ドア、特には車両のドアを動かすための本発明による駆動システムの使用に関する。さらに、本発明は、特にはドア用のモジュール式電動駆動システムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばドア、特には車両のドアおよび車両のフラップを、特には電気機械的に制御するための駆動システムが、先行技術から知られている。電気モータの力が、例えばねじスピンドルを介して車両のドアへと伝達される。さらに、駆動システムは、例えば、車両のドア、とりわけ車両のドアへの駆動システムの接続要素を、過負荷から保護し、あるいは振動を低減するためのクラッチ、車両のドアを特定の位置に保持するためのブレーキ、伝達される力および速度を調整するためのトランスミッション、ならびに/あるいは駆動システムに加わる車両のドアによる力を吸収するためのベアリングを備えることができる。
【0003】
一般的な駆動システムが、例えば独国特許出願公開第102014212863号明細書に記載されており、その教示は、特には段落[0002]~[0006]が、ここに援用される。上記段落において、独国特許出願公開第102014212863号明細書は、高度な機能性および高いエネルギ効率を達成するために、一般的な駆動システムおよび特別に設計されたブレーキを開示している。
【0004】
別の一般的な駆動システムが、欧州特許出願公開第1940012号明細書に記載されており、その教示は、特には段落[0002]~[0006]が、ここに援用される。駆動システムをコンパクトな構造にし、生じるノイズを小さくするために、欧州特許出願公開第1940012号明細書は、上記段落において、一般的な駆動システムにヒステリシスブレーキを使用することを提案している。
【0005】
別の一般的な駆動システムが、欧州特許第1664470号明細書に記載されており、その教示は、特には段落[0002]~[0009]が、ここに援用される。欧州特許第1664470号明細書は、上記段落において、一般的な駆動システムと、駆動システムの構成要素の正確な取り付けならびに軸方向の案内および位置合わせによる全体的な体積の縮小とを開示している。
【0006】
別の一般的な駆動システムが、米国特許出願公開第20130169087号明細書に記載されており、その教示は、特には段落[0002]~[0010]が、ここに援用される。米国特許出願公開第20130169087号明細書は、上記段落において、一般的な駆動システム、および駆動システムへのブレーキの自動的かつ信頼性の高い接続のための純粋に機械的なクラッチを説明している。
【0007】
用途の種類に応じて、例えば車両のドアの質量および/または開く方向ならびに/あるいは利用可能な設置体積に関して、例えば加えることができる開き力または達成することができる開き速度が相違するさまざまな駆動システムが必要とされる。したがって、製造業者は、多数の異なる駆動システムを維持しなければならず、これに費用および時間がかかる。駆動システムの組み込みまたは配送に先立つ種々の駆動システムの数に対応する多数の品質検査ルーチンは、きわめて複雑であり、標準化が難しいため、生産および品質保証のコストは高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】独国特許出願公開第102014212863号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1940012号明細書
【文献】欧州特許第1664470号明細書
【文献】米国特許出願公開第20130169087号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、例えばドア用であり、特には車両のドア用である安価に製造することができ、信頼性が高く、用途も広い電動駆動システムを生み出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、この目的を本発明に従って達成する請求項1の特徴による駆動システムのためのモジュールを提供する。この目的は、請求項9の特徴による駆動システムおよび請求項12の特徴による製造方法によっても達成される。有利な実施形態が、従属請求項の主題である。
【0011】
例えばドア用であり、特には車両のドア用であるモジュール式電動駆動システムのための本発明によるモジュールは、モジュールの長手軸に沿って直線状に並べて配置されるいくつかのモジュールによって、駆動システムの機能グループが形成されるように設計される。本発明の意味における「ドア」という用語は、技術的装置または建物のアクセス開口部を可逆的に閉じ、あるいは少なくとも部分的に覆うための任意の装置を包含する。人がアクセスするためのドアに加えて、「ドア」という用語は、例えば、積み込みおよび/または積み下ろし用の開口部ならびに/あるいは換気用の開口部におけるドアも含み、特には窓も含む。本発明の意味における「車両のドア」は、乗客が車両にアクセスするためのドアに加えて、例えばトランクリッドおよびボンネット、あるいはコーチのラゲッジフラップなどの開くことができる車両の他の表面部分も含む。本発明の目的において、用語「車両」は、特には陸上の乗り物、船舶、および航空機を含む。
【0012】
使用中のドア、特に小型から大型までの系列にて生産される車両のドアなどの工業製品のドアの場合、モジュール式駆動システムには、モデルの安全性を生むという特段の利点を有する。例えば、自動車産業においてますます一般的になっているモデルチェンジに関して、モジュール式駆動システムにおいては、新しい車両のモデルに合わせた新しい駆動システムを、すでに試験および検査されたモジュールから組み立てることができる。このようにして、駆動システムの信頼性を高めつつ、開発時間およびコストが削減される。
【0013】
駆動システムが実験装置の蓋などの産業機器のドア用として設計される場合、標準化されたモジュールによるモジュール式駆動システムは、例えば極端な温度、化学物質、および/または振動に対する駆動システムの耐性に関する特殊な要件も、有利に満たすことができる。この目的のために、異なる材料で作られた標準化されたモジュールを、用途に応じて使用することができる。
【0014】
建物のドアまたは建物の窓、特には屋根窓を駆動するために使用される駆動システムは、通常は、車両の製造と比べて少数しか製造されない。モジュール式の駆動システムは、特には駆動システムのいくつかの異なる系列が同じモジュールで構成される場合に、小さな系列であってもコスト効率よく製造することができるという特段の利点を提供する。
【0015】
駆動システムは、少なくとも1つの特には電気機械式のアクチュエータ、特にはガス圧力ばねである少なくとも1つのばね、および/または特には産業用ショックアブソーバである少なくとも1つのダンパを有することができる。
【0016】
機能グループのモジュール式の構造は、少数の標準化されたモジュールを組み立てて、多数の用途に適合させることができるモジュール式のシステムを形成することができると同時に、個々のモジュールを別個に品質に関して試験できるという有利な効果を有する。本発明によるそのような機能グループのモジュール式の構造は、先行技術においては珍しいが、本発明による知識によれば、個々のモジュールのための標準化された検査工程を効率的に実行でき、それでもなおモジュールから組み立てられたモジュールシステムの機能について有効な結論を提供することができるため、きわめて有利である。さらに、機能エラーを個々のモジュールに帰すると特定することができるため、トラブルシューティングおよび/または不合格品の排除に必要な労力が軽減される。これは、製造コストおよび信頼性を同時に最適化する必要がある特には車両のドア用の電気機械式アクチュエータ、ばね、またはダンパなどの機能グループに特に当てはまる。
【0017】
モジュール式の構造における課題は、正しい組み立ておよびモジュール式のシステムのモジュールの相互作用である。したがって、本発明によるモジュールは、長手軸に直交するモジュールの前面上のいくつかのラッチ要素、および/または前面の反対側に位置しかつ長手軸に直交するモジュールの後面上のラッチ要素に対して相補的であるいくつかの受け入れ要素を有することができる。受け入れ要素は、前面がモジュールの後面と平行になるように配置されたさらなるモジュールのラッチ要素との機械的接続を形成するように設計される。モジュールを、例えばモータからドアへと駆動力を確実に伝達するように、ラッチ要素と受け入れ要素とによって互いにしっかりと接続することができる。これにより、さまざまなモジュールをさまざまな方法で互いに組み合わせて、多用途で信頼性の高い駆動システムを形成することが可能になる。
【0018】
例えば、ラッチ要素は、いくつかのラッチ用ラグであってよく、受け入れ要素は、ラッチ用ラグに対して相補的ないくつかの凹部を備えることができる。この構成により、簡単かつ安全な機械的接続が可能になる。
【0019】
モジュールの受け入れ要素およびさらなるモジュールのロック要素を、長手軸に沿って積極的に協働して機械的接続の緩みを防止するように設計することができる。はまり合いの接続が、純粋な締まり嵌めの接続とは対照的に、ラッチ要素および/または受け入れ要素の化学的および/または地形学的な表面の品質に依存しないきわめて信頼性が高くかつ安定な接続を実現する。純粋な摩擦接続は、例えば、ラッチ要素と受け入れ要素との間の摩擦力が低すぎる場合に、接続の意図せぬ緩みにつながる可能性がある。接続の意図せぬ緩みまたは操作による緩みを防止することにより、駆動システムの信頼性が向上する。
【0020】
ラッチ要素および受け入れ要素を、機械的な遊びを伴ってモジュールを互いに接続するように設計することができる。機械的な遊びにより、モジュール同士の組み立てがより容易になり、特にはラッチ要素の受け入れ要素へのはめ込みがより容易になる。
【0021】
ラッチ要素および/または受け入れ要素は、特には、長手軸に沿った機械的接続の緩みに抗する少なくとも1つのロック要素を備えることができる。ロック要素は、例えば、ロック用ボルトとして設計されてよく、さらには/あるいはアンダーカットを備えることができる。例えば、ラッチ要素および受け入れ要素が互いに相補的なアンダーカットを含む場合、隣り合うモジュールを、ラッチ要素が受け入れ要素のアンダーカットと係合するまで、長手軸に沿って互いに押し合わせることができる。アンダーカットにより、ラッチ要素および/または受け入れ要素を破壊することなくモジュールを長手軸に沿って分離させることを、もはや不可能にすることができる。このようにして、モジュールのきわめて安定かつ信頼性の高い接続が実現される。さらに、接続が耐えることができる最大軸方向荷重を、ラッチ要素および受け入れ要素の材料特性および形状にのみ依存し、表面特性や潤滑剤の存在などの他の要因には依存しないため、確実に予測することができる。
【0022】
モジュールは、機械的接続の非破壊での切り離しのための少なくとも1つの分離要素を含むことができる。分離要素を、例えば、ラッチ要素および受け入れ要素を長手軸に沿って互いに分離させることができるように、ラッチ要素および/または受け入れ要素を長手軸に対する半径方向に変形させるように構成することができる。最も単純な場合、分離要素は、例えば、ラッチ要素または受け入れ要素の外側の制御面を含むことができ、例えば長手軸へと向かう半径方向の力を制御面を介してラッチ要素または受け入れ要素へと伝達することができる。半径方向の力を、例えば手動で加えることができ、あるいはロボットによって加えることができる。分離要素を使用して、例えば駆動システムを変更された用途に合わせて変換し、あるいは不良のモジュールを交換するために、接続されたモジュールをそれらを破壊することなく互いに分離させることができる。これにより、駆動システムがきわめて多用途かつ耐久性の高いものになる。
【0023】
モジュールは、モジュールの構成要素を受け入れるためのケージを備えることができる。ケージは、特には、ラッチ要素および/または受け入れ要素を備えることができ、さらには/あるいは長手軸に沿って作用する力を吸収するように設計されてよい。構成要素は、例えば、駆動システムの機能グループまたはその一部を含むことができる。構成要素は、特には長手軸に沿った機械的荷重に影響されやすいかもしれず、そのような機械的荷重に対して、ケージが構成要素を保護することができる。さらに、異なるモジュールは、同形のケージに異なるコンポーネントを含むことができる。結果として、これらのモジュールは、例えば駆動システムを異なる要件に適合させるためにきわめて容易に入れ換えることが可能である。ケージを、例えば、製造コストを下げるためのプラスチック、軽量かつ高い機械的安定性のための繊維強化プラスチック、あるいはとりわけ高い機械的安定性のための金属またはセラミックで製作することができる。
【0024】
モジュールは、少なくとも1つの所定の破壊点を含むことができ、特には、所定の破壊点の破壊強度は、モジュールを他のモジュールから切り離すために加えなければならない長手軸に沿った緩め力よりも小さくてよい。所定の破壊点は、モジュールが互いに分離するよりも前にモジュールが定められた様相で壊れることを保証する。結果として、モジュールに作用する軸方向の許容力を正確に定めることができ、したがって駆動システムの信頼性が向上する。さらに、モジュールを駆動システムに接続された後に気づかれずに分離させることができないため、改ざんに対する安全性が向上する。所定の破壊点は、有利にはラッチ要素または受け入れ要素の領域に配置され、なぜならば、通常はそこで最も高い材料応力が生じ、したがって所定の破壊が生じる力のしきい値をより明確かつ確実に設定できるからである。
【0025】
モジュールは、モジュールを、特にはモジュール式駆動システムのハウジング上で、長手軸を中心とするモジュールの回転運動に対して固定するためのいくつかの回転防止要素を有することができる。回転防止要素は、モジュールが制御されない様相で回転することを防止し、これは、例えばモジュールに接続されたモータまたはモジュールに接続されたブレーキの機能にとって重要である。モータまたはブレーキは、その一部が、例えばモジュールを介し、特にはモジュールのケージを介して、例えば駆動システムのハウジング上に動かぬように配置されている場合にのみ機能する。
【0026】
回転防止要素は、特には、例えばハウジングの対応する突起および/または溝に係合するいくつかの溝および/または突起を備えることができ、モジュールの溝および/または突起は、例えばモジュール上、特にはモジュールのケージ上に、長手軸に対して周囲に配置されてよく、さらには/あるいは長手軸に平行に延びることができる。
【0027】
機能グループは、例えばエンジン、トランスミッション、クラッチ、ブレーキ、ベアリング、およびねじスピンドルから選択される。機能グループは、駆動システムのコストを抑えるために、特には冒頭で述べた刊行物のうちの1つにおけるように、技術的に公知の方法で設計することができる。
【0028】
例えばドア用であり、特には車両のドア用である本発明によるモジュール式電動駆動システムにおいて、モジュールの長手軸に沿って直線状に並べて配置される特には本発明によるいくつかのモジュールが、駆動システムの機能グループを形成する。
【0029】
駆動システムのモジュールの各々は、長手軸に直交する前面上のいくつかのラッチ要素、および/または前面の反対側に位置しかつ長手軸に直交する後面上のラッチ要素に対して相補的であるいくつかの受け入れ要素を有することができ、第1のモジュールのラッチ要素が、長手軸に沿って第1のモジュールに隣接する第2のモジュールの受け入れ要素と機械的接続を形成する。これにより、本発明によるモジュールについて上述した設計の選択肢および利点がもたらされる。
【0030】
駆動システムの複数のモジュール、好ましくはすべてのモジュールは、ラッチ要素および受け入れ要素の形状および配置に関して互いに一致することができる。結果として、モジュールをきわめて簡単な方法で相互に交換することができ、さらには/あるいは異なる順序で配置することができる。このようにして、例えば、駆動システムを、特には必要な動きの速度および/または力に関して、さまざまな要件に適合させることができる。
【0031】
駆動システムのモジュールのうちの1つは、例えば、ねじスピンドルおよびベアリングを備えることができ、ベアリングは、好ましくは、長手軸に沿って作用する力を吸収するように設計される。駆動システムの動作時に、例えばトランクリッドの重量などの力が、長手軸に沿ってねじスピンドルを介して駆動システムに作用する可能性がある。トランスミッションなど、駆動システムの機能グループが、このような力によって損傷する可能性がある。したがって、これらの力を吸収するためのベアリングを設けることが有利である。特には、ベアリングが例えば共通のモジュール内でねじスピンドルに直接配置される場合、駆動のさらなる機能グループを効果的に保護することができる。これは、さらなる保護手段が必要とされず、他の機能グループをより自由に設計および配置することができ、したがって駆動システムの汎用性が向上することを意味する。
【0032】
本発明は、ドア、特には車両のドアを動かすための本発明による駆動システムの使用を含む。本発明によれば、駆動システムを、例えばテーブルの高さを調整するなど、他の物体を動かすためにも使用することができる。
【0033】
例えばドア用であり、特には車両のドア用である特には本発明によるモジュール式電動駆動システムのための本発明による製造方法は、以下のステップ、すなわち
a.駆動システム用のモジュールを製造するステップ、
b.個々のモジュールの機能を試験するステップ、および
c.試験後のモジュールを駆動システムへと組み立てるステップ
を少なくとも含む。
【0034】
特には本発明によるモジュールの製造は、例えば、駆動システムの機能グループの通常の製造を含むことができる。機能グループを、有利には、モジュールのいくつかのケージに組み込むことができ、ケージは、例えば、特にはプラスチックから射出成形によって製造される。
【0035】
製造は、モジュールのそれぞれの仕様および/または各々の個別のモジュールごとに異なるマークでモジュールにマーキングを施すことを含むことができる。マーキングは、特定の全体仕様を有する駆動システムを形成するように、適切なモジュールが組み合わせられることを保証する。さらに、マーキングにより、モジュールのトレーサビリティ、とりわけモジュールへの試験結果の明確な割り当てを可能にすることができる。マーキングは、例えば、カラーマーキング、英数字コード、バーコード、QRコード(登録商標)、および/またはRFIDトランスポンダを含むことができる。
【0036】
通常の製造方法では、駆動システムのモジュールを駆動システムへと組み込む前に有意義にテストすることは不可能である。これは、駆動システム内のモジュールによって形成された機能グループが、組み立て前とは異なる負荷、特には軸方向の負荷にさらされ、したがって試験結果が変わる可能性があるからである。対照的に、本発明によれば、機能グループが、例えば、モジュールが軸方向の力を吸収するためのケージを含むこと、および/または軸方向の力を吸収するためのベアリングが機能グループと駆動システムのねじスピンドルとの間に配置されることで、駆動システムにおける軸方向の力から切り離される。
【0037】
モジュールが組み立ての前に試験される場合、利点は、仕様を満たさないモジュールを組み立ての前に破棄できることである。仕様を満たさない個々のモジュールに起因して駆動システム全体が不良となることがないため、無駄が減り、製造方法がコストおよび時間に関してより効率的になる。
【0038】
試験は、例えば、レーザ走査などの光学的かつ特には自動的な測定方法を含むことができる。
【0039】
製造方法は、製造後かつ組み立ての前に、モジュールをある時間期間にわたってある保管温度で保管することを含むことができる。保管期間は、有利には、不確定かつ/または調整可能であってよく、さらには/あるいは少なくとも24時間であってよく、さらには/あるいは保管温度は、モジュールの材料のガラス転移温度よりも高くてよい。
【0040】
モジュールが、組み立て前に、例えば24時間を超える長さなど、特には長い時間期間にわたって保管される場合に、特にはモジュールを接続するためのラッチ要素および/または受け入れ要素が、モジュールの材料のクリープによって変形する可能性がある。この影響は、特には保管温度がモジュールの材料のガラス転移温度を超える場合に発生する可能性がある。これにより、組み立ての際にモジュールの確実な接続が妨げられる可能性がある。
【0041】
しかしながら、特には未確定であり、調整可能であり、かつ/または24時間を超える保管期間にわたってモジュールを保管することが、さまざまな要件に対応するモジュール式の駆動システムを多数のモジュールから組み立てることができるため有利である。これにより、製造方法の汎用性が向上する。
【0042】
保管は、有利には、例えば保管温度をモジュールの材料のガラス転移温度未満に下げるためのコストおよびエネルギを節約するために、制御されていない周囲温度で実行される。本発明によれば、例えば、機械的接続の緩みに抗して長手軸に沿って積極的に協働するように設計された受け入れ要素およびラッチ要素によって、保管中に生じ得る変形にもかかわらず、モジュールの信頼できる接続を達成することができる。ラッチ要素および/または受け入れ要素は、特には、例えば少なくとも1つのアンダーカットなど、長手軸に沿った機械的接続の緩みに抗する少なくとも1つのロック要素を備えることができる。
【0043】
試験を、保管前または保管後に実施することができる。保管前に試験を行うと、仕様に合わないモジュールによって保管空間が使用されることがなく、そのようなモジュールを後処理によって保管前に仕様に適合させることがおそらくは可能であるという利点が生じる。保管後に試験を実施する場合、これは、例えばクリープに起因した変形など、とりわけ未確定であり、調整可能であり、かつ/または24時間を超える保管期間にわたる保管など、保管の最中に生じ得る変化も、試験において記録されるという利点を有する。
【0044】
組み立ては、モジュールをプレロードすることを含むことができる。モジュールは、モジュールのプレロード、特には長手軸に沿って直線状に並べて配置されたモジュールの長手軸に沿った圧縮力により、互いに確実に接続される。特には、駆動システムの機能グループの機械的相互作用を妨げかねない長手軸に沿ったモジュール間の機械的遊びの発生が防止される。さらに、プレロードは、モジュールのラッチ要素および受け入れ要素が遊びを伴ってモジュールを接続するように設計されたモジュールを、確実に接続することもできる。軸方向の遊びを設けることにより、モジュールをより容易に組み立てることができる。遊びは、組み立てにとって望ましいが、組み立てられた機能グループに、軸方向の望ましくない程度の並進運動をもたらす。したがって、本発明によれば、機能グループおよび/またはモジュールからなるモジュール式のシステムの全体が、軸方向の圧力のもとにあり、かつ/または軸方向のリミッタによって保持されるため、遊びにもかかわらず、そのような動作時の構成においてモジュール間に軸方向の移動の自由度が存在しない。
【0045】
この製造方法を使用して製造される駆動システムを、ドア、特には車両ドアを作動させるように設計することができる。
【0046】
本発明のさらなる利点、目的、および特性が、本発明によるモジュール、駆動システム、および製造方法を特徴の典型的な組み合わせにて示す以下の説明および添付の図面を用いて説明される。図中のモジュールまたは駆動システムの構成要素のうち、機能に関して少なくとも本質的に一致する構成要素を、同じ参照番号によって識別することができ、それらの構成要素は、必ずしもすべての図においては番号が付けられず、あるいは説明されないかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明によるモジュールの概略図を示している。
【
図2】2つのモジュールの間の接続の概略の詳細図を示している。
【
図3】本発明によるモジュールのケージの概略図を示している。
【
図4】本発明によるモジュールのさらなるケージの概略図を示している。
【
図5】本発明による駆動システムの概略図を示している。
【
図6】本発明による製造方法の概略図を示している。
【
図7】本発明による駆動システムの概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、モジュール式駆動システムのための本発明によるモジュール100の概略図を示している。モジュール100は、モジュール100の長手軸LAに直交する前面101と、前面101の反対側の後面102とを備える。例えばロック用ラグなどの少なくとも1つのラッチ要素110が、前面101に配置されている。後面102には、ラッチ用ラグに対して相補的である凹部など、ラッチ要素110に対して相補的である少なくとも1つの受け入れ要素120が存在する。複数のモジュール100を、長手軸LAに沿って縦に直線的に並べ、例えば互いに挿入されるなど、ラッチ要素110および受け入れ要素120によって互いに機械的に接続することができる。
【0049】
図示のモジュール100は、長手軸LAに沿って作用する力を受けるためのケージ150を備える。ケージ150は、駆動システムの少なくとも1つの機能グループまたはその部品(図示せず)を収容することができる。図示のモジュール100は、例えば駆動システムのハウジング上に、例えば長手軸LAに平行に延びる溝など、長手軸LAを中心とする回転に抗してモジュール100を固定するための回転防止要素180をさらに備える。ラッチ要素110、受け入れ要素120、および/または回転防止要素180は、ケージ150の一部であってよい。
【0050】
図2は、2つのモジュール100の間の接続の概略の詳細図を示している。第1のモジュール100の受け入れ要素120が、突起の形態で示されており、これに対して、第2のモジュール100のラッチ要素110が、係止フックの形態で位置する。ラッチ要素110および受け入れ要素120は、モジュール100の長手軸LAに平行なお互いに対する移動に関して、はまり合いの様相で相互作用するような方法で形作られている。
【0051】
ラッチ要素110は、所定の破壊点160を備え、この所定の破壊点160は、この所定の破壊点160が破壊するときの長手軸に平行なロック要素110に作用する軸力AKが、ラッチ要素110を受け入れ要素120から分離させるために必要な軸力よりも小さくなるように設計される。モジュール100の接続は、長手軸に対して半径方向にラッチ要素110へと作用し、ラッチ要素110が受け入れ要素110から離れるように曲がることを防止する半径方向力RKによって、さらに確実にされる。半径方向力RKを、例えばラッチ要素120が駆動システムのハウジング(図示せず)に当接することで作用させることができる。
【0052】
図3は、本発明によるモジュール100のケージ150の概略図を示している。
図3aは、ケージ150の概略の側面図を示している。図示のケージ150は、長手軸LAに直交する前面101に、アンダーカットHSをそれぞれが有するロック用フックの形態のいくつかのラッチ要素110を備える。前面101の反対側の後面102において、ケージ150は、やはりアンダーカットHSを有するラッチ要素110に対して相補的な凹部の形態のいくつかの受け入れ要素120を備える。アンダーカットHSは、長手軸LAに沿った軸力に抗して、ケージ150を長手軸LAに沿って互いにしっかりと保持する。
【0053】
図示のケージ150は、長手軸LAを中心とするケージ150の回転を防止するために例えば駆動装置のハウジング(図示せず)の突起を係合させることができる長手軸LAに平行な切り込みの形態のいくつかの回転防止要素180を備える。
【0054】
図3bおよび
図3cは、
図3aのケージ150の概略の斜視図を示している。
【0055】
図4は、本発明によるモジュール100のさらなるケージ150の概略図を示している。
図4aは、ケージ150の概略の側面図を示している。
図4bおよび
図4cは、
図4aのケージ150の概略の斜視図を示している。
【0056】
図4に示されているケージ150は、前面101にラッチ要素110を有していない点で、
図3に示すケージ150から相違する。ラッチ要素110を欠くがゆえに、このようなケージ150を備えるモジュール100は、長手軸LAに沿った駆動システムのための直線的に接続されたモジュール100の列の最初または最後に位置する末端モジュールとして特に好適である。例えば、モジュール100によって保持されるものではない駆動システムのハウジング(図示せず)または別の機能グループ(図示せず)を、ラッチ要素110を持たない前面101へと接続することができる。駆動システムへの回転防止接続のために、ケージ150は、例えば前面101上の突起の形態のいくつかの回転防止要素180を有することができる。
【0057】
本発明によれば、モジュール100が前面101にラッチ要素110を有するが、後面102に受け入れ要素120を持たないことも考えられる。そのようなモジュール100は、長手軸LAに沿って直線的に並べて接続されたモジュール100の列において、
図4に示すケージ150とは反対側の端部の終端モジュールを形成することができる。
【0058】
図5は、本発明による駆動システム200の概略図を示している。図示の駆動システム200は、長手軸LAに沿って直線的に並べて配置されたいくつかのモジュール100を備える。各々のモジュール100は、駆動システム200の少なくとも1つの機能グループ170を備える。
【0059】
例えば、長手軸LAに沿ったモジュール100の順序による第1のモジュール100は、例えば電気モータなどのモータ171と、特にはモータ171に適合したトランスミッション172とを含む。第2のモジュール100は、例えばクラッチ173を備え、とりわけ駆動システム200によって駆動されるドア(図示せず)、特には車両のドア、あるいは駆動システム200をドアへと接続するボールスタッドなどの接続要素(図示せず)を、過負荷から保護するための過負荷クラッチを備える。
【0060】
本発明による駆動システム200を、特に有利には、負荷がドア、接続要素、および駆動システム200によって損傷を生じることなく吸収できる最大負荷よりも小さいときに過負荷クラッチが作動するように設計することができる。さらに、駆動システム200は、有利には、その最大負荷がドアおよび接続要素へのそれぞれの最大負荷よりも小さくなるように設計される。これは、故障または不適当な動作の場合に、ドアまたは接続要素が損傷するのではなく、むしろ一般的に交換がより容易である駆動システム200だけが損傷することを保証する。
【0061】
第3のモジュール100は、例えばブレーキ174を含み、例えばディスクブレーキを含む。第4のモジュールは、例えば、駆動システム200の振動を減衰させるための弾性継手などのさらなる継手173を備え、あるいは駆動システム200からブレーキ174を分離するためのタペットを備える。第5のモジュール100は、例えば、特には長手軸LAに平行に作用する力を吸収するためのベアリング175と、ドア(図示せず)を動かすためのねじスピンドル176とを備える。本発明の技術的範囲において、機能グループ170の他の配置も考えられる。
【0062】
図6は、本発明による製造方法300の概略図を示している。図示の製造方法300は、例えば、駆動システム200の一般的な機能グループ170をモジュール100のケージ150に組み込むことによるモジュール100の製造310を含み、ケージ150は、例えば射出成形によって製造される。製造310は、例えばQRコード(登録商標)などの個別のマークによる製造された各々のモジュール100のマーキング311を含むことができる。図示の例においては、製造310の後に、特には24時間を超える保管期間にわたるモジュール100の保管320が続く。
【0063】
例えば、レーザ走査によるモジュール100の試験330が、例えば、保管320に続くことができる。試験330の結果を文書化し、例えばマークに基づいて、特定のモジュール100に割り当てることができる。
【0064】
試験330によってモジュール100がそれぞれの仕様を満たしていることが示された場合に、モジュール100の駆動システム200への組み立て340を行うことができる。試験330においてモジュール100がその仕様を満たさないことが明らかになった場合、仕様が満たされるまで、モジュール100に対して再加工331および再試験330を実行することができる。
【0065】
図7は、長手軸LAに沿って並べて配置された4つのモジュール100を備える本発明による駆動システム200の概略図を示しており、分かりやすくするために、ケージ150a、150b、150cのみが図示されている。第1のケージ150aは、例えば、駆動システムのハウジング(図示せず)の内壁上に配置するための平坦な後面102を有する。後面102の反対側の前面において、第1のケージ150aは、第2のケージ150bの後面の受け入れ要素120に係合し、特にはこの係合によって第2のケージ150bの第1のケージ150aに対する回転を防止するいくつかのラッチ要素110を有する。
【0066】
第2のケージ150bおよび隣接する第3のケージ150bは、例えば、
図3に示すケージ150と同じ方法で構成される。長手軸LAに沿って、第3のケージ150bの後に、例えば
図4に示すケージ150のように構成される第4のケージ150cが続く。第2のケージ150b、第3のケージ150b、および第4のケージ150cは、第2のケージ150bおよび第3のケージ150bの前面のラッチ要素110と、第3のケージ150bおよび第4のケージ150cの後面の受け入れ要素120によって互いに接続される。ラッチ要素110は、例えば、ケージ150b、150cが長手軸LAに沿った機械的遊びを伴って互いに確実に接続されるように、受け入れ要素120に係合する。機械的遊びゆえに、駆動要素200が組み立てられるときに、ラッチ要素110を受け入れ要素120に容易に挿入することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 モジュール
101 前面
102 後面
110 ラッチ要素
120 受け入れ要素
150 ケージ
160 所定の破壊点
170 機能グループ
171 モータ
172 トランスミッション
173 クラッチ
174 ブレーキ
175 ベアリング
176 ねじスピンドル
180 回転防止要素
200 駆動システム
300 製造方法
310 製造
311 マーキング
320 保管
330 試験
331 後処理
340 組み立て
AK 軸力
LA 長手軸
RK 半径方向力