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特許7170758風味に基づく生鮮食品管理・取引システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】風味に基づく生鮮食品管理・取引システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221107BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20221107BHJP
   G01N 31/22 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
G06Q30/06
G01N21/78 A
G01N31/22 121C
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021001352
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2021117992
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】109102196
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514024712
【氏名又は名称】台湾ナノカーボンテクノロジー股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN CARBON NANO TECHNOLOGY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,NO.50-1, Keyan Rd.,Zhunan Township, Miaoli County, Taiwan(R.O.C.)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 景棟
(72)【発明者】
【氏名】施 純偉
(72)【発明者】
【氏名】林 照傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 原新
(72)【発明者】
【氏名】李 家宏
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群賢
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群榮
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-543076(JP,A)
【文献】特開2020-003834(JP,A)
【文献】特開2015-169727(JP,A)
【文献】特開2006-170980(JP,A)
【文献】特開2007-278926(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208051(WO,A1)
【文献】特開2017-220143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0188182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01N 21/78
G01N 31/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品であって、前記製品ラベルはフィルムと、前記フィルムに表示され且つ前記生鮮食品に関連するコードと、前記フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、前記比色センサアレイは前記生鮮食品を検知するための複数個の検知材料を含み、前記検知材料はそれぞれ前記生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わる複数の生鮮食品と、
前記生鮮食品の外観、前記コード及び前記指示色を含む画像を取得する画像取得モジュールと、
前記画像とデータベースの比較結果に基づいて甘さ、硬さ、新鮮度を含む前記生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供し、前記データベースには、生鮮食品の外観、コード及び前記比色センサアレイにより検知して取得された指示色を含む過去の複数の画像が記憶される処理モジュールと、
前記即時情報を受信しこれに基づいて前記生鮮食品の前記品質を分類する分類モジュールとを含む風味に基づく生鮮食品管理システム。
【請求項2】
前記検知材料は、メチルレッド、コンゴレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、クレゾールレッド、フェノールレッド、チモールフタレイン、レサズリン、p-ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、チモールブルー、ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、4-(4-ニトロベンジル)ピリジン、ピロカテコールバイオレット、クロロフェノールレッド、ニトラジンイエロー、ブロモフェノールレッド、m-クレゾールパープル、エリオクロムブラックT(Eriochrome black T)、サフラニン、ルシフェリン、エオシンY(Eosin yellow)、ブリリアントグリーン(Brilliant green)、チタンエロー、ビクトリアブルーB、カルミン、リトマス、クルクミン、アントシアニン、アリザリンレッドS、アリザリンイエローR、インジゴカルミン、ナイルブルーA、オレンジG、エオシンB、3’,3’’,5’,5’’-テトラヨードフェノールスルホンフタレイン、ブロモキシレノールブルー、ディスパースオレンジ25、アクリジンオレンジ、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド1、ブロモピロガロールレッド、ジアミノジフェニルスルホン、アミノフルオレセイン、ムレキシド、2,6-ジクロロインドフェノール、ピロカテコールバイオレット、及びそのナトリウム塩又はその混合物から選ばれる呈色試薬を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検知材料は、ステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエチレングリコール、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、セルロースナノファイバー、及びシロキサンから選ばれる分子バリア性材を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品を提供するステップであって、前記製品ラベルはフィルムと、前記フィルムに表示され且つ前記生鮮食品に関連するコードと、前記フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、前記比色センサアレイは前記生鮮食品を検知するための複数個の検知材料を含み、前記検知材料はそれぞれ前記生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わるステップと、
前記生鮮食品の外観、前記コード及び前記指示色を含む画像を取得するステップと、
前記画像とデータベースの比較結果に基づいて甘さ、硬さ、及び新鮮度を含む前記生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供し、前記データベースには、生鮮食品の外観、コード及び前記比色センサアレイにより検知して取得された指示色を含む過去の複数の画像が記憶されるステップと、
前記即時情報に基づいて前記生鮮食品の前記品質について分類結果を生成するステップと、
前記分類結果に従って前記生鮮食品を分類するステップとを含む風味に基づく生鮮食品管理方法。
【請求項5】
前記検知材料は、メチルレッド、コンゴレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、クレゾールレッド、フェノールレッド、チモールフタレイン、レサズリン、p-ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、チモールブルー、ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、4-(4-ニトロベンジル)ピリジン、ピロカテコールバイオレット、クロロフェノールレッド、ニトラジンイエロー、ブロモフェノールレッド、m-クレゾールパープル、エリオクロムブラックT(Eriochrome black T)、サフラニン、ルシフェリン、エオシンY(Eosin yellow)、ブリリアントグリーン(Brilliant green)、チタンエロー、ビクトリアブルーB、カルミン、リトマス、クルクミン、アントシアニン、アリザリンレッドS、アリザリンイエローR、インジゴカルミン、ナイルブルーA、オレンジG、エオシンB、3’,3’’,5’,5’’-テトラヨードフェノールスルホンフタレイン、ブロモキシレノールブルー、ディスパースオレンジ25、アクリジンオレンジ、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド1、ブロモピロガロールレッド、ジアミノジフェニルスルホン、アミノフルオレセイン、ムレキシド、2,6-ジクロロインドフェノール、ピロカテコールバイオレット、及びそのナトリウム塩又はその混合物から選ばれる呈色試薬を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記検知材料は、ステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエチレングリコール、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、セルロースナノファイバー、及びシロキサンから選ばれる分子バリア性材を含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品を提供するステップであって、前記製品ラベルはフィルムと、前記フィルムに表示され且つ前記生鮮食品に関連するコードと、前記フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、前記比色センサアレイは前記生鮮食品を検知するための複数個の検知材料を含み、前記検知材料はそれぞれ前記生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わるステップと、
前記生鮮食品の外観、前記コード及び前記指示色を含む画像を取得するステップと、
前記画像とデータベースの比較結果に基づいて甘さ、硬さ、及び新鮮度を含む前記生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供し、前記データベースには、生鮮食品の外観、コード及び前記比色センサアレイにより検知して取得された指示色を含む過去の複数の画像が記憶されるステップと、
前記即時情報に基づいて前記生鮮食品の前記品質について分類結果を生成するステップと、
前記生鮮食品の一部の販売情報として前記分類結果を少なくとも1人の消費者に表示し、消費者が前記分類結果に基づいて前記生鮮食品を選択して購入するステップとを含む生鮮食品取引方法。
【請求項8】
前記検知材料は、メチルレッド、コンゴレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、クレゾールレッド、フェノールレッド、チモールフタレイン、レサズリン、p-ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、チモールブルー、ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、4-(4-ニトロベンジル)ピリジン、ピロカテコールバイオレット、クロロフェノールレッド、ニトラジンイエロー、ブロモフェノールレッド、m-クレゾールパープル、エリオクロムブラックT(Eriochrome black T)、サフラニン、ルシフェリン、エオシンY(Eosin yellow)、ブリリアントグリーン(Brilliant green)、チタンエロー、ビクトリアブルーB、カルミン、リトマス、クルクミン、アントシアニン、アリザリンレッドS、アリザリンイエローR、インジゴカルミン、ナイルブルーA、オレンジG、エオシンB、3’,3’’,5’,5’’-テトラヨードフェノールスルホンフタレイン、ブロモキシレノールブルー、ディスパースオレンジ25、アクリジンオレンジ、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド1、ブロモピロガロールレッド、ジアミノジフェニルスルホン、アミノフルオレセイン、ムレキシド、2,6-ジクロロインドフェノール、ピロカテコールバイオレット、そのナトリウム塩又はその混合物から選ばれる呈色試薬を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記検知材料は、ステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエチレングリコール、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、セルロースナノファイバー、及びシロキサンから選ばれる分子バリア性材を含む請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮食品管理・取引システム及び方法に関し、特に、風味に基づく生鮮食品管理・取引システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術、ソーシャル・ネットワーキング・サービス及び携帯電話の普及に伴い、オンラインプラットフォームを利用する取引が業者と消費者に受け入れられるようになる。オンライン取引に地域や時間の制限がなく、オフラインの販売ルートより取引商品の種類が豊富で、速やかに取引を完了できるため、近年取引額が大いに成長している。
【0003】
オンライン取引の関連技術として特許文献1は、オンライン取引の取引額向上のために、商品販売及び消費者間の商品取引を促進する技術を開示する。特許文献2は、消費者が1つのインタフェースにおいて複数のウェブサイトで取引できる技術を開示する。
【0004】
生鮮食品などの商品の場合、生鮮食品の風味を伝えるために業者が文字や画像を利用するが、そもそも文字や画像は製作者の意識を含むため主観的なもので、時には実際とかなり違ったもので、生鮮食品の風味を客観的で充分に伝えられない恐れがある。そのため、生鮮食品の実際の品質と消費者の期待との間にずれが生じ、消費者のニーズが満たされない。一方、オンラインプラットフォームにおいて生鮮食品取引を行う業者は、一般に時間、品種、産地、重量、体積などで生鮮食品を区分するが、実際に、生鮮食品の品質に関連する要因が他にもある。上記の指標がいずれも同じの生鮮食品でも、品質にばらつきがあるため、同じ商品として分類するのは好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国登録特許第US8392276B1号
【文献】米国登録特許第US6643624B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は生鮮食品のオンライン取引業者が消費者に生鮮食品の正確な風味情報を提供できないため、消費者の信頼を失う問題や、生鮮食品のオンライン取引業者が生鮮食品を管理する時、正確に分類できない問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品であって、当該製品ラベルはフィルムと、当該フィルムに表示され且つ当該生鮮食品に関連するコードと、当該フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、当該比色センサアレイは当該生鮮食品を検知するための少なくとも1つの検知材料を含み、当該検知材料は当該生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わる複数の生鮮食品と、
当該生鮮食品の外観、当該コード及び当該指示色を含む画像を取得する画像取得モジュールと、
当該画像とデータベースの比較結果に基づいて当該生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供する処理モジュールと、
当該即時情報を受信しこれに基づいて当該生鮮食品を分類する分類モジュールとを含む風味に基づく生鮮食品管理システムを提供する。
【0008】
さらに、本発明は上記目的を達成するために、
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品を提供するステップであって、当該製品ラベルはフィルムと、当該フィルムに表示され且つ当該生鮮食品に関連するコードと、当該フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、当該比色センサアレイは当該生鮮食品を検知するための少なくとも1つの検知材料を含み、当該検知材料は当該生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わるステップと、
当該生鮮食品の外観、当該コード及び当該指示色を含む画像を取得するステップと、
当該画像とデータベースの比較結果に基づいて当該生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供するステップと、
当該即時情報に基づいて当該生鮮食品の当該品質について分類結果を生成するステップと、
当該分類結果に従って当該生鮮食品を分類するステップとを含む風味に基づく生鮮食品管理方法を提供する。
【0009】
さらに、本発明は上記目的を達成するために、
製品ラベルが貼り付けられる複数の生鮮食品を提供するステップであって、当該製品ラベルはフィルムと、当該フィルムに表示され且つ当該生鮮食品に関連するコードと、当該フィルムに形成される比色センサアレイとを備え、当該比色センサアレイは当該生鮮食品を検知するための少なくとも1つの検知材料を含み、当該検知材料は当該生鮮食品の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わるステップと、
当該生鮮食品の外観、当該コード及び当該指示色を含む画像を取得するステップと、
当該画像とデータベースの比較結果に基づいて当該生鮮食品の品質に関連する即時情報を提供するステップと、
当該即時情報に基づいて当該生鮮食品の当該品質について分類結果を生成するステップと、
当該生鮮食品の一部の販売情報として当該分類結果を少なくとも1人の消費者に表示し、消費者が当該分類結果に基づいて当該生鮮食品を選択して購入するステップとを含む生鮮食品取引方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は比色センサアレイ、画像取得モジュール、処理モジュールを組み合わせて、生鮮食品の品質に関連する詳細な情報を客観的に且つ即時に提供することができ、生鮮食品のオンライン取引業者がこれに基づいて生鮮食品を分類することで、より厳格な品質管理及び商品区分を実現し、商品に均一性が図られる。また、取引時は業者が生鮮食品のより正確な品質情報を消費者に伝えることができ、生鮮食品の実際の品質と消費者の期待との間のずれを縮め、取引の満足度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の一実施例のブロック図である。
図2A図2Aは本発明の一実施例の比色センサアレイの模式図である。
図2B図2Bは本発明の一実施例の比色センサアレイの模式図である。
図3図3は本発明の別の実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して本発明の技術内容を詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施例のブロック図である。図1が参照されるとおり、本発明は複数の生鮮食品10と、画像取得モジュール20と、処理モジュール30と、分類モジュール40とを含む風味に基づく生鮮食品管理システムを提供する。生鮮食品10に製品ラベル11が貼り付けられ、製品ラベル11はフィルム12と、コード13と、比色センサアレイ14とを備える。フィルム12には生鮮食品10に関連するコード13が貼り付けられてもよく、コード13は、生鮮食品10の、履歴情報、品質情報及び利用前外観から選ばれる少なくとも1つの情報に基づいて決定され、コード13は数字列、一次元バーコード、二次元コード(QRcode)等であってもよい。比色センサアレイ14はフィルム12に形成され、少なくとも1つの検知材料を含み、当該検知材料は生鮮食品10を検知するために用いられ、当該検知材料が生鮮食品10の少なくとも1つの代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わる。
【0014】
図2A及び図2Bが参照されるとおり、一実施例では、生鮮食品10が豚肉である場合に、製品ラベル11を豚肉に貼り付けてもよく、豚肉が新鮮である場合には、比色センサアレイ14上の検知材料が図2Aの指示色を示す。豚肉が長時間に放置され又は不適切な保存方法を取ったため不新鮮である場合には、比色センサアレイ14上の検知材料が図2Bの指示色を示す。
【0015】
一実施例では、当該検知材料は画素のようにフィルム12に複数形成されることが好ましく、例えば、7×7の検知画素である。当該検知材料は、使用先の生鮮食品10及び環境に応じて選択され、メチルレッド、コンゴレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、クレゾールレッド、フェノールレッド、チモールフタレイン、レサズリン、p-ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、チモールブルー、ニュートラルレッド、クリスタルバイオレット、4-(4-ニトロベンジル)ピリジン、ピロカテコールバイオレット、クロロフェノールレッド、ニトラジンイエロー、ブロモフェノールレッド、m-クレゾールパープル、エリオクロムブラックT(Eriochrome black T)、サフラニン、ルシフェリン、エオシンY(Eosin yellow)、ブリリアントグリーン(Brilliant green)、チタンエロー、ビクトリアブルーB、カルミン、リトマス、クルクミン、アントシアニン、アリザリンレッドS、アリザリンイエローR、インジゴカルミン、ナイルブルーA、オレンジG、エオシンB、3’,3’’,5’,5’’-テトラヨードフェノールスルホンフタレイン、ブロモキシレノールブルー、ディスパースオレンジ25、アクリジンオレンジ、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド1、ブロモピロガロールレッド、ジアミノジフェニルスルホン、アミノフルオレセイン、ムレキシド、2,6-ジクロロインドフェノール、ピロカテコールバイオレット、前記化合物のナトリウム塩又は混合物等から選ばれる呈色試薬を含む。
【0016】
一実施例では、当該検知材料は、ステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエチレングリコール、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、セルロースナノファイバー(Cellulose Nanofiber、略称CNF)、シロキサン等から選ばれる分子バリア性材をさらに含む。当該分子バリア性材が当該呈色試薬と混合して当該検知画素が形成されてもよいし、当該分子バリア性材を当該呈色試薬にコーティングして当該検知画素が形成されてもよい。当該分子バリア性材は当該検知材料の反応速度に影響を与え、当該分子バリア性材の選択によって、反応速度を調整し、使用上のニーズを満たすことができる。
【0017】
画像取得モジュール20は画像を取得するために用いられ、当該画像は生鮮食品10の外観と、コード13と、指示色とを含む。処理モジュール30は当該画像とデータベース50の比較結果に基づいて即時情報を提供し、当該即時情報は生鮮食品10の品質に関連し、甘さ、硬さ、新鮮度等を含んでもよい。分類モジュール40は当該即時情報を受信しこれに基づいて生鮮食品10を分類し、生鮮食品10を分類した後、業者は分類結果に基づいて仕入れ計画、販売計画、価格等を調整することができる。
【0018】
本発明は、前記システムに基づく生鮮食品管理方法を開示し、下記のステップ1~ステップ5を含む。
【0019】
ステップ1で、製品ラベル11が貼り付けられる生鮮食品10を提供し、製品ラベル11はフィルム12と、コード13と、比色センサアレイ14とを備え、比色センサアレイ14は生鮮食品10を検知するための検知材料を含み、当該検知材料は生鮮食品10の代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わる。
【0020】
ステップ2で、生鮮食品10の外観、コード13及び当該指示色を含む画像を取得する。
【0021】
ステップ3で、当該画像とデータベース50の比較結果に基づいて生鮮食品10の即時情報を提供する。
【0022】
ステップ4で、当該即時情報に基づいて生鮮食品10の品質について分類結果を生成する。
【0023】
ステップ5で、当該分類結果に従って生鮮食品10を分類する。
【0024】
さらに、本発明は生鮮食品取引方法を開示し、下記のステップ1~ステップ6を含む。
【0025】
ステップ1で、製品ラベル11が貼り付けられる生鮮食品10を提供し、製品ラベル11はフィルム12と、コード13と、比色センサアレイ14とを備え、比色センサアレイ14は生鮮食品10を検知するための検知材料を含み、当該検知材料は生鮮食品10の代謝性分子と化学反応を行って初期色から指示色に変わる。
【0026】
ステップ2で、生鮮食品10の外観、コード13及び当該指示色を含む画像を取得する。
【0027】
ステップ3で、当該画像とデータベース50の比較結果に基づいて生鮮食品10の即時情報を提供する。
【0028】
ステップ4で、当該即時情報に基づいて生鮮食品10の品質について分類結果を生成する。
【0029】
ステップ5で、当該分類結果に従って生鮮食品10を分類する。
【0030】
ステップ6で、生鮮食品10の一部の販売情報として当該分類結果を少なくとも1人の消費者に表示し、消費者が当該分類結果に基づいて生鮮食品10を選択して購入する。
【0031】
具体的には、本発明では分類結果が販売情報として消費者に提供されるため、消費者は生鮮食品10の即時情報を受け取ると、選択時の参考情報として生鮮食品10の品質、例えば、甘さ、硬さ、新鮮度等を正確に把握できる。
【0032】
図3は本発明の別の実施例のブロック図である。図3が参照されるとおり、本発明のシステムは、B2B(企業間取引)及びB2C(企業対消費者)の2種のオンラインビジネスモデルにおいて、サプライヤー側60、オンライン販売者側61と消費者側62との間の取引及び管理に用いることができる。
【0033】
サプライヤー側60では、サプライヤーが製品ラベル11を生鮮食品10に貼り付け、画像取得モジュール20を利用して比色センサアレイ14の画像を取得し、そして指示色を取得して即時情報を得る。当該指示色との比較で当該即時情報を生成するためのデータベース50は、サプライヤーが過去のデータに基づいて作成する。
【0034】
オンライン販売者側61では、業者が、各段階又は定時的に画像取得モジュール20を利用して比色センサアレイ14の画像を取得し、そして指示色を取得してデータベース50との比較で即時情報を生成させるよう、サプライヤー、配送側及び倉庫に指示してもよく、業者が生鮮食品10の当該即時情報(品質)に変更はないかを確認し、さらに当該即時情報に基づいて分類結果を生成し、当該分類結果(即時情報)を一部の販売情報として消費者に表示するとともに、販売価格を設定することができる。当該即時情報に従って業者が生鮮食品10に適切な処理を行うことができる。例えば、当該即時情報の品質表示から品質不良と分かる場合にはサプライヤーに値下げを求め、品質が販売基準を満たさない場合には全量返品を行う。また、ブロックチェーン技術を利用して、サプライヤーが提供する商品の履歴情報の正確性を確保し、サプライヤーが提供する生鮮食品10の品質が業者のニーズを満たすことを保証することができる。販売段階では、業者が生鮮食品10の当該即時情報からいつでも生鮮食品10の品質を把握し、消費者に伝えることができる。例えば、生鮮食品10が果物である場合に、まだ食べ頃でない時は、しばらく置いてから美味しく賞味できると消費者に伝えてもよく、消費者がカメラで比色センサアレイ14を撮影してその画像を取得し、これを業者に送って食べ頃であるかを確認できる。食べ頃が過ぎようとする時は、業者が価格を下げて販売を促進し、そのうち賞味すべきことを消費者に伝えてもよい。保存又は配送段階で、生鮮食品10の品質が販売基準以下に下がる場合に処分してもよい。
【0035】
消費者側62では、販売情報が購入時の参考になるだけでなく、消費者が当該即時情報に基づいてすぐに適切な処置を行うことができる。例えば、当該即時情報から品質が基準以下になると分かれば、当該生鮮食品の受け入れを拒否し、又は払い戻し等の対応を求めてもよい。
【0036】
本発明は比色センサアレイ、画像取得モジュール、処理モジュールを組み合わせて、生鮮食品の品質に関連する詳細な情報を客観的に且つ即時に提供することができ、生鮮食品のオンライン取引業者がこれに基づいて生鮮食品を分類することで、より厳格な品質管理及び商品区分を実現し、商品に均一性が図られる。また、取引時は業者が生鮮食品のより正確な品質情報を消費者に伝えることができ、生鮮食品の実際の品質と消費者の期待との間のずれを縮め、取引の満足度を高めることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 生鮮食品
11 製品ラベル
12 フィルム
13 コード
14 比色センサアレイ
20 画像取得モジュール
30 処理モジュール
40 分類モジュール
50 データベース
60 サプライヤー側
61 オンライン販売者側
62 消費者側
図1
図2A
図2B
図3