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特許7170760超音波溶着装置およびサイドシール部形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】超音波溶着装置およびサイドシール部形成方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20221107BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20221107BHJP
   B29C 65/08 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61F13/15 310
A61F13/15 355B
A61F13/15 380
A61F13/496 100
B29C65/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021008692
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112764
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】森浦 理
(72)【発明者】
【氏名】中岡 健次
(72)【発明者】
【氏名】桑岡 健二
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-130940(JP,A)
【文献】特開2015-130939(JP,A)
【文献】特開2012-120775(JP,A)
【文献】特開2017-113194(JP,A)
【文献】特開2015-136820(JP,A)
【文献】特開2019-104225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0133144(US,A1)
【文献】特開2010-115283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成する超音波溶着装置であって、
複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、
前記アンビルと対向するヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記ヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域内の処理位置に対して、前記ヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、
前記アンビルの前記接触面、および、前記ヘッドの前記出力面の一方または双方を前記対象領域に対して前記幅方向に移動して、前記処理位置を前記幅方向に移動する移動部と、
前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記処理位置が前記第1領域に位置する時と、前記第2領域に位置する時とで、前記超音波振動の振幅を変更する制御部と、
を備え
前記処理位置が前記第1領域に位置する時における前記超音波振動の振幅が、前記処理位置が前記第2領域に位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波溶着装置であって
前記処理位置が前記幅方向に移動している間、前記処理位置に作用する圧力が一定であることを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の超音波溶着装置であって、
前記アンビルが、前記幅方向に転がるローラであり、前記ローラの外周面が前記接触面であり、前記外周面に凹凸パターンが形成されており、
前記ローラが前記幅方向に転がって、前記処理位置が前記対象領域を前記幅方向に往復し、
前記超音波付与部が、前記処理位置の往復移動における往路および復路の一方において前記対象領域に対して前記超音波振動を付与し、他方において前記超音波振動を付与しないことを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の超音波溶着装置であって、
前記対象領域が、坪量が異なる3個以上の領域を含み、
前記3個以上の領域のうち、坪量が最小である前記第1領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅が、他の領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項5】
パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成する超音波溶着装置であって、
複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、
前記アンビルと対向するとともに、前記幅方向に配列される複数のヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域に対して、前記複数のヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、
を備え、
前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記複数のヘッドのうち前記第1領域に対向するヘッドと、前記第2領域に対向するヘッドとで、設定される前記超音波振動の振幅が相違し、
前記第1領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅が、前記第2領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項6】
パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成するサイドシール部形成方法であって、
前記サイドシール部形成方法に用いられる超音波溶着装置が、
複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、
前記アンビルと対向するヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記ヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域内の処理位置に対して、前記ヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、
前記アンビルの前記接触面、および、前記ヘッドの前記出力面の一方または双方を前記対象領域に対して前記幅方向に移動して、前記処理位置を前記幅方向に移動する移動部と、
を備え、
前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、
前記サイドシール部形成方法が、
a)前記移動部により、前記処理位置を前記幅方向に移動する工程と、
b)前記a)工程に並行して、前記対象領域内の前記処理位置に対して、前記超音波付与部により前記超音波振動を付与する工程と、
を備え、
前記b)工程において、前記処理位置が前記第1領域に位置する時と、前記第2領域に位置する時とで、前記超音波振動の振幅が変更され
前記処理位置が前記第1領域に位置する時における前記超音波振動の振幅が、前記処理位置が前記第2領域に位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とするサイドシール部形成方法。
【請求項7】
請求項6に記載のサイドシール部形成方法であって、
前記対象領域が、坪量が異なる3個以上の領域を含み、
前記3個以上の領域のうち、坪量が最小である前記第1領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅が、他の領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とするサイドシール部形成方法。
【請求項8】
パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成するサイドシール部形成方法であって、
前記サイドシール部形成方法に用いられる超音波溶着装置が、
複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、
前記アンビルと対向するとともに、前記幅方向に配列される複数のヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域に対して、前記複数のヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、
を備え、
前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、
前記サイドシール部形成方法が、
前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの前記出力面との間にて前記対象領域を挟む工程と、
前記複数のヘッドのうち前記第1領域に対向するヘッドと、前記第2領域に対向するヘッドとで、前記超音波振動の振幅を相違させつつ前記対象領域に対して前記超音波振動を付与する工程と、
を備え
前記第1領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅が、前記第2領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅よりも大きいことを特徴とするサイドシール部形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶着装置およびサイドシール部形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着用者からの排泄物を受ける吸収性物品の1つとして、上端に胴部開口を有するとともに下部に一対の脚部開口を有するパンツタイプの使い捨ておむつが利用されている。当該使い捨ておむつでは、外装シートの前方部の側方端部と後方部の側方端部とを接合するサイドシール部が形成される。
【0003】
特許文献1では、パンツタイプの吸収性物品の製造方法が開示されている。当該製造方法では、サイドシール部を形成する部位に、厚みまたはシートの積層枚数が異なる複数の領域が設けられる場合に、当該複数の領域に対応させて複数の超音波ホーンが配置される。また、厚みが大きいまたはシートの積層枚数が多い領域に対応する超音波ホーンとアンビルとのクリアランスよりも、厚みが小さいまたはシートの積層枚数が少ない領域に対応する超音波ホーンとアンビルとのクリアランスを小さくして超音波振動が印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-113194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、吸収性物品のサイドシール部において、過度に強度が高い部位(典型的には、溶融固化する樹脂量が多く、引張強度が高い部位)が形成されると、当該部位が局所的に硬くなってしまい、装着時に痛みを与えたり、着用者の肌を傷つける可能性がある。一方、過度に強度が低い部位が形成されると、当該部位が容易に剥離してしまう。特許文献1の手法では、厚みまたはシートの積層枚数に応じて、超音波ホーンとアンビルとのクリアランスを調整することにより、サイドシール部の各部位において適切な強度が得られるが、当該クリアランスの調整に煩雑な作業が必要になる。したがって、略均一な強度を有するサイドシール部を適切に形成する新規な手法が求められる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、略均一な強度を有するサイドシール部を適切に形成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成する超音波溶着装置であって、複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、前記アンビルと対向するヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記ヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域内の処理位置に対して、前記ヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、前記アンビルの前記接触面、および、前記ヘッドの前記出力面の一方または双方を前記対象領域に対して前記幅方向に移動して、前記処理位置を前記幅方向に移動する移動部と、前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記処理位置が前記第1領域に位置する時と、前記第2領域に位置する時とで、前記超音波振動の振幅を変更する制御部とを備え、前記処理位置が前記第1領域に位置する時における前記超音波振動の振幅が、前記処理位置が前記第2領域に位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きい
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波溶着装置であって、前記処理位置が前記幅方向に移動している間、前記処理位置に作用する圧力が一定である。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の超音波溶着装置であって、前記アンビルが、前記幅方向に転がるローラであり、前記ローラの外周面が前記接触面であり、前記外周面に凹凸パターンが形成されており、前記ローラが前記幅方向に転がって、前記処理位置が前記対象領域を前記幅方向に往復し、前記超音波付与部が、前記処理位置の往復移動における往路および復路の一方において前記対象領域に対して前記超音波振動を付与し、他方において前記超音波振動を付与しない。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の超音波溶着装置であって、前記対象領域が、坪量が異なる3個以上の領域を含み、前記3個以上の領域のうち、坪量が最小である前記第1領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅が、他の領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きい。
【0011】
請求項5に記載の発明は、パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成する超音波溶着装置であって、複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、前記アンビルと対向するとともに、前記幅方向に配列される複数のヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域に対して、前記複数のヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部とを備え、前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記複数のヘッドのうち前記第1領域に対向するヘッドと、前記第2領域に対向するヘッドとで、設定される前記超音波振動の振幅が相違し、前記第1領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅が、前記第2領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅よりも大きい
【0012】
請求項6に記載の発明は、パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成するサイドシール部形成方法であって、前記サイドシール部形成方法に用いられる超音波溶着装置が、複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、前記アンビルと対向するヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記ヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域内の処理位置に対して、前記ヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部と、前記アンビルの前記接触面、および、前記ヘッドの前記出力面の一方または双方を前記対象領域に対して前記幅方向に移動して、前記処理位置を前記幅方向に移動する移動部とを備え、前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記サイドシール部形成方法が、a)前記移動部により、前記処理位置を前記幅方向に移動する工程と、b)前記a)工程に並行して、前記対象領域内の前記処理位置に対して、前記超音波付与部により前記超音波振動を付与する工程とを備え、前記b)工程において、前記処理位置が前記第1領域に位置する時と、前記第2領域に位置する時とで、前記超音波振動の振幅が変更され、前記処理位置が前記第1領域に位置する時における前記超音波振動の振幅が、前記処理位置が前記第2領域に位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きい
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のサイドシール部形成方法であって、前記対象領域が、坪量が異なる3個以上の領域を含み、前記3個以上の領域のうち、坪量が最小である前記第1領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅が、他の領域に前記処理位置が位置する時における前記超音波振動の振幅よりも大きい。
【0013】
請求項に記載の発明は、パンツタイプの吸収性物品の製造において、複数の吸収性物品が連続する連続シート積層体に対して超音波振動を付与することにより、各吸収性物品において着用者の腹側に位置する前方部の側方端部と、着用者の背側に位置する後方部の側方端部とが溶着したサイドシール部を形成するサイドシール部形成方法であって、前記サイドシール部形成方法に用いられる超音波溶着装置が、複数の吸収性物品が長手方向に連続する連続シート積層体において、前記長手方向に垂直、かつ、前記連続シート積層体に沿う幅方向に広がる対象領域が、前記長手方向に一定の間隔で設定されており、一の対象領域と接触する接触面を有するアンビルと、前記アンビルと対向するとともに、前記幅方向に配列される複数のヘッドを有し、前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの出力面との間に挟まれる前記対象領域に対して、前記複数のヘッドを介して超音波振動を付与する超音波付与部とを備え、前記対象領域が、第1領域と、前記第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、前記サイドシール部形成方法が、前記アンビルの前記接触面と前記複数のヘッドの前記出力面との間にて前記対象領域を挟む工程と、前記複数のヘッドのうち前記第1領域に対向するヘッドと、前記第2領域に対向するヘッドとで、前記超音波振動の振幅を相違させつつ前記対象領域に対して前記超音波振動を付与する工程とを備え、前記第1領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅が、前記第2領域に対向するヘッドにおける前記超音波振動の振幅よりも大きい
【0014】
発明の関連技術に係るパンツタイプの吸収性物品、上端に胴部開口を有し、下部に一対の脚部開口を有するシート積層体である外装シートと、前記外装シートの着用者側に取り付けられて着用者からの排泄物を吸収する吸収体とを備え、前記外装シートが、着用者の腹側に位置する前方部と、着用者の背側に位置する後方部と、前記前方部および前記後方部から連続する股下部と、前記前方部の両側方端部と前記後方部の両側方端部とを超音波溶着することにより形成され、上下方向に延びる一対のサイドシール部とを備え、各サイドシール部が、坪量が75g/m以下である第1領域と、坪量が85g/m以上である第2領域とを含み、前記第1領域における引張強度が、前記第2領域における引張強度の0.75倍以上である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、略均一な強度を有するサイドシール部を適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】吸収性物品の正面図である。
図2】吸収性物品の背面図である。
図3】展開した状態の吸収性物品の平面図である。
図4】サイドシール部近傍における吸収性物品の層構造を模式的に示す断面図である。
図5】吸収性物品の製造を説明するための図である。
図6】超音波溶着装置の構成を示す図である。
図7】溶着ユニットの断面図である。
図8】超音波付与部の構成を示す図である。
図9】サイドシール部の形成の流れを示す図である。
図10】ヘッドとアンビルローラとの間に配置された連続シート積層体を示す図である。
図11】ヘッドの出力面上の連続シート積層体を示す図である。
図12】アンビルローラの接触面上の凹凸パターンを示す図である。
図13】超音波溶着装置の他の例を示す図である。
図14】サイドシール部の形成の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および図2はそれぞれ、本発明の一の実施の形態に係る使い捨て吸収性物品6の正面図および背面図(すなわち、着用者の腹側および背側に位置する部位の図)である。以下の説明では、使い捨て吸収性物品6を、単に「吸収性物品6」と呼ぶ。図1および図2に示すように、吸収性物品6は、上端(すなわち、図1および図2中の上側の端部)に胴部開口61を有し、下部に一対の脚部開口62を有するパンツタイプの使い捨ておむつである。吸収性物品6は、例えば、大人用の使い捨ておむつである。吸収性物品6は、着用者からの排泄物を受ける。
【0018】
図3は、吸収性物品6を展開した状態で着用者側から見た平面図である。以下の説明では、図3中の縦方向を「物品長手方向」といい、図3中の横方向を「物品幅方向」という。吸収性物品6は、外装シート7と、吸収体8とを備える。既述の胴部開口61および一対の脚部開口62(図1および図2参照)は、外装シート7に設けられる。外装シート7は、外装シート本体70、並びに、外装シート本体70に接合される一対の脚部弾性部材73、一対の胴部弾性部材74および一対の中間弾性部材75を備える。吸収体8は、外装シート7の内面(すなわち、着用者側の面)上に取り付けられ、着用者からの排泄物を吸収する略シート状の部材である。
【0019】
吸収性物品6では、図3中の上側の部位が着用者の前側(すなわち、腹側の肌)を覆い、図3中の下側の部位が着用者の後側(すなわち、背側の肌)を覆う。以下の説明では、外装シート7のうち、着用者の腹側および背側に位置する部位をそれぞれ、「前方部701」および「後方部703」と呼ぶ。また、外装シート7のうち、前方部701と後方部703との間の部位を「股下部702」と呼ぶ。股下部702は、前方部701および後方部703から連続する。股下部702は、着用者の股間部を覆う。吸収性物品6では、外装シート7が前方部701、股下部702および後方部703を備え、吸収体8は、外装シート7の前方部701から股下部702を経由して後方部703へと至る。
【0020】
後述するように、吸収性物品6が製造される際には、図3の外装シート7が、吸収体8と共に股下部702にて折り曲げられる。そして、股下部702を下側に向けた状態で、前方部701の両側方端部(物品幅方向の両端部)と、後方部703の両側方端部とが超音波溶着により接合され、図1および図2に示すように、一対のサイドシール部77が形成される。これにより、前方部701および後方部703の上端に胴部開口61が形成される。また、前方部701および後方部703の下側において、股下部702の左右に一対の脚部開口62が形成される。各サイドシール部77は、図1および図2の上下方向に延びる帯状である。
【0021】
図3に示すように、吸収体8は、物品長手方向に延びる略シート状の部材である。吸収体8は、トップシート81と、バックシート83と、吸収コア82とを備える。トップシート81は、透液性のシート部材である。バックシート83は、不透液性または撥液性のシート部材である。吸収コア82は、トップシート81とバックシート83との間に配置される略シート状の部材である。トップシート81は、吸収コア82の着用者側の面を覆う。バックシート83は、吸収コア82の着用者とは反対側の面を覆う。
【0022】
トップシート81は、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉し、当該水分を吸収コア82へと移動させる。吸収コア82は、トップシート81を透過した水分(すなわち、着用者からの排泄物の水分)を吸収して固定する。バックシート83は、バックシート83に到達した排泄物の水分等が、吸収体8の外部にしみ出すことを防止する。
【0023】
図3では、図の理解を容易にするために、吸収体8の吸収コア82の輪郭を太破線にて描いている。図1および図2においても同様である。図3に示すように、物品長手方向における吸収コア82の両端部における幅は、吸収コア82の中央部における幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア82は、いわゆる砂時計型である。バックシート83は、ホットメルト接着剤等により外装シート7上に接合される。これにより、吸収体8が外装シート7に固定される。吸収体8の両側部には、立体ギャザーを形成する一対のサイドシートが設けられてもよい。
【0024】
吸収コア82は、例えば、粒状または繊維状の高吸収性材料、および、親水性繊維の集合体のうち、少なくとも一方を吸収材として含む。当該高吸収性材料としては、例えば、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))、または、繊維状の高吸収性ファイバー(SAF(Super Absorbent Fiber))が利用される。当該親水性繊維の集合体は、例えば、粉砕されたパルプ繊維またはセルロース繊維により形成される。本実施の形態では、吸収コア82は、上述の親水性繊維の集合体に粒状のSAPを混合したものを、ティッシュペーパーまたは透液性不織布等により包み込むことにより形成される。これにより、親水性繊維の集合体の型崩れ、および、SAPの脱落(特に、吸液後における脱落)を防止することができる。
【0025】
トップシート81は、例えば、透液性の不織布により形成される。当該不織布は、例えば、表面が界面活性剤により親水処理された疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)により形成される。当該不織布は、セルロース、レーヨンまたはコットン等の親水性繊維により形成されてもよい。当該不織布は、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布またはスパンレース不織布等である。
【0026】
バックシート83は、例えば、疎水性繊維により形成された不透液性もしくは撥液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布またはSMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布等)、または、不透液性もしくは撥液性のプラスチックフィルムにより形成される。バックシート83は、当該不織布と当該プラスチックフィルムとの積層体であってもよい。バックシート83にプラスチックフィルムが利用される場合、吸収性物品6のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(すなわち、通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0027】
図4は、サイドシール部77近傍における吸収性物品6の層構造を模式的に示す断面図である。図4では、脚部弾性部材73、胴部弾性部材74および中間弾性部材75の図示を省略している。また、図示の都合上、各層を離して描いている。図4に示すように、外装シート7の外装シート本体70は、シート積層体であり、第1シート71と、第2シート72とを備える。第2シート72は、第1シート71の内面上(すなわち、着用者側)に積層され、ホットメルト接着剤等により第1シート71に接合される。図4では、前方部701における第1シート71の部位、および、後方部703における第1シート71の部位の双方に符号を付しているが、実際には、これらの部位は、股下部702を介して連続する(第2シート72において同様)。
【0028】
外装シート本体70は、図3および図4に示すように、2枚のエンドシート76をさらに備える。各エンドシート76は、第2シート72の内面に積層され、ホットメルト接着剤等により第2シート72に接合される。図3に示すように、2枚のエンドシート76と第2シート72との間には、物品長手方向における吸収体8の両端部が挟まれて固定される。エンドシート76は、外装シート7の物品幅方向の略全長に亘って設けられる。
【0029】
図4に示すように、第1シート71は、前方部701および後方部703のそれぞれにおいて、胴部開口61のエッジ611にて着用者側に折り返される折り返し部711を備える。折り返し部711の下端は、エンドシート76の上端よりも下側に位置する。また、折り返し部711の下端は、吸収体8の上端よりも上側に位置する(図3参照)。図4のエンドシート76の上端部は、第1シート71のうち、折り返し部711に対向する部位である対向部712と、当該折り返し部711との間に挟まれる。折り返し部711は、エンドシート76の上端部に接合される。以上の構造により、前方部701および後方部703のそれぞれでは、外装シート本体70において積層されるシートの種類や枚数が異なる3個の範囲R1,R2,R3が、図4の上下方向に順に設定される。当該範囲R1,R2,R3については後述する。
【0030】
図3に示すように、一対の胴部弾性部材74は、胴部開口61のエッジ611に沿って、前方部701および後方部703に接合される。典型的には、各胴部弾性部材74は、物品長手方向に配列される複数の糸状の弾性要素を備える。胴部弾性部材74は、例えば、第1シート71の折り返し部711と対向部712との間に配置され(図4参照)、外装シート本体70に接合される。図1および図2に示す吸収性物品6では、一対の胴部弾性部材74が収縮することにより、胴部開口61近傍において外装シート本体70が収縮し、着用者の胴回りに接触するウエストギャザーが形成される。
【0031】
図1および図2に示すように、各脚部弾性部材73は、一対の脚部開口62のエッジに部分的に沿って配置される。脚部弾性部材73は、外装シート7の第1シート71と第2シート72との間に接合される(図4参照)。一方の脚部弾性部材73の両端部は、外装シート7の前方部701に接合され、他方の脚部弾性部材73の両端部は、後方部703に接合される。また、各脚部弾性部材73の両端部以外の部位(すなわち、中央部)は、外装シート7の股下部702に接合される。典型的には、各脚部弾性部材73は、略平行に配置される複数の糸状の弾性要素を含む。吸収性物品6では、一対の脚部弾性部材73が収縮することにより、一対の脚部開口62近傍において外装シート本体70が収縮し、着用者の脚周りに接触するレッグギャザーが形成される。
【0032】
一対の中間弾性部材75は、それぞれ前方部701および後方部703において物品幅方向の略全長に亘って設けられる。各中間弾性部材75は、脚部弾性部材73の両端部と胴部弾性部材74との物品長手方向における間の領域に配置される。典型的には、各中間弾性部材75は、物品長手方向に配列される複数の糸状の弾性要素を備える。中間弾性部材75は、第1シート71と第2シート72との間に接合される。吸収性物品6では、一対の中間弾性部材75が収縮することにより外装シート本体70が収縮し、着用者の下腹部および臀部に接触する中間ギャザー(すなわち、ボディフィットギャザー)が形成される。
【0033】
外装シート本体70の第1シート71、第2シート72およびエンドシート76は、バックシート83と同様に、疎水性繊維により形成された不透液性もしくは撥液性の不織布、または、不透液性もしくは撥液性のプラスチックフィルムにより形成される。プラスチックフィルムとしては、透湿性を有するものが利用されることが好ましい。また、第1シート71、第2シート72およびエンドシート76として、トップシート81と同様に、透液性の不織布が利用されてもよい。
【0034】
脚部弾性部材73、胴部弾性部材74および中間弾性部材75としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、または、糸状もしくは帯状の天然ゴム等が利用される。本実施の形態では、脚部弾性部材73、胴部弾性部材74および中間弾性部材75は、ポリウレタン糸である。
【0035】
図4を参照して説明したように、前方部701および後方部703のそれぞれでは、外装シート本体70において、積層されるシートの種類や枚数が異なる3個の範囲R1,R2,R3が、上下方向に設定される。最も上側の範囲R3では、第1シート71の折り返し部711、エンドシート76、および、第1シート71の対向部712が重なる。範囲R3の下側に隣接する範囲R2では、エンドシート76、第2シート72、および、第1シート71が重なる。最も下側の範囲R1では、第2シート72、および、第1シート71が重なる。なお、本実施の形態では、第1シート71の坪量は、第2シート72の坪量よりも僅かに大きい。
【0036】
既述のように、各サイドシール部77では、前方部701と後方部703とが超音波溶着により接合される。したがって、サイドシール部77は、上下方向に関して範囲R3に含まれ、かつ、6枚のシートが重なる厚肉領域と、範囲R2に含まれ、かつ、6枚のシートが重なる中肉領域と、範囲R1に含まれ、かつ、4枚のシートが重なる薄肉領域とを含む。以下の説明では、範囲R3に含まれる厚肉領域に、同じ符号R3を付し、範囲R2に含まれる中肉領域に、同じ符号R2を付し、範囲R1に含まれる薄肉領域に、同じ符号R1を付す。図4の層構造は一例に過ぎず、適宜変更されてよい。例えば、第2シート72の上端が、エンドシート76の上端と同じ位置に配置され、厚肉領域R3において8枚のシートが重なっていてもよい。サイドシール部77は、シートの種類や枚数が異なる2個の領域のみを含んでもよく、4個以上の領域を含んでもよい。
【0037】
本処理例では、サイドシール部77の厚肉領域R3を構成する6枚のシートの合計坪量(以下、単に「厚肉領域R3の坪量」という。)と、中肉領域R2を構成する6枚のシートの合計坪量(以下、単に「中肉領域R2の坪量」という。)との差は僅かである。一方、薄肉領域R1を構成する4枚のシートの合計坪量(以下、単に「薄肉領域R1の坪量」という。)は、厚肉領域R3および中肉領域R2のそれぞれの坪量と比べて大幅に小さい。薄肉領域R1を「第1領域」と呼ぶと、第1領域の坪量は、例えば75g/m以下であり、好ましくは70g/m以下であり、より好ましくは68g/m以下である。厚肉領域R3および中肉領域R2を「第2領域」と総称すると、第2領域の坪量は、例えば85g/m以上であり、好ましくは90g/m以上であり、より好ましくは92g/m以上である。なお、サイドシール部77が、坪量が75g/mよりも大きく、かつ、85g/m未満である領域を含んでもよい。
【0038】
サイドシール部77の形成において、仮に、坪量が大きく異なる第1領域および第2領域を同じ条件にて超音波溶着する場合、典型的には、坪量が小さい第1領域における引張強度が、坪量が大きい第2領域における引張強度よりも大幅に小さくなる。本実施の形態では、後述するように、第1領域を超音波溶着する際の条件と、第2領域を超音波溶着する際の条件とが相違する。これにより、第1領域における引張強度と、第2領域における引張強度との差が小さくなる。好ましくは、第1領域における引張強度が、第2領域における引張強度の0.75倍以上となり、より好ましくは0.80倍以上となり、さらに好ましくは0.82倍以上となる。典型的には、第1領域における引張強度は、第2領域における引張強度以下である。このように、吸収性物品6では、略均一な強度を有するサイドシール部77が設けられる。引張強度の測定方法については、後述する。
【0039】
図5は、吸収性物品6の製造を説明するための図である。吸収性物品6の製造では、製造途中の複数の吸収性物品6が長手方向に連続する連続シート積層体9が作製される。具体的には、複数の第1シート71(となる予定の部位)が連続する第1シート連続体91と、複数の第2シート72が連続する第2シート連続体92とが積層される。以下、第1シート連続体91および第2シート連続体92の積層体の長手方向を、「積層体長手方向」といい、積層体長手方向に垂直、かつ、積層体に沿う方向を、「積層体幅方向」という。
【0040】
第1シート連続体91と、第2シート連続体92との間には、複数の脚部弾性部材73が連続する弾性部材連続体、および、複数の中間弾性部材75が連続する弾性部材連続体が伸張状態で配置される。第1シート連続体91上において、積層体幅方向における各端部近傍には、複数の胴部弾性部材74が連続する弾性部材連続体が配置される。第1シート連続体91および第2シート連続体92の積層体において、第2シート連続体92上には、積層体長手方向に所定の間隔を空けて複数の吸収体8が接合される。吸収体8は、積層体幅方向に延びる。また、複数のエンドシート76が連続する、2枚のエンドシート連続体96が、積層体幅方向における複数の吸収体8の両端部を覆うように、第2シート連続体92上に接合される。
【0041】
エンドシート連続体96の接合後、積層体幅方向における第1シート連続体91の両端部が折り返され、折り返し部911が形成される。折り返し部911は、図4の折り返し部711が積層体長手方向に連続する部位である。積層体長手方向における吸収体8間の位置には、脚部開口62に対応する孔部93が形成される。その後、第1シート連続体91および第2シート連続体92の積層体が、積層体幅方向の中央にて吸収体8と共に折り曲げられる。これにより、製造途中の複数の吸収性物品6が積層体長手方向に連続する連続シート積層体9が作製される。
【0042】
続いて、連続シート積層体9に対して、後述の超音波溶着装置1を用いてサイドシール部77が形成される。複数の吸収性物品6が連続する連続シート積層体9では、互いに隣接する2個の吸収性物品6の境界において、2個のサイドシール部77が僅かな隙間を空けて形成される。図5では、当該2個のサイドシール部77が形成される予定の領域T1(以下、「対象領域T1」という。)を、二点鎖線の矩形にて囲んでいる。対象領域T1は、積層体幅方向に広がり、積層体長手方向に、吸収性物品6の幅に相当する一定の間隔で設定される。サイドシール部77の形成の詳細については後述する。その後、連続シート積層体9は、当該2個のサイドシール部77の間において切断され、単体の吸収性物品6(図5の最も右側の吸収性物品6参照)が得られる。上記吸収性物品6の製造の流れは、一例に過ぎず、適宜変更されてよい。
【0043】
図6は、サイドシール部77の形成に用いられる超音波溶着装置1の構成を示す図である。超音波溶着装置1は、溶着ユニット2と、2個の補助ローラ11と、制御部10(後述の図8参照)とを備える。制御部10は、例えば、CPU等を備えるコンピュータであり、超音波溶着装置1の全体制御を担う。溶着ユニット2は、所定の中心軸J1を中心とする略円柱状のシート保持ドラム3を備える。2個の補助ローラ11は、中心軸J1に平行な軸を中心とする略円筒面を有し、当該軸を中心として回転可能である。
【0044】
超音波溶着装置1では、既述の連続シート積層体9が、一方の補助ローラ11を介してシート保持ドラム3上に導入される。溶着ユニット2では、連続シート積層体9がシート保持ドラム3の外周面30上に保持されつつ、連続シート積層体9に対してサイドシール部77が形成される。サイドシール部77が形成された連続シート積層体9は、他方の補助ローラ11を介して超音波溶着装置1から導出される。図6の連続シート積層体9では、吸収体8が設けられる部位を、他の部位よりも太い線で示している。以下の説明では、中心軸J1に平行な方向を、「ドラム軸方向」という。ドラム軸方向は、シート保持ドラム3上に保持される連続シート積層体9の積層体幅方向とほぼ一致する。
【0045】
図7は、図6中の矢印VII-VIIの位置における溶着ユニット2の断面図である。図7では、後述の超音波付与部4のヘッド40を簡略化して示すとともに、連続シート積層体9の図示を省略している。溶着ユニット2は、シート保持ドラム3と、複数の超音波付与部4と、複数のアンビルユニット5と、アンビル保持ドラム21と、カムドラム22とを備える。
【0046】
既述のように、シート保持ドラム3は、中心軸J1を中心とする略円柱状である。アンビル保持ドラム21は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。アンビル保持ドラム21およびシート保持ドラム3は、ドラム軸方向に並べられ、互いに固定される。図7の例では、アンビル保持ドラム21の直径は、シート保持ドラム3の直径よりも小さい。カムドラム22は、中心軸J1を中心とする略円柱状である。カムドラム22の直径は、アンビル保持ドラム21の内径よりも小さく、カムドラム22は、アンビル保持ドラム21の内部に配置される。シート保持ドラム3およびアンビル保持ドラム21は、モータ等を有する回転機構12により、中心軸J1を中心として一体的に回転する。本実施の形態では、シート保持ドラム3およびアンビル保持ドラム21は、図6の反時計回りに連続的に回転するものとする。カムドラム22は、回転しない固定体である。
【0047】
シート保持ドラム3の外周面30には、複数の溝部31が設けられる。複数の溝部31は、中心軸J1を中心とする周方向において等角度間隔にて配列される。各溝部31は、当該外周面30上においてドラム軸方向に延びる。図6の例では、6個の溝部31が設けられる。溝部31の個数は、1個以上、5個以下であってもよく、7個以上であってもよい(超音波付与部4の個数、および、アンビルユニット5の個数において同様)。複数の溝部31には、複数の超音波付与部4のヘッド40がそれぞれ配置される。
【0048】
図8は、1つの超音波付与部4の構成を示す図である。各超音波付与部4は、超音波ホーン41と、超音波振動子(コンバータ)42と、超音波発振機43とを備える。超音波ホーン41および超音波振動子42は、シート保持ドラム3の溝部31内に配置されるヘッド40を構成する。図6の溝部31では、中心軸J1を中心とする径方向の内側(中心軸J1側)に超音波振動子42が配置され、外側(シート保持ドラム3の外周面30側)に超音波ホーン41が配置される。超音波発振機43は、シート保持ドラム3の内部または外部に設けられる。超音波発振機43は、超音波振動子42と電気的に接続され、所定の周波数(例えば、10kHz~100kHz)の電気信号を超音波振動子42に入力する。
【0049】
超音波振動子42は、圧電素子(ピエゾ)を有し、超音波発振機43から入力された電気信号を圧電素子により機械的振動に変換する。超音波ホーン41は、例えば、アルミニウム合金またはチタン合金等の金属(合金を含む。)により形成される。超音波ホーン41は、シート保持ドラム3の外周面30上の連続シート積層体9と、超音波振動子42との間に配置される。超音波ホーン41の径方向外側の面411(以下、「出力面411」という。)は、ドラム軸方向に延びており、ドラム軸方向における連続シート積層体9の全体に接触する。超音波ホーン41には、超音波振動子42から超音波振動が入力され、超音波ホーン41が共振することにより、出力面411から連続シート積層体9に一定の周波数の超音波振動が付与される。
【0050】
出力面411と中心軸J1との間の距離は、シート保持ドラム3の外周面30と中心軸J1との間の距離と略同じである。出力面411と中心軸J1との間の距離は、外周面30と中心軸J1との間の距離よりも僅かに大きくてもよく、僅かに小さくてもよい。超音波付与部4では、超音波振動子42からの機械的振動を調整、または、増幅する超音波振動増幅器(ブースタ)が、必要に応じて超音波ホーン41と超音波振動子42との間に設けられてもよい。十分な振幅が得られる場合には、ヘッド40において超音波ホーン41が省略されてもよい。
【0051】
図6に示すように、複数のアンビルユニット5は、周方向において複数の溝部31と同じ位置に配置される。各アンビルユニット5は、アンビルローラ51と、ローラ保持部52(図7参照)とを備える。アンビルローラ51は、超音波付与部4のヘッド40の径方向外側に配置される。図6のようにドラム軸方向に沿ってシート保持ドラム3を見た場合に、中心軸J1、ヘッド40およびアンビルローラ51が、径方向に一列に並ぶ。換言すると、中心軸J1およびヘッド40が配置される平面上に、アンビルローラ51が配置される。アンビルローラ51は、当該平面に垂直な中心軸を中心とする円板状である。以下の説明では、アンビルローラ51の中心軸に平行な方向を、「アンビル軸方向」という。アンビル軸方向は、ヘッド40の出力面411上における連続シート積層体9の部位の積層体長手方向にほぼ一致する。
【0052】
アンビルローラ51は、連続シート積層体9を介してヘッド40と対向する。後述するように、アンビルローラ51は、連続シート積層体9を間に挟んで、ヘッド40の出力面411上をドラム軸方向に転がる。アンビルローラ51は、ヘッド40に対するアンビルである。アンビルローラ51の外周面511は、連続シート積層体9の一の対象領域T1(図5参照)と接触する接触面である。後述するように、アンビルユニット5では、ローラ以外のアンビルが用いられてもよい。
【0053】
図7に示すように、ローラ保持部52は、保持部本体521と、保持レバー522と、付勢部523とを備える。後述するように、保持部本体521は、アンビル保持ドラム21によりドラム軸方向に移動可能に支持される。保持レバー522は、ドラム軸方向におよそ沿って延びる棒状である。保持レバー522の中央近傍には、アンビル軸方向(図7の紙面に垂直な方向)に延びる軸部A1が設けられる。軸部A1は、保持部本体521に接続され、保持レバー522は、保持部本体521により軸部A1を中心として回転可能に支持される。
【0054】
アンビルローラ51の中心には、アンビル軸方向に延びる軸部A2が設けられる。軸部A2は、保持レバー522の一方端部(ドラム軸方向におけるシート保持ドラム3側の端部)に接続され、アンビルローラ51は、保持レバー522により軸部A2を中心として回転可能に支持される。付勢部523は、保持レバー522の他方端部(ドラム軸方向におけるアンビル保持ドラム21側の端部)に取り付けられる。付勢部523は、アンビルローラ51がヘッド40に近づくように、保持レバー522の当該他方端部を径方向外側に向けて付勢する。付勢部523は、例えば、エアシリンダやばね等の弾性部材を有する。
【0055】
アンビル保持ドラム21の外周面上において、周方向における複数の溝部31と同じ位置には、複数対の案内部211がそれぞれ配置される。すなわち、当該外周面上において、各アンビルユニット5に対応する位置には、一対の案内部211が設けられる。当該一対の案内部211は、当該アンビルユニット5の保持部本体521を周方向に挟む。各案内部211において保持部本体521に対向する面には、ドラム軸方向に延びる係合溝212が設けられる。保持部本体521において各案内部211に対向する面には、突起524が設けられる。突起524が係合溝212に係合することにより、保持部本体521がドラム軸方向に移動可能な状態で、アンビル保持ドラム21により支持される。
【0056】
また、アンビル保持ドラム21の外周面には、各対の案内部211の間においてドラム軸方向に延びるスリット213が設けられる。スリット213は、アンビル保持ドラム21の周壁部を貫通する孔部である。保持部本体521には、スリット213内に挿入されるカム突起525が設けられる。カム突起525は、アンビル保持ドラム21の内部まで延びる。既述のように、アンビル保持ドラム21の内部には、カムドラム22が配置される。カムドラム22の外周面には、カム溝221が設けられる。カム突起525の先端は、カム溝221内に配置される。カム溝221は、カムドラム22に対するアンビル保持ドラム21の回転に応じて、カム突起525をドラム軸方向に移動する。すなわち、アンビルユニット5がアンビル保持ドラム21と共に中心軸J1を中心として回転しつつ、アンビルユニット5がドラム軸方向に移動する。
【0057】
実際には、アンビルユニット5は、シート保持ドラム3およびアンビル保持ドラム21の回転位置(角度)に応じたドラム軸方向の位置に配置される。一例では、図6の最も上側に位置するアンビルユニット5では、アンビルローラ51が、ヘッド40の出力面411における、ドラム軸方向の一方端部近傍に配置されている。シート保持ドラム3およびアンビル保持ドラム21が、図6の反時計回りに一体的に回転し、当該アンビルユニット5が最も下側の位置に近づくに従って、アンビルローラ51が、出力面411の他方端部に向かってドラム軸方向に移動する。当該アンビルユニット5が最も下側に位置すると、アンビルローラ51が、出力面411の当該他方端部近傍に配置される。当該アンビルユニット5が最も下側の位置を通過後、最も上側の位置に近づくに従って、アンビルローラ51が、出力面411の当該一方端部に向かってドラム軸方向に移動する。当該アンビルユニット5が最も上側に位置すると、アンビルローラ51が、出力面411の当該一方端部近傍に配置される。
【0058】
以上のように、超音波溶着装置1では、アンビルユニット5がシート保持ドラム3と共に、中心軸J1を中心として一回転する間に、アンビルローラ51が、連続シート積層体9を挟んで、ヘッド40の出力面411上をドラム軸方向に往復する。連続シート積層体9において、アンビルローラ51の接触面(外周面)511とヘッド40の出力面411との間に挟まれる位置を「処理位置」と呼ぶと、アンビルユニット5が一回転する間に、処理位置が、連続シート積層体9の対象領域T1(図5参照)を積層体幅方向に一往復する。超音波溶着装置1では、図7の回転機構12、アンビル保持ドラム21およびカムドラム22が、処理位置を積層体幅方向に移動する移動部を構成する。後述するように、移動部は他の構成により実現されてよい。
【0059】
次に、超音波溶着装置1を用いたサイドシール部77の形成について説明する。既述のように、サイドシール部77は、図5の連続シート積層体9の対象領域T1に形成される。また、連続シート積層体9において積層体長手方向に配列される複数の対象領域T1は、シート保持ドラム3の回転に伴って、複数のヘッド40上に順次配置される。以下の説明では、一のヘッド40上に配置される対象領域T1に対するサイドシール部77の形成について説明するが、他のヘッド40上に配置される対象領域T1についても同様の処理が行われる。
【0060】
図9は、サイドシール部77の形成の流れを示す図である。図10は、ヘッド40とアンビルローラ51との間に配置された連続シート積層体9を示す図である。図10では、積層体長手方向に垂直な連続シート積層体9(対象領域T1)の断面を示している。図11は、ヘッド40の出力面411上の連続シート積層体9を示す図であり、アンビルローラ51側から見た連続シート積層体9を示している。
【0061】
図4の吸収性物品6と同様に、図10の連続シート積層体9の対象領域T1では、6枚のシートが重なる厚肉領域R3と、6枚のシートが重なる中肉領域R2と、4枚のシートが重なる薄肉領域R1とが積層体幅方向に並ぶ。厚肉領域R3は、前方部701および後方部703のそれぞれに対応する、第1シート連続体91の折り返し部911、エンドシート連続体96、および、第1シート連続体91の対向部912を含む。中肉領域R2は、前方部701および後方部703のそれぞれに対応する、エンドシート連続体96、第2シート連続体92、および、第1シート連続体91を含む。薄肉領域R1は、前方部701および後方部703のそれぞれに対応する、第2シート連続体92、および、第1シート連続体91を含む。
【0062】
既述のように、超音波溶着装置1では、アンビルユニット5がシート保持ドラム3と共に中心軸J1を中心として回転しつつ、アンビルローラ51が積層体幅方向(ドラム軸方向)に転がって移動する。これにより、ヘッド40の出力面411上に配置される対象領域T1において、処理位置が積層体幅方向に連続的に移動する(ステップS11)。図10および図11の例では、処理位置の往復移動における往路では、対象領域T1における厚肉領域R3側(胴部開口61側)の端部から薄肉領域R1側(脚部開口62側)の端部に向かって処理位置が移動する。また、復路では、対象領域T1における薄肉領域R1側の端部から厚肉領域R3側の端部に向かって処理位置が移動する。本処理例では、処理位置が連続シート積層体9上を移動する際の速さは、略一定である。また、アンビルローラ51により処理位置に作用する圧力(付勢部523による付勢力)も、略一定である。
【0063】
超音波溶着装置1では、処理位置の移動に並行して、超音波付与部4により対象領域T1内の処理位置に対してヘッド40を介して超音波振動が付与される(ステップS12)。このとき、制御部10がシート保持ドラム3の回転位置に応じて超音波付与部4を制御することにより、処理位置が、薄肉領域R1である第1領域に位置する時と、厚肉領域R3および中肉領域R2である第2領域に位置する時とで、超音波振動の振幅が変更される。
【0064】
本処理例では、超音波付与部4が連続シート積層体9に付与可能な超音波振動の最大の振幅を振幅率100%として、処理位置が第1領域に位置する時における超音波振動の振幅率が69%とされ、処理位置が第2領域に位置する時における超音波振動の振幅率が50%とされる。このように、第1領域よりも坪量が大きい第2領域(すなわち、単位面積当たりの樹脂量が第1領域よりも多い第2領域)に対して、第1領域よりも小さい振幅率の超音波振動が付与される。もちろん、第1領域および第2領域に対する超音波振動の振幅率は適宜変更されてよい。
【0065】
図11に示すように、アンビルローラ51の接触面511には、2個の凹凸パターン512が積層体長手方向(アンビル軸方向)に隙間を空けて設けられる。詳細には、図12に示すように、各凹凸パターン512では、複数のパターン要素513がアンビルローラ51の周方向の全周に亘って配列される。対象領域T1では、各パターン要素513と接触する領域においてのみ、連続シート積層体9を構成する複数のシートが溶融固化(溶着)する。換言すると、パターン要素513を転写した溶着痕が形成される。このようにして、2個の凹凸パターン512にそれぞれ対応する2個のサイドシール部77が、積層体長手方向に僅かな隙間を空けて形成される。
【0066】
好ましくは、積層体長手方向において同じ位置に配置される複数のパターン要素513は同じ形状(同じ幅)であり、一定のピッチにて周方向に配列される。これにより、積層体長手方向におけるサイドシール部77の幅が、積層体幅方向の全体に亘って(胴部開口61から脚部開口62に亘って)一定となり、吸収性物品6の装着時に局所的な剥離が発生することを防止または抑制することができる。なお、サイドシール部77の設計によっては、サイドシール部77の一部における幅が、他の部位と異なっていてもよい。また、積層体幅方向におけるヘッド40の出力面411の全長が、対象領域T1の全長よりも大きいことにより、積層体幅方向の全体に亘って(胴部開口61から脚部開口62に亘って)サイドシール部77を適切に形成することができる。
【0067】
ところで、処理位置の往復移動における往路および復路の双方において対象領域T1に対して超音波振動を付与する場合、往路において対象領域T1に形成された溶着痕からずれた位置に、復路において溶着痕が形成される可能性がある。したがって、好ましい超音波溶着装置1では、往路および復路の一方において対象領域T1に対して超音波振動が付与され、他方において超音波振動が付与されない。これにより、サイドシール部77において、凹凸パターン512と同じパターンである溶着痕を適切に形成することが可能となる。もちろん、往路および復路の双方において対象領域T1に対して超音波振動が付与されてもよい。
【0068】
アンビルローラ51がヘッド40の出力面411を積層体幅方向に往復すると、サイドシール部77の形成が完了する。連続シート積層体9においてサイドシール部77が形成された部位は、シート保持ドラム3の外周面30から離され、超音波溶着装置1から搬出される。上記ステップS11,S12の処理は、連続シート積層体9上の複数の対象領域T1に対して順次行われる。超音波溶着装置1を通過した連続シート積層体9の部位は、上述の2個のサイドシール部77の間において切断され、単体の吸収性物品6が得られる。
【0069】
次に、超音波振動の振幅率と、サイドシール部77の引張強度との関係を調べた実験について述べる。まず、上述の例と同様の連続シート積層体9を準備した。連続シート積層体9において、6枚のシートが重なる厚肉領域R3の坪量は102g/mであり、6枚のシートが重なる中肉領域R2の坪量は98g/mであり、4枚のシートが重なる薄肉領域R1の坪量は64g/mであった。続いて、超音波溶着装置1において超音波振動の振幅率を50%にて一定に設定して、対象領域T1の厚肉領域R3、中肉領域R2および薄肉領域R1に対して超音波振動を付与した。このとき、処理位置が連続シート積層体9上を移動する際の速さ、および、アンビルローラ51により処理位置に作用する圧力(0.3MPa)は、略一定とした。その後、得られた吸収性物品において、サイドシール部の引張強度を測定した。
【0070】
引張強度の測定は、以下のようにして行った。まず、図1中に一点鎖線L1にて示す位置にて、吸収性物品を切断して、各サイドシール部を含む部位を切り出した。続いて、サイドシール部の切断片において、図1の上下方向における上端から下方に向かって40mmの位置で当該切断片を横方向(物品幅方向)に切断し、40mmの長さの試験片を得た。当該試験片に含まれるサイドシール部の部位は、ほぼ全体が厚肉領域R3であり、以下、「厚肉領域の試験片」という。
【0071】
また、下端から上方に向かって40mmの位置で当該切断片を横方向に切断し、40mmの長さの試験片を得た。当該試験片に含まれるサイドシール部の部位は、ほぼ全体が薄肉領域R1であり、以下、「薄肉領域の試験片」という。さらに、サイドシール部の切断片において、上下方向における中央から上下に20mmずつ離れた位置で当該切断片を横方向に切断し、40mmの長さの試験片を得た。当該試験片に含まれるサイドシール部の部位は、ほぼ全体が中肉領域R2であり、以下、「中肉領域の試験片」という。このようにして、1個の吸収性物品6から、2個の厚肉領域の試験片、2個の中肉領域の試験片、および、2個の薄肉領域の試験片を作製した。
【0072】
続いて、各試験片においてサイドシール部の部位を中央にして180度開いた状態、すなわち、前方部の部位、サイドシール部の部位、および、後方部の部位が上下方向に真っ直ぐに並ぶ状態で、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製 テンシロン万能材料試験機 RTG-1210)の上下チャックに取り付けた。引張試験では、引張速度300mm/minで上チャックを上方に引っ張り、サイドシール部を材破または剥離させた時の最大強度を引張強度として得た。引張強度は、図1の上下方向におけるサイドシール部の長さ40mm当たりの引張強度値であり、測定単位は[N/40mm]である。
【0073】
上記と同様にして、超音波振動の振幅率を55%および57%のそれぞれにて一定に設定して、対象領域T1の厚肉領域R3、中肉領域R2および薄肉領域R1に対して超音波振動を付与した。その後、得られた吸収性物品において、サイドシール部の引張強度を測定した。表1は、超音波振動の振幅率が50%、55%および57%のそれぞれである場合における、厚肉領域の試験片、中肉領域の試験片、および、薄肉領域の試験片の引張強度(15個の試験片の平均値)を示す。
【0074】
【表1】
【0075】
表1のように、超音波振動の振幅率が同じである場合、厚肉領域の試験片の引張強度が最大となり、薄肉領域の試験片の引張強度が最小となった。詳細には、坪量の差が小さい厚肉領域の試験片と中肉領域の試験片との間では、いずれの振幅率においても、引張強度の差が小さいが、坪量の差が大きい厚肉領域の試験片と薄肉領域の試験片との間では、引張強度の差が大きくなった。また、厚肉領域の試験片、中肉領域の試験片、および、薄肉領域の試験片のいずれにおいても、超音波振動の振幅率が高くなるに従って引張強度が高くなった。
【0076】
続いて、対象領域T1の厚肉領域R3および中肉領域R2に対して振幅率50%の超音波振動を付与し、薄肉領域R1に対して振幅率69%の超音波振動を付与した。その後、、得られた吸収性物品において、サイドシール部の引張強度を測定した。表2は、当該吸収性物品における厚肉領域の試験片、中肉領域の試験片、および、薄肉領域の試験片の引張強度(15個の試験片の平均値)を示す。表2では、振幅率が50%にて一定である場合における引張強度も示している。
【0077】
【表2】
【0078】
表2のように、薄肉領域R1に対して、厚肉領域R3および中肉領域R2よりも大きい振幅率の超音波振動を付与することにより、厚肉領域の試験片と薄肉領域の試験片との間における引張強度の差が小さくなった。詳細には、振幅率が50%にて一定である場合には、薄肉領域R1である第1領域における引張強度が、厚肉領域R3および中肉領域R2である第2領域における引張強度の0.70倍以下であったのに対し、第1領域に対して第2領域よりも大きい振幅率の超音波振動を付与する場合には、第1領域における引張強度が、第2領域における引張強度の0.87倍以上となった。
【0079】
ところで、吸収性物品では、サイドシール部の全体が略均一な強度を有することが好ましい。このような観点では、第1領域における引張強度は、第2領域における引張強度の0.75倍以上であることが好ましく、0.80倍以上であることがより好ましく、0.82倍以上であることがさらに好ましい。第1領域に対して過度に大きな振幅の超音波振動が付与されることを避ける(穴あき等が生じることを避ける)という観点では、第1領域における引張強度は、第2領域における引張強度の1.10倍以下であることが好ましく、1.05倍以下であることがより好ましく、1.00倍以下であることがさらに好ましい。
【0080】
上記実験では、第1領域の坪量は64g/mであり、第2領域の坪量は約100g/mであった。上記実験結果を考慮すれば、第1領域の坪量は、75g/m以下であることが好ましく、70g/m以下であることがより好ましく、68g/m以下であることがさらに好ましい。第1領域の坪量は、例えば40g/m以上であり、好ましくは50g/m以上であり、より好ましくは55g/m以上である。また、第2領域の坪量は、85g/m以上であることが好ましく、90g/m以上であることがより好ましく、92g/m以上であることがさらに好ましい。第2領域の坪量は、例えば125g/m以下であり、好ましくは115g/m以下であり、より好ましくは110g/m以下である。
【0081】
以上に説明したように、超音波溶着装置1では、アンビルローラ51を移動することにより、連続シート積層体9の対象領域T1において、アンビルローラ51とヘッド40との間に挟まれる処理位置が積層体幅方向に移動する。また、対象領域T1が、第1領域と、第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含んでおり、処理位置が第1領域に位置する時と、第2領域に位置する時とで、超音波振動の振幅が変更される。これにより、略均一な強度(典型的には、引張強度)を有するサイドシール部77を容易に形成することができる。また、処理位置が第1領域に位置する時における超音波振動の振幅が、処理位置が第2領域に位置する時における超音波振動の振幅よりも大きいことにより、略均一な強度を有するサイドシール部77をより確実に形成することができる。
【0082】
ところで、上記特許文献1(特開2017-113194号公報)の装置では、処理対象の吸収性物品のサイズや種類を変更する場合、厚みまたはシートの積層枚数が異なる複数の領域の幅(積層体幅方向の幅)も変わるため、当該複数の領域に合わせて、幅が異なる複数のヘッドを別途作製する必要がある。また、各ヘッドとアンビルとのクリアランスを調整する煩雑な作業も必要になる。これに対し、図6の超音波溶着装置1では、処理対象の吸収性物品のサイズや種類を変更する場合であっても、超音波振動の振幅に係る設定(振幅率の大きさや変化点の位置等)を変更する作業のみで処理を開始することが可能となる。また、吸収性物品のサイズや種類に合わせてヘッドを作製する必要もないため、吸収性物品の製造に要するコストを削減することも可能である。
【0083】
好ましい超音波溶着装置1では、処理位置が積層体幅方向に移動している間、処理位置に作用する圧力が一定である。このように、アンビルローラ51を一定の力で連続シート積層体9に向けて押さえ付けることにより、連続シート積層体9の厚さが変化する位置等において、アンビルローラ51が逃げる(すなわち、連続シート積層体9から離れる)ことをより確実に防止することができる。その結果、積層体幅方向において途切れることなく、かつ、強度や硬さが一定の状態にてサイドシール部77を形成することができる。
【0084】
ここで、処理位置に作用する圧力と、引張強度との関係を調べた実験について述べる。本実験では、超音波溶着装置1の付勢部523として用いる弾性部材の種類を変更することにより、アンビルローラ51により処理位置に作用する圧力を0.25MPaと、0.3MPaとに変更した。他の条件、および、引張強度の測定方法は、超音波振動の振幅率と引張強度との関係を調べた上記実験と同様とした。表3は、処理位置に作用する圧力が0.25MPaおよび0.3MPaのそれぞれである場合における、厚肉領域の試験片、中肉領域の試験片、および、薄肉領域の試験片の引張強度(15個の試験片の平均値)を示す。
【0085】
【表3】
【0086】
表3のように、厚肉領域の試験片、中肉領域の試験片、および、薄肉領域の試験片のいずれにおいても、処理位置に作用する圧力が高くなると、試験片の引張強度が高くなった。したがって、処理位置が第1領域に位置する時に処理位置に作用する圧力を、処理位置が第2領域に位置する時に処理位置に作用する圧力よりも大きくすることにより、略均一な強度を有するサイドシール部77を形成することが可能となる。超音波溶着装置1では、付勢力が可変である機構を付勢部523として用いることにより、処理位置に作用する圧力の変更が実現可能である。例えば、付勢力が可変である機構としては、一端が保持レバー522に取り付けられた弾性部材の他端の位置を変更する機構や、シリンダ機構等が例示される。
【0087】
また、超音波付与部4の設計によっては(例えば、超音波ホーン41が省略可能である場合に)、超音波振動の周波数が変更されてもよい。この場合、例えば、処理位置が第1領域に位置する時における超音波振動の周波数が、処理位置が第2領域に位置する時における超音波振動の周波数よりも大きくされる。さらに、超音波溶着装置1では、積層体幅方向における処理位置の移動速さが変更されてもよい。この場合、例えば、処理位置が第1領域に位置する時における処理位置の移動速さが、処理位置が第2領域に位置する時における処理位置の移動速さよりも小さくされる。積層体幅方向における処理位置の移動速さは、例えば、カムドラム22のカム溝221の形状を変更することにより、シート保持ドラム3の回転位置(積層体幅方向における処理位置の位置)に応じて変更可能である。また、モータ等を用いてアンビルローラ51を積層体幅方向に移動する機構が採用されてもよい。
【0088】
以上のように、超音波溶着装置1では、処理位置が第1領域に位置する時と、第2領域に位置する時とで、超音波振動の振幅、超音波振動の周波数、処理位置に作用する圧力、または、積層体幅方向における処理位置の移動速さを変更することにより、(変更しない場合に比べて)サイドシール部77の第1領域と第2領域との強度差を小さくすればよい。これにより、略均一な強度を有するサイドシール部77を適切に形成することができる。もちろん、超音波振動の振幅、超音波振動の周波数、処理位置に作用する圧力、および、処理位置の移動速さのうち、2種類以上の値が変更されてもよい。この場合に、略均一な強度を有するサイドシール部77を適切に形成することが可能であるならば、例えば、処理位置が第1領域に位置する時における超音波振動の振幅が、処理位置が第2領域に位置する時における超音波振動の振幅以下であってもよい。
【0089】
図13は、超音波溶着装置の他の例を示す図である。図13の超音波溶着装置1aは、アンビルロール5aと、超音波付与部4aとを備える。アンビルロール5aは、中心軸J2を中心とする略円柱状のアンビルであり、中心軸J2を中心として回転する。アンビルロール5aは、中心軸J2に平行な方向に延びるブロック56を外周面に有する。アンビルロール5aの外周面には、積層体幅方向が中心軸J2と略平行となるように、連続シート積層体9が保持される。中心軸J2を中心とする径方向において、ブロック56の外側を向く面561は、連続シート積層体9の一の対象領域T1(図5参照)と接触する接触面である。図13では、積層体長手方向に垂直な連続シート積層体9の断面を示している。
【0090】
超音波付与部4aは、複数のヘッド46を有する。複数のヘッド46は、積層体幅方向に配列される。各ヘッド46は、図8のヘッド40と同様に、例えば超音波ホーンおよび超音波振動子を有する。各ヘッド46は、アンビルロール5aの外周面に対向する出力面461を有する。超音波付与部4aは、アンビルロール5aの接触面561と複数のヘッド46の出力面461との間に挟まれる連続シート積層体9の対象領域T1に対して、複数のヘッド46を介して超音波振動を付与する。上述の処理例と同様に、対象領域T1は、第1領域と、第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含み、超音波付与部4aは、第1領域に対向するヘッド46と、第2領域に対向するヘッド46とを有する。詳細には、図13の例では、第1領域は薄肉領域R1であり、第2領域は厚肉領域R3および中肉領域R2を含む。超音波付与部4aは、薄肉領域R1の略全体に対向するヘッド46と、中肉領域R2の略全体に対向するヘッド46と、厚肉領域R3の略全体に対向するヘッド46とを含む。
【0091】
図14は、超音波溶着装置1aを用いたサイドシール部77の形成の流れを示す図である。サイドシール部77の形成では、連続シート積層体9において製造途中の複数の吸収性物品6が、回転するアンビルロール5aの外周面上に順次導入されることにより、アンビルロール5aの接触面561と複数のヘッド46の出力面461との間にて対象領域T1が順次挟まれる(ステップS21)。超音波付与部4aでは、制御部(図示省略)の制御により、複数のヘッド46のうち第1領域に対向するヘッド46と、第2領域に対向するヘッド46とで、超音波振動の振幅を相違させつつ、対象領域T1に対して超音波振動が付与される(ステップS22)。具体的には、第1領域に対向するヘッド46における超音波振動の振幅が、第2領域に対向するヘッド46における超音波振動の振幅よりも大きい。これにより、第1領域の引張強度と第2領域の引張強度とが近似したサイドシール部77が形成される。
【0092】
サイドシール部77の形成が完了すると、連続シート積層体9においてサイドシール部77が形成された部位は、アンビルロール5aの外周面から離され、超音波溶着装置1aから搬出される。上記ステップS21,S22の処理は、連続シート積層体9上の複数の対象領域T1に対して順次行われる。なお、超音波付与部4aでは、薄肉領域R1に対向するヘッド46と、中肉領域R2に対向するヘッド46と、厚肉領域R3に対向するヘッド46とで、超音波振動の振幅が相違してもよい。本処理例では、複数のヘッド46により対象領域T1に作用する圧力は、略同じであるが、相違してもよい。
【0093】
図13の超音波溶着装置1aでは、処理対象の吸収性物品のサイズや種類を変更する場合、積層体幅方向における第1領域および第2領域の幅に合わせた複数のヘッド46に交換後、超音波振動の振幅率の設定値等を変更する作業のみで処理を開始することが可能となる。すなわち、超音波溶着装置1aでは、上記特許文献1(特開2017-113194号公報)の装置のような、ヘッドとアンビルとのクリアランスを調整する煩雑な作業が不要となり、適切なサイドシール部77を容易に形成することが可能となる。
【0094】
超音波付与部4aでは、複数のヘッド46における超音波振動の周波数が相違してもよい。この場合、例えば、第1領域に対向するヘッド46における超音波振動の周波数が、第2領域に対向するヘッド46における超音波振動の周波数よりも大きくされる。また、複数のヘッド46における超音波振動の付与時間(ヘッド46のON時間)が相違してもよい。この場合、例えば、第1領域に対向するヘッド46における超音波振動の付与時間が、第2領域に対向するヘッド46における超音波振動の付与時間よりも長くされる。
【0095】
以上のように、超音波溶着装置1aでは、複数のヘッド46のうち第1領域に対向するヘッド46と、第2領域に対向するヘッド46とで、設定される超音波振動の振幅、超音波振動の周波数、または、超音波振動の付与時間を相違させることにより、(相違させない場合に比べて)サイドシール部77の第1領域と第2領域との強度差を小さくすればよい。これにより、略均一な強度を有するサイドシール部77を適切に形成することができる。もちろん、超音波振動の振幅、超音波振動の周波数、および、超音波振動の付与時間のうち、2種類以上の設定値が、第1領域に対向するヘッド46と、第2領域に対向するヘッド46とで相違してもよい。
【0096】
上記超音波溶着装置1,1a、サイドシール部77の形成方法、および、吸収性物品6では様々な変形が可能である。
【0097】
図7の超音波溶着装置1では、超音波付与部4のヘッド40の出力面411上を、アンビルローラ51が移動するが、アンビルローラ51に代えて積層体幅方向(ドラム軸方向)に延びるブロック状のアンビルを設け、積層体幅方向の幅が小さいヘッドの出力面が、当該アンビルの接触面上を積層体幅方向に移動してもよい。また、アンビルおよびヘッドの双方が、対象領域T1に対して積層体幅方向に移動してもよい。以上のように、超音波溶着装置1では、移動部がアンビルの接触面、および、ヘッドの出力面の一方または双方を、対象領域T1に対して積層体幅方向に移動することにより、処理位置が積層体幅方向に移動すればよい。
【0098】
例えば、ボクサーパンツタイプの使い捨ておむつのように、サイドシール部77が長く、図7の超音波溶着装置1における単一のヘッド40ではサイドシール部77の全体を形成することができない場合等には、複数のヘッド40が積層体幅方向に並べられ、アンビルローラ51が複数のヘッド40の出力面411上を移動してもよい。この場合も、処理位置の移動に合わせて、処理位置が配置されるヘッド40における超音波振動の振幅等が制御される。
【0099】
吸収性物品6では、各サイドシール部77が、第1領域と、第1領域よりも坪量が大きい第2領域とを含む場合に、第1領域における、上下方向の単位長さ当たりの溶着痕の面積を、第2領域よりも大きくすることにより、略均一な強度を有するサイドシール部77が実現されてもよい。
【0100】
吸収性物品6は、子供用のパンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。また、上述の吸収性物品6の構造は、使い捨ておむつ以外のパンツタイプの使い捨て吸収性物品に利用されてもよい。
【0101】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0102】
1,1a 超音波溶着装置
4,4a 超音波付与部
5a アンビルロール
6 吸収性物品
7 外装シート
8 吸収体
9 連続シート積層体
10 制御部
12 回転機構
21 アンビル保持ドラム
22 カムドラム
40,46 ヘッド
51 アンビルローラ
61 胴部開口
62 脚部開口
77 サイドシール部
411,461 出力面
511 (アンビルローラの)接触面
512 凹凸パターン
561 (アンビルロールの)接触面
701 前方部
702 股下部
703 後方部
R1 薄肉領域
R2 中肉領域
R3 厚肉領域
S11,S12,S21,S22 ステップ
T1 対象領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14