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特許7170789手術用ドレープ並びに手術用ドレープ及び取付けセンサを含むシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】手術用ドレープ並びに手術用ドレープ及び取付けセンサを含むシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 46/10 20160101AFI20221107BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20221107BHJP
【FI】
A61B46/10
A61B34/30
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021084783
(22)【出願日】2021-05-19
(62)【分割の表示】P 2019216140の分割
【原出願日】2015-03-17
(65)【公開番号】P2021142332
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】61/954,187
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デヴェンジェンゾ,ローマン エル
(72)【発明者】
【氏名】ハナスチック,マイケル エル
(72)【発明者】
【氏名】ラボンヴィル,ジェラルド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】モーア,ポール ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】モリセット,タイラー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】オルバン サード,ジョセフ ピー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-167643(JP,A)
【文献】特開2005-237839(JP,A)
【文献】米国特許第06091058(US,A)
【文献】実開平05-086301(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 46/10
A61B 34/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作手術システムの患者側カートに滅菌障壁を提供するシステムであって、前記患者側カートは、メインカラムと該メインカラムから延びるアームとを含み、該アームはスパーを含み、該スパーは、前記スパーに沿って移動可能な器具キャリッジを支持し、当該システムは、
ドレープ本体と、
該ドレープ本体上のポケットと、
前記ドレープ本体に接続された取付け装置と、
前記スパーに取り付け、且つ前記ドレープ本体を前記スパーに固定するように構成されたクリップと、を含み、
前記ドレープ本体は、前記アームの少なくとも一部を覆うようにサイズ決め及び成形され、
前記ポケットは、前記アームの少なくとも前記一部を覆うドレープによって規定される滅菌境界の外部の位置に、ユーザの手の一部を収容するように構成され、
前記取付け装置は、前記アーム上の相補的な取付け装置と取り外し可能に係合可能である、
システム。
【請求項2】
器具キャリッジの器具作動インターフェイスアセンブリにおいて前記ドレープ本体を前記アームに取り付けるように構成される剛性結合部材をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記剛性結合部材は、前記器具作動インターフェイスアセンブリからの機械的入力を、前記器具作動インターフェイスアセンブリに結合された器具に伝達するように構成された滅菌アダプタを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
当該システムは、前記ドレープ本体に接続された可鍛性補強部材をさらに含み、該可鍛性補強部材は、前記ドレープ本体を選択的に成形するように構成可能である、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
当該システムは、前記患者側カートの前記メインカラムの少なくとも一部を覆うように構成された第2のドレープ本体をさらに含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
当該システムは、前記第2のドレープ本体に接続された第2の取付け装置をさらに含み、
該第2の取付け装置は、前記メインカラム上の第2の相補的な取付け装置と取り外し可能に係合可能である、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
当該システムは、前記ドレープ本体に接続された1つ又は複数の締結具をさらに含み、該締結具は、前記ドレープ本体を前記アームの周りに、及び第2のドレープ本体を前記メインカラムの周りに締め付けるように構成される、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
当該システムは、感知装置と相互作用して、前記アーム上の前記相補的な取付け装置への前記取付け装置の取付状態を感知するように構成されたセンサをさらに含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
当該システムは、前記ドレープ本体に取り付けられ、器具ケーブルを保持して配線するように構成されたケーブル支持体をさらに含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドレープ本体は、前記スパーを覆い、且つ前記器具キャリッジが前記スパーに沿って移動できるように構成され、
前記クリップは、前記ドレープ本体の端部を前記スパーに固定し、前記スパーに沿った前記器具キャリッジの移動中に前記ドレープ本体の前記端部が前記スパーから外れるのを防止するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記クリップは、前記スパーの湾曲面に形状が対応する湾曲部分と、該湾曲部分の両側に結合された2つの固定具とを含み、該固定具は前記スパーに取り付けられるように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年3月17日に出願された米国特許仮出願第61/954,187号について優先権を主張するものであり、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、手術システム及びこれに関連する装置及び方法の構成要素のための手術用ドレープに関する。
【背景技術】
【0003】
遠隔操作手術用器具だけでなく手動操作手術用器具(例えば、腹腔鏡、胸腔鏡)も含むことができるリモート制御手術用器具が、多くの場合、低侵襲性医療処置に使用されている。外科手術中に、遠隔操作手術システムの患者側カートは、患者に近接している。結果として、患者側カートの様々な部分は、体液及び他の非滅菌物質及び/又は表面と接触する可能性がある。患者側カートのアームのモータ、電子機器、及び/又は他の構成要素が滅菌プロセスによって損傷を受ける可能性があるため、手術用ドレープを使用して外科手術中にアームの一部を覆い、アームを交換する及び/又はアームの滅菌を行う必要性を最小化又は排除してきた。
【0004】
手術用ドレープは有効であったが、依然として手術用ドレープについて更なる改善が望まれている。例えば、外科手術の準備においてドレープの設置及び管理を容易にすることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の例示的な実施形態は、上述した問題の1つ又は複数を解決することができ、及び/又は上述した望ましい特徴の1つ又は複数を実証することができる。他の特徴及び/又は利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、遠隔操作手術システムの患者側カートのための手術用ドレープは、本体と、取付け装置機構とを含むことができる。本体は、患者側カートのアーム又はメインカラムの少なくとも一部を覆うようにサイズ決め及び成形することができる。取付け装置機構を本体に接続することができる。取付け装置機構は、アーム又はメインカラムの少なくとも一部を手術用ドレープを用いて覆うように、手術用ドレープをアーム又はメインカラムに設置するように構成することができる。取付け装置機構は、アーム又はメインカラム上の手術用ドレープの設置位置のセンサによって検出可能である。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、遠隔操作手術システムのための患者側カートは、ベースと、ベースに接続されるメインカラムと、手術用器具を支持するためにメインカラムに接続されるアームとを含むことができる。メインカラム及びアームの少なくとも一方は、アーム又はメインカラム上の手術用ドレープの設置位置において、手術用ドレープの取付け装置機構の存在を検出するセンサを含むことができる。
【0008】
別の例示的な実施形態によれば、遠隔操作手術システムの患者側カートのための手術用ドレープは、本体と、取付け装置機構とを含むことができる。本体は、患者側カートのメインカラムの少なくとも一部を覆うようにサイズ決め及び成形することができる。取付け装置機構は、手術用ドレープをメインカラムに設置するように構成することができる。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、手術システムの患者側カートのための手術用ドレープを設置する方法は、手術用ドレープの取付け装置機構の有無を検出するステップを含むことができる。取付け装置機構の存在が検出された場合に、手術用ドレープは、患者側カートの一部に設置された状態である。この方法は、その検出に基づいて、患者側カートの一部上の手術用ドレープの設置状況に関するフィードバックを送信するステップをさらに含むことができる。
【0010】
更なる目的、特徴及び/又は利点は、一部が以下の詳細な説明に記載され、及び一部が詳細な説明から明らかになり、又は本開示及び/又は特許請求の範囲を実施することによって理解することができる。これらの目的及び利点の少なくとも一部は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組合せによって実現され、達成することができる。
【0011】
前述した概要の説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示及び説明のためだけであり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。むしろ、特許請求の範囲は、均等物を含む完全な範囲に権利範囲が及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】例示的な実施形態による患者側カートの斜視図である。
図2】例示的な実施形態による概略的に示される手術用ドレープを含む患者側カートの側面図である。
図3】例示的な実施形態による手術用ドレープの斜視図である。
図4】例示的な実施形態による患者側カートの一部の斜視図である。
図5】例示的な実施形態による磁性アタッチメントの上面図である。
図6】別の例示的な実施形態による磁性アタッチメントの上面図である。
図7】さらに別の例示的な実施形態による磁性アタッチメントの上面図である。
図8】別の例示的な実施形態による磁性アタッチメントの上面図である。
図9】例示的な実施形態による概略的に示される手術用ドレープを含む患者側カートの一部の斜視図である。
図10A】例示的な実施形態による取り付けられていない状態の手術用ドレープの側面図である。
図10B】例示的な実施形態による取り付けられていない状態の患者側カートの一部の側面図である。
図11】取り付けられた状態の図10の手術用ドレープ及び患者側カートの一部を示す図である。
図12A】例示的な実施形態による取り付けられていない状態の手術用ドレープの側面図である。
図12B】例示的な実施形態による取り付けられていない状態の患者側カートの一部の側面図である。
図13】例示的な実施形態によるドレープのためのハンドリング部材の斜視図である。
図14】例示的な実施形態によるハンドリング部材に取り付けられたドレープの断面図である。
図15】例示的な実施形態による位置合せ開孔部を含むハンドリング部材の平面図である。
図16図15の反対側の面を示す図15のハンドリング部材の平面図である。
図17】例示的な実施形態による2つの取付け装置を含むハンドリング部材の平面図である。
図18】例示的な実施形態によるポケットを含むドレープの平面図である。
図19図18のドレープの側面図である。
図20】本実施形態に係る患者側カートのアームのスパーの側面図であり、キャリッジが後退位置においてスパー上にある。
図21】キャリッジが挿入位置にある図20のスパーを示す図である。
図22】本実施形態に係るスパー・クリップを含むドレープの上面図である。
図23】例示的な実施形態によるスパー・クリップの斜視図である。
図24図23のスパー・クリップの別の斜視図である。
図25】例示的な実施形態によるドレープで覆われた患者側カートのアームのスパーの側面図であり、キャリッジが挿入位置においてスパー上にある。
図26】キャリッジが後退位置にある図25のスパーを示す図である。
図27】例示的な実施形態によるドレープにチャネルを形成する可鍛性ストリップを含むドレープの斜視図である。
図28】例示的な実施形態による磁石及び金属部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、添付図面単独で、又は添付図面と一緒に以下の詳細な説明から理解することができる。図面は、本開示の更なる理解を提供するために含められ、且つ本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本教示の1つ又は複数の例示的な実施形態を示し、詳細な説明と共に、特定の原理及び動作を説明するのに役立つ。
【0014】
例示的な実施形態を示すこの詳細な説明及び添付の図面は、限定するものとして解釈すべきではない。種々の機械的、組成的、構造的、電気的、及び操作上の変更は、本明細書及び均等物を含む特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。いくつかの例では、周知の構造及び技術は、明細書の開示を不明瞭にしないために、詳細に示されていない又は記載していない。複数の図面における同様の参照符号は、同一又は同様の要素を表す。さらに、ある実施形態に関連して詳細に説明した要素及びそれら関連機能は、実用上いつでも、具体的に図示又は説明されていない他の実施形態に含めることができる。例えば、ある要素が1つの実施形態を参照して詳細に説明されているが、第2の実施形態を参照して説明されていない場合に、この要素は、それにもかかわらず、第2の実施形態に含まれるように権利範囲に含まれる。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的について、特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される量、パーセンテージ、又は比率を表す全ての数字、及び他の数値は、修飾されていない場合であっても、「約」という用語によって全ての場合において修飾されるものとして理解すべきである。従って、特に断らない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に依存して変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限させないように、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の数字を丸める技術を適用することによって少なくとも解釈すべきである。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合に、単数形「1つの(a, an)」や、「その(the)」、及び任意の単語の単数形の使用は、1つの指示対象に明白に且つ明確に限定されない限り、複数の対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用する場合に、用語「含む、有する(include)」及びその文法的活用形は、非限定的であることを意図しており、それによって、リスト中の項目の列挙は、列挙された項目に交換又は追加することができる他の同様な項目を除外するものではない。
【0017】
また、本明細書の用語は、本明細書の開示又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。例えば、「の下に(beneath)」、「より下に(below)」、「下の(lower)」、「の上に(above)」、「上の(upper)」、「基端の(distal)」、「先端の(distal)」等の相対的な空間を示す用語は、図面の向きに示されるようなある要素や機能に対する別の要素や機能の関係を説明するために使用される。これらの相対的な空間を示す用語は、図面に示される位置及び向きに加えて、使用又は操作における装置の異なる位置(すなわち、場所)及び向き(すなわち、回転配置)を包含することを意図している。例えば、図中の装置をひっくり返した場合に、他の要素又は機能「より下に(below)」又は「の下に(beneath)」として説明された要素は、次に他の要素又は機能「の上に(above)」又は「の上に(over)」になるだろう。こうして、例示的な用語「より下に(below)」は、「の上に(above)」及び「より下に(below)」の位置及び向きの両方を包含することができる。装置は、他の方法で向き合わせする(90度回転又は他の向きに回転する)ことができ、本明細書で使用する相対的な空間記述は、それに応じて解釈することができる。手術用器具の相対的な基端方向及び先端方向が、図にラベル付けされている。
【0018】
本開示は、手術用ドレープの設置を容易にする機構を含む、遠隔操作手術システムの患者側カートの一部を覆うための様々な手術用ドレープを企図する。例えば、機構は、ドレープを保持する方法を容易にするとともに滅菌野の維持を容易にするように、ドレープのハンドリングを補助するために設けることができる。別の例では、システムは、ドレープが設置されているか否かを感知し、ドレープの設置状況に関するフィードバックをユーザに提供することができる。さらに、ドレープの材料は、例えばドレープの特定の使用目的に基づいて、選択してもよい。
【0019】
本開示の様々な例示的な実施形態は、遠隔操作手術システムの患者側カートのアームの少なくとも一部、又はメインカラムの少なくとも一部を覆うための手術用ドレープを企図する。様々な例示的な実施形態による手術用ドレープは、患者側カートのアームの一部を覆うように使用される場合等に、例えば、熱可塑性ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、又は高密度ポリエチレン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエステルで作製してもよい。別の例では、手術用ドレープは、ドレープを使用してカートのメインカラムの少なくとも一部を覆う場合等に、例えば、低密度ポリエチレンで作製してもよい。手術用ドレープは、例えば、鉄系金属部材等の金属部材、又は磁石等の取付け装置機構を含むことができる。手術用ドレープは、例えばフック等の、ドレープに接合されるケーブル支持体を含むことができ、それによってケーブル支持体は、ユーザによって容易にアクセスすることができる。ケーブル支持体は、ドレープにより少なくとも部分的に覆われた物体にケーブル支持体を取り付けるための取付け装置を含むことができる。ケーブル支持体用の取付け装置は、ドレープ用の取付け装置機構から分離され異なっていてもよく、又は同一の付属装置であってもよい。ドレープを滑り嵌めに成形する、又はドレープを覆われる物体から離れる方向に延びる形状に、例えばドレープを例えばチャネル形状やコンパクトに折り畳まれたパターンに成形等するために、例えば、位置合せ開孔部を含み得るハンドリング部材、ユーザが手を内部に挿入するポケット、滅菌境界インジケータ、スパー・クリップ、及び/又は可鍛性ストリップ等の様々な機構によって、ドレープ等の設置を補助することができる。
【0020】
本開示の様々な例示的な実施形態は、遠隔操作手術システムのための患者側カートをさらに企図し、このカートは、ドレープと係合し且つドレープを固定するための取付け機構を含む。カートは、例えば、ベースと、ベースに接続されたメインカラムと、手術用器具を支持するためにメインカラムに接続された少なくとも1つのアームとを含むことができる。メインカラム及びアームの少なくとも一方は、手術用ドレープを接続するための取付け装置機構を含むことができる。取付け装置は、例えば、鉄系金属部材等の金属部材、又磁石であってもよい。磁石は、例えば、リング、円形、正方形、矩形、又は他の形の形状を有してもよい。メインカラム及びアームの少なくとも一方は、手術用ドレープが設置されたことを検出するためのセンサをさらに含むことができる。センサは、取付け装置が金属部材及び磁石を含む場合等に、例えば誘導センサであってもよい。例示的な実施形態によれば、アーム及びメインカラムの各々は、取付け装置機構及びセンサを含むことができる。
【0021】
図1をここで参照すると、遠隔操作手術システムの患者側カート100の例示的な実施形態が、示されている。遠隔操作手術システムは、患者側カート100の器具を制御するためにユーザからの入力を受信するための外科医コンソール(図示せず)だけでなく、例えば2013年12月5日に公開された”Multi-Port Surgical Robotic System Architecture”という標題の米国特許出願公開第2013/0325033号明細書、及び2013年12月5日に公開された”Redundant Axis and Degree of Freedom for Hardware-Constrained Remote Center Robotic Manipulator”という標題の米国特許出願公開第2013/0325031号明細書に記載されるような補助制御/ビジョンカート(図示せず)を含んでもよく、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。非限定的な例として、本開示によって企図されるタイプの遠隔操作手術システムは、Intuitive Surgical, Inc.から入手可能なda Vinci(登録商標)手術システムを含む。
【0022】
患者側カート100は、ベース102と、メインカラム104と、メインカラム104に接続されたメインブーム106とを含むことができる。患者側カート100は、複数のアーム110,111,112,113も含むことができ、各アームは、メインブーム106に接続することができる。アーム110,111,112,113の一部は、アーム110について示されるように、器具130を取り付けることができる器具取付け部120を含むことができる。アーム110,111,112,113は、外科医コンソールのユーザによって提供される命令に応じて外科手術中に操作することができる。例示的な実施形態では、外科医コンソールから伝達される信号(複数可)又は入力(複数可)を制御/ビジョンカートに伝達することができ、制御/ビジョンカートは、入力(複数可)を解釈し、患者側カート100に伝達すべき命令(複数可)又は出力(複数可)を生成して、器具130(そのような1つのみの器具が図1に取り付けられる)及び/又は(器具130が患者側カート100に結合される)アーム110の部分の操作を引き起こす。
【0023】
例示的な実施形態によれば、器具取付け部120は、作動インターフェイスアセンブリ122と、カニューレ取付け部124とを含むことができ、器具130のシャフト132が、付属品取付け部124を通って(外科手術中に手術部位上に)延びており、及び器具の力伝達機構134が、作動インターフェイスアセンブリ122と接続する。付属品取付け部124は、カニューレ(図示せず)を保持するように構成することができ、このカニューレを介して、器具130のシャフト132が、外科手術中に手術部位に延びることができる。作動インターフェイスアセンブリ122は、外科医コンソールの入力命令に応答して制御され且つ力伝達機構134に力を伝達して器具130を作動させるための様々な機構を含むことができる。
【0024】
図1の例示的な実施形態は、見易さのためにアーム110のみに取り付けられた器具130を示しているが、器具は、アーム110,111,112,113のいずれか又はそれぞれに取り付けることができる。器具130は、エンドエフェクタを含む手術用器具であってもよく、又は外科手術中に利用され、遠隔手術部位の情報(例えば、視覚化、電気生理学活性、圧力、流体の流れ、及び/又は他の感知データ)を提供するカメラ機器又は他の感知器具であってもよい。図1の例では、エンドエフェクタ含む手術用器具又はカメラ機器のいずれかが、アーム110,111,112,113のいずれかに取り付けられ及びこれらと共に使用することができる。しかしながら、本明細書に記載の実施形態は、図1の例示的な実施形態に限定されるものではなく、種々の他の遠隔操作手術システムの構成を、本明細書に記載の例示的な実施形態と一緒に使用してもよい。
【0025】
患者側カートのアーム(複数可)に取り付けられた1つ又は複数の器具を使用する外科手術中に、アーム(複数可)は、手術部位に近接している。その結果、手術システムのアーム(複数可)は、汚染される可能性がある。アームの交換はコストを伴い、滅菌を行うことができるが、滅菌処置(例えば、オートクレーブ)は、例えば、モータ、電子機器、及び他のアーム部品等の、熱に敏感なアームの部品に損傷を与えるリスクがある。これらの考察に鑑みて、患者側カートのアームの少なくとも一部は、アームの汚染を最小化又は排除するために、外科手術中に手術用ドレープにより覆うことができる。
【0026】
図2を参照すると、遠隔操作手術システムの患者側カート300の側面図が、示されている。例示的な実施形態によれば、患者側カート300は、図1の例示的な実施形態に従って構成することができ、ベース302と、メインカラム304と、アーム310等の複数のアームが接続されるメインブーム306とを含むことができる。アーム310は、図1の例示的な実施形態に関して上述したように、器具取付け部320を含むことができる。図2の例示的な実施形態では、アーム310の手術用ドレープ330は、アーム310の汚染を最小化又は排除するべく、手術用ドレープ330によってアーム310の少なくとも一部を覆い得る方法を例証するために破線で概略的に示されている。手術用ドレープ330は、以下で詳細に説明するように、手術用ドレープ330をアーム310に取り付けるための取付け装置332を含むことができる。単一の取付け装置332が、図2の例示的な実施形態に示されているが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、単一の取付け装置332に限定されるものではなく、代わりに、例えば、2つ、3つ、4つ、又は任意数の取付け装置332を含んでもよい。
【0027】
例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ330は、例えばフック等のケーブル支持体334も含むことができる。ケーブル支持体334を使用して、例えば、患者側カート300のアームに取り付けられる(例えば、撮像器具を含む)器具(図示せず)から延びるデータ信号ケーブル及び/又は光ファイバケーブル等の、アーム又は器具の部品から延びるケーブルを支持することができる。単一のケーブル支持体334が図2の例示的な実施形態に示されているが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、単一のケーブル支持体334に限定されるものではなく、代わりに、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のケーブル支持体334を含んでもよい。さらに、手術用ドレープ330は、ケーブル支持体334無しで提供してもよい。本明細書に記載のドレープの様々な例示的な実施形態がケーブル支持体を含んでもよいが、ドレープは、ケーブル支持体を欠いていてもよく、代わりに患者側カートに接続することができる。例えば、ケーブル支持体334は、代わりにアーム310に接続してもよい。
【0028】
例示的な実施形態によれば、滅菌アダプタ336が、手術用ドレープ300の滅菌側に配置される器具(図示せず)と手術用ドレープ300の非滅菌側に配置されるアーム310との間にインターフェイスを提供するように、手術用ドレープ300に取り付けることができる。器具は、滅菌アダプタ336を介してアーム310の器具取付け部320に取り付けることができる。滅菌アダプタ336は、器具とアーム310との間の機械的及び電気的なエネルギー及び信号の伝送を許容しながら、手術用ドレープ300の滅菌側と手術用ドレープ300の非滅菌側との間の障壁を維持するために提供することができる。例えば、滅菌アダプタ336は、図1の例示的な実施形態の作動インターフェイスアセンブリ122と力伝達機構134との間のインターフェイスとして機能することができ、それによって、機械的及び電気的なエネルギー及び信号を、作動インターフェイスアセンブリ122と力伝達機構134との間で伝達させることができる。滅菌アダプタの様々な例示的な実施形態は、例えば、2010年2月23日に付与された”Robotic Surgical System with Sterile Surgical Adaptor”という標題の米国特許第7,666,191号に開示されており、この文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0029】
アームが手術部位に近接しているので、手術用ドレープを患者側カートのアームに使用することができるが、手術用ドレープは、外科手術中に他に汚染され得る患者側カートの他の部分に使用することもできる。例えば、患者側カート300のメインカラム304は、手術部位に十分に近くにあり、様々な物質(例えば、体液等)及び/又は他の非滅菌面に接触する可能性を有する。従って、メインカラム304の少なくとも一部を、図2の例示的な実施形態に破線で概略的に示される手術用ドレープ340で覆ってもよい。手術用ドレープ340は、この手術用ドレープ340をメインカラム304に取り付けるための取付け装置342を含むことができる。単一の取付け装置342が図2の例示的な実施形態に示されているが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、単一の取付け装置342に限定されるものではなく、代わりに、例えば、2つ、3つ、4つ、又は任意数の取付け装置342を含んでもよい。手術用ドレープ330と同様に、1つ又は複数のケーブル支持体344無しで手術用ドレープ340を提供してもよいが、手術用ドレープ340は、アーム又は器具の部品から延びるケーブルを支持するための1つ又は複数のケーブル支持体344も含むことができる。例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ340は、図2に示されるように、メインブーム306とベース302との間のメインカラム304の全体を覆うことができ、又は手術用ドレープは、メインブーム306とベース302との間のメインカラム304の一部を覆うことができる。
【0030】
図3を参照すると、手術用ドレープ400の例示的な実施形態が、示されている。手術用ドレープ400は、図2の例示的な実施形態によれば、アーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330、又はメインカラム304の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ340とすることができる。手術用ドレープ400は、患者側カートのアーム310の少なくとも一部又はメインカラム304の少なくとも一部を覆う本体410を含むことができる。本体410は、例えば、シート、チューブの形態、又は当業者によく知られている他の形態であってもよい。本体410は、見易くするために図3の例示的な実施形態において略平坦な矩形の形状を有するものとして描かれているが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、平坦な矩形の本体410に限定されるものではなく、図3の例示的な実施形態に描かれる以外の形状等を有してもよい。例えば、手術用ドレープの本体は、覆うように設計されたアーム又はメインカラムの部分に対応する形状を有してもよい。
【0031】
本体410は、手術用ドレープに適したポリマー材料で作製することができる。例示的な実施形態によれば、本体410は、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、PET、ポリエステル、又はこれらの組合せを含んでもよい。例示的な実施形態によれば、図2の例示的な実施形態のように、手術用ドレープ400が、アーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330又はメインカラム304の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ340である場合に、本体410を同じ材料で作製することができる。
【0032】
別の例示的な実施形態によれば、本体410は、ドレープ400がアーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330又はメインカラム304の少なくとも一部分を覆うための手術用ドレープ340として使用されるかに基づいて、異なる材料で作製してもよい。ドレープ400がアーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330として使用される場合に、材料は、このような設置に使用されるドレープ330に望ましい特性を考慮して選択することができる。例えば、アーム310の一部を外科手術中に作動させ得るので、可撓性を有するドレープ材料を選択することができ、ドレープ330が、アーム310を作動させるときにドレープ自体で擦れ又は(アームと310が他のアームに衝突する場合等の)他の物体に接触し得るので、耐擦傷性について、ドレープの表面同士の間の擦れを最小化するために滑らかな表面を有し、及び/又は、例えば透明(又は、半透明)、折り畳みの容易さ、及び低リンティング(linting)(ほつれ・毛羽立ち)等の様々な他の特性を有する。
【0033】
例示的な実施形態によれば、ドレープ400がアーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330として使用される場合に、本体410は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、CSRラップ材(central supply room material)(典型的には、天然セルロース繊維)、ナイロンブレンド、ポリプロピレン、ポリエステル、及び当業者によく知られている他の材料であってもよい。本体410の材料は、本体410に使用される材料の特性に影響を与えるフィラーをさらに含むことができる。例えば、本体410の材料は、例えば、本体410の色、質感、及び/又は帯電防止性に影響を与えるフィラーを含んでもよい。
【0034】
別の例では、本体410の材料は、材料の粘着性を低減し、材料自体に対して固着又は擦過を最小限にするために潤滑性フィラーを含んでもよく、このフィラーによって、設置中にドレープの取り扱いを容易にすることもできる。例示的な実施形態によれば、本体410の材料は、例えば約0.10~約0.15の範囲の摩擦係数を有してもよい。例示的な実施形態によれば、TPUは、潤滑性フィラーを含み、且つ例えば約0.11~約0.13の範囲の摩擦係数を有してもよい。潤滑性フィラーを含むTPUの例は、American Polyfilmによる品番IS-2001の材料である。上述した種々の材料で作製される本体410は、例えば、Du PontによるTeflon(登録商標)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティング等のコーティングを含んでもよい。さらに、ドレープ400がアーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330として使用される場合に、本体410は、例えば約0.0254mm(0.001インチ)~約0.2032mm(0.008インチ)の範囲の厚さを有してもよい。
【0035】
例示的な実施形態によれば、ドレープ400がメインカラム304の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ340として使用される場合に、本体410は、メインカラム304での使用に適した特性を有する材料で作製することができる。例示的な実施形態によれば、本体410は、例えば、TPU、超高分子量ポリエチレン、LDPE、HDPE、CSRラップ材料(central supply room material)(典型的には、天然セルロース繊維)、ナイロンブレンド、ポリプロピレン、ポリエステル、及び当業者によく知られている他の材料で作製してもよい。例示的な実施形態によれば、ドレープ340として使用する場合に、本体410は、本体(材料)自体に対する付着及び穿刺抵抗を最小化する材料で作製することができる。本体410は、例えば、LDPE、及び当業者によく知られている他の材料で作製してもよい。例示的な実施形態によれば、本体410の材料は、本体410の材料の特性に影響を与える1つ又は複数のフィラーを含むことができる。例えば、本体410の材料は、ドレープによってドレープ自体又は他の物体にくっつき得る静電気を低減させる帯電防止フィラーを含んでもよく、こうしてドレープの取り扱いを容易にする。帯電防止フィラーは、例えば、P/Nであってもよい。また、メインカラム304のドレープ400の厚さは、アーム310のドレープ330の厚さ未満であってもよい。本体410は、ドレープ340で使用する場合に、例えば、約0.0254mm(0.0010インチ)~約0.0381mm(0.0015インチ)の範囲の厚さを有してもよい。
【0036】
本体410は、図3の例示的な実施形態に単一部品として描かれているが、本体410は、互いに接合される、上述した各種材料から構成される複数の部品を含んでもよい。複数の本体部品を、例えば、接着、熱溶接、高周波溶接、及び当業者によく知られている他の技術によって接合してもよい。例示的な実施形態によれば、ドレープ400がアーム310の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ330として使用される場合に、本体410は、単一の層の材料(例えば、本明細書に記載の材料のいずれか、又はそれらの組合せ)とすることができるが、複数の層を使用してもよい。
【0037】
例示的な実施形態によれば、ドレープ400がメインカラム304の少なくとも一部を覆うための手術用ドレープ340として使用される場合に、本体410は、複数の層を含むことができるが、単一の層を使用してもよい。例えば、手術用ドレープ340の本体410は、3つの層を含むことができ、外部層(第1の層及び第3の層)は、例えば静電防止フィラーを含むLDPE等の、材料のその材料自体に対するくっつきを最小限に抑える材料で作製され、及び中間層(第2の層)は、例えば純粋なLDPE等の穿刺抵抗材料で作製される。しかしながら、手術用ドレープ340として使用される場合に、ドレープ400の本体410は、3つの層に限定されるものではなく、代わりに、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の層を含んでもよい。
【0038】
手術用ドレープ400は、手術用ドレープ400を患者側カートの一部に取り付け、ドレープ400が覆っている1つ又は複数の取付け装置を含むことができる。例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ400は、取付け装置の第1部分402を含むことができる。手術用ドレープ400が取り付けられる患者側カートの一部は、第1部分402をドレープに取り付けるために接合する、取付け装置の対応する第2部分を有することができる。取付け装置の1つの第1部分402のみが図3の例示的な実施形態に示されているが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、単一の取付け装置に限定されるものではなく、代わりに、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のこのような取付け装置を含んでもよい。
【0039】
以下で詳細に説明するように、患者側カートのセンサは、手術用ドレープ400を患者側カートに取り付けたときに、例えば、患者側カート300のアーム310又はメインカラム304等を検出するように構成することができる。例示的な実施形態によれば、患者側カートのセンサは、取付け装置の第1部分402の存在を検出する(例えば、第1部分402がセンサと相互作用する)ことにより、手術用ドレープ400が何時取り付けられたかを検出することができる。患者側カートのセンサは、手術用ドレープ400の取付けが検出されると、患者側カートの制御装置に信号を送信するように構成することができる。他に制御装置がセンサからの信号を受信していない場合に、手術システムは、手術システムを使用するための準備に関連付けられたフィードバックをユーザ又は他の担当者に発するように構成してもよい。例示的な実施形態によれば、このようなフィードバックは、例えば、手術システムの外科医コンソール及び/又は補助装置における可聴及び/又は視覚的な警告を含むことができるが、これらに限定されるものではない。こうして、取付け装置402及び患者側カートのセンサは、患者側カートの1つ又は複数の部分上にドレープを設置するためのリマインダ(合図)として機能することができる。
【0040】
手術用ドレープ400は、取付け装置402以外の他の機構を含むことができる。例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ400は、ドレープの取付けを検出するためのセンサと相互作用することなく、手術用ドレープ400を患者側カートの一部に取り付けるように構成された1つ又は複数の取付け装置412を含むことができる。取付け装置412は、例えば、種々の機械的締結具(例えば、スナップ式締結具)、磁気締結具、又は当業者によく知られている他のタイプの締結具から選択することができる。図2の例示的な実施形態に関して上述したように、手術用ドレープ400は、フック404等の1つ又は複数のケーブル支持体をさらに含むことができる。例示的な実施形態によれば、フック404は、例えば、接着、熱シール、又は当業者によく知られている他の技術によってフック404を本体410に接合することにより、ドレープ400自体に取り付けることができる。ドレープ400の下のアーム又はメインカラムの代わりに手術用ドレープ400にフック404を取り付けることによって、フック404は、ユーザによって容易にアクセスすることができ、患者側カートに取り付けられた手術用器具又は撮像機器からのデータ信号又は電気ケーブル等の、部品又は器具からのケーブルを支持する。例示的な実施形態によれば、フック404は、図2の例示的な実施形態のアーム310用のドレープ330等のアーム用のドレープに存在してもよいが、図2の例示的な実施形態のメインカラム304用のドレープ340等の、メインカラムのドレープに存在しなくてもよい。
【0041】
例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ400は、上述した構造を組み合わせた又は上述した構造のいずれかとは独立した、他の構造を含むことができる。例えば、手術用ドレープ400は、ドレープ400によって覆うことを意図する部品の周りで手術用ドレープ400を屈曲及び形成する1つ又は複数の成形装置408を含むことができる。成形装置408は、例えば、ストリップを折り曲げた形状に実質的に保持するように構成された可鍛性(malleable)ストリップ(例えば、可鍛性金属ストリップ又はワイヤ)であってもよい。成形装置408を使用して、例えば手術用ドレープ400を患者側カートの一部の周りでよりぴったりフィットさせるように、手術用ドレープ400を所望の形状に成形することができ、手術用ドレープ400は、患者側カートの一部の周りで可鍛性ストリップを変形することにより取り付けられ、それによって、ドレープ400は、患者側カートの覆われた部分に対応する形状を有する。成形装置は、手術用ドレープ400を所定の位置に保つのに役立つ重りとしても使用することができる。例えば、手術用ドレープ400は、手術用ドレープ400を所定の位置に保持する重りとして機能する成形装置409を手術用ドレープ400の底部に含んでもよい。
【0042】
例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ400は、手術用ドレープ400が患者側カートのアームの少なくとも一部を覆うためのものである場合等に、図2の例示的な実施形態の滅菌アダプタ336等の滅菌アダプタ406を含むことができるが、手術用ドレープ400は、手術用ドレープ400が患者側カートのメインカラムの少なくとも一部を覆うように構成されている場合等に、滅菌アダプタ406を含む必要はない。
【0043】
図3の例示的な実施形態に関して上述したように、手術用ドレープの取付け装置は、ドレープをカートに取り付けることができるように、一緒に接合するときに互いに係合するように構成された第1及び第2部分等の別個の部品を含んでもよい。図4を参照すると、例えば、図3の例示的な実施形態の手術用ドレープ400等の手術用ドレープを取り付ける患者側カートの一部500の斜視図が、示されている。患者側カートの一部500は、例えば、図2の例示的な実施形態のアーム310等のアームの一部であってもよく、又は、図2の例示的な実施形態のメインカラム304等メインカラムの一部であってもよい。
【0044】
図4の例示的な実施形態に示されるように、患者側カートの一部500は、患者側カートの一部500の表面510等の、取付け装置の第2部分502を含むことができる。取付け装置の第2部分502は、図3の例示的な実施形態の取付け装置の第1部分402と係合する等により、手術用ドレープ上の取付け装置の第1部分と係合して患者側カートの一部500にドレープを取り付けるように構成することができる。例示的な実施形態によれば、取付け装置は、磁性アタッチメント装置であってもよい。例えば、第1部分402及び第2部分502の一方は、磁石であってもよく、他方は、磁石によって引き付けられる鉄系金属部材等の金属部材であってもよい。例示的な実施形態によれば、手術用ドレープ400の第1部分402は、金属部材であってもよく、第2部分502は、金属部材を引き付ける磁石であってもよく、それによって手術用ドレープ400を患者側カートの一部500に引き付けることができる。例示的な実施形態によれば、第1部分402は、ネオジム鉄ホウ素合金、又は当業者によく知られている他の磁性合金で作製してもよく、第2部分は、合金鋼、又は当業者によく知られている他の金属合金で作製してもよい。
【0045】
磁性アタッチメント装置に使用される部品は、様々な形状を有してもよい。図5の例示的な実施形態に示されるように、図4の例示的な実施形態の第2部分502等の、取付け装置に使用される磁石520は、リング形状を有してもよい。対応する金属部材は、円形形状を有してもよい。磁石のリング形状等の円形形状は、ドレープを患者側カートの一部に取り付ける場合等に、取付け装置の部品の位置合せを容易にすることができる。例えば、取付け部品のコーナー部同士の間の正確な位置合せは、円形形状を有する取付け部品を接続する場合に、必要とされない。磁石及び金属部材の形状は、磁石と金属部材との間の係合を容易にすることができる。図28を参照すると、磁石1502及び金属部材1512の断面図が、示されている。磁石1502及び金属部材1512は、例えば、図3及び図4の例示的な実施形態の第1部分402及び第2部分502として使用される。金属部材1512は、金属部材1512と磁石1502との係合を容易にする突起部1514を含むことができる。例えば、突起部1514によって、マグネット1502上に金属部材1512を中心決めすることができる。磁石1502が中央開孔部1504を含むリング形状を有する場合に、突起部1514を中央開孔部1504内に受容することができる。突起部1514によって、磁石1502に対する金属部材1512の横方向スライドを最小化又は防止することもできる。例えば、図6の例示的な実施形態の円形状530、図7の例示的な実施形態の正方形540、図8の例示的な実施形態の矩形550、及び他の様々な形状等の他の形状を、本明細書に記載の例示的な実施形態の磁石及び金属部材に使用してもよい。
【0046】
図9を参照すると、患者側カートの一部610が、手術用ドレープ620により少なくとも部分的に覆われた状態で示されており、手術用ドレープ620は、ドレープ取付け装置を介して患者側カートの一部610に取り付けられる。患者側カートの一部610は、例えば、図3の例示的な実施形態のようにアーム310又はメインカラム304とすることができ、及び手術用ドレープ620は、図3の例示的な実施形態のように手術用ドレープ330又は340とすることができる。ドレープ取付け装置は、例えば、金属部材等の第1部分622、及び例えば、図9の例示的な実施形態に示される図中の第1部分622によって覆われている例えば磁石等の第2部分を含むことができる。手術用ドレープ620は、図9の例示的な実施形態において患者側カートの一部610に取り付けられた状態で示される、例えばフック等のケーブル支持体624をさらに含む。
【0047】
例示的な実施形態によれば、ケーブル支持取付け装置を使用して、ケーブル支持体を患者側カートに取り付けることができる。ケーブル支持体を患者側カートの一部に取り付けてケーブル支持体を支持することが望ましいが、手術用ドレープで覆われないようにケーブル支持体を配置して、ケーブル支持体をアクセスし易くすることが望ましいであろう。従って、例示的な実施形態によれば、ケーブル支持取付け装置は、第1部分と、ケーブル支持体を所定の位置に固定する第1部分と係合するように構成された第2部分とを含むことができる。図4に概略的に示されるように、ケーブル支持取付け装置の第2部分504を、患者側カートの一部500に接続することができ、それによってケーブル支持体は、患者側カートの一部500に固定され、且つ患者側カートの一部500によって支持される。図9の例示的な実施形態では、ケーブル支持体624は、ケーブル支持取付け装置の第2部分614を介して患者側カートの一部610に取り付けられた状態になっており、ケーブル支持取付け装置の第1部分は、図9では見えない。
【0048】
容易にアクセスできるケーブル支持体を形成するために、ケーブル支持取付け装置の第1部分は、手術用ドレープに取り付けられるケーブル支持体の一部に接続することができる。結果として、図9の例示的な実施形態に示されるように、ケーブル支持体624は、手術用ドレープ620の下に配置される代わりに、ケーブル支持体624が手術用ドレープ620の表面に固定されるので、容易にアクセスすることができる。また、たとえケーブル支持体624が手術用ドレープ620の滅菌側に配置されていても、ケーブル支持体624は、ケーブル支持取付け装置を介して患者側カートの一部610に積極的に取り付けられ、且つ支持される。
【0049】
図10を参照すると、例示的な実施形態による手術用ドレープ710と、ドレープ710が設置されていない状態の患者側カートの一部700の側面図が、示されている。患者側カートの一部700は、例えば、図3の例示的な実施形態のようにアーム310又はメインカラム304とすることができ、及び手術用ドレープ710は、図3の例示的な実施形態のように手術用ドレープ330又は340とすることができる。手術用ドレープ710は、手術用ドレープ710を部分700に取り付けるために、部分700上の相補的な第2部分702と係合するように構成されたドレープ接続装置の第1部分712を含む。手術用ドレープ710は、手術用ドレープ710の滅菌側715に固定されたケーブル支持体716をさらに含み、次にケーブル支持接続装置を介して患者側カートの一部700に取り付けることができる。例示的な実施形態によれば、ケーブル支持接続装置は、手術用ドレープ710に接続されるとともに手術用ドレープ710の非滅菌側717から延びる第1部分714を含むことができ、第2部分704が、患者側カートの一部700に接続される。第1部分714及び第2部分704は、互いに係合するように構成されるので、ケーブル支持体716は、取り付けられた状態の手術用ドレープ710及び患者側カートの一部700を描く図11に示されるように、患者側カートの一部700に接続され、且つ支持される。
【0050】
ケーブル支持取付け装置は、機械的締結具、磁性アタッチメント装置、又は当業者によく知られている他のタイプの取付け装置であってもよい。図10及び図11の例示的な実施形態では、ケーブル支持取付け装置は、ばね式ラッチ又は当業者によく知られている他のラッチ等のラッチであるが、本明細書に記載の例示的な実施形態のケーブル支持取付け装置は、ラッチ又は機械的締結具に限定されるものではない。例えば、第1部分714は、突起部719を含む雄部品であり、第2部分704は、突起部719が中に挿入されるようなバネ式ラッチ705等の雌部品であってもよく、それによって図10及び図11の例示的な実施形態に示されるように、ケーブル支持体716を患者側カートの一部700に取り付ける。逆に、第1部分714は、雌部品であってもよく、第2部分704は、第1部分714内に挿入される雄部品であってもよい。
【0051】
上述した例示的な実施形態で説明したように、ドレープ取付け装置は、患者側カートのセンサと相互作用するように構成することができる。例示的な実施形態によれば、センサを患者側カートに取り付けてもよい。センサを使用して、例えば手術用ドレープが患者側カートに取り付けられたことを検出することができる。例示的な実施形態によれば、ドレープ取付け装置の第1部分は、患者側カートのセンサと相互作用するように構成することができる。図10及び図11を参照すると、手術用ドレープ710に取り付けられたドレープ取付け装置の第1部分712を、患者側カートの一部700に取り付けられたドレープ取付け装置の第2部分702に係合して、手術用ドレープ710を患者側カートの一部700に取り付けるときに、センサ706は、第1部分712の存在を検出することができる。センサ706は、その後、手術用ドレープ710が取り付けられたことを示す信号を、患者側カートを含む手術システム等に送信することができる。こうして、図10に示される、取り付けられていない状態では、センサ706は、第1部分712、従ってドレープの存在を検出していないが、図11に示される、取り付けられた状態では、センサ706は、手術用ドレープ710の設置を示す、ドレープ取付け装置の第1部分712の存在を検出する。
【0052】
ドレープ取付け装置の一部等の、ドレープ取付け装置の存在を検出するように構成されたセンサは、例えば、誘導センサであってもよい。誘導センサは、誘導ループ等を介して、センサによって感知される磁場を放出することができる。こうして金属部材がセンサに近接する場合に、金属部材は、センサによって検出されるインダクタンスを変化させ、金属部材の存在を示す。例示的な実施形態によれば、図4の例示的な実施形態に関連して上述したように、ドレープ取付け装置の第1部分712は、金属部材とすることができ、第2部分702は、磁石とすることができる。第1部分712の金属部材を第2部分702の磁石と係合して、手術用ドレープ710を患者側カートの一部700に取り付けるときに、センサ706は、第1部分712の存在を検出して、ドレープ710が患者側カートの一部に取り付けられたことを判定するための誘導センサであってもよい。例示的な実施形態によれば、第2部分702は、軸線方向に磁化された磁石であってもよく、センサ706は、第2部分702の磁場とセンサ706との間の干渉を最小化するために(後述するように、第2部分702がリング形状を有している場合等に)、第2部分の中心に位置付けされる。
【0053】
センサ706について、誘導センサとして説明してきたが、本明細書に記載の例示的な実施形態は、誘導センサに限定されるものではない。手術用ドレープの取付けを検出するためのセンサは、例えば光センサであってもよい。光センサは、例えば、ドレープ取付け装置の第1部分712で反射された光又はドレープ710自体で反射された光を使用して、ドレープ710が患者側カートの一部700に何時取り付けられたかを検出することができる。別の例では、光センサは、光ビームを照射し、この光ビームを受信するセンサであってもよいが、ドレープ710又はドレープ取付け装置の第1部分712がビームを遮る(break)するときに、ドレープ710の存在を検出する。センサは、手術用ドレープが取り付けられたときに発生する静電容量の変化を感知する静電容量センサであってもよい。別の例では、センサは、ドレープが取り付けられたときにドレープ取付け装置の第1部分712又はドレープ710によって機械的に押圧される又は他の方法で切り替えられるスイッチであってもよい。
【0054】
例示的な実施形態によれば、手術システムは、手術用ドレープの設置状態に関するフィードバックをユーザに提供するように構成することができる。手術システムは、手術用ドレープの設置状態を示すフィードバックを、例えば外科医コンソール等のユーザに提供することができる。その結果、外科手術を行う前に、手術用ドレープを設置するよう担当者にリマインドし、手術用ドレープが設置されない状況の発生を最小限に抑えることができる。例えば、手術用ドレープが設置されていない場合に、手術システムは、手術用ドレープが設置されていないことを示す視覚及び/又は可聴フィードバックを提供することができる。
【0055】
例示的な実施形態によれば、手術システムは、ドレープが患者側カートに設置されたという信号を手術システムがセンサから受信していない場合に、患者側カートの使用及び患者側カートに取り付けられた任意の器具の使用を防止するように構成することができる。例示的な実施形態によれば、例えば、手術システムは、患者側カートの1つ又は複数のアームに手術用ドレープを取り付けたという信号を受信していない場合に、患者側カートの使用をロックアウトするように構成することができる。例示的な実施形態によれば、さらに、手術システムは、患者側カートのメインカラムに手術用ドレープを取り付けたという信号を受信していない場合に、患者側カートの使用をロックアウトするように構成することができる。別の例示的な実施形態によれば、手術システムは、患者側カートを使用するために、アーム上の手術用ドレープが設置されることのみを必要とし、及び患者側カートのメインカラムに対する手術用ドレープの取付け状態に関するフィードバックのみを提供するように構成してもよい。
【0056】
図3図4、及び図9図11の例示的な実施形態に示されるように、ドレープ取付け装置及びケーブル支持取付け装置が別個の装置であってもよいが、例示的な実施形態によれば、ドレープ取付け装置とケーブル支持取付け装置との両方として機能する取付け装置を使用してもよい。図12を参照すると、取り付けられていない状態の患者側カートの一部800及び手術用ドレープ810の側面図が、示されている。手術用ドレープ810は、第1の取付け部材812を含み、患者側カートの一部800は、手術用ドレープ810を患者側カートの一部800に取り付けるために、第1の取付け部材812と係合するように構成された第2の取付け部材802を含む。図10及び図11の例示的な実施形態に関して上述したように、第1の取付け部材812は、例えば金属部材とすることができ、第2の取付け部材802は、例えば磁石とすることができ、患者側カートの一部800は、第1の取付け部材812又はドレープ810の存在を検出するためのセンサ806を含むことができる。手術用ドレープ810は、第1の取付け部材812に接続されるケーブル支持体816をさらに含むことができ、それによってドレープ810を患者側カートの一部800に取り付けたときに、ケーブル支持体816は、患者側カートの一部800に取り付けられ、且つその一部によって支持される。こうして、第1の取付け部材812及び第2の取付け部材802を含む取付け装置は、取付け装置を別々に提供するのを必要とせずに、ドレープ取付け装置とケーブル支持取付け部材との両方として機能することができる。
【0057】
上述した様々な例示的な実施形態は、本明細書に記載したもの以外の他の構成を企図する。例えば、手術用ドレープ用の取付け装置は、上述したもの以外の構造に関連してもよい。図13を参照すると、手術用ドレープのためのハンドリング部材900の例示的な実施形態が、示されている。ハンドリング部材900は、本体902と、取付け装置の第1部分910とを含むことができる。図3に関して上述したように、取付け装置の第1部分910は、例えば、ドレープを取り付けるための金属部材又は磁石であってもよい。本体902は、例えば、第1部分910単独よりもドレープの設置中にユーザにより大きな把持面を提供する板状構造であってもよい。さらに、そのサイズにより、本体902は、第1部分910を介してドレープを設置し、且つ取り付ける際に、ユーザの届く距離に延び得る。例示的な実施形態によれば、ハンドリング部材900は、取付け装置342が図2に示される位置等の、ドレープ340の上部に配置してもよい。こうして、ユーザがドレープ340をメインカラム304に取り付けるために上向きに手を伸ばしたときに、本体902は、ユーザの届く距離に延び、取付け装置342が示される位置にドレープ340を取り付けることを容易にする。本体902は、例えば、粒子を含まない段ボール、プラスチック、金属、又は当業者によく知られている他の材料で作製することができる。
【0058】
例示的な実施形態によれば、図13に示されるように、ハンドリング部材900の第1部分910が金属部材を含む場合に、第1部分910は、突起部912等の雄型構造を含むことができる。第1部分910及び突起部912は、例えばメインカラム304上の磁石等の、ハンドリング部材の第2部分に対向し、且つ係合する第1面904上に配置してもよく、第2面906が、ユーザに対向し且つメインカラム304から離れる方向に向く。突起部912は、図4及び図5に示されるように、第2部分がリング形状の磁石である場合等に、リングの中央凹部又は孔等の雌部分内に突起部912を挿入することにより、取付け中に第1部分910を第2部分に位置合わせするのを補助することができる。突起部912は、取付け中に第1部分910と第2部分との間の滑りを最小限に抑えるのを補助することができる。さらに、突起部912について、ハンドリング部材900に関して説明したが、ハンドリング部材900を含まないドレープ取付け装置は、図3及び図9図12の例示的な実施形態の第1部分402,622,712及び第1の取付け部材812等の、雄型構造を含む金属部材を有してもよい。
【0059】
図14を参照すると、ドレープ940に接続されたアタッチメント920の側断面図が、示されている。ハンドリング部材920は、例えば突起部926を含む取付け装置の第1部分924をハンドリング部材920の本体922に接続し、次にドレープ940を第1部分924及び本体922の上に取り付けることにより、ドレープ940に接続することができる。第1部分924は、例えば、接着、機械的取付け、及び当業者によく知られている他の方法により、本体920に接続することができる。ドレープ940は、例えば、接着、機械的取付け、及び当業者によく知られている他の方法を介して、本体920及び第1部分924に取り付けることができる。
【0060】
ハンドリング部材900は、図13の例示的な実施形態に関して上述したもの以外の構成を有してもよい。図15を参照すると、図13のハンドリング部材900に関して説明したのと同様の突起部962を含む取付け装置の第1部分960を含む側面から、ハンドリング部材950が、示されている。図15に示される側面954は、例えば図2のメインカラム304等の、ハンドリング部材950が取り付けられる物体に対向する側である。側面954がドレープの設置中にユーザから離れる方向に面しているため、ハンドリング部材950に位置合せ開孔部970を設けることができる。ユーザに対向するハンドリング部材950の側面956を示す図16に示されるように、第1部分960及び突起部962は、ドレープの設置中に隠されてもよい。例示的な実施形態によれば、図2のメインカラム304等の、ハンドリング部材950が接続される対象物は、位置合せ開孔部970に対応する形状を含む位置合せインジケータ(例えば、色、パターン、又は他の視覚的インジケータ)を有することができる。こうして、ハンドリング部材950を物体に接続する場合に、物体上の位置合せインジケータは、位置合せ開孔部970を通して確認可能であり、患者側カートの一部にドレープを取り付ける間にハンドリング部材950が適切に配置されていることを確認することができる。
【0061】
ハンドリング部材は、ハンドリング部材を物体に接続するための複数の取付け装置を含むことができる。図17を参照すると、2つの取付け装置から構成される2つの第1部分982,986を含むハンドリング部材980の例示的な実施形態が、示されており、各取付け装置が、ドレープ上に設置される患者側カートの一部上の取付け装置の対応する第2部分と係合するための突起部984、988を含む。さらに、本明細書に記載の例示的な実施形態のハンドリング部材は、1つ又は2つの取付け装置に限定されるものではなく、代わりに、例えば、3つ、4つ、又はそれ以上の取付け装置を含んでもよい。
【0062】
本明細書で説明する様々な例示的な実施形態のドレープは、ユーザの手の滅菌性の維持を促進する、ドレープの設置中にドレープの保持を補助する構造を含むことができる。図18を参照すると、取付け装置の第1部分1010とポケット1020とを含むドレープ1000が、示されている。取付け装置の第1部分1010は、図3の例示的な実施形態の第1部分402に従って構成することができる。ポケット1020は、例えば、ドレープ1000の一部を折り曲げて、次に、その部分の縁部1024をドレープ1000に接合することにより形成することができ、こうして、ポケット1020用の開口部1022を形成する。ドレープ1000の側面図を描く図19に示されるように、ユーザは、ドレープ1000の非滅菌部分等のドレープ1000の外側に触れることなく、ユーザがドレープ1000を持ち上げることができるように、開口部1022を介してポケット1020内に自分の手を挿入することができる。こうして、ポケット1020は、ドレープ1000の設置及びユーザが自分の手の滅菌性を維持することを補助することができる。
【0063】
ユーザがドレープの滅菌領域と非滅菌領域とを特定するのを補助するために、境界インジケータ1030を、ドレープの滅菌領域と非滅菌領域との間の境界を示すために設けることができる。こうして、境界インジケータ1030は、手を滅菌した人がドレープの非滅菌領域に触れないように補助する等を、ユーザがドレープに触れる箇所を示すことができる。境界インジケータ1030は、例えば、色、パターン、又は他の視覚的インジケータを含むストリップであってもよく、及び接着、プリント、型成形、又は当業者によく知られている他の技術によって、ドレープ内に組み込んでもよい。
【0064】
ドレープは、ドレープが覆う可動部を収容するための機構を含むことができる。図20は、図1のアーム110~113のうちの1つ等の、患者側カートのアーム1102の端部に位置するスパー(spar)1100の側面図を示している。スパー1100は、図1の付属品取付け部124と同様の付属品取付け部1104と、キャリッジ1106とを含むことができる。キャリッジ1106は、例えば、図1の作動インターフェイスアセンブリ122と同様の、器具を取り付けるための作動インターフェイスアセンブリを含むことができ、及び例えば、付属品取付け部1104を介して器具を挿入又は引き出す等のために、器具(図示せず)の並進運動を提供するべく、方向1108に沿ってスパー1100上で前後に移動するように構成することができる。例示的な実施形態よれば、図20は、完全に後退した位置にあるキャリッジ1106を示すが、図21は、完全な挿入位置にあるキャリッジ1106を示している。
【0065】
キャリッジ1106がドレープの下で前後に移動するので、ドレープは、キャリッジ1106の移動に適合するように構成することができる。例えば、キャリッジ1106は、ドレープが取り付けられる機器の滅菌アダプタ(図示せず)を含むことができる。しかしながら、キャリッジ1106が方向1108に沿って移動する際に、ドレープは、ドレープの器具の滅菌アダプタへの取付け等の、ドレープのキャリッジ1106への取付けによって、キャリッジ1106と一緒に移動し、次にキャリッジ1106に取り付けられる。こうして、ドレープは、キャリッジ1106が図21に示す位置に移動した場合等に、ドレープがスパー1100を覆い、且つキャリッジ1106と一緒に移動するのを許容するための材料や十分なたるみを含まなければならない。しかしながら、キャリッジ1106が図20に示される完全な後退位置に移動する場合に、スパー1100を覆うのに必要な余分なドレープ材料(例えば、キャリッジ1106が、図21に示す位置にある場合)は、キャリッジ1106が後退され、余分なドレープ材料が端部1101に押し出される際に、スパー1100の端部1101からこぼれ落ち得る。
【0066】
ドレープは、キャリッジ1106の移動及びスパー1100を覆うのに必要な余分なドレープ材に適合するように構成することができる。図22は、ドレープ1200をスパーに取り付けるためのスパー・クリップ1210を含むドレープ1200を示す。スパー・クリップ1210は、例えば、熱溶接、接着、機械的取付け、及び当業者によく知られている他の技術を介して、ドレープ1200の端部1202に取り付けることができる。図23の例示的な実施形態に示されるように、スパー・クリップ1300は、スパーの曲面に対応し得る湾曲した形状を含む本体1302を有することができる。スパー・クリップ1300は、スパーからスパー・クリップ1300を取り外すのを補助等するための開孔部1310をさらに含むことができる。図23及び図24に示されるように、スパー・クリップ1300は、スパー・クリップ1300をスパーに接続するための1つ又は複数の締結具1320をさらに含むことができる。
【0067】
図25を参照すると、図20及び図21の実施形態と同様に、アーム1222の端部に位置するスパー1220を覆うドレープ1200の例示的な実施形態が、示されている。ドレープ1200は、スパー・クリップ1210を介してスパー1220に接続することができる。こうして、キャリッジ1226が付属品取付け部1224に向かって及びこれから離れる等の方向1208でスパー1220に沿って移動する際に、ドレープ1200の端部がスパー・クリップ1210によってスパー1220に接続されているので、ドレープ1200の余分な材料は、スパー1220の端部1201からこぼれ落ちるのを防止することができる。例示的な実施形態によれば、スパーの端部1201は、アーム1222の端部であってもよい。
【0068】
図25及び図26の例示的な実施形態に示されるように、ドレープ1200は、キャリッジ1226の周りに遊びを有した状態で(loosely)フィットすることができる。別の例示的な実施形態によれば、ドレープ1200は、ドレープ1200がキャリッジ1226の周りでフィットするようにキャリッジ1226の形状に対応する形状を有するポケット(図示せず)を含んでもよい。ドレープ1200のポケットは、例えば、ドレープ1200の残りの部分と同じ材料で作製してもよい。別の例では、ドレープ1200のポケットは、例えば、LDPE/ポリ酢酸ビニル(PVA)ブレンド、又は上述した他のドレープ材料等の、ドレープ1200の残りの部分とは異なる材料で作製してもよい。
【0069】
ドレープは、キャリッジ1106,1226が移動する際に、キャリッジ1106,1226がドレープに接触する、又は他にドレープに引っ掛かるのを最小限に抑える又は防止するために、キャリッジ1106,1226の移動に適合する構造も含むことができる。図27を参照すると、可鍛性(malleable)ストリップ1410を含むドレープ1400の例示的な実施形態が、示されている。図25及び図26の例示的な実施形態のスパー1220等のスパーの周りにぴったりとフィットするように可鍛性ストリップ1410を使用してドレープ1400を成形する代わりに、可鍛性ストリップ1410を使用して、ドレープ1400とドレープ1400が取り付けられるシステム部分との間に空間を提供するように、ドレープ1400を所望の形状に支持してもよい。こうして、可鍛性ストリップ1410は、ドレープ1400と物体との間の空間1420を提供するために、スパー等の、ドレープ1400によって覆われる物体から離れる方向にドレープ1400を延ばすような形状にドレープ1400を形成する支持構造体として成形することができる。例えば、可鍛性ストリップ1410を変形して、キャリッジ1226が図25及び図26の方向1208に沿って移動する場合等に、空間1420によって、キャリッジが移動し得るチャネルを形成するようにドレープ1400を成形することができ、キャリッジ1226が移動する場合に、キャリッジ1226によるドレープ1400の引っ掛かりを最小限に抑える。また、空間1420を形成するようにドレープ1400を成形することによって、器具が挿入される基端側カニューレ開口部から離れた位置にドレープ1400を維持するのを促進することができる。こうして、ドレープ1400とドレープ1400が取り付けられる物体との間の距離1422は、キャリッジ1226とほぼ同様のサイズとすることができる。
【0070】
本明細書に記載される例示的な実施形態による手術用ドレープを提供することにより、手術用ドレープの設置を容易にすることができる。例えば、本明細書に記載の取付け装置は、手術用ドレープの簡易な設置及び取外しを可能にする。手術用ドレープは、ドレープの取り扱いを容易にし、且つ滅菌野を維持するのを容易にするための機構を含むことができる。手術システムは、ドレープが設置されているか否かをこの手術システムが感知することができるので、手術用ドレープが設置されていないというフィードバックを提供するように構成することができる。さらに、ドレープは、例えば、耐擦傷性及び/又は帯電防止性等の特定の用途に応じて所望の特性を提供する様々な材料で作製されるように構成することができる。
【0071】
更なる修正及び代替実施形態は、本明細書の開示に鑑みて当業者には明らかになるであろう。例えば、装置、システム、及び方法は、操作を明確にするために図面及び詳細な説明から省略された追加の要素又はステップを含み得る。従って、この詳細な説明は、単なる例示として解釈すべきであり、本開示を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためにある。本明細書で示され且つ説明された様々な実施形態は、実施例として捉えるように理解すべきである。要素及び材料、並びにこれらの要素及び材料の配置は、本明細書で例示し且つ説明した要素及び材料並びに配置等に交換することができ、部品及びプロセスは、逆にしてもよく、本教示の特定の機能は、独立して利用することができ、本明細書の詳細な説明の利益を理解した後に当業者には全てが明らかになるであろう。変更は、本開示及び以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した要素に行うことができる。
【0072】
本明細書に記載された特定の実施例及び実施形態は、非限定的であり、構造、寸法、材料、及び方法に対する修正は、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。
【0073】
本開示に係る他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細及び実施態様を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。明細及び実施態様は、例示としてのみ考慮すべきであり、特許請求の範囲は、等価物を含むその完全な範囲に権利が与えられることを意図している。
【0074】
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を実施例として記載しておく。
[実施例1]
遠隔操作手術システムの患者側カートのための手術用ドレープであって、当該手術用ドレープは、
前記患者側カートのアーム又はメインカラムの少なくとも一部を覆うようにサイズ決め及び成形された本体と、
該本体に接続される取付け装置機構であって、該取付け装置機構は、前記アーム又は前記メインカラムの少なくとも一部を前記手術用ドレープを用いて覆うように、前記手術用ドレープを前記アーム又は前記メインカラムに設置するように構成される、取付け装置機構と、含み、
前記取付け装置機構は、前記アーム又は前記メインカラム上の当該手術用ドレープの設置位置のセンサによって検出可能である、
手術用ドレープ。
[実施例2]
1つ又は複数の電気ケーブル又はデータケーブルを保持するためのケーブル支持体をさらに含む、実施例1に記載の手術用ドレープ。
[実施例3]
前記手術用ドレープの前記設置位置において前記ケーブル支持体を前記アーム又は前記メインカラムに接続するための追加の取付け装置機構をさらに含む、実施例2に記載の手術用ドレープ。
[実施例4]
前記ケーブル支持体は、前記取付け装置機構を含む、実施例2に記載の手術用ドレープ。
[実施例5]
前記取付け装置機構は、金属を含む、実施例1に記載の手術用ドレープ。
[実施例6]
前記取付け装置機構は、誘導センサによって検出可能である、実施例5に記載の手術用ドレープ。
[実施例7]
前記本体は、熱可塑性ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の手術用ドレープ。
[実施例8]
前記本体は、熱可塑性ポリウレタンを含む、実施例7に記載の手術用ドレープ。
[実施例9]
前記本体は、潤滑性フィラーをさらに含む、実施例8に記載の手術用ドレープ。
[実施例10]
前記本体は、熱可塑性ポリウレタンの単一層である、実施例8に記載の手術用ドレープ。
[実施例11]
手術用器具に並進運動を提供する、前記患者側カートの前記アームの一部に係合されるように構成されたクリップをさらに含む、実施例1に記載の手術用ドレープ。
[実施例12]
前記手術用ドレープと前記アーム又は前記メインカラムとの間に空間を提供するような形状に前記手術用ドレープを支持するように構成された可鍛性ストリップをさらに含む、実施例9に記載の手術用ドレープ。
[実施例13]
前記取付け装置機構は、前記手術用ドレープを前記アーム又は前記メインカラムに取り付けるための磁性アタッチメント装置の一部である、実施例1に記載の手術用ドレープ。
[実施例14]
遠隔操作手術システムのための患者側カートであって、当該カートは、
ベースと、
該ベースに接続されるメインカラムと、
手術用器具を支持するために前記メインカラムに接続されるアームと、を含み、
前記メインカラム及び前記アームの少なくとも一方は、前記アーム又は前記メインカラム上の手術用ドレープの設置位置において、前記手術用ドレープの取付け装置機構の存在を検出するセンサを含む、
カート。
[実施例15]
前記メインカラム及び前記アームの少なくとも一方は、前記手術用ドレープの取付け装置機構に相補的な取付け装置機構を含む、実施例14に記載のカート。
[実施例16]
前記メインカラム及び前記アームの前記取付け装置機構は、磁石である、実施例15に記載のカート。
[実施例17]
前記センサは、誘導センサである、実施例16に記載のカート。
[実施例18]
前記アーム及び前記メインカラムの少なくとも一方は、磁石及びセンサを含む、実施例16に記載のカート。
[実施例19]
前記磁石は、リング形状を有する、実施例16に記載のカート。
[実施例20]
遠隔操作手術システムの患者側カートのための手術用ドレープであって、当該手術用ドレープは、
前記患者側カートのメインカラムの少なくとも一部を覆うようにサイズ決め及び成形された本体と、
前記手術用ドレープを前記メインカラムに設置するように構成された取付け装置機構と、を含む、
手術用ドレープ。
[実施例21]
前記取付け装置機構は、金属を含む、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例22]
前記本体は、低密度ポリエチレンを含む、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例23]
前記本体は、帯電防止フィラーをさらに含む、実施例22に記載の手術用ドレープ。
[実施例24]
前記本体は、3つの層を含み、第1及び第2の層は、それぞれ低密度ポリエチレン及び帯電防止フィラーを含み、第1の層と第2の層との間の第3の層は、純粋な低密度ポリエチレンから構成される、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例25]
設置中に前記手術用ドレープを保持するための把持面を提供するようにサイズ決め及び成形されたハンドリング部材をさらに含み、前記取付け装置機構は、前記ハンドリング部材に取り付けられる、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例26]
前記ハンドリング部材は、位置合せ開孔部を含む、実施例25に記載の手術用ドレープ。
[実施例27]
ポケットをさらに含む、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例28]
滅菌領域と非滅菌領域と間の境界を示す境界マーカーをさらに含む、実施例20に記載の手術用ドレープ。
[実施例29]
手術システムの患者側カートのための手術用ドレープを設置する方法であって、当該方法は、
前記手術用ドレープの取付け装置機構の有無を検出するステップであって、前記手術用ドレープは、前記取付け装置機構の存在が検出された場合に、前記患者側カートの一部上で設置された状態である、検出するステップと、
前記検出に基づいて、前記患者側カートの一部上の前記手術用ドレープの設置状況に関するフィードバックを送信するステップと、を含む、
方法。
[実施例30]
前記患者側カートの一部は、前記患者側カートのアーム又はメインカラムの一部である、実施例29に記載の方法。
[実施例31]
誘導センサによって、前記取付け装置機構の有無を検出する、実施例29に記載の方法。
[実施例32]
並進運動を前記アームに取り付けられた手術用器具に提供する、前記患者側カートのアームの一部に手術用ドレープのクリップを係合させるステップをさらに含む、実施例29に記載の方法。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28