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特許7170833高い耐久性および高い保磁力を有するCe含有焼結希土類永久磁石、およびその調製方法
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  • 特許-高い耐久性および高い保磁力を有するCe含有焼結希土類永久磁石、およびその調製方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】高い耐久性および高い保磁力を有するCe含有焼結希土類永久磁石、およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 1/057 20060101AFI20221107BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20221107BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20221107BHJP
   B22F 3/00 20210101ALI20221107BHJP
   B22F 9/04 20060101ALI20221107BHJP
   C22C 28/00 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
H01F1/057 170
H01F41/02 G
C22C38/00 303D
B22F3/00 F
B22F9/04 E
B22F9/04 C
C22C28/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021502796
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2019081439
(87)【国際公開番号】W WO2020015389
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】201810787549.8
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512098522
【氏名又は名称】セントラル アイロン アンド スチール リサーチ インスティテュート
【住所又は居所原語表記】No.76 Xueyuan Nanlu, Haidian District Beijing 10081,China
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】リ,アンフア
(72)【発明者】
【氏名】フェン,ハイボ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シー,ロンロン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ヤン
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0154778(US,A1)
【文献】国際公開第2016/208508(WO,A1)
【文献】特開2011-258935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0065004(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106128674(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 1/057
H01F 41/02
C22C 38/00
B22F 3/00
B22F 9/04
C22C 28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石の材料が、主相合金粉末およびCe付加相合金粉末であり、該Ce付加相合金粉末が、磁性相または非磁性液体-相合金であり;
該Ce付加相合金は、永久磁石の総重量の5%~30%を占め、そして、残りは主相合金であり;
該主相合金の組成は、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0として表現され、そして、該Ce付加相合金の組成は、重量パーセントで((Nd,Pr)1-x-yReCe33-60Febal.0.15-1.05TM0.5-2.0として表現され;
ここでREが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15および0.3≦y≦0.8であり;
ここで:
ジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられ、その結果、最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有し;
および、該永久磁石が、17~28.73kOeの固有の保磁力Hcjおよび4.5~5.0MPa・m1/2の破壊靭性(KIC)を有する、
原材料バッチ処理、ストリップ鋳造、水素発散およびジェットミリング、粉末配向および形成、焼結および熱処理のステップによって調製された、高い保磁力および高い耐久性を有するCe含有焼結希土類永久磁石。
【請求項2】
永久磁石の最終生成物が、酸化セリウムの綿状相を含有する、請求項1に記載の、高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石。
【請求項3】
永久磁石の最終生成物において、Ce付加相合金が磁性相合金である場合に、該永久磁石が、二重主相磁石であり;
および、Ce付加相合金が、非磁性液体-相合金である場合に、Ce付加相合金が、粒界相になる、
請求項1に記載の、高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石。
【請求項4】
Ce含有焼結希土類永久磁石が、以下の磁性特性を有する:
保磁性(Br)=11.98~13.35kG、および磁気エネルギー生成物((BH)max)=35.16~43.68MGOe、
請求項1に記載の、高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石。
【請求項5】
以下のステップ:
(1)原材料バッチ処理、(2)ストリップ鋳造、(3)水素発散およびジェットミリング、(4)粉末配向および形成、および(5)焼結および熱処理を備える、請求項1に記載の高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石を調製する方法であって、ここで
ステップ(1)において、主相合金およびCe付加相合金の原材料が、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0および((Nd,Pr)1-x-yReCe33-60Febal.0.15-1.05TM0.5-2.0に従ってそれぞれバッチ処理され;
ここで:REが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15および0.3≦y≦0.8であり;
ここでCe付加相合金が、磁性相または非磁性液体-相合金であり;
ステップ(2)において、主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、それぞれ調製され;および
ステップ(3)において、主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、Ce付加相合金のストリップ鋳造剥片が5%~30%を占める一定の比率で、混合され、および残りは、主相合金のストリップ鋳造剥片であり、および混合物は、次いで水素発散およびジェットミリングに付され;
ここでジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられ、その結果、最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有する、
前記方法。
【請求項6】
以下のステップ:
(2)ストリップ鋳造:
ステップ(1)においてバッチ処理される主相合金およびCe付加相合金の原材料が、ストリップ鋳造炉のるつぼにそれぞれ入れられ、そして、減圧誘導融解にアルゴンの保護下で付され、原材料が、十分に融解したあとに、1300~1500℃の温度に維持された溶融合金が、1.0~3.0m/sの線速度を伴う水冷銅製ローラー上に注入され、主相合金のストリップ鋳造剥片および0.20~0.50mmの平均厚を伴うCe付加相合金のストリップ鋳造剥片を調製する;
(3)水素発散およびジェットミリング:
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片または相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片から調整される粉末が、一定の比率で混合され、次いで該混合物が、水素発散、脱水素化、ジェットミリングに付され、粉末を生成する;または、
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、それぞれ水素発散および脱水素化に付され、そして次いで、主相合金およびCe付加相合金の脱水素された粉末が、一定の比率で混合され、ジェットミリングに付されて、粉末を生成する;または、
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、水素発散、脱水素化、ジェットミリングにそれぞれ付され、主相合金およびCe付加相合金の粉末を生成し、そして次いで、主相合金およびCe付加相合金の粉末が、一定の比率で混合される;
ここで、ジェットミリングステージの間一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられる;
およびジェットミリングによって生成される粉末が、2.0~5.0μmの平均粒径を有する;
(4)粉末配向および形成:
ステップ(3)において調製される粉末が、磁場成形プレスの配向および形成に付され、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付され、3.8~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成する;
(5)焼結および熱処理:
ステップ(4)において調製される圧粉体が、高真空焼結炉の中に置かれ、10-1Pa未満の圧力に減圧され、次いで加熱され;脱気のために400℃、650℃および830~880℃で0.5~1時間、熱保存に付され、減圧下で1020~1100℃で2~5時間焼結し、そして次いで、800~920℃および400~650℃で、それぞれ熱処理に付され、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石が、得られる、
を備える、請求項5に記載の調製方法。
【請求項7】
ステップ(2)において、水冷銅のローラーの線速度が、1.0~2.0m/sであり、および0.28~0.32mmの平均厚を伴うストリップ鋳造剥片が、調製される、請求項6に記載の調方法。
【請求項8】
ステップ(3)において、ジェットミリングステージの間、不活性気体中に加えられる酸素の濃度が、50~80ppmである、請求項6に記載の調製方法。
【請求項9】
ステップ(3)において、ジェットミリングによって調製される粉末が、2.5~3.5μmの平均粒径を有する、請求項6に記載の調製方法。
【請求項10】
ステップ(5)において、焼結温度が、1050~1080℃である、請求項6に記載の調製方法。
【請求項11】
最終磁石が、1500~2500ppmの酸素含量を有し、および以下の磁性特性:残留磁気Br=11.98~13.35kG、磁気エネルギー生成物(BH)max=35.16~43.68MGOe、固有の保磁力Hcj=17~28.73kOe、破壊靭性KIC=4.5~5.0MPa・m1/2を有する、
請求項6に記載の調製方法。
【請求項12】
最終磁石が、酸化セリウムの綿状相を含有する、請求項6に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類永久磁性材料の技術分野、特に高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石、およびその調製方法に属する。
【背景技術】
【0002】
高い存在量のセリウム磁石の新しい世代の大量生産の成功に伴い、NdのCe置換によって製作される高い存在量の希土類永久磁石は、実質的には希土類永久磁石の原材料コストを削減することができるだけでなく、希土類供給源の深刻な廃棄物および中国の環境汚染のますます顕著な問題を軽減し、希土類供給源の効率的なおよびバランスのよい利用を達成するために、大きな戦略的な意義であることができる。
CeFe14B化合物の異方性磁界HAが、NdFe14Bのそれより非常に低く、その結果、Ce含有磁石が、一般により低い保磁力を有することは、周知である。[Journal of Applied Physics, 1985, 57: 4146]および[Journal of Applied Physics, 1994, 75: 6268]の論文は、5%Ce-15%Pr-Ndが、磁石において使用される場合に、固有の保磁力は10.2kOeであり、そして、磁気エネルギー生成物は、40MGOeであり;そして、40%Ce-10%Pr-50%Ndが、磁石において使用される場合に、固有の保磁力は、9.2kOeであり、そして、磁気エネルギー生成物は、28.2MGOeであることを、報告していた。Ce含有磁石の保磁力を改善するために、技術的な当業者は、絶え間ない努力をしていた。
【0003】
中国特許出願CN102436892Aは二重主相方法によって作成されるCe含有焼結磁石を記載し、それは、重希土類がなく、約11~12kOeの固有の保磁力Hcjを有する。中国特許出願N102800454Aは、二重主相方法によって調製される(Ce,Re1-x)Fe100-a-b-cの候補組成を伴う焼結磁石を記載し、ここで、Reは、Nd、Pr、Dy、Tb、およびHo元素から選択される1以上であり、そして、該磁石は、約12~13kOeの固有の保磁力Hcjを有する。中国特許出願CN104900360Aは、GdおよびCeの共添加を伴う焼結Ceベース磁石を記載し、該磁石は、約10kOe~12kOeの固有の保磁力Hcjを有する。中国特許出願CN104575920Aは、単一主相方法によって焼結Ce磁石を生成し、該磁石は、Ce含有量のより狭い範囲において(該Ce含有量は、総希土類含有量の24~32重量%の間にある)、約12kOe~13kOeの固有の保磁力Hcjを有し;磁石合金製剤が、3重量%のDyを含む場合に、その固有の保磁力Hcjは、約15~16kOeを達成する。中国特許出願CN107275026Aは、ランタンがバッチで使用される、Ceが豊かな希土類永久磁石を、開示し、該磁石は、約9.0kOe~12kOeの固有の保磁力Hcjを有する。
【0004】
中国特許出願CN101694797A(出願人は、McQueen Magnetics (Tianjin) Co., Ltd.である)は、10~40%の比率および27%の総希土類(Ce+Nd)の重量パーセントのNdのCe置換を伴う、新しいNd-Fe-B磁性材料を提案し、それは、ボンド磁石の急速にクエンチされたNd-Fe-B磁性粉末の生成のために使用され、そして、該ボンド磁石は、約7kOe~9kOeの固有の保磁力Hcjを有する。要すれば、これまで、Ce含有磁石の保磁力は、一般に相対的に低く、それは、Ce含有磁石の適用分野を大いに限定する。その上、永久磁石の機械的特性、特にその破壊靭性は、それらの耐衝撃性および機械加工性において重要な役割を果たし、このように材料の実質的な適用に大変重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石、およびその調製物方法を提供することである。
前述の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的な解決を提供する。
本発明は、原材料バッチ処理、ストリップ鋳造、水素発散およびジェットミリング、粉末配向および形成、焼結および熱処理のステップによって調製された、高い保磁力および高い耐久性を有するCe含有焼結希土類永久磁石を提供し、該永久磁石の最初の材料が、主相合金粉末およびCe付加相合金粉末であり、ここで該Ce付加相合金粉末が、磁性相または非磁性液体-相合金であり;該Ce付加相合金は、永久磁石の総重量の5%~30%を占め、そして、残りは主相合金であり;該主相合金の組成は、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0として表現され、該Ce付加相合金の組成は、重量パーセントで((Nd,Pr)1-x-yReCey)33-60Febal.B0.15-1.05TM0.5-2.0として表現され;ここでREが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15、0.3≦y≦0.8であり;ここで:
ジェットミリングステージの間、酸素の一定の濃度が、不活性気体に加えられ、その結果、最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有し;および、
該永久磁石が、17~28.73kOeのHcjおよび4.5~5.0MPa・m1/2のKICを有する。
永久磁石の最終生成物は、綿状のセリア相を含む。
【0006】
永久磁石の最終生成物において、Ce付加相合金が、磁性相である場合に、該永久磁石は、二重磁性主相磁石であり;および、Ce付加相合金が、非磁性液体-相合金である場合に、Ce付加相合金が、粒界相になる。
【0007】
Ce含有高保磁力焼結希土類永久磁石は、以下の磁性特性を有する:保磁性Br=11.98~13.35kG、磁気エネルギー生成物(BH)max=35.16~43.68MGOe。
【0008】
高い耐久性および高い保磁力を有するCe含有焼結希土類永久磁石を調製する方法は、以下のステップを含む:(1)原材料バッチ処理、(2)ストリップ鋳造、(3)水素発散およびジェットミリング、(4)粉末配向および形成、および(5)焼結および熱処理。
【0009】
ステップ(1)において、主相合金およびCe付加相合金の原材料が、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0および((Nd,Pr)1-x-yReCey)33-60Febal.0.15-1.05TM0.5-2.0に従ってそれぞれバッチ処理され、ここで:REが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15および0.3≦y≦0.8であり;ここでCe付加相合金が、磁性相または非磁性液体-相合金であり;
ステップ(2)において、主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、それぞれ調製され;
【0010】
ステップ(3)において、主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、Ce付加相合金のストリップ鋳造剥片が5%~30%を占める一定の比率で、混合され、および残りは、主相合金のストリップ鋳造剥片であり、および混合物は、次いで水素発散およびジェットミリングに付され;ここでジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられ、その結果、最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有する。
【0011】
該方法は、以下のステップを含む:
(2)ストリップ鋳造:ステップ(1)においてバッチ処理される主相合金およびCe付加相合金の原材料が、ストリップ鋳造炉のるつぼにそれぞれ入れられ、そして、減圧誘導融解にアルゴンの保護下で付され、材料が、十分に融解したあとに、1300~1500℃の温度に維持された溶融合金が、1.0~3.0m/sの線速度を伴う水冷銅製ローラー上に注入され、主相合金のストリップ鋳造剥片および0.20~0.50mmの平均厚を伴うCe付加相合金のストリップ鋳造剥片をそれぞれ調製する;
【0012】
(3)水素発散およびジェットミリング:
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片または相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片から調整される粉末が、一定の比率で混合され、次いで該混合物が、水素発散、脱水素化、ジェットミリングに付され、粉末を生成する;または、
【0013】
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、それぞれ水素発散および脱水素化に付され、そして次いで、主相合金およびCe付加相合金の脱水素された粉末が、一定の比率で混合され、ジェットミリングに付されて、粉末を生成する;または、
【0014】
ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片が、水素発散、脱水素化、ジェットミリングにそれぞれ付され、主相合金およびCe付加相合金の粉末を生成し、そして次いで、主相合金およびCe付加相合金の粉末が、一定の比率で混合される;
【0015】
ここで、ジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられる;およびジェットミリングによって生成される粉末が、2.0~5.0μmの平均粒径を有する;
【0016】
(4)粉末配向および形成:ステップ(3)において調製される粉末は、磁場成形プレスの配向および形成に付され、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付され、3.8~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成する;
【0017】
(5)焼結および熱処理:ステップ(4)において調製される圧粉体が、高真空焼結炉の中に置かれ、10―1Pa未満の圧力に減圧され、次いで加熱され;脱気のために、400℃、650℃および830~880℃で0.5~1時間、それぞれ熱保存に付され、減圧下1020~1100℃で2~5時間焼結し、そして次いで、800~920℃および400~650℃で、それぞれ熱処理に付され、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石が、得られる。
【0018】
ステップ(2)において、水冷銅のローラーの線速度は、1.0~2.0m/sであり、および0.28~0.32mmの平均厚を伴うストリップ鋳造剥片が、調製される。
ステップ(3)において、ジェットミリングステージの間、不活性気体中に加えられる酸素の濃度は、50~80ppmである。
ステップ(3)において、ジェットミリングによって調製される粉末は、2.5~3.5μmの平均粒径を有する。
ステップ(5)において、焼結温度は、1050~1080℃である。
【0019】
最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有し、以下の磁性特性を有する:残留磁気Br=11.98~13.35kG、磁気エネルギー生成物(BH)max=35.16~43.68MGOe、固有の保磁力Hcj=17~28.73kOe、破壊靭性KIC=4.5~5.0MPa・m1/2
最終磁石は、綿状のセリア相を含む。
【0020】
先行技術と比較して、本発明の有利な効果は、以下の通りである:高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石の本発明は、主相とCe付加相を含み、ここで、Ce付加相は、磁性相または非磁性液体相のいずれかであることができる。本発明のCe付加相合金は、より高い総希土類含有量およびより低い融点を有し、それは、主相の粒界微細構造を最適化することができ、主相に入れられるCeの量は、少ない。本発明の磁石を調製するジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体ミリング媒体に加えられ、その結果、最終磁石の酸素含量は、1500~2500ppmに達し、そして、綿状のセリア相が、磁石中で形成され、それは、磁石を強化し、硬化する役割を果たす。本発明において調製されるCe含有焼結永久磁石は、高い耐久性および高い保磁力を有し、そして、固有の保磁力Hcjは、17~28.73kOeまでであり、そして、破壊靭性KICは、従来の焼結Nd-Fe-B磁石と比較して10%~30%増大する。本発明の磁石は、風力発電および新しいエネルギー媒体などのハイエンドな分野に適用されることができ、それは、Ce含有磁石の適用分野を、大いに広げる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面の簡単な記載
図1図1は、本発明の高い耐久性および高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石の、走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 ここで、矢印は、綿状のセリア相を指す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
態様の詳細な記載
以降、本発明は、添付の図および例を参照することによりさらに記載される。
【0023】
本発明の高い保磁力および高い耐久性を有するCe含有焼結希土類永久磁石は、原材料バッチ処理、ストリップ鋳造、水素発散およびジェットミリング、粉末配向および形成、焼結および熱処理のステップによって調製され、該永久磁石の最初の材料は、主相合金粉末およびCe付加相合金粉末を含み、ここで該Ce付加相合金粉末が、磁性相または非磁性液体-相合金であり;主相合金は、総重量の70%~95%の永久磁石を含み、そして、Ce付加相合金は、永久磁石の総重量の5%~30%を占め;該主相合金の組成は、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0として表現され、そして、該Ce付加相合金の組成は、重量パーセントで((Nd,Pr)1-x-yReCe33-60Febal.0.15-1.05TM0.5-2.0として表現され;ここで:REが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15および0.3≦y≦0.8であり;Ce含有二重合金磁石は、高い保磁力を有し、最高17kOe~28.73kOeの固有の保磁力Hcjを有し、該磁石は、良好な破壊靭性を有し、および4.5~5.0MPa・m1/2の破壊靭性KICを有し、およびその破壊靭性は、従来の焼結NdFeB磁石と比較して10%~30%増大される。
永久磁石の最終生成物は、綿状のセリア相を含む。
ジェットミリングステージの間、一定の濃度の酸素が、不活性気体に加えられ、そして、最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有する。
【0024】
さらにその上、Ce含有高保磁力焼結希土類永久磁石は、以下の磁性特性を有する:残留磁気Br=11.98~13.35kG、磁気エネルギー生成物(BH)max=35.16~43.68MGOe。
【0025】
永久磁石の最終生成物において、Ce付加相合金が、磁性相である場合に、該永久磁石は、二重磁性主相合金であり;および、Ce付加相合金が、非磁性液体-相合金である場合に、Ce付加相が、粒界相になる。
【0026】
本発明の高い耐久性および高い保磁力を有するCe含有焼結希土類永久磁石を調製する方法は、以下のステップを含む:(1)原材料バッチ処理、(2)ストリップ鋳造、(3)水素発散およびジェットミリング、(4)粉末配向および形成、および(5)焼結および熱処理。具体的なステップは、以下の通りである:
【0027】
(1)原材料バッチ処理:主相合金およびCe付加相合金の原材料が、重量パーセントで[(Nd,Pr)1-x1REx129.5-32Febal.0.9-1.05TM1.0-3.0および((Nd,Pr)1-x-yReCe33-60Febal.0.15-1.05TM0.5-2.0に従ってそれぞれバッチ処理され、ここで:REが、Dy、Tb、Ho、およびGdの1以上であり、Reが、La、Gd、およびYの1以上であり、TMが、Co、Ga、Al、Cu、Nb、およびZrの1以上であり、0.05≦x1≦0.28、0≦x≦0.15および0.3≦y≦0.8であり;ここでCe付加相合金が、磁性相または非磁性液体-相合金である。
【0028】
(2)ストリップ鋳造:ステップ(1)においてバッチ処理される主相合金およびCe付加相合金の原材料が、ストリップ鋳造炉のるつぼにそれぞれ入れられ、そして、減圧誘導融解にアルゴンの保護下で付され、原材料が、十分に融解したあとに、1300~1500℃の温度に維持された溶融合金が、1.0~3.0m/sの線速度を伴う水冷銅製ローラー上に注入され、主相合金のストリップ鋳造剥片および0.20~0.50mmの平均厚を伴うCe付加相合金のストリップ鋳造剥片をそれぞれ調製する。
【0029】
(3)水素発散およびジェットミリング:ステップ(2)において調製される主相合金のストリップ鋳造剥片およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片(またはストリップ鋳造剥片から調整される粉末)が、一定の比率で混合され、次いで該混合物が、水素発散、脱水素化、およびジェットミリングに付され、2.0~5.0μmの平均粒径を伴う粉末を生成する。
ジェットミリングステージの間、不活性気体中に加えられる酸素の濃度は、50~80ppmである。
【0030】
(4)粉末配向および形成:ステップ(3)において調製される粉末は、磁場成形プレスの配向および形成に付され、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付され、3.8~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成する。
【0031】
(5)焼結および熱処理:ステップ(4)において調製される圧粉体が、高真空焼結炉の中に置かれ、10~1Pa未満の圧力に減圧され、次いで加熱され;脱気のために(すなわち吸着気体、酸化防止剤および滑沢剤を取り除くために)、400℃、650℃、および830~880℃で0.5~1時間、それぞれ熱保存に付され、減圧下1020~1100℃で2~5時間焼結し、そして次いで、800~920℃および400~650℃で2~5時間、それぞれ熱処理に付され、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石が、得られる。
【0032】
Ce含有高保磁力永久磁石を調製する方法において、主相合金とCe付加相合金の混合は、水素発散の前または後に遂行されることができるか、またはジェットミリングの後に遂行されることができる。
【0033】
好ましくは、ステップ(2)において、水冷銅製のローラーは、1.0~2.0m/sの線速度を有し、 0.28~0.32mmの平均厚を伴うストリップ鋳造剥片が、調製される。
ステップ(3)において、ジェットミリング粉末調製ステージの間、酸素の一定の濃度が、不活性気体に加えられる。
好ましくは、ステップ(3)において、ジェットミリングによって調製される粉末が、2.5~3.5μmの平均粒径を有する。
好ましくは、ステップ(5)において、焼結温度は、1050~1080℃である。
【0034】
最終磁石は、1500~2500ppmの酸素含量を有し、以下の磁性特性を有する:
残留磁気Br=11.98~13.35kG、磁気エネルギー生成物(BH)max=35.16~43.68MGOe、固有の保磁力Hcj=17~28.73kOe、破壊靭性KIC=4.5~5.0MPa・m1/2
【0035】
最終磁石において、Ce付加相合金が、磁性相または非磁性液体-相合金である:
希土類元素の含有量が、Ce付加相合金においてより低いときに、磁性相は得られ、そして、該永久磁石は、二重主相永久磁石であり;そして、希土類元素の含有量が、Ce付加相合金においてより高いときに、Ce付加相合金は、非磁性液体-相合金であり、それは、主相の粒界で濃縮され、増加境界線相を形成する。最終磁石は、綿状のセリア相を含む。
【0036】
例1
ステップ1:原材料バッチ処理:主相合金の原材料を、重量パーセントで(Nd,Pr)23.5RE8.0Febal.1.05TM3.0に従ってバッチ処理し、そして、Ce付加相合金の原材料を、重量パーセントで(Nd,Pr)23Ce10Febal.1.0TM0.5に従ってバッチ処理し、そして、REは、Dy、Tb、およびHoの1以上であり;そして、TMは、Co、Ga、Al、Cu、およびZrの1以上であった。
【0037】
ステップ2:ストリップ鋳造:主相合金およびCe付加相合金のバッチ処理された原材料を、それぞれ融解し、ストリップ鋳造剥片を生成した。最初に、該材料を、ストリップ鋳造炉のるつぼの中に置き、そして、アルゴンの保護下で減圧誘導溶解に付し、該材料が十分に溶解したあと、1400~1500℃の温度に維持した溶解合金を、1.0~2.0m/sの線速度で水冷銅製ローラーの上に注入し、0.28~0.32mmの平均厚を伴うストリップ鋳造剥片を生成した。主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片を、重量パーセントで90%:10%の比率で、混合した。
【0038】
ステップ3:水素発散およびジェットミリング:ステップ2において一定の比率で混合したストリップ鋳造剥片を、水素発散、脱水素化、およびジェットミリングに付し、2.5~3.5μmの平均粒径を伴う粉末を調製した。ジェットミリングのプロセスの間、少量の酸素を、ジェットミリング媒体(Nまたは他の不活性気体)中に加え、該O濃度は、50ppmであった。
【0039】
ステップ4:粉末配向および形成:ステップ(3)において調製した粉末を、磁場成形プレスの配向および形成に付し、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付し、4.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成した。
【0040】
ステップ5:焼結および熱処理:ステップ4において調製した圧粉体を、高真空焼結炉の中に置き、10~1Pa未満の圧力に減圧し、次いで加熱し;吸着気体、酸化防止剤および滑沢剤を取り除くために脱気するために、400℃、650℃、および830~880℃で0.5~1時間それぞれ熱保存に付し;減圧下1080℃で2~5時間焼結し、そして次いで、920℃および400~650℃で2~5時間それぞれ熱処理し、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石を得て、そして最終磁石は、1500ppmの酸素濃度を有する。
【0041】
結果として生じた磁石は、Br=11.98kg、Hcj=28.73kOe、(BH)max=35.16MGOeの磁性特性;KIC=4.5MPa・m1/2の破壊靭性を有する。
【0042】
例2
この例の焼結希土類永久磁石の相合金およびCe付加相合金の組成の設計、および焼結希土類永久磁石を調製する方法は、主相合金を、重量パーセントで70%:30%の比率でCe付加相合金と混合したことを除いては、例1と同じであり:該磁石の焼結温度は、1070℃であり、そして、最終磁石は、1800ppmの酸素含有量を有する。
【0043】
結果として生じた磁石は、Br=12.30kg、Hcj=25.19kOe、(BH)max=37.06MGOeの磁性特性;KIC=5.0MPa・m1/2の破壊靭性を有する。
【0044】
例3
ステップ1:原材料バッチ処理:主相合金の原材料は、重量パーセントで(Nd,Pr)26RE5.0Febal.0.97TM2.5に従ってバッチ処理され、そして、Ce付加相合金の原材料は、重量パーセントで(Nd,Pr)12Re4.5Ce17Febal.-B1.05TM2.0に従ってバッチ処理され、REは、Dy、Tb、およびHoの1以上であり;Reは、La、Gd、およびYの1以上であり;そして、TMは、Co、Ga、Al、Cu、およびNbの1以上であった。
【0045】
ステップ2:主相合金およびCe付加相合金のバッチ処理された原材料を、それぞれ融解し、ストリップ鋳造剥片を生成した。最初に、該材料を、ストリップ鋳造炉のるつぼの中に置き、そして、アルゴンの保護下で減圧誘導溶解に付し、該材料が十分に溶解したあと、1400~1500℃の温度に維持した溶解合金を、1.0~2.0m/sの線速度で水冷銅製ローラーの上に注入し、0.28~0.32mmの平均厚を伴うストリップ鋳造剥片を生成した。主相合金およびCe付加相合金のストリップ鋳造剥片を、重量パーセントで90%:10%の比率で、混合した。
【0046】
ステップ3:破砕およびミリング:ステップ2における比率で混合したストリップ鋳造剥片を、水素発散、脱水素化、およびジェットミリングに付し、2.5~3.5μmの平均粒径を伴う磁性粉末を得た。ジェットミリングのプロセスの間、少量の酸素を、ジェットミリング媒体(Nまたは他の不活性気体)中に加え、該O濃度は、50ppmであった。
【0047】
ステップ4:粉末配向および形成:ステップ(3)において調製した粉末を、磁場成形プレスの配向および形成に付し、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付し、4.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成した。
【0048】
ステップ5:焼結および熱処理:ステップ4において調製した圧粉体を、高真空焼結炉の中に置き、10~1Pa未満の圧力に減圧し、次いで加熱し;吸着気体吸着気体、酸化防止剤および滑沢剤を取り除くために、脱気するために、400℃、650℃、および830~880℃で0.5~1時間それぞれ熱保存に付し;減圧下1070℃で2~5時間焼結し、そして次いで、920℃および400~650℃でそれぞれ熱処理し、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石を得て、そして最終磁石は、1800ppmの酸素濃度を有する。
【0049】
結果として生じた磁石は、Br=12.72kg、Hcj=23.86kOe、(BH)max=39.64MGOeの磁性特性;KIC=4.8MPa・m1/2の破壊靭性を有する。
【0050】
例4
ステップ1:原材料バッチ処理:主相合金の原材料は、重量パーセントで(Nd,Pr)29RE1.5Febal.0.92TM1.0に従ってバッチ処理され、そして、Ce付加相合金の原材料は、重量パーセントで(Nd,Pr)ReCe48Febal.-B0.15TM1.0に従ってバッチ処理され、REは、Dy、Tb、およびHoの1以上であり;Reは、La、Gd、およびYの1以上であり;そして、TMは、Co、Ga、Al、Cu、およびNbの1以上であった。
【0051】
ステップ2:急速凝固製錬:主相合金およびCe付加相合金のバッチ処理された原材料を、それぞれ融解し、急速凝固剥片を生成した。最初に、該材料を、急速凝固炉のるつぼの中に置き、そして、アルゴンの保護下で減圧誘導溶解に付し、該材料が十分に溶解したあと、1400~1500℃の温度に維持した溶解合金を、1.0~2.0m/sの線速度で水冷銅製ローラーの上に注入し、0.28~0.32mmの平均厚を伴う急速凝固剥片を生成した。主相合金およびCe付加相合金の急速凝固剥片を、重量パーセントで95%:5%の比率で、混合した。
【0052】
ステップ3:水素発散およびジェットミリング:ステップ2において一定の比率で混合した急速凝固剥片を、水素発散、脱水素化、およびジェットミリングに付し、2.5~3.5μmの平均粒径を伴う粉末を調製した。ジェットミリングのプロセスの間、少量の酸素を、ジェットミリング媒体(Nまたは他の不活性気体)中に加え、該O濃度は、80ppmであった。
【0053】
ステップ4:粉末配向および形成:ステップ(3)において調製した粉末を、磁場成形プレスの配向および形成に付し、そして次いで、コールドアイソスタティック成形に付し、4.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を作成した。
【0054】
ステップ5:焼結および熱処理:ステップ4において調製した圧粉体を、高真空焼結炉の中に置き、10-1Pa未満の圧力に減圧し、次いで加熱し;吸着気体、酸化防止剤および滑沢剤を取り除くために脱気するために、400℃、650℃、および830~880℃で0.5~1時間それぞれ熱保存に付し;そして次いで、減圧下1075℃で2~5時間焼結し、そして次いで、900℃および400~650℃でそれぞれ熱処理し、最終的に、高い保磁力を伴うCe含有焼結希土類永久磁石を得て、そして最終磁石は、2500ppmの酸素濃度を有する。
【0055】
結果として生じた磁石は、Br=13.35kg、Hcj=18.52kOe、(BH)max=43.68MGOeの磁性特性;KIC=4.85MPa・m1/2の破壊靭性を有する。
【表1】
図1