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特許7170922障害物検出強化データを得るとともに送信する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】障害物検出強化データを得るとともに送信する方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
B61L23/00 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021575595
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2020016229
(87)【国際公開番号】W WO2020261714
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】19181988.7
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボノビル、エルベ
(72)【発明者】
【氏名】グレッセ、ニコラ
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/106919(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/107076(WO,A1)
【文献】特開2017-214041(JP,A)
【文献】特開2003-217088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 1/00 - 99/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた経路(130)上を走行する移動輸送機関(140)の車載ワイヤレス無線ユニット(160)に送信されるべき障害物検出強化データを得る方法であって、前記移動輸送機関(140)は、障害物検出システム(170)を組み込み、前記障害物検出強化データは、データベース(150)に記憶されるとともに、地理的基準に関連付けて前記予め定めた経路(130)の周囲の環境の知識を記述するマップ記述子を含み、時間は、送信サイクルにおいて分割され、該方法は、サーバ(120)によって実行され、いずれの障害物検出強化データが送信サイクルCnにおいて前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に向けて送信されるべきかを判断するために、
前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の実際の速度及び位置に関する情報を得ること(S301)と、
前記移動輸送機関(140)の前記実際の速度において1送信サイクル中に該移動輸送機関(140)が走行する距離dkを計算すること(S302)と、
前記移動輸送機関(140)の前記実際の速度及び位置から、前記障害物検出システム(170)が、前記送信サイクルCnにおいて送信されるべき前記障害物検出強化データを必要とするであろう前記予め定めた経路(130)上の位置を推定すること(S303)と、
前記推定された位置及び前記地理的基準から、前記データベース(150)内の関連マップ部分を求めること(S304)と、
前記求められた関連マップ部分内の障害物検出強化データのうちの各1つに重みを割り当てることによって、該関連マップ部分内の該障害物検出強化データを優先度付けすること(S305)であって、前記重みは、前記推定された位置と、前記障害物検出強化データに関連付けられた前記地理的基準とを隔てる距離、及び/又は前記障害物検出強化データの精緻化レベルに従って割り当てられることと、
前記送信サイクルCn中に前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に向けた送信のために利用可能にされる送信リソースを得ること(S306)と、
前記割り当てられた重みに従って、前記送信リソースを埋めるように、前記データベース(150)から前記送信サイクルCnにおいて送信されるべき前記障害物検出強化データを索出すること(S307)と
を含む方法。
【請求項2】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示すとすると、前記重みは、
【数1】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、γは実数の定数である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示すとともに、x軸が前記予め定めた経路上の前記移動輸送機関の方向と同一に方向付けられるとすると、前記重みは、
【数2】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、βは実数の定数であり、H()は正の入力の場合に1に等しく、かつそうではない場合に0に等しいヘヴィサイドの階段関数であり、Δはそれより上では重みがヌルになるx軸上の座標である
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示すとともに、x軸が前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の方向と同一に方向付けられるとすると、前記重みは、
【数3】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、γは実数の定数であり、BDは前記移動輸送機関についての推定制動距離を表す
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示し、x軸が前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、前記重みは、
【数4】
であるように性能指数F2に従って割り当てられる
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示し、x軸が前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、前記重みは、
【数5】
であるように性能指数F2に従って割り当てられ、VMCは前記移動輸送機関(140)の前記実際の速度を表す
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(x,y,z)が前記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における前記地理的基準を示し、x軸が前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、前記重みは、
【数6】
であるように性能指数F2に従って割り当てられる
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
空間は、異なる精緻化レベルに関連付けられた空間において点を形成するように異なる粒度を有する格子構造を使用することによって階層的にサンプリングされ、より低い情報分解能を提供する点に対応する障害物検出強化データは、性能指数F3に従って、より良好な情報分解能を提供する点に対応する障害物検出強化データよりも高い重みを有する
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
精緻化レベルは、ポリトープの階層的精緻化であり、性能指数F3に従って、ポリトープ情報に対応する障害物検出強化データが精緻化詳細を提供するほど、この障害物検出強化データに割り当てられる重みは低下する
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
性能指数F4に更に従って、前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に既に提供され、かつ、提供以来変化していない障害物検出強化データに対して、該車載ワイヤレス無線ユニット(160)に未だ提供されていないか、若しくは提供以来変化している他の障害物検出強化データよりも低い重みが割り当てられる
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記重みは、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の前記性能指数F1、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の前記性能指数F2、請求項8又は請求項9に記載の前記性能指数F3及び請求項10に記載の前記性能指数F4のいずれかの組み合わせによって前記障害物検出強化データに割り当てられる方法。
【請求項12】
予め定めた経路(130)上を走行する移動輸送機関(140)の車載ワイヤレス無線ユニット(160)に障害物検出強化データを送信する方法であって、該方法は、前記サーバ(120)によって実行され、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の障害物検出強化データを得ることを含み、
前記送信サイクルCnの開始に達すると、前記索出された障害物検出強化データに利用可能にされる前記送信リソースにおいて該索出された障害物検出強化データを前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に送信すること(S308)を更に含む方法。
【請求項13】
プログラマブルデバイスによって実行されると、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法を実施するために前記プログラマブルデバイス内にロードすることができるプログラムコード命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムを記憶する非一時的情報記憶媒体であって、前記プログラムコード命令は、該非一時的情報記憶媒体から読み取られ、かつプログラマブルデバイスによって実行されると、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法を実施するために前記プログラマブルデバイス内にロードすることができる非一時的情報記憶媒体。
【請求項15】
予め定めた経路(130)上を走行する移動輸送機関(140)の車載ワイヤレス無線ユニット(160)に送信されるべき障害物検出強化データを得るように構成されたサーバ(120)であって、前記移動輸送機関(140)は、障害物検出システム(170)を更に組み込み、前記障害物検出強化データは、データベース(150)に記憶されるとともに、地理的基準に関連付けて前記予め定めた経路(130)の周囲の環境の知識を記述するマップ記述子を含み、時間は、送信サイクルにおいて分割され、
該サーバ(120)は、いずれの障害物検出強化データが送信サイクルCnにおいて前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に向けて送信されるべきかを判断するために、
前記予め定めた経路(130)上の前記移動輸送機関(140)の実際の速度及び位置に関する情報を得る(S301)手段と、
前記移動輸送機関(140)の前記実際の速度において1送信サイクル中に該移動輸送機関(140)が走行する距離dkを計算する(S302)手段と、
前記移動輸送機関(140)の前記実際の速度及び位置から、前記障害物検出システム(170)が、前記送信サイクルCnにおいて送信されるべき前記障害物検出強化データを必要とするであろう前記予め定めた経路(130)上の位置を推定する(S303)手段と、
前記推定された位置及び前記地理的基準から、前記データベース(150)内の関連マップ部分を求める(S304)手段と、
前記求められた関連マップ部分内の障害物検出強化データのうちの各1つに重みを割り当てることによって、該関連マップ部分内の該障害物検出強化データを優先度付けする(S305)手段であって、前記重みは、前記推定された位置と、前記障害物検出強化データに関連付けられた前記地理的基準とを隔てる距離、及び/又は前記障害物検出強化データの精緻化レベルに従って割り当てられる、手段と、
前記送信サイクルCn中に前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に向けた送信のために利用可能にされる送信リソースを得る(S306)手段と、
前記割り当てられた重みに従って、前記送信リソースを埋めるように、前記データベース(150)から前記送信サイクルCnにおいて送信されるべき前記障害物検出強化データを索出する(S307)手段と
を備えるサーバ。
【請求項16】
予め定めた経路(130)上を走行する移動輸送機関(140)の車載ワイヤレス無線ユニット(160)に障害物検出強化データを送信するように構成されたサーバ(120)であって、該サーバ(120)は、請求項15に記載のサーバであり、
前記送信サイクルCnの開始に達すると、前記索出された障害物検出強化データに利用可能にされる前記送信リソースにおいて該索出された障害物検出強化データを前記車載ワイヤレス無線ユニット(160)に送信する(S308)手段を更に備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、サーバから移動輸送機関内の車載コントローラに送信されるべき障害物検出強化データの量及びコンテンツを、その障害物検出強化データに利用可能にされる送信リソースに従って、適合させること、及び、それに従ってサーバから車載コントローラに障害物検出強化データを送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
列車等の移動輸送機関は、人間の運転者が運転することなく、線路等の予め定めた経路を走行できる。このような移動輸送機関は、障害物検出システムを用いて自動制御可能である。障害物検出システムは、パッシブ(可視光及び/又は赤外線カムコーダ)、及び場合によっては、アクティブセンサ(レーダー、レーザースキャナ、ソナー)を含むことができる。したがって、障害物検出システムは、潜在的な障害物の存在を検出し、障害物が存在すれば、適切な対策を講じること(移動輸送機関の速度を下げる、更には、移動輸送機関を停止させる、警笛を鳴動する…)ができるよう、移動輸送機関の前方の環境に関する情報を取得する。同様に、このような障害物検出システムを使用して、移動輸送機関を運転する人間の運転者を支援することもできる。
【0003】
予め定めた経路(線路等)を走行するこのような移動輸送機関の障害物検出を強化するために、リモートサーバを移動輸送機関の車載制御ユニットにワイヤレス接続することができる。このため、このようなリモートサーバは、このリモートサーバに接続されたデータベースに以前に記憶された障害物検出強化データを提供できる。障害物検出強化データは、予め定めた経路上の検討対象の移動輸送機関の位置に依拠し、予め定めた経路周囲のアイテムの記述子、予め定めた経路に沿った使用中の作業ゾーンの記述子、又は障害物検出システムが障害物検出の判定を改善できるのに役立ち得る任意の他のデータを含むことができる。このような障害物検出強化データは、3Dマップ情報に基づくことができる。これにより、こうしたデータベースは、移動輸送機関が走行しがちな予め定めた経路の記述、及びこれに関連する障害物検出強化データを記憶する。
【0004】
送信リソース割り当ては、通例、サーバから移動輸送機関内の車載制御ユニットへの実効伝播条件(干渉の存在…)を考慮に入れるが、全ての利用可能な障害物検出強化データを適時に提供することが可能であるほど十分大きくない場合がある。
【0005】
障害物検出がスタンドアロンモードにおいて動作することが可能であるものの、サーバから移動輸送機関内の車載制御ユニットに送信される障害物検出強化データの選択が障害物検出を改善する(例えば、誤報を削減する)ように最適化される解決策を提供することが特に望ましい。シンプルで費用効果が高い解決策を提供することが一層特に望ましい。
【発明の概要】
【0006】
そのため、本発明は、予め定めた経路上を走行する移動輸送機関の車載ワイヤレス無線ユニットに送信されるべき障害物検出強化データを得る方法であって、移動輸送機関は、障害物検出システムを組み込み、障害物検出強化データは、データベースに記憶されるとともに、地理的基準に関連付けて予め定めた経路の周囲の環境の知識を記述するマップ記述子を含み、時間は、送信サイクルにおいて分割され、方法は、サーバによって実行され、いずれの障害物検出強化データが送信サイクルCにおいて車載ワイヤレス無線ユニットに向けて送信されるべきかを判断するために、予め定めた経路上の移動輸送機関の実際の速度及び位置に関する情報を得ることと、移動輸送機関の実際の速度において1送信サイクル中に移動輸送機関が走行する距離dを計算することと、移動輸送機関の実際の速度及び位置から、障害物検出システムが、送信サイクルCにおいて送信されるべき障害物検出強化データを必要とするであろう上記予め定めた経路上の位置を推定することと、推定された位置及び地理的基準から、データベース内の関連マップ部分を求めることと、求められた関連マップ部分内の障害物検出強化データのうちの各1つに重みを割り当てることによって、上記関連マップ部分内の障害物検出強化データを優先度付けすることであって、重みは、推定された位置と、障害物検出強化データに関連付けられた地理的基準とを隔てる距離、及び/又は障害物検出強化データの精緻化レベルに従って割り当てられることと、送信サイクルC中に車載ワイヤレス無線ユニットに向けた送信のために利用可能にされる送信リソースを得ることと、割り当てられた重みに従って、上記送信リソースを埋めるように、データベースから送信サイクルCにおいて送信されるべき障害物検出強化データを索出することとを含む、方法に関する。
【0007】
それゆえ、サーバから移動輸送機関内の車載制御ユニットに送信される障害物検出強化データの選択は、これを行うために利用可能にされる送信リソースを考慮して障害物検出を改善するように最適化される。それゆえ、障害物検出による誤報回避が改善される。
【0008】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示すとすると、重みは、
【数1】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、γは、実数の定数である。
【0009】
それゆえ、絶対距離において、推定された位置にある移動輸送機関MC140に最も近い障害物検出強化データは、より高い重みを有する。
【0010】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示すとともに、x軸が予め定めた経路上の移動輸送機関の方向と同一に方向付けられるとすると、重みは、
【数2】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、βは、実数の定数であり、H()は、正の入力の場合に「1」に等しく、かつそうではない場合に「0」に等しいヘヴィサイドの階段関数であり、Δは、それより上では重みがヌルになるx軸上の座標である。
【0011】
それゆえ、前方向距離において、推定された位置にある移動輸送機関MC140に最も近い障害物検出強化データは、より高い重みを有する。
【0012】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示すとともに、x軸が予め定めた経路上の移動輸送機関の方向と同一に方向付けられるとすると、重みは、
【数3】
であるように性能指数F1に従って割り当てられ、ここで、γは、実数の定数であり、BDは、移動輸送機関についての推定制動距離を表す。
【0013】
それゆえ、推定制動距離BD内の障害物検出強化データに低い優先度が割り当てられる。
【0014】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示し、x軸が予め定めた経路上の移動輸送機関の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、重みは、
【数4】
であるように性能指数F2に従って割り当てられる。
【0015】
したがって、障害物検出強化データが参照する障害物検出強化データの地理的基準が予め定めた経路から離れるほど、その重みは低下する。
【0016】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示し、x軸が予め定めた経路上の移動輸送機関の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、重みは、
【数5】
であるように性能指数F2に従って割り当てられ、VMCは、移動輸送機関の実際の速度を表す。
【0017】
それゆえ、低速の移動物体、及び/又は線路付近に位置する移動物体からの向上された保護を可能にするアイテムにより高い優先度が割り当てられる。
【0018】
特定の実施の形態によれば、「(x,y,z)」が上記推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示し、x軸が予め定めた経路上の移動輸送機関の方向と同一に方向付けられ、z軸が上向きに方向付けられるとすると、重みは、
【数6】
であるように性能指数F2に従って割り当てられる。
【0019】
それゆえ、よりシンプルな変形形態において、低速の移動物体、及び/又は線路付近に位置する移動物体からの向上された保護を可能にするアイテムにより高い優先度が割り当てられる。
【0020】
特定の実施の形態によれば、空間は、異なる精緻化レベルに関連付けられた空間において点を形成するように異なる粒度を有する格子構造を使用することによって階層的にサンプリングされ、より低い情報分解能を提供する点に対応する障害物検出強化データは、性能指数F3に従って、より良好な情報分解能を提供する点に対応する障害物検出強化データよりも高い重みを有する。
【0021】
それゆえ、未加工の障害物検出強化データは、優先度順において送信される。
【0022】
特定の実施の形態によれば、精緻化レベルは、ポリトープの階層的精緻化であり、性能指数F3に従って、ポリトープ情報に対応する障害物検出強化データが精緻化詳細を提供するほど、この障害物検出強化データに割り当てられる重みは低下する。
【0023】
それゆえ、未加工の障害物検出強化データは、優先度順において送信される。
【0024】
特定の実施の形態によれば、性能指数F4に更に従って、車載ワイヤレス無線ユニットに既に提供され、かつ、提供以来変化していない障害物検出強化データに対して、車載ワイヤレス無線ユニットに未だ提供されていないか、若しくは提供以来変化している他の障害物検出強化データよりも低い重みが割り当てられる。
【0025】
それゆえ、新しい障害物検出強化データは、優先度順において送信される。
【0026】
特定の実施の形態によれば、重みは、性能指数F1、F2、F3及びF4の組み合わせによって障害物検出強化データに割り当てられる。したがって、上記で表現された利点のトレードオフの組み合わせが達成される。
【0027】
本発明はまた、予め定めた経路上を走行する移動輸送機関の車載ワイヤレス無線ユニットに障害物検出強化データを送信する方法であって、方法は、サーバによって実行され、上述したような障害物検出強化データを得ることを含み、送信サイクルCの開始に達すると、索出された障害物検出強化データに利用可能にされる送信リソースにおいて索出された障害物検出強化データを車載ワイヤレス無線ユニットに送信することを更に含む、方法に関する。
【0028】
本発明はまた、予め定めた経路上を走行する移動輸送機関の車載ワイヤレス無線ユニットに送信されるべき障害物検出強化データを得るように構成されたサーバであって、移動輸送機関は、障害物検出システムを更に組み込み、障害物検出強化データは、データベースに記憶されるとともに、地理的基準に関連付けて予め定めた経路の周囲の環境の知識を記述するマップ記述子を含み、時間は、送信サイクルにおいて分割され、サーバは、いずれの障害物検出強化データが送信サイクルCにおいて車載ワイヤレス無線ユニットに向けて送信されるべきかを判断するために、予め定めた経路上の移動輸送機関の実際の速度及び位置に関する情報を得る手段と、移動輸送機関の実際の速度において1送信サイクル中に移動輸送機関が走行する距離dを計算する手段と、移動輸送機関の実際の速度及び位置から、障害物検出システムが、送信サイクルCにおいて送信されるべき障害物検出強化データを必要とするであろう上記予め定めた経路上の位置を推定する手段と、推定された位置及び地理的基準から、データベース内の関連マップ部分を求める手段と、求められた関連マップ部分内の障害物検出強化データのうちの各1つに重みを割り当てることによって、上記関連マップ部分内の障害物検出強化データを優先度付けする手段であって、重みは、推定された位置と、障害物検出強化データに関連付けられた地理的基準とを隔てる距離、及び/又は障害物検出強化データの精緻化レベルに従って割り当てられる、手段と、送信サイクルC中に車載ワイヤレス無線ユニットに向けた送信のために利用可能にされる送信リソースを得る手段と、割り当てられた重みに従って、上記送信リソースを埋めるように、データベースから送信サイクルCにおいて送信されるべき障害物検出強化データを索出する手段とを備える、サーバに関する。
【0029】
本発明はまた、予め定めた経路上を走行する移動輸送機関の車載ワイヤレス無線ユニットに障害物検出強化データを送信するように構成されたサーバであって、サーバは、上記で定義されるようなサーバであり、送信サイクルCの開始に達すると、索出された障害物検出強化データに利用可能にされる送信リソースにおいて索出された障害物検出強化データを車載ワイヤレス無線ユニットに送信する手段を更に備える、サーバに関する。
【0030】
本発明はまた、本発明の実施の形態のいずれか1つとして上述した方法を実施させるために、通信ネットワークからダウンロードし、及び/又は、マイクロプロセッサ等の処理デバイスによって読み取り及び実行することができるコード命令を含む非一時的情報記憶媒体に記憶することができるコンピュータプログラムに関する。本発明はまた、このようなコンピュータプログラムを記憶する非一時的情報記憶媒体に関する。
【0031】
本発明の特徴は、実施形態の少なくとも1つの例の以下の説明を読むことによってより明らかになる。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明を実施することができる障害物検出強化システムを概略的に示す図である。
図2】障害物検出強化システムの処理デバイスのハードウェアアーキテクチャの一例を概略的に示す図である。
図3】いずれの障害物検出強化データがサーバから移動輸送機関内の車載コントローラに送信されるべきであるかを、その障害物検出強化データに利用可能にされる送信リソースに従って判断し、それに従って当該障害物検出強化データを送信するアルゴリズムを概略的に示す図である。
図4】移動輸送機関内の車載コントローラによって実施される、障害物検出強化データを受信及び処理するアルゴリズムを概略的に示す図である。
図5】その上で移動輸送機関が走行する予め定めた経路からの横方向距離に従った障害物検出強化データ選択の一例を概略的に示す図である。
図6】障害物検出強化データ粒度に従った障害物検出強化データ選択の一例を概略的に示す図である。
図7】障害物検出強化データの定義レベルに従った障害物検出強化データ選択の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、予め定めた経路130に沿った移動輸送機関MC140の行程中の障害物検出を改善するためのサポートを提供するように意図された障害物検出強化システム100を概略的に示している。図1上では、別の移動輸送機関MC141が、別の予め定めた経路131に沿った行程を実行している。
【0034】
好ましい実施形態において、移動輸送機関MC140は列車であり、予め定めた経路130は、その上を移動輸送機関MC140が走行する線路である。
【0035】
障害物検出強化システム100は、サーバSERV120と、移動輸送機関MC140に配置された車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160とを備える。車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、ワイヤレス通信機能を有するコントローラである。
【0036】
サーバSERV120及び車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、考えられることとして、予め定めた経路130に沿って配置された沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110等のワイヤレス無線ユニットを介して、互いにワイヤレス通信する。予め定めた経路130上の移動輸送機関MC140の有効位置がどこであっても、サーバSERV120と車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160との間のワイヤレス通信の持続性を可能な限り確保できるよう、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110等のワイヤレス無線ユニットが地理的に設置されている。
【0037】
例えば、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110等のワイヤレス無線ユニットは、電気通信システム、例えば、LTE(「Long Term Evolution」)電気通信システム等のアクセスポイントである。例えば、サーバSERV120は、銅線又は光リンクを使用して、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110等のワイヤレス無線ユニットに接続されている。
【0038】
同様に、移動輸送機関MC141は、サーバSERV120とワイヤレス通信する車載ワイヤレス無線ユニットOWRU161を備える。
【0039】
サーバSERV120は、各移動輸送機関MC140、141が、予め定めたそれぞれの経路130、131のうちどの経路を現在走行しているのかを、例えば、構成によって把握している。
【0040】
移動輸送機関MC140は、障害物検出システムODS170を組み込んでいる。障害物検出システムODS170は、パッシブ(可視光及び/又は赤外線カムコーダ)、及び場合によっては、アクティブセンサ(レーダー、レーザースキャナ、ソナー)を含むことができる。したがって、障害物検出システムODS170は、障害物の存在を検出し、障害物があれば、適切な対策を講じることができるよう、移動輸送機関の前方の環境に関する情報を取り込む。移動輸送機関MC140が自動運転されているとき、障害物検出システムODS170は、潜在的な衝突を回避するために緊急停止させるよう、移動輸送機関MC140に指示することができる。人間の運転者が移動輸送機関MC140を運転しているとき、障害物検出システムODS170は、潜在的な衝突を回避するために緊急手順を起動させなければならないことを人間の運転者に示す緊急警告信号を提供できる。
【0041】
同様に、移動輸送機関MC141は、障害物検出システムODS171を備える。
【0042】
障害物検出性能を高めるために、障害物検出システムODS170は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160を介してサーバSERV120と通信する。したがって、サーバSERV120は、障害物検出処理を高速化するため、及び/又は、誤報の発生率を低減するために、障害物検出強化データを障害物検出システムODS170に提供する。障害物検出システムODS170が、対応する移動輸送機関の前方の衝突リスクを誤って検出すると、誤報が発生する。
【0043】
例えば、障害物検出強化データは、移動輸送機関MC140の有効位置の前方の対応する予め定めた経路130の近くに存在することが分かっている物理的アイテム(建物、樹木、踏切、作業エリア…)の記述子を含む。特定の実施形態において、障害物検出強化データは、対応する予め定めた経路130の周囲環境の3Dシーンのサンプルを記述する3Dシーン記述子を含む。このような3Dシーンは、例えば、対応する予め定めた経路130での訓練行程中に、移動輸送機関MCの前面に設置されたカメラによって撮影されたビデオ画像の3Dモデリングから得られる。したがって、対象のサンプルは、3Dモデリングから抽出されたポリトープであり得る。
【0044】
このような障害物検出強化データにより、障害物検出システムODS170は、移動輸送機関MC140の前方の障害物検出システムODS170によって検出された物体の潜在的な障害物特性に関する判定を改善できる。
【0045】
このような障害物検出強化データを記憶するために、障害物検出強化システム100は、予め定めた経路130の記述又は少なくともこの予め定めた経路の1つ以上の区間の記述、及び周囲環境記述を含む、予め定めた経路に関連付けられた障害物検出強化データを記憶するのに使用されるデータベースDB150を更に備える。それゆえ、データベースDB150に記憶された障害物検出強化データは、予め定めた経路130の周囲の環境の知識を記述するマップ記述子を含む。データベースDB150内で記述される各周囲環境アイテムは、地理的基準、典型的には、一組の3D絶対座標(x,y,z)に関連付けられる。
【0046】
1つの例によれば、マップ記述子が3D空間点である場合、各3D空間点に対応する障害物検出強化データは、当該3D空間点の地理的位置と、この地理的位置における物体(建物、樹木…)の既知の存在又は不在を示すビットとを関連付けるものである。
【0047】
別の例によれば、マップ記述子がポリトープ等の体積体の記述である場合、各体積体の地理的位置は、当該体積体の顕著な点、例えば、ポリトープの重心、又はポリトープの表面の重心、又はポリトープの頂点によって参照される。
【0048】
マップ記述子は、特定の地理的位置における物体の既知の存在を示すこともできるし、特定の地理的位置における任意の物体の事前の不在を示すこともできることが、更に留意されよう。
【0049】
データベースDB150は、予め定めた経路130の部分ごとに障害物検出強化データを索出するために、サーバSERV120によって使用される。予め定めた経路130の或る部分が示す障害物検出強化データは、他の部分よりも多い場合も、少ない場合もある。実際のところ、例えば、予め定めた経路130の或る部分については、他の部分よりも、周囲の環境を記述するのがより複雑となる場合がある。
【0050】
障害物検出システムODS170は障害物検出強化データを必要とすることなく障害物検出を実行することが可能であるべきであるが、データベースDB150内で利用可能な障害物検出強化データの中から、可能な限り関連した障害物検出強化データを車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に送信することが可能であることは興味深い。実際、サーバSERV120から車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160への障害物検出強化データのワイヤレス送信を許可するために利用可能にされる送信リソースは、移動輸送機関MC140が位置する場所での障害物検出にとって有用となり得る全ての障害物検出強化データを送信するほどには十分に大きくない可能性がある。
【0051】
送信リソース割り当ては、サイクル単位で実行される。送信リソース割り当ては、サーバSERV120、又は別の機器によって実行することができる。当該別の機器は、有効に実行された送信リソース割り当てをサーバSERV120に通知する。それゆえ、時間は、等しい持続時間Tの送信サイクルにおいて分割され、各送信サイクルにおいて1フレームがサーバSERV120から車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に送信される。その場合、送信リソースは、この送信サイクル内の時間及び周波数リソースである。
【0052】
車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に向けた送信のために有効に利用可能にされる送信リソースは、送信サイクルごとに異なる場合がある。実際、サーバSERV120と車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160との間のワイヤレスリンクの品質は、変化し、それゆえ利用可能な帯域幅を減少又は増加させる場合がある。その上、利用可能な帯域幅は、例えばサーバSERV120が車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160の近位に存在する別の車載ワイヤレス無線ユニットOWRU161と更に通信する場合、複数の同時送信によって共有される場合がある。図3に関して以降で詳述されるように、サーバSERV120によって車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に送信されるべき関連した障害物検出強化データは、サーバSERV120から車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に向けた送信のために有効に利用可能にされる送信リソースに整合するように十分に選択されなければならない。
【0053】
送信サイクルC中(ここで、nは、送信サイクルシーケンス番号である)、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、その上を検討対象の移動輸送機関MC140が走行する予め定めた経路130の、検討対象の移動輸送機関MC140の前方の或る特定の距離にある一部分(予め定めた経路130上又は予め定めた経路130の近位)についての障害物検出強化データをこのように受信する。このように受信された障害物検出強化データの処理は、図4に関して以降で詳述される。
【0054】
図2は、障害物検出強化システム100の処理デバイス200のハードウェアアーキテクチャの一例を概略的に示す。車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160及び/又は障害物検出システムODS170及び/又はサーバSERV120は、このようなハードウェアアーキテクチャの例に基づいて構築することができる。
【0055】
ハードウェアアーキテクチャの示される例によれば、処理デバイス200は、通信バス210によって相互接続された少なくとも以下の構成要素、すなわち、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はCPU(Central Processing Unit)201と、RAM(Random-Access Memory)202と、ROM(Read-Only Memory)203と、HDD(Hard-Disk Drive)、若しくはSD(Secure Digital)カードリーダ204、又は非一時的情報記憶媒体上に記憶された情報を読み取るように構成される任意の他のデバイスと、少なくとも1つの通信インタフェースCOM205とを備える。
【0056】
ハードウェアアーキテクチャがサーバSERV120に関連する場合、少なくとも1つの通信インタフェースCOM205は、サーバSERV120が、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110と通信できるようにする。一変形形態では、少なくとも1つの通信インタフェースCOM205は、サーバSERV120が、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160と直接ワイヤレス通信できるようにする。
【0057】
ハードウェアアーキテクチャが車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に関連する場合、少なくとも1つの通信インタフェースCOM205により、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110とワイヤレス通信できるとともに、障害物検出システムODS170と通信できる。一変形形態では、少なくとも1つの通信インタフェースCOM205により、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、沿道ワイヤレス無線ユニットWWRU、WWRU110ではなく、サーバSERV120と直接ワイヤレス通信できる。
【0058】
ハードウェアアーキテクチャが障害物検出システムODS170に関連する場合、通信インタフェースCOM205により、障害物検出システムODS170は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160と通信できる。
【0059】
CPU201は、ROM203から、又はSDカードリーダ204を介してSDカード等の外部メモリから、RAM202にロードされた命令を実行することができる。処理デバイス200の電源がオンになった後に、CPU201は、RAM202から命令を読み取って、これらの命令を実行することができる。それらの命令は、対象の処理デバイス200に関して本明細書において説明されるアルゴリズムのステップの一部又は全てをCPU201に実行させる1つのコンピュータプログラムを構成する。
【0060】
結果として、本明細書で説明されるアルゴリズムの任意のステップ及び全てのステップは、PC(Personal Computer)、DSP(Digital Signal Processor)若しくはマイクロコントローラ等のプログラマブルコンピューティングマシンにより一組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェア形式において実施するか、又はそうでなければ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)若しくはASIC(Application-Specific Integrated Circuit)等の機械若しくは専用チップ若しくはチップセットによってハードウェア形式において実施することができることは理解されたい。一般に、サーバSERV120、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160、及び障害物検出システムODS170は、対象の処理デバイス200に関して本明細書において説明されるような関連ステップを実施するように適合及び構成される処理電子回路部を備える。
【0061】
図3は、いずれの障害物検出強化データがサーバSERV120から車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に送信されるべきであるかを、障害物検出強化データに利用可能にされる送信リソースに従って判断し、それに応じて当該障害物検出強化データを送信するアルゴリズムを概略的に示している。
【0062】
ステップS301において、サーバSERV120は、移動輸送機関MC140の実際の速度に関する情報を取得する。移動輸送機関MC140の実際の速度に関する情報は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160によって提供される。
【0063】
サーバSERV120は、移動輸送機関MC140が走行している予め定めた経路130上の移動輸送機関MC140の実際の位置に関する情報を更に取得する。移動輸送機関MC140の実際の位置に関する情報は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160によって提供することができる。一変形形態では、移動輸送機関MC140の実際の位置に関する情報は、沿道の輸送機関(例えば、列車)検出システムによってサーバSERV120に提供することができる。
【0064】
ステップS302において、サーバSERV120は、移動輸送機関MC140の実際の速度の関数として、持続時間Tの1送信サイクル中に少なくとも1つの移動輸送機関MC140が走行する距離dを求める。
【0065】
ステップS303において、移動輸送機関MC140の実際の速度及び位置から、サーバSERV120は、障害物検出システムODS170が、送信サイクルC中に送信されるべき障害物検出強化データを必要とするであろう予め定めた経路130上の(未来の)位置を推定する。位置推定は、推定制動距離BDを考慮に入れることができる。推定制動距離BDは、移動輸送機関MC140の実際の速度に依存し、この距離は、移動輸送機関MC140の実際の速度の関数として制動モデルから得ることができる。
【0066】
ステップS304において、サーバSERV120は、ステップS303において推定された、予め定めた経路130上の位置から、関連マップ部分を求める。関連マップ部分は、データベースDB150内で記述されたマップの、上記推定位置から障害物検出システムODS170にとって関心がある部分である。関連マップ部分は、ステップS303において推定された、予め定めた経路130上の位置と、移動輸送機関MC140がこの位置にあることが予想される時刻とを考慮した、絶対時刻に基づく予測情報を含むことができる(予め定めた経路130上又は隣接した経路上での移動輸送機関の予測される存在、予め定めた経路130に沿った臨時作業の予測される存在…)。障害物検出システムODS170の1つの特徴が視野FOV(この視野は、障害物検出システムODS170が予め定めたサイズよりも大きい寸法を有する物理的アイテムの存在をその距離内で検出することが可能である、移動輸送機関MC140の前方の最大距離である)であるとすると、関連マップ部分は、好ましくは、推定位置(ステップ303)と、予め定めた経路130上の視野FOVに、場合によっては予め定めたマージンを加えたものに等しい距離だけ前方の位置との間に含まれるマップの部分である。サーバSERV120は、視野FOVを超える関連マップ部分、すなわち、該当する障害物検出強化データが障害物検出システムODS170によって有効に消費される瞬間と比較して前の時点の少なくとも1つの送信サイクルを求めることもできる。
【0067】
好ましくは、サーバSERV120は、マップ部分のアイテムの地理的基準を正規直交座標系にシフトさせ、この正規直交座標系は、ステップS303において推定された位置にその中心を合わせるとともに、その中で、座標表記xを割り当てられた第1の基底ベクトルが、予め定めた経路130のステップS303において推定された当該位置における軌道と同一線上にある。
【0068】
ステップS305において、サーバSERV120は、ステップS304において求められた関連マップ部分内の障害物検出強化データを優先度付けする。障害物検出強化データを優先度付けすることは、上記関連マップ部分内の障害物検出強化データのうちの各1つに重みを割り当てることを意味する。重みは、性能指数に従って割り当てることができる。
【0069】
第1の実施形態によれば、サーバSERV120は、ステップS303において推定された位置と、障害物検出強化データが参照するマップ部分のアイテムの地理的基準とを隔てる距離に従って、関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当てる。この第1の実施形態では、(F1で示される)性能指数は、重みが絶対距離又は前方向距離とともに減少することを確実にする。
【0070】
それゆえ、対象の距離は、絶対距離とすることができる。この事例では、(x,y,z)が、ステップS303において推定された位置に中心を合わせた正規直交座標系における上記地理的基準を示すとすると、性能指数F1の一例は、以下のように定義することができる。これは、(推定位置にある)移動輸送機関MC140に最も近いマップアイテムが他のものよりも高い重みを有することを伴う。
【数7】
ここで、γは、実数の定数である。
【0071】
したがって、対象の距離は、前方向距離とすることができ、これは、ステップS303において推定された位置と、上記地理的基準の、予め定めた経路130上の移動輸送機関MC140の方向(又は速度ベクトル)と同一に方向付けられる座標のx軸への直交射影との間の距離(図5上のXMOを参照)である。それゆえ、性能指数F1の別の例は、以下のように定義することができる。
【数8】
ここで、βは、実数の定数であり、H()は、正の入力の場合に「1」に等しく、かつそうではない場合に「0」に等しいヘヴィサイドの階段関数であり、Δは、それより上では重みがヌルになるx軸上の座標である。
【0072】
x軸の方向において前方の位置のみにある情報の選択は、以下の重み付けによって得ることができる。
【数9】
【0073】
階段状減少重み関数も、同じ原理を用いて以下のように定義することができる。
【数10】
ここで、Δ、Δ、Δは、それより上では重み減少が存在するx軸上の別個の座標であり、β、β及びβは、実数の定数である。
【0074】
移動輸送機関MC140の推定制動距離BDよりも短い距離に位置するアイテムについての障害物検出強化データを提供することは、移動輸送機関MC140が障害物との衝突を回避することが可能でない場合があるので、無関係とみなされ得るが、これは、移動輸送機関MC140の速度を減少させる必要性を予測する助けとなる場合があり、これにより実効的な衝突の事例における損傷が限定的になる。
【0075】
第2の実施形態によれば、サーバSERV120は、ステップS303において推定された位置と、障害物検出強化データが参照するマップ部分のアイテムの地理的基準とを隔てる距離に従うとともに、推定制動距離BDに更に従って、関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当てる。この第2の実施形態では、性能指数F1は、推定制動距離BD内のアイテムには低い優先度が割り当てられることを確実にする。性能指数F1の一例は、以下のように定義することができる。
【数11】
ここで、γは、実数の定数である。
【0076】
第3の実施形態によれば、サーバSERV120は、ステップS303において推定された位置と、障害物検出強化データが参照するマップ部分のアイテムの地理的基準とを隔てる距離に従って、関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当てる。この第3の実施形態では、(F2で示される)性能指数は、重みが横方向距離とともに減少することを確実にする。横方向距離は、図5に示すように、移動輸送機関MC140の方向と、移動輸送機関MC140及び対象の地理的基準を接合する線との間の角度αによって表される。目的は、予め定めた経路130と垂直な方向において速度VMOで移動している、又は予め定めた経路に非常に近くに位置する潜在的な移動障害物MO500の検出を助けることである。移動輸送機関MC140が列車であるとすると、例は、線路の付近で作業をしている保守作業員、又は踏切上を走行している自動車である。性能指数F2の一例は、以下のように定義することができる。
【数12】
これは、障害物検出強化データが参照するマップ部分のアイテムの地理的基準が予め定めた経路から離れるほど、その重みは低下することを伴う。
【0077】
第4の実施形態によれば、サーバSERV120は、前方向距離と横方向距離との間の比に従って関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当てる。実際、移動物体MO500(例えば、自動車)が予め定めた経路130(例えば、線路トラック)に向かって移動しているとすると、移動輸送機関MC140(例えば、列車)との衝突の実効リスクが存在するか否かは、移動輸送機関MC140の速度VMC及び検討対象の移動物体MO500の検討対象の速度VMOに依存し、検討対象の移動物体MO500の地理的位置に更に依存する。移動輸送機関MC140が図5上の距離XMOを進むのに要する時間が、移動物体MO500が図5上の距離YMOを進むのに要する時間に実質的に等しい場合、衝突のリスクが存在する。以下の等式が満たされる場合、衝突が生じる尤度が非常に高い。
【数13】
【0078】
それゆえ、移動物体MO500が2Dレーン上で(すなわち、Z=0、z軸が上向きに方向付けられているため)移動することを仮定することによって、検討対象の移動物体MO500の検討対象の速度VMOが以下の関係を満たす場合、衝突が生じる尤度が非常に高い。
【数14】
【0079】
2D座標(XMO,YMO)の所与の位置が、或る物体が線路への最短経路で線路の方向において検討対象の速度VMOで移動することになる場合、衝突の脅威となるであろう当該物体の検討対象の速度VMOに関連付けられる。それゆえ、2つの異なる位置を、異なる検討対象の速度VMOに関連付けることができる。これにより、2つの異なる重みを有するこれらの2つの異なる位置を比較することが可能になる。障害物検出強化データは、物体が事前に不在である地理的ゾーンのインジケーションに対応する。列車が、空白であるべき位置において物体を検出した場合、この物体は、この物体が線路への最短経路で線路の方向において検討対象の速度VMOで移動することになる場合にのみ衝突の脅威である。それゆえ、所与の位置に位置するアイテムは、潜在的な脅威の検討対象の速度VMOに関連付けることができる。検討対象の速度VMOの関数として、例えば、アイテムの位置に関連付けられた検討対象の速度VMOの逆数を考慮することによって、アイテムごとに重みを計算することができる。上記逆数を考慮することは、より小さい検討対象の速度VMOに対応するアイテムについて重みがより高くなることを伴う。
【0080】
これにより、重みは、移動輸送機関MC140の前方の予め定めた経路130に向かって移動する検討対象の移動物体MO500の速度VMOに反比例すべきであると考慮するに至る。この第4の実施形態では、性能指数F2は、障害物検出強化データが、物体が事前に不在である地理的ゾーンのインジケーションに対応する場合、低速の移動物体からの向上された保護を可能にするアイテムにより高い優先度が割り当てられることを確実にする。それゆえ、性能指数F2の一例は、以下のように定義することができる。
【数15】
又は単純に、
【数16】
【0081】
第5の実施形態によれば、サーバSERV120は、対象の障害物検出強化データの精緻化レベルに従って関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当てる。精緻化レベルは、第5の実施形態では、マップの空間サンプリング粒度である。したがって、空間はサンプリングされ、それゆえ点が形成される。その場合、それぞれの粒度を有するいくつかの層が定義される。幾つかの層は、例えば、0.1メートルの粒度を有する第1の層、0.5メートルの粒度を有する第2の層、1メートルの粒度を有する第3の層及び5メートルの粒度を有する第4の層である。次数「n-1」の層は、次数「n」の層において既に存在する点情報を含まないことに留意されたい。2層の例が図6に示されており、図6において、正方形600によって表される点は、円盤601によって表される点よりも精密度が低い粒度に従ってサンプリングされる。それゆえ、空間は、格子構造を使用することによって階層的にサンプリングされる。点間のより大きい最小距離を有する部分格子に属する点は、より高い重みを有することになる。それゆえ、より低い情報分解能を提供する点は、より良好な情報分解能を提供する点に対して優先される。このような重み割り当て規則をモデル化する性能指数をF3と示すことにする。
【0082】
第6の実施形態によれば、サーバSERV120は、ここでも対象の障害物検出強化データの精緻化レベルに従って関連マップ部分内の障害物検出強化データに重みを割り当て、性能指数F3は精緻化レベルを表す。精緻化レベルは、ここでは、ポリトープの階層的精緻化である。ポリトープ情報がより精緻化詳細を提供するほど、このポリトープ情報に割り当てられる重みは低下する。それゆえ、ポリトープによって表される各体積体は、図7に示されるような階層的構築に従い、図7において、三角形702によって表されるポリトープ点をリンクする頂点は、高い重みに関連付けられ、ポリトープのより精緻化された記述を提供する円盤701によって表されるポリトープ点をリンクする頂点は、中程度の重みに関連付けられ、ポリトープの更により精緻化された記述を提供する正方形700によって表されるポリトープ点をリンクする頂点は、低い重みに関連付けられる。
【0083】
第7の実施形態によれば、サーバSERV120は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に既に提供されており、かつ、それ以来変化していない障害物検出強化データにより低い重みを更に割り当てる。このような障害物検出強化データは、以前の送信サイクル中に車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に提供されている場合がある。このような障害物検出強化データは、事前ロード方式において、例えば、移動輸送機関MC140が予め定めた経路130上の行程を開始する前に静止していたときに、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に提供されている場合がある(例えば、移動輸送機関MC140は列車であり、列車が鉄道駅内で出発を待機していたときに事前ロードが実行される)。これを行うために、サーバSERV120は、障害物検出強化データが車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に既に提供されている場合、データベースDB150に記憶された当該障害物検出強化データに関連付けられたフラグを設定する。対象の障害物検出強化データが、当該障害物検出強化データが車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に提供された以前の時間から変化している場合、サーバSERV120は、更新済みの障害物検出強化データが車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に再送信されるように、関連付けられたフラグを再設定する。それゆえ、サーバSERV120は、このようなフラグのステータスに従って重みを割り当て、例えば、フラグが設定されている場合にはヌル重み(低い優先度)及びフラグが設定されていない場合に正の重み(より高い優先度)を割り当てる。このような重み割り当て規則をモデル化する性能指数をF4と示すことにする。
【0084】
特定の実施形態では、サーバSERV120は、多基準重み割り当てを実行するように、上記で説明された第1の実施形態~第7の実施形態の中からの組み合わせを適用することによって重みを割り当てる。例えば、低空間サンプリング分解能での移動輸送機関MC140の前方の予め定めた距離までの地理的基準に関連付けられた障害物検出強化データが高い優先度を割り当てられるように、性能指数F3が性能指数F1と組み合わされる。その場合、より高い空間サンプリング分解能での移動輸送機関MC140の前方の予め定めた距離までの位置の地理的基準に関連付けられた障害物検出強化データが次に続き、以降も同様である。
【0085】
上記で表現された異なる性能指数を、組み合わされた性能指数Fに組み合わせる別の例は、範囲[0,1]に値を正規化し、適合係数を用いてそれらを線形に組み合わせることである。
【数17】
ここで、α、α及びαは、適合係数である。
【0086】
上記で表現された異なる性能指数を、組み合わされた性能指数Fに組み合わせる更なる別の例は、マスクを適用するために性能指数F4を使用することである。それゆえ、性能指数F4は、乗算係数(車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に既に提供された障害物検出強化データについて、重みをヌルに強制する)として使用される。それゆえ、組み合わされた性能指数Fは、以下のような積に基づくものとすることができる。
【数18】
【0087】
上記で表現された異なる性能指数を、組み合わされた性能指数Fに組み合わせる更なる別の例は、以下のように、性能指数F2及びF1を乗算し、その結果を範囲[0,1]に正規化することによって横方向距離及び前方向距離の双方を考慮し、性能指数F3に対応する重みを更に加え、その後、有用ではない再送信が回避されることを確実にするために性能指数F4によるマスクを適用することである。
【数19】
【0088】
当業者であれば、上記で表現された性能指数の他の多くの組み合わせを導出することができる。
【0089】
ステップS306において、サーバSERV120は、送信サイクルC中に車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に障害物検出強化データを送信するために利用可能である送信リソースの量を得る。
【0090】
ステップS307において、サーバSERV120は、データベースDB150から、送信サイクルCにおいて送信されるべき障害物検出強化データを索出する。ステップS304において求められた関連マップ部分の障害物検出強化データの中から、サーバSERV120は、ステップS305において割り当てられた優先度に従って送信リソースを埋めるように障害物検出強化データを収集する。送信サイクルCにおいて障害物検出システムODS170のために意図された障害物検出強化データの量は、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に向けた送信に有効に利用可能にされる送信リソースに限定される。したがって、他のものよりも高い優先度を有する障害物検出強化データは、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160への送信のために特権を付与される。
【0091】
ステップS308において、送信サイクルCの開始に達すると、サーバSERV120は、索出された障害物検出強化データを車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に送信する。次に、図4に関して以下で詳述するように、障害物検出強化データを処理する。
【0092】
図4は、障害物検出強化データを取得し、処理するアルゴリズムを概略的に示す。図4のアルゴリズムは、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160によって実施される。
【0093】
ステップS401において、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、移動輸送機関MC140の実際の速度に関する情報を取得し、サーバSERV120に送信する。車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、例えば、該当する移動輸送機関MC140に備えられたGPS(Global Positioning System)装置又は速度計から、このような情報を取得する。
【0094】
車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、予め定めた経路130上の移動輸送機関MC140の実際の位置に関する情報を更に取得し、サーバSERV120に送信できる。車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、例えば、該当する移動輸送機関MC140に備えられたGPS装置から、又は車内信号から、このような情報を取得できる。
【0095】
ステップS402において、ステップS401が送信サイクルCn-1中に実行されることを考慮して、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、送信サイクルCにおいて、サーバSERV120から障害物検出強化データを受信する。障害物検出強化データは、上記で既に対処されたように、送信サイクルCについてのサーバSERV120から車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160に向けられた送信に利用可能にされた送信リソースにおいて送信される。
【0096】
ステップS403において、車載ワイヤレス無線ユニットOWRU160は、ステップS402で受信した障害物検出強化データを障害物検出システムODS170へと転送する。したがって、障害物検出システムODS170は、この障害物検出強化データを用いて、少なくとも送信サイクルCn+1からの障害物検出を強化することができる。これに応じて、障害物検出システムODS170は、この障害物検出強化データを用いて、少なくとも送信サイクルCn+1からの障害物検出の強化を開始する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7