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  • 特許-係留装置  調理器具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】係留装置 調理器具
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/08 20060101AFI20221107BHJP
   B63B 21/54 20060101ALI20221107BHJP
   B63B 35/14 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
B63B21/08
B63B21/54
B63B35/14 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022035682
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2022-02-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522090512
【氏名又は名称】平山 日向
(72)【発明者】
【氏名】平山 日向
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0137269(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0260194(US,A1)
【文献】実開昭58-090899(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0116074(US,A1)
【文献】米国特許第05357896(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 21/08
B63B 21/54
B63B 35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に沿って直線状に延びる係船索にボートを係留させる係留装置であって、
前記ボートに取り付けた係留ロープと、
前記係留ロープの先端に連結された係留フックと、
からなる係留具を備え、
前記係留フックは、
螺旋状に巻かれた螺旋棒部と、
前記螺旋棒部の基端から直線状に延びて、前記係留ロープが結び付けられるロッド部と、を有し、
前記螺旋棒部の内径は、前記係船索の外径の120~150%に形成され、
前記係船索に前記螺旋棒部を巻き付け、前記係留ロープを前記係船索に沿う方向に引っ張って、前記係留具を前記係船索に係止させることを特徴とする係留装置。
【請求項6】
前記ボートの先頭部と後尾部に配置された2つの前記係留フックは、前記螺旋棒部の巻き方向が異なることを特徴とする請求項に記載の係留装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手漕ぎボート等を係船索に係留させる係留装置に関する。
【背景技術】
【0002】
湖等における漁場では、水面に沿って直線状に張られた係船索にボートを係留させて、魚釣りを行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3226081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湖等の漁場では、ボートに取り付けた係留ロープを係船索に結び付けて、ボートを係留させる。
水面に張られた係船索にボートを係留させる際には、係留ロープを結び付けたり、解いたりするのに時間を要する。係留ロープを係船索に結び付けただけでは、ボートが揺れて不安定である。
特許文献1の係船補助装置は、船舶を港の岸壁や浮きブイに係船する際に、係留ロープを岸壁や浮きブイの係船リングに通し、係留ロープを船舶まで掛け渡すものである。水面に張られた係船索にボートを係留させるときに使用するものではない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、水面に沿って張られた係船索にボートを係留させるときに、容易かつ確実に係止や係止解除ができる係留装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の係留装置は、水面に沿って直線状に延びる係船索にボートを係留させる係留装置であって、前記ボートに取り付けた係留ロープと、前記係留ロープの先端に連結された係留フックと、からなる係留具を備え、前記係留フックは、螺旋状に巻かれた螺旋棒部と、前記螺旋棒部の基端から直線状に延びて、前記係留ロープが結び付けられるロッド部と、を有し、前記係船索に前記螺旋棒部を巻き付け、前記係留ロープを前記係船索に沿う方向に引っ張って、前記係留具を前記係船索に係止させることを特徴とする。
【0007】
前記係留フックは、鉄鋼またはステンレス鋼からなることを特徴とする。
前記螺旋棒部の内径は、前記係船索の外径の120~150%に形成されることを特徴とする。
前記螺旋棒部の巻数は、少なくとも一巻き以上であることを特徴とする。
前記係留ロープは、ラチェット式荷締機を介して前記ボートに取り付けられることを特徴とする。
【0008】
前記係留具を前記ボートの先頭部と後尾部にそれぞれ備えることを特徴とする。
前記ボートの先頭部と後尾部に配置された2つの前記係留フックは、前記螺旋棒部の巻き方向が異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の係留装置は、水面に沿って張られた係船索にボートを係留させるときに、容易かつ確実に係止や係止解除ができる。係船索にボートが強固に係留されるので、ボートが揺れたり流されたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】 本発明の係留装置1を示す図である。
図2】 係留フック10を示す図であって、(a)正面図、(b)側面図である。
図3】 係留フック10を係船索Tに巻き付けて、梃子として機能させた状態を示す図であり、(a)右側の係留フック10A、(b)左側の係留フック10Bである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の係留装置1は、水面に沿って直線状に延びる係船索TにボートBを係留させる装置である。
湖等の水面付近には、ボートBを係留するための係船索Tが張られている。係船索Tは、張力が掛けられた状態で、水面付近で直線状に延在する。係船索Tは直径(外径)が約16mmの綱である。
図1に示す様に、ボートBを係船索Tに係留するとき、係船索Tを水面から持ち上げて、ボートBを係船索Tの下側に挿入する。係船索Tは水面から持ち上がって、ボートBの上を横切る。
【0012】
係留装置1は、ボートBに取り付けた係留ロープ5と、係留ロープ5の先端に連結された係留フック10と、からなる係留具2を備える。
係留ロープ5は、直径(外径)が約5~8mm程度のロープである。係留ロープ5は、ボートBの左右の側壁に固定される。各係留ロープ5の先端には、係留フック10がそれぞれ連結される。左側の係留ロープ5には、ラチェット式荷締機20が連結される。
【0013】
図2に示す様に、係留フック10は、鉄鋼またはステンレス鋼からなる一本の丸棒であって、螺旋棒部11とロッド部15を有する。螺旋棒部11とロッド部15は、太さがほぼ同じであり、先端側(先端12)に螺旋棒部11、後端側(後端17)にロッド部15が配置される。係留フック10の太さ(丸棒の直径)は約8mmである。
【0014】
螺旋棒部11は、丸棒を螺旋状に巻いた部位である。螺旋棒部11の巻数は、少なくとも1回転(一巻き)以上である。1回転(一巻き)から1回転半(一巻き半)程度が好ましい。巻数が少ないと螺旋棒部11が係船索Tに引っかからないし、巻数が多いと螺旋棒部11を係船索Tに巻き付けづらくなる。
螺旋棒部11の内径は、約22mmである。螺旋棒部11の内径は、係船索Tの外径の100~150%に形成される。
【0015】
ロッド部15は、螺旋棒部11の基端13から直線状に延びる部位である。ロッド部15は、その先端16が螺旋棒部11の基端13に一体的に接続し、その後端17にリング部18を有する。このリング部18には、係留ロープ5が結び付けられる。
ロッド部15の後端17は、係留ロープ5が結び付けられる形状を有していればよく、必ずしもリング形(リング部18)でなくてもよい。
【0016】
係留フック10は、全体として略L字形を有する。螺旋棒部11の螺旋中心軸L1とロッド部15の中心軸L2は、ほぼ直交する。その角度は、約80°~110°である。
螺旋棒部11の長さ(螺旋中心軸L1に沿う方向の長さ)は、約32mmである。螺旋棒部11の先端12からロッド部15までの距離(隙間の距離)は、約16mmである。
ロッド部15の長さ(中心軸L2に沿う方向の長さ)は、約100mmである。ロッド部15の長さは、螺旋棒部11の長さの約4倍である。
【0017】
図3は、係留フック10を係船索Tに巻き付けて、梃子として機能させた状態を示す図であり、(a)右側の係留フック10A、(b)左側の係留フック10Bである。
係留フック10の螺旋棒部11は、係船索Tに巻き付けられる。螺旋棒部11の先端12とロッド部15の隙間に係船索Tを挿入して、螺旋棒部11の内側(内周)に係船索Tを挿通させる。
螺旋棒部11を係船索Tに巻き付けると、ロッド部15が係船索Tに対して交差する方向に延びる。この状態で、係留ロープ5を係船索Tに沿う方向に引っ張ると、係留フック10が梃子(倍力機構)として機能(作用)する。螺旋棒部11の先端12が作用点、螺旋棒部11の基端13(ロッド部15の先端16)が支点、ロッド部15の後端17(リング部18)が力点となる。
【0018】
図3(a)、(b)に示すように、螺旋棒部11の先端12が係船索Tの上面を下方に押圧するとき、螺旋棒部11の基端が係船索Tの下面を上方に押圧する。係船索Tが直線状に引っ張られているので、係留フック10は係船索Tに対して強固に係止される。
【0019】
図1に示すように、左側の係留ロープ5は、ラチェット式荷締機20を介してボートBに取り付けられる。ラチェット式荷締機20を用いることにより、係留ロープ5を容易に引っ張って、その張力を維持することができる。また、係留ロープ5の張力を容易に開放することもできる。
【0020】
ボートBの右側壁と左側壁に、それぞれ係留具2が取り付けられる。2つの係留具2を用いることにより、ボートBを係船索Tに対して確実に係留させることができる。
【0021】
図3(a)、(b)に示すように、ボートBの先頭部と後尾部に配置された2つの係留フック10A,10Bは、螺旋棒部11の巻き方向が異なる。
係留フック10Aの螺旋棒部11の巻き方向が時計回りの場合、係留フック10Bの螺旋棒部11の巻き方向は反時計回りである。係留フック10Aの螺旋棒部11の巻き方向が反時計回りの場合、係留フック10Bの螺旋棒部11の巻き方向は時計回りである。
係留フック10A,10Bの螺旋棒部11の巻き方向を異ならせることにより、それぞれの螺旋棒部11を係船索Tに巻き付ける作業がしやすくなる。
【0022】
本発明の係留装置1は、水面に沿って張られた係船索TにボートBを係留させるときに、容易かつ確実に係止や係止解除ができる。
【符号の説明】
【0023】
1 係留装置 2 係留具 5 係留ロープ 10,10A,10B 係留フック 11 螺旋棒部 12 先端 13 基端 15 ロッド部 16 先端17 後端 18 リング部 20 ラチェット式荷締機 T 係船索 B ボート L1 螺旋中心軸 L2 中心軸
【要約】
【課題】水面に沿って張られた係船索にボートを係留させるときに、容易かつ確実に係止や係止解除ができる係留装置を提供する。
【解決手段】係留装置は、水面に沿って直線状に延びる係船索TにボートBを係留させる係留装置1であって、ボートBに取り付けた係留ロープ5と、係留ロープ5の先端に連結された係留フック10とからなる係留具2を備え、係留フック10は、螺旋状に巻かれた螺旋棒部11と、螺旋棒部11の基端13から直線状に延びて、係留ロープ5が結び付けられるロッド部15とを有し、係船索Tに螺旋棒部11を巻き付け、係留ロープ5を係船索Tに沿う方向に引っ張って、係留具2を係船索Tに係止させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3