(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】塗布装置及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20221107BHJP
B05C 1/00 20060101ALI20221107BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C1/00
B05D1/26 Z
(21)【出願番号】P 2022509168
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(86)【国際出願番号】 JP2020029742
(87)【国際公開番号】W WO2022029861
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】内藤 勝之
(72)【発明者】
【氏名】信田 直美
(72)【発明者】
【氏名】奈良 康平
(72)【発明者】
【氏名】小久保 高弘
(72)【発明者】
【氏名】平澤 博明
(72)【発明者】
【氏名】齊田 穣
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/157434(WO,A1)
【文献】特開2008-178820(JP,A)
【文献】特開昭62-95171(JP,A)
【文献】特開2018-37347(JP,A)
【文献】特開平4-90871(JP,A)
【文献】特開2012-152972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00-21/00
B05D 1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流入口、第1流出口、及び、第2流出口を含む第1管と、
前記第1流入口に向けて液を供給可能な第1ポンプと、
第1ノズル流入口及び第1ノズル排出口を含む第1ノズルであって、前記第1ノズル流入口は、前記第1流出口と接続され、前記第1ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能な、前記第1ノズルと、
第2ノズル流入口及び第2ノズル排出口を含む第2ノズルであって、前記第2ノズル流入口は、前記第2流出口と接続され、前記第2ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能な、前記第2ノズルと、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルを保持する保持部と、
を備え、
前記保持部は、第1状態と第2状態とを形成可能であり、
前記第1状態において、前記第1ノズル排出口の高さ及び前記第2ノズル排出口の高さは、前記第1管の
全体の高さ以上であり、
前記第2状態において、前記第1ノズル排出口の前記高さ及び前記第2ノズル排出口の前記高さは、前記第1管の
少なくとも一部の高さよりも低い、塗布装置。
【請求項2】
前記第1ポンプは、前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口から前記液を排出させることが可能である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
ノズル液受け入れ部をさらに備え、
前記ノズル液受け入れ部は、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口から排出された前記液を受け入れることが可能である、請求項2記載の塗布装置。
【請求項4】
前記第1ポンプは、前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの少なくともいずれかから、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの前記少なくともいずれかの中の気体を排出させることが可能である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項5】
前記第1ポンプは、前記第2状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルから前記液を排出させて、被塗布部材に前記液を塗布することが可能である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項6】
被塗布部材と対向可能な塗布バーをさらに備え、
前記第2状態において、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口は、前記液を前記塗布バーに向けて供給することが可能である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項7】
前記塗布バーは、前記塗布バーと前記被塗布部材との間に、前記液のメニスカスを形成可能である、請求項6記載の塗布装置。
【請求項8】
前記塗布バーの表面は凹凸を含み、
前記凹凸の最大高さRzは
、5μm以上50μm以下である、請求項6記載の塗布装置。
【請求項9】
前記保持部は、前記第1ノズルと前記塗布バーとの間の相対的な位置関係、及び、前記第2ノズルと前記塗布バーとの間の相対的な位置関係を制御可能である、請求項6記載の塗布装置。
【請求項10】
前記被塗布部材を保持する被塗布部材保持部と、
塗布バー位置制御部と、
をさらに備え、
前記塗布バー位置制御部は、前記塗布バーと前記被塗布部材保持部との間の相対的な位置を制御可能である、請求項6記載の塗布装置。
【請求項11】
前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口は、前記被塗布部材に前記液を塗布することが可能である、請求項6記載の塗布装置。
【請求項12】
乾燥部さらに備え、
前記乾燥部は、前記被塗布部材に塗布された前記液を乾燥させることが可能である、請求項5記載の塗布装置。
【請求項13】
前記第1ノズルは、針状である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項14】
前記第1管は、4以上の流出口を含み、前記第1管は、2ずつに分岐する複数の分岐部を含む、請求項1記載の塗布装置。
【請求項15】
第2流入口、第3流出口、及び、第4流出口を含む第2管と、
前記第2流入口に向けて前記液を供給可能な第2ポンプと、
第3ノズル流入口及び第3ノズル排出口を含む第3ノズルであって、前記第3ノズル流入口は、前記第3流出口と接続され、前記第3ノズル排出口は、前記第2管を通過した前記液を排出可能な、前記第3ノズルと、
第4ノズル流入口及び第4ノズル排出口を含む第4ノズルであって、前記第4ノズル流入口は、前記第4流出口と接続され、前記第4ノズル排出口は、前記第2管を通過した前記液を排出可能な、前記第4ノズルと、
をさらに備え、
前記保持部は、前記第3ノズル及び前記第4ノズルをさらに保持し、
前記第1状態において、前記第3ノズル排出口の高さ及び前記第4ノズル排出口の高さは、前記第2管の
全体の高さ以上であり、
前記第2状態において、前記第3ノズル排出口の前記高さ及び前記第4ノズル排出口の前記高さは、前記第2管の
少なくとも一部の高さよりも低い、請求項1記載の塗布装置。
【請求項16】
前記第1管の前記高さを制御する管高さ制御部をさらに備えた、請求項1記載の塗布装置。
【請求項17】
前記第1ポンプは、ダイヤフラムポンプを含む、請求項1記載の塗布装置。
【請求項18】
前記第1管は、逆止弁を含む、請求項1記載の塗布装置。
【請求項19】
前記保持部は、ノズル間隔制御部を含み、
前記ノズル間隔制御部は、前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の間隔を制御可能である、請求項1記載の塗布装置。
【請求項20】
請求項5記載の塗布装置を用いて、
前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの少なくともいずれかから、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの前記少なくともいずれの中の気体を排出させた後に、
前記第2状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルから前記液を排出させて、前記被塗布部材に前記液を塗布する、塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布バーを用いて液を塗布する塗布ヘッドがある。均一な塗布膜を形成できる塗布装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、均一な塗布膜を形成できる塗布装置及び塗布方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、塗布装置は、第1管、第1ポンプ、第1ノズル、第2ノズル及び保持部を含む。前記第1管は、第1流入口、第1流出口及び第2流出口を含む。前記第1ポンプは、前記第1流入口に向けて液を供給可能である。前記第1ノズルは、第1ノズル流入口及び第1ノズル排出口を含む。前記第1ノズル流入口は、前記第1流出口と接続される。前記第1ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能である。前記第2ノズルは、第2ノズル流入口及び第2ノズル排出口を含む。前記第2ノズル流入口は、前記第2流出口と接続される。前記第2ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能である。前記保持部は、前記第1ノズル及び前記第2ノズルを保持する。前記保持部は、第1状態と第2状態とを形成可能である。前記第1状態において、前記第1ノズル排出口の高さ及び前記第2ノズル排出口の高さは、前記第1管の高さ以上である。前記第2状態において、前記第1ノズル排出口の前記高さ及び前記第2ノズル排出口の前記高さは、前記第1管の前記高さよりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的上面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る塗布装置の一部を例示する模式的側面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る塗布方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
図2は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的上面図である。
図3(a)、
図3(b)、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
図1及び
図2に示すように、実施形態に係る塗布装置110は、第1管21、第1ポンプ31、第1ノズル11、第2ノズル12及び保持部41を含む。
【0009】
第1管21は、第1流入口21i、第1流出口21a、及び、第2流出口21bを含む。第1ポンプ31は、第1流入口21iに向けて液50を供給可能である。
【0010】
この例では、容器55に液50が溜められる。液50は、管28aを介して第1ポンプ31に流入する。
【0011】
第1ノズル11は、第1ノズル流入口11i及び第1ノズル排出口11oを含む。第1ノズル流入口11iは、第1流出口21aと接続される。第1ノズル排出口11oは、第1管21を通過した液50を排出可能である。第1ポンプ31が液50を第1管21に供給することで、第1ノズル排出口11oから液50が排出される。
【0012】
第2ノズル12は、第2ノズル流入口12i及び第2ノズル排出口12oを含む。第2ノズル流入口12iは、第2流出口21bと接続される。第2ノズル排出口12oは、第1管21を通過した液50を排出可能である。第1ポンプ31が液50を第1管21に供給することで、第2ノズル排出口12oから液50が排出される。
【0013】
保持部41は、第1ノズル11及び第2ノズル12を保持する。例えば、保持部41は、バー状である。第1ノズル11及び第2ノズル12は、保持部41に、任意の方法で固定されて良い。
【0014】
図1及び
図2に示すように、例えば、基体48が設けられる。基体48の表面は、例えば、X-Y平面に沿って広がる。X-Y平面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0015】
基体48に保持部ベース41Bが設けられる。保持部ベース41Bは、基体48に対して移動可能でも良い。保持部ベース41Bは、バー状の保持部41を保持する。バー状の保持部41は、例えば、Y軸方向に沿って延びる。
【0016】
この例では、保持部41は、保持部ベース41Bに対して回動可能である。回動は、例えば、Y軸方向を中心としている。例えば、保持部ベース41Bを基準にして、保持部41の角度が変更可能である。角度が制限された状態で、角度が変更可能でも良い。角度が変化すると、保持部41に保持された複数のノズルの角度も変化する。実施形態において、保持部41の角度が変化せずに、複数のノズルの角度が変化しても良い。
【0017】
保持部41は、複数の状態を有する。保持部41は、複数の状態(例えば第1状態及び第2状態など)を形成可能である。
図3(a)及び
図3(b)は、第1状態ST1を例示している。
図4(a)及び
図4(b)は、第2状態ST2を例示している。
図3(a)及び第4(a)は、第1ノズル11を含む部分を例示している。
図3(b)及び
図4(b)は、第2ノズル12を含む部分を例示している。これらの図では、図を見やすくするために、塗布装置110に含まれる一部の要素が省略されている。
【0018】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第1状態ST1において、第1ノズル排出口11oの高さ及び第2ノズル排出口12oの高さは、第1管21の高さ以上である。
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第2状態ST2において、第1ノズル排出口11oの高さ及び第2ノズル排出口12oの高さは、第1管21の高さよりも低い。高さは、例えばZ軸方向における位置である。高さは、例えば基体48を基準としたZ軸方向における位置である。このような第1状態ST1により、以下に説明するように、均一な塗布膜を形成できる。
【0019】
例えば、第1管21の一部の内部に空気などの気体が残っている状態で、第1管21に液50が供給される場合がある。例えば、第1ノズル11及び第2ノズル12の少なくともいずれかに空気などの気体が残っている場合がある。このような状態で、液50が第1管21に供給されると、気体が排出されずに、気体が残っていないノズルから液が排出される状態が続きやすい。気体が排出されないと、液50の均一な排出が困難になる。液50が均一に排出されないと、被塗布部材81に液50が不均一に塗布されやすい。
【0020】
実施形態においては、上記の第1状態ST1及び第2状態ST2が形成可能である。例えば、第1ポンプ31は、第1状態ST1において第1流入口21iに液50を供給して、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oから液50を排出させることが可能である。この時、第1状態ST1においては、第1ノズル排出口11oの高さ及び第2ノズル排出口12oの高さは、第1管21の高さ以上である。このような第1状態ST1で第1管21を介して、第1ノズル11及び第2ノズル12に液50が供給されると、第1管21、第1ノズル11及び第2ノズル12に気体が存在する場合も、気体をこれらのノズルから排出させることができる。これにより、均一な排出が可能になる。
【0021】
第2状態ST2において、第1ノズル11及び第2ノズル12から液50を排出させて、被塗布部材81に液50を塗布する。塗布された液50は、均一である。
【0022】
このように、第1ポンプ31は、第1状態ST1において第1流入口21iに液50を供給して、第1ノズル11及び第2ノズル12の少なくともいずれかから、第1ノズル11及び第2ノズル12の少なくともいずれかの中の気体を排出させることが可能である。実施形態によれば、均一な塗布膜を形成できる。
【0023】
第1ポンプ31は、第2状態ST2において第1流入口21iに液50を供給して、第1ノズル11及び第2ノズル12から液50を排出させて、被塗布部材81に液50を塗布することが可能である。塗布された液50から得られる塗布膜が均一である。このように、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oは、被塗布部材81に液50を塗布することが可能である。
【0024】
例えば、上記の第1状態ST1を経ないで、第2状態ST2で塗布を行う場合、複数のノズルの少なくとも1つの中に気体が残り易い。気体が残ったまま、他のノズルから液50が排出されてしまう。このため、気体が残り続ける。気体が残ったまま塗布を行うと、塗布が不均一になり易い。
【0025】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、塗布装置110は、ノズル液受け入れ部29をさらに含んでも良い。ノズル液受け入れ部29は、例えば、第1状態ST1において、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oから排出された液50を受け入れることが可能である。気体を除去する第1状態ST1においては、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oの高さが高い。このような第1状態ST1において第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oから液50を排出させると、液50は、これらのノズルを伝って第1管21に向けて移動してしまう。第1管21などが液50で汚れてしまう。ノズル液受け入れ部29により液50を取り込むことで、汚れが抑制できる。実施形態において、ノズル排出口の下に、ノズル液受け入れ部が設けられても良い。
【0026】
図5(a)及び
図5(b)は、第2状態ST2において、液50がノズルから排出される状態を例示している。これらの図は、液50を被塗布部材81に塗布する動作に対応する。
【0027】
図1、
図2、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、塗布装置110は、塗布バー42を含む。塗布バー42は、被塗布部材81と対向可能である。塗布バー42は、例えばY軸方向に沿って延びる。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第2状態ST2において、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oは、液50を塗布バー42に向けて供給することが可能である。第1ポンプ31が液50を第1管21に供給することで、これらのノズルから液50が塗布バー42に向けて供給される。
【0028】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、例えば、塗布バー42は、塗布バー42と被塗布部材81との間に、液50のメニスカス51Mを形成可能である。メニスカス51Mが形成されることで、より均一な塗布膜51Fが得やすい。
【0029】
第2状態ST2において、第1ノズル排出口11o及び第2ノズル排出口12oは、塗布バー42に接しても良い。より安定した塗布が行われる。
【0030】
図1及び
図2に示すように、この例では、塗布装置110は、被塗布部材保持部85及び塗布バー位置制御部42Cをさらに含む。被塗布部材保持部85は、被塗布部材81を保持する。この例では、被塗布部材保持部85は、被塗布部材81を搬送可能である。この例では、被塗布部材81は、フィルム状である。被塗布部材保持部85は、フィルム状の被塗布部材81を搬送可能なローラーを含む。
【0031】
塗布バー位置制御部42Cは、塗布バー42と被塗布部材保持部85との間の相対的な位置を制御可能である。塗布バー位置制御部42Cは、塗布バー42と被塗布部材81との間の相対的な位置を制御可能である。塗布バー位置制御部42Cは、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくともいずれかの方向において、塗布バー42と被塗布部材保持部85との間の相対的な位置を制御可能である。塗布バー位置制御部42Cとして、例えば、複数の方向に可動のアクチュエータなどが用いられて良い。
【0032】
図1及び
図2に示すように、塗布装置110は、検出部42Mをさらに含んでも良い。検出部42Mは、例えば、塗布バー42と被塗布部材保持部85との間の相対的な位置を検出可能である。検出部42Mは、例えば、光学センサなどを含んで良い。検出部42Mによる検出結果に基づいて、塗布バー位置制御部42Cは、塗布バー42と被塗布部材保持部85との間の相対的な位置を制御しても良い。
【0033】
保持部41は、第1ノズル11と塗布バー42との間の相対的な位置関係、及び、第2ノズル12と塗布バー42との間の相対的な位置関係を制御可能でも良い。相対的な位置関係は、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくともいずれかの方向における位置関係で良い。
【0034】
図1及び
図2に示すように、この例では、保持部41は、ノズル間隔制御部41Cを含む。例えば、ノズル間隔制御部41Cは、第1ノズル11と第2ノズル12との間の間隔を制御可能である。間隔は、例えば、Y軸方向に沿った距離である。1つの例において、バー状の保持部41の一部に凹部が設けられ、その凹部がノズル間隔制御部41Cとなる。複数の凹部を設けておき、複数の凹部の所望の位置にノズルを固定することで、複数のノズルどうしの間隔が可変で制御できる。複数のノズルの保持の構造、及び、複数のノズルの間隔の制御方法は任意である。液50の特性(例えば
粘度など)に応じて、複数のノズルどうしの間隔などを変更して良い。凹部は、例えば、溝またはスペーサなどにより形成できる。
【0035】
実施形態において、第1ノズル11は針状である。針状の第1ノズル11を用いることで、例えば、液50の排出量を高い精度で制御できる。ノズルが針状であると、例えば、複数のノズルの先端が塗布バー42に接触させ易い。針状のノズルにおいて、高い柔軟性が得られる。高い柔軟性により、例えば、塗布バー42の振動などによりノズルが損傷することが抑制できる。針状のノズルにおいて、ノズルの長さは、例えば10mm以上100mm以下であり、ノズルの内径は、例えば1mm以上2mm以下である。ノズルの先端の端面とノズルの延びる方向との間の角度は、例えば約90度(例えば75度以上105度以下)である。このような形状により、例えば、塗布バー42に傷が生じることが抑制できる。このような形状により、例えば、塗布バー42への液50の供給が安定化し易い。
【0036】
図2に示すように、第1管21は、4以上の流出口を含んでも良い。4以上の流出口のそれぞれに、ノズルが接続される。例えば、第1管21は、2ずつに分岐する複数の分岐部21Bを含む。例えば、第1管21は、2のn乗(nは1以上の整数)の流出口を含む。液50の均一な排出がより容易になる。
【0037】
実施形態において、第1管21は、逆止弁21vを含んでも良い。逆止弁21vにより、気体の逆流を抑制できる。例えば、気体(空気)の流入が抑制できる。
【0038】
実施形態において、第1ポンプ31は、ダイヤフラムポンプを含んでも良い。ダイヤフラムポンプにより、液50を安定して均一に供給し易くなる。例えば、種々の溶媒が適用可能である。例えば、「呼び水」が不要である。例えば、高い耐久性が得られる。例えば、空運転も可能であり、乾燥に用いることができる。
【0039】
図1及び
図2に示すように、塗布装置110は、管高さ制御部43を含んでも良い。管高さ制御部43は、第1管21の高さを制御する。例えば、第1状態ST1、第2状態ST2、及び、それらの間の状態において、第1ノズル11及び第2ノズル12の高さの変化に応じて第1管21が動く場合がある。第1管21が動いて第1管21が所望の高さでなくなる場合がある。管高さ制御部43が設けられることで、第1管21の高さが所望の状態に制御される。例えば、第1状態ST1において、第1管21中の最高の高さが所望以下になるように制限される。この例では、管高さ制御部43は、Y軸方向に延びるバー状(または板状)である。
【0040】
図1及び
図2に示すように、塗布装置110は、乾燥部45をさらに含んでも良い。乾燥部45は、被塗布部材81に塗布された液50を乾燥させることが可能である。乾燥部45は、例えば、エアノズルを含んでも良い。
【0041】
図1及び
図2に示すように、第1管21は、排出バルブ21uを含んでも良い。排出バルブ21uの動作により、第1管21の中の液50を、例えば、排出管56pを介して、容器56に排出させることができる。
【0042】
図2に示すように、この例では、塗布装置110は、第2管22、第2ポンプ32、第3ノズル13及び第4ノズル14をさらに含む。第2管22は、第2流入口22i、第3流出口22c、及び、第4流出口22dを含む。
【0043】
第2ポンプ32は、第2流入口22iに向けて液50を供給可能である。例えば、容器55中の液50が、管28bを介して第2ポンプ32に供給される。
【0044】
第3ノズル13は、第3ノズル流入口13i及び第3ノズル排出口13oを含む。第3ノズル流入口13iは、第3流出口22cと接続される。第3ノズル排出口13oは、第2管22を通過した液50を排出可能である。
【0045】
第4ノズル14は、第4ノズル流入口14i及び第4ノズル排出口14oを含む。第4ノズル流入口14iは、第4流出口22dと接続される。第4ノズル排出口14oは、第2管22を通過した液50を排出可能である。
【0046】
保持部41は、第3ノズル13及び第4ノズル14をさらに保持する。
【0047】
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)及び
図8(b)は、第1実施形態に係る塗布装置を例示する模式的側面図である。
図6(a)は、第1状態ST1における第3ノズル13を例示している。
図6(b)は、第1状態ST1における第4ノズル14を例示している。
図7(a)は、第2状態ST1における第3ノズル13を例示している。
図7(b)は、第2状態ST2における第4ノズル14を例示している。
図8(a)は、第2状態ST2の第3ノズル13による塗布を例示している。
図8(b)は、第2状態ST2の第4ノズル14による塗布を例示している。
【0048】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第1状態ST1において、第3ノズル排出口13oの高さ及び第4ノズル排出口14oの高さは、第2管22の高さ以上である。
【0049】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、第2状態ST2において、第3ノズル排出口13oの高さ及び第4ノズル排出口14oの高さは、第2管22の高さよりも低い。
【0050】
このような第1状態ST1において、第3ノズル13及び第4ノズル14から気体が排出できる。
図8(a)及び
図8(b)に示すように、第2状態ST2において、第3ノズル13及び第4ノズル14から液50を排出させて、被塗布部材81に液50が塗布できる。被塗布部材81に液50による塗布膜51Fが形成できる。
【0051】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、実施形態において、第2管22は、逆止弁22vを含んでも良い。逆止弁22vにより、気体の逆流を抑制できる。例えば、気体(空気)の流入が抑制できる。
【0052】
図2、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第2管22は、排出バルブ22uを含んでも良い。排出バルブ22uの動作により、第2管22の中の液50を、例えば、排出管56qを介して、容器56に排出させることができる。
【0053】
実施形態において、塗布バー42の断面形状は、任意である。塗布バー42の断面形状は、例えば、円形、偏平円形または多角形である。断面形状の一部が曲線状で、他の部分が直線状でも良い。例えば、塗布バー42の、被塗布部材81に対向する面の断面形状は曲線状でも良い。
【0054】
塗布バー42は、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、チタン及びガラスよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。塗布バー42は、ステンレススチールまたはアルミニウムを含むことがより好ましい。これにより、塗布バー42の加工が容易になる。1つの例において、塗布バー42の表面は鏡面である。別の例において、塗布バー42の表面は、凹凸を含んでも良い。
【0055】
図9は、第1実施形態に係る塗布装置の一部を例示する模式的側面図である。
図9は、塗布バー42の一部を例示している。図
9に示すように、実施形態において、塗布バー42の表面42Fは凹凸42dpを含んでも良い。凹凸42dpの最大高さRzは、例えば、5μm以上50μm以下である。凹凸42dpの算術平均表面粗さRaは、例えば、1μm以上10μm以下である。例えば、サンドブラスト法により、凹凸42dpが作製されて良い。凹凸42dpが設けられことで、例えば、液50に対しての高い濡れ性が得られる。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態は、塗布方法に係る。実施形態に係る塗布方法においては、例えば、第1実施形態に関して説明した塗布装置110(及びその変形)を用いて塗布が行われる。
【0057】
図10は、第2実施形態に係る塗布方法を例示するフローチャート図である。
図10に示すように、第1状態ST1において第1流入口21iに液50を供給して、第1ノズル11及び第2ノズル12の少なくともいずれかから、第1ノズル11及び第2ノズル12の上記の少なくともいずれの中の気体を排出させる(ステップS110)。
【0058】
気体の排出の後に、第2状態ST2において第1流入口21iに液50を供給して、第1ノズル11及び第2ノズル12から液50を排出させて、被塗布部材81に液50を塗布する(ステップS120)。
【0059】
実施形態に係る塗布方法においては、塗布の前の第1状態ST1において、第1ノズル排出口11oの高さ及び第2ノズル排出口12o高さは、第1管21の高さ以上である。この第1状態ST1おいて、液50が供給されることで、気体が効率的に排出できる。実施形態によれば、均一な塗布膜を形成できる塗布方法が提供できる。
【0060】
以下、実施形態に係る塗布装置及び塗布方法の例について説明する。
例えば、塗布装置110による塗布により、太陽電池が形成できる。1つの例において、ポンプの数は、4である。1つのポンプに接続された管は、4のノズルに接続される。ノズルの総数は、16である。
【0061】
例えば、被塗布部材81は、ロール状のPETフィルムである。PETフィルムの幅は、例えば、330mmである。PETフィルム上にロールtoロール対応のスパッタ装置により光透過性で、幅が300mmの電極が作成される。電極のシート抵抗は、例えば、5Ω/□である。電極は、例えば、ITO膜/Ag合金/ITO膜の積層構造を有する。例えば、複数の電極が設けられる。複数の電極の1つの長さは、例えば、約20mmである。複数の電極どうしの間隔は、例えば50μmである。
【0062】
塗布バー42の断面は、円状である。円の半径は、10mmである。塗布バー42の長さは、300mmである。塗布バー42は、例えば、ステンレス(例えばSUS303)を含む。
【0063】
例えば、保持部41の長さは320mmである。保持部41に、複数の穴が設けられる。複数の穴のピッチは18mmである。複数の穴のそれぞれにノズルが固定される。
【0064】
ノズルは、ステンレス製のロック基を含む。ノズルの長さは、50mmである。管(第1管21など)は、ポリテトラフルオロエチレン製チューブである。ノズルと管とは、着脱可能なジョイントにより接続される。管がポンプに接続される。
【0065】
1つの例において、液50により、ホール輸送層が形成される。この場合、液50は、PEDOT及びPSSを含む水溶液である。
【0066】
例えば、アクチュエータにより、塗布バー42と被塗布部材81との間の相対的な位置関係が制御される。
【0067】
例えば、ノズルを水平状態にする。この時、ノズルの先端の高さは、管(第1管21)の高さ以上である。管高さ制御部43により管の高さが適切に制御される。このような第1状態ST1において、液50が供給され、ノズル中の空気が排出される。
【0068】
この後、ノズルの先端を下方向に約50°傾斜させる。このとき、必要に応じて、管高さ制御部43が除去されても良い。ノズルの先端が下に傾いた状態で、ノズルの先端を塗布バー42に接触させる。この第2状態ST2において、ポンプが液50を供給する前では、ノズルから液50は、実質的に排出されない。
【0069】
例えば、被塗布部材81を搬送しながら、ポンプにより液50を連続的に供給して塗布膜51Fが得られる。乾燥部45により、塗布された液50に、加熱した乾燥空気を吹き付ける。液50から塗布膜51Fが得られる。
【0070】
塗布の終了後、例えば、ノズルの先端を管(第1管21など)よりも高くしても良い。排液バルブ(排出バルブ21uなど)を開けて、管内の液50が回収されても良い。
【0071】
実施形態において、上記の液50の塗布の後に、別の液がさらに塗布されても良い。別の液50は、例えば、半導体材料を含む。別の液50は、例えば、PTB7([ポリ{4,8-ビス[(2-エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル-1t-alt-3-フルオロ-2-[(2-エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4-b]チオフェン-4,6-ジイル}])と、PC70BM([6,6]フェニルC71ブチル酸メチルエスター)と、を含む。PTB7は、例えばp形半導体である。PC70BMは、例えば、n形半導体である。別の液50は、例えば、モノクロロベンゼンをさらに含む。1mLのモノクロロベンゼンに対して、PTB7の量は8mgである。1mLのモノクロロベンゼンに対して、PC70BMの量は12mgである。別の液50は、有機半導体を含む分散液である。
【0072】
別の液50は、例えば、太陽電池の半導体膜となる。別の液50の塗布において、塗布バー42と被塗布部材81との間の最小間隙距離は、300μmである。塗布後に、乾燥部45により乾燥が行われる。
【0073】
例えば、有機半導体を用いた有機薄膜太陽電池、または、有機/無機ハイブリッド太陽電池がある。これらの太陽電池を塗布法により作製することで、コストを低くできる。複数のノズルのそれぞれにポンプを設けると装置が大型化し、装置コストが上昇する。1つのポンプにより複数のノズルに液を供給することで、装置が小型化でき、装置コストが抑制できる。1つのポンプにより複数のノズルに液を供給する場合、複数のノズル中に気体が残ると、気体が除去しにくいことが分かった。実施形態においては、ノズルの先端を管の高さ以上の第1状態ST1を形成することで、気体が容易に除去できる。
【0074】
実施形態において、第1管21は、2つずつに枝分かれすることが好ましい。3つ以上の枝別れに比べて、より均一に液50を供給し易い。例えば、実施形態において、例えば、ノズルは塗布バー42の上から接触しても良い。液50が装置の下に落ちにくい。
【0075】
実施形態において、被塗布部材81が上下方向に搬送される位置で、液50が被塗布部材81に塗布されても良い。これにより、例えば、重力の効果がメニスカス51Mに加わり、高速でも均一な膜が得やすくなる。
【0076】
実施形態において、被塗布部材81が水平方向に搬送される位置で、液50が被塗布部材81に塗布されても良い。これにより、例えば、液だれが抑制できる。例えば、空気抜き後のノズルと、塗布バー42と、間の位置関係の制御が容易になる。
【0077】
実施形態において、塗布修了後にノズルの先端を閉じる工程を設けても良い。これにより塗布液の乾燥が抑制される。例えば、ノズルの閉塞が抑制される。
【0078】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
前記第1流入口、第1流出口、及び、第2流出口を含む第1管と、
前記第1流入口に向けて液を供給可能な第1ポンプと、
前記第1ノズル流入口及び第1ノズル排出口を含む第1ノズルであって、前記第1ノズル流入口は、前記第1流出口と接続され、前記第1ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能な、前記第1ノズルと、
前記第2ノズル流入口及び第2ノズル排出口を含む第2ノズルであって、前記第2ノズル流入口は、前記第2流出口と接続され、前記第2ノズル排出口は、前記第1管を通過した前記液を排出可能な、前記第2ノズルと、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルを保持する保持部と、
を備え、
前記保持部は、第1状態と第2状態とを形成可能であり、
前記第1状態において、前記第1ノズル排出口の高さ及び前記第2ノズル排出口の高さは、前記第1管の高さ以上であり、
前記第2状態において、前記第1ノズル排出口の前記高さ及び前記第2ノズル排出口の前記高さは、前記第1管の前記高さよりも低い、塗布装置。
【0079】
(構成2)
前記第1ポンプは、前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口から前記液を排出させることが可能である、構成1記載の塗布装置。
【0080】
(構成3)
ノズル液受け入れ部をさらに備え、
前記ノズル液受け入れ部は、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口から排出された前記液を受け入れることが可能である、構成2記載の塗布装置。
【0081】
(構成4)
前記第1ポンプは、前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの少なくともいずれかから、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの前記少なくともいずれかの中の気体を排出させることが可能である、構成1~3のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0082】
(構成5)
前記第1ポンプは、前記第2状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルから前記液を排出させて、被塗布部材に前記液を塗布することが可能である、構成1~4のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0083】
(構成6)
被塗布部材と対向可能な塗布バーをさらに備え、
前記第2状態において、前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口は、前記液を前記塗布バーに向けて供給することが可能である、構成1~5のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0084】
(構成7)
前記塗布バーは、前記塗布バーと前記被塗布部材との間に、前記液のメニスカスを形成可能である、構成6記載の塗布装置。
【0085】
(構成8)
前記塗布バーの表面は凹凸を含み、
前記凹凸の最大高さRzは、例えば、5μm以上50μm以下である、構成6または7に記載の塗布装置。
【0086】
(構成9)
前記保持部は、前記第1ノズルと前記塗布バーとの間の相対的な位置関係、及び、前記第2ノズルと前記塗布バーとの間の相対的な位置関係を制御可能である、構成6~8のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0087】
(構成10)
前記被塗布部材を保持する被塗布部材保持部と、
塗布バー位置制御部と、
をさらに備え、
前記塗布バー位置制御部は、前記塗布バーと前記被塗布部材保持部との間の相対的な位置を制御可能である、構成6~9のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0088】
(構成11)
前記第1ノズル排出口及び前記第2ノズル排出口は、前記被塗布部材に前記液を塗布することが可能である、構成6~8のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0089】
(構成12)
乾燥部さらに備え、
前記乾燥部は、前記被塗布部材に塗布された前記液を乾燥させることが可能である、構成5または11に記載の塗布装置。
【0090】
(構成13)
前記第1ノズルは、針状である、構成1~12のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0091】
(構成14)
前記第1管は、4以上の流出口を含み、前記第1管は、2ずつに分岐する複数の分岐部を含む、構成1~13のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0092】
(構成15)
前記第2流入口、第3流出口、及び、第4流出口を含む第2管と、
前記第2流入口に向けて前記液を供給可能な第2ポンプと、
前記第3ノズル流入口及び第3ノズル排出口を含む第3ノズルであって、前記第3ノズル流入口は、前記第3流出口と接続され、前記第3ノズル排出口は、前記第2管を通過した前記液を排出可能な、前記第3ノズルと、
前記第4ノズル流入口及び第4ノズル排出口を含む第4ノズルであって、前記第4ノズル流入口は、前記第4流出口と接続され、前記第4ノズル排出口は、前記第2管を通過した前記液を排出可能な、前記第4ノズルと、
をさらに備え、
前記保持部は、前記第3ノズル及び前記第4ノズルをさらに保持し、
前記第1状態において、前記第3ノズル排出口の高さ及び前記第4ノズル排出口の高さは、前記第2管の高さ以上であり、
前記第2状態において、前記第3ノズル排出口の前記高さ及び前記第4ノズル排出口の前記高さは、前記第2管の前記高さよりも低い、構成1~14のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0093】
(構成16)
前記第1管の前記高さを制御する管高さ制御部をさらに備えた、構成1~15のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0094】
(構成17)
前記第1ポンプは、ダイヤフラムポンプを含む、構成1~15のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0095】
(構成18)
前記第1管は、逆止弁を含む、構成1~17のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0096】
(構成19)
前記保持部は、ノズル間隔制御部を含み、
前記ノズル間隔制御部は、前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の間隔を制御可能である、構成1~18のいずれか1つに記載の塗布装置。
【0097】
(構成20)
構成5~12のいずれか1つに記載の塗布装置を用いて、
前記第1状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの少なくともいずれかから、前記第1ノズル及び前記第2ノズルの前記少なくともいずれの中の気体を排出させた後に、
前記第2状態において前記第1流入口に前記液を供給して、前記第1ノズル及び前記第2ノズルから前記液を排出させて、前記被塗布部材に前記液を塗布する、塗布方法。
【0098】
実施形態によれば、均一な塗布膜を形成できる塗布装置及び塗布方法が提供される。
【0099】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、塗布装置に含まれる、管、ポンプ、ノズル及び保持部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0100】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0101】
その他、本発明の実施の形態として上述した塗布ヘッド、塗布装置及び塗布方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての塗布装置及び塗布方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0102】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
11~14…第1~第4ノズル、 11i~14i…第1~第4ノズル流入口、 11o~14o…第1~第4ノズル排出口、 21、22…第1、第2管、 21B…分岐部、 21a、21b…第1、第2流出口、 21i…第1流入口、 21u…排出バルブ、 21v…逆止弁、 22c、22d…第3、第4流出口、 22i…第2流入口、 22u…排出バルブ、 22v…逆止弁、 28a、28b…管、 29…ノズル液受け入れ部、 31、32…第1、第2ポンプ、 41…保持部、 41B…保持部ベース、 41C…ノズル間隔制御部、 42…塗布バー、 42C…塗布バー位置制御部、 42F…表面、 42M…検出部、 42dp…凹凸、 43…管高さ制御部、 45…乾燥部、 48…基体、 50…液、 51F…塗布膜、 51M…メニスカス、 55、56…容器、 56p、56q…排出管、 81…被塗布部材、 85…被塗布部材保持部、 110…塗布装置、 ST1、ST2…第1、第2状態