(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電子サインデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0346 20130101AFI20221108BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221108BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F3/0346 425
G06F3/01 570
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2018192753
(22)【出願日】2018-10-11
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】518351045
【氏名又は名称】一般社団法人未来ものづくり振興会
(74)【代理人】
【識別番号】100180080
【氏名又は名称】坂本 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】230117259
【氏名又は名称】綿貫 敬典
(72)【発明者】
【氏名】青柳 祥生
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-113542(JP,A)
【文献】特開平11-085387(JP,A)
【文献】特開2008-070920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/03
3/0346
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のグリップ部及び前記グリップ部の一端部から延びる
棒状の指棒部を本体とし、
前記指棒部の先端部に設けた指紋センサと、前記本体の三次元の動きを検知する動きセンサと、プロセッサと、メモリまたは通信インターフェースとを備え、
前記プロセッサが、前記動きセンサにより検知された当該本体の動きに関する情報とともに前記指紋センサにより検知された指紋情報を本人の認証情報として前記メモリまたは他の端末に備えられたメモリに記録する処理を行うよう構成され
、
前記指棒部が前記グリップ部の一端部において「く」字状に折れて接続しており、
前記指紋センサが設けられている前記指棒部の先端部が、当該指棒部の中心軸周りにおいて少なくとも180度以上の角度範囲で回動可能とされている、電子サインデバイス。
【請求項2】
前記動きセンサが少なくとも3軸方向の加速度センサを含み、
前記プロセッサが、前記加速度センサにより検知された加速度に基づいて当該本体の三次元位置の軌跡を演算するよう構成された、請求項1に記載の電子サインデバイス。
【請求項3】
前記動きセンサが少なくとも3軸方向の加速度センサ及び3軸周りの角速度センサを含み、
前記プロセッサが、
前記加速度センサにより検知された加速度及び前記角速度センサにより検知された角速度に基づいて、前記指棒部の三次元位置の軌跡を演算するよう構成された、請求項1に記載の電子サインデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記グリップ部を回動中心とした前記指棒部の角度変化を演算し、その動きに関する情報を前記認証情報に加える処理を行うよう構成された、請求項1~3の何れか1項に記載の電子サインデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中で操作された三次元的な動きを電子的な認証情報として変換するよう構成された電子サインデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人が空中で操作した三次元的な動きをコンピュータが読み取り可能な情報に変換する装置が知られている(例えば特許文献1~3参照)。
【0003】
例えば特許文献1には、ユーザが手に持ちながら空中で操作した携帯端末の動きを、3軸の加速度センサからの出力に基づいて検知するとともに、仮想の基準平面にその動きを投影することにより二次元の筆跡として再現する技術が開示されている。
また特許文献2には、携帯電話のアンテナをペンに見立て、CCDカメラ又はジャイロセンサにより検知したペン先の動きを本人のサイン筆跡として認識することが開示されている。また、特許文献2には、個人認証を行うため、携帯電話に指紋センサを設けてもよいことが示唆されている。
特許文献3には、ペン型の入力装置に指紋読取装置を設け、指紋認証が確認されたことを条件に入力装置の軌跡を読み取ること、及び、読み取った軌跡と予め記憶した筆跡情報とを照合してユーザが本人であることを判定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4675718号公報
【文献】特開2001-268177号公報
【文献】特開2009-211587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子商取引サイトにおける発注、ネット銀行を使った送金、電子書面による各種契約の同意や申込み等、電子的な手段によりオンラインで本人の認証を行う機会が増えている。そのような電子的な個人認証手段として、一般的なものとしては、電子ペンを使ってタッチパネルに記述した筆跡をサインとして記憶させるもの、入力したパスワード(ワンタイムパスワードを含む)に基づいて照合するもの、公的な認証機関が本人のみに発行するトークンを使うものなどが既に実用化されている。
【0006】
しかし、筆跡又はサインによる認証方法は、その筆跡を巧みに真似された場合に真贋を判定することが難しいという課題がある。また、パスワード等の入力は、ユーザにとって煩わしい上に、確かに本人が入力した事実までをも保証するものではない。
【0007】
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、サインの入力操作を簡便にし、本人認証の信頼度をも高めることができる等の電子サインデバイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、略円柱状のグリップ部及び前記グリップ部の一端部から延びる略棒状の指棒部を本体とし、前記指棒部の先端部に設けた指紋センサと、前記本体の三次元の動きを検知する動きセンサと、プロセッサと、メモリまたは通信インターフェースとを備え、前記プロセッサが、前記動きセンサにより検知された当該本体の動きに関する情報とともに前記指紋センサにより検知された指紋情報を本人の認証情報として前記メモリまたは他の端末に備えられたメモリに記録する処理を行うよう構成された電子サインデバイスである。
【0009】
電子サインデバイスは、前記動きセンサが少なくとも3軸方向の加速度センサを含み、前記プロセッサが、前記加速度センサにより検知された加速度に基づいて当該本体の三次元位置の軌跡を演算するよう構成されたものであることが好ましい。
【0010】
また、電子サインデバイスは、前記動きセンサが少なくとも3軸方向の加速度センサ及び3軸周りの角速度センサを含み、前記プロセッサが、前記加速度センサにより検知された加速度及び前記角速度センサにより検知された角速度に基づいて、前記指棒部の三次元位置の軌跡を演算するよう構成されたものであることが好ましい。
【0011】
また、電子サインデバイスは、前記プロセッサが、前記グリップ部を回動中心とした前記指棒部の角度変化を演算し、その動きに関する情報を前記認証情報に加える処理を行うよう構成されたものであることが好ましい。
【0012】
また、電子サインデバイスは、前記指棒部が前記グリップ部の一端部において「く」字状に折れて接続しており、前記指紋センサが設けられている前記指棒部の先端部が、当該指棒部の中心軸周りにおいて少なくとも180度以上の角度範囲で回動可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子サインデバイスによれば、サインの入力操作を簡便にし、本人認証の信頼度をも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による電子サインデバイスの正面図である。
【
図2】
図1の電子サインデバイスの使用の状態を例示する斜視図である。
【
図3】
図1の電子サインデバイスにおいて回動可能な先端部の動作を説明するための図である。
【
図4】
図1の電子サインデバイスの主に電子回路の構成を示すブロック図である。
【
図5】電子サインデバイスの移動軌跡を例示する図である。
【
図6】グリップ部から見た先端部の相対位置ベクトルを例示する図である。
【
図7】先端部相対ベクトルの空間座標系への座標変換を説明するための図である。
【
図8】空間座標系における先端部位置ベクトルを求める演算方法を説明するための図である。
【
図9】グリップ部を回動中心とした指棒部の角度変化を演算する方法を説明するための図である。
【
図10】電子サインデバイスを使って本人認証を行う一例を示すシステム図である。
【
図11】電子サインデバイスを使って本人認証を行う他の例を示すシステム図である。
【
図12】電子サインデバイスを使って本人認証を行う更に他の例を示すシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態による電子サインデバイス1を説明する。
図1は電子サインデバイス1の正面図である。
図2は電子サインデバイス1の使用の状態を示す斜視図である。電子サインデバイス1の本体は、略円柱状のグリップ部2と、グリップ部2の一端部から延びる略丸棒状の指棒部3とから概略構成される。グリップ部2は、利用者の手のひらに把持される部分であり、指棒部3は利用者の人差し指にちょうど添えられるように、グリップ部2の一端部において「く」字状に折れて接続している。
【0016】
指棒部3の先端部4は、その中央部が若干窪んだ円盤状となっており、その中央部に指紋センサ5が設けられている。指棒部3の中心軸方向に対し、指紋センサ5のタッチパッド面の方向(法線)は直交している。また、
図3に示すように、指紋センサ5が設けられている先端部4が、指棒部3の中心軸周りにおいて少なくとも180度以上の角度範囲で回動可能に取り付けられている。
【0017】
利用者は、左右どちらの手であっても、人差し指の角度と「く」字状に折れる指棒部3の角度とが一致する側に電子サインデバイス1を持つことができる。また、指紋センサ5が設けられている先端部4が180度以上回動可能なので、電子サインデバイス1を持つ手の人差し指の表(指紋がある側の皮膚面)に指紋センサ5のパッドの向きを合わせ、指紋を読み取ることができる。
【0018】
次に、
図4は電子サインデバイス1の主に電子回路の構成を示すブロック図である。電子サインデバイス1は、本体内に、プロセッサ(MPU;Micro Processing Unit)10、動きセンサ11、メモリ12、通信インターフェース13、バッテリ14等を内蔵している。
【0019】
動きセンサ11は、3軸方向の加速度を検知可能な加速度センサ及び3軸周りにおける角速度を検知可能な角速度センサ(ジャイロセンサ)を搭載する、例えばIMU(Inertial Measurement Unit)を採用することができる。また、3軸の方角を検知可能なコンパスを動きセンサ11に組み込んでもよい。また、人差し指の指先の動きを直接的に検知するため、指棒部3の先端部4に動きセンサ11を設けてもよい。
【0020】
通信インターフェース13は、プロセッサ10が、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等の他の情報端末と相互通信をするために設けられ、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等の汎用通信デバイス又はこれらを併用することができる。情報端末との間の無線通信は、安全性が強化された暗号化方式により行われることが好ましい。
【0021】
本実施形態の電子サインデバイス1において、プロセッサ10は、動きセンサ11により検知された3軸方向の加速度に基づいて、利用者が手で動かした本体の方向及びその移動距離を時系列で演算することができる。ただし、利用者が電子サインデバイス1を腕で弧を描くように大きく移動させたり、又は手首を使ったピッチ動作でサインをした場合には、それに連動して動きセンサ11自体の3軸の向きも変化する。そのため、プロセッサ10は、空間座標系における電子サインデバイス1の正確な三次元位置の軌跡を得るために、動きセンサ11により同時に検知される3軸周りの角速度を使って、本体の加速度、その移動方向及び距離を補償している。
【0022】
なお、本明細書でいう「空間座標系」とは、XYZの3軸が直交する座標系であって、Z軸が常に上下方向(鉛直方向)に設定された座標系を意味する。
【0023】
このようにして、本実施形態では、動きセンサ11により検知された3軸方向の加速度及び3軸周りの角速度に基づいて、電子サインデバイス1の三次元位置の軌跡データを演算することができる。例えば
図5に示すような空間座標系において描かれた電子サインデバイス1の移動軌跡は、利用者本人が操作したエアサインとして用いることができる。そして、プロセッサ10により演算された電子サインデバイス1の軌跡データは、指紋センサ5により検知された指紋データとともに、本人の認証情報としてメモリ12に記録される。
【0024】
本電子サインデバイス1を操作する利用者は、人差し指で文字を描くような感覚でサインを行うことが想定される。そうであれば、人差し指の指先の動きに基づいてエアサインのデータを演算し記録することが好ましい。人差し指の指先の動きの情報(少なくとも加速度及び角速度)を直接的に得るために、例えば指棒部3、好ましくはその先端部4に動きセンサ11を設けることができる。或いは、電子サインデバイス1がグリップ部2に動きセンサ11を設けた構造であっても、次に説明する線形変換処理により、先端部4の三次元位置を演算によって求めることができる。
【0025】
グリップ部2に設けた動きセンサ11の位置から見た先端部4の相対的な方向及び距離は、電子サインデバイス1本体の寸法構造から測定できる既知の定数である。つまり、それらの定数値を使って、グリップ部2を原点とする先端部4の相対ベクトルGTrを予め求めておくことができる(
図6参照)。そして、プロセッサ10は、動きセンサ11が検知する角速度の時間積分及び重力加速度の方向から、当該電子サインデバイス1本体の傾き(姿勢)を計測し、そして各軸の傾き角度成分を要素とした回転行列M
Rを作成する。プロセッサ10は、この回転行列M
Rを用いて、上述の先端部4の相対ベクトルGTrを、空間座標系における相対ベクトルGTに座標変換する(
図7参照)。この座標変換されたベクトルGTを「グリップ部先端部間相対ベクトルGT」という。
【0026】
続いてプロセッサ10は、動きセンサ11が検知した加速度及び角速度に基づいて、当該動きセンサ11の三次元位置と等価とみなすグリップ部位置ベクトルGPを求める。そして、プロセッサ10は、このグリップ部位置ベクトルGPに、グリップ部先端部間相対ベクトルGTを加えることで、空間座標系における先端部4の三次元位置、すなわち先端部位置ベクトルTPを演算することができる。
【0027】
なお、プロセッサ10は、このようにして演算される指棒部3の軌跡データ、好ましくはその先端部4の軌跡データを、本人の認証情報としてメモリ12に記録することができる。また、動きセンサ11の出力から求めたグリップ部2の軌跡データと、指棒部3好ましくはその先端部4の軌跡データとの組み合わせを、本人の認証情報として取り扱うものでもよい。
なお、本実施形態においては、電子サインデバイス側にメモリを設けたが、他の情報端末にメモリを設け、サインデバイス側の通信インターフェース13によって情報端末を無線接続させ、得られた当該本体の動きに関する情報とともに前記指紋センサにより検知された指紋情報を、他の情報端末側の記録する処理を行うものとしてもよい。
しかし、サインデバイス側にメモリを設けた場合は、他の情報端末と無線接続していない状態で動きに関する情報と指紋情報をサインデバイス側に記録させることができる。そのため、電子サインの認証の使用態様がより柔軟に設定出来ると考えられる。
【0028】
更に、プロセッサ10は、次に説明する演算処理により、グリップ部2を回動中心とした指棒部3の角度変化を演算し、その推移(角度推移データ)を、上述の本人認証情報に加えてもよい。グリップ部2を中心とする指棒部3の回転角度の変化は、例えば利用者が手首を使って電子サインデバイス1を振るようなピッチ動作を反映する情報として取り扱うことができる。
【0029】
例えば
図9に示すように、ある時点T1におけるグリップ部2の位置GP1から、次の時点T2におけるグリップ部2の位置GP2への変化から、その間のグリップ部2の角速度ベクトルωgが演算される。グリップ部2の位置の座標GP1、GP2、・・・は、動きセンサ11が検知する加速度及び角速度から求めることができる。
また、上記時点T1における先端部4の位置TP1から、次の時点T2における先端部4の位置TP2への変化から、その間の先端部4の角速度ベクトルωtが演算される。先端部4の位置の座標TP1、TP2、・・・は、上述したように、グリップ部2の位置GP1、GP2、・・・を線形変換した写像として求めることができる。
そして、グリップ部2の角速度ベクトルωgをベースとする先端部4の角速度ベクトルωtの差分を演算することで、グリップ部2に回動中心を持つ先端部4の角速度ベクトルωpが得られる。
【0030】
本実施形態の電子サインデバイス1によれば、利用者が指先で空中に文字を描く感覚で、簡便にサイン入力を行うことができる。また、電子サインデバイス1の本体の軌跡データ、特にグリップ部2の軌跡データ、先端部4の軌跡データ、グリップ部2を回動中心とした指棒部3の角度推移データ及び/又はこれらを組み合わせた三次元的動きに関するデータは、第三者による真似や偽造、再現が極めて困難である。そのため、これら動きに関する情報をサイン情報として取り扱うことで、本人認証の信頼度を高めることができる。
【0031】
次に、電子サインデバイス1を使った本人認証を行う例をいくつか説明する。
【0032】
例えば
図10には、会社の従業員等が社内のローカルネットワークにログインするための認証手段として電子サインデバイス1を利用するシステムが例示される。ネットワークのサーバに、例えば新製品の研究開発に係る技術情報や、事業経営における重要な営業秘密情報などが保管されている場合には、そのサーバにアクセスする権限を特定の社員のみに制限し、その権限を証明するために電子サインデバイス1を利用することができる。
【0033】
例えば、利用者は、イントラネット20の端末21と電子サインデバイス1との通信を確立した後、電子サインデバイス1を使ってエアサインを行う。電子サインデバイス1は、指紋データと軌跡データのペアをサーバ22に送信する。サーバ22は、送信された指紋データと利用者登録された指紋データとが一致し、かつ、送信された軌跡データと、当該利用者が予め登録した軌跡データとが一致すると認識した場合に、当該利用者のログイン又はアクセスを許可することができる。
【0034】
或いは、電子サインデバイス1側が、指紋データにより本人であることを確認し、それに対応する利用者の軌跡データをメモリ12から検索して本人を認証してもよい。メモリ12に一致する指紋データが存在しない場合や、指紋データに対応する軌跡データが記録されていない場合には、操作した利用者の認証を拒否することができる。サーバ22側では、電子サインデバイス1が認証した軌跡データが、予め登録されたものと一致すると認識した場合に、当該利用者のログイン等の要求を許可することができる。
【0035】
次に、
図11は、例えばオンラインで契約や商取引をする際の電子文書の署名に電子サインデバイス1を利用する例である。この例では、インターネットに接続可能な情報端末であるタブレットPC31に電子サインデバイス1が無線接続される。タブレットPC31から相手方サーバ32に送信する電子文書に、電子サインデバイス1で取得した利用者の指紋データ及びサインの軌跡データを組み込むことで、本人確認及びその法律行為が本人の意思であることを証明することができる。
また、電子サインデバイス1は、サイン以外にも、キーボードに代わる文字の入力装置としても利用できる。そのため、このシステムは、電子商取引サイトからの商品の発注、ネットバンキング、オンライントレード、保険商品の契約・購入申し込み、各種登録事項の変更や解除等、様々な場面での応用が期待できる。
【0036】
また、契約等が本人の意思表示であることを相手方に対し事実として保証するために、例えば
図12に示すように、第三者的な立場にある認証局40からの電子証明書を付けた文書を相手方に渡してもよい。このシステムでは、利用者本人が、認証局40のサーバ41にエアサインの軌跡データを登録し、認証局40が発行する電子証明書を購入する。利用者本人は電子証明書付きの文書を相手方サーバ42に送信する。これにより相手方は、認証局40の電子証明書によって利用者本人の意思表示が保証された電子文書を受け取ることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 電子サインデバイス
2 グリップ部
3 指棒部
4 先端部
5 指紋センサ
10 プロセッサ
11 動きセンサ
12 メモリ
13 通信インターフェース
20 イントラネット
21 端末
22 サーバ
31 タブレットPC
32 サーバ
40 認証局
41、42 サーバ
GP グリップ部の位置ベクトル
GT グリップ部先端部間相対ベクトル
TP 先端部の位置ベクトル