特許 7171031 移動式あずまや

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-11-07

(45)【発行日】2022-11-15

(54)【発明の名称】移動式あずまや

(51)【国際特許分類】

   E04H 1/12 20060101AFI20221108BHJP

   A47B 37/04 20060101ALI20221108BHJP

   A47B 83/02 20060101ALI20221108BHJP

   E04B 1/343 20060101ALI20221108BHJP

【ＦＩ】

E04H1/12 306B

A47B37/04

A47B83/02

E04B1/343 Q

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2018208744

(22)【出願日】2018-11-06

(65)【公開番号】P2019167809

(43)【公開日】2019-10-03

【審査請求日】2021-09-21

(31)【優先権主張番号】10-2018-0032781

(32)【優先日】2018-03-21

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(73)【特許権者】

【識別番号】518359281

【氏名又は名称】株式会社アソポリ

(74)【代理人】

【識別番号】100101823

【弁理士】

【氏名又は名称】大前 要

(74)【代理人】

【識別番号】100181412

【弁理士】

【氏名又は名称】安藤 康浩

(72)【発明者】

【氏名】キム ソンヨン

【審査官】齋藤 卓司

(56)【参考文献】

【文献】特開２００９－２６４０２２（ＪＰ，Ａ）

【文献】韓国登録実用新案第２０－０４４２７０７（ＫＲ，Ｙ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｈ １／１２

Ａ４７Ｂ ３７／０４

Ａ４７Ｂ ８３／０２

Ｅ０４Ｂ １／３４３

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

テーブルと、
前記テーブルの両側にそれぞれ設けられた左側椅子及び右側椅子と、
固定用の穴が複数設けられたスライドスロットを有し、前記テーブルの上部に設けられた遮幕と、
少なくとも２つの円弧状のラウンドフレームと、
前記固定用の穴と、前記ラウンドフレームとを固定する固定装置と、を備え、
前記２つのラウンドフレームはそれぞれ、前記左側椅子及び前記右側椅子の両端部に固定され、
前記遮幕は、前記ラウンドフレームに取り付けられており、
前記固定装置が固定する前記固定用の穴の位置を変えることによって、前記遮幕を望む位置に移動可能に構成されている、移動式あずまや。

【請求項2】

請求項１に記載の移動式あずまやにおいて、
前記テーブルの両端部に設けられ、前記テーブルを下方から支えるテーブル支持部と、
前記左側椅子の両端部に設けられ、前記左側椅子を下方から支える左側椅子支持部と、
前記右側椅子の両端部に設けられ、前記右側椅子を下方から支える右側椅子支持部と、
前記テーブル支持部、前記左側椅子支持部及び前記右側椅子支持部のそれぞれの下端部と連結されたベースフレームと、
をさらに備えることを特徴とする移動式あずまや。

【請求項3】

請求項１又は２に記載の移動式あずまやにおいて、
前記テーブルの下側には、テーブル引出しが設けられている、
ことを特徴とする移動式あずまや。

【請求項4】

請求項１、２又は３に記載の移動式あずまやにおいて、
照明灯を固定可能な照明固定装置をさらに備える、
ことを特徴とする移動式あずまや。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、レジャーや野外、あるいは屋内スペースで用いる持ち運び可能なあずまやに関し、より詳しくはテーブルと椅子と太陽光を遮る遮幕とを有する移動式あずまやに関する。

【背景技術】

【0002】

野外用テーブルを使用する際には、太陽光を遮りたいというニーズがある。このニーズにこたえる技術として、テーブルの上板中央に設けた穴にパラソルを差し込む技術がある。また、下記特許文献１は、テーブル及び椅子の下部に連結部材を結合させ、この連結部材に連結輪が具備された柱を結合固定させ、この柱の上段の連結輪に遮光幕を設置する技術を提案している。

【0003】

しかしながら、パラソルをテーブルの穴に差し込んだ場合には、できる影の範囲が十分でないとともに、風によってパラソルが簡単に裏返ったり、吹き飛ばされたりするなどの問題があった。

【0004】

また、特許文献１の技術では、柱の下段部の一か所だけでテーブルに固定されているため、風が激しく吹いた場合に柱が折れるおそれがあった。

【0005】

また、下記特許文献２は、遮光構造を具備した野外用テーブルを開示している。この技術にかかる屋根の構造は、２つの柱と、この柱の上段側面に結合された、柱を横切って両端が柱より突出した梁と、が一対設けられ、梁の上段には、梁と直交するように両側の梁を連結する複数の垂木が結合される構造である。この構成では、垂木が複数突出されているために美観や運搬性などが低下する。また、垂木上に、屋根としてのポリカーボネート板又は葦簾を、即席で設置できるように構成しているため、使い勝手が悪いという問題もあった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】韓国実用新案登録20-0442707

【文献】韓国実用新案公開公報第2010-0007924号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、美観に優れ、使い勝手の良い移動式あずまやを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記課題を解決する本発明は、テーブルと、前記テーブルの両側にそれぞれ設けられた左側椅子及び右側椅子と、固定用の穴が複数設けられたスライドスロットを有し、前記テーブルの上部に設けられた遮幕と、少なくとも２つの円弧状のラウンドフレームと、前記固定用の穴と、前記ラウンドフレームとを固定する固定装置と、を備え、前記２つのラウンドフレームはそれぞれ、前記左側椅子及び前記右側椅子の両端部に固定され、前記遮幕は、前記ラウンドフレームに取り付けられており、前記固定装置が固定する前記固定用の穴の位置を変えることによって、前記遮幕を望む位置に移動可能に構成されている、移動式あずまやである。

【0009】

上記構成において、移動式あずまやにおいて、前記テーブルの両端部に設けられ、前記テーブルを下方から支えるテーブル支持部と、前記左側椅子の両端部に設けられ、前記左側椅子を下方から支える左側椅子支持部と、前記右側椅子の両端部に設けられ、前記右側椅子を下方から支える右側椅子支持部と、前記テーブル支持部、前記左側椅子支持部及び前記右側椅子支持部のそれぞれの下端部と連結されたベースフレームと、をさらに備える構成とすることができる。

【0010】

テーブルの下側には、テーブル引出しが設けられている構成とすることができる。

【0012】

照明灯を固定可能な照明固定装置をさらに備える構成とすることができる。

【発明の効果】

【0013】

本発明では、遮幕は上部に設けられ、野外の太陽光や風、雨などを防ぐため、野外でレジャー活動をしたり、休む時に便利である。また、柱や梁を有さず、これらの代わりに２つの円弧状のラウンドフレームを備え、このラウンドフレームに遮幕が取り付けられる構成であり、美観に優れ、風に強く、使い勝手性が高い。

【0014】

また、テーブルと椅子とが支持部とベースフレームとによって一体化されている構成では、移動と設置が簡単である。

【0015】

また、本発明にかかる移動式あずまやの構成が簡単であり、製作費用を低減できて、高くない価格で消費者へ提供できる。さらに、本発明にかかる移動式あずまやを屋内で用いる場合には、ラウンドフレームや遮幕などが周囲の音などを遮り、周囲とは区切られたプライベートな空間を演出するように作用する。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】図１は本発明の一実施形態の透視図である。

【図2】図２は本発明の他の実施形態の透視図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図１は本発明の一実施形態の透視図で、図２は他の実施形態の透視図である。

【0018】

図１に示すように、本実施の形態にかかる移動式あずまやは、テーブルｂと、テーブルｂの左側の左側椅子ａと、テーブルｂの右側の右側椅子ｃと、テーブル上部の遮幕４０と、を備えている。左側椅子ａは、背もたれ３９と座面３８とを有し、右側椅子ｃは、背もたれ３７と座面３６とを有している。左側椅子ａ、右側椅子ｃに座れる人数は、それぞれ、２人、３人、４人などとすることができ、テーブルの大きさは適宜設定できる。なお、右側、左側は、両者を区別するための便宜的な呼称である。

【0019】

遮幕４０の両端部分は、離隔した二つの円弧状のラウンドフレーム４１の上部に、それぞれ固定されている。離隔した二つのラウンドフレームはそれぞれ、左側椅子ａ及び右側椅子ｃの両端部とそれぞれ固定され、一体化されている。

【0020】

また、テーブルｂは、図１に示すように、４～６個（図１では４個）のテーブル支持部３１によってその天板が下方向から支持されて、テーブルｂの天板が地面から一定の高さを保つ構成とすることができる。テーブル支持部３１は、テーブルｂの天板の下部に一定間隔で設置され、その下端部はベースフレーム３０にそれぞれに固定される。

【0021】

また、左側椅子ａは、その両端に設けられた左側椅子支持部３２によって座面３８が下方向から支持されて、座面３８が地面から一定の高さを保つ構成とすることができる。左側椅子支持部３２の下端部はベースフレーム３０にそれぞれに固定される。また、右側椅子ｃは、その両端に設けられた右側椅子支持部３３によって座面３６が下方向から支持されて、座面３６が地面から一定の高さを保つ構成とすることができる。右側椅子支持部３３の下端部はベースフレーム３０にそれぞれに固定される構成とすることができる。また、左側椅子支持部３２、右側椅子支持部３３は、ラウンドフレーム４１とも固定されている構成とすることができる。以上のように、テーブル支持部３１、左側椅子支持部３２、右側椅子支持部３３は、テーブルや椅子の脚として機能する。

【0022】

また、左側椅子ａの背もたれ３９、右側椅子ｃの背もたれ３７はそれぞれ、その両端部がラウンドフレーム４１に固定されている。

【0023】

図２に示すように、テーブルｂの下段には、レジャーや野外活動などで使用される用品を収納できるテーブル引き出し３４が、スライド方式で開閉できるように設置される構成とすることができる。

【0024】

遮幕４０は、固定装置４５によって２つのラウンドフレーム４１に固定される構成とすることができる。固定装置４５は、遮幕４０がラウンドフレームにしっかり固定できるように、２つのラウンドフレーム４１のそれぞれに、互いに一定な間隔が離隔されるように、たとえば２個ずつ設置される。遮幕４０は、ルーフの形状に沿った曲状の板や、可とう性を有する幕であり、形状安定性を高めるための外枠を有する構成であってもよい。また、遮幕４０はあずまやを平面視したときの面積の８０％以上を覆うことができるものであることが好ましく、９０％以上を覆うことができるものであることがより好ましく、１００％覆うことができるものであることがさらに好ましい。

【0025】

遮幕４０は、太陽光を遮ったり、雨、雪を遮断したりして、テーブルに座って野外活動をする時に不便や不快を感じないようにするものである。遮幕４０は、透明な材料からなる構成であってもよい。

【0026】

しかしながら、野外では、時間の経過によって太陽が移動して、遮幕がない部分から太陽光がテーブルなどのあずまや内に入ってくる。両方のラウンドフレームと平行に遮幕４０に、固定装置４５の数よりも多い数の固定用の穴を設けたスライドスロット４４設ける。このスライドスロット４４のうち、使用する固定用の穴を適宜選択することにより、遮幕の固定位置を変化させることができる。すなわち、固定装置４５をいったん取り外し、スライドスロット４４のうち、好ましい位置の固定用の穴を選択して遮幕４０をスライドさせ、再度固定装置４５で固定させる。ここで、固定用の穴の間隔が、遮幕をスライド移動させることができる距離になる。これにより、太陽の移動にも適宜対応することができる。

【0027】

遮幕４０が固定される２つのラウンドフレーム４１は、その上方の中央部を繋ぐルーフフレーム４２によってお互いに連結され固定されている構成とすることができる。ルーフフレーム４２には、図２に示すように、照明灯を固定可能な照明固定装置４３が取り付けられる構成とすることができる。照明固定装置４３は、照明用の電灯が設置されている構成としたり、ガスやオイルなどを使用するランタンを固定可能にする構成としたりすることができる。

【0028】

その他テーブル側面のテーブル支持部３１に追加的なポケット(図示せず)を形成して、整理が必要な物を保管してレジャー及び野外活動をしながら即時に必要な物を出して使用できるようにすることもできる。

【0029】

また、ラウンドフレーム、ルーフフレーム、ベースフレーム、テーブル支持部、椅子支持部、椅子、テーブルなどの材料は特に限定されず、金属、プラスチック、木材などを適宜使用でき、異なる材料を複数種組み合わせてもよい。遮幕４０の材料は、軽量なプラスチックを主体とすることが好ましく、外枠を有する場合には、外枠はプラスチックや樹脂を用いることが好ましい。また、これらの各部材の固定には公知の方法を採用でき、ねじやくぎ等の他の部材を用いる方法、接着剤などを使用する方法や、溶接、溶着等を使用した方法などを利用でき、複数の方法を組み合わせてもよい。なお、いくつかのパーツごとに分離して持ち運べる構成であると、あずまやの持ち運んでの移動が容易となる。

【産業上の利用可能性】

【0030】

本発明によると、構成が簡単で製作費用を節減でき、野外の日光、雨、風、音などを防ぐ、移動式あずまやを提供でき、産業上の利用可能性は大きい。

【符号の説明】

【0031】

a : 左側椅子
b : テーブル
c : 右側椅子
30 : ベースフレーム
31 : テーブル支持部
32 : 左側椅子支持部
33 : 右側椅子支持部
34 : テーブル引出し
36 : 右側椅子の座面
37 : 右側椅子の背もたれ
38 : 左側椅子の座面
39 : 左側椅子の背もたれ
40 : 遮幕
41 : ラウンドフレーム
42 : ルーフフレーム
43 : 照明固定装置
44 : スライドスロット
45 :固定装置
100 :移動式あずまや

【図1】

【図2】