(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20221108BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
(21)【出願番号】P 2019204135
(22)【出願日】2019-11-11
(62)【分割の表示】P 2019065403の分割
【原出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-03-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517057214
【氏名又は名称】KIYOラーニング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】綾部 貴淑
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168717(JP,A)
【文献】特開2015-138419(JP,A)
【文献】特開2005-164810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の試験に関する講座を受講した複数の受講者の
受講者データであって、前記講座を構成する複数のレッスンのうちのレッスン毎の受講履歴及び前記所定の試験の得点を含む受講者データに基づいて
生成される得点予測モデルを用いて、前記講座を構成する複数のレッスンのうち
、対象者
が受講する受講対象レッスンが受講基準を満たす場合に
、前記対象者による前記受講対象レッスンの受講により前記所定の試験において獲得できる第1の予測得点を予
測する予測
部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記
得点予測モデルを用いて前記受講対象レッスンが前記受講基準を満たさない場合の前記所定の試験において獲得できる第2の予測得点を予測し、前記第1の予測得点と前記第2の予測得点との差分である前記受講対象レッスンの上昇予測得点を示す情報
を学習効果を示す情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予測部は、前記第1の予測得点を示す情報
を学習効果を示す情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予測部は、前記
得点予測モデルを用いて前記受講対象レッスンが前記受講基準を満たさない場合の前記所定の試験において獲得できる第2の予測得点を予測し、前記第1の予測得点及び前記第2の予測得点を示す情報
を学習効果を示す情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予測部は、前記第1の予測得点から目標点までの点数を示す情報
を学習効果を示す情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予測部は、前記第1の予測得点及び目標点に基づいて予測される前記目標点に達する可能性を示す情報
を学習効果を示す情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の受講基準は、複数の受講基準を含み、
前記第1の予測得点は、前記複数の受講基準毎に予測される、
請求項1から
6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受講対象レッスンが演習である場合、前記受講基準は、前記対象者が前記演習で所定の得点以上または所定の正答率以上を獲得することである、
請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
所定の試験に関する講座を受講した複数の受講者の
受講者データであって、前記講座を構成する複数のレッスンのうちのレッスン毎の受講履歴及び前記所定の試験の得点を含む受講者データに基づいて
生成される得点予測モデルを用いて、前記講座を構成する複数のレッスンのうち
、対象者
が受講する受講対象レッスンが受講基準を満たす場合に
、前記対象者による前記受講対象レッスンの受講により前記所定の試験において獲得できる第1の予測得点を予
測するこ
とを備える情報処理方法。
【請求項10】
請求項1から8の何れか一項に記載の情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資格試験などの講座をインターネット経由で配信するサービスが広まっている。一般的に、受講者は、資格試験の合格を目指して、週単位の学習時間及びテーマごとの進め方などの学習スケジュールを自ら組む。
【0003】
このような受講者の作業を減らし、受講者を資格試験の合格へ導くために、受講者に対してアドバイスを配信するサービスが広まっている。例えば、特許文献1には、学習ペースが受講計画よりも遅れている場合、学習ペースを上げるようにアドバイスを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているアドバイスは、学習時間に関するものである。そのため、受講者は、学習ペースの遅れを把握することはできるが、資格試験の合格に効果的な学習方法を把握することはできない。
【0006】
資格試験の学習テーマは、多岐にわたる。点数を伸ばしやすい学習テーマ及び点数を伸ばしにくい学習テーマは、受講者によって異なる。そのため、受講者は、学習時間を増やしたとしても効果的に学習を進めなければ、資格試験に合格することは難しい。受講者が全ての学習テーマに同程度の時間を割くことは、資格試験の合格に向けては好ましいことではない。
【0007】
上記の課題を解決するために、講座の受講者に対して試験に合格するための望ましい行動を促す技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、情報処理装置は、試験に関する講座を構成する複数のレッスンのうち対象者の受講対象レッスンを特定する特定部と、前記受講対象レッスンの受講による学習効果を示す情報を取得する取得部と、前記学習効果を示す情報を前記対象者の端末へ出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
実施形態によれば、情報処理装置及び端末は、表示部に学習効果を表示させることで、対象者に対して試験に合格するための望ましい行動を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る講座配信システム及び端末の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る対象講座を構成する複数のレッスンの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る対象講義についての第1の学習効果の表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る演習の得点と対象試験の予測得点との関係を例示する図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る対象演習についての第1の学習効果の表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る得点予測モデルに関連する動作例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る学習効果に関連する動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1は、講座配信システム1及び端末2の構成例を示すブロック図である。
【0012】
講座配信システム1について説明する。
講座配信システム1は、試験の講座の受講を登録している各受講者に対して、インターネットなどのネットワークを介して、講座のコンテンツを配信するシステムである。ここでは、講座配信システム1は、特定の受講者の所有する端末2に対して、特定の試験に関する講座を配信するものとする。以下では、端末2を所有する特定の受講者は、対象者とも称される。特定の試験は、対象試験とも称される。対象試験に関する講座は、対象講座とも称される。
【0013】
試験は、合否を最終結果とする試験であっても、得点を最終結果とする試験であってもよく、限定されない。例えば、合否を最終結果とする試験は、資格の付与に関する試験である。資格の付与に関する試験は、国家資格の付与に関する試験であっても、民間資格の付与に関する試験であってもよい。例えば、得点を最終結果とする試験は、語学に関する試験である。
【0014】
各試験の講座は、複数のレッスンで構成される。各レッスンは、それぞれ、講義または演習である。例えば、講義は、動画または音声の視聴による受講形式である。講義は、ウェブ上でのテキストでの学習による受講形式であってもよい。講義は、動画または音声の視聴及びウェブ上でのテキストでの学習を組み合わせた受講形式であってもよい。演習は、ウェブ上での問題への回答による受講形式である。演習は、部分的に講義を含んでいるものであってもよい。各レッスンは、テーマなどの内容のまとまりに応じて構成される学習単位である。各レッスンは、受講者による1レッスンの受講時間が比較的短時間となるように構成される。これにより、対象者は、端末2を用いて、隙間時間を利用して効率よく各レッスンを受講することができる。
【0015】
講座配信システム1は、サーバ3、サーバ4及びサーバ5を備える。
サーバ3、サーバ4及びサーバ5は、ネットワークを介して、互いに通信可能に接続されている。サーバ3、サーバ4及びサーバ5については後述する。
【0016】
端末2について説明する。
端末2は、対象者による対象講座の受講に用いられる装置である。例えば、端末2は、PC(Personal Computer)であるが、スマートフォン及びタブレットなどであってもよく、これらに限定されない。
【0017】
端末2は、プロセッサ21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶装置24、通信インタフェース25、入力装置26及び表示装置27を備える。プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶装置24、通信インタフェース25、入力装置26及び表示装置27は、データバスなどを介して互いに接続される。
図1では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
【0018】
プロセッサ21は、端末2全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ21は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array)などを含む回路で構成されていてもよい。プロセッサ21は、ROM22または記憶装置24に予め記憶されているプログラムをRAM23に展開する。プロセッサ21は、RAM23に展開されたプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0019】
ROM22は、予め制御用のプログラム及び制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
【0020】
RAM23は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する揮発性のメモリである。
【0021】
記憶装置24は、データ及びプログラムなどを記憶する不揮発性メモリで構成される装置である。例えば、記憶装置24は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などで構成されるが、これらに限定されない。
【0022】
記憶装置24は、プロセッサ21で実行されるプログラムを記憶する。プログラムは、ネットワークを介して端末2にダウンロードされてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたものが端末2にインストールされたものでもよい。
【0023】
通信インタフェース25は、有線または無線で通信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース25は、有線または無線の種々の規格に対応するインタフェースを含む。通信インタフェース25は、端末2と他の装置との間の通信を可能にする。
【0024】
入力装置26は、対象者による操作に基づいて指示を受け付ける装置である。例えば、入力装置26は、キーボードまたはタッチパッドなどであるが、これらに限定されない。例えば、入力装置26は、対象者による操作に基づいて対象レッスンの開始指示を受け付ける。対象レッスンは、対象講座を構成する複数のレッスンのうち対象者の受講の対象となるレッスンである。対象レッスンは、受講対象レッスンとも称される。ここでは、対象レッスンが未受講レッスンである例について説明する。対象レッスンが講義である場合、未受講は、未視聴を意味する。対象レッスンが演習である場合、未受講は、演習で提供される問題への未回答を意味する。以下では、対象レッスンが講義である場合、この講義は、対象講義とも称される。対象レッスンが演習である場合、この演習は、対象演習とも称される。
【0025】
表示装置27は、種々の画面を表示する装置である。例えば、表示装置27は、液晶ディスプレイであるが、これに限定されない。表示装置27は、表示部の例である。
【0026】
なお、端末2のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。端末2は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0027】
プロセッサ21に実装される各部について説明する。
プロセッサ21は、プログラムを実行することで、取得部211及び表示制御部212を実装する。
取得部211は、種々の情報をサーバ4から取得する。例えば、取得部211は、対象レッスンの受講による学習効果を示す情報をサーバ4から取得する。学習効果は、対象者による対象レッスンの受講によって得られる効果である。学習効果の例については後述する。以下では、学習効果を示す情報は、学習効果情報とも称される。
表示制御部212は、種々の情報を表示装置27に表示させる。例えば、表示制御部212は、学習効果を表示装置27に表示させる。
【0028】
サーバ3について説明する。
サーバ3は、各試験の講座の複数の受講者に関するデータの管理などに用いられる装置である。以下では、複数の受講者に関するデータは、複数の受講者データとも称される。ここでは、対象講座についての複数の受講者データを例にして説明する。対象講座についての複数の受講者データの例については後述する。
【0029】
サーバ3は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶装置34及び通信インタフェース35を備える。プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶装置34及び通信インタフェース35は、データバスなどを介して互いに接続される。
プロセッサ31は、サーバ3全体の動作を制御する。プロセッサ31は、上述のプロセッサ21と同様のハードウェアで構成される。
ROM32は、上述のROM22と同様のハードウェアで構成される。
RAM33は、上述のRAM23と同様のハードウェアで構成される。
記憶装置34は、上述の記憶装置24と同様のハードウェアで構成される。記憶装置34は、対象講座についての複数の受講者データを記憶する。記憶装置34は、プロセッサ31で実行されるプログラムを記憶する。プログラムは、ネットワークを介してサーバ3にダウンロードされてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたものがサーバ3にインストールされたものでもよい。
通信インタフェース35は、上述の通信インタフェース25と同様のハードウェアで構成される。
なお、サーバ3のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ3は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0030】
記憶装置34が記憶する対象講座についての複数の受講者データについて説明する。
複数の受講者データは、対象講座の受講を終了した者に関するデータだけでなく、対象講座を受講中の者に関するデータも含む。例えば、対象講座の受講を終了した受講者に関するデータは、対象講座を構成する全レッスンを受講した者に関するデータだけでなく、対象講座の途中のレッスンで受講を止めた者に関するデータを含んでもよい。複数の受講者データは、対象者に関するデータを含む。以下では、対象者に関するデータは、対象者データとも称される。複数の受講者データは、現在受講中の受講者の進捗及び新たな受講者の追加などに応じて更新される。
【0031】
複数の受講者データは、各受講者について、受講履歴に関するデータを含む。
受講履歴は、対象講座を構成する複数のレッスンのうち、受講者が少なくとも一部を受講したレッスン毎の学習行動を記録したログである。受講履歴は、受講者が受講を完了させたレッスンだけでなく、受講者が途中まで受講したレッスンの学習行動も含む。以下では、受講者が受講を完了させたレッスンは、受講済レッスンとも称される。受講者が途中まで受講したレッスンは、受講途中レッスンとも称される。受講者が受講していないレッスンは、未受講レッスンとも称される。
【0032】
レッスンが講義である場合について説明する。例えば、受講履歴は、レッスン毎に、講義の進捗状況(受講済、受講途中または未受講の何れか)、動画または音声の再生時間、及び、テキストを用いた学習時間(講義の利用時間)などの要素を含む。例えば、講義がテキストを用いた学習である場合、講義の進捗状況は、受講者による受講完了の入力に応じて受講済になり得る。なお、サーバ3は、講義の学習時間を自動的に記録してもよいが、受講者による端末での入力に応じて端末から収集するようにしてもよい。受講者は、端末で講義の学習時間を入力する場合、講座で配信されるテキストの学習時間を入力してもいいし、市販テキスト(例えば、市販テキストのうち各講義に関連する部分)の学習時間を入力してもよい。
【0033】
レッスンが演習である場合について説明する。例えば、受講履歴は、レッスン毎に、演習の進捗状況(受講済、受講途中または未受講の何れか)、演習の得点または正答率、及び、演習の学習時間(演習の利用時間)などの要素を含む。なお、受講者が同じ演習を複数回受講する場合、受講履歴は、受講回数(例えば、初回受講、2回目受講など)と紐付けた演習の得点または正答率を含む。なお、サーバ3は、上述の講義の学習時間と同様に、演習の学習時間を自動的に記録してもよいが、受講者による端末での入力に応じて端末から収集するようにしてもよい。受講者は、端末で演習の学習時間を入力する場合、上述の講義の学習時間と同様に、講座で配信される演習の学習時間だけでなく、市販テキストに収録されている問題(例えば、市販テキストのうち各演習に関連する部分)の学習時間を入力してもよい。
【0034】
複数の受講者データは、対象試験を実施に受けた受講者について、対象試験の得点に関するデータを含む。
対象試験の得点は、受講者が実際に対象試験を受けた結果である。なお、対象試験の得点は、本試験の結果に代えて、模擬試験の結果であってもよい。例えば、模擬試験は、外部の受験機関が開催する試験を含む。この例では、模擬試験の結果は、受講者の申告による。例えば、模擬試験は、講座に含まれているウェブ上で回答する試験を含む。この例では、模擬試験の結果は、受講履歴に含まれ得る。
【0035】
なお、複数の受講者データは、各受講者について、受講者の経験に関するデータ及び受講者の属性に関するデータのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0036】
受講者の経験は、受講者が対象講座を受講する前に対象試験を過去に実際に受けた受験経験を含む。例えば、受験経験は、対象試験の受験回数及び対象試験の結果などの要素を含む。例えば、対象試験の過去の結果は、試験の運営機関から受講者に通知される正式な結果であってもいいし、受講者の自己採点による結果であってもよい。受講者の経験は、対象試験とは異なる試験についての過去の学習経験を含む。例えば、学習経験は、対象試験とは異なる試験の受験回数などの要素を含む。
【0037】
受講者の属性は、受講者固有の特徴である。例えば、受講者の属性は、年齢、性別、職業及び業界などの要素を含む。
【0038】
複数の受講者データは、サーバ4によって収集され、サーバ3に保存される。例えば、サーバ4は、各受講者について、各レッスンのコンテンツの配信に応じてレッスンの受講履歴に関するデータを計測し、サーバ3に保存する。例えば、サーバ4は、各受講者による端末での入力に応じて端末から受講者の属性及び対象試験の得点に関するデータを収集し、サーバ3に保存する。
【0039】
サーバ4について説明する。
サーバ4は、端末2からの要求の処理、サーバ3へのデータの保存及びサーバ5への要求の処理などに用いられる装置である。
【0040】
サーバ4は、プロセッサ41、ROM42、RAM43、記憶装置44及び通信インタフェース45を備える。プロセッサ41、ROM42、RAM43、記憶装置44及び通信インタフェース45は、データバスなどを介して互いに接続される。
プロセッサ41は、サーバ4全体の動作を制御する。プロセッサ41は、上述のプロセッサ21と同様のハードウェアで構成される。プロセッサ41は、RAM43に展開されたプログラムを実行することで、種々の動作を実行する後述の各部を実装する。
ROM42は、上述のROM22と同様のハードウェアで構成される。
RAM43は、上述のRAM23と同様のハードウェアで構成される。
記憶装置44は、上述の記憶装置24と同様のハードウェアで構成される。記憶装置44は、プロセッサ41で実行されるプログラムを記憶する。プログラムは、ネットワークを介してサーバ4にダウンロードされてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたものがインストールされたものでもよい。
通信インタフェース45は、上述の通信インタフェース25と同様のハードウェアで構成される。
なお、サーバ4のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ4は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0041】
プロセッサ41に実装される各部について説明する。
プロセッサ41は、プログラムを実行することで、開始要求取得部411、対象レッスン特定部412、予測要求出力部413、予測情報取得部414及び出力部415を実装する。
【0042】
開始要求取得部411は、通信インタフェース45を介して、対象レッスンの開始要求を端末2から取得する。例えば、対象レッスンの開始要求は、対象者を特定する情報及び対象レッスンを特定する情報を含む。
【0043】
対象レッスン特定部412は、以下に例示するように、対象レッスンを特定する。例えば、対象レッスン特定部412は、対象レッスンの開始要求に含まれる対象レッスンを特定する情報を参照して、対象レッスンを特定する。
【0044】
予測要求出力部413は、通信インタフェース45を介して、対象試験の学習効果の予測要求をサーバ5へ出力する。学習効果の予測要求は、対象者を特定する情報及び対象レッスンを特定する情報を含む。
【0045】
予測情報取得部414は、通信インタフェース45を介して、学習効果情報をサーバ5から取得する。学習効果情報は、学習効果の予測要求の応答としてサーバ5からサーバ4へ送信される。
【0046】
出力部415は、種々の情報及び指示を端末2へ出力する。
例えば、出力部415は、通信インタフェース45を介して、学習効果情報を端末2へ出力する。学習効果情報は、学習効果を対象者に知らせるメッセージに関する情報を含む。
【0047】
例えば、出力部415は、対象レッスンの開始または完了時に端末2に学習効果を表示させる指示を端末2へ出力する。
端末2に学習効果を表示させる指示について説明する。
対象レッスンが講義である場合、例えば、対象レッスンの開始時は、端末2において対象講義の開始画面を表示するタイミングである。例えば、対象レッスンの完了時は、端末2において対象講義の終了画面を表示するタイミングである。対象レッスンが演習である場合、例えば、対象レッスンの開始時は、端末2において対象演習で提供される初期画面を表示するタイミングである。対象レッスンの完了時は、端末2において対象者が対象演習で提供される問題で獲得した得点または正答率の画面を表示するタイミングである。
【0048】
例えば、出力部415は、後述する所定の受講基準を示す情報を端末2へ出力する。受講基準は、受講状態ということもできる。
所定の受講基準について説明する。
対象レッスンが講義である場合、所定の受講基準は、対象者が対象講義の視聴を完了することである。対象レッスンが演習である場合、所定の受講基準は、対象者が演習で第1の得点(所定の得点)以上または第1の正答率(所定の正答率)以上を獲得することである。第1の得点または第1の正答率の設定例については後述する。
【0049】
対象レッスンの開始時に端末2に学習効果を表示させる場合について説明する。
例えば、出力部415は、対象レッスンのコンテンツと共に、学習効果情報及び対象レッスンの開始時に端末2に学習効果を表示させる指示を端末2へ出力する。出力部415は、所定の受講基準を示す情報を端末2へ出力してもよい。これにより、端末2の表示制御部212は、受講者が対象レッスンを開始するタイミングで、対象レッスンのコンテンツと共に学習効果を表示装置27に表示させる。さらに、端末2の表示制御部212は、同タイミングで、学習効果に関連付けて所定の受講基準を表示装置27に表示させる。
【0050】
対象レッスンの完了時に端末2に学習効果を表示させる場合について説明する。
例えば、出力部415は、対象レッスンのコンテンツを端末2へ配信した後に、受講者による対象レッスンの完了に応じて、学習効果情報及び対象レッスンの完了時に端末2に学習効果を表示させる指示を端末2へ出力する。これに代えて、出力部415は、対象レッスンのコンテンツと共に、予め学習効果情報及び対象レッスンの完了時に端末2に学習効果を表示させる指示を端末2へ出力してもよい。これにより、端末2の表示制御部212は、受講者が対象レッスンを完了するタイミングで、対象レッスンのコンテンツと共に学習効果を表示装置27に表示させる。さらに、端末2の表示制御部212は、同タイミングで、学習効果に関連付けて所定の受講基準を表示装置27に表示させる。
【0051】
サーバ5について説明する。
サーバ5は、対象試験の得点予測モデルの生成及び得点予測モデルを用いた学習効果の予測などに用いられる装置である。得点予測モデルは、少なくとも受講対象者の受講履歴に基づいて、対象者が実際に対象試験を受けた場合に対象者が獲得可能な得点を予測するための学習済モデルである。以下では、学習済モデルで予測される対象試験の得点は、予測得点とも称される。
【0052】
サーバ5は、プロセッサ51、ROM52、RAM53、記憶装置54及び通信インタフェース55を備える。プロセッサ51、ROM52、RAM53、記憶装置54及び通信インタフェース55は、データバスなどを介して互いに接続される。
プロセッサ51は、サーバ5全体の動作を制御する。プロセッサ51は、上述のプロセッサ21と同様のハードウェアで構成される。プロセッサ51は、RAM53に展開されたプログラムを実行することで、種々の動作を実行する後述の各部を実装する。
ROM52は、上述のROM22と同様のハードウェアで構成される。
RAM53は、上述のRAM23と同様のハードウェアで構成される。
記憶装置54は、上述の記憶装置24と同様のハードウェアで構成される。記憶装置54は、得点予測モデルを記憶する。記憶装置54は、プロセッサ51で実行されるプログラムを記憶する。プログラムは、ネットワークを介してサーバ5にダウンロードされてもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたものがサーバ5にインストールされたものでもよい。
通信インタフェース55は、上述の通信インタフェース25と同様のハードウェアで構成される。
なお、サーバ5のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ5は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0053】
プロセッサ51に実装される各部について説明する。
プロセッサ51は、プログラムを実行することで、教師データ要求部511、教師データ取得部512、モデル生成部513、モデル保存部514、予測要求取得部515、対象データ要求出力部516、対象データ取得部517、予測部518及び予測情報出力部519を実装する。
【0054】
教師データ要求部511は、通信インタフェース55を介して、教師データの要求をサーバ3へ出力する。例えば、教師データ要求部511は、サーバ5で得点予測モデルを生成する際及び得点予測モデルを更新する際に教師データの要求をサーバ3へ出力する。教師データの要求は、対象講座についての複数の受講者データの要求を含む。対象講座についての複数の受講者データの要求は、受講履歴に関するデータ及び対象試験の得点に関するデータの要求を含む。対象講座についての複数の受講者データの要求は、受講者の経験に関するデータ及び受講者の属性に関するデータのうちの少なくとも一つの要求を含んでいてもよい。
【0055】
教師データ取得部512は、通信インタフェース55を介して、教師データをサーバ3から取得する。教師データは、教師データの要求の応答としてサーバ3からサーバ5へ送信される。教師データは、複数の受講者のそれぞれについての受講履歴に関するデータ及び対象試験の得点に関するデータを含む。教師データは、複数の受講者のそれぞれについての受講者の経験に関するデータ及び受講者の属性に関するデータのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0056】
モデル生成部513は、以下に例示するように、少なくとも教師データに含まれる複数の受講者の受講履歴及び複数の受講者による対象試験の得点に基づいて得点予測モデルを生成する。上述のように複数の受講者データは更新されるので、モデル生成部513は、更新された教師データに基づいて得点予測モデルを生成する。なお、得点予測モデルを生成することは、得点予測モデルを更新することを含む。例えば、モデル生成部513は、夜間バッチで得点予測モデルを生成してもいいし、学習効果の予測のタイミングでリアルタイムに得点予測モデルを生成してもよい。
【0057】
モデル生成部513は、対象試験の得点を、得点予測モデルを生成するための目的変数として用いる。モデル生成部513は、受講履歴に含まれるレッスン毎の各要素を、得点予測モデルを生成するための特徴量として用いる。受講履歴に含まれるレッスン毎の各要素と対象試験の点数との間には、一定の相関関係がある。
【0058】
例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる講義の進捗である。講義が受講済である場合、講義が未受講である場合よりも、受講者の学習時間は長くなる傾向にあり得る。学習時間が長くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる動画または音声の再生時間である。動画または音声の再生時間が長くなるにつれ、受講者の学習時間は長くなる傾向にあり得る。学習時間が長くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる講義の利用時間である。講義の利用時間が長くなるにつれ、受講者の学習時間は長くなる傾向にあり得る。学習時間が長くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる演習の進捗である。演習が受講済である場合、演習が未受講である場合よりも、受講者の学習時間は長くなる傾向にあり得る。学習時間が長くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる演習の得点または正答率である。演習の問題は、過去問及び対象試験で出やすい問題で構成される。演習の得点または正答率が高くなるにつれ、受講者は、対象試験でも同様に高得点を得やすい傾向にあり得る。そのため、演習の得点または正答率が高くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講履歴に含まれる演習の利用時間である。演習の利用時間が長くなるにつれ、受講者の学習時間は長くなる傾向にあり得る。学習時間が長くなるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。
【0059】
モデル生成部513は、受講者の経験を構成する各要素を、得点予測モデルを生成するための特徴量として用いてもよい。受講者の経験を構成する各要素と対象試験の点数との間には、一定の相関関係がある。例えば、特徴量は、受講者の経験に含まれる対象試験の受験回数である。対象試験の受験回数が多くなるにつれ、受講者は、対象試験を受けることに慣れる傾向にあり得る。受講者が対象試験を受けることに慣れるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講者の経験に含まれる対象試験の過去の結果である。対象試験の点数は、対象試験の過去の結果よりも上がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講者の経験に含まれる対象試験とは異なる試験の受験回数である。何らかの試験の受験回数が多くなるにつれ、受講者は、試験を受けることに慣れる傾向にあり得る。受講者が試験を受けることに慣れるにつれ、対象試験の点数は上がる傾向にあり得る。
【0060】
モデル生成部513は、受講者の属性を構成する各要素を、得点予測モデルを生成するための特徴量として用いてもよい。受講者の属性を構成する各要素と対象試験の点数との間には、一定の相関関係がある。例えば、特徴量は、受講者の属性に含まれる年齢である。年齢が上がるにつれ、記憶力は低下する傾向にあり得る。そのため、年齢が上がるにつれ、対象試験の点数は下がる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講者の属性に含まれる性別である。試験は、男性向きのものもあれば、女性向きのものもあり得る。そのため、対象試験の点数は、性別によって異なる傾向にあり得る。例えば、特徴量は、受講者の属性に含まれる職業及び業界である。試験は、職業及び業界毎に関連性の高いものがある。例えば、ICT関連の職業及び業界の人は、情報処理関係の試験に向く傾向にあり得る。そのため、対象試験の点数は、職業及び業界によって異なる傾向にあり得る。
【0061】
モデル生成部513は、機械学習により、目的変数に対する各特徴量の関係を推定し、得点予測モデルを生成する。得点予測モデルは、予測得点を求めるために、各特徴量に対応する種々の変数を用いる。例えば、得点予測モデルは、各講義が受講済か否かを変数として用いる。例えば、得点予測モデルは、各演習の得点または正答率を変数として用いる。
【0062】
例えば、機械学習は、教師あり学習である。機械学習は、線形回帰及び決定木などの回帰の手法により予測モデルを生成するものでもよい。回帰の手法は、これらに限定されるものではない。機械学習は、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン及びディープラーニングなどの分類の手法により予測モデルを生成するものでもよい。分類の手法は、これらに限定されるものではない。
【0063】
なお、モデル生成部513は、機械学習により、複数の受講者データを用いて得点予測モデルを生成する例について説明したが、機械学習を用いることなく得点予測モデルを生成してもよい。例えば、モデル生成部513は、複数の受講者データのうちから対象者データの受講履歴に相関のある任意の一人の受講者データを選択し、選択された受講者データに基づいて得点予測モデルを生成するようにしてもよい。
【0064】
モデル保存部514は、モデル生成部513で生成された得点予測モデルに関する情報を記憶装置54に保存する。
【0065】
予測要求取得部515は、通信インタフェース55を介して、学習効果の予測要求をサーバ4から取得する。予測要求取得部515は、学習効果の予測要求に含まれる対象者を特定する情報及び対象レッスンを特定する情報を取得する。
【0066】
対象データ要求出力部516は、以下に例示するように、通信インタフェース55を介して、対象者に関するデータの要求をサーバ3へ出力する。以下では、対象者に関するデータは、対象者データとも称される。例えば、対象データ要求出力部516は、学習効果の予測要求に含まれる対象者を特定する情報を参照する。対象データ要求出力部516は、対象者を特定し、対象者データの要求をサーバ3へ出力する。対象者データの要求は、対象者を特定する情報を含む。
【0067】
対象データ取得部517は、通信インタフェース55を介して、対象者データをサーバ3から取得する。対象者データは、対象者についての受講履歴に関するデータを含む。対象者データは、対象者についての受講者の経験に関するデータ及び受講者の属性に関するデータのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。対象者データは、対象者データの要求の応答としてサーバ3からサーバ5へ送信される。
【0068】
予測部518は、以下に例示するように、学習効果を予測する。
学習効果は、以下に例示する第1~第5学習効果のうちの何れか1つを含む。
【0069】
第1の学習効果は、対象試験の上昇予測得点である。第2の学習効果は、所定の受講基準を満たす場合の対象試験の予測得点である。以下では、所定の受講基準を満たす場合の対象試験の予測得点は、第1の予測得点とも称される。第3の学習効果は、第1の予測得点及び所定の受講基準を満たさない場合の対象試験の予測得点である。以下では、所定の受講基準を満たさない場合の対象試験の予測得点は、第2の予測得点とも称される。第4の学習効果は、所定の受講基準を満たす場合の目標点までの点数である。第5の学習効果は、所定の受講基準を満たす場合の目標点に達する可能性である。
【0070】
第1の学習効果の予測について説明する。上昇予測得点は、対象者による対象レッスンの受講により上昇すると予測される対象試験の点数の増加分である。
まず、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。次に、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第2の予測得点を予測する。次に、予測部518は、第1の予測得点と第2の予測得点との差分を求める。差分は、上昇予測得点に相当する。これにより、予測部518は、第1の学習効果を示す情報を取得することができる。
【0071】
第2の学習効果の予測について説明する。予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。これにより、予測部518は、第2の学習効果を示す情報を取得することができる。
【0072】
第3の学習効果の予測について説明する。まず、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。次に、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第2の予測得点を予測する。これにより、予測部518は、第3の学習効果を示す情報を取得することができる。
【0073】
第4の学習効果の予測について説明する。第4の学習効果で用いる目標点は、対象試験の合格を目標とする点数である。例えば、対象試験の合格点が固定であれば、目標点は、固定の合格点でもいいし、固定の合格点よりも高めの点数でもよい。例えば、対象試験の合格点が変動であれば、目標点は、過去の複数回の合格点の平均点でもいいし、平均点よりも高めの点数でもよい。まず、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。次に、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。次に、予測部518は、第1の予測得点から目標点までの差分を求める。差分は、目標点までの点数に相当する。これにより、予測部518は、第4の学習効果を示す情報を取得することができる。
【0074】
第5の学習効果の予測について説明する。第5の学習効果で用いる目標点は、第4の学習効果で用いる目標点と同じであってもよい。まず、予測部518は、得点予測モデルを用いて、第1の予測得点を予測する。次に、予測部518は、第1の予測得点及び目標点に基づいて、目標点に達する可能性を予測する。一例では、目標点に達する可能性は、合格率である。合格率は、目標点に対する第1の予測得点の割合である。この例では、予測部518は、目標点に対する第1の予測得点の割合を求める。別の例では、目標点に達する可能性は、合格判定である。合格判定は、複数段階のランクから選択されるランクである。例えば、複数段階のランクは、目標点に対する第1の予測得点の乖離または目標点に対する第1の予測得点の割合に応じて設定される。例えば、複数段階のランクは、A、B、C及びDの4段階のランクなどであるが、これに限定されない。この例では、予測部518は、複数段階のランクから、第1の予測得点から目標点までの差分に対応するランクを選択する。これに代えて、予測部518は、複数段階のランクから、目標点に対する第1の予測得点の割合に対応するランクを選択してもよい。これにより、予測部518は、第5の学習効果を示す情報を取得することができる。
【0075】
予測情報出力部519は、通信インタフェース55を介して、予測部518で取得された学習効果情報をサーバ4へ出力する。学習効果情報は、学習効果の予測要求の応答としてサーバ5からサーバ4へ送信される。
【0076】
対象講座を構成する複数のレッスンの構成例について説明する。
図2は、対象講座を構成する複数のレッスンの構成例を示す図である。
対象講座は、x(2以上)個のレッスンで構成されている。x個のレッスンは、y(1以上)個の講義と、y個の演習で構成されている。なお、講義の数は、演習の数と異なっていてもよい。講義と演習は、交互に配置されているが、これに限定されない。2以上の講義は、連続するように配置されてもよい。2以上の演習は、連続するように配置されてもよい。
【0077】
学習効果の予測例及び表示例について、対象講義と対象演習に分けて説明する。
【0078】
対象講義の例について説明する。
ここでは、
図2に示されるレッスン1~4は、視聴済レッスンであるものとする。レッスン5~xは、未視聴レッスンであるものとする。レッスン5の講義3は、対象講義であるものとする。
【0079】
まず、対象講義における第1の学習効果の予測例について説明する。
予測部518は、得点予測モデルを用いて、対象者が対象講義である講義3の視聴を完了する場合の第1の予測得点を予測する。対象者が対象講義である講義3の視聴を完了する場合は、所定の受講基準を満たす場合の一例である。ここでは、予測部518は、受講済レッスンであるレッスン1~4についての得点予測モデルの変数に、対象者の受講履歴のデータを適用する。予測部518は、対象講義である講義3についての得点予測モデルの変数に、受講済を示すデータを適用する。予測部518は、未受講レッスンのうち対象講義を除くレッスン6~xの得点予測モデルの変数に、空のデータを適用する。これに代えて、予測部518は、未受講レッスンのうち対象講義を除くレッスン6~xの得点予測モデルの変数に、デフォルトのデータを適用してもよい。例えば、未受講レッスンが講義である場合、デフォルトのデータは、受講済を示すデータを含む。例えば、未受講レッスンが演習である場合、デフォルトのデータは、演習の得点または正答率が0を示すデータを含む。これに代えて、未受講レッスンが演習である場合、デフォルトのデータは、演習の得点または正答率が複数の受講者の初回受講時の得点または正答率の平均値を示すデータを含んでいてもよい。予測部518は、上述のデータを得点予測モデルの変数に適用し、第1の予測得点を予測する。
【0080】
予測部518は、得点予測モデルを用いて、対象者が対象講義を視聴していない場合の第2の予測得点を予測する。対象者が対象講義を視聴していない場合は、所定の受講基準を満たさない場合の一例である。ここでは、予測部518は、受講済レッスンであるレッスン1~4についての得点予測モデルの変数に、対象者の受講履歴のデータを適用する。予測部518は、対象講義である講義3についての得点予測モデルの変数に、未受講を示すデータを適用する。予測部518は、未受講レッスンのうち対象講義を除くレッスン6~xについての得点予測モデルの変数に、空のデータを適用する。これに代えて、予測部518は、未受講レッスンのうち対象講義を除くレッスン6~xの得点予測モデルの変数に、上述のデフォルトのデータを適用してもよい。予測部518は、上述のデータを得点予測モデルの変数に適用し、第2の予測得点を予測する。
【0081】
なお、予測部518は、第1の予測得点と第2の予測得点の予測に際し、対象講義についての得点予測モデルの変数に適用するデータを除いて同じであることが好ましい。その理由は、対象講義の受講基準のみを変えることで、対象講義の受講によってもたらされる上昇予測得点の精度を向上させるためである。
【0082】
次に、予測部518は、第1の予測得点と第2の予測得点との差分である上昇予測得点を求め、第1の学習効果を示す情報を取得する。得点予測モデルの変数に適用されるデータは、受講者毎に異なるので、上昇予測得点は、同じ対象講義であっても、受講者毎に異なる。同様に、上昇予測得点は、同じ受講者であっても、講義毎に異なる。
【0083】
対象講義における第2~第5の学習効果の予測例は、上述の第1の学習効果の予測例と同様である。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第2の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点及び第2の予測得点を予測し、第3の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第1の予測得点から目標点までの差分を求め、第4の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第1の予測得点及び目標点に基づいて目標点に達する可能性を求め、第5の学習効果を示す情報を取得する。
【0084】
次に、対象講義についての第1の学習効果の表示例について説明する。
図3は、表示装置27に表示される対象講義についての第1の学習効果の表示例を示す図である。
【0085】
表示制御部212は、受講者が対象レッスンを開始するタイミングで、対象講義のコンテンツと共に上昇予測得点(例えば、8点)を表示装置27に表示させる。表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、所定の受講基準を表示装置27に表示させてもよい。例えば、表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、上昇予測得点が対象講義の受講の完了に関連することを示すメッセージを表示装置27に表示させる。メッセージの位置、大きさ及び出し方など表示態様は、対象者の注意を引くものであればよく、限定されない。対象者は、対象講義を受講すれば上昇予測得点を得ることができることを容易に把握することができる。
【0086】
これに代えて、または、これと共に、表示制御部212は、受講者が対象レッスンを完了するタイミングで、同様に、対象講義のコンテンツと共に上昇予測得点を表示装置27に表示させる。表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、所定の受講基準を表示装置27に表示させてもよい。例えば、表示制御部212は、同様に、上昇予測得点に関連付けて、上昇予測得点が対象講義の受講の完了に関連することを示すメッセージを表示装置27に表示させる。対象者は、対象講義の受講により、上昇予測得点を得ることができたことを容易に把握することができる。
【0087】
なお、第2~第5の学習効果の表示例については、上述の第1の学習効果の表示例と同様である。なお、取得部211が第1~第5の学習効果のうちの2以上を含む学習効果情報を取得する場合、表示制御部212は、第1~第5の学習効果のうちの2以上を表示装置27に表示させてもよい。
【0088】
対象演習の例について説明する。
ここでは、
図2に示されるレッスン1~5は、視聴済レッスンであるものとする。レッスン6~xは、未視聴レッスンであるものとする。レッスン6の演習3は、対象演習であるものとする。
【0089】
まず、対象演習における第1の学習効果の予測例について説明する。
予測部518は、得点予測モデルを用いて、対象者が対象演習である演習3で第1の得点以上または第1の正答率以上を獲得する場合の第1の予測得点を予測する。対象者が対象演習である演習3で第1の得点以上または第1の正答率以上を獲得する場合は、所定の受講基準を満たす場合の一例である。ここでは、予測部518は、受講済レッスンであるレッスン1~5についての得点予測モデルの変数に、対象者の受講履歴のデータを適用する。予測部518は、対象演習である演習3についての得点予測モデルの変数に、第1の得点または第1の正答率を示すデータを適用する。予測部518は、未受講レッスンのうち対象演習を除くレッスン7~xの得点予測モデルの変数に、空のデータを適用する。これに代えて、予測部518は、未受講レッスンのうち対象演習を除くレッスン7~xの得点予測モデルの変数に、上述のデフォルトのデータを適用してもよい。予測部518は、上述のデータを得点予測モデルの変数に適用し、第1の予測得点を予測する。
【0090】
予測部518は、得点予測モデルを用いて、対象者が対象演習である演習3で第2の得点以上または第2の正答率以上を獲得する場合の第2の予測得点を予測する。対象者が対象演習である演習3で第2の得点以上または第2の正答率以上を獲得する場合は、所定の受講基準を満たさない場合の一例である。第2の得点は、第1の得点よりも低い得点である。第2の正答率は、第1の正答率よりも低い正答率である。第2の得点または第2の正答率は0でもいいし、複数の受講者の初回受講時の得点または正答率の平均値でもよい。ここでは、予測部518は、受講済レッスンであるレッスン1~5についての得点予測モデルの変数に、対象者の受講履歴のデータを適用する。予測部518は、対象演習である演習3についての得点予測モデルの変数に、第2の得点または第2の正答率を示すデータを適用する。予測部518は、未受講レッスンのうち対象演習を除くレッスン7~xの得点予測モデルの変数に、空のデータを適用する。これに代えて、予測部518は、未受講レッスンのうち対象演習を除くレッスン7~xの得点予測モデルの変数に、上述のデフォルトのデータを適用してもよい。なお、予測部518は、第1の予測得点と第2の予測得点の予測に際し、対象演習についての得点予測モデルの変数に適用するデータを除いて同じであることが好ましい。予測部518は、上述のデータを得点予測モデルの変数に適用し、第2の予測得点を予測する。
【0091】
予測部518は、第1の予測得点と第2の予測得点との差分である上昇予測得点を求め、第1の学習効果を示す情報を取得する。得点予測モデルの変数に適用されるデータは、受講者毎に異なるので、上昇予測得点は、同じ対象演習であっても、受講者毎に異なる。同様に、上昇予測得点は、同じ受講者であっても、演習毎に異なる。
【0092】
対象演習における第2~第5の学習効果の予測例は、上述の第1の学習効果の予測例と同様である。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第2の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点及び第2の予測得点を予測し、第3の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第1の予測得点から目標点までの差分を求め、第4の学習効果を示す情報を取得する。例えば、予測部518は、上述のように第1の予測得点を予測し、第1の予測得点及び目標点に基づいて目標点に達する可能性を求め、第5の学習効果を示す情報を取得する。
【0093】
ここで、演習3を例にして、第1の得点または第1の正答率の設定例について説明する。演習3の満点は、100点であるものとする。
予測部518は、0点から100点まで範囲について、複数の予測得点を予測する。例えば、予測部518は、所定の得点間隔(例えば、5点)で予測得点を予測する。
【0094】
図4は、演習3の得点と予測得点との関係を例示する図である。
図4に示すように、予測得点の伸び率は、演習3の得点が高くなるにつれ小さくなる。例えば、伸び率は、所定の得点間隔に対する予測得点の増加分である。伸び率は、演習3の得点と予測得点との関係のグラフの傾きに関連する。演習3の得点が80点から100点の範囲では、予測得点はほとんど変わらない。そのため、予測部518は、対象演習の得点に応じて予測される予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点(例えば、80点)を第1の得点とする。つまり、第1の得点は、対象演習の受講によって見込まれる予測得点と、対象者のモチベーションの維持とのバランスを考慮した得点である。なお、予測部518は、同様に、演習の正答率に応じて予測される対象試験の予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる正答率を第1の正答率とする。演習の得点と予測得点との関係は、受講者毎に異なる。そのため、第1の得点または第1の正答率は、同じ対象演習であっても、受講者毎に異なる。演習の得点と予測得点との関係は、演習毎に異なる。そのため、第1の得点または第1の正答率は、同じ受講者であっても、演習毎に異なる。なお、第1の得点または第1の正答率は、上述のように伸び率に基づいて決められてもよいが、予め設定された固定値(例えば60点または60%など)であってもよい。固定値は、各演習で共通であっても、異なっていてもよい。固定値は、任意に調整可能であってもよい。
【0095】
なお、予測部518は、所定の受講基準を満たす場合の1つの第1の予測得点を予測する例について説明したが、これに限定されない。予測部518は、以下に例示するように、複数の第1の予測得点を予測してもよい。この例では、所定の受講基準は、複数の第1の得点または複数の第1の正答率に応じた複数の受講基準を含む。例えば、複数の第1の得点または複数の第1の正答率は、5点間隔の得点または5%間隔の正答率などの等間隔であってもいいし、等間隔でなくてもよい。複数の第1の得点または複数の第1の正答率は、演習の得点または正答率に応じて予測される対象試験の予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点または正答率を含んでいてもよい。
【0096】
予測部518は、複数の第1の得点または複数の第1の正答率に応じた複数の第1の予測得点を予測する。予測部518は、複数の第1の予測得点と第2の予測得点との差分を求め、複数の受講基準毎の複数の上昇予測得点を予測する。予測部518は、複数の受講基準毎の上昇予測得点を含む第1の学習効果を示す情報を取得する。なお、予測部518は、第1の学習効果と同様に、複数の受講基準毎の値を含む第2~第5の学習効果を取得することができる。
【0097】
次に、対象演習についての第1の学習効果の表示例について説明する。
図5は、表示装置27に表示される対象演習についての第1の学習効果の表示例を示す図である。
【0098】
表示制御部212は、受講者が対象レッスンを開始するタイミングで、対象演習のコンテンツと共に上昇予測得点(例えば、10点)を表示する。表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、所定の受講基準を表示装置27に表示させてもよい。例えば、表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、上昇予測得点が第1の得点(例えば、80点)以上の獲得に関連することを示すメッセージを表示装置27に表示させる。表示制御部212は、第1の得点に代えて第1の正答率についてのメッセージを表示装置27に表示させてもよい。メッセージの位置、大きさ及び出し方など表示態様は、対象者の注意を引くものであればよく、限定されない。対象者は、上昇予測得点を得るための目標となる対象演習の得点または正答率を容易に把握し、対象演習に臨むことができる。
【0099】
なお、表示制御部212は、上昇予測得点と共に、対象演習の得点または正答率のそれぞれと予測得点との関係を示すグラフを表示装置27に表示させてもよい。
図5では、第2の予測得点は、第2の得点を0とした例である。この例では、サーバ4の予測情報取得部414は、演習3の複数の得点または複数の正答率の予測得点を示す情報をサーバ5から取得する。サーバ4の出力部415は、第1の学習効果を含む学習効果情報と共に、演習3の複数の得点または複数の正答率の予測得点を示す情報を端末2へ出力する。端末2の取得部211は、第1の学習効果を含む学習効果情報と共に、演習3の複数の得点または複数の正答率の予測得点を示す情報をサーバ4から取得する。対象者は、対象演習の得点または正答率に応じた予想得点の推移を容易に把握することができる。
【0100】
なお、サーバ5の予測部518が第1の得点または第1の正答率の異なる複数の受講基準に応じた複数の上昇予測得点を予測する場合、表示制御部212は、複数の第1の得点または複数の第1の正答率のそれぞれに関連付けて複数の上昇予測得点を表示装置27に表示させてもよい。この例では、サーバ4の予測情報取得部414は、第1の学習効果を含む学習効果情報をサーバ5から取得する。第1の学習効果は、複数の受講基準毎の複数の第1の予測得点を含む。サーバ4の出力部415は、第1の学習効果を含む学習効果情報を端末2へ出力する。端末2の取得部211は、第1の学習効果を含む学習効果情報をサーバ4から取得する。対象者は、対象演習の得点または正答率に応じた上昇予測得点を容易に把握することができる。
【0101】
これに代えて、または、これと共に、表示制御部212は、受講者が対象レッスンを完了するタイミングで、同様に、対象演習のコンテンツと共に上昇予測得点を表示装置27に表示させる。表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、所定の受講基準を表示装置27に表示させてもよい。例えば、表示制御部212は、上昇予測得点に関連付けて、上昇予測得点が第1の得点以上の獲得に関連することを示すメッセージを表示装置27に表示させる。表示制御部212は、第1の得点に代えて第1の正答率についてのメッセージを表示装置27に表示させてもよい。対象者は、上昇予測得点を得るための目標となる対象演習の得点または正答率を容易に把握し、対象演習の復習に臨むことができる。
【0102】
なお、表示制御部212は、上述のように、上昇予測得点と共に、対象演習の得点または正答率のそれぞれと予測得点との関係を示すグラフを表示装置27に表示させてもよい。表示制御部212は、上述のように、複数の第1の得点または複数の第1の正答率のそれぞれに関連付けて複数の上昇予測得点を表示装置27に表示させてもよい。表示制御部212は、複数の第1の得点または複数の第1の正答率のうち、対象者の得点または正答率が超えた最も高い第1の得点または第1の正答率に対応する上昇予測得点を表示装置27に表示させてもよい。対象者は、自身が獲得した対象演習の得点または正答率によって得られる上昇予測得点を容易に把握することができる。
【0103】
なお、第2~第5の学習効果の表示例については、上述の第1の学習効果の表示例と同様である。なお、取得部211が第1~第5の学習効果のうちの2以上を含む学習効果情報を取得する場合、表示制御部212は、第1~第5の学習効果のうちの2以上を表示装置27に表示させてもよい。
【0104】
上述の得点予測モデルに関連する動作例について説明する。
図6は、得点予測モデルに関連する動作例を示すシーケンス図である。なお、
図6に示される1以上の動作は、適宜変更または省略されてもよい。
【0105】
教師データ要求部511は、通信インタフェース45を介して、教師データの要求をサーバ3へ出力する(ステップS101)。プロセッサ31は、通信インタフェース35を介して、教師データの要求をサーバ5から取得する(ステップS102)。プロセッサ31は、記憶装置34から教師データを抽出し、通信インタフェース35を介して、教師データをサーバ5へ出力する(ステップS103)。教師データ取得部512は、通信インタフェース55を介して、教師データをサーバ3から取得する(ステップS104)。モデル生成部513は、教師データに基づいて得点予測モデルを生成する(ステップS105)。モデル保存部514は、得点予測モデルを記憶装置54に保存する(ステップS106)。
【0106】
上述の学習効果に関連する動作例について説明する。
図7は、学習効果に関連する動作例を示すシーケンス図である。なお、
図7に示される1以上の動作は、適宜変更または省略されてもよい。
【0107】
プロセッサ21は、対象者による入力装置26での対象レッスンの開始の入力に応じて、通信インタフェース25を介して、対象レッスンの開始要求をサーバ4へ出力する(ステップS201)。開始要求取得部411は、通信インタフェース45を介して、対象レッスンの開始要求を端末2から取得する(ステップS202)。対象レッスン特定部412は、対象レッスンの開始要求を参照して、対象レッスンを特定する(ステップS203)。予測要求出力部413は、通信インタフェース45を介して、学習効果の予測要求をサーバ5へ出力する(ステップS204)。
【0108】
予測要求取得部515は、通信インタフェース55を介して、学習効果の予測要求をサーバ4から取得する(ステップS205)。対象データ要求出力部516は、通信インタフェース55を介して、対象者データの要求をサーバ3へ出力する(ステップS206)。
【0109】
プロセッサ31は、通信インタフェース35を介して、対象者データの要求をサーバ5から取得する(ステップS207)。プロセッサ31は、記憶装置34から対象者データを抽出し、通信インタフェース35を介して、対象者データをサーバ5へ出力する(ステップS208)。
【0110】
対象データ取得部517は、通信インタフェース55を介して、対象者データをサーバ3から取得する(ステップS209)。予測部518は、得点予測モデルを用いて、学習効果を予測する(ステップS210)。予測情報出力部519は、通信インタフェース55を介して、学習効果情報をサーバ4へ出力する(ステップS211)。
【0111】
予測情報取得部414は、通信インタフェース45を介して、学習効果情報をサーバ5から取得する(ステップS212)。出力部415は、通信インタフェース45を介して、学習効果情報を端末2へ出力する(ステップS213)。取得部211は、通信インタフェース25を介して、学習効果情報をサーバ4から取得する(ステップS214)。表示制御部212は、学習効果を表示装置27に表示させる(ステップS215)。
【0112】
なお、出力部415は、学習効果に応じて学習効果情報の出力の要否を切り替えるようにしてもよい。この例では、出力部415は、学習効果を所定の基準と比較する。所定の基準は、学習効果の大きさを判定するための基準である、所定の基準は、任意に変更可能である。出力部415は、比較結果に応じて学習効果情報の出力の要否を切り替える。例えば、第1の学習効果では、出力部415は、上昇予測得点を所定の基準と比較する。上昇予測得点が所定の基準以上である場合、出力部415は、上昇予測得点の表示を要と判断し、学習効果情報を端末2へ出力する。上昇予測得点が所定の基準未満である場合、出力部415は、上昇予測得点の表示を不要と判断し、学習効果情報の出力を省略する。なお、出力部415は、第2の学習効果については、第1の予測得点を所定の基準と比較してもよい。出力部415は、第2の学習効果については、第1の予測得点及び第2の予測得点のうちの少なくとも何れかを所定の基準と比較してもよい。出力部415は、第3の学習効果については、目標点までの点数を所定の基準と比較してもよい。出力部415は、目標点に達する可能性を所定の基準と比較してもよい。
【0113】
実施形態によれば、サーバ4は、学習効果情報を端末2へ出力することができる。端末2は、学習効果を表示装置27に表示させることができる。学習効果はレッスン毎に異なるが、対象者は、レッスン毎に学習効果を意識することができる。対象者は、学習効果を意識することで、学習効果に応じた強弱をつけて対象レッスンに取り組むことができる。例えば、対象者は、対象試験の得点への寄与度の低いレッスンに時間をかけすぎることを避けることができる。そのため、対象者は、各レッスンを効率よく受講することができる。また、対象者は、レッスン毎に学習効果を短期的な目標として意識することができるので、各レッスンを受講するモチベーションを維持することができる。このように、サーバ4及び端末2は、対象者に対して対象試験に合格するための望ましい行動を促すことができる。
【0114】
実施形態によれば、学習効果は、上述の第1~第5の学習効果のうちの少なくとも何れか1つを含む。対象者は、種々の指標で対象レッスンの学習効果を把握することができる。
【0115】
実施形態によれば、上昇予測得点は、第1の予測得点と、第2の予測得点との差分である。これにより、サーバ4は、対象レッスンに関連する精度の高い上昇予測得点を取得することができる。
【0116】
実施形態によれば、所定の受講基準は、対象者が対象講義の視聴を完了することである。この例によれば、サーバ4は、対象講義の視聴完了に関連する精度の高い上昇予測得点を取得することができる。実施形態によれば、所定の受講基準は、対象者が対象演習で第1の得点以上または第1の正答率以上を獲得することである。この例によれば、サーバ4は、対象演習の第1の得点以上または第1の正答率以上の獲得に関連する精度の高い上昇予測得点を取得することができる。
【0117】
実施形態によれば、第1の予測得点及び上昇予測得点は、複数の受講基準毎に予測される。対象者は、対象演習の得点または正答率に応じた学習効果を容易に把握することができる。
【0118】
実施形態によれば、第1の得点または第1の正答率は、対象演習の得点または正答率に応じて予測される予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点または正答率である。または、複数の第1の得点または複数の第1の正答率は、演習の得点または正答率に応じて予測される予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点または正答率を含む。例えば、対象演習の得点が満点であれば、学習効果は、最大限見込まれる。しかしながら、対象者が全ての演習で満点を獲得することを目標にすると、対象者のモチベーションは低下する。他方、対象演習の得点が満点でなくても、学習効果は、対象演習の得点が満点の場合とほとんど変わらないことがある。対象者は、対象演習の受講によって見込まれる学習効果点と、対象者のモチベーションの維持とのバランスを考慮した第1の得点を目標にすることで、無理なく各演習を受講することができる。
【0119】
実施形態によれば、学習効果は、少なくとも対象者の受講履歴及び対象レッスンの異なる受講基準に基づいて予測される。対象者の受講履歴及び対象レッスンの異なる受講基準は、上述のように、得点予測モデルによる学習効果の予測に用いられる。これにより、サーバ4は、精度の高い上昇予測得点を取得することができる。実施形態によれば、学習効果は、少なくとも対象者の受講履歴、対象レッスンの異なる受講基準、複数の受講者の受講履歴及び複数の受講者による対象試験の得点に基づいて予測される。複数の受講者の受講履歴及び複数の受講者による対象試験の得点は、上述のように、得点予測モデルの生成に用いられる。これにより、サーバ4は、精度の高い上昇予測得点を取得することができる。
【0120】
実施形態によれば、サーバ4は、対象レッスンの開始または完了時に端末2に学習効果を表示させる指示を端末2へ出力する。これにより、対象者は、対象レッスンの受講前に、対象レッスンがどの程度対象試験の得点に寄与するのかを意識することができる。対象者は、学習効果に応じた強弱をつけて対象レッスンに取り組んだり、対象講義を受講するモチベーションを上げたりすることができる。対象者は、対象レッスンの受講後に、対象レッスンがどの程度対象試験の得点に寄与するのかを意識することができる。対象者は、学習効果に応じた強弱をつけて対象レッスンの復習に取り組むことができる。
【0121】
実施形態によれば、サーバ4は、所定の受講基準を示す情報を端末2へ出力する。これにより、対象者は、表示装置27に表示される所定の受講基準を把握し、学習効果を得るために所定の受講基準を満たすことを意識して対象レッスンを受講することができる。
【0122】
実施形態によれば、サーバ4は、学習効果に応じて学習効果情報の出力の要否を切り替える。これにより、サーバ4は、学習効果の表示または非表示に応じて、対象者に対して対象レッスンで得られる効果の大小を知らせることができる。対象者は、学習効果の表示または非表示に応じて各レッスンに対する取り組み方に強弱をつけることで、各レッスンを効率よく受講することができる。
【0123】
なお、サーバ4がサーバ2及びサーバ5とは別体の装置である例を説明したが、これに限定されない。サーバ4は、サーバ2及びサーバ5のうちの少なくとも何れかと一体とした装置であってもよい。サーバ4がサーバ2と一体の装置で構成される場合、サーバ4は、対象講座の受講者に関するデータを記憶する。サーバ4がサーバ5と一体の装置で構成される場合、サーバ4のプロセッサ41は、プロセッサ51を参照して説明した各部を適宜実装する。
【0124】
要するにこの発明は、本実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、本実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
試験に関する講座を構成する複数のレッスンのうち対象者の受講対象レッスンを特定する特定部と、
前記受講対象レッスンの受講による学習効果を示す情報を取得する取得部と、
前記学習効果を示す情報を前記対象者の端末へ出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
[C2]
試験に関する講座を構成する複数のレッスンのうちの対象者の受講対象レッスンの受講による学習効果を示す情報を取得する取得部と、
前記学習効果を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える端末。
[C3]
前記学習効果は、前記試験の上昇予測得点、所定の受講基準を満たす場合の前記試験の第1の予測得点、前記第1の予測得点及び前記所定の受講基準を満たさない場合の前記試験の第2の予測得点、前記所定の受講基準を満たす場合の目標点までの点数、並びに、前記所定の受講基準を満たす場合の前記目標点に達する可能性のうちの少なくとも何れか1つを含む、[C1]に記載の情報処理装置または[C2]に記載の端末。
[C4]
前記上昇予測得点は、前記第1の予測得点と、前記第2の予測得点との差分である、[C3]に記載の情報処理装置または[C3]に記載の端末。
[C5]
前記目標点までの点数は、前記第1の予測得点から前記目標点までの差分である、[C3]に記載の情報処理装置または[C3]に記載の端末。
[C6]
前記目標点に達する可能性は、前記第1の予測得点及び前記目標点に基づいて予測される、[C3]に記載の情報処理装置または[C3]に記載の端末。
[C7]
前記受講対象レッスンが講義である場合、前記所定の受講基準は、前記対象者が前記講義の視聴を完了することである、請求項3から6の何れか1項に記載の情報処理装置または[C3]から[C6]の何れか1項に記載の端末。
[C8]
前記受講対象レッスンが演習である場合、前記所定の受講基準は、前記対象者が前記演習で所定の得点以上または所定の正答率以上を獲得することである、[C3]から[C6]の何れか1項に記載の情報処理装置または[C3]から[C6]の何れか1項に記載の端末。
[C9]
前記所定の得点または前記所定の正答率は、前記演習の得点または正答率に応じて予測される前記試験の予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点または正答率である、[C8]に記載の情報処理装置または[C8]に記載の端末。
[C10]
前記所定の受講基準は、複数の得点または複数の正答率に応じた複数の受講基準を含み、
前記第1の予測得点は、前記複数の受講基準毎に予測される、[C8]に記載の情報処理装置または[C8]に記載の端末。
[C11]
前記所定の受講基準は、複数の得点または複数の正答率に応じた複数の受講基準を含み、
前記上昇予測得点は、前記複数の受講基準毎に予測される、[C8]に記載の情報処理装置または[C8]に記載の端末。
[C12]
前記複数の得点または前記複数の正答率は、前記演習の得点または正答率に応じて予測される前記試験の予測得点の伸び率が所定の伸び率を満たさなくなる得点または正答率を含む、[C10]または[C11]に記載の情報処理装置もしくは[C10]または[C11]に記載の端末。
[C13]
前記学習効果は、少なくとも前記対象者の受講履歴及び前記受講対象レッスンの異なる受講基準に基づいて予測される、[C1]に記載の情報処理装置または[C2]に記載の端末。
[C14]
前記学習効果は、少なくとも前記対象者の受講履歴、前記受講対象レッスンの異なる受講基準、複数の受講者の受講履歴及び前記複数の受講者による前記試験の得点に基づいて予測される、[C1]に記載の情報処理装置または[C2]に記載の端末。
[C15]
前記出力部は、前記受講対象レッスンの開始または完了時に前記端末に前記学習効果を表示させる指示を前記端末へ出力する、[C1]に記載の情報処理装置。
[C16]
前記出力部は、前記所定の受講基準を示す情報を前記端末へ出力する、[C3]から[C6]の何れか1項に記載の情報処理装置。
[C17]
前記出力部は、前記学習効果に応じて前記学習効果を示す情報の出力の要否を切り替える、[C1]に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0125】
1…講座配信システム、2…端末、3…サーバ、4…サーバ、5…サーバ、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…記憶装置、25…通信インタフェース、26…入力装置、27…表示装置、31…プロセッサ、32…ROM、33…RAM、34…記憶装置、35…通信インタフェース、41…プロセッサ、42…ROM、43…RAM、44…記憶装置、45…通信インタフェース、51…プロセッサ、52…ROM、53…RAM、54…記憶装置、55…通信インタフェース、211…取得部、212…表示制御部、411…開始要求取得部、412…対象レッスン特定部、413…予測要求出力部、414…予測情報取得部、415…出力部、511…教師データ要求部、512…教師データ取得部、513…モデル生成部、514…モデル保存部、515…予測要求取得部、516…対象データ要求出力部、517…対象データ取得部、518…予測部、519…予測情報出力部。