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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 304D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020111678
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022010897
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】奥田 康人
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】加藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】倉本 悠司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 臣
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-123945(JP,A)
【文献】特開2020-96706(JP,A)
【文献】特開2017-202340(JP,A)
【文献】特開2017-267(JP,A)
【文献】特許第6142436(JP,B2)
【文献】特開2019-42032(JP,A)
【文献】特開2019-103644(JP,A)
【文献】特開2020-54667(JP,A)
【文献】特開2019-208932(JP,A)
【文献】特開2015-195871(JP,A)
【文献】特開2019-455(JP,A)
【文献】特開2019-146629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、
制御情報を出力する主制御手段と、
前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、
遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、
前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、
前記主制御手段は、電源投入がされると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると前記制御情報のうち復電情報を出力することが可能であり、
前記副制御手段は、前記復電情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、
前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、
前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、
前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、
前記初期動作の実行期間の一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、
前記初期動作の実行期間の一部であって、前記特別期間の終了後における期間である非特別期間では、前記特定の設定をすることが許容されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、
制御情報を出力する主制御手段と、
前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、
所定の情報を記憶可能な情報記憶手段と、
前記情報記憶手段の記憶内容を初期化する操作が可能な初期化操作手段と、
遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、
前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、
前記初期化操作手段の操作を伴う電源投入によって、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化され、
前記主制御手段は、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、前記制御情報のうち初期化情報を出力することが可能であり、
前記副制御手段は、前記初期化情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、
前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、
前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、
前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、
前記初期動作の実行期間の一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、
前記初期動作の実行期間の一部であって、前記特別期間の終了後における期間である非特別期間では、前記特定の設定をすることが許容されることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、
制御情報を出力する主制御手段と、
前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、
遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、
前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、
前記主制御手段は、電源投入がされると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると前記制御情報のうち復電情報を出力することが可能であり、
前記副制御手段は、前記復電情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、
前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、
前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、
前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、
前記初期動作の実行期間のうち少なくとも一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記特別期間の終了後、前記特定の設定をすることが許容され、
前記副制御手段は、特定の情報の報知を実行させる制御を行うことが可能であり、前記特定の情報には、前記特定の設定がされていることを特定可能な情報、及び前記特定の設定がされていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方があり、
前記初期動作は、前記特定の情報の報知の少なくとも一部を制限する動作を含むことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、
制御情報を出力する主制御手段と、
前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、
所定の情報を記憶可能な情報記憶手段と、
前記情報記憶手段の記憶内容を初期化する操作が可能な初期化操作手段と、
遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、
前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、
前記初期化操作手段の操作を伴う電源投入によって、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化され、
前記主制御手段は、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、前記制御情報のうち初期化情報を出力することが可能であり、
前記副制御手段は、前記初期化情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、
前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、
前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、
前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、
前記初期動作の実行期間のうち少なくとも一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記特別期間の終了後、前記特定の設定をすることが許容され、
前記副制御手段は、特定の情報の報知を実行させる制御を行うことが可能であり、前記特定の情報には、前記特定の設定がされていることを特定可能な情報、及び前記特定の設定がされていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方があり、
前記初期動作は、前記特定の情報の報知の少なくとも一部を制限する動作を含むことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記複数の演出実行手段には、第1演出実行手段と、第2演出実行手段と、があり、
前記副制御手段は、前記特別期間において前記第1演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行う一方、前記非特別期間において前記第1演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行わず、前記非特別期間において前記第2演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行う請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記副制御手段は、前記特別期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が所定期間に達したことに基づいて、前記特定の設定をする制御を行うことが可能であり、
前記特別期間において前記演出操作手段の操作が開始された後、前記特別期間が終了し、前記特別期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定がされない請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の中には、特許文献1に記載されたパチンコ遊技機のように、遊技者が操作可能な操作手段(一例として演出ボタン)を備え、当該操作手段を用いて所定の操作(一例として連打や長押し)が行われると、演出に関する制御が行われ、演出が実行されるように構成されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-192821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、操作手段が操作されなくても、操作がされたものと見做して演出を実行させる制御を実行可能とするとともに、当該制御を実行可とする特定の設定を操作手段の操作に基づいて設定可能としたものがある。しかしながら、操作手段の操作がされたときに、当該操作をした者の意図に反した設定がされてしまうのでは、遊技機において遊技を行う際の興趣を低下させる虞がある。
【0005】
本発明の目的は、意図しない設定となることを抑制することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、制御情報を出力する主制御手段と、前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、前記主制御手段は、電源投入がされると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると前記制御情報のうち復電情報を出力することが可能であり、前記副制御手段は、前記復電情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、前記初期動作の実行期間の一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記初期動作の実行期間の一部であって、前記特別期間の終了後における期間である非特別期間では、前記特定の設定をすることが許容されることを要旨とする。
【0007】
上記課題を解決する遊技機は、複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、制御情報を出力する主制御手段と、前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、所定の情報を記憶可能な情報記憶手段と、前記情報記憶手段の記憶内容を初期化する操作が可能な初期化操作手段と、遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、前記初期化操作手段の操作を伴う電源投入によって、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化され、前記主制御手段は、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、前記制御情報のうち初期化情報を出力することが可能であり、前記副制御手段は、前記初期化情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、前記初期動作の実行期間の一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記初期動作の実行期間の一部であって、前記特別期間の終了後における期間である非特別期間では、前記特定の設定をすることが許容されることを要旨とする。
【0008】
上記課題を解決する遊技機は複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、制御情報を出力する主制御手段と、前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、前記主制御手段は、電源投入がされると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると前記制御情報のうち復電情報を出力することが可能であり、前記副制御手段は、前記復電情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、前記初期動作の実行期間のうち少なくとも一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記特別期間の終了後、前記特定の設定をすることが許容され、前記副制御手段は、特定の情報の報知を実行させる制御を行うことが可能であり、前記特定の情報には、前記特定の設定がされていることを特定可能な情報、及び前記特定の設定がされていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方があり、前記初期動作は、前記特定の情報の報知の少なくとも一部を制限する動作を含むことを要旨とする
【0009】
上記課題を解決する遊技機は複数の演出実行手段にて演出を実行可能な遊技機において、制御情報を出力する主制御手段と、前記制御情報に基づいて前記複数の演出実行手段の制御を行う副制御手段と、所定の情報を記憶可能な情報記憶手段と、前記情報記憶手段の記憶内容を初期化する操作が可能な初期化操作手段と、遊技者が操作可能な演出操作手段と、を備え、前記複数の演出実行手段のうち少なくとも1つの演出実行手段にて実行可能な演出には、前記演出操作手段の操作を受け付け可能な特定期間において前記演出操作手段が操作されることに基づいて実行される特定演出があり、前記特定期間は、上限として規定期間が定められており、前記初期化操作手段の操作を伴う電源投入によって、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化され、前記主制御手段は、前記情報記憶手段の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、前記制御情報のうち初期化情報を出力することが可能であり、前記副制御手段は、前記初期化情報の入力後、前記演出操作手段の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特定演出制御は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されなくても、前記演出操作手段が操作されたものと見做して前記特定演出を実行させることができる制御であり、前記特定期間において前記演出操作手段が操作されても前記特定の設定がされず、前記特定期間において前記演出操作手段の操作がされて前記特定演出が実行される場合、当該演出操作手段の操作の終了後には、前記規定期間の残り期間であっても前記演出操作手段が操作されると前記特定の設定をすることが可能であり、前記副制御手段は、電源投入がされた後、前記複数の演出実行手段のうち1又は複数の演出実行手段に初期動作を実行させる制御を行うことが可能であり、前記初期動作の実行期間のうち少なくとも一部である特別期間では、前記特定の設定をすることが規制され、前記特別期間の終了後、前記特定の設定をすることが許容され、前記副制御手段は、特定の情報の報知を実行させる制御を行うことが可能であり、前記特定の情報には、前記特定の設定がされていることを特定可能な情報、及び前記特定の設定がされていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方があり、前記初期動作は、前記特定の情報の報知の少なくとも一部を制限する動作を含むことを要旨とする
【0010】
上記遊技機について、前記複数の演出実行手段には、第1演出実行手段と、第2演出実行手段と、があり、前記副制御手段は、前記特別期間において前記第1演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行う一方、前記非特別期間において前記第1演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行わず、前記非特別期間において前記第2演出実行手段に前記初期動作を実行させる制御を行うとよい。
【0011】
上記遊技機について、前記副制御手段は、前記特別期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が所定期間に達したことに基づいて、前記特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特別期間において前記演出操作手段の操作が開始された後、前記特別期間が終了し、前記特別期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定がされないとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、意図しない設定となることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図。
図2】遊技盤を模式的に示す正面図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】(a)~(c)は、操作演出の一例を示す模式図。
図5】(a)及び(b)は、起動時動作の一例を示す模式図。
図6】演出ボタンの操作に基づいて、特定の設定がされる一例を示すタイミングチャート。
図7】演出ボタンの操作に基づいて、特定の設定がされる一例を示すタイミングチャート。
図8】演出ボタンの操作に基づいて、特定の設定がされる一例を示すタイミングチャート。
図9】演出ボタンの操作に基づいて、特定の設定がされる一例を示すタイミングチャート。
図10】第2実施形態における初期設定メニューの一例を示す模式図。
図11】第2実施形態における演出ボタンの操作に基づいて、特定の設定がされる一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0015】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成される。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠の前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できるように構成される。
【0016】
パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、演出ボタンD1、及び十字キーD2を備える。一例として、演出ボタンD1は、押下操作を可能に構成されたボタン式の操作手段である。演出ボタンD1は、押下操作によりオン(ON)になり、押下操作をしないとオフ(OFF)になる。演出ボタンD1は、当該演出ボタンD1の押下操作(オン)を検知して所定の信号(以下、操作信号という)を出力する操作センサ(不図示)を備える。演出ボタンD1は、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の操作手段として機能させる構成であってもよい。本実施形態における演出ボタンD1は、演出操作手段に相当する。十字キーD2は、左キー、右キー、上キー、及び下キーのように、操作可能な複数の部分を含んで構成される。一例として、十字キーD2を構成する左キー、右キー、上キー、及び下キーは、ボタン式の操作手段である。十字キーD2を構成する各キーは、それぞれ押下操作によりオン(ON)になり、押下操作をしないとオフ(OFF)になる。十字キーD2を構成する左キー、右キー、上キー、及び下キーは、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の操作手段として機能させる構成であってもよい。また、十字キーD2を構成する各キーは、それぞれ操作センサ(不図示)を備える。以下の説明では、操作センサから操作信号が出力されている状態を単に「操作信号がオン」と示し、操作信号が出力されていない状態を単に「操作信号がオフ」と示す場合がある。
【0017】
演出ボタンD1、及び十字キーD2の操作態様には、それぞれ短押し操作と、長押し操作と、が含まれる。短押し操作は、ある操作手段の操作に伴って、当該操作手段の操作が検知されてから検知されなくなる迄の期間(以下、操作期間という)が所定期間Lm未満である操作態様である。つまり、操作期間とは、ある操作手段が操作等によりオンとなってからオフになるまでの期間である。操作期間は、ある操作手段の操作センサから操作信号を入力し始めてから、操作信号の入力が終了するまでの期間(以下、入力期間という)でもある。短押し操作を1回だけ行う操作態様は、所謂「単打(単押し)」である。また、短押し操作を繰り返し行い、ある操作手段の操作回数を比較的短い期間のうちに増加させる操作態様は、所謂「連打」である。長押し操作は、ある操作手段の操作に伴って、当該操作手段の操作が検知されてからの経過期間が所定期間Lm以上である操作態様である。即ち、長押し操作は、ある操作手段が操作し続けられた期間が所定期間Lm以上である操作態様である。なお、演出ボタンD1に関して「操作し続けられる」とは、演出ボタンD1が押下操作されてオンとなり、当該オンの状態を維持するように、演出ボタンD1が押下操作し続けられることを意味する。所定期間Lmは、一例として2秒に設定できるが、これに限らず、2秒未満でもよく、2秒を超えてもよい。
【0018】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う発光手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う音声手段の一例である。例えば、スピーカSPは、一例として、枠体11に設けられる。
【0019】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a、及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0020】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c、及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0021】
パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0022】
パチンコ遊技機10に備えられた遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0023】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHの画像表示領域が遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う表示手段の一例である。以下の説明では、演出表示装置EHに関して、所定の情報(絵柄)として、文字、数字、記号、アイコン、キャラクタ、及び風景等を「表示する」と示す場合、これら情報を画像として表示することを意味する。
【0024】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0025】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。このように、パチンコ遊技機10には、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、がある。以下の説明では、特別ゲームと、演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0026】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、左図柄列、及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、当該ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、が含まれる。
【0027】
パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0028】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0029】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。特別可変部材19は、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0030】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10は、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0031】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。一例として、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0032】
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域R1、及びセンター枠Wの右側領域R2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域R1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1特別始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域R1を流下するように遊技球が発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1特別始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域R2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2特別始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、右側領域R2を流下するように遊技球が発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
【0033】
パチンコ遊技機10は、演出可動体EYを備える。一例として、演出可動体EYは、満月を模した形状である。これに限らず、演出可動体EYは、文字やキャラクタを模した形状であってもよい。演出可動体EYは、遊技盤YBに設けられている。これに限らず、演出可動体EYは、枠体11に設けられていてもよい。演出可動体EYは、演出表示装置EHよりも前に設けられている。演出可動体EYは、当該演出可動体EYを変位させる手段の一例として、ステッピングモータ(不図示)を備える。一例として、演出可動体EYは、図中に実線で示す原位置GIと、二点鎖線で示す演出位置EIと、の間で変位可能に構成されている。演出位置EIは、原位置GIに比して、正面視における演出表示装置EHの中央寄りに突出する位置である。また、演出位置EIは、遊技者から見たときに、原位置GIに比して、演出可動体EYが画像表示部GHの画像表示領域と重なる面積が広い位置である。このため、演出可動体EYが演出位置EIに位置しているとき、演出可動体EYが原位置GIに位置しているときに比して、画像表示部GHの画像表示領域が視認し難くなる。
【0034】
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び演出可動体EYは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群DEを構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び演出可動体EYの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0035】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動、及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0036】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0037】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0038】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0039】
次に、時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0040】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0041】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0042】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0043】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口18に入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0044】
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技に関する情報(以下、遊技情報という)を含む所定の情報を記憶し、電力供給が開始されたときには前記各種の情報に基づいて復帰可能とする機能である。詳しくは後述するが、バックアップの対象となる遊技情報には、大当り遊技に関する情報や遊技状態に関する情報が含まれる。
【0045】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40と、副制御基板50と、電源ユニット60と、を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主制御基板40は、各種の制御を行うとともに、各種の制御情報(制御コマンド)を出力する。本実施形態において、主制御基板40は、主制御手段に相当する。副制御基板50は、主制御基板40が出力する各種の制御情報(制御コマンド)に基づいて、演出に関する各種の処理を実行することによって演出実行手段の一例である演出装置群DEの制御を行う。本実施形態において、副制御基板50は、副制御手段に相当する。
【0046】
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41と、クリアスイッチ46と、を備える。即ち、マイクロプロセッサ41、及びクリアスイッチ46は、同一基板に実装されている。以下、詳細に説明する。
【0047】
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
【0048】
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
【0049】
主制御RWM44は、所定の情報を記憶可能である。主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態における主制御RWM44は、情報記憶手段に相当する。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0050】
クリアスイッチ46は、押込み操作によってオン(ON)になり、押込み操作をしないとオフ(OFF)になる。主制御CPU42は、クリアスイッチ46と接続されている。主制御CPU42は、クリアスイッチ46がオンに操作されているときに出力する操作信号を入力可能である。詳しくは後述するが、主制御CPU42は、クリアスイッチ46が押込み操作されたときに出力する操作信号を入力することに基づいて、主制御RWM44に記憶されている情報のうち少なくとも一部を初期化することが可能である。換言すれば、主制御CPU42は、クリアスイッチ46が押込み操作によってオンとなっていることに基づいて、主制御RWM44に記憶されている情報のうち少なくとも一部を初期化することが可能である。つまり、クリアスイッチ46は、主制御RWM44の記憶内容を初期化する操作が可能である。本実施形態において、クリアスイッチ46は、初期化操作手段に相当する。
【0051】
主制御基板40は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御基板40は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
【0052】
副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0053】
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0054】
副制御基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御基板50は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御基板50は、演出可動体EYを動作させることが可能なステッピングモータ(不図示)と接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータを制御可能に構成されている。これにより、副制御基板50は、演出可動体EYの動作を制御可能である。副制御基板50は、演出ボタンD1、及び十字キーD2と接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作されたときに操作センサ(不図示)が出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。副制御CPU51は、十字キーD2を構成する左キー、右キー、上キー、及び下キーが操作されたときに操作センサ(不図示)が各別に出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。
【0055】
電源ユニット60について詳しく説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧V1に変換するとともに、その変換後の電源電圧V1を主制御基板40、及び副制御基板50へ供給すべき電源電圧V2に変換する。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン、及びオフの何れかに切り替える操作を可能であって、切替え後の操作状態を維持する。本実施形態において、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオンに操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフからオンに操作する。
【0056】
電源ユニット60は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主制御基板40に対して電力を供給する。主制御RWM44は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時における主制御RWM44の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。このように、パチンコ遊技機10では、電源ユニット60(バックアップ電源)によって、前述したバックアップ機能が実現されている。例えば、主制御RWM44は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0057】
ここで、バックアップの対象となる遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、及び遊技状態に関する情報を含む。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで停止表示される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報は、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報は、高確率状態、高入球率状態や長変動時間状態であるか否かを特定可能な情報などである。
【0058】
次に、主制御基板40の主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、及び状態移行処理を実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、タイマ割り込み処理として実行される情報出力処理によって副制御基板50へ出力される。
【0059】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0060】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0061】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0062】
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0063】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0064】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0065】
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0066】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0067】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
主制御CPU42は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを出力バッファに格納する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄、又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0069】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム、又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0070】
一方、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを出力バッファに格納する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御CPU42が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に特別抽選を行うように構成されている。
【0071】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。本実施形態の主制御CPU42は、タイマ割り込み処理としての大当り遊技処理を実行することによって、以下のような制御を行うこととなる。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0072】
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0073】
次に、確率状態、入球率状態、及び変動時間状態を移行させる状態移行処理について説明する。本実施形態の主制御CPU42は、タイマ割り込み処理としての状態移行処理を実行することによって、以下のような制御を行うこととなる。
【0074】
主制御CPU42は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU42は、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0075】
主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、主制御RWM44に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU42は、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0076】
次に、電源断処理、及び電源投入処理について説明する。
最初に、主制御CPU42による電源断処理について説明する。
主制御CPU42は、電源電圧が規定電圧よりも低下したときに電源ユニット60が出力する電断信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主制御RWM44に記憶させる。また、主制御CPU42は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を主制御RWM44に記憶させる。その後、主制御CPU42は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに主制御RWM44に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0077】
次に、主制御CPU42による電源投入処理について説明する。
主制御CPU42は、電源投入に伴って、主制御基板40への供給電圧が主制御CPU42の動作に必要な電圧に達すると、タイマ割り込みを禁止し、タイマ割り込み処理を実行しないようにする。そして、主制御CPU42は、タイマ割り込みを禁止した後、電源投入処理を実行する。
【0078】
電源投入処理において主制御CPU42は、バックアップされている遊技情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、主制御CPU42は、電源投入がされたときに、主制御RWM44に記憶されている情報が正常であるか否かを判定する。主制御CPU42は、電源断処理にて主制御RWM44に記憶させたバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。主制御CPU42は、バックアップフラグが記憶されており、且つ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップフラグが記憶されていない状況、及びチェックサム値が一致しない状況は、バックアップされている遊技情報の一部、又は全部に異常が発生している可能性が高い。
【0079】
バックアップされた遊技情報が正常ではない場合、主制御CPU42は、遊技情報を初期化する。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、遊技情報を初期化することを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を出力バッファに格納する。このように、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている所定の情報の一部である遊技情報を初期化することが可能である。これに限らず、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている所定の情報の全部を初期化することが可能であってもよい。以上のように、パチンコ遊技機10では、クリアスイッチ46の操作を伴う電源投入によって、主制御RWM44の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される。本実施形態における初期化コマンドは、初期化情報に相当する。そして、主制御基板40は、主制御RWM44の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、制御情報のうち初期化コマンドを出力することが可能である。
【0080】
バックアップされた遊技情報が正常である場合、主制御CPU42は、クリアスイッチ46がオンであるか否かを判定する。クリアスイッチ46がオンである場合、主制御CPU42は、遊技情報を初期化する。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、初期化コマンドを出力バッファに格納する。一方、クリアスイッチ46がオンではない場合、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を出力バッファに格納する。本実施形態における復電コマンドは、復電情報に相当する。本実施形態では、電源投入処理によって実行される制御は、所定の制御に相当する。即ち、主制御基板40は、電源が投入されると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると復電コマンドを出力することが可能である。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了すると、タイマ割り込みを許可し、タイマ割り込み処理を実行できるようにする。これにより、主制御CPU42は、所定の周期毎に行うタイマ割り込み処理として、上述した特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、状態移行処理、及び情報出力処理を実行する。つまり、主制御CPU42は、これらの処理結果に応じて各種の制御コマンド(例えば、変動開始コマンドなど)を出力バッファに格納する。
【0081】
次に、副制御基板50の副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副制御CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。
【0082】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中に、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0083】
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0084】
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。詳しくは後述するが、副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、各種の演出を実行するように、演出装置群DEを制御可能である。そして、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0085】
次に、演出ゲームの実行中に行われる各種の演出について説明する。
パチンコ遊技機10は、演出操作手段を操作させる演出(以下、操作演出と示す)を実行可能に構成されている。一例として、操作演出には、演出操作手段を1回だけ短押し操作することを要求するカットイン演出がある。
【0086】
カットイン演出は、一例として次のように構成できる。
図4に示すように、カットイン演出を実行する場合、演出ボタンD1の操作を受け付け可能な期間(以下、操作有効期間と示す)が設定される。操作有効期間では、演出ボタンD1の操作を有効な操作として受け付ける。本実施形態において、操作有効期間は、予め定めた期間(以下、上限有効期間と示す)を上限として設定される。即ち、操作有効期間は、当該操作有効期間の開始後、演出ボタンD1が操作されないまま上記上限有効期間に達すると終了する。一方、操作有効期間は、上記上限有効期間に達する前に演出ボタンD1が操作されると、上記上限有効期間の残り期間があっても終了する。本実施形態において、操作有効期間は、特定期間に相当する。また、本実施形態において、上限有効期間は、規定期間に相当する。
【0087】
操作有効期間中、演出表示装置EHでは、演出ボタンD1の操作を促す演出が実行される(図4(a)参照)。本実施形態において、演出ボタンD1の操作を促す演出は、「ボタンを押せ!」の文字列Bo、演出ボタンD1を模した操作アイコンBg、及び操作有効期間の残り期間を示すメーターMtの表示によって構成される。ある操作有効期間において、メーターMtが表示されるとき、当該メーターMtは、その表示態様が操作有効期間の経過に伴って変化することにより、操作有効期間の残り期間(上限有効期間の残り期間)を特定可能である。一例として、メーターMtは、メーターMtの左端から右端に向かって、枠内の色調が徐々に異なる色調に変化するように構成される。操作有効期間の開始後、演出ボタンD1が操作されないまま上限有効期間に達すると、演出表示装置EHでは、予め定めた特定演出が行われず、代わりに終了演出が行われる(図4(b)参照)。例えば、特定演出は、所定のキャラクタの一時的な表示(所謂、カットイン)によって構成される。例えば、終了演出は、煙が消える様子など、カットインが行われないことを特定可能な情報の表示によって構成される。特定演出は、終了演出とは異なる演出である。一方、操作有効期間が開始されてからの経過期間が上限有効期間に達する前に演出ボタンD1が操作されると、演出表示装置EHでは特定演出が行われる(図4(c)参照)。なお、演出表示装置EHでは、操作有効期間が開始後、演出ボタンD1が操作されて特定演出が行われた場合、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1が操作されても新たな特定演出が行われない。このように、本実施形態の演出には、演出ボタンD1の操作を受け付け可能な操作有効期間において演出ボタンD1が操作されることに基づいて実行される特定演出がある。
【0088】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、操作演出の実行に際して遊技者に要求される演出操作手段の操作を補助する操作補助機能を搭載している。操作補助機能は、演出操作手段が操作されなくても、演出操作手段が操作されたものと見做して演出を実行させることができる制御(以下、特定演出制御と示す)を実行可能とする機能である。本実施形態において、特定演出制御は、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されなくても、演出ボタンD1が操作されたものと見做して特定演出を実行させることができる制御である。操作補助機能がオンであるときには、ある演出操作手段の操作を受け付ける操作有効期間にて当該演出操作手段が操作されていなくても操作されたものと見做され、特定演出が実行され得る。つまり、ある演出操作手段が操作されていなくても、当該演出操作手段の操作を受け付ける。なお、本実施形態では、操作補助機能がオフであるとき、操作有効期間中に演出操作手段が操作されなければ、特定演出が実行されない。
【0089】
詳しくは後述するが、パチンコ遊技機10は、演出操作手段の操作に基づいて、操作補助機能のオンとオフを切り替え可能に構成されている。操作補助機能がオンに設定されていることは、特定演出制御を実行可とする特定の設定がされていることに相当する。操作補助機能がオフに設定されていることは、特定の設定が解除されていることに相当する。本実施形態では、操作有効期間が開始してから上限有効期間が経過する迄の間に、操作補助機能が作動するタイミング(以下、作動タイミングという)が定められている。作動タイミングは、演出操作手段が操作されていなくても操作されたものと見做され、演出操作手段の操作が受け付けられるタイミングである。
【0090】
図4に示すように、操作補助機能がオフに設定されているとき、演出表示装置EHでは、画像表示部GHの画像表示領域の一部である領域DAに、操作補助機能がオフであることを特定可能な情報の一例として、「AUTO OFF」という文字列を含んだオフアイコンFIが表示される。また、操作補助機能がオンに設定されているとき、演出表示装置EHでは、領域DAに、操作補助機能がオンであることを特定可能な情報の一例として、「AUTO ON」という文字列を含んだオンアイコンNIが表示される。このように、演出表示装置EHでは、操作補助機能の設定がされていることを特定可能な情報、及び操作補助機能の設定がされていないことを特定可能な情報のうち何れかが表示されるように構成されている。これに限らず、特定演出制御が実行可に設定されていないときには、操作補助機能の設定がされていないことを特定可能な情報が表示される一方、特定演出制御が実行可に設定されているときには、操作補助機能の設定に関する情報が表示されないように構成されてもよい。また、特定演出制御が実行可に設定されているときには、操作補助機能の設定がされていることを特定可能な情報が表示される一方、特定演出制御が実行可に設定されていないときには、操作補助機能の設定に関する情報が表示されないように構成されてもよい。本実施形態において、操作補助機能がオンに設定されていることを特定可能な情報としてのオンアイコンNI、及び操作補助機能がオンに設定されていないことを特定可能な情報としてのオフアイコンFIは、特定の情報に相当する。このように、演出表示装置EHでは、特定の情報を報知可能に構成されている。特定の情報には、操作補助機能がオンに設定されていることを特定可能な情報、及び操作補助機能がオンに設定されていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方がある。
【0091】
演出装置群DEを構成する各演出装置は、電源投入によってパチンコ遊技機10が起動するときに、それぞれ所定の動作(以下、起動時動作という)を行う。本実施形態において、起動時動作は、初期動作に相当する。
【0092】
演出表示装置EHの起動時動作について説明する。
図5(a)、及び図5(b)に示すように、演出表示装置EHでは、電源投入がされると、演出表示装置EHの起動時動作が行われる。演出表示装置EHの起動時動作は、初期背景Shの表示を含んで構成される。初期背景Shは、変動ゲームにおける背景画像、大当り遊技における背景画像、又は待機状態における背景画像の何れとも異なる。ここで、待機状態とは、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れも実行されておらず、第1特別保留数及び第2特別保留数の何れも零であり、且つ、大当り遊技中ではない状態である。例えば、初期背景Shは、互いに色調が異なる複数の単色画像を予め定めた順序に従って切り替えるように変化する背景である。これにより、遊技機の管理者等は、演出表示装置EHが正常に動作するか否か、つまり、焼き付きやドット落ちといった演出表示装置EHの不具合の有無を確認することができる。
【0093】
また、演出表示装置EHの起動時動作は、起動時動作中であることを特定可能な情報として、「Now Loading」という文字列NL1の表示と、起動時動作の終了タイミング(残り時間)を示すメーターNL2の表示と、を含んで構成される。一例として、メーターNL2は、メーターの左端から右端に向かって、枠内の色調が徐々に異なる色調に変化するように構成される。演出表示装置EHの起動時動作は、メーターNL2の色調が徐々に異なる色調に変化し、枠内の色調が全て異なる色調に変化したタイミングにて終了する。なお、文字列NL1、及びメーターNL2の優先度(レイヤー)は、初期背景Shの優先度(レイヤー)に比して上位に設定されている。したがって、文字列NL1及びメーターNL2は、初期背景Shよりも手前側にあるかのように表示される。また、初期背景Shの優先度(レイヤー)は、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIの優先度(レイヤー)に比して上位に設定されている。したがって、初期背景Shが表示されているとき、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIは、表示されない。
【0094】
演出可動体EYの起動時動作について説明する。
図5(a)、及び図5(b)に示すように、演出可動体EYでは、電源投入がされると、演出可動体EYとしての起動時動作が行われる。演出可動体EYは、起動時動作として、原位置GIから演出位置EIへの変位と、演出位置EIから原位置GIへの変位と、を繰り返し行う。これにより、遊技機の管理者は、演出可動体EYが正常に動作するか否か、つまり、演出可動体EYが原位置GIから変位不能であったり、途中で停止したりするといった、演出可動体EYの不具合の有無を確認することができる。演出可動体EYは、正面視において、演出表示装置EHよりも前に設けられている。演出表示装置EHと演出可動体EYとは、演出可動体EYが演出位置EIに位置したとき、正面視において互いに重なる。このため、演出可動体EYが演出位置EIに位置したときには、画像表示部GHの画像表示領域が視認し難くなる。
【0095】
ここで、演出可動体EYが演出位置EIに位置している場合、演出可動体EYが領域DAに重なり、当該領域DAに表示されている画像の一部が演出可動体EYによって視線が遮られて視認し難くなる(図5(b)参照)。このため、演出可動体EYの起動時動作の実行中、オンアイコンNI、及びオフアイコンFI(特定の情報)の表示の一部が制限され、視認し難くなる。換言すれば、演出可動体EYの起動時動作の実行中では、操作補助機能がオン、及び操作補助機能がオフのうち何れであるかについて認識し難い。このように、本実施形態では、起動時動作の実行期間では、特定の情報の報知の少なくとも一部が制限され得る。演出可動体EYは、原位置GIと演出位置EIとの間の変位の繰返し回数が規定回数に達すると、起動時動作を終了する。なお、本実施形態において、演出可動体EYの起動時動作の実行期間は、演出表示装置EHの起動時動作の実行期間に比して長い。起動時動作が終了したとき、演出可動体EYは、原位置GIに位置するように制御される。
【0096】
装飾ランプLAの起動時動作について説明する。
装飾ランプLAでは、電源投入がされると、起動時動作の発光パターンにて発光、及び消灯が行われる。これにより、遊技機の管理者は、装飾ランプLAを構成する発光体(不図示)が正常に発光可能であるか否か、つまり発光不能な発光体があるといった装飾ランプLAの不具合の有無を確認することができる。起動時動作の発光パターンは、変動ゲームにおける発光パターン、大当り遊技における発光パターン、又は待機状態における発光パターンの何れとも異なる。装飾ランプLAの起動時動作は、予め定められた時間が経過すると終了する。本実施形態において、装飾ランプLAの起動時動作の実行期間は、演出可動体EYの起動時動作の実行期間に比して長い。
【0097】
スピーカSPの起動時動作について説明する。
スピーカSPでは、電源投入がされると、起動時動作の音声パターン(効果音又は楽曲等)にて音声出力が行われる。起動時動作の音声パターンは、変動ゲームにおける音声パターン、大当り遊技における音声パターン、又は待機状態における音声パターンの何れとも異なる。これにより、遊技機の管理者は、スピーカSPが正常に音声を出力可能であるか否か、つまり、無音であったり、雑音が発生したりするといったスピーカSPの不具合の有無を確認することができる。スピーカSPの起動時動作は、予め定められた時間が経過すると終了する。本実施形態において、スピーカSPの起動時動作の実行期間は、演出可動体EYの起動時動作の実行期間に比して長い。
【0098】
以上のように、初期動作の一例である起動時動作は、演出可動体EYの起動時動作のように、演出装置そのものが変位することのみを意図するものではなく、演出表示装置EHにおける画像表示、装飾ランプLAにおける発光、及びスピーカSPにおける音声出力を含む意図である。
【0099】
以下、起動時動作に関する制御について説明する。
副制御CPU51は、電源投入がされると、主制御基板40から制御情報(制御コマンド)を入力するまで待機する。なお、副制御基板50(副制御CPU51)は、主制御基板40(主制御CPU42)よりも先に起動が完了し、制御コマンドを入力可能な状態となる。副制御CPU51は、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力すると、起動時動作を実行するように、演出装置群DEを構成する各演出装置をそれぞれ制御する。本実施形態において、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかの制御コマンドを入力することは、所定条件が成立することに相当する。即ち、副制御CPU51は、所定条件が成立すると起動時動作を実行させる制御を行う。
【0100】
副制御CPU51は、電源投入後、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力すると、起動時動作を実行するように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、初期背景Sh、文字列NL1、及びメーターNL2を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作の実行時間の計測を開始する。副制御CPU51は、計測している実行時間が予め定められた時間に達すると、初期背景Sh、文字列NL1、及びメーターNL2を非表示とするように、演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作に関する制御を行う処理(以下、演出表示装置EHの起動時動作処理という)を終了する。
【0101】
副制御CPU51は、電源投入後、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力すると、起動時動作を実行するように、演出可動体EYのステッピングモータを制御する。具体的に、副制御CPU51は、演出可動体EYが原位置GIと演出位置EIとの間で往復(変位)するように、ステッピングモータを制御する。副制御CPU51は、演出可動体EYの変位の繰返し回数が規定回数に達するまでステッピングモータを動作させると、演出可動体EYが原位置GIに位置するようにステッピングモータを制御する。そして、副制御CPU51は、演出可動体EYの起動時動作に関する制御を行う処理を終了する。
【0102】
副制御CPU51は、電源投入後、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力すると、起動時動作を実行するように装飾ランプLAを制御する。具体的に、副制御CPU51は、起動時動作の発光パターンにて発光するように、装飾ランプLAを制御する。副制御CPU51は、装飾ランプLAの起動時動作の実行時間の計測を開始する。副制御CPU51は、計測している実行時間が予め定められた時間に達すると、起動時動作の発光パターンによる発光を終了するように、装飾ランプLAを制御する。そして、副制御CPU51は、装飾ランプLAの起動時動作に関する制御を行う処理を終了する。
【0103】
副制御CPU51は、電源投入後、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力すると、起動時動作を実行するようにスピーカSPを制御する。具体的に、副制御CPU51は、起動時動作の音声パターンにて音声出力するように、スピーカSPを制御する。副制御CPU51は、スピーカSPの起動時動作の実行時間の計測を開始する。副制御CPU51は、計測している実行時間が予め定められた時間に達すると、起動時動作の音声パターンによる音声出力を終了するように、スピーカSPを制御する。そして、副制御CPU51は、スピーカSPの起動時動作に関する制御を行う処理を終了する。
【0104】
本実施形態では、起動時動作中に、主制御CPU42が実行する電源投入処理が終了し、上述した特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、状態移行処理、及び情報出力処理が実行され得る。これにより、副制御CPU51は、復電コマンド、又は初期化コマンドに続けて、各種の制御コマンドを入力し得る。例えば、変動ゲームに関する制御コマンドには、変動開始コマンド、特別図柄コマンド、及び変動終了コマンドがある。例えば、大当り遊技に関する制御コマンドには、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドがある。副制御CPU51は、これらの制御コマンドを入力したとき、当該制御コマンドから実行させることを特定可能な演出の演出装置について、起動時動作を実行中である場合、その演出を実行させずに起動時動作を継続させる。副制御CPU51は、制御コマンドを入力したとき、当該制御コマンドから実行させることを特定可能な演出の演出装置について、起動時動作を実行中ではない場合、その演出を実行させる。例えば、副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作処理を終了した後、変動開始コマンドを入力すると、演出ゲームを開始させる。そして、演出ゲームの実行中に操作演出を実行させ得る。また、副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作処理を終了した後、大当り遊技に関する制御コマンドを入力したとき、当該制御コマンドに応じて大当り遊技中の演出を実行させる。副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作処理を終了した後、主制御基板40が出力する各種の制御コマンドのうち何れも入力しないとき、演出表示装置EHに待機状態における背景画像を表示させる。なお、副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作処理を終了した後、制御コマンドの入力によらず演出表示装置EHにオフアイコンFI、及びオンアイコンNIのうち何れかを表示させる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出装置群DEを構成する演出装置ごとに、起動時動作が終了すると演出をそれぞれ実行可能となる。また、
以上のように、副制御CPU51は、電源投入がされた後、演出装置群DEに起動時動作を実行させる制御を行うことが可能である。本実施形態において、副制御CPU51は、復電コマンド、又は初期化コマンドを入力すると、演出装置群DEを構成する各演出装置について、同時に起動時動作を開始させる。本実施形態において、演出実行手段の一例である演出装置群DEとしての起動時動作の実行期間は、演出装置群DEを構成する各演出装置の起動時動作が開始してから、全ての演出装置における起動時動作が完了するまでの期間である。以下の説明において、単に「起動時動作を実行」と示す場合、演出装置群DEの全体としての起動時動作を実行することを示すものとする。また、「起動時動作の実行期間」と示す場合、演出装置群DEの全体としての起動時動作の実行期間を示すものとする。
【0105】
詳しくは後述するが、本実施形態では、演出装置群DEの起動時動作の実行期間のうち全部の期間について、所定の演出についての制御(後述する操作補助機能に関する補助切替制御)を制限する制限期間に定められている。これに限らず、制限期間は、起動時動作の実行期間のうち一部の期間であってもよい。例えば、演出可動体EYの起動時動作の実行期間が制限期間としてもよい。この場合、演出可動体EYの起動時動作が開始してから終了するまでの期間が制限期間に相当する。このため、例えば、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作が実行中であっても、演出可動体EYの起動時動作が終了した場合、制限期間が終了する。このように、制限期間は、起動時動作の実行期間のうち少なくとも一部の期間であり、特別期間の一例である。
【0106】
次に、副制御CPU51が行う操作演出処理について説明する。
操作演出処理は、変動ゲームの実行中に操作演出を実行させるための処理である。なお、副制御CPU51は、副制御RWM53に補助フラグが記憶されている場合、操作補助機能がオンであることを特定し、非補助フラグが記憶されている場合、操作補助機能がオフであることを特定する。なお、詳しくは後述するが、副制御CPU51は、演出表示装置EHの起動時動作が終了すると、副制御RWM53に非補助フラグが記憶されていることに基づいて、領域DAにオフアイコンFIを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、操作演出を実行させるか否かを決定する。副制御CPU51は、操作演出を実行させることを決定した場合、操作演出(一例としてカットイン演出)を実行するように、演出表示装置EHを制御する。
【0107】
副制御CPU51は、操作演出のうちカットイン演出の実行を決定した場合、演出ゲームが開始してから特定の図柄列の演出図柄が一旦停止表示される迄の間に定めた所定のタイミングが到来すると、操作有効期間を開始する。操作補助機能がオフである場合、副制御CPU51は、操作有効期間中に演出ボタンD1から操作信号を入力すると、その時点で特定演出(カットイン)を実行するように演出表示装置EHを制御する。なお、特定演出は、特定の図柄列の演出図柄が一旦停止表示される迄の間に終了される。操作補助機能がオフである場合、副制御CPU51は、演出ボタンD1から操作信号を入力しないまま、操作有効期間の上限である上限有効期間(例えば3.5秒)が経過すると、終了報知を行うように演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、操作補助機能がオフであることから、作動タイミング(例えば操作有効期間が開始してから3秒)が到来しても、演出ボタンD1の操作がされたものと見做さない。つまり、操作補助機能は、作動しない。
【0108】
一方、操作補助機能がオンである場合、副制御CPU51は、操作有効期間の開始後、作動タイミングの到来前に、演出ボタンD1から操作信号を入力すると、その時点で特定演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、演出ボタンD1から操作信号を入力していないまま作動タイミングが到来すると、作動タイミングの到来時に演出ボタンD1が短押し操作されたものと見做し、その時点で特定演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、操作有効期間中に演出ボタンD1の操作を受け付けると、当該操作有効期間を終了する。このように、操作有効期間では、特定演出制御の実行が可能であって、当該特定演出制御の実行によって演出ボタンD1が操作されたものと見做し得るようになっている。なお、特定演出が実行された場合、特定の図柄列の演出図柄が一旦停止表示される迄の間に終了される。
【0109】
次に、操作補助機能のオンとオフを切り替える制御(以下、補助切替制御と示す)について説明する。以下に詳しく説明する通り、補助切替制御は、演出装置群DEの起動時動作中には実行されず、起動時動作の終了後に実行可能となる。また、補助切替制御は、操作有効期間が開始すると実行されず、操作有効期間の終了後に実行可能となる。つまり、操作補助機能のオンとオフの切替えは、起動時動作の実行期間中、及び操作有効期間中に制限される。起動時動作の実行期間、及び操作有効期間は、操作補助機能のオンとオフの切替えが不能な期間(以下、切替不能期間という)となる。上述のように、本実施形態において、演出装置群DEの起動時動作の実行期間は、その全部が制限期間である。
【0110】
操作補助機能のオンとオフの切替えは、起動時動作の実行期間中ではなく、且つ操作有効期間ではない期間(以下、切替可能期間という)中に可能となる。例えば、切替可能期間は、変動ゲームの実行期間、大当り遊技の実行期間、及び待機状態である期間である。以下、補助切替制御について、詳細に説明する。
【0111】
パチンコ遊技機10は、演出ボタンD1の操作に基づいて、操作補助機能のオンとオフを切り替えることが可能である。具体的に、パチンコ遊技機10は、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1を長押し操作されると、操作補助機能がオンに切り替えることが可能である。パチンコ遊技機10は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1を操作されると、操作補助機能がオフに切り替えることが可能である。
【0112】
切替可能期間において、演出ボタンD1の操作が開始されたときの補助切替制御について説明する。
切替可能期間中、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1の操作(押下)が開始され、長押し操作されると、操作補助機能がオンであることを特定可能な補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。より具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号(オン信号)を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、入力期間が所定期間Lm(一例として2秒間)に達したとき、補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。本実施形態において、副制御CPU51が副制御RWM53に補助フラグを記憶させることが、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことに相当する。副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能である。より具体的には、副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達したことに基づいて、特定の設定をする制御を行うことが可能である。
【0113】
副制御CPU51は、切替可能期間において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、入力期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間を開始させた場合(切替不能期間に移行した場合)、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。例えば、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、入力期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、当該操作有効期間においても演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、操作有効期間における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。その後、操作有効期間が終了した後も継続して演出ボタンD1から操作信号を入力し続け、操作有効期間(切替不能期間)終了後の切替可能期間における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、演出ボタンD1からの操作信号を入力してから所定期間Lmに達するまでの期間において、操作有効期間が開始したときには、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。
【0114】
また、副制御CPU51は、切替不能期間において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、入力期間が所定期間Lmに達する前に電源断がされ、電源投入がされた場合、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。例えば、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、入力期間が所定期間Lmに達する前に電源断がされ、電源投入がされ、当該電源投入がされたときにも演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、電源投入後における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。その後、電源投入がされた後の起動時動作の実行期間が終了し、当該起動時動作の実行期間が終了した後も演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、起動時動作の実行期間終了後の切替可能期間における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、演出ボタンD1からの操作信号を入力してから所定期間Lmに達するまでの期間において、起動時動作の実行期間が開始したときには、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。
【0115】
以上のように、副制御CPU51は、操作信号の入力期間が所定期間Lmに達したとしても、操作信号の入力期間の一部が起動時動作の実行期間、及び操作有効期間のうち何れかに含まれ、入力期間が切替可能期間と切替不能期間とに跨がるときには、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。換言すれば、副制御CPU51は、操作信号の入力期間が所定期間Lmに達したとしても、操作信号の入力期間の全部が切替可能期間に含まれ、入力期間が切替可能期間と切替不能期間とに跨らないときには、補助フラグを副制御RWM53に記憶させ得る。
【0116】
切替可能期間において、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1が操作されると、特定の設定がオフであることを特定可能な非補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力すると非補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。つまり、副制御CPU51は、操作信号の入力期間の長短によらず、操作補助機能をオフにする。本実施形態において、副制御CPU51が副制御RWM53に非補助フラグを記憶させることは、特定の設定を解除する制御を行うことに相当する。副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作(本実施形態では短押し操作)に基づいて、特定の設定を解除する制御を行うことが可能である。
【0117】
副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1からの操作信号の入力期間が所定期間Lmに達し、補助フラグを副制御RWM53に記憶させた場合、操作信号の入力期間が所定期間Lmに達した後に続けて操作信号を入力し続けても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。つまり、操作補助機能は、演出ボタンD1をオンとする操作によってオンに設定された後、そのまま演出ボタンD1をオンとする操作が維持されてもオフに再設定されない。同様に、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させた場合、演出ボタンD1からの操作信号を入力した後に続けて操作信号を入力し、当該操作信号の入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。つまり、操作補助機能は、演出ボタンD1をオンとする操作によってオフに設定された後、そのまま演出ボタンD1をオンとする操作が維持されてもオンに再設定されない。
【0118】
次に、切替不能期間のうち、起動時動作の実行期間(つまり制限期間)において、演出ボタンD1の操作が開始されたときの補助切替制御について説明する。
副制御CPU51は、電源投入によって起動すると、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させてから起動時動作を実行させる。起動時動作の実行期間において、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1の操作が開始され、長押し操作されても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、当該操作信号の入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、起動時動作の実行期間において、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定をする制御を行わない。つまり、起動時動作の実行期間では、特定の設定をすることが規制されている。なお、上述したように、起動時動作の実行期間の終了後には、操作有効期間を除いて特定の設定をすることが許容される。以上のように、副制御CPU51は、復電コマンド、及び初期化コマンドのうち何れかを入力後、演出ボタンD1の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をする制御を行うことが可能である。
【0119】
副制御CPU51は、起動時動作の実行期間において演出ボタンD1からの操作信号を入力し、起動時動作の実行期間が終了した後も演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、起動時動作の終了後の切替可能期間における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、パチンコ遊技機10では、起動時動作の実行期間において、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1を長押し操作されても、操作補助機能がオンに切り替わらない。
【0120】
上述のように、副制御CPU51は、電源投入がされると、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。そして、起動時動作の実行期間において、副制御CPU51は、特定の設定をすることがない。このため、起動時動作の実行期間は、特定の設定が解除された状態である。つまり、副制御CPU51は、起動時動作の実行期間において、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させることがない。
【0121】
次に、切替不能期間のうち、操作有効期間において、演出ボタンD1の操作が開始されたときの補助切替制御について説明する。
操作有効期間において、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1の操作が開始され、長押し操作されても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、当該操作信号の入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、操作有効期間において、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定をする制御を行わない。つまり、操作有効期間では、特定の設定をすることが規制されている。なお、上述したように、起動時動作の終了後であれば、操作有効期間とは異なる期間では、特定の設定をすることが可能である。つまり、操作有効期間の終了後、特定の設定をすることが許容される。
【0122】
なお、副制御CPU51は、操作有効期間において演出ボタンD1からの操作信号を入力し、操作有効期間が終了した後も演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、操作有効期間の終了後の切替可能期間における入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、パチンコ遊技機10では、操作有効期間において、操作補助機能がオフであるとき、演出ボタンD1を長押し操作されても、操作補助機能がオンに切り替わらない。
【0123】
操作有効期間中、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1が操作されても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力しても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。なお、副制御CPU51は、操作有効期間において、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、操作有効期間が終了した後も演出ボタンD1からの操作信号を入力し続けても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、操作有効期間において、演出ボタンD1が操作されても、特定の設定を解除する制御を行わない。つまり、操作有効期間では、特定の設定を解除することが規制されている。なお、上述したように、操作有効期間とは異なる期間では、特定の設定を解除することが可能である。つまり、操作有効期間の終了後、特定の設定を解除することが許容される。
【0124】
ここで、操作有効期間において演出ボタンD1が操作され、特定演出(一例としてカットイン)が実行されたときの補助切替制御について説明する。
上述したように、副制御CPU51は、操作演出(カットイン演出)を実行させる場合、予め定めた上限有効期間(例えば3.5秒)を上限として操作有効期間を設定する。副制御CPU51は、操作有効期間を開始してからの時間を計時する。そして、操作補助機能がオフである場合、副制御CPU51は、上限有効期間が経過する前に演出ボタンD1から操作信号を入力すると、特定演出を実行させる。副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作を受け付けたときの上限有効期間の残り期間において、演出ボタンD1の操作信号を入力しなくなり、再度、演出ボタンD1から操作信号を入力し、当該操作信号の入力期間が所定期間Lmに達すると、補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。例えば、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、操作有効期間が開始してから1秒経過したときに演出ボタンD1から操作信号を入力した場合、特定演出を実行させる。このとき、上限有効期間は、残り期間として2.5秒残っている。その後、上限有効期間の残り期間が所定期間Lm(例えば2秒)を超える状況において、副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作信号を入力しなくなり、再度、演出ボタンD1から操作信号を入力し、当該操作信号の入力期間が所定期間Lmに達すると、補助フラグを副制御RWM53に記憶させる。
【0125】
上述したように、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、操作有効期間において、演出ボタンD1の操作信号を入力しても補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。一方、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるとき、操作有効期間において、演出ボタンD1の操作信号を入力し、特定演出を実行した後、再度、演出ボタンD1の操作信号を入力したときには、操作有効期間に定められた上限までの残り期間であっても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させ得る。つまり、パチンコ遊技機10では、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない。一方、操作有効期間において演出ボタンD1の操作がされて特定演出が実行される場合、当該演出ボタンD1の操作の終了後には、上限有効期間の残り期間であっても演出ボタンD1が操作されると特定の設定をすることが可能である。
【0126】
なお、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されると、特定演出が実行されるとともに、操作有効期間が終了する。つまり、本実施形態において、上限有効期間の残り期間がある場合、当該残り期間は、切替可能期間となる。なお、上限有効期間の残り期間において、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、補助フラグを副制御RWM53に記憶させた場合、前記演出ボタンD1からの操作信号を入力し続けても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。つまり、パチンコ遊技機10では、上限有効期間の残り期間において、演出ボタンD1の操作がされて特定の設定がされた場合、当該特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。
【0127】
また、上述したように、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、操作有効期間において、演出ボタンD1の操作信号を入力しても非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。一方、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、操作有効期間において、演出ボタンD1の操作信号を入力し、特定演出を実行した後、再度、演出ボタンD1の操作信号を入力したときには、上限有効期間の残り期間であっても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させ得る。つまり、パチンコ遊技機10では、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない。一方、操作有効期間において演出ボタンD1の操作がされて特定演出が実行される場合、当該演出ボタンD1の操作の終了後には、上限有効期間の残り期間であっても演出ボタンD1が操作されると特定の設定を解除することが可能である。
【0128】
上限有効期間の残り期間において、副制御CPU51は、演出ボタンD1からの操作信号を入力し、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させた場合、前記演出ボタンD1からの操作信号を入力し続け、操作信号の入力期間が所定期間Lmに達しても、補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。つまり、パチンコ遊技機10では、上限有効期間の残り期間において、演出ボタンD1の操作がされて特定の設定が解除された場合、当該特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。
【0129】
以上のように、本実施形態では、演出ボタンD1の操作と、演出ボタンD1が操作されたときの状況と、に基づいて操作補助機能のオンとオフを切り替える制御が行われる。副制御CPU51は、起動時動作の実行期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達したことに基づいて、特定の設定をする制御を行うことが可能である。また、副制御CPU51は、起動時動作の実行期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作されることに基づいて、特定の設定を解除する制御を行うことが可能である。同様に、副制御CPU51は、操作有効期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達したことに基づいて、特定の設定をする制御を行うことが可能である。また、副制御CPU51は、操作有効期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作されることに基づいて、特定の設定を解除する制御を行うことが可能である。
【0130】
以下、演出ボタンD1の操作に基づいて、操作補助機能のオンとオフが切り替わる一例について説明する。
図6には、電源投入がされた後、起動時動作の実行中に演出ボタンD1が操作される状況が示されている。なお、電源投入がされたことにより、操作補助機能がオフに設定される。つまり、特定の設定は、解除された状態となる。時点t10において、電源投入がされた後、起動時動作が実行される。時点t11において、演出ボタンD1が操作される。時点t11において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t13まで継続されるものとする。時点t11から時点t12までの期間は、所定期間Lm(一例として2秒)であり、時点t11から時点t12において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t11において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t12において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。その後、時点t13において、演出ボタンD1の操作が終了する。なお、時点t13において、起動時動作は、実行中である。このように、起動時動作の実行中では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われても、特定の設定がされない。換言すれば、起動時動作の実行期間では、特定の設定をすることが規制される。
【0131】
時点t13において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t14において演出ボタンD1が操作される。なお、時点t14において、起動時動作は、実行中である。時点t14において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t18まで継続されるものとする。時点t14から時点t15までの期間は、所定期間Lmであり、時点t14から時点t15において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t14において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t15において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。その後、時点t16において、起動時動作が終了する。即ち、時点t16では、起動時動作の実行期間が終了し、起動時動作の実行期間とは異なる期間に移行する。なお、時点t14において開始された演出ボタンD1の操作は、起動時動作が終了した後も継続されるものとする。時点t16から所定期間Lmが経過した時点t17では、特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。このように、本実施形態では、起動時動作の実行期間において演出ボタンD1の操作が開始された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられ、起動時動作の実行期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0132】
時点t18において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t19において演出ボタンD1が操作される。その後、少なくとも時点t20まで演出ボタンD1が継続されるものとする。時点t19から時点t20までの期間は、所定期間Lmであり、時点t19から時点t20において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t19において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされると、時点t20において特定の設定がされる。即ち、起動時動作の実行期間が終了し、起動時動作の実行期間とは異なる期間である切替可能期間において、演出ボタンD1が長押し操作されたことに基づいて、特定の設定がされる。このように、起動時動作の実行期間では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われても、特定の設定がされない一方、起動時動作の実行期間の終了後では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われると、特定の設定がされ得る。換言すれば、起動時動作の実行期間(特別期間)では、特定の設定をすることが規制され、起動時動作の実行期間の終了後(起動時動作の終了後)、特定の設定をすることが許容される。なお、時点t20において特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。
【0133】
図7には、操作演出の実行中に演出ボタンD1が操作される状況が示されている。時点t30において、操作演出(本実施形態ではカットイン演出)が開始し、操作有効期間が設定される。そして、操作有効期間は、予め定めた上限有効期間を上限として設定される。このとき、操作補助機能はオフであるものとする。時点t31において演出ボタンD1が操作されて特定演出が実行され、操作有効期間が終了する。その後、時点t32において特定演出が終了する。なお、操作演出の上限である上限有効期間は、時点t33までの期間であり、時点t31では、操作有効期間の上限である上限有効期間には達していない。時点t31において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t34まで継続されるものとする。
【0134】
時点t31から時点t32までの期間は、所定期間Lmであり、時点t31から時点t32において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。なお、操作演出の上限である上限有効期間は、時点t33までの期間であり、時点t31では、操作有効期間の上限である上限有効期間には達していない。即ち、時点t32は、上限有効期間の残り期間中である。時点t31において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t32において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。このように、本実施形態では、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない一方、特定演出が実行される。また、操作有効期間において演出ボタンD1の操作が開始された後、操作有効期間が終了し、操作有効期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0135】
時点t34において演出ボタンD1の操作が終了する。そして、時点t35において、再び、操作演出が開始し、操作有効期間が設定される。時点t36において演出ボタンD1が操作されて特定演出が実行され、操作有効期間が終了する。なお、操作演出の上限である上限有効期間は、時点t40までの期間であり、時点t36では、操作有効期間の上限である上限有効期間には達していない。その後、時点t37において、演出ボタンD1の操作が終了する。そして、時点t38において、特定演出が終了する。
【0136】
また、時点t38において、演出ボタンD1が操作される。なお、操作演出の上限である上限有効期間は、時点t40までの期間であり、時点t38では、操作有効期間の上限である上限有効期間には達していない。即ち、時点t38は、上限有効期間の残り期間中である。時点t38において開始された演出ボタンD1の操作は、少なくとも時点t40まで継続されるものとする。時点t38から時点t39までの期間は、所定期間Lmであり、時点t38から時点t39において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。なお、時点t39は、上限有効期間の残り期間中である。時点t38において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされると、時点t39において特定の設定がされる。このように、本実施形態では、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされないものの、操作有効期間の上限である上限有効期間の残り期間中であっても、特定の設定をすることが可能である。即ち、操作有効期間において演出ボタンD1の操作がされて特定演出が実行される場合、当該演出ボタンD1の操作の終了後には、上限有効期間の残り期間であっても演出ボタンD1が操作されると特定の設定をすることが可能である。
【0137】
以上のように、操作有効期間では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われても、特定の設定がされない一方、操作有効期間の上限である上限有効期間の残り期間中では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われると、特定の設定がされる。換言すれば、操作有効期間では、特定の設定をすることが規制され、操作有効期間の終了後、特定の設定をすることが許容される。なお、時点t39において特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。つまり、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1の操作がされて特定の設定がされた場合、当該特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。ここで、時点t39以降において、演出ボタンD1の操作が終了し、その後、再度、演出ボタンD1が操作された場合には、特定の設定が解除される。なお、当該特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられ、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。つまり、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1の操作がされて特定の設定がされ、当該演出ボタンD1の操作の終了後、演出ボタンD1の操作がされて特定の設定が解除された場合、特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。
【0138】
図8には、演出ボタンD1が操作された後に操作演出が実行される状況が示されている。時点t50において、演出ボタンD1が操作される。なお、時点t50において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t55まで継続されるものとする。時点t51において、操作演出が開始し、操作有効期間が設定される。このとき、時点t50から時点t51までの期間は、所定期間Lm未満であり、時点t50から時点t51において演出ボタンD1が長押し操作されていない。時点t50から時点t52までの期間は、所定期間Lmであり、時点t50から時点t52において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t50において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t52において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。本実施形態では、操作有効期間とは異なる期間において演出ボタンD1の操作が開始された後、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、当該操作有効期間においても演出ボタンD1が操作し続けられ、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0139】
その後、時点t53において、上限有効期間に到達し、操作有効期間が終了する。なお、時点t50において開始された演出ボタンD1の操作は、操作有効期間が終了した後も継続されるものとする。時点t53から所定期間Lmが経過した時点t54では、特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。このように、本実施形態では、操作有効期間が終了した後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられ、操作有効期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。そして、演出ボタンD1の操作が開始された後、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、当該操作有効期間においても演出ボタンD1が操作し続けられ、操作有効期間が終了し、操作有効期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0140】
その後、時点t55において演出ボタンD1の操作が終了する。時点t56において、演出ボタンD1が再び操作される。時点t56から時点t57までの期間は、所定期間Lmであり、時点t56から時点t57において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t56において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされると、時点t57において特定の設定がされる。そして、時点t58において、演出ボタンD1の操作が終了する。また、時点t58において、操作演出が開始し、操作有効期間が設定される。このとき、操作補助機能がオンであるため、演出ボタンD1が操作されなくても、時点t59において特定演出が実行され、操作有効期間が終了する。そして、時点t60において、特定演出が終了する。
【0141】
図9には、電源投入がされた後、起動時動作の実行中に操作演出が開始し、演出ボタンD1が操作される状況が示されている。なお、電源投入がされたことにより、操作補助機能がオフに設定される。時点t70において、電源投入がされた後、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作がそれぞれ開始される。上述したように、演出表示装置EHの起動時動作の実行期間は、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作の実行期間に比して、短い。そして、時点t70aでは、演出表示装置EHの起動時動作が終了しているものの、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作が終了していないものとする。つまり、時点t70aにおいて、演出表示装置EHは、主制御基板40から入力する制御コマンドに基づいて、各種の演出を実行可能な状態となっている。ここで、時点t70aの後に主制御基板40から変動開始コマンドが出力されたものとする。これにより、演出表示装置EHを除いた演出装置による起動時動作の実行中、演出表示装置EHにて演出ゲームが開始される。そして、時点t71において、操作演出が開始し、操作有効期間が設定される。時点t72において演出ボタンD1が操作されて特定演出が実行され、操作有効期間が終了する。その後、時点t73において特定演出が終了する。時点t72において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t74まで継続されるものとする。
【0142】
時点t72から時点t73までの期間は、所定期間Lmであり、時点t72から時点t73において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t72において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t73において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。このように、本実施形態では、起動時動作の実行期間であって、且つ、操作有効期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない一方、特定演出が実行される。換言すれば、起動時動作の実行期間では、演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない一方、演出ボタンD1の操作に基づいて特定演出が実行され得る。また、操作有効期間において演出ボタンD1の操作が開始された後、操作有効期間が終了し、操作有効期間とは異なる期間において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0143】
なお、時点t70aにおいて演出表示装置EHの起動時動作が終了した後、演出表示装置EHでは、領域DAにオフアイコンFI、及びオンアイコンNIのうち何れかが表示される。ここで、時点t70から時点t77まで演出可動体EYの起動時動作が行われたものとする。上述したように、本実施形態では、演出可動体EYの起動時動作の実行中、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIについて、視認し難くなる。このため、時点t70aの後、演出表示装置EHでは、領域DAにオフアイコンFI、及びオンアイコンNIのうち何れかが表示されるものの、演出可動体EYの起動時動作によって領域DAが視認し難くなる。因みに、時点t77にて演出可動体EYの起動時動作が終了すると、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIについて、視認し易くなる。
【0144】
時点t74において演出ボタンD1の操作が終了する。そして、時点t75において、演出ボタンD1が操作される。時点t75において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t77まで継続されるものとする。時点t75から時点t76までの期間は、所定期間Lmであり、時点t75から時点t76において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t75において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t76において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。その後、時点t77において、演出ボタンD1の操作が終了する。時点t77aにおいて、起動時動作が終了する。なお、すでに、演出表示装置EH、及び演出可動体EYの起動時動作は終了している。即ち、時点t77aでは、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作が終了する。これにより、演出装置群DEの起動時動作が終了する。このように、本実施形態では、起動時動作の実行期間であって、且つ、操作有効期間ではない期間において演出ボタンD1が操作されても特定の設定がされない。
【0145】
時点t77において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t78において演出ボタンD1が操作される。その後、時点t80まで演出ボタンD1が継続されるものとする。時点t78から時点t79までの期間は、所定期間Lmであり、時点t78から時点t79において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t78において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされると、時点t79において特定の設定がされる。即ち、操作有効期間と、起動時動作の実行期間と、が終了し、操作有効期間、及び起動時動作の実行期間とは異なる期間において、演出ボタンD1が長押し操作されたことに基づいて、特定の設定がされる。なお、時点t79において特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。その後、時点t80において、演出ボタンD1の操作が終了する。
【0146】
時点t80において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t81において演出ボタンD1が操作される。その後、少なくとも時点t82まで演出ボタンD1が操作し続けられるものとする。時点t81において演出ボタンD1が操作されると、特定の設定が解除される。ここで、時点t81から時点t82までの期間は、所定期間Lmであり、時点t81から時点t82において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t81において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定が解除され、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t82において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。このように、本実施形態では、特定の設定がされているとき、演出ボタンD1の操作がされて特定の設定が解除された場合、特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。
【0147】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態によれば、演出装置群DEが起動時動作(所謂、イニシャル動作)を行う実行期間のうち少なくとも一部である制限期間において、特定演出制御を実行可とする特定の設定をすることが規制される。ここで、演出装置群DEの起動時動作は、演出実行手段に不具合等が発生していないかを確認するためのものである。このため、例えば遊技機の管理者や、電源断からの復帰を待つ遊技者等は、起動時動作の実行中、当該起動時動作を意識して見るあまり、特定の設定をするための操作となるか否かについて十分に意識しないまま、演出ボタンD1を操作してしまうことも考えられる。このような状況において、特定の設定がされてしまうのでは、管理者や遊技者の意図した設定がされたとは言い難く、ひいては遊技機で遊技を行う遊技者の興趣を向上できなくなる虞がある。本実施形態では、起動時動作の実行中における制限期間において、特定の設定をすることを規制することにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0148】
(1-2)本実施形態では、起動時動作が実行されている全ての期間において、特定の設定をすることが規制される。これにより、起動時動作の実行中、当該起動時動作を意識して見るあまり、特定の設定をするための操作となるか否かについて十分に意識しないまま、演出ボタンD1を操作し、意図しない設定がされることを、より抑制することができる。
【0149】
(1-3)本実施形態では、演出ボタンD1の操作に基づいて特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。このため、演出ボタンD1を操作する者(特定の設定をする者)が、特定の設定を解除するために演出ボタンD1の操作を開始した後に続けて演出ボタンD1を操作し続け、意図せずに特定の設定がされ得る操作を行ったとしても、特定の設定がされない。これにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0150】
(1-4)本実施形態では、操作有効期間において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達した場合と、操作有効期間において演出ボタンD1の操作が開始されて演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達した場合と、で特定の設定がされない。これにより、操作有効期間と、特定の設定をすることが可能な期間と、を明確に区別し、特定の設定をする者にわかり易く設定をさせることができる。よって、特定の設定をする者の意図する設定にし易くし、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0151】
(1-5)本実施形態では、演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、操作有効期間が終了した後も続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。即ち、本実施形態では、演出ボタンD1が操作し続けられている期間と、操作有効期間と、が重なっている状況では、特定の設定がされない。これにより、操作有効期間と、特定の設定をすることが可能な期間と、を明確に区別し、特定の設定をする者にわかり易く設定をさせることができる。よって、特定の設定をする者の意図する設定にし易くし、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0152】
(1-6)本実施形態では、特定の設定がされているか否かを特定可能な特定の情報(本実施形態ではアイコンNI,FI)を報知することが可能であり、起動時動作の実行中、特定の情報の報知の少なくとも一部が制限される。このため、起動時動作の実行中では、特定の設定がされているか否かを認識し難くなり、特定の設定をする者が意図しない特定の設定がされる虞がある。本実施形態では、特定の設定がされているか否かを認識し難い状況である制限期間において、特定の設定をすることが規制されている。これにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0153】
(1-7)本実施形態によれば、特定の設定がされている場合、予め定めた上限有効期間を上限として設定され得る操作有効期間中、演出ボタンD1が操作されなくても、操作されたものと見做して特定演出(一例としてカットインによる演出)が実行される。ここで、操作有効期間は、演出ボタンD1を操作することにより、特定演出を実行させることができる期間である。このため、上限有効期間中、特定演出が実行される前に演出ボタンD1が操作される状況は、遊技者が積極的に演出ボタンD1を操作し、特定演出を実行させようとしている可能性が高い。このような状況において、演出ボタンD1の操作に基づき特定の設定がされてしまうのでは、遊技者の意図に沿った設定がなされるとは言い難い。一方、上限有効期間の残り期間中に演出ボタンD1の操作がされたとしても、既に特定演出が実行された後であれば、今後に備えて、遊技者が速やかに特定の設定をしようと意図している可能性が高い。本実施形態では、同じ上限有効期間中であっても、特定演出の実行前であれば、演出ボタンD1の操作がされても特定の設定をせず、特定演出の実行後であれば、演出ボタンD1の操作に基づいて特定の設定を可能とした。これにより、本実施形態では、遊技者の意図に沿って特定演出を実行可能としつつも、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0154】
(1-8)本実施形態において、副制御CPU51は、主制御基板40が所定の制御の終了後に出力する復電コマンドを入力してから、特定の設定に関する制御を行う。このため、本実施形態では、主制御基板40が所定の制御を完了する前に特定の設定がされてしまうことがなく、制御的な不整合が発生することを抑制できる。
【0155】
(1-9)本実施形態において、副制御CPU51は、主制御RWM44の記憶内容が初期化される状況において、主制御基板40が出力する初期化コマンドを入力してから、特定の設定に関する制御を行う。このため、本実施形態では、主制御RWM44の記憶内容の初期化とは無関係に特定の設定がされてしまうことがなく、制御的な不整合が発生することを抑制できる。
【0156】
(1-10)本実施形態によれば、演出ボタンD1の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をしたり、当該特定の設定を解除したりすることが可能である。ここで、演出ボタンD1を操作して特定の設定をした後、意識せずに演出ボタンD1の操作を継続してしまうことも考えられる。このような状況において、特定の設定がされた後、再び特定の設定が解除されるのでは、遊技者の意図に沿った設定がされたとは言い難い。本実施形態では、特定の設定がされた場合、当該特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても特定の設定がされない。これにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0157】
(1-11)本実施形態によれば、演出ボタンD1の操作に基づいて、特定演出制御を実行可とする特定の設定をしたり、当該特定の設定を解除したりすることが可能である。ここで、演出ボタンD1を操作して特定の設定を解除した後、意識せずに演出ボタンD1の操作を継続してしまうことも考えられる。このような状況において、特定の設定が解除された後、再び特定の設定がされるのでは、遊技者の意図に沿った設定がされたとは言い難い。本実施形態では、特定の設定が解除された場合、当該特定の設定が解除された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても特定の設定がされない。これにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0158】
(1-12)本実施形態では、制限期間において演出ボタンD1の操作が開始され、制限期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。これにより、制限期間と、特定の設定をすることが可能な期間と、を明確に区別し、特定の設定をする者にわかり易く設定をさせることができる。よって、特定の設定をする者の意図する設定にし易くし、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0159】
(第2実施形態)
パチンコ遊技機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成、及び同じ制御については、同じ符号を付すなどし、その詳細な説明を簡略化又は省略する場合がある。
【0160】
本実施形態では、電源投入後、副制御CPU51が初期化コマンドを入力すると、演出装置群DEを構成する各演出装置に対して起動時動作を実行させないとともに、初期設定メニューを表示するように演出表示装置EHを制御する点で第1実施形態と異なる。本実施形態において、画像として表示される初期設定メニューは、特定画像に相当する。なお、副制御CPU51が復電コマンドを入力した場合は、第1実施形態と同じく演出装置群DEを構成する各演出装置に対して起動時動作を実行させる。
【0161】
最初に、初期設定メニューの表示内容について説明する。
第2実施形態におけるパチンコ遊技機10は、電源投入がされた後、演出表示装置EHに初期設定メニューを表示可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、電源投入がされたときにクリアスイッチ46がオンに操作されている場合、演出表示装置EHに初期設定メニューを表示する。
【0162】
図10に示すように、演出表示装置EHでは、電源投入に伴って遊技情報が初期化されると、初期設定メニューが表示される。初期設定メニューは、「項目を選択してください」、「設定事項1」、「設定事項2」、「設定事項3」、「終了」、「選択」、及び「決定」という文字列と、カーソルKと、演出ボタンD1を模した操作アイコンBgと、十字キーD2を模した操作アイコンJgと、を含んで構成されている。カーソルKは、「設定事項1」、「設定事項2」、「設定事項3」、及び「終了」のうち何れを選択するかを示すものである。
【0163】
「設定事項1」、「設定事項2」、及び「設定事項3」は、遊技機の遊技に関する設定を変更できる項目である。一例として、設定事項には、装飾ランプLAの発光体の最大輝度を設定するものや、スピーカSPから出力される最大音量を設定するものがある。これに限らず、例えば、リアルタイムクロック(所謂、RTC)を設けているものであれば、設定事項に時刻を設定するものがあってもよい。そして、「終了」は、初期設定メニューの表示を終了することができる項目である。
【0164】
初期設定メニューの表示中、十字キーD2のうち下キーが操作(押下)されると、演出表示装置EHでは、下キーが操作される前にカーソルKが示していた項目の1つ下の項目に移動表示する。なお、演出表示装置EHでは、カーソルKが「終了」を示しているときに、下キーが操作れるとカーソルKが「設定事項1」に移動表示する。また、初期設定メニューの表示中、十字キーD2のうち上キーが操作されると、演出表示装置EHでは、上キーが操作される前にカーソルKが示していた項目の1つ上の項目に移動表示する。なお、演出表示装置EHでは、カーソルKが「設定事項1」を示しているときに、上キーが操作れるとカーソルKが「終了」に移動表示する。
【0165】
演出表示装置EHでは、カーソルKが「設定事項1」、「設定事項2」、及び「設定事項3」のうち何れかを示しているときに、演出ボタンD1が操作(押下)されると、それぞれに対応する遊技機の遊技に関する設定を変更することができる。演出表示装置EHでは、カーソルKが「終了」を示しているときに、演出ボタンD1が操作されると、初期設定メニューの表示が終了する。
【0166】
次に、初期設定メニューの表示に関する制御について説明する。
副制御CPU51は、電源投入がされると、主制御基板40から制御情報(制御コマンド)を入力するまで待機する。副制御CPU51は、初期化コマンドを入力すると、初期設定メニューを表示するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、主制御RWM44の記憶内容が初期化される状況において、演出表示装置EHに初期設定メニューを表示させる。
【0167】
副制御CPU51は、「項目を選択してください」、「設定事項1」、「設定事項2」、「設定事項3」、「終了」、「選択」、及び「決定」という文字列と、カーソルKと、演出ボタンD1を模した操作アイコンBgと、十字キーD2を模した操作アイコンJgと、を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、十字キーD2のうち上キー、及び下キーの何れかの操作信号を入力すると、カーソルKを移動表示させるように演出表示装置EHを制御するとともに、カーソルKが示す項目を特定可能な情報を副制御RWM53に記憶させる。副制御CPU51は、演出ボタンD1から操作信号を入力すると、カーソルKが示す項目に関する制御を実行する。例えば、副制御CPU51は、カーソルKが示す項目が「設定事項1」であるときに演出ボタンD1から操作信号を入力すると、「設定事項1」に対応する遊技機の遊技に関する設定を変更できるように制御する。副制御CPU51は、カーソルKが示す項目が「終了」であるときに演出ボタンD1から操作信号を入力すると、初期設定メニューの表示を消去させるように演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU51は、初期設定メニューの表示に関する制御を行う処理を終了する。
【0168】
以上のように、副制御CPU51は、電源投入がされた後、演出表示装置EHに初期設定メニューを表示させるように制御を行うことが可能である。パチンコ遊技機10は、電源投入がされた後、初期設定メニューを表示可能に構成されている。本実施形態では、初期設定メニューが表示されてから消去されるまでの期間が初期設定メニューの表示期間であり、初期設定メニューの表示期間の全部について、補助切替制御の実行を制限する制限期間となっている。即ち、本実施形態において、制限期間は、初期設定メニューの表示期間のうち全部の期間であり、特殊期間の一例となる。これに限らず、特殊期間は、初期設定メニューの表示期間のうち一部の期間であってもよい。例えば、特殊期間は、初期設定メニューが表示されてから、予め定めた時間(一例として30秒)が経過したときまでの期間としてもよい。この場合、演出表示装置EHに初期設定メニューが表示されてから30秒経過するまでの期間が特殊期間に相当する。このように、特殊期間は、初期設定メニューの表示期間のうち少なくとも一部の期間である。
【0169】
そして、本実施形態において、副制御CPU51は、初期設定メニューの表示期間の全部を制限期間として、第1実施形態において説明した制限期間と同様にして、操作補助機能のオンとオフを切り替える補助切替制御を実行する。初期設定メニューの表示期間において演出ボタンD1の操作が開始されたときの補助切替制御は、第1実施形態の起動時動作の実行期間において演出ボタンD1の操作が開始されたときの補助切替制御について、「起動時動作」を「初期設定メニュー」に、「実行期間」を「表示期間」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。
【0170】
以下、演出ボタンD1の操作に基づいて、操作補助機能のオンとオフが切り替わる一例について説明する。
図11には、電源投入がされた後、初期設定メニューの表示中に演出ボタンD1が操作される状況が示されている。なお、電源投入時には、特定の設定が解除された状態となる。時点t90において、電源投入がされた後、初期設定メニューが表示される。時点t91において、演出ボタンD1が操作される。時点t91において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t93まで継続されるものとする。時点t91から時点t92までの期間は、所定期間Lmであり、時点t91から時点t92において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t91において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t92において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。その後、時点t93において、演出ボタンD1の操作が終了する。なお、時点t93において、演出表示装置EHは、初期設定メニューを表示中である。このように、初期設定メニューの表示中では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われても、特定の設定がされない。換言すれば、初期設定メニューの表示期間では、特定の設定をすることが規制される。
【0171】
時点t93において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t94において演出ボタンD1が操作される。なお、時点t94において演出ボタンD1が操作されたことにより、初期設定メニューにおいて「終了」が選択されて、初期設定メニューの表示が終了したものとする。また、時点t94において開始された演出ボタンD1の操作は、時点t96まで継続されるものとする。時点t94から時点t95までの期間は、所定期間Lmであり、時点t94から時点t95において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t94において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされても、時点t95において特定の設定がされず、特定の設定が解除されたままである。その後、時点t96において、演出ボタンD1の操作が終了する。このように、本実施形態では、初期設定メニューの表示期間において演出ボタンD1の操作が開始された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられ、初期設定メニューの表示期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられた期間が所定期間Lmに達しても、特定の設定がされない。
【0172】
時点t96において演出ボタンD1の操作が終了した後、時点t97において演出ボタンD1が操作される。その後、少なくとも時点t98まで演出ボタンD1が操作し続けられるものとする。時点t97から時点t98までの期間は、所定期間Lmであり、時点t97から時点t98において演出ボタンD1が長押し操作されたものとする。時点t97において演出ボタンD1の操作が開始し、特定の設定をすることが可能な長押し操作がされると、時点t98において特定の設定がされる。即ち、初期設定メニューの表示期間が終了し、初期設定メニューの表示期間とは異なる期間において、演出ボタンD1が長押し操作されたことに基づいて、特定の設定がされる。このように、初期設定メニューの表示期間では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われても、特定の設定がされない一方、初期設定メニューの表示期間の終了後では、特定の設定をすることが可能な演出ボタンD1の操作が行われると、特定の設定がされ得る。換言すれば、初期設定メニューの表示期間では、特定の設定をすることが規制され、初期設定メニューの表示期間の終了後、特定の設定をすることが許容される。なお、時点t20において特定の設定がされた後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定が解除されない。
【0173】
第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)~(1-12)の効果に加えて以下の効果を有する。
(2-1)本実施形態によれば、初期設定メニューの表示期間のうち少なくとも一部である特殊期間において、特定演出制御を実行可とする特定の設定をすることが規制される。初期設定メニューは、主制御RWM44の記憶内容が初期化される状況において演出表示装置EHに表示されるため、主制御RWM44の記憶内容が初期化されることと、所定の関連性をもって認識され得る画像といえる。このため、例えば遊技機の管理者等が、初期設定メニューを意識して見るあまり、特定の設定をするための操作となるか否かについて十分に意識しないまま、演出ボタンD1を操作してしまうことも考えられる。特に、初期設定メニューにおいて何らかの操作を意識させるような内容を報知するときには、より顕著に生じ得る。このような状況において、特定の設定がされてしまうのでは、遊技機の管理者等の意図に沿った設定がされたとは言い難く、ひいては遊技機で遊技を行う遊技者の興趣を向上できなくなる虞がある。本実施形態では、初期設定メニューの表示期間における特殊期間において、特定の設定をすることを規制することにより、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0174】
(2-2)本実施形態では、初期設定メニューが表示されている全ての期間において、特定の設定をすることが規制される。これにより、初期設定メニューが表示中、当該初期設定メニューを意識して見るあまり、特定の設定をするための操作となるか否かについて十分に意識しないまま、演出ボタンD1を操作し、意図しない設定がされることを、より抑制することができる。
【0175】
(2-3)本実施形態では、特殊期間において演出ボタンD1の操作が開始され、特殊期間の終了後において演出ボタンD1が操作し続けられていても、特定の設定がされない。これにより、特殊期間と、特定の設定をすることが可能な期間と、を明確に区別し、特定の設定をする者にわかり易く設定をさせることができる。よって、特定の設定をする者の意図する設定にし易くし、意図しない設定となることを抑制することができる。
【0176】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0177】
・各実施形態では、操作演出の操作有効期間が開始された後、演出ボタンD1が操作されて特定演出が行われた場合、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1が操作されても新たな特定演出が行われないが、これに限らない。各実施形態では、操作演出の操作有効期間が開始された後、演出ボタンD1が操作されて特定演出(以下、第1特定演出という)が行われた場合、操作有効期間が終了せずに操作有効期間(上限有効期間)の残り期間において演出ボタンD1が操作されると、新たな特定演出(以下、第2特定演出という)が行われてもよい。例えば、操作演出には一例としてメーターチャージ演出がある。メーターチャージ演出を実行する場合、操作有効期間が設定される。操作有効期間は、上限有効期間が終了すると終了する。操作有効期間には、第1有効期間と、第2有効期間と、がある。操作有効期間が開始されてから1回目の演出ボタンD1が操作されるまでが第1有効期間となる。操作有効期間が開始されてから1回目の演出ボタンD1が操作された後、第2有効期間となる。即ち、第1有効期間において演出ボタンD1が操作されると第2有効期間となる。本変更例において、第1有効期間は、特定期間に相当する。メーターチャージ演出の第1有効期間中、演出表示装置EHでは、演出ボタンD1の操作を促す演出が実行される。第1有効期間が開始された後、演出ボタンD1が操作されないまま上限有効期間に達すると、演出表示装置EHでは、第1特定演出が行われず、代わりに終了演出が行われる。例えば、第1特定演出は、メーターが表示されることによって構成される。例えば、終了演出は、煙が消える様子など、メーターが表示されないことを特定可能な情報の表示によって構成される。第1特定演出は、終了演出とは異なる演出である。一方、第1有効期間が開始されてからの経過期間が上限有効期間に達する前に演出ボタンD1が操作されると、演出表示装置EHでは第1特定演出が行われる。そして、第2有効期間が開始される。第2有効期間が開始された後、演出ボタンD1が操作されないまま第1有効期間が開始されてからの経過期間が上限有効期間に達すると、演出表示装置EHでは、第2特定演出が行われず、代わりに終了演出が行われる。例えば、第2特定演出は、メーターが点滅する表示によって構成される。なお、第2有効期間では、第1有効期間が開始されてからの経過期間が上限有効期間に達するまでの間、演出ボタンD1が操作されるごとに第2特定演出が実行されてもよい。
【0178】
・上記の変更例について、第1有効期間では、演出ボタンD1が長押し操作されても特定の設定がされなくてもよい。一方、第2有効期間では、演出ボタンD1が長押し操作されると特定の設定がされてもよい。即ち、第2有効期間では、短押し操作されると第2特定演出が実行される一方、長押し操作されると特定の設定がされてもよい。第2有効期間において、第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定がされる演出ボタンD1の操作態様と、が異なってもよいし、同じであってもよい。第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定がされる演出ボタンD1の操作態様と、が異なる場合、第2有効期間において、演出ボタンD1の操作態様に基づいて特殊演出の実行、及び特定の設定のうち何れかが行われてもよい。第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定がされる演出ボタンD1の操作態様と、が同じである場合、当該操作態様にて演出ボタンD1が操作されると特殊演出が実行されるとともに、特定の設定がされてもよい。また、第1有効期間では、演出ボタンD1が操作されても特定の設定が解除されなくてもよい。一方、第2有効期間では、演出ボタンD1が操作されると特定の設定が解除されてもよい。この場合、第2有効期間において、第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定が解除される演出ボタンD1の操作態様と、が異なってもよいし、同じであってもよい。第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定が解除される演出ボタンD1の操作態様と、が異なる場合、第2有効期間において、演出ボタンD1の操作態様に基づいて特殊演出の実行、及び特定の設定の解除のうち何れかが行われてもよい。第2特定演出が実行される演出ボタンD1の操作態様と、特定の設定が解除される演出ボタンD1の操作態様と、が同じである場合、当該操作態様にて演出ボタンD1が操作されると特殊演出が実行されるとともに、特定の設定が解除されてもよい。
【0179】
・各実施形態において、操作演出には、演出操作手段を1回だけ短押し操作することを要求するカットイン演出に代えて、又は加えて、演出ボタンD1を繰り返し短押し操作(所謂、連打)することを要求する演出(以下、連打演出という)があってもよい。この場合、演出表示装置EHでは、操作演出の操作有効期間が開始後、演出ボタンD1の短押し操作回数が所定回数に達すると、特定演出が行われてもよい。また、演出表示装置EHでは、特定演出が行われた後、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1の短押し操作回数が所定回数に達すると、新たな特定演出が行われてもよいし、行われなくてもよい。
【0180】
・上記の変更例について、操作補助機能がオンであるとき、連打演出の操作有効期間において演出ボタンD1が操作されなくても、演出ボタンD1が繰り返し短押し操作されたものと見做して特定演出を実行させてもよい。
【0181】
・各実施形態において、操作演出には、演出操作手段を1回だけ短押し操作することを要求するカットイン演出に代えて、又は加えて、操作演出には、演出ボタンD1を長押し操作することを要求する演出(以下、長押し演出という)があってもよい。この場合、演出表示装置EHでは、操作演出の操作有効期間が開始後、演出ボタンD1が長押し操作されると、特定演出が行われてもよい。また、演出表示装置EHでは、特定演出が行われた後、上限有効期間の残り期間において演出ボタンD1が長押し操作されると、新たな特定演出が行われてもよい、行われなくてもよい。
【0182】
・上記の変更例について、操作補助機能がオンであるとき、長押し演出の操作有効期間において演出ボタンD1が操作されなくても、演出ボタンD1が長押し操作されたものと見做して特定演出を実行させてもよい。
【0183】
・各実施形態において、操作補助機能が作動するタイミングは、操作有効期間の開始時であってもよく、上限有効期間の真ん中であってもよく、上限有効期間の真ん中よりも遅いタイミングであってもよい。そして、操作補助機能が作動するタイミングは、操作演出の種類に応じて、異なってもよい。
【0184】
・各実施形態では、演出可動体EYが演出位置EIに位置している場合、演出可動体EYが画像表示部GHの領域DAに重なり、当該領域DAに表示されている画像の一部が演出可動体EYによって隠れて視認し難くなるが、これに限らない。演出可動体EYが演出位置EIに位置している場合、演出可動体EYが領域DAに重なり、当該領域DAに表示されている画像の全部の視線が遮られることにより、画像の全部が視認不能になってもよい。また、演出可動体EYは、半透明、又は透明であってもよい。例えば、演出可動体EYが半透明、又は透明であって、演出可動体EYが演出位置EIに位置しているときに演出可動体EYが領域DAの全部と重なると、当該領域DAに表示されている画像が視認不能とならないものの、視認し難くなる。
【0185】
・各実施形態では、演出装置群DEの全体として起動時動作の実行期間における全ての期間において、オンアイコンNI、及びオフアイコンFI(特定の情報)が視認し難い、又は視認不能であってもよい。例えば、演出装置群DEの起動時動作の実行期間における全ての期間において、演出可動体EYが演出位置EIに位置することにより、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIが視認し難い、又は視認不能であってもよい。例えば、演出表示装置EHの起動時動作の実行期間と、演出装置群DEの全体として起動時動作の実行期間とは同じ期間であり、演出表示装置EHの起動時動作によってオンアイコンNI、及びオフアイコンFIが視認不能であってもよい。なお、初期背景Shの優先度(レイヤー)は、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIの優先度(レイヤー)に比して上位に設定されている。したがって、初期背景Shが表示されているとき、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIは、表示されない。
【0186】
・各実施形態において、操作補助機能がオンに設定されていることを特定可能な情報は、オンアイコンNIの表示態様によって構成されていてもよい。また、操作補助機能がオフに設定されていることを特定可能な情報は、オフアイコンFIの表示態様によって構成されていてもよい。例えば、演出表示装置EHでは、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIの両方が表示され、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIの表示態様によって、操作補助機能がオン、及び操作補助機能がオフのうち何れであるかを特定可能であってもよい。一例として、操作補助機能がオンであるときには、オンアイコンNIの表示の明るさを、オフアイコンFIの表示の明るさよりも明るくしてもよい。同様に、操作補助機能がオフであるときには、オフアイコンFIの表示の明るさを、オンアイコンNIの表示の明るさよりも明るくしてもよい。本変更例では、オンアイコンNI、及びオフアイコンFIのうち他方の表示の明るさよりも明るい態様が第1表示態様に相当し、他方の表示の明るさよりも暗い表示態様が第2表示態様に相当する。また、一例として、操作補助機能がオンであるときには、オンアイコンNIを囲む枠が表示される一方、オフアイコンFIを囲む枠が表示されなくてもよい。同様に、操作補助機能がオフであるときには、オフアイコンFIを囲む枠が表示される一方、オンアイコンNIを囲む枠が表示されなくてもよい。本変更例では、枠に囲まれている表示態様が第1表示態様に相当し、枠に囲まれていない表示態様が第2表示態様に相当する。このように、操作補助機能がオンに設定されていることを特定可能な情報は、オンアイコンNIが第1表示態様で表示され、且つ、オフアイコンFIが第2表示態様で表示される構成であってもよい。また、操作補助機能がオフに設定されていることを特定可能な情報は、オンアイコンNIが第2表示態様で表示され、且つ、オフアイコンFIが第1表示態様で表示される構成であってもよい。
【0187】
・上記の変更例について、演出可動体EYの起動時動作の実行中、演出可動体EYが演出位置EIに位置している場合、演出可動体EYが領域DAに重なり、当該領域DAに表示されているオンアイコンNI、及びオフアイコンFIの両方が演出可動体EYによって視線が遮られて視認し難くなってもよい。即ち、演出可動体EYの起動時動作の実行中では、第1表示態様、及び第2表示態様の何れかで表示されているオンアイコンNIと、第1表示態様、及び第2表示態様の何れかで表示されているオフアイコンFIと、の表示の一部又は全部が制限され、視認し難くなってもよい。これにより、演出可動体EYの起動時動作の実行中では、操作補助機能がオン、及び操作補助機能がオフのうち何れであるかについて認識し難くなってもよい。
【0188】
・各実施形態において、副制御CPU51は、特定の設定をすることが規制されている状況にて、特定の設定をすることが規制されていることを特定可能な報知(以下、設定不可報知という)実行するように演出装置群DEを制御してもよい。一例として、設定不可報知は、演出表示装置EHに「操作補助機能をオンにするには、一旦、操作を解除してください」という文字列が表示されてもよく、スピーカSPから「操作補助機能をオンにできません」という音声が出力されてもよい。切替可能期間において、副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作に基づいて特定の設定をすることが規制されている状況にて、設定不可報知を実行するように演出装置群DEを制御してもよい。例えば、切替可能期間において、副制御CPU51は、演出ボタンD1の操作に基づいて特定の設定を解除した後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられているとき、切替不可報知を実行するように演出装置群DEを制御してもよい。一方、副制御CPU51は、設定不能期間において演出ボタンD1が操作されたときに設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。例えば、操作有効期間において、演出ボタンD1が操作されて特定演出が開始された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられているとき、設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。これにより、特定演出が実行されているときに設定不可報知が実行されると、特定演出を妨げる虞がある。本変更例によれば、設定不可報知によって特定演出が妨げられることを抑制することができる。例えば、副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作され、操作期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、当該操作有効期間においても演出ボタンD1が操作され続けられているとき、設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。例えば、副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作され、操作期間が所定期間Lmに達する前に操作有効期間が開始し、当該操作有効期間においても演出ボタンD1が操作され続けられ、操作有効期間が終了した後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられているとき、設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。これにより、操作演出が実行されているときに設定不可報知が実行されると、操作演出を妨げる虞がある。本変更例によれば、設定不可報知によって操作演出が妨げられることを抑制することができる。例えば、起動時動作の実行期間において、演出ボタンD1が操作された後に続けて演出ボタンD1が操作し続けられているとき、設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。これにより、起動時動作が実行されているときに設定不可報知が実行されると、起動時動作を妨げる虞がある。本変更例によれば、設定不可報知によって起動時動作が妨げられることを抑制することができる。なお、特定の設定をすることが規制されている状況において、副制御CPU51は、設定不可報知を実行しないように演出装置群DEを制御してもよい。
【0189】
・各実施形態において、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、同時に開始され、同じ長さの実行期間であってもよい。即ち、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、同じタイミングで開始され、同じタイミングで終了してもよい。この場合、特別期間は、演出装置群DEの起動時動作が開始されてから、予め定めた時間(一例として30秒)が経過したときまでの期間としてもよく、演出装置群DEの起動時動作が開始してから終了するまでの期間であってもよい。また、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、同時に開始され、それぞれ異なる実行期間であってもよい。即ち、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、同じタイミングで開始され、異なるタイミングで終了してもよい。また、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、それぞれ異なるタイミングで開始して、同じ長さの実行期間であってもよい。即ち、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、それぞれ異なるタイミングで開始して、異なるタイミングで終了してもよい。また、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、それぞれ異なるタイミングで開始して、それぞれ異なる実行期間であってもよい。この場合、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作は、同じタイミングで終了してもよい。これらの変更例において、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPの起動時動作の開始するタイミング、及び終了するタイミングは、任意の1又は複数から選択可能である。
【0190】
・各実施形態において、演出表示装置EHは、変位可能であってもよい。演出表示装置EHは、当該演出表示装置EHを変位させる手段の一例として、ステッピングモータを備えていてもよい。副制御基板50は、演出可動体EYを動作させることが可能なステッピングモータ(不図示)と接続されているとよい。副制御CPU51は、ステッピングモータを制御可能に構成されているとよい。この場合、演出表示装置EHの起動時動作では、初期背景Sh、文字列NL1、及びメーターNL2の表示に代えて、又は加えて、演出表示装置EHを変位させてもよい。
【0191】
・各実施形態における切替不能期間は、起動時動作の実行期間中、及び操作有効期間中であったが、これに限らない。切替不能期間は、切替可能期間が存在する範囲において、変動ゲームと変動ゲームとの間のインターバル期間を含んでもよく、大当り遊技の実行期間の一部又は全部、変動ゲームの実行期間(操作有効期間を除く)の一部又は全部、及び待機状態である期間の一部又は全部を含んでもよい。
【0192】
・各実施形態において、操作有効期間が設定されるのは、操作演出に限らない。例えば、演出ボタンD1の操作に基づいてスピーカSPから出力される楽曲を変更することが可能な機能を備え、楽曲を選択することが可能な期間に操作有効期間が設定されてもよい。例えば、大当り遊技中に演出モードを変更することが可能な機能を備え、演出モードを選択することが可能な期間に操作有効期間が設定されてもよい。例えば、演出ボタンD1の操作に基づいて演出表示装置EHに所定のメニューが表示される機能を備え、当該所定のメニューを表示させることが可能な期間に操作有効期間が設定されてもよい。
【0193】
・各実施形態では、演出装置群DEを構成する全ての演出装置について、起動時動作を実行可能に構成したが、これに限らない。演出装置群DEを構成する演出装置のうち、任意に選択できる1つ、又は複数の演出装置においてのみ起動時動作を実行可能であってもよい。
【0194】
・各実施形態において、演出ボタンD1は、発光体を内蔵していてもよい。副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるときには、演出ボタンD1に内蔵されている発光体を所定の色で発光させてもよい。一方、副制御CPU51は、操作補助機能がオフであるときには、演出ボタンD1に内蔵されている発光体を消灯させてもよい。そして、起動時動作中、演出ボタンD1に内蔵されている発光体は、起動時動作の発光パターンにて発光、及び消灯が行われてもよい。
【0195】
・各実施形態において、バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主制御基板40に加えて副制御基板50に対しても電力を供給するようにしてもよい。副制御RWM53は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時における副制御RWM53の記憶内容を電源断の後にも保持可能であるとよい。例えば、バックアップの対象となる副制御RWM53の記憶内容には、補助フラグ、及び非補助フラグが含まれてもよい。この場合、起動時動作の実行期間において、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1の操作が開始されても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。また、第2実施形態における初期設定メニューの表示期間において、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるとき、演出ボタンD1の操作が開始されても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。具体的に、副制御CPU51は、操作補助機能がオンであるときであって、且つ、演出ボタンD1からの操作信号を入力していない状況において、演出ボタンD1からの操作信号を入力しても、非補助フラグを副制御RWM53に記憶させない。このように、副制御CPU51は、起動時動作の実行期間において、演出ボタンD1が操作されても、特定の設定を解除する制御を行わない。また、副制御CPU51は、第2実施形態における初期設定メニューの表示期間において、演出ボタンD1が操作されても、特定の設定を解除する制御を行わない。
【0196】
・各実施形態において、待機状態に移行することを条件の一部又は全部として、操作補助機能をオフに変更する構成であってもよい。例えば、副制御CPU51は、待機状態へ移行してから予め定めた期間(例えば60秒)が経過すると、特定の設定を解除してもよい。逆に、副制御CPU51は、変動ゲームが実行されていない待機状態に移行することを条件の一部又は全部として、操作補助機能をオンに変更する構成であってもよい。
【0197】
・各実施形態において、操作補助機能がオンに切り替えることが可能な演出ボタンD1の操作は、操作態様が短押し操作であってもよい。また、操作補助機能がオフに切り替えることが可能な演出ボタンD1の操作は、操作態様が短押し操作、及び長押し操作の何れであってもよい。
【0198】
・各実施形態において、操作演出は、表示演出に限らず、音声演出、発光演出、及び可動体演出のうち任意に選択できる1つ、又は複数を組み合わせて実行する構成であってもよい。
【0199】
・各実施形態において、初期設定メニューは、主制御RWM44の記憶内容が初期化されることを特定可能な画像であってもよい。例えば、副制御CPU51は、演出表示装置EHに「ラムクリア中」という文字列を表示させてもよい。
【0200】
・第2実施形態において、初期設定メニューの表示が終了した後、起動時動作を実行させてもよい。副制御CPU51は、初期設定メニューの表示を終了させた後、演出表示装置EH、演出可動体EY、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御し、起動時動作を実行させてもよい。
【0201】
・第2実施形態において、初期設定メニューが表示されているとき、スピーカSPにて初期設定メニューが表示されていることを特定可能な音声演出を実行してもよい。副制御CPU51は、初期設定メニューを表示させているとき、スピーカSPにて初期設定メニューが表示されているときのみに出力される専用の音を出力してもよい。
【0202】
・第2実施形態において、初期設定メニューが表示されているとき、装飾ランプLAにて初期設定メニューが表示されていることを特定可能な発光演出を実行してもよい。副制御CPU51は、初期設定メニューを表示させているとき、初期設定メニューが表示されているときのみに実行される発光演出を実行させてもよい。
【0203】
・各実施形態において、大当り遊技の終了後は、必ず高入球率状態(短変動時間状態)を付与したが、これに限らず、大当り図柄の種類に応じて、高入球率状態を付与しないときがあってもよい。なお、特典としては、大当り遊技とすることに限らず、高確率状態を特典としてもよく、高入球率状態を特典としてもよい。
【0204】
・各実施形態において、特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0205】
・各実施形態において、パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
【0206】
・各実施形態において、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0207】
・各実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0208】
(1)前記副制御手段は、前記特定期間とは異なる期間において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が所定期間に達したことに基づいて、前記特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記副制御手段は、前記特定期間において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定をする制御を行わず、前記特定期間とは異なる期間において前記演出操作手段の操作が開始された後、前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達する前に前記特定期間が開始し、当該特定期間においても前記演出操作手段が操作し続けられ、前記特定期間が終了し、前記特定期間とは異なる期間において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定がされない。
【0209】
(2)前記演出実行手段では、特定の情報の報知を可能であって、前記特定の情報には、前記特定の設定がされていることを特定可能な情報、及び前記特定の設定がされていないことを特定可能な情報のうち少なくとも一方があり、前記初期動作の実行期間では、前記特定の情報の報知の少なくとも一部が制限される。
【0210】
(3)前記副制御手段は、前記演出操作手段が操作し続けられた期間が所定期間に達したことに基づいて、前記特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特別期間において前記演出操作手段の操作が開始された後に続けて前記演出操作手段が操作し続けられ、前記特別期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定がされない。
【0211】
(4)前記副制御手段は、前記演出操作手段が操作し続けられた期間が所定期間に達したことに基づいて、前記特定の設定をする制御を行うことが可能であり、前記特殊期間において前記演出操作手段の操作が開始された後に続けて前記演出操作手段が操作し続けられ、前記特殊期間の終了後において前記演出操作手段が操作し続けられた期間が前記所定期間に達しても、前記特定の設定がされない。
【符号の説明】
【0212】
10…パチンコ遊技機、40…主制御基板、41…マイクロプロセッサ、42…主制御CPU、43…主制御ROM、44…主制御RWM、46…クリアスイッチ、50…副制御基板、51…副制御CPU、60…電源ユニット、D1…演出ボタン、DE…演出装置群、EH…演出表示装置、EY…演出可動体、LA…装飾ランプ、SP…スピーカ。
図1
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図11