(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A63F7/02 324B
A63F7/02 310C
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020145502
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳治
(72)【発明者】
【氏名】服部 構大
(72)【発明者】
【氏名】赤松 直樹
【審査官】井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-052091(JP,A)
【文献】特開2007-125148(JP,A)
【文献】特開2003-038799(JP,A)
【文献】特開2004-141526(JP,A)
【文献】特開2009-247607(JP,A)
【文献】特開2007-61349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部の玉タンクから玉受け皿へと至る供給路を流下させて貸し玉や賞球の払い出しを行う様に構成された遊技機であって、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)前記供給路は、途中に玉切り装置を備え、末端の排出口を前記玉受け皿に臨ませる様に遊技盤の裏面に沿って敷設されていること。
(1B)前記遊技盤は、光透過性を有する素材で構成されると共に、発射レールの出口からアウト口に至る遊技領域に対しては、役物等による装飾が施されていること。
(1C)前記遊技領域の所定位置には、前記装飾が施されていない非装飾部が設けられると共に、前記供給路は、前記玉切り装置より上流側において前記非装飾部を介して遊技者による視認が可能な位置を通過する様に敷設されていること。
(1D)前記供給路は、少なくとも前記非装飾部を介して遊技者による視認可能な位置を通過する部分が光透過性の素材によって形成され、前記非装飾部を介して遊技者による視認可能な範囲には、前記供給路の視認を妨げるものが設置されていないこと
。
(2A)前記遊技盤には、前記非装飾部に対して注目を集め得る様に発光する発光手段が備えられていること。
(2B)前記発光手段を所定のタイミングで発光させる発光制御手段を備えていること
。
(3A)前記供給路は、前記遊技盤の盤面を左右に横切る方向に沿って斜め下方に向かわせる様に遊技球を整列状態で前記玉タンクから排出させるタンクレールと、該タンクレールの排出口に連接され、途中に前記玉切り装置を備える通路形成部材とから構成されていること
。
(4A)前記玉タンクは所定位置に向かって下り傾斜した底面構造を有し、該玉タンクの底面の最下部と連続して前記供給路の上部に向かって下り傾斜した底面構造を有するタンクレールを備えていること。
(4B)前記タンクレールは光透過性を有する素材によって形成され、前記発射レールの出口から前記遊技領域の上部中央に至る領域の所定範囲を通過する様に設置されていること。
(4C)前記非装飾部は
、前記発射レールの出口
と前記遊技領域の上部中央
との間の領域において、前記玉切り装置よりも上流側に設置された前記タンクレールの一部
であって、前記玉タンクとの連続部の近傍における遊技球の有無や貸し玉や賞球の払出動作による動きを視認可能となる様に形成されていること。
(5)前記発光手段は、前記発射レールの出口の近傍外側であり、かつ、前記非装飾部の近傍となる位置に設置され、前記発光制御手段は、賞球払出時における賞球の払出タイミング及び貸し玉払出時における貸し玉払出動作期間内に対して1回又は複数回の発光を前記発光手段に実行させる手段として構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部の玉タンクから玉受け皿へと至る供給路を流下させて貸し玉や賞球の払い出しを行う様に構成された遊技機に関する。
【0002】
従来、玉詰まり状態が発生したことに起因して遊技球が払出されない状態となった場合においてもその旨を表示することができる様に、玉誘導レールの所定箇所にタンク玉切れ検出スイッチを設けるとともに、そのタンク玉切れ検出スイッチよりも下手側にレール玉切れスイッチを設け、タンク玉切れ検出スイッチの玉切れ検出に基づいて玉切れランプを点灯させ、タンク玉切れ検出スイッチの玉切れ検出がないにも関わらずレール玉切れ検出スイッチの玉切れ検出があった場合には、玉切れランプを点滅させる様にした遊技機が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、遊技中は各種発光演出なども行われているため、玉切れランプの点滅に気付かないまま大当たりになった様な場合、玉受け皿の底が見えたり遊技球の発射ができなくなるまで玉切れ状態に気付かない場合がある。
【0005】
本発明は、玉切れや玉詰まりの発生を適確に遊技者に伝えることができる様にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、上部の玉タンクから玉受け皿へと至る供給路を流下させて貸し玉や賞球の払い出しを行う様に構成された遊技機であって、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記供給路は、途中に玉切り装置を備え、末端の排出口を前記玉受け皿に臨ませる様に遊技盤の裏面に沿って敷設されていること。
(1B)前記遊技盤は、光透過性を有する素材で構成されると共に、発射レールの出口からアウト口に至る遊技領域に対しては、役物等による装飾が施されていること。
(1C)前記遊技領域の所定位置には、前記装飾が施されていない非装飾部が設けられると共に、前記供給路は、前記玉切り装置より上流側において前記非装飾部を介して遊技者による視認が可能な位置を通過する様に敷設されていること。
(1D)前記供給路は、少なくとも前記非装飾部を介して遊技者による視認可能な位置を通過する部分が光透過性の素材によって形成され、前記非装飾部を介して遊技者による視認可能な範囲には、前記供給路の視認を妨げるものが設置されていないこと。
(2A)前記遊技盤には、前記非装飾部に対して注目を集め得る様に発光する発光手段が備えられていること。
(2B)前記発光手段を所定のタイミングで発光させる発光制御手段を備えていること。
(3A)前記供給路は、前記遊技盤の盤面を左右に横切る方向に沿って斜め下方に向かわせる様に遊技球を整列状態で前記玉タンクから排出させるタンクレールと、該タンクレールの排出口に連接され、途中に前記玉切り装置を備える通路形成部材とから構成されていること。
(4A)前記玉タンクは所定位置に向かって下り傾斜した底面構造を有し、該玉タンクの底面の最下部と連続して前記供給路の上部に向かって下り傾斜した底面構造を有するタンクレールを備えていること。
(4B)前記タンクレールは光透過性を有する素材によって形成され、前記発射レールの出口から前記遊技領域の上部中央に至る領域の所定範囲を通過する様に設置されていること。
(4C)前記非装飾部は、前記発射レールの出口と前記遊技領域の上部中央との間の領域において、前記玉切り装置よりも上流側に設置された前記タンクレールの一部であって、前記玉タンクとの連続部の近傍における遊技球の有無や貸し玉や賞球の払出動作による動きを視認可能となる様に形成されていること。
(5)前記発光手段は、前記発射レールの出口の近傍外側であり、かつ、前記非装飾部の近傍となる位置に設置され、前記発光制御手段は、賞球払出時における賞球の払出タイミング及び貸し玉払出時における貸し玉払出動作期間内に対して1回又は複数回の発光を前記発光手段に実行させる手段として構成されていること。
【0007】
本発明の遊技機によれば、光透過性を有する素材で形成された遊技盤に設けられた非装飾部を介して「供給路の一部」を遊技者に視認させることができる。遊技者による視認が可能な部分の供給路は光透過性を有する素材で形成されているから、内部の遊技球の有無や払い出しに伴う遊技球の流下を遊技者が目視することができる。遊技者に視認可能となっている部分は玉切り装置よりも上流側であるから、当該部分に遊技球が存在するならば賞球等の払い出しが直ちに不可能になることはない。当該部分に遊技球が存在しなくなっているならば、間もなく賞球等の払い出しが不可能になる可能性がある。また、賞球の払い出しに伴って遊技球が移動するならば、順調な払い出しが実行されている。これらの状況を、遊技者は、非装飾部を介して視認可能な供給路内の遊技球の有無や移動状態などから感覚的に把握することができる。
【0008】
ここで、(1D)の構成を実現するにあたっては、可動体を備える場合、可動体の動作範囲が非装飾部を介して視認可能な供給路の前面を含まない様に設計するとよい。この様に設計しておけば、可動体の動作によって供給路の視認が妨げられることがなく、常に供給路内の遊技球の状態を遊技者に知らせることができる。
【0010】
(2A),(2B)の構成をも備えた遊技機によれば、発光制御手段が所定のタイミングで発光手段を発光させて非装飾部に注目を集める動作を実行する。発光のタイミングは、一定時間毎、大当たりになったとき、これらの両方など適宜設定することができる。また、玉切れや玉詰まりを検出するためのセンサを備える場合は、これらセンサによる玉切れや玉詰まりの発生が検知されたときにも発光させる様にしてもよい。例えば、定期的に発光させることにより、遊技者の注意を定期的に喚起し、玉切れ等による不具合の発生する可能性を適時知らせることができる。また、大当たりの発生時に発光させるならば、大当たり中の賞球の払い出しが順調に行われ得るか否かを遊技者に知らせることができる。加えて、玉切れや玉詰まりの発生が検知されたときに発光させて非装飾部に注目を集めることで、遊技者に対して、演出の一部としての発光ではなく、玉切れ等の発生を知らせるものであったことを非装飾部を介して視認可能となっている供給路内の遊技球の様子から適確に判断させることができる。
【0012】
また、本発明の遊技機によれば、供給路の最上流部における遊技球の有無や動きを非装飾部を介して遊技者に知らせることができ、仮に、玉切れ等が生じた場合であっても、早い段階でこれを遊技者が把握することができる。なお、玉タンクとタンクレールは一体の樹脂成形品によって構成してもよいし、別体としてもよい。
【0014】
加えて、本発明の遊技機によれば、遊技中に遊技者が頻繁に見る天釘付近においてタンクレール内の遊技球の有無や動きを見せることができる。この結果、玉切れや玉詰まりの発生をより自然に遊技者に知らせることができる。また、遊技者が頻繁に見る部分におけるタンクレール内の遊技球の動きは、賞球の払い出しと連動するから、遊技者に対して順調に出玉を獲得できていることを感じさせる演出効果をも発揮する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、玉切れや玉詰まりの発生を適確に遊技者に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例1のパチンコ機を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は前枠を開いた状態の正面図である。
【
図2】実施例1のパチンコ機の遊技盤を示し、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は要部拡大正面図である。
【
図3】実施例1のパチンコ機の制御装置の全体の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施例1のパチンコ機における払出発光演出を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は主制御基板による払出演出指令処理のフローチャート、(C)は演出制御基板による払出発光演出処理のフローチャートである。
【
図5】変形例1のパチンコ機における払出発光演出を示し、(A)は制御系統のブロック図、(B)は主制御基板による払出演出指令処理のフローチャート、(C)は演出制御基板による払出発光演出処理のフローチャートである。
【
図6】変形例2のパチンコ機の遊技盤を示し、(A)は正面図、(B)は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機P1は、
図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F、発射装置G及び施錠装置Hを備えている。
【0019】
前枠Dには、ガラス板が嵌め込まれた透視保護窓Wを取り囲む様に、上部、下部、左サイド、及び右サイドに装飾体が取り付けられている。これらの装飾体にはスピーカSP,SPの他に発光演出用のLED基板等が備えられ、中枠Bに設置した本体側コネクタCNT1と、前枠Dに設置した組付部材側コネクタCNT2とを接合させることにより、中枠側から前枠側へと電源や制御信号を入力し、音声演出や発光演出を実行可能に構成されている。
【0020】
遊技盤Cは、裏面側にセルシートによる装飾が施された透明合成樹脂板に、障害釘、入賞装置等の各種役物を設置したものであり、
図1(C) に示す様に、液晶表示装置LCD、可動体役物KDdwn,KDswing等と共に裏ユニットBUTに組み付けた状態で中枠Bに取り付けられる。
【0021】
中枠Bには、玉タンクTTK、タンクレールTRL、及び玉通路TTRも取り付けられている。玉通路TTRの下端には、前枠Dを閉じたときに玉入口TIGと重なる様に前方へ向かって開口する玉出口TDGが備えられている。また、玉通路TTRの途中には、貸し玉や賞球の払出個数をカウントする玉切り装置TKRが備えられている。玉タンクTTKは、遊技島内の玉循環装置から供給される遊技球を所定量貯留可能な容量を備えている。タンクレールTRLは、玉タンクTTKの中央付近から排出される遊技球を玉通路TTRへと整列状態で送り出すためのものである。このため、
図1(C),
図2(A)に示す様に、玉タンクTTKの底面は、タンクレールTRLとの連続箇所へ向かって緩やかな下り傾斜に構成され、タンクレールTRLの底面は、この連続箇所から玉通路TTRの上端に向かって緩やかな下り傾斜に構成されている。
【0022】
[2 遊技盤の概要]
図2(A),(B)に示す様に、遊技盤Cは、前面開放の箱枠状に構成された裏ユニットBUTに可動体役物KDdwn,KDswing等と共に組み付けられる。本実施例においては、裏ユニットBUTは、液晶表示装置LCDの画面を視認させる背面開口KK1に加えて、玉タンクTTK及びタンクレールTRLを侵入させるための上部開口KK2及び側部開口KK3も備えられている。これにより、遊技盤Cの背面に沿って遊技球を送り出す状態となる様にタンクレールTRLを設置することができている。
【0023】
また、タンクレールTRLとしては、透明合成樹脂を用いて射出成形したソリッドな角筒状の樹脂成形体を用いている。このタンクレールTRLは、
図2(A)に示す様に、発射レールの出口から遊技領域上部中央に至る所定範囲を通過する様に設置されている。
【0024】
遊技盤Cは、透明合成樹脂製の板の裏面にセルシートCLSを貼り付けて装飾がなされている。このセルシートCLSには、
図2(C)に示す様に、発射レールの出口から遊技領域上部中央に至る所定範囲を含み、タンクレールTRLの一部を視認可能とする様に、透明窓として機能する非装飾部HSBが形成されている。これにより、タンクレールTRLの一部、特に、玉タンクTTKとの連続部の近傍における遊技球PBの有無や貸し玉や賞球の払出動作による動きなどを、遊技者が非装飾部HSBを介して視認可能な状態となっている。
【0025】
遊技盤Cには装飾体としてのコーナー飾りCKZが取り付けられている。前述の非装飾部HSBは、左上部のコーナー飾りCKZの近傍となる遊技領域上部中央付近に形成されている。また、コーナー飾りCKZには、この非装飾部HSBの近傍位置に、LED内蔵の発光役物HKYが備えられている。本実施例では、この発光役物HKYには、非装飾部HSBへの注目を集める形態の意匠を施している。
【0026】
また、
図2(B)に示す様に、可動体役物KDdwn,KDswingは、タンクレールTRLよりも奥となる位置で裏ユニットBUTに組み付けられている。この結果、可動体役物KDdwn,KDswingが待機位置にあるときも動作位置にあるときも、非装飾部HSBを介して視認可能としたタンクレールTRLの視認性を妨害することがない。
【0027】
[3 制御装置の概要]
次に、本実施例のパチンコ機P1~P3のゲーム性等について説明する。まず、制御系統について
図3に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置に備えられている第1特図スイッチSW1、第2始動入賞装置に備えられている第2特図スイッチSW2、ゲートに備えられている普図スイッチSW37、大入賞口に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞口に備えられた入賞検知スイッチSW11~SW13、及び排出球検知スイッチSW21からの検知信号が入力される様になっている。主制御基板310には、前枠Dの開閉状態を示す開閉検知スイッチ50の検出信号も入力されている。
【0028】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、性能表示モニタ600、大入賞口の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。払出制御基板330は、主制御基板310に対して信号を入力する様にも接続されている。また、払出制御基板330と発射制御基板340との間でも互いに信号の入出力がなされている。この結果、本実施例においては、発射制御基板340から払出制御基板330を経由して主制御基板310に対して信号入力が可能となっている。
【0029】
制御系統には、この他、BCユニット335、インタフェース基板350、電源基板360、演出表示制御基板370、電源中継基板380、球貸し操作基板390、ホールコンピュータ400、カードユニットCDU等も備えられている。
【0030】
演出制御基板320は、主制御基板310からの演出指令信号に基づいて、可動体役物を駆動するモータやソレノイドを駆動制御するモータ駆動制御基板KBmt、ソレノイド駆動制御基板KBsol、スピーカーSP,SPによる音声出力を制御するスピーカ駆動制御基板KBsp、前枠Dに設置された装飾ランプを発光制御する前枠発光制御基板KBldや盤面役物の電飾装置を発行制御する電飾基板KBlc、及びコーナー飾りCKZの発光役物HKYを発光制御する払出発光演出基板KBhkyに対して制御信号を出力して役物発光演出、枠発光演出、音声演出、可動体演出に加えて払出発光演出を実行すると共に、演出表示制御基板370へと演出表示のためのコマンドを出力し、液晶表示装置LCDによる表示演出を実行させている。
【0031】
なお、前枠Dに設置された演出操作ボタンSの押下信号は演出制御基板320に入力され、貸し玉ボタンQ,カード取り出しボタンRの押下信号は球貸し操作基板390に入力されている。
【0032】
主制御基板310は、特
図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特
図1判定用乱数を最大4個、特
図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特
図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくため、RAM内に、特
図1保留記憶部311及び特
図2保留記憶部312を備えている。特
図1判定用乱数及び特
図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1:SW1-1,SW2-1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2:SW1-2,SW2-2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3:SW1-3,SW2-3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4:SW1-4,SW2-4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2~4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
【0033】
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。なお、乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。
【0034】
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出を実行するための演出データ記憶手段325が備えられている。演出データ記憶手段325には、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDV、デモ中に実行するデモ中演出データDM、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。
【0035】
変動ゲーム中演出データDHは、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの組み合わせとなっている。変動ゲーム中演出データDHは、主制御基板310による抽選結果(ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど)に対して、それぞれ複数種類のパターンが備えられている。これらのパターンにおいて、例えば、可動体演出を伴わない変動ゲーム中演出を行うデータは、可動体演出データがブランクデータで構成される。
【0036】
大当たり中演出データDVも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、大当たり種別に応じて複数パターンが備えられている。
【0037】
デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、デモ1用、デモ2用など複数パターンが備えられている。
【0038】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
【0039】
演出表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データに従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データが存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0040】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板320側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1、変動パターン1に対しては変動時間2、…、と1対1の対応であるが、各変動時間に対して複数の飾り図柄変動パターンが備えられていて、これら複数の中から振り分けによって演出制御基板320が決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンDKZは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0041】
[4 主制御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11,SW12からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。主制御基板310は、この賞球の払い出し個数は、「通常遊技」、「時短遊技」「大当たり遊技」等の遊技状態ごとに累積値を記憶する。主制御基板310は、また、これら遊技状態ごとの排出球の個数を排出球検知スイッチSW21からの検知信号に基づいて累積値として記憶している。そして、主制御基板310は、これら賞球払出個数の累積値と排出球数の累積値に基づいて、各遊技状態におけるベース(払出数/(発射数=排出数))を算出している。これら遊技状態ごとのベースの内、「通常遊技」について算出した値は、主制御基板310から性能表示モニタ600のマイコン基板へと送信され、性能表示モニタ600に数値表示される。なお、所定の操作をすることにより、性能表示モニタ600を用いて、「時短遊技」や「大当たり遊技」におけるベースの表示をすることもできる様になっている。
【0042】
また、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2のいずれかから検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。本実施例においては、始動保留情報として第1特図スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(特
図1始動保留情報)を最大4個、第2特図スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(特
図2始動保留情報)を最大4個記憶することができる構成となっている。
【0043】
主制御基板310は、こうしてRAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して音声演出、発光演出、表示演出、可動体演出等を実行させるための特図開始処理を実行している。この特図開始処理では、始動保留情報に基づく抽選処理の結果により、「変動パターン」および「最終停止図柄」を決定し、演出制御基板320に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0044】
[5 演出御基板における遊技性に関する制御処理の概要]
演出制御基板320は、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって変動演出を実行する。この変動演出は、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもないときに実行される。演出制御基板320は、変動コマンドを受信したら、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する。
【0045】
ここで、本実施例においては、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
【0046】
また、演出データ記憶手段325には、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されているから、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
【0047】
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶手段325から読み出し、変動演出を開始する。変動ゲーム中演出データDHによる演出は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
【0048】
なお、特別遊技中であるときは、変動ゲーム中演出データDHではなく大当たり中演出データDVを読み出し、大当たり中演出を実行する。また、デモ表示タイミングであるときは、デモ中演出データDMを読み出し、デモ中演出を実行する。
【0049】
本実施例においては、これら変動ゲーム中演出、大当たり中演出、デモ中演出での発光演出として、遊技盤Cに備えた装飾ランプによる役物発光演出に加えて、前枠Dに備えた装飾ランプによる枠発光演出も実行している。演出制御基板320の演出データ記憶手段325には、変動ゲーム中演出において実行する枠発光演出のためのデータについても、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定した複数の演出データを記憶させてある。
【0050】
[6 払出発光演出]
主制御基板310は、
図4(A)に示す制御系統により、賞球や貸し玉の払出を実行する際に、コーナー飾りCKZが備える発光役物HKYを発光させ、非装飾部HSBへの注目を集めるための払出発光演出を実行している。
【0051】
主制御基板310は、
図4(B)に示す様に、球貸し操作基板390から貸し玉信号が出力されたとき(S10:YES)、発光役物HKYに対して、貸し玉払出動作に対応する発光演出を実行させるための制御指令Aを演出制御基板320に対して出力する(S20)。また、第1特図スイッチSW1、第2特図スイッチSW2、大入賞口の入賞検知スイッチSW7、普通入賞口の入賞検知スイッチSW11~SW13のいずれかから入賞信号が出力されたとき(S30:YES)、発光役物HKYに対して、賞球払出動作に対応する発光演出を実行させるための制御指令Bを演出制御基板320に対して出力する(S40)。
【0052】
演出制御基板320は、
図4(C)に示す様に、主制御基板310から制御指令Aが入力されたときは(S50:YES)、貸し玉払出時の発光演出指令を払出発光演出基板KBhkyに対して出力する(S60)。一方、演出制御基板320は、主制御基板310から制御指令Bが入力されたときは(S70:YES)、貸し玉払出時発光演出の実行中であるか否かを判定する(S80)。貸し玉払出時発光演出の実行中でない場合は(S80:NO)、賞球払出時の発光演出指令を払出発光演出基板KBhkyに対して出力する(S90)。一方、貸し玉払出時発光演出の実行中であるときは(S80:YES)、S90の処理はパスする。
【0053】
ここで、「賞球払出時の発光演出」は、賞球の払出タイミングに合わせてコーナー飾りCKZの発光役物HKYを1回だけ所定時間の発光を実行させる演出となっている。これに対し、「貸し玉払出時の発光演出」は、貸し玉払出動作期間内にわたり、所定のインターバルで複数回、例えば、25球ずつ125球の貸し玉を払い出すタイプの遊技機であれば5回の発光を、25球ずつ200球の払い出しを行うタイプの遊技機であれば8回の発光を実行する演出となっている。S80の判定は、遊技者が遊技実行中に貸し玉ボタンQを操作して貸し玉の払い出しが行われている最中に入賞による賞球の払い出しが発生した場合は、より多くの遊技球の払出が行われる貸し玉払い出し時の発光演出を優先するために設けている。
【0054】
[7 変形例]
[7.1 変形例1]
次に、変形例1について説明する。変形例1は、
図5(A)に示す制御系統により、
図5(B),(C)に示す払出発光演出を実行する点以外は、実施例1と同様の構成となっている。
【0055】
主制御基板310は、
図5(B)に示す様に、球貸し操作基板390から貸し玉信号が出力されたとき(S110:YES)、発光役物HKYに対して、貸し玉払出動作に対応する発光演出を実行させるための制御指令Aを演出制御基板320に対して出力する(S120)。一方、大当たりが発生しているときは(S130:YES)、発光役物HKYに対して、大当たり遊技中に対応する発光演出を実行させるための制御指令Vを演出制御基板320に対して出力する(S140)。これに対し、大当たり中でないときは(S130:NO)、第1特図スイッチSW1、第2特図スイッチSW2、普通入賞口の入賞検知スイッチSW11~SW13のいずれかから入賞信号が出力されたとき(S150:YES)、発光役物HKYに対して、賞球払出動作に対応する発光演出を実行させるための制御指令Bを演出制御基板320に対して出力する(S160)。
【0056】
演出制御基板320は、
図5(C)に示す様に、主制御基板310から制御指令Aが入力されたときは(S210:YES)、貸し玉払出時の発光演出指令を払出発光演出基板KBhkyに対して出力する(S220)。また、演出制御基板320は、主制御基板310から制御指令Vが入力されたときは(S230:YES)、大当たり中の発光演出指令を払出発光演出基板KBhkyに対して出力する(S240)。一方、演出制御基板320は、主制御基板310から制御指令Aが入力されたときは(S250:YES)、貸し玉払出時発光演出の実行中であるか否かを判定する(S260)。貸し玉払出時発光演出の実行中でない場合は(S260:NO)、賞球払出時の発光演出指令を払出発光演出基板KBhkyに対して出力する(S270)。一方、貸し玉払出時発光演出の実行中であるときは(S260:YES)、S270の処理はパスする。
【0057】
「賞球払出時の発光演出」及び「貸し玉払出時の発光演出」は実施例1と同様の内容となっている。これに対し、「大当たり中の発光演出」は、大当たり開始から大当たり終了までの間、発光役物HKYを連続点灯する演出を実行する。なお、大当たりラウンド毎に一旦消灯する様にしてもよいし、連続点滅としてもよい。いずれの場合も、大当たり中に次々と賞球が払い出される様子を遊技者に楽しませることとなり、払出による遊技球の動きによる演出効果が期待できる。また、大当たり中は、特に、玉詰まりや玉切れの発生を速やかに把握することによって、ホールスタッフの呼び出し等による問題解決を迅速に実行することができる効果もある。
【0058】
[7.2 変形例2]
次に、変形例2について説明する。変形例2は、
図6に示す様に、セルシートによる背面の目隠しが施されることのない透明合成樹脂製の遊技盤Cを備えるものである。この場合、図示省略したが、裏ユニットBUT内には、合成樹脂製の装飾体を備えることができる。こうした合成樹脂製の装飾体との間で紛れてしまわない様に、変形例2では実施例1における非装飾部HSBに対応する位置に枠線WKSを印刷等によって備えさせてある。遊技盤Cは全体が透明であるが、枠線WKSを印刷することにより、その内側が実施例1等における非装飾部HSBとなる。なお、制御処理等については、実施例1や変形例1と同様に構成することができる。
【0059】
[8 実施例及び変形例の効果]
以上説明した実施例によれば、タンクレールTRLを透明合成樹脂製とし、透明合成樹脂製の遊技盤CのセルシートCLSに設けた非装飾部HSBを介して、常にタンクレールTRLの一部を視認可能としたことにより、玉切れや玉詰まりによってタンクレールTRL内の遊技球が不足したり、入賞や玉貸しに対する順調な払出が行われなくなっている場合、遊技者が、これを速やかに認識することができる。
【0060】
非装飾部HSBは、玉切り装置TKRよりも上流側であるから、当該部分に遊技球が存在するならば賞球等の払い出しが直ちに不可能になることはない。当該部分に遊技球が存在しなくなっているならば、間もなく賞球等の払い出しが不可能になる可能性がある。また、賞球の払い出しに伴って遊技球が移動するならば、順調な払い出しが実行されていることになる。これらの状況を、遊技者は、非装飾部HSBを介して視認可能なタンクレールTRL内の遊技球の有無や移動状態などから感覚的に把握することができる。
【0061】
また、本実施例では可動体役物KDdwn,KDswingを備えているが、これら可動体役物KDdwn,KDswingは、裏ユニットBUT内においてタンクレールTRLよりも奥に位置する様に組み付けているから、待機位置においても動作位置においても非装飾部HSBからのタンクレールTRLの視認性が妨げられることがない。
【0062】
さらに、本実施例では、貸し玉や賞球の払出を実行する際に、コーナー飾りCKZに払出発光演出用に設けた発光役物HKYにより、貸し玉の払出動作及び賞球の払出動作に併せて発光演出を実行している。これにより、非装飾部HSBに対して効果的に注目を集めることができる。
【0063】
加えて、玉タンクTTKとタンクレールTRLの連続部分を非装飾部HSBの背面に位置させているから、遊技球の供給路の最上流部における遊技球の有無や動きを非装飾部HSBを介して遊技者に知らせることができ、仮に、玉切れ等が生じた場合であっても、早い段階でこれを遊技者が把握することができる。
【0064】
特に、実施例及び変形例は、遊技中に遊技者が頻繁に見る天釘付近においてタンクレールTRL内の遊技球の有無や動きを見せることができる結果、玉切れや玉詰まりの発生をより自然に遊技者に知らせることができる。また、遊技者が頻繁に見る部分におけるタンクレールTRL内の遊技球の動きは、賞球の払い出しと連動するから、遊技者に対して順調に出玉を獲得できていることを感じさせる演出効果をも発揮する。
【0065】
この様に、実施例及び変形例によれば、玉切れや玉詰まりの発生を適確に遊技者に伝えることができる。
【0066】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例及び変形例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0067】
例えば、いわゆる羽根物やドラム式などの様に、裏ユニットを備えない遊技機に適用することもできる。また、非装飾部HSBに対して注目を集めるための発光役物HYMの発光タイミングは、入賞等に関係なく一定時間毎に実行する制御にしても構わないし、払出時に加えて払出の行われていない間の一定時間毎の発光演出として構成することもできる。加えて、玉切れや玉詰まりを検出するためのセンサを備える場合は、これらセンサによる玉切れや玉詰まりの発生が検知されたときにも発光させる様にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
A・・・外枠、B・・・中枠、BUT・・・裏ユニット、C・・・遊技盤、CKZ・・・コーナー飾り、CLS・・・セルシート、D・・・前枠、E・・・上の球受け皿、F・・・下の球受け皿、G・・・発射装置、H・・・施錠装置、HSB・・・非装飾部、HKY・・・発光役物、KBhky・・・払出発光演出基板、KDdwn,KDswing・・・可動体役物、KK1・・・背面開、KK2・・・上部開口、KK3・・・側部開口、LCD・・・液晶表示装置、P1・・・パチンコ機、PB・・・遊技球、TDG・・・玉出口、TIG・・・玉入口、TKR・・・玉切り装置、TTR・・・玉通路、TTK・・・玉タンク、TRL・・・タンクレール、WKS・・・枠線、310・・・主制御基板、320・・・演出制御基板。