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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】工具キット
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20221108BHJP
   B25B 15/00 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B25B21/00 Q
B25B15/00 620C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021012539
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116394
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】510097666
【氏名又は名称】原利興工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳佳益
(72)【発明者】
【氏名】陳輝謙
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-198755(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229444(JP,U)
【文献】特開2009-107058(JP,A)
【文献】登録実用新案第3224482(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
B25B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具キットであって、
第1方向に沿って互いに連通する連通路及び組立空間を備える本体と、
ヘッド本体、接続ロッド及び挿着孔を備え、前記接続ロッドが前記ヘッド本体に接続され、前記ヘッド本体の外輪郭が多角形の球形ヘッドであり、前記接続ロッドが前記本体に対して選択的に揺動できるように、前記ヘッド本体が前記組立空間内に選択的で移動可能に収容され、前記挿着孔ヘッド本体前記接続ロッド貫通して設けられ、前記挿着孔が対向する第1端及び第2端を備え、前記第2端が前記連通路に連通し、前記第1端に駆動ロッドが第1位置と第2位置とに移動できるように挿入され、前記駆動ロッドが前記第2端から突出しない場合に前記第1位置として定義し、前記駆動ロッドが前記第2端から突出して前記連通路に伸び込む場合に前記第2位置として定義し、前記連通路が前記第1方向に垂直な方向において前記駆動ロッドを制限して止め、前記第1方向から見ると、前記挿着孔の孔縁の輪郭が円形ではない揺動部材と、
なくとも1つの位置決め孔、前記位置決め孔と同数である少なくとも1つの位置決めビーズ、第1弾性部材、及びキットを備え、前記少なくとも1つの位置決め孔が前記接続ロッドに貫設されて前記挿着孔と横方向に連通し、前記少なくとも1つの位置決めビーズが前記少なくとも1つの位置決め孔内に移動可能に位置決めされ、前記キットが前記接続ロッドに嵌合されて且つロック位置と解放位置との間に移動可能であり、前記キットが前記ロック位置に移動する時、前記キットの第1リブが前記少なくとも1つの位置決めビーズを前記挿着孔内に突出させるように押し付けて前記駆動ロッドを位置決めし、前記キットが前記解放位置に移動する時、前記キットの収容室が前記少なくとも1つの位置決めビーズを前記挿着孔内に突出させないように前記少なくとも1つの位置決めビーズの一部を対応して収容して前記駆動ロッドを解放し、前記第1弾性部材が前記キットと前記接続ロッドとの間に接続され、前記キットを駆動して前記ロック位置へ常時に移動させるロック構造と、を備える、
工具キット。
【請求項2】
前記組立空間内に位置する前記本体の環状溝に位置決めされ、前記第1方向において前記ヘッドが前記組立空間から離脱しないようにするための制限リングをさらに備える、請求項1に記載の工具キット。
【請求項3】
前記組立空間の底壁と前記ヘッド本体との間に弾性的に当接し、前記ヘッド本体を付勢して前記制限リングに常時に当接させるための第2弾性部材をさらに備える、請求項2に記載の工具キット。
【請求項4】
複数の第1凸状壁は、前記組立空間内に周方向において等角度で間隔を隔てて分布し、複数の第2凸状壁はそれぞれ、前記第1方向に沿って延びて、それぞれ前記複数の第1凸状壁に対して直線状に配置され、前記複数の第1凸状壁及び前記複数の第2凸状壁はそれぞれ、前記第1方向において間隔を隔てて配置され、前記環状溝を共同で規定し、前記複数の第2凸状壁は前記第1方向に垂直な方向において前記ヘッド本体と当接し、各前記第2凸状壁は、前記ヘッド本体が前記組立空間内に滑り込むように案内するための斜め案内面を備える、請求項2に記載の工具キット。
【請求項5】
前記ロック構造は、第1止めリングと、径方向寸法が前記第1止めリングの径方向寸法よりも大きい第2止めリングとをさらに備え、前記第1止めリングは、前記接続ロッドに嵌設されて位置決めされ、前記第2止めリングは、前記接続ロッドに嵌合され、前記第1方向において前記第1止めリングと部分的に重なり互いに干渉し、前記第1止めリング、前記第2止めリング及び前記第1弾性部材は、前記キットの内部に位置し、前記第2止めリングは、前記キットの内壁に横方向に摺動的に当接し、前記第1弾性部材は、一端が前記第2止めリングに弾性的に当接し、他端が前記キットに弾性的に当接する、請求項1に記載の工具キット。
【請求項6】
前記ロック構造は、前記接続ロッドに嵌設されて位置決めされる第3止めリングをさらに備え、前記キットは、前記第1方向において前記第1リブと間隔を隔てて配置されて、前記収容室を共同で規定する第2リブをさらに備え、前記第1弾性部材は、前記第1リブと前記接続ロッドとの間に弾性的に当接し、前記第2リブを押して前記第3止めリングへ常時に移動して接近させ、前記第1方向において、前記第3止めリングと前記第2リブは干渉止めの関係を有し、前記第3止めリングは、前記キットが前記接続ロッドから離脱することを防止する、請求項1に記載の工具キット。
【請求項7】
前記揺動部材は、前記接続ロッドに径方向に突設され、前記キットの移動方向において、前記キットを干渉して止めるフランジをさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の工具キット。
【請求項8】
前記フランジは、前記キットが前記解放位置から前記ロック位置へ移動する方向に位置する、請求項7に記載の工具キット。
【請求項9】
前記フランジは、前記キットが前記ロック位置から前記解放位置へ移動する方向に位置する、請求項7に記載の工具キット。
【請求項10】
前記組立空間の底壁と前記ヘッド本体との間に弾性的に当接し、前記ヘッド本体を付勢して前記制限リングに常時に当接させるための第2弾性部材をさらに備え、前記ロック構造は、第1止めリングと、径方向寸法が前記第1止めリングの径方向寸法よりも大きい第2止めリングとをさらに備え、前記第1止めリングは、前記接続ロッドに嵌設されて位置決めされ、前記第2止めリングは、前記接続ロッドに嵌合され、前記第1方向において前記第1止めリングと部分的に重なり互いに干渉し、前記第1止めリング、前記第2止めリング及び前記第1弾性部材は、前記キットの内部に位置し、前記第2止めリングは、前記キットの内壁に横方向に摺動的に当接し、前記第1弾性部材は、一端が前記第2止めリングに弾性的に当接し、他端が前記キットに弾性的に当接し、前記揺動部材は、前記接続ロッドに径方向に突設され、前記キットの移動方向において、前記キットを干渉して止めるフランジをさらに備え、前記フランジは、前記キットが前記解放位置から前記ロック位置へ移動する方向に位置し、前記キットは、前記ロック位置にある場合、前記第1方向において前記フランジに当接し、前記少なくとも1つの位置決め孔の数及び前記少なくとも1つの位置決めビーズの数はそれぞれ2つであり、2つの前記位置決め孔は対称的に配置され、前記複数の第1凸状壁の数及び前記複数の第2凸状壁の数はそれぞれ6つであり、前記第1方向から見ると、前記ヘッド本体の外輪郭は正六角形であり、前記接続ロッドと前記本体が同軸である場合、6つの前記第2凸状壁はそれぞれ前記ヘッド本体の6つの側辺の中心に押し付けられ、前記ヘッド本体の六角部は前記組立空間の内壁に接触しておらず、前記本体は、嵌合空間をさらに備え、前記連通路は前記組立空間と前記嵌合空間との間に連通し、前記第1方向に垂直に、前記組立空間の最大径方向寸法は前記連通路の最大径方向寸法よりも大きく、前記嵌合空間の最大径方向寸法は前記組立空間の最大径方向寸法よりも大きく、前記第1方向において、前記組立空間の長さと前記連通路の長さとの比は1.3~1.6であり、前記第1方向において、前記挿着孔の長さは、前記組立空間の長さと前記連通路の長さとの合計よりも大きく、前記第1方向において、前記挿着孔の長さと、前記組立空間の長さと、前記連通路の長さとの3つの合計は、前記駆動ロッドの長さよりも小さく、前記駆動ロッドが前記第2位置にある場合、前記キットは、前記解放位置に保持され、前記駆動ロッドは、外壁と、前記外壁に凹設されるロック部とを備え、前記キットが前記ロック位置にある場合、2つの前記位置決めビーズは、前記ロック部に部分的に嵌め込まれ、前記キットが前記解放位置にある場合、2つの前記位置決めビーズは前記第1方向に垂直に前記外壁と前記キットとの間に挟まれる、請求項4に記載の工具キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工具キットに関する。
【背景技術】
【0002】
被回転体には、例えばネジ、ボルト、ナット、ドライバービット等、多くの種類があるので、工具を使用する際には、工具の本体継手と組み合わせて中継する必要がある。従来の工具の中継本体は、一端に組立孔が設けられ、他端が挿着部とされるような単純な構造であり、様々な使用ニーズが求められるのに伴って、当業者は、従来の中継本体の代わりに自在本体継手を開発している。そのうち、自在本体は、自在駆動ヘッドを介してベースに対して揺動することができ、それにより、様々な角度で被回転体を回転駆動することができるので、各種の使用環境に適用できる。
【0003】
しかしながら、このような自在継手でも、実際の使用に欠陥があり、例えば、ユーザーが安心かつ安全に使用できるため、使用の安定性、結合強度、自在な切り替え等、様々な点に関して、さらに強化する必要がある。従って、上記した問題を解決するために、新規で進歩的な工具キットを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、揺動部材を介して必要に応じて揺動したり所定の位置に保持されて使用したりすることができ、且つロック構造を介して駆動ロッドを確実にロックしてその緩みを回避できる工具キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、本体、揺動部材及びロック構造を備える工具キットを提供する。該本体は、第1方向に沿って互いに連通する連通路及び組立空間を備え、該揺動部材は、ヘッド本体、接続ロッド及び挿着孔を備え、該接続ロッドは該ヘッド本体に接続され、該ヘッド本体はその外輪郭が多角形の球形ヘッドであり、該ヘッド本体は、該接続ロッドは該本体に対して選択的に揺動できるように、該組立空間内に選択的で移動可能に収容され、該挿着孔ヘッド本体前記接続ロッド貫通して設けられ、該挿着孔は対向する第1端及び第2端を備え、該第2端は該連通路に連通し、該第1端には、駆動ロッドが第1位置と第2位置とに移動できるように挿入され、該駆動ロッドが該第2端から突出しない場合に該第1位置として定義し、該駆動ロッドが該第2端から突出して該連通路に伸び込む場合に該第2位置として定義し、該連通路は、該第1方向に垂直な方向において該駆動ロッドを制限して止め、該第1方向から見ると、該挿着孔の孔縁の輪郭は円形ではなく、該ロック構造は、なくとも1つの位置決め孔、前記位置決め孔と同数である少なくとも1つの位置決めビーズ、第1弾性部材、及びキットを備え、この少なくとも1つの位置決め孔は、該接続ロッドに貫設されて該挿着孔と横方向に連通し、この少なくとも1つの位置決めビーズはこの少なくとも1つの位置決め孔内に移動可能に位置決めされ、該キットは、該接続ロッドに嵌合されて且つロック位置と解放位置との間に移動可能であり、該キットが該ロック位置に移動する場合、該キットの第1リブは、この少なくとも1つの位置決めビーズを該挿着孔内に突出させるように押し付けて該駆動ロッドを位置決めし、該キットが該解放位置に移動する場合、該キットの収容室は、この少なくとも1つの位置決めビーズを挿着孔内に突出させないように該この少なくとも1つの位置決めビーズの一部を対応して収容して該駆動ロッドを解放し、該第1弾性部材は該キットと該接続ロッドとの間に接続され、該キットを駆動して該ロック位置へ常時に移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1実施例の斜視図である。
図2図1の分解図である。
図3】本発明の第1実施例における第1方向から見た揺動部材が本体に収容された模式図である。
図4】本発明の第1実施例における制限リングが環状溝に設けられた斜視図である。
図5図4の制限リングが取り外された斜視図である。
図6】本発明の第1実施例における駆動ロッドが第1位置にあり且つキットがロック位置にある断面図である。
図7】本発明の第1実施例におけるキットが解放位置にある断面図である。
図8】本発明の第1実施例における駆動ロッドが第2位置にある断面図である。
図9】本発明の第2実施例の断面図である。
図10】本発明の第2実施例におけるキットが解放位置にある断面図である。
図11】本発明の第3実施例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の実施例は、本発明の可能な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護の範囲を制限するものではないことを事前に説明する。
【0008】
図1図8は本発明の第1実施例を示している。本発明の工具キットは、本体1、揺動部材2及びロック構造3を備える。
【0009】
該本体1は、第1方向5に沿って互いに連通する連通路12及び組立空間13を備え、第1実施例では、該本体は嵌合空間11をさらに備える。該連通路12は該組立空間13と該嵌合空間11との間を連通し、該第1方向5に垂直な方向において、該組立空間13の最大径方向寸法は、該連通路12の最大径方向寸法よりも大きく、該嵌合空間11の最大径方向寸法は、該組立空間13の最大径方向寸法よりも大きい。該嵌合空間11は、動力工具に嵌合して組み合わせて使用することできる。該本体1は、上記形態に限定されず、図11の第3実施例に示す通りであってもよい。図1図11を比較すると、第3実施例が第1実施例と異なる点は、第3実施例の本体1Aが、図1の嵌合空間11の代わりに動力工具と挿着して組み合わせて使用される突出した挿着ユニット7をさらに備える点である。
【0010】
該揺動部材2は、ヘッド本体21、接続ロッド22及び挿着孔23を備え、該接続ロッド22は、該ヘッド本体21に接続される。該ヘッド本体21は多角形の球形ヘッドであり、該ヘッド本体21は、該接続ロッド22が該本体1に対して選択的に揺動できるように、該組立空間13内に選択的で移動可能に収容される。該挿着孔23には、該ヘッド本体21及び該接続ロッド22が貫通する。
【0011】
該挿着孔23は対向する第1端231及び第2端232を備える。該第2端232は該連通路12に連通し、該第1端231には、駆動ロッド6が第1位置と第2位置とに移動できるように挿入される。該第1方向5から見ると、該挿着孔23の孔縁の輪郭は円形ではないため、該駆動ロッド6と該揺動部材2は同期移動する関係にある。
該駆動ロッド6が該第2端232から突出しない場合を該第1位置と定義すると、この場合、該揺動部材2は該本体1に対して移動することができる。該駆動ロッド6が該第2端232から突出して該連通路12に伸び込む場合を該第2位置と定義すると、この場合、該連通路12は、該第1方向5に垂直な方向において該駆動ロッド6を制限して止め、換言すれば、該駆動ロッド6は、該揺動部材2及び該本体1と直列接続され、該揺動部材2が該本体1に対して移動できないようにし、位置決めの目的を達成する。
【0012】
該第1方向5において、該挿着孔23の長さと、該組立空間13の長さと、該連通路12の長さとの3つの合計は、該駆動ロッド6の長さよりも小さく、それにより、該駆動ロッド6が該第2位置に達するように十分な長さを有することを確保する。且つ、該第1方向5において、該挿着孔23の長さは、該組立空間13の長さと該連通路12の長さとの合計よりも大きく、それにより、該揺動部材2と該駆動ロッド6との間に安定して同期移動するように多くの接触面積を確保する。
また、該第1方向5において、該組立空間13の長さと該連通路12の長さとの比は1.3~1.6であり、該組立空間13と該連通路12が適切な長さを有するように配置される。それにより、該組立空間13は該ヘッド本体21を収容する適切な体積を有するとともに、該連通路12が該駆動ロッド6を制限する長さを両立する。
【0013】
該ロック構造3は、同数の少なくとも1つの位置決め孔31、少なくとも1つの位置決めビーズ32、第1弾性部材33、及びキット34を備える。この少なくとも1つの位置決め孔31は、該接続ロッド22に貫設されて該挿着孔23と横方向に連通する。この少なくとも1つの位置決めビーズ32は、この少なくとも1つの位置決め孔31内に移動可能に位置決めされる。該キット34は、該接続ロッド22に嵌合されて且つロック位置と解放位置との間に移動可能であり、該キット34が該ロック位置に移動する時、該キット34の第1リブ341は、この少なくとも1つの位置決めビーズ32を該挿着孔23内に突出させるように押し付けて該駆動ロッド6を位置決めする。該キット34が該解放位置に移動する時、該キット34の収容室343は、この少なくとも1つの位置決めビーズ32を該挿着孔23内に突出させないようにこの少なくとも1つの位置決めビーズ32の一部を対応して収容して該駆動ロッド6を解放し、該第1弾性部材33は、該キット34と該接続ロッド22との間に接続され、それにより、該キット34を駆動して該ロック位置へ常時移動させ、使用中に該駆動ロッド6が任意に離脱しないことを確保して、使用時の安全性及び信頼性を大幅に向上させる。
【0014】
第1実施例では、この少なくとも1つの位置決め孔31の数及びこの少なくとも1つの位置決めビーズ32の数はそれぞれ2つであり、2つの該位置決め孔31は対称的に配置される。それにより、該駆動ロッド6が均一な位置決め作用力を受けることが与えられる。また、該駆動ロッド6は、外壁62と、該外壁62に凹設されるロック部61とを備え、該キット34が該ロック位置にある場合、2つの該位置決めビーズ32は、該ロック部61に部分的に嵌め込まれて該駆動ロッド6を止めて干渉するが、該キット34が該解放位置にある場合、2つの該位置決めビーズ32は、該第1方向5に垂直な方向において該外壁62と該キット34との間に挟まれ、該駆動ロッド6が移動中に依然として2つの該位置決めビーズ32に挟まれるようにし、それにより、高速な摺動による離脱状況の発生を効果的に回避する。このため、該駆動ロッド6が該第2位置にある場合、該キット34が該解放位置に保持されている間は安全に使用できる。
【0015】
具体的には、該工具キットは制限リング41をさらに備え、該制限リング41は、該組立空間13内に位置する該本体1の環状溝14に位置決めされ、該第1方向5において該ヘッドが該組立空間13から離脱しないようにするために用いられる。さらに具体的には、複数の第1凸状壁15は、該組立空間13内に周方向において等角度で間隔を隔てて分布し、複数の第2凸状壁16はそれぞれ、該第1方向5に沿って延びて、それぞれ該複数の第1凸状壁15に対して直線状に配置される。該複数の第1凸状壁15及び該複数の第2凸状壁16はそれぞれ、該第1方向5において間隔を隔てて配置され、該環状溝14を共同で規定する。該複数の第2凸状壁16は、該第1方向5に垂直な方向において該ヘッド本体21と当接し、各該第2凸状壁16は、該ヘッド本体21が該組立空間13内に滑り込むように案内するための斜め案内面161を備える。
【0016】
第1実施例では、該複数の第1凸状壁15の数及び該複数の第2凸状壁16の数はそれぞれ6つであり、該第1方向5から見ると、該ヘッド本体21の外輪郭は正六角形である。該接続ロッド22と該本体1が同軸である場合、6つの該第2凸状壁16はそれぞれ該ヘッド本体21の6つの側辺211の中心に押し付けられ、該ヘッド本体21の六角部212は該組立空間13の内壁に接触していない。
【0017】
好ましくは、該工具キットは第2弾性部材42をさらに備え、該第2弾性部材42は、該組立空間13の底壁と該ヘッド本体21との間に弾性的に当接し、該ヘッド本体21を付勢して該制限リング41に常時に当接させるために用いられる。これにより、該ヘッド本体21の回転過程に、該制限リング41が、該ヘッド本体21を安定して動作させるために、該ヘッド本体21にさらなる支持力を与えることができる。
【0018】
なお、該ロック構造3は、第1止めリング35と、径方向寸法が該第1止めリング35の径方向寸法よりも大きい第2止めリング36とをさらに備える。該第1止めリング35は、該接続ロッド22に嵌設されて位置決めされ、該第2止めリング36は、該接続ロッド22に嵌合され、該第1方向5において該第1止めリング35と部分的に重なり互いに干渉する。該第1止めリング35と該第2止めリング36との組み合わせにより、加工、組み立ての工程を効果的に簡略化させ、重量を軽減し、部品の組み立ての誤差を減少するという効果を達成することができる。
該第1止めリング35、該第2止めリング36及び該第1弾性部材33は、該キット34の内部に位置し、該第2止めリング36は、該キット34の内壁に横方向で摺動的に当接する。該第1弾性部材33は、一端が該第2止めリング36に弾性的に当接し、他端が該キット34に弾性的に当接する。
【0019】
該揺動部材2はフランジ24をさらに備え、該フランジ24は、該接続ロッド22に径方向に突設され、該キット34の移動方向において、該キット34の移動の限界位置を制限し、該キット34が意図せずに作動して過度に移動することによる構造的破損を回避するために該キット34を干渉して止める。
第1実施例では、該フランジ24は、該キット34が該解放位置から該ロック位置へ移動する方向に位置する。すなわち、該キット34は、該解放位置に移動しようとする場合、該フランジ24から離れる方向へ移動し(例えば前方に押す)、且つ、該キット34は、該ロック位置にある場合、該第1方向5において該フランジ24に当接し、該フランジ24に該キット34を効果的に支持させる。
【0020】
本発明は、上記形態に限定されない。さらに図9及び図10の第2実施例を参照する。ロック構造3Aは、接続ロッド22Aに嵌設されて位置決めされる第3止めリング37をさらに備え、キット34Aは、該第1方向5において該第1リブ341と間隔を隔てて配置されて収容室343Aを共同で規定する第2リブ342をさらに備える。第1弾性部材33Aは、該第1リブ341と該接続ロッド22Aとの間に弾性的に当接し、該第2リブ342を押して該第3止めリング37へ常時に移動して接近させる。該第1方向5において、該第3止めリング37と該第2リブ342は干渉止めの関係を有し、該第3止めリング37は、該キット34Aが該接続ロッド22Aから離脱することを防止する。
また、該フランジ24Aは、該キット34Aが該ロック位置から該解放位置へ移動する方向に位置し、すなわち、該キット34Aが該解放位置に移動しようとする場合、該フランジ24Aに接近する方向へ移動する(例えば、引き戻す)。
【符号の説明】
【0021】
1、1A 本体
11 嵌合空間
12 連通路
13 組立空間
14 環状溝
15 第1凸状壁
16 第2凸状壁
161 斜め案内面
2 揺動部材
21 ヘッド本体
211 側辺
212 隅部
22、22A 接続ロッド
23 挿着孔
231 第1端
232 第2端
24、24A フランジ
3、3A ロック構造
31 位置決め孔
32 位置決めビーズ
33、33A 第1弾性部材
34、34A キット
341 第1リブ
342 第2リブ
343、343A 収容室
35 第1止めリング
36 第2止めリング
37 第3止めリング
41 制限リング
42 第2弾性部材
5 第1方向
6 駆動ロッド
61 ロック部
62 外壁
7 挿着ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11