IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江大学の特許一覧

特許7171094「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法
<>
  • 特許-「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法 図1
  • 特許-「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法 図2
  • 特許-「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20221108BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F30/10
G06Q30/06 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021544343
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2021070982
(87)【国際公開番号】W WO2022007380
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202010640643.8
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲樹▼有
(72)【発明者】
【氏名】裘 ▲楽▼▲ミアオ▼
(72)【発明者】
【氏名】王 自立
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ ▲葉▼
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091203(JP,A)
【文献】特開2002-041907(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0278275(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0145492(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109166004(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107590319(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109741120(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06Q 30/00 -30/08
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法であって、
ステップ(1)~ステップ(6)を含み、
ステップ(1)には、ユーザ個人化需要の注文特徴ベクトルorderを構築し、そのorderは、
であり、
ここで、
は、i番目の需要特徴を表し、
は、i番目の需要特徴の正規化需要値を表し、nは、需要特徴数であり、
ステップ(2)には、機械製品をm個のモジュール
に分解し、製品分解モジュールセット
を構築し、
ステップ(3)には、ユーザ需要を満たす設計パターンスキームの履歴注文記録に基づいて、設計パターン整合ケースライブラリXを構築し、そのXは、
、そして、

ここで、Mは、設計パターン整合ケースライブラリにおける履歴注文の数を表し、
は、j番目の注文の注文特徴ベクトルを表し、
は、j番目の注文におけるk番目のモジュールが採用する設計パターンを表し、
は、j番目の注文における各モジュール設計パターン整合結果を表し(
)、
ステップ(4)には、新たな注文特徴ベクトル
に対して、機械製品のk番目のモジュールが異なる設計パターン
を採用するときのユーザ満足確率
は、以下のとおりであり、
【数5】
ここで、
は、定数であり、
は、以下のとおり、設計パターン整合ケースライブラリXにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する確率を表し、
【数1】
ここで、
は、Xにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する注文セットを表し、
は、
における元素数であり、
は、以下のとおり、k番目のモジュールが新たな注文特徴ベクトル
に基づいて異なる設計パターンを選択する条件確率であり、
【数6】
ここで、
は、
におけるi番目の需要特徴の正規化需要値を表し(
)、
は、Xにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する注文におけるi番目の需要特徴の正規化需要値
のセットであり、

は、それぞれセット
の平均と分散であり、
ステップ(5)には、
最大確率値に対応する設計パターンをk番目のモジュールの設計パターン整合結果
とし、
が定数であるため、
の大きさを比較することは、
の大きさを比較することであり、
ステップ(6)には、機械製品の全てのモジュールの設計パターン整合結果を得て、最終的な設計パターン整合結果
を形成する
ことを特徴とする「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法。
【請求項2】
前記設計パターン
=1,2,3について、その中で、
は、k番目のモジュールが注文による配置の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による変形の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による生成の設計パターンを採用することを表す
ことを特徴とする請求項1に記載の「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械製品カスタム設計分野に関し、特に、「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターンの整合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
専門家は、将来の製品の半分以上がカスタム個人化製品であることを予測する。産業技術および人々の生活レベルの継続的な向上に伴い、物質の需要はますます広がり、従来の単一製品は、もはや人々の個人化の需要を満たさなくなる。従来の製品カスタム設計パターンと大量生産ラインは、もはやカスタム製品の設計と生産を満たさなくなる。大規模カスタムの設計パターンは、製品モジュールとモジュールファミリーを予め設定することにより、ユーザ需要に応じて製品モジュール配置を行い、ユーザ需要を満たす製品を組み合わせる。しかし、需要の個人化の継続的な増加に伴い、製品の注文元はグループからシングルユーザに徐々に移行し、大規範カスタムの設計パターンもユーザの需要を満たすことが困難になる。既存の製品モジュールとモジュールファミリーは、ユーザの個人化需要を完全にカバーすることができず、将来の需要傾向を正確に予測できないため、モジュールライブラリの事前更新が不可能になる。同時に、複雑なカスタム機械製品または機器の場合、大規範カスタムの設計パターンは、まだ適応できない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、従来技術の欠点に鑑み、「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法を提供することにある。
【0004】
本発明の目的は、以下の技術手段によって達成される。「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法であって、ステップ(1)~ステップ(6)を含む。
ステップ(1)には、ユーザ個人化需要の注文特徴ベクトルorderを構築し、そのorderは、
であり、
ここで、
は、i番目の需要特徴を表し、
は、i番目の需要特徴の正規化需要値を表し、nは、需要特徴数であり、
ステップ(2)には、機械製品をm個のモジュール
に分解し、製品分解モジュールセット
を構築し、
ステップ(3)には、ユーザ需要を満たす設計パターンスキームの履歴注文記録に基づいて、設計パターン整合ケースライブラリXを構築し、そのXは、
、そして、

ここで、Mは、設計パターン整合ケースライブラリにおける履歴注文の数を表し、
は、j番目の注文の注文特徴ベクトルを表し、
は、j番目の注文におけるk番目のモジュールが採用する設計パターンを表し、
は、j番目の注文における各モジュール設計パターン整合結果を表し(
)、
ステップ(4)には、新たな注文特徴ベクトル
に対して、機械製品のk番目のモジュールが異なる設計パターン、
を採用するときのユーザ満足確率
は、以下のとおりであり、
【数5】
ここで、
はk番目のモジュールが注文による配置の設計パターンを採用することを示し、
はk番目のモジュールが注文による変形の設計パターンを採用することを示し、
はk番目のモジュールが注文による生成の設計パターンを採用することを示し、
は、定数であり、
は、以下のとおり、設計パターン整合ケースライブラリXにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する確率を表し、
【数1】
ここで、、
は、Xにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する注文セットを表し、
は、
における元素数であり、
は、以下のとおり、k番目のモジュールが新たな注文特徴ベクトル
に基づいて異なる設計パターンを選択する条件確率であり、
【数6】
ここで、
は、
におけるi番目の需要特徴の正規化需要値を表し(
)、
は、Xにおけるk番目のモジュールが
設計パターンを採用する注文におけるi番目の需要特徴の正規化需要値
のセットであり、

は、それぞれセット
の平均と分散であり、
ステップ(5)には、、
最大確率値に対応する設計パターンをk番目のモジュールの設計パターン整合結果
とし、
が定数であるため、
の大きさを比較することは、
の大きさを比較することであり、
ステップ(6)には、機械製品の全てのモジュールの設計パターン整合結果を得て、最終的な設計パターン整合結果
を形成する。
【0005】
さらに、前記設計パターン
=1,2,3について、その中で、
は、k番目のモジュールが注文による配置の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による変形の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による生成の設計パターンを採用することを表す。
【0006】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
1.本発明の方法は、確率学の観点から、ベイズの定理に基づいて、製品カスタム設計における各設計モジュールの個人化設計パターン整合方法を検討する。異なる設計モジュールが異なる設計パターンを採用するユーザ満足確率値を算出することにより、各設計モジュールに対応する設計パターンを整合し、設計者が設計経験により設計パターンを選択するときの試行錯誤を低減し、設計効率を向上させる。
2.本発明は、個人化設計パターン整合プロセスにおけるインテリジェンスと操作性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】「インターネット+」環境機械製品個人化設計フローチャートである。
図2】「インターネット+」環境機械製品個人化設計パターン整合フローチャートである。
図3】「インターネット+」環境エレベータかごシステム個人化設計実現プロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面および実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
図1に示すように、本発明に係る「インターネット+」環境機械製品個人化設計フローチャートであり、ステップは、以下のとおりである。
(1.1)ユーザは、マルチソース端末によって構築された「インターネット+」環境を介して、機械製品に対する自分の個人化需要を提案する。インターネット+設計プラットフォームは、ユーザ需要を製品注文に変換し、ウェブサーバを介して設計者に伝達する。
(1.2)設計者は、電子注文に基づいて、個人化設計パターンユーザ満足確率整合方法により、製品の各モジュールの設計パターンを整合させる。前記「インターネット+」環境機械製品個人化設計パターンは、注文による配置の設計パターン、注文による変形の設計パターン、および注文による生成の設計パターンを含み、そのステップは、以下のとおりである。
(1)複雑な製品は、設計モジュールごとに分解され、モジュールごとに設計される。各モジュールの設計パターンは、注文内容と製品モジュールライブラリとの整合により得られる。
(2)注文による配置の設計パターンを選択し、製品設計パラメータ、配置規則、配置テンプレートに基づいて、モジュールライブラリから設計要求に適合するモジュールを整合する。
(3)注文による変形の設計パターンを選択し、変形待ちのモジュールを位置決めし、モジュールライブラリから類似の配置モジュールを検出し、最適な移植マスタと移植候補モジュールを選択し、設計要求を満たす利用可能な構造に対して構造特徴を分割し、マスタ性能パラメータ差異を抽出し、利用可能な構造をマスタに移植(置換)し、制約を再構築し、性能要求を満たす場合、隣接するモジュールとの標準インターフェースを再構築し、注文変形によるモジュール設計スキームを形成する。
(4)注文による生成の設計パターンを選択し、モジュールライブラリにおける完全に整合しないモジュール生成式設計に使用し、制約条件、境界条件、負荷条件を設定し、条件を満たす生成式設計結果を複数種類生成し、生成したモジュールに対して性能シミュレーションを行い、注文需要を満たすモジュールをモジュール設計スキームとして選択する。
(5)各モジュールごとに逐次設計を行い、(2)~(4)の設計パターンを採用して設計を行い、全ての設計が完成した後、複雑な製品のモジュールスキーム融合を行い、機械製品カスタム設計スキームを生成する。
(1.3)設計者が設計スキームを完成した後、ユーザが「インターネット+」プラットフォームを介してリアルタイムで相互フィードバックし、設計者はユーザ需要を満たすまで設計スキームを補正し、また、ユーザは設計全工程に直接参加でき、モジュール逐次設計工程において設計者が補正するための変更意見を提出することができる。最終的に完成する設計スキームは、ユーザの個人化需要を完全に満たすべきである。
前記インターネット+設計プラットフォームは、「インターネット+」環境機械製品個人化設計のために提供される設計プラットフォームであり、ユーザと設計者が共同で製品カスタム設計に参加し、一般に、ユーザが需要を提出または補正し、設計者が需要によって変換される注文に基づいてカスタム設計を行い、ユーザが設計全工程に参加し、設計者とリアルタイムで相互フィードバックしてユーザ需要を満たす製品が完成する。具体的には、本発明に係る「インターネット+」環境機械製品向けの個人化設計パターン整合方法は、以下のステップを含む。
1.「インターネット+」環境において、ユーザが自身の個人化需要に応じて、需要を提出し、所定のテンプレートに従って注文を生成する。
2.機械製品のカスタム設計工程は、インターネット+設計プラットフォームで完成され、合計で三つの設計パターンがあり、それぞれ注文による配置の設計パターン、注文による変形の設計パターンおよび注文による生成の設計パターンである。注文内容と既存の製品モジュール整合設計パターンに基づいて、設計者が整合結果に応じて製品モジュールに対して設計を1個ずつ行い、完成する。
前記注文による配置の設計パターンのステップは、以下のとおりである。
A1.個人化注文パラメータ入力を機械製品設計パラメータに変換する。
A2.設計パラメータ、配置構造、配置規則および配置モジュールに基づいて、配置モジュールライブラリから適切なモジュールを整合し、注文配置による機械製品カスタム設計スキームを形成する。
A3.設計スキームをユーザ側に伝送し、スキームが自身の需要を満たすか否かを評価し、満たす場合、機械製品カスタム設計スキームを出力して設計を完成し、満たさない場合、ステップ2に戻って再配置し、または、他の2つの設計パターンに交換する。
前記注文による変形の設計パターンのステップは、以下のとおりである。
B1.個人化注文パラメータ入力を機械製品設計パラメータに変換する。
B2.注文配置による設計が注文要求を満たすことができず、ユーザがリアルタイムで評価需要補正設計スキームをフィードバックする場合と、モジュールライブラリに局所的に設計需要を満たす製品モジュールのみがある場合、注文による変形の設計パターンを採用することができる。
B3.変形待ちの製品モジュールを位置決めし、モジュールライブラリにおける類似のモジュールを検索する。
B4.類似のモジュール評価を行い、最適な移植モジュールマスタと移植候補モジュールを選択する。
B5.最適な移植モジュールマスタと設計パラメータの性能差異を分析し、移植候補モジュールにおける利用可能な構造を抽出して分割する。
B6.移植候補モジュールにおける分割された利用可能な構造を最適な移植モジュールマスタに移植または置換し、構造制約を再構築する。
B7.設計者は、まず、新なモジュールが性能を満たすか否かを判定し、満たさない場合、構造最適化を行い、またはステップ5~6に移行すべきであり、満たす場合、ユーザと相互フィードバックし、ユーザ需要を完全に満たすようにステップ4~6を繰り返す。
B8.注文変形に従って設計された新なモジュールと隣接するモジュールとの間のインターフェースを標準化する。
B9.ステップ3~8を繰り返し、残りのモジュール変形設計を完成し、注文変形による機械製品カスタム設計スキームを出力する。
前記注文による生成の設計パターンのステップは、以下のとおりである。
C1.個人化注文パラメータ入力を機械製品設計パラメータに変換する。
C2.注文配置による設計と注文変形による設計が何れも注文要求を満たすことができず、ユーザがリアルタイムで評価需要補正設計スキームをフィードバックする場合と、モジュールライブラリに設計需要を満たす製品モジュールが存在しない等の場合、注文による生成の設計パターンを採用して当該モジュールを設計することができる。
C3.変更を必要とするモジュールまたは部品を位置決めし、注文要求に応じて製品注文ライブラリを更新し、その後の生成式モジュールのライブラリ記憶を容易にする。
C4.製品設計リソースライブラリを利用して、注文による生成の設計パターンを支援し、制約要求、境界条件、負荷条件などを設定し、大量モジュール生成式設計結果を生成する。
C5.設計者が大量生成式設計モジュールから製品性能を満たすモジュールを選択し、ユーザに伝送して評価し、ユーザ需要を完全に満たすモジュールを協同で選択し、この工程でユーザが需要を変更すると、ステップ4に移行する。
C6.ステップ3~5を繰り返して、残りのモジュール生成式設計を完成し、注文生成式による機械製品カスタム設計スキームを形成する。
C7.生成式モジュールは、モデル、文書、構造、規則をモデル化し、製品設計リソースライブラリに組み込む。
【0010】
図2に示すように、本発明における個人化設計パターンユーザ満足確率整合方法のフローチャートである。前記の注文内容と既存の製品モジュールに基づき設計パターンを整合し、個人化設計パターンを採用するユーザ満足確率整合方法において、当該方法のステップは、以下のとおりである。
2.1.構築ユーザ個人化需要の注文特徴ベクトル
を構築し、その中で、
は、注文特徴ベクトルにおけるi番目の需要特徴を表し、
は、
に対応する正規化ユーザ個人化需要値を表し、nは、需要特徴数である。同じ種類の機械製品の場合、異なる注文特徴ベクトルにおける需要特徴は、同じであるが、個人化の需要のため、注文が異なって需要が同じ特徴における正規化需要値rは、全て異なる。
2.2.製品分解モジュールセットDを構築し、各機械製品はカスタム設計前に、製品モジュールを分解する必要があり、モジュール設計の思想により、モジュールごとに設計され、同じ種類の機械製品は、そのモジュール分割結果も同じであり
、その中で、dは、製品分割のk番目のモジュールを表し、合計でm個のモジュールに分割される(
)。
2.3.ユーザ需要を満たす注文記録から構成される設計ケースライブラリに基づき、設計パターン整合ケースライブラリ

を構築し、その中で、Mは、設計パターン整合ケースライブラリに記録された注文数を表し、
は、j番目の注文記録におけるk番目のモジュールdが採用する設計パターンを表し、
は、j番目の注文記録における各モジュールの設計パターン整合結果
のセットを表す。
2.4.新たな注文特徴ベクトル
を入力し、Dにおけるk番目のモジュールの3つの設計パターンに対応するユーザ満足確率
を比較し、ユーザ満足確率が最も高い設計パターンを選択し、以下のサブステップを含む。
2.4.1
におけるk番目のモジュールの設計パターン整合結果のセット
を見つけ、当該セットにおける異なる設計パターンに従って、


に分割し、その中で、
は、k番目のモジュールが選択する設計パターンを表し、
は、k番目のモジュールが注文による配置の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による変形の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが注文による生成の設計パターンを採用することを表し、
は、k番目のモジュールが
設計パターンを採用するケースセットを表す。
2.4.2
におけるi番目の需要特徴の正規化ユーザ個人化需要値のセッ
トを見つけ、ステップ2.4.1で得られた
に基づき、当該セットを
に分割すると、
は、k番目のモジュールが
設計パターンを採用するときの対応する注文記録におけるi番目の需要特徴の正規化ユーザ個人化需要値のセットを表す。
2.4.3
におけるk番目のモジュールが異なる設計パターン
を選択する確率
を算出し、
【数1】
その中で、
は、
における元素の数を表す。
2.4.4セット
の平均
と分散
を算出する。
2.4.5新たな注文特徴ベクトル
における需要特徴
に対応する
値が異なる時に、k番目のモジュールが異なる設計パターンを選択する条件確率
は、以下のとおり算出され、
【数2】

式中、
は、
におけるi番目の需要特徴
の正規化ユーザ個人化需要値を表し、
の連続性により、確率密度関数の分布規則性を満たし、
【数3】

2.4.3k番目のモジュールが新たな注文特徴ベクトル
に基づいて異なる設計パターンを選択する条件確率
は、以下のとおりであり、
【数4】
式中、
は、
におけるn個の
値から連携させて特定され、属性条件独立性仮定に基づくものである。
2.4.4ベイズの定理に基づいてk番目のモジュールが異なる設計パターンを採用するときのユーザ満足確率
は、以下のように得られ、
【数5】
式中、
は、証拠因子であり、定数であるため、
の大きさを比較することは、
の大きさを比較することであり、
における最大値に対応する設計パターンを整合結果

)として選択する。
2.5各注文特徴ベクトルを順に算出および整合し、最終的な設計パターン整合結果
を形成し、設計者に設計を指導する。
3.設計者が機械製品カスタム設計スキームを完成し、インターネット+設計プラットフォームでユーザに直接フィードバックし、ユーザは、製品性能を体験し、需要を満たすか否かを特定することができる。満たさない場合、リアルタイムで設計者にフィードバックして需要を満たさない部分を再設計し、満たす場合、製品設計スキームを特定して製造段階に移行する。
【0011】
本発明は、ユーザ注文に基づいて機械製品のカスタム設計を行い、シングルユーザ需要で設計を駆動し、ユーザは、インターネット+設計プラットフォームを介して設計の全工程に参加し、設計者とリアルタイムで相互フィードバックし、最後設計スキームがユーザ個人化需要を満たすようにする。本発明で提案する注文による配置の設計パターン、注文による変形の設計パターン、注文による生成の設計パターンの3つの機械製品個人化設計パターンは、機械製品のほぼ全てのカスタム設計需要を満たす。3つの設計パターンは、需要個人化と生産規範化との間の矛盾を効果的に軽減する。設計パターン整合段階において、設計者が経験により注文需要を満たすモジュール設計パターンを判断する必要がなくなり、設計効率と設計結果のユーザ満足度が向上する。
【0012】
エレベータは、個人化の高いカスタム機械製品として生活に広く利用されており、異なる建物のエレベータシステムは大きく異なるため、ユーザのエレベータに対する需要も個人化されている。エレベータは、駆動システム、サスペンションシステム、階床システム、かごシステムなどの複数のシステムに分けられ、各システムは、個別に設計および組み立てることができ、本発明は、最も個人化が高いかごシステムを選択して具体的な実施例として説明する。
【0013】
簡略化された例を参照して当該方法の実施工程を説明する。表1は、簡略化された部分エレベータ設計パターン整合ケースライブラリであり、新たな個人化注文特徴ベクトル
は、例えば、番号24モジュールの設計パターン整合を例として、
の3つの値の大きさを比較して、どの設計パターンを選択するかを特定する必要がある。具体的な算出ステップは、以下のとおりである。
表1:エレベータ設計パターン整合ケースライブラリ(簡略部分)


とすると、


となるため、番号24モジュールは、注文による配置の設計パターンを使用すべきである。残りのジュール設計パターン整合の算出方式は、これと同様である。
【0014】
図3に示すように、本発明の対応する「インターネット+」環境エレベータかごシステム個人化設計実現プロセス図である。
(1)ユーザが「インターネット+」環境において提出した個人化需要を、新たな電子注文に変換し、電子注文で生成されたユーザ個人化需要の注文特徴ベクトル
について、本発明に係る個人化設計パターン整合方法によれば、分割した設計モジュールごとに三つの設計パターンユーザ満足確率を算出し、設計パターン整合を行い、図3(a)に示すように、その結果は、91%のモジュールが注文による配置の設計パターン、7%のモジュールが注文による変形の設計パターン、2%のモジュールが注文による生成の設計パターンとして表示される。
(2)整合結果において、かご枠、かご、保護カバー、かご壁などの設計モジュールは、すべて注文による配置の設計パターンを採用することができる。既存の配置規則ライブラリ、配置モジュールライブラリとエレベータかごシステムの配置構造により、図3(b)に示すように、モジュールライブラリから注文需要を満たす部品を下方から上方に整合し、注文配置による各モジュールの具体的な設計スキームを形成する。
(3)注文による変形の設計パターンについて、シーブを例として設計フローを説明する。まず、モジュールライブラリから類似の配置モジュールを検出し、類似の配置スキーム評価後、最適な移植マスタと移植候補モジュールを選択し、移植候補モジュールから利用可能な構造を抽出し、最適な移植マスタから性能パラメータ差異を抽出し、利用可能な構造を構造特徴により分割した後でマスタに移植し、制約を再構成し、注文需要を満たすように構造最適化を行い、新たな変形モジュールと隣接するモジュールとの間のインターフェースを標準化して、図2(c)に示すように、注文変形に応じて設計されたシーブの具体的な設計スキームを形成する。
(4)注文による生成の設計パターンについて、枠体抜きを例として設計フローを説明する。図3(d)示すように、枠体抜きに関する注文情報に基づいて制約条件、境界条件、負荷条件を設定した後、注文による生成の設計パターンについて、条件を満たす複数種類の生成式設計結果を得ることができ、性能シミュレーションを行い、注文需要を満たす枠体抜き設計スキームを選択する。
(5)図3(b)~(d)は何れもある部品を例としており、残りの部品は、設計パターン整合結果ごとに設計され、最後に設計者が各モジュールを集積し、ユーザと設計者がインターネット+設計プラットフォームでリアルタイム相互フィードバックを行い、設計者は、ユーザ需要を完全に満たすまで設計結果を補正または再設計する。
図1
図2
図3