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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】紙葉類搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/60 20060101AFI20221108BHJP
B65H 29/24 20060101ALI20221108BHJP
B65H 29/52 20060101ALI20221108BHJP
【ＦＩ】
B65H29/60 B
B65H29/24 A
B65H29/52
【請求項の数】
14
(21)【出願番号】P 2022017477
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2022-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 国明
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１０－０３７１０２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１５－１７８３９３（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１８－００５４９２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２１－１０６７５４（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６５Ｈ ５／２２
Ｂ６５Ｈ ５／３８
Ｂ６５Ｈ ２９／２４
Ｂ６５Ｈ ２９／５２－２９／７０
Ｂ６５Ｇ ４７／１４
Ｇ０７Ｄ １１／００－１３／００
Ｇ０７Ｆ １９／００
Ａ６３Ｆ ７／０２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクトと、前記ダクト内を走行するキャリアと、
前記ダクト内において一方向に空気流を発生させる第一送風機と、
前記ダクト内において前記一方向とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、
前記ダクトの終端に配置された紙葉類収容室と、
を備え、
前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記紙葉類収容室に前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、
前記紙葉類を収容する第二紙葉類収容室をさらに備えており、
前記第二紙葉類収容室は前記紙葉類収容室に至る前記ダクトの途中において前記ダクトに隣接して配置されており、
前記ダクトは、前記ダクトの一部として、前記ダクトに対して開閉自在な開閉セクションを備えており、
前記紙葉類は開いた状態の前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出て、前記第二紙葉類収容室に収容されることを特徴とする紙葉類搬送装置。
【請求項2】
前記第二紙葉類収容室は、前記紙葉類を収容する紙葉類収容装置と、
前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出てきた前記紙葉類を受け入れ、前記紙葉類を前記紙葉類収容装置までガイドする紙葉類ガイドと、
を備えることを特徴とする請求項１に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
前記紙葉類ガイドは半円形状の第一部分を有しており、前記第一部分は一端側において開口しており、
前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出てきた前記紙葉類は前記第一部分の前記一端側から前記紙葉類ガイドの内部に進入することを特徴とする請求項２に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
前記第一部分は前記一端側から他端側に向かって断面積が徐々に小さくなるものであることを特徴とする請求項３に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
前記紙葉類ガイドは直線形状の第二部分を有しており、前記第二部分は前記第一部分の他端側において前記第一部分と連結されており、
前記紙葉類ガイドの内部に進入した前記紙葉類は前記第二部分において停止した後に前記紙葉類収容装置に収容されるものであることを特徴とする請求項３または４に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
前記紙葉類収容装置は、前記第二部分の一方の側に配置された紙葉類収容ボックスと、
前記第二部分の他方の側に配置された紙葉類押し込み手段と、
からなり、
前記第二部分において停止した前記紙葉類は前記紙葉類押し込み手段によって前記紙葉類収容ボックスに押し入れられることを特徴とする請求項５に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項7】
前記第二部分は前記紙葉類が送られてくる方向に延びる一対のプレートを有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記一対のプレートの間隔は同方向における前記紙葉類の長さより小さく、
紙葉類押し込み手段は前記紙葉類収容ボックスの内部に進入可能な突出部を有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記突出部の長さは前記一対のプレートの間を通過可能である長さであることを特徴とする請求項６に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項8】
前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されていることを特徴とする請求項１乃至７の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項9】
前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されており、
前記第一部分は前記第一ダクト部分が延びる方向において開口していることを特徴とする請求項３乃至７の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項10】
前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、
前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されており、
前記第一ダクト部分は水平方向に延び、前記第二ダクト部分は鉛直方向に延びており、
前記紙葉類ガイドの前記第一部分は直立しており、
前記第二部分は前記第一ダクト部分に平行に延びるものであることを特徴とする請求項５に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項11】
前記第一部分は前記第一ダクト部分が延びる方向において開口していることを特徴とする請求項１０に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項12】
前記ダクトは水平方向に延びるものであり、前記第二紙葉類収容室は、前記ダクトに対向する位置と、前記ダクトの下方に下降している位置との間を上下動可能であることを特徴とする請求項１乃至７の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項13】
前記開閉セクションを開閉させる駆動手段を備えることを特徴とする請求項１乃至１２の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項14】
前記開閉セクションは、一端において回動自在に前記ダクトに接続され、他端においてソレノイドを介して前記ダクトに係止され、前記ソレノイドが通電されると前記ダクトに対する前記開閉セクションの係止が解除され、前記開閉セクションは前記一端を中心として自重により回動することを特徴とする請求項１乃至１２の何れか一項に記載の紙葉類搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト内に発生させた空気流により紙幣その他のシート状の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような紙葉類搬送装置の一例として特開２０１６－１６００３８号公報（特許文献１）に記載されたものがある。
図２４乃至図２９は同公報に記載された紙葉類搬送装置を示す。図２４は紙葉類搬送装置の構造及び紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
この紙葉類搬送装置は、図２４に示すように、紙幣などの紙葉類をその前面で押すことにより当該紙葉類を搬送するキャリア１０と、キャリア１０の外形と相似し、かつ、キャリア１０が走行可能な内部空間を有するダクト１１と、キャリア１０が搬送してきた紙葉類を収容する紙幣収容室１４と、ダクト１１内においてキャリア１０を紙幣収容室１４に向かう方向に走行させる第一送風機１２ａと、ダクト１１内においてキャリア１０を紙幣収容室１４から離れる方向に走行させる第二送風機１２ｂと、ダクト１１内においてキャリア１０を所定の位置で停止させるストッパー１３ａ及び１３ｂと、を備えている。
図２４乃至図２９は同公報に記載された紙葉類搬送装置を示す。図２４は紙葉類搬送装置の構造及び紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
この紙葉類搬送装置は、図２４に示すように、紙幣などの紙葉類をその前面で押すことにより当該紙葉類を搬送するキャリア１０と、キャリア１０の外形と相似し、かつ、キャリア１０が走行可能な内部空間を有するダクト１１と、キャリア１０が搬送してきた紙葉類を収容する紙幣収容室１４と、ダクト１１内においてキャリア１０を紙幣収容室１４に向かう方向に走行させる第一送風機１２ａと、ダクト１１内においてキャリア１０を紙幣収容室１４から離れる方向に走行させる第二送風機１２ｂと、ダクト１１内においてキャリア１０を所定の位置で停止させるストッパー１３ａ及び１３ｂと、を備えている。
【0003】
図２４に示すように、複数個のパチンコ台２０その他の遊戯機器が図２４の左右方向に一列に配置されており（図２４においては、単純化するため１個のパチンコ台２０のみを示している）、パチンコ台２０の横には紙幣を投入するための紙幣投入装置２１が設置されている。紙幣投入装置２１に投入された紙幣の額に応じて遊技媒体（パチンコ玉やメダルなど）が払い出される。
パチンコ台２０の裏側には、当該紙葉類搬送装置の一構成要素であるダクト１１がパチンコ台２０の配列方向と平行に延びるように設置されている。
図２５はダクト１１の部分的斜視図（一部分解図を含む）である。
図２５に示すように、ダクト１１は直線状に延びる中空構造を有しており、その縦断面は、上下方向に長い長方形において上下方向の中央部が内側に突出する形状をなしている。すなわち、上下方向の中央の部分が矩形状にダクト１１の内側に突出する突出部１１ａを構成している。
パチンコ台２０の裏側には、当該紙葉類搬送装置の一構成要素であるダクト１１がパチンコ台２０の配列方向と平行に延びるように設置されている。
図２５はダクト１１の部分的斜視図（一部分解図を含む）である。
図２５に示すように、ダクト１１は直線状に延びる中空構造を有しており、その縦断面は、上下方向に長い長方形において上下方向の中央部が内側に突出する形状をなしている。すなわち、上下方向の中央の部分が矩形状にダクト１１の内側に突出する突出部１１ａを構成している。
【0004】
さらに、ダクト１１の側壁には、紙幣投入装置２１の位置に対応して、スリット１１ｂが形成されている。後述するように、各紙幣投入装置２１に投入された紙幣はスリット１１ｂを通過してダクト１１の内部に送られる。
図２６はキャリア１０の斜視図である。
キャリア１０は、上下方向に延びる中心軸１０ａと、中心軸１０ａの一方の側に配置された４個の第一ウィング１０ｂと、中心軸１０ａの他方の側に配置された４個の第二ウィング１０ｃと、からなる。
第一ウィング１０ｂは、中心軸１０ａの上端及び下端をそれぞれ起点として、２個一組の第一ウィング１０ｂがＶ字型になるように、それぞれ配置されている。同様に、第二ウィング１０ｃは、中心軸１０ａの上端及び下端をそれぞれ起点として、２個一組の第二ウィング１０ｃがＶ字型になるように、それぞれ配置されている。後述するように、ダクト１１の内部に送られた紙幣は４個の第一ウィング１０ｂにその外縁を押されて搬送される。
図２６はキャリア１０の斜視図である。
キャリア１０は、上下方向に延びる中心軸１０ａと、中心軸１０ａの一方の側に配置された４個の第一ウィング１０ｂと、中心軸１０ａの他方の側に配置された４個の第二ウィング１０ｃと、からなる。
第一ウィング１０ｂは、中心軸１０ａの上端及び下端をそれぞれ起点として、２個一組の第一ウィング１０ｂがＶ字型になるように、それぞれ配置されている。同様に、第二ウィング１０ｃは、中心軸１０ａの上端及び下端をそれぞれ起点として、２個一組の第二ウィング１０ｃがＶ字型になるように、それぞれ配置されている。後述するように、ダクト１１の内部に送られた紙幣は４個の第一ウィング１０ｂにその外縁を押されて搬送される。
【0005】
図２７はキャリア１０がダクト１１の内部に収納された状態を示す斜視図である。
図２７に示すように、ダクト１１の突出部１１ａが、上下の第一ウィング１０ｂの間に形成された空間１０ｄ及び上下の第二ウィング１０ｃの間に形成された空間１０ｄ（図２５参照）に嵌まり込む。
図２４に示すように、紙幣収容室１４はダクト１１の一端（図２４の右端）に配置されている。紙幣収容室１４には、紙幣投入装置２１から投入され、キャリア１０によって搬送された紙幣が収容される。
ダクト１１の内部に空気流（風）を送り込む第一送風機１２ａ及び第二送風機１２ｂはダクト１１の両端に配置されている。
図２７に示すように、ダクト１１の突出部１１ａが、上下の第一ウィング１０ｂの間に形成された空間１０ｄ及び上下の第二ウィング１０ｃの間に形成された空間１０ｄ（図２５参照）に嵌まり込む。
図２４に示すように、紙幣収容室１４はダクト１１の一端（図２４の右端）に配置されている。紙幣収容室１４には、紙幣投入装置２１から投入され、キャリア１０によって搬送された紙幣が収容される。
ダクト１１の内部に空気流（風）を送り込む第一送風機１２ａ及び第二送風機１２ｂはダクト１１の両端に配置されている。
【0006】
第一送風機１２ａ及び第二送風機１２ｂは何れか一方のみが作動するか、あるいは、双方とも作動しない。双方が同時に作動することはない。第一送風機１２ａが作動すると、ダクト１１の内部に収容されているキャリア１０の第二ウィング１０ｃが風圧を受けて、キャリア１０は紙幣収容室１４に向う方向（方向Ｘ１）に走行する。一方、第二送風機１２ｂが作動すると、ダクト１１の内部に収容されているキャリア１０の第一ウィング１０ｂが風圧を受けて、キャリア１０は紙幣収容室１４から離れる方向（方向Ｘ２）に走行する。
なお、ダクト１１の一方の端部（図２４の右端）に連続して紙幣収容室１４が配置されているため、第二送風機１２ｂは紙幣収容室１４に隣接して配置され、バイパス通路１２ｃを介してダクト１１と連結している。
図２８は紙幣投入装置２１の内部構造を示す概略図である。
なお、ダクト１１の一方の端部（図２４の右端）に連続して紙幣収容室１４が配置されているため、第二送風機１２ｂは紙幣収容室１４に隣接して配置され、バイパス通路１２ｃを介してダクト１１と連結している。
図２８は紙幣投入装置２１の内部構造を示す概略図である。
【0007】
図２８に示すように、紙幣投入装置２１は、ローラーユニット２１ｂと、ダクト１１に対して斜めの方向に延びる搬送路２１ｃと、を備えている。
紙幣投入装置２１の紙幣投入口２１ａから投入された紙幣はローラーユニット２１ｂにより搬送され、真贋や額面などの検査を経て、搬送路２１ｃを介して、ダクト１１の内部に投入される。
図２９は、ダクト１１内においてキャリア１０を所定の位置（具体的には、ダクト１１の両端の近傍）で停止させるストッパー１３ａ及び１３ｂを示す。
ストッパー１３ａ及び１３ｂは、ダクト１１の内部に延びるフック状の部材からなる。キャリア１０の第一ウィング１０ｂがストッパー１３ａに引っ掛かることによって、キャリア１０は紙幣収容室１４の手前で停止する。また、キャリア１０の第二ウィング１０ｃがストッパー１３ｂに引っ掛かることによって、キャリア１０は第一送風機１２ａの手前で停止する。
紙幣投入装置２１の紙幣投入口２１ａから投入された紙幣はローラーユニット２１ｂにより搬送され、真贋や額面などの検査を経て、搬送路２１ｃを介して、ダクト１１の内部に投入される。
図２９は、ダクト１１内においてキャリア１０を所定の位置（具体的には、ダクト１１の両端の近傍）で停止させるストッパー１３ａ及び１３ｂを示す。
ストッパー１３ａ及び１３ｂは、ダクト１１の内部に延びるフック状の部材からなる。キャリア１０の第一ウィング１０ｂがストッパー１３ａに引っ掛かることによって、キャリア１０は紙幣収容室１４の手前で停止する。また、キャリア１０の第二ウィング１０ｃがストッパー１３ｂに引っ掛かることによって、キャリア１０は第一送風機１２ａの手前で停止する。
【0008】
上記の構造を有する紙葉類搬送装置は以下のように作動する。
パチンコ台２０の顧客が紙幣投入装置２１の紙幣投入口２１ａに紙幣を投入すると、紙幣はローラーユニット２１ｂにより搬送され、搬送路２１ｃを介して、ダクト１１のスリット１１ｂからダクト１１の内部に投入される。
紙幣投入装置２１には紙幣感知センサー（図示せず）が設けられており、紙幣がダクト１１の内部に投入されると、紙幣感知センサーは紙幣投入を示す紙幣投入信号を中央制御装置（図示せず）に送信する。
パチンコ台２０の顧客が紙幣投入装置２１の紙幣投入口２１ａに紙幣を投入すると、紙幣はローラーユニット２１ｂにより搬送され、搬送路２１ｃを介して、ダクト１１のスリット１１ｂからダクト１１の内部に投入される。
紙幣投入装置２１には紙幣感知センサー（図示せず）が設けられており、紙幣がダクト１１の内部に投入されると、紙幣感知センサーは紙幣投入を示す紙幣投入信号を中央制御装置（図示せず）に送信する。
【0009】
紙幣投入信号を受信した中央制御装置は第一送風機１２ａを作動させる。第一送風機１２ａが作動を開始すると、ダクト１１の内部には紙幣収容室１４に向う方向（方向Ｘ１）の空気流（風）が発生する。キャリア１０は、第二ウィング１０ｃがこの空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室１４に向う方向（方向Ｘ１）に走行する。キャリア１０は、紙幣収容室１４に到達するまでの間に、ダクト１１に投入された紙幣を第一ウィング１０ｂで捕捉する。紙幣を捕捉したキャリア１０は捕捉した紙幣を押した状態を維持しながら紙幣収容室１４に向う方向（方向Ｘ１）に走行を続け、次いで、ストッパー１３ａにより停止させられる。キャリア１０が停止することにより、紙幣は慣性力の作用を受けキャリア１０から離れ、紙幣収容室１４に収容される。
紙幣は、その紙面がキャリア１０の走行方向（ダクト１１の長さ方向）と平行であり、かつ、その短辺がキャリア１０の中心軸１０ａと平行になる姿勢を維持してキャリア１０により搬送される。
紙幣は、その紙面がキャリア１０の走行方向（ダクト１１の長さ方向）と平行であり、かつ、その短辺がキャリア１０の中心軸１０ａと平行になる姿勢を維持してキャリア１０により搬送される。
【0010】
ストッパー１３ａの近傍にはキャリア１０を検知するセンサー（図示せず）が配置されており、キャリア１０がストッパー１３ａによって停止すると、センサーは、キャリア１０がストッパー１３ａによって停止したことを示すキャリア停止信号を中央制御装置に送信する。
キャリア停止信号を受信した中央制御装置は第一送風機１２ａの作動を停止するとともに、キャリア１０がストッパー１３ａによって停止してから所定の時間（紙幣が紙幣収容室１４に収容されるのに必要な時間）が経過したときに、第二送風機１２ｂを作動させる。
第二送風機１２ｂが作動を開始すると、ダクト１１の内部には紙幣収容室１４から離れる方向（方向Ｘ２）の空気流（風）が発生する。キャリア１０は、第一ウィング１０ｂがこの空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室１４から離れる方向（方向Ｘ２）に走行する。
その後、キャリア１０はストッパー１３ｂに引っ掛かり、停止する。このようにして、キャリア１０は当初の位置に復帰する。
以上の動作が、紙幣が紙幣投入装置２１に投入されてから、紙幣収容室１４に収容されるまでの１サイクルの動作である。
キャリア停止信号を受信した中央制御装置は第一送風機１２ａの作動を停止するとともに、キャリア１０がストッパー１３ａによって停止してから所定の時間（紙幣が紙幣収容室１４に収容されるのに必要な時間）が経過したときに、第二送風機１２ｂを作動させる。
第二送風機１２ｂが作動を開始すると、ダクト１１の内部には紙幣収容室１４から離れる方向（方向Ｘ２）の空気流（風）が発生する。キャリア１０は、第一ウィング１０ｂがこの空気流による風圧を受けることにより、紙幣収容室１４から離れる方向（方向Ｘ２）に走行する。
その後、キャリア１０はストッパー１３ｂに引っ掛かり、停止する。このようにして、キャリア１０は当初の位置に復帰する。
以上の動作が、紙幣が紙幣投入装置２１に投入されてから、紙幣収容室１４に収容されるまでの１サイクルの動作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開２０１６－１６００３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の従来の紙葉類搬送装置においては、紙幣は一旦キャリア１０に捕捉されると紙幣収容室１４までは停止することはない。
このため、紙幣収容室１４に紙幣受け入れが不可能となるようなトラブル（例えば、紙幣収容室１４が紙幣で満杯である場合、紙幣収容室１４に紙幣詰まりが起きている場合、紙幣収容室１４までの途中のダクト１１で紙幣詰まりが生じている場合など）が生じていても紙幣収容室１４までの途中のダクト１１で紙幣を停止させることは不可能であった。
第一送風機１２ａを停止させれば、キャリア１０を止めることは可能であるが、紙幣がダクト１１の中に残ってしまうという新たな問題の原因となる。
本発明は以上のような従来の紙葉類搬送装置における問題点に鑑みてなされたものであり、紙幣収容室１４が紙幣受け入れ不可能の事態に陥っても、紙幣収容室１４への紙幣の搬送を回避することが可能な紙葉類搬送装置を提供することを目的とする。
このため、紙幣収容室１４に紙幣受け入れが不可能となるようなトラブル（例えば、紙幣収容室１４が紙幣で満杯である場合、紙幣収容室１４に紙幣詰まりが起きている場合、紙幣収容室１４までの途中のダクト１１で紙幣詰まりが生じている場合など）が生じていても紙幣収容室１４までの途中のダクト１１で紙幣を停止させることは不可能であった。
第一送風機１２ａを停止させれば、キャリア１０を止めることは可能であるが、紙幣がダクト１１の中に残ってしまうという新たな問題の原因となる。
本発明は以上のような従来の紙葉類搬送装置における問題点に鑑みてなされたものであり、紙幣収容室１４が紙幣受け入れ不可能の事態に陥っても、紙幣収容室１４への紙幣の搬送を回避することが可能な紙葉類搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は、ダクトと、前記ダクト内を走行するキャリアと、前記ダクト内において一方向に空気流を発生させる第一送風機と、前記ダクト内において前記一方向とは逆の方向に空気流を発生させる第二送風機と、前記ダクトの終端に配置された紙葉類収容室と、を備え、前記第一送風機が前記ダクト内に発生させた空気流により前記ダクト内において前記キャリアを走行させ、前記ダクト内に投入された紙葉類を前記紙葉類収容室に前記キャリアを介して搬送する紙葉類搬送装置において、前記紙葉類を収容する第二紙葉類収容室をさらに備えており、前記第二紙葉類収容室は前記紙葉類収容室に至る前記ダクトの途中において前記ダクトに隣接して配置されており、前記ダクトは、前記ダクトの一部として、前記ダクトに対して開閉自在な開閉セクションを備えており、前記紙葉類は開いた状態の前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出て、前記第二紙葉類収容室に収容されることを特徴とする紙葉類搬送装置を提供する。
【0014】
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第二紙葉類収容室は、前記紙葉類を収容する紙葉類収容装置と、前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出てきた前記紙葉類を受け入れ、前記紙葉類を前記紙葉類収容装置までガイドする紙葉類ガイドと、を備えることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記紙葉類ガイドは半円形状の第一部分を有しており、前記第一部分は一端側において開口しており、前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出てきた前記紙葉類は前記第一部分の前記一端側から前記紙葉類ガイドの内部に進入することが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第一部分は前記一端側から他端側に向かって断面積が徐々に小さくなるものであることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記紙葉類ガイドは直線形状の第二部分を有しており、前記第二部分は前記第一部分の他端側において前記第一部分と連結されており、前記紙葉類ガイドの内部に進入した前記紙葉類は前記第二部分において停止した後に前記紙葉類収容装置に収容されるものであることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記紙葉類ガイドは半円形状の第一部分を有しており、前記第一部分は一端側において開口しており、前記開閉セクションから前記ダクトの外部に出てきた前記紙葉類は前記第一部分の前記一端側から前記紙葉類ガイドの内部に進入することが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第一部分は前記一端側から他端側に向かって断面積が徐々に小さくなるものであることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記紙葉類ガイドは直線形状の第二部分を有しており、前記第二部分は前記第一部分の他端側において前記第一部分と連結されており、前記紙葉類ガイドの内部に進入した前記紙葉類は前記第二部分において停止した後に前記紙葉類収容装置に収容されるものであることが好ましい。
【0015】
上記の紙葉類搬送装置においては、前記紙葉類収容装置は、前記第二部分の一方の側に配置された紙葉類収容ボックスと、前記第二部分の他方の側に配置された紙葉類押し込み手段と、からなり、前記第二部分において停止した前記紙葉類は前記紙葉類押し込み手段によって前記紙葉類収容ボックスに押し入れられることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第二部分は前記紙葉類が送られてくる方向に延びる一対のプレートを有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記一対のプレートの間隔は同方向における前記紙葉類の長さより小さく、紙葉類押し込み手段は前記紙葉類収容ボックスの内部に進入可能な突出部を有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記突出部の長さは前記一対のプレートの間を通過可能である長さであることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第二部分は前記紙葉類が送られてくる方向に延びる一対のプレートを有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記一対のプレートの間隔は同方向における前記紙葉類の長さより小さく、紙葉類押し込み手段は前記紙葉類収容ボックスの内部に進入可能な突出部を有しており、前記紙葉類が送られてくる方向と直交する方向における前記突出部の長さは前記一対のプレートの間を通過可能である長さであることが好ましい。
【0016】
上記の紙葉類搬送装置においては、前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されていることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されており、前記第一部分は前記第一ダクト部分が延びる方向において開口していることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第一ダクト部分は水平方向に延び、前記第二ダクト部分は鉛直方向に延びており、前記紙葉類ガイドの前記第一部分は直立しており、前記第二部分は前記第一ダクト部分に平行に延びるものであることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記ダクトは、一方向に延びる第一ダクト部分と、前記一方向とは別方向に延びる第二ダクト部分と、前記第一ダクト部分と前記第二ダクト部分と結合しているカーブ部分と、を有しており、前記開閉セクションは前記カーブ部分の一部として形成されており、前記第一部分は前記第一ダクト部分が延びる方向において開口していることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記第一ダクト部分は水平方向に延び、前記第二ダクト部分は鉛直方向に延びており、前記紙葉類ガイドの前記第一部分は直立しており、前記第二部分は前記第一ダクト部分に平行に延びるものであることが好ましい。
【0017】
上記の紙葉類搬送装置においては、前記ダクトは水平方向に延びるものであり、前記第二紙葉類収容室は、前記ダクトに対向する位置と、前記ダクトの下方に下降している位置との間を上下動可能であることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記開閉セクションを開閉させる駆動手段を備えることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記開閉セクションは、一端において回動自在に前記ダクトに接続され、他端においてソレノイドを介して前記ダクトに係止され、前記ソレノイドが通電されると前記ダクトに対する前記開閉セクションの係止が解除され、前記開閉セクションは前記一端を中心として自重により回動することが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記開閉セクションを開閉させる駆動手段を備えることが好ましい。
上記の紙葉類搬送装置においては、前記開閉セクションは、一端において回動自在に前記ダクトに接続され、他端においてソレノイドを介して前記ダクトに係止され、前記ソレノイドが通電されると前記ダクトに対する前記開閉セクションの係止が解除され、前記開閉セクションは前記一端を中心として自重により回動することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る紙幣搬送装置によれば、紙幣収容室１４やダクト１１に紙幣詰まりなどのトラブルが発生し、このために紙幣収容室１４が紙幣受け入れ不可能の事態に陥ったとしても、紙幣収容室１４に代えて一時的に第二紙幣収容室に紙幣を搬送することが可能である。第二紙幣収容室に紙幣を受け入れている間にトラブルを解消することによって、ダクト内の紙幣の搬送を止めることなく、紙幣投入装置２１から紙幣を連続的に受け入れて紙幣の搬送を継続することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置の斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置において用いられるキャリアを正面側から見たときの斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置において用いられるダクトの斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置におけるキャリア、紙幣及びダクトの相互の位置関係を示す斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置におけるキャリア、紙幣及びダクトの相互の位置関係を示す斜視図である。
【0020】
【図7】本発明の第一の実施形態に係る紙葉類搬送装置における第二紙幣収容室の斜視図である。
【図11】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置に用いられるダクトの構造及びダクトと第二紙幣収容室との位置関係を示す断面図である。
【図12】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置に用いられるダクトの構造及びダクトと第二紙幣収容室との位置関係を示す断面図である。
【0021】
【0022】
【図19】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置における第二紙幣収容室の動作を示す断面図である。
【図20】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置における第二紙幣収容室の動作を示す断面図である。
【図21】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置における第二紙幣収容室の動作を示す断面図である。
【図22】本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置における第二紙幣収容室の動作を示す断面図である。
【図23】本発明の第三の実施形態に係る紙幣搬送装置の部分的な断面図である。
【0023】
【図24】従来の紙葉類搬送装置が使用される周囲の環境を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
（第一の実施形態）
図１は本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置１００の斜視図である。
パチンコ台２０の横に設置された紙幣投入装置２１に投入された紙幣はダクト１２０内を搬送され、紙幣収容室１４に収容される。
図２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００において用いられるキャリア１１０を正面側から見たときの斜視図、図３はキャリア１１０を背面側から見たときの斜視図である。
図２及び図３に示すように、キャリア１１０は「砲弾」型をなしており、具体的には、円柱形状の本体部分１１０ａと、本体部分１１０ａの背面側に本体部分１１０ａと連続して形成された半球形状の後方部分１１０ｂと、から構成されている。
キャリア１１０は軽量化を図るために中空構造とされている。
図１は本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置１００の斜視図である。
パチンコ台２０の横に設置された紙幣投入装置２１に投入された紙幣はダクト１２０内を搬送され、紙幣収容室１４に収容される。
図２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００において用いられるキャリア１１０を正面側から見たときの斜視図、図３はキャリア１１０を背面側から見たときの斜視図である。
図２及び図３に示すように、キャリア１１０は「砲弾」型をなしており、具体的には、円柱形状の本体部分１１０ａと、本体部分１１０ａの背面側に本体部分１１０ａと連続して形成された半球形状の後方部分１１０ｂと、から構成されている。
キャリア１１０は軽量化を図るために中空構造とされている。
【0025】
キャリア１１０は本体部分１１０ａの前面１１０ｃにおいて紙幣を押して紙幣を搬送する。本体部分１１０ａの前面１１０ｃには円周に沿って同一形状の複数個の突起１１０ｄが等間隔に形成されている。相互に隣接する２個の突起１１０ｄの間に紙幣を挟み込み、紙幣を保持するようになっている。突起１１０ｄは、例えば、半球形状をなしている。
キャリア１１０の本体部分１１０ａの中心軸方向における長さは可能な限り短く設定されている。本体部分１１０ａの長さを短くすることにより、カーブしているダクトをスムーズに曲がることが可能になる。
キャリア１１０は後方部分１１０ｂにおいて第一送風機１２ａからの空気流（風）を受けることにより前進する。
キャリア１１０の本体部分１１０ａの中心軸方向における長さは可能な限り短く設定されている。本体部分１１０ａの長さを短くすることにより、カーブしているダクトをスムーズに曲がることが可能になる。
キャリア１１０は後方部分１１０ｂにおいて第一送風機１２ａからの空気流（風）を受けることにより前進する。
【0026】
図４は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００において用いられるダクト１２０の斜視図である。図５及び図６はキャリア１１０、紙幣５０及びダクト１２０の相互の位置関係を示す斜視図である。
ダクト１２０は、図４に示すように、第一領域１２０ａと第二領域１２０ｂとから構成されている。
第一領域１２０ａは上下に長い長方形の形状をなしており、その高さは、紙幣５０が短辺５０ａ及び長辺５０ｂを有しているとすると（図５参照）、紙幣５０の短辺５０ａが通過できる高さである。
第二領域１２０ｂは円形の縦断面を有しており、キャリア１１０が通過できるような大きさ（半径）に設定されている。
第一領域１２０ａと第二領域１２０ｂとは部分的に重なり合っており、第一領域１２０ａが第二領域１２０ｂの中心を通り、第二領域１２０ｂから上下の方向に突出している。
ダクト１２０は、図４に示すように、第一領域１２０ａと第二領域１２０ｂとから構成されている。
第一領域１２０ａは上下に長い長方形の形状をなしており、その高さは、紙幣５０が短辺５０ａ及び長辺５０ｂを有しているとすると（図５参照）、紙幣５０の短辺５０ａが通過できる高さである。
第二領域１２０ｂは円形の縦断面を有しており、キャリア１１０が通過できるような大きさ（半径）に設定されている。
第一領域１２０ａと第二領域１２０ｂとは部分的に重なり合っており、第一領域１２０ａが第二領域１２０ｂの中心を通り、第二領域１２０ｂから上下の方向に突出している。
【0027】
図５及び図６に示すように、キャリア１１０はその前面１１０ｃにおいて紙幣５０の短辺５０ａを押し、ダクト１２０の内部において紙幣５０を搬送する。紙幣５０はダクト１２０の第一領域１２０ａを通過し、キャリア１１０はダクト１２０の第二領域１２０ｂを通過する。
このように、第一領域１２０ａは紙幣５０のみが通過可能であり、キャリア１１０は第一領域１２０ａを通過することはできない（正確には、キャリア１１０は第二領域１２０ｂから上下の方向に突出している第一領域１２０ａの部分を通過することはできない）。
図１に示すように、本実施形態に係る紙幣搬送装置１００は紙幣収容室１４に至るダクト１２０の途中においてダクト１２０に隣接して配置されている第二紙幣収容室１３０を備えている。
このように、第一領域１２０ａは紙幣５０のみが通過可能であり、キャリア１１０は第一領域１２０ａを通過することはできない（正確には、キャリア１１０は第二領域１２０ｂから上下の方向に突出している第一領域１２０ａの部分を通過することはできない）。
図１に示すように、本実施形態に係る紙幣搬送装置１００は紙幣収容室１４に至るダクト１２０の途中においてダクト１２０に隣接して配置されている第二紙幣収容室１３０を備えている。
【0028】
図７は第二紙幣収容室１３０の斜視図、図８（Ａ）は第二紙幣収容室１３０の側面図、図８（Ｂ）は第二紙幣収容室１３０の正面図、図８（Ｃ）は図８（Ａ）のＡ－Ａ線における断面図、図８（Ｄ）は第二紙幣収容室１３０の平面図、図９は第二紙幣収容室１３０の分解斜視図である。
図１１及び図１２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００に用いられるダクト１２０の構造及びダクト１２０と第二紙幣収容室１３０との位置関係を示す断面図である。
ダクト１２０は、図１１及び図１２に示すように、水平方向に延びる第一ダクト部分１２０Ａと、鉛直方向に延びる第二ダクト部分１２０Ｂと、第一ダクト部分１２０Ａと第二ダクト部分１２０Ｂと結合しているカーブ部分１２０Ｃと、を有している。
図１１及び図１２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００に用いられるダクト１２０の構造及びダクト１２０と第二紙幣収容室１３０との位置関係を示す断面図である。
ダクト１２０は、図１１及び図１２に示すように、水平方向に延びる第一ダクト部分１２０Ａと、鉛直方向に延びる第二ダクト部分１２０Ｂと、第一ダクト部分１２０Ａと第二ダクト部分１２０Ｂと結合しているカーブ部分１２０Ｃと、を有している。
【0029】
カーブ部分１２０Ｃの少なくとも一部はダクト１２０に対して取り外し可能に形成されており、この取り外し可能な部分がダクト１２０に対して開閉可能な開閉セクション１２０Ｄとして構成されている。
図１２に示すように、開閉セクション１２０Ｄはヒンジ機構１２１を介してダクト１２０に取り付けられており、回転軸１２２を中心として回動可能に構成されている。開閉セクション１２０Ｄは、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂと結合し、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂを相互に連通させる第一位置（図１１に示す位置）と、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂの双方と連通せず、ダクト１２０が本来延びる方向から外れる第二位置（図１２に示す位置）との間を回動する。
開閉セクション１２０Ｄは第一位置においては留め具１２３を介して先端がカーブ部分１２０Ｃに係止される（カーブ部分１２０Ｃの全部が開閉セクション１２０Ｄとして構成されている場合には第二ダクト部分１２０Ｂに係止される）。第二位置は回転軸１２２を中心として開閉セクション１２０Ｄが第一位置から約９０度回転した位置である。
図１２に示すように、開閉セクション１２０Ｄはヒンジ機構１２１を介してダクト１２０に取り付けられており、回転軸１２２を中心として回動可能に構成されている。開閉セクション１２０Ｄは、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂと結合し、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂを相互に連通させる第一位置（図１１に示す位置）と、第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂの双方と連通せず、ダクト１２０が本来延びる方向から外れる第二位置（図１２に示す位置）との間を回動する。
開閉セクション１２０Ｄは第一位置においては留め具１２３を介して先端がカーブ部分１２０Ｃに係止される（カーブ部分１２０Ｃの全部が開閉セクション１２０Ｄとして構成されている場合には第二ダクト部分１２０Ｂに係止される）。第二位置は回転軸１２２を中心として開閉セクション１２０Ｄが第一位置から約９０度回転した位置である。
【0030】
図７乃至図９に示すように、第二紙幣収容室１３０は、紙幣ガイド１４０と、紙幣収容装置１５０と、を備えている。
図９に示すように、紙幣ガイド１４０は、半円に近い形状の第一部分１４１と、第一部分１４１の一端（図９の下端）から直線状に延びる第二部分１４２と、を備えている。
図１０は紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の斜視図である。
第一部分１４１は半円に近い形状のダクトであり、第一部分１４１の一端、（具体的には、第一部分１４１の上端を含むほぼ上半分）には開口１４１Ａが形成されており、さらに、第一部分１４１の他端（具体的には、第一部分１４１の下端）にも開口１４１Ｂが形成されている。
図９に示すように、紙幣ガイド１４０は、半円に近い形状の第一部分１４１と、第一部分１４１の一端（図９の下端）から直線状に延びる第二部分１４２と、を備えている。
図１０は紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の斜視図である。
第一部分１４１は半円に近い形状のダクトであり、第一部分１４１の一端、（具体的には、第一部分１４１の上端を含むほぼ上半分）には開口１４１Ａが形成されており、さらに、第一部分１４１の他端（具体的には、第一部分１４１の下端）にも開口１４１Ｂが形成されている。
【0031】
さらに、図８（Ａ）に最もよく示されるように、第一部分１４１はその上端側から下端側に向かって断面積が徐々に小さくなるように設定されている。例えば、下端側の開口１４１Ｂの面積は上端側の開口１４１Ａの面積の約１／４である。
紙幣ガイド１４０の第二部分１４２は、図９に示すように、同一方向に相互に平行に延びる一対のバー１４２Ａと、一対のバー１４２Ａの各々の一端を連結する板状の連結部材１４２Ｂと、一対の延長プレート１４２Ｄと、から構成されている。
一対のバー１４２Ａの各々は他端において第一部分１４１の下端と結合されている。
一対の延長プレート１４２Ｄの各々は矩形状であり、一対のバー１４２Ａの各々の底面からは内側に向かって（対向するバー１４２Ａに向かって）それぞれ延びている。
紙幣ガイド１４０の第二部分１４２は、図９に示すように、同一方向に相互に平行に延びる一対のバー１４２Ａと、一対のバー１４２Ａの各々の一端を連結する板状の連結部材１４２Ｂと、一対の延長プレート１４２Ｄと、から構成されている。
一対のバー１４２Ａの各々は他端において第一部分１４１の下端と結合されている。
一対の延長プレート１４２Ｄの各々は矩形状であり、一対のバー１４２Ａの各々の底面からは内側に向かって（対向するバー１４２Ａに向かって）それぞれ延びている。
【0032】
一対の延長プレート１４２Ｄの間に形成されている開口部分１４２Ｃが第一部分１４１の開口１４１Ｂと連通している。
紙幣５０が送られてくる方向（一対のバー１４２Ａが延びる方向）における各延長プレート１４２Ｄの長さをＬａとすると、長さＬａは紙幣５０の長辺５０ｂ（図５参照）よりも大きく設定されている。一対の延長プレート１４２Ｄの間隔をＬｂとすると、長さＬｂは紙幣５０の短辺５０ａよりも小さく設定されている。
以上のように、紙幣ガイド１４０の第一部分１４１は直立しており、第二部分１４２は第一ダクト部分１２０Ａに平行に延びている。紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａは第一ダクト部分１２０Ａが延びる方向において開口している。
紙幣５０が送られてくる方向（一対のバー１４２Ａが延びる方向）における各延長プレート１４２Ｄの長さをＬａとすると、長さＬａは紙幣５０の長辺５０ｂ（図５参照）よりも大きく設定されている。一対の延長プレート１４２Ｄの間隔をＬｂとすると、長さＬｂは紙幣５０の短辺５０ａよりも小さく設定されている。
以上のように、紙幣ガイド１４０の第一部分１４１は直立しており、第二部分１４２は第一ダクト部分１２０Ａに平行に延びている。紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａは第一ダクト部分１２０Ａが延びる方向において開口している。
【0033】
紙幣収容装置１５０は、紙幣ガイド１４０の第二部分１４２の上方に配置された紙幣押し入れユニット１６０と、紙幣ガイド１４０の第二部分１４２の下方に配置された紙幣収容体１７０と、を備えている。
後述するように、紙幣ガイド１４０の第一部分１４１を通過してきた紙幣５０は一対の延長プレート１４２Ｄ上に停止し、紙幣押し入れユニット１６０によって上方から紙幣収容体１７０の内部に押し込まれる。
図９に示すように、紙幣押し入れユニット１６０は、上下が開口している横断面が矩形状の可動体１６１と、円板１６２と、突起１６３と、円板１６２を回転させるモーター１６４と、下方が開口しているボックス１６５と、を備えている。
円板１６２はその面が鉛直面内にあるようにボックス１６５の内部に取り付けられている。モーター１６４はボックス１６５の内部に固定されており、その出力軸は円板１６２の中心に結合されている。円板１６２はモーター１６４により駆動され、一方向に回転する。
後述するように、紙幣ガイド１４０の第一部分１４１を通過してきた紙幣５０は一対の延長プレート１４２Ｄ上に停止し、紙幣押し入れユニット１６０によって上方から紙幣収容体１７０の内部に押し込まれる。
図９に示すように、紙幣押し入れユニット１６０は、上下が開口している横断面が矩形状の可動体１６１と、円板１６２と、突起１６３と、円板１６２を回転させるモーター１６４と、下方が開口しているボックス１６５と、を備えている。
円板１６２はその面が鉛直面内にあるようにボックス１６５の内部に取り付けられている。モーター１６４はボックス１６５の内部に固定されており、その出力軸は円板１６２の中心に結合されている。円板１６２はモーター１６４により駆動され、一方向に回転する。
【0034】
突起１６３はその中心軸が水平方向を向くように円板１６２の任意の位置（中心を除く）に取り付けられている。
可動体１６１は下方に突出している直方体形状の突出部１６１Ａを有している。突出部１６１Ａは一定の幅（一対のバー１４２Ａが延びる方向と直交する方向における長さ）Ｗａを有している。
突出部１６１Ａの下方には紙幣押さえ板１６１Ｂが取り付けられている。図９に示すように、紙幣押さえ板１６１Ｂの一部は突出部１６１Ａから前方に（紙幣ガイド１４０に向かって）飛び出ている。紙幣押さえ板１６１Ｂは突出部１６１Ａと同じ幅Ｗａを有している。
可動体１６１は下方に突出している直方体形状の突出部１６１Ａを有している。突出部１６１Ａは一定の幅（一対のバー１４２Ａが延びる方向と直交する方向における長さ）Ｗａを有している。
突出部１６１Ａの下方には紙幣押さえ板１６１Ｂが取り付けられている。図９に示すように、紙幣押さえ板１６１Ｂの一部は突出部１６１Ａから前方に（紙幣ガイド１４０に向かって）飛び出ている。紙幣押さえ板１６１Ｂは突出部１６１Ａと同じ幅Ｗａを有している。
【0035】
可動体１６１の突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂは紙幣ガイド１４０の第二部分１４２の開口部分１４２Ｃの内部に進入可能な大きさを有している。すなわち、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂの幅Ｗａは一対の延長プレート１４２Ｄの間の間隔Ｌｂより小さく、かつ、紙幣押さえ板１６１Ｂの先端から突出部１６１Ａの後端までの長さＷｂは一対の延長プレート１４２Ｄ（または、一対のバー１４２Ａ）の長さＬａより小さく設定されている。
可動体１６１の内部に取り付けられている鉛直板には長孔形状のスリット１６１Ｃが形成されている。スリット１６１Ｃは突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂの幅Ｗａと同じ方向に延びている。
可動体１６１はボックス１６５の内部を上下方向にスライド可能である。突起１６３はスリット１６１Ｃに篏合しており、円板１６２が回転すると、突起１６３がスリット１６１Ｃ内を往復運動しつつ、可動体１６１はボックス１６５の内部を上下方向にスライドする。
可動体１６１の内部に取り付けられている鉛直板には長孔形状のスリット１６１Ｃが形成されている。スリット１６１Ｃは突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂの幅Ｗａと同じ方向に延びている。
可動体１６１はボックス１６５の内部を上下方向にスライド可能である。突起１６３はスリット１６１Ｃに篏合しており、円板１６２が回転すると、突起１６３がスリット１６１Ｃ内を往復運動しつつ、可動体１６１はボックス１６５の内部を上下方向にスライドする。
【0036】
図９に示すように、紙幣収容体１７０は、紙幣載置プレート１７１と、弾性体１７２と、紙幣載置プレート１７１を収容する紙幣ケース１７３と、紙幣収容枚数検出センサー１７４と、を備えている。
図９に示すように、紙幣ケース１７３は直方体形状をなしており、上方が開口している。紙幣載置プレート１７１は紙幣ケース１７３の内部を上下方向にスライド可能であるような大きさに設定されている。紙幣ケース１７３の両側面には上下方向に長い長孔形状のスリット１７３Ａが形成されており、紙幣載置プレート１７１はピン１７１Ａを介してスリット１７３Ａに係止されており、スリット１７３Ａに沿ってスライド可能である。
図９に示すように、紙幣ケース１７３は直方体形状をなしており、上方が開口している。紙幣載置プレート１７１は紙幣ケース１７３の内部を上下方向にスライド可能であるような大きさに設定されている。紙幣ケース１７３の両側面には上下方向に長い長孔形状のスリット１７３Ａが形成されており、紙幣載置プレート１７１はピン１７１Ａを介してスリット１７３Ａに係止されており、スリット１７３Ａに沿ってスライド可能である。
【0037】
弾性体１７２は圧縮バネからなり、紙幣載置プレート１７１の紙幣載置面１７１Ｂの裏面と紙幣ケース１７３の底面との間に挟み込まれている。弾性体１７２は紙幣載置プレート１７１に対して上向きの弾性力を作用させる。
紙幣収容枚数検出センサー１７４は紙幣ケース１７３の底面に直立しており、紙幣載置プレート１７１の紙幣載置面１７１Ｂの裏面が紙幣収容枚数検出センサー１７４の先端に接触すると、紙幣収容枚数検出センサー１７４は、紙幣ケース１７３の内部に収容された紙幣５０の枚数が収容可能枚数の上限に達したことを知らせる紙幣収容完了信号を中央制御装置（図示せず）に送信する。
図１３乃至図２２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００における第二紙幣収容室１３０の動作を示す断面図である。図１５乃至図１８において、各図（Ｂ）は各図（Ａ）のＡ－Ａ線における断面図である。
紙幣収容枚数検出センサー１７４は紙幣ケース１７３の底面に直立しており、紙幣載置プレート１７１の紙幣載置面１７１Ｂの裏面が紙幣収容枚数検出センサー１７４の先端に接触すると、紙幣収容枚数検出センサー１７４は、紙幣ケース１７３の内部に収容された紙幣５０の枚数が収容可能枚数の上限に達したことを知らせる紙幣収容完了信号を中央制御装置（図示せず）に送信する。
図１３乃至図２２は本実施形態に係る紙幣搬送装置１００における第二紙幣収容室１３０の動作を示す断面図である。図１５乃至図１８において、各図（Ｂ）は各図（Ａ）のＡ－Ａ線における断面図である。
【0038】
紙幣搬送装置１００に紙幣搬送に関するトラブルが発生していないときには、図１１に示すように、開閉セクション１２０Ｄは第一ダクト部分１２０Ａ及び第二ダクト部分１２０Ｂを相互に連通させる第一位置にあり、紙幣５０はダクト１２０の内部を連続的に紙幣収容室１４まで搬送される。
ダクト１２０の内部における紙幣５０の連続的搬送が不可能になった場合、例えば、紙幣収容室１４に収容された紙幣５０が満杯になり、これ以上の紙幣５０の収容が不可能になった場合、紙幣収容室１４において紙幣詰まりのトラブルが発生した場合、ダクト１２０の内部で紙幣詰まりその他の紙幣搬送に支障をきたすトラブルが発生した場合には、図１３に示すように、開閉セクション１２０Ｄを手動で第一位置から第二位置（図１３に示す位置）に回動させる。
ダクト１２０の内部における紙幣５０の連続的搬送が不可能になった場合、例えば、紙幣収容室１４に収容された紙幣５０が満杯になり、これ以上の紙幣５０の収容が不可能になった場合、紙幣収容室１４において紙幣詰まりのトラブルが発生した場合、ダクト１２０の内部で紙幣詰まりその他の紙幣搬送に支障をきたすトラブルが発生した場合には、図１３に示すように、開閉セクション１２０Ｄを手動で第一位置から第二位置（図１３に示す位置）に回動させる。
【0039】
開閉セクション１２０Ｄが第二位置（図１３に示す位置）に移行すると、図１３に示すように、ダクト１２０を搬送されてきた紙幣５０は第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出される。
紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａは第一ダクト部分１２０Ａに向かって開いているので、第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出された紙幣５０はそれまでの搬送による慣性力の作用によって第一部分１４１の開口１４１Ａに飛び込む。
この後、図１４に示すように、紙幣５０は紙幣ガイド１４０の第一部分１４１を表面と裏面とが反転した状態で通過し、第二部分１４２に送られる。
図１４に示すように、紙幣載置プレート１７１は一対のバー１４２Ａに当たって止まっており、一対のバー１４２Ａの直下に位置している。第二部分１４２に送られた紙幣５０は一対の延長プレート１４２Ｄ上を滑って行き、図１５（Ａ）に示すように、ボックス１６５の内壁に当たって停止する。
紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａは第一ダクト部分１２０Ａに向かって開いているので、第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出された紙幣５０はそれまでの搬送による慣性力の作用によって第一部分１４１の開口１４１Ａに飛び込む。
この後、図１４に示すように、紙幣５０は紙幣ガイド１４０の第一部分１４１を表面と裏面とが反転した状態で通過し、第二部分１４２に送られる。
図１４に示すように、紙幣載置プレート１７１は一対のバー１４２Ａに当たって止まっており、一対のバー１４２Ａの直下に位置している。第二部分１４２に送られた紙幣５０は一対の延長プレート１４２Ｄ上を滑って行き、図１５（Ａ）に示すように、ボックス１６５の内壁に当たって停止する。
【0040】
紙幣５０が一対の延長プレート１４２ＤＡ上で停止したことをセンサー（図示せず）が検知すると、センサーは検知信号を中央制御装置に送信する。この検知信号を受信した中央制御装置はモーター１６４を作動させる。
モーター１６４が作動すると、円板１６２が９０度回転し、突起１６３がスリット１６１Ｃの内部を中央（図１５（Ｂ）参照）から右端（図１６（Ｂ）参照）に移動するとともに、可動体１６１が下降する。すなわち、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂが下降し、図１６に示すように、紙幣３０を一対の延長プレート１４２Ｄに対して押さえ付ける。
モーター１６４が作動すると、円板１６２が９０度回転し、突起１６３がスリット１６１Ｃの内部を中央（図１５（Ｂ）参照）から右端（図１６（Ｂ）参照）に移動するとともに、可動体１６１が下降する。すなわち、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂが下降し、図１６に示すように、紙幣３０を一対の延長プレート１４２Ｄに対して押さえ付ける。
【0041】
突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂの幅Ｗａは一対の延長プレート１４２Ｄの間の間隔Ｌｂより小さく設定されている。このため、図１６（Ｂ）に示すように、紙幣５０の長辺５０ｂの両側は一対の延長プレート１４２Ｄ上に残ったまま、紙幣５０の残りの中央部分が突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂによって一対の延長プレート１４２Ｄを下に越えて弾性体１７２の弾性力に抗して紙幣ケース１７３の内部に押し込まれることとなる。
円板１６２がさらに９０度回転し（図１７（Ｂ）に示すように、突起１６３はスリット１６１Ｃの右端から中央に移動する）、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂがさらに下降すると、図１７（Ｂ）に示すように、紙幣５０の長辺５０ｂの両側が折れ曲がった状態のまま紙幣５０の全体が一対の延長プレート１４２Ｄを下に越えて弾性体１７２の弾性力に抗して紙幣ケース１７３の内部に押し込まれることとなる。
円板１６２がさらに９０度回転し（図１７（Ｂ）に示すように、突起１６３はスリット１６１Ｃの右端から中央に移動する）、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂがさらに下降すると、図１７（Ｂ）に示すように、紙幣５０の長辺５０ｂの両側が折れ曲がった状態のまま紙幣５０の全体が一対の延長プレート１４２Ｄを下に越えて弾性体１７２の弾性力に抗して紙幣ケース１７３の内部に押し込まれることとなる。
【0042】
円板１６２がさらに１８０度回転すると（図１８（Ｂ）に示すように、突起１６３はスリット１６１Ｃの中央から左端に移動し、再び中央に移動する）、突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂは上昇し、下降を開始する前の位置（図１５に示す位置）に戻る。
紙幣５０は紙幣５０の全体が一対の延長プレート１４２Ｄを下方に通過した後（図１７（Ｂ）に示した状態の後）に、紙幣５０の弾性力によって、折れ曲がっていた長辺５０ｂの両側は元に戻っている。
突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂが上昇すると、紙幣載置プレート１７１を下方に押圧していた力が作用しなくなるので、紙幣載置プレート１７１は弾性体１７２の弾性力によって上方に移動し、一対のバー１４２Ａに当たって停止する。この状態においては、紙幣５０は既に長辺５０ｂの両側の折れ曲がりが解消され、元の平面状態に戻っているので、図１８に示したように、紙幣５０は平面の状態で紙幣載置プレート１７１と一対の延長プレート１４２Ｄ（または、一対のバー１４２Ａ）の間に挟み込まれている状態にある。
紙幣５０は紙幣５０の全体が一対の延長プレート１４２Ｄを下方に通過した後（図１７（Ｂ）に示した状態の後）に、紙幣５０の弾性力によって、折れ曲がっていた長辺５０ｂの両側は元に戻っている。
突出部１６１Ａ及び紙幣押さえ板１６１Ｂが上昇すると、紙幣載置プレート１７１を下方に押圧していた力が作用しなくなるので、紙幣載置プレート１７１は弾性体１７２の弾性力によって上方に移動し、一対のバー１４２Ａに当たって停止する。この状態においては、紙幣５０は既に長辺５０ｂの両側の折れ曲がりが解消され、元の平面状態に戻っているので、図１８に示したように、紙幣５０は平面の状態で紙幣載置プレート１７１と一対の延長プレート１４２Ｄ（または、一対のバー１４２Ａ）の間に挟み込まれている状態にある。
【0043】
以上の動作が、紙幣５０が第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出され、紙幣ケース１７３に収容されるまでの動作の１サイクルである。
以後、図１９に示すように、この動作が繰り返され、紙幣５０が連続的に紙幣ケース１７３に収容される。
紙幣ケース１７３に収容された紙幣５０の枚数が収容可能枚数の上限に達すると、図２０に示すように、紙幣載置プレート１７１が紙幣ケース１７３の内部に押し込まれたときに紙幣載置面１７１Ｂの裏面が紙幣収容枚数検出センサー１７４に接触する。
紙幣収容枚数検出センサー１７４は紙幣収容完了信号を中央制御装置に送信し、紙幣収容完了信号を受信した中央制御装置はモーター１６４を停止させ、第二紙幣収容室１３０の動作を一旦終了させる。
以後、図１９に示すように、この動作が繰り返され、紙幣５０が連続的に紙幣ケース１７３に収容される。
紙幣ケース１７３に収容された紙幣５０の枚数が収容可能枚数の上限に達すると、図２０に示すように、紙幣載置プレート１７１が紙幣ケース１７３の内部に押し込まれたときに紙幣載置面１７１Ｂの裏面が紙幣収容枚数検出センサー１７４に接触する。
紙幣収容枚数検出センサー１７４は紙幣収容完了信号を中央制御装置に送信し、紙幣収容完了信号を受信した中央制御装置はモーター１６４を停止させ、第二紙幣収容室１３０の動作を一旦終了させる。
【0044】
紙幣ケース１７３には、図２１に示すように、紙幣５０が収容可能枚数の上限まで収容されている。
この後、図２２に示すように、紙幣ケース１７３から紙幣５０を手動で取り出す。
この後も紙幣５０を第二紙幣収容室１３０に収容する必要がある場合（すなわち、紙幣収容室１４に紙幣５０を収容することを不可能にしているトラブルが未だ解消していない場合）には、中央制御装置を作動させる。中央制御装置は上記の紙幣収容動作を繰り返して実行する。
紙幣５０を第二紙幣収容室１３０に収容する必要がない場合（すなわち、紙幣収容室１４に紙幣５０を収容することを不可能にしているトラブルが解消した場合）には、開閉セクション１２０Ｄを第二位置（図１２に示す位置）から第一位置（図１１に示す位置）に回動させ、留め具１２３を介して開閉セクション１２０Ｄをカーブ部分１２０Ｃに止める。
この後、図２２に示すように、紙幣ケース１７３から紙幣５０を手動で取り出す。
この後も紙幣５０を第二紙幣収容室１３０に収容する必要がある場合（すなわち、紙幣収容室１４に紙幣５０を収容することを不可能にしているトラブルが未だ解消していない場合）には、中央制御装置を作動させる。中央制御装置は上記の紙幣収容動作を繰り返して実行する。
紙幣５０を第二紙幣収容室１３０に収容する必要がない場合（すなわち、紙幣収容室１４に紙幣５０を収容することを不可能にしているトラブルが解消した場合）には、開閉セクション１２０Ｄを第二位置（図１２に示す位置）から第一位置（図１１に示す位置）に回動させ、留め具１２３を介して開閉セクション１２０Ｄをカーブ部分１２０Ｃに止める。
【0045】
これ以後、紙幣５０は第二紙幣収容室１３０ではなく紙幣収容室１４に搬送され、紙幣収容室１４に収容される。
以上のように、本実施形態に係る紙幣搬送装置１００によれば、紙幣収容室１４が紙幣受け入れ不可能の事態に陥るトラブルが発生しても、一時的に第二紙幣収容室１３０に紙幣５０を搬送することによって、その間にトラブルを解消し、紙幣５０の搬送を止めることなく、紙幣５０の搬送を継続することが可能である。
本実施形態に係る紙幣搬送装置１００は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
以上のように、本実施形態に係る紙幣搬送装置１００によれば、紙幣収容室１４が紙幣受け入れ不可能の事態に陥るトラブルが発生しても、一時的に第二紙幣収容室１３０に紙幣５０を搬送することによって、その間にトラブルを解消し、紙幣５０の搬送を止めることなく、紙幣５０の搬送を継続することが可能である。
本実施形態に係る紙幣搬送装置１００は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0046】
本実施形態に係る紙幣搬送装置１００においては、ダクト１２０は水平方向（第一ダクト部分１２０Ａ）から上向き（第二ダクト部分１２０Ｂ）にカーブする場合を例示したが、例えば、ダクト１２０が水平方向から左向き、右向きまたは下向きにカーブする場合であっても、同様に第二紙幣収容室１３０を設置することが可能である。
本実施形態においては、紙幣ガイド１４０は第一部分１４１及び第二部分１４２からなるものとして構成されているが、紙幣ガイド１４０を第二部分１４２のみから構成することも可能である。その場合には、第二部分１４２は、第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出された紙幣５０が直接的に第二部分１４２上に乗るように配置される。
本実施形態においては、紙幣ガイド１４０は第一部分１４１及び第二部分１４２からなるものとして構成されているが、紙幣ガイド１４０を第二部分１４２のみから構成することも可能である。その場合には、第二部分１４２は、第一ダクト部分１２０Ａから外部に放出された紙幣５０が直接的に第二部分１４２上に乗るように配置される。
【0047】
紙幣ガイド１４０の第一部分１４１は開口１４１Ａから開口１４１Ｂに向かって断面積が徐々に小さくなるように構成されているが、断面積を一定にすることも可能である。ただ、開口１４１Ａの断面積を開口１４１Ｂの断面積より大きくすることにより、第一ダクト部分１２０Ａが延びる方向に開口１４１Ａを配置する際に、上下方向における開口１４１Ａの位置の偏りの許容範囲が大きくなる。
紙幣押し入れユニット１６０の構造は上記の構造に限定されるものではなく、紙幣５０を紙幣ケース１７３の内部に押し込むことができる構造であれば、他の構造を採用することも可能である。
本実施形態に係る紙幣搬送装置１００においては、開閉セクション１２０Ｄは第一位置（図１１に示す位置）と第二位置（図１２に示す位置）の間を手動で回動させるものとして構成されているが、開閉セクション１２０Ｄの第一位置から第二位置への移行を自動的に行わせることも可能である。
紙幣押し入れユニット１６０の構造は上記の構造に限定されるものではなく、紙幣５０を紙幣ケース１７３の内部に押し込むことができる構造であれば、他の構造を採用することも可能である。
本実施形態に係る紙幣搬送装置１００においては、開閉セクション１２０Ｄは第一位置（図１１に示す位置）と第二位置（図１２に示す位置）の間を手動で回動させるものとして構成されているが、開閉セクション１２０Ｄの第一位置から第二位置への移行を自動的に行わせることも可能である。
【0048】
例えば、開閉セクション１２０Ｄはピンに引っ掛かることによりカーブ部分１２０Ｃに係止されているものとする。ピンを引けば、開閉セクション１２０Ｄのカーブ部分１２０Ｃに対する係止が解除され、開閉セクション１２０Ｄは自重により第一位置から第二位置へ移行する。
ソレノイドにピンを接続し、中央制御装置が紙幣詰まりその他のトラブルを検知したときに、中央制御装置はソレノイドに通電し、ピンを引かせる。これにより、開閉セクション１２０Ｄは自重によって自動的に第一位置から第二位置へ移行する。
ソレノイドにピンを接続し、中央制御装置が紙幣詰まりその他のトラブルを検知したときに、中央制御装置はソレノイドに通電し、ピンを引かせる。これにより、開閉セクション１２０Ｄは自重によって自動的に第一位置から第二位置へ移行する。
【0049】
中央制御装置は予め定められた時間が経過すると、ソレノイドへの通電を停止する。例えば、ピンにはバネが接続されており、ソレノイドへの通電が停止されると、ピンはバネに引っ張られて（あるいは、バネに押されて）突出する。トラブル解消後は、開閉セクション１２０Ｄを第一位置まで手動で回動させ、開閉セクション１２０Ｄをピンに引っ掛ける。
このように、ソレノイドを用いることによって、開閉セクション１２０Ｄの第一位置から第二位置への移行を自動的に行わせることが可能である。
このように、ソレノイドを用いることによって、開閉セクション１２０Ｄの第一位置から第二位置への移行を自動的に行わせることが可能である。
【0050】
（第二の実施形態）
第一の実施形態に係る紙幣搬送装置１００においては、開閉セクション１２０Ｄは手動で開閉するものとして構成されているが、開閉セクション１２０Ｄを自動で開閉させるようにすることも可能である。
例えば、開閉セクション１２０Ｄの回転軸１２２をモーター（図示せず）の出力軸に連結する。
紙幣収容室１４やダクト１２０の数か所には紙幣詰まりを検知する紙幣詰まり検知センサー（図示せず）が配置されており、何れか一つの紙幣詰まり検知センサーが紙幣詰まりを検知すると紙幣詰まり検知信号を中央制御装置に送信する。この紙幣詰まり検知信号を受信した中央制御装置はモーターを作動させ、回転軸１２２を回転させ、開閉セクション１２０Ｄを第一位置（図１１に示す位置）から第二位置（図１２に示す位置）に回動させる。これによって、以後に搬送されてくる紙幣５０は第二紙幣収容室１３０に収容される。
第一の実施形態に係る紙幣搬送装置１００においては、開閉セクション１２０Ｄは手動で開閉するものとして構成されているが、開閉セクション１２０Ｄを自動で開閉させるようにすることも可能である。
例えば、開閉セクション１２０Ｄの回転軸１２２をモーター（図示せず）の出力軸に連結する。
紙幣収容室１４やダクト１２０の数か所には紙幣詰まりを検知する紙幣詰まり検知センサー（図示せず）が配置されており、何れか一つの紙幣詰まり検知センサーが紙幣詰まりを検知すると紙幣詰まり検知信号を中央制御装置に送信する。この紙幣詰まり検知信号を受信した中央制御装置はモーターを作動させ、回転軸１２２を回転させ、開閉セクション１２０Ｄを第一位置（図１１に示す位置）から第二位置（図１２に示す位置）に回動させる。これによって、以後に搬送されてくる紙幣５０は第二紙幣収容室１３０に収容される。
【0051】
紙幣詰まりが解消され、紙幣詰まり検知センサーが紙幣詰まり解消信号を中央制御装置に送信すると、中央制御装置はモーターを作動させ、回転軸１２２を回転させ、開閉セクション１２０Ｄを第二位置から第一位置に回動させる。これによって、以後に搬送されてくる紙幣５０は紙幣収容室１４収容される。
このように、紙幣詰まりの有無に応じて開閉セクション１２０Ｄを自動的に開閉させることによって、開閉セクション１２０Ｄを手動で開閉させる労力を省くことが可能である。
このように、紙幣詰まりの有無に応じて開閉セクション１２０Ｄを自動的に開閉させることによって、開閉セクション１２０Ｄを手動で開閉させる労力を省くことが可能である。
【0052】
（第三の実施形態）
第一及び第二の実施形態に係る紙幣搬送装置においては、ダクト１２０は水平方向から左右上下の何れかの方向にカーブしている場合を例示したが、カーブせずに水平方向に延びるダクト１２０に対しても第二紙幣収容室１３０を適用することは可能である。
図２３は第三の実施形態に係る紙幣搬送装置の部分的な断面図である。
本実施形態におけるダクト１２０は水平方向に延びており、その一部分が開閉セクション３２０Ｄとして、第一の実施形態における開閉セクション１２０Ｄと同様に、構成されている。
第一及び第二の実施形態に係る紙幣搬送装置においては、ダクト１２０は水平方向から左右上下の何れかの方向にカーブしている場合を例示したが、カーブせずに水平方向に延びるダクト１２０に対しても第二紙幣収容室１３０を適用することは可能である。
図２３は第三の実施形態に係る紙幣搬送装置の部分的な断面図である。
本実施形態におけるダクト１２０は水平方向に延びており、その一部分が開閉セクション３２０Ｄとして、第一の実施形態における開閉セクション１２０Ｄと同様に、構成されている。
【0053】
本実施形態における第二紙幣収容室３３０は、上下動を行うことが可能である点を除いて、第一の実施形態における第二紙幣収容室１３０と同様の構造を有している。
すなわち、本実施形態における第二紙幣収容室３３０は、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して開いているときに紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａがダクト１２０に対向する位置と、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して閉じているときにダクト１２０の下方に下降している位置との間を上下動するように構成されている。
紙幣収容室１４に紙幣５０を収納することが可能である場合（紙幣詰まりなどのトラブルが発生していない場合）には、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して閉じているとともに、第二紙幣収容室３３０はダクト１２０の下方に下降している。
すなわち、本実施形態における第二紙幣収容室３３０は、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して開いているときに紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａがダクト１２０に対向する位置と、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して閉じているときにダクト１２０の下方に下降している位置との間を上下動するように構成されている。
紙幣収容室１４に紙幣５０を収納することが可能である場合（紙幣詰まりなどのトラブルが発生していない場合）には、開閉セクション３２０Ｄがダクト１２０に対して閉じているとともに、第二紙幣収容室３３０はダクト１２０の下方に下降している。
【0054】
紙幣収容室１４に紙幣５０を収納することが不可能となり、第二紙幣収容室１３０に紙幣５０を収納することが必要になった場合（紙幣詰まりなどのトラブルが発生した場合）には、開閉セクション３２０Ｄをダクト１２０に対して開き、第二紙幣収容室３３０を上昇させ、紙幣ガイド１４０の第一部分１４１の開口１４１Ａをダクト１２０に対向させる。これによって、紙幣５０は第二紙幣収容室３３０に搬送される。
以上のように、ダクト１２０がカーブすることなく、水平方向に延びるものである場合にも、紙幣搬送装置に第二紙幣収容室２３０を適用することが可能である。
開閉セクション３２０Ｄの開閉は第一の実施形態と同様に手動で行ってもよく、あるいは、第二の実施形態と同様に自動で行うことも可能である。
以上のように、ダクト１２０がカーブすることなく、水平方向に延びるものである場合にも、紙幣搬送装置に第二紙幣収容室２３０を適用することが可能である。
開閉セクション３２０Ｄの開閉は第一の実施形態と同様に手動で行ってもよく、あるいは、第二の実施形態と同様に自動で行うことも可能である。
【符号の説明】
【0055】
１００ 本発明の第一の実施形態に係る紙幣搬送装置
１１０ キャリア
１２０ ダクト
１２０Ａ 第一ダクト部分
１２０Ｂ 第二ダクト部分
１２０Ｃ カーブ部分
１２０Ｄ 開閉セクション
１３０ 第二紙幣収容室
１４０ 紙幣ガイド
１５０ 紙幣収容装置
１６０ 紙幣押し入れユニット
１７０ 紙幣収容体
３２０Ｄ 開閉セクション
３３０ 第二紙幣収容室
１１０ キャリア
１２０ ダクト
１２０Ａ 第一ダクト部分
１２０Ｂ 第二ダクト部分
１２０Ｃ カーブ部分
１２０Ｄ 開閉セクション
１３０ 第二紙幣収容室
１４０ 紙幣ガイド
１５０ 紙幣収容装置
１６０ 紙幣押し入れユニット
１７０ 紙幣収容体
３２０Ｄ 開閉セクション
３３０ 第二紙幣収容室
【要約】
【課題】紙幣収容室（１４）が紙幣受け入れ不可能の事態に陥っても、紙幣の搬送を停止することなく、紙幣の搬送を継続する。
【解決手段】紙幣詰まりなどの原因により紙幣投入装置（２１）から紙幣収容室（１４）への紙幣の搬送が不可能になった場合、ダクト（１２０）の途中に第二紙幣収容室（１３０）を設けておき、紙幣収容室（１４）に代えて第二紙幣収容室（１３０）に紙幣を搬送する。
【選択図】図１
【解決手段】紙幣詰まりなどの原因により紙幣投入装置（２１）から紙幣収容室（１４）への紙幣の搬送が不可能になった場合、ダクト（１２０）の途中に第二紙幣収容室（１３０）を設けておき、紙幣収容室（１４）に代えて第二紙幣収容室（１３０）に紙幣を搬送する。
【選択図】図１
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】