(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】シャフトワークのインサイチュ非接触検出方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20221108BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20221108BHJP
B24B 49/04 20060101ALI20221108BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G01B11/24 R
B23Q17/24 C
B24B49/04 A
B24B49/12
(21)【出願番号】P 2022505625
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2021102006
(87)【国際公開番号】W WO2022041986
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010875603.1
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 宏根
(72)【発明者】
【氏名】劉 云龍
(72)【発明者】
【氏名】李 国超
(72)【発明者】
【氏名】管 小燕
(72)【発明者】
【氏名】陳 建志
(72)【発明者】
【氏名】呉 恒恒
(72)【発明者】
【氏名】史 肖娜
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】馮 ▲豊▼
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-053140(JP,A)
【文献】特開2009-068972(JP,A)
【文献】特開2008-039707(JP,A)
【文献】特開平08-029131(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108253906(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105403148(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/24
B23Q 17/24
B24B 49/04
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)検出システムを構築・校正して、検出座標系を構築する手順と、
(2)ワークの検出システムにおける姿勢を分析して、ワーククランプ装置の座標系を構築する手順と、
(3)シャフトワーク工作機械のクランプ装置の回転を制御し、ラインレーザー測定器によりデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの好適な基準軸線を得る手順と、
(4)レーザー変位センサーにより検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトジャーナルの振れ加工精度実績を得る手順と、
(5)ラインレーザー測定器により検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの同軸度加工精度を得る手順と、を含むことを特徴とする、シャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項2】
前記手順(1)の具体的な手順として、前記検出システムが工作機械側に位置するラスターガイドレール、並びに順番で間隔を空けながらラスターガイドレールに位置する、ラインレーザー測定器により測定される測定位置A、レーザー変位センサーにより測定される測定位置C及びラインレーザー測定器により測定される測定位置Bを含み、測定位置A及び測定位置Bが検出を必要とされる基準位置であり、測定位置Cが振れ、同軸度及び輪郭度の検出を必要とされる位置であり、ラインレーザー測定器とレーザー変位センサーの測定方向が同じであり、測定方向における距離Lの位置に校正プレートを設置し、ラインレーザー測定器のレーザー通路と直交すると共に、レーザー変位センサーのレーザー通路と垂直となるように、校正プレートの校正面を調整し、ラインレーザー測定器のXOY面が校正プレートの校正面と平行となり、レーザー変位センサーのレーザー通路がXOY面と垂直となり、レーザー変位センサーがラスターガイドレールにおける取付け方向においてY軸と平行となり、ラインレーザー測定器の位置A及び位置Bにおける座標系O
A-X
AY
AZ
A及び座標系O
B-X
BY
BZ
Bを構築し、レーザー変位センサーのライトスポットがラインレーザー測定器のレーザー通路のY軸に位置するように更に調整して、レーザー変位センサーの位置Cにおける座標系O
C-X
CY
CZ
Cを構築し、ラインレーザー測定器の測定原点を零点として、O
A、O
BのX、Z座標が0であり、レーザー変位センサーの測定原点を零点として、O
CのX、Z座標が0であり、
ラインレーザー測定器によりXOZ面における座標データが得られ、Y軸の座標データがラインレーザー測定器のレーザー通路のラスターガイドレールにおける位置で得られ、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合の座標原点O
Aを世界座標系の原点として、O
Aの座標を(0,0,0)とし、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合に測定されたデータが(x
A,z
A)であれば、位置Aにおける3次元座標が(x
A,0,z
A)であり、
ラインレーザー測定器が位置A及び位置Bにある場合のレーザー通路距離をl
ABとし、O
Bの座標を(0,0,l
AB)として、ラインレーザー測定器が位置Bにある場合に測定されたデータが(x
B,z
B)であれば、座標系O
B-X
BY
BZ
Bにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示され、
【数107】
ラインレーザー測定器及びレーザー変位センサーが位置A及び位置Cにある場合のレーザー通路距離をl
ACとし、O
Cの座標を(0,0,l
AC)として、レーザー変位センサーが位置Cにある場合に測定されたデータが(z
C)であれば、座標系O
C-X
CY
CZ
Cにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示される、
【数108】
ことを特徴とする、請求項1に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項3】
前記手順(2)の具体的な手順として、シャフトワークの検出断面法線軸線と好適な基準軸線が同一線上にない場合、即ち、シャフトワークと検出システムとがX軸回り方向における回転角度θ及びZ軸回り方向における回転角度αを有する場合、ラインレーザー測定器のレーザー通路により測定される測定断面が楕円であり、楕円の短軸が軸径であり、楕円の長軸acとZ軸とが角度をなし、楕円の短軸bdとX軸とが角度をなし、得られた楕円輪郭の焦点が中心軸線にあり、測定断面と横断面との角度がλであり、楕円の長軸ac長さがl
acであり、短軸bd長さがl
bdであり、λの計算式が下記の通りであり、
【数109】
クランプ装置に1本のシャフトの測定用カラム又はブロックをクランプさせ、ラインレーザー測定器を起動させて測定用カラム又はブロックの断面輪郭を検出し、測定用カラム又はブロックがラインレーザー測定器の測定レーザー通路にある場合、測定用カラム又はブロックと測定レーザー通路との交差断面が楕円輪郭であり、レーザー測定器が位置Aにある場合に測定用カラム又はブロックが任意位置にある場合の半断面輪郭アーク
【数110】
が測定できれば、アーク
【数111】
における輪郭点の座標がPn(x
n,0,z
n),(n=1,2,3・・・)であり、座標点が式(4)を満たし、
【数112】
式におけるa、b、c、d、e及びfが定数係数であり、座標点群を代入することにより求められ、
楕円のO
A-X
AY
AZ
A座標系における楕円長軸の回転角度φが式(5)により求められ、
【数113】
楕円の幾何中心O
Uの座標を(x
U,z
U)とし、式(6)及び(7)により求められ、
【数114】
長軸長さl
ac及び短軸長さl
bdがそれぞれ式(8)及び(9)により求められ、
【数115】
測定用カラム又はブロックの測定断面とその同心横断面によりなされる角度λが式(3)、(4)、(8)及び(9)により求められ、
測定用カラム又はブロックの測定断面A輪郭の短軸がその同心横断面A輪郭の直径であり、
【数116】
をワーククランプ装置座標系のX
S軸とし、測定断面A輪郭の中心O
Uをワーククランプ装置座標系の原点O
Sとし、測定用カラム又はブロックの横断面A輪郭と垂直となる軸心軸線をY
S軸とし、右手の法則に従うワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sを構築し、
検出システム座標系O
A-X
AY
AZ
Aとワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sとのオフセットが(x
U,0,Z
U,φ,λ,0)であり、即ち、検出システム座標系における点(x,y,z)をそれぞれx軸及びz軸方向でx
u及びz
u移動させてから、更に、X軸回りで角度λ回転させ、Y軸回りで角度φ回転させることにより、ワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sに対応する点座標(x’,y’,z’)を得ることができるため、検出システム座標系とワーククランプ装置座標系との変換関係が下記の通りである、
【数117】
ことを特徴とする、請求項2に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項4】
前記手順(3)の具体的な手順として、校正されたクランプ装置にシャフトワークをクランプさせ、ラインレーザー測定器のレーザー通路をシャフトワークの基準軸部にアライメントさせ、位置A及び位置Bにあるラインレーザー測定器を起動させて測定し、ラインレーザー測定器が位置Aにあることとして、得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i(x
i,0,z
i),(i=1,2,3・・・)であり、座標点が式(11)を満たし、
【数118】
方程式を解き、定数a
1、b
1、c
1、d
1、e
1及びf
1が求められ、更に式(12)及び(13)により下記のように求められ、
【数119】
ラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j(x
j,l’
AB,z
i),(j=1,2,3・・・)であり、座標点が式(14)を満たし、
【数120】
方程式を解き、a
2、b
2、c
2、d
2、e
2及びf
2が求められ、更に式(15)及び(16)により下記のように求められ、
【数121】
測定位置A及び測定位置Bにおける、断面輪郭に対応するワーク横断面の中心座標
【数122】
がそれぞれ得られ、基準軸部の中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りである、
【数123】
ことを特徴とする、請求項3に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項5】
前記手順(4)の具体的な手順として、シャフトワークを回転させ、レーザー変位センサーにより測定位置Cにおけるリアルタイム測定点の座標が得られ、ある時点の座標がC
1(0,y
C1,z
C1)であることとして、ラインレーザー測定器によりこの時点の回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i1(x
i1,0,z
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(18)を満たし、
【数124】
方程式を解き、a
11、b
11、c
11、d
11、e
11及びf
11が求められ、更に式(19)及び(20)により下記のように求められ、
【数125】
この時点でラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j1(x
j1,l’’
AB,z
i1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(21)を満たし、
【数126】
方程式を解き、a
21、b
21、c
21、d
21、e
21及びf
21が求められ、更に式(22)及び(23)により下記のように求められ、
【数127】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数128】
が得られ、この時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
1が求められ、計算式が下記の通りであり、
【数129】
シャフトワークを回転させ、1周回転させた後の各時点で記録されたデータが得られ、計算により全ての時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)が得られ、
シャフトワークの径方向の円周振れtがリアルタイム測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)の最大値d
maxと最小値d
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数130】
ことを特徴とする、請求項4に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項6】
前記手順(5)の具体的な手順として、最初に、ラインレーザー測定器によりシャフトワーク基準軸部の測定位置A及び測定位置Bの輪郭を検出し、ラインレーザー測定器によりある回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
i1(x’
i1,0,z’
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(26)を満たし、
【数131】
方程式を解き、a’
11、b’
11、c’
11、d’
11、e’
11及びf’
11が求められ、更に式(27)及び(28)により下記のように求められ、
【数132】
この時点でラインレーザー測定器により位置Aとの距離がl’’
ABである位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
j1(x’
j1,l’’
AB,z’
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(29)を満たし、
【数133】
方程式を解き、a’
21、b’
21、c’
21、d’
21、e’
21及びf’
21が求められ、更に式(30)及び(31)により下記のように求められ、
【数134】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数135】
が得られ、当該時点の基準軸部の中心点に繋がる中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りであり、
【数136】
ラインレーザー測定器をY
A軸方向に沿ってワーク検出軸部の位置C’まで移動させ、ラスターガイドレールにより移動距離l’が得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置C’で得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
k1(x
k1,l’,z
k1),(k=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(33)を満たし、
【数137】
方程式を解き、a
3、b
3、c
3、d
3、e
3及びf
3が求められ、更に式(34)及び(35)により下記のように求められ、
【数138】
異なる位置で数回繰り返して検出し、基準軸部の中心点座標
【数139】
が得られ、測定部横断面の中心座標点群を
【数140】
とし、検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iが求められ、計算式が下記の通りであり、
【数141】
シャフトワーク検出軸部の同軸度φtが得られた検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iの最大値d’
maxと最小値d’
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数142】
ことを特徴とする、請求項5に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【請求項7】
前記シャフトワークがカムシャフトであり、ラインレーザー測定器によりカムシャフトのカム先端のデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトのカム輪郭度の加工精度が得られ、
ラインレーザー測定器をカム先端まで移動させ、一定距離で移動させるごとにデータを収集し、収集されたデータのO
A-X
AY
AZ
A座標系における座標をアルゴリズムによりO
S-X
SY
SZ
Sワーククランプ装置座標系における座標に変換し、輪郭点をフィッティングし、更に標準カム輪郭と比較して、輪郭度を算出する、ことを特徴とする、請求項6に記載のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工領域におけるシャフトワークの検出方法に関し、特にシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カムシャフトはピストンエンジンの部品であり、バルブの開閉を制御するためのものである。カムシャフトの本体は、シリンダーセットとほぼ同じ長さである円筒形ロッドであり、幾つかのジャーナルとジャーナルの間に嵌め込まれる幾つかのカムを有し、バルブを駆動するためのものである。カムシャフトはエンジンのコア部品であり、その加工精度がエンジンの雑音、パワー性能、経済性などの全体性能指標に直接的に影響を与える。カムシャフトジャーナルの振れ加工精度が検出の必要項目であり、厳しく求められるが、従来の光学機械測定器、接触子測定機器及びサンプル測定では、効率が非常に低く、オフラインで実施するものが多数であり、現在の高精度・高効率・大規模化生産には適用できない。そのため、上記の課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、誤差が小さく、検出効果が優れたシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
(1)検出システムを構築・校正して、検出座標系を構築する手順と、
(2)ワークの検出システムにおける姿勢を分析して、ワーククランプ装置の座標系を構築する手順と、
(3)シャフトワーク工作機械のクランプ装置の回転を制御し、ラインレーザー測定器によりデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの好適な基準軸線を得る手順と、
(4)レーザー変位センサーにより検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトジャーナルの振れ加工精度実績を得る手順と、
(5)ラインレーザー測定器により検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの同軸度加工精度を得る手順と、を含むことを特徴とする、シャフトワークのインサイチュ非接触検出方法を開示した。
【0005】
そのうち、前記手順(1)の具体的な手順として、前記検出システムが工作機械側に位置するラスターガイドレール、並びに順番で間隔を空けながらラスターガイドレールに位置する、ラインレーザー測定器により測定される測定位置A、レーザー変位センサーにより測定される測定位置C及びラインレーザー測定器により測定される測定位置Bを含み、測定位置A及び測定位置Bが検出を必要とされる基準位置であり、測定位置Cが振れ、同軸度及び輪郭度の検出を必要とされる位置であり、ラインレーザー測定器とレーザー変位センサーの測定方向が同じであり、測定方向における距離Lの位置に校正プレートを設置し、ラインレーザー測定器のレーザー通路と直交すると共に、レーザー変位センサーのレーザー通路と垂直となるように、校正プレートの校正面を調整し、ラインレーザー測定器のXOY面が校正プレートの校正面と平行となり、レーザー変位センサーのレーザー通路がXOY面と垂直となり、レーザー変位センサーがラスターガイドレールにおける取付け方向においてY軸と平行となり、ラインレーザー測定器の位置A及び位置Bにおける座標系O
A-X
AY
AZ
A及び座標系O
B-X
BY
BZ
Bを構築し、レーザー変位センサーのライトスポットがラインレーザー測定器のレーザー通路のY軸に位置するように更に調整して、レーザー変位センサーの位置Cにおける座標系O
C-X
CY
CZ
Cを構築し、ラインレーザー測定器の測定原点を零点として、O
A、O
BのX、Z座標が0であり、レーザー変位センサーの測定原点を零点として、O
CのX、Z座標が0であり、
ラインレーザー測定器によりXOZ面における座標データが得られ、Y軸の座標データがラインレーザー測定器のレーザー通路のラスターガイドレールにおける位置で得られ、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合の座標原点O
Aを世界座標系の原点として、O
Aの座標を(0,0,0)とし、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合に測定されたデータが(x
A,z
A)であれば、位置Aにおける3次元座標が(x
A,0,z
A)であり、
ラインレーザー測定器が位置A及び位置Bにある場合のレーザー通路距離をl
ABとし、O
Bの座標を(0,0,l
AB)として、ラインレーザー測定器が位置Bにある場合に測定されたデータが(x
B,z
B)であれば、座標系O
B-X
BY
BZ
Bにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示され、
【数1】
ラインレーザー測定器及びレーザー変位センサーが位置A及び位置Cにある場合のレーザー通路距離をl
ACとし、O
Cの座標を(0,0,l
AC)として、レーザー変位センサーが位置Cにある場合に測定されたデータが(z
C)であれば、座標系O
C-X
CY
CZ
Cにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示される、
【数2】
【0006】
好ましくは、前記手順(2)の具体的な手順として、シャフトワークの検出断面法線軸線と好適な基準軸線が同一線上にない場合、即ち、シャフトワークと検出システムとがX軸回り方向における回転角度θ及びZ軸回り方向における回転角度αを有する場合、ラインレーザー測定器のレーザー通路により測定される測定断面が楕円であり、楕円の短軸が軸径であり、楕円の長軸acとZ軸とが角度をなし、楕円の短軸bdとX軸とが角度をなし、得られた楕円輪郭の焦点が中心軸線にあり、測定断面と横断面との角度がλであり、楕円の長軸ac長さがl
acであり、短軸bd長さがl
bdであり、λの計算式が下記の通りであり、
【数3】
クランプ装置に1本のシャフトの測定用カラム又はブロックをクランプさせ、ラインレーザー測定器を起動させて測定用カラム又はブロックの断面輪郭を検出し、測定用カラム又はブロックがラインレーザー測定器の測定レーザー通路にある場合、測定用カラム又はブロックと測定レーザー通路との交差断面が楕円輪郭であり、レーザー測定器が位置Aにある場合に測定用カラム又はブロックが任意位置にある場合の半断面輪郭アーク
【数4】
が測定できれば、アーク
【数5】
における輪郭点の座標がPn(x
n,0,z
n),(n=1,2,3・・・)であり、座標点が式(4)を満たし、
【数6】
式におけるa、b、c、d、e及びfが定数係数であり、座標点群を代入することにより求められ、
楕円のO
A-X
AY
AZ
A座標系における楕円長軸の回転角度φが式(5)により求められ、
【数7】
楕円の幾何中心O
Uの座標を(x
U,z
U)とし、式(6)及び(7)により求められ、
【数8】
長軸長さl
ac及び短軸長さl
bdがそれぞれ式(8)及び(9)により求められ、
【数9】
測定用カラム又はブロックの測定断面とその同心横断面によりなされる角度λが式(3)、(4)、(8)及び(9)により求められ、
測定用カラム又はブロックの測定断面A輪郭の短軸がその同心横断面A輪郭の直径であり、
【数10】
をワーククランプ装置座標系のX
S軸とし、測定断面A輪郭の中心O
Uをワーククランプ装置座標系の原点O
Sとし、測定用カラム又はブロックの横断面A輪郭と垂直となる軸心軸線をY
S軸とし、右手の法則に従うワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sを構築し、
検出システム座標系O
A-X
AY
AZ
Aとワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sとのオフセットが(x
U,0,Z
U,φ,λ,0)であり、即ち、検出システム座標系における点(x,y,z)をそれぞれx軸及びz軸方向でx
u及びz
u移動させてから、更に、X軸回りで角度λ回転させ、Y軸回りで角度φ回転させることにより、ワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sに対応する点座標(x’,y’,z’)を得ることができるため、検出システム座標系とワーククランプ装置座標系との変換関係が下記の通りである、
【数11】
【0007】
更に、前記手順(3)の具体的な手順として、校正されたクランプ装置にシャフトワークをクランプさせ、ラインレーザー測定器のレーザー通路をシャフトワークの基準軸部にアライメントさせ、位置A及び位置Bにあるラインレーザー測定器を起動させて測定し、ラインレーザー測定器が位置Aにあることとして、得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i(x
i,0,z
i),(i=1,2,3・・・)であり、座標点が式(11)を満たし、
【数12】
方程式を解き、定数a
1、b
1、c
1、d
1、e
1及びf
1が求められ、更に式(12)及び(13)により下記のように求められ、
【数13】
ラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j(x
j,l’
AB,z
i),(j=1,2,3・・・)であり、座標点が式(14)を満たし、
【数14】
方程式を解き、a
2、b
2、c
2、d
2、e
2及びf
2が求められ、更に式(15)及び(16)により下記のように求められ、
【数15】
測定位置A及び測定位置Bにおける、断面輪郭に対応するワーク横断面の中心座標
【数16】
がそれぞれ得られ、基準軸部の中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りである、
【数17】
【0008】
更に、前記手順(4)の具体的な手順として、シャフトワークを回転させ、レーザー変位センサーにより測定位置Cにおけるリアルタイム測定点の座標が得られ、ある時点の座標がC
1(0,y
C1,z
C1)であることとして、ラインレーザー測定器によりこの時点の回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i1(x
i1,0,z
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(18)を満たし、
【数18】
方程式を解き、a
11、b
11、c
11、d
11、e
11及びf
11が求められ、更に式(19)及び(20)により下記のように求められ、
【数19】
この時点でラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j1(x
j1,l’’
AB,z
i1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(21)を満たし、
【数20】
方程式を解き、a
21、b
21、c
21、d
21、e
21及びf
21が求められ、更に式(22)及び(23)により下記のように求められ、
【数21】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数22】
が得られ、この時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
1が求められ、計算式が下記の通りであり、
【数23】
シャフトワークを回転させ、1周回転させた後の各時点で記録されたデータが得られ、計算により全ての時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)が得られ、
シャフトワークの径方向の円周振れtがリアルタイム測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)の最大値d
maxと最小値d
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数24】
【0009】
更に、前記手順(5)の具体的な手順として、最初に、ラインレーザー測定器によりシャフトワーク基準軸部の測定位置A及び測定位置Bの輪郭を検出し、ラインレーザー測定器によりある回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
i1(x’
i1,0,z’
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(26)を満たし、
【数25】
方程式を解き、a’
11、b’
11、c’
11、d’
11、e’
11及びf’
11が求められ、更に式(27)及び(28)により下記のように求められ、
【数26】
この時点でラインレーザー測定器により位置Aとの距離がl’’
ABである位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
j1(x’
j1,l’’
AB,z’
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(29)を満たし、
【数27】
方程式を解き、a’
21、b’
21、c’
21、d’
21、e’
21及びf’
21が求められ、更に式(30)及び(31)により下記のように求められ、
【数28】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数29】
が得られ、当該時点の基準軸部の中心点に繋がる中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りであり、
【数30】
ラインレーザー測定器をY
A軸方向に沿ってワーク検出軸部の位置C’まで移動させ、ラスターガイドレールにより移動距離l’が得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置C’で得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
k1(x
k1,l’,z
k1),(k=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(33)を満たし、
【数31】
方程式を解き、a
3、b
3、c
3、d
3、e
3及びf
3が求められ、更に式(34)及び(35)により下記のように求められ、
【数32】
異なる位置で数回繰り返して検出し、基準軸部の中心点座標
【数33】
が得られ、測定部横断面の中心座標点群を
【数34】
とし、検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iが求められ、計算式が下記の通りであり、
【数35】
シャフトワーク検出軸部の同軸度φtが得られた検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iの最大値d’
maxと最小値d’
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数36】
【0010】
好ましくは、前記シャフトワークがカムシャフトであり、ラインレーザー測定器によりカムシャフトのカム先端のデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトのカム輪郭度の加工精度が得られ、
ラインレーザー測定器をカム先端まで移動させ、一定距離で移動させるごとにデータを収集し、収集されたデータのOA-XAYAZA座標系における座標をアルゴリズムによりOS-XSYSZSワーククランプ装置座標系における座標に変換し、輪郭点をフィッティングし、更に標準カム輪郭と比較して、輪郭度を算出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、既存技術と比較すれば、下記の明らかなメリットを有する。最初に、本発明は、従来ではプランジャー基準又はVブロックによるシステム誤差及び補償の難点を回避するために、シャフトワークジャーナルの円心及びその好適な基準軸線をリアルタイムで検出でき、非接触測定座標系の構築により各方面の空間の座標が得られる。本発明によれば、高精度の加工精度検出プロセスが加工現場で直接的に行われ、非接触測定により加工ワークの損傷及び測定機器の損耗が回避され、点と面の結合により複雑な校正プロセス及びパーツのクランプ位置による影響が回避されると共に、複数回のクランプによる位置決め誤差が回避される。本発明は、その他の検出方法と比較すれば、高信頼性、高効率的な検出、短時間などにより、大きいサイズのシャフトワークに対するインサイチュ非接触検出が実現されると共に、大量の固定用治具による制限がなく、自由度が高いことから、幅広い適用性を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る検出システム座標系の模式図を示す。
【
図3】本発明に係る検出システム及びワーククランプ装置の構造の模式図を示す。
【
図4】本発明に係る検出システム座標系の校正の模式図を示す。
【
図5】本発明に係るラインレーザー測定器により測定される測定用カラム又はブロックのある横断面の座標系の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に合わせて、本発明の技術案を更に説明する。
【0014】
最初に、検出システム及びワーククランプ装置の座標系を構築・統一して、インサイチュ測定により軸の座標データを検出することで、基準とする軸心軸線を得て、最終的に軸振れの検出結果を得て、
図1に示されるように、検出システムの座標系を構築した。ラスターガイドレールに固定されるラインレーザー測定器により測定位置A及び測定位置Bにおける基準軸部で断面輪郭を測定し、断面輪郭を測定して円心をO
U、O
Wにフィッティングし、レーザー変位センサーにより測定位置Cで振れ検出軸部を測定し、測定点がO
Vを円心とする横断面にあり、O
Vが軸心軸線にある。検出システムとワーク位置とが偏差があるため、測定断面輪郭と軸心軸線を法線ベクトルとする同心横断面輪郭とが角度λをなす。ラインレーザー測定器がレーザーガイドレールの位置Aにある場合に構築された座標の原点O
Aを世界座標系の原点とし、ラインレーザー測定器のX0Z面を世界座標系のXOZ面とし、検出システムに基づく世界座標系O
A-X
AY
AZ
Aを構築して、ラインレーザー測定器がラスターガイドレールの位置Bにある場合に座標系O
B-X
BY
BZ
Bがあり、レーザー変位センサーがラスターガイドレールの位置Cにある場合に座標系O
C-X
CY
CZ
Cがある。
【0015】
そのため、基準とする軸心軸線OAOB及びOA-XAYAZA世界座標系における測定点の座標(xC,yC,zC)を得るために、座標系OB-XBYBZB及びOC-XCYCZCをOA-XAYAZA系世界座標系に変換して、ワーククランプ装置の座標系OS-XSYSZSを決める必要がある。その後、ワークを測定し、測定されたデータに対して振れ誤差などのアルゴリズムによる計算を実施して、ワーク振れなどの誤差を得た。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、本発明のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法は、下記の手順を含む。
【0017】
(1)検出システムを構築・校正して、検出座標系を構築する手順
図3及び
図4に示されるように、前記検出システムが工作機械側に位置するラスターガイドレール8、並びに順番で間隔を空けながらラスターガイドレールに位置する、ラインレーザー測定器6により測定される測定位置A、レーザー変位センサー7により測定される測定位置C及びラインレーザー測定器6により測定される測定位置Bを含み、ラインレーザー測定器6及びレーザー変位センサー7がラスターガイドレール8のスライダーに取付けられ、測定位置A及び測定位置Bが検出を必要とされる基準位置であり、測定位置Cが振れ、同軸度及び輪郭度の検出を必要とされる位置であり、
図4に示されるように、ラインレーザー測定器、レーザー変位センサー及びラスターリニアガイドレールを平面度が0.001mmになるように調整し、ラインレーザー測定器とレーザー変位センサーの測定方向が同じであり、測定方向における距離Lの位置に校正プレートを設置し、ラインレーザー測定器のレーザー通路と直交すると共に、レーザー変位センサーのレーザー通路と垂直となるように、校正プレートの校正面を調整し、ラインレーザー測定器のXOY面が校正プレートの校正面と平行となり、レーザー変位センサーのレーザー通路がXOY面と垂直となり、レーザー変位センサーがラスターガイドレールにおける取付け方向においてY軸と平行となり、ラインレーザー測定器の位置A及び位置Bにおける座標系O
A-X
AY
AZ
A及び座標系O
B-X
BY
BZ
Bを構築し、レーザー変位センサーのライトスポットがラインレーザー測定器のレーザー通路のY軸に位置するように更に調整して、レーザー変位センサーの位置Cにおける座標系O
C-X
CY
CZ
Cを構築し、ラインレーザー測定器の測定原点を零点として、O
A、O
BのX、Z座標が0であり、レーザー変位センサーの測定原点を零点として、O
CのX、Z座標が0であり、
ラインレーザー測定器によりXOZ面における座標データが得られ、Y軸の座標データがラインレーザー測定器のレーザー通路のラスターガイドレールにおける位置で得られ、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合の座標原点O
Aを世界座標系の原点として、O
Aの座標を(0,0,0)とし、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合に測定されたデータが(x
A,z
A)であれば、位置Aにおける3次元座標が(x
A,0,z
A)であり、
ラインレーザー測定器が位置A及び位置Bにある場合のレーザー通路距離をl
ABとし、O
Bの座標を(0,0,l
AB)として、ラインレーザー測定器が位置Bにある場合に測定されたデータが(x
B,z
B)であれば、座標系O
B-X
BY
BZ
Bにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示され、
【数37】
ラインレーザー測定器及びレーザー変位センサーが位置A及び位置Cにある場合のレーザー通路距離をl
ACとし、O
Cの座標を(0,0,l
AC)として、レーザー変位センサーが位置Cにある場合に測定されたデータが(z
C)であれば、座標系O
C-X
CY
CZ
Cにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示される、
【数38】
【0018】
本発明は、検出システムにおけるレーザーセンサーによりワークのOA-XAYAZA座標系における座標データを得てから、計算により分析することができる。
【0019】
(2)ワークの検出システムにおける姿勢を分析して、ワーククランプ装置の座標系を構築する手順
図5に示されるように、ワーククランプ装置が、クランプマシン制御盤1と、クランプマシンチャック2と、測定対象カムシャフト3と、プランジャー4と、プランジャースライドレール5と、を含み、シャフトワークの検出断面法線軸線と好適な基準軸線が同一線上にない場合、即ち、シャフトワークと検出システムとがX軸回り方向における回転角度θ及びZ軸回り方向における回転角度αを有する場合、ラインレーザー測定器のレーザー通路により測定される測定断面が楕円であり、楕円の短軸が軸径であり、楕円の長軸acとZ軸とが角度をなし、楕円の短軸bdとX軸とが角度をなし、得られた楕円輪郭の焦点が中心軸線にあり、測定断面と横断面との角度がλであり、楕円の長軸ac長さがl
acであり、短軸bd長さがl
bdであり、λの計算式が下記の通りであり、
【数39】
クランプ装置に1本のシャフトの測定用カラム又はブロックをクランプさせ、ラインレーザー測定器を起動させて測定用カラム又はブロックの断面輪郭を検出し、測定用カラム又はブロックがラインレーザー測定器の測定レーザー通路にある場合、測定用カラム又はブロックと測定レーザー通路との交差断面が楕円輪郭であり、レーザー測定器が位置Aにある場合に測定用カラム又はブロックが任意位置にある場合の半断面輪郭アーク
【数40】
が測定できれば、アーク
【数41】
における輪郭点の座標がPn(x
n,0,z
n),(n=1,2,3・・・)であり、座標点が式(4)を満たし、
【数42】
式におけるa、b、c、d、e及びfが定数係数であり、座標点群を代入することにより求められ、
楕円のO
A-X
AY
AZ
A座標系における楕円長軸の回転角度φが式(5)により求められ、
【数43】
楕円の幾何中心O
Uの座標を(x
U,z
U)とし、式(6)及び(7)により求められ、
【数44】
長軸長さl
ac及び短軸長さl
bdがそれぞれ式(8)及び(9)により求められ、
【数45】
測定用カラム又はブロックの測定断面とその同心横断面によりなされる角度λが式(3)、(4)、(8)及び(9)により求められ、
測定用カラム又はブロックの測定断面A輪郭の短軸がその同心横断面A輪郭の直径であり、
【数46】
をワーククランプ装置座標系のX
S軸とし、測定断面A輪郭の中心O
Uをワーククランプ装置座標系の原点O
Sとし、測定用カラム又はブロックの横断面A輪郭と垂直となる軸心軸線をY
S軸とし、右手の法則に従うワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sを構築し、
検出システム座標系O
A-X
AY
AZ
Aとワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sとのオフセットが(x
U,0,z
U,φ,λ,0)であり、即ち、検出システム座標系における点(x,y,z)をそれぞれx軸及びz軸方向でx
U及びz
U移動させてから、更に、X軸回りで角度λ回転させ、Y軸回りで角度φ回転させることにより、ワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sに対応する点座標(x’,y’,z’)を得ることができるため、検出システム座標系とワーククランプ装置座標系との変換関係が下記の通りである、
【数47】
【0020】
(3)シャフトワーク工作機械のクランプ装置の回転を制御し、ラインレーザー測定器によりデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの好適な基準軸線を得る手順
校正されたクランプ装置にシャフトワークをクランプさせ、ラインレーザー測定器のレーザー通路をシャフトワークの基準軸部にアライメントさせ、位置A及び位置Bにあるラインレーザー測定器を起動させて測定し、ラインレーザー測定器が位置Aにあることとして、得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がPi(x
i,0,z
i),(i=1,2,3・・・)であり、座標点が式(11)を満たし、
【数48】
方程式を解き、定数a
1、b
1、c
1、d
1、e
1及びf
1が求められ、更に式(12)及び(13)により下記のように求められ、
【数49】
ラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がPj(x
j,l’
AB,z
j),(j=1,2,3・・・)であり、座標点が式(14)を満たし、
【数50】
方程式を解き、a
2、b
2、c
2、d
2、e
2及びf
2が求められ、更に式(15)及び(16)により下記のように求められ、
【数51】
測定位置A及び測定位置Bにおける、断面輪郭に対応するワーク横断面の中心座標
【数52】
がそれぞれ得られ、基準軸部の中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りである、
【数53】
【0021】
(4)レーザー変位センサーにより検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトジャーナルの振れ加工精度実績を得る手順
シャフトワークを回転させ、レーザー変位センサーにより測定位置Cにおけるリアルタイム測定点の座標が得られ、ある時点の座標がC
1(0,y
C1,z
C1)であることとして、ラインレーザー測定器によりこの時点の回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i1(x
i1,0,z
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(18)を満たし、
【数54】
方程式を解き、a
11、b
11、c
11、d
11、e
11及びf
11が求められ、更に式(19)及び(20)により下記のように求められ、
【数55】
この時点でラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j1(x
j1,l’’
AB,z
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(21)を満たし、
【数56】
方程式を解き、a
21、b
21、c
21、d
21、e
21及びf
21が求められ、更に式(22)及び(23)により下記のように求められ、
【数57】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数58】
が得られ、この時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
1が求められ、計算式が下記の通りであり、
【数59】
シャフトワークを回転させ、1周回転させた後の各時点で記録されたデータが得られ、計算により全ての時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)が得られ、
シャフトワークの径方向の円周振れtがリアルタイム測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3・・・)の最大値d
maxと最小値d
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数60】
【0022】
本発明は、リアルタイム検出の中心軸線によりワーククランプ装置の回転偏心による影響を回避することができ、計算精度を向上させた。
【0023】
(5)ラインレーザー測定器により検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、シャフトワークの同軸度加工精度を得る手順
最初に、ラインレーザー測定器によりシャフトワーク基準軸部の測定位置A及び測定位置Bの輪郭を検出し、ラインレーザー測定器によりある回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
i1(x’
i1,0,z’
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(26)を満たし、
【数61】
方程式を解き、a’
11、b’
11、c’
11、d’
11、e’
11及びf’
11が求められ、更に式(27)及び(28)により下記のように求められ、
【数62】
この時点でラインレーザー測定器により位置Aとの距離がl’’’
ABである位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
j1(x’
j1,l’’’
AB,z’
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(29)を満たし、
【数63】
方程式を解き、a’
21、b’
21、c’
21、d’
21、e’
21及びf’
21が求められ、更に式(30)及び(31)により下記のように求められ、
【数64】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数65】
が得られ、当該時点の基準軸部の中心点に繋がる中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りであり、
【数66】
ラインレーザー測定器をY
A軸方向に沿ってワーク検出軸部の位置C’まで移動させ、ラスターガイドレールにより移動距離l’が得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置C’で得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
k1(x
k1,l’,z
k1),(k=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(33)を満たし、
【数67】
方程式を解き、a
3、b
3、c
3、d
3、e
3及びf
3が求められ、更に式(34)及び(35)により下記のように求められ、
【数68】
異なる位置で数回繰り返して検出し、基準軸部の中心点座標
【数69】
が得られ、測定部横断面の中心座標点群をC’
i(x
C’i,l’,z
C’i),(i=1,2,3・・・)とし、検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iが求められ、計算式が下記の通りであり、
【数70】
シャフトワーク検出軸部の同軸度φtが得られた検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iの最大値d’
maxと最小値d’
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数71】
【0024】
本発明の方法は、ワークの検出軸部の横断面中心点群を静的且つ非接触的に得ることができ、更に検出軸部の軸線と基準軸線との誤差の大きさを得ることができるため、クランプ装置及びワーク回転偏心による影響、並びにワークを移動させる煩雑な工程を回避することができる。
【0025】
本発明のシャフトワークのインサイチュ非接触検出方法は、下記の手順を含み、そのうち前記シャフトワークがカムシャフトである。
【0026】
(1)検出システムを構築・校正して、検出座標系を構築する手順
図3及び
図4に示されるように、前記検出システムが工作機械側に位置するラスターガイドレール8、並びに順番で間隔を空けながらラスターガイドレールに位置する、ラインレーザー測定器6により測定される測定位置A、レーザー変位センサー7により測定される測定位置C及びラインレーザー測定器6により測定される測定位置Bを含み、ラインレーザー測定器6及びレーザー変位センサー7がラスターガイドレール8のスライダーに取付けられ、測定位置A及び測定位置Bが検出を必要とされる基準位置であり、測定位置Cが振れ、同軸度及び輪郭度の検出を必要とされる位置であり、
図4に示されるように、ラインレーザー測定器、レーザー変位センサー及びラスターリニアガイドレールを平面度が0.001mmになるように調整し、ラインレーザー測定器とレーザー変位センサーの測定方向が同じであり、測定方向における距離Lの位置に校正プレートを設置し、ラインレーザー測定器のレーザー通路と直交すると共に、レーザー変位センサーのレーザー通路と垂直となるように、校正プレートの校正面を調整し、ラインレーザー測定器のXOY面が校正プレートの校正面と平行となり、レーザー変位センサーのレーザー通路がXOY面と垂直となり、レーザー変位センサーがラスターガイドレールにおける取付け方向においてY軸と平行となり、ラインレーザー測定器の位置A及び位置Bにおける座標系O
A-X
AY
AZ
A及び座標系O
B-X
BY
BZ
Bを構築し、レーザー変位センサーのライトスポットがラインレーザー測定器のレーザー通路のY軸に位置するように更に調整して、レーザー変位センサーの位置Cにおける座標系O
C-X
CY
CZ
Cを構築し、ラインレーザー測定器の測定原点を零点として、O
A、O
BのX、Z座標が0であり、レーザー変位センサーの測定原点を零点として、O
CのX、Z座標が0であり、
ラインレーザー測定器によりXOZ面における座標データが得られ、Y軸の座標データがラインレーザー測定器のレーザー通路のラスターガイドレールにおける位置で得られ、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合の座標原点O
Aを世界座標系の原点として、O
Aの座標を(0,0,0)とし、ラインレーザー測定器が位置Aにある場合に測定されたデータが(x
A,z
A)であれば、位置Aにおける3次元座標が(x
A,0,z
A)であり、
ラインレーザー測定器が位置A及び位置Bにある場合のレーザー通路距離をl
ABとし、O
Bの座標を(0,0,l
AB)として、ラインレーザー測定器が位置Bにある場合に測定されたデータが(x
B,z
B)であれば、座標系O
B-X
BY
BZ
Bにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示され、
【数72】
ラインレーザー測定器及びレーザー変位センサーが位置A及び位置Cにある場合のレーザー通路距離をl
ACとし、O
Cの座標を(0,0,l
Ac)として、レーザー変位センサーが位置Cにある場合に測定されたデータが(z
C)であれば、座標系O
C-X
CY
CZ
Cにおける座標が座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおいて下記のように示される、
【数73】
【0027】
本発明は、検出システムにおけるレーザーセンサーによりワークのOA-XAYAZA座標系における座標データを得てから、計算により分析することができる。
【0028】
(2)ワークの検出システムにおける姿勢を分析して、ワーククランプ装置の座標系を構築する手順
図5に示されるように、ワーククランプ装置が、クランプマシン制御盤1と、クランプマシンチャック2と、測定対象カムシャフト3と、プランジャー4と、プランジャースライドレール5と、を含み、カムシャフトの検出断面法線軸線と好適な基準軸線が同一線上にない場合、即ち、カムシャフトと検出システムとがX軸回り方向における回転角度θ及びZ軸回り方向における回転角度αを有する場合、ラインレーザー測定器のレーザー通路により測定される測定断面が楕円であり、楕円の短軸が軸径であり、楕円の長軸acとZ軸とが角度をなし、楕円の短軸bdとX軸とが角度をなし、得られた楕円輪郭の焦点が中心軸線にあり、測定断面と横断面との角度がλであり、楕円の長軸ac長さがl
acであり、短軸bd長さがl
bdであり、λの計算式が下記の通りであり、
【数74】
クランプ装置に1本のシャフトの測定用カラム又はブロックをクランプさせ、ラインレーザー測定器を起動させて測定用カラム又はブロックの断面輪郭を検出し、測定用カラム又はブロックがラインレーザー測定器の測定レーザー通路にある場合、測定用カラム又はブロックと測定レーザー通路との交差断面が楕円輪郭であり、レーザー測定器が位置Aにある場合に測定用カラム又はブロックが任意位置にある場合の半断面輪郭アーク
【数75】
が測定できれば、アーク
【数76】
における輪郭点の座標がPn(x
n,0,z
n),(n=1,2,3・・・)であり、座標点が式(4)を満たし、
【数77】
式におけるa、b、c、d、e及びfが定数係数であり、座標点群を代入することにより求められ、
楕円のO
A-X
AY
AZ
A座標系における楕円長軸の回転角度φが式(5)により求められ、
【数78】
楕円の幾何中心O
Uの座標を(x
U,z
U)とし、式(6)及び(7)により求められ、
【数79】
長軸長さl
ac及び短軸長さl
bdがそれぞれ式(8)及び(9)により求められ、
【数80】
測定用カラム又はブロックの測定断面とその同心横断面によりなされる角度λが式(3)、(4)、(8)及び(9)により求められ、
測定用カラム又はブロックの測定断面A輪郭の短軸がその同心横断面A輪郭の直径であり、
【数81】
をワーククランプ装置座標系のX
S軸とし、測定断面A輪郭の中心O
Uをワーククランプ装置座標系の原点O
Sとし、測定用カラム又はブロックの横断面A輪郭と垂直となる軸心軸線をY
S軸とし、右手の法則に従うワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sを構築し、
検出システム座標系O
A-X
AY
AZ
Aとワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sとのオフセットが(x
U,0,z
U,φ,λ,0)であり、即ち、検出システム座標系における点(x,y,z)をそれぞれx軸及びz軸方向でx
u及びz
u移動させてから、更に、X軸回りで角度λ回転させ、Y軸回りで角度φ回転させることにより、ワーククランプ装置座標系O
S-X
SY
SZ
Sに対応する点座標(x’,y’,z’)を得ることができるため、検出システム座標系とワーククランプ装置座標系との変換関係が下記の通りである、
【数82】
【0029】
(3)カムシャフト工作機械のクランプ装置の回転を制御し、ラインレーザー測定器によりデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトの好適な基準軸線を得る手順
校正されたクランプ装置にカムシャフトをクランプさせ、ラインレーザー測定器のレーザー通路をカムシャフトの基準軸部にアライメントさせ、位置A及び位置Bにあるラインレーザー測定器を起動させて測定し、ラインレーザー測定器が位置Aにあることとして、得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i(x
i,0,z
i),(i=1,2,3・・・)であり、座標点が式(11)を満たし、
【数83】
方程式を解き、定数a
1、b
1、c
1、d
1、e
1及びf
1が求められ、更に式(12)及び(13)により下記のように求められ、
【数84】
ラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j(x
j,l’
AB,z
j),(j=1,2,3・・・)であり、座標点が式(14)を満たし、
【数85】
方程式を解き、a
2、b
2、c
2、d
2、e
2及びf
2が求められ、更に式(15)及び(16)により下記のように求められ、
【数86】
測定位置A及び測定位置Bにおける、断面輪郭に対応するワーク横断面の中心座標
【数87】
がそれぞれ得られ、基準軸部の中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りである、
【数88】
【0030】
(4)レーザー変位センサーにより検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトジャーナルの振れ加工精度実績を得る手順
カムシャフトを回転させ、レーザー変位センサーにより測定位置Cにおけるリアルタイム測定点の座標が得られ、ある時点の座標がC
1(0,y
C1,z
C1)であることとして、ラインレーザー測定器によりこの時点の回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
i1(x
i1,0,z
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(18)を満たし、
【数89】
方程式を解き、a
11、b
11、c
11、d
11、e
11及びf
11が求められ、更に式(19)及び(20)により下記のように求められ、
【数90】
この時点でラインレーザー測定器により測定位置Aとの距離がl’’
ABである測定位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
j1(x
j1,l’’
AB,z
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(21)を満たし、
【数91】
方程式を解き、a
21、b
21、c
21、d
21、e
21及びf
21が求められ、更に式(22)及び(23)により下記のように求められ、
【数92】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数93】
が得られ、この時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
1が求められ、計算式が下記の通りであり、
【数94】
カムシャフトを回転させ、1周回転させた後の各時点で記録されたデータが得られ、計算により全ての時点の測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3…)が得られ、
カムシャフトの径方向の円周振れtがリアルタイム測定点からリアルタイム中心軸線までの距離d
i(i=1,2,3…)の最大値d
maxと最小値d
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数95】
【0031】
本発明は、リアルタイム検出の中心軸線によりワーククランプ装置の回転偏心による影響を回避することができ、計算精度を向上させた。
【0032】
(5)ラインレーザー測定器により検出位置でデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトの同軸度加工精度を得る手順
最初に、ラインレーザー測定器によりシャフトワーク基準軸部の測定位置A及び測定位置Bの輪郭を検出し、ラインレーザー測定器によりある回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
i1(x’
i1,0,z’
i1),(i=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(26)を満たし、
【数96】
方程式を解き、a’
11、b’
11、c’
11、d’
11、e’
11及びf’
11が求められ、更に式(27)及び(28)により下記のように求められ、
【数97】
この時点でラインレーザー測定器により位置Aとの距離がl’’’
ABである位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP’
j1(x’
j1,l’’’
AB,z’
j1),(j=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(29)を満たし、
【数98】
方程式を解き、a’
21、b’
21、c’
21、d’
21、e’
21及びf’
21が求められ、更に式(30)及び(31)により下記のように求められ、
【数99】
この時点の基準軸部の中心点座標
【数100】
が得られ、当該時点の基準軸部の中心点に繋がる中心軸線のO
A-X
AY
AZ
A座標系における軸線の直線式が下記の通りであり、
【数101】
ラインレーザー測定器をY
A軸方向に沿ってワーク検出軸部の位置C’まで移動させ、ラスターガイドレールにより移動距離l’が得られ、この時点でラインレーザー測定器により位置C’で得られた断面輪郭内点の座標系O
A-X
AY
AZ
Aにおける座標がP
k1(x
k1,l’,z
k1),(k=1,2,3・・・)であることとして、座標点が式(33)を満たし、
【数102】
方程式を解き、a
3、b
3、c
3、d
3、e
3及びf
3が求められ、更に式(34)及び(35)により下記のように求められ、
【数103】
異なる位置で数回繰り返して検出し、基準軸部の中心点座標
【数104】
が得られ、測定部横断面の中心座標点群をC’
i(x
Ci,l’,z
Ci),(i=1,2,3・・・)とし、検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iが求められ、計算式が下記の通りであり、
【数105】
カムシャフト検出軸部の同軸度φtが得られた検出軸部横断面の中心座標点から基準部の中心軸線までの距離d’
iの最大値d’
maxと最小値d’
minとの差により求められ、計算式が下記の通りである、
【数106】
【0033】
本発明の方法は、ワークの検出軸部の横断面中心点群を静的且つ非接触的に得ることができ、更に検出軸部の軸線と基準軸線との誤差の大きさを得ることができるため、クランプ装置及びワーク回転偏心による影響、並びにワークを移動させる煩雑な工程を回避することができる。
【0034】
(6)ラインレーザー測定器によりカムシャフトのカム先端のデータを連続的に収集し、収集されたデータを計算により分析して、カムシャフトのカム輪郭度の加工精度が得られる手順
ラインレーザー測定器をカム先端まで移動させ、一定距離で移動させるごとにデータを収集し、収集されたデータのOA-XAYAZA座標系における座標をアルゴリズムによりOS-XSYSZSワーククランプ装置座標系における座標に変換し、輪郭点をフィッティングし、更に標準カム輪郭と比較して、輪郭度を算出する。
【実施例1】
【0035】
あるディーゼルエンジンメーカーで製造されたカムシャフトを例として、そのカムシャフトジャーナルの直径が180mmであり、長さが1780mmであり、振れ公差の要求が0.05mmであり、同軸度公差の要求が0.05mmであり、カム先端輪郭度の要求が0.08mmである。そのため、検出カムシャフトの大きさに応じて、検出装置のラインレーザー測定器はある製品のLJ-X8400タイプに選定され、最大幅320mm、精度5umで測定でき、CCDレーザー変位センサーはある製品のLK-G400タイプに選定され、精度2um、測定範囲400±100mmで測定できる。
【0036】
工作機械側に検出システムを設置し、上記検出システムにより校正されたワーククランプ装置にカムシャフトを設置し、ラインレーザー測定器のレーザー通路をワークの基準軸部にアライメントさせ、位置A、Bにおけるラインレーザー測定器を起動させて測定し、ラインレーザー測定器により位置Aで得られた断面輪郭内点の座標系OA-XAYAZAにおける座標がPi(xi,0,zi),(i=1,2,3・・・)であることとして、ラインレーザー測定器により位置Aとの距離がlABである位置Bで得られた断面輪郭内点の座標系OA-XAYAZAにおける座標がPj(xj,lAB,zj),(j=1,2,3・・・)である。計算によりそれぞれ位置A、Bにおける断面輪郭に対応するワーク横断面の中心座標OU(xU,0,zU)及びOW(xW,lAB,zW)が得られ、結果は表1のOU座標及びOW座標を参照する。
【0037】
ワークを回転させ、レーザー変位センサーによりリアルタイム測定点の座標Ci(0,yCi,zCi),(i=1,2,3・・・)が得られ、ラインレーザー測定器により当該回転位置のリアルタイム輪郭点のデータが得られ、計算により基準軸部の中心点座標OUi(xUi,0,zUi)及びOWi(xWi,lAB,zWi),(i=1,2,3・・・)が得られる。計算によりリアルタイム測定点からリアルタイム中心軸線までの距離diが求められ、計算によりワークの径方向の円周振れtが得られ、結果は表1のt値を参照する。
【0038】
その後、ラインレーザー測定器をYA軸方向に沿ってワーク検出軸部に移動させ、ラスターガイドレールにより移動距離lが得られ、計算によりワーク検出軸部輪郭のOA-XAYAZA座標系における座標が得られ、計算により検出軸部横断面中心点の座標が得られる。異なる位置で数回繰り返して検出し、測定部横断面中心座標点群が得られ、Di(0,yDi,zDi),(i=1,2,3・・・)と記載し、計算により検出軸部横断面中心座標点から基準部中心軸線までの距離diが求められ、計算によりワーク検出軸部の同軸度φtが求められ、結果は表1のφt値を参照する。
【0039】
ラインレーザー測定器をカム先端まで移動させ、一定距離で移動させるごとにデータを収集し、収集されたO
A-X
AY
AZ
A座標系におけるデータ座標を、コンピュータシステムのアルゴリズムによりO
S-X
SY
SZ
Sワーククランプ装置座標系におけるデータ座標に変換する。システムの2次元又は3次元ソフトにより輪郭点をフィッティングしてから、設計された標準カム輪郭と比較して、輪郭度を計算し、結果は表1の輪郭度値を参照する。
【表1】