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  • 特許-車両用シート 図1
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  • 特許-車両用シート 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/879 20180101AFI20221108BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B60N2/879
A47C7/62 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019113294
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020203630
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 優強
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04440443(US,A)
【文献】特開2009-214638(JP,A)
【文献】特開平09-118130(JP,A)
【文献】特開2002-209669(JP,A)
【文献】特開2013-112172(JP,A)
【文献】特開2013-233829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/879
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションと、
前記シートクッションに支持されるシートバックと、
前記シートバックに支持されるヘッドレストと、
を備え、
前記ヘッドレストは、
ヘッドレスト本体と、
第一面と該第一面とは反対側の第二面とを有し、着座者の視界を遮る布と、該布の縁に取り付けられている芯材と、該芯材を前記布に固定する第一縫い糸と、前記布の前記第一面側に取り付けられている第一固定器とを有する目隠し部と、
前記目隠し部を前記ヘッドレスト本体の側面と後面との境界に可動可能に取り付ける第二縫い糸と、
前記ヘッドレスト本体の側面に取り付けられている第二固定器と、
を備え、
前記芯材はワイヤ芯線であり、
前記目隠し部は、少なくとも隣に車両用シートがある側に設けられ、使用時には、前記第一固定器および前記第二固定器で前記ヘッドレスト本体の側面に固定され、
前記第一固定器および前記第二固定器は前記目隠し部が取り付けられている位置から離間して設けられる車両用シート。
【請求項2】
請求項1の車両用シートにおいて、
前記ワイヤ芯線はロ字状またはコ字状であり、前記布の折り返し部に設けられる車両用シート。
【請求項3】
請求項1の車両用シートにおいて、
前記目隠し部は、非使用時には、前記布の前記第二面側を前記ヘッドレスト本体の後面に対向させて固定器で前記ヘッドレスト本体の後面に固定される車両用シート。
【請求項4】
請求項1の車両用シートにおいて、
前記目隠し部は前後方向の長さ、上下方向の長さおよび取付位置は、着座者の視界に前記隣の車両用シートの着座者が入らないように設定される車両用シート。
【請求項5】
請求項1の車両用シートにおいて、
前記ヘッドレスト本体は、カバーである表皮材を有し、当該表皮材は前記目隠し部の前記布と同じ材質の布である車両用シート。
【請求項6】
請求項1の車両用シートにおいて、
前記目隠し部が前記ヘッドレスト本体に取り付けられる部分の上端は前記ヘッドレスト本体の側面および後面の上端よりも下に位置する車両用シート
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両用シートに関し、例えば視界を遮るヘッドレストを備える車両用シートに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転者とそれに相乗りする人、または相乗りする人同士を引き合わせるサービスであるライドシェアが始まっている。ライドシェアでは、他人同士が一台の乗り物に乗るため、パーソナル空間を確保したい場合がある。長距離夜行バスにおいて、ヘッドレストに照明を遮るため、ヘッドレストの前方空間を開閉可能に覆う遮光手段を取り付けているものがある(例えば、特開平2-6243号公報(特許文献1))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-6243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構造では、遮光性、防音性に重点がおかれ、構造が複雑かつ、かさばる形状で、重量やコストに影響を与える。
本開示の課題は軽量簡易な構成で視野を遮ることができる車両用シートを提供することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、車両用シートは、シートクッションと、該シートクッションに支持されるシートバックと、該シートバックに支持されるヘッドレストと、を備える。該ヘッドレストは、ヘッドレスト本体と、該ヘッドレスト本体に取り付けられている目隠し部と、を備える。該目隠し部は、布に芯材を縫い込んで形成される。
【発明の効果】
【0006】
上記車両用シートによれば、部品点数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。
図2図2図1のヘッドレストを示す斜視図である。
図3図3図2のA-A線における断面図である。
図4図4図1のヘッドレストを示す上面図である。
図5図5は変形例の目隠し部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
(車両用シート)
実施形態に係る車両用シートについて図1を用いて説明する。図1は実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。
【0010】
ここに示す車両用シート1は、例えば、車両の一種類である自動車の内部に設置される複数のシートのうちの1つである。なお、以下の説明では、車両用シート1を搭載する車両が水平面上に置かれた場合を基準として、鉛直方向を上下方向(UP,DW)と定義する。また、前後方向(FR,RR)は車両の前後方向に一致するように、左右方向(幅方向)は車両の幅方向に一致するように、定義される。FRは車両の前側方向であり、RRは車両の後側方向である。また、車両用シート1について、車両の後から見て右側(RH)、左側(LH)と呼んで説明する。
【0011】
車両のフロアには、着座者の着座部を形成する車両用シート1が支持される。図1に示すように、車両用シート1は、座面を形成するシートクッション10と、該シートクッション10の後端部に傾動(回動)自在に支持されたシートバック20と、該シートバック20の上端部に支持されたヘッドレスト30とを備えて構成される。シートバック20は、着座者の背もたれ部を形成し、ヘッドレスト30は、着座者の頭部の拘束部を形成する。ヘッドレスト30は、着座者の左右の視界を遮る目隠し部32,33を備える。
【0012】
(ヘッドレスト)
ヘッドレストについて図2~4を用いて説明する。図2図1のヘッドレストを示す斜視図である。図3図2のA-A線における断面図である。図4図1のヘッドレストを示す上面図である。なお、図2図1と異なり左前方からの斜視図である。図4は図面の下方向が前方向であり、図4には着座者の頭部も示している。
【0013】
図2に示すように、ヘッドレスト30は、ヘッドレスト本体31と、右側の目隠し部32および左側の目隠し部33と、で構成される。ヘッドレスト本体31は、ヘッドレストステー(不図示)と芯材(不図示)とカバーである表皮材(不図示)とクッション材(不図示)とで構成される。ヘッドレスト本体31の表皮材は織物、編み物、不織布、合成皮革または人工皮革等から形成される布である。ヘッドレスト本体31の表皮材はシートクッション10およびシートバック20の表皮材と同様な材質である。
【0014】
左右一対の目隠し部32,33は、例えば縫い糸によりヘッドレスト本体31の側面と後面との境界付近に取り付けられている。目隠し部32は、ワイヤ芯線34をロ字状もしくはコ字状に成形し、布35の縁を縫ってワイヤ芯線34を挿入して構成される。より具体的には、図3に示すように、布35の縁付近を折り返し、その折り返し部35aにワイヤ芯線34を通し、布35の着座者側の面35bおよび反対側の面35cを縫い糸36により固定する。布35は例えばヘッドレスト本体31の表皮材を形成する布と同様な材質の布であり、可視光線を透過しないものである。目隠し部33は目隠し部32と同様な構成である。図2では、目隠し部32,33がヘッドレスト本体31に取り付けられる部分の下端はヘッドレスト本体31の側面および後面の下端付近に位置し、上端はヘッドレスト本体31の側面および後面の上端よりも下に位置する。なお、目隠し部32,33がヘッドレスト本体31に取り付けられる部分の下端は、図1に示すように、ヘッドレスト本体31の側面および後面の下端よりも上に位置してもよい。
【0015】
図4に示すように、目隠し部32,33は可動可能であり、使用時には、ヘッドレスト本体31の側面の固定器37a,38aおよび目隠し部32,33の固定器37b,38bによって、目隠し部32,33はヘッドレスト本体31の側面に固定される。
【0016】
固定器37a,37bは、例えば、面ファスナやボタン、磁石等のように一方に対して他方が容易に着脱可能なものである。ここで、面ファスナは鉤状のとげ・突起が無数に付いた第一布と、細かい輪が無数についた第二布を2枚1組で使う布テープ・ファスナーであり、例えば固定器37aが第二布であり、固定器37bが第一布である。固定器38a,38bは固定器37a,37bと同様な構成である。
【0017】
目隠し部32,33はヘッドレスト本体31の側面に沿って、ヘッドレスト本体31の後面と側面との境界付近から側面の前側端部よりも前方に延在する。なお、目隠し部32,33の前後方向の長さ、上下方向の長さおよび取付位置は、車両用シート1の着座者の視界に車両用シート1の右側または左側のシートの着座者が入らないように設定される。
【0018】
また、非使用時は、図4の破線で示すように、目隠し部32,33は、ヘッドレスト本体31の後面に使用時と同様に固定器で固定されて格納される。なお、目隠し部32,33の未使用時の左右方向(使用時の前後方向)の長さは、ヘッドレスト本体31の後面の左右方向の長さよりも短くするが、ヘッドレスト本体31の後面に固定が可能な長さであればよい。
【0019】
<変形例>
以下、代表的な変形例について、例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施例にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施例と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施例における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0020】
変形例における目隠し部について図5を用いて説明する。図5図3に対応する変形例における目隠し部の断面図である。
【0021】
図5に示すように、変形例では、実施形態の目隠し部32,33の芯材としてのワイヤ芯線34の代わりに樹脂板39を芯材として、布35に縫い込んで構成する。樹脂板39はシートのポケットの芯材に使われるような樹脂板であり、例えばポリプロピレンを約1.3倍に押出発泡成形した独立気泡構造のシート(PP1.3倍発泡シート)である。より具体的には、布35の縁付近を折り返し、その折り返し部35aに樹脂板39を通して、樹脂板39の着座者側の面の全体および反対面の縁付近を布35で覆い、布35の着座者側の面35bおよび反対側の面35cを縫い糸36により固定する。目隠し部33は目隠し部32と同様な構成である。
【0022】
本実施形態およびその変形例では、ヘッドレストはワイヤ芯線または樹脂芯材と布との組み合わせによる格納可能な左右一対の目隠し部を備え、当該目隠し部は面ファスナ等により固定可能とする構成とされる。太陽光の眩しさを抑えるサンバイザのように一定の可視光線の透過率を確保しながら紫外線等をカットしてまぶしさを軽減するために透明ないし半透明な板状の遮光体ではなく、布は可視光線を透過しないので、布を用いることにより、危害感無く左右の視界を遮ることができる。また、着座者のパーソナル感を得ることができる。また、布と芯材との組合せにより軽量簡易に構成できるので、上述した特許文献1の課題を解決することができる。さらに、事故等によりガラスが飛散したときの防護壁にもなり安全性に寄与することができる。
【0023】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0024】
例えば、実施形態では、目隠し部は左右両方設ける例を説明したが、着座者の左右何れか一方の隣に車両用シートがない場合は、目隠し部は左右何れか一方のみに設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1・・・車両用シート
10・・・シートクッション
20・・・シートバック
30・・・ヘッドレスト
31・・・ヘッドレスト本体
32・・・右側の目隠し部
33・・・左側の目隠し部
34・・・ワイヤ芯線(芯材)
35・・・布
39・・・樹脂板(芯材)
図1
図2
図3
図4
図5