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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電磁界成形システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 26/14 20060101AFI20221108BHJP
   B21D 53/92 20060101ALI20221108BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20221108BHJP
   B64C 1/06 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B21D26/14
B21D53/92
B64F5/10
B64C1/06
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018056067
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2018196902
(43)【公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】15/602,583
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】プラディープ・ケー・サハ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・イー・バイス
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ロバート・ウェバー
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-019479(JP,A)
【文献】実開昭51-079078(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02198987(EP,A1)
【文献】特開平08-010864(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0875887(KR,B1)
【文献】欧州特許出願公開第02415537(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 26/14
B21D 53/92
B64F 5/10
B64C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク(114)及びダイ(124)を受け入れるように構成された空隙部(126)を有するフィールドシェーパ(122)を備える部品形成システム(102)であって、
前記フィールドシェーパ(122)が、主コイル(140)に挿入されることに基づいた複数の寸法(138)を有し、前記フィールドシェーパ(122)が前記主コイル(140)内に配置されている間に前記主コイル(140)からの電磁界(144)が前記フィールドシェーパ(122)に印加される場合に、前記ワーク(114)が、曲げられて所望の形状(142)を有する部品(112)を形成し、
前記主コイル(140)を有する電磁システム(120)であって、前記主コイル(140)が、前記部品(112)を形成するために前記ダイ(124)上の前記ワーク(114)に対して圧縮力(146)を発生させる電磁システム(120)
をさらに備える、部品形成システム(102)。
【請求項2】
前記フィールドシェーパ(122)が、第1の半部(128)及び第2の半部(130)を有し、前記第1の半部(128)が、前記ダイ(124)を受け入れるスロット(132)を有し、前記第2の半部(130)が、前記第1の半部(128)と前記第2の半部(130)が互いに接合されて前記空隙部(126)を画成する場合に、前記ダイ(124)上に配置された前記ワーク(114)を受け入れる形状(134)を有する、請求項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項3】
前記複数の寸法(138)が、前記主コイル(140)のサイズに基づいて選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項4】
前記複数の寸法(138)が、前記フィールドシェーパ(122)の高さ、前記フィールドシェーパ(112)の長さ(1112)、形成領域(1106)の長さ、及び前記形成領域(1106)の高さの少なくとも1つから選択される、請求項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項5】
前記ダイ(124)が、ジョグルダイ、オフセットジョグルダイ(700)、及びクラッシュジョグルダイ(900)からなるダイの群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項6】
前記電磁界(144)が、前記部品(112)の前記所望の形状(142)のために前記ワーク(114)にジョグル曲げ部(118)を形成する磁気圧力(148)を発生させる、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項7】
前記フィールドシェーパ(122)の形状が円筒形である、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項8】
前記ダイ(124)がジョグルダイであり、前記部品(112)が航空機(110)用のストリンガ(116)である、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項9】
前記部品(112)が、ストリンガ、胴体ストリンガ、航空機ストリンガ、インターコスタル、作動油タンク、クリート、ダクト、成形フレーム、及びシヤタイから1つ選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項10】
前記ワーク(114)が、導電性材料、金属合金、ニッケル合金、アルミニウム、鋼、炭素鋼、銅、黄銅、銀、鉄、又はチタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の部品形成システム(102)。
【請求項11】
部品(112)を形成するための方法であって、
フィールドシェーパ(122)の空隙部(126)内にワーク(114)を配置するステップと、
前記フィールドシェーパ(122)の周りに配置された主コイル(140)から前記フィールドシェーパ(122)に電磁界(144)を印加するステップであって、前記電磁界(144)が、ダイ(124)上の前記ワーク(114)を曲げて前記部品(112)の所望の形状(142)にする磁気圧力(148)を発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記空隙部(126)内の前記ワーク(114)と共に前記フィールドシェーパ(122)を前記主コイル(140)に挿入するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記磁気圧力(148)が、前記ワーク(114)を曲げて前記部品(112)の前記所望の形状(142)にする、前記ワーク(114)に対する圧縮力(146)である、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記磁気圧力(148)が、前記部品(112)を形成するために前記ワーク(114)にジョグル曲げ部(118)を形成する、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記部品(112)が、ストリンガ(116)、胴体ストリンガ、航空機ストリンガ、インターコスタル、作動油タンク、クリート、ダクト、成形フレーム、及びシヤタイから1つ選択される、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に部品を製造することに関し、特に、金属加工のために電磁界成形システムを使用して部品を製造することに関する。
【背景技術】
【0002】
金属加工は、部品、組立品、又は構造を製造するために金属材料を成形するプロセスである。例えば、形成プロセスは、ワークを変形させて所望の形状を有する部品を形成するために使用され得る。ワークは、部品を形成するために加工される最初の金属片である。
【0003】
部品を形成する際、プレス及びダイが、ワークを曲げて所望の形状を有する部品を形成するために使用され得る。例えば、航空機用のストリンガなどのワークが、プレスのダイ上に配置され得る。プレスは、ストリンガに力を印加して、ストリンガにジョグル曲げ部(joggle bend)を形成する。これらの曲げ部は、ストリンガが取り付けられるべき構造の表面にストリンガのフランジが追従するように形成される。例えば、対をなす構造の表面には段部又は湾曲部が存在する場合があり、これら段部又は湾曲部に追従するように曲げ部は作られる。
【0004】
ダイと共にプレスを使用してストリンガにジョグルを形成することは、航空機の製造において時間のかかるプロセスである。ストリンガにジョグル曲げ部を形成するために現在使用されているプロセスは、所望の温度よりも高い温度を伴い得る。ストリンガの材料の弾性が所期の弾性を上回る場合、スプリングバック又はダイのジオメトリに関する問題も発生し得る。言い換えれば、ストリンガに形成されたジョグル曲げ部は、ストリンガが取り付けられるべき構造の表面に追従する所望の形状を維持し得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の問題の少なくとも一部及び他の可能性のある問題を考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。例えば、ストリンガにジョグル曲げ部を形成することに関する技術的問題を克服する方法及び装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、部品形成システムを提供する。部品形成システムは、ワーク及びダイを受け入れるように構成された空隙部を有するフィールドシェーパを備える。フィールドシェーパは、主コイルに挿入されることに基づいて複数の寸法を有する。フィールドシェーパが主コイル内に配置されている間に主コイルからの電磁界がフィールドシェーパに印加されると、ワークは、曲げられて所望の形状を有する部品を形成する。
【0007】
本開示の別の実施形態は、ワークにジョグル曲げ部を形成するための部品形成システムを提供する。部品形成システムは、主コイルと、ジョグルダイと、フィールドシェーパとを備える。フィールドシェーパは、ワーク及びジョグルダイを受け入れるように構成された空隙部を有する。フィールドシェーパは、主コイルの複数の寸法に基づいて複数の寸法を有する。フィールドシェーパが主コイル内に配置されている間に主コイルからの電磁界がフィールドシェーパに印加されると、ワークにジョグル曲げ部が形成されて、所望の形状を有する部品が形成される。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態は、部品を形成するための方法を提供する。この方法は、フィールドシェーパの空隙部内にワークを配置することを含む。この方法は、フィールドシェーパの周りに配置された主コイルからフィールドシェーパに電磁界を印加する。電磁界は、ダイ上のワークを曲げて部品の所望の形状にする磁気圧力を発生させる。
【0009】
特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において単独で達成され得るし、さらに他の実施形態では組み合わされ得る。なお、さらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解され得る。
【0010】
例示的な実施形態の特質と考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態並びにその好ましい使用態様、さらなる目的、及び特徴は、添付の図面と併せて、本開示の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な実施形態による製造環境のブロック図である。
図2】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの図である。
図3】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第1の半部の端部の図である。
図4】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第1の半部の内側の図である。
図5】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第2の半部の端部の図である。
図6】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第2の半部の内側の図である。
図7】例示的な実施形態による、ダイ及びワークを伴うフィールドシェーパの分解図である。
図8】例示的な実施形態による部品形成システムの図である。
図9】例示的な実施形態によるダイの図である。
図10】例示的な実施形態による、コイル及びフィールドシェーパによって発生する電磁界の図である。
図11】例示的な実施形態によるフィールドシェーパの設計の図である。
図12】例示的な実施形態による、ワークから部品を形成するためのプロセスのフローチャートの図である。
図13】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法のフローチャートの図である。
図14】例示的な実施形態を実施し得る航空機のブロック図である。
図15】例示的な実施形態による製品管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態は、1つ以上の異なる問題点を認識してこれを考慮に入れている。例えば、例示的な実施形態は、周囲温度又はより低い温度においてより高い速度又は歪み速度でワークを曲げることにより、スプリングバックに関する問題が低減され得ることを認識してこれを考慮に入れている。例えば、例示的な実施形態は、周囲温度においてより高い速度又は歪み速度でワークを曲げることにより、ワーク材料の成形性が向上し得ることを認識してこれを考慮に入れている。
【0013】
例示的な実施形態は、ワークがこれらの条件下で所望の形状をより良好に保持することができ、この結果均一性及び再現可能な製品品質が向上することを認識してこれを考慮に入れている。例示的な実施形態は、上記の状況が高い温度、潤滑油、又は追加のプレスを使用して部品を形成するために必要な空間を必要とすることなくより高い生産速度を可能にし得ることを認識してこれを考慮に入れている。
【0014】
したがって、例示的な実施形態は、部品を形成するための方法及び装置を提供する。例示的な一例では、ワークは、フィールドシェーパの空隙部内に配置される。電磁界は、フィールドシェーパの周りに配置された主コイルからフィールドシェーパに印加される。電磁界は、ダイ上のワークを曲げて部品の所望の形状にする複数の力を発生させる。
【0015】
本明細書で使用される場合、「複数の(number of)」は、項目に関して使用される場合、1つ以上の項目を意味する。例えば、複数の力は1つ以上の力である。
【0016】
次に図面を参照し、特に図1を参照すると、例示的な実施形態による製造環境のブロック図が示されている。図示のように、製造環境100は、部品形成システム102を含む。部品形成システム102は、ワーク106から部品104を製造するために使用される。これらの例示的な例では、部品104は、プラットフォーム108を組み立てるために使用される。この例示的な例では、プラットフォーム108は航空機110の形態をとる。
【0017】
図示のように、部品104のうちの部品112は、ワーク106のうちのワーク114から形成されてもよい。ワーク114は、導電性材料、金属合金、ニッケル合金、アルミニウム、鋼、炭素鋼、銅、黄銅、銀、鉄、チタン、又は他の何らかの適切な材料のうちの少なくとも1つを備える。
【0018】
この例では、ワーク114は、部品112を形成するために成形される。部品112は、ストリンガ、胴体ストリンガ、航空機ストリンガ、インターコスタル、作動油タンク(hydraulic reservoir)、クリート、ダクト、成形フレーム、シヤタイ(shear tie)、又は他の何らかの適切なタイプの部品から1つ選択される。
【0019】
例示的な一例では、ワーク114は、部品112を形成するためにワーク114を曲げることによって成形される。例えば、ワーク114はストリンガ116であってもよく、ジョグル曲げ部118は、部品112を形成するためにストリンガ116を曲げることによってストリンガ116に形成されてもよい。
【0020】
図示のように、ワーク114の成形は、部品形成システム102を使用して行われてもよい。この例示的な例では、部品形成システム102は、電磁システム120、フィールドシェーパ122、及びダイ124を備える。
【0021】
ダイ124は、フィールドシェーパ122に関連付けられる工具である。ある構成要素が別の構成要素に「関連付け」られる場合、その関連付けは物理的な関連付けである。例えば、第1の構成要素(ダイ124)は、第2の構成要素(フィールドシェーパ122)への固定、第2の構成要素への結合、第2の構成要素への取り付け、第2の構成要素への溶接、第2の構成要素への締結、又は他の何らかの適切な方法での第2の構成要素への接続のうちの少なくとも1つによって、第2の構成要素に物理的に関連付けられると考えられ得る。また、第1の構成要素は、第3の構成要素を使用して第2の構成要素に接続されてもよい。第1の構成要素は、第2の構成要素の一部、第2の構成要素の延長部、又はこれらの両方として形成されることによって、第2の構成要素に物理的に関連付けられると考えられ得る。
【0022】
この図示の例では、ダイ124は、フィールドシェーパ122に関連付けられる場合、フィールドシェーパ122の空隙部126内に配置されるか、又は空隙部126内でフィールドシェーパ122に接続されてもよい。別の例として、ダイ124は、別個の構成要素としてではなく、フィールドシェーパ122の一部として形成されてもよい。
【0023】
図示のように、フィールドシェーパ122の空隙部126は、ワーク114及びダイ124を受け入れるように構成される。図示のように、ダイ124は、フィールドシェーパ122の空隙部126の内部に配置される。この例では、ワーク114は、フィールドシェーパ122の空隙部126内でダイ124上に配置される。
【0024】
ダイ124は様々な形態をとってもよい。例えば、ジョグル曲げ部118がワーク114に形成される場合、ダイ124は、ジョグルダイ、オフセットジョグルダイ、及びクラッシュジョグルダイからなるダイの群から選択されてもよい。ジョグル曲げ部118以外の他の形状が求められる場合、ダイ124は他の形態をとってもよい。ダイ124が一種のジョグルダイである場合、部品112は航空機用のストリンガであってもよい。
【0025】
この例示的な例では、フィールドシェーパ122は、第1の半部128及び第2の半部130を有する。第1の半部128は、ダイ124を受け入れるスロット132を有する。第2の半部130は、第1の半部128と第2の半部130が互いに接合されて空隙部126を画成している場合に、ダイ124上に配置されたワーク114を受け入れる形状134を有する。
【0026】
ダイ124上の、空隙部126内のワーク114の位置は、形成領域136である。形成領域136は、3つの寸法を有し得る。
【0027】
フィールドシェーパ122は、複数の寸法138を有し、複数の寸法138は、電磁システム120の主コイル140に挿入されることに少なくとも部分的に基づく。例えば、複数の寸法138は、主コイル140のサイズに基づいて選択されてもよい。図示のように、複数の寸法138は、フィールドシェーパの高さ、フィールドシェーパの長さ、形成領域の長さ、形成領域の高さ、又は他の何らかの適切なパラメータのうちの少なくとも1つから選択される。
【0028】
例示的な例では、フィールドシェーパ122の形状は円筒形である。言い換えれば、フィールドシェーパ122の断面の形は円形である。他の例示的な例では、断面の形は、正方形、五角形、八角形、二十角形、又は他の何らかの適切な形状などであってもよい。
【0029】
本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、リストされた項目のうちの1つ以上の様々な組み合わせが使用されてもよく、リストの各項目の1つのみが必要であり得ることを意味する。言い換えれば、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組み合わせ及び複数の項目がリストから使用され得るが、リストの項目のすべてが必要なわけではないことを意味する。項目は、特定の物体、物、又はカテゴリーであってもよい。
【0030】
例えば、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、「項目A」、「項目A及び項目B」、又は「項目B」を含み得るが、これらに限定されない。また、この例は、「項目A、項目B、及び項目C」又は「項目B及び項目C」を含み得る。もちろん、これらの項目の任意の組み合わせがあり得る。一部の例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、「2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C」、「4つの項目B及び7つの項目C」、又は他の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0031】
フィールドシェーパ122が主コイル140内に配置されている間に主コイル140からの電磁界144がフィールドシェーパ122に印加される場合、ワーク114は、曲げられて所望の形状142を有する部品112を形成する。この例示的な例では、2つの誘起された電磁界から、対向する磁気圧力が発生する。これらの電磁界は、フィールドシェーパ122が主コイル140内に配置されている間は、主コイル140からフィールドシェーパ122への1つの電磁界と、フィールドシェーパ122からワーク106へのもう1つの電磁界とを含む。
【0032】
この例示的な例では、電磁システム120は主コイル140を有し、主コイル140は、ワーク114と共にフィールドシェーパ122を受け入れるように構成される。主コイル140は、部品112を形成するためにダイ124上のワーク114に対して圧縮力146を発生させる。図示のように、主コイル140は、磁気圧力148の形態の圧縮力146を発生させる電磁界144を発生させてもよい。磁気圧力148は、この例示的な例では、フィールドシェーパ122の空隙部126内の形成領域136内に配置されたワーク114の表面領域にかかる力である。
【0033】
例示的な一例では、ストリンガにジョグル曲げ部を形成することに関する技術的問題を克服する1つ以上の技術的解決策が存在する。1つ以上の技術的解決策は、フィールドシェーパであって、該フィールドシェーパがフィールドシェーパの空隙部内にワークを保持している間に電磁界を発生させるコイル内に収まるように設計されたフィールドシェーパを含む。結果として、1つ以上の技術的解決策は、ジョグル曲げ部を有するストリンガの形態の部品を形成するためにストリンガなどのワークにジョグル曲げ部を形成する技術的効果を提供することができる。1つ以上の技術的解決策は、フランジ、ジョグル曲げ部、又は部品の他の特徴などの、曲げによって形成された特徴のスプリングバックを低減する技術的効果を提供する。
【0034】
図1の製造環境100の図は、例示的な実施形態を実施し得る方法に対する物理的又は構造的な限定を含意するものではない。図示の構成要素に加えて、又は図示の構成要素の代わりに他の構成要素を使用してもよい。一部の構成要素は不要であり得る。また、ブロックは、一部の機能要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1つ以上は、例示的な実施形態で実施されるときに異なるブロックに組み合わされ得るし、分割され得るし、或いは組み合わされて分割され得る。
【0035】
例えば、プラットフォーム108は、航空機110以外の他の形態をとってもよい。例示的な例では、プラットフォーム108は、例えば、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造、水環境(aquatic)ベースの構造、及び空間ベースの構造から選択されてもよい。より具体的には、プラットフォーム108は、航空機110に加えて、又は航空機110の代わりに水上船舶、戦車(tank)、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造設備、建物、及び他の適切なプラットフォームであってもよい。
【0036】
別の例として、ワーク114の成形は、他のプロセスと組み合わせて行われてもよい。例えば、電磁システム120の主コイル140内でフィールドシェーパ122を使用してワーク114を成形する前にワーク114に対して誘導加熱を行ってもよい。
【0037】
次に図2を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの図が示されている。この例示的な例では、フィールドシェーパ200は、図1においてブロックの形で示したフィールドシェーパ122の一実施の例である。
【0038】
この例では、フィールドシェーパ200は、2つの部分、すなわち第1の半部202と第2の半部204とを有するように示されている。フィールドシェーパ200は、第1の半部202のスロット208と第2の半部204のスロット210とによって画成される空隙部206を有する。
【0039】
この例示的な例では、レリーフ212がフィールドシェーパ200に存在する。レリーフ212は、円形であり、使用されない利用可能な電磁界圧力を利用し、これを図1の形成領域136などの形成領域に集めるために使用される。
【0040】
次に図3を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第1の半部の端部の図が示されている。この例では、第1の半部202は図2の線3-3の方向において示されている。
【0041】
次に図4を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第1の半部の内側の図が示されている。この例では、フィールドシェーパ200の第1の半部202の内側400は、図3の線4-4の方向において示されている。
【0042】
次に図5を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第2の半部の端部の図が示されている。この例では、フィールドシェーパ200の第2の半部204は、図2の線3-3の方向において示されている。
【0043】
次に図6を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの第2の半部の内側の図が示されている。この例では、フィールドシェーパ200の第2の半部204の内側600は、図5の線6-6の方向において示されている。
【0044】
次に図7を参照すると、例示的な実施形態による、ダイ及びワークを伴うフィールドシェーパの分解図が示されている。この分解図では、ダイ700及びワーク702が見える。ダイ700は、図1においてブロックの形で示したダイ124の物理的な一実施の例である。この特定の例では、ダイ700はオフセットジョグルダイである。ワーク702は、図1においてブロックの形で示したワーク114の物理的な実施の例である。ワーク702は、ジョグル曲げ部が形成されるべきストリンガである。
【0045】
図示のように、第1の半部202のスロット208は、ダイ700を受け入れて保持するように構成される。第2の半部204のスロット210は、ワーク702がダイ700上に配置されるようにワーク702を受け入れるよう構成される。
【0046】
この分解図には、フィールドシェーパ200用の端止め704、端止め706、端止め708、ダイリテーナ710、端止め712、端止め714、ダイリテーナ716、締め具718、締め具720、締め具722、締め具724、締め具726、締め具728、締め具730、締め具732、締め具734、締め具735、締め具736、及び締め具738が示されている。
【0047】
次に図8を参照すると、例示的な実施形態による部品形成システムの図が示されている。部品形成システム800は、図1においてブロックの形で示した部品形成システム102の一実施の例である。図示のように、部品形成システム800は、主コイル804を含む電磁システム802を備える。また、部品形成システム800は、フィールドシェーパ200及びダイ700を含む。この例示的な例では、ダイ700は、フィールドシェーパ200内に配置され、フィールドシェーパ200は、電磁システム802の主コイル804内に配置されている。図示のように、ワーク702は、フィールドシェーパ200内に配置される。
【0048】
図9を参照すると、例示的な実施形態によるダイの図が示されている。図示のように、クラッシュジョグルダイ900は、図1においてブロックの形で示したダイ124を実施するために使用され得る別のダイの例である。図示の例ではオフセットジョグルダイである図7のダイ700の代わりに、クラッシュジョグルダイ900が、スロット208内に配置されてもよい。
【0049】
ジョグルは、胴体外板に取り付けられる中央ストリンガフランジが外板内面に対する乱れに対応するように変位する場合に使用される。これらのオフセットは、胴体セクションの端部で又はドアなどの開口部の周りで発生し得る。
【0050】
オフセットジョグルは、断面全体が変位する場所である。クラッシュジョグルは、ジョグルに隣接する2つの外側フランジが平坦なままである一方で中央フランジが変位する場所である。
【0051】
次に図10を参照すると、例示的な実施形態による、コイル及びフィールドシェーパによって発生する電磁界電磁界の図が示されている。この例示的な例では、フィールドシェーパ1000は、コイル1002内に配置されている。フィールドシェーパ1000及びコイル1002は、図1においてブロックの形で示したフィールドシェーパ122及び主コイル140の例である。フィールドシェーパ1000及び発生し得る異なる電磁界の図示を不明瞭にすることを避けるために、この図にはコイル1002の一部しか示していない。
【0052】
フィールドシェーパ1000は、第1の半部1004と第2の半部1006とを有する。この例示的な例では、ストリンガ1008は、ワークであり、フィールドシェーパ1000の空隙部1009内に配置されている。ストリンガ1008は、ダイ1010上に配置されている
【0053】
この例示的な例では、コイル1002は、フィールドシェーパ1000内の電磁界1020を有する。電磁界1022は、ストリンガ1008及びダイ1010内の電磁界である。電磁界1020は、フィールドシェーパ1000内の渦電流の結果であり、電磁界1022は、ストリンガ1008及びダイ1010内の渦電流の結果である。
【0054】
これらの電磁界は、ストリンガ1008を曲げる磁気圧力1026をもたらす。磁気圧力1026は、ストリンガ1008が所望の形状に曲がるようにストリンガ1008をダイ1010に押し付ける。この例では、所望の形状は、ジョグル形成長さ1028に沿ってストリンガ1008にジョグル曲げ部を形成するものである。
【0055】
他の例示的な例では、ダイ1010の選択によって、他のタイプの所望の形状を形成してもよい。フランジの角度は、複数の角度を達成するように設計されてもよい。また、ジョグルは、必要に応じて異なる位置でそのサイズを大きくするために隆起されてもよい。
【0056】
次に図11を参照すると、例示的な実施形態によるフィールドシェーパの設計の図が示されている。この例示的な例では、フィールドシェーパ1100は、図1においてブロックの形で示したフィールドシェーパ122の一実施の例である。
【0057】
図示のように、フィールドシェーパ1100は、第1の半部1102と第2の半部1104とを有する。一般的な使用では、第1の半部1102は、ダイが配置され得る下半部であり、第2の半部1104は、ワークが受け入れられ得る上半部である。形成領域1106を含む空隙部は、フィールドシェーパ1100内に位置する。形成領域1106は、フィールドシェーパ1100内でワークが成形され得る領域である。
【0058】
この例示的な例では、フィールドシェーパ1100は複数の異なる寸法を有する。これらの寸法は、図1の寸法138の例である。寸法は、直径1110、長さ1112、セットバック(setback)1114、フランジ幅1116、及びレリーフ深さ1118を含む。
【0059】
この例示的な例では、直径1110は、フィールドシェーパ1100の直径である。直径1110は、フィールドシェーパ1100がコイル内に所望通りに収まるように選択され得る。
【0060】
図示のように、長さ1112は、フィールドシェーパ1100の長さである。長さ1112は、所望の形成範囲を有するために必要とされるコイルの深さに基づいて選択され得る。
【0061】
セットバック1114は、ダイ又はワークの表面の少なくとも一方からのセットバックである。次に、フランジ幅1116は、ストリンガなどのワークのフランジ幅である。レリーフ深さ1118は、フィールドシェーパ1100のレリーフ1119のレリーフ深さである。この例示的な例では、レリーフ深さ1118は、形成を制御するために電磁界寸法を制御する。
【0062】
長さ1112及びレリーフ深さ1118は、以下のように選択される。
電磁界寸法=長さ-2*レリーフ深さ
【0063】
これらの値は、形成領域1106内でのワークの長さに沿ったジョグル曲げ部の形成を制御するために所望の方法で電磁界を集中させるために選択される。電磁界寸法は、形成される部品の形状及びサイズに依存する。
【0064】
次に図12を参照すると、例示的な実施形態による、ワークから部品を形成するためのプロセスのフローチャートの図が示されている。図12に示すプロセスは、図1の製造環境100の部品形成システム102を使用して実施され得る。
【0065】
プロセスは、フィールドシェーパの空隙部内にワークを配置することによって開始される(工程1200)。工程1200において、フィールドシェーパは、空隙部内に適切なダイを含む。プロセスは、空隙部内のワークと共にフィールドシェーパを主コイルに挿入する(工程1202)。
【0066】
次に、プロセスは、フィールドシェーパの周りに配置された主コイルからフィールドシェーパに電磁界を印加する(工程1204)。その後、プロセスは終了する。
【0067】
電磁界は、ダイ上のワークを曲げて部品の所望の形状にする磁気圧力を発生させる。磁気圧力は、ワークを曲げて部品の所望の形状にする、ワークに対する圧縮力である。
【0068】
図示した様々な実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法の一部の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び工程を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は工程もしくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表し得る。例えば、ブロックの1つ以上は、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実施されてもよい。ハードウェアで実施される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1つ以上の工程を実行するように製造又は構成された集積回路の形態を取り得る。プログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実施される場合、実施態様は、ファームウェアの形態を取り得る。フローチャート又はブロック図における各ブロックは、異なる工程を実行する専用ハードウェアシステム又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組み合わせを使用して実施されてもよい。
【0069】
例示的な実施形態の一部の代替的な実施態様では、ブロックに記載されている機能又は複数の機能は、図に記載されている順序から外れて実行されてもよい。例えば、一部のケースでは、連続して示されている2つのブロックは、関連する機能によっては、実質的に同時に実行されてもよいし、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、図示のブロックに加えて、フローチャート又はブロック図に他のブロックが追加されてもよい。
【0070】
本開示の例示的な実施形態は、図13に示すような航空機の製造及び保守点検方法1300並びに図14に示すような航空機1400との関連で説明され得る。最初に図13を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法のブロック図が示されている。試作中に、航空機の製造及び保守点検方法1300は、図14の航空機1400の仕様及び設計1302並びに材料調達1304を含み得る。
【0071】
生産中に、図14の航空機1400の構成要素及び部分組立品の製造1306並びにシステム統合1308が行われる。その後、就航1312させるために、図14の航空機1400の認証及び搬送1310が行われ得る。顧客による就航中1312に、図14の航空機1400は、改修、再構成、改造、又は他の整備及び保守点検を含み得る定期的な整備及び保守点検1314を予定される。
【0072】
航空機の製造及び保守点検方法1300の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、オペレータ、又はこれらの何らかの組み合わせによって実行又は遂行され得る。これらの例では、オペレータは顧客であってもよい。この説明のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機の製造業者及び主システムの下請業者を含んでもよいが、これらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよいが、これらに限定されず、オペレータは、航空会社、リース会社、軍隊、及び保守点検業者などであってもよい。
【0073】
次に図14を参照すると、例示的な実施形態を実施し得る航空機のブロック図が示されている。この例では、航空機1400は、図13の航空機の製造及び保守点検方法1300によって生産され、複数のシステム1404及び内部1406と共に機体1402を含み得る。システム1404の例は、推進システム1408、電気システム1410、油圧システム1412、及び環境システム1414のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、様々な例示的な実施形態は、自動車産業などの他の産業にも応用され得る。
【0074】
本明細書で具体化されている装置及び方法は、図13の航空機の製造及び保守点検方法1300のうちの少なくとも1つの段階中に使用され得る。
【0075】
例示的な一例では、図13の構成要素及び部分組立品の製造1306で生産される構成要素又は部分組立品は、図13の、航空機1400の就航中1312に生産される構成要素又は部分組立品と同様の方法で作製又は製造され得る。例えば、図1の部品形成システム102は、航空機1400用のワークから所望の形状を有する部品を形成するために使用され得る。例えば、ワークは、ジョグル曲げ部のないストリンガであってもよく、所望の形状を有する部品は、航空機1400用の部分組立品に使用され得る、ジョグル曲げ部を有するストリンガである。例えば、ジョグル曲げ部を有するストリンガは、外板パネル、胴体セクション、及び航空機1400の他の部分に用いるために形成され得る。
【0076】
さらに別の例として、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、図13の構成要素及び部分組立品の製造1306並びにシステム統合1308などの生産段階中に利用され得る。1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、航空機1400の就航中1312に、図13の整備及び保守点検1314中に、又はこれらの両方で利用され得る。例えば、図1の部品形成システム102は、定期的な整備、改修、再構成、改造、又は他の整備及び保守点検中に航空機1400に使用され得る部品又は部分組立品用の、ジョグル曲げ部を有するストリンガを形成するために使用され得る。
【0077】
複数の異なる例示的な実施形態の使用は、航空機1400の組み立てを大幅に迅速化し得るか、航空機1400のコストを低減し得るか、又は航空機1400の組み立てを迅速化し、かつ航空機1400のコストを低減し得る。例えば、図1の部品形成システム102を用いて、より高い均一性及び品質を有する部品を作ることができる。高い均一性及び品質は、ダイと共にプレスを使用して高温で部品を形成する現在のシステムと比べて周囲温度又はより低い温度を使用して部品を形成する能力の結果として得ることができる。
【0078】
次に図15を参照すると、例示的な実施形態による製品管理システムのブロック図が示されている。製品管理システム1500は、物理的なハードウェアシステムである。この例示的な例では、製品管理システム1500は、製造システム1502又は保守システム1504の少なくとも一方を含み得る。
【0079】
製造システム1502は、図14の航空機1400などの製品を製造するように構成される。図示のように、製造システム1502は、製造装置1506を含む。製造装置1506は、作製装置1508又は組立装置1510の少なくとも一方を含む。
【0080】
作製装置1508は、図14の航空機1400を形成するために使用される部品用の構成要素を作製するために使用され得る装置である。例えば、作製装置1508は、機械及び工具を含み得る。これらの機械及び工具は、ドリル、油圧プレス、炉、金型、複合テープ積層機(composite tape laying machine)、真空システム、旋盤、又は他の適切なタイプの装置のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0081】
図示のように、作製装置1508は、所望の形状を有する部品を形成するための、ワークに対する工程の実行に用いるために図1の部品形成システム102を含み得る。例えば、ストリンガなどのワークが、ジョグル曲げ部を有するストリンガを形成するために加工され得る。作製装置1508は、金属部品、複合部品、半導体、回路、締め具、リブ、外板パネル、スパー、アンテナ、又は他の適切なタイプの部品のうちの少なくとも1つを作製するために使用され得る。
【0082】
組立装置1510は、図14の航空機1400を形成するために部品を組み立てるために使用される装置である。特に、組立装置1510は、図14の航空機1400を形成するために構成要素及び部品を組み立てるために使用され得る。また、組立装置1510は、機械及び工具を含み得る。これらの機械及び工具は、ロボットアーム、クローラ、高速取り付けシステム(faster installation system)、レールベースの穿孔システム、又はロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。組立装置1510は、図14の航空機1400用のシート、水平安定装置、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸装置システム、及び他の部品などの部品を組み立てるために使用され得る。
【0083】
この例示的な例では、保守システム1504は保守装置1512を含む。保守装置1512は、図14の航空機1400の保守を行うために必要な任意の装置を含み得る。保守装置1512は、航空機の部品に対して様々な作業を行うための工具を含み得る。例えば、保守装置1512には、保守作業用の部品の作製に用いるために図1の部品形成システム102があってもよい。これらの作業は、図14の航空機1400の保守を行うための、部品の分解、部品の改造、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、又は他の作業のうちの少なくとも1つを含み得る。これらの作業は、定期的な保守、点検、アップグレード、改造、又は他のタイプの保守作業のためのものであってもよい。
【0084】
例示的な例では、保守装置1512は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、映像システム(vision system)、ドリル、クローラ、及び他の適切なデバイスを含み得る。場合によっては、保守装置1512は、保守に必要とされ得る部品の生産及び/又は組み立てを行うために作製装置1508、組立装置1510、又はこれら両方を含み得る。
【0085】
製品管理システム1500は、制御システム1514をも含む。制御システム1514は、ハードウェアシステムであるが、ソフトウェア又は他のタイプの構成要素をも含み得る。制御システム1514は、製造システム1502又は保守システム1504の少なくとも一方の動作を制御するように構成される。特に、制御システム1514は、作製装置1508、組立装置1510、又は保守装置1512のうちの少なくとも1つの動作を制御し得る。
【0086】
制御システム1514のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び他のタイプの装置を含み得るハードウェアであってもよい。この制御は、製造装置1506の直接制御の形態を取り得る。例えば、ロボット、コンピュータ制御機械、及び他の装置が、制御システム1514によって制御されてもよい。他の例示的な例では、制御システム1514は、図14の航空機1400の製造又は保守を行う際に人間の作業者1516によって行われる作業を管理してもよい。例えば、制御システム1514は、人間の作業者1516によって行われる作業を管理するためにタスクの割り当て、指示出し、モデルの表示、又は他の動作を行い得る。
【0087】
異なる例示的な例では、人間の作業者1516は、製造装置1506、保守装置1512、又は制御システム1514のうちの少なくとも1つの操作又はこれとの相互作用を行い得る。この相互作用は、図14の航空機1400を製造するために行われ得る。
【0088】
もちろん、製品管理システム1500は、図14の航空機1400以外の他の製品を管理するために構成され得る。航空宇宙産業における製造に関して製品管理システム1500を説明してきたが、製品管理システム1500は、他の産業の製品を管理するために構成され得る。例えば、製品管理システム1500は、自動車産業及び他の適切な産業の製品を製造するために構成されてもよい。
【0089】
以上のように、例示的な実施形態は、部品を製造するための方法及び装置を提供する。1つ以上の例示的な例は、ダイと共にプレスを高温で使用する現在利用可能な技術と比べて周囲温度又はより低い温度を使用してワークから所望の形状を有する部品を製造することを可能にする1つ以上の技術的解決策を提供する。例えば、1つ以上の例示的な例は、現在の技術のプレス及びダイを使用する、部品(ジョグル曲げ部を有するストリンガなど)の製造と比べて高い均一性及び品質を有する部品を製造する能力を提供する。
【0090】
さらに、本開示は、以下の項に係る実施形態を含む。
【0091】
項1.部品形成システムであって、
ワーク及びダイを受け入れるように構成された空隙部を有するフィールドシェーパであって、前記フィールドシェーパが、主コイルに挿入されることに基づいて複数の寸法を有し、フィールドシェーパが主コイル内に配置されている間に主コイルからの電磁界がフィールドシェーパに印加されるときに、ワークが、曲げられて所望の形状を有する部品を形成するフィールドシェーパ
を備える、部品形成システム。
【0092】
項2.主コイルを有する電磁システムであって、主コイルが、部品を形成するためにダイ上のワークに対して圧縮力を発生させる電磁システム
をさらに備える、項1に記載の部品形成システム。
【0093】
項3.フィールドシェーパが、第1の半部及び第2の半部を有し、第1の半部が、ダイを受け入れるスロットを有し、第2の半部が、第1の半部と第2の半部が互いに接合されて空隙部を画成しているときに、ダイ上に配置されたワークを受け入れる形状を有する、項1又は2に記載の部品形成システム。
【0094】
項4.複数の寸法が、主コイルのサイズに基づいて選択される、項1から3のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0095】
項5.複数の寸法が、フィールドシェーパの高さ、フィールドシェーパの長さ、形成領域の長さ、及び形成領域の高さの少なくとも1つから選択される、項4に記載の部品形成システム。
【0096】
項6.ダイが、ジョグルダイ、オフセットジョグルダイ、及びクラッシュジョグルダイからなるダイの群から選択される、項1から5のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0097】
項7.電磁界が、部品の所望の形状のためにワークにジョグル曲げ部を形成する磁気圧力を発生させる、項1から6のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0098】
項8.フィールドシェーパの形状が円筒形である、項1から7のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0099】
項9.ダイがジョグルダイであり、部品が航空機用のストリンガである、項1から8のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0100】
項10.部品が、ストリンガ、胴体ストリンガ、航空機ストリンガ、インターコスタル、作動油タンク、クリート、ダクト、成形フレーム、及びシヤタイから1つ選択される、項1から9のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0101】
項11.ワークが、導電性材料、金属合金、ニッケル合金、アルミニウム、鋼、炭素鋼、銅、黄銅、銀、鉄、又はチタンのうちの少なくとも1つを備える、項1から10のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0102】
項12.ワークにジョグル曲げ部を形成するための部品形成システムであって、
主コイルと、
ジョグルダイと、
ワーク及びジョグルダイを受け入れるように構成された空隙部を有するフィールドシェーパであって、前記フィールドシェーパが、主コイルの複数の寸法に基づいて複数の寸法を有し、フィールドシェーパが主コイル内に配置されている間に主コイルからの電磁界がフィールドシェーパに印加されるときに、ワークにジョグル曲げ部が形成されて、所望の形状を有する部品が形成されるフィールドシェーパと
を備える、部品形成システム。
【0103】
項13.フィールドシェーパが、第1の半部及び第2の半部を有し、第1の半部が、ジョグルダイを受け入れるスロットを有し、第2の半部が、第1の半部と第2の半部が互いに接合されて空隙部を画成しているときに、ジョグルダイ上に配置されたワークを受け入れる形状を有する、項12に記載の部品形成システム。
【0104】
項14.複数の寸法が、主コイルのサイズに基づいて選択される、項12又は13に記載の部品形成システム。
【0105】
項15.ジョグルダイが、オフセットジョグルダイ及びクラッシュジョグルダイからなるダイの群から選択される、項12から14のいずれか一項に記載の部品形成システム。
【0106】
項16.部品を形成するための方法であって、
フィールドシェーパの空隙部内にワークを配置するステップと、
フィールドシェーパの周りに配置された主コイルからフィールドシェーパに電磁界を印加するステップであって、電磁界が、ダイ上のワークを曲げて部品の所望の形状にする磁気圧力を発生させるステップと
を含む、方法。
【0107】
項17.空隙部内のワークと共にフィールドシェーパを主コイルに挿入するステップ
をさらに含む、項16に記載の方法。
【0108】
項18.磁気圧力が、ワークを曲げて部品の所望の形状にする、ワークに対する圧縮力である、項16又は17に記載の方法。
【0109】
項19.磁気圧力が、部品を形成するためにワークにジョグル曲げ部を形成する、項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
項20.部品が、ストリンガ、胴体ストリンガ、航空機ストリンガ、インターコスタル、作動油タンク、クリート、ダクト、成形フレーム、及びシヤタイから1つ選択される、項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示及び説明のために提示されたものであり、網羅的であること又は開示した形態の実施形態に限定されることを意図したものではない。異なる例示的な例は、動作又は工程を実行する構成要素を説明している。例示的な実施形態では、構成要素は、説明した動作又は工程を実行するように構成され得る。例えば、構成要素は、構成要素によって実行されるときに例示的な例で説明した動作又は工程を実行する能力を構成要素に与える構造のための構成又は設計を有し得る。
【0112】
当業者には多くの修正及び変形は明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の望ましい実施形態と比べて異なる特徴を提供し得る。選択された実施形態又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の適用を最もよく説明するために、また、考えられる特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態の開示を当業者が理解できるようにするために選び出されて説明されている。
【符号の説明】
【0113】
100 製造環境
102 部品形成システム
104 部品
106 ワーク
108 プラットフォーム
110 航空機
112 部品
114 ワーク
116 ストリンガ
118 ジョグル曲げ部
120 電磁システム
122 フィールドシェーパ
124 ダイ
126 空隙部
128 第1の半部
130 第2の半部
132 スロット
134 形状
136 形成領域
138 複数の寸法
140 主コイル
142 所望の形状
144 電磁界
146 圧縮力
148 磁気圧力
200 フィールドシェーパ
202 第1の半部
204 第2の半部
206 空隙部
208 第1の半部のスロット
210 第2の半部のスロット
212 レリーフ
400 第1の半部の内側
600 第2の半部の内側
700 ダイ
702 ワーク
800 部品形成システム
802 電磁システム
804 主コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15