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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ダンパ装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20221108BHJP
   F16K 1/226 20060101ALI20221108BHJP
   F16K 49/00 20060101ALI20221108BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20221108BHJP
   F16J 15/10 20060101ALN20221108BHJP
【FI】
F25D17/08 313
F16K1/226 C
F16K49/00 B
F24F13/10 A
F16J15/10 C
F16J15/10 P
F16J15/10 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018110343
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019211196
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 隆司
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-194316(JP,A)
【文献】特開2002-295951(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0027809(KR,A)
【文献】実開昭54-144340(JP,U)
【文献】特開平02-056236(JP,A)
【文献】特開2017-227325(JP,A)
【文献】実開平05-079124(JP,U)
【文献】特開平08-193658(JP,A)
【文献】特開2005-014701(JP,A)
【文献】特開2005-241051(JP,A)
【文献】米国特許第06244564(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/08
F16J 15/10
F16K 1/226
F16K 31/04
F16K 49/00
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するフレームと、
前記開口部を開閉するバッフルと、
前記バッフルの駆動部と、
前記バッフルに設けられ、前記駆動部により前記バッフルが閉位置に駆動された際に前記開口部の周縁部に当接する当接部を有する環状の弾性体と、
を備え、
前記弾性体は断面に曲線部を持ち、前記当接部が前記曲線部であり、
前記周縁部は、前記弾性体の断面方向から見て、前記弾性体の径よりも幅が広く外側に向かうにつれて前記バッフルに近づく斜面となっていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダンパ装置において、
前記弾性体を保持する溝部を備えることを特徴とするダンパ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のダンパ装置において、
前記弾性体は、前記バッフルに取り付けられていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のダンパ装置において、
前記弾性体は断面が中空状であることを特徴とするダンパ装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のダンパ装置において、
前記弾性体は前記周縁部に沿って環状に1周する切欠きを有することを特徴とするダンパ装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載のダンパ装置において、
前記開口部は矩形状であることを特徴とするダンパ装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項に記載のダンパ装置において、
前記フレームにおける前記周縁部の周囲部に配置されるヒータを備えることを特徴とするダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々なダンパ装置が使用されている。このようなダンパ装置のうち、開口部を有するフレームと該開口部を開閉するバッフルとを有するダンパ装置がある。例えば、特許文献1には、開口部を有するフレームと、平板状の緩衝部材を有するとともに開口部を開閉するバッフルと、を備え、バッフルを閉位置に位置させた際に緩衝部材を開口部に接触させるダンパ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-68506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッフルを閉位置に位置させた際に平板状の緩衝部材を開口部に接触させるダンパ装置においては、緩衝部材全体の厚さが均一になるように管理することが、生産性、コストなどの観点から困難な場合がある。そして、緩衝部材全体の厚さが均一でないと、バッフルを閉位置に位置させた際の密閉性が低い場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、開口部を開閉する開口部を開閉するバッフルを閉位置に位置させた際の密閉性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明におけるダンパ装置は、開口部を有するフレームと、前記開口部を開閉するバッフルと、前記バッフルの駆動部と、前記フレームまたは前記バッフルの少なくとも一方に設けられ、前記駆動部により前記バッフルが閉位置に駆動された際に前記開口部の周縁部に当接する当接部を有する環状の弾性体と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本態様によれば、バッフルを閉位置に位置させた際に開口部の周縁部に配置される環状の弾性体を備える。環状の弾性体であれば、開口部の周縁部に均一に配置することが容易となるので、バッフルを閉位置に位置させた際の密閉性を向上できる。
【0008】
本発明におけるダンパ装置は、前記弾性体を保持する溝部を備えることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、弾性体を保持する溝部を備えるので、簡単な構成で弾性体を保持することができる。
【0010】
本発明において、前記弾性体は、前記バッフルに取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、バッフルに取り付けられている弾性体により、バッフルを閉位置に位置させた際の密閉性を向上できる。
【0012】
本発明において、前記弾性体は断面に曲線部を持ち、前記当接部が前記曲線部であることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、弾性体は、断面に曲線部を持ち、当接部が曲線部であるので、該弾性体を簡単に形成できる。
【0014】
本発明において、前記弾性体は断面が中空状であることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、弾性体は断面が中空状であるので、バッフルを閉位置に位置させた際に、該弾性体と接触する接触部との接触に伴って、該弾性体を効果的に変形させることができるので開口部を密閉させることができる。
【0016】
本発明において、前記弾性体は前記周縁部に沿って環状に1周する切欠きを有することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、弾性体は周縁部に沿って環状に1周する切欠きを有するので、バッフルを閉位置に位置させた際に、該弾性体と接触する接触部との接触に伴って、該弾性体を効果的に変形させることができるので開口部の密閉性を向上させることができる。
【0018】
本発明におけるダンパ装置は、前記駆動部により前記バッフルが閉位置に駆動された際に前記弾性体と接触する接触部は、前記弾性体と接触する側に進むにつれて厚みが薄くなっていることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、接触部は弾性体と接触する側に進むにつれて厚みが薄くなっているので、バッフルを接触部と弾性体との接触開始位置から閉位置まで移動させることに伴って、小さい接触面積で弾性体に対して接触を開始しつつ弾性体を変形させることができる。このため、弾性体を効果的に変形させることができ、開口部を密閉させることができる。
【0020】
本発明において、前記開口部は矩形状であることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、開口部は矩形状であるので開口部を簡単に形成できる。
【0022】
本発明におけるダンパ装置は、前記フレームにおける前記周縁部の周囲部に配置されるヒータを備えることを特徴とする。
【0023】
例えば、ダンパ装置が低温環境下に配置されると、フレームとバッフルとの間に凍結が生じ、バッフルがフレームに対して開閉しづらくなる場合がある。しかしながら、本態様によれば、フレームにおける周縁部の周囲部にヒータが配置されるので、例えば、ダンパ装置が低温環境下に配置されたとしても、該ヒータにより加熱することで、バッフルがフレームに対して開閉しづらくなることを抑制できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のダンパ装置は、開口部を開閉するバッフルを閉位置に位置させた際の密閉性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明のダンパ装置を備える装置の一例を表す概略斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係るダンパ装置を表す概略斜視図であり、バッフルを開位置に位置させた状態を表している。
図3】本発明の実施例1に係るダンパ装置を表す概略斜視図であり、バッフルを閉位置に位置させた状態を表している。
図4】本発明の実施例1に係るダンパ装置を表す概略斜視図であり、図3をα-α線で切りα1方向から見た断面図である。
図5】本発明の実施例1に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図3をα-α線で切りα1方向から見た断面図である。
図6】本発明の実施例2に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
図7】本発明の実施例3に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
図8】本発明の実施例4に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
図9】本発明の実施例5に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
図10】本発明の実施例6に係るダンパ装置を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施例に係るダンパ装置1について説明する。
最初に、本実施例のダンパ装置1の使用例について説明する。
図1は、本実施例のダンパ装置1を備える装置の一例である冷蔵庫101を表す概略図(一部透視図)である。
【0027】
(ダンパ装置1の使用例)
図1で表されるように、本実施例のダンパ装置1は、冷蔵庫101などで使用可能である。本実施例のダンパ装置1を備える図1で表される冷蔵庫101は、冷蔵室102と、冷凍室103と、野菜室104と、を備えている。冷蔵庫101は、冷却器105で生成された冷気をダンパ装置107(送風機)を開状態にすることで気流AFにして送出し、何れも開閉板を開閉可能な開閉板式のダンパ装置109(本実施例のダンパ装置1)、開閉板式のダンパ装置106(2つのバッフルを有するダンパ装置)及び開閉板式のダンパ装置108(本実施例のダンパ装置1)を介して、冷蔵室102、冷凍室103及び野菜室104に該気流AFを導入可能な構成になっている。
【0028】
ここで、本実施例の冷蔵庫101は、連続使用することなどに伴って冷却器105に霜が付着した場合に、該霜を溶解して除去する霜取りモードを実行可能である。該霜取りモードでは、ダンパ装置107を閉状態にして気流AFが冷蔵室102、冷凍室103及び野菜室104に流入しないようにして、冷却器105周辺を暖気で温める。
【0029】
本実施例のダンパ装置1を備える装置は、冷蔵庫に限定されない。ただし、本実施例のダンパ装置1は、冷蔵庫において特に好ましく用いることができる。なお、本実施例のダンパ装置1を備える冷蔵庫の構成は図1で表される構成に限定されず、本発明のダンパ装置はダンパ装置1の構成(ダンパ装置108および109の構成)に限定されない(例えばダンパ装置106のように複数のバッフルを有していてもよい)。
【0030】
(実施例1のダンパ装置1)
次に、実施例1のダンパ装置1について詳細に説明する。
【0031】
ここで、図2は、本実施例のダンパ装置1を表す概略斜視図であり、バッフル3を開位置に位置させた状態を表している。また、図3は、本実施例のダンパ装置1を表す概略斜視図であり、バッフル3を閉位置に位置させた状態を表している。また、図4は、本実施例のダンパ装置1を表す概略斜視図であり、図3をα-α線で切りα1方向から見た断面図である。そして、図5は、本実施例のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図3をα-α線で切りα1方向から見た断面図である。
【0032】
なお、図1、並びに、図2から図5、さらには後述する図6から図9では、一部、構成部材が省略して表されている場合がある。
ここで、図2から図9において、方向Zは、フレーム2の開口部Oの開口方向であり、方向X及び方向Yは、各々が直交し、共に方向Zと直交する方向である。
【0033】
(ダンパ装置1の概要)
図2から図6で表されるように、本実施例のダンパ装置1は、矩形状の開口部Oが形成されたフレーム2と、フレーム2の開口部Oを開閉するためのバッフル3と、開口部Oおよびバッフル3に対して隔壁板2aを介してX方向に隣り合うバッフル3の駆動部10と、を有している。隔壁板2aと駆動部10とは結合部11で結合されている。フレーム2、隔壁板2a、並びに、駆動部10の外壁部分であるケース12は樹脂製である。ケース12の内部には、バッフル3を駆動(回転)させるためのモータおよび輪列などが形成されている。
【0034】
フレーム2は、開口部Oが形成された矩形状の端板部2bと、端板部2bの外縁からZ方向に沿って突出した角筒状の胴部2cとを有している。また、端板部2bにおいて開口部Oの縁から、バッフル3が位置する側に向けて(Z方向に沿って)突出した角筒状のシール板部2eが形成されている。
【0035】
バッフル3は、環状の弾性体4を有しており、該弾性体4をシール板部2eに当接することにより、開口部Oを閉状態とする(図3から図5で表される状態)。図4および図5で表されるように、バッフル3には弾性体4を保持する溝部3aが形成されている。溝部3aは、バッフル3を閉位置に位置させた状態においてシール板部2eの先端部2dと対向する位置に形成されている。このため、バッフル3を閉位置に位置させた状態では、図4及び図5で表されるように、溝部3aに取り付けられた弾性体4とシール板部2eの先端部2dとが対向することとなる。さらには、先端部2dに弾性体4が押し当てられて弾性体4が弾性変形することで、開口部Oは密閉される。なお、図4及び図5では、元々の弾性体4の形状を分かり易く表すために、弾性体4は先端部2dと一部が重なって表されているとともに弾性変形していない状態で表されているが、実際にバッフル3を閉位置に位置させた状態では、上記のように、弾性体4は先端部2dに押し当てられて弾性変形する。
【0036】
バッフル3は、X方向に延在する回転中心軸線L周りに回転可能(図2及び図3参照)にフレーム2に支持されており、駆動部10は、回転中心軸線L周りにバッフル3を回転させて開口部Oを開閉する。
【0037】
また、上記のように、本実施例のダンパ装置1は、冷蔵庫101などで使用可能であり、冷気通路を構成するダクトの内側に配置される。ここで、冷気は、開口部Oに対してバッフル3が配置されている側から開口部Oを通って流れる場合がある(例えば図1の冷蔵庫101におけるダンパ装置109の配置)。あるいは、開口部Oに対してバッフル3が配置されている側とは反対から開口部Oを通って流れる場合もある(例えば図1の冷蔵庫101におけるダンパ装置108の配置)。
【0038】
ここで、一旦まとめると、本実施例のダンパ装置1は、開口部Oを有するフレーム2と、開口部Oを開閉するバッフル3と、バッフル3の駆動部10と、フレーム2またはバッフル3の少なくとも一方に設けられ、駆動部10によりバッフル3が閉位置に駆動された際に開口部Oの周縁部であるシール板部2eに当接する当接部40を有する環状の弾性体4と、を備えている。
【0039】
すなわち、本実施例のダンパ装置1は、環状の弾性体4により、容易に開口部Oの周縁部に均一に密閉部材を配置させている。そして、このような構成としていることで、バッフル3を閉位置に位置させた際の密閉性を向上している。
なお、開口部Oの周縁部に弾性体4を配置させるということには、該周縁部に弾性体4が配置されてさえいれば、本実施例のように弾性体4がバッフル3に形成される場合、弾性体4がフレーム2に形成される場合、弾性体4がバッフル3とフレーム2の両方に形成される場合、のいずれの場合も含む。
【0040】
ここで、図5で表されるように、本実施例のダンパ装置1においては、弾性体4は断面に曲線部41を持ち、当接部40が曲線部41である。このため、本実施例のダンパ装置1においては、該弾性体4を簡単に形成できている。ただし、弾性体4はこのような構成に限定されない。例えば、開口部Oの周縁部にシリコンゴムなどを含有した流動性組成物を配置させ、該流動性組成物の揮発成分を揮発させて弾性体とすることなどで弾性体4を形成してもよい。
【0041】
また、上記のように、本実施例のダンパ装置1は、弾性体4を保持する溝部3aを備えている。このため、本実施例のダンパ装置1においては、簡単な構成で弾性体4を保持している。ただし、弾性体4を保持する構成は本実施例のような構造の溝部に限定されない。
【0042】
本実施例においては、溝部3aの幅を弾性体4の径よりも小さく形成し、弾性体4を溝部3aに押し込むことで、溝部3aで弾性体4を保持する構成を形成している。ただし、例えば、溝部3aから弾性体4が外れにくくするために溝部3aに返し(突起部)を形成してもよいし、溝部以外の構成(例えば接着剤を用いた接着など)により弾性体4を保持する構成としてもよい。
【0043】
また、図2で表されるように、本実施例のダンパ装置1における開口部Oは矩形状である。このため、開口部Oを簡単に形成できており、矩形状であるフレーム2の端板部2bに対して効率のよい(広い)開口部Oとしている。ただし、開口部Oの形状に特に限定は無く、フレーム2の形状などに応じて、様々な形状とすることができる。
【0044】
(実施例2のダンパ装置1)
実施例1のダンパ装置1は、弾性体4がバッフル3に形成されていた。
次に、弾性体4がフレーム2に形成される実施例2のダンパ装置1について説明する。
【0045】
図6は、実施例2のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施例のダンパ装置1は、フレーム2およびバッフル3の構成以外は、実施例1のダンパ装置1と同様の構成である。
【0046】
図6で表されるように、本実施例のダンパ装置1のフレーム2には、開口部Oの周縁部であるシール板部2fに溝部2gが形成されている。そして、環状の弾性体4が該溝部2gに保持されている。
【0047】
上記のように、実施例1のダンパ装置1においては、弾性体4はバッフル3に形成されている。そして、本実施例のダンパ装置1においては、弾性体4はフレーム2に形成されている。しかしながら、例えば、実施例1のダンパ装置1のバッフル3と本実施例のダンパ装置1のフレーム2とを組み合わせ、弾性体4がバッフル3とフレーム2の両方に形成されている構成(例えば、バッフル3を閉位置に位置させた際に弾性体同士を接触させる構成)としてもよい。
【0048】
(実施例3のダンパ装置1)
実施例1及び2のダンパ装置1においては、弾性体4は、断面が円形であり内部まで構成材料が詰まった形状であった。
次に、弾性体4の形状が実施例1及び2とは異なる形状のダンパ装置1について説明する。
【0049】
図7は、実施例3のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
なお、上記実施例1及び2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施例のダンパ装置1は、弾性体4の形状以外は、実施例1のダンパ装置1と同様の構成である。
【0050】
図7で表されるように、本実施例のダンパ装置1の弾性体4は、断面が円形であり内部に空洞部4aを有する。すなわち、断面が中空状である。空洞部4aが形成されているため、本実施例の弾性体4は変形しやすい(潰れやすい)。したがって、本実施例のダンパ装置1は、バッフル3を閉位置に位置させた際に、該弾性体4と接触する接触部としてのシール板部2eの先端部2dとの接触に伴って、該弾性体4を効果的に変形させることができ、開口部Oを密閉させることができる構成になっている。
【0051】
(実施例4のダンパ装置1)
実施例1及び2のダンパ装置1においては、弾性体4は、断面が円形であり内部まで構成材料が詰まった形状であった。また、実施例3においては、弾性体4は、断面が円形であり内部に空洞部4aを有する断面が中空状の構成であった。
次に、弾性体4の形状が実施例1から3とは異なる形状のダンパ装置1について説明する。
【0052】
図8は、実施例4のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
なお、上記実施例1から3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施例のダンパ装置1は、弾性体4の形状以外は、実施例1のダンパ装置1と同様の構成である。
【0053】
図8で表されるように、本実施例のダンパ装置1の弾性体4は、断面が円形であり周縁部に沿って環状に1周する切欠き4bを有する形状である。切欠き4bが形成されているため、本実施例の弾性体4は変形しやすい(潰れやすい)。したがって、本実施例のダンパ装置1は、バッフル3を閉位置に位置させた際に、該弾性体4と接触する接触部としてのシール板部2eの先端部2dとの接触に伴って、該弾性体4を効果的に変形させることができ、開口部Oの密閉性を向上させることができる構成になっている。
【0054】
(実施例5のダンパ装置1)
実施例1、3及び4のダンパ装置1においては、シール板部2eは、先端部2dに進むにつれて厚みに変化が無かった(Z方向において厚みが一定だった)。
次に、シール板部の形状が実施例1、3及び4とは異なる形状のダンパ装置1について説明する。
【0055】
図9は、実施例5のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
なお、上記実施例1から4と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施例のダンパ装置1は、シール板部の形状以外は、実施例1のダンパ装置1と同様の構成である。
【0056】
図9で表されるように、本実施例のシール板部2hは、先端部2iに進むにつれて厚みが薄くなるテーパー形状となっている。別の表現をすると、本実施例のダンパ装置1においては、駆動部10によりバッフル3が閉位置に駆動された際に弾性体4と接触する接触部(シール板部2hの先端部2i)は、弾性体4と接触する側に進むにつれて厚みが薄くなっている。このため、本実施例のダンパ装置1は、バッフル3を接触部と弾性体4との接触開始位置から閉位置まで移動させることに伴って、小さい接触面積で弾性体4に対して接触を開始しつつ弾性体4を変形させることができる。このため、本実施例のダンパ装置1は、弾性体4を効果的に変形させることができ、開口部Oを密閉させることができる構成になっている。
【0057】
(実施例6のダンパ装置1)
次に、シール板部の形状が実施例1から5とはさらに異なる形状のダンパ装置1について説明する。
【0058】
図10は、実施例6のダンパ装置1を表す概略側面図であり、図5に対応する断面図である。
なお、上記実施例1から5と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施例のダンパ装置1は、シール板部の形状以外は、実施例1のダンパ装置1と同様の構成である。
【0059】
図10で表されるように、本実施例のシール板部2jは、先端部2kが弾性体4の径よりも幅の広い斜面となっている。このため、バッフル3が開位置から閉位置に駆動された際に多少フレーム2に対するバッフル3の位置がずれたとしても、弾性体4と先端部2kとを効果的に接触させることができる。したがって、本実施例のダンパ装置1は、フレーム2に対するバッフル3の位置ずれに伴う開口部Oの密閉性の低下を抑制できる構成になっている。
【0060】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。
また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0061】
上述の実施例以外の構成としては、例えば、フレーム2における開口部Oの周縁部の周囲部にヒータを配置してもよい。ダンパ装置1が低温環境下に配置されると、フレーム2とバッフル3との間に凍結が生じ、バッフル3がフレーム2に対して開閉しづらくなる場合がある。しかしながら、フレーム2における開口部Oの周縁部の周囲部にヒータを配置することで、例えば、ダンパ装置1が低温環境下に配置されたとしても、該ヒータにより加熱することで、バッフル3がフレーム2に対して開閉しづらくなることを抑制できる。さらには、バッフル3が閉位置にある際にフレーム2とバッフル3との間に凍結が生じた場合に、バッフル3を開位置にすることに伴い弾性体が外れることなども抑制できる。
【符号の説明】
【0062】
1…ダンパ装置、2…フレーム、2a…隔壁板、2b…端板部、2c…胴部、
2d…先端部、2e…シール板部(周縁部、接触部)、
2f…シール板部(周縁部、接触部)、2g…溝部、
2h…シール板部(周縁部、接触部)、2i…先端部、
2j…シール板部(周縁部、接触部)、2k…先端部、3…バッフル、3a…溝部、
4…弾性体、4a…空洞部、4b…切欠き、10…駆動部、11…結合部、
12…ケース、40…当接部、41…曲線部、101…冷蔵庫、102…冷蔵室、
103…冷凍室、104…野菜室、105…冷却器、106…ダンパ装置、
107…ダンパ装置、108…ダンパ装置、109…ダンパ装置、AF…気流、
O…開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10