(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】医用情報表示装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20221108BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221108BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20221108BHJP
【FI】
G16H10/00
G06F3/0481
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2018127717
(22)【出願日】2018-07-04
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】篠原 滉平
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 展樹
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016216(JP,A)
【文献】特開2017-209339(JP,A)
【文献】特開2002-157333(JP,A)
【文献】特開2017-051591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療情報を含む診療画面を表示する表示制御部と、
前記診療画面において指定された指定日時、及び当該診療画面に関するメモの入力を受け付ける受付部と、
前記メモに対して、当該メモが入力された入力日時、前記指定日時、及び前記メモが入力される際の診療画面に関する情報を関連付ける関連付け部と、
を備え、
前記受付部は、前記メモを表示する表示指示を受け付け、
前記診療画面に関する情報は、
前記メモの入力時に前記メモが入力された端末に表示されていた診療画面をキャプチャした結果取得されるキャプチャ情報を含み、
前記表示制御部は、前記表示指示されたメモと、前記キャプチャ情報に基づくキャプチャ画面とを共に表示し、
前記表示制御部は、前記診療画面とは異なる別ウィンドウで前記キャプチャ画面を表示する、
医用情報表示装置。
【請求項2】
前記診療画面に関する情報は、前記診療画面における前記診療情報の配置の目的を表すレイアウト保存名を含み、
前記表示制御部は、前記レイアウト保存名を表示する、
請求項1に記載の医用情報表示装置。
【請求項3】
前記指定日時は、診療イベントが発生した日時、又は、予定された日時を含む、
請求項1または2に記載の医用情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の診療情報を統合的に観察することが可能な診療情報統合ビューアが実装されている医用情報表示装置では、医師等のユーザは、医用情報表示装置のディスプレイに表示されている患者の診療情報を統合的に観察し、患者の診断及び治療等を行うことが可能である。患者の診療情報には、例えば、医用画像を表す医用画像データ、及び電子カルテデータ等様々な種類の情報が含まれている。
【0003】
このような統合ビューアが実装されている医用情報表示装置では、ユーザは、例えば、ディスプレイに表示される画面において、画像検査、検体検査、及び細菌検査等の検査結果、バイタルサイン、薬剤投与に関する情報、読影レポート、並びに、カルテ記載内容等の診療情報を、任意に選択し、所定の領域に配置して表示することができる。選択された診療情報は、例えば、パネルとして所定の領域に表示される。ユーザは、パネルのサイズを任意に変更することができる。また、ユーザは、複数の診療情報を異なる複数のパネルとして同時に表示することができる。また、ユーザは、診療情報毎に表示期間を任意に変更することができる。
【0004】
ところで、ユーザは、医用情報表示装置が備えるディスプレイに表示されている患者の診療情報を見つつ、医用情報表示装置が備える入力インターフェースを介して、気付き、考えたこと、及び将来の予測等の所見、並びに、表示されている診療情報に関連するカンファレンス時の指摘事項等を、メモとして医用情報表示装置に入力する。入力されたメモは、例えば、所定のデータベースに登録される。このとき、入力メモとして登録される内容は、例えば、メモの内容、メモ記載者、メモ入力日時、診療イベントが発生した日時、及び診療イベントが予定された日時等である。診療イベントは、例えば、患者毎の画像検査、検体検査、細菌検査、バイタルサイン計測、薬剤投与、レポート作成、及びカルテ記載等である。
【0005】
登録されたメモは、ユーザの表示指示に従い、例えば、診療イベントが発生した日時、又は診療イベントが予定された日時順に医用情報表示装置が備えるディスプレイに表示される。
【0006】
しかしながら、例えば、メモを入力したユーザとは別のユーザ(第三者)が当該メモを参照した場合、メモの内容と診療イベントが発生した日時、又は診療イベントが予定された日時との関係を関連付ける情報が表示されていないため、メモの意図が理解できない場合がある。この第三者がメモの意図を理解するためには、メモ情報の入力者に直接問い合わせる、又は医用情報表示装置を操作してメモ入力時の患者の診療情報を検索して確認する等の追加作業が発生してしまう。第三者は、この追加作業を行わなかった場合、メモの意図が理解できないため、例えば、表示されているメモを無視する、又はメモの意図を誤理解して診療するおそれがある。
【0007】
このような問題を回避するためには、メモを入力するユーザは、メモ入力時に、どのユーザが見てもわかるように詳細な情報を記載する必要があるが、この詳細な情報の記載作業はメモを入力するユーザにとって負担である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、診療に関するメモの意図を理解するために必要なユーザの負担を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、医用情報表示装置は、表示制御部、受付部、及び関連付け部を備える。表示制御部は、診療情報を含む診療画面を表示する。受付部は、前記診療画面において指定された指定日時、及び当該診療画面に関するメモの入力を受け付ける。関連付け部は、前記メモに対して、当該メモが入力された入力日時、前記指定日時、及び前記メモが入力される際の診療画面に関する情報を関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置が含まれる医療情報システムを表すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される医用情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置が、診療に関するメモを保存する際の処理回路の動作を表すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示される診療画面、及びメモ入力ウィンドウを表す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示されるDWHのメモリに記憶される第2レイアウト情報の例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置が、診療に関するメモを表示する際の処理回路の動作を表すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示されるメモ一覧を表す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示されるメモウィンドウ、及び復元した診療画面を表す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示されるレイアウト保存名を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置が、診療に関するメモを保存する際の処理回路の動作を表すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置が、診療に関するメモを表示する際の処理回路の動作を表すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示されるキャプチャ画面を表す図である。
【
図14】
図14は、他の実施形態に係る医用情報表示装置のディスプレイに表示される診療画面、及びメモ入力ウィンドウを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1が利用される環境の例を表すブロック図である。
図1に示される医用情報表示装置1は、例えば、医療情報を統合的に観察することが可能な装置である。医用情報表示装置1には、例えば統合ビューアが実装されている。統合ビューアは医療情報を統合的にユーザに提示するアプリケーションである。統合ビューアは、Webアプリケーション、ファットクライアントアプリケーション、又は、シンクライアントアプリケーション等、いずれの実装形態を採用しても良い。医用情報表示装置1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information Systems)2、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiology Information Systems)3、医用画像診断装置4、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)5、及びデータウェアハウス(DWH:Data WareHouse)6と、例えばLAN(Local Area Network)等の病院内ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
図1において、HIS2は、例えば、予約情報及びオーダ情報等を管理するオーダシステムを含む。予約情報は、例えば、診察予約、及び検査予約等に関する情報を含む。診察予約に関する情報は、例えば、診察日、診察時刻、受付番号、依頼医師、及び依頼科等を含む。検査予約に関する情報は、例えば、検査日、検査時刻、及び受付番号等を含む。オーダ情報は、例えば、診療医等が依頼するオーダについての情報であり、例えば、画像検査、検体検査、生理検査、処方箋、及び投薬等についてのオーダ情報がある。オーダ情報が画像検査を依頼する検査オーダ情報である場合、検査オーダ情報には、例えば検査を識別可能なオーダ番号、患者ID、検査種別、検査部位、及び依頼元情報等が含まれる。オーダ番号は、検査オーダ情報が入力される際に発行される番号であり、例えば1つの病院内で検査オーダ情報を一意に特定するための識別子である。検査種別には、X線検査、CT(Computed Tomography)検査、MR(Magnetic Resonance)検査、及びRI(Radio Isotope)検査等が含まれる。検査部位には、例えば腹部、脳、及び胸部等が含まれる。依頼元情報には、診療科名、及び担当医名等が含まれる。検査予約に関する情報は、オーダ情報と連携している。
【0015】
また、HIS2は、例えば、電子カルテに関する情報を管理する電子カルテシステムを含む。電子カルテに関する情報には、例えば、患者情報及び診療情報が含まれる。患者情報は、患者固有の情報であり、例えば、患者ID、患者氏名、性別、及び年齢等を含む。
【0016】
診療情報は、診療の過程で、患者の身体状況、病状、及び治療等について、医療従事者が知り得た情報である。診療情報は、例えば、画像情報、検歴情報、心電図情報、バイタルサイン情報、薬歴情報、レポート情報、及びカルテ記載情報等を含む。画像情報は、例えば、患者を撮影等することにより取得された医用画像の所在を表す情報である。画像情報には、例えば、検査が実施された結果医用画像診断装置4により生成される後述の医用画像ファイルの所在を表す情報が含まれる。検歴情報は、例えば、患者に対して検体検査、及び細菌検査等が行われた結果取得される検査結果の履歴を表す情報である。心電図情報は、例えば、患者から計測された心電図波形に関する情報である。バイタルサイン情報は、例えば、患者の生命に関わる基本的な情報である。バイタルサイン情報には、例えば、脈拍数、呼吸数、体温、血圧、及び意識レベル等が含まれる。薬歴情報は、例えば、患者に投与された薬剤の量の履歴を示す情報である。レポート情報は、例えば、診療科の診療医からの検査依頼に対して、放射線科の読影医がIDCT画像、MRI画像、及び超音波画像等の医用画像を読影し、患者の状態及び疾患についてまとめた情報である。レポート情報には、例えば、読影医がPACS5に記憶された医用画像ファイルを参照して作成された読影レポートを表す読影レポート情報が含まれる。カルテ記載情報は、例えば、診療医等により電子カルテに入力された情報である。カルテ記載情報には、例えば、患者の病歴、及び薬の処方履歴等が含まれる。
【0017】
また、電子カルテに関する情報には、例えば、検査実施情報が含まれる。検査実施情報は、検査オーダ情報に従い検査を実施した医用画像診断装置4により生成される。検査実施情報は、医用画像診断装置4において実施された検査を表す情報である。検査実施情報には、オーダ番号、検査UID(Unique ID)、患者ID、モダリティ種別、撮影部位、及び撮影条件等が含まれる。検査UIDは、検査を一意に特定可能な識別子である。モダリティ種別は、撮影に用いたモダリティを表す。モダリティ種別には、例えば、「X線コンピュータ断層撮影装置」、「磁気共鳴イメージング装置」、及び「超音波診断装置」等が含まれる。撮影部位は、検査オーダ情報に含まれる検査部位に対応する。撮影部位には、例えば、腹部、脳、及び胸部等が含まれる。撮影条件には、体位、撮影方向、及び造影剤の使用の有無等が含まれる。
【0018】
RIS3は、放射線検査業務に係る検査予約情報を管理するシステムである。RIS3は、例えばHIS2に含まれるオーダシステムにおいて診療医から入力される検査オーダ情報に各種設定情報を付加して集積し、集積した情報を検査予約情報として管理する。なお、RIS3は、過去の検査の際に医用画像診断装置4において設定された各種設定情報を記録した照射録を用いて、検査オーダ情報に対して各種設定情報を付加してもよい。RIS3は、検査予約情報に従い検査オーダを医用画像診断装置4へ送信する。また、RIS3は、検査が実施された結果医用画像診断装置4により生成される検査実施情報を、HIS2に含まれる電子カルテシステムに送信する。
【0019】
医用画像診断装置4は、患者を撮影等することにより検査を実施する装置である。医用画像診断装置4は、例えばX線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学診断装置、及び超音波診断装置等を含む。医用画像診断装置4は、例えばRIS3から送信される検査予約情報に基づいて検査を実施する。医用画像診断装置4は、検査実施情報を生成し、RIS3に送信する。
【0020】
また、医用画像診断装置4は、検査の実施により医用画像データを生成する。医用画像データは、例えばX線CT画像データ、X線画像データ、MRI画像データ、核医学画像データ、及び超音波画像データ等である。医用画像診断装置4は、生成した医用画像データを例えばDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した形式に変換することにより、医用画像ファイルを生成する。医用画像ファイルは、例えば、DICOM規格に準拠した形式のファイルである。医用画像診断装置4は、生成した医用画像ファイルをPACS5に送信する。
【0021】
PACS5は、種々の医用画像ファイルを管理するシステムである。PACS5は、例えば、医用画像診断装置4から送信された医用画像ファイルを記憶する。
【0022】
DWH6は、例えば、医療・介護等関係機関で発生した情報、いわゆる診療ビッグデータを一括して蓄積するデータベースシステムである。DWH6は、例えば、一般的なサーバ装置により実現される。DWH6は、例えば、
図1で示されるように、処理回路61、メモリ62、及び通信インターフェース63を有する。処理回路61、メモリ62、及び通信インターフェース63は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
処理回路61は、DWH6の中枢として機能するプロセッサである。処理回路61は、メモリ62等に記憶されているプログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する、例えば、収集機能611、及び登録機能612を実現する。
【0024】
収集機能611は、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から、所望の情報を収集する機能である。具体的には、収集機能611において処理回路61は、例えば、予め設定された情報を、予め設定された周期で、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から収集する。なお、処理回路61は、予め記憶されている機械学習モデルを利用し、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から所望の情報を収集するようにしてもよい。これにより、例えば、HIS2から電子カルテに関する情報等が収集され、RIS3から検査予約情報等が収集され、医用画像診断装置4、又は医用画像管理システム5から医用画像ファイルが収集される。
【0025】
なお、処理回路61は、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から種々の情報を収集した後、収集した情報から所望の情報を抽出するようにしてもよい。
【0026】
登録機能612は、取得した情報をメモリ62に記憶させる機能である。具体的には、登録機能612において処理回路61は、例えば、予め設定された規則に則り、HIS2から収集した診療情報をメモリ62に記憶させる。予め設定された規則とは、例えば、患者毎の画像検査、検体検査、細菌検査、心電図計測、バイタルサイン計測、薬剤投与、レポート作成、及びカルテ記載等の診療イベントに関するイベント日時等を利用した順序等である。イベント日時は、例えば、診療イベントが発生した日時、又は、診療イベントが予定された日時等である。イベント日時には、例えば、画像検査の実施日時、検体検査等の実施日時、心電図波形の計測日時、バイタルサインの計測日時、薬剤の投与日時、レポートの作成日時、カルテの記載日時等が含まれる。これにより、収集された診療情報は、例えば、イベント日時順に、診療情報621としてメモリ62に記憶される。
【0027】
また、登録機能612において処理回路61は、医用情報表示装置1から送信された診療に関するメモをメモ情報622としてメモリ62に記憶させる。メモとは、例えば、覚え書、又は備忘録等を表す。メモ情報622に含まれる各レコードにおいては、医用情報表示装置1に入力された診療に関するメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、メモ入力時に指定されていた指定日時、及び当該メモが入力される際に表示されていた診療画面に関する情報がそれぞれ関連付けられている。指定日時は、例えば、メモ入力日時より過去の日時を示す。指定日時は、メモ入力日時より未来の日時であってもよい。指定日時は、例えば、イベント日時を含む。また、指定日時は、例えば、後述するタイムラインを表す領域において指定された任意の日時を含んでもよい。
【0028】
診療画面は、例えば、診療医等のユーザが特定患者の診療情報を統合的に観察し、当該患者の診断及び治療等を行うために表示される画面である。診療画面は、例えば、タイムラインを表す領域、及び診療情報を表す領域を含む。
【0029】
タイムラインを表す領域は、例えば、特定の患者について診療イベントがイベント日時順に時系列に沿って表示される領域である。タイムラインを表す領域には、例えば、医用情報表示装置1において診療に関するメモが入力される際に、ユーザにより指定された日時を示す指示子が含まれる。
【0030】
診療情報を表す領域には、例えば、画像情報を表す領域、検歴情報を表す領域、バイタルサイン情報を表す領域、薬歴情報を表す領域、レポート情報を表す領域、及びカルテ記載情報を表す領域等の個別の診療情報を表す領域が複数含まれる。
【0031】
メモリ62は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ62は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。メモリ62は、例えば、収集機能611、及び登録機能612を実現するための制御プログラム等を記憶している。なお、当該プログラムは、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ62にインストールされてもよい。
【0032】
メモリ62は、例えば、診療情報621、及びメモ情報622を記憶している。
【0033】
通信インターフェース63は、病院内ネットワークを介して接続された医用情報表示装置1、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5との間でデータ通信を行う。医用情報表示装置1、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7(Hearth Level 7)、DICOM、又はその両方等が挙げられる。
【0034】
次に、本実施形態に係る医用情報表示装置1の詳細について
図2を参照しながら説明する。
図2は、
図1に示される医用情報表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0035】
図2に示される医用情報表示装置1は、処理回路11、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15を有する。処理回路11、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0036】
処理回路11は、医用情報表示装置1の中枢として機能するプロセッサである。医用情報表示装置1は、例えばメモリ14等に記憶されている制御プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
【0037】
入力インターフェース12は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インターフェース12は、例えば、操作者からの表示指示を受け付ける。入力インターフェース12は、操作者からの表示指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路へ出力する。
【0038】
ディスプレイ13は、ユーザが各種業務を遂行するため種々の情報を表示する。ディスプレイとして13は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0039】
メモリ14は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ14は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。
【0040】
メモリ14は、ディスプレイ13に表示されている診療画面に含まれる診療情報の配置を表す第1レイアウト情報を記憶している。第1レイアウト情報は、例えば、患者毎に記憶されている。第1レイアウト情報は、例えば、ユーザの診療目的に合わせた診療情報の配置に関する情報が含まれている。第1レイアウト情報には、例えば、診療画面に含まれる診療情報の配置を特定するレイアウト保存名が含まれている。レイアウト保存名は、例えば、診療画面における診療情報の配置の目的を表す。レイアウト保存名は、例えば、第1レイアウト情報がメモリ14に記憶される際に、入力インターフェース12を介して、ユーザにより任意に設定される。
【0041】
第1レイアウト情報には、例えば、診療画面に含まれる診療情報毎に、診療情報の種別を表す診療データ種別、診療情報を表示する基準位置、及び診療情報を表示する表示サイズが含まれる。基準位置は、例えば、診療画面において表示される診療情報の診療画面に対する相対的な位置を表す。表示サイズは、例えば、診療情報が1つのパネルとして表示される場合の、当該パネルのサイズを表す。
【0042】
通信インターフェース15は、病院内ネットワークを介して接続されたHIS2、RIS3、医用画像診断装置4、PACS5、及びDWH6との間でデータ通信を行う。HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、PACS5、及びDWH6との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7、DICOM、又はその両方等が挙げられる。
【0043】
第1の実施形態に係る処理回路11は、取得機能111、関連付け機能113、表示制御機能115、及びシステム制御機能117を有する。
【0044】
取得機能111は、表示している診療画面に関する種々の情報を取得する機能である。取得機能111の実行により処理回路11は、例えば、ディスプレイ13に表示されている診療画面に対応する第1レイアウト情報を、メモリ14から取得する。また、処理回路11は、診療画面を表示する際に生成されるメタ情報を参照し、診療画面の復元に必要な項目の値を取得する。診療画面の復元に必要な項目は、例えば、特定の診療情報について取得されるデータの内容を表すデータ項目、並びに、当該データ項目について取得された医用画像データ、又は計測値等を表示する表示期間等である。
【0045】
また、処理回路11は、入力インターフェース12を介してユーザから入力される各種指示に応じて、通信インターフェース15を介し、DWH6のメモリ62に記憶されたメモ情報622を取得する。
【0046】
関連付け機能113は、診療に関するメモが入力される際に、当該メモの内容に対して、診療画面に関する情報を関連付ける機能である。第1の実施形態に係る診療画面に関する情報は、例えば、第1レイアウト情報、及び取得機能111により取得されたメタ情報を含む。関連付け機能113の実行により処理回路11は、例えば、入力されたメモの内容に対して、メモ入力時に表示されていた診療画面に関する情報を第2レイアウト情報として関連付ける。第2レイアウト情報は、例えば、診療画面に含まれる診療情報の配置、及び表示期間を表す。このとき、処理回路11は、入力されたメモの内容に対して、メモ入力者、メモ入力日時、及びメモ入力時に指定されていたイベント日時も関連付ける。そして、処理回路11は、例えば、通信インターフェース15を介し、DWH6の処理回路61に対し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、メモ入力時に診療画面において指定されていた指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622としてメモリ62に記憶するよう指示する。これにより、DWH6の処理回路61は、登録機能612を実行し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、メモ入力時に指定されていた指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622としてメモリ62に記憶する。また、第2レイアウト情報は、特許請求の範囲に記載のレイアウト情報の一例である。
【0047】
表示制御機能115は、メモの内容と、メモ入力時に表示されていた診療画面とを共に表示する機能である。表示制御機能115の実行により処理回路11は、まず、入力インターフェース12を介して入力された特定の患者についての診療情報を表示する表示指示に従い、診療情報を含む診療画面を表示する。そして、処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介して入力された特定のメモを表示する表示指示に従い、指定されたメモの内容に関連付けられた第2レイアウト情報、及び第2レイアウト情報に対応する診療情報に基づいて、メモ入力時に表示されていた診療画面を表す診療画面データを生成する。これにより、メモ入力時に表示されていた診療画面が復元される。処理回路11は、復元した診療画面を、メモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、及びメモ入力時に復元した診療画面において指定されていた指定日時と共に表示する。
【0048】
システム制御機能117は、医用情報表示装置1の入出力、及び通信等の基本動作を制御する機能である。システム制御機能117が実行されると、処理回路11は、入力インターフェース12を介して各種要求を受け付ける。処理回路11は、受け付けた各種要求に応じて、各種機能を実行する。処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介して、ディスプレイ13に表示されている診療画面に関する第1レイアウト情報の保存指示を受け付ける。処理回路11は、保存指示を受け付けると、例えば、第1レイアウト情報をメモリ14に記憶する。また、処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介して、ディスプレイ13に表示されている診療画面において指定日時の指定を受け付ける。処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介して、診療に関するメモの入力を受け付ける。
【0049】
取得機能111、関連付け機能113、表示制御機能115、及びシステム制御機能117は、制御プログラムとして組み込まれていてもよいし、処理回路11自体に各機能を実行可能な専用のハードウェア回路が組み込まれていてもよい。
【0050】
次に、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1の各種動作について、図を参照して説明する。
【0051】
まず、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1が、診療に関するメモを保存する動作について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1が、診療に関するメモを保存する際の処理回路11の動作の例を表すフローチャートである。以下の説明では、処理回路11は、通信インターフェース15を介し、データウェアハウス6のメモリ62に記憶されている特定の同一患者についての診療情報621を読み出し、ユーザから表示指示された診療情報をディスプレイ13に表示するものとする。また、処理回路11は、ユーザから表示指示された医用画像を表す医用画像データを含む医用画像ファイルを、例えば、PACS5から読み出してディスプレイ13に表示するものとする。このとき、処理回路11は、例えば、当該表示指示の入力を行ったユーザにより指定された画像情報が表す医用画像ファイルの所在を表す情報に基づいて、当該医用画像ファイルをPACS5から読み出す。なお、処理回路11は、ユーザから表示指示された診療情報を、HIS2から読み出すことによりディスプレイ13に表示してもよい。
【0052】
また、処理回路11は、ディスプレイ13に診療情報を表示する際に、例えば、予め設定された設定内容、又は、ユーザにより指定された設定内容に基づき、表示する診療画面に対応するメタ情報を生成するものとする。処理回路11は、生成したメタ情報を、処理回路11が備える不図示の内部メモリに記憶しているものとする。
【0053】
また、処理回路11は、メモが入力される前に、予めユーザの表示指示に従い、診療情報を含む診療画面をディスプレイ13に表示しているものとする。このとき、ユーザは、例えば、入力インターフェース12を介して、診療目的に応じた第1レイアウト情報を選択しているものとする。そして、処理回路11は、ユーザの選択に応じて、メモリ14から第1レイアウト情報を予め取得しているものとする。
【0054】
処理回路11は、入力インターフェース12を介して、メモの保存指示を受け付ける(ステップSA1)。
図4は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1のディスプレイ13に表示される診療画面IS1、及びメモ入力ウィンドウW1の例を表す図である。
図4に示される診療画面IS1は、タイムラインを表す領域R1、及び診療情報を表す領域R2を含む。
【0055】
図4に示されるタイムラインを表す領域R1では、例えば、特定の患者について、「イベント」、「検体検査」、「心電図」、及び「画像検査」をそれぞれ表すアイコンが、イベント日時順に時系列に沿って表示されている。「イベント」は、例えば、「検体検査」、「心電図」、及び「画像検査」等以外の診療イベントを表す。「イベント」は、例えば、「入院」、及び「退院」等の診療イベントを含む。「イベント」のイベント日時は、例えば、入院日時、及び退院日時等である。なお、「イベント」は、例えば、特定の患者について、検体検査等で異常値が検出された場合に、異常を知らせるアイコン等の表示によりユーザに通知する目的で設けられた診療イベントであってもよい。
【0056】
また、
図4に示されるタイムラインを表す領域R1には、ユーザにより指定された指定日時を示す指示子L1が含まれる。
図4に示される指示子L1は、点線の態様で表示されている。このとき、指示子L1が示す指定日時は、2016年5月2日17時である。また、指示子L1が示す日時は、アイコンI1が示す検体検査のイベント日時と一致する。なお、指示子L1が示す位置は、イベントを表すアイコンが表示される位置と必ずしも一致している必要はない。すなわち、指示子L1が示す日時は、イベント日時と必ずしも一致している必要はない。例えば、指示子L1は、タイムラインを表す領域R1内において、任意の日時を表す位置に表示されていてもよい。
【0057】
図4に示される診療情報を表す領域R2は、薬歴情報を表す領域R21、バイタルサイン情報を表す領域R22、検歴情報を表す領域R23を含む。
【0058】
図4に示される薬歴情報を表す領域R21では、特定の患者に対する薬剤の点滴量の実績が、「2016/4/29~2016/5/2」の表示期間において、時系列に沿って表示されている。具体的には、薬歴情報を表す領域R21では、2016年4月29日(金)に240ml、2016年4月30日(土)に620ml、2016年5月1日(日)に430mlの薬剤が特定の患者に投与された実績が表示されている。
【0059】
図4に示されるバイタルサイン情報を表す領域R22では、特定の患者から取得されたバイタルサイン情報が、「2016/5/4~2016/5/7」の表示期間において、時系列に沿って表示されている。具体的には、バイタルサイン情報を表す領域R22では、「2016/5/4~2016/5/7」の表示期間において、特定の患者から取得された脈拍数(BPM:Beats Per Minutes)が時系列に沿って表示されている。
【0060】
図4に示される検歴情報を表す領域R23では、特定の患者について実施された検体検査の結果が、「2016/4/26~2016/5/3」の表示期間において、時系列に沿って表示されている。具体的には、検歴情報を表す領域R23では、「2016/4/26~2016/5/3」の表示期間において、ALB(アルブミン)の濃度(g/dl)が時系列に沿って表示されている。このとき、検歴情報を表す領域R23には、タイムラインを表す領域R1に含まれる指示子L1に対応する指示子L2が表示されている。
図4に示される指示子L1、及び指示子L2は同じ日時を示している。
【0061】
また、
図4では、診療画面IS1に重畳される態様で、メモ入力ウィンドウW1がポップアップ表示されている。なお、メモ入力ウィンドウW1は、診療画面IS1に含まれる態様で表示されていてもよい。メモ入力ウィンドウW1は、ユーザが診療に関するメモを入力するためのウィンドウである。メモ入力ウィンドウW1は、メモ入力フィールドF1、保存ボタンB1、及びキャンセルボタンB2を含む。
【0062】
メモ入力フィールドF1は、診療に関するメモの内容が入力されるフィールドである。ユーザは、例えば、診療画面IS1に表される特定の患者に関する複数の診療情報を参照し、入力インターフェース12を介して、メモ入力フィールドF1に診療に関するメモの内容を入力する。具体的には、
図4に示されるメモ入力フィールドF1には、「検査計測値の急激な増減あり」が入力されている。このとき、メモの内容「検査計測値の急激な増減あり」のメモ入力者はユーザ「user_2」であり、メモ入力日時は「2016-05-02 21:00」であるものとする。また、メモ入力者「user_2」は、担当する特定の患者について、BB症例の診療中に検体検査の計測値の急激な増減があることを確認し、当該患者に薬剤を投与したものとする。このとき、メモ入力者「user_2」は、
図4に示される診療画面IS1を参照し、薬剤を投与した理由として、メモの内容「検査計測値の急激な増減あり」を入力したものとする。
【0063】
保存ボタンB1は、メモ入力フィールドF1に入力されたメモの内容を確定し、保存するためのボタンである。キャンセルボタンB2は、メモ入力フィールドF1に入力されたメモの内容をキャンセルするためのボタンである。
【0064】
処理回路11は、
図4に示される保存ボタンB1が指定されると、取得機能111を実行し、予め取得した第1レイアウト情報を読み出す。また、処理回路11は、ディスプレイ13に表示している診療画面IS1に対応するメタ情報を、例えば、処理回路11が備える不図示の内部メモリから取得する(ステップSA2)。このとき、取得された第1レイアウト情報には、例えば、診療画面IS1に含まれる診療情報の配置の目的を表すレイアウト保存名「BB症例診断用」が含まれている。また、第1レイアウト情報には、薬歴情報を表す領域R21について、少なくとも診療データ種別「薬剤」、基準位置「(0、20)」、及びサイズ(横、縦)「(60、60)」が含まれている。また、第1レイアウト情報には、バイタルサイン情報を表す領域R22について、少なくとも診療データ種別「バイタルサイン」、基準位置「(60、20)」、及びサイズ(横、縦)「(60、30)」が含まれている。また、第1レイアウト情報には、検歴情報を表す領域R23について、少なくとも診療データ種別「検体検査」、基準位置「(60、50)」、及びサイズ(横、縦)「(60、30)」が含まれている。
【0065】
また、メタ情報には、ステップSA1においてメモが入力される際に表示されていた診療画面に関する情報が含まれている。具体的には、メタ情報には、薬歴情報を表す領域R21について、少なくともデータ項目「点滴」、及び表示期間「2016/4/29~2016/5/2」が含まれている。また、メタ情報には、バイタルサイン情報を表す領域R22について、少なくともデータ項目「脈拍」、及び表示期間「2016/5/4~2016/5/7」が含まれている。また、メタ情報には、検歴情報を表す領域R23について、少なくともデータ項目「ALB」、及び表示期間「2016/4/26~2016/5/3」が含まれている。なお、表示期間には、日付情報だけでなく、時間情報が含まれていてもよい。このとき、表示期間は、例えば、「2016/5/4 09:00~2016/5/7 21:00」のように表される。
【0066】
処理回路11は、第1レイアウト情報、及びメタ情報を取得すると、関連付け機能113を実行し、ステップSA1において保存指示されたメモに対して、取得した第1レイアウト情報、及びメタ情報を、第2レイアウト情報として関連付ける(ステップSA3)。このとき、処理回路11は、入力されたメモの内容に対して、メモ入力者、メモ入力日時、及びメモ入力時に
図4に示される診療画面IS1において指定されていた指定日時も関連付ける。具体的には、処理回路11は、入力されたメモの内容「検査計測値の急激な増減あり」に対して、メモ入力者「user_2」、メモ入力日時「2016-05-02 21:00」、及びメモ入力時に
図4に示される診療画面IS1において指定されていた指定日時「2016-05-02 17:00」を関連付ける。
【0067】
処理回路11は、例えば、通信インターフェース15を介し、DWH6の処理回路61に対し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622の1レコードとしてメモリ62に記憶するよう指示する(ステップSA4)。これにより、DWH6の処理回路61は、登録機能612を実行し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622の1レコードとしてメモリ62に記憶する。
図5は、
図1に示されるDWH6のメモリ62に記憶される第2レイアウト情報の例を示す図である。
図5によれば、第2レイアウト情報に含まれる各レコードは、項目として、レイアウト保存名、診療データ種別、基準位置、サイズ(横、縦)、データ項目、及び表示期間等を有する。具体的には、
図5に示される第2レイアウト情報は、レイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「薬剤」、基準位置「(0、20)」、サイズ(横、縦)「(60、60)」、データ項目「点滴」、及び表示期間「2016/4/29~2016/5/2」であるレコードを含む。また、
図5に示される第2レイアウト情報は、レイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「バイタルサイン」、基準位置「(60、20)」、サイズ(横、縦)「(60、30)」、データ項目「脈拍」、及び表示期間「2016/5/4~2016/5/7」であるレコードを含む。また、
図5に示される第2レイアウト情報は、レイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「検体検査」、基準位置「(60、50)」、サイズ(横、縦)「(60、30)」、データ項目「ALB」、及び表示期間「2016/4/26~2016/5/3」であるレコードを含む。
【0068】
なお、処理回路11は、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第2レイアウト情報を、例えば、メモリ14に記憶してもよい。
【0069】
次に、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1が、診療に関するメモを表示する動作について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1が、診療に関するメモを表示する際の処理回路11の動作の例を表すフローチャートである。以下の説明では、処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介したユーザの指示に従い、DWH6のメモリ62から、メモ情報622に含まれる必要なレコードを予め取得しているものとする。また、診療に関するメモを参照するユーザは、「user_3」であるものとする。
【0070】
処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介して、特定の患者について、メモ一覧の表示指示を受け付ける(ステップSB1)。
【0071】
処理回路11は、特定の患者について、メモ一覧の表示指示を受け付けると、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照し、指定された患者に関するメモ一覧を表示する(ステップSB2)。
図7は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1のディスプレイ13に表示されるメモ一覧の例を表す図である。
図7に示される診療画面IS1は、タイムラインを表す領域R1、及び診療情報を表す領域R2を含む。
【0072】
図7に示される診療情報を表す領域R2は、メモ一覧を表す領域R24、及び薬歴情報を表す領域R25を含む。
【0073】
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24には、ステップSB1で指定された特定の患者について、登録された診療に関するメモが、指定日時の順に、時系列に沿って一覧表示されている。具体的には、メモの内容「体温の上昇あり、注意必要」に対して、関連付けられた指定日時「2016-04-27 00:23」、メモ入力者「user_1」、メモ入力日時「2016-04-27 19:00」、及びレイアウト保存名「AA症例診療用」が表示されている。なお、
図7に示される「日時」は指定日時、「入力者」はメモ入力者、「入力日時」はメモ入力日時、「レイアウト」はレイアウト保存名にそれぞれ対応している。また、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対して、関連付けられた指定日時「2016-05-02 17:00」、メモ入力者「user_2」、メモ入力日時「2016-05-02 21:00」、及びレイアウト保存名「BB症例診療用」が表示されている。このように、メモの内容に対応するレイアウト保存名が表示されることにより、
図7に示されるメモ一覧を参照したユーザは、レイアウト保存名を手がかりとして、記載時の状況や記載理由の推測ができる。また、メモの内容に対応するメモ入力者が表示されることにより、
図7に示されるメモ一覧を参照したユーザは、当該ユーザの診療への関連有無の判断を容易にすることが可能となる。
【0074】
また、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24は、表示されているメモの内容について、当該メモ入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面の詳細を確認するために指定可能な領域51、及び領域52を含む。領域51が指定された場合、メモの内容「体温の上昇あり、注意必要」の入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面の詳細を確認することが可能である。また、領域52が指定された場合、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」の入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面の詳細を確認することが可能である。
【0075】
処理回路11は、ステップSB2において、指定された患者に関するメモ一覧を表示すると、個別のメモの表示指示を受け付ける(ステップSB3)。
【0076】
このとき、ユーザは、例えば、入力インターフェース12を介して、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24に含まれる領域R51、又は、領域R52を指定することにより、それぞれのメモについて、メモ入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面を確認することができる。第1の実施形態では、領域R52が指定されるものとする。このとき、例えば、ユーザ「user_3」は、BB症例と関連する症例の診療中に、
図7に示されるメモ一覧に含まれるレイアウト保存名「BB症例診断用」を認識し、自身の担当する症例の診療の役に立つと考えて、領域R52を指定している。
【0077】
図7に示される薬歴情報を表す領域R25には、
図4に示される薬剤薬歴情報を表す領域R21に表示されている情報と同様の情報が表示されている。
【0078】
処理回路11は、
図7に示される領域R52が指定されると、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照し、表示指示されたメモに対応する第2レイアウト情報を読み出す(ステップSB4)。具体的には、処理回路11は、表示指示されたメモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対応する第2レイアウト情報を、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照して読み出す。
【0079】
処理回路11は、読み出した第2レイアウト情報に基づいて、復元する診療画面に係る各診療情報の配置、及び表示期間等を決定する(ステップSB5)。具体的には、処理回路11は、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対応するレイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「薬剤」、基準位置「(0、20)」、サイズ(横、縦)「(60、60)」、データ項目「点滴」、及び表示期間「2016/4/29~2016/5/2」であるレコードに基づいて、薬歴情報の配置、及び表示期間等を決定する。また、処理回路11は、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対応するレイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「バイタルサイン」、基準位置「(60、20)」、サイズ(横、縦)「(60、30)」、データ項目「脈拍」、及び表示期間「2016/5/4~2016/5/7」であるレコードに基づいて、バイタルサイン情報の配置、及び表示期間等を決定する。また、処理回路11は、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対応するレイアウト保存名「BB症例診断用」、診療データ種別「検体検査」、基準位置「(60、50)」、サイズ(横、縦)「(60、30)」、データ項目「ALB」、及び表示期間「2016/4/26~2016/5/3」であるレコードに基づいて、検歴情報の配置、及び表示期間等を決定する。
【0080】
さらに、処理回路11は、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」の入力時に
図4に示される診療画面IS1において指定されていた指定日時「2016-05-02 17:00」に基づいて、診療画面に含まれるタイムラインを表す領域に表示する指定日時を設定する(ステップSB6)。
【0081】
ステップSB5、及びステップSB6の実行により、処理回路11は、メモ入力時に表示されていた診療画面を復元する。具体的には、処理回路11は、指定されたメモの内容に関連付けられた第2レイアウト情報、及び第2レイアウト情報に対応する診療情報に基づいて、メモ入力時に表示されていた診療画面を表す診療画面データを生成する。
【0082】
処理回路11は、表示指示されたメモを、復元した診療画面と共に表示する(ステップSB7)。
図8は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1のディスプレイ13に表示されるメモウィンドウW2、及び復元した診療画面IS1の例を表す図である。
図8では、診療画面IS1に重畳される態様で、メモウィンドウW2がポップアップ表示されている。なお、
図8に示されるメモウィンドウW2は、診療画面IS1に含まれる態様で表示されていてもよい。
【0083】
図8に示されるメモウィンドウW2は、ステップSB3において表示指示された診療に関するメモの内容をポップアップ表示したウィンドウである。
図8に示されるメモウィンドウW2には、ステップSB3において表示指示されたメモの内容「検査測定値の急激な増減あり」、当該メモの内容に対応する指定日時「2016-05-02 17:00」、及びメモ入力者「User_2」が表示されている。
【0084】
図8に示される診療画面IS1は、
図4に示されるメモ入力時に表示されていた診療画面IS1を復元したものである。
図8に示される診療画面IS1は、タイムラインを表す領域R1、及び診療情報を表す領域R2を含む。
図8に示されるタイムラインを表す領域R1には、
図4に示されるタイムラインを表す領域R1と同様の情報が表示されている。これにより、
図8に示される復元された診療画面IS1を参照したユーザは、例えば、メモ入力時の診療情報の表示期間とメモ入力日時が異なる場合でも、ユーザにより指定された指定日時を示す指示子L1の位置を知ることができるため、メモの意図を容易に、かつ、正確に理解することが可能となる。
【0085】
図8に示される診療情報を表す領域R2には、
図4に示される診療情報を表す領域R2に表示されている診療情報と同じ診療情報、すなわち薬歴情報、バイタルサイン情報、及び検歴情報が、同一の配置、及び表示期間で表示されている。これにより、
図8に示される復元された診療画面IS1を参照したユーザは、例えば、お互いに異なる表示期間が設定された複数の診療情報がメモ入力時に表示されていた場合でも、各診療情報の配置、及び表示期間を知ることができるため、メモの意図を容易に、かつ、正確に理解することが可能となる。
【0086】
具体的には、例えば、
図8に示される診療画面IS1を参照したユーザ「user_3」は、診療画面IS1に含まれる検歴情報を表す領域R23において、特定の患者について、ALBの値が2016年4月27日から2016年4月29にかけて減少し、2016年4月29から2016年5月3日にかけて増加していることを認識する。また、ユーザ「user_3」は、診療画面IS1に含まれる薬歴情報を表す領域R21において、2016年4月29日から2016年5月1日にかけて、ALBの値の増減のあった特定の患者に対して薬剤が投与されたことを認識する。これにより、ユーザ「user_3」は、例えば、検体検査の結果を受けて薬剤が投与された事実と、メモの内容「検査測定値の急激な増減あり」が薬剤投与の理由として記載されたものであることを理解することができる。このように、ユーザ「user_3」は、メモウィンドウW2、及び復元された診療画面IS1を参照することにより、診療に関するメモが入力された根拠となる診療情報を詳細に把握することができ、メモ入力時のメモ入力者の思考をより追跡することが可能となる。
【0087】
また、
図8に示される復元された診療画面IS1は、戻るボタンB3を有する。戻るボタンB3は、復元された診療画面IS1が表示されている際に、一つ前の表示画面に遷移する旨の画面切替指示を受け付けるために設けられたボタンである。
図8に示される戻るボタンB3が指定されると、処理回路11は、例えば、一つ前の表示画面である
図7に示される診療画面IS1を表示する。これにより、ユーザは、容易に他の診療業務に移行することが可能となる。
【0088】
また、
図8に示される復元された診療画面IS1は、第2レイアウト情報を用いて、各診療情報を配置して復元されたものである。このとき、処理回路11は、例えば、復元された診療画面IS1に含まれる特定の診療情報を表す領域に対して処理の操作が行われると、指定された領域に対応する診療情報に関連する各種情報を表示する。具体的には、処理回路11は、例えば、薬歴情報を表す領域R21、バイタルサイン情報を表す領域R22、又は検歴情報を表す領域R23のうち検歴情報を表す領域R23に対して表示期間を変更する操作が行われると、例えば、検歴情報を表す領域R23に表示されている表示期間外の検歴情報を、例えばDWH6のメモリ62から取得する。そして、処理回路11は、取得した表示期間外の検歴情報をディスプレイ13に表示する。
【0089】
なお、処理回路11は、
図8に示される復元された診療画面IS1を一時的に表示される画面として表示するようにしてもよい。このとき、処理回路11は、例えば、
図8に示される復元された診療画面IS1をディスプレイ13に表示した後、当該診療画面IS1を正式に表示する診療画面として確定するか否かを表すウィンドウをポップアップ表示する。
【0090】
第1の実施形態によれば、処理回路11は、ディスプレイ13に診療情報を表示する。処理回路11は、ディスプレイ13に表示されている診療情報に関するメモの入力を受け付ける。処理回路11は、入力されたメモに対して、当該メモが入力された入力日時、ユーザにより指定された指定日時、及びメモが入力される際にディスプレイ13に表示されている診療情報を含む診療画面に関する情報を関連付ける。
【0091】
これにより、メモを参照するユーザは、入力されたメモと、メモ入力時に表示されていた診療画面との関係を容易に把握することができる。また、メモを入力するユーザは、メモ入力時に、どのユーザが見てもわかるように詳細な情報を記載する必要がない。
【0092】
したがって、第1の実施形態に係る医用情報表示装置によれば、診療に関するメモの意図を理解するために必要なユーザの負担を軽減することが可能となる。
【0093】
なお、第1の実施形態に係る医用情報表示装置によれば、若手医師が、ベテラン医師により入力されたメモの内容、及び当該メモの内容に関連付けられた診療画面に関する情報を参照することにより、若手医師の教育にも貢献することが可能である。
【0094】
また、第1の実施形態によれば、診療画面に関する情報は、診療画面に含まれる診療情報の配置、及び表示期間を表す第2レイアウト情報を含む。そして、処理回路11は、第2レイアウト情報に基づいて、メモ入力時に表示されていた診療画面を復元し、復元した診療画面をディスプレイ13に表示する。これにより、ユーザは、例えば、復元された診療画面に含まれる特定の診療情報を表す領域に所定の操作を行うことにより、当該診療情報に関連する種々の情報を確認することが可能となる。
【0095】
なお、処理回路11は、例えば
図7に示されるタイムラインを表す領域R1において、メモが入力されたイベントを表すメモアイコンを時系列に沿って表示し、当該メモアイコンにカーソルが合わされたとき、当該アイコンに覆いかぶさるように、レイアウト保存名を表示するようにしてもよい。
図9は、第1の実施形態に係る医用情報表示装置1のディスプレイ13に表示されるレイアウト保存名の例を示す図である。
図9によれば、指定日時が「2016-04-27 00:23」として入力されたメモを表すメモアイコンI2にカーソルが合せられた際に、メモアイコンI2に覆いかぶさる形で、レイアウト保存名「AA症例診療用」を含む吹き出しW3が表示されている。これにより、
図9に示される吹き出しW3を参照したユーザは、表示されているレイアウト保存名を手がかりとして、記載時の状況や記載理由の推測ができる。
【0096】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、処理回路11は、入力されたメモに対して、取得された第1レイアウト情報、及びメタ情報を第2レイアウト情報として関連付けるようにしていた。第2の実施形態では、入力されたメモに対して、メモ入力時に表示されていた診療画面をキャプチャした結果取得されるキャプチャ画面を表すキャプチャ情報が関連付けられる場合について説明する。
【0097】
第2の実施形態に係る医用情報表示装置が利用される環境の例を表すブロック図は、
図1に示されるブロック図と同様である。以下の説明では、
図1に示される医用情報表示装置1を、医用情報表示装置1Aと置き換えて、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aについて説明する。
【0098】
次に、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aの詳細について
図10を参照しながら説明する。
図10は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
【0099】
図10に示される医用情報表示装置1Aは、処理回路11A、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15を有する。処理回路11A、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0100】
処理回路11Aは、医用情報表示装置1Aの中枢として機能するプロセッサである。医用情報表示装置1Aは、例えばメモリ14等に記憶されている制御プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
【0101】
第2の実施形態に係る入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15の機能及び構成は、第1の実施形態に係る入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15の機能及び構成とそれぞれ同様である。
【0102】
第2の実施形態に係る処理回路11Aは、取得機能111、関連付け機能113A、表示制御機能115A、システム制御機能117、及びキャプチャ機能119を有する。
【0103】
関連付け機能113Aは、診療に関するメモが入力される際に、当該メモの内容に対して、診療画面に関する情報を関連付ける機能である。第2の実施形態に係る診療画面に関する情報は、例えば、第1レイアウト情報に含まれるレイアウト保存名、及びキャプチャ情報を含む。関連付け機能113Aの実行により処理回路11Aは、例えば、入力されたメモの内容に対して、メモ入力時に表示されていた診療画面に関する情報を第3レイアウト情報として関連付ける。このとき、処理回路11Aは、入力されたメモの内容に対して、メモ入力者、メモ入力日時、及びメモ入力時に指定されていたイベント日時も関連付ける。そして、処理回路11は、例えば、通信インターフェース15を介し、DWH6の処理回路61に対し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622としてメモリ62に記憶するよう指示する。これにより、DWH6の処理回路61は、登録機能612を実行し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第2レイアウト情報を、メモ情報622としてメモリ62に記憶する。
【0104】
表示制御機能115Aは、メモの内容と、メモ入力時に表示されていた診療画面とを共に表示する機能である。表示制御機能115の実行により処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介してユーザにより入力された特定のメモに関する表示指示に従い、指定されたメモの内容に関連付けられた第3レイアウト情報からキャプチャ情報を読み出す。処理回路11は、キャプチャ情報に基づくキャプチャ画面を、メモの内容、メモの内容に関連付けられたメモ入力者、メモ入力日時、及び指定日時と共に表示する。
【0105】
キャプチャ機能119は、診療画面をキャプチャする機能である。キャプチャ機能119の実行により処理回路11は、メモ入力時にディスプレイ13に表示されている診療画面をキャプチャし、キャプチャ画面を表すキャプチャ情報を取得する。
【0106】
取得機能111、関連付け機能113A、表示制御機能115A、システム制御機能117、及びキャプチャ機能19は、制御プログラムとして組み込まれていてもよいし、処理回路11A自体に各機能を実行可能な専用のハードウェア回路が組み込まれていてもよい。
【0107】
次に、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aの各種動作について、図を参照して説明する。
【0108】
まず、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aが、診療に関するメモを保存する動作について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aが、診療に関するメモを保存する際の処理回路11Aの動作の例を表すフローチャートである。以下の説明では、処理回路11Aは、通信インターフェース15を介し、データウェアハウス6のメモリ62に記憶されている特定の同一患者についての診療情報621を読み出し、ユーザから表示指示された診療情報をディスプレイ13に表示するものとする。また、処理回路11Aは、ユーザから表示指示された医用画像を表す医用画像データを含む医用画像ファイルを、例えば、PACS5から読み出してディスプレイ13に表示するものとする。このとき、処理回路11Aは、例えば、当該表示指示の入力を行ったユーザにより指定された画像情報が表す医用画像ファイルの所在を表す情報に基づいて、当該医用画像ファイルをPACS5から読み出す。
【0109】
また、処理回路11Aは、メモが入力される前に、予めユーザの表示指示に従い、診療情報を含む診療画面をディスプレイ13に表示しているものとする。このとき、ユーザは、例えば、入力インターフェース12を介して、診療目的に応じた第1レイアウト情報を選択しているものとする。そして、処理回路11Aは、ユーザの選択に応じて、メモリ14から第1レイアウト情報を予め取得しているものとする。
【0110】
処理回路11Aは、入力インターフェース12を介して、メモの保存指示を受け付ける(ステップSC1)。第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aのディスプレイ13に表示される診療画面、及びメモ入力ウィンドウは、
図4に示される診療画面IS1、及びメモ入力ウィンドウW1と同様である。
【0111】
処理回路11Aは、
図4に示される保存ボタンB1が指定されると、予め取得した第1レイアウト情報に含まれるレイアウト保存名を取得する(ステップSC2)。具体的には、処理回路11Aは、診療画面IS1に含まれる診療情報の配置の目的を表すレイアウト保存名「BB症例診断用」を取得する。
【0112】
処理回路11Aは、レイアウト保存名を取得すると、例えば、保存指示を受け付けた際に表示されている画面、すなわち
図4に示される診療画面IS1をキャプチャする。これにより、処理回路11Aは、診療画面IS1に関するキャプチャ画面を表すキャプチャ情報を取得する(ステップSC3)。
【0113】
処理回路11Aは、キャプチャ情報を取得すると、関連付け機能113Aを実行し、ステップSC1において保存指示されたメモに対して、ステップSC2において取得したレイアウト保存名、及びキャプチャ情報を、第3レイアウト情報として関連付ける(ステップSC4)。
【0114】
このとき、処理回路11Aは、入力されたメモの内容に対して、メモ入力者、メモ入力日時、及びメモ入力時に
図4に示される診療画面IS1において指定されていた指定日時も関連付ける。具体的には、処理回路11Aは、入力されたメモの内容「検査計測値の急激な増減あり」に対して、メモ入力者「user_2」、メモ入力日時「2016-05-02 21:00」、及びメモ入力時に
図4に示される診療画面IS1において指定されていた指定日時「2016-05-02 17:00」を関連付ける。
【0115】
処理回路11Aは、例えば、通信インターフェース15を介し、DWH6の処理回路61に対し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第3レイアウト情報を、メモ情報622の1レコードとしてメモリ62に記憶するよう指示する(ステップSC5)。これにより、DWH6の処理回路61は、登録機能612を実行し、関連付けられたメモの内容、メモ入力者、メモ入力日時、指定日時、及び第3レイアウト情報を、メモ情報622の1レコードとしてメモリ62に記憶する。
【0116】
次に、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aが、診療に関するメモを表示する動作について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aが、診療に関するメモを表示する際の処理回路11Aの動作の例を表すフローチャートである。以下の説明では、処理回路11Aは、例えば、入力インターフェース12を介したユーザの指示に従い、DWH6のメモリ62から、メモ情報622に含まれる必要なレコードを予め取得しているものとする。また、診療に関するメモを参照するユーザは、「user_3」であるものとする。
【0117】
処理回路11Aは、例えば、入力インターフェース12を介して、特定の患者について、メモ一覧の表示指示を受け付ける(ステップSD1)。
【0118】
処理回路11Aは、特定の患者について、メモ一覧の表示指示を受け付けると、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照し、指定された患者に関するメモ一覧を表示する(ステップSD2)。第2の実施形態において表示されるメモ一覧は、
図7に示されるメモ一覧の例と同様である。
【0119】
処理回路11Aは、ステップSD2において、指定された患者に関するメモ一覧を表示すると、個別のメモの表示指示を受け付ける(ステップSD3)。
【0120】
このとき、ユーザは、例えば、入力インターフェース12を介して、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24に含まれる領域R51、又は、領域R52を指定することにより、それぞれのメモについて、メモ入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面の詳細を確認することができる。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、領域R52が指定されるものとする。
【0121】
処理回路11Aは、
図7に示される領域R52が指定されると、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照し、表示指示されたメモに対応する第3レイアウト情報を読み出す(ステップSD4)。具体的には、処理回路11Aは、表示指示されたメモの内容「検査測定値の急激な増減あり」に対応する第3レイアウト情報を、DWH6のメモリ62から予め取得したレコードを参照して読み出す。読み出した第3レイアウト情報は、
図11に示されるステップSC3において取得されたキャプチャ情報を含む。
【0122】
処理回路11Aは、表示指示されたメモを、取得した第3レイアウト情報に含まれるキャプチャ情報に基づくキャプチャ画面と共に表示する(ステップSD5)。
図13は、第2の実施形態に係る医用情報表示装置1Aのディスプレイ13に表示されるキャプチャ画面IS2、及びメモウィンドウW3の例を表す図である。
図13では、例えば、キャプチャ画面IS2は、
図7に示される診療画面IS1とは異なる別ウィンドウとして表示されている。また、キャプチャ画面IS2に重畳される態様で、メモウィンドウW3がポップアップ表示されている。なお、
図13に示されるメモウィンドウW3は、キャプチャ画面IS2に含まれる態様で表示されていてもよい。
【0123】
図13に示されるキャプチャ画面IS2は、
図8に示される診療画面IS1と同じ情報を表している。これにより、ユーザは、第1の実施形態と同様に、入力されたメモと、メモ入力時に表示されていた診療画面との関係を把握することができる。
【0124】
また、
図13に示されるキャプチャ画面IS2は、閉じるボタンB4を有する。閉じるボタンB4は、キャプチャ画面IS2を表すウィンドウを閉じるために設けられたボタンである。
図13に示される閉じるボタンB4指定されると、処理回路11Aは、例えば、キャプチャ画面IS2を表すウィンドウを閉じる。このとき、処理回路11Aは、キャプチャ画面IS2を表すウィンドウと共にメモウィンドウW3を閉じてもよい。これにより、ユーザは、容易に他の診療業務に移行することが可能となる。
【0125】
第2の実施形態によれば、処理回路11Aは、入力されたメモに対して、メモ入力時に表示されていた診療画面をキャプチャした結果取得されるキャプチャ画面を表すキャプチャ情報を関連付ける。これにより、第1の実施形態と同様に、メモを参照するユーザは、入力されたメモと、メモ入力時に表示されていた診療画面との関係を容易に把握することができる。また、第1の実施形態と同様に、メモを入力するユーザは、メモ入力時に、どのユーザが見てもわかるように詳細な情報を記載する必要がない。
【0126】
[他の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、例えば、
図4に示される診療画面IS1には、診療情報として薬歴情報、バイタルサイン情報、及び検歴情報が表示されていたがこれに限定されない。例えば、
図4に示される診療画面IS1において、処理回路11は、診療情報として画像情報と関連する医用画像データに基づく医用画像を表示する。
図14は、他の実施形態に係る医用情報表示装置1のディスプレイ13に表示される診療画面IS1、及びメモ入力ウィンドウW1を表す図である。
図14に示される診療情報を表す領域R2は、画像情報を表す領域R21を含む。画像情報を表す領域R21には、特定の患者に対する画像検査で取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。当該医用画像を表す医用画像ファイルの所在は、画像情報により特定される。このとき、処理回路11は、例えば、保存ボタンB1が指定されると、入力されたメモの内容に対して、
図14に示される画像情報を表す領域R21に含まれる医用画像を表す医用画像データを関連付ける。これにより、ユーザは、例えばメモ入力時に表示されていた医用画像からもメモが入力された意図を把握することが可能となる。
【0127】
また、上記第1の実施形態では、処理回路11は、例えば、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24に含まれる領域R52が指定されることにより、
図8に示される復元された診療画面IS1を表示するようにしていた。また、上記第2の実施形態では、処理回路11Aは、例えば、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24に含まれる領域R52が指定されることにより、
図13に示されるキャプチャ画面IS2を表示するようにしていた。
【0128】
これに対して、他の実施形態に係る処理回路は、例えば、メモ入力時にディスプレイ13に表示されていた診療画面の表示態様を選択できるようにしてもよい。具体的には、他の実施形態に係る処理回路は、例えば、
図7に示されるメモ一覧を表す領域R24に含まれる領域R52が指定されると、
図8に示される復元された診療画面IS1の表示、又は、
図13に示されるキャプチャ画面IS2の表示のいずれかを選択可能な選択画面をポップアップ表示する。これにより、ユーザは、例えば、診療の目的に応じて、診療画面の表示態様を選択することが可能となる。
【0129】
また、上記第1の実施形態において、処理回路11は、第1レイアウト情報、及びメタ情報に基づく第2レイアウト情報に含まれる診療情報毎の診療データ種別、基準位置、表示サイズ、データ項目、及び表示期間に基づいて、診療画面を復元していたがこれに限定されない。例えば、診療画面を表示する際に生成されるメタ情報には、通常、第1レイアウト情報に含まれる診療情報毎の診療データ種別、基準位置、及び表示サイズと同等の情報が含まれている。このため、処理回路11は、例えば、診療画面を表示する際に生成されるメタ情報から診療情報毎の診療データ種別、基準位置、表示サイズ、データ項目、及び表示期間を抽出し、診療画面を復元するようにしてもよい。
【0130】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1、及び2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0131】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、診療に関するメモの意図を理解するために必要なユーザの負担を軽減することができる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1、1A…医用情報表示装置
2…HIS
3…RIS
4…医用画像診断装置
5…PACS
6…DWH
11、11A…処理回路
12…入力インターフェース
13…ディスプレイ
14…メモリ
15…通信インターフェース
19…キャプチャ機能
61…処理回路
62…メモリ
63…通信インターフェース
111…取得機能
113、113A…関連付け機能
115、115A…表示制御機能
117…システム制御機能
119…キャプチャ機能
611…収集機能
612…登録機能
621…診療情報
622…メモ情報