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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/00 20060101AFI20221108BHJP
   G04B 43/00 20060101ALI20221108BHJP
   G04C 10/02 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G04C3/00 K
G04B43/00 A
G04C10/02 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018174856
(22)【出願日】2018-09-19
(65)【公開番号】P2019164113
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2018046678
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】森田 翔一郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 和也
(72)【発明者】
【氏名】保坂 隆
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-122932(JP,A)
【文献】実開昭52-67361(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第3330811(EP,A1)
【文献】特開2012-108043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
G04G 3/00 - 99/00
G04R 20/00 - 60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムーブメントを備える電子時計であって、
前記ムーブメントは、
ムーブメント本体と、
強磁性金属製の板と、
可撓性を有するフックと、
を有し、
前記板が、当該板の背面から突出し、かつ、前記フックの一方の端部を受け入れるように構成された係合部を含み、
前記フックの一方の端部は、前記フックを弾性変形させることによって前記係合部に受け入れられるように構成されており、前記フックの他方の端部は、前記ムーブメント本体に固定される、電子時計。
【請求項2】
前記ムーブメント本体はモータを有し、
前記板の前記背面に対して垂直な方向から見た場合に、前記板と、前記ムーブメント本体のモータの少なくとも一部とが、重複して配置されている、請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記係合部は、前記板の法線方向から見た場合に、外部から印加される磁界に対して前記モータが最も影響を受ける方向上に配置されている、請求項2に記載の電子時計。
【請求項4】
前記フックは、前記係合部よりも高い可撓性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項5】
前記板は、ソーラーセルを支持する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
前記ムーブメントは、前記ムーブメント本体の回路基板と前記板とを電気的に接続するバネ部材を更に有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項7】
前記フックの前記他方の端部は、前記ムーブメント本体の回路基板と絶縁部材との間に固定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項8】
前記フックの前記他方の端部は、前記ムーブメント本体の2つの絶縁部材の間に挟まれて固定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項9】
前記フックの前記他方の端部は、前記ムーブメント本体の絶縁部材と一体に形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
電子時計は、一般的に、ムーブメントの構成部品を位置決め及び/又は支持する板状の部品である受板(又は、単に受とも称され得る)を含む。従来、受板を取り付けるための様々な構成が知られている。特許文献1には、太陽電池を支持する金属板を取り付けるための構成が開示されている。金属板の周縁に、下方に折り曲げられたフック部が設けられており、金属板の裏面側に位置する回路支持台に、側方に突出するフック係合部が設けられており、フック部をフック係合部に係合させることによって、金属板が回路支持台に取り付けられている。
【0003】
また、特許文献2には、時計ムーブの輪列受に光が透過する穴を形成すると共に地板に反射処理を施して、輪列受の穴にビーム光を照射して輪列の動きを確認する技術が記載されている。特許文献2に記載される技術は、地板に反射処理を施すことにより地板で反射するビームを減少させることで歯車での変調光をより高い割合で受光できるので、歯車の高さの変動にかかわらずビームの焦点を合せずに効率的な検査が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第00/03310号
【文献】特開平4-240587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーは、デザインの観点から、薄い電子時計を好む場合があり、この場合、薄いムーブメントが必要になる。また、電子時計では、耐磁性能を強化することが一般的に望まれ、薄いムーブメント及び強化された耐磁性能の双方を達成するには、受板(特許文献1では太陽電池受板と称す)を強磁性金属で作製することが有効である。しかしながら、強磁性金属は、一般的に比較的低い降伏応力を有しており塑性変形しやすい。したがって、特許文献1に記載のような構成では、受板を強磁性金属で作製した場合、組立時に受板が塑性変形する可能性がある。受板が塑性変形すると、その磁気特性が変化してしまい、安定した耐磁性能を得ることができない。
【0006】
本開示は、強磁性金属製の板を使用することによって耐磁性能を向上させることができる電子時計を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、ムーブメントを備える電子時計であって、ムーブメントが、ムーブメント本体と、強磁性金属製の板と、可撓性を有するフックと、を有し、板が、当該板の背面から突出し、かつ、フックの一方の端部を受け入れるように構成された係合部を含み、フックの一方の端部は、フックを弾性変形させることによって係合部に受け入れられるように構成されており、フックの他方の端部は、ムーブメント本体に固定される、電子時計である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る電子時計では、板を取り付ける際にフックを弾性変形させることによって、フックの一方の端部が板の係合部に受け入れられるように構成されている。したがって、板を変形させる必要がなく、板の変形を抑制することができるため、強磁性金属製の板を使用しても、板の塑性変形さらには磁気特性の変化を防止することができ、耐磁性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子時計を示す平面図である。
図2図1の電子時計の一部を示す断面図である。
図3図1の電子時計の一部を示す他の断面図である。
図4図2中のIV-IV矢視断面図である。
図5】プレス成形後かつ型押し前のソーラーセル受板を示す底面図である。
図6】係合部が形成されたソーラーセル受板を示す底面図である。
図7図1の電子時計の一部を示すさらに他の断面図である。
図8図1の電子時計の回路構成を示す図である。
図9】他の実施形態に係る電子時計のソーラーセル受板をモータと共に示す平面図である。
図10図9中の方向Dに沿った電子時計の一部を示す断面図である。
図11】さらに他の実施形態に係る電子時計の部分断面図である。
図12図11の電子時計の底面図である。
図13】さらに他の実施形態に係る電子時計の部分断面図である。
図14】裏蓋を透過した電子時計の背面図である。
図15】領域Yの拡大図である。
図16】さらに他の実施形態に係る電子時計の裏蓋を透過した電子時計の背面図である。
図17図16に示す電子時計の輪列透視図である。
図18図16中の矢印Aで示される領域の拡大図である。
図19図18中の矢印Fで示される領域の拡大図である。
図20】(a)は図16中のB-B矢視断面図であり、(b)は図17中のE-E矢視断面図である。
図21】(a)は図20(b)中の矢印Gで示される領域の拡大図であり、(b)は図20(b)中の矢印Hで示される領域の拡大図である。
図22】(a)は図16中のD-D矢視断面図であり、(b)は(a)中のI-I矢視断面図である。
図23図16の電子時計に搭載される構成素子の接続関係を示すブロック図である。
図24図16中のC-C矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る電子時計を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
【0011】
図1は、電子時計を示す平面図である。本開示の電子時計100は、ソーラーセル(太陽電池)で得られた発電電力を駆動源として利用するソーラーセル付電子時計であり、指針(時針H1、分針H2及び秒針H3)で時刻を表示する腕時計である。
【0012】
図2は、図1の電子時計の一部を示す断面図である。電子時計100は、文字板1と、ムーブメント2と、を備えている。以下の説明では、便宜上、文字板1において、指針と共に時刻を示す面(図2において上面)を表面11と称し、表面11と反対側の面を背面12と称す。また、ムーブメント2の各要素において、文字板1に近い面を表面と称し、表面と反対側の面を背面と称する。
【0013】
文字板1は、表面11で受光した光でソーラーセル21(後述)が発電するため、光透過性又は光半透過性の部材13を有する。本開示における用語「光透過性」及び「光半透過性」とは、ソーラーセル21の発電に必要な波長の光が透過できることを意味しており、部材13は、例えば、ポリカーボネート樹脂若しくはアクリル樹脂等の樹脂材、又は、ガラス材や複数の孔が空いた金属板などを含む。
【0014】
ムーブメント2は、ムーブメント本体20と、ソーラーセル21と、ソーラーセル受板22と、を有しており、ムーブメント本体20は、地板23と、耐磁板24と、巻真スペーサ25と、回路基板26と、を含んでいる。
【0015】
ソーラーセル21は、文字板1の背面12と対向している。ソーラーセル21と文字板1の背面12との間には、スペーサSPを配置し、ソーラーセル21が文字板1と接触し、文字板1にソーラーセル21が写り込み、文字板1の美観を損なうことを防止するため、文字板1とソーラーセル21との間に隙間Gをもたらす。本開示のソーラーセル21は円形の平板であるが、楕円形又は多角形等の他の形状であってもよい。本開示のソーラーセル21はフィルムなどの薄い素材で形成されており、ソーラーセル受板22に貼り付けられている。
【0016】
ソーラーセル受板22は、ソーラーセル21と対応する平板形状を有しており、ソーラーセル21を支持する。ソーラーセル受板22は、時針H1、分針H2及び秒針H3を駆動するモータが外部からの磁界影響によって駆動できなくなることを軽減するために、高い透磁率を有する金属(以下、強磁性金属と称する。)から作製されている。「高い透磁率」とは、外部から励磁される磁気を通し易い度合いが高いことを意味し、強磁性金属は形状変形による応力によって磁化(磁気特性が変化)し、磁気焼鈍をすることによって磁化を解消することができる。耐磁板24も、ソーラーセル受板22と同様に、外部からの磁界による影響を軽減するために、強磁性金属から作製されているが、ムーブメント2の厚さを薄くするために巻き真スペーサ25を囲むように配置されている。巻真スペーサ25は、樹脂材によって作製されている。
【0017】
図3は、図1の電子時計の一部を示す他の断面図である。ムーブメント本体20は、モータMを更に有している。モータMは、コイルCと、ロータRと、ステータSTと、を有している。コイルC及びステータSTは、ソーラーセル受板22の表面又は背面に対して垂直な方向(図3において左右方向)から見た場合(以下、平面視と称する)に、ソーラーセル受板22と重複して配置されている。
【0018】
図14は裏蓋を透過した電子時計100の背面図であり、図15図14の領域Yの拡大図である。上述のロータRは秒車905を含む歯車を介して時刻を表示する指針(時針H1、分針H2及び秒針H3)が係合される車を回動させる。秒針H3は秒車905と係合して接続され、秒車905は1秒に6度毎、回動する。また、輪列受には穴904a、904b、904cを設け、裏蓋がガラスなどの透過部材で形成されている場合は時計が動作していることが視認できるようにしてもよい。
【0019】
図2を参照して、ムーブメント2は、更に、ソーラーセル受板22の取付け構造として、フック3と、ソーラーセル受板22に設けられた係合部4と、を有している。
【0020】
フック3は、フック3の第1の端部3Aを含む第1の部分31と、フック3の第2の端部3Bを含む第2の部分32と、第1の部分31及び第2の部分32の間の湾曲部33と、を具備している。
【0021】
第1の部分31は、細長い直線部分31aと、直線部分31aから略直角に突出する突出部31bと、を含んでいる。直線部分31aは、その長手方向において係合部4よりも長い。第2の部分32は、直線部分32aと、直線部分32aから直角に突出する突出部32bと、を含んでいる。湾曲部33は、概ねU字形状を有しており、可撓性を有している。第1の部分31の直線部分31aは、湾曲部33のU字の一方の端部からU字の直線部分に対して平行に延びており、第2の部分32の直線部分32aは、湾曲部33のU字の他方の端部からU字の直線部分に対して直角に延びている。なお、第1の部分31の長さが可撓性を有するために充分であれば、U字状の湾曲部33は不要である(例えば、図13参照)。
【0022】
係合部4は、ソーラーセル受板22の外周縁よりも内側に設けられている。図4は、図2中のIV-IV矢視断面図である。係合部4は、ソーラーセル受板22から背面22a方向へ突出しており、孔41を具備している。孔41は、フック3の第1の端部3A(具体的には、突出部31b)を受け入れる。
【0023】
図2を参照して、フック3の第2の端部3Bは、絶縁部材である巻真スペーサ25と回路基板26との間に固定されている。巻真スペーサ25は、孔25aを有しており、フック3の突出部32bが孔25aに挿入されている。
【0024】
係合部4はソーラーセル受板22の一部として強磁性金属から作製されているため、係合部4が変形した場合、ソーラーセル受板22全体の磁気特性が変化してしまう。また、強磁性金属は、一般的に比較的低い降伏応力を有しており塑性変形しやすい。そこで、本実施形態では、フック3が係合部4よりも高い可撓性を有して係合部4の変形を防止するように設計されている。
【0025】
具体的には、フック3は、湾曲部33のU字の一対の直線部を互いに近づけるように湾曲部33を弾性変形させることによって、第1の端部3Aを変位させることができるようになっており、ソーラーセル受板22を変形させることなく、第1の端部3Aが係合部4の孔41に受け入れられるようになっている。また、フック3の第1の部分31が細長い直線部分31aを有することによって、フック3の第1の端部3Aから湾曲部33により大きな曲げトルクが作用するため、湾曲部33を容易に弾性変形させることができる。
【0026】
本開示のフック3は、金属などの導電材料によって、他の要素と別個の部品として作製されているが、回路基板26とは電気的に絶縁されている。
【0027】
次にソーラーセル受板22の作成方法について説明する。図5は、曲げ加工前のソーラーセル受板の展開形状を示す底面図であり、図6は、係合部が形成されたソーラーセル受板を示す底面図である。係合部4は、ソーラーセル受板22の製造の際に同時に形成することができる。先ず、図5に示されるように、板材をプレス成形することによって、板材とまだ面一である係合部4が形成される。続いて、図5の板材を型押しすることによって、図6に示されるように、係合部4が曲げられて、背面22aから突出し、図6の状態で焼鈍を施すことによってソーラーセル受板22全体の磁気特性の変化を解消する。以上のステップによって、係合部4が形成される。本開示のソーラーセル受板22には、複数の係合部4が設けられている。
【0028】
次にソーラーセル21と回路基板26の電気的接続関係について説明を行う。図7は、図1の電子時計の他の一部を示す断面図であり、図8は、図1の電子時計の回路構成を示す図である。ムーブメント2は、更に、ソーラーセル接続ばねB1と、アンテナ接続ばね(バネ部材)B2と、を有している。
【0029】
ソーラーセル接続ばねB1は、ソーラーセル21と回路基板26中の制御回路CCとを電気的に接続しており、ソーラーセル21で発電された電力を制御回路CCに送る。ソーラーセル接続ばねB1は、プラス側のソーラーセル接続ばねB1+と、マイナス側のソーラーセル接続ばねB1-と、を含んでいる。
【0030】
アンテナ接続ばねB2は、ソーラーセル受板22と回路基板26中の制御回路CCとを電気的に接続しており、これによって、ソーラーセル受板22を所定の電位に設定することができるため、ソーラーセル受板22をアンテナとして使用することが可能となり、制御回路CCがソーラーセル受板22を介して外部通信機器と容量結合による通信が可能となる。また、本発明ではアンテナ接続ばねB2がソーラーセル受板22と制御回路CCとを電気的に接続していたが、フック3を用いてソーラーセル受板22と制御回路CCとを電気的に接続しても良い。
【0031】
以上のような本開示の電子時計100では、ソーラーセル受板22を取り付ける際にフック3を弾性変形させることによって、フック3の一方の端部3Aがソーラーセル受板22の係合部4に受け入れられるため、ソーラーセル受板22の変形を抑制することができる。よって、強磁性金属製のソーラーセル受板22を使用しても、受板の塑性変形さらには磁気特性の変化を防止することができ、耐磁性能を向上させることができる。
【0032】
また、電子時計100では、平面視において、ソーラーセル受板22と、モータMの少なくとも一部とが、重複して配置されている。したがって、耐磁性能をより向上させることができる。
【0033】
また、電子時計100では、フック3は、係合部4よりも高い可撓性を有している。したがって、係合部4がフック3よりも変形し難く、ソーラーセル受板22の変形をより抑制することができる。したがって、耐磁性能をさらに向上させることができる。
【0034】
また、電子時計100では、ソーラーセル受板22は、ソーラーセル21を支持している。したがって、ソーラーセル21を固定することができる。
【0035】
また、電子時計100では、ムーブメント2は、ムーブメント本体20の回路基板26とソーラーセル受板22とを電気的に接続するバネ部材B2を有している。したがって、ソーラーセル受板22をアンテナ(例えば、歩度測定のためのアンテナ)としても利用することが可能となる。また、接続部材としてバネが用いられることで、安定した通信が可能になる。
【0036】
次に、電子時計の他の実施形態について説明する。
【0037】
図9は、他の実施形態に係る電子時計のソーラーセル受板をモータと共に示す平面図である。電子時計200は、外部から印加される磁界に対してモータMが最も影響を受ける方向D上に係合部4が更に配置されている点で、上記の電子時計100と異なる。なお、図9では、理解を明瞭にするために、ソーラーセル受板22及びモータM以外の要素は省略されていることに留意されたい。
【0038】
モータMでは、コイルCからの磁界がステータSTに沿って生じる。ロータRの周辺では、より多くの磁束線がロータRを通過するように、ステータSTにスリットSLが設けられている。スリットSLに垂直な方向が、外部から印加される磁界に対してモータMが最も影響を受ける方向Dとして定義される。本開示の電子時計200では、方向D上に2つの係合部4がロータRを挟んで配置されている。
【0039】
図10は、図9中の方向Dに沿った電子時計の一部を示す断面図である。外部から電子時計200に方向Dに沿った磁界が印加されると、磁束流MFは、強磁性金属で作製された係合部4を経由してソーラーセル受板22を通る。したがって、磁束流MFがロータRを通過することが抑制される。
【0040】
以上のような本開示の電子時計200は、上記の電子時計100と略同様な効果を奏し得る。また、電子時計200では、係合部4が、平面視において、外部から印加される磁界に対してモータMが最も影響を受ける方向D上に配置されている。したがって、外部からの磁束流MFは、強磁性金属で作製された係合部4を経由してソーラーセル受板22を通るため、磁束流MFがロータRを通過することが抑制される。したがって、耐磁性能をさらに向上することができる。
【0041】
次に、電子時計のさらに他の実施形態について説明する。
【0042】
図11は、さらに他の実施形態に係る電子時計の部分断面図である。電子時計300は、フック5が絶縁部材の地板23と巻真スペーサ25(図11において巻真スペーサ25は不図示)に挟まれて固定されている点で、上記の電子時計100と異なる。フック5は、地板23の底面に配置されており、地板23の底面に沿うように平たい形状を有している。
【0043】
図12は、図11の電子時計のソーラーセル受板及びフックを示す底面図である。フック5は、フック5の第1の端部5Aを含む第1の部分51と、フック5の第2の端部5Bを含む第2の部分52と、第1の部分51及び第2の部分52の間の略円弧状の湾曲部53と、を具備している。
【0044】
第1の部分51は、湾曲部53の円弧の一方の端部に連結されている。第1の部分51の先端部は、平面視において先細りにされている。更に、第1の部分51の先端部は、側面視においても(図11において紙面に垂直な方向から見て)テーパを有していてもよい。第1の部分51の先端部は、係合部4の孔41に挿入されており、これによって、フック5の一方の端部5Aが係合部4に固定されている。
【0045】
第2の部分52は、湾曲部53の円弧の他方の端部に連結されている。第2の部分52には複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔に地板23の底面に設けられた突起部23aが嵌合され、これによって、フック5の他方の端部5Bが地板23に固定されている。湾曲部53は、可撓性を有している。
【0046】
フック5は、湾曲部53の円弧の両端部を互いに近づけるように湾曲部53を弾性変形させることによって、第1の端部5Aを変位させることができるようになっており、これによって、ソーラーセル受板22を変形させることなく、第1の端部5Aが係合部4の孔41に受け入れられるようになっている。このため、電子時計100のフック3は細長い直線部分31aによって弾性を得るため、ムーブメント2の厚みに制約が生じてしまっていたが、本開示の電子時計200のフック5は湾曲部53を平面方向に伸ばすことによって弾性を得ることが出来るため、ムーブメント2の厚みをさらに薄くすることが出来る。
【0047】
以上のような本開示の電子時計300は、上記の電子時計100と略同様な効果を奏し得る。また、電子時計300では、フック5が平たいコンパクトな形状を有しているため、フック5の材料を低減することができる。
【0048】
次に、電子時計のさらに他の実施形態について説明する。
【0049】
図13は、さらに他の実施形態に係る電子時計の部分断面図である。電子時計400は、フック6が樹脂材によって巻真スペーサ25と一体に作製されている点で、上記の電子時計100と異なる。
【0050】
フック6は、フック6の第1の端部6Aを含む第1の部分61と、フック6の第2の端部6Bを含む第2の部分62と、を具備している。
【0051】
第1の部分61は、上記の第1の部分31と略同様に構成されており、細長い直線部分61aと、直線部分61aから略直角に突出する突出部61bと、を含んでいる。直線部分61aは、その長手方向において係合部4よりも長い。第2の部分62の一方の端部は、直線部分61aの端部に連結されており、第2の部分62の他方の端部は、絶縁部材である巻真スペーサ25の底面と一体に形成されている。
【0052】
フック6では、細長い直線部分61aが可撓性を有しており、直線部分61a又は突出部61bを押して直線部分61aを弾性変形させることによって、第1の端部6Aを変位させることができるようになっており、これによって、ソーラーセル受板22を変形させることなく、第1の端部6A(具体的には突出部61b)が係合部4の孔41に受け入れられるようになっている。
【0053】
以上のような本開示の電子時計400は、上記の電子時計100と略同様な効果を奏し得る。また、電子時計400では、フック6が巻真スペーサ25と一体に作製されているため、部品点数を低減することができ、組立を容易にすることができる。
【0054】
次に、電子時計のさらに他の実施形態について説明する。
【0055】
図16はさらに他の実施形態に係る電子時計の裏蓋を透過した電子時計の背面図であり、図17図16に示す電子時計の輪列透視図であり、図18図16中の矢印Aで示される領域の拡大図であり、図19図18中の矢印Fで示される領域の拡大図である。図20(a)は図16中のB-B矢視断面図であり、図20(b)は図17中のE-E矢視断面図である。図21(a)は図20(b)中の矢印Gで示される領域の拡大図であり、図21(b)は図20(b)中の矢印Hで示される領域の拡大図である。図18において、回路押板及び輪列受により視認されない構成素子は、破線で示される。
【0056】
電子時計500は、ステップモータ501と、輪列502と、電池503と、発振装置504と、針位置検出機構505と、電子回路506と、輪列受507と、巻真508とを有する。電子回路506は、制御回路561と、機能回路562とを有する。ステップモータ501~巻真508は、地板591に搭載されてケース590に収容される。
【0057】
ステップモータ501は、単にモータとも称され、コイル510と、ステータ511と、ロータ512とを有する。ステップモータ501は、発振装置504が生成する基準周波数信号に基づいて輪列502を駆動して、時針、分針及び秒針を含む指針を運針する。コイル510は、機能回路562から出力されるパルス信号によって磁力を発生し、ステータ511を介してロータ512に磁力を供給してロータ512を回動する。ステータ511は、PCパーマロイ及び42Niパーマロイ等の磁性体により形成される。
【0058】
輪列502は、五番車521と、秒針が取り付けられ、秒車とも称される四番車522と、分針が取り付けられる中心車及び時針が取り付けられる筒車523とを含む複数の車を有する。五番車521は、ロータ512に噛合され、ロータ512の回転に応じて回転する。四番車522は、五番車521の回転に応じて回転し、四番車522に取り付けられる秒針を回転する。四番車522の回転に応じて、中心車に取り付けられる分針及び筒車523に取り付けられる時針が回転する。
【0059】
電池503は、例えば、コイン型リチウム二次電池等の二次電池であり、発振装置504、制御回路561及び機能回路562等に電力を供給する電力供給源である。
【0060】
図22(a)は図16中のD-D矢視断面図であり、図22(b)は図22(a)中のI-I矢視断面図である。
【0061】
発振装置504は、水晶振動子541と、温度検出素子542と、半導体回路543と、筐体544と、リッド545とを有し、回路基板593を介して回路押板592に搭載される。発振装置504は、電子時計500を平面視したときに、ステップモータ501、電池503及び巻真508の何れにも重畳しないように配置される。
【0062】
水晶振動子541は、例えばAT振動子であり、一端が導電性接着剤等の支持部546により筐体544に支持される。水晶振動子541は、半導体回路543から指示部546を介して電流が供給されることに応じて、所定の発振周波数で振動する。半導体回路543は温度検出素子542を内蔵しており、筐体544の内部の温度変化を検出することができる。
【0063】
半導体回路543は、シリコン基板上に形成される半導体回路であり、水晶振動子541に電流を供給する共に、電流が供給されることによる水晶振動子541の振動に基づいて基準周波数信号を生成する。生成する半導体回路543によって生成された基準周波数信号は、例えばワイヤ547並びに筐体544の表面及び内部に形成される金属配線を介して、筐体544の外部に出力される。半導体回路543は、水晶振動子541と共に発振回路540を形成する。
【0064】
また、半導体回路543は、測定した温度信号を制御回路561に出力する。
【0065】
筐体544及びリッド545は、光を透過しない収容部材であり、水晶振動子541、温度検出素子542及び半導体回路543を収容する。筐体544は、セラミック、エポキシ樹脂等の光を透過しない合成樹脂を成形加工することで形成される。筐体544は、水晶振動子541及び半導体回路543が収納される凹部が形成される。リッド545は、光を透過しない金属等により形成され、水晶振動子541、温度検出素子542及び半導体回路543が収納される筐体544の凹部を覆う蓋として機能する。
【0066】
針位置検出機構505は、秒位置検出車550と、発光素子551と、受光素子552とを有する。秒位置検出車550は、光を透過する透過部553が形成され且つ輪列が駆動されることに応じて回転する。秒位置検出車550は、五番車521の回転に応じて回転する。透過部553は、秒位置検出車550の基準位置を示す貫通孔である。
【0067】
発光素子551は、例えばLEDであり、機能回路562から発光信号が入力さることに応じて、透過部553に光を放射する。受光素子552は、例えばフォトトランジスタであり、発光素子551から放射された光を透過部553を介して受光する。受光素子552は、発光素子551から放射された光を受光したことを示す受光信号を、制御回路561に出力する。
【0068】
電子回路506は、制御回路561と、機能回路562とを有し、発振装置504と共に回路基板593に搭載される。制御回路561は、例えばCPUであり、電子時計500の全体の動作を制御すると共に、発振装置504から入力される温度信号に対応する温度から、基準周波数信号の補正に使用される補正信号を生成する。また、制御回路561は、カウンタリセット信号等を機能回路562に出力することで機能回路562を制御する。
【0069】
機能回路562は、シリコン基板上に形成される半導体回路であり、発振装置504から入力される基準周波数信号に基づいて、ステップモータ501を駆動するリアルタイムクロックを生成する。機能回路562は、基準周波数信号が入力された回数を計数するカウンタ回路を有する。
【0070】
図23は、ステップモータ501、発振装置504、発光素子551、受光素子552、制御回路561及び機能回路562の接続関係を示すブロック図である。
【0071】
発振装置504は、半導体回路543によって推定された温度を示す温度信号を機能回路562を介して制御回路561に出力する。制御回路561は、発振装置504から入力される温度信号に対応する温度から、基準周波数信号の補正に使用される補正信号を生成し、生成した補正信号を機能回路562を介して発振装置504に出力する。
【0072】
また、半導体回路543は、電流を供給することにより発生する水晶振動子541の振動に基づく基準周波数信号を生成する。半導体回路543は、基準周波数信号を生成するときに、制御回路561から入力された補正信号に基づいて、温度による影響を低減するように基準周波数信号を補正する。発振装置504は、半導体回路543によって生成された基準周波数信号を機能回路562に出力する。機能回路562は、発振装置504から入力される基準周波数信号に基づいて時刻をカウントするリアルタイムクロックを駆動して時刻信号を生成し、制御回路561に時刻情報を出力すると同時に1秒ごとにステップモータ501を駆動するパルス信号をステップモータ501に出力する。ステップモータ501は、機能回路562から入力されたパルス信号に応じて、輪列502を駆動して、指針を運針する。
【0073】
制御回路561は、発光素子551を発光させることを示す発光信号を、機能回路562を介して発光素子551に出力する。また、制御回路561は、発光素子551から放射された光を受光したことを示す受光信号が、機能回路562を介して入力される。制御回路561は、受光信号が入力されるタイミングに基づいて、秒位置検出車550の位置を推定し、推定した秒位置検出車550に基づいて、指針の運針を制御する。制御回路561は、機能回路562が有するカウンタ回路をリセットするカウンタリセット信号、並びに指針の運針の開始及び停止を指示する運針信号等を含む制御信号を機能回路562に出力する。機能回路562は、制御回路561から入力される制御信号に応じてステップモータ501を制御する。
【0074】
輪列受507は、光を透過する第1穴571、第2穴572及び第3穴573が形成され、且つ、輪列502を保持する。輪列受507の表面は、黒ニッケルめっき、黒ルテニウムめっき、DLC等の黒色に施す表面処理により、入射した光を反射させにくくする反射抑止層が形成される。
【0075】
第1穴571、第2穴572及び第3穴573のそれぞれは、四番車522の歯車が視認可能な位置に形成される。第1穴571は四番車522の軸と電池503との間に形成され、第2穴572は四番車522の軸と機能回路562との間に形成され、第3穴573は第1穴571に対して四番車522の軸を介して対抗する位置に形成される。
【0076】
一方、輪列受507は、電子時計500を平面視したときに秒位置検出車550と重畳する重畳部574には、光を透過する穴が形成されない。重畳部574は、図19においてハッチングで示される。一方、光を透過する第1穴571、第2穴572及び第3穴573のそれぞれは、重畳部574以外の部分に形成される。
【0077】
巻真508は、一端に操作部が配置され、他端につづみ車が係合され、操作部が操作されることに応じて中心車及び筒車523を回動させる部材である。
【0078】
電子時計500は、発振回路540を形成する水晶振動子541及び半導体回路543が光を透過しない収容部材に収容されるので、例えば裏蓋を透過部材であるガラスにして、四番車522の回転が視認できるようにした場合であっても、第1穴571~第3穴573を介して内部に侵入した光が半導体回路543に到達するおそれが低い。電子時計500では、半導体回路543に光が到達するおそれが低いので、半導体回路543は、光が照射されることにより発振回路540の特性が変化するおそれは低い。電子時計500は、光が照射されることにより発振回路540の特性が変化するおそれが低いので、第1穴571~第3穴573を介して内部に侵入した光により歩度が変化するおそれは低い。
【0079】
図24図16中のC-C矢視断面図である。
【0080】
例えば裏蓋を透過部材であるガラスにした場合、第1穴571~第3穴573から電子時計500の内部に侵入した光Lは、輪列受507、地板591、回路押板592及び回路基板593等に反射しながら、発振装置504に到達する。しかしながら、発振回路540を形成する水晶振動子541及び半導体回路543は、光を透過しない収容部材である筐体544及びリッド545に収容されるので、水晶振動子541及び半導体回路543に光が到達するおそれは低い。電子時計500では、半導体回路543に光が到達するおそれが低いので、半導体回路543は、光が照射されることにより発振回路540路の特性が変化するおそれは低い。
【0081】
また、電子時計500では、輪列受507及び地板591の表面は、黒色の表面処理により、入射した光を反射せずに吸収する反射抑止層が形成されるので、第1穴571~第3穴573を介して内部に侵入した光が発振装置504に到達するおそれが低い。電子時計500では、侵入した光が発振装置504に到達するおそれが低いので、半導体回路543を収容する筐体544が薄く光を透過しやすい場合でも、光が照射されることにより発振回路540の特性が変化するおそれは低い。電子時計500は、光が照射されることにより発振回路540の特性が変化するおそれが低いので、第1穴571~第3穴573を介して内部に侵入した光により歩度が変化するおそれは低い。
【0082】
また、電子時計500では、基準周波数信号の補正に使用される温度を測定する半導体回路543が水晶振動子541と共に筐体544の内部に収容されるので、半導体回路543が測定する温度と、水晶振動子541の温度とが略同一となる。電子時計500では、温度検出素子542が測定する温度と、水晶振動子541の温度とが略同一となるので、半導体回路543による補正処理により発生する補正誤差を最小化できる。
【0083】
また、電子時計500では、水晶振動子541が筐体544の内部に収容されることで、電子時計500の周囲の環境と遮断された環境に配置されるので、水晶振動子541は、湿度等の電子時計500の周囲の環境条件の影響を低減できる。
【0084】
また、電子時計500では、電子時計500を平面視したときに、発振回路540を備えた発振装置504は、ステップモータ501、電池503及び巻真508の何れにも重畳しないように配置されるので、電子時計500は薄型化が可能である。
【0085】
また、電子時計500では、電子時計500を平面視したときに秒位置検出車550と重畳する重畳部574には、光を透過する第1穴571~第3穴573が形成されない。電子時計500では、重畳部574に第1穴571~第3穴573が形成されないので、第1穴571~第3穴573を透過した光を受光素子552が受光して、針位置検出機構505が誤動作するおそれは低い。
【0086】
また、電子時計500では、輪列受507及び地板591の表面は、黒色の表面処理により反射抑止層が形成されるので、第1穴571~第3穴573を透過した光を受光素子552が受光して、針位置検出機構505が誤動作するおそれは低い。
【0087】
以上説明した構成は、裏蓋を透過部材であるガラスで形成した場合は、特にケース590外からの光に対し効果を奏するものである。しかしながら、裏蓋に光を透過しない部材を用いた場合であっても、これらの構成を採用することは、発光素子551以外の光又は迷光を排除するのに有効である。
【0088】
電子時計の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能である。
【0089】
また、当業者であれば、1つの実施形態に含まれる特徴は、矛盾が生じない限り、他の実施形態に組み込むことができる、又は、他の実施形態に含まれる特徴と交換可能である。
【0090】
例えば、上記の実施形態では、強磁性金属で作製される受板として、ソーラーセル受板22が例示されている。しかしながら、ムーブメントの他の構成部品を位置決め及び/又は支持する他の受板が、強磁性金属で作製されてもよい。
【0091】
なお、実施形態に係る電子時計は、次の態様であってもよい。
(1) 輪列と、
光を透過する穴が形成され、且つ、前記輪列を保持する輪列受と、
基準周波数を示す基準周波数信号を生成する発振回路と、
前記発振回路によって生成された前記基準周波数信号に基づいて前記輪列を駆動するモータと、を有し、
前記発振回路は、光を透過しない収容部材によって収容される、ことを特徴とする電子時計。
(2) 前記発振回路に電力を供給する電池と、
前記輪列を駆動可能な巻真と、を更に有し、
前記発振回路は、平面視したときに、前記モータ、前記電池及び前記巻真の何れにも重畳しないように配置される、(1)に記載の電子時計。
(3) 前記発振回路は、水晶振動子と、前記水晶振動子に電流を供給する共に、前記水晶振動子の振動に基づいて前記基準周波数信号を生成する半導体回路と、を有し、
前記水晶振動子及び前記半導体回路の双方は、前記収容部材によって収容される、(1)又は(2)に記載の電子時計。
(4) 前記輪列受の表面は、入射した光を反射しない非反射層が形成される、(1)~(3)の何れか1つに記載の電子時計。
(5) 輪列と、
前記輪列を保持する輪列受と、
光を透過する透過部が形成され且つ前記輪列が駆動されることに応じて回転する位置検出用歯車、前記透過部に光を放射する発光素子、及び前記発光素子から放射された光を前記透過部を介して受光する受光素子を有する針位置検出機構と、を有し、
前記輪列受は、平面視したときに前記位置検出用歯車と重畳する重畳部に光を透過する穴が形成されず、且つ、前記重畳部以外の部分に前記穴が形成される、ことを特徴とする電子時計。
(6) 前記輪列受の表面は、入射した光を反射しない非反射層が形成される、(5)に記載の電子時計。
(7) 前記非反射層は、黒メッキである、(6)に記載の電子時計。
【符号の説明】
【0092】
2・・・ムーブメント、3,5,6・・・フック、3A,5A,6A・・・フックの第1の端部(一方の端部)、3B,5B,6B・・・フックの第2の端部(他方の端部)、4・・・係合部、20・・・ムーブメント本体、21・・・ソーラーセル、22・・・ソーラーセル受板、22a・・・ソーラーセル受板の背面、26,593・・・回路基板、100,200,300,400,500・・・電子時計、B2・・・アンテナ接続ばね(バネ部材)、D・・・外部から印加される磁界に対してモータが最も影響を受ける方向、M・・・モータ、503,901・・・電池、590,902・・・ケース、508,903・・・巻真、904a、904b、904c・・・穴、905・・・秒車。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24