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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221108BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018184762
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020052976
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】516251129
【氏名又は名称】株式会社ジオロジック
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】100200872
【弁理士】
【氏名又は名称】押谷 昌宗
(74)【代理人】
【識別番号】100210103
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 光平
(72)【発明者】
【氏名】野口 航
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187584(WO,A1)
【文献】特開2015-170060(JP,A)
【文献】再公表特許第2003/079230(JP,A1)
【文献】特開2018-004878(JP,A)
【文献】特開平09-198439(JP,A)
【文献】特開平07-055484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが操作するユーザー端末と通信可能に構成される情報処理装置であって、
位置情報取得部、関連情報取得部、行動予測部及び配信制御部を備え、
前記位置情報取得部は、前記ユーザー端末の位置情報を取得可能に構成され、
前記関連情報取得部は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、カレンダー情報、チケット情報、宿泊予約情報及び行動パターン情報の少なくとも1つを含む関連情報を取得可能に構成され、
前記関連情報は、前記ユーザーが前記ユーザー端末を操作することにより生成される情報であり、
前記行動予測部は、前記位置情報と、前記関連情報に基づいて、第1時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測する予測処理を実行可能に構成され、
前記行動予測部は、前記交通情報、前記天気情報、前記SNS情報、前記検索情報、前記チケット情報及び前記宿泊予約情報の少なくとも1つの前記予測処理への寄与度を、前記行動パターン情報の前記予測処理への寄与度と比較して大きく設定し、
前記配信制御部は、第1時刻から予め定められた時間帯において、予め定められた広告を前記ユーザー端末に配信可能に構成され、
前記広告は、地域毎に予め設定された広告である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記行動予測部は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得した前記ユーザー端末の位置情報が、前記予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、前記予測処理を実行し、第2時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配信制御部は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得した前記ユーザー端末の位置情報が、前記予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、前記予測された滞在位置に対応する広告の配信を停止する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記行動予測部は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得した前記ユーザー端末の位置情報が、前記予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、前記予測処理を実行し、第2時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測し、
前記配信制御部は、第2時刻における前記ユーザーの滞在位置に対応する広告を前記ユーザー端末に配信可能に構成される、
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
状態推定部を備え、
前記状態推定部は、前記位置情報と、前記関連情報に基づいて、前記ユーザーの状態を推定可能に構成され、
前記状態は、前記ユーザーが滞在すると推定される場所の分類及び前記ユーザーの移動状態の少なくとも一方を表し、
前記配信制御部は、前記状態に基づいて、前記ユーザー端末に配信する広告を切替可能に構成される、
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
到達範囲推定部を備え、
前記到達範囲推定部は、前記ユーザーの現在の滞在位置と、地図データと、に基づいて、現在から第3時刻までに前記ユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定可能に構成され、
前記配信制御部は、前記到達範囲に基づいて、前記ユーザー端末に配信する広告を切替可能に構成される、
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
状態推定部を備え、
前記状態推定部は、前記位置情報と、前記関連情報に基づいて、前記ユーザーの状態を推定可能に構成され、
前記状態は、前記ユーザーが滞在する場所の分類及び前記ユーザーの移動状態の少なくとも一方を表し、
前記到達範囲推定部は、前記位置情報、前記関連情報、前記状態を参照し、現在から第3時刻までに前記ユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定可能に構成される、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、位置情報取得部、関連情報取得部、行動予測部及び配信制御部として機能させ、
前記位置情報取得部は、ユーザーが操作するユーザー端末の位置情報を取得可能に構成され、
前記関連情報取得部は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、カレンダー情報、チケット情報、宿泊予約情報及び行動パターン情報の少なくとも1つを含む関連情報を取得可能に構成され、
前記関連情報は、前記ユーザーが前記ユーザー端末を操作することにより生成される情報であり、
前記行動予測部は、前記位置情報と、前記関連情報に基づいて、第1時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測する予測処理を実行可能に構成され、
前記行動予測部は、前記交通情報、前記天気情報、前記SNS情報、前記検索情報、前記チケット情報及び前記宿泊予約情報の少なくとも1つの前記予測処理への寄与度を、前記行動パターン情報の前記予測処理への寄与度と比較して大きく設定し、
前記配信制御部は、第1時刻から予め定められた時間帯において、予め定められた広告を前記ユーザー端末に配信可能に構成され、
前記広告は、地域毎に予め設定された広告である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【0002】
特許文献1には、ユーザーの位置情報に基づいて、ユーザー端末に配信する広告を制御可能な広告配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-81670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーの位置情報は、リアルタイムで常に取得できることが困難である場合がある。例えば、ユーザー端末の充電が切れている場合、ネットワークに接続できない場合、位置情報に関連するアプリケーションを立ち上げていないときには、広告配信者がユーザーの位置情報をリアルタイムで取得することは困難である。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザーの位置情報を満足に取得できない場合であっても、ユーザーに対して適切な広告を効率的に配信可能な情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0007】
本発明によれば、ユーザーが操作するユーザー端末と通信可能に構成される情報処理装置であって、位置情報取得部、関連情報取得部、行動予測部及び配信制御部を備え、前記位置情報取得部は、前記ユーザー端末の位置情報を取得可能に構成され、前記関連情報取得部は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、カレンダー情報、チケット情報、宿泊予約情報及び行動パターン情報の少なくとも1つを含む関連情報を前記ユーザー端末から取得可能に構成され、前記関連情報は、前記ユーザーが前記ユーザー端末を操作することにより生成される情報であり、前記行動予測部は、前記位置情報及び前記関連情報の少なくとも一方に基づいて、第1時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測する予測処理を実行可能に構成され、前記配信制御部は、第1時刻から予め定められた時間帯において、予め定められた広告を前記ユーザー端末に配信可能に構成され、前記広告は、地域毎に予め設定された広告である、情報処理装置が提供される。
【0008】
本発明では、位置情報及び関連情報に基づいて、第1時刻におけるユーザーの滞在位置を予測し、かかる予測に基づいて、滞在位置に対応する広告を配信することが可能になる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むシステム100の概略図である。
図2】ユーザー端末5の機能ブロック図である。
図3図3Aは、ユーザー端末5から送信されるログの一部を表すものである。図3Bは、行動予測モジュール10により生成される行動予測関連データの一例である。図3Cは、広告配信モジュール20により管理される広告配信関連データの一例である。
図4】システム100による処理を表すフローチャートの一例である。
図5】行動予測モジュール10による予測処理が再実行され、行動予測関連データが書き換えられる様子を表す図である。
図6】広告配信モジュール20による配信制御の処理を表すフローチャートの一例である。
図7】行動予測関連データを更新した場合における配信制御の処理を表すフローチャートの一例である。
図8】時刻tに応じて変化する種々の状態について説明するための概念図である。
図9】到達範囲推定部17により推定された到達範囲を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0012】
1.情報処理装置1の概要
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置1は、行動予測モジュール10、広告配信モジュール20、記憶部30、通信部40を備える。情報処理装置1は、サーバ等のコンピュータにより構成される。
【0013】
行動予測モジュール10は、ユーザーID取得部11、位置情報取得部12、時刻取得部13、関連情報取得部14、行動予測部15、状態推定部16、到達範囲推定部17、監視部18を備える。
【0014】
広告配信モジュール20は、入札制御部21、配信制御部22を備える。
【0015】
情報処理装置1は、ユーザーが操作するユーザー端末5と通信可能に構成される。本実施形態では、情報処理装置1は、ネットワークNTを介して複数のユーザー端末5と通信可能に構成され、情報処理装置1及びユーザー端末5により、システム100を構成している。ここで、ユーザー端末5は、例えばスマートフォン、タブレットデバイス、ノートパソコン、カーナビゲーションシステム、携帯音楽プレイヤー、スマートウォッチ、スマートグラス等により構成される。以下、情報処理装置1の構成について具体的に説明する。
【0016】
(1-1)行動予測モジュール10
ユーザーID取得部11は、ユーザー端末5を所持するユーザーを識別するためのユーザーIDを取得するものである。ユーザーIDにより、ユーザー名等の情報が特定される。
【0017】
位置情報取得部12は、ユーザー端末5の位置情報を取得可能に構成される。具体的には、位置情報取得部12は、ユーザー端末5が存在する現在の位置情報を取得するものである。位置情報には、緯度及び経度が含まれる。また、位置情報には、ユーザー端末5が通信する基地局に関する情報や、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により特定されるエリア情報が含まれることが好ましい。
【0018】
ここで、図3Aに示すように、位置情報取得部12は、位置情報と合わせて、ユーザーID、現在時刻、未来における確定位置情報を取得することが好ましい。
【0019】
時刻取得部13は、情報処理装置1に格納されたプログラムや他の情報処理装置から取得した現在時刻を取得するものである。また、時刻取得部13は、ユーザー端末5から位置情報が送信された時の時刻又は通信部40が位置情報を受信した時刻を取得可能に構成される。以下、本実施形態では、説明の簡略化のため、ユーザー端末5から位置情報が送信された時の時刻を用いて説明する。
【0020】
関連情報取得部14は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、カレンダー情報、チケット情報、宿泊予約情報及び行動パターン情報の少なくとも1つを含む関連情報を取得可能に構成される。関連情報の取得経路は特に限定されず、ユーザー端末5から取得してもよく、ユーザー端末5から他のサーバを介して取得することも可能である。ここで、関連情報は、ユーザーがユーザー端末5を操作することにより生成される情報である。具体的には、ユーザー端末5により特定のアプリケーションが実行されるか、検索エンジンを操作することにより生成される。例えば、2018年8月23日の10:00に軽井沢に到着予定の電車を検索した場合、到着予定時刻、到着場所、交通手段が交通情報となる。また、2018年8月23日の10:00における軽井沢の天気を検索した場合、日時と場所が天気を調べたことに起因する天気情報となる。また、SNS情報は、ユーザー端末5のユーザーがSNS(ソーシャルネットワークシステム)に書き込んだ内容を分析することにより生成される。例えば、SNSへの書き込み内容を自然言語解析することにより、特定の日時に特定の場所へ移動することを表すSNS情報が生成される。また、検索情報は、検索エンジンによる検索ワードに起因して生成されるものである。検索情報は、SNS情報と同様に、自然言語解析により生成される。また、カレンダー情報は、ユーザーの予定を入力したカレンダーに基づいて生成される。例えば、ユーザー端末5にインストールされたカレンダーアプリや、webアプリ形式のカレンダーに入力された予定がカレンダー情報となる。また、チケット情報は、所定日時における所定場所でのコンサート、展示会等のイベントチケットや、新幹線、特急等の指定席チケット、及びその他のチケット(例:日時指定の前売り券)に関する情報である。チケット情報は、ユーザー端末5により予約された電子チケットに加え、ユーザーが予約したチケットに関する情報をユーザー端末5に入力することにより生成される。また、宿泊予約情報は、所定日時における所定場所での宿泊に関する情報である。宿泊予約情報は、ユーザー端末5により予約された宿泊予約に加え、ユーザーが予約した宿泊予約に関する情報をユーザー端末5に入力することにより生成される。また、行動パターン情報は、ユーザーの普段の行動パターンを表す情報であり、例えば過去1ヶ月~12ヶ月におけるカレンダー情報及び位置情報等から生成される。
【0021】
行動予測部15は、位置情報及び関連情報の少なくとも一方に基づいて、第1時刻におけるユーザーの滞在位置を予測する予測処理を実行可能に構成される。本実施形態では、滞在位置は緯度及び経度により規定される地点だけでなく、かかる地点を中心とした所定範囲を含む概念である。ここで、第1時刻は、予測処理の実行時よりも未来の時刻である。例えば、2018年8月1日の10:00に取得されたユーザー端末5の位置情報が東京駅を表し、同日の12:00に取得された位置情報が名古屋周辺を表す場合、関連情報を参照することにより、2018年8月1日の12:30(第1時刻)におけるユーザーの滞在位置が名古屋周辺である、と予測することができる。ここで、関連情報を用いずに、位置情報の変移のみから第1時刻におけるユーザーの滞在位置を予測することも可能であるが、予測精度の向上のため、位置情報と合わせて関連情報を参照することが好ましい。これとは逆に、位置情報を用いず、関連情報のみを用いて予測処理を実行することも可能である。
【0022】
ここで、行動パターン情報は、所定期間におけるユーザーの行動を一般化した情報であり、常にその行動パターンに従って行動するわけではないので、予測精度がその他の情報と比較して相対的に小さくなる。一方、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、チケット情報及び宿泊予約情報は、ユーザーの行動パターンによらず、そのときに必要な情報が含まれるので、行動パターン情報と比較して予測精度が相対的に大きくなる。このため、本実施形態では、行動予測部15は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報の少なくとも1つの予測処理への寄与度を、行動パターン情報の予測処理への寄与度と比較して大きく設定する。また、カレンダー情報を用いた予測処理は、経験的に上記の情報と行動パターン情報の中間程度であることとが多い場合があると認められたので、カレンダー情報の予測処理への寄与度を、上記の情報と行動パターン情報の中間程度に設定することが好ましい。
【0023】
そして、3段階に分けて設定した寄与度に対応する係数を設定し、位置情報及び関連情報の少なくとも一方に基づいて、行動予測部15による予測処理が実行される。
【0024】
状態推定部16は、位置情報及び関連情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザーの状態を推定可能に構成される。ここでいう状態は、ユーザーが滞在すると推定される場所の分類及びユーザーの移動状態の少なくとも一方を表すものである。具体的には、ユーザーが滞在すると推定される場所の分類は、自宅、職場、コンビニ、映画館、美容院、飲食店、ゲームセンター等である。また、ユーザーの移動状態は、静止、徒歩、自転車、車、電車、飛行機等である。
【0025】
到達範囲推定部17は、ユーザーの現在の滞在位置と、地図データと、に基づいて、現在から第3時刻までにユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定可能に構成される。地図データは、記憶部30に記憶されたものでもよく、他社が提供するデータでもよい。また、本実施形態では、到達範囲推定部17は、位置情報、関連情報、状態を参照し、現在から第3時刻までにユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定可能に構成される。ここで、第3時刻は、現在の時刻から所定時間経過後における時刻を表す。到達範囲推定部17の具体的な推定手法については、図9を用いて後述する。
【0026】
監視部18は、ユーザーID取得部11が取得する位置情報を監視するものである。本実施形態では、監視部18により、第1時刻から予め定められた時間帯において取得したユーザー端末5の位置情報が、予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表すか否かが判定される。具体的には、行動予測部15により、2018年8月1日の13:00(第1時刻)においてユーザーが京都に滞在していると予測された場合に、13:00(第1時刻)から予め定められた時間帯(例:12:45~13:15)において取得したユーザー端末5の位置情報、すなわち、ユーザーの現実の滞在位置が金沢を表すときは、予測処理において予測された滞在位置(京都)から予め定められた範囲外である、と判定する。ここで、予め定められた範囲は任意に設定することができ、例えば、予測処理により予測された滞在位置から1時間以内に到達できる範囲や、予測処理により予測された滞在位置を中心とした所定距離の同心円として設定することができる。また、予め定められた時間帯は、時刻取得部13により取得される現在の時刻を参照することにより取得することができる。
【0027】
(1-2)広告配信モジュール20
入札制御部21は、広告配信モジュール20がユーザー端末5に配信する広告を掲載する広告枠を入札するためのものである。入札制御部21により、例えばスマートフォンアプリ等の広告表示媒体の広告枠に対し、情報処理装置1の提供者が広告枠を確保するための入札処理が実行される。ここで、広告の種別は特に限定されず、料理レシピアプリ、SNS、動画視聴サービス、ホームページ、ブログ等に表示される画像広告又は動画広告や、音楽配信サービス又はカーナビゲーションシステムを利用中に流れる音声広告であってもよい。
【0028】
配信制御部22は、第1時刻から予め定められた時間帯において、予め定められた広告をユーザー端末5に配信可能に構成される。例えば、2018年8月1日の13:00(第1時刻)から予め定められた時間帯(例:12:45~13:15)において、予め定められた広告をユーザー端末5に配信することができる。本実施形態では、かかる広告は、地域毎に予め設定された広告である。ここで、予め定められた時間帯は、時刻取得部13により取得される現在の時刻を参照することにより取得することができる。
【0029】
(1-3)記憶部30
記憶部30は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、ハードディスク、SSD等により構成される。本実施形態では、記憶部30は、行動予測関連データ及び広告配信関連データを記憶する。ここで、行動予測関連データは、行動予測モジュール10によるユーザー行動の予測処理に用いられるデータである。また、広告配信関連データは、広告配信モジュール20による広告の配信制御に用いられるデータである。
【0030】
本実施形態では、図3Bに示すように、行動予測関連データには、ユーザーID、所定の地点への到着予測時刻及び出発予測時刻、到着予測地点が含まれる。図3Bの例では、ユーザーIDがABCで表されるユーザーの場合、位置情報及び関連情報の少なくとも一方に基づいて、2018年8月23日~2018年8月25日までの行動についての予測結果が記憶されている。ここで、行動予測関連データは、行動予測部15が予測処理を実行することにより生成される。記憶部30は、これらを対応付けて、行動予測関連データとして記憶する。また、図3Cに示すように、広告配信関連データには、広告を配信する広告主を識別する広告主ID、広告を個別に識別するバナーID、広告を配信する広告配信地点が含まれる。記憶部30は、これらを対応付けて、広告配信関連データとして記憶する。ここで、図1の例では、記憶部30が情報処理装置1に設けられる構成としているが、記憶部30を情報処理装置1の外部に設け、必要に応じて情報処理装置1が記憶部30にアクセスする、いわゆるクラウドコンピューティングの形態としてもよい。
【0031】
(1-4)通信部40
通信部40は、情報処理装置1を構成する他の構成要素、ユーザー端末5及び他の情報処理装置と有線又は無線によりデータ通信可能に構成される。本実施形態では、通信部40により、ネットワークNTを介して情報処理装置1とユーザー端末5の間で種々のデータの送受信が実行される。
【0032】
ここで、図1の例では、行動予測モジュール10と広告配信モジュール20が1つの情報処理装置1の内部に設けられる構成としているが、行動予測モジュール10と広告配信モジュール20をそれぞれ別のサーバにより構成してもよい。このとき、行動予測モジュール10を構成するサーバに行動予測関連データを格納し、広告配信モジュール20を構成するサーバに広告配信関連データを格納してもよい。この場合、通信部はそれぞれのサーバ毎に設けられる。
【0033】
2.ユーザー端末5の概要
次に、図2を用いて、ユーザー端末5について説明する。本実施形態では、ユーザー端末5は、ユーザーID取得部51、位置情報取得部52、関連情報取得部53、制御部54、記憶部55、表示部56及び通信部57を備える。
【0034】
ユーザーID取得部51、位置情報取得部52、関連情報取得部53及び通信部57はそれぞれ、ユーザーID取得部11、位置情報取得部12、関連情報取得部14及び通信部40と同様の機能を備える。
【0035】
制御部54は、記憶部55に記憶されたプログラム(不図示)にしたがい、ユーザー端末5を構成する種々の要素を制御するものである。記憶部55は、ユーザー端末5を制御する種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、ハードディスク、SSD等により構成される。表示部56は、種々の画像及び動画を表示するものである。
【0036】
一実施形態では、ユーザーID取得部51及び位置情報取得部52は、SDK(Software Development Kit)としてユーザー端末5内で動作するプログラムを用いて実現することができる。この場合、ユーザーID取得部51及び位置情報取得部52を実現するプログラムは、記憶部55に記憶される。また、関連情報取得部53により取得される関連情報は、ユーザー端末5にインストールされた種々のアプリケーションから取得される情報である。
【0037】
そして、ユーザーID取得部51、位置情報取得部52及び関連情報取得部53により取得される種々の情報が、通信部57から情報処理装置1の通信部40に送信される。そして、通信部40により受信された情報が、ユーザーID取得部11、位置情報取得部12及び関連情報取得部14により取得される。
【0038】
本実施形態では、通信部57により、ネットワークNTを介して情報処理装置1の通信部40との間で種々のデータの送受信が実行される。
【0039】
ここで、情報処理装置1及びユーザー端末5を構成する各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶部に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。本実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。
【0040】
3.情報処理装置1が実行する処理のフローについて
(3-1)全体の流れ
次に、図4及び図5を用いて、情報処理装置1が実行する処理について説明する。
【0041】
図4に示すように、S1において、ユーザー端末5から行動予測モジュール10に対して位置情報が送信される。
【0042】
行動予測モジュール10は、S11において、ユーザー端末5から送信された位置情報を受信する。
【0043】
次に、S12において、位置情報取得部12及び時刻取得部13により、ユーザー端末5の位置情報と、位置情報の送信時の時刻が取得される。
【0044】
次に、S13において、関連情報取得部14により、関連情報が取得される。ここで、S13の実行タイミングは任意であり、S13をS11の前に実行してもよい。
【0045】
次に、S14において、監視部18により、S12において取得された時刻における位置情報が、行動予測部15により予測された滞在位置から予め定められた範囲内に位置するか否かの判定がなされる。そして、ユーザーの現在位置が予め定められた範囲内に位置する場合(YES)、行動予測モジュール10から広告配信モジュール20に対して広告配信の配信制御を指示する配信制御命令が送信される。
【0046】
一方、S14において、ユーザーの現在位置が予め定められた範囲外となる場合(NO)、S15に進み、行動予測関連データを更新する。かかる更新は、行動予測部15が予測処理を再実行することによりなされる。つまり、本実施形態では、行動予測部15は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得したユーザー端末5の位置情報が、予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、予測処理を再実行し、第2時刻におけるユーザーの滞在位置を予測する。
【0047】
以下、図3Bを用いて、予測処理の再実行について具体的に説明する。例えば、2018年8月23日の10:00(第1時刻)から予め定められた時間帯(例:9:45~10:15)において行動予測モジュール10がユーザー端末5から位置情報を取得した場合に、予測処理において予測された滞在位置(到着予測地点の軽井沢)から予め定められた範囲(例:軽井沢を中心とする半径5kmの同心円)内に位置情報が含まれるか否かについて判定する。そして、行動予測モジュール10による予測が外れた場合には、S12において取得した位置情報を用いて、予測処理を再実行する。これにより、第2時刻(例:2018年8月23日の10:30)におけるユーザーの滞在位置を予測する。ここで、第2時刻は第1時刻よりも未来の時刻を表す。
【0048】
これにより、図5に示すように、行動予測関連データが書き換えられ、書き換えられた行動予測関連データが記憶部30に記憶される。
【0049】
一方、広告配信モジュール20は、S21において、行動予測モジュール10から送信された配信制御命令を受信する。
【0050】
次に、S22において配信制御を実行する。そして、S23において、ユーザー端末5に対して広告を配信する。
【0051】
(3-2)配信制御
以下、図6及び図7を用いて、図4のS22における配信制御について説明する。
【0052】
<行動予測関連データの更新がない場合:S14でYES>
図6に示すように、S221において、広告配信モジュール20は、行動予測モジュール10から受信した配信制御命令を解釈する。そして、行動予測関連データが更新されている旨の命令が含まれていない場合に、本フローが実行される。
【0053】
次に、S222において、配信制御部22は、ユーザーの予測滞在位置に対応する広告主ID及びバナーIDを検索する。図3Cの例では、2018年8月23日の10:00(第1時刻)におけるユーザーの予測滞在位置が軽井沢の場合、広告配信関連データを検索し、広告主ID123,456が特定される。そして、各広告主に対応するバナーID1000,1002が特定される。ここで、これらの広告は、軽井沢周辺の店舗、カフェ、ホテル、観光地等に関する広告であることが好ましい。
【0054】
次に、S223において、配信制御部22は、広告を配信する優先順位を参照する。これは、例えば、広告主IDから情報処理装置1の提供者へ支払われる料金が高い順や、ユーザーへの特定広告の接触回数の少ない順に優先順位を予め設定しておき、設定された優先順位をS223において参照するものである。なお、優先順位の決め方は特に限定されず、適宜順位を変動させてもよい。
【0055】
そして、S224において、配信制御部22は、優先順位に基づいて、予測滞在位置に対応する広告を配信する。ここで、広告の配信時刻は特に限定されず、第1時刻ぴったりに配信する必要もない。例えば、2018年8月23日の10:00(第1時刻)におけるユーザーの予測滞在位置が軽井沢の場合には、第1時刻から予め定められた時間帯(例:9:45~10:15)に広告を配信してもよい。このとき、S223における優先順位の高い順に広告を配信することが好ましい。これにより、予測滞在位置向かう電車中で事前に広告を配信することや、予測滞在位置に到着した後に広告を配信することが可能になる。
【0056】
<行動予測関連データの更新がある場合:S14でNO>
図7に示すように、S225において、広告配信モジュール20は、行動予測モジュール10から受信した配信制御命令を解釈する。そして、行動予測関連データが更新されている旨の命令が含まれている場合に、本フローが実行される。
【0057】
次に、S226において、入札制御部21は、広告配信モジュール20が実行する広告の入札を停止する。これは、当初の予測滞在位置(軽井沢)に対応する広告を、実際にユーザーが滞在すると推定される名古屋で配信しても、広告効果が低いと思われるためである。
【0058】
あわせて、配信制御部22は、当初の予測滞在位置に対応する広告の配信を停止する。つまり、本実施形態では、配信制御部22は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得したユーザー端末5の位置情報が、予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、予測された滞在位置に対応する広告の配信を停止する。これは、ユーザーが当初の予測滞在位置である軽井沢ではなく名古屋に移動していることが予測されるため、もはや軽井沢に関する広告を配信しても効果が小さいと思われるので、予測処理の再実行前に配信予定であった軽井沢に関する広告の配信を停止するのである。
【0059】
次に、S227において、予測処理の再実行後における予測滞在位置に対応する広告主ID及びバナーIDを検索する。本実施形態では、図5(書き換え後)に示されるように、2018年8月23日の10:30(第2時刻)におけるユーザーの予測滞在位置が名古屋の場合、広告配信関連データを検索し、名古屋に対応する広告主ID789が特定される。そして、広告主に対応するバナーID1003が特定される。ここで、かかる広告は、名古屋周辺の店舗、カフェ、ホテル、観光地等に関する広告であることが好ましい。
【0060】
そして、S228において、広告配信モジュール20からユーザー端末5に配信する配信広告を変更する。具体的には、バナーID1000,1002で特定される配信広告を、バナーID1003で特定される配信広告へと変更する。つまり、本実施形態では、行動予測部15は、第1時刻から予め定められた時間帯において取得したユーザー端末5の位置情報が、予測処理において予測された滞在位置から予め定められた範囲外を表す場合、予測処理を実行し、第2時刻におけるユーザーの滞在位置を予測する。そして、配信制御部22は、第2時刻におけるユーザーの滞在位置に対応する広告をユーザー端末5に配信可能に構成される。
【0061】
これにより、予測処理の結果が誤っていた場合でも、ユーザーの実際の滞在位置に対応する広告を配信できる可能性が向上する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザー端末5からリアルタイムに位置情報を取得できない場合であっても、位置情報及び関連情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザーの未来の行動を予測することができる。これにより、ユーザーの現在の位置情報を取得できず、ユーザーの位置を正確に把握することができない場合であっても、ユーザーが滞在すると予測される予測滞在位置に対応する広告を適切に配信することが可能になる。
【0063】
4.状態推定
次に、図8を用いて、状態推定部16が実行する状態推定について説明する。ここで、状態推定は必須ではなく、必要に応じて上述の予測処理に組み合わせることができる。
【0064】
図8は、行動予測部15による予測処理の結果の一例である。例えば、行動予測部15により、ある日の8:00から鎌倉行きの電車に乗り、17:00に鎌倉から電車で帰宅することが予測されたとする。この場合、状態推定部16は、ユーザーの自宅の住所と電車の駅までの距離を計算し、一般的な徒歩速度で20分かかる場合には、7:40に「自宅」を「徒歩」で出発する、と推定する。そして、状態推定部16は、「自宅」を出発してから駅に到着するまでの間は、ユーザーが「移動」状態であると推定する。このとき、7:40よりも前のユーザーの滞在位置については、ユーザーの位置情報や関連情報を利用して推定することができる。ここで、ユーザーの住所は、予め情報処理装置1の記憶部30に記憶しておいてもよく、ユーザーのSNS情報等の関連情報から取得してもよい。
【0065】
また、行動予測部15により、10:00~17:00の間は鎌倉に滞在すると予測された場合は、状態推定部16は、その間のユーザーの状態は「観光」であると推定する。さらに、19:00に地元の駅に到着することが予測されている場合であって、関連情報から友人に送迎を依頼していることが判明した場合には、状態推定部16は、駅から自宅まで「車」で移動する、と推定することができる。なお、地元の駅から自宅に到着するまでは、上記と同様に、状態推定部16は、ユーザーが「移動」状態であると推定する。
【0066】
このようにして推定された状態に基づいて、広告配信モジュール20からユーザー端末5に対し、ユーザーの状態に応じた広告を配信することが可能になる。例えば、「自宅」にいると推定される場合には、趣味に関する広告を配信する。また、「電車」で移動中であると推定される場合には、英会話スクールに関する広告を配信する。また、「車」で移動中であると推定される場合には、運転に対する注意力を低下させないように、音声広告を配信することができる。
【0067】
かかる状態推定は、図4のS22に組み込むことができ、S23において、状態推定の結果に応じて適切な広告を配信することが可能になる。この場合、配信制御部22は、ユーザーの状態に基づいて、ユーザー端末5に配信する広告を切替可能に構成される。
【0068】
5.到達範囲推定
次に、図9を用いて、到達範囲推定部17が実行する到達範囲推定について説明する。ここで、到達範囲推定は必須ではなく、必要に応じて上述の予測処理に組み合わせることができる。
【0069】
本実施形態では、到達範囲推定部17は、ユーザーの現在の滞在位置と、地図データと、に基づいて、現在から第3時刻までにユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定可能に構成される。例えば、ユーザーの現在(例:15:00)の滞在位置を表す位置情報を取得するか、行動予測部15により予測された現在(例:15:00)の滞在位置から、第3時刻(例:16:00)までにユーザーが到達可能な到達可能範囲を推定する。かかる推定は、道路、建物、地形等の情報を含む地図データを参照し、平均的な移動速度に基づいて実行される。図9では、到達範囲推定部17により推定された、第3時刻における到達範囲を点線で表現している。
【0070】
ここで、到達範囲推定部17による到達範囲推定は、状態推定部16による状態推定の結果を参照することができる。例えば、今から「タクシー」に乗ることが推定される場合には、所定期間内に到達可能な到達可能範囲が「徒歩」の場合と比べて広くなる。
【0071】
かかる到達範囲推定は、図4のS22に組み込むことができ、S23において、到達範囲推定の結果に応じて適切な広告を配信することが可能になる。この場合、配信制御部22は、到達範囲推定部17により推定された到達範囲に基づいて、ユーザー端末5に配信する広告を切替可能に構成される。
【0072】
具体的には、図9に示すように、15:00に地点Xに滞在する又は滞在すると予測されるユーザーが、16:00に電車に乗ることが予測されているとする。このとき、広告配信モジュール20により配信可能な広告の対象となる店舗が、店舗A,店舗B,店舗Cであったとする。そして、地点Xから店舗A,店舗B,店舗Cまでの所要時間がそれぞれ10分、5分、60分であった場合、店舗Cに関する広告を配信しても、地点Xから店舗Cに到達するころにはすでに電車の出発時刻となってしまい、ユーザーは実質的に店舗Cに向かうことができない。したがって、広告配信モジュール20は、店舗Cに関する広告の配信を停止する。
【0073】
一方、店舗A,店舗Bから駅までの所要時間がそれぞれ15分、10分であった場合、地点Xから店舗A,店舗Bを経由して駅まで向かっても、電車の出発時刻までには間に合う。しかし、店舗Aの平均滞在時間が30分であり、店舗Bの平均滞在時間が60分の場合には、ユーザーに店舗Bを案内したところで、電車の出発時刻を考慮すると、十分に店舗Bを満喫することが困難となる。したがって、図9の例では、配信制御部22は、到達範囲に基づいて、店舗Aに関する広告を配信対象としてセットすることが好ましい。
【0074】
6.その他
本発明に係る情報処理装置1は、以下の態様でも実施可能である。
【0075】
コンピュータを、位置情報取得部、関連情報取得部、行動予測部及び配信制御部として機能させ、
前記位置情報取得部は、ユーザーが操作するユーザー端末の位置情報を取得可能に構成され、
前記関連情報取得部は、交通情報、天気情報、SNS情報、検索情報、カレンダー情報、チケット情報、宿泊予約情報及び行動パターン情報の少なくとも1つを含む関連情報を前記ユーザー端末から取得可能に構成され、
前記関連情報は、前記ユーザーが前記ユーザー端末を操作することにより生成される情報であり、
前記行動予測部は、前記位置情報及び前記関連情報の少なくとも一方に基づいて、第1時刻における前記ユーザーの滞在位置を予測する予測処理を実行可能に構成され、
前記配信制御部は、第1時刻から予め定められた時間帯において、予め定められた広告を前記ユーザー端末に配信可能に構成され、
前記広告は、前記滞在位置毎に予め設定された広告である、
プログラム。
【0076】
また、上述のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【0077】
また、ユーザー端末5から情報処理装置1に送信される情報の送信経路は特に限定されない。例えば、ユーザー端末5から情報処理装置1に情報が送信される態様に加え、第三者が運営する他の情報処理装置を経由することも可能である。この場合、ユーザー端末5から送信された情報を他の情報処理装置が受信し、かかる情報を速やかに情報処理装置1に送信してもよく、一定期間毎に情報処理装置1に送信してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 :情報処理装置
10 :行動予測モジュール
11 :ユーザーID取得部
12 :位置情報取得部
13 :時刻取得部
14 :関連情報取得部
15 :行動予測部
16 :状態推定部
17 :到達範囲推定部
18 :監視部
20 :広告配信モジュール
21 :入札制御部
22 :配信制御部
30 :記憶部
40 :通信部
5 :ユーザー端末
51 :ユーザーID取得部
52 :位置情報取得部
53 :関連情報取得部
54 :制御部
55 :記憶部
56 :表示部
57 :通信部
100 :システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9