(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ワークショップ支援システム及びワークショップ支援方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20221108BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F16/903
G06Q10/10 300
(21)【出願番号】P 2018188381
(22)【出願日】2018-10-03
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古谷 修平
(72)【発明者】
【氏名】竹内 洋
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 貴禎
(72)【発明者】
【氏名】小野 俊之
(72)【発明者】
【氏名】石黒 正雄
(72)【発明者】
【氏名】徳永 竜也
(72)【発明者】
【氏名】永井 知沙
(72)【発明者】
【氏名】住吉 貴志
(72)【発明者】
【氏名】神田 直之
(72)【発明者】
【氏名】永松 健司
(72)【発明者】
【氏名】大家 健司
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184971(JP,A)
【文献】特開2002-259289(JP,A)
【文献】特開2018-142190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークショップ支援システムであって、
所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスと、前記演算装置に接続された通信インターフェースとを有する計算機によって構成され、
前記計算機は、課題データに対応した解決事例の情報を含む課題解決事例データ
、課題データに対応した業界別の課題の情報を含む業界別課題パタンデータ、及び課題データに対応した社会的な課題の情報を含む社会課題パタンデータにアクセス可能であって、
前記ワークショップ支援システムは、
前記演算装置が、参加者の議論から生成された課題データに基づいて
前記課題解決事例データから解決事例を検索する課題処理部と、
前記演算装置が、前記生成された課題データ及び前記検索された解決事例の情報を前記参加者に提示するアイディア生成部とを有
し、
前記課題処理部は、
業界別課題の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記業界別課題パタンデータから業界別の課題を検索し、前記検索された業界別の課題の情報を前記参加者に提示し、
価値の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記社会課題パタンデータから社会的な課題を検索し、前記検索された社会的な課題の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のワークショップ支援システムであって、
前記計算機は、課題データに対応した技術及び製品の少なくとも一方の情報を含む技術・製品データにアクセス可能であって、
前記アイディア生成部は、前記参加者のアイディアの発想に関する発言をテキスト化して、アイディアデータを生成
し、
前記ワークショップ支援システムは、前記演算装置が、前記生成されたアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示する探索部を有することを特徴とするワークショップ支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載のワークショップ支援システムであって、
前記計算機は、課題データに対応した技術及び製品の少なくとも一方の情報を含む技術・製品データにアクセス可能であって、
前記課題処理部は、技術の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載のワークショップ支援システムであって、
前記演算装置が、課題の議論を開始するトリガを受けると、前記参加者の発言をテキスト化して、課題データを生成する課題生成部を有することを特徴とするワークショップ支援システム。
【請求項5】
請求項2に記載のワークショップ支援システムであって、
前記アイディア生成部は、アイディアの議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データを前記参加者に提示して、前記参加者の発言をテキスト化して、第1のアイディアデータを生成し、
前記探索部は、前記生成された第1のアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示し、
前記課題処理部は、前記生成された課題データに基づいて解決事例を検索し、
前記アイディア生成部は、前記生成された課題データ及び前記検索された解決事例の情報を前記参加者に提示して、前記参加者の発言をテキスト化して、第2のアイディアデータを生成し、
前記探索部は、前記生成された第2のアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援システム。
【請求項6】
計算機が実行するワークショップ支援方法であって、
前記計算機は、
所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスと、前記演算装置に接続された通信インターフェースとを有し、
課題データに対応した解決事例の情報を含む課題解決事例データ、課題データに対応した業界別の課題の情報を含む業界別課題パタンデータ、及び課題データに対応した社会的な課題の情報を含む社会課題パタンデータにアクセス可能であって、
前記ワークショップ支援方法は、
前記演算装置が、参加者の議論から生成された課題データに基づいて前記課題解決事例データから解決事例を検索する課題処理手順と、
前記演算装置が、前記生成された課題データ及び前記検索された解決事例の情報を前記参加者に提示するアイディア生成手順とを含み、
前記課題処理手順では、
前記演算装置が、業界別課題の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記業界別課題パタンデータから業界別の課題を検索し、前記検索された業界別の課題の情報を前記参加者に提示し、
前記演算装置が、価値の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記社会課題パタンデータから社会的な課題を検索し、前記検索された社会的な課題の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載のワークショップ支援方法であって、
前記計算機は、課題データに対応した技術及び製品の少なくとも一方の情報を含む技術・製品データにアクセス可能であって、
前記アイディア生成手順では、前記演算装置が、前記参加者のアイディアの発想に関する発言をテキスト化して、アイディアデータを生成し、
前記ワークショップ支援方法は、前記演算装置が、前記生成されたアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示する探索手順を含むことを特徴とするワークショップ支援方法。
【請求項8】
請求項6に記載のワークショップ支援方法であって、
前記計算機は、課題データに対応した技術及び製品の少なくとも一方の情報を含む技術・製品データにアクセス可能であって、
前記課題処理手順では、前記演算装置が、技術の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援方法。
【請求項9】
請求項6に記載のワークショップ支援方法であって、
前記演算装置が、課題の議論を開始するトリガを受けると、前記参加者の発言をテキスト化して、課題データを生成する課題生成手順を含むことを特徴とするワークショップ支援方法。
【請求項10】
請求項7に記載のワークショップ支援方法であって、
前記アイディア生成手順では、前記演算装置が、アイディアの議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データを前記参加者に提示して、前記参加者の発言をテキスト化して、第1のアイディアデータを生成し、
前記探索手順では、前記演算装置が、前記生成された第1のアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示し、
前記課題処理手順では、前記演算装置が、前記生成された課題データに基づいて解決事例を検索し、
前記アイディア生成手順では、前記演算装置が、前記生成された課題データ及び前記検索された解決事例の情報を前記参加者に提示して、前記参加者の発言をテキスト化して、第2のアイディアデータを生成し、
前記探索手順では、前記演算装置が、前記生成された第2のアイディアデータに基づいて技術及び製品の少なくとも一方を検索し、前記検索された技術及び製品の少なくとも一方の情報を前記参加者に提示することを特徴とするワークショップ支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークショップ支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新しい技術やサービスのアイディアを発想する方法として、様々な知見を持つ有識者を集めて、お互いに意見を出し合うワークショップがある。異なる観点の意見を集めることで、今までになかったイノベーティブなアイディアが生まれる可能性がある。しかし、様々な知見を持つ有識者をワークショップに集めることは難しく、実際は参加可能な一部の有識者により実施されることが多い。このような場合には有識者の知見が偏ってしまい、有識者の専門領域外の知見を活用できない。特にイノベーティブなアイディアは従来結びついていなかった異なる分野の知見が結合するところに生まれると考えられている。そこで、ワークショップに様々な知見の有識者が参加しなくても、異なる分野の知見を活用したアイディアの発想を支援するシステムが求められている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、以下の先行技術がある。特許文献1(特開2017-59069号公報)には、情報提供装置であって、入力情報を受付ける受付部と、前記入力情報が属する分野を特定する特定部と、特定した分野に属する情報から所定の関連性を有する複数の情報を含む組を特定し、当該特定した組と、所定の操作を示す複数の情報とを組み合わせることで、当該特定した組から複数の新たな組を生成し、当該新たな組に含まれる情報により生じる属性との類似度が所定の条件を満たす属性を有する情報を抽出する抽出部と、抽出した情報を出力する出力部とを有する情報提供装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、ブレインストーミングなどの会議を行っている際に、利用者の発言などを入力情報として取得し、取得した情報に基づいて、議論内容の分野を特定し、異なる分野で同様の議論内容の情報を、ロボット等により出力させることで、利用者の思考を支援するものであり、異なる分野で同様の議論内容が記述されている情報を提示できる。しかしながら、ワークショップでは最初から最後まで新しいサービスや技術について議論することは少なく、顧客の課題を議論するフェーズや、その価値を議論するフェーズ、活用できそうな技術や製品を議論するフェーズ、議論した全ての内容を参考に新しいサービスや技術を考案するフェーズなど、複数のフェーズでワークショップが構成されることが多い。このように複数のフェーズで構成されるワークショップでは、それぞれのフェーズでワークショップの参加者が必要とする情報が異なっており、異なる分野で同様の議論内容の情報を提示するだけでは不十分な場合がある。
【0006】
本発明は上記を鑑みてなされたものであって、ワークショップ中の音声データを取得し、ワークショップのフェーズに応じて、適切なデータベースから情報を検索した情報を提示して、参加者のアイディアの発想を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、ワークショップ支援システムであって、所定の処理を実行する演算装置と、前記演算装置に接続された記憶デバイスと、前記演算装置に接続された通信インターフェースとを有する計算機によって構成され、前記計算機は、課題データに対応した解決事例の情報を含む課題解決事例データ、課題データに対応した業界別の課題の情報を含む業界別課題パタンデータ、及び課題データに対応した社会的な課題の情報を含む社会課題パタンデータにアクセス可能であって、前記ワークショップ支援システムは、前記演算装置が、参加者の議論から生成された課題データに基づいて前記課題解決事例データから解決事例を検索する課題処理部と、前記演算装置が、前記生成された課題データ及び前記検索された解決事例の情報を前記参加者に提示するアイディア生成部とを有し、前記課題処理部は、業界別課題の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記業界別課題パタンデータから業界別の課題を検索し、前記検索された業界別の課題の情報を前記参加者に提示し、価値の議論を開始するトリガを受けると、前記生成された課題データに基づいて前記社会課題パタンデータから社会的な課題を検索し、前記検索された社会的な課題の情報を前記参加者に提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、参加者のアイディアの発想を支援でき、ワークショップにおいて具体的で顧客価値が高い成果物を生成できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ワークショップ支援システムの全体の構成例を示す図である。
【
図2】ワークショップ支援システムの全体の処理フローの例を示す図である。
【
図3】ワークショップ支援システムの全体の処理フローの例を示す図である。
【
図4】ワークショップ支援システムの全体の処理フローの例を示す図である。
【
図5】課題データ生成プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図6A】課題データ処理プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図6B】課題データ処理プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図7】アイディアデータ生成プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】技術製品探索プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】アイディアブラッシュアッププログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】役割別表示変更プログラムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】業界別課題パタンデータの構成例を示す図である。
【
図13】社会課題パタンデータの構成例を示す図である。
【
図14】技術・製品データの構成例を示す図である。
【
図15】アイディアデータの構成例を示す図である。
【
図16】課題解決事例データの構成例を示す図である。
【
図17】ワークショップデータの構成例を示す図である。
【
図18】業界別課題パタン表示画面の例を示す図である。
【
図19】社会課題パタン表示画面の例を示す図である。
【
図23】課題解決事例表示画面の例を示す図である。
【
図25】フレームワークの画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から
図25を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
本実施例のワークショップ支援システム115は、ファシリテータ104や参加者107の議論内容を活用して、ワークショップのフェーズに応じて適切なデータベースを検索して得られた情報を提示することによって、ワークショップのアイディア発想を支援するものである。
【0012】
図1は、ワークショップ支援システム115の全体の構成例を示す図である。
【0013】
ワークショップのフェーズに応じて議論した内容を整理するためのフレームワーク100を見ながら、ワークショップのファシリテータ104及び参加者107が、本システムによるアイディアの生成に必要な情報を表示する端末105、106を所持している。端末105、106は、例えば、タブレット端末や可搬型コンピュータであり、少なくともネットワーク114と接続して情報を入出力する機能を有していればよい。端末105等には、参加者107の情報が設定されており、参加者107の役割に応じて画面の表示内容を変更できる。フレームワーク100は紙でもよいし、映像表示装置でもよい。また、フレームワーク100は一つでも複数でもよい。また、複数種類のフレームワーク100を併用してもよい。フレームワーク100の表示例は、
図25を参照して後述する。
【0014】
さらに、ワークショップ中の議論内容を録音するために、音声収集装置112が設けられている。音声収集装置112は、ファシリテータ104及び参加者107の各々が一つずつマイクロフォンを持つように構成してもよいし、各人の音声を収集する複数のマイクロフォンを一つの筐体に収容するように構成してもよい。音声収集装置112のマイクロフォンが一つの筐体に収容される場合、指向性マイクロフォンや発言者を認識する技術を用いて発言者を特定し、指向性のマイクによって発言者の方向から発言者を特定してもよい。そして、特定された発言者の役割に応じて発言内容に重み付けしてもよい。また、音声収集装置112には、インタラクティブに会話をやり取りできるAIスピーカーを採用してもよい。ファシリテータ104が保持するマイクロフォンと、参加者が使用する一つの筐体に収容されたマイクロフォンとを組み合わせて構成してもよい。音声収集装置112は、収集した音声データを、一般的なコンピュータ113を用いて、ネットワーク114を介して、ワークショップ支援システム115に送信する。
【0015】
また、本システムにより生成された情報は、ネットワーク114やコンピュータ113を介して、端末105に送信される。
【0016】
ワークショップ支援システム115は、データサーバ120と計算サーバ140を有し、本実施例のワークショップ支援方法の実行主体となるコンピュータシステムである。前述した構成のうち、データサーバ120は、一般的なサーバ装置であり、CPU(Central Processing Unit)122、RAMなどの揮発性記憶素子で構成される記憶装置であるメモリ123、ネットワークインターフェース121及び補助記憶装置124を有する。
【0017】
CPU122は、演算装置として、メモリ123に格納されたプログラムに従って動作して、必要な機能を提供する。また、ネットワークインターフェース121は、ネットワーク114と接続し、音声データを通信するコンピュータ113、レコメンド画面を見るための端末105、106との通信処理を担う装置である。また、補助記憶装置124は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置である。補助記憶装置124には、課題データ125、業界別課題パタンデータ126、社会課題パタンデータ127、技術・製品データ128、アイディアデータ129、課題解決事例データ130、ワークショップデータ131を保持する。これらのデータは、データベースの形式で補助記憶装置124に格納されている。
【0018】
課題データ125は、ワークショップのファシリテータ104と参加者107の発言を、議論している課題単位で音声収集装置112によって記録し、音声認識技術によりテキスト化した議論内容や各課題につけたタイトルの情報を格納する。課題データ125の詳細は、
図11を用いて後述する。
【0019】
また、業界別課題パタンデータ126は、製造業や金融業、ヘルスケアなどの業界で共通している課題を業務プロセスごとに格納する。業界別課題パタンデータ126の詳細は、
図12を用いて後述する。
【0020】
また、社会課題パタンデータ127は、社会課題とその詳細、及び課題解決に向けてKPI指標を格納する。社会課題パタンデータ127の詳細は、
図13を用いて後述する。
【0021】
また、技術・製品データ128は、技術名や製品名、技術・製品の概要、解決している課題、効果などの情報を格納する。技術・製品データ128の詳細は、
図14を用いて後述する。
【0022】
また、アイディアデータ129は、ワークショップで発想したアイディアの名前や詳細、発案者、解決している課題、及び活用している製品・技術などの情報を格納する。アイディアデータ129の詳細は、
図15を用いて後述する。
【0023】
また、課題解決事例データ130は、課題を解決した事例に関して、その事例の名前や業界のカテゴリ、概要、課題、活用した技術などの情報を格納する。課題解決事例データ130の詳細は、
図16を用いて後述する。
【0024】
また、ワークショップデータ131は、ワークショップのテーマとなる業界のカテゴリや、ワークショップの参加者の情報(氏名や役割など)を格納する。ワークショップデータ131の詳細は、
図17を用いて後述する。
【0025】
なお、前述した各データ125~131は、単体の補助記憶装置124に格納されても、複数の記憶装置に分割して格納されてもよい。この点は、以下に説明する計算サーバ140でも同様である。
【0026】
CPU122がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、FPGA(Field Programable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア)で実行してもよい。
【0027】
CPU122が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してデータサーバ120に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置124に格納される。このため、データサーバ120は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0028】
データサーバ120は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で別個のスレッドで処理してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で処理してもよい。
【0029】
計算サーバ140は、一般的なサーバ装置であり、CPU(Central Processing Unit)142、RAMなどの揮発性記憶素子で構成される記憶装置であるメモリ143、ネットワークインターフェース141及び補助記憶装置144を有する。計算サーバ140は、課題データ生成プログラム145、技術・製品探索プログラム146、課題データ処理プログラム147、アイディアブラッシュアッププログラム149、役割別表示変更プログラム150を保持しており、必要に応じてこれらのプログラムを選択的に実行し、対応する機能を実装する。
【0030】
課題データ生成プログラム145は、課題に関する議論内容を課題番号が含まれる議論を終了するトリガに応じて、課題データ125を生成するプログラムである。課題データ生成プログラム145が実行する処理の手順は、
図5を用いて後述する。
【0031】
また、技術・製品探索プログラム146は、アイディアデータ129と技術・製品データ128との類似度を計算し、または「今のアイディアと関連する技術・製品はあるか?」などの音声入力をトリガとして直前の議論内容と技術・製品データ128との類似度を計算し、類似度の高い技術・製品をワークショップ参加者に提示するプログラムである。技術・製品探索プログラム146が実行する処理の手順は、
図8を用いて後述する。
【0032】
また、課題データ処理プログラム147は、トリガとなる情報に応じて、業界別課題パタンデータ126、課題解決事例データ130、技術・製品データ128及び社会課題パタンデータ127から、課題データ125との類似度を計算し、類似度が高い項目をワークショップのファシリテータ104や参加者107に提示するプログラムである。課題データ処理プログラム147が実行する処理の手順は、
図6を用いて後述する。
【0033】
また、アイディアブラッシュアッププログラム149は、ワークショップの参加者107が提案したアイディアに対して、ファシリテータ104がアイディアをブラッシュアップしたい際に、トリガとなる発言を行い、事例や、技術や製品、社会課題、議論した課題などを、表示するプログラムである。アイディアブラッシュアッププログラム149が実行する処理の手順は、
図9を用いて後述する。
【0034】
また、役割別表示変更プログラム150は、ワークショップの参加者107の役割に応じて表示内容を変更するプログラムである。役割別表示変更プログラム150が実行する処理の手順は、
図10を用いて後述する。
【0035】
計算サーバ140は、これら各プログラムをデータベース151に予め保持し、CPU142は、メモリ143から各プログラムを読み出して、各種処理を実行する処理部を構成する。また、以下の説明においてプログラムが主語となる処理の主体は、実際は当該プログラムを実行するCPU142であり、主語をCPU142に置き換えてもよい。
【0036】
また、ネットワークインターフェース141は、図示を省略したネットワーク又はネットワーク114経由でデータサーバ120と接続するためのインターフェースである。
【0037】
データベース151は、補助記憶装置144に構成され、データサーバ120の補助記憶装置124に格納されるデータと同じデータを格納してもよい。計算サーバ140は、プログラムを実行する際、分析対象となるデータをデータサーバ120から読み出して、メモリ143へ一時的に格納し、CPU142で処理を実行することによって各種機能を実現する。
【0038】
なお、計算サーバ140が実行した処理の結果は、ネットワークインターフェース141を介して、結果を出力する端末105等に表示される。
【0039】
CPU142がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、FPGA(Field Programable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア)で実行してもよい。
【0040】
CPU122が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して計算サーバ140に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置144に格納される。このため、計算サーバ140は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0041】
計算サーバ140は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で別個のスレッドで処理してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で処理してもよい。
【0042】
なお、
図1に示す構成において、データサーバ120と計算サーバ140が別のサーバである例を示したが、これらの二つのサーバは一つのサーバでもよいし、各データがそれぞれ別のサーバに格納され、各プログラムがそれぞれ別のサーバで実行されるシステムでもよい。
【0043】
また、結果を見る端末105、106をファシリテータ104と参加者107がそれぞれ所持している形態を示したが、全員で情報を共有できる映像装置を活用してもよい。例えば、タッチパネル型の大型ディスプレイやインタラクティブに操作可能な操作検出機能を有するプロジェクターなどが想定される。
【0044】
以下、本実施例における実際の手順について図に基づき説明する。
【0045】
図2、
図3、
図4は、ワークショップのファシリテータ104や参加者107、ワークショップ支援システム115及びデータサーバ120の間の情報のやり取り及び処理フローの例を示す図である。以下、音声入力による情報は代表的な例として記述するが、他の言い方や、端末画面へ入力された情報でもよい。
【0046】
図2に示すように、まず、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「課題の議論を始めます。」210という音声情報)を取得し、課題の議論218の開始を認識すると、課題データ生成プログラム145が処理1を開始する(213、
図5参照)。次に、ワークショップ支援システム115は、参加者107による課題の議論内容を音声データとして取得する(211)。ワークショップ支援システム115は、議論が終わったところで、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「今のは課題1です。」212などの課題番号を含む特定のキーワードの音声情報)を、議論の終了トリガとして取得する。これによって課題データ125が生成される。
【0047】
次に、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104をキーワードとして業界別課題パタンデータ126を検索し(214)、課題と類似する業界別課題データを取得する(215)。このとき、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104を形態素解析技術などによって分解した単語を含む検索クエリを作成するとよい。また、ワークショップ支援システム115は、業界別課題パタンデータ126の課題1205を検索してもよいし、業界別課題パタンデータ126の全体を検索してもよい。
【0048】
ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「業界別課題の議論を始めます。」という音声情報)を取得すると、課題データ処理プログラム147(処理2)を実行して、取得した業界別課題データ及び課題データを処理する(216、
図6参照)。ワークショップ支援システム115は、課題データ処理プログラム147による順位付けの結果に基づいて、例えば
図18に示す画面を用いて、業界別課題データのレコメンドをファシリテータ104や参加者107に提示する(217)。ワークショップ支援システム115は、課題が出尽くすまで、211から217までの処理を繰り返す(219)。
【0049】
続いて、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「価値の議論を始めます。」231という音声情報)を取得し、価値の議論230の開始を認識すると、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104をキーワードとして社会課題パタンデータ127を検索し(232)、課題と類似する社会課題データを取得する(233)。このとき、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104を形態素解析技術などによって分解した単語を含む検索クエリを作成するとよい。また、ワークショップ支援システム115は、社会課題パタンデータ127の課題詳細1303を検索してもよいし、社会課題パタンデータ127の全体を検索してもよい。また、様々な単語の類義語が整理された類義語辞書を使用して検索してもよい。次に、課題データ処理プログラム147が処理2を開始する(234、
図6参照)。
【0050】
そして、ワークショップ支援システム115は、課題データ処理プログラム147による順位付けの結果に基づいて、例えば
図19に示す画面を用いて、社会課題データをファシリテータ104や参加者107に提示する(235)。ここで、社会課題データは課題ごとに表示してもよいし、課題の議論全体に対して提示してもよい。
【0051】
続いて、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「技術の議論を始めます。」241という音声情報)を取得し、技術の議論240の開始を認識すると、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104をキーワードとして技術・製品データ128を検索し(242)、課題に対応する技術・製品データを取得する(243)。このとき、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104を形態素解析技術などによって分解した単語を含む検索クエリを作成するとよい。また、ワークショップ支援システム115は、技術・製品データ128の課題1405を検索してもよいし、技術・製品データ128の全体を検索してもよい。また、様々な単語の類義語が整理された類義語辞書を使用して検索してもよい。次に、課題データ処理プログラム147が処理2を開始する(244、
図6参照)。
【0052】
そして、ワークショップ支援システム115は、課題データ処理プログラム147による順位付けの結果に基づいて、例えば
図20に示す画面を用いて、技術・製品のレコメンドをファシリテータ104や参加者107に提示する(245)。
【0053】
続いて、
図3に示すように、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「アイディアの共有を始めます。」301という音声情報)を取得し、アイディエーション1回目300の開始を認識すると、アイディアデータ生成プログラム148が処理3を開始する(304、
図7参照)。次に、ワークショップ支援システム115は、参加者107によるアイディアの共有内容を音声データとして取得する(302)。ワークショップ支援システム115は、議論が終わったところで、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「今のはアイディア1です。」303などのアイディア番号を含む特定のキーワードの音声情報)を、議論の終了トリガとして取得する。これによってアイディアデータ129が生成される。
【0054】
次に、ワークショップ支援システム115は、アイディアデータ129のテキストデータ1507をキーワードとして技術・製品データ128を検索し(305)、アイディアに対応する技術・製品データを取得する(306)。このとき、ワークショップ支援システム115は、アイディアデータ129のテキストデータ1507を形態素解析技術などによって分解した単語を含む検索クエリを作成するとよい。また、ワークショップ支援システム115は、技術・製品データ128の課題1405を検索してもよいし、概要1404と課題1405と課題1406を検索してもよいし、技術・製品データ128の全体を検索してもよい。また、様々な単語の類義語が整理された類義語辞書を使用して検索してもよい。
【0055】
ワークショップ支援システム115は、技術・製品探索プログラム146(処理4)を実行して、取得した技術・製品データ及び課題データを処理する(307、
図8参照)。ワークショップ支援システム115は、技術・製品探索プログラム146による順位付けの結果に基づいて、例えば
図21に示す画面を用いて、技術・製品のレコメンドをファシリテータ104や参加者107に提示する(308)。ワークショップ支援システム115は、課題が出尽くすまで、301から308までの処理を繰り返す(309)。
【0056】
以上に説明した処理では、アイディア単位で議論内容を構造化するために、アイディアの議論が終わったところで、ファシリテータ104による「今のはアイディア1です。」という音声入力を必要とした。他の方法として「今のアイディアに関係する技術・製品はある?」との音声情報の入力によって、事前に設定しておいた時間(例えば3分)だけ前からの音声情報を議論内容として、テキスト化する処理を行ってもよい。この方法を用いれば、アイディア1、アイディア2などの、アイディア毎に分けた構造化はできないが、ファシリテータ104が気になったアイディアのみに技術・製品の情報を得ることが可能になる。
【0057】
次に、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104をキーワードとして課題解決事例データ130を検索し(322)、課題に対応する課題解決事例データを取得する(323)。このとき、ワークショップ支援システム115は、課題データ125のテキストデータ1104を形態素解析技術などによって分解した単語を含む検索クエリを作成するとよい。また、ワークショップ支援システム115は、課題解決事例データ130の課題1605を検索してもよいし、課題解決事例データ130の全体を検索してもよい。また、様々な単語の類義語が整理された類義語辞書を使用して検索してもよい。
【0058】
続いて、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「レコメンドを使ってアイディアを発想します。」321という音声情報)を取得し、アイディエーション2回目320の開始を認識すると、課題データ処理プログラム147が処理2を開始する(324、
図6参照)。そして、ワークショップ支援システム115は、課題データ処理プログラム147による順位付けの結果に基づいて、例えば
図23に示す画面を用いて、ファシリテータ104に課題解決事例を提示する(325)。ファシリテータ104は、提示された課題解決事例の中から適切なものを選択し、ワークショップ支援システム115は、ファシリテータ104による選択の情報を取得する(326)。選択された課題解決事例には課題解決事例データ130に選択された回数を増加するなどのフィードバックを返す(327)。このフィードバックは、点数を増加する他、点数を減少するフィードバックを設けてもよい。また、フィードバックとして、増減すべき正負の点数が入力できるようにしてもよい。また、参加者107もフィードバックの入力ができるようにしてもよい。このとき、参加者107の役割によってフィードバックで増減する点数を変えてもよい。
【0059】
そして、選択された課題解決事例を参加者107に提示する(328)。参加者107は、課題解決事例を見ながらアイディアを考える。次に、アイディエーション2回目として、301~309と同様の処理を行う(330~336)。
【0060】
続いて、
図4に示すように、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、ファシリテータ104による「アイディア1をブラッシュアップします。」401という音声情報)を取得し、アイディアのブラッシュアップ400の開始を認識すると、アイディアブラッシュアッププログラム149が処理6を開始する(403、
図9参照)。次に、ワークショップ支援システム115は、所定の入力(例えば、トリガとなる音声情報402)を取得し、アイディアブラッシュアッププログラム149において必要な処理を選択して実行する。ワークショップ支援システム115は、アイディアブラッシュアッププログラム149による類似度の計算結果に基づいて、検索結果をファシリテータ104や参加者107に提示する(404)。ワークショップ支援システム115は、全てのアイディアについてブラッシュアップが終わるまで401から404までの処理を繰り返す(405)。
【0061】
図5は、課題データ生成プログラム145の処理の例を示すフローチャートである。
【0062】
課題データ生成プログラム145は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動しており、課題の議論を開始するトリガを待ち受けている(ステップ500)。
【0063】
そして、課題データ生成プログラム145(CPU142)は、課題に関する議論を開始するトリガを受ける(ステップ501)。例えば、ファシリテータ104による「課題の議論を始めます。」という音声入力でもよいし、端末105の操作でもよい。
【0064】
次に、課題データ生成プログラム145は、ファシリテータ104や参加者107による議論内容を音声収集装置112で収集し、収集した音声データを音声認識技術によりテキストデータに変換する(ステップ502)。ここで、音声収集装置112が発言者を特定できる場合には、発言者の情報を付加したテキストデータを生成する。
【0065】
次に、課題データ生成プログラム145は、課題番号を含む議論を終了するトリガを受ける(ステップ503)。例えば、ファシリテータ104による「今のは課題1です。」という音声入力でもよいし、端末105の操作でもよい。
【0066】
次に、課題データ生成プログラム145は、議論内容の音声データから変換されたテキストデータから、課題データを生成する(ステップ504)。
【0067】
次に、課題データ生成プログラム145は、ファシリテータ104の発言によって課題番号を含む議論のタイトル情報を受け、課題データ125に課題タイトル1105の情報を入力する(ステップ505)。
【0068】
次に、課題の議論が終了していない場合には、課題データ生成プログラム145は、ステップ502に戻り、次の課題データを作成する(ステップ505)。一方、他のプログラムの実行トリガが検出されると、課題データ生成プログラム145は、課題の議論が終了していると判定し、課題データ生成プログラム145の処理を終了する(ステップ506)。課題データ生成プログラム145の終了は、所定の音声情報や端末105の操作でもよい。
【0069】
図6A、
図6Bは、課題データ処理プログラム147の処理の例を示すフローチャートである。
【0070】
課題データ処理プログラム147は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動しており、課題データの処理の種類に応じて処理を開始するトリガを待ち受けている(ステップ600)。
【0071】
課題データ処理プログラム147(CPU142)は、業界別課題パタンデータ126を参照して課題データを処理するかを判定する(ステップ601)。例えば、ファシリテータ104による「業界別課題の議論をはじめます。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ601の判定がYesである場合、課題データ処理プログラム147は、課題データと業界別課題パタンデータ126との類似度を計算し、業界別課題データを順位付けする(ステップ602)。類似度の計算は、一般的な文章に関する情報検索アルゴリズム(例えば、TF-IDF)を使用できる。文章中に含まれる単語の重要度を単語の出現頻度から評価し、重要度に応じて文章の類似度を計算する。他に、Doc2VecやWord2Vecを用いて文章をベクトル化し、ベクトル間のコサイン類似度を計算する方法を採用してもよい。また、類似度を計算する際に使用するテキストは課題データの全部を使用してもよいし、課題データの中の一部分(例えば課題部分だけ)を使用してもよい。さらに、類似度を計算する際に、様々な単語の類義語が整理された類義語辞書を使用してもよい。
【0072】
次に、課題データ処理プログラム147は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い課題データは、他の業界でも業務課題となっていることから、業界共通課題であることを示すフラグを付与する(ステップ603)。次に、課題データ処理プログラム147は、フラグが付与された課題データと類似する業界別課題データと業務プロセスが同じ業界別課題データがあれば、議論が抜けている課題として取得する(ステップ604)。次に、課題データ処理プログラム147は、フラグが付与された課題データ及び議論が抜けている課題(業界共通課題データ)をファシリテータ104及び参加者107に提示し(ステップ605)、処理を終了する(ステップ617)。
【0073】
一方、ステップ601の判定がNoである場合、課題データ処理プログラム147は、課題解決事例データ130を参照して課題を処理するかを判定する(ステップ606)。例えば、ファシリテータ104による「課題解決事例を使ってアイディアを発想します。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ606の判定がYesである場合、課題データ処理プログラム147は、課題データと課題解決事例データ130との類似度を計算し、課題解決事例に順位付けをする(ステップ607)。なお、ステップ607における類似度の計算は、ステップ602において前述した方法と同じでよい。
【0074】
次に、課題データ処理プログラム147は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い課題解決事例データをファシリテータ104及び参加者107に提示する(ステップ608)。次に、ファシリテータ104及び参加者107がアイディア発想に役立った又は役立たなかった課題解決事例のフィードバックを端末を用いて入力する。課題データ処理プログラム147は、そのフィードバックの情報を受ける(ステップ609)。次に、課題データ処理プログラム147は、フィードバックの情報を課題解決事例データ130に格納する(ステップ610)。フィードバックの情報は、課題解決事例を提示する際にフィードバックの点数が高い課題解決事例のみを提示するなどに活用できる。その後、処理を終了する(ステップ617)。
【0075】
一方、ステップ606の判定がNoである場合、課題データ処理プログラム147は、技術・製品データ128を参照して課題を処理するかを判定する(ステップ611)。例えば、ファシリテータ104による「技術の議論を始めます。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ611の判定がYesである場合、課題データ処理プログラム147は、課題データと技術・製品データ128との類似度を計算し、技術・製品データに順位付けをする(ステップ612)。なお、ステップ612における類似度の計算は、ステップ602において前述した方法と同じでよい。
【0076】
次に、課題データ処理プログラム147は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い技術・製品データをファシリテータ104及び参加者107に提示し(ステップ613)、処理を終了する(ステップ617)。
【0077】
一方、ステップ611の判定がNoである場合、課題データ処理プログラム147は、社会課題パタンデータ127を参照して課題を処理するかを判定する(ステップ614)。例えば、ファシリテータ104による「価値の議論を始めます。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ614の判定がYesである場合、課題データ処理プログラム147は、課題データと社会課題パタンデータ127との類似度を計算し、社会課題データに順位付けをする(ステップ615)。このとき、課題データごとに社会課題パタンデータとの類似度を計算してもよいし、全ての課題データのテキスト情報と社会課題パタンデータとの類似度を計算してもよい。なお、ステップ615における類似度の計算は、ステップ602において前述した方法と同じでよい。
【0078】
次に、課題データ処理プログラム147は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い社会課題データをファシリテータ104及び参加者107に提示し(ステップ616)、処理を終了する(ステップ617)。
【0079】
図7は、アイディアデータ生成プログラム148の処理の例を示すフローチャートである。
【0080】
アイディアデータ生成プログラム148は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動しており、アイディアの議論を開始するトリガを待ち受けている(ステップ700)。
【0081】
そして、アイディアデータ生成プログラム148(CPU142)は、アイディアの議論を開始するトリガを受ける(ステップ701)。例えば、ファシリテータ104により「アイディアの共有を始めます。」という音声入力でもよいし、端末105の操作でもよい。
【0082】
次に、アイディアデータ生成プログラム148は、参加者107が考案したアイディアの内容を音声収集装置112で収集し、収集した音声データを音声認識技術によりテキストデータに変換する(ステップ702)。ここで、音声収集装置112が発言者を特定できる場合には、発言者の情報を付加したテキストデータを生成する。
【0083】
次に、アイディアデータ生成プログラム148は、アイディア番号を含む議論を終了するトリガを受ける(ステップ703)。例えば、ファシリテータ104による「今のはアイディア1です。」という音声入力でもよいし、端末105の操作でもよい。
【0084】
次に、アイディアデータ生成プログラム148は、議論内容の音声データから変換されたテキストデータから、アイディアデータを生成する(ステップ704)。
【0085】
次に、アイディアデータ生成プログラム148は、ファシリテータ104の発言によってアイディア番号を含むアイディアのタイトル情報を受け、アイディアデータ129にタイトル(アイディア名1504)の情報を入力する(ステップ705)。
【0086】
次に、アイディアの議論が終了していない場合には、アイディアデータ生成プログラム148は、ステップ702に戻り、次のアイディアデータを作成する(ステップ706)。一方、他のプログラムの実行トリガが検出されると、アイディアデータ生成プログラム148は、アイディアの議論が終了していると判定し、アイディアデータ生成プログラム148の処理を終了する(ステップ707)。アイディアデータ生成プログラム148の終了は、所定の音声情報や端末105の操作でもよい。
【0087】
アイディアデータ生成プログラム148は、アイディアの議論から業界横断類義語辞書を作成してもよい。類似する物事について業界によって異なる用語が使用されることがある。アイディアデータ生成プログラム148が実行されるアイディエーションフェイズでは、業界横断的な議論が行われるので、業界ごとに異なる用語を同義語として纏めて、業界横断類義語辞書を作成できる。例えば、同じ単語と共起する単語の意味は類似すると推定され、異業界においても類似する意味で使用されていると推定できる。他にもWord2Vecなどの単語をベクトル化する技術を活用することで、ベクトルが近く業界が異なる単語を業界横断類義語辞書として登録してもよい。さらに、ベクトルを四則演算することで業界横断類義語辞書を作成してもよい。アイディエーションフェイズでの議論が最も業界横断的な議論が行われると思われるが、他のフェーズで業界横断類義語辞書を作成してもよい。
【0088】
図8は、技術・製品探索プログラム146の処理の例を示すフローチャートである。
【0089】
技術・製品探索プログラム146は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動しており、処理を開始するトリガを待ち受けている(ステップ800)。
【0090】
次に、技術・製品探索プログラム146(CPU142)は、アイディアデータを活用するかを判定する(ステップ801)。アイディアデータを活用するかは、ワークショップ支援システム115に予め設定してもよいし、アイディアデータがあるかによって自動的に判定してもよい。
【0091】
アイディアデータを活用する場合(ステップ801でYes)、技術・製品探索プログラム146は、アイディアデータと技術・製品データの類似度を計算し、技術・製品データに順位付けをする(ステップ802)。
【0092】
次に、技術・製品探索プログラム146は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い技術・製品データをファシリテータ104及び参加者107に提示する(ステップ803)。ここで、技術・製品は、アイディア毎に提示してもよいし、技術・製品のカテゴリ(例えば、IoT関連、ヘルスケアなど)毎に提示してもよいし、アイディアの議論全体に対して提示してもよい。その後、技術・製品探索プログラム146は処理を終了する(ステップ807)。
【0093】
一方、アイディアデータを活用しない場合(ステップ801でNo)、ファシリテータ104により「今のアイディアと関連する技術・製品はあるか?」という音声情報を受ける(ステップ804)。次に、ステップ804で音声情報を受取った時刻から3分前からの音声情報を音声認識技術でテキスト化する(ステップ806)。ここで3分前としたが、この時間はシステムで自由に設定できてもよい。次に、テキストの内容と類似度が閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い技術・製品データを参加者107に提示する(ステップ806)。その後、技術・製品探索プログラム146は処理を終了する(ステップ807)。
【0094】
図9は、アイディアブラッシュアッププログラム149の処理の例を示すフローチャートである。
【0095】
アイディアブラッシュアッププログラム149は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動しており、処理を開始するトリガを待ち受けている(ステップ900)。
【0096】
次に、アイディアブラッシュアッププログラム149(CPU142)は、アイディア番号を含むアイディアのブラッシュアップを開始するためのトリガを受ける(ステップ901)。例えば、ファシリテータ104による「アイディア1をブラッシュアップします。」などの音声入力でもよいし、端末105の操作でもよい。
【0097】
次に、アイディアブラッシュアッププログラム149は、課題解決事例データ130を参考にしてアイディアをブラッシュアップするかを判定する(ステップ902)。例えば、ファシリテータ104による「事例を見てみましょう。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ902の判定がYesである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、ステップ901で指定されたアイディアデータと課題解決事例データ130との類似度を計算して(ステップ903)、ステップ910に進む。
【0098】
一方、ステップ902の判定がNoである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、技術・製品データ128を参考にしてアイディアをブラッシュアップするかを判定する(ステップ904)。例えば、ファシリテータ104による「技術・製品を見ましょう。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ904の判定がYesである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、ステップ901で指定されたアイディアデータと技術・製品データ128との類似度を計算する(ステップ905)。
【0099】
ステップ904の判定がNoである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、社会課題パタンデータ127を参考にしてアイディアをブラッシュアップするかを判定する(ステップ906)。例えば、ファシリテータ104による「社会課題を見ましょう。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ906の判定がYesである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、ステップ901で指定されたアイディアデータと社会課題パタンデータ127との類似度を計算する(ステップ907)。
【0100】
ステップ906の判定がNoである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、課題データ125を参考にしてアイディアをブラッシュアップするかを判定する(ステップ908)。例えば、ファシリテータ104による「課題データを見ましょう。」という音声入力によって判定しても、端末105の操作によって判定してもよい。ステップ908の判定がYesである場合、アイディアブラッシュアッププログラム149は、ステップ901で指定されたアイディアデータと課題データ125との類似度を計算し、アイディアデータが関係する課題データを判定し、課題データに順位をつける(ステップ909)。
【0101】
ステップ903、905、907、909の処理が終わった後、アイディアブラッシュアッププログラム149は、類似度が所定の閾値より高い又は類似度の順位が所定の順位より高い結果をファシリテータ104及び参加者107に提示し(ステップ910)、処理を終了する(ステップ911)。
【0102】
図10は、役割別表示変更プログラム150の処理の例を示すフローチャートである。
【0103】
以上に説明してた処理では、参加者107によらず同じ処理結果を提示する。しかし、ワークショップの参加者107は、営業担当者、システムエンジニア、経営者など様々な背景を持っている。そのため、ワークショップを進める上での役割が参加者によって異なり、能力や発言内容の重みや必要となる情報などが異なっており、参加者に一様な情報を提示するだけでは不適切な場合がある。このため、参加者107に役割(技術エキスパート、ドメインエキスパートなど)を与え、役割に応じて表示される情報量を変えて、加工された適切な情報を提示することによって、より議論を深めて、より良いアイディアを発想できるようになる。役割別表示変更プログラム150は、ワークショップ支援システム115の起動時に起動し(1000)、参加者107に役割を設定することによって、端末106の表示内容を変更する。また、役割別表示変更プログラム150は、ファシリテータ104が使用する端末105における所定の操作によって実行しても、情報を提示するタイミングで実行しても、設定によっては実行しなくてもよい。
【0104】
まず、役割別表示変更プログラム150は、ワークショップデータ131(
図17参照)から参加者とその役割のデータを取得する(ステップ1001)。
【0105】
次に、役割別表示変更プログラム150は、情報(例えば、レコメンド)を表示する端末106と参加者107の役割の情報とを対応付ける(ステップ1002)。
【0106】
次に、端末106に提示すべき情報を取得する(ステップ1003)。
【0107】
次に、参加者107の役割がドメインエキスパートであるか(ステップ1004)、技術エキスパートであるか(ステップ1006)、ファシリテータ104であるか(ステップ1008)を判定する。
【0108】
参加者107の役割がドメインエキスパートである場合(ステップ1004でYes)、当該参加者107の端末106に課題解決事例の情報を多く提示するように制御する(ステップ1005)。
【0109】
また、参加者107の役割が技術エキスパートである場合(ステップ1006でYes)、当該参加者107の端末106に技術・製品データの情報を多く提示するように制御する(ステップ1007)。
【0110】
また、参加者107の役割がファシリテータ104である場合(ステップ1008でYes)、当該参加者107(ファシリテータ104)の端末105に全ての情報を提示するように制御する。また、情報の取捨選択や参加者画面の切り替えなどの権限を行使可能な設定画面を提示する(ステップ1009)。
【0111】
その後、役割別表示変更プログラム150の処理を終了する(ステップ1010)。
【0112】
前述した処理では、役割に応じた設定に従って情報を提示するものであるが、情報そのものを提示しない設定を可能としてもよい。また、技術エキスパートやドメインエキスパート以外の役割を追加して、その役割に応じた情報の提示形態を設定可能としてもよい。また、役割が営業の人が言った課題を表示するなど、自身または自身以外の役割の人が発信した情報を提示してもよい。
【0113】
図11は、課題データ125の構成例を示す図である。
【0114】
課題データ125は、課題データ生成プログラム145によって生成され、データサーバ120に格納される。課題データ125は、課題ID1102をキーとして、ワークショップID1101、課題番号1103、テキストデータと発言者1104及び課題タイトル1105などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。テキストデータと発言者1104は、特定された発言者とテキスト化された発言内容とを含むが、必ずしも発言者が特定されていなくてもよい。発言者が特定されている場合には、発言者の役割に応じて役割別表示変更プログラム150を活用して、提示する情報を制御してもよい。なお、本実施例ではテーブルの形態で表しているが、これ以外の形態で表してもよい。以後に説明するデータ構造も、図示とは異なる構造でもよい。
【0115】
図12は、業界別課題パタンデータ126の構成例を示す図である。
【0116】
業界別課題パタンデータ126は、予めデータサーバ120に格納されており、業界別課題パタンデータID1201をキーとして、課題が生じている業界1202、課題が生じている業務プロセス1203、課題解決のターゲット(課題が生じている人)1204、課題1205及び課題を解決できる製品・技術1206などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。業界別課題パタンデータ126によって、業界に共通している課題や、当該課題に対応する製品や技術を取得できる。
【0117】
図13は、社会課題パタンデータ127の構成例を示す図である。
【0118】
社会課題パタンデータ127は、予めデータサーバ120に格納されており、社会課題パタンデータID1301をキーとして、社会課題1302、課題詳細1303及び課題解決に向けたKPI1304などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。課題解決に向けたKPIは複数あってもよい。社会課題パタンデータ127によって、ワークショップ支援システム115で議論される課題の解決の社会的な意義などを取得できる。
【0119】
図14は、技術・製品データ128の構成例を示す図である。
【0120】
技術・製品データ128は、予めデータサーバ120に格納されており、技術・製品IDをキーとして、技術・製品が適用される業界1402、技術・製品名1403、技術・製品の概要1404、技術・製品が解決できる課題1405及び技術・製品の特徴1406などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。技術・製品データ128によって、課題を解決するために提供できる技術や製品の概要、特徴、対応できる課題などを取得できる。
【0121】
図15は、アイディアデータ129の構成例を示す図である。
【0122】
アイディアデータ129は、アイディアデータ生成プログラム148によって生成され、アイディアID1501をキーとして、ワークショップID1502、アイディア番号1503、アイディア名1504、アイディアの詳細内容1505、発案者1506、アイディアを議論した議論内容をテキスト化した情報1507、アイディアが解決している課題1508、アイディアで活用している製品や技術1509などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。
【0123】
図16は、課題解決事例データ130の構成例を示す図である。
【0124】
課題解決事例データ130は、予めデータサーバ120に格納されており、事例ID1601をキーとして、事例名1602、カテゴリ(課題を解決した業種)1603、課題解決の概要1604、課題1605、ソリューションの内容1606、事例で活用されている技術1607、事例で使われている又は生成されるデータ1608及びワークショップで得られるフィードバック1609などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。課題解決事例データ130によって、他の業界で生じている課題や、その課題の解決手段(ソリューション、技術)を取得できる。
【0125】
図17は、ワークショップデータ131の構成例を示す図である。
【0126】
ワークショップデータ131は、ワークショップの開始時までにデータサーバ120に格納され、ワークショップID1701をキーとして、ワークショップ名1702、カテゴリ1703、ファシリテータ1704、参加者1705、1707及び各参加者の役割1706、1708などのデータを対応付けたレコードの集合体で構成される。ワークショップデータ131は、役割別表示変更プログラム150が参照して、各参加者の役割に応じた表示内容を制御する。また、ファシリテータ104が使用する端末105の操作によって、各参加者の役割を変更できる。
【0127】
図18は、端末105、106に表示される業界別課題パタン表示画面1800の例を示す図である。
【0128】
業界別課題パタン表示画面1800は、課題番号1801、1802、表示されるデータの意味(ターゲット、業務プロセス、業界別共通の課題など)を表す項目1803、1806、課題1801、1802と関連する課題1804、1807、抜け漏れ課題1805、及び業界のカテゴリ1809の表示領域を含む。業界別課題パタン表示画面1800には、課題が複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー1808が配置される。また、課題番号表示領域1801、1802には、当該課題が当該業界における共通課題であることを示すフラグ1810、1811が表示可能となっている。関連課題1804、1805や抜け漏れ課題1807に表示すべき文字量が多い場合、関連課題1804、1807や抜け漏れ課題1805の各領域の選択操作(クリック又はタップ)によって、課題の詳細を表示するサブ画面を表示してもよい。また、フラグ1810、1811は、後述する他の画面の課題番号表示領域に表示してもよい。
【0129】
図19は、端末105、106に表示される社会課題パタン表示画面1900の例を示す図である。
【0130】
社会課題パタン表示画面1900は、全ての課題に対する社会課題データを表示する課題全体1901、社会課題データを課題ごとに表示する場合の課題番号1902、表示されるデータの意味(社会課題の詳細内容を示す課題詳細、課題を解決するために改善すべきKPIなど)を表す項目1903、1906、及び議論した課題に関連する社会課題1904、1905、1907の表示領域を含む。社会課題パタン表示画面1900には、課題が複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー1908が配置される。社会課題1904、1905、1907の各領域の選択操作(クリック又はタップ)によって、社会課題と関連する事例の詳細を表示するサブ画面を表示してもよい。
【0131】
図20は、端末105、106に表示される技術・製品表示画面2000の例を示す図である。
【0132】
技術・製品表示画面2000は、課題に関連する技術・製品を表示するための画面であり、課題番号2001、2002、表示されるデータの意味(技術・製品名、概要、技術・製品の特徴など)を表す項目2003、2006、課題に関連する技術・製品2004、2005、2007、及び業界のカテゴリ2009の表示領域を含む。カテゴリ2009の表示領域は、プルダウンメニュー形式になっており、カテゴリを切り替えることによって、業界のカテゴリに応じた技術・製品を表示できる。技術・製品表示画面2000には、課題が複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー2008が配置される。技術・製品2004、2005、2007の各領域の選択操作(クリック又はタップ)によって、技術・製品の詳細を表示するサブ画面を表示してもよい。また、技術・製品の説明部分には文字だけでなくて、当該技術・製品を説明する画像を表示してもよい。
【0133】
図21は、端末105、106に表示される技術・製品表示画面2100の例を示す図である。
【0134】
技術・製品表示画面2100は、アイディアに関連する技術・製品を表示するための画面であり、アイディア番号2101、2102、表示されるデータの意味(技術・製品名、概要、技術・製品の特徴など)を表す項目2103、2106、アイディアに関連する技術・製品2104、2105、2107、及び業界のカテゴリ2109の表示領域を含む。カテゴリ2109の表示領域は、プルダウンメニュー形式になっており、カテゴリを切り替えることによって、業界のカテゴリに応じた技術・製品を表示できる。技術・製品表示画面2100には、アイディアが複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー2108が配置される。技術・製品2104、2105、2107の各領域の選択操作(クリック又はタップ)によって、技術・製品の詳細を表示するサブ画面を表示してもよい。また、技術・製品の説明部分には文字だけでなくて、当該技術・製品を説明する画像を表示してもよい。
【0135】
図22は、カテゴリ選択画面2200の例を示す図である。
【0136】
カテゴリ選択画面2200は、
図20や
図21などに設けられているカテゴリ2009、2109のプルボタンダウンメニューの操作後に表示される。カテゴリ選択画面2200には、業界のカテゴリ(製造業、金融など)が書かれており、カテゴリの横に設けられたチェックボックス2201を選択操作することによって、選択された業界に関連する情報が表示されるように制御される。カテゴリ選択画面2200は、
図20、
図21以外にもカテゴリのプルダウンメニューが設けられる画面には同様に実装される。
【0137】
図23は、課題解決事例表示画面2300の例を示す図である。
【0138】
課題解決事例表示画面2300は、課題番号2301、2305、2308、表示されるデータの意味(事例名など)を表す項目2302、2306、2309、課題を解決した事例の名称2303、2304、2307、2310、及び業界のカテゴリ2312の表示領域を含む。カテゴリ2312の表示領域は、プルダウンメニュー形式になっており、カテゴリを切り替えることによって、業界のカテゴリに応じた事例を表示できる。課題解決事例表示画面2300には、課題が複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー2311が配置される。事例の名称2303、2304、2307、2310の各領域の選択操作(クリック又はタップ)によって、事例の詳細を表示するサブ画面(
図24参照)を表示する。
【0139】
図24は、事例詳細表示画面2400の例を示す図である。事例詳細表示画面2400は、課題解決事例表示画面2300で事例の名称2303、2304、2307、2310の各領域を選択操作(をクリック又はタップ)すると表示されるサブ画面である。事例詳細表示画面2400は、課題番号2401、表示されるデータの意味(事例名、概要、課題、特徴、技術、データ、課題解決パタンなど)を表す項目2402、及び各項目の内容2403を含む。事例詳細表示画面2400には、表示項目が複数あり画面上に表示しきれないときに画面をスライドさせるスクロールバー2404が配置される。また、事例詳細表示画面2400は、事例の評価を示す評価点および評価を入力できる入力部分2406を含む。
【0140】
本発明の実施例として、紙や付箋を用いたワークショップで活用する形態や、タッチパネルなどの大型ディスプレイや電子付箋を用いた形態がある。
図1から
図24を用いて説明した実施例は、上記二つのいずれの形態にも適用できる。以下、タッチパネルなどの大型ディスプレイや電子付箋を用いた形態を説明する。
【0141】
図25は、タッチパネル型の大型ディスプレイ使用したフレームワーク100の画面2500の例を示す図である。
【0142】
画面2500は、電子付箋2502、2503、2504、電子付箋の配置領域2501、及び業界のカテゴリ2505の表示領域をフレームワーク内に含む。カテゴリ2505の表示領域は、プルダウンメニュー形式になっており、カテゴリを切り替えることによって、業界のカテゴリに応じた情報に切り替えて表示できる。
【0143】
電子付箋2502等をフレームワークの所定の場所に配置することによって、ワークショップのフェーズを特定でき、トリガを省略できる。例えば、技術・製品の欄に電子付箋2502等が配置された場合には、技術・製品について議論しているフェーズであると判定し、技術・製品探索プログラム146を自動的に実行できる。
【0144】
さらに、課題1という電子付箋を配置した後に、当該電子付箋の周辺に電子付箋を配置し、これらの電子付箋の情報を共有する場合、電子付箋に記載された情報や、課題2という電子付箋が配置されるまでの音声データを課題1での議論情報と判定して、課題データを作成できる。これにより、「今のは課題1です。」というトリガを省略できる。
【0145】
また、「タイトル:***」という電子付箋を課題1の電子付箋の周辺に配置することによって、「課題1のタイトルは***」というトリガを省略できる。「周辺」は、電子付箋の中心位置がディスプレイ上の所定の距離より近い場合でもよいし(2506)、課題1の電子付箋と直接又は間接的に繋がっている電子付箋でもよい(2507)。
【0146】
以上の説明は、課題以外にもアイディアなどのフレームでも同様である。
【0147】
また、音声データから自動的にテキスト変換をして電子付箋を生成し、電子付箋の配置領域2501に追加してもよい。
【0148】
さらに、技術・製品表示画面2000、2100(
図20、
図21)において技術・製品を選択操作(クリック又はタップ)することによって、選択された技術・製品を画面2500の技術・製品の領域に配置してもよい。
【0149】
以上に説明したように、本発明の実施例によると、課題処理部(課題データ処理プログラム147)が、参加者107の議論から生成された課題データ125に基づいて課題解決事例データ130を検索し、アイディア生成部(アイディアデータ生成プログラム148)が、課題データ125及び検索された課題解決事例データを参加者107に提示するので、ワークショップでのフェーズに応じて、参加者の専門性や把握している業界の知見にかかわらず適切な情報が参加者に適切に提示され、各フェーズでの議論を深めることができ、ワークショップにおいて具体的で顧客価値が高い成果物を生成できる。
【0150】
また、アイディア生成部(アイディアデータ生成プログラム148)が、参加者107のアイディアの発想に関する発言をテキスト化して、アイディアデータ129を生成するので、自動的に発言を記録して、アイディアデータを生成できる。
【0151】
また、課題処理部(課題データ処理プログラム147)が、技術の議論を開始するトリガを受けると、課題データ125に基づいて技術・製品データ128を検索し、検索された技術・製品データを参加者107に提示するので、技術・製品に関連して課題の議論を深めることができ、実際に解決可能なソリューションを提示できる。
【0152】
また、探索部(技術・製品探索プログラム146)が、アイディアデータ129に基づいて技術・製品データ128を検索し、検索された技術・製品データを参加者107に提示するので、技術・製品に関連してアイディアの議論を深めることができ、実際に解決可能なソリューションを提示できる。
【0153】
また、課題生成部(課題データ生成プログラム145)が、課題の議論を開始するトリガを受けると、参加者107の発言をテキスト化して、課題データ125を生成するので、自動的に発言を記録して、課題データを生成できる。
【0154】
また、課題処理部(課題データ処理プログラム147)が、業界別課題の議論を開始するトリガを受けると、課題データ125に基づいて業界別課題パタンデータ126を検索し、検索された業界別の課題の情報を参加者107に提示するので、業界に共通している課題を参考にして課題の議論を深めることができ、当該課題に対応する製品や技術を取得できる。
【0155】
また、課題処理部(課題データ処理プログラム147)が、価値の議論を開始するトリガを受けると、課題データ125に基づいて社会課題パタンデータ127を検索し、検索された社会的な課題の情報を参加者107に提示するので、議論している課題を社会的な大きな課題に繋げて社会課題として再定義でき、当該課題の解決の社会的意義が明らかにすることによって、他社との協業が容易になる。
【0156】
また、アイディア生成部(アイディアデータ生成プログラム148)が、アイディアの議論を開始するトリガを受けると、課題データ125を参加者107に提示して、参加者107の発言をテキスト化して、第1のアイディアデータ129を生成し、探索部(技術・製品探索プログラム146)が、生成された第1のアイディアデータ129に基づいて技術・製品データ128を検索し、検索された技術・製品データを参加者107に提示し、課題処理部(課題データ処理プログラム147)が、課題データ125に基づいて課題解決事例データ130を検索し、アイディア生成部(アイディアデータ生成プログラム148)は、課題データ125及び検索された課題解決事例データを参加者107に提示して、参加者107の発言をテキスト化して、第2のアイディアデータ129を生成し、探索部(技術・製品探索プログラム146)が、生成された第2のアイディアデータ129に基づいて技術・製品データ128を検索し、検索された技術・製品データを参加者107に提示するので、発想されたアイディアを解決事例でスクリーニングして、さらにアイディアの議論を深めることができる。また、解決事例を前提としないでアイディアの議論を行うので、解決事例に引きずられないで自由にアイディアを議論できる。また、解決事例によらず課題からアイディアを発想できる。
【0157】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0158】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0159】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0160】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0161】
100 フレームワーク
104 ファシリテータ
105、106 端末
107 参加者
112 音声収集装置
113 コンピュータ
114 ネットワーク
115 ワークショップ支援システム
120 データサーバ
140 計算サーバ