(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ステアリングスイッチ装置及びステアリングスイッチシステム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/027 20060101AFI20221108BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20221108BHJP
H01H 13/64 20060101ALI20221108BHJP
B62D 1/06 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B60R16/027 T
B60R16/02 630L
H01H13/64
B62D1/06
(21)【出願番号】P 2019039185
(22)【出願日】2019-03-05
【審査請求日】2021-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 伸太郎
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-058293(JP,A)
【文献】特開昭60-092944(JP,A)
【文献】特開2007-317537(JP,A)
【文献】特開2007-153048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/027
B60R 16/02
H01H 13/64
B60R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングの
スポーク部の表面側に配置され、
前記車両の操作対象装置の機能を切り替えて表示するディスプレイと、
操作を受け付ける入力部と、
前記スポーク部の上面及び下面の少なくとも一方、又は裏面に配置され、前記ディスプレイの表面の法線方向と交差する方向の操作に基づいて前記ディスプレイに表示された前記機能を切り替える操作ノブを有する切替スイッチと、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて前記ディスプレイに表示された
前記機能を実行させ
、また前記切替スイッチになされた操作に基づいて前記ディスプレイに表示される前記機能を切り替える制御部と、
を備えたステアリングスイッチ装置。
【請求項2】
前記切替スイッチは、前記操作ノブが前記スポーク部の前記裏面に配置され、
前記操作ノブは、ユーザが把持するリング部よりも前記スポーク部が連結された基部側に回転軸を有し、前記交差する方向の操作によって前記回転軸を中心に回転して前記ディスプレイに表示される前記機能を切り替える、
請求項1に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項3】
前記操作ノブは、
前記回転軸の上方に配置され、前記機能の切り替えを示す表示が前記ステアリングの前記表面側から視認可能となる表示部を有する、
請求項
2に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項4】
前記操作ノブは、前記スポーク部の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に配置され、なされたプッシュ操作に基づいて前記ディスプレイに表示される前記機能を切り替える、
請求項1に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項5】
前記ディスプレイは、複数の機能を表示する、
請求項1
乃至4のいずれか1項に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記ディスプレイに表示された機能を選択する際になされたタッチ操作を検出するタッチ検出部を有する、
請求項1
乃至5のいずれか1項に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記ディスプレイになされたプッシュ操作を検出するプッシュ検出部を有する、
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項8】
前記ディスプレイ、前記入力部及び前記切替スイッチが前記ステアリングの左右に配置された、
請求項
1乃至
7のいずれか1項に記載のステアリングスイッチ装置。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれか1項に記載のステアリングスイッチ装置と、
前記ステアリングスイッチ装置の前記ディスプレイに関連した表示を行う表示装置と、
を備えたステアリングスイッチシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングスイッチ装置及びステアリングスイッチシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、透光性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造を備えたスイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このスイッチは、タクタイルスイッチを有し、どちらの表示状態において、タクタイルスイッチに入力があったかを判断し、2つの操作入力として使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし従来のスイッチには、3つ以上の操作入力を切り替えること、つまり3つ以上の機能を割り付けることが困難であり、より多くの機能を割り付けるためには、複数のスイッチを配置しなければならない。従ってユーザは、複数のスイッチから所望のスイッチを探すことになり、認知しなければならない範囲が広くなって操作性が低下する問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することができるステアリングスイッチ装置及びステアリングスイッチシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、車両のステアリングの表面側に配置され、機能を切り替えて表示するディスプレイと、操作を受け付ける入力部と、入力部が受け付けた操作に基づいてディスプレイに表示された機能を実行させる制御部と、を備えたステアリングスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、第1の実施形態に係るステアリングスイッチ装置が搭載された車両内部の一例を示す概略図であり、
図1(b)は、ステアリングスイッチ装置のブロック図の一例である。
【
図2】
図2(a)は、第1の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の操作によって制御可能な機能を表示するメータディスプレイの一例を示す概略図であり、
図2(b)は、ステアリングスイッチ装置のタッチパッドが配置されたステアリングの一例を示す概略図である。
【
図3】
図3(a)は、第1の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置のタッチパッドの一例を示す概略図であり、
図3(b)は、
図3(a)のA-A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図3(c)は、機能の切り替えの一例を説明するための概略図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)は、第2の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の切替スイッチの操作の一例を示す概略図であり、
図5(b)は、ステアリングの裏面側に配置された切替スイッチの一例を示す概略図である。
【
図6】
図6(a)は、第2の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の操作方向について説明するための
図5(a)のB-B線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例であり、
図6(b)は、ステアリングスイッチ装置のブロック図の一例である。
【
図7】
図7(a)は、第2の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の機能の切り替えに基づくディスプレイの表示の遷移の一例を示す概略図であり、
図7(b)は、変形例に係る切替スイッチの一例を示す要部断面図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係るステアリングスイッチ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第3の実施の形態に係るステアリングスイッチシステムのブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るステアリングスイッチ装置は、車両のステアリングの表面側に配置され、機能を切り替えて表示するディスプレイと、操作を受け付ける入力部と、入力部が受け付けた操作に基づいてディスプレイに表示された機能を実行させる制御部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
このステアリングスイッチ装置は、ディスプレイに表示される機能を切り替えることにより、入力部が受け付ける機能を切り替えることができるので、機能に応じて複数のスイッチを配置する場合と比べて、ユーザが認知しなければならない範囲がディスプレイの範囲となり、機能が切り替わっても操作性の低下を抑制することができる。従ってステアリングスイッチ装置は、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することができる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(ステアリングスイッチ装置1の概要)
図1(a)は、車両内部の一例を示す概略図であり、
図1(b)は、ステアリングスイッチ装置のブロック図の一例である。
図2(a)は、メータディスプレイの表示画面の一例を示す概略図であり、
図2(b)は、ステアリングの一例を示す概略図である。
図3(a)は、タッチパッドの一例を示す概略図であり、
図3(b)は、
図3(a)のA-A線で切断したタッチパッドの断面図の一例であり、
図3(c)は、機能の切り替えの一例を説明するための概略図である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また
図1(b)、後述する
図6(b)及び
図9では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0014】
本実施の形態のステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図1(a)に示すように、車両8のステアリング85に搭載されている。ユーザは、ステアリング85を把持した状態でステアリングスイッチ装置1を操作することができる。このステアリングスイッチ装置1は、例えば、車両8の車載装置である操作対象装置89を操作するように構成されている。この操作対象装置89とは、一例として、空調装置、音楽及び映像再生装置、ナビゲーション装置、車間距離を保つ機能や衝突を回避する機能などの車両8に関する各種設定を行うことができる車両制御装置などである。
【0015】
車両8は、一例として、
図1(a)に示すように、メータパネル83に配置されたメータディスプレイ84、センターコンソール81bに配置されたメインディスプレイ86、インストルメントパネル81cに配置され、フロントガラス88の投影領域870に表示対象を投影するヘッドアップディスプレイ87、及びフロントガラス88に配置されたルームミラーモニタ880などの表示装置を備えている。
【0016】
ステアリングスイッチ装置1は、これらのうち、少なくとも1つの表示装置に階層式のGUI(graphical user interface)を表示させるように構成されている。本実施の形態のステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図2(a)に示すように、メータディスプレイ84にGUIを表示させるように構成されている。このGUIには、ステアリングスイッチ装置1によって制御可能な機能や設定値が画像として表示される。
【0017】
ステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図1(b)に示すように、車両8のステアリング85の表面側に配置され、機能を切り替えて表示するディスプレイ4と、操作を受け付ける入力部と、入力部が受け付けた操作に基づいてディスプレイ4に表示された機能を実行させる制御部7と、を備えて概略構成されている。このディスプレイ4には、上述の階層式GUIが表示される。
【0018】
本実施の形態の入力部は、ディスプレイ4に表示された機能を選択する際になされたタッチ操作を検出するタッチ検出部としてのタッチパネル3を有している。
【0019】
さらに本実施の形態の入力部は、ディスプレイ4になされたプッシュ操作を検出するプッシュ検出部としてのスイッチ5を有している。
【0020】
つまり入力部は、タッチパネル3及びスイッチ5を備えて構成されている。なお入力部は、タッチパネル3及びスイッチ5の組み合わせに限定されず、例えば、いずれか一方のみでも良いし、カメラを用いたものや、複数のスイッチを並べたものなどであっても良い。
【0021】
本実施の形態のステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図2(b)に示すように、ステアリング85の左右にタッチパッド2a及びタッチパッド2bを備えている。このタッチパッド2a及びタッチパッド2bは、それぞれがタッチパネル3、ディスプレイ4及びスイッチ5を備えて概略構成されている。このタッチパッド2a及びタッチパッド2bは、異なる機能が割り付けられている。
【0022】
タッチパッド2a及びタッチパッド2bは、例えば、
図2(b)に示すように、ステアリング85の左右のスポーク部(スポーク部851及びスポーク部852)に配置されている。このスポーク部851及びスポーク部852は、警報機やエアバッグなどが配置された基部850と、ユーザが把持するリング部853と、を連結するものである。またスポーク部851及びスポーク部852は、例えば、
図2(b)に示すように、車両8が直進する状態のステアリング位置において略水平に伸びて基部850とリング部853とを連結している。
【0023】
上述のステアリング85の表面とは、例えば、
図2(b)に示すように、ユーザと対向する表面、つまりスポーク部851の表面851a、及びスポーク部852の表面852aである。
【0024】
タッチパッド2a及びタッチパッド2bは、ユーザがリング部853とスポーク部851及びスポーク部852との連結部分周辺を把持した状態で操作可能となっている。
図2(a)は、両手(左手9a及び右手9b)でステアリング85のリング部853を把持すると共に、左手9aの親指(操作指90)によってタッチパッド2aを操作している状態を示している。なおステアリングスイッチ装置1は、タッチパッド2a及びタッチパッド2bのいずれか一方を備える構成であっても良い。
【0025】
タッチパッド2a及びタッチパッド2bに割り付けられた機能は、例えば、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、メータディスプレイ84に表示されると共に、それぞれのディスプレイ4に表示される。
【0026】
(タッチパッド2a及びタッチパッド2bの構成)
タッチパッド2aは、一例として、
図3(a)に示すように、四隅が丸みを帯びた矩形状を有している。またタッチパッド2aは、本体30の周囲にリブ31が設けられている。なおタッチパッド2bは、タッチパッド2aと同形状となっている。またタッチパッド2a及びタッチパッド2bの形状は、これに限定されない。以下では、主にタッチパッド2aについて説明する。
【0027】
タッチパネル3は、操作面300に対するタッチ操作を検出するように構成されている。タッチパネル3は、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルを用いることが可能である。本実施の形態のタッチパネル3は、一例として、ディスプレイ4の表示を透過させると共にタッチパネル3になされたプッシュ操作をスイッチ5によって検出することから透明電極を有する静電容量方式のタッチパネルを用いている。
【0028】
タッチパッド2aは、例えば、
図3(c)に示すように、主に5つの場所(アイコン40、上アイコン43~右アイコン46:上下左右中央)に対するタッチ操作を検出するように構成されている。従ってタッチパネル3は、この5つの場所に透明電極が配置されている。なおタッチパネル3は、複数の駆動電極及び複数の検出電極が絶縁を保ちながら交互に配置され、交差する位置における静電容量を検出するものであっても良い。またタッチパネル3の透明電極の数は、仕様に応じて任意である。
【0029】
そして透明電極は、例えば、ガラスやポリカーボネートなどの透過率が高い部材に取り付けられている。本実施の形態のタッチパネル3は、一例として、ディスプレイ4の表示を透過させると共に操作面300に対してプッシュ操作がなされるので、プッシュ操作によって撓み難い、硬質で透過率が高いガラスを用いて構成されている。
【0030】
タッチパネル3は、複数の透明電極ごとの静電容量の情報を検出情報として制御部7に出力する。なおタッチパッド2aのタッチパネル3は、検出情報S1を制御部7に出力する。またタッチパッド2bのタッチパネル3は、検出情報S4を制御部7に出力する。制御部7は、取得した検出情報S1及び検出情報S4に基づく静電容量と後述する静電しきい値710とを比較し、静電しきい値710以上の静電容量が検出された透明電極にタッチ操作がなされたと判定する。
【0031】
このタッチパネル3は、例えば、
図3(b)に示すように、開口11から操作面300が露出するように筐体10に取り付けられている。この筐体10は、例えば、上面が開口11となった箱形状を有している。開口11は、例えば、
図3(b)に示すように、筐体10の上部の内側面12から内側に向かって突出する突出部13によって形成されている。この突出部13の下面130は、タッチパネル3のリブ31の上面310と対向している。
【0032】
タッチパネル3は、例えば、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、裏面301と筐体10の底面14との間に、スイッチ5と第1の弾性体15~第4の弾性体18とが配置されている。このスイッチ5と第1の弾性体15~第4の弾性体18とは、タッチパネル3に弾性力を付加し、タッチパネル3のリブ31の上面310を筐体10の突出部13の下面130に押し付けている。このリブ31と突出部13との接触によって、タッチパネル3は、筐体10から抜けないようになっている。
【0033】
(ディスプレイ4の構成)
ディスプレイ4は、例えば、
図3(b)に示すように、タッチパネル3の裏面301に取り付けられている。このディスプレイ4は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。本実施の形態のディスプレイ4は、有機ELディスプレイである。
【0034】
ディスプレイ4は、複数の機能を表示する。例えば、
図3(c)には、アイコン40~アイコン42として複数の機能が表示されている。この
図3(c)は、ステアリング85の左側のタッチパッド2aに表示されるアイコンなどの一例を示している。このディスプレイ4には、一例として、7つのアイコン(アイコン40~右アイコン46)が表示されている。なおディスプレイ4は、1つの機能を表示する構成でも良い。この場合、ステアリングスイッチ装置1は、表示させる機能を切り替えることで、複数の機能の操作を可能とする。
【0035】
アイコン40は、現在選択されている機能である。このアイコン40は、例えば、先行車との適切な車間距離を保つ機能を示している。ユーザが車間距離を設定する場合、例えば、
図3(c)に示すように、車間距離を空ける際には上アイコン43に対してタッチ操作を行って上から下にアイコンをスクロールさせてアイコン43aを表示させる。また車間距離を詰める際には、下アイコン44に対してタッチ操作を行って下から上にアイコンをスクロールさせてアイコン44aを表示させる。そしてユーザは、表示されたアイコンが所望の機能のアイコンである場合、中央に表示された当該アイコンに対してプッシュ操作を行って選択を決定する。
【0036】
現在選択されているアイコン40の左右に表示されたアイコン41及びアイコン42は、アイコン40の機能から切り替え可能な機能を示している。このアイコン41は、例えば、アクセルペダルを踏まなくても設定された速度で走行するモード、先行車の車速変化に応じて加速、減速、停止を行うモードなどを有する機能を示している。またアイコン42は、例えば、車線や走路から逸脱する可能性がある場合に報知する機能を示している。
【0037】
ユーザが左アイコン45に対してタッチ操作を行った場合、ディスプレイ4に表示されたアイコンが左から右にスクロールされ、表示されていた機能と異なる機能が割り当てられたアイコン45aが表示される。このアイコン45aは、例えば、衝突の可能性が高いと判定した場合、衝突回避操作を補助する機能を示している。
【0038】
またユーザが右アイコン46に対してタッチ操作を行った場合、ディスプレイ4に表示されたアイコンが右から左にスクロールされ、表示されていた機能と異なる機能が割り当てられたアイコン46aが表示される。このアイコン46aは、例えば、車両8の旋回時における姿勢を安定させる機能を示している。
【0039】
これらのアイコン(アイコン40~アイコン42、アイコン43a~アイコン46a)が上アイコン43及び下アイコン44の間に表示された場合、ユーザは、上アイコン43又は下アイコン44に対してタッチ操作を行ってスクロールさせることで、機能の設定などを行うことができる。
【0040】
またタッチパッド2a及びタッチパッド2bのディスプレイ4に表示された画像は、例えば、
図2(a)に示すように、メータディスプレイ84に左画像841及び右画像842として表示される。ユーザは、タッチパッド2a及びタッチパッド2bに視線を移動させなくても前方のメータディスプレイ84を見ることでステアリングスイッチ装置1を操作することが可能となる。なおメータディスプレイ84などの表示装置に表示される左画像841及び右画像842は、ディスプレイ4に表示された画像と相似な画像に限定されず、例えば、より詳細な情報を画像として表示させても良いし、簡易的な情報を画像として表示させても良い。
【0041】
右側のタッチパッド2bのディスプレイ4は、一例として、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、音楽の曲目(曲目A~曲目C)を選択する機能が表示されている。このタッチパッド2bのタッチパネル3は、タッチパッド2aのタッチパネル3と同様に位置に透明電極が配置され、上下左右中央に対するタッチ操作を検出するように構成されている。
【0042】
ディスプレイ4は、制御部7から出力される表示制御信号に基づいて表示を行う。この表示制御信号は、例えば、
図1(b)に示すように、操作対象装置89から出力された機能情報S
8に基づいて生成される。この機能情報S
8は、例えば、タッチパッド2a及びタッチパッド2bに割り当てられた機能の画像の情報である。なおタッチパッド2aのディスプレイ4は、表示制御信号S
2に基づいて表示を行う。またタッチパッド2bのディスプレイ4は、表示制御信号S
5に基づいて表示を行う。
【0043】
ここで変形例として制御部7は、例えば、ディスプレイ4に表示させる機能の情報、当該機能のアイコン、及び機能を実行させるための信号などを関連付けたテーブルを有していても良い。この場合、制御部7は、なされた操作に基づいてテーブルから切り替える画像を読み出してディスプレイ4に表示させる。そして制御部7は、表示された機能の実行が指示された場合、指示された機能を実行させるための信号をテーブルから読み出して出力する。
【0044】
(スイッチ5の構成)
スイッチ5は、例えば、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、操作面300の中央に配置されている。このスイッチ5は、タッチパネル3の押し下げ、つまり操作面300になされたプッシュ操作を検出するマイクロスイッチである。
【0045】
スイッチ5は、タッチパネル3と筐体10とが接触するように、第1の弾性体15~第4の弾性体18と共にタッチパネル3に弾性力を付加している。そのため、スイッチ5には、初期荷重(プリロード)が付加されている。
【0046】
スイッチ5は、プッシュ操作によってボタン50が押し込まれてオン状態となり、プッシュ操作が終了するとタッチパネル3の上昇と共にボタン50が元の位置に戻ってオフ状態となるように構成されている。なおスイッチ5は、マイクロスイッチのような機械式スイッチに限定されず、磁気センサなどを用いた非接触スイッチやプッシュ操作に伴う荷重を検出することでプッシュ操作を検出する荷重センサなどであっても良い。
【0047】
スイッチ5は、オン状態となるとスイッチ信号を制御部7に出力する。タッチパッド2aのスイッチ5は、スイッチ信号S3を制御部7に出力する。またタッチパッド2bのスイッチ5は、スイッチ信号S6を制御部7に出力する。
【0048】
(第1の弾性体15~第4の弾性体18の構成)
第1の弾性体15~第4の弾性体18は、例えば、スポンジ、コイルばね、ゴムなどを用いることができる。本実施の形態の第1の弾性体15~第4の弾性体18は、一例として、コイルばねである。
【0049】
第1の弾性体15~第4の弾性体18は、タッチパネル3の四隅に配置されている。この第1の弾性体15~第4の弾性体18は、タッチパネル3を支持すると共にタッチパネル3にプッシュ操作方向と逆向きの弾性力を付加している。
【0050】
(制御部7の構成)
制御部7は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)71などから構成されるマイクロコンピュータである。このROM71には、一例として、制御部7が動作するためのプログラムや静電しきい値710などが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部7は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。なおプログラムや静電しきい値710は、RAMに記憶されても良いし、制御部7に接続された記憶装置に記憶されても良い。
【0051】
静電しきい値710は、タッチ操作を検出するために用いられるしきい値である。制御部7は、タッチパッド2a及びタッチパッド2bのタッチパネル3から取得した検出情報S1及び検出情報S4に基づく静電容量と静電しきい値710とを比較し、静電しきい値710以上となった静電容量を検出した透明電極に対してタッチ操作が行われたと判定する。そして制御部7は、タッチ操作がなされたこととタッチ操作を検出した透明電極の情報を含む操作情報S7を操作対象装置89に出力する。
【0052】
また制御部7は、タッチパッド2a及びタッチパッド2bのスイッチ5から取得したスイッチ信号S3及びスイッチ信号S6に基づいてプッシュ操作を判定する。制御部7は、プッシュ操作が検出された場合、プッシュ操作がなされたこととプッシュ操作を検出したタッチパッドの情報を含む操作情報S7を操作対象装置89に出力する。
【0053】
以下に本実施の形態のステアリングスイッチ装置1の機能の切り替え動作の一例について
図4のフローチャートに従って説明する。
【0054】
(動作)
ステアリングスイッチ装置1の制御部7は、タッチパッド2a及びタッチパッド2bから検出情報S1、検出情報S4、スイッチ信号S3及びスイッチ信号S6を監視する。
【0055】
制御部7は、ステップ1の「Yes」が成立する、つまり操作が検出され(Step1:Yes)、検出された操作が機能を切り替える操作であった場合(Step2:Yes)、操作されたタッチパッドが受け付ける機能を切り替え(Step3)、動作を終了する。
【0056】
具体的には、制御部7は、例えば、タッチパッド2aが操作を受け付けた後、操作情報S7を操作対象装置89に出力する。そして制御部7は、例えば、この操作対象装置89から出力された機能情報S8に基づいて表示制御信号S2を生成してディスプレイ4に出力し、表示されている機能を切り替える。
【0057】
ここでステップ2において、制御部7は、検出された操作が機能の切り替えを指示する操作でない場合(Step2:No)、なされた操作に応じた操作情報S7を生成して操作対象装置89に出力する(Step4)。
【0058】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係るステアリングスイッチ装置1は、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することができる。具体的には、ステアリングスイッチ装置1は、ディスプレイ4に表示される機能を切り替えることにより、タッチパネル3が受け付ける機能を切り替えることができるので、機能に応じて複数のスイッチを配置する場合と比べて、ユーザが認知しなければならない範囲がディスプレイ4の範囲となり、機能が切り替わっても操作性の低下を抑制することができる。従ってステアリングスイッチ装置は、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することができる。
【0059】
ステアリングスイッチ装置1は、入力部であるタッチパネル3及びスイッチ5と、ディスプレイ4と、が重なって筐体10に配置されるので、これらが離れて配置される場合と比べて、表示位置と操作位置とが重なって直感的に操作することができる。またステアリングスイッチ装置1は、離れて配置される場合と比べて、小型化が容易であり、搭載スペースが小さい。従ってステアリングスイッチ装置1は、多くの機能を操作できるにも拘らず、直感的に操作することが可能であり、またステアリング85のスポーク部851及びスポーク部852のような搭載スペースが小さい場所に配置することができる。
【0060】
ステアリングスイッチ装置1は、ユーザに近いスポーク部851及びスポーク部852に配置することができるので、ディスプレイと入力部とが離れている場合や複数のスイッチを並べて配置する場合と比べて、視認性が向上して操作性も向上する。
【0061】
ステアリングスイッチ装置1は、搭載スペースが小さいので搭載位置の自由度が高い。またステアリングスイッチ装置1は、ディスプレイ4によって機能を示す画像を表示させることができるので、固定した表示を行う場合と比べて、表示させる画像の自由度が高く、意匠に優れている。
【0062】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、機能を切り替える切替スイッチを備える点で他の実施の形態と異なっている。
【0063】
なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0064】
図5(a)は、切替スイッチの操作の一例を示す概略図であり、
図5(b)は、切替スイッチの一例を示す概略図である。
図6(a)は、ステアリングスイッチ装置の操作方向の一例について説明するための断面図であり、
図6(b)は、ステアリングスイッチ装置のブロック図の一例である。
図7(a)は、機能の切り替えに基づくディスプレイの表示の遷移の一例を示す概略図であり、
図7(b)は、変形例に係る切替スイッチの一例を示す要部断面図である。
図6(a)は、
図5(a)のB-B線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
【0065】
本実施の形態のステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、ステアリング85に配置され、ディスプレイ4に表示されると共に入力部が受け付けた操作によって実行される機能を切り替える切替スイッチ6を備えて概略構成されている。
【0066】
そしてステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、ディスプレイ4、入力部及び切替スイッチ6がステアリング85の左右に配置されている。
【0067】
本実施の形態の入力部は、ディスプレイ4に表示された機能を選択する際になされたタッチ操作を検出するタッチ検出部としてのタッチパネル3と、ディスプレイ4になされたプッシュ操作を検出するプッシュ検出部としてのスイッチ5と、を有している。従ってタッチパッド2a及びタッチパッド2bは、例えば、
図6(b)に示すように、タッチパネル3、ディスプレイ4、スイッチ5及び切替スイッチ6をそれぞれが備えて概略構成されている。
【0068】
ステアリングスイッチ装置1は、例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、タッチパッド2a及びタッチパッド2bがステアリング85のスポーク部851の表面851a、及びスポーク部852の表面852a、つまりステアリング85の表面側に配置されている。
【0069】
また切替スイッチ6は、ステアリング85の裏面側に配置されている。本実施の形態の切替スイッチ6は、例えば、
図5(b)に示すように、スポーク部851の裏面851b、及びスポーク部852の裏面852b、つまりステアリング85の裏面側に配置されている。
【0070】
この切替スイッチ6は、例えば、
図6(a)に矢印で示すように、ディスプレイ4の表面の法線方向と交差する方向に操作がなされる操作ノブ60を備えている。ディスプレイ4は、例えば、
図3(a)に示すように、タッチパネル3の裏面301に取り付けられているので、ディスプレイ4の表面がタッチパネル3の操作面300と実質的に平行である。
【0071】
従ってディスプレイ4の表面の法線方向は、タッチパネル3の操作面300の法線方向と実質的に同方向となる。またタッチ操作方向は、例えば、
図6(a)の紙面の左から右方向である。そして切替スイッチ6の操作ノブ60の操作方向は、例えば、
図6(a)の紙面の上から下方向である。そのため、操作ノブ60の操作方向は、ディスプレイ4の法線方向と交差する方向となっている。
【0072】
この操作ノブ60は、例えば、
図5(a)に示すように、機能の切り替えを示す表示がステアリング85の表面側から視認可能となる表示部61を備えている。
図5(a)では、一例として、「MODE」が表示部61に表示されている。なお切替スイッチ6は、操作ノブ60と表示部61とが一体で形成されても良いし、表示部61が操作ノブ60に取り付けられても良い。
【0073】
操作ノブ60は、例えば、
図5(b)に示すように、板形状を有している。また操作ノブ60は、回転軸600を中心に矢印方向に回転するように構成されている。この操作ノブ60は、回転軸600の上方に表示部61が設けられている。この操作ノブ60及び表示部61は、例えば、樹脂材料や金属材料を用いて形成される。
【0074】
この表示部61は、操作ノブ60の回転軸600側から上方に突出した板形状を有している。そして表示部61は、ユーザと対向する表面63、つまりステアリング85の表面(スポーク部851の表面851a、及びスポーク部852の表面852a)側に印刷などによって機能の切り替えを想起させる「MODE」の文字が形成されている。なお表示部61の表示は、これに限定されない。また表示部61の表示は、印刷に限定されず、例えば、操作ノブ60及び表示部61をライトガイドとすると共に、全体を覆う遮光膜を部分的に除去して「MODE」を光らせる構成としても良い。
【0075】
切替スイッチ6は、例えば、
図6(b)に示すように、操作ノブ60の操作を検出するスイッチ62を有し、操作されたことを示すスイッチ信号を制御部7に出力する。タッチパッド2aの切替スイッチ6は、切替信号S
10を制御部7に出力する。タッチパッド2bの切替スイッチ6は、切替信号S
11を制御部7に出力する。
【0076】
ここで切替スイッチ6は、上述のように、操作指90(親指)によるタッチパッド2aに対する操作方向と、操作指91(人差指)による切替スイッチ6に対する操作方向とが交差して異なっている。
【0077】
例えば、操作ノブ60の操作方向がユーザ側に引く方向であった場合、車両8のシフトを切り替えるパドルシフトレバーの操作方向と同じであるため、共存させることが難しい。しかし本実施の形態の操作ノブ60は、操作方向がタッチパネルの操作面300の法線方向と交差する方向であるので、パドルシフトレバーと共存させることができる。
【0078】
切替スイッチ6は、例えば、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、ステアリング85の裏面側に配置されている。従ってユーザは、ステアリング85を把持した状態で操作指91を伸ばすことで操作ノブ60に乗せることが容易であり、また操作指91が曲がる方向に操作することで、操作ノブ60を押し下げて機能の切り替えを行うことができる。
【0079】
例えば、
図7(a)に示すように、タッチパッド2aが車両8の走行制御に関する機能が割り付けられている場合、ユーザは、操作ノブ60を操作することにより、音楽などの設定に関する機能に切り替えることができる。
【0080】
アイコン47は、車両8の各種設定などを行う機能を示すアイコンである。アイコン48は、例えば、音楽の再生などの機能を示すアイコンである。アイコン49は、例えば、電話に関する機能を示すアイコンである。
【0081】
ここで変形例として切替スイッチ6は、操作ノブ60がステアリング85のスポーク部の上面及び下面の少なくとも一方に配置されても良い。ステアリング85の左側に配置された切替スイッチ6は、一例として、
図7(b)に示すように、スポーク部851の上面851cに配置されている。切替スイッチ6の表示部61は、上面851cから露出する操作ノブ60の一部となる。なお切替スイッチ6は、例えば、
図7(b)に示すように、下面851dに配置されても良い。
【0082】
以下では、本実施の形態のステアリングスイッチ装置1の機能の切り替え動作の一例について
図8のフローチャートに従って説明する。
【0083】
(動作)
ステアリングスイッチ装置1の制御部7は、タッチパッド2a及びタッチパッド2bの切替スイッチ6から出力される切替信号S10及び切替信号S11を監視する。
【0084】
制御部7は、ステップ10の「Yes」が成立する、つまり切替スイッチ6が操作されると(Step10:Yes)、操作された切替スイッチ6側のタッチパッドが受け付ける機能を切り替え(Step11)、動作を終了する。
【0085】
具体的には、制御部7は、例えば、タッチパッド2a側の切替スイッチ6が操作を受け付けた後、操作情報S7を操作対象装置89に出力する。そして制御部7は、例えば、この操作対象装置89から出力された機能情報S8に基づいて表示制御信号S2を生成してディスプレイ4に出力し、表示されている機能を切り替える。
【0086】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態のステアリングスイッチ装置1は、切替スイッチ6を備えているので、備えていない場合と比べて、機能の切り替えの方法がユーザにとって分かり易い。またステアリングスイッチ装置1は、切替スイッチ6によってタッチパッド2a及びタッチパッド2bに割り付けられた機能を容易に切り替えることができる。
【0087】
ステアリングスイッチ装置1は、切替スイッチ6がステアリング85の裏面側に配置されているので、表面側に配置される場合と比べて、ユーザの手や操作指の可動範囲が小さく、ステアリング85を把持した状態で操作し易い。
【0088】
ステアリングスイッチ装置1は、切替スイッチ6の操作方向がタッチパネル3のプッシュ操作方向と交差する方向であるので、平行である場合と比べて、誤操作し難い。
【0089】
ステアリングスイッチ装置1は、表示部61がステアリング85を把持するユーザから視認できる位置にあるので、表示部がない場合と比べて、ユーザが運転席80aに着座した状態で操作ノブ60の位置が分かり易く操作性が良い。
【0090】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、表示装置を含むシステムである点で他の実施の形態と異なっている。
【0091】
図9は、ステアリングスイッチシステム1aのブロック図である。ステアリングスイッチシステム1aは、上述のステアリングスイッチ装置1と、表示装置100と、を備えて概略構成されている。
【0092】
この表示装置100は、例えば、
図1(a)に示すように、メータディスプレイ84、メインディスプレイ86、ヘッドアップディスプレイ87、及びルームミラーモニタ880などの少なくとも1つである。
【0093】
制御部7は、例えば、タッチパッド2a側の切替スイッチ6が操作を受け付けた後、操作情報S7を操作対象装置89に出力する。そして制御部7は、例えば、この操作対象装置89から出力された機能情報S8に基づいて表示制御信号S2及び表示制御信号S12を生成してディスプレイ4及び表示装置100に出力し、表示されている機能を切り替える。
【0094】
ステアリングスイッチシステム1aは、ディスプレイ4の他に表示装置100に操作可能な機能などを表示することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、ステアリング85方向の視線の移動が少なくなり、ユーザの視線移動を抑えた状態で操作性を向上させることができる。
【0095】
さらに他の実施の形態としてのステアリングスイッチシステム1aは、上述のステアリングスイッチ装置1と、表示装置100と、操作対象装置89と、を備えて概略構成されている。なお表示装置100は、操作対象装置89のモニタとして構成されても良い。
【0096】
表示装置100が操作対象装置89のモニタとして構成されている場合、表示装置100は、操作対象装置89によって制御される。従って操作対象装置89は、ステアリングスイッチ装置1から取得した操作情報S7に基づいて機能情報S8をステアリングスイッチ装置1に出力すると共に、表示装置100に表示させる機能を切り替える。
【0097】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態のステアリングスイッチ装置1及びステアリングスイッチシステム1aによれば、操作性の低下を抑制しつつ機能を切り替えて操作することが可能となる。
【0098】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…ステアリングスイッチ装置、1a…ステアリングスイッチシステム、2a,2b…タッチパッド、3…タッチパネル、4…ディスプレイ、5…スイッチ、6…切替スイッチ、7…制御部、8…車両、9a…左手、9b…右手、10…筐体、11…開口、12…内側面、13…突出部、14…底面、15~18…第1の弾性体~第4の弾性体、30…本体、31…リブ、40~42…アイコン、43~46…上アイコン~右アイコン、43a~46a…アイコン、47~49…アイコン、50…ボタン、60…操作ノブ、61…表示部、62…スイッチ、63…表面、71…ROM、80a…運転席、81b…センターコンソール、81c…インストルメントパネル、83…メータパネル、84…メータディスプレイ、85…ステアリング、86…メインディスプレイ、87…ヘッドアップディスプレイ、88…フロントガラス、89…操作対象装置、90,91…操作指、100…表示装置、130…下面、300…操作面、301…裏面、310…上面、600…回転軸、710…静電しきい値、841…左画像、842…右画像、850…基部、851,852…スポーク部、851a…表面、851b…裏面、851c…上面、851d…下面、852a…表面、852b…裏面、853…リング部、870…投影領域、880…ルームミラーモニタ