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特許7171474穿孔を有する真空ベルトを有する前縁部/後縁部検出システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】穿孔を有する真空ベルトを有する前縁部/後縁部検出システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20221108BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221108BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B65H7/14
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B65H5/22 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019043518
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2019172473
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】15/938,613
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】チュ-ヘン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジェイ・マコンヴィル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・エム・ルフェーブル
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ケイ・ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】シーミット・プラハラジ
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0103928(US,A1)
【文献】特開2009-258111(JP,A)
【文献】米国特許第3416659(US,A)
【文献】特開昭60-118546(JP,A)
【文献】特開平2-217837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/22
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
印刷媒体を保管する媒体供給部と、
ベルト縁部間に穿孔を有する真空ベルトであって、前記真空ベルト内の前記穿孔のうちの少なくともいくつかが、パターン状に配置され、前記真空ベルトが、前記媒体供給部から前記印刷媒体のシートを移動させるための場所において前記媒体供給部に隣接して位置決めされている、真空ベルトと、
前記真空ベルトを通過する光を検出するための場所において位置決めされた光センサであって、前記光センサが、前記光センサが検出する前記真空ベルトの一部を前記真空ベルトの開口部エリアに制限するフィルタを含み、前記シートが前記真空ベルトの前記開口部エリアの前記開口部エリアの外側にあるとき、前記穿孔の前記パターンならびに前記真空ベルトの前記開口部エリアのサイズおよび場所により前記光センサによる信号出力が一定になる、光センサと、を備え、
前記真空ベルトが前記光センサを通過して移動する際、前記真空ベルトの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所により前記真空ベルトの前記開口部エリアに同じ総面積の穿孔が常に含まれ、
前記同じ総面積の穿孔により前記光センサによる前記信号出力が一定になる、印刷装置。
【請求項2】
前記同じ総面積の穿孔が、完全に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔と、部分的に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔の総計を含む、請求項に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記穿孔の前記パターンの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所によりクロスプロセス方向において前記開口部エリアの縁部が1つ以上の前記穿孔の長さと交差し、前記長さの合計が一定である、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記光センサによる前記信号出力における低下に基づいて、前記シートの縁部が同期マークと位置合わせされたときを識別するプロセッサをさらに備え、前記信号出力における前記低下が、一定の変化率である、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記穿孔を通じて空気を引き込むための場所において、前記真空ベルトに隣接して位置決めされた真空マニホルドをさらに備える、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷装置であって、
印刷媒体を保管する媒体供給部と、
ベルト縁部間に穿孔を有する真空ベルトであって、前記真空ベルト内の前記穿孔のうちの少なくともいくつかが、パターン状に配置され、前記真空ベルトが、前記媒体供給部から前記印刷媒体のシートを移動させるための場所において前記媒体供給部に隣接して位置決めされている、真空ベルトと、
前記真空ベルトから前記シートを受容するための場所において前記真空ベルトに隣接して位置決めされた印刷エンジンと、
前記真空ベルトの第1の側面上の光源と、
前記真空ベルトを通過する前記光源からの光を検出するための場所において、前記第1の側面と反対側の、前記真空ベルトの第2の側面上に位置決めされた光センサであって、前記光センサが、前記光センサが検出する前記真空ベルトの一部を前記真空ベルトの開口部エリアに制限するフィルタを含み、前記シートが前記真空ベルトの前記開口部エリアの前記開口部エリアの外側にあるとき、前記穿孔の前記パターンならびに前記真空ベルトの前記開口部エリアのサイズおよび場所により前記光センサによる信号出力が一定になる、光センサと、
前記光センサに電気的に接続されたプロセッサであって、前記光センサによる前記信号出力が変化したとき、前記真空ベルトの前記開口部エリア内のシートを検出するプロセッサと、を備え、
前記真空ベルトが前記光センサを通過して移動する際、前記真空ベルトの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所により前記真空ベルトの前記開口部エリアに同じ総面積の穿孔が常に含まれ、
前記同じ総面積の穿孔により前記光センサによる前記信号出力が一定になる、印刷装置。
【請求項7】
前記同じ総面積の穿孔が、完全に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔と、部分的に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔の総計を含む、請求項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記穿孔の前記パターンの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所によりクロスプロセス方向において前記開口部エリアの縁部が1つ以上の前記穿孔の長さと交差し、前記長さの合計が一定である、請求項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記光センサによる前記信号出力における低下に基づいて、前記シートの縁部が同期マークと位置合わせされたときを識別し、前記信号出力における前記低下が、一定の変化率である、請求項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記穿孔を通じて空気を引き込むための場所において、前記真空ベルトに隣接して位置決めされた真空マニホルドをさらに備える、請求項に記載の印刷装置。
【請求項11】
印刷装置であって、
印刷媒体を保管する媒体供給部と、
ベルト縁部間に穿孔を有する真空ベルトであって、前記真空ベルト内の前記穿孔のうちの少なくともいくつかが、パターン状に配置され、前記真空ベルトが、前記媒体供給部から前記印刷媒体のシートを移動させるための場所において前記媒体供給部に隣接して位置決めされている、真空ベルトと、
前記真空ベルトから前記シートを受容するための場所において前記真空ベルトに隣接して位置決めされた印刷エンジンと、
前記真空ベルトの第1の側面上の光源と、
前記真空ベルトの前記第1の側面上に位置決めされて、前記穿孔を通じて前記光源からの光を方向付け、かつ前記光を前記第1の側面と反対側の前記真空ベルトの第2の側面上の焦点上に集束させるような形状及び位置の集束ミラーであって、前記光源が、前記集束ミラーと前記真空ベルトとの間に位置決めされている、集束ミラーと、
前記真空ベルトを通過する前記光を検出するための場所において、前記第1の側面と反対側の、前記真空ベルトの第2の側面上の前記焦点に位置決めされた一点式光センサであって、前記一点式光センサが、前記集束ミラーの形状及び位置によって作り出された前記真空ベルトの開口部エリアによって制限された前記真空ベルトの一部を検出し、前記シートが前記真空ベルトの前記開口部エリアの外側にあるとき、前記穿孔の前記パターンならびに前記真空ベルトの前記開口部エリアのサイズおよび場所により前記一点式光センサによる信号出力が一定になる、一点式光センサと、
前記一点式光センサに電気的に接続されたプロセッサであって、前記一点式光センサによる前記信号出力が変化したとき、前記真空ベルトの前記開口部エリア内のシートを検出する、プロセッサと、を備え、
前記真空ベルトが前記一点式光センサを通過して移動する際、前記真空ベルトの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所により前記真空ベルトの前記開口部エリアに同じ総面積の穿孔が常に含まれ、
前記同じ総面積の穿孔により前記一点式光センサによる前記信号出力が一定になる、印刷装置。
【請求項12】
前記同じ総面積の穿孔が、完全に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔と、部分的に前記真空ベルトの前記開口部エリア内にある穿孔の総計を含む、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記穿孔の前記パターンの前記開口部エリアの前記サイズおよび場所によりクロスプロセス方向において前記開口部エリアの縁部が1つ以上の前記穿孔の長さと交差し、前記長さの合計が一定である、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記真空ベルトの前記開口部エリアが、前記一点式光センサによる前記信号出力を一定にするために、前記穿孔の異なるパターンごとに異なる、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記一点式光センサによる前記信号出力における低下に基づいて、前記シートの縁部が同期マークと位置合わせされたときを識別し、前記信号出力における前記低下が、一定の変化率である、請求項11に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書のシステムは、概して、媒体のシートの前縁部/後縁部を検出するデバイスに関し、より具体的には、穿孔を有する真空ベルトを有する検出システムに関する。
【0002】
真空ベルトは、多くの場合、印刷デバイス(静電印刷機、インクジェット印刷機等)内で紙、プラスチック、透明シート、カードストック等の材料のシートを搬送するために使用される。このような真空ベルトは、空気がそれを通じて引き込まれる真空マニホルドに対して開いている穿孔(ベルトを通じる任意の形態の孔、開口部等)を有する。真空マニホルドは、穿孔を通じて空気を引き込み、ベルトが比較的高速で移動する際でも、シートをベルト上部に留まらせる。ベルトは、概して、2つ以上のローラ(そのうちの1つ以上が駆動可能)の間に支持され、保管エリア(例えば、紙トレイ)またはシート切断デバイス(材料のウェブを利用する場合)から印刷エンジンにシートを搬送するために一般的に使用される。
【0003】
加えて、印刷機は、媒体シートの前縁部および後縁部の場所を検出することによって性能を向上させる。例えば、これにより、印刷エンジンが媒体シート上の印刷を適切に位置合わせすることが可能となり、ベルト自体へのマーキング材料(例えば、インク、トナー等)の塗布を回避することができる。一般的なシート縁部検出デバイスは、反射光センサ(例えば、レーザセンサ)または同様のデバイスを含むが、このようなセンサは、黒い媒体搬送ベルトと白い媒体縁部との間のコントラストを計測するため、特にシートとベルトの色または外観にほとんど差がないとき、このような光センサはいつもシートの縁部を適切に検出するとは限らない。グレーおよび茶色等の色付き媒体が使用され、かつ媒体とベルトとの間のコントラストがシート縁部を適切にトリガするのに十分ではない場合に、問題が生じる。
【0004】
本明細書のデバイスは、例えば、他の構成部品の中でも、印刷媒体を保管する媒体供給部と、ベルト縁部間に穿孔を有する真空ベルトと、穿孔を通じて空気が引き込むための場所において真空ベルトの下方に位置決めされた真空マニホルドと、真空ベルトからシートを受容するための場所において真空ベルトに隣接して位置決めされた印刷エンジンと、を含むことができる印刷装置であり得る。真空ベルトは、媒体供給部から印刷媒体のシートを移動させるための場所において、媒体供給部に隣接して位置決めされる。
【0005】
真空ベルト内のいくつかの穿孔は、ベルト縁部に対して垂直でない角度(鋭角または鈍角)である列内に位置合わせされる。加えて、このような構造は、真空ベルトの第1の側面(例えば、底部)上の光源と、真空ベルトを通過する光源による光出力を検出する位置における真空ベルトの第2の側面(例えば、上部)上の光センサと、を含む。光センサによって検出される光は、真空ベルトと交差する開口部によって制限されている。さらに、シートが真空ベルトの開口部エリアの外側にあるとき、列の非垂直角度、ならびに真空ベルトの開口部エリアのサイズおよび場所は、光センサによる信号出力を一定にさせる。
【0006】
開口部のサイズおよび場所は、真空ベルトが光センサを通過して移動する際、開口部内の真空ベルトの部分に、常に同じ合計数の穿孔を含ませる。さらに、同じ合計数の穿孔が光センサによって常に測定されるので、シートが真空ベルトの開口部エリアにないとき、このことが光センサによる信号出力を一定にさせる。また、この穿孔の合計数は、完全に真空ベルトの開口部エリア内にある穿孔と、部分的に真空ベルトの開口部エリア内にある穿孔の部分との合計である。開口部のサイズおよび位置は、光センサによる信号出力を一定にさせるために、穿孔の異なるパターンごとに異なる。
【0007】
開口部は、物理的開口部(光制限形状)、または電子的に作り出された開口部であり得る。代替的に、開口部は、真空ベルトの底部に位置決めされた集束ミラーを使用して作り出すことができる。光源は、集束ミラーと真空ベルトとの間に配置される。集束ミラーは、穿孔を通じて光源からの光を方向付け、真空ベルトの上部上の焦点上に光を集束させる。この状況において、一点式光センサは、真空ベルトの上部側面上の焦点に位置決めすることができる。このような一点式光センサは、集束ミラーによって作り出された、真空ベルトと交差する開口部によって制限された真空ベルトの一部を検出する。
【0008】
これらの構造はまた、光センサに電気的に接続されたプロセッサを含む。プロセッサは、光センサによる信号出力が変化するとき(例えば、光信号の90%を超える減少等、ゼロに近く減少するとき)、シートが真空ベルトの開口部分内に存在することを検出する。このプロセッサは、光センサによる信号出力における部分的な(例えば、50%の)低下に基づいて、シートの縁部が同期マークと位置合わせされたときを識別する。
【0009】
これらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明に記載されているか、または詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書における媒体経路を例解する側面概略図である。
図2】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図3】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図4】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図5A】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図5B】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図5C】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図6A】本明細書の構造および方法によって生成されたセンサ信号を示すグラフである。
図6B】本明細書の構造および方法によって生成されたセンサ信号を示すグラフである。
図6C】本明細書の構造および方法によって生成されたセンサ信号を示すグラフである。
図7A】本明細書の構造を有する真空ベルトを通る光の透過を例解する概念図である。
図7B】本明細書の構造を有する真空ベルトを通る光の透過を例解する概念図である。
図8】本明細書の構造および方法によって形成された開口部を例解する側面概略図である。
図9】本明細書の構造および方法によって形成された開口部を例解する側面概略図である。
図10A】楕円形の穿孔を有するベルトを例解する上面概略図である。
図10B】楕円形の穿孔を有するベルトを例解する上面概略図である。
図11】本明細書の真空ベルトを例解する上面概略図である。
図12】本明細書の印刷デバイスを示す概略図である。
【0011】
上述のように、真空ベルト上のシートの前縁部/後縁部を感知するシステム内で、特にシートとベルトの色または外観にほとんど差がないとき、反射光センサは、いつもシート縁部を適切に検出するとは限らない。したがって、いくつかのシステムは、真空ベルトの下に光源を含み、これは光センサが、どの穿孔がベルト上のシートによって遮断されているかに基づいて、媒体シートの前縁部/後縁部を位置付けることを可能にする。
【0012】
しかしながら、真空ベルト内の穿孔のパターンおよび穿孔の間の間隔は、光が通過しない、真空ベルトの隙間の無い連続したエリアをもたらし得、それらは、本明細書において時々「死角」と称される。このような死角は、穿孔が全くないエリアである。死角には穿孔がないので、光が真空ベルトのこれらの連続したエリアを通じて光ることはない。光センサは、(光レベルがゼロであるため)死角における光レベルの減少を検出することができず、このことにより、シートの縁部が死角内に位置決めされたとき、シートの前縁部/後縁部が光センサによって正確に検出されることが妨げられる。したがって、死角は、光の透過がゼロのブラックゾーンであり、このことにより、光センサが紙の縁部位置を解像可能にすることが妨げられる。
【0013】
これを考慮して、本明細書のシステムおよび方法は、このような死角を回避するページ同期感知システムを提供する。より具体的には、本明細書の構造は、死角が存在しないように、かつベルトが光源およびセンサを通過して移動するとき、センサが均一な信号を出力するように配置された孔パターンおよびセンサ開口部を有する真空搬送ベルトを使用する。これらの構造により、センサによる信号出力は、紙の障害物がない状態で連続的で平滑であり、これにより光センサが、迅速かつ正確に前縁部/後縁部に応答することを可能にする。換言すると、(光源およびセンサがベルトの同一の側面上にある)従来型の反射型センサが使用される場合、このことにより暗い色の紙を感知するときに問題が生じ、したがって、この制限を克服するために、ベルトの障害物(死角)により妨げられることなく、ベルト穿孔とセンサ開口部との特定の組み合わせが本明細書で使用される。
【0014】
より詳細には、光透過センサは、スロット開口部を有する。この開口部は、光センサが検出する真空ベルトのエリアである。開口部は、長方形であり、ベルト縁部に対して垂直な2つの比較的長い側面と、ベルト縁部に対して平行な2つの比較的短い側面と、を有することができる。開口部は、物理的な開口部であり得、光センサの全画素未満の制限された一式からの信号を使用することによって作り出すことができ、ポイントセンサ上等に光を集束させるための凹面ミラーを使用して作り出すことができることに留意したい。開口部は、ベルト縁部間のほぼ中心に集中し、開口部の寸法は、センサが常に同一の数の穿孔を感知するように選択される。
【0015】
さらに、本明細書のデバイスによって使用される真空ベルトの孔/穿孔パターンは、死角を排除するために、開口部の下に常に同一の数(または部分的な数)の孔があるように規則的なパターンで配置された孔を有する。いくつかの実装形態において、孔は、プロセス方向に沿ってわずかに細長く(楕円形)、開口部は、例えば、プロセス方向において十分に広くなり、一部分の(たとえば、5%、10%、20%等)の穿孔を含むことができ、開口部のエリア内でほぼ一定の真空ベルトの下からの光透過を提供する。
【0016】
真空ベルトに関して、このようなベルトは、ベルトを構成する細長い材料(別様に長方形の)端部が、ベルト継ぎ目と称される場所で共に接合されるので、多くの場合「連続」ベルトと称される。ベルト継ぎ目は、ベルト縁部に対して垂直であり、支持ローラが回転するときにベルトが移動する方向(つまりプロセス方向である)に対して垂直である。ベルト継ぎ目は、穿孔を含まなくてもよい。適切な前縁部/後縁部を提供するために、継ぎ目のないベルトを使用することもできる。他の代替形態において、継ぎ目のエリアは、さらに死角を回避するために、穿孔を含むように形成することができる。他の代替形態において、デバイスは、ベルト継目上に前縁部/後縁部を位置付けることを回避する上流センサを伴い、継ぎ目場所の知識を使用してベルト継ぎ目に前縁部/後縁部を位置付けることを回避することができる。
【0017】
これらの構造により、シートの前縁部/後縁部は、色付き紙および印刷前フォームと有しても確実かつ正確に検出される。さらに、真空搬送ベルトは、その機能的性能および機械的一体性を依然として維持する。また、これらの改善は、安価であり、確立された感知技術と、トリガならびに制御のための既存の電子機器およびソフトウェアを使用する。
【0018】
したがって、本明細書のデバイスは、例えば、他の構成部品の中でも(図1に示すように)印刷媒体を保管する媒体供給部230と、ベルト縁部116間に穿孔120を有する真空ベルト110を有する媒体経路100と、穿孔120を通じて空気を引き込む場所において真空ベルト110に隣接して(下方に)位置決めされた真空マニホルド108と、を含むことができる(図7に示され、下記で詳細に考察される)印刷装置であり得る。図1に示されるように、真空ベルト110は、少なくとも一方が駆動されるローラ102の間で支持され、ベルトは、張力ローラ104を使用して適切な張力下に保たれる。
【0019】
添付の図面内に示される一般的な媒体供給部230は、用紙トレイ、フィーダベルト、位置合わせガイド等の様々な要素を含むことができ、このようなデバイスは、カットシートを保管し、印刷媒体のカットシートを真空ベルト110に搬送する。また、印刷エンジン240は、真空ベルト110からシートを受容するための場所において真空ベルト110に隣接して位置決めされ、光センサ112は、真空ベルト110を通じて光源106によって出力される光を得るための場所において真空ベルト110に隣接して位置決めされ、プロセッサ224(図7)は、光センサ112等に電気的に接続される。
【0020】
マニホルド108が位置付けられる真空ベルト110の側面は、本明細書では真空ベルト110の「底部」、または真空ベルト110の「下方」のエリアと任意に称される。逆に、光センサ112が位置決めされる真空ベルト110の側面は、本明細書では真空ベルト110の「上部」、または真空ベルト110の「上方」のエリアと任意に称される。しかしながら、これらの任意の指定にもかかわらず、デバイス自体は、その意図された目的のために有用であるいずれの方向性も有することができる。
【0021】
図1にも示されるように、光源106は、真空ベルト110に(下方に)隣接し、真空マニホルド108と同じ側面の真空ベルト110上にある。換言すると、真空ベルト110は、光センサ112と光源106との間にあり、光を真空ベルト110内の穿孔120を通過させて光センサ112にもたらし、シートが光センサ112による信号出力において穿孔120を遮断するとき(遮断しないとき)を、光センサ112が確実に識別することを可能にする。図1に示されるように、真空ベルト110は、媒体供給部230から印刷媒体のシートを移動させる場所において、媒体供給部230に隣接して位置決めされる。
【0022】
図1が、媒体経路100の側面図を示す一方で、図2は、図1に対して90°回転されるベルト100の上面図(平面図)を例解する概略図である。図2は、ベルト110を通じる開口部である孔/穿孔120と、ベルト縁部116と、ベルト110が進む方向であるプロセス方向(ブロック矢印で表される)と、を例解する。
【0023】
図2はまた、センサ112(図1)がそこから光を受光するベルト110の唯一の領域である開口部114も例解する。ベルト110がセンサ112近くのプロセス方向(矢印)に移動する際、センサは能動バンド113を通過する光量を検出する。換言すると、能動バンド113は、開口部エリア114を通過するベルトの部分(例えば、センサ112によって検出される光がそれを通じて通過するベルト110の部分)である。
【0024】
図3は、上面図(平面図)に反しており、能動バンド113の拡大図を例解する。示されるように、真空ベルト110内の穿孔120は、列122、124、126に位置合わせされることができる。図3に示されるように、列122、124、126は、能動バンド113の縁部に(およびベルト縁部116に)鋭角φ、φ、φ、(または補完鈍角)で位置合わせされることができる。このため、図3に示されるように、穿孔によって形成されるいくつかの列122、124、126は、能動バンド113の縁部(およびベルト縁部116)に対して非垂直であり得る(ただし穿孔のうちのいくつかの列は垂直であり得る)。
【0025】
列122、124、126の角度、ならびに穿孔の間隔およびサイズのために、能動バンド113の縁部(およびベルト縁部116)に対して垂直な全ての線は、穿孔120のうちの少なくとも1つと交差する。これは図3に示されており、ここでは能動バンド113の縁部(およびベルト縁部116)に対して垂直な全ての線128が、穿孔120のうちの少なくとも1つと交差する。このため、縁部垂直線128によって示されるように、列122、124、126の鋭角/鈍角、ならびに穿孔120の間隔およびサイズは、穿孔120のうちの少なくとも1つを能動バンド113の縁部(およびベルト縁部116)に対して垂直な全ての線128と交差し、それによって、(ベルト縁部116に対して垂直な)クロスプロセス方向におけるいずれの「死角」も防止する。
【0026】
図4は、同様にベルト110の上面図(平面図)である。図4は、異なる長方形(例えば、異なる幅の長方形)であるいくつかの代替的な開口部114Aおよび114Bを例解する。したがって、図4に示されるように、光センサ112(図1)は、開口部114Aまたは114Bに対応するベルト110のエリアから光を得る。また、図4は、開口部120のいくつかが開口部114A内で光を通過するのを遮るベルト110上のシート130を示す。図4にも見られるように、開口部114Aまたは114Bは、特定の実装に応じて、ベルト縁部116間の中心に集中することができ、または非中心場所に位置付けることができる。
【0027】
開口部114Bは、プロセス方向に対して垂直である(およびベルト縁部116に対して垂直である)比較的長い側面を有する長方形である。この実施例において、開口部114Bの比較的長い側面は、ベルト縁部116に対して垂直であり、光センサ112による画像出力に、クロスプロセス方向において穿孔の一部分(例えば、5%、10%、20%等)を含ませるのに十分な長さである。開口部114Bの長方形の比較的短い側面は、ベルト縁部116に対して平行であり、光センサ112による画像出力に、プロセス方向において穿孔の一部分(例えば、0.5%、1%、2%等)を含ませるのに十分な長さであり得る。
【0028】
図中の開口部114のサイズは、穿孔120およびベルト110に対して時々誇張されており、幅広の長方形として示されていることに留意されたい。このような誇張は、ベルト110の位置に関わらず、同じ数または部分的な数の穿孔120が常に開口部114内にあるという特徴を例解するために使用される。実際には、開口部114は、数ミリメートル幅の非常に狭い線区分であり得、これはスロットまたは単一のスリットでさえあり得る。
【0029】
図5A図5Bは、開口部114のサイズ、形状、およびクロスプロセスのベルト場所と組み合わせたベルト穿孔120のパターンが、ベルト110がセンサ112を通過して移動する際、センサ112から一定の信号を生成することを例解するためにサイズ決定される長方形の開口部114を提示するが、実際の開口部114は異なるサイズ/形状/場所を有することができる。図5Aおよび図5Bは、同じ構造の同じ図を例解するが、ベルト110は、図5Aおよび図5Bにおいて異なる位置にあり、これにより穿孔120が開口部114に対して異なる位置となることをもたらす。より具体的には、ベルト110は、図5Aに対して図5B内のプロセス方向(矢印)に移動している。
【0030】
本明細書の構造では、開口部114のサイズ、形状、およびクロスプロセスベルト場所は、(開口部114内の任意の穿孔120を遮るいずれのシートも欠如している場合)ベルト110の場所に関係なく、同じ量の光がセンサ112に達するように設定される。この実施例において、いくつかの穿孔120は、図5A図5Bの文字A~Gを使用して識別されるが、各文字の指定は同一の穿孔120に関連せず、代わりに各文字は、ベルト110の位置と共に変化する開口部114内にある穿孔に関連しているだけである。
【0031】
図5Aにおいて、穿孔AおよびEの半分は、開口部114の外側にあり、穿孔B、C、D、F、およびGの全てが開口部114内にある。対照的に、図5Bにおいて、ベルト110が異なる位置にあるので、穿孔CおよびFの半分が、開口部114の外側にあり、穿孔A、B、D、E、およびGの全てが開口部114内にある。しかしながら、図5A図5B内の加算(合計式)によって示されるように、各開口部114は、6つの全穿孔の等量を含む。具体的には、図5Aにおいて、各文字付き穿孔に穿孔値(1または1/2穿孔)が与えられており、その結果開口部114内に6つの完全穿孔をもたらす(例えば、A(1/2つの穿孔)+B(1つの穿孔)+C(1つの穿孔)+D(1つの穿孔)+E(1/2つの穿孔)+F(1つの穿孔)+G(1つの穿孔)=6つの全穿孔)。同様に、図5Bにおいて、たとえベルト110が異なる位置にあっても、開口部114内に6つの完全穿孔がある(例えば、A(1/2つの穿孔)+B(1つの穿孔)+C(1つの穿孔)+D(1つの穿孔)+E(1/2つの穿孔)+F(1つの穿孔)+G(1つの穿孔)=6つの全穿孔)。
【0032】
したがって、真空ベルト110の穿孔120は、能動バンド113(およびベルト縁部116)に対して垂直でない角度(鋭角または鈍角)であり得る列に位置合わせされる。加えて、光センサ112によって検出された光は、(真空ベルト110の開口部エリア114を画定する)真空ベルト110と交差する開口部114によって制限される。さらに、シート130が真空ベルト110の開口部エリア114の外側にあるとき、列の配置、ならびに真空ベルトの開口部エリア114のサイズおよび場所は、光センサ112による信号出力を一定にさせる。実際には、列の非垂直角度配置は、孔サイズおよび開口部寸法の選択上の制約を低減させることができる。
【0033】
換言すると、開口部114のサイズおよび場所は、真空ベルト110が光センサ112を通過して移動する際、開口部114内の真空ベルト110の部分に常に同じ合計数の穿孔120(例えば、6つの全穿孔)を含ませる。さらに、同じ合計数の穿孔120が光センサ112によって常に測定されるので、シート130が真空ベルト110の開口部エリア114にないとき、このことが光センサ112による信号出力を一定にさせる。また、この穿孔120の合計数は、完全に真空ベルト110の開口部エリア114内にある穿孔120(図5A:B、C、D、F、およびG、図5B:A、B、D、E、およびG)、ならびに部分的に真空ベルト110の開口部エリア114内にある穿孔120の部分(図5A:AおよびE、図5B:CおよびF)の合計である。開口部のサイズおよび位置は、光センサによる信号出力を一定にさせるために、穿孔の異なるパターンごとに異なる。
【0034】
一実施例において、開口部114の(クロスプロセス方向の)長さは、一定のセンサ信号を維持するために、長さの両極端が位置付けられる場所(長さ方向の端部)に、全穿孔120のみが含まれるように選択することができる。換言すれば、ベルト縁部に対して平行である開口部の長さ方向の端部に沿って部分的な穿孔120を有することを回避することによって、クロスプロセス方向における部分的な穿孔120を無くし、一定のセンサ信号の維持を援助する。
【0035】
開口部114の場所(クロスプロセス方向)および形状はまた、常に一定のセンサ信号を提供するために、較正および/または実証的試験の間に確立することができる。さらに、開口部114のサイズ/形状/場所のこのような設定は、ベルト110内の特定のパターンの穿孔120に基づいて変更される。換言すると、穿孔は(プロセス方向における)死角を排除し、開口部のサイズ/形状/場所は、平滑で一定のセンサ信号を確実とする。このため、開口部114のサイズおよび位置は、光センサ112による信号出力を一定にさせるために、穿孔120の異なるパターンごとに異なる。
【0036】
図5Cは、開口部114内の穿孔120が文字で識別されている状態の、図5A図5Bと同一の図を示す。しかしながら、図5Cはまた、開口部114内のいくつかの穿孔を遮る媒体シート130の前縁部134(132は後縁部である)を示し、図6は、いくつかの穿孔120がシート130によって遮られるときの、センサ112による信号154出力のグラフである。
【0037】
より具体的には、図6Aは、左側(Y)軸上に信号レベルを示し、右側(X)軸上に時間(または経時的に生じるベルト移動量)を示す。信号レベルは、全穿孔(例えば、前の考察と一貫性を保つために6つの穿孔)に対応する任意の単位である。図6は、穿孔120を遮るシート130が欠如している場合、6つの全穿孔120に対応する一定の信号がセンサ112によって出力されることを示す。しかしながら、媒体シート130の前縁部134が開口部114を横切り始めるとき、いくつかの穿孔120の一部が遮られて、センサ112に達する光が減少し、このことが図6Aに示され、センサ信号154が経時的に低下し始める。ある時間またはベルト位置で、開口部114内の全穿孔120は、シート130によって覆われ、センサ信号154は、その最低較正レベル(例えば、この実施例においてゼロ、またはゼロに近いが、開口部114内の全穿孔120が遮られた状態で較正されたときにセンサ112が検出するものに応じて、最低レベルは0よりも大きくなる可能性がある)。後の時間またはベルト位置で、後縁部132は、開口部114を通過し、いくつかの穿孔120の一部を表し始め、図6Aに示されるように、センサ信号154が増加し始める。
【0038】
サンプリング窓の(プロセス方向に沿った)幅よりも、紙の縁部の正確な判定を有するために、光透過信号は、平滑な様式で、または好ましくは一定速度で(図6Aにおける一定スロープ)、高から低へ(または低から高へ)遷移しなければならず、これは、図5A図5Cによって例解されるように孔エリアの一定の合計の改善である。換言すると、紙が欠如する場合一定の光透過率が必要であるが、紙の縁部を正確に判断するためには十分ではない(サンプリング窓の幅よりも高い精度)。
【0039】
サンプリング窓内の紙縁部位置を正確に判定するために、より厳しい条件が満たされるべきである。図6Aは、図6Bおよび図6Cと共に、それぞれ、2つの位置P1およびP2に対応する構成を例解する。紙とベルトが共に進む際、サンプリング窓を移動して通過し、光量は、より多くの孔の開口部エリアがサンプリング窓から移動するにつれて減少する。この変化率(図6Aの遷移領域における曲線のスロープ)は、クロスプロセス方向S1_S2におけるサンプリング窓縁部とベルト孔との交点の合計に比例する。図6Bによって例解される位置P1において、S1_S2は、a1_a2で孔Aと、f1_f2で孔Fと交差する。図6Cによって例解される位置P2において、S1_S2は、b1_b2で孔Bと、g1_g2で孔Gと交差する。紙の縁部の経路を通じて光透過率の一定のスロープを保つようにするために、以下が満たされるべきである、
長さ(a1_a2)+長さ(f1_f2)=長さ(b1_b2)+長さ(g1_g2)=定数
【0040】
ベルトはサンプリング窓を絶えず移動して通過し、ベルトに関する紙の相対位置はランダムであるので、この一定の交差の合計は、(プロセス方向に沿って)ベルトの全長を通じて維持されるべきである。
【0041】
(クロスプロセス方向における)ベルト孔とサンプリング窓縁部との間の交差区分の一定の合計の1つの意味するところは、サンプリング窓がプロセス方向に沿って任意の幅および位置を有することができ、開口部内の孔のエリアの一定の合計の条件が自動的に満たされることになるということである。実際には、開口部幅の選択は、紙が通過するときに十分に急なスロープを維持しながら、十分な量の光に開口部を通過させることによって判定される。
【0042】
有用なデータ項目は、シート130の前縁部134または後縁部132が同期トリガマーク118と位置合わせされるときの識別である。較正中、シート130は、同期トリガマーク118と手動でまたは自動的に位置合わせすることができ、シート130がこの位置にある状態のセンサ112からの出力が測定かつ記録される。次いで、この較正されたセンサ信号の値は、シートの前縁部または後縁部(134、132)が同期トリガマーク118と位置合わせされるときを識別するために使用される。
【0043】
前述の単純化した実施例に引き続き、較正手順は、同期トリガマーク118と位置合わせされたシートの前縁部および後縁部134、132が、開口部内の50%の穿孔120を遮らせ、3単位のセンサ信号154レベルがセンサ112から出力されることをもたらす。これは図6に示されており、同期トリガマーク118に対する「シート長」は、センサ信号154が3のレベルを横切る場所間に生じる。したがって、本明細書のデバイスおよび方法は、任意の死角を回避し、それはベルト/媒体の混乱を回避するために、バックライト穿孔ベルト110を使用して、前縁部または後縁部134、132が同期トリガマーク118(例えば、センサ信号レベル3)と位置合わせされるときの詳細な識別を可能にする。
【0044】
さらに、ベルト穿孔120のパターンと開口部114のサイズ/形状/場所との組み合わせのために、ベルト110がセンサ112を通過して移動する際、同じ数(例えば、6)または同じ総面積の光の穿孔、センサ112に常に達することになり、センサ112からの一貫した、平滑な信号出力をもたらす。実際には、開口部内の穿孔のこの総面積は、全孔のうちのわずかであり得る。センサ112から出力される信号は、センサ112に適した任意の単位(例えば、ボルト、ミリボルト、ルーメン、ルクス等)であり得ることに留意されたい。このため、較正手順は、一定のセンサ112の出力信号のレベルを判定し、その較正された信号からの偏差は、いくつかの穿孔120を遮るベルト110上の媒体シート130の存在を表す。例えば、部分的な低下(例えば、40%、50%、60%等の、センサ信号における低下)は、前縁部/後縁部132、134を示し得、一方、完全な低下(例えば、センサ信号において90%超)は、シート縁部132、134間のシート130の部分を表し得る。
【0045】
図7A図7Bは、穿孔120のパターンと開口部114のサイズ/形状/場所との組み合わせからもたらされる一定のセンサ信号154を概念的に示す。より具体的には、図7A内の要素110は、概念的にベルトを表し、項目160は、経時的に開口部114を通過する光を表し、項目154は、センサ信号154をさらに表する。図7Bにおいて、垂直列の開口部を有する従来のベルト(列間の空間が死角である)が、項目164として概念的に表され、経時的にベルト164内の穿孔を通過する光が項目166として示され、さらに項目154は、センサ信号である。
【0046】
図7Bに見られるように、穿孔を遮るシートが欠如する場合でさえ、光166は、死角がセンサ傍を通過するにつれて、明と暗との間で交代する。これは、センサによる方形波センサ信号154の出力をもたらす。対照的に、図7Aにおいて、穿孔120の角度の付いた列122、124、126を伴うベルトパターンと、開口部114のサイズ/形状/場所との組み合わせにより、死角がなく、その結果、一定で、揺らぎがなく、平滑なセンサ信号154が、センサ112によって出力されることをもたらす。
【0047】
開口部114は、物理的構造(長方形の開口部を有する材料等)を使用して、またはアレイセンサ112の画素を使用されるものをフィルタリングすることによって作り出すことができる。例えば、図8に示されるように、物理的フィルタ170は、開口部114をより小さな開口部114Cに制限することができる。同様方法で、センサ112内の制限された数の画素を作動させて電子的に開口部を制限することができる。
【0048】
付加的に、開口部は、有向(平行、発散、または収束)光ビームを使用することによって画定することができる。図9に示されるように、開口部は、ベルト110の反対側の一点で集中させるために、光源106からの光出力を集束させて、センサがポイントセンサ112となることを可能にする、ベルト110の下方に集束ミラー172(例えば、円筒形または球形の凹面であり得る)を使用して制限される。したがって、本明細書の構造では、ポイントセンサが、従来のアレイセンサ(たとえば、全幅アレイ(FWA)「画像センサ」)に加えて、使用することができる。全ての可能なタイプのセンサは、図面中、一般的な識別子112を使用して識別されることに留意されたい。このような一点式センサ112は、クロスプロセス方向において拡張されたサイズを伴う「サンプリング開口部」114を使用する。したがって、示されるように、本明細書における「サンプリング開口部」を達成するための多くの異なる方法がある。
【0049】
集束ミラー172で、光源106は、集束ミラー172と真空ベルト110との間に位置決めされる。集束ミラー172は、穿孔120を通じる光源106からの光を方向付け、真空ベルトの上部上の単一の焦点(場所112)上に光を集束させる。この状況において、一点式光センサ112は、真空ベルト110の上部側面上の集光点に位置決めすることができる。このような一点式光センサ112は、集束ミラー172によって作り出される真空ベルト110と交差する開口部114によって制限される際、真空ベルト110の一部を検出する。
【0050】
さらに、一点式センサ112で、プロセスは、一点式センサ112が、前縁部/後縁部が出力される信号を変化させる(例えば、連続光信号から連続遮光信号(逆もまた同様))一点を検出するだけなので、アレイセンサに対して単純化され、アレイ画像を分析することなく、前縁部/後縁部を識別するために信号の変化のみを可能にする。
【0051】
このため、開口部114は、物理的開口部(光制限開口部を有する構造)、または(光センサの全画素未満の限られた組からの信号を使用することによる)電子的に作り出された開口部であり得る。代替的に、開口部114は、真空ベルト110の底部に位置決めされた集束ミラー172を通じて方向付けられた光線を使用して作り出すことができる。
【0052】
上記で示されるように、これらの構造は、開口部がプロセス方向において単一の線(ベルト/シートが一点を通過して移動することによって作り出される幅を有することがない数学的な線)であるときでさえも、死角を有することはない。したがって、本明細書の構造では、開口部114は、非常に狭くなり得、例えば、一列の孔の幅をはるかに下回る。さらに、平行開口部または点開口部は、ベルト幅の大部分を覆う必要はない。本明細書で説明された孔のパターンでは、(プロセス方向にわたって)幅がわずか数センチメートルである開口部114が、良好な結果を生成する。
【0053】
また、図10A図10Bに示されるように、穿孔150はまた、楕円形であり得る。図10Bに示されるように、このような楕円形の穿孔150は、互いに対して垂直な比較的長い直径D1および比較的短い直径D2を有し、楕円形150の比較的長い直径D1は、ベルト縁部116に対して平行である。
【0054】
図11は、同様に死角を有することのない(上述のように円形または楕円形であり得る)穿孔のオフセット列152の群を例解する。より具体的には、図11に示される列152は、各々4つの穿孔120を含有する。列(または穿孔セット)152は、他の列152に対してオフセットする。前に考察された構造のように、オフセット列152の組み合わせは、いずれの死角も有することはない。このため、穿孔120の列152の鋭角/鈍角は、穿孔120のうちの少なくとも1つを、開口部114の縁部に対して垂直である全ての線と交差させ、それによってプロセス方向に対して垂直ないずれの「死角」も防止する。
【0055】
図12は、例えば、印刷機、複写機、多機能機、多機能デバイス(MFD)等を備えることができる本明細書の印刷機構造204の多くの構成部品を例解する。印刷デバイス204は、コントローラ/有形プロセッサ224と、有形プロセッサ224および印刷デバイス204の外部のコンピュータネットワークに動作可能に接続された通信ポート(入力/出力)214と、を含む。また、印刷デバイス204は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)アセンブリ212等の少なくとも1つのアクセサリ機能性構成部品を含むことができる。ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースまたはコントロールパネル212を通じてメッセージ、指示、およびメニューオプションを受信し、指示を入力してもよい。
【0056】
前述のように、プロセッサ224は、光センサ112に電気的に接続される。プロセッサ224は、光センサ112による信号154出力が変化するとき(例えば、光信号の90%を超える減少等、ゼロに近く減少するとき)、シート130が真空ベルト110の開口部分114内に存在することを検出する。プロセッサ224は、光センサ112による信号154出力における部分的な(例えば、40%、50%、60%等)低下に基づいて、シート130の縁部132、134が同期マーク118と位置合わせされるときを識別する。
【0057】
入出力デバイス214は、印刷デバイス204との間の相互の通信に使用され、(現在知られているか将来開発されるかに関係なく任意の形式の)有線デバイスまたは無線デバイスを含む。有形のプロセッサ224は、印刷デバイス204の様々な動作を制御する。持続的で有形のコンピュータ記憶媒体デバイス210(光学的、磁気的、キャパシタベース等であり、一時的な信号とは異なる)は、有形のプロセッサ224によって読み取り可能であり、有形のプロセッサ224が実行し、本明細書で記載したような様々な機能をコンピュータデバイスに実行させる命令を格納する。このため、図12に示されるように、本体ハウジングは、電源218によって交流(AC)電源220から供給される電力で動作する1つ以上の機能構成部品を有する。電源218は、共通の電力変換ユニット、蓄電要素(例えば、バッテリ等)等を備えることができる。
【0058】
印刷デバイス204は、マーキング材料を使用する少なくとも1つのマーキングデバイス(印刷エンジン(複数可))240を含み、特殊な画像プロセッサ224(画像データの処理に特化しているので汎用コンピュータとは異なる)、連続的な媒体または媒体シートをシート供給部230からマーキングデバイス(複数可)240等に供給するよう位置決めされた媒体経路100に、動作可能に接続される。印刷エンジン(複数可)240から様々なマーキングを受容した後、媒体シートは、様々な印刷されたシートを折り重ね、ホチキスで留め、分類すること等が可能なフィニッシャ234に必要に応じて通過させることができる。また、印刷デバイス204は、(電源218を介して)外部電源220から供給された電力でも動作する少なくとも1つのアクセサリ機能構成部品(スキャナ/ドキュメントハンドラ232(自動ドキュメントフィーダ(ADF))等)を含むことができる。
【0059】
1つ以上の印刷エンジン240は、現在知られているか将来開発されているかに関わらず、2次元または3次元印刷プロセスにおいて、マーキング材料(トナー、インク、プラスチック、有機材料等)を連続媒体、媒体シート、固定プラットフォーム等に塗布する任意のマーキングデバイスを例解することを意図している。印刷エンジン240は、例えば、静電トナー印刷機、インクジェット印刷ヘッド、接触印刷ヘッド、3次元印刷機等を使用するデバイスを含むことができる。1つ以上の印刷エンジン240は、例えば、感光体ベルトまたは中間転送ベルトを使用するデバイス、もしくは印刷媒体(例えば、インクジェット印刷機、リボンベースの接触印刷機等)に直接印刷するデバイスを含むことができる。
【0060】
いくつかの例示的な構造が添付の図面に示されているが、当業者であれば、図面は簡略化した概略図であり、以下に示される請求項は、例示されていない当該デバイスおよびシステムと共通で使用されるより多くの機能(またはより少ない機能の可能性もある)を含む。したがって、出願人は、以下に提示される請求項が添付の図面によって限定されることを意図しておらず、代わりに、添付の図面は、請求された特徴を実施することができるいくつかの方法を示すために提供されるだけである。
【0061】
多くのコンピュータデバイスが上記で考察される。チップベースの中央処理装置(CPU)、入出力デバイス(グラフィックユーザインターフェース(GUI)、メモリ、コンパレータ、有形プロセッサ等を含む)を含むコンピュータデバイスが周知であり、Dell Computers、Round Rock TX, USA、およびApple Computer Co.,Cupertino CA,USA等の製造業者によって製造される容易に入手可能なデバイスである。このようなコンピュータデバイスは、一般に、本明細書に記載されたシステムおよび方法の顕著な側面に読者の焦点を当てるために、詳細な説明は省略するが、入力/出力デバイス、電源、有形プロセッサ、電子記憶メモリ、配線等を含む。同様に、印刷機、コピー機、スキャナおよび他の同様の周辺機器は、Xerox Corporation,Norwalk,CT,USAから入手可能であり、このようなデバイスの詳細は、簡潔さと読者の焦点のためにここでは考察しない。
【0062】
本明細書で使用される印刷機または印刷デバイスという用語は、デジタル複写機、製本機、ファクシミリ機、多機能機等、任意の目的のために印刷出力機能を実行するいずれの装置も包含する。印刷機、印刷エンジン等の詳細は周知であり、本明細書では詳細に説明せず、本開示は、提示された顕著な特徴に焦点を当てている。本明細書のシステムおよび方法は、カラー、モノクロ、またはカラーまたはモノクロ画像データを印刷するシステムおよび方法を包含することができる。前述のシステムおよび方法は全て、静電複写機および/またはゼログラフィック機および/またはプロセスに特に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12