(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ロードセル
(51)【国際特許分類】
G01L 1/22 20060101AFI20221108BHJP
G01L 3/10 20060101ALI20221108BHJP
G01L 5/1627 20200101ALI20221108BHJP
【FI】
G01L1/22 F
G01L1/22 D
G01L3/10 311
G01L5/1627
(21)【出願番号】P 2019043990
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000105659
【氏名又は名称】日本電産コパル電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 嵩幸
(72)【発明者】
【氏名】熊 四輩
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172983(JP,A)
【文献】特開2010-101678(JP,A)
【文献】特開2000-146716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0112769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/22
G01L 3/10
G01L 5/1627
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に第1鍔部と第1ねじ山を有する筒状の第1部材と、
前記第1部材と同心状に配置され、外側に第2鍔部と第2ねじ山を有する筒状の第2部材と、
筒状で、外側に前記第1ねじ山に螺合される第3ねじ山を有する第1構造体と、前記第1構造体の内側に設けられ、筒状で内側に前記第2ねじ山に螺合される第4ねじ山を有する第2構造体と、前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられ、弾性を有する第3構造体とを有し、前記第1構造体の外側に前記第1部材が装着され、前記第2構造体の内側に前記第2部材が装着される第1起歪体と、
第1端部が前記第1構造体と前記第1鍔部との間に設けられ、第2端部が前記第2構造体と前記第2鍔部との間に設けられ、歪センサを有する少なくとも1つの第2起歪体と、
を具備するロードセル。
【請求項2】
前記第1鍔部と前記第2起歪体の前記第1端部との間に設けられるリング状の第1弾性体と、
前記第2鍔部と前記第2起歪体の前記第2端部との間に設けられるリング状の第2弾性体と、
をさらに具備する請求項1記載のロードセル。
【請求項3】
前記第1弾性体及び前記第2弾性体は、皿ばねである
請求項2記載のロードセル。
【請求項4】
前記第1鍔部及び前記第2鍔部は、弾性体である
請求項1記載のロードセル。
【請求項5】
前記第3構造体の厚みは、前記第2起歪体の厚みより厚い
請求項1記載のロードセル。
【請求項6】
前記第1構造体及び前記第2構造体は、前記第2起歪体が挿入される切り欠き部をそれぞれ有し、前記切り欠き部の深さは、前記第2起歪体の厚みより浅い
請求項1記載のロードセル。
【請求項7】
内側に第1鍔部と第1ねじ山を有する筒状の第1部材と、
前記第1部材と同心状に配置され、外側に第2鍔部と第2ねじ山を有する第2部材と、
筒状で、外側に前記第1ねじ山に螺合される第3ねじ山を有する第1構造体と、前記第1構造体の内側に設けられ、筒状で内側に前記第2ねじ山に螺合される第4ねじ山を有する第2構造体と、前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられ、弾性を有する第3構造体とを有し、前記第1構造体の外側に前記第1部材が装着され、前記第2構造体の内側に前記第2部材が装着される第1起歪体と、
前記第1鍔部に設けられるリング状の第1弾性体と、
前記第2鍔部に設けられるリング状の第2弾性体と、
第1端部が前記第1構造体と前記第1弾性体との間に設けられ、第2端部が前記第2構造体と前記第2弾性体との間に設けられ、歪センサを有する少なくとも1つの第2起歪体と、
を具備するロードセル。
【請求項8】
前記第1弾性体及び前記第2弾性体は、皿ばねである
請求項7記載のロードセル。
【請求項9】
内側に弾性を有する第1鍔部と第1ねじ山を具備する筒状の第1部材と、
前記第1部材と同心状に配置され、外側に弾性を有する第2鍔部と第2ねじ山を具備する第2部材と、
筒状で、外側に前記第1ねじ山に螺合される第3ねじ山を有する第1構造体と、前記第1構造体の内側に設けられ、筒状で内側に前記第2ねじ山に螺合される第4ねじ山を有する第2構造体と、前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられ、弾性を有する第3構造体とを有し、前記第1構造体の外側に前記第1部材が装着され、前記第2構造体の内側に前記第2部材が装着される第1起歪体と、
第1端部が前記第1構造体と前記第1鍔部との間に設けられ、第2端部が前記第2構造体と前記第2鍔部との間に設けられ、歪センサを有する少なくとも1つの第2起歪体と、
を具備するロードセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、力やトルクを検出することが可能なロードセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ロードセルは、例えば力を受ける起歪体と、起歪体に設けられた歪センサとしての歪ゲージと、起歪体が締結される構造体を用いて構成される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
起歪体は、例えば構造体にボルトを用いて固定されている。しかし、ロードセルの小型化に伴い、起歪体をボルトにより構造体に固定することが困難となっており、構造体に対する起歪体の位置を高精度に保持することが困難となっている。
【0005】
構造体に対して起歪体が高精度に固定されていない場合、歪ゲージにおいて、歪と電気抵抗の変化との比率としてのゲージファクタが小さくなり、例えば弱い力を正確に検出することが困難となるなどの問題がある。
【0006】
本実施形態は、起歪体を本体に対して高精度に固定することが可能なロードセルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のロードセルは、内側に第1鍔部と第1ねじ山を有する筒状の第1部材と、前記第1部材と同心状に配置され、外側に第2鍔部と第2ねじ山を有する筒状の第2部材と、筒状で、外側に前記第1ねじ山に螺合される第3ねじ山を有する第1構造体と、前記第1構造体の内側に設けられ、筒状で内側に前記第2ねじ山に螺合される第4ねじ山を有する第2構造体と、前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられ、弾性を有する第3構造体とを有し、前記第1構造体の外側に前記第1部材が装着され、前記第2構造体の内側に前記第2部材が装着される第1起歪体と、第1端部が前記第1構造体と前記第1鍔部との間に設けられ、第2端部が前記第2構造体と前記第2鍔部との間に設けられ、歪センサを有する少なくとも1つの第2起歪体と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るロードセルを示す上面図。
【
図4】第1実施形態に適用される歪センサの一例を示す図。
【
図5】第2実施形態に係るロードセルを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一符号を付している。
【0010】
(第1実施形態)
図1乃至
図4は、第1実施形態に係るロードセルを示している。ロードセル10は、第1部材11、第2部材12、第1起歪体13、例えば2つの第2起歪体14、15、第1弾性体16、及び第2弾性体17を具備している。
【0011】
第1部材11、第2部材12、第1起歪体13、第2起歪体14、15は、例えばステンレススチール(SUS)により構成されている。しかし、SUSに限定されるものではなく、他の金属材料、例えば鉄やアルミニウムを用いることも可能である。
【0012】
図2に示すように、第1部材11は、筒状であり、内側に第1鍔部11aと第1ねじ山(又はねじ溝)11cとを有している。
第2部材12は、第1部材11より小さい直径を有し、第1部材11と同心状に配置される。第2部材12は、外側に第2鍔部12aと第2ねじ山(又はねじ溝)12cとを有している。
【0013】
第1起歪体13は、筒状の第1構造体13aと、第1構造体13aの内側に設けられた筒状の第2構造体13bと、第1構造体13aと第2構造体13bとの間に設けられ、これらを接続する第3構造体13cと、を具備している。第3構造体13cは、弾性を有している。このため、第2構造体13bは、第1構造体13aに対して軸心方向(
図3に示す矢印A方向)に移動することが可能である。
【0014】
第1構造体13aの外側には、第3ねじ山13eが設けられ、第2構造体13bの内側には、第4ねじ山13fが設けられる。第3ねじ山13eは、第1部材11の第1ねじ山11cに螺合され、第4ねじ山13fは、第2部材12の第2ねじ山12cに螺合される。
【0015】
第1ねじ山11cと第3ねじ山13e、及び第2ねじ山12cと第4ねじ山13fは、それぞれ雄ねじと雌ねじの関係であればよい。
【0016】
第3構造体13cの厚みは、第2起歪体14、15の厚みより厚い。このため、ロードセルで検出可能な力の範囲(定格荷重)や耐荷重(許容荷重)などは、第3構造体13cの長さ(第1構造体13aと第2構造体13bとの間の距離)と、厚みを変えることで調整できる。
【0017】
第1起歪体13の第1構造体13aの外側には、第1部材11が装着される。具体的には、第1部材11の内径は、第1構造体13aの外径より僅かに大きく、第1部材11は、第1ねじ山11cを第1構造体13aの第3ねじ山13eに螺合することにより、第1構造体13aの外側に装着される。
【0018】
また、第1起歪体13の第2構造体13bの内側には、第2部材12が装着される。具体的には、第2部材12の外径は、第2構造体13bの内径より僅かに小さく、第2部材12は、第2ねじ山12cを第2構造体13bの第4ねじ山13fに螺合することにより、第2構造体13bの内側に装着される。
【0019】
図2に示すように、第1構造体13a及び第2構造体13bの第1起歪体13の直径方向に位置する部分には、複数の切り欠き部13dが設けられている。これら切り欠き部13dは、2つの第2起歪体14、15の位置決めに用いられる。このため、これら切り欠き部13dの幅は、第2起歪体14、15の幅にほぼ等しく、深さは、第2起歪体14、15の厚みよりも僅かに浅い。
【0020】
第1弾性体16は、リング状の例えば皿ばねであり、第1部材11の内側に第1鍔部11aに沿って設けられる。第1弾性体16の外径は、第1部材11の内径にほぼ等しく、第1弾性体16の内径は、第2起歪体14、15の第1端部に当接可能な大きさとされている。
【0021】
第2弾性体17は、リング状の例えば皿ばねであり、第2部材12の外側に第2鍔部12aに沿って設けられる。第2弾性体17の内径は、第2部材12の外径とほぼ等しく、第2弾性体17の外径は、第2起歪体14、15の第2端部に当接可能な大きさとされている。
【0022】
組み立て時、先ず、例えば第1構造体13aの複数の切り欠き部13dに第2起歪体14、15の第1端部が挿入され、第2構造体13bの複数の切り欠き部13dに第2起歪体14、15の第2端部が挿入される。
【0023】
この後、例えば第1弾性体16が第1部材11の内側に装着され、第1ねじ山11cと第3ねじ山13eとが螺合されることにより、第1部材11が第1起歪体13の第1構造体13aの外側に装着される。この状態より、第1弾性体16が第2起歪体14、15の第1端部に当接し、所定の接触圧力となるまで、第1部材11が第1構造体13aの外側に捩じ込まれる。このため、
図3に示すように、第2起歪体14、15の第1端部は、第1部材11の第1鍔部11aが第1弾性体16を押圧することにより、第1弾性体16によって第1構造体13aに固定される。
【0024】
また、第2弾性体17が第2部材12の外側に装着され、第2ねじ山12cと第4ねじ山13fとが螺合されることにより、第2部材12が第1起歪体13の第2構造体13bの内側に装着される。この状態より、第2弾性体17が第2起歪体14、15の第2端部に当接し、所定の接触圧力となるまで、第2部材12が第2構造体13bの内側に捩じ込まれる。このため、
図3に示すように、第2起歪体14、15の第2端部は、第2部材12の第2鍔部12aが第2弾性体17を押圧することにより、第2弾性体17によって第2構造体13bに固定される。
【0025】
前述したように、切り欠き部13dの深さは、第2起歪体14、15の厚みより僅かに浅い。このため、切り欠き部13dに第2起歪体14、15が挿入された場合、第2起歪体14、15の上面は切り欠き部13dから僅かに突出する。このため、第1弾性体16と第2弾性体17は、第2起歪体14、15の上面に当接し、第2起歪体14、15を第1構造体13aと第2構造体13bに確実に固定することができる。
【0026】
第1部材11の第1ねじ山11cは、第1鍔部11aの下方で、第1鍔部11aの近傍に設け、第2部材12の第2ねじ山12cは、第2鍔部12aの下方で、第2鍔部12aの近傍に設けた。しかし、第1ねじ山11c、第2ねじ山12cの位置は、これに限定されるものではなく、第1ねじ山11c及び第2ねじ山12cがそれぞれ螺合される第3ねじ山13e及び第4ねじ山13fと共に、第1弾性体16及び第2弾性体17により、第2起歪体14、15を十分な圧力で押圧できる位置であればよい。
【0027】
上記構成において、第1部材11に対して第2部材12が
図3に示す矢印A方向の力を受けた場合、第1起歪体13の第2構造体13bが第1構造体13aに対して矢印A方向に移動する。これに伴い、第2起歪体14、15がその厚み方向(矢印A方向)に変形される。
【0028】
すなわち、第2起歪体14、15の厚みは、第3構造体13cの厚みより薄い。このため、第1構造体13aと第2構造体13bが相対的に移動することにより、第2起歪体14、15が連動して変形する。
【0029】
図4は、第2起歪体14、15に設けられた歪センサ(歪ゲージ)の一例を示している。第2起歪体14には、歪センサとしての例えば薄膜抵抗体R1、R2が設けられ、第2起歪体15には、歪センサとしての例えば薄膜抵抗体R3、R4が設けられている。
【0030】
薄膜抵抗体R1、R2及び薄膜抵抗体R3、R4は、第2起歪体14、15の第2端部側、すなわち、第2構造体13bの近傍に配置されている。この理由は、第1起歪体13の第2構造体13bが、第1構造体13aに対して図示矢印A方向に移動した場合、第2起歪体14、15に生じる歪は、第2構造体13b側の方が第1構造体13aより大きいためである。
【0031】
薄膜抵抗体R1、R2、R3、R4は、例えばブリッジ回路を構成し、第2起歪体14、15に印加された力を電気信号として出力する。
【0032】
尚、例えば第3構造体13cに複数の開口部を設けることにより、第2構造体13bを第1構造体13aに対して軸心回り(
図3に示す矢印B方向)に移動させることも可能である。この場合、ロードセル10により、トルクを検討することが可能である。
【0033】
(第1実施形態の効果)
上記第1実施形態によれば、第2起歪体14、15は、第1部材11の内側に装着された第1弾性体16、及び第2部材12の外側に装着された第2弾性体17により、第1起歪体13の第1構造体13aと第2構造体13bに固定される。このため、ロードセル10の形状が小型化された場合においても第2起歪体14、15を第1起歪体13の第1構造体13aと第2構造体13bに確実に固定することができる。
【0034】
しかも、第2起歪体14、15は、第1弾性体16及び第2弾性体17を用いて固定されるため、例えばボルトを用いて第2起歪体14、15を固定する場合に比べて、スペースを削減でき、ロードセル10の形状を小型化することが可能である。
【0035】
さらに、第2起歪体14、15は、第1弾性体16が装着された第1部材11を第1起歪体13の第1構造体13aの外側に捻じ込み、第2弾性体17が装着された第2部材12を第1起歪体13の第2構造体13bの内側に捻じ込むだけで組み立てることができる。このため、組み立てが容易であり、製造コストを低廉化することが可能である。
【0036】
また、第1部材11は、第1ねじ山11cと第1構造体13aの第3ねじ山13eとを螺合することにより、第1構造体13aに装着され、第2部材12は、第2ねじ山12cと第2構造体13bの第4ねじ山13fとを螺合することにより、第2構造体13bに装着される。第1ねじ山11cと第3ねじ山13eとの摩擦力、及び、第2ねじ山12cと第4ねじ山13fとの摩擦力は、第1弾性体16と第2弾性体17の弾性により、強められる。すなわち、第1弾性体16は、第1ねじ山11cと第3ねじ山13eに対してばね座金として機能し、第2弾性体17は、第2ねじ山12cと第4ねじ山13fに対してばね座金として機能する。このため、第1ねじ山11cと第3ねじ山13eとの緩み、及び第2ねじ山12cと第4ねじ山13fとの緩みを防止できる。したがって、第2起歪体14、15を第1起歪体13の第1構造体13aと第2構造体13bに確実に固定することができる。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態を示している。第1実施形態において、第2起歪体14、15は、第1弾性体16及び第2弾性体17としての皿ばねを用いて固定した。これに対して、第2実施形態は、第1鍔部11b及び第2鍔部12bを弾性体とし、第1鍔部11b及び第2鍔部12bのそれ自体により、第2起歪体14、15を固定する。
【0038】
具体的には、
図5に示すように、第1部材11の第1鍔部11bは、第1部材11の装着方向に向かって傾斜され、第2部材12の第2鍔部12bも、第1部材11の装着方向に向かって傾斜されている。すなわち、第1鍔部11bの先端部は、第1起歪体13の第1構造体13aに接近するように傾斜され、第2鍔部12bの先端部は、第1起歪体13の第2構造体13bに接近するように傾斜されている。このため、第1鍔部11b及び第2鍔部12bは、弾性を有している。
【0039】
組み立て時、先ず、例えば第1構造体13aの複数の切り欠き部13dに第2起歪体14、15の第1端部が挿入され、第2構造体13bの複数の切り欠き部13dに第2起歪体14、15の第2端部が挿入される。
【0040】
この後、第1部材11の第1ねじ山11cが第1構造体13aの第3ねじ山13eに螺合されることにより、第1部材11が第1起歪体13の第1構造体13aの外側に装着され、第1鍔部11bが第2起歪体14、15の第1端部に当接される。この状態より、所定の接触圧力となるまで、第1部材11が第1構造体13aに捩じ込まれる。このため、
図5に示すように、第2起歪体14、15の第1端部は、第1部材11の第1鍔部11bにより、第1構造体13aに固定される。
【0041】
また、第2部材12の第2ねじ山12cが第2構造体13bの第4ねじ山13fに螺合されることにより、第2部材12は、第1起歪体13の第2構造体13bの内側に装着され、第2鍔部12bが第2起歪体14、15の第2端部に当接される。この状態より、所定の接触圧力となるまで、第2部材12が第2構造体13bに捩じ込まれる。このため、
図5に示すように、第2起歪体14、15の第2端部は、第2部材12の第2鍔部12bにより、第2構造体13bに固定される。
【0042】
(第2実施形態の効果)
上記第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、第2実施形態によれば、第2起歪体14、15は、弾性を有する第1鍔部11bと第2鍔部12bとにより、第1起歪体13の第1構造体13a及び第2構造体13bに固定できる。このため、第1実施形態に比べて部品点数を削減することができ、組み立てを一層容易化することが可能である。
【0043】
しかも、弾性を有する第1鍔部11bと第2鍔部12bは、ばね座金として機能するため、第1ねじ山11cと第3ねじ山13eとの緩み、及び第2ねじ山12cと第4ねじ山13fとの緩みを防止できる。したがって、第2起歪体14、15を第1起歪体13の第1構造体13aと第2構造体13bに確実に固定することができる。
【0044】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
11…第1部材、11a、11b…第1鍔部、11c…第1ねじ山、12…第2部材、12a、12b…第2鍔部、12c…第2ねじ山、13…第1起歪体、13a…第1構造体、13b…第2構造体、13c…第3構造体、13e…第3ねじ山、13f…第4ねじ山、14、15…第2起歪体、16…第1弾性体、17…第2弾性体。