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特許7171480プレゼンテーションデータ作成支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】プレゼンテーションデータ作成支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20221108BHJP
   G06F 16/58 20190101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F16/907
G06F16/58
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019053041
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020154777
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣戸 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 晴貴
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-334231(JP,A)
【文献】特開2005-045434(JP,A)
【文献】特開2012-003665(JP,A)
【文献】特開2008-269085(JP,A)
【文献】特開2004-265097(JP,A)
【文献】特開2018-173681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置で使用されるプレゼンテーションソフトウェアを支援するためのシステムであって、
当該システムを構成する情報処理装置が、
前記プレゼンテーションソフトウェアで出力可能なプレゼンテーションデータと、当該プレゼンテーションデータを特定するための所定の付加情報を記憶した記憶手段と、
前記ユーザ装置で表示される前記プレゼンテーションソフトウェア中に、前記記憶手段に記憶された前記プレゼンテーションデータを検索可能な所定の検索画面を表示させる検索画面作成手段と、
前記ユーザ装置の入力操作に応じて入力された検索情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記プレゼンテーションデータを検索する検索手段と、
前記検索手段で抽出された前記プレゼンテーションデータに対応する前記付加情報を、前記ユーザ装置で表示される前記プレゼンテーションソフトウェア中に検索結果情報として選択可能に表示させる検索結果作成手段と、
前記ユーザ装置の入力操作に応じて、前記検索結果情報から選択された前記付加情報を受信すると、当該付加情報に対応するプレゼンテーションデータを、当該ユーザ装置に送信するプレゼンテーションデータ送信手段と、を備え
検索結果作成手段は、
前記所定の付加情報として、抽出された前記プレゼンテーションデータごとに、当該プレゼンテーションデータの利用可否を示す所定の利用可否情報を表示させ
ことを特徴とするプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項2】
前記プレゼンテーションデータ送信手段は、
前記プレゼンテーションデータを、前記ユーザ装置で表示される前記プレゼンテーションソフトウェア中に、使用可能に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項3】
前記検索画面作成手段は、
前記ユーザ装置の入力操作に応じて、検索キーワードを示すテキスト情報を入力可能な前記検索画面を表示させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項4】
前記検索画面作成手段は、
前記プレゼンテーションソフトウェアで入力されたプレゼンデータに含まれるテキストデータ全体を前記検索情報として前記ユーザ装置から送信させ、
前記検索手段は、前記ユーザ装置から送信された前記テキストデータ全体から重要語を抽出し、抽出された重要語に基づいて検索を実行する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項5】
前記検索結果作成手段は、
前記検索結果情報となる前記付加情報として、前記検索手段で抽出された前記プレゼンテーションデータを示す縮小画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項6】
前記検索手段は、
前記プレゼンテーションデータを、当該データに含まれるスライド単位で検索する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項7】
前記検索画面作成手段は、
前記検索情報として、所定の画像データを入力可能として、
前記検索手段は、
入力された前記画像データに基づいて、所定のイメージ検索を実行する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【請求項8】
前記検索画面作成手段は、
前記検索手段で抽出された前記プレゼンテーションデータに含まれる画像データを検索情報として用いたイメージ検索を実行する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のプレゼンテーションデータ作成支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば会議や打ち合わせ,説明会,講演会などにおいてプレゼンテーション用の資料となるプレゼンテーションデータの作成を支援するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、会議や打ち合わせ,説明会,講演会などにおけるプレゼンテーション(以下「プレゼン」ともいう)では、プレゼン内容を文字やグラフ,写真などで分かりやすく表現した資料が用いられ、当該資料がスクリーン上に投影表示されたり、印刷部が参加者に配布されたりすることがある。
この種のプレゼン用の資料は、通常、プレゼンソフト(プレゼンテーションソフトウェア)を用いて作成される。
【0003】
このようなプレゼンソフトで作成されるプレゼン資料(プレゼンデータ)は、発表内容等に応じて作成者が独自に作成するのが一般的であるが、例えば類似のテーマに関するプレゼン資料であれば、重複した内容が含まれることがあったり、過去のプレゼン資料を流用・改変することで対応が可能であったりすることも少なくない。
また、既に作成されたプレゼン資料を他者も利用・活用することができれば、資料の作成作業に係る時間や負担を軽減することができ、効率的にプレゼンを含む業務を遂行することが可能となる。
【0004】
ここで、この種のプレゼン資料の作成を支援するための技術としては、例えば特許文献1に提案されているシステムがある。
この特許文献1に開示されているシステムは、サーバコンピュータを介して資料データの提供者と利用者とを仲介することにより、提供者から提供されたプレゼン資料のタイトル一覧文書を、利用者のリクエストに応じて送信できるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-334231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は改善の余地があった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、各ユーザが自ら使用するプレゼンテーションソフトウェア上で、利用可能なプレゼンテーションデータを検索し、所望のデータをそのまま取り込んで使用することができる、利便性の高いプレゼンテーションデータ作成支援システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のプレゼンテーションデータ作成支援システムは、ユーザ装置で使用されるプレゼンテーションソフトウェアを支援するためのシステムであって、当該システムを構成する情報処理装置が、前記プレゼンテーションソフトウェアで出力可能なプレゼンテーションデータと、当該プレゼンテーションデータを特定するための所定の付加情報を記憶した記憶手段と、前記ユーザ装置で表示される前記プレゼンテーションソフトウェア中に、前記記憶手段に記憶された前記プレゼンテーションデータを検索可能な所定の検索画面を表示させる検索画面作成手段と、前記ユーザ装置の入力操作に応じて入力された検索情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記プレゼンテーションデータを検索する検索手段と、前記検索手段で抽出された前記プレゼンテーションデータに対応する前記付加情報を、前記ユーザ装置で表示される前記プレゼンテーションソフトウェア中に検索結果情報として選択可能に表示させる検索結果作成手段と、前記ユーザ装置の入力操作に応じて、前記検索結果情報から選択された前記付加情報を受信すると、当該付加情報に対応するプレゼンテーションデータを、当該ユーザ装置に送信するプレゼンテーションデータ送信手段と、を備え、検索結果作成手段は、前記所定の付加情報として、抽出された前記プレゼンテーションデータごとに、当該プレゼンテーションデータの利用可否を示す所定の利用可否情報を表示させる構成としてある。
【0009】
また、本発明は、上記のような本発明に係るプレゼンテーションデータ作成支援システムを構成する情報処理装置で実行されるプレゼンテーションデータ作成支援プログラムとして構成することができる。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係るプレゼンテーションデータ作成支援システム及びプログラムによって実施可能なプレゼンテーションデータ作成支援方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各ユーザが自ら使用するプレゼンテーションソフトウェア上で、利用可能なプレゼンテーションデータを検索し、所望のデータをそのまま取り込んで使用することが可能となる。
これによって、過去に作成されたプレゼンテーションデータを効率的に参照したり再利用利することができ、便性の高いプレゼンテーションデータ作成支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るプレゼンデータ作成支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ装置及びユーザ装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るサーバ装置に設定されるプレゼンデータの付加情報の一例を示すテーブルである。
図4】本発明の一実施形態に係るプレゼンデータ作成支援システムにおける処理動作の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係るユーザ装置側で表示されるプレゼンソフトの表示画面の一例であり、ユーザが所望の検索キーワードを入力した場合を示している。
図6】本発明の一実施形態に係るユーザ装置側で表示されるプレゼンソフトの表示画面の一例であり、ユーザが作成中のプレゼンデータのテキストデータ全体がサーバ装置に送信され、サーバ装置側で重要語抽出処理がされて検索が実行される場合を示している。
図7】本発明の一実施形態に係るユーザ装置側で表示されるプレゼンソフトの表示画面の一例であり、ユーザが作成中のプレゼンデータのテキストデータから順次検索キーワードが自動入力される場合を示している。
図8】本発明の一実施形態に係るユーザ装置側で表示されるプレゼンソフトの表示画面の一例であり、ユーザが作成中のプレゼンデータのテキストデータから特定の検索キーワードが抽出されて自動入力される場合を示している。
図9】本発明の一実施形態に係るユーザ装置側で表示されるプレゼンソフトの表示画面の一例であり、検索キーワードに基づいて抽出されたプレゼンデータのサムネイル画像を拡大表示させた場合を示している。
図10】プレゼンデータ作成支援システムにおけるサーバ装置又はユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るプレゼンテーションデータ作成支援システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明のプレゼンテーションデータ作成支援システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0013】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。また、本発明に係るプレゼンテーションデータ作成支援システムを構成するサーバ装置は、単一の情報処理装置(例えば1台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0014】
[システム構成]
図1に、本発明の一実施形態に係るプレゼンテーションデータ作成支援システムの全体構成を示す。
同図に示す本発明の一実施形態に係るプレゼンデータ作成支援システム1は、プレゼンデータ作成支援サーバ装置10(以下「サーバ装置10」ともいう)と、サーバ装置10の記憶手段となるプレゼンデータ作成支援データベース11(以下「DB11」ともいう)とで構成されている。なお、サーバ装置10とDB11は、図1では別々の構成として表しているが、サーバ装置10及びDB11は、記憶手段を備えた単一の情報処理装置として構成することも勿論可能である。
そして、これらサーバ装置10及びDB11を備えたプレゼンデータ作成支援システム1には、LANやインターネット等のネットワークを介して、一又は二以上のユーザ装置20(20a,20b・・・20n、以下単にユーザ装置20とする)が通信可能に接続されるようになっている。
【0015】
[サーバ装置10]
プレゼンデータ作成支援サーバ装置10は、ユーザ装置20で使用されるプレゼンテーションソフトウェアを支援するための本システム1を構成する情報処理装置である。
具体的には、サーバ装置10は、例えば1又は2以上のサーバコンピュータや、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等の情報処理装置によって構成することができる。
このサーバ装置10には、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
【0016】
そして、サーバ装置10には、例えばWebサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアとして実装されるプレゼンデータ作成支援API12が備えられている。
このプレゼンデータ作成支援API12は、1又は2以上のユーザ装置20に対して、イントラネットやインターネット等のネットワークを介して、API(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを公開、提供する。
これにより、各ユーザ装置20では、本システム1のプレゼンデータ作成支援を受けるためのアプリケーションプログラムであるプレゼンテーションソフトウェア21(21a,21b・・・21n、以下単に「プレゼンソフト21」とする)を使用して、プレゼンデータの作成や、DB11に格納されているプレゼンデータの検索や表示,取り込みなどを実行するこができるようになる。
【0017】
ここで、プレゼンソフト(プレゼンテーションソフトウェア)とは、スライド形式で情報を表示するためのソフトウェア(アプリケーション)で、文字情報を編集・配置する機能や、画像情報を編集・配置する機能、スライドショーを含む内容表示機能などを備えるものであり、例えば、Microsoft社の「PowerPoint(ppt)」(登録商標)などが知られている。
この種のプレゼンソフトは、任意の情報をスライド形式のファイル情報として生成・出力することができ、また、複数のスライド形式の情報を一覧形式にして出力することができ、必要な情報を、見やすく・分かりやすく・使いやすくまとめることができることから、打合せや会議、講演、授業、説明会などの参照資料として広く活用されている。
本実施形態に係るプレゼンソフトは、ユーザ装置20を構成する情報処理装置で使用可能な既存のソフトウェアであればどのようなソフトウェアであっても適用できるものであり、特定のプレゼンソフトに限定さるものではない。
【0018】
[データベース11]
サーバ装置10には、データベース等として実装されるプレゼンデータ作成支援データベース(DB)11が備えられている。
DB11は、上述したプレゼンデータ作成支援API12の実装・運用に必要となる所定の情報が格納され、プレゼンデータ作成支援API12の実行に伴って随時必要な情報が読み出され、記憶・更新されるようになっている。
そして、DB11は、ユーザ装置20側のプレゼンソフト21で出力可能なプレゼンテーションデータと、当該プレゼンテーションデータを特定するための所定の付加情報が記録されており、本発明の記憶手段として機能する。
【0019】
[元データの格納]
具体的には、DB11には、まず、ユーザ装置20のプレゼンソフト21において利用可能となるプレゼンテーションデータ自体(元データ)が記憶されている。
このプレゼンデータ(元データ)は、上述したユーザ装置20のプレゼンソフト21で読み込み・表示・加工等が可能なデータであって、例えば本システム1を利用する組織(企業・団体・学校等)において共用・共有が認められている過去に作成されたプレゼンデータなどである。
このようなプレゼンデータのDB11への取り込みは、例えば当該プレゼンデータを作成した作成者や、共用が認められたプレゼンデータを管理する担当者などが、サーバ装置10への入力操作を行うことで、DB11へのプレゼンデータの記憶・更新を行うことができる。
【0020】
また、本実施形態では、DB11に記憶されるプレゼンデータは、ファイル単位で記憶されるだけでなく、プレゼンデータを構成するスライド単位(ページ単位)に分割(スライス)して記憶することができる。このようにスライド単位でプレゼンデータを記憶・登録することにより、後述するサーバ装置10の検索手段14によって、プレゼンデータをスライド単位で検索することができ、また、検索結果をスライド単位でサムネイル画像によって表示することができ、利便性の高い検索やスライド単位でのデータ利用などができるようになる。
なお、プレゼンデータのスライド単位での分割は、例えばサーバ装置10を構成する情報処理装置において、対象となるプレゼンデータを特定のフォルダに格納して、マクロによってプレゼンデータをスライド単位にスライスすることができる。
【0021】
[付加情報の生成・記憶]
また、DB11には、上述したプレゼンデータの元データとともに、各元データに対応する当該プレゼンデータを特定するための所定の付加情報が記憶されるようになっている。
このような付加情報が記憶されることにより、後述するサーバ装置10の検索手段14による検索が高精度に行えるようになるとともに、検索結果を示すスライド単位のサムネイル画像として出力・表示させることができる。
このような付加情報としては、図3に示すように、例えば元データであるプレゼンデータの作成日時・作成者・プロジェクトなどを特定する所定の情報が含まれる。
なお、図3に示す情報は、付加情報の一例であり、これ以外の情報を付加情報として生成・使用できることは勿論である。
【0022】
ここで、このよう付加情報の生成は、例えばOSS(オープンソースソフトウェア)で提供されているテキスト解析プログラム(例えば「Elasticsearch」(登録商標)等)を用いることにより、元データとなるプレゼンデータをインデックス化することにより、図3に示すような付加情報を生成することができる。
また、付加情報として、元データのスライド単位のサムネイル画像が生成・記憶される。
なお、上記のような付加情報の生成・記憶は、元データの作成者や管理者が、サーバ装置10の入力手段を介した入力操作(マニュアル操作)によって手作業で行うことも勿論可能である。
【0023】
[サーバ装置10の機能]
そして、以上のようなDB11を含むサーバ装置10に実装されるプレゼンデータ作成支援API12は、図2に示すように、検索画面作成手段13,検索手段14,検索結果作成手段15,プレゼンデータ送信手段16の各手段として機能するように構成されている。
検索画面作成手段13は、ユーザ装置20で表示・実行されるプレゼンソフト21中に、DB11に記憶されているプレゼンデータを検索可能な所定の検索画面を表示させる手段である。
具体的には、検索画面作成手段13は、ユーザ装置20におけるマウスやキーボード等を介した入力操作に応じて、検索キーワードを示すテキスト情報を入力可能な検索画面を生成して表示させるようになっている(後述する図5~8参照)。
【0024】
ここで、検索画面への検索情報の入力は、ユーザ装置20を操作するユーザが所望の件枠キーワードを示すテキスト情報をキーボード等から手作業で入力することができ(図5参照)、また、検索情報としては、画像データを検索画面に入力(コピー&ペースト)することで、イメージ検索を実行させることもできる。
また、検索情報の入力は、検索画面作成手段13によって自動で行わせることもできる。
【0025】
例えば、ユーザ装置20のプレゼンソフト21において作成中のプレゼンデータに含まれるテキストデータ全体を検索情報としてサーバ装置10に送信させ、サーバ装置10側で重要語抽出処理を行い、抽出された重要語に基づく検索を自動実行させることができる(図6参照)。この場合には、テキストデータの全体が検索情報として入力・送信されるため、検索画面としては、検索キーワードを入力する検索ボックスは必要なく、図6に示すように、単に検索を実行させる(テキストデータ全体をサーバ装置10側に送信させる)ための「検索」ボタンのみを生成・表示させれば良い。
また、例えば、ユーザ装置20のプレゼンソフト21において作成中のプレゼンデータに含まれるテキストデータの中から、重要語(重要キーワード)を抽出して検索画面に自動入力させることもできる(図7図8参照)。そして、自動入力された検索情報に基づいて、所定のタイミングで検索を自動的に開始させ、また、ユーザの検索開始の入力操作に応じて検索を開始させることができる。
また、重要キーワードの自動抽出の対象となる範囲は、例えばプレゼンソフト21で作成中のプレゼンデータの全範囲とすることもでき、また、ユーザが指定した文字列や特定の範囲(プレゼンデータのオブジェクト単位)とすることもできる。
【0026】
なお、プレゼンデータに含まれる重要キーワード(重要語)の自動抽出は、例えばOSS(オープンソースソフトウェア)で提供されている形態素解析プログラムや重要単語解析プログラムや(例えば「TF/IDF」プログラム等)を用いることにより、重要キーワード等を自動抽出することができる。
また、検索情報として画像データを用いたイメージ検索は、例えばユーザ装置20のユーザが作成した画像データや、検索結果として出てきたプレゼンデータに含まれる画像データを検索情報として使用・入力することにより、それらの画像データに類似する画像を含むプレゼンデータをスライド単位で検索・抽出することができるものである。
【0027】
検索手段14は、以上のようなユーザ装置20の入力操作に応じて検索情報が入力されると、その検索情報に基づいて、DB11に記憶されているプレゼンデータを検索する手段である。
具体的には、検索手段14は、DB11のプレゼンデータ中に、検査情報として入力・送信されたテキストデータや画像データが含まれる一又は二以上のプレゼンデータを検索し抽出する。例えば、検索画面作成手段13によって、ユーザ装置20のプレゼンソフト21において作成中のプレゼンデータに含まれるテキストデータ全体が検索情報としてユーザ装置20からサーバ装置10に送信されると、検索手段14は、ユーザ装置20から送信されたテキストデータの全体から重要語を抽出して、抽出された重要語に基づいて検索を実行することができる。
この場合に、検索手段14は、上述のとおりDB11においてスライド単位で格納されているプレゼンデータを検索するので、検索情報に基づく検索も、プレゼンデータに含まれるスライド単位で実行されることになる。その結果、検索手段14による検索結果も、プレゼンデータのスライド単位で出力・表示されるようになる。
【0028】
検索結果作成手段15は、検索手段14で抽出されたプレゼンデータに対応する付加情報をDB11から抽出し、その付加情報を、ユーザ装置20で表示されているプレゼンソフト21中に検索結果情報として選択可能に表示させる手段である。
具体的には、検索結果作成手段15は、検索結果情報となる付加情報として、検索手段14で抽出されたプレゼンデータを示す一又は二以上の縮小画像(サムネイル画像)を生成して表示させる(後述する図5~8参照)。
また、サムネイル画像とともに、当該プレゼンデータについての関連情報、例えば作成者を示す情報,再利用の可否を示す情報なども、検索結果を示す付加情報として生成して表示させることができる。
このように検索結果として付加情報を表示させることで、データ容量の大きいプレゼンデータの元データを直ちに表示・送信させることなく、付加情報の中から選択された必要なプレゼンデータのみをユーザ装置20に送信することができ、通信負荷を低減させることができる。
【0029】
プレゼンテーションデータ送信手段16は、ユーザ装置20の入力操作に応じて、検索結果作成手段15によって出力・表示された検索結果情報から選択された付加情報を受信すると、当該付加情報に対応するプレゼンデータを、該当するユーザ装置20に送信する手段である。
具体的には、プレゼンテーションデータ送信手段16は、選択された付加情報に対応するプレゼンデータの元データをDB11から抽出して、ユーザ装置20で表示されているプレゼンソフト21中に、使用可能に表示させる(図9参照)。
これによって、ユーザ装置20を操作するユーザは、プレゼンテーションデータ送信手段16によって送信されたプレゼンデータ(元データ)を使用して、自ら作成しているプレゼンデータの改良・改変・ブラッシュアップ等を行うことができる。
【0030】
以上のような本実施形態に係るサーバ装置10のプレゼンデータ作成支援API12で実現される各手段の具体的な機能・動作については、フローチャートとユーザ装置20に出力・表示される表示画面例を参照しつつ後述する(図4~8参照)。
【0031】
[ユーザ装置20]
ユーザ装置20は、本実施形態に係るプレゼンデータ作成支援システム1を利用するユーザ(社員・スタッフ・顧客等)が操作可能な情報処理装置であり、例えばユーザ側のオフィス等に設置されるPCや専用端末装置,タブレット,スマートフォン,携帯端末などで構成される。
そして、そのようなユーザ装置20が、プレゼンデータ作成支援サーバ装置10とデータ通信可能に接続され、そのユーザ装置20においてプレゼンソフト21が実装・運用されるようになっている。
【0032】
図2に示す例では、複数のユーザ装置20a,20b・・・20nにおいて、それぞれ、プレゼンソフト21a,21b・・・21nが使用できるようになっている。
そして、各ユーザ装置20では、それぞれプレゼンソフト21を介して、サーバ装置10のプレゼンデータ作成支援API12から提供される機能を使用・実行できるようになっている。
これにより、各ユーザがユーザ装置20を操作して、プレゼンソフト21を起動・実行させることで、プレゼンソフト21を介してサーバ装置10のプレゼンデータ作成支援API12を呼び出すことができ、本発明に係るプレゼンデータ作成支援システム1で提供される機能・サービスを実行・利用することができる。
【0033】
但し、このような本実施形態の構成に限られず、例えば、サーバ装置10とユーザ装置20との間で、単純なサーバ・クライアントモデルを構築して実装することもできる。
また、ユーザが自身で所有するPC等の情報処理端末にプレゼンデータ作成支援API12に相当するアプリケーションを導入することも可能である。この場合には、ユーザ装置20自体がプレゼンデータ作成支援サーバ装置10を構成することになる。
また、例えばプレゼンソフト21をユーザ装置20とは別の情報処理装置に導入し、ユーザ装置20からその別の情報処理装置にアクセスして、当該別の情報処理装置に実装されているプレゼンソフト21からサーバ装置10にアクセスすることもできる。この場合には、ユーザ装置20は、単なるビューア(ブラウザ)として機能することになり、プレゼンソフト21を直接実装する必要がなく、例えばユーザ装置20が携帯端末(スマートフォン等)のようにハードウェア資源やスペックが限定されたものである場合などに適している。
【0034】
[動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るプレゼンデータ作成支援システム1の具体的な動作(プレゼンデータ作成支援方法)について、図4のフローチャートと図5~8の表示画面例を参照しつつ説明する。
以下に示す動作は、ユーザ装置20からプレゼンソフト21を介してアクセスされる、上述したサーバ装置10のプレゼンデータ作成支援API12(検索画面作成手段13,検索手段14,検索結果作成手段15,プレゼンデータ送信手段16)及びDW11によって実行・運用される。
【0035】
まず、ユーザは、ユーザ装置20を操作して、プレゼンソフト21を起動する。
ここで、起動されたプレゼンソフト21において、本システム1の検索機能を使用する場合には、ユーザは、例えば自己に割り当てられたユーザIDやパスワードを入力することにより、本システム1の機能を利用可能なプレゼンソフト21を起動・ログインすることができる。このように、ユーザID等に基づくログイン処理を行わせることで、本システム1の運用者側において、どのユーザが本システム1の検索機能や再利用機能を使用しているか(例えば誰が検索を行い誰がどの資料を挿入しているか等)を把握・管理できるようにすることができる。
そして、起動されたプレゼンソフト21を介して、サーバ装置10のプレゼンデータ作成支援API12が呼び出され、以下のようにして本発明に係るプレゼンデータ作成支援システム1で提供される機能・サービスを利用することができる。
【0036】
プレゼンソフト21が起動しているユーザ装置20では、検索画面作成手段13の制御により、ユーザ装置20で表示・実行されるプレゼンソフト21中に所定の検索画面(再利用ウィンドウ)が表示される(ステップ1)。
本実施形態では、検索画面となる「再利用ウィンドウ」は、図5~8に示すように、プレゼンソフト21の表示画面中の右側において、検索情報となるキーワードや画像を入力可能な検索ボックスと、検索実行キー、検索結果を表示する表示エリアなどを備えて構成されるようになっている。
【0037】
このような「再利用ウィンドウ」が表示されることにより、ユーザは、ユーザ装置20のマウスやキーボード等を操作することにより、検索ボックスに所望の検索キーワードや画像を入力することができる(ステップ2)。
ここで、検索ボックスへの検索キーワードの入力は、ユーザ装置20を操作するユーザがキーボード等から手入力で行うことがで(図5参照)、
また、ユーザ装置20のプレゼンソフト21において作成中のプレゼンデータに含まれるテキストデータ全体を検索キーワード(検索情報)としてユーザ装置20からサーバ装置10に送信させ、ユーザ装置20から送信されたテキストデータの全体から重要キーワードを抽出して、抽出された重要語に基づいて検索を実行させることもできる(図6参照)。この場合には、検索ボックスへの検索キーワードの入力は不要であり、検索ボックス自体も不要とすることができる。
あるいは、プレゼンソフト21において作成中のプレゼンデータに含まれるテキストデータの中から、プレゼンソフト21側において重要キーワードが自動で抽出されて検索画面に自動入力されるようにすることもできる(図7図8参照)。
そして、所定の検索キーワードが入力されて検索実行キーが操作されることで、サーバ装置10の検索手段14において検索処理が実行される(ステップ3)
【0038】
検索手段14は、ユーザ装置20から入力・送信された検索情報に基づいて、DB11に記憶されているプレゼンデータをスライド単位で検索し、プレゼンデータ中に、検査情報として入力されたテキストデータや画像データが含まれる一又は二以上のプレゼンデータを抽出する。
検索が終了すると、検索結果作成手段15が、検索手段14で抽出されたプレゼンデータに対応する付加情報をDB11からスライド単位で抽出し(スライド情報)、その付加情報をユーザ装置20に送信する(ステップ4)。
送信された付加情報は、図5~8に示すように、ユーザ装置20で表示されているプレゼンソフト21の「再利用ウィンドウ」の検索結果表示エリアに、抽出されたプレゼンデータを示す一又は二以上のサムネイル画像として表示される(ステップ5)。
【0039】
検索結果として表示されたプレゼンデータを示すサムネイル画像は、ユーザ装置20の入力操作に応じて選択・押下されることにより、図9に示すように現在作成中のプレゼンデータ上に拡大表示させることができる。
そして、複数のサムネイル画像の中から、ユーザ装置20の入力操作に応じて選択された、送信・利用を希望する元データの取り込みを求める操作(挿入リクエストキーの押下等)が行われると、当該リクエストがサーバ装置10に送信され(ステップ6)、サーバ装置10では、受信されたリクエストに係る付加情報にプレゼンデータの元データが抽出され、プレゼンテーションデータ送信手段16によって、当該元データがユーザ装置20に送信される(ステップ7)。
【0040】
ユーザ装置20に送信されたプレゼンデータは、ユーザ装置20で表示されているプレゼンソフト21中において、プレゼンデータの作成領域などに使用可能な状態でそのまま挿入・表示される(ステップ8)。
これにより、ユーザ装置20では、再利用したいプレゼンデータの元データを使用することができ、自ら作成しているプレゼンデータのベースや改良・改変等に使用できるようになる。
【0041】
なお、以上のような本実施形態に係る本システム1を構成するプレゼンデータ作成支援サーバ装置10やユーザ端末20のハードウェア構成の一例は図10に示すとおりであり、CPU101,RAM102,ROM103,HDD104,入力装置105及び表示装置106を含む情報処理装置によって構成される。これらの構成要素はシステムバスで接続され、システムバスを介してデータのやり取りが行われる。CPU(Central Processing Unit)101は、中央処理装置ともいい、コンピュータの中心的な処理を行う部位であり、各装置の制御やデータの計算/加工を行う。RAM(Random Access Memory)102は、メモリ装置の一種で、データの消去・書き換えが可能なものであり、ROM(Read Only Memory)103は、半導体などを用いたメモリ装置の一種で、データ書き込みは製造時1回のみで、利用時には記録されたデータの読み出しのみできるものである。HDD(Hard Disk Drive)104は、磁性体の性質を利用し、情報を記録し読み出す補助記憶装置である。入力装置105は、ユーザがコンピュータに対して操作指示を行うため、あるいは、文字等を入力するために使用され、具体的には、キーボード,マウス等で構成される。表示装置106は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、タッチパネル機能を有するものであってもよい。この他、図示しない通信機能も有し、この通信機能により他の端末との通信が可能となる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る本システム1によれば、ユーザ装置20において使用されているプレゼンソフト21上において、サーバ装置10(DB11)にアクセスして再利用可能な一又は二以上のプレゼンデータを検索して、所望のプレゼンデータの元ータを取り込んで使用することができる。
これによって、例えば同一組織内等において過去に作成・使用されたプレゼンデータを効率的に参照・再利用等することができ、プレゼンデータの資源を有効に活用して、業務効率を向上させ、質の高いプレゼンデータを効率的に作成することができるようになる。
これに対して、例えば上述した特許文献1に開示されているようなシステムでは、単に利用可能なプレゼン資料のタイトル一覧文書が利用者側に送信・表示されるだけのものであり、上記のような本システム1における顕著な作用効果を奏することは不可能である。
【0043】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明に係るプレゼンデータ作成支援システムでは、以下のような機能を備えることもできる。
(1)ユーザ装置で検索可能なプレゼンデータには、利用権限を付与することができ、例えば「閲覧のみ可能」,「使用(スライドイン)可能」などをプレゼンデータごとに設定することができる。
(2)ユーザ装置において、本発明の検索機能等を使用しつつ作成(作成中・作成完了・改変等)されたプレゼンデータは、自動又は手動でサーバ装置側に吸い上げることにより、再利用プレゼンデータとして登録させることができる。
(3)再利用対象となるプレゼンデータには、作成者のクレジットを表記させることができる。
(4)再利用された件数や比率などに基づいて、再利用プレゼンデータの人気ランキングを生成することができ、人気ランキングに基づいたプレゼンデータの検索・表示等が行えるようにすることができる。
(5)再利用プレゼンデータに対して、ユーザ側からの評価を付加情報として付加することができ、例えば「いいねボタン」を設けて、ユーザの入力操作に応じて、プレゼンデータ別や作成者別の「いいねランキング」を生成・表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、例えば会議や打ち合わせ,説明会,講演会などにおいてプレゼンテーション用の資料となるプレゼンテーションデータの作成を支援するシステム等に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 プレゼンテーションデータ作成支援システム
10 プレゼンテーションデータ作成支援サーバ装置
11 プレゼンテーションデータ作成支援データベース
12 プレゼンテーションデータ作成支援API
13 検索画面作成手段
14 検索手段
15 検索結果作成手段
16 プレゼンテーションデータ送信手段
20 ユーザ装置
21 プレゼンテーションソフトウェア
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9
図10