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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】導体ストレインリリーフ付き外科用装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019234838
(22)【出願日】2019-12-25
(62)【分割の表示】P 2017543779の分割
【原出願日】2016-02-25
(65)【公開番号】P2020058840
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2019-12-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】62/121,049
(32)【優先日】2015-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/043,727
(32)【優先日】2016-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケネス カッポラ
(72)【発明者】
【氏名】アーニー アラーニ
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】安井 寿儀
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-543393(JP,A)
【文献】米国特許第5598494(US,A)
【文献】特開2008-212638(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2839786(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用装置であって、
近位部と遠位部とを有する細長本体と、
前記細長本体の前記近位部内に配置された第1のコネクタと、
前記細長本体の前記遠位部上に支持されたツール組立体であって、前記ツール組立体は、第1の関節運動位置と非関節運動位置との間で前記細長本体に対して関節運動可能である、ツール組立体と、
前記ツール組立体内に配置された第2のコネクタと、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを電気的に結合する導体であって、前記導体は、ストレインリリーフ部を有し、前記ストレインリリーフ部は、前記導体の起伏のある部分であり、前記ストレインリリーフ部は、前記ツール組立体が第1の関節運動位置にあるときに前記導体が第1の有効な長さを有することを可能にし、前記ツール組立体が前記非関節運動位置にあるときに前記導体が第2の有効な長さを有することを可能にし、前記第1の有効な長さは、前記第2の有効な長さよりも長い、導体と
を備え、
前記起伏のある部分は、複数の折り目を含む波状に折り畳まれた構造であり、前記起伏のある部分は、近位部と遠位部とを有し、
前記起伏のある部分は、前記複数の折り目の各々において高さを有し、前記複数の折り目の各々における前記高さは、前記起伏のある部分の前記近位部から前記起伏のある部分の前記遠位部への方向に対して垂直な方向に測定され、前記複数の折り目の各々における前記高さは、前記起伏のある部分の前記近位部から前記起伏のある部分の前記遠位部まで減少する、外科用装置。
【請求項2】
前記起伏のある部分の前記複数の折り目は、前記起伏のある部分の前記近位部から前記起伏のある部分の前記遠位部への方向に沿って、互いに対して等しく離間されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項3】
前記細長本体は、前記導体を受容するためのチャネルを画定する、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項4】
前記細長本体は、前記導体を受容するためのチャネルを画定し、前記チャネルは、前記導体の前記ストレインリリーフ部を受容するための中央部を含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項5】
前記外科用装置は、動力付きハンドル組立体をさらに含み、前記導体は、前記第2のコネクタを前記動力付きハンドル組立体に電気的に結合する、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項6】
前記ツール組立体は、ステープリング組立体を含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項7】
前記ステープリング組立体は、取り外し可能なカートリッジ組立体を含む、請求項に記載の外科用装置。
【請求項8】
前記導体は、可撓ケーブルを含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項9】
前記可撓ケーブルは、近位部と遠位部とを含み、前記可撓ケーブルの前記近位部は、前記細長本体に軸方向に添着されている、請求項に記載の外科用装置。
【請求項10】
前記導体は、接着剤を用いて前記細長本体に添着されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項11】
前記ストレインリリーフ部は、前記導体の伸長を可能にするように構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項12】
前記ストレインリリーフ部は、前記導体の短縮を可能にするように構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項13】
前記細長本体および前記ツール組立体および前記導体は、動力付きハンドル組立体に解放可能に結合するように構成された装填ユニットとして形成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項14】
前記ツール組立体は、前記第1の関節運動位置とは反対の第2の関節運動位置まで関節運動可能である、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項15】
前記取り外し可能なカートリッジ組立体は、チップ組立体を有する、請求項に記載の外科用装置。
【請求項16】
前記ツール組立体は、コネクタ組立体を有し、前記細長本体は、接続組立体を有する、請求項15に記載の外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/121,049号の利益及び優先権を主張する。背景
【0002】
本開示は、関節運動ツール組立体を有する外科用装置に関する。より具体的には、本開示は、ツール組立体の関節運動中に、外科用装置の本体とツール組立体との間の電気接続におけるストレインを解放するためのストレインリリーフを含む外科用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
組織の手術用の外科用装置は、当技術分野ではよく知られており、通常、動力付きハンドル組立体と、ハンドル組立体から遠位に延在する本体部と、及び本体部の遠位端上に支持され、かつ本体部に対して関節運動可能であるツール組立体とを含む。ツール組立体は、非接近位置と接近位置との間で互いに関して移動可能である、第1及び第2のジョーを含む。外科用ステープリング装置では、第1のジョーが、アンビル組立体を支持し、第2のジョーが、カートリッジ組立体を支持する。カートリッジ組立体は、取り替え可能であり、外科的処置中にツール組立体の再使用を可能にし得る。取り替え可能なカートリッジ組立体は、様々な特性、すなわち、厚さ、密度を有する組織における使用に多様な構成で提供され得る。例えば、様々なカートリッジ組立体が、様々なサイズのステープルを有し得、かつ/またはステープルが、様々な構成で配置され得る。
【0004】
多くのカートリッジ組立体は、外科用ステープリング装置の本体部を貫通して延在する導体によってハンドル組立体に電気的に結合される識別チップを含み、取り付けられたカートリッジ組立体とともに動作するようにハンドル組立体がプログラムされるのを確実にする。装填ユニットの関節運動中、本体部を貫通してツール組立体まで延在する導体は、ストレインを受けることがある。関節運動中、ハンドル組立体をツール組立体に接続する導体への損傷を防止するには、ストレインリリーフ付き電気導体を提供することが有益であるだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、ストレインリリーフ付き電気導体を含む外科用装置が提供される。外科用装置は、近位端及び遠位端を有する本体部を含み、また近位端に支持された接続組立体を含む。外科用装置は、本体部の遠位端に支持され、かつ本体部に対して関節運動可能であるツール組立体をさらに含み、ツール組立体は、識別組立体を含む。加えて、外科用装置は、接続組立体から識別組立体まで延在する電気導体を含む。電気導体は、本体部に対するツール組立体の関節運動に適応するためのストレインリリーフ部を含む。
【0006】
実施形態において、ストレインリリーフ部は、複数のコイルを含む。複数のコイルの高さは、複数のコイルの近位部から複数のコイルの遠位部に減少してもよい。代替的に、複数のコイルの高さは、複数のコイルの近位部から遠位部まで均一である。複数のコイルは、互いに対して等しく離間し得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、本体部は、電気導体を受容するためのチャネルを画定する。チャネルは、電気導体のストレインリリーフ部を受容するための中央部を含み得る。外科用装置は、動力付きハンドル組立体を含み得、電気導体は、識別組立体をハンドル組立体に電気的に結合させる。ツール組立体は、ステープリング組立体を含み得る。ステープリング組立体は、取り外し可能なカートリッジ組立体を含み得る。電気導体は、可撓ケーブルを含み得る。可撓ケーブルは、近位部及び遠位部を含み得る。可撓ケーブルの近位部は、例えば、接着剤を使用して、本体部に軸方向に添着され得る。
【0008】
実施形態において、ストレインリリーフ部は、電気導体の伸長を可能にするように構成される。代替的に、または加えて、ストレインリリーフ部は、電気導体の短縮を可能にするように構成される。本体部、ツール組立体、及び電気導体は、動力付きハンドル組立体に解放可能に結合されるように構成される装填ユニットを形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の様々な実施形態が、以下の図面を参照して本明細書に説明される。
【0010】
図1】接近位置におけるツール組立体を含む、ここに開示された外科用ステープリング装置の実施形態の側面斜視図である。
図2図1に示された外科用ステープリング装置の使い捨て装填ユニットの側面斜視図である。
図3】部品が分解された状態での、図2に示された装填ユニットの側面斜視図である。
図4】部品が分解された状態での、図2に示された装填ユニットの取り付け組立体及び発射ロックアウト組立体の拡大側面斜視図である。
図5図2に示された指示細部領域の側面斜視図である。
図6図2に示された装填ユニットの近位端の拡大斜視図である。
図7】上部ハウジング半体が取り外された状態での、図2に示された装填ユニットの近位端の側面斜視図である。
図8】部品が分解された状態での、図2に示された装填ユニットの識別組立体の側面斜視図である。
図9図8に示された識別組立体の側面斜視図である。
図10】部品が分解された状態での、図8に示された識別組立体の接続組立体、及び図2に示された装填ユニットのジョー部材の近位端の斜視図である。
図11図10に示された接続組立体及びジョー部材の代替的な斜視図である。
図12図3に示された指示細部領域の拡大図である。
図13図2に示された装填ユニットのカートリッジ本体に固定された、図8に示された識別組立体のチップ組立体の側面斜視図である。
図14図13に示されたチップ組立体を含む、図2に示された装填ユニットのカートリッジ組立体の斜視端面図である。
図15図2に示された装填ユニットに装填される、図14に示されたカートリッジ組立体の側面斜視図である。
図16】アンビル組立体が取り外された状態での、図2に示された装填ユニットの上面斜視図である。
図17図16に示された指示細部領域の拡大図である。
図18】部品が分解された状態での、図2に示された装填ユニットのロック機構及び取り付け組立体の斜視図である。
図19図18に示されたロック機構のラッチ部材の拡大斜視図である。
図20図18に示されたロック機構及び取り付け組立体、ならびに図2に示された装填ユニットの駆動組立体の遠位端の底面斜視図である。
図21】第1の構成、すなわちロック解除された構成における、図20に示された駆動組立体の遠位端、及び図19に示されたラッチ部材の側面断面図である。
図22】第2の構成、すなわちロックされた構成における、図21に示された駆動組立体の遠位端及びラッチ部材の断側面図である。
図23図2に示された線23-23に沿ってとられた断側面図である。
図24図23に示された指示細部領域の拡大図である。
図25図18に示されたロック機構及び駆動組立体の側面斜視図である。
図26図25に示された線26-26に沿ってとられた側面断面図である。
図27】アンビルプレートが取り外された状態での、図2に示された装填ユニットのツール組立体の上面図である。
図28】第1の関節運動した位置における図27に示されたツール組立体の近位端の拡大図である。
図29図2に示された装填ユニットのカートリッジ組立体、及び本開示の実施形態によるシッピングウェッジの側面斜視図である。
図30図29に示されたシッピングウェッジの底面斜視図である
図31】可撓ケーブルを含む、本開示の別の実施形態による装填ユニットの側面斜視図である。
図32図31に示された、装填ユニットの可撓ケーブルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、同様の参照番号がいくつかの図のそれぞれにおいて同一または対応する要素を指し示す図面を参照して、ここに開示された外科用装置の実施形態が詳細に説明される。この発明を実施するための形態では、「proximal(近位の)」という用語は、一般に、装置の、臨床医により近い部分を指すのに使用される一方、「distal(遠位の)」という用語は、一般に、装置の、臨床医からより遠い部分を指すのに使用される。
【0012】
外科用装置のツール組立体が関節運動させられるに従って、本体部からツール組立体まで延在するいずれのケーブルも、ストレイン、すなわち、圧縮または引張を受ける。ツール組立体の関節運動中、1つ以上のケーブルが受けたストレインは、ケーブルに損傷を与えるか、またはケーブルを外れさせることがある。本開示の実施形態は、ツール組立体の関節運動中に1つ以上のケーブルが受けたストレインを解放するためのストレインリリーフを提供することに取り組む。
【0013】
図1は、ここに開示された、全体として外科用ステープラ10として示される外科用装置の実施形態を図示する。外科用ステープラとして図示されているが、装置には、鉗子、開創器、クリップアプライヤなどを含む、他のタイプのエンドエフェクタが含まれ得る。外科用ステープラ10は、動力付きハンドル組立体12、本体部14、及び装填ユニット100を含む。ハンドル組立体12及び本体部14は、装填ユニット100の動作をもたらすように構成される。ハンドル組立体12及び本体部14の構造及び機能の詳細説明については、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、共同所有される米国特許出願公開第2012/0253329号(‘329公開)を参照されたい。装填ユニット100は、外科用ステープラ10の本体部14に選択的に固定されるように示され説明されるが、装填ユニット100が本体部14の遠位端に直接支持され得ることが想定される。
【0014】
図1及び2を参照すると、装填ユニット100は、近位本体部102及びツール組立体104を含む。ツール組立体104を近位本体部102に枢動可能に固定するのに、取り付け組立体170が、ツール組立体104に固定され、また装填ユニット100の近位本体部102に枢動可能に結合される。装填ユニット100は、発射ロックアウト機構が変更され、動力付きハンドル組立体と協働するための構成要素、すなわち識別組立体及び可撓ケーブル、ならびにシッピングウェッジが加えられたことを除き、米国特許出願公開第2013/0098965号(‘965公開)に説明されているのとほぼ同じである。‘965公開は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。したがって、‘965公開に開示されているそれらに共通である装填ユニット100の構成要素は、本明細書では簡単な説明のみとなる。その一方、接続組立体190(図5~7)、識別組立体200(図8~17)、発射ロックアウト機構220(図19~28)、シッピングウェッジ300(図29及び30)、可撓ケーブル「R2」(図31及び32)、ならびにそれらの動作方法を含む、本明細書において新たに提示される構成要素は、本明細書において詳細に説明されることになる。
【0015】
図3を参照すると、装填ユニット100の近位本体部102は、外側スリーブ112内に含まれる上部ハウジング半体110a及び下部ハウジング半体110bを含む。上部ハウジング半体110aは、第1の結合部材114aの第1の端を受容するための凹部111aを画定し、下部ハウジング半体110bは、第2の結合部材114bの第1の端を受容するための凹部111bを画定する。外側スリーブ112が上部ハウジング半体110a及び下部ハウジング半体110bの周りに位置付けられると、第1の結合部材114aと第2の結合部材114bは、外側スリーブ112によって、それぞれの凹部111a、111b内に保持される。
【0016】
上部ハウジング半体110aの近位端は、バヨネットタイプの結合配置において、ステープリング装置10(図1)の本体部14(図1)の遠位端に解放可能に係合するための係合小隆起部116を含む。上部ハウジング半体110aと下部ハウジング半体110bはそれぞれ、以下にさらに詳細に説明されるような駆動組立体180の駆動部材182を摺動可能に受容するためのそれぞれのチャネル113a、113bを画定する。近位本体部102に関するツール組立体104の関節運動を容易にするのに、関節運動リンク118が、上部ハウジング110aと下部ハウジング110bとの間に摺動可能に位置付けられ、また外科用ステープラ10(図1)の関節運動機構(図示せず)に係合するように適合される。ツール組立体104の関節運動及び発射中に、駆動部材182の外向きの座屈及び/または膨出を防止するのに、一対の吹き出し板組立体120a、120bが、上部ハウジング半体110a及び下部ハウジング半体110bの遠位端に隣接して位置付けられる。
【0017】
チャネル117は、導体、例えば、電気リボンまたはケーブル「R1」または電線を受容するために上部ハウジング半体110aの長さに延在する。以下にさらに詳細に説明されるように、電気リボン「R1」は、装填ユニット100の近位本体部102の近位端に配置された接続組立体190を、装填ユニット100のツール組立体104内に配置された識別組立体200(図8)と電気的に結合させる。近位本体部102の構成要素のより詳細な説明は、それの内容の全体が、参照により本明細書に組み込まれる、共同所有される米国特許第7,143,924号(‘924特許)に提供されている。
【0018】
なお図3を参照すると、ツール組立体104は、非接近位置と接近位置との間で互いに関して移動可能であるアンビル組立体130及び取り替え可能なカートリッジ組立体150を含む。アンビル組立体130は、アンビル本体132と、アンビル本体132の下側に固定されるアンビルプレート134を含み、チャネル131(図24)を画定する。アンビル本体132の近位端は、取り付け組立体170の上部取り付け部172の円筒形枢動部材172aを受容するための穴133を画定するブラケット132aを含む。アンビルプレート134は、以下にさらに詳細に述べられるような駆動部材182の作業端184の一部を摺動可能に受容するように寸法設定される長手方向溝135を画定する。アンビルプレート134の組織接触面134aは、複数のステープル受容窪み(図示せず)を画定する。
【0019】
カートリッジ組立体150は、支持板152、カートリッジ本体154、複数のステープル「S」、及び作動スレッド162を含み、かつ以下にさらに説明されるステープル発射組立体160を含む。カートリッジ組立体150は、ジョー部材156に受容可能である。カートリッジ本体154及び支持板152は、参照により本明細書に組み込まれている‘965公開に説明されているようなスナップ嵌め接続によってジョー部材156に取り付けられる。他の接続形態が考えられ、スナップ嵌め接続の代わりに、またはそれに加えて使用され得る。
【0020】
チャネル部材156は、アンビル本体132に形成された開口部139、及びチャネル部材156に形成された開口部151を貫通して延在する枢動ピン138によってアンビル本体132に枢動可能に固定される。カートリッジ本体154は、長手方向溝153aと、アンビルプレート134の組織接触面134aにおけるステープル受容窪み(図示せず)と整合して位置付けられる、横方向に離間した複数のステープル保持溝153bとを画定する。作動スレッド162は、カートリッジ本体154中を移動させられるように構成される。カートリッジ本体154の長手方向溝153aは、作動スレッド162に形成された突出部162aを受容し、作動スレッド162をカートリッジ本体154に通させる。カートリッジ本体154は、作動スレッド162の突出部162aに形成された凹部163a(図14)に受容される長手方向溝153a内に延在する戻り止め154a(図14)を含み、カートリッジ組立体150の配送中、作動スレッド162を所定位置に固定する。各保持溝153bは、留め具、すなわちステープル「S」及びプッシャ164を受容する。作動スレッド162は、カートリッジ本体154を長手方向に通過してプッシャ164と係合し、続いて、カートリッジ本体154からステープル「S」を押し出すように、カートリッジ本体154内に位置付けられる。カートリッジ本体154は、組織(図示せず)が、ステープル保持溝153bの遠位に位置付けられるのを防止する一対の組織止め部材154b(図14)をさらに含む。支持板152を含むカートリッジ組立体150のより詳細な考察については、参照により本明細書に組み込まれている‘965公開を確認されたい。
【0021】
図3及び4を参照すると、取り付け組立体170は、上部取り付け部172及び下部取り付け部174、ならびに保持ブレード176を含む。示されるように、上部取り付け部172と下部取り付け部174は、上部取り付け部172から延在する支柱178に互いに固定される。上部取り付け部172及び下部取り付け部174のそれぞれは、それぞれ、枢動部材172a(図3)、174a(図4)を含む。上に説明されたように、上部取り付け部172をアンビル本体132に固定するのに、上部取り付け部172上の枢動部材172aが、アンビル本体132のブラケット132aの穴133(図3)内に受容される。近位本体部102の第1の結合部材114a(図3)は、枢動部材172aも受容する開口部115aを画定する第2の端を有する。下部取り付け部174上の枢動部材174aは、近位本体部102の第2の結合部材114b(図3)の開口部115bに受容される。アンビル本体132をジョー部材156に固定する枢動ピン138は、アンビル本体132に形成された開口部139、及びジョー部材156に形成された開口部151を貫通して延在し、下部取り付け部174に形成された開口部173に受容され、下部取り付け部174をジョー部材156(図3)に固定する。下部取り付け部174は、保持ブレード176を受容するための溝177を画定する。以下にさらに詳細に説明されるように、保持ブレード176は、湾曲した遠位接面176a(図4)及び一対の制限部材176b(図4)を含む。
【0022】
駆動組立体180は、本体を有する駆動部材182、及び作業端184を含む。作業端184は、上部フランジ186a、下部フランジ186b、上部フランジ186aと下部フランジ186bとを相互接続させる垂直突っ張り186c、及び垂直突っ張り186cに支持された、またはその中に形成されたナイフ187を含む。上部フランジ186aは、アンビル組立体130のチャネル131(図24)内に摺動可能に受容されるように位置付けられ、下部フランジ186bは、ジョー部材156の外側表面156a(図24)に沿って摺動可能に位置付けられるように位置付けられる。使用中、駆動部材182の遠位への移動は、最初、上部フランジ186aをアンビルプレート134に形成されたカム面134bに前進させ、下部フランジ186bを、ジョー部材156に形成されたカム面156bと係合するように前進させ、カートリッジ組立体150をアンビル組立体130に向かって、接近位置、すなわち閉位置に枢動させる。駆動部材182の継続的な前進は、作業端184がツール組立体104中を移動するのに従い、駆動組立体180の作業端184に隣接する、アンビル組立体130とカートリッジ組立体150との間の最小の組織間隙を漸進的に維持する。
【0023】
駆動部材182の本体の遠位端は、駆動部材182の作業端184を支持し、止め面184aを画定する。作動スレッド162(図3)は、作業端184の遠位の位置においてカートリッジ組立体150(図3)内に配置される。作業端184がその最近位位置にあり、ツール組立体104が開位置、すなわち非接近位置(図24)にあるとき、スレッド162及び作業端184は、それらの初期位置にある。スレッド162は、カートリッジ本体154のステープル保持溝153b内のプッシャ164に係合し、それを持ち上げるように位置付けられる、複数のカム面166aを含む。プッシャ164(図3)は、スレッド162がツール組立体104中を前進させられるときに、カートリッジ本体154からステープル「S」を押し出すように、カートリッジ組立体150内に位置付けられる。スレッド162の近位端は、より詳細に以下に説明される、開口部、すなわち溝163(図4)を画定する1つ以上のフィンガー166aを含む。
【0024】
ある実施形態において、駆動部材182の本体は、複数の積み重ねシート182a~dの材料、例えばステンレス鋼から形成される。ロック部材188(図3)が、装填ユニット100の近位端の周りに支持され、装填ユニット100がステープリング装置10(図1)に取り付けられるまで、駆動部材182の軸方向移動を防止する。装填ユニット100の上記で特定された構成要素のより詳細な考察は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている‘924特許に説明されている。
【0025】
図5~7を参照すると、接続組立体190が、上部ハウジング半体110aの近位端に支持され、装填ユニット100と外科用ステープラ10(図1)との間に電気接続をもたらす。接続組立体190は、コネクタハウジング192、接触部材194、及びリレー/スペーサ部材196を含む。接触部材194は、コネクタ192の凹部193内に受容される一対の接触部194aを含む。接触部194aは、外科用ステープラ10(図1)の細長本体14(図1)内に配置された接触部材(図示せず)の対応する接触部(図示せず)に係合するように位置付けられる。接触部材194は、接触部194a間に延在するコネクタ部194bを含む。上に説明されたように、導体、例えば、電気リボンまたはケーブル「R」または電線は、装填ユニット100の近位本体部102を貫通して、かつツール組立体104中に延在し、接続組立体190を識別組立体200(図8)と電気的に結合させる。
【0026】
外科用ステープラ10(図1)の細長本体14(図1)への装填ユニット100の取り付け中、接続組立体190の接触部材194の接触部194aは、外科用ステープラ10(図1)の細長本体14(図1)の遠位端内に支持されたコネクタ組立体(図示せず)の接触部(図示せず)に係合するように位置付けられる。外科用ステープラ10のコネクタ組立体の接触部材との接続組立体190の接触部材194aの係合は、装填ユニット100の識別組立体200(図8)を外科用ステープラ10(図1)のハンドル組立体12(図1)と接続させる。上に示されたように、装填ユニット100は、バイヨネット結合を用いて、または任意の他の好適な様態で、細長本体14に取り付けられ得る。
【0027】
ここで図8~17を参照すると、装填ユニット100の識別組立体200は、コネクタ組立体202及びチップ組立体212を含む。コネクタ組立体202は、コネクタハウジング204及びタブ204bを含む。コネクタハウジング204は、ツール組立体104のチャネル部材156における開口部157a(図10)内に受容されるフランジ部材204aを有する。タブ204bは、コネクタ組立体202をチャネル部材156に固定するように、チャネル部材156における溝157b(図10)内に受容される。コネクタハウジング204は、接続組立体190(図6)から延在する導体、例えば電気リボン「R」(図11)の遠位端を受容し、接続組立体190(図7)の接触部材194を第1及び第2の接触部材206a、206bと電気連通させる。実施形態において、コネクタハウジング204が、電気リボン「R1」を第1及び第2の接触部材206a、206bで固定するように、電気リボン「R1」の遠位端の周りに成形される。接触部材206a、206bは、コネクタハウジング204がジョー部材156に固定されると、コネクタハウジング204から遠位に延在する。
【0028】
チップ組立体212は、チップハウジング214及び識別チップ218を含む。突出部214aが、チップハウジング214から延在し、カートリッジ組立体150のカートリッジ本体154(図12)の近位端に形成された凹部155(図12)内に受容され、チップ組立体212をカートリッジ本体154に固定する。チップ組立体212は、チップハウジング214から延在し、かつ識別チップ218と連通する、第1及び第2の接触部材216a、216bをさらに含む。
【0029】
第1及び第2の接触部材216a、216bは、カートリッジ本体154がジョー部材156(図16)内に受容されると、コネクタ組立体202のそれぞれの第1及び第2の接触部材206a、206bに係合する。実施形態において、また示されるように、コネクタ組立体202の第1及び第2の接触部材206a、206b、ならびにチップ組立体212の第1及び第2の接触部材216a、216bは、第1の接触部材206a、216a間、また第2の接触部材206b、216b間のスナップ係合を可能にするように、それぞれのコネクタハウジング204、チップハウジング214に片持ち状に支持される。コネクタ組立体202の第1及び第2の接触部材206a、206b、ならびにチップ組立体212の第1及び第2の接触部材216a、216bは、実質的に球形の形状を含み、コネクタ組立体202とチップ組立体212との間の係合を容易にし得る。
【0030】
識別チップ218は、カートリッジ組立体150の仕様、例えば、カートリッジサイズ、ステープル配置、ステープル長、クランプアップ距離、製造日、型式番号、ロット番号、使用期限などを含む情報を格納し、情報の少なくともいくつかをハンドル組立体12(図1)に伝送する能力がある、任意の市販のチップを含み得る。一実施形態において、識別チップ218には、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read Only Momeory)チップが含まれる。このように、取り付けられたカートリッジ組立体150の構成は、例えば、ハンドル組立体12の発射ストロークの発射力及び/または長さが、特定のカートリッジ組立体150に適応するよう調整され得るように、ハンドル組立体12に中継され得る。EPROMの代わりに、識別チップ218が、読み取り/書き込みRAMなどの読み取り/書き込みメモリチップであり得、データが識別チップ218に書き込まれ得るようにすることが想定される。例えば、空のまたは部分的に発射された装填ユニット100の再使用を防止するために、または何か他の目的で、装填ユニットが完全にまたは部分的に発射されたことを識別する識別チップ218に使用情報が書き込まれ得る。
【0031】
特に図16~18を参照すると、チャネル部材156内へのカートリッジ組立体150の装填中、チップ組立体212の第1及び第2の接触部材216a、216bは、コネクタ組立体202の第1及び第2の接触部材206a、206bに係合する。チップ組立体212の第1及び第2の接触部材216a、216bが、コネクタ組立体202のそれぞれの第1及び第2の接触部材206a、206bと係合させられると、チップ組立体212の識別チップ218に格納された情報が、外科用ステープラ10の本体部14への装填ユニット100の接続時点で、ハンドル組立体12に中継され得る。上に説明されたように、識別組立体200は、装填ユニット100を貫通して延在する導体、例えば、電気リボンまたはケーブル「R1」(図7及び11)を介して、また装填ユニット100の近位端内に配置される接続組立体190(図6)によって、外科用ステープラ10(図1)に接続される。
【0032】
ここで、図18~28を参照して、発射ロックアウト組立体220が説明される。発射ロックアウト組立体220は、2014年3月31日出願の米国特許出願第14/230,516号(‘516出願)に説明されている発射ロックアウト組立体とほぼ同様であり、それら間の違いのみに関連して詳細に説明されることになる。したがって、‘516出願の内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
発射ロックアウト組立体220は、下部取り付け部174の遠位端に枢動可能に支持されるラッチ部材222を含む。ラッチ部材222は、近位ベース部材224及び2つの離間した遠位に延在する脚226を有する、U字形の本体(図19)を含む。示されるように、ベース部材224には、閉塞面を画定し、かつベース部材224に追加の支持をもたらすようにベース部材224に溶接または固定される、閉塞部材224aが備えられる。代替的に、ベース部材224の近位端が閉塞面を画定することができる。ラッチ部材222は、第1の位置(図21)から第2の位置(図22)に枢動可能である。図21に示された第1の位置では、ラッチ部材222の閉塞部材224aが、駆動部材182の止め面184aと整合され、ツール組立体104内への駆動部材182の前進を防止する。図22に示された第2の位置では、閉塞部材224aが、駆動部材182の止め面184aと不整合にされ、ツール組立体104内への駆動部材182の前進を可能にする。
【0034】
特に図18~20を参照すると、ラッチ部材222の脚226のそれぞれは、中央に位置する枢動部材228及び当接面230を有する。枢動部材228は、取り付け組立体170の下部取り付け部174のカギ状アーム174b(図20)に支持され、ラッチ部材222を下部取り付け部174に枢動可能に支持する。偏倚部材は、下部取り付け部174の遠位面に形成されたそれぞれのボア175a(図18)内に支持される一対のバネ232(図18)を含み、ラッチ部材222を第1の位置に向けて付勢する。各バネ232は、ラッチ部材222のそれぞれの当接面230に形成された小隆起部230aに係合するように位置付けられ、図24に見られるような反時計回り方向にラッチ部材222を偏倚させる。各脚226の遠位端は、スレッド162が退避位置にあり、ラッチ部材222が第1の位置にあり、またアンビル組立体130とカートリッジ組立体150とが接近位置にあるときに、スレッド162に画定された開口部163(図20)を貫通して延在するように位置付けられる、下向きに延在する突出部234を含む。
【0035】
一対のバネ236は、ジョー部材156の内部表面156b(図10)と、下部取り付け部174の底面に画定されたそれぞれのボア175b(図20)との間に位置付けられ、ツール組立体104を非接近位置(図2)に付勢する。ジョー部材156は、バネ236に係合するための一対の円柱体158(図10及び11)を含む。
【0036】
図23及び24を参照すると、駆動部材182が完全退避位置にあり、ツール組立体104が非接近位置、すなわち開位置にあるとき、駆動部材182の作業端184の上部フランジ186a、下部フランジ186bは、スレッド162の近位に、また、アンビルプレート134、チャネル部材156にそれぞれ形成された、カム面238a、238bの近位に離間する。ツール組立体104の非接近位置では、ラッチ部材222は、バネ232によって、反時計回り位置に向けて付勢される。下部取り付け部174は、ベース部材224または閉塞部材224aに係合するように位置付けられる表面240を含む。閉塞部材224aと、下部取り付け部174の表面240との間の係合は、ラッチ部材222のさらなる反時計回り回転を防止し、ラッチ部材222を第1の位置に保持する。図25に示されるように、閉塞部材224aは、発射ロックアウト組立体220がロックされた構成にあるとき、ラッチ部材222の遠位への移動を防止するように、下部取り付け部174のガセット174cに係合する。
【0037】
発射ロックアウト組立体220の動作は、‘516出願に詳細に説明されている。手短に言えば、装填ユニット100の発射中、発射ロックアウト組立体220のラッチ部材222は、下部取り付け部174の枢動部材174bの周りに枢動される。上に説明されたように、保持ブレード176は、下部取り付け部174における溝177内に受容される。図26に図示されるように、保持ブレード176の曲面176aは、ラッチ部材222の閉塞部材224aの円弧運動に適応し、装填ユニット100の発射中、ラッチ部材222の近位への移動を防止する。ラッチ部材222の近位への移動は、枢動部材228を下部取り付け部174のカギ状アーム174bから離脱させる可能性がある。装填ユニット100の発射中の下部取り付け部174からのラッチ部材222の離脱は、装填ユニット100の不発をもたらすことがあり、かつ/または発射ロックアウト組立体220が正しく機能するのを妨げることがある。
【0038】
装填ユニット100の発射の前に、ツール組立体104は、近位本体部102に対して関節運動させられ得る。ツール組立体104の関節運動中、保持ブレード176の制限部材176bは、装填ユニット100の近位本体部102から延在する第2の結合部材114bに係合し、近位本体部102に対するツール組立体104の関節運動を制限する。
【0039】
図29及び30を参照すると、カートリッジ組立体150のシッピングウェッジ300は、取り外しの前に、カートリッジ本体154のステープル保持溝153b内にステープル「S」(図3)を維持し、かつ装填ユニット100のツール組立体104の作動を防止するように構成される。シッピングウェッジ300は、細長本体の底面に沿って細長凹部303(図30)を画定する細長本体302を含む。フランジ304は、細長凹部303内から延在し、カートリッジ本体154(図29)の細長溝153a(図14)内にフランジ304を固定するための複数の突起部304を含む。細長本体302の近位端は、カートリッジ組立体150が、ツール組立体104のジョー部材156(図2)内に装填された時点で、またシッピングウェッジ300の取り外しの前に、アンビル組立体130(図2)へのカートリッジ組立体150(図2)の接近を防止するように構成された隆起部306(図29)を含む。細長本体302の遠位端は、臨床医によって把持されるように位置付けられ、構成される突出部308を含み、カートリッジ組立体150からのシッピングウェッジ300の離脱を容易にする。複数のタブ310が、カートリッジ組立体150のカートリッジ本体154に係合するために、細長本体302から延在し、シッピングウェッジ300をカートリッジ組立体150のカートリッジ本体154に解放可能に固定する。
【0040】
ここで図31及び32を参照すると、本開示の別の実施形態による装填ユニットが、全体として装填ユニット400として示される。装填ユニット400は、本明細書の上に説明された装填ユニット100とほぼ同様であり、それら間の違いのみに関して説明されることになる。
【0041】
装填ユニット400は、電気導体、すなわち、装填ユニット400の近位本体部402の近位端に配置された接続組立体190を、装填ユニット400のツール組立体404内に配置された識別組立体200(図8)と電気的に結合させるための可撓ケーブルまたは電気リボン「R2」を含む。可撓ケーブル「R2」は、複数のコイル「c」を含むストレインリリーフ部を含む。示されるように、可撓ケーブル「R2」は、可撓ケーブル「R2」の近位部から、可撓ケーブル「R2」の遠位部に高さが減少する7つのコイル「c」を含む。可撓ケーブル「R2」が、7つより多いまたは少ないコイル「c」を含み得、かつ/またはコイルの高さが、近位部から遠位部に増加し得ることが想定される。代替的に、コイル「c」の高さは、均一であっても、または無作為もしくは均一の様態で変わってもよい。コイル「c」間で均一の間隔を有するように示されているが、コイル「c」間の間隔がバラバラであり得ることが想定される。
【0042】
装填ユニット400の近位本体部402に対する装填ユニット400のツール組立体404の関節運動中、可撓ケーブル「R2」は、ストレインを受ける。可撓ケーブル「R2」が受けたストレインは、ツール組立体404が近位本体部402に対して関節運動するのに従って変化する、近位本体部402の接続組立体190と、ツール組立体404内に配置された識別組立体200との間の距離の結果である。具体的には、ツール組立体404が、図31において矢印「D」によって示されるような第1の方向に関節運動するのに従って、接続組立体190と識別組立体200との間の距離が増加し、ツール組立体304が、図31において矢印「E」によって示されるような第2の方向に関節運動するのに従って、接続組立体190と識別組立体200との間の距離が減少する。
【0043】
可撓ケーブル「R2」のコイル「c」は、可撓ケーブル「R2」が、可撓ケーブル「R2」上のストレインに反応して変形することによる、可変長を有することを可能にする。具体的には、図32において矢印「A」によって示されるような引張が可撓ケーブル「R2」の遠位端にかけられると、図32において矢印「a」によって示されるような各コイル「c」の撓み、及び/または互いに対するコイル「c」の外向きの撓みは、可撓ケーブル「R2」を伸長させ、それにより、可撓ケーブル「R2」上のストレインを解放する。図32において矢印「B」によって示されるような圧縮が可撓ケーブル「R2」にかけられると、矢印「b」によって示されるような各コイル「c」の内向きの撓み、及び/または、図32において矢印「b」によって示されるような、互いに対するコイル「R2」の内向きの撓みは、可撓ケーブル「R2」を短縮させ、それにより、可撓ケーブル「R2」上のストレインを解放する。
【0044】
装填ユニット400の近位本体部402は、上部ハウジング半体410a及び下部ハウジング半体410bを含む。チャネル417は、上部ハウジング半体410aの長さに延在し、可撓ケーブル「R2」を受容する。チャネル417は、可撓ケーブル「R2」の近位部及び遠位部を受容するための近位部417a及び遠位部417bと、可撓ケーブル「R2」のコイル「c」を受容し、かつ可撓ケーブル「R2」がストレインを受けているときにコイル「c」の撓みに適応するための中央部417cと、を含む。
【0045】
可撓ケーブル「R2」は、装填ユニット400の近位本体部402の長さに、かつ装填ユニット400のツール組立体404中に延在する。可撓ケーブル「R2」は、装填ユニット400の近位本体部402とともに配置された接続組立体190を、装填ユニット400のツール組立体404内に配置された識別組立体200(図8)と電気的に結合させる。可撓ケーブル「R2」は、可撓ケーブル「R2」の長手方向移動を可能にするように、チャネル417内に緩く受容され得る。一実施形態において、可撓ケーブル「R2」の近位端は、例えば、接着剤、オーバーモールディングを使用して、チャネル417の近位部417a内に軸方向に固着される。
【0046】
上に説明されたように、可撓ケーブル「R2」は、装填ユニット400の本体部402の近位端と装填ユニット400のツール組立体404との間に延在する。装填ユニット400の近位本体部402に対する装填ユニット400のツール組立体404の関節運動中、可撓ケーブル「R2」は、ストレイン、すなわち、引張または圧縮を受ける。具体的には、図31において矢印「D」によって示されるような第1の方向における、近位本体部402に対するツール組立体404の関節運動が、図32において矢印「A」によって示されるような引く力を可撓ケーブル「R2」の遠位端に生み出し、図31において矢印「E」によって示されるような第2の方向における、近位本体部402に対するツール組立体404の関節運動が、図32において矢印「B」によって示されるような押す力を可撓ケーブル「R2」の遠位端に生み出す。上に説明されたように、ツール組立体404の関節運動中に可撓ケーブル「R2」が受けたストレインに適応し、それにより、可撓ケーブル「R2」の破損及び/または座屈を防止するために、可撓ケーブル「R2」のコイル「c」は、個々に、また互いに対して撓むように構成される。コイル「c」が外向きに撓むのに従って、可撓ケーブル「R2」は伸び、コイル「c」が内向きに撓むのに従って、可撓ケーブル「R2」は縮む。非関節運動位置へのツール組立体404の戻りは、可撓ケーブル「R2」のコイル「c」を非ストレイン構成に戻らせる。
【0047】
装填ユニット400に組み込まれるとして示され、説明されたが、可撓ケーブル「R2」が、関節運動ツール組立体を有し、かつハンドル組立体への関節運動ツール組立体の電気的結合を必要とする、いずれのデバイスにも組み込まれ得ることが想定される。
【0048】
本明細書において明確に説明され、添付図面に図示されたデバイス及び方法が、非限定の代表的な実施形態であることを当業者であれば、理解するであろう。1つの代表的な実施形態に関連して図示または説明された要素及び特徴が、本開示の範囲を逸脱することなく、別の要素及び特徴と組み合わされ得ることが想定される。同様に、当業者であれば、上に説明された実施形態に基づき、本開示のさらなる特徴及び利点を察知するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲により示されるものを除き、具体的に示され、説明されたものによって限定されるべきではない。
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