(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】骨アンカーアセンブリ及び関連する器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A61B17/70
(21)【出願番号】P 2019501522
(86)(22)【出願日】2017-07-11
(86)【国際出願番号】 US2017041588
(87)【国際公開番号】W WO2018013604
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-10
(32)【優先日】2016-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビースター・エリック
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティ・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブートワラ・ゾハー
(72)【発明者】
【氏名】モーニーレス・ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ライナ・アニルッダ
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-036666(JP,A)
【文献】特表2003-508109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094353(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0320465(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0121703(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0163618(US,A1)
【文献】特表2014-507970(JP,A)
【文献】特開2016-028749(JP,A)
【文献】特開2016-112411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨アンカーアセンブリであって、
中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を有する受け部材と、
前記受け部材に取り付けられたインサートであって、前記インサート及び前記受け部材はキャビティを画定する、インサートと、
前記キャビティ内に配置され、前記インサートによって前記キャビティ内に保持されるコレットであって、前記コレットは複数の指部を含む、コレットと、
前記インサートを通って延在するシャンクであって、前記シャンクは前記コレットの前記指部内に少なくとも部分的に保持されたヘッド部分を有する、シャンクと、を備えており、
前記インサートは、前記受け部材によって、前記受け部材に対して近位または遠位に移動することを防止されて
おり、
前記インサートの中央開口部は、前記インサートが前記受け部材内に配置されたときに前記複数の指部の拡張を防止することによって、前記受け部材の前記遠位端内に前記シャンクを保持するように寸法決めされ位置付けられている、骨アンカーアセンブリ。
【請求項2】
前記インサートは、前記インサートを前記受け部材に取り付けるために前記受け部材内に形成された溝内に受容される隆起部を含む、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項3】
前記インサートは、前記受け部材内への前記インサートの挿入を容易にするために半径方向に折り畳み及び拡張が可能である、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項4】
前記インサートは、前記受け部材の開放遠位端に挿入されている、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項5】
前記コレットは、前記コレットを変形させることなしに前記受け部材の前記遠位端に挿入可能である、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項6】
前記受け部材は、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを備える、請求項1記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項7】
前記コレットの前記指部は、前記シャンクの前記ヘッド部分が前記コレットの遠位端内に装填されると休止位置から変形するように構成され、前記ヘッド部分が一旦前記コレット内に前進されると、前記指部は、その休止位置に向かって戻り、前記コレット内に前記ヘッド部分を捕捉するように構成されている、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項8】
前記コレットが前記受け部材にロックされる前に前記ヘッド部分が前記コレットの前記指部内に受容された時、前記シャンクは前記コレットに対して自由に枢動可能である、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項9】
前記受け部材が前記コレットに対して近位方向に前進することで、前記コレットの前記指部を前記シャンクの前記ヘッド部分と前記インサートの前記キャビティとの間にくさび留めし、これにより前記シャンクの前記受け部材に対する動きをロックする、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項10】
前記コレットは、圧迫キャップ及びコレットリングを備え
ており、前記受け部材は平坦な部分を備えており、前記圧迫キャップは平板を有するアームを備えており、前記圧迫キャップの前記平板は、前記受け部材の対応する前記平坦な部分と相互作用して、前記圧迫キャップが前記中心近位-遠位軸を中心に前記受け部材に対して回転することを制限しながら、前記圧迫キャップが前記受け部材に対して前記中心近位-遠位軸に沿って並進することを可能にするように構成されている、請求項1に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項11】
前記圧迫キャップ及び前記コレットリングは、前記キャビティ内に配置されると前記受け部材に対して独立して長手方向に並進可能である、請求項10に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項12】
前記圧迫キャップは前記コレットリング内に形成された開口部内に摺動可能に受容されている、請求項10に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項13】
前記コレットリングは、前記圧迫キャップが摺動可能に受容される近位開口部を含み、前記コレットの前記指部は前記コレットリングから遠位方向に延在する、請求項10に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項14】
前記キャビティは、それに前記コレットリングが受容されると前記コレットリングの円筒形の外側壁を拘束する円筒形の内側壁を有する上部を含む、請求項10に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項15】
閉鎖要素を前記受け部材に締め付けることで、(i)前記圧迫キャップの軸受面が前記シャンクの前記ヘッド部分の近位部分に対して付勢され、かつ(ii)前記コレットの前記指部が前記シャンクの前記ヘッド部分の遠位部分に対して付勢される、請求項10に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項16】
前記インサートは環状の形状の部材である、請求項2に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項17】
前記隆起部は、前記インサートの近位端に形成されており、かつ、前記インサートの半径方向に外側に環状に延在している、請求項
16に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項18】
前記インサートはスカート部分を有し、前記スカート部分は、前記インサートの前記近位端から環状に遠位に延びている、請求項
17に記載の
骨アンカーアセンブリ。
【請求項19】
骨アンカーアセンブリであって、
中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を有する受け部材と、
前記受け部材に取り付けられたインサートであって、前記インサート及び前記受け部材はキャビティを画定する、インサートと、
前記キャビティ内に配置され、前記インサートによって前記キャビティ内に保持されるコレットであって、前記コレットは複数の指部を含む、コレットと、
前記インサートを通って延在するシャンクであって、前記シャンクは前記コレットの前記指部内に少なくとも部分的に保持されたヘッド部分を有する、シャンクと、を備えており、
前記インサートは、前記受け部材によって、前記受け部材に対して近位または遠位に移動することを防止されており、
前記コレットは、圧迫キャップ及びコレットリングを備えており、
前記受け部材は平坦な部分を備えており、
前記圧迫キャップは平板を有するアームを備えており、前記圧迫キャップの前記平板は、前記受け部材の対応する前記平坦な部分と相互作用して、前記圧迫キャップが前記中心近位-遠位軸を中心に前記受け部材に対して回転することを制限しながら、前記圧迫キャップが前記受け部材に対して前記中心近位-遠位軸に沿って並進することを可能にするように構成されている、骨アンカーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
骨アンカーアセンブリ及び関連する器具が本明細書で開示される。
【背景技術】
【0002】
骨アンカーアセンブリは、治癒、癒合、又は他の手順中に骨を固定するために整形外科手術で用いることができる。例えば、脊椎手術において、骨アンカーアセンブリは、1つ又は複数の脊椎骨に脊椎固定要素を取り付けて、脊椎を硬直的に又は動的に固定させるために用いることができる。骨アンカーアセンブリは、骨を操作する(例えば、ある椎骨を他の椎骨に対して伸延、圧迫、又は回転する、椎骨又は長骨の骨折を整復するなど)ための係合点として使用することもできる。
【0003】
脊髄減圧、解剖、及び脊椎固定などの様々な外科手術を実施する際、空間的な解剖学的構造の認識及び直接的な可視化が外科医にとって困難となる場合がある。例えば、これらの処置は、局所的な自然の生体構造に対して悪影響を及ぼす場合があり、インプラント及び器具の形状及び構造は、可視化を不明瞭にする場合があり、また、低侵襲性外科手術の動向として、作業チャネルがより小さくなることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら及びその他の課題を検討すると、改善された骨アンカーアセンブリ及び関連する器具の継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
骨アンカーアセンブリ及び関連する器具が本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、モジュール式骨アンカーアセンブリは、骨アンカーを骨に打ち込んで、その後のある時点でヘッド又は受け部材を骨アンカーに取り付けることを可能にする。骨アンカーは完成したアセンブリよりも少ない占有面積を有することができ、それにより、骨アンカーを挿入する間、及び、ヘッド又は受け部材を骨アンカーに取り付ける前に実施される他の外科工程の間の可視化及び解剖学的構造の空間認識が改善され得る。骨アンカーを打ち込み、ヘッドを骨アンカーに取り付け、ヘッドから骨アンカーを取り外し、骨アンカーアセンブリのヘッドへの一側式取り付けを行うための様々な器具として、様々なモジュール式ヘッドの種類が開示される。骨アンカーが、軟組織の退縮、椎間板腔の伸延、減捻などをするための固定点としての役割を果たすことを可能にする機構として、骨アンカーを打ち込むための打ち込みインターフェイスが開示される。
【0006】
いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリは、キャビティを画定するヘッドであって、ヘッドは、中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を含む、ヘッドと、キャビティ内に配置されたコレットであって、コレットは、キャビティ内にコレットを保持するために半径方向外方に拡張するように構成された複数の指部を備える、コレットと、コレット内に保持されたヘッド部分を有するシャンクと、を含み得る。
【0007】
ヘッドは、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを含むことができる。各アームは、取付器具とのダブテール式一側嵌合を容易にする断面を含むことができる。各アームは、外面と、内面と、内面と外面との間を延在する第1及び第2の係合面と、によって画定される断面を含むことができる。第1及び第2の係合面は、ヘッドの中心近位-遠位軸と、ロッド受け凹部の中心軸と、によって画定される平面に対して斜角で延在することができる。第1及び第2の係合面は、面がヘッドの中心近位-遠位軸に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられていてもよい。キャビティは、コレットがヘッドに対して長手方向に並進することを可能にしながら、コレットがヘッドに対して回転するのを制限するためにコレットが摺動可能に受容されている1つ又は複数のキー溝を含むことができる。ヘッドは対向する第1及び第2のアームを含み、アームのそれぞれはそこから近位方向に延在する整復タブを有することができる。ヘッドは、間に第1のロッド受け凹部を画定する対向する第1及び第2のアームと、中に第2のロッド受け凹部を画定する側方翼部と、を含むことができる。ヘッドは、一体型ロッド部を含むことができる。コレットは、ヘッドの遠位端に挿入可能であることができる。コレットは、キャビティ内で長手方向に並進可能であることができる。コレットは、ヘッド内に形成されたキー溝に摺動可能に受容されている1つ又は複数の翼を含むことができる。コレットは、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを含むことができる。コレットの各アームは、取り外し又は組み立て器具と係合するためにその内面上に形成された凹部を含むことができる。凹部はアームの両方の外側端に対して開いていてもよい。凹部は、凹部がアームの1つの外側端のみに対して開いているように、近位対向面と、遠位対向面と、半径方向内向き面と、近位対向面、遠位対向面、及び内向き面を接続する当接面と、を含むことができる。コレットは、スウェージングなしにヘッド内に保持することができる。コレット指部は、コレットがキャビティの遠位端に装填されると休止位置から変形するように構成することができる。キャビティは、近位方向に面する座部を画定する近位部分と、近位方向に面する球形座部を画定する中間部分と、キャビティ内へと半径方向内方に突出する第1の棚部であって、第1の棚部はキャビティの近位部分と中間部分との間の移行部に画定されている、第1の棚部と、を含むことができる。キャビティは、遠位方向に面する座部を画定する遠位部分と、キャビティ内へと半径方向内方に突出する第2の棚部であって、第2の棚部はキャビティの中間部分と遠位部分との間の移行部に画定されている、第2の棚部と、を含むことができる。コレットがキャビティ内に挿入されると、第1の棚部が指部の外面に当接して、指部を休止位置から半径方向内方に変形させることができる。指部は、キャビティの近位部分内で半径方向外方に拡張して、コレットをキャビティ内に保持するように構成することができる。コレット指部は、シャンクのヘッド部分がコレットの遠位端内に装填されると休止位置から変形するように構成することができ、また、ヘッド部分が一旦コレット内に前進されると、指部は、その休止位置に向かって戻り、コレット内にヘッド部分を捕捉するように構成することができる。コレットがヘッドにロックされる前にヘッド部分がコレット指部内に受容された時、シャンクはコレットに対して自由に枢動可能である。ヘッドがコレットに対して近位方向に前進することで、コレット指部をシャンクのヘッド部分とキャビティの内部との間にくさび留めし、これによりシャンクのヘッドに対する動きをロックすることができる。シャンクのヘッド部分は、シャンクにトルクを加えるか、又はシャンクに器具を取り付けるための打ち込みインターフェイスを含むことができる。打ち込みインターフェイスは雌ねじ山を備えるキャビティを含むことができ、雌ねじ山は複数の長手方向チャネルによって中断されている。シャンクの近位対向面は、シャンクに逆トルクを加えるために複数の近位に延在する突起部を含むことができる。各突起部は、シャンクの中心長手方向軸を横断する平面から斜めに延在する傾斜面と、シャンクの中心長手方向軸に対して平行に延在する当接面と、を含むことができる。各突起部は、シャンクの中心長手方向軸に対して平行に延在する第1の当接面と、シャンクの中心長手方向軸に対して平行に延在する第2の当接面と、を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリを組み立てる方法は、コレットの複数の指部を半径方向内方に変形させて、コレットがキャビティの遠位開口部を通過できるようにすること、及び一旦コレットがキャビティ内に配設されてコレットがキャビティ内に保持されたら、複数の指部を半径方向外方に拡張させること、によって、コレットを骨アンカーアセンブリのヘッド内に形成されたキャビティ内に挿入すること、並びに、コレットがキャビティ内に挿入されたら、コレット指部を半径方向外方に変形させて、骨アンカーのヘッド部分が指部によって画定された遠位開口部を通過できるようにすること、及び一旦ヘッド部分がコレット内に配設されてヘッド部分がコレット内に保持されたら、複数の指部を半径方向内方に折り畳むこと、によって、骨アンカーのヘッド部分をコレット内に挿入すること、を含む。
【0009】
方法は、コレットをキャビティ内で遠位方向に並進させて、コレット指部を骨アンカーのヘッド部分とキャビティの内面との間にくさび留めすることを含むことができる。コレットを遠位方向に並進させることは、止めねじを骨アンカーアセンブリのヘッドに締め付けて、ヘッド内に配設されたロッドをコレットと接触するように付勢し、ヘッドを近位方向に動かすことを含むことができる。この方法は、コレット及びヘッドを骨アンカーに取り付ける前に、骨アンカーを骨に打ち込むことを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、ヘッド挿入器具は、スリーブであって、スリーブを骨アンカーアセンブリのヘッドに選択的に連結するために、互いに向かってかつ離れるように移動可能な対向するアームを有する、スリーブと、スリーブ内に配設され、かつスリーブに対して軸方向に並進するように構成されたプッシュロッドであって、プッシュロッドは第1の軸受面を有する、プッシュロッドと、スリーブ内に配設され、かつスリーブに対して軸方向に並進するように構成された解除要素であって、解除要素は、第2の軸受面と、スリーブの対向するアームと位置合わせされる対向するアームと、を含む、解除要素と、を含み、当該器具は、骨アンカーアセンブリのヘッドが骨アンカー上に完全に着座していない時にヘッドがスリーブから分離することを防ぐ。
【0011】
スリーブに連結されたヘッドが骨アンカー上に完全に着座していない時は、プッシュロッドの前進が、解除要素のアーム又はスリーブのアームを広げることなしに解除要素を前進させて、それによりヘッドが器具から分離することを防ぐことができる。スリーブに連結されたヘッドが骨アンカー上に完全に着座している時は、プッシュロッドの前進によって、第1の軸受面が第2の軸受面にカミングして、解除要素のアーム及びスリーブのアームを広げ、それによりヘッドを器具から分離させることができる。スリーブのアームは、アームから半径方向内方に延在するアーチ状棚部を含み、棚部は、骨アンカーアセンブリのヘッド内に形成された対応する溝内に受容されるように構成することができる。スリーブのアームは、解除要素がスリーブに対して遠位方向に移動するのを制限するための肩部を含むことができる。プッシュロッドの近位端は、押下されてプッシュロッドをスリーブに対して長手方向に並進させることが可能なボタン又はレバーに連結することができる。プッシュロッドはスリーブに対して近位方向に付勢され得る。第1及び第2の軸受面は傾斜していてもよい。第1の軸受面はプッシュロッドの外面上に形成されてもよく、第2の軸受面は解除要素のアームの内面上に形成されてもよい。解除要素は、スリーブの遠位端から突出して骨アンカーと接触するように構成された遠位突起部を含むことができる。解除要素は、スリーブ内に形成された対応するチャネル内で摺動して、解除要素がスリーブに対して回転することを制限する、対向するタブを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリを組み立てる方法は、骨アンカーアセンブリの骨アンカーを骨に打ち込むことと、インサータ器具のスリーブの対向するアームを骨アンカーアセンブリのヘッドと係合させて、ヘッドをスリーブに連結することと、ヘッドがスリーブに連結されている状態で、骨アンカーの近位端をヘッドの遠位端に挿入することと、プッシュロッドをスリーブ内で遠位方向に前進させることであって、プッシュロッドを前進させることで、ヘッドが骨アンカー上に完全に着座している時にのみヘッドをスリーブから分離させる、ことと、を含む。
【0013】
ヘッドが骨アンカー上に完全に着座していない時は、プッシュロッドの前進が、スリーブのアームを広げることなしに解除要素をスリーブ内で前進させて、それによりヘッドが器具から分離することを防ぐことができる。ヘッドが骨アンカー上に完全に着座している時は、プッシュロッドの前進によって、プッシュロッドの第1の軸受面が、スリーブ内に配設された解除要素の第2の軸受面にカミングして、スリーブのアームを広げ、それによりヘッドを器具から分離させることができる。方法は、ヘッドが骨アンカー上に完全に着座していない間にプッシュロッドが遠位方向に前進させられたら、骨アンカーをヘッドから排出させることを含むことができる。ヘッドは、スリーブ内に摺動可能に配設された解除要素の遠位突起部によって排出させることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ドライバ器具は、骨アンカーの対応する係合機構と係合するための係合機構を有するスリーブであって、内部に玉軸受が配設される貫通孔を含む、スリーブと、スリーブ内に回転可能に配設されたドライバシャフトであって、ドライバシャフトの遠位端は骨アンカーと係合して骨アンカーを骨に打ち込むように構成され、ドライバシャフトは内部に形成された第1の溝を有する、ドライバシャフトと、スリーブの近位部分が受容されるキャビティを画定し、内部に形成された第2の溝を有する、カラーと、を含み、カラーは、ドライバシャフトがスリーブに対して一定の長手方向位置に維持され、かつスリーブに対して自由に回転可能であるロック位置と、ドライバシャフトがスリーブに対して長手方向に自由に並進可能であり、かつスリーブに対して自由に回転可能である非ロック位置と、の間で摺動可能である。
【0015】
ロック位置では、玉軸受がドライバシャフト内に形成された第1の溝内に部分的に配設される位置にカラーが玉軸受を保持するように、カラーの第2の溝がスリーブの貫通孔からオフセットされてもよい。非ロック位置では、カラーの第2の溝がスリーブの貫通孔と位置合わせされて、玉軸受が半径方向外方に移動してドライバシャフト内に形成された第1の溝との係合を解除することを可能にしてもよい。器具は、スリーブをカラーに対して遠位方向に付勢するように構成された付勢要素を含んでもよい。スリーブの係合機構は、スリーブの遠位対向面から遠位方向に延在する複数の傾斜突起部を含み、各突起部が、スリーブの中心長手方向軸を横断する平面から斜めに延在する傾斜面と、スリーブの中心長手方向軸に対して平行に延在する当接面と、を有してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、ドライバ器具は、骨アンカーの対応する係合機構と係合するための係合機構を有するスリーブと、スリーブ内に回転可能に配設されたドライバシャフトであって、ドライバシャフトの遠位端は骨アンカーと係合して骨アンカーを骨に打ち込むように構成され、ドライバシャフトはその外面上に形成されたねじ山を有する、ドライバシャフトと、カラーであって、スリーブの近位部分が受容されるキャビティを画定し、カラーがドライバシャフトと螺合するように内部に形成された雌ねじ山を有する、カラーと、を含むことができ、カラーは、スリーブをドライバシャフトに対して回転させることなしにスリーブをドライバシャフトに対して長手方向に前進させるように、ドライバシャフトに対して回転可能である。
【0017】
カラーは、内部に形成され、スリーブ内に形成された溝と位置合わせされた穴を含むことができる。器具は、スリーブがカラーに対して回転することを可能にしながら、スリーブをカラーに対して一定の長手方向位置に維持するために、穴を通して溝に挿入されるピンを含むことができる。スリーブの係合機構は、スリーブの骨アンカーに対する時計回り方向及び反時計回り方向の両方の回転を防ぐことができる。スリーブの係合機構は、スリーブの遠位対向面から遠位方向に延在する複数の突起部を含み、突起部はそれぞれ、スリーブの中心長手方向軸に対して平行に延在する第1の当接面と、スリーブの中心長手方向軸に対して平行に延在する第2の当接面と、を含むことができる。スリーブの係合機構は、複数の角度付き歯を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、一側式取付器具は、本体であって、内部に骨アンカーアセンブリの受け部材のアームを受容し、それによって受け部材の本体に対する横方向の並進及び軸方向の回転を防ぐように構成された凹部を画定し、本体は中心長手方向軸を画定する、本体と、本体と枢動可能に連結され、骨アンカーアセンブリの受け部材のアームと係合して、受け部材の本体に対する軸方向の並進を防ぐように構成されたロックアームと、を含む。
【0019】
受け部材のアームが凹部内に配設された時、本体の中心長手方向軸は受け部材の中心長手方向軸からオフセットされてもよい。本体は、本体の中心長手方向軸からオフセットされた中心長手方向軸を有する管部分を含んでもよい。受け部材のアームが凹部内に配設された時、管部分の中心長手方向軸は、受け部材の中心長手方向軸と同軸であってもよい。管部分の内部はねじ山付きであってもよい。管部分の外部は、平坦溝及び環状溝のうち少なくとも1つを含むことができる。器具は、ロックアームを本体に対して枢動させるように構成された解除ボタンを含むことができる。凹部は、受け部材のアームの複数の側面を把持するように構成することができる。凹部は、ダブテール結合によって受け部材と嵌合するよう構成することができる。凹部は、湾曲面と、湾曲面から延在する第1及び第2の平坦面と、を含むことができる。ロッド受け凹部を有する受け部材と連結されると、第1及び第2の平坦面は、受け部材の中心長手方向軸及びロッド受け凹部の中心軸によって画定された平面に対して斜角で延在することができる。第1及び第2の平坦面は、面が凹部内に受容された受け部材の中心長手方向軸に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられていてもよい。ロックアームは、アームから半径方向内方に突出して、凹部に受容された受け部材内に形成された対応する溝と係合する隆起部を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリは、中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を有する受け部材と、受け部材に取り付けられたインサートであって、インサート及び受け部材はキャビティを画定する、インサートと、キャビティ内に配置され、インサートによってキャビティ内に保持されるコレットであって、コレットは複数の指部を含む、コレットと、インサートを通って延在するシャンクであって、シャンクはコレット指部内に保持されたヘッド部分を有する、シャンクと、を含むことができる。
【0021】
インサートは、インサートを受け部材に取り付けるために受け部材内に形成された溝内に受容される隆起部を含むことができる。インサートは、受け部材内へのインサートの挿入を容易にするために半径方向に折り畳み及び拡張が可能であることができる。インサートは、受け部材の開放遠位端に螺入することができる。コレットは、コレットを変形させることなしに受け部材の遠位端に挿入可能であり得る。受け部材は、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを含むことができる。コレット指部は、シャンクのヘッド部分がコレットの遠位端内に装填されると休止位置から変形するように構成することができ、また、ヘッド部分が一旦コレット内に前進されると、指部は、その休止位置に向かって戻り、コレット内にヘッド部分を捕捉するように構成することができる。ヘッド部分がコレット指部内に受容されて、コレットが受け部材にロックされる前は、シャンクはコレットに対して自由に枢動可能である。受け部材がコレットに対して近位方向に前進することで、コレット指部をシャンクのヘッド部分とインサートの内部との間にくさび留めし、これによりシャンクの受け部材に対する動きをロックすることができる。コレットは、圧迫キャップ及びコレットリングを含むことができる。圧迫キャップ及びコレットリングは、キャビティ内に配置されると受け部材に対して独立して長手方向に並進可能であり得る。圧迫キャップはコレットリング内に形成された開口部内に摺動可能に受容され得る。コレットリングは、圧迫キャップが摺動可能に受容される近位開口部を含むことができ、コレット指部はコレットリングから遠位方向に延在することができる。圧迫キャップは、受け部材の対応する1つ又は複数の平板と相互作用して、圧迫キャップが中心近位-遠位軸を中心に受け部材に対して回転することを制限する1つ又は複数の平板を含むことができる。キャビティは、それにコレットリングが受容されるとコレットリングの円筒形の外側壁を拘束する円筒形の内側壁を有する上部を含むことができる。閉鎖要素を受け部材に締め付けることで、(i)圧迫キャップの軸受面がシャンクのヘッドの近位部分に対して付勢され、かつ(ii)コレット指部がシャンクのヘッドの遠位部分に対して付勢され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリを組み立てる方法は、コレットを変形させることなしにコレットをキャビティの遠位開口部に通すことによって、コレットを骨アンカーアセンブリの受け部材内に形成されたキャビティ内に挿入する、ことと、コレットをキャビティに挿入した後で、骨アンカーアセンブリの受け部材にインサートを取り付けて、コレットがキャビティの遠位開口部を通して遠位方向に移動するのを防ぐことと、インサートを受け部材に取り付けた後で、骨アンカーのヘッド部分をインサートの中央開口部を通してコレット内に挿入することであって、コレットの指部を半径方向外方に変形させて、骨アンカーのヘッド部分が指部によって画定された遠位開口部を通過できるようにすること、及び一旦ヘッド部分がコレット内に配設されてヘッド部分がコレット内に保持されたら、複数の指部を半径方向内方に折り畳むこと、による、ことと、を含むことができる。
【0023】
方法は、受け部材をコレットに対して近位方向に並進させることにより、コレット指部を骨アンカーのヘッド部分とインサートの内面との間にくさび留めすることを含むことができる。受け部材を近位方向に並進させることは、止めねじを受け部材に締め付けて、受け部材内に配設されたロッドをコレットと接触するように付勢して受け部材を近位方向に移動させることを含むことができる。この方法は、コレット及び受け部材を骨アンカーに取り付ける前に、骨アンカーを骨に打ち込むことを含むことができる。コレットは圧迫キャップ及びコレットリングを備え、指部がコレットリングから遠位方向に延在することができる。方法は、圧迫キャップ及びコレットリングをキャビティ内で独立して長手方向に並進させることを含むことができる。方法は、圧迫キャップをコレットリング内に形成された開口部内で軸方向に摺動させることを含むことができる。圧迫キャップは、受け部材の対応する1つ又は複数の平板と相互作用して、圧迫キャップが受け部材の中心近位-遠位軸を中心に受け部材に対して回転することを制限する1つ又は複数の平板を含むことができる。方法は、閉鎖要素を受け部材に締め付けて、(i)圧迫キャップの軸受面を骨アンカーのヘッドの近位部分に対して付勢し、(ii)コレット指部を骨アンカーのヘッドの遠位部分に対して付勢する、ことを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】骨アンカーアセンブリ及び脊椎ロッドの斜視図である。
【
図1C】
図1Aの骨アンカーアセンブリの別の分解斜視図である。
【
図1D】骨アンカーがコレット内に導入されている、
図1Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図1E】骨アンカーがコレット内に完全に着座している、
図1Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図1F】脊椎ロッドが内部に着座している、ロック前の
図1Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図1G】脊椎ロッドが内部に着座し、かつロックされている、
図1Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図1H】内部に脊椎ロッドが着座し、骨アンカーが受け部材に対して非同軸位置でロックされている、
図1Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図2A】
図1Aの骨アンカーアセンブリの受け部材の正面図である。
【
図3A】
図1Aの骨アンカーアセンブリのコレットの正面図である。
【
図3I】代替的な凹部形状と共に示される、
図3Aのコレットの上面図である。
【
図4A】
図1Aの骨アンカーアセンブリの骨アンカーの斜視上面図である。
【
図4F】代替的な打ち込み機構と共に示される、
図4Aの骨アンカーアセンブリの斜視上面図である。
【
図4H】代替的な打ち込み機構と共に示される、
図4Aの骨アンカーアセンブリの斜視上面図である。
【
図4J】代替的な打ち込み機構と共に示される、
図4Aの骨アンカーアセンブリの斜視上面図である。
【
図5A】
図1Aの骨アンカーアセンブリで使用可能な整復ヘッドの斜視図である。
【
図5B】
図1Aの骨アンカーアセンブリで使用可能なタンデムロッドコネクタヘッドの斜視図である。
【
図5C】内蔵式ロッドを有するヘッドと共に示される、
図1Aの骨アンカーアセンブリの斜視図である。
【
図5D】
図5Cの骨アンカーアセンブリに取り付けられたロッドイントロデューサ器具の側面図である。
【
図5E】
図5Dのロッドイントロデューサ器具及び骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図5F】
図1Aの骨アンカーアセンブリで使用可能な内蔵式ロッドを有するヘッドの斜視図である。
【
図5G】
図1Aの骨アンカーアセンブリのコレットと共に示される、
図5Fのヘッドの分解斜視図である。
【
図5I】
図5Fの骨アンカーアセンブリに取り付けられたロッドイントロデューサ器具の斜視図である。
【
図5J】
図5Iのロッドイントロデューサ器具及び骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図6A】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における一工程の斜視図である。
【
図6B】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6C】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6D】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6E】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6F】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6G】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図6H】脊椎ロッドを第1及び第2椎骨に固定する方法における別の工程の斜視図である。
【
図7C】ロック構成にある
図7Aのドライバ器具の側断面図である。
【
図7D】非ロック構成にある
図7Aのドライバ器具の側断面図である。
【
図7E】
図7Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における一工程の斜視図である。
【
図7F】
図7Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における別の工程の斜視図である。
【
図7G】
図7Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における別の工程の斜視図である。
【
図8D】
図8Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における一工程の斜視図である。
【
図8E】
図8Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における別の工程の斜視図である。
【
図8F】
図8Aのドライバ器具を用いて骨アンカーを打ち込む方法における別の工程の斜視図である。
【
図11E】ヘッドを骨アンカーに取り付けている、
図11Aの器具の側断面図である。
【
図11F】ヘッドが骨アンカーに取り付けられた後でヘッドから解除されている、
図11Aの器具の側断面図である。
【
図11G】ヘッドを骨アンカーに取り付けることを試みている、
図11Aの器具の側断面図である。
【
図11H】ヘッドと骨アンカーとの取り付けが不十分であるためにヘッドの解除を妨げている、
図11Aの器具の側断面図である。
【
図12G】
図12Aの器具を用いてヘッドを骨アンカーに取り付ける工程の斜視図である。
【
図12J】
図12Aの器具を用いてロッドを整復して止めねじを挿入する工程の斜視図である。
【
図12K】
図12Aの器具を用いて止めねじを締め付け、逆トルクを加える工程の斜視図である。
【
図13A】骨アンカーアセンブリの受け部材、コレット、及びインサートの分解斜視図である。
【
図13E】骨アンカーのシャンクが受け部材に挿入されている、
図13Aの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図13F】ロッドが止めねじによって骨アンカーアセンブリに固定されている、
図13Aの骨アンカーアセンブリの断面斜視図である。
【
図13G】ねじ山付きインサートと共に示される、
図13Aの骨アンカーアセンブリの断面分解斜視図である。
【
図13I】骨アンカーアセンブリのシャンクが受け部材に挿入されている、
図13Gの骨アンカーアセンブリの側断面図である。
【
図13J】ロッドが止めねじによって骨アンカーアセンブリに固定されている、
図13Gの骨アンカーアセンブリの断面斜視図である。
【
図14A】骨アンカーアセンブリ及び脊椎ロッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
骨アンカーアセンブリ及び関連する器具が本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、モジュール式骨アンカーアセンブリは、骨アンカーを骨に打ち込んで、その後のある時点でヘッド又は受け部材を骨アンカーに取り付けることを可能にする。骨アンカーは完成したアセンブリよりも少ない占有面積を有することができ、それにより、骨アンカーを挿入する間、及び、ヘッド又は受け部材を骨アンカーに取り付ける前に実施される他の外科工程中の可視化及び解剖学的構造の空間認識が改善され得る。骨アンカーを打ち込み、ヘッドを骨アンカーに取り付け、ヘッドから骨アンカーを取り外し、骨アンカーアセンブリのヘッドへの一側式取り付けを行うための様々な器具として、様々なモジュール式ヘッドの種類が開示される。骨アンカーが、軟組織の退縮、椎間板腔の伸延、減捻などをするための固定点としての役割を果たすことを可能にする機構として、骨アンカーを打ち込むための打ち込みインターフェイスが開示される。
【0026】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的で例示的な実施形態である点を理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
【0027】
骨アンカーアセンブリ
図1A~
図1Hは、骨アンカーアセンブリ100の代表的実施形態を示す。示されるように、アセンブリ100は、ヘッド又は受け部材200、コレット300、シャンク又は骨アンカー400、及び閉鎖機構又は止めねじ102を含むことができる。骨アンカーアセンブリ100は、様々なヘッド200のうちのいずれかが様々な骨アンカー400のうちのいずれかと連結可能であるように、かつアセンブリ100がその位置で互いに嵌合され得るように、モジュール式であってよい。骨アンカー400は、受け部材200の下部に搭載可能であり、コレット300によって捕捉されて、骨アンカーを受け部材内に保持しつつもその間の相対運動を可能とすることができる。止めねじ102は締め付けることでコレット300を骨アンカー400のヘッドと受け部材200との間にくさび留めし、それにより骨アンカー及び受け部材の相対的位置をロックすることができる。止めねじ102は、脊椎ロッドR1又はその他のインプラントを骨アンカーアセンブリ100にロックすることにも効果的であり得る。
【0028】
使用時は、ヘッド200を取り付けずに骨アンカー400を骨に打ち込むことができる。これによって、低プロファイルの初期構造体をもたらし、神経要素を露出する、癒合のために小関節面及び円板を除去するなどの手順のその他の工程を実施する前に骨アンカー400を配置するのを可能にすることができる。その結果、解剖学的基準点を保存することができ、かつ骨アンカー400を挿入する標的を設定する際に使用することができる。また、低いプロファイルは手術部位へのより多くの接近手段をユーザに提供することができる。骨アンカー400はまた、伸延、圧迫、減捻、軟組織の退縮などといったその他の操作のためのプラットフォームとして使用することもできる。アセンブリ100はまた、事前に組み立てられた状態で患者にインプラントすることもできる。
【0029】
図2A~
図2Jは、ヘッド又は受け部材200の詳細を示す。受け部材200は、中心近位-遠位軸A1を画定する近位端200p及び遠位端200dを含むことができる。受け部材200の近位端200pは、間にロッド受け凹部206を画定する一対の離間したアーム202、204を含むことができる。ロッド受け凹部206は、中心軸A2を有することができる。ロッド受け凹部206は、ロッドR1を受け部材200に対して遠位に動かすことによってロッドR1が凹部に挿入され得るように近位方向に開口してよい。各アーム202、204の内面は、止めねじ102と嵌合するように構成することができる。例えば、アーム202、204の内面は、止めねじ102上に形成された雄ねじ山に対応するねじ山を含むことができる。したがって、軸A1を中心とした止めねじ102の受け部材200に対する回転は、止めねじを受け部材に対し軸A1に沿って軸方向に並進させるのに効果的となり得る。各アーム202、204は、受け部材200の基部208から自由端まで延在することができる。
【0030】
アーム202、204は、受け部材200の様々な器具への連結を容易にするために、凹部、ディンプル、ノッチ、突起部などの機構を含むことができる。
【0031】
例えば、各アーム202、204の外面は、「上部ノッチ」機構を画定するために内部に形成された溝又はチャネル210含むことができる。例示された実施形態では、各アーム202、204は、アームの自由端に隣接するアームの外面内に形成されたアーチ状溝210を含む。下記で更に説明するとおり、溝210は、器具と受け部材200との連結を容易にするために、器具の対応する突起部と係合させることができる。
【0032】
更なる例として、受け部材200は一側式器具取付機構を含むことができる。換言すると、受け部材200は、受け部材の1つのアーム202、204のみを係合することによって、それに対する器具の強固な取り付けを可能にする機構を含むことができる。各アーム202、204の少なくとも一部が、例えば、
図12A~
図12Fに関連して下記で説明される種類の器具などの取付器具とのダブテール式一側嵌合を容易にする断面を有する、代表的な一側式取付機構が示される。アーム202、204の近位部分202p、204pは、段差付き棚(stepped-in ledge)212の位置で狭くなり得る。
図2Iに示すように、各アーム202、204の近位部分202p、204pは、概して湾曲した外面214と、概して湾曲した内面216と、内面と外面との間を延在する第1及び第2の平坦なダブテール状係合面218と、によって画定される断面を有することができる。第1及び第2の係合面218は、受け部材の中心近位-遠位軸A1と、ロッド受け凹部206の中心軸A2と、によって画定される平面に対して斜角で延在することができる。各アームの第1及び第2の係合面218は、面が受け部材200の中心近位-遠位軸A1に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられていてもよい。下記でより詳細に説明するとおり、各アーム202、204の断面形状によって、アームを一側式取付器具の凹部内に受容して、アーム及び受け部材200の器具に対する動きを制限することが可能となり得る。
【0033】
別の例として、アーム202、204は、その外側壁に形成された盲穴、貫通穴、凹部、又は開口部220をそれぞれ含み得る。盲穴220は、器具と受け部材200との連結を容易にするために、ロッカフォーク(rocker fork)整復器具などの器具の対応する突起部と係合させることができる。
【0034】
受け部材200の基部208は、コレット300と骨アンカー400のヘッドとを受容可能な内部キャビティ222を画定することができる。様々なキャビティ形状のいずれも使用可能であるが、
図2Jに示されるように、例示のキャビティ222は、上側の近位部分224と、中間部分226と、下側の遠位部分228と、を含む。
【0035】
キャビティ222の上側部分224は、軸A1を中心に円錐台形又は実質的に円錐台形であって、近位方向に面する球形又は実質的に球形の座部230を備えてもよい。キャビティ222内へと半径方向内方に突出する第1の棚部232が、キャビティの上側部分224と中間部分226との間の移行部に画定されていてもよい。キャビティ222の中間部分226は、近位方向に面する球形又は実質的に球形の座部234を画定することができる。いくつかの実施形態では、座部234は、円錐形及び/又はテーパ状であることができる。キャビティ222の中間部分226の球形座部234の半径は、キャビティの上側部分224の球形座部230の半径より小さくてもよい。キャビティ222内へと半径方向内方に突出する第2の棚部236が、キャビティの中間部分226と下側部分228との間の移行部に画定されていてもよい。キャビティ222の下側部分228は、遠位方向に面する円錐形又は球形の座部238を画定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、キャビティ222の全体は、一体型又はモノリシックの受け部材200の内面によって画定することができる。例えば、
図13A~
図13F及び
図13G~
図13Kに関連して下記で説明されるものなどのいくつかの実施形態では、キャビティの少なくとも一部が、受け部材とは分離しているリテーニングリング又はインサートによって画定することができる。
【0037】
受け部材200は、コレット300の受け部材に対する動きを制限するか又は防ぐための機構を含むことができる。例えば、受け部材200は、コレット300の近位-遠位移動を制限する、又はコレットの回転を制限又は防止するための機構を含むことができる。例示される実施形態では、受け部材200は、中にコレット300の翼を受容するように寸法決めされた、直径方向に対向するキー溝240を含む。キー溝240は、キャビティ222内に形成することができ、またアーム202、204内に延在することができる。コレット300の翼はキー溝240に摺動可能に受容されて、コレットが軸A1を中心に受け部材に対して回転するのを制限又は防止しながら、コレットが軸A1に沿って受け部材200に対して並進するのを可能にすることができる。受け部材200内でのコレット300の近位方向への移動は、コレット翼の近位対向面とキー溝240の屋根部に形成された遠位に面する肩部242との間の係合によって制限することができる。複数のキー溝240が示されているが、一部の実施形態では受け部材200は単一のキー溝のみを含んでもよく、あるいは3つ以上のキー溝を含んでもよい。
【0038】
図3A~
図3Kはコレット300の詳細を示す。コレット300は、受け部材200内に形成されるキャビティ222内に位置決めすることができる。コレット300は、キャビティ222内で軸A1に沿って長手方向に並進可能であるように寸法決めすることができる。コレット300は、第1及び第2のアーム302、304がアームのそれぞれの自由端まで近位方向に延在する略円筒形であってよい。第1及び第2のアーム302、304は、間に画定される凹部306がロッド受け凹部206と位置合わせされるように、受け部材200の第1及び第2のアーム202、204と位置合わせされてもよい。その結果、ロッドR1は、ロッドR1が第2のロッド受け凹部206内に配置されている時は、同時にコレット300のアーム302、304の間、及び受け部材200のアーム202、204の間で支えられ得る。
【0039】
コレット300は、コレットの受け部材200に対する特定の動きを制限又は防止するように構成された嵌合機構を含むことができる。例えば、コレット300は、コレットの外面から半径方向外方に延在する対向する翼又は突起部308を含むことができる。翼308は上記のキー溝240内に受容されて、コレット300が受け部材200内を並進することを可能にしながらも、コレットの近位方向への移動を制限し、かつコレットの受け部材に対する回転を制限又は防止することができる。あるいは、キー溝240がコレット300内に形成され、突起部308が受け部材200のキャビティ222内に形成されてもよいことが理解されよう。複数の翼308が示されているが、一部の実施形態ではコレット300は単一の翼のみを含んでもよく、あるいは3つ以上の翼を含んでもよい。
【0040】
コレット300は、軸A1に沿ってコレットを完全に貫いて延在する中央開口部310を画定することができる。開口部310は、それにガイドワイヤ若しくは針を貫通させて受容するように、又は骨アンカー400の打ち込みインターフェイスを係合させるためにドライバを貫通させて受容するように、寸法決め可能である。
【0041】
コレット300は、例えばコレットを受け部材200から挿抜する間にコレットを操作するためにコレットを器具に係合させるための機構を含むことができる。例えば、コレット300のアーム302、304はそれぞれ対応する凹部312を含むことができる。
図10に関連して下記で説明するように、凹部312は、コレット300及び受け部材200を骨アンカー400から除去するために、又はコレットを受け部材に組み付けるために、器具と係合させることができる。凹部312は、
図3A~
図3Hに示すようにアーム302、304の両方の外側端に対して開放していてもよく、あるいは
図3I~
図3Kに示すようにアームの一方の外側端のみに対して開放していてもよい。後者の構成では、凹部312は近位対向面と、遠位対向面と、半径方向内向き面と、近位対向面、遠位対向面、及び内向き面を接続する当接面314と、を含むことができる。下記で説明するように、当接面314は、器具の軸受面と当接するように構成することができる。
【0042】
コレット300は、複数の遠位方向に延在する指部316を画定するために内部に形成された1つ又は複数のスリットを含むことができる。指部316は、休止位置から半径方向内方及び/又は半径方向外方に変形するように構成することができる。指部316は、その休止位置から変形した時に指部が休止位置に向けて付勢されるように、弾性特性を有することができる。
【0043】
例示されるコレット300は6つの指部316を含んでいるが、コレットは任意の数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の指部を含んでもよいことを理解されたい。より多くの指部316を含むことで、所定の寸法のコレット300に対してより幅が狭い各個別の指部をもたらして、組み立て中に指部がより容易にたわむようにすることができる。
【0044】
スリットは、拡張した又はT字型の近位端を有して、リリーフを提供し、かつ指部316が、より少ない労力で又は破断させることなしにより大きく変形することを可能にし得る。指部316は、その近位端に隣接して、所定の屈曲区域で指部の屈曲を促進する減厚領域318を含むことができる。指部316の最遠位端は、骨アンカー400のヘッドが進入するための引き込みを提供し、またコレット指部を骨アンカーのヘッドと受け部材200との間にくさび留めするための、湾曲面、テーパ面、角度付き面、又は傾斜面320を含むことができる。引込面320は、実質的に半径方向内方に面していてもよい。指部316の内面は、球形又は略球形であってもよい。指部316の外面も、同様に球形又は略球形であってもよい。一部の実施形態では、指部316の内面はそれぞれ共通の球体の区画を形成する。
【0045】
使用時には、コレット300がキャビティ222の遠位端に装填されると、指部316はその休止位置から変形することができる。具体的には、キャビティ222の第2の棚部236は、指部316の外面に当接して、指部をその休止位置から半径方向内方へと変形させることができる。一旦コレット300が近位方向に十分遠く前進したら、指部316は、第2の棚部236を通過して、キャビティ222の上側近位部分224及び/又は中間部分226内で半径方向外方に拡張することができる。拡張した指部316は、コレット300がキャビティ222内に保持されるように、第2の棚部236によって画定される開口部の直径よりも大きな直径を有することができる。コレット300が受け部材200内で変形及び拡張する能力によって、スウェージングを必ずしも必要とすることなく、コレットをキャビティ222内に保持することが可能となり得ることが理解されよう。スウェージングは、ある構成要素を別の構成要素内に保持するために恒久的な材料の変形を伴う、一般的な製造プロセスである。スウェージングプロセス中の材料の変形は従来の機械加工プロセスと比較して予測が困難であり、製造コストを増加させ得る特別な製造制御を必要とする場合がある。このため、例示される骨アンカーアセンブリ100は、スウェージングを必要とする骨アンカーアセンブリと比較して製造がより容易かつ安価となり得る。スウェージングは必ずしも必要ではないが、いくつかの実施形態では、スウェージングは、コレット300をキャビティ222内に保持するため、又はコレットの保持を増強するために用いられる場合がある。
【0046】
シャンク400のヘッドがコレット300の遠位端に装填された時も、指部316はその休止位置から変形することができる。受け部材200及びコレット300は、シャンクのヘッド上で遠位軸方向力を受け部材に加えることによって、シャンク400のヘッドに組み付けることができる。シャンク400のヘッドは指部316の遠位引込面320に当接して、指部をその休止位置から半径方向外方に変形させることができる。一旦シャンク400のヘッドがコレット300内を十分に遠くまで前進したら、指部316はその休止位置に向けて戻り、内部にシャンクのヘッドを捕捉して、シャンクをコレット内、ひいては受け部材200内に保持することができる。コレット300内に捕捉され、コレットが受け部材200内にロックされる前は、シャンク400はまだ自由にコレット対して枢動し、またコレットに対して軸A1を中心に回転することができる。コレット300は、例えば、コレット指部316と骨アンカーのヘッドとの間の軽い締まりばめによって、骨アンカー400のヘッドに抵抗力を加えることができる。抵抗力は、構造体をロックする前、例えば、アセンブリ100の仮位置決め中に、受け部材200と骨アンカー400との間の相対的位置を維持して、受け部材の「ばたつき」を防ぐことができる。こうして、抵抗力は、ユーザが意図した時に自由な動きを可能にしながらも、アセンブリ100をロックする前の意図しない動きを防ぐことができる。
【0047】
シャンク400のヘッドに一旦組み付けられると、ロッドの挿入及び止めねじ102のロックは、コレット300を受け部材200に対して遠位方向に打ち込み、コレット指部316をシャンクのヘッドとキャビティ222の中間部分226の内部との間にくさび留めし、これによりシャンクの受け部材に対する動きをロックするのに効果的となり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば、
図14A~
図14Kに関連して下記で説明されるように、コレット300は、圧迫キャップ構成要素及びコレットリング構成要素を含むことができる。
【0049】
止めねじ102は、受け部材200のアーム202、204上に形成された雌ねじ山と嵌合するように構成された雄ねじ山を含むことができる。螺合係合により、軸A1を中心に止めねじを回転させることで、止めねじ102が軸A1に沿って受け部材200に対して前進又は後退することが可能となり得る。止めねじ102は、軸A1を中心とした回転力を止めねじに加えるためのドライバを受容するように構成された打ち込みインターフェイスを含むことができる。止めねじ102の遠位面は、ロッドR1をアセンブリ100にロックするために、ロッド受け凹部206内に配置されたロッドR1に接触して当接するように構成することができる。ロッドR1に対して締め付けられると、止めねじ102は、ロッドが受け部材200に対して軸A2に沿って並進すること、及び/又は受け部材に対して軸A2を中心に回転することを防ぐことができる。止めねじ102が示されているが、代わりに、又は加えて、前進して直角に回転することによってロックする閉塞キャップ、回転せずに横方向に摺動する閉塞キャップ、受け部材200の外部にねじ止めされるナットなどのその他のロック要素が用いられてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、二重止めねじが使用されてもよい。二重止めねじは、コレット300のアーム302、304に当接して、受け部材200に対するシャンク400の多軸方向の動きをロックする外側止めねじを含むことができる。二重止めねじは、外側止めねじ内に形成された開口部に螺着された内側止めねじも含むことができる。内側止めねじは、締め付けられてロッドR1に当接し、ロッドを受け部材200にロックすることができる。
【0050】
図4A~
図4Kは、シャンク又は骨アンカー400の詳細を示す。骨アンカー400は、近位ヘッド部分402及び遠位シャフト部分404を含むことができ、また中心長手方向骨アンカー軸A3を画定することができる。
【0051】
骨アンカー400の遠位シャフト404は、骨と係合するように構成されてもよく、例示される実施形態では、骨と係合する雄ねじ山406を含む。ねじ山の数、ピッチ、外径及び内径、並びにねじ山の形状を含む遠位シャフト404のねじ山形態は、骨との接続を促進するように選択することができる。例示されるねじ山形態406は、二重リードスレッドから四重リードスレッドへと推移する皮質固定ねじ山である。このようなねじ山形態は、椎弓根管(pedicle canal)内の変位を有利に向上させることができる。その他の代表的なねじ山形態は、2011年5月18日出願の米国特許出願公開第2011/0288599号、及び2012年8月22日出願の米国特許出願公開第2013/0053901号に開示されており、いずれの開示内容も参照により本明細書に組み込まれる。遠位シャフト404は、フックを含む、骨と係合するための他の構造体も含むことができる。遠位シャフト404には、例えば、低侵襲性の処置において、ガイドワイヤを介して骨アンカーを送達することを容易にするために、骨アンカー400の長さを延在する中央通路又はカニューレ408を有するカニューレを設けることができる。例えば、止めねじ102、コレット300、及び受け部材200を含む骨アンカーアセンブリ100のその他の構成要素は、カニューレを挿入するか、又はその他の方法でガイドワイヤを介した送達を可能にするための開口部を有することができる。遠位シャフト404は、骨の内殖を可能にするため、又は骨アンカー400を通して骨セメント若しくは他の材料を分配するのを可能にするために、カニューレ408と連通する1つ又は複数の側壁開口部又は開窓(図示せず)も含むことができる。側壁開口部は、カニューレ408から遠位シャフト404の側壁を通って半径方向に延在することができる。骨セメントを骨アンカーアセンブリ100に送達するための例示的なシステム、及びセメント送達を容易にするための骨アンカーの代替形態は、2009年10月29日出願の米国特許出願公開第2010/0114174号に説明されており、その開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。骨アンカー400の遠位シャフト404は、例えば、ヒドロキシアパタイトなどの骨の成長を可能にする物質で被覆してもよく、骨アンカーアセンブリ100は、例えば、トリクロサンなどの抗感染物質で、部分的に又は完全に被覆してもよい。
【0052】
骨アンカー400の近位ヘッド部分402は、一般には、平面状の近位面及び略球形の遠位面を有する切頭球形であってよい。例示される骨アンカーアセンブリ100は、脊椎の椎弓根若しくは外側塊の後方移植術、前外側固定術、及び/又はその他の適用のために設計された多軸骨ねじである。骨アンカー400の近位ヘッド402は、近位ヘッド402及び遠位シャフト404がコレット300及び受け部材200に対して枢動可能である、ボール及びソケット様の仕組みでコレット指部316の内部と係合することができる。
【0053】
骨アンカー400のヘッド部分402は、例えば、骨アンカーを骨に打ち込む、又は骨アンカーを骨から引き抜く若しくは後退させるために、骨アンカーにトルクを加えるための打ち込みインターフェイスを含むことができる。打ち込みインターフェイスは、例えば、骨アンカーが伸延、圧迫、減捻、軟組織の退縮などのためのプラットフォームとしての役割を果たすことを可能にするために、様々な器具を骨アンカー400に取り付けるためにも用いることができる。
【0054】
図4A~
図4Eに示すように、打ち込みインターフェイスは、近位キャビティ410及び遠位キャビティ412を含むことができる。近位キャビティ410は、器具の対応するねじ山部分と係合するための雌ねじ山が内部に形成された実質的な円筒形であってもよい。遠位キャビティ412は、骨アンカー400とドライバ器具の打ち込み先端部とを回転不能に係合させるように形状決めされ得る。遠位キャビティ412に対して六角星形打ち込みインターフェイスが示されているが、代りに又は加えて、溝付き、プラスねじ山付、四角穴付、六角穴付、五角形などのその他のインターフェイスが用いられてもよいことが理解されよう。ねじ山付き近位キャビティ410は、骨アンカー400への器具の強固な接続を可能にすることができる。例えば、ねじ山付き外側逆トルク管は、ねじ山付きインターフェイス410に強固に接続することができ、そこにドライバシャフトを挿入して、遠位キャビティ412を介して骨アンカー400にトルクを加えることができる。別の例では、ねじ山部410は、例えば、ドライバシャフトがねじ山付き遠位端形態の打ち込みインターフェイスを有する場合は、ドライバシャフト自体への接続を可能にすることができる。ねじ山部410はまた、伸延、圧迫、減捻、退縮、又はその他の操作を実施するために、延長管又はシャフトへの強固な接続を可能にすることもできる。例示される打ち込みインターフェイスは、ねじ山付き円筒状ドライバ工具又は標準的な六角ドライバ工具が互換可能に用いられることを可能にし得る。同じ骨アンカー400で異なるドライバ器具を使用する能力は、専用のドライバ器具が利用できない場合に(例えば、元の専用ドライバ器具が利用できない修正手術であり得るような)、標準のドライバ器具で骨アンカーを打ち込むことを可能にし得るために、望ましい場合がある。
【0055】
図4F~
図4Gは代替的な打ち込みインターフェイスを示す。示されるように、打ち込みインターフェイスは、ドライバ器具の対応するねじ山部分に係合するために内部に雌ねじ山が形成された実質的に円筒形のキャビティ414を含むことができる。チャネルとねじ山の最内面とが六角形打ち込みインターフェイスを画定するように、ねじ山が一連の長手方向チャネル416によって中断されてもよい。これは、ねじ山付き円筒状ドライバ工具又は標準的な六角ドライバ工具が互換可能に用いられることを可能にし得る。ねじ山付き機構と六角形の打ち込み機構とは互いに重なり合うため、骨アンカー400の高さプロファイルが減少し得、及び/又はドライバ器具の係合高さが増加し得る。骨アンカー400のヘッド402の近位対向面は、逆トルク機構を含むことができる。
図7A~
図7Gに関連して下記で更に説明するように、これらの機構によって、骨アンカー400を逆トルクスリーブに係合させることが可能となり得る。例示される機構は、ヘッドの近位対向面から近位方向に延在する複数の傾斜突起部420を含む。各突起部420は、軸A3を横断する平面から斜めに延在する傾斜面422と、軸A3と平行に延在する当接面424と、を含むことができる。当接面424は、単方向の逆トルク係合を提供することができる。
【0056】
図4H~
図4Iは代替的な打ち込みインターフェイスを示す。示されるように、打ち込みインターフェイスは、ドライバ器具の対応するねじ山部分に係合するために内部に雌ねじ山が形成された実質的に円筒形のキャビティ414を含むことができる。チャネルとねじ山の最内面とが六角形打ち込みインターフェイスを画定するように、ねじ山が一連の長手方向チャネル416によって中断されてもよい。これは、ねじ山付き円筒状ドライバ工具又は標準的な六角ドライバ工具が互換可能に用いられることを可能にし得る。ねじ山付き機構と六角形の打ち込み機構とは互いに重なり合うため、骨アンカー400の高さプロファイルが減少し得、及び/又はドライバ器具の係合高さが増加し得る。骨アンカー400のヘッド402の近位対向面は、逆トルク機構を含むことができる。
図8A~
図8Fに関連して下記で更に説明するように、これらの機構によって、骨アンカー400を逆トルクスリーブに係合させることが可能となり得る。例示される機構は、ヘッド402の近位対向面から近位方向に延在する複数の突起部420によって画定される「城形」パターンを形成する。各突起部420は、軸A3と平行に延在する第1の当接面426と、軸A3と平行に延在する第2の当接面428と、を含むことができる。当接面426、428は、双方向の逆トルク係合を提供することができる。
【0057】
図4F~
図4G及び
図4H~
図4Iの打ち込みインターフェイスは、完全にねじ山付きの内部を含み得る。すなわち、打ち込みインターフェイスのねじ山部分は、打ち込み凹部の深さのほぼ全体に延在することができる。これにより、より深い螺合係合が可能となり、骨アンカー400とドライバ又は他の器具との間のより強い接続を提供することができる。ドライバシャフトは単に、完全に固体又は小直径のガイドワイヤカニュレーションを除いて固体である大直径のねじ山付きシャフトであり得るため、ねじ式のドライバの取り付けによって、ドライバシャフトを、ねじ山付き外管を通して挿入されたドライバシャフトより頑丈に製造することも可能となり得る。ドライバシャフトの強度を増加させることにより、圧迫、伸延などのその他の作業に対して同じ器具を用いることができる。六角形機構が切断されてねじ式インターフェイスとなるように示されているが、これは省略が可能であり、インターフェイスは連続的で中断のないねじ山を含んでもよく、あるいはその他の種類の機構を切断してねじ式インターフェイスとしてもよいことが理解されよう。
【0058】
図4J~
図4Kは代替的な打ち込みインターフェイスを示す。示されるように、螺合係合は省略することができ、打ち込みインターフェイスは単純な六角形凹部414、又はその他の標準的な打ち込みタイプであってよい。
【0059】
再び
図1D~
図1Hを参照して、骨アンカーアセンブリ100を用いる代表的な方法を以下で説明する。骨アンカーアセンブリ100は、部分的に分解された状態で手術のために提供することができる。例えば、骨アンカー400は、最初は受け部材200及びコレット300から分離していてもよい。受け部材200及びコレット300は、事前に組み立てられていてもよく、又は手術中にユーザによって組み立てられてもよい。
【0060】
骨アンカー400は、既知の技法を用いて患者内の標的骨部位に送達させ、所望の経路に沿って所望の深さまで打ち込んでもよい。骨アンカー400は、受け部材200及びコレット300を骨アンカーに取り付ける前又は後で骨に打ち込むことができる。コレット300及び受け部材200を取り付ける前に骨アンカー400を骨に打ち込んだ場合、初期構造体は、神経要素を露出する、癒合のために小関節面及び円板を除去するなどの手順のその他の工程を実施する前に骨アンカーを配置するのを可能にすることができる低プロファイルを有する。その結果、解剖学的基準点を保存することができ、また骨アンカーを挿入する標的を設定する際に使用することができる。また、低いプロファイルは手術部位へのより多くの接近手段をユーザに提供することができる。骨アンカー400は、
図7A~
図7Gの器具700及び
図8A~
図8Fの器具800を含む、本明細書で説明される種類のドライバ器具を用いて打ち込むことができる。
【0061】
一旦骨に打ち込まれると、骨アンカー400(受け部材200が取り付けられている、又は取り付けられていない)は、伸延、圧迫、減捻、軟組織の退縮などといったその他の操作のためのプラットフォームとして使用することができる。これらの作業は、
図7A~
図7Gの器具700及び
図8A~
図8Fの器具800を含む、本明細書で説明される種類の器具を用いて達成することができる。
【0062】
受け部材200及びコレット200は、骨アンカー400のヘッド402に連結可能である。例えば、骨アンカー400は、
図1Dに示すように受け部材をヘッド402の上に位置決めし、受け部材に遠位軸方向力を加えることによって受け部材200の下部に搭載可能である。
図1Eに示すように、コレット300の指部316は、シャンク400のヘッド402がコレットの遠位端内に装填されるとその休止位置から変形することができ、続いてその休止位置に向けて戻り、内部にシャンクのヘッドを捕捉することができる。この位置において、コレット300の指部316は、受け部材200のキャビティ222の上側近位部分224内に配設される。このため、シャンク400は、自由にコレット300に対して軸A1を中心に回転し、また軸A1から外方に延在する角度形成円錐(cone of angulation)内でコレットに対して多軸方向に枢動することができる。シャンク400はコレット300に対して自由に動くことができるが、コレット指部316は上記で説明したように抵抗力をシャンクに加えることができる。受け部材200は、
図11A~
図11Hに関連して下記で説明するような種類のヘッド挿入器具1100を用いて骨アンカー400に取り付けることができる。
【0063】
一旦受け部材200が骨アンカー400と連結されたら、受け部材は、伸延、圧迫、減捻、軟組織の退縮などといった外科処置のその他の工程のためのプラットフォームとしての役割を果たすことができる。例えば、
図12A~
図12Fに関連して下記で説明される種類の一側式取付器具1200は、
図12G~
図12Kに関連して下記で説明するように、受け部材200に取り付けて、様々な操作を実施するために使用することができる。ユーザは、受け部材200及びコレット300を骨アンカー400から取り外すことの望む場合があり、この場合は、ユーザは、例えば、
図10に関連して下記で説明する種類のヘッド取り外し器具を使用することができる。
【0064】
組み立てられた骨アンカーアセンブリ100は、インプラントを骨に固定するために使用することができる。例えば、
図1Fに示すように、脊椎ロッドR1は受け部材200のロッド受け凹部206に挿入することができる。ロッドR1が受け部材200内に完全に着座してロックされる前、骨アンカー400は受け部材に対して可動の状態を維持することができる。例えば、コレット指部316は、これらがヘッド402とキャビティの内面234との間にくさび留めされないように、キャビティ222の上側近位部分224内に留まることができる。
図1Gに示すように、受け部材内でロッドR1及び/又はコレット300を遠位方向に打ち込むために、止めねじ102又はその他の閉鎖機構を受け部材200に適用することができる。コレット指部316がキャビティ222のより小さな直径の中間部分226内に移動すると、指部は、シャンク400のヘッド402の外面とキャビティの内面234との間でくさび留めされ得る。指部316をこのようにくさび留めすることは、受け部材200に対する骨アンカー400の動きをロックするのに効果的となり得る。例えば
図1Hに例示されるように、骨アンカー400は、受け部材200に対する様々な角度のいずれにおいてもロックすることができる。止めねじ又はその他の閉鎖機構102を適用することも、ロッドR1をロックして、受け部材200に対するロッドの動きをロックするのに効果的となり得る。上述したように、二重止めねじ又はその他の構造体を用いて、受け部材200に対するシャンク400の動きと、受け部材に対するロッドR1の動きとを、独立してロックすることができる。
【0065】
ユーザが、受け部材200に対するロッドR1及び/又はシャンク400の動きの自由を回復したいと望む場合は、止めねじ102を緩めることができる。いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリ100は、止めねじ102が緩められたら自動的に再可動化(remobilize)するように構成することができる。これにより、骨アンカー400をロック位置から自由にするために大きな力を構造体に加える必要性が有利に排除され得る。自動的な再可動化は、間にコレット指部316の球形の遠位部分がくさび留めされる、球形のシャンクヘッド402とキャビティ222の球形の中間部分226とによってもたらされる球体中球体配置(sphere-in-sphere arrangement)によって容易にすることができる。
【0066】
モジュール式ヘッド
上述したように、骨アンカーアセンブリ100は、様々な種類又は寸法のヘッド200が、様々な種類又は寸法のシャンク400と連結可能であるという点で、モジュール式であってよい。上記の記述では、脊椎ロッドを受容するための凹部206を画定する受け部材形態のヘッド200が参照された。しかし、代りに又は加えて、様々な他の種類のヘッドを用いてもよいことが理解されよう。
【0067】
例えば、
図5Aに示すように、整復ヘッド200Aを用いることができる。整復ヘッド200Aは上記の受けヘッド200と実質的に同様であってもよいが、アーム202、204から近位方向に延在する整復タブ244を含んでもよい。整復タブ244はアーム202、204と一体的に形成することができ、使用後に破断されるように構成することができる。他の実施形態では、整復タブ244は、アーム202、204と選択的に連結される別の構成要素とすることができる。整復タブ244はアーム202、204の断面形状と一致する断面形状を有することができる。整復タブ244は、タブが止めねじの挿入又はロッド整復のためのアーム202、204の機能拡張部としての役割を果たすように、ねじ山付きの内面を含むことができる。
【0068】
更なる例として、
図5Bに示すように、タンデムロッドコネクタヘッド200Bを用いてもよい。タンデムロッドヘッド200Bは、上記の受けヘッド200と実質的に同様であってもよいが、ヘッドを第2の脊椎ロッドに取り付けるための外側翼部246を含んでもよい。翼部246は、第2のロッド受け凹部252を間に画定する第1及び第2の対向するアーム248、250を含むことができる。第2の止めねじ(図示せず)は、対向するアーム248、250の間に螺着されて、第2のロッドを第2のロッド受け凹部252内にロックすることができる。ロッド凹部206、252は、示されるように互いに平行な中心軸を有してもよく、又は中心軸は互いに対して非ゼロ角度で延在してもよい。
【0069】
別の例として、内蔵式ロッドを有するヘッドを用いてもよい。
図5C~
図5Eは、内蔵式ロッドを含むヘッド200Cを示す。下記で指摘されるものを除き、また当業者には容易に理解できるように、ヘッド200Cは上記の受けヘッド200と実質的に同様であってもよい。第1及び第2の対向するアーム202、204の代わりに、ヘッド200Cは密閉された近位部分254を含むことができる。止めねじ102は、介在するロッドなしに止めねじの遠位面がコレット300に直接当接することができるように、近位-遠位方向に細長くてもよい。ヘッド200Cはロッド部256を含むことができる。ロッド部256は、ヘッドの外側壁から軸A4に沿って半径方向外方に延在することができる。ロッド部256は、ヘッド200Cと一体的に形成されてもよく、又はヘッド200Cに選択的に取り付けられてもよい。ヘッド200Cは、ロッドイントロデューサ500などの様々な器具と嵌合するための係合機構260がその上に形成された第2のロッド部258も含むことができる。第2のロッド部258は、そこから第1のロッド部256が延在する側壁とは反対側のヘッド200Cの側壁から軸A4に沿って延在することができる。係合機構260は、第2のロッド部258の末端に形成することができる。係合機構260は、その近位対向面内にディンプルが形成された実質的に矩形の突起部であってよい。
図5Eに示すように、ロッドイントロデューサ器具500は、係合機構260と連結させて、ロッドヘッド200Cの挿入を可能にすることができる。図示の実施形態では、ロッドイントロデューサ500は、ロッド258が軸A4を中心に器具に対して回転することができないように、内部に係合機構260の矩形部分を受容するように寸法決めされた凹部502をその遠位端に含む。器具500は、ディンプルと接触する係合ピン506を選択的に保持するために、器具の内腔内を長手方向に並進するプッシャ504を含むことができる。プッシャ504が内腔内を遠位方向に前進すると、ピン506が押し出されてディンプルと接触して、ロッド258を器具500に対してしっかりと保持し、ロッドが器具に対して軸A4に沿って並進するのを防ぐことができる。プッシャ504が内腔内を近位方向に後退すると、ピン506が動いてディンプルとの係合を解除することが可能となり、それによりロッド258が軸A4に沿って器具500から分離することが可能となり得る。
【0070】
係合機構260をその上に備えた第2のロッド部258の代わりに、又はそれに加えて、ヘッド200Cの密閉された近位部分254は係合機構を含むことができる。例えば、
図5F~
図5Jに示すように、ヘッド200Cは、ヘッドの外面内に対向する円弧状溝264を画定する第1及び第2の片持ち突起部を含むことができる。こうして、溝264は上記の上部ノッチ機構を形成することができる。
図5I~
図5Jに示すように、溝264は、リトラクタ又は延長シャフト器具508をヘッド200Cに連結することを可能にし得る。器具508は、内及び外へと枢動して選択的に上部ノッチ機構264と係合するように構成された第1及び第2のアーム510、512を含むことができる。器具508は、例えば、骨アンカーアセンブリ100のシャンク部400を前進させるためのドライバ器具、又は止めねじ102をヘッド部分200C内で前進させるためのドライバ器具など他の器具が通ることを可能にするための中央通路を画定することができる。
【0071】
図6A~
図6Hは、ロッドを第1及び第2椎骨に固定するための内蔵式ロッドを備えるヘッドを使用する代表的な方法を示す。
図6Aに示すように、上記で説明した種類の第1及び第2の骨アンカー400_1、400_2は、対応する第1及び第2椎骨V1、V2に打ち込むことができる。椎骨V1、V2は、図示のように隣接していてもよく、あるいは1つ又は複数の介在する椎骨によって分離されていてもよい。骨アンカー400_1、400_2は、椎弓根、薄膜、又はその外側塊などの椎骨V1、V2の任意の部分に打ち込むことができる。
【0072】
受け部材又はその他のヘッドを骨アンカー400_1、400_2に取り付ける前、又は任意の他の所望される時点で、様々なその他の外科工程を実施することができる。例えば、脊椎円板の全部又は一部の除去、及び融合ケージの挿入などの減圧作業又は椎体間作業を実施することができる。
【0073】
図6Bに示すように、上記で説明した種類の受け部材200_1及びコレット300_1は、第1の骨アンカー400_1に取り付けられて、第1の骨アンカーアセンブリ100_1を形成することができる。
図6Cに示すように、上記で説明した種類の一体型ロッドヘッド200_2及びコレット300_2は、第2の骨アンカー400_2に取り付けられることができる。示される方法は、例えば、個別の経皮切開部が各骨アンカー400_1、400_2上に形成され、骨アンカー間の皮膚表面は切開されない低侵襲法で実施することができる。この場合、ロッド部256を最初に挿入した状態で、第2の骨アンカー400_2上に形成された経皮開口部に一体型ロッドヘッド200_2を挿入することができる。続いてロッド部256を皮膚表面下の第1の骨アンカーアセンブリ100_1の受け部材200_1のロッド受け凹部206内まで貫かせることができる。続いてヘッド200_2及びコレット300_2を経皮開口部の中へと下ろし、
図6Dに示されるように第2の骨アンカー400_2に取り付けて、第2の骨アンカーアセンブリ100_2を形成することができる。一体型ロッドヘッド200_2の挿入及び操作は、ロッドイントロデューサ器具508をヘッドの係合機構(例えば、示されるような上部ノッチ機構、又は
図5C~
図5Eに関連して上記で説明した第2のロッド部)に連結した状態で実施することができる。
【0074】
図6Eに示すように、止めねじ102_1は、第1の骨アンカーアセンブリ100_1の上方に形成された経皮切開部を通して下ろし、続いて締め付けることで、ロッド部256を第1の骨アンカーアセンブリに固定することができる。同様に、
図6Fに示すように、止めねじ102_2は、第2の経皮切開部を通して下ろしてから締め付けることで、ヘッド200_2を第2の骨アンカー400_2に対してロックすることができる。第2の止めねじ102_2は、示されるようにロッドイントロデューサ器具508を通して挿入することができる。ロッドイントロデューサ器具508は、止めねじ102_2の最終締め付けの間に逆トルク力を加えるために用いることができる。続いて、ロッドイントロデューサ器具508は、
図6G~
図6Hに示すように椎骨V1、V2の両方に取り付けられた組み立て済み構造体を残して取り外すことができる。止めねじ102_1、102_2の最終締め付けの前に、圧迫、伸延、又は減捻操作などの様々な操作を実施することができるということが理解されよう。ロッドイントロデューサ器具508は、それを介して骨アンカーアセンブリ及びそれがインプラントされた椎骨に力を加えることができる点としての役割を果たすことによって、これらの操作を容易にするために使用することができる。
【0075】
更に、閉鎖された多軸モジュール式ヘッド、単軸モジュール式ヘッド、付勢された又は好みの角度の(例えば、矢状又は横断)モジュール式ヘッド、延長管又は延長タブのモジュール式ヘッド、非平坦(例えば、矢状又は横断)モジュール式ヘッドなどを含む他の多くのモジュール式ヘッドを用いてもよい。骨アンカーアセンブリ100は、ユーザが特定の用途のために最適な組み合わせを選択することを可能にするために、複数の異なるヘッド種類又はヘッド寸法及び複数の異なるシャンク種類又はシャンク寸法を備えたキットの一部として提供されてもよい。キットの構成要素間で変化し得る寸法又はパラメータとしては、シャンク長さ、シャンク直径、シャンクねじ山種類、ヘッド寸法、ロッド-凹部直径などが挙げられ得る。
【0076】
ドライバ器具
図7A~
図7Gは、例えば、
図4F~
図4Gに示される種類の骨アンカーなどの骨アンカーを骨に打ち込むために使用できる代表的なドライバ器具700を示す。示されるように、器具700は、ドライバシャフト702と、逆トルクスリーブ704と、ドライバシャフトを逆トルクスリーブに連結するためのカラー706と、を含むことができる。カラー706は、内部に1つ又は複数の玉軸受708を保持することができる。
【0077】
ドライバシャフト702は、長手方向軸A5を画定する近位端702p及び遠位端702dを含むことができる。ドライバシャフト702は、実質的に円筒形であってもよく、又は他の様々な形状のうちのいずれかを有してもよい。ドライバシャフト702は、ガイドワイヤを介してドライバシャフトを挿入して使用することを容易にするための、中空の中央チャネル又はカニュレーションを有することができる。ドライバシャフト702の遠位端702dは、骨アンカー400の相手側打ち込みインターフェイスと係合するための係合機構を含むことができる。例えば、ドライバシャフト702の遠位端702dは、骨アンカー400の雌ねじ山と嵌合するように構成された雄ねじ山を含むことができる。ドライバシャフト702の近位端702pは、ドライバシャフトに回転力を加えるための平板又はその他の機構を含むことができる。例えば、ドライバシャフト702は、ドライバシャフトを、動力付きドライバ(例えば、電気、空気圧、又は水圧式ドリル又はドライバ工具)、又はドライバシャフトを手動で回転するためのハンドルと回転不能に連結するための平板を含むことができる。更なる例として、ドライバシャフト702は、それと一体的に形成されたハンドルを有することができる。ドライバシャフト702は、玉軸受708を受容するためにその外面内に形成されたチャネル又は溝710を含むことができる。
【0078】
逆トルクスリーブ704は、長手方向軸A6を画定する近位端704p及び遠位端704dを含むことができる。逆トルクスリーブ704は、ドライバシャフト702を配置可能な中空内部チャネルを画定することができる。逆トルクスリーブ704の長手方向軸A6は、器具700が組み立てられた時にドライバシャフト702の長手方向軸A5と同軸であってもよい。逆トルクスリーブ704の遠位端704dは、骨アンカー400の逆トルク機構と係合するための係合機構を含むことができる。例示される機構は、逆トルクスリーブ704の遠位対向面から遠位方向に延在する複数の傾斜突起部712を含む。各突起部712は、軸A6を横断する平面から斜めに延在する傾斜面と、軸A6と平行に延在する当接面714と、を含むことができる。当接面714は、骨アンカー400の当接面424に当接して、逆トルクスリーブ704が骨アンカーに対して一方向に(例えば、示されるように外科医の視点から時計回り方向に)回転するのを防ぐことができる。逆トルクスリーブ704の近位端704pは、玉軸受708のそれぞれが受容される1つ又は複数の横方向貫通孔716を含むことができる。
【0079】
カラー706は、逆トルクスリーブ704の少なくとも近位部分を受容するように寸法決めされた内部キャビティを画定することができる。カラー706の内部キャビティには、内部に玉軸受708の少なくとも一部を受容するための環状溝又はチャネル718を形成することができる。付勢要素720をキャビティ内に位置決めして、逆トルクスリーブ704をカラー706に対して遠位方向に付勢することができる。ドライバシャフト702と同軸のコイルばね720が示されているが、代りに、又は加えて、板ばね、トーションばねなどのその他の付勢要素を用いてもよいことが理解されよう。ピン722は、カラー706内に形成された細長いスロット724及び逆トルクスリーブ704内に形成された穴726の中に位置決めされて、カラー、ばね720、及びスリーブを共に組み立て済み状態で保持することができる。細長いスロット724は、カラー706が限定された移動範囲内でスリーブ704に沿って長手方向に並進することを可能にし得る。
【0080】
カラー706は、逆トルクスリーブ704の外面に沿ってロック構成と非ロック構成との間を摺動可能であり得る。ロック構成では、
図7Cに示すように、玉軸受708は、部分的に逆トルクスリーブ704の貫通孔716内に、かつ部分的にドライバシャフト702の溝710内に配設される。カラー706はばね720の付勢力を受けて近位方向に付勢され、その結果、カラーの内溝718は逆トルクスリーブ704の貫通孔716からオフセットしている。このため、カラー706の内側壁が、玉軸受708をドライバシャフト702の溝710と接触した状態にしっかりと保つ。ロック構成では、ドライバシャフト702は、逆トルクスリーブ704に対して一定の長手方向位置に維持されることができるが、逆トルクスリーブに対して自由に回転することができる。
【0081】
非ロック構成では、
図7Dに示すように、遠位方向の力がカラー706に加えられて、カラーを逆トルクスリーブ704に対して遠位方向に付勢することができる。カラー706は、遠位方向に押し出されると、カラーの内溝718と逆トルクスリーブ704の貫通孔716とが位置合わせされて、玉軸受708が半径方向外方に移動してドライバシャフト702内に形成された溝710との係合を解除することを可能にし得る。非ロック構成では、ドライバシャフト702は、逆トルクスリーブ704に対して長手方向に自由に並進することができ、かつ逆トルクスリーブに対して自由に回転することができる。
【0082】
図7Eに示すように、使用時には、ドライバシャフト702を骨アンカー400に挿入してから骨アンカーに対して回転させると、ドライバシャフトのねじ山付き遠位端702dを骨アンカーのねじ山付き打ち込みインターフェイスに係合させることができる。ドライバシャフト702を骨アンカー400に連結する前又は後に、ドライバシャフト及び骨アンカーをガイドワイヤ上に装着することができる。
図7Fに示すように、スリーブ704とカラー706とのアセンブリをドライバシャフト702上に設置して、スリーブの逆トルク機構が骨アンカー400の逆トルク機構と係合するまでスリーブを遠位方向に前進させることができる。この位置では、玉軸受708は、ドライバシャフト702内に形成された溝710と係合することで、スリーブ704をドライバシャフトに対して一定の長手方向位置に保持して、スリーブを骨アンカー400の逆トルク機構と係合した状態に保つことができる。回転力をドライバシャフト702に(又はスリーブ704に)加えて、骨アンカー400を骨に打ち込むことができる。骨アンカー400からドライバシャフト702を取り外すことが望まれる場合は、逆トルクスリーブ704を静止状態に保ちながらドライバシャフトを反対方向に回転させると、ドライバシャフトを骨アンカーの打ち込みインターフェイスからねじ式に抜き取ることができる。一部の場合では、ユーザは、ドライバシャフト702を骨アンカー400と係合したままにすることを望む場合がある。
図7Gに示すように、スリーブ704及びカラー706は、ドライバシャフト702から取り外すことができる(例えば、上記で説明したように、カラーを遠位方向に前進させ、玉軸受708をドライバシャフトから解除することによって)。ドライバシャフト702は外科処置中のその他の工程を容易にするための支柱として残すことができる。例えば、ドライバシャフト702は、伸延器若しくはアクセスポート用の取り付け点としての役割を果たすこともでき、又は骨アンカー400がインプラントされる椎骨に対して減捻、伸延、圧迫力を加えるために用いることができる。
図7A~
図7Gには示されていないが、ドライバ器具700は、例えば、
図8A~
図8Fのドライバ器具800に関連して下記で説明する種類の深さ止めを含むことができる。
【0083】
図8A~
図8Fは、例えば、
図4H~
図4Iに示される種類の骨アンカーなどの骨アンカーを骨に打ち込むために使用できる代表的なドライバ器具800を示す。示されるように、器具800は、ドライバシャフト802と、逆トルクスリーブ804と、ドライバシャフトを逆トルクスリーブに連結するためのカラー806と、を含むことができる。器具800は、骨アンカー400の過挿入を防ぐための深さ止め828を含むことができる。
【0084】
ドライバシャフト802は、長手方向軸A7を画定する近位端802p及び遠位端802dを含むことができる。ドライバシャフト802は、実質的に円筒形であってもよく、又は他の様々な形状のうちのいずれかを有してもよい。ドライバシャフト802は、ガイドワイヤを介してドライバシャフトを挿入して使用することを容易にするための、中空の中央チャネル又はカニュレーションを有することができる。ドライバシャフト802の遠位端802dは、骨アンカー400の相手側打ち込みインターフェイスと係合するための係合機構を含むことができる。例えば、ドライバシャフト802の遠位端802dは、骨アンカー400の雌ねじ山と嵌合するように構成された雄ねじ山を含むことができる。ドライバシャフト802の近位端802pは、ドライバシャフトに回転力を加えるための平板又はその他の機構を含むことができる。例えば、ドライバシャフト802は、ドライバシャフトを、動力付きドライバ(例えば、電気、空気圧、若しくは水圧式ドリル又はドライバ工具)、又はドライバシャフトを手動で回転するためのハンドルと回転不能に連結するための平板を含むことができる。更なる例として、ドライバシャフト802は、それと一体的に形成されたハンドルを有することができる。ドライバシャフト802は、カラー806と係合するために、ドライバの近位端に隣接して形成された雄ねじ山810を含むことができる。
【0085】
逆トルクスリーブ804は、長手方向軸A8を画定する近位端804p及び遠位端804dを含むことができる。逆トルクスリーブ804は、ドライバシャフト802を配置可能な中空内部チャネルを画定することができる。逆トルクスリーブ804の長手方向軸A8は、器具800が組み立てられた時にドライバシャフト802の長手方向軸A7と同軸であってもよい。逆トルクスリーブ804の遠位端804dは、骨アンカー400の逆トルク機構と係合するための係合機構を含むことができる。例示される機構は、スリーブ804の遠位対向面から遠位方向に延在する複数の突起部812によって画定される「城形」パターンを形成する。各突起部812は、軸A8と平行に延在する第1の当接面814と、軸A8と平行に延在する第2の当接面830と、を含むことができる。当接面814、830は、骨アンカー400の当接面426、428に当接して、逆トルクスリーブ804が骨アンカーに対する時計回り方向及び反時計回り方向の両方の回転を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、係合機構は、例えば、スターロック又はスターグラインドインターフェイス形態の角度付き歯を含むことができる。
【0086】
カラー806は、逆トルクスリーブ804の少なくとも近位部分を受容するように寸法決めされた内部キャビティを画定することができる。キャビティの少なくとも一部が、ドライバシャフト802上に形成された雄ねじ山810と螺合係合するように構成された雌ねじ山832を画定することができる。このため、ドライバシャフト802を中心としたカラー806の回転は、カラーをドライバシャフトに対して長手方向に並進させるのに効果的となり得る。カラー806は、器具800を組み立てる時に、スリーブ804の近位端内に形成された溝836と位置合わせするように構成された、内部に形成される穴又はチャネル834を含むことができる。穴834を通してピン838を挿入して、スリーブ804内に形成された溝836内にピンを位置決めすることができる。その結果、スリーブ804は、カラー806に対して一定の長手方向位置に維持されながらも、カラーに対して軸A8を中心に自由に回転することができる。
【0087】
図8Dに示すように、使用時には、ドライバシャフト802を骨アンカー400に挿入してから骨アンカーに対して回転させると、ドライバシャフトのねじ山付き遠位端802dを骨アンカーのねじ山付き打ち込みインターフェイスに係合させることができる。ドライバシャフト802を骨アンカー400に連結する前又は後に、ドライバシャフト及び骨アンカーをガイドワイヤ上に装着することができる。スリーブ804とカラー806とのアセンブリは、ドライバシャフト802上に設置することができる。
図8Eに示すように、カラー806を回転させると、スリーブを回転させることなしに、スリーブの逆トルク機構が骨アンカー400の逆トルク機構と係合するまでスリーブ804を遠位方向に前進させることができる。この位置で、スリーブ804を、カラー806内に形成された肩面840(
図8Bを参照)と、骨アンカー400の近位対向面と、の間に挟んで、スリーブを骨アンカーの逆トルク機構と係合した状態に保つことができる。回転力をドライバシャフト802に(又はスリーブ804に)加えて、骨アンカー400を骨に打ち込むことができる。骨アンカー400からドライバシャフト802を取り外すことが望まれる場合は、逆トルクスリーブ804を静止状態に保ちながらドライバシャフトを反対方向に回転させると、ドライバシャフトを骨アンカーの打ち込みインターフェイスからねじ式に抜き取ることができる。一部の場合では、ユーザは、ドライバシャフト802を骨アンカー400と係合したままにすることを望む場合がある。
図8Fに示すように、スリーブ804及びカラー806は、例えば、カラーを回転させてドライバシャフトからねじ式に抜き取ることによって、ドライバシャフト802から取り外すことができる。ドライバシャフト802は外科処置中のその他の工程を容易にするための支柱として残すことができる。例えば、ドライバシャフト802は、伸延器若しくはアクセスポート用の取り付け点としての役割を果たすこともでき、又は骨アンカー400がインプラントされる椎骨に対して減捻、伸延、圧迫力を加えるために用いることができる。
【0088】
深さ止め828は、逆トルクスリーブ804の遠位端と嵌合するか又は一体的に形成された円筒形スリーブを含むことができる。深さ止め828は、内部に骨アンカー400のヘッド402を受容するように寸法決めされた中空内部を画定することができる。骨アンカー400が骨に打ち込まれると、深さ止め828は最終的に骨表面と接触して、骨アンカーがより深く挿入されることを防ぐ。これは、骨アンカー400の十分な長さが骨表面の上方に突出したままにすることを確実にして、受け部材又はヘッド200の取り付けを可能にする助けとなり得る。
【0089】
図9は、上記の器具700、800の代わりに、又はそれに加えて使用することができる別の代表的なドライバ器具900を示している。器具900は、示されるような標準的な六角形打ち込みインターフェイス902、又は様々な他の打ち込みインターフェイスのうちのいずれかを含むことができる。
【0090】
ヘッド取り外し器具
図10は、骨アンカー400からヘッド200を取り外すための代表的な器具1000を示している。示されるように、器具1000は、内側ロッド1002と、外側スリーブ1004とを含むことができる。外側スリーブ1004は、中に内側ロッド1002を受容するように寸法決めされた中央内腔又はチャネルを画定することができる。内側ロッド1002の外側スリーブ1004に対する長手方向位置は調整可能であり得る。例えば、内側ロッド1002は、外側スリーブの内側ロッドを中心とした回転が、内側ロッドを外側スリーブに対して近位方向又は遠位方向に並進させるのに効果的となるように、外側スリーブ1004の対応する雌ねじ山と係合する雄ねじ山を含むことができる。外側スリーブ1004の遠位端は、ヘッド200に当接するように構成された軸受面1006を画定することができる。例示される実施形態では、外側スリーブ1004の遠位対向面1006は、ヘッド200の近位対向面で終端してこれと当接するように構成されている。内側ロッド1002の遠位端は、コレット300と係合してコレットの内側ロッドに対する長手方向位置を固定する機構を含むことができる。例えば、示されるように、内側ロッド1002は、そこから半径方向外方に延在する対向する耳部1008を含むことができる。耳部1008は、コレット300のアーム302、304内に形成された凹部312内に受容されるように寸法決めすることができる。
【0091】
使用時には、内側ロッドが外側スリーブから突出するように、内側ロッド1002を外側スリーブ1004に対して遠位方向に前進させることができる。内側ロッド1002の遠位端は、遠位端をコレット300のアーム302とアーム304との間に位置決めすることによって、組み立て済みの骨アンカーアセンブリ100に挿入することができる。続いて、ユーザは内側ロッド1002の近位端を把持して、その軸を中心にコレット300に対して90度回転させることで、内側ロッドの耳部1008をコレットの凹部312内に位置決めして、それによりコレットの内側ロッドに対する長手方向位置を固定することができる。続いてユーザは、内側ロッド1002を中心に外側スリーブ1004を回転させて、外側スリーブが受け部材200の近位端と接触するまで外側スリーブを内側ロッドに対して遠位方向に前進させることができる。外側スリーブ1004を引き続き回転させると、内側ロッド1002及びそれに固定されたコレット300は、コレット指部316が受け部材内に形成されたキャビティ222の上側部分224内に位置決めされるまで、受け部材200に対して近位方向に引っ張られる。指部316は、キャビティ222の上側部分224内に位置決めされると、半径方向外方に自由に偏向して骨アンカー400のヘッド402を解除することができる。その結果、一旦コレット300が受け部材200内で近位方向に引っ張られると、ユーザは器具1000に近位引っ張り力を加えて、受け部材とコレットとを骨アンカー400から分離させることができる。器具1000は、内側ロッド1002内に摺動可能及び/又は螺合可能に配設され、骨アンカー400のヘッド402と当接して、ユーザによって加えられた近位引っ張り力が骨アンカーには加えられない(あるいは同程度で加えられない)ように、ヘッド402を受け部材200から外へ遠位方向に付勢することができるプランジャ(図示せず)を含むことができる。これにより、骨アンカー/骨界面に応力が加わることを有利に防ぐことができる。骨アンカー400を分離した後に上記の工程を逆の順序で反対方向に実施することで、受け部材200及びコレット300を器具1000から解除することができる。
【0092】
器具1000は、コレット300を受け部材200に組み付けるためにも使用することができる。例えば、内側ロッド1002はコレット300と嵌合させることができ、内側ロッドを中心に外側スリーブ1004を回転させることで、内側ロッド及びそれに連結されたコレットを、受け要素200の遠位端内へと近位方向に引き込むことができる。一旦コレット指部316が外向きに屈曲して、コレット300が受け部材200のキャビティ222内に保持されると、コレットから内側ロッド1002を分離することができ、また現時点で組み立て済みの受け部材及びコレットから器具1000を分離することができる。
【0093】
ヘッド挿入器具
図11A~
図11Hは、骨アンカー400に受け部材200を取り付けるための代表的な器具1100を示している。器具1100は、骨アンカー400に受け部材200をその場で取り付けるために使用することができる。すなわち、骨アンカー400を骨にインプラントすることができ、その後で、器具1100を用いて骨アンカー400に受け部材200を連結することができる。
【0094】
モジュール式骨アンカーアセンブリにおいては、例えば、軟組織又はその他のデブリによって骨アンカーへの完全な取り付けが妨げられる場合、又は、ヘッドを骨アンカーに嵌合させる際にユーザが十分な力を加えなかった場合に、最適以下の取り付けが起きる場合があることが考えられる。したがって、ヘッドが骨アンカーにしっかりと連結されているという何らかの肯定的な指示をユーザに与えること、あるいはヘッドが骨アンカーにしっかりと取り付けられていない場合は、挿入器具からヘッドが解除されることを防ぐことが望ましい場合がある。この機能は、受け部材と骨アンカーとの間で適切な結合がなされたという高い信頼性をユーザに与えることができる。
【0095】
器具1100は、受け部材が骨アンカー400と確実に連結された時にのみ、受け部材200が器具から解除されるように構成することができる。ユーザは確実な取り付けがなされている時しかインサータ器具1100を取り外すことができないため、これは受け部材200が確実に取り付けられているという高い信頼をユーザに与えることができる。
【0096】
図示のように、器具1100は、プッシュロッド1102と、外側スリーブ1104と、解除要素1106とを含むことができる。外側スリーブ1104は、長手方向近位-遠位軸A9を画定する近位端1104p及び遠位端1104dを含むことができる。外側スリーブ1104は、中にプッシュロッド1102及び解除要素1106を受容するように寸法決めされた中央内腔又はチャネルを画定することができる。外側スリーブ1104の近位端1104pは、ユーザによる器具1100の把持を容易にするためのハンドル1108又はその他の機構を含むことができる。スリーブ1104の遠位端1104dは、遠位端が第1及び第2の片持ちアーム1110へと分割されるように、対向するスリットを含むことができる。アーム1110は、アームの自由端が互いに接近及び離間して受け部材200と選択的に係合可能であるように、少なくともある程度可撓性であってよい。スリットは、応力緩和を提供し、アーム1110のこうした動きを容易にするために、拡大された近位カットアウトを含むことができる。アーム1110の自由端は、受け部材200の対応する機構と係合するための係合機構を含むことができる。図示の実施形態では、アーム1110は、アームから半径方向内方に延在するアーチ状棚部1112を含み、これら棚部は、受け部材200の対応するアーチ状溝210内に着座して受け部材を外側スリーブ1104に固定するように構成される。アーム1110は、少なくとも、棚部1112が受け部材200の溝210内に着座しており、受け部材を器具1100に固定する第1の位置と、アームが第1の位置から半径方向外方に偏向され、棚部が受け部材の溝から脱離されて器具から受け部材を解除する第2の位置と、を有することができる。
【0097】
アーム1110は、解除要素1106の対応する肩部に係合して、解除要素の外側スリーブ1104に対する遠位移動を制限する肩部1114を更に含むことができる。すなわち、アーム1110の肩部1114は、解除要素1106が外側スリーブ1104の遠位端から脱落するのを防ぐことができる。
【0098】
プッシュロッドが外側スリーブに対して長手方向に並進することができるように、プッシュロッド1102を外側スリーブ1104内に摺動可能に配置することができる。プッシュロッド1102の近位端は、プッシュロッドを外側スリーブ1104内で遠位方向に前進させるためにユーザによって作動され得るボタン、レバー、又は他のアクチュエータ1116に連結することができる。プッシュロッドを外側スリーブに対して近位方向に付勢するために、プッシュロッド1102と外側スリーブ1104との間に付勢要素1118を配置することができる。これにより、ボタン1116を解除すると、付勢要素1118の付勢下で、プッシュロッド1102を外側スリーブ1104内で近位方向に後退させることができる。コイルばねが示されているが、代わりに又は加えて、他の付勢要素を用いてもよいことが理解されよう。下記で更に説明するように、プッシュロッド1102の遠位端は、解除要素1106の対応する内側軸受面に当接するように構成された軸受面1120を含むことができる。プッシュロッド1102の軸受面1120は、円錐状、湾曲状、テーパ状、又は傾斜状であってよい。
【0099】
解除要素1106は、外側スリーブ1104の遠位端1104dから突出して骨アンカー400と接触するように構成された遠位突起部1122を含むことができる。解除要素1106は、解除要素から近位方向に延在する対向するアーム1124を含むことができる。アーム1124は、器具1100の操作中に屈曲して互いに接近及び/又は離間するように構成することができる。アーム1124は、内部に形成されて、プッシュロッド1102の軸受面1120に当接するように構成された軸受面1126を画定する凹部を含むことができる。アーム1124の軸受面1126は、円錐状、湾曲状、テーパ状、又は傾斜状であってよい。解除要素1106は、外側スリーブ1104に対する解除要素の動きを制限する機構を含むことができる。例えば、解除要素1106は、外側スリーブ1104の近位に面する肩部1114に係合して、スリーブに対する解除要素の長手方向の遠位移動を制限するように構成された、遠位に面する肩部1128を含むことができる。更なる例として、解除要素1106は、それから半径方向外方に突出し、外側スリーブ1104内に形成されたスリット内を摺動して、外側スリーブに対する解除要素の回転を制限する対向するタブ1130を含むことができる。タブ1130によって、解除要素1106のアーム1124が外側スリーブ1104のアーム1110と位置合わせされるのを確実にすることができる。
【0100】
器具1100の操作を
図11E~
図11Hに示す。図示のように、受け部材内に形成された溝210に外側スリーブ1104の棚部1112を係合させ、それにより受け部材を外側スリーブに固定することによって、受け部材200又はその他のモジュール式ヘッド構成要素を器具1100内に装着することができる。続いて、器具1100を用いて受け部材200を骨アンカー400に取り付けることができる。骨アンカー400は、予め骨にインプラントされていてもよい。器具1100を用いて受け部材200を骨アンカー400上まで押し下げると、解除要素1106の遠位突起部1122は骨アンカーと接触する。器具1100が骨アンカー400に対して連続的に前進することにより、解除要素1106は外側スリーブ1104内で近位方向に摺動することができる。
【0101】
図11E~
図11Fに示すように、骨アンカー400のヘッド402が受け部材200内に完全に着座したら、ユーザは作動ボタン1116を押して、受け部材を挿入器具1100から解除することができる。具体的には、ボタン1116を押すことにより、プッシュロッド1102は外側スリーブ1104内で遠位方向に並進することができる。プッシュロッド1102が解除要素1106を遠位方向に付勢すると、解除要素の遠位方向の前進は骨アンカー400によって阻まれる。これにより、プッシュロッド1102の軸受面1120が解除要素1106の軸受面1126と当接して、解除要素のアーム1124を半径方向外方へと広げる。解除要素1106のアーム1124が半径方向外方に移動すると、外側スリーブ1104のアーム1110が半径方向外方へと押し出され、それにより受け部材200内に形成された溝210から棚部1112が係合解除され、受け部材が器具1100から解除される。一旦受け部材200が解除されたら、受け部材が骨アンカー400としっかり連結されたままで器具1100を取り外すことができる。
【0102】
図11G~
図11Hに示すように、受け部材が骨アンカー400上に完全に着座していない場合、器具1100は、受け部材200が器具から解除されるのを有利に防止することができる。具体的には、このシナリオにおいてユーザがボタン1116を押すと、プッシュロッド1102は外側スリーブ1104内を遠位方向に並進する。骨アンカー400が受け部材200内に完全に着座していないので、解除要素1106の突起部1122が骨アンカー400に接触しないことにより解除要素の外側スリーブ1104に対する遠位移動は制限されない、あるいは、突起部1122は解除要素の十分な遠位移動が生じた後にのみ骨アンカーに接触する。このため、プッシュロッド1102が解除要素1106と接触した時は、プッシュロッドは解除要素を遠位方向に押すだけであり、プッシュロッドの軸受面1120が解除要素の軸受面1126にカミングすることもなく、解除要素のアーム1124を半径方向外方にたわませることもない。解除要素1106のアーム1124が半径方向外方に移動しないため、同様に外側スリーブ1104のアーム1110も半径方向外方に移動せず、受け部材200は器具1100の遠位端にしっかりと連結された状態を維持する。骨アンカーが受け部材内に完全に着座していない時に解除要素1106が骨アンカー400を受け部材200から排出させるために必要な力は、外側スリーブ1104のアーム1110を外向きに広げるために必要な力より小さくてもよい。このため、骨アンカー400が受け部材200内に部分的にのみ着座している場合は、解除要素1106は、器具1100から受け部材を解除する代りに、骨アンカーを受け部材から排出させることができる。
【0103】
器具1100は、骨アンカー400が受け部材200内に完全に着座しているかどうかをユーザに知らせるための視覚インジケータを含むことができる。例えば、解除要素1106は、器具1100の外側スリーブ1104又はハンドル1108内に形成された窓を通して視認可能な近位延長部(図示せず)を含むことができる。延長部は、完全に着座した骨アンカー400によって解除要素1106が近位方向に移動される時に、窓を通してしか視認できないように寸法決めすることができる。したがって、解除要素1106が窓を通して視認可能である時は、骨アンカー400が受け部材200内で完全に着座していることを外科医に示すことができる。
【0104】
一側式器具
上述したように、骨アンカーアセンブリ100は、それに対する器具の一側式取り付けを容易にすることができる。具体的には、一側式器具は、受け部材の一方のアーム202、204のみで、骨アンカーアセンブリ100の受け部材200に取り付けられることができる。こうした取り付けは、多くの利点を提供することができる。例えば、一側式器具は、リトラクタ、カニューレ、又は患者内に形成された低侵襲作業チャネル内で一側式器具が占める空間を小さくするように、あるいは退縮の少ない若しくはより小さなカニューレと共に使用することを容易にして患者の外傷を減少させるように、低いプロファイルを有することができる。更なる例として、受け部材200の片面のみに取り付けを行うことで、受け部材のもう一方の面をその他の器具の取り付けのために残すことができ、横方向ロッド挿入のために空いた経路を残すことができ、あるいは生体構造若しくは手術部位の可視化を改善することができる。
【0105】
一側式器具は、ヘッドを導入する、逆トルクを加える、リトラクタのブレードを骨表面まで摺動させる、圧迫若しくは伸延のために支点を取り付ける、止めねじを導入する、脊椎ロッドを整復する(例えば、垂直に、横に、又は両方に)、又は様々なその他の外科作業を実施するために使用することができる。
【0106】
図12A~
図12Fは、上記の骨アンカーアセンブリ100と併用可能な代表的な一側式取付器具1200を示す。図示のように、器具1200は、細長い本体1202と枢動ロックアーム1204とを含むことができる。
【0107】
本体1202は、長手方向の近位-遠位軸A10を画定する近位端1202p及び遠位端1202dを含むことができる。本体1202の近位端1202pは、骨アンカーアセンブリ100に器具1200が取り付けられた際に管の中心軸A11が骨アンカーアセンブリ100の中心軸A1と同軸となるように、軸A10からオフセットされた管部分1206を含むことができる。管1206は、アクセスチャネル又はガイドとしての役割を果たすことができる。例えば、管1206は、骨アンカー400と係合し、骨アンカーを骨に打ち込むために、それを貫くドライバ器具の挿入をガイドすることができる。管1206は省略してもよく、あるいはハンドル又はその他の機構と置き換えてもよい。管1206の内部は、ねじ山、ラチェット歯、又は内部に挿入された器具と係合するための他の機構を含むことができる。こうした機構は、ロッド整復などの、器具1200を用いる様々な作業を実施する際に機械的な利点を有利に提供することができる。管1206の外部は、例えば、器具にトルクを加える、器具をフレーム又はその他の装置に取り付けるなどのために管と別の器具とを係合させるための、平板1222又は環状溝1224を含むことができる。
【0108】
ロックアーム1204の遠位端が本体に対して半径方向内方及び半径方向外方に枢動可能となるように、ロックアーム1204を本体1202と枢動可能に連結することができる。ロックアーム1204は、枢動ピン1208によって本体1202に枢動可能に連結することができる。枢動ピン1208は、本体1202に沿って本体の近位端1202pと遠位端1202dとの中間にある一点に取り付けることができる。ロックアーム1204は、ロックアームを作動させるための解除ボタン1210を含むことができる。解除ボタン1210は、示されるようにロックアーム1204の近位端に形成することができ、解除ボタンを本体1202に向かって内方に押し込むと、ロックアームの遠位端を本体から解除位置まで半径方向外方へと枢動させることができ、ボタンを放すと、ロックアームの遠位端を本体に向かってロック位置まで半径方向内方へと枢動させることができる。器具1200は、ロックアーム1204をロック位置又は解除位置に向けて付勢するための付勢要素1212を含むことができる。図示の実施形態では、板ばね1212は本体1202内に配設され、ロックアーム1204をロック位置に向かって付勢するように構成される。
【0109】
本体1202の遠位端1202dは、受け部材200のアーム202又は204を中に受容するように寸法決めされた凹部1214を画定することができる。凹部1214とアーム204とは、互いに係合すると、アームは凹部に対して回転することができず、又は凹部に対して横方向に並進することができないように、互いに相補的な断面形状を有することができる。凹部1214は、アーム204の複数の側面を把持又は包囲するように構成することができる(例えば、アームの少なくとも2側面、アームの少なくとも3側面、アームの少なくとも4側面など)。
図12Eに示すように、アーム204及び凹部1214は、ダブテール接続によって嵌合可能である。凹部1214は、アーム204の湾曲した外面214の陰画を形成する湾曲面1216を画定することができる。凹部1214はまた、湾曲面1216から延在し、アーム204の第1及び第2の係合面218の陰画を形成する第1及び第2の平坦面1218を画定することができる。凹部1214の第1及び第2の面1218は、受け部材200の近位-遠位軸A1と、ロッド受け凹部206の中心軸A2と、によって画定される平面に対して斜角で延在することができる。凹部1214の第1及び第2の面1218は、面が受け部材200の近位-遠位軸A1に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられていてもよい。
図12Eに示すように、アーム204は、アームを凹部に対して長手方向に並進させることによって、凹部1214内に受容させることができ、又は凹部1214から取り外すことができる。しかし、凹部1214及びアーム204の幾何学的形状は、アームが凹部1214に受容されている時に、アームが器具1200に対して回転すること、又は器具に対して横方向に並進することを防ぐことができる。
【0110】
図12Fに示すように、ロックアーム1204の遠位端は、器具1200が受け部材200のアーム204に対して長手方向に移動するのを防ぐ又は制限するための係合機構1220を含むことができる。係合機構1220は、ロックアーム1204から半径方向内方に突出して、受け部材200のアーム内に形成された対応するアーチ状溝210と選択的に係合する棚部又は隆起部を含むことができる。
【0111】
使用時は、受け部材200のアーム202、204は近位方向に凹部1214内へと挿入することができ、ロックアーム1204はアーム内に形成された溝210と係合させることができる。このように器具1200に連結されると、受け部材200は器具に対していかなる方向にも回転又は並進できないように器具に対してロックされ得る。こうして、器具1200は、受け部材又は骨アンカーアセンブリ100のその他のヘッド200に対する一側取り付けのための安定したプラットフォームを提供することができる。
【0112】
受けヘッドへの一側式取り付けによって、多くの外科的工程を容易にすることができる。
図12Gは、椎骨V1に予めインプラントされた骨アンカー400に受け部材200を組み付けるために一側式取付器具1200を用いる代表的な方法を示す。受け部材200を上記で説明したとおりに器具1200に取り付け、続いて骨アンカー400のヘッド402上まで遠位方向に押し下げることができる。ユーザは器具1200に遠位方向の押圧力を加えて受け部材200を骨アンカー400上まで押し出し、組み立て済みの骨アンカーアセンブリ100Aを形成することができる。一旦組み立てられたら、器具1200は、第2の骨アンカーアセンブリ100Bに関連して示されるように所定の位置に残すことができる。一側式取付器具1200を使用することによって、受け部材200を患者内へと前進させている時にユーザが骨アンカー400を見るのを容易にすることができる。
【0113】
図12Hは、脊椎ロッドの導入に関連して一側式取付器具を使用する代表的な方法を示す。示されるように、第1及び第2の骨アンカーアセンブリ100A、100Bは、対応する第1及び第2椎骨V1、V2にインプラントすることができる。一側式取付器具1200A、1200Bは、各骨アンカーアセンブリ100A、100Bに連結することができる。ロッドインサータ1226は、それに連結された脊椎ロッドR1を骨アンカーアセンブリ100A、100Bのロッド受け凹部内へと導入するために用いることができる。受け部材200A、200Bの片側が開放されたままであることにより、凹部と位置合わせしようとするロッドの動きが横方向成分を含むことができるため、一側式取付器具1200A、1200Bを使用することによってロッドR1の導入を容易にすることができる。典型的な二側式(bilateral)器具を用いると、ロッドの動きは近位-遠位運動及び長手方向運動に限定されてしまう。二側式器具を用いた典型的なMIS処置では、ロッドの自由端を、二側式器具の対向するアームの間にある皮膚下の狭いチャネル内にガイドする必要がある。一側式器具を用いると、ロッドは横方向に移動して第2の骨アンカーアセンブリのロッド受け凹部と位置合わせすることができるため、ロッドのトンネリングはそれほど正確である必要はない。
【0114】
図12Iは、止めねじの挿入に関連して一側式取付器具を使用する代表的な方法を示す。示されるように、第1及び第2の骨アンカーアセンブリ100A、100Bは、対応する第1及び第2椎骨V1、V2にインプラントすることができる。一側式取付器具1200A、1200Bは、各骨アンカーアセンブリ100A、100Bに連結することができる。脊椎ロッドR1は、例えば、
図12Hに関連して上記で説明された種類のロッド導入方法を用いて、骨アンカーアセンブリ100A、100Bのロッド受け凹部と位置合わせして位置決めすることができる。器具1200Bは、止めねじ102及び止めねじドライバ器具1228の挿入をガイドすることができる。例えば、骨アンカーアセンブリ100A、100Bに脊椎ロッドR1を最終締め付けするために、ドライバシャフト1228を器具1200B内で回転させて、止めねじ102を受け部材200Bに対して螺入又は螺出させることができる。
【0115】
図12Jは、脊椎ロッドを整復して止めねじを挿入することに関連して一側式取付器具を用いる代表的な方法を示す。ロッドR1を受け部材200A、200Bのロッド座部内へと整復することは、整復工具1232を一側式取付器具1200Aの作業チャネルを通して挿入することによって達成することができる。器具1200Aの管状延長部1206は、整復工具1232の挿入をガイドすることができる。整復工具1232は、工具が管状延長部内で回転してロッドR1を整復することができるように、管状延長部1206に螺合係合される又はその他の方法で連結されることができる。整復工具1232は、止めねじ102及び止めねじドライバ器具1230の挿入をガイドするための作業チャネルを画定することができる。例えば、骨アンカーアセンブリ100A、100Bに脊椎ロッドR1を最終締め付けするために、ドライバシャフト1230を整復工具1232内で回転させて、止めねじ102を受け部材200Aに対して螺入又は螺出させることができる。
【0116】
図12Kに示すように、器具1200Aは、止めねじ102を締め付ける又は緩める際に逆トルクを加えるために使用することができる。器具1200Aは、止めねじドライバ1230が器具内で回転している間に器具に逆トルク力を加える上での機械的利点をユーザに提供するために開放端レンチ又はその他の工具1234を用いて把持することが可能な1つ以上の平板1222を器具の近位端に含むことができる。
【0117】
図示されていないが、多くの他の外科的工程のいずれにおいても一側式器具はプラットフォームとしての役割を果たし得るということが理解されよう。例えば、一側式器具は第1及び第2椎骨を伸延させるために伸延装置と併用することができる。具体的には、第1及び第2の器具は、第1及び第2椎骨にそれぞれインプラントされた対応する第1及び第2の骨アンカーアセンブリと連結させることができる。伸延装置は、器具と係合することで、器具に伸延力を加えて椎骨を伸延させることができる。
【0118】
別の例では、一側式器具は第1及び第2椎骨を圧迫するために圧迫装置と併用することができる。具体的には、第1及び第2の器具は、第1及び第2椎骨にそれぞれインプラントされた対応する第1及び第2の骨アンカーアセンブリと連結させることができる。圧迫装置は器具と係合することで、器具に圧迫力を加えて椎骨を圧迫することができる。
【0119】
別の例では、一側式器具は、減捻手技を実施するために使用することができる。具体的には、第1及び第2の器具は、第1及び第2椎骨にそれぞれインプラントされた対応する第1及び第2の骨アンカーアセンブリと連結させることができる。第1及び第2の器具は、反対方向に押されると、ある椎骨をもう一方の椎骨に対して回転させることができる。器具は、器具を減捻フレームに連結するための機構を含むことができる。
【0120】
インサートを備える骨アンカーアセンブリ
図13A~
図13Kは、骨アンカーアセンブリ1300の代表的実施形態を示す。下記で指摘されない限り、本開示を考慮すれば当業者には容易に理解できるように、骨アンカーアセンブリ1300の構造及び動作は上記の骨アンカーアセンブリ100のそれと実質的に同じである。例えば、骨アンカーアセンブリ1300は、全て上記で説明した種類の、コレット300、シャンク又は骨アンカー400、及び閉鎖機構又は止めねじ102を含むことができる。骨アンカーアセンブリ1300は、上記の受け部材200と同様であり得るが、別個のリテーニングリング又はインサート1302を含むことができる受け部材200’を更に含むことができる。組み立て中、コレット300は受け部材200’に挿入することができ、その後、インサート1302を受け部材に固定してコレットを受け部材内に保持することができる。別個のインサート1302を用いることで、コレット300を受け部材に装填した際にコレット300の指部316を変形又は偏向させることなく、コレット300を受け部材200’に組み付けることが可能となり得る。これにより、組み立て中にコレット指部316が損傷するリスクを有利に低減することができる。
【0121】
インサート1302は、内面と、外面と、これを通って延在する中央開口部と、を有する環状体であってもよい。中央開口部は、シャンク400のヘッド402を軸A1に沿って通すのに十分な大きさだが、コレット300がインサート1302を遠位方向に通るのを防ぐのに十分な小ささであってよい。インサート1302の中央開口部は、コレット300の指部316の休止外径よりも小さな直径を有することができる。
【0122】
インサート1302は、様々な方法で受け部材200’に固定することができる。例えば、
図13A~
図13Fに示すように、インサート1302の外面は、それから半径方向外方に延在する隆起部1304を含むことができる。受け部材200’の内面は、インサート1302を受け部材に固定するために隆起部1304が受容される対応溝1306を含むことができる。隆起部1304が溝1306内に受容されると、インサート1302が受け部材200’に対して軸A1に沿って近位又は遠位方向に移動することが妨げられ得る。組み立て中に溝1306に隆起部1304を挿入することを容易にするために、インサート1302は半径方向に拡張可能及び/又は半径方向に折り畳み可能であってよい。例えば、インサート1302は、インサートが示されるようなCクリップを形成するように切れ目1308を含むことができる。他の構成においては、インサート1302は1つ又は複数のスリット、翼状部分、又はインサートの拡張及び/又は収縮を可能にするその他の機構を含むことができる。隆起部1304及び溝1306の位置決めは、溝がインサート1302内に形成され、隆起部が受け部材200’内に形成されるように反転してもよいことが理解されよう。連続的な円周方向の隆起部1304及び溝1306が示されているが、その他の構成では、インサート1302は、インサートを中に保持するための受け部材200’の対応する1つ又は複数の個別のポケット内に受容されるように構成された1つ又は複数の個別の突起部を含むことができる。
【0123】
別の例では、
図13G~
図13Kに示すように、インサート1302の外面は、受け部材200’の内面に形成された対応するねじ山1312と係合するねじ山1310を含むことができる。このため、インサート1302が受け部材200’に対して軸A1を中心に回転することは、インサートを軸A1に沿って受け部材に対して前進又は後退させるのに効果的となり得る。いくつかの実施形態では、インサート1302は、インサートの近位端が受け部材に形成された遠位に面する肩部1314に接触して当接するまで受け部材200’内に螺進可能である。インサート1302の遠位対向面は、例えば、インサートの遠位末端部に、インサートにトルクを加えることを容易にするための打ち込み機構1316を含むことができる。ある構成では、
図13Kに示すように、打ち込み機構は、ドライバ器具の対応する雄打ち込み機構を受容するように寸法決めされた1つ又は複数の雌凹部1316であってもよい。他の構成では、打ち込み機構は、インサート1302から遠位方向に突出する雄打ち込み機構であってもよい。雄打ち込み機構は、所定の閾値力、例えば、所定の閾値トルクが加えられるとインサート1302から離脱するように構成することができる。このため、インサート1302は、雄打ち込み機構が離脱して、インサートが十分に締め付けられたことをユーザに示し、また任意で、続いてインサートが受け部材から外れてしまうことを防ぐまで、受け部材200’に締め付けることができる。
【0124】
インサート1302を受け部材200’に取り付けるためにねじ山式及びスナップリング係合が示されているが、代りに又は加えて、スウェージング、ステーキング、糊付け、溶接などの様々なその他の取り付けタイプのいずれを用いてもよいことが理解されよう。
【0125】
受け部材200’のキャビティ222の作業面の一部又は全部が、インサート1302によって画定されることができる。
図13A~
図13Fでは、キャビティ222の上側部分224が、部分的に受け部材200’によって、また部分的にインサート1302によって画定される。具体的には、上側部分224の円錐台形又は実質的に円錐台形の部分が受け部材200’によって形成され、球形又は実質的に球形の座部230がインサート1302によって形成される。キャビティ222の中間部分226及び下側部分228はインサート1302によって画定される。
図13G~
図13Kでは、キャビティ222の上側部分224、中間部分226、及び下側部分228は、全てインサート1302の内面によって画定される。
【0126】
上述したように、骨アンカーアセンブリ1300は、コレット300を受け部材200’の遠位端内に装填し、続いてインサート1302を受け部材に取り付けて中にコレットを保持することによって組み立てることができる。一旦組み立てられたら、骨アンカーアセンブリ1300の使用法は、上記の骨アンカーアセンブリ100のそれと実質的に同じであり得る。
図13D及び
図13Hに示すように、シャンク400のヘッド402をインサート1302の遠位端内に装填して、インサート1302を貫いて近位方向に受け部材200’内まで通すことができる。軸方向力を受け部材200’に加えることで、シャンク400のヘッド402がコレット指部316をキャビティ222の上側部分224内まで押し込めることができ、
図13E及び13Iに示すように、そこでコレット指部は半径方向に拡張することができ、シャンクのヘッドがコレット内まで通るのを可能にする。コレット指部316は、シャンクヘッド402を受け部材200’内に拘束することができる。シャンクヘッド402とコレット指部316の内球との間の直径方向の締めしろは、例えば、骨アンカーアセンブリ1300の仮位置決めのため、及びばたつきを防ぐために、2つの構成要素間で抵抗を作り出すことができる。
図13F及び
図13Jに示すように、ロッドR1及び止めねじ102を受け部材200’内に設置することができる。続いて、止めねじ102が回転すると、受け部材200’をロッドR1及びコレット300に対して上方に引き上げ、それによってコレット指部316をシャンクヘッド402とインサート1302との間にくさび留めすることができる。インサート1302及びコレット指部316は、シャンクヘッド402を受け部材200’内に拘束して、それにより多軸ロック機構を作り出するように構成することができる。インサート1302の内面は、外側球形状を有するコレット指部316を受け入れて止めねじを取り外す際に多軸方向移動の再可動化を容易にするように球形であることができる。
【0127】
圧迫キャップを備える骨アンカーアセンブリ
図14A~
図14Kは、骨アンカーアセンブリ1400の代表的実施形態を示す。下記で指摘されない限り、本開示を考慮すれば当業者には容易に理解できるように、骨アンカーアセンブリ1400の構造及び動作は上記の骨アンカーアセンブリ100、1300のそれと実質的に同じである。例えば、骨アンカーアセンブリ1400は、全て上記で説明した種類の、リテーニングリング又はインサート1302を備えた受け部材200’、シャンク又は骨アンカー400、及び閉鎖機構又は止めねじ102を含むことができる。骨アンカーアセンブリ1400はまた、多構成要素コレット300’を含むこともできる。コレット300’は、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404を含むことができる。圧迫キャップ1402は、コレットリング1404に対して軸方向に並進可能であり得る。圧迫キャップ1402は、構造体が締め付けられるとシャンク400の球形ヘッド402に接触して当接することができる(例えば、脊椎ロッドR1が止めねじ102によって骨アンカーアセンブリ1400に固定されている時)。このため、構造体がロックされると、シャンク400の受け部材200’に対する多軸方向の動きに対する抵抗が、(i)くさび留めされたコレット指部316によってシャンクヘッド402の遠位部分、及び(ii)圧迫キャップ1402によってシャンクヘッドの近位部分、の両方にもたらされ得る。圧迫キャップ1402は、シャンクヘッド402の再近位部分を圧迫する荷重経路を提供することができ、これはコレット指部316のみを通る荷重経路と比較してポリスリップ(poly-slip)性能を高めることができる。圧迫キャップ1402はまた、シャンクヘッド402と接触するコレット300’の表面積を増加させることによって、くさび留めされたコレット指部316によって提供される多軸運動に対する抵抗を強化することもできる。くさび留めされたコレット指部316は、より一貫した、かつシャンク400の受け部材200’に対する角度にほとんど依存しないロックを提供するため、例示される構成は、圧迫キャップのみを採用した構成と比較して、ポリスリップ性能を強化することができる。
【0128】
組み立て中、コレット300’は受け部材200’に挿入することができ、その後、インサート1302を受け部材に固定してコレットを受け部材内に保持することができる。別個のインサート1302を用いることで、コレットを受け部材に装填した際にコレット300’の指部316を変形又は偏向させることなく、コレット300’を受け部材200’に組み付けることが可能となり得る。これにより、組み立て時にコレット指部316が損傷するリスクを有利に低減することができる。
【0129】
骨アンカーアセンブリ1400は、様々なヘッド200’のうちのいずれかが様々な骨アンカー400のうちのいずれかと連結可能であるように、かつアセンブリ1400がその位置で互いに嵌合され得るように、モジュール式であってよい。骨アンカー400は、受け部材200’の下部に搭載可能であり、コレット300’によって捕捉されて、骨アンカーを受け部材内に保持しつつもその間の相対運動を可能とすることができる。止めねじ102を締め付けることで、コレット300’を骨アンカー400のヘッド402と受け部材200’との間にくさび留めし、かつ圧迫キャップ1402を骨アンカーのヘッド上まで付勢して、それにより骨アンカー及び受け部材の相対的位置をロックすることができる。止めねじ102は、脊椎ロッドR1又はその他のインプラントを骨アンカーアセンブリ1400にロックするためにも効果的であり得る。
【0130】
使用時は、ヘッド200’を取り付けずに骨アンカー400を骨に打ち込むことができる。これによって、低プロファイルの初期構造体をもたらし、神経要素を露出する、癒合のために小関節面及び円板を除去するなどの手順のその他の工程を実施する前に骨アンカー400を配置することを可能にすることができる。その結果、解剖学的基準点を保存することができ、また骨アンカー400を挿入する標的を設定する際に使用することができる。また、低いプロファイルは手術部位へのより多くの接近手段をユーザに提供することができる。骨アンカー400はまた、伸延、圧迫、減捻、軟組織の退縮などといったその他の操作のためのプラットフォームとして使用することもできる。アセンブリ1400はまた、事前に組み立てられた状態で患者にインプラントすることもできる。
【0131】
図14C~
図14Dは、ヘッド又は受け部材200’の詳細を示す。受け部材200’は、中心近位-遠位軸A1を画定する近位端200p及び遠位端200dを含むことができる。受け部材200’の近位端200pは、間にロッド受け凹部206を画定する一対の離間したアーム202、204を含むことができる。ロッド受け凹部206は、中心軸A2を有することができる。ロッド受け凹部206は、ロッドR1を受け部材200’に対して遠位に動かすことによってロッドR1が凹部に挿入され得るように近位方向に開口してよい。各アーム202、204の内面は、止めねじ102と嵌合するように構成することができる。例えば、アーム202、204の内面は、止めねじ102上に形成された雄ねじ山に対応するねじ山を含むことができる。したがって、軸A1を中心とした止めねじ102の受け部材200’に対する回転は、止めねじを受け部材に対し軸A1に沿って軸方向に並進させるのに効果的となり得る。各アーム202、204は、受け部材200’の基部208から自由端まで延在することができる。
【0132】
アーム202、204は、受け部材200’の様々な器具への連結を容易にするために、凹部、ディンプル、ノッチ、突起部などの機構を含むことができる。例えば、受け部材200に関連して上記で説明したように、受け部材200’は、「上部ノッチ」機構及び/又は一側式取付機構を含むことができる。あるいは、又はそれに加えて、受け部材200’は、例えば、器具と受け部材200’との連結を容易にするために、ロッカフォーク(rocker fork)整復器具などの器具の対応する突起部と係合するために、外側壁に形成された盲穴、貫通穴、凹部、又は開口部220を含み得る。図示される構成においては、「蝶ネクタイ」型の凹部220が、受け部材200’の各アーム202、204内に形成される。
【0133】
受け部材200’の基部208は、コレット300’と骨アンカー400のヘッド402とを受容可能な内部キャビティ222を画定することができる。様々なキャビティ形状のいずれも使用可能であるが、
図14Cに示されるように、例示のキャビティ222は、上側の近位部分224と、中間部分226と、下側の遠位部分228とを含む。
【0134】
キャビティ222の上側部分224は、軸A1を中心に円筒形又は実質的に円筒形であってもよい。キャビティの上側部分224は、コレットリング1404の近位本体部分1406をすべり嵌め式に受容することができる。例えば、キャビティの上側部分224は、コレットリング1404の近位本体部分1406の外径と例えば+/-5%でぴったり一致する内径を有することができる。これは、ロック前のアセンブリ1400中の「スロップ」を制限又は防ぐことができ、またロック前、中、又は後で受け部材200’内におけるコレット300’のトグル又は変形に抵抗する助けとなり得る。いくつかの実施形態では、コレットリング1404とキャビティ222の上側部分224との間に円筒-円筒接触又は拘束を形成することができる。キャビティの中間部分226は、軸A1を中心に円錐台形又は実質的に円錐台形であってもよい。キャビティの中間部分226は、シャンク400のヘッド402がコレットリング1404内に導入された時にコレット指部316の半径方向外方の拡張に適合するためのリリーフゾーンを提供することができる。キャビティ222の下側部分228は、近位方向に面する球形又は実質的に球形の座部234を含むことができる。座部234は、アセンブリ1400がロックされるとコレット指部316がくさび留めされる軸受面を形成することができる。いくつかの実施形態では、座部234は、円錐形及び/又はテーパ状であることができる。キャビティ222の全体は、一体型又はモノリシックの受け部材の内面によって画定されてもよく、あるいは、示されるように、キャビティの少なくとも一部分が、受け部材200’とは別個のリテーニングリング又はインサート1302によって画定されてもよい。図示される配置では、球形座部234はリテーニングリング1302の内面によって画定される。
【0135】
受け部材200’は、コレット300’の受け部材に対する動きを制限するか又は防ぐための機構を含むことができる。例えば、受け部材200’は、コレット300’の近位-遠位移動を制限する、又はコレットの回転を制限又は防止するための機構を含むことができる。図示の実施形態では、受け部材200’は、圧迫キャップ1402の対応する平板308と係合して圧迫キャップの受け部材に対する回転を防ぐ、直径方向に対向する平板240を含む。これは、圧迫キャップ1402のロッドスロット306が受け部材200’のロッドスロット206と整列した状態を維持することを確実にする助けとなり得る。図示された回転防止機構は、上記のキー溝及び翼配置よりも製造が容易となり得るが、いくつかの実施形態では、骨アンカーアセンブリ1400はキー溝及び翼配置を含んでもよい。平板240は、圧迫キャップが受け部材に対して軸A1を中心に回転するのを制限又は防ぎながら、圧迫キャップ1402が受け部材200’に対して軸A1に沿って並進するのを可能にすることができる。受け部材200’内での圧迫キャップ1402の近位方向への移動は、圧迫キャップの近位対向面1408とキャビティ222の屋根部に形成された遠位に面する肩部242との間の係合によって制限することができる。肩部242は、更に、コレットリング1404が受け部材200’内で近位方向に移動するのを制限することができる。肩部242は、中心軸A1に対して斜角をなしていてもよく、これは肩部242を尖端ドリルビットで機械加工することによって受け部材200’の製造を容易にすることができる。斜角肩部242はまた、受け部材200’を製造する際により多くの材料を保持させることを可能にして、止めねじ102が締め付けられる時に受け部材のアーム202、204の広がりに抵抗するのに重要となり得る領域内の受け部材の側壁を厚くすることができる。
【0136】
コレット300’は圧迫キャップ1402(
図14Eに詳細に示す)及びコレットリング1404(
図14Fに詳細に示す)を含むことができる。圧迫キャップ1402は、コレットリング1404に対して移動可能に連結され得る。例えば、圧迫キャップ1402は、コレットリング1404の中央開口部内に入れ子式に伸縮自在に受容されることができる。圧迫キャップ1402及びコレットリング1404は、受け部材200’内に形成されたキャビティ222内に位置決めすることができる。圧迫キャップ1402及びコレットリング1404は、独立してキャビティ222内で軸A1に沿って長手方向に並進可能であり得る。圧迫キャップ1402は、コレットリング1404に対して軸A1を中心に回転可能であり得る。圧迫キャップ1402は、コレットリング1404に対して軸A1を中心に回転することを制限又は防止され得る。例えば、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404は、相対的な軸方向並進を可能にしつつもそれらの間の回転を制限するためにインターロック隆起部及び溝機構を含むことができる。
【0137】
圧迫キャップ1402は、第1及び第2のアーム302、304がアームのそれぞれの自由端まで近位方向に延在する略円筒形であってよい。第1及び第2のアーム302、304は、間に画定される凹部306がロッド受け凹部206と位置合わせされるように、受け部材200’の第1及び第2のアーム202、204と整列していてもよい。その結果、ロッドR1は、ロッドR1が第2のロッド受け凹部206内に配置されている時は、同時に圧迫キャップ1402のアーム302、304の間、及び受け部材200’のアーム202、204の間で支えられ得る。
【0138】
圧迫キャップ1402は、圧迫キャップの受け部材200’に対する特定の動きを制限又は防止するように構成された嵌合機構を含むことができる。例えば、圧迫キャップ1402は、アーム302、304の外面に形成された対向する平板308を含むことができる。平板308は、上記の対応する平板240と整列して接触し、圧迫キャップ1402が受け部材200’内を並進することを可能にするが、圧迫キャップ1402が受け部材に対して回転するのを制限又は防ぐことができる。複数の平板308が示されているが、圧迫キャップ1402は一部の実施形態では単一の平板のみを含んでもよく、又は3つ以上の平板を含んでもよい。
【0139】
圧迫キャップ1402は半径方向の突起部1410を含むことができる。突起部1410は、圧迫キャップ1402の遠位端に、又はそれに隣接して形成することができる。突起部1410は、受け部材200’の肩部242と接触して、圧迫キャップ1402が受け部材に対して軸A1に沿って近位方向に並進するのを制限するための、近位に面する肩部1408を画定することができる。近位に面する肩部1408は、軸A1に対して斜角をなしていてもよい。例えば、近位に面する肩部1408は、円錐形、球形、段状、テーパ状などであってもよい。近位に面する肩部1408は、平面状であってもよく、かつ軸A1に対して垂直に延在してもよい。突起部1410は、コレットリング1404の近位に面する肩部1414と接触して、圧迫キャップ1402がコレットリングに対して軸A1に沿って遠位方向に並進するのを制限するための、遠位に面する肩部1412を画定することができる。遠位に面する肩部1412は、軸A1に対して斜角をなしていてもよい。例えば、遠位に面する肩部1412は、円錐形、球形、段状、テーパ状などであってもよい。遠位に面する肩部1412は、平面状であってもよく、かつ軸A1に対して垂直に延在してもよい。下記で説明するように、突起部1410は、コレットリング1404の円筒形内面1418と嵌合するように構成された円筒形の外面1416を画定することができる。
【0140】
圧迫キャップ1402は、軸A1に沿って圧迫キャップを完全に貫いて延在する中央開口部310を画定することができる。開口部310は、ガイドワイヤ若しくは針を貫通させて受容するように、又は骨アンカー400の打ち込みインターフェイスを係合させるためにドライバを貫通させて受容するように、寸法決め可能である。
【0141】
圧迫キャップ1402は、例えば、受け部材200’に対する骨アンカーの多軸方向の動きをロックするために、骨アンカー400のヘッド402に接触して当接するように構成された遠位に面する軸受面1420を含むことができる。軸受面1420は球形又は実質的に球形であってよい。軸受面1420は、1つ又は複数の歯若しくは隆起部、及び/又は圧迫キャップ1402と骨アンカー400のヘッド402との間のグリップを強化するための様々なその他の表面コーティング、処理、若しくは形状を含むことができる。軸受面1420は球形であってよく、シャンクヘッド402球体の直径よりもわずかに小さい直径を有することができる。その結果、ロック時には、アセンブリ1400のポリスリップ性能を強化し得る環状線の接触部が圧迫キャップ1402とヘッド402との間に形成され得る。軸受面1420はまた、組み立て中にシャンク400が受け部材200’に対して近位方向に移動することを制限する役割を果たすことができる。これは、ヘッド402がコレット指部316を越えて近位に通過するリスクが生じるほどにシャンク400が受け部材200’内に非常に強く挿入される状況を防ぐのに立つことができる。このような状況では、ヘッド402は最初に軸受面1420と接触するため、コレット指部316を越えて近位に通過することが防がれ得る。
【0142】
圧迫キャップ1402は、例えば、コレット300に関連して上記で説明したように、圧迫キャップと器具とを係合させて圧迫キャップを操作するための機構を含むことができる。
【0143】
コレットリング1404は、略円筒状の近位本体1406を含むことができる。コレットリング1404は、軸A1に沿ってコレットリングを完全に貫いて延在する中央開口部310を画定することができる。開口部310は、ガイドワイヤ若しくは針を貫通させて受容するように、又は骨アンカー400の打ち込みインターフェイスを係合させるためにドライバを貫通させて受容するように、寸法決め可能である。開口部は更に、中に圧迫キャップ1402を受容して、圧迫キャップがコレットリング1404に対して同軸になり、かつ入れ子状に伸縮自在に摺動可能となるように構成することができる。近位に面する肩部1414は、開口部310内に画定されて、圧迫キャップ1402がコレットリング1404に対して遠位方向に移動するのを制限することができる。
【0144】
コレットリング1404は、複数の遠位方向に延在する指部316を画定するために内部に形成された1つ又は複数のスリットを含むことができる。指部316は、休止位置から半径方向内方及び/又は半径方向外方に変形するように構成することができる。指部316は、その休止位置から変形した時に指部が休止位置に向けて付勢されるように、弾性特性を有することができる。
【0145】
例示されるコレットリング1404は6つの指部316を含んでいるが、コレットリングは任意の数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の指部を含んでもよいことを理解されたい。より多くの指部316を含むことで、所定の寸法のコレットリング1404に対してより幅が狭い各個別の指部をもたらして、組み立て中に指部がより容易にたわむようにすることができる。
【0146】
スリットは、拡張した又はT字型の近位端を有して、リリーフを提供し、かつ指部316が、より少ない労力で、又は破断させることなしにより大きく変形することを可能にし得る。指部316は、近位端に隣接して、所定の屈曲区域で指部の屈曲を促進する減厚領域318を含むことができる。指部316の最遠位端は、骨アンカー400のヘッド402が進入するための引き込みを提供し、またコレット指部を骨アンカーのヘッドと受け部材200と’の間にくさび留めするための、湾曲面、テーパ面、角度付き面、又は傾斜面320を含むことができる。引込面320は、実質的に半径方向内方に面していてもよい。指部316の内面は、球形又は略球形であってもよい。指部316の外面も、同様に球形又は略球形であってもよい。一部の実施形態では、指部316の内面はそれぞれ共通の球体の区画を形成する。
【0147】
拡張した指部316は、コレットリング1404がキャビティ222内に保持されるように、リテーニングリング1302によって画定される開口部の休止直径よりも大きな休止直径を有することができる。リテーニングリング1302は、必ずしもスウェージングを必要とすることなしに、コレットリング1404がキャビティ222内に保持されることを可能にし得ることが理解されよう。スウェージングは、ある構成要素を別の構成要素内に保持するための恒久的な材料の変形を伴う、一般的な製造プロセスである。スウェージングプロセス中の材料の変形は従来の機械加工プロセスと比較して予測が困難であり、製造コストを増加させ得る特別な製造制御を必要とする場合がある。このため、例示される骨アンカーアセンブリ1400は、スウェージングを必要とする骨アンカーアセンブリと比較して製造がより容易かつ安価となり得る。スウェージングは必ずしも必要ではないが、いくつかの実施形態では、スウェージングは、コレット300’をキャビティ222内に保持するため、又はコレットの保持を増強するために用いられる場合がある。
【0148】
シャンク400のヘッド402がコレットリング1404の遠位端に装填されると、指部316はその休止位置から変形することができる。受け部材200’及びコレットリング1404は、遠位方向の軸方向力をシャンクのヘッド402上の受け部材に加えることによって、シャンク400のヘッドに組み付けることができる。シャンク400のヘッド402は指部316の遠位引込面320に当接して、指部をその休止位置から半径方向外方に変形させることができる。一旦シャンク400のヘッド402がコレットリング1404内を十分に遠くまで前進したら、指部316はその休止位置に向けて戻って内部にシャンクのヘッドを捕捉し、シャンクをコレット300’内に、ひいては受け部材200’内に保持することができる。コレットリング1404内に捕捉され、コレットが受け部材200’内にロックされる前は、シャンク400はまだ自由にコレットリング対して枢動し、またコレットリングに対して軸A1を中心に回転することができる。コレットリング1404は、例えば、コレット指部316と骨アンカーのヘッドとの間の軽い締まりばめによって、骨アンカー400のヘッド402に抵抗力を加えることができる。抵抗力は、構造体をロックする前、例えば、アセンブリ1400の仮位置決め中に、受け部材200’と骨アンカー400との間の相対的位置を維持して、受け部材の「ばたつき」を防ぐことができる。こうして、抵抗力は、ユーザが意図した時に自由な動きを可能にしながらも、アセンブリ1400をロックする前の意図しない動きを防ぐことができる。
【0149】
シャンク400のヘッド402に一旦組み付けられると、ロッドの挿入及び止めねじ102のロックは、コレットリング1404を受け部材200’に対して遠位方向に打ち込むのに効果的となり、コレット指部316をシャンクのヘッドとリテーニングリング1302の座部234との間にくさび留めし、これによりシャンクの受け部材に対する動きをロックすることができる。
【0150】
インサート1302の詳細を
図14C及び
図14Gに示す。インサート1302は、内面と、外面と、これを通って延在する中央開口部と、を有する環状体であってもよい。中央開口部は、シャンク400のヘッド402を軸A1に沿って通すのに十分な大きさだが、コレット300’がインサート1302を遠位方向に通るのを防ぐのに十分な小ささであってよい。インサート1302の中央開口部は、コレット300’の指部316の休止外径よりも小さな直径を有することができる。
【0151】
上記で詳細に説明したように、インサート1302は、様々な方法で受け部材200’に固定することができる。例えば、示されるように、インサート1302の外面は、それから半径方向外方に延在する隆起部1304を含むことができる。受け部材200’の内面は、インサート1302を受け部材に固定するために隆起部1304が受容され得る対応溝1306を含むことができる。隆起部1304が溝1306内に受容されると、インサート1302が受け部材200’に対して軸A1に沿って近位又は遠位方向に移動することが妨げられ得る。組み立て中に溝1306に隆起部1304を挿入することを容易にするために、インサート1302は半径方向に拡張可能及び/又は半径方向に折り畳み可能であってよい。例えば、インサート1302は、インサートが示されるようなCクリップを形成するように切れ目1308を含むことができる。他の構成においては、インサート1302は1つ又は複数のスリット、翼状部分、又はインサートの拡張及び/又は収縮を可能にするその他の機構を含むことができる。隆起部1304及び溝1306の位置決めは、溝がインサート1302内に形成され、隆起部が受け部材200’内に形成されるように反転してもよいことが理解されよう。連続的な円周方向の隆起部1304及び溝1306が示されているが、その他の構成では、インサート1302は、インサートを中に保持するための受け部材200’の対応する1つ又は複数の個別のポケット内に受容されるように構成された1つ又は複数の個別の突起部を含むことができる。
【0152】
止めねじ102は、受け部材200’のアーム202、204上に形成された雌ねじ山と嵌合するように構成された雄ねじ山を含むことができる。螺合係合により、軸A1を中心に止めねじを回転させることで、止めねじ102が軸A1に沿って受け部材200’に対して前進又は後退することが可能となり得る。止めねじ102は、軸A1を中心とした回転力を止めねじに加えるためのドライバを受容するように構成された打ち込みインターフェイスを含むことができる。止めねじ102の遠位面は、ロッドR1をアセンブリ1400にロックするために、ロッド受け凹部206内に配置されたロッドR1に接触して当接するように構成することができる。ロッドR1に対して締め付けられると、止めねじ102は、ロッドが受け部材200’に対して軸A2に沿って並進すること、及び/又は受け部材に対して軸A2を中心に回転することを防ぐことができる。止めねじ102が示されているが、代わりに、又は加えて、前進して直角に回転することによってロックする閉塞キャップ、回転せずに横方向に摺動する閉塞キャップ、受け部材200’の外部にねじ止めされるナットなどのその他のロック要素が用いられてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、二重止めねじが使用されてもよい。二重止めねじは、圧迫キャップ1402のアーム302、304に当接して、受け部材200’に対するシャンク400の多軸方向の動きをロックする外側止めねじを含むことができる。二重止めねじは、外側止めねじに形成された開口部内に螺着された内側止めねじも含むことができる。内側止めねじは、締め付けられてロッドR1に当接し、ロッドを受け部材200’にロックすることができる。
【0153】
図14Bに示すように、シャンク又は骨アンカー400は、近位ヘッド部分402及び遠位シャフト部分404を含むことができ、また中心長手方向骨アンカー軸A3を画定することができる。
【0154】
上述したように、骨アンカーアセンブリ1400は、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404を含むコレット300’を受け部材200’の遠位端内に装填し、続いてインサート1302を受け部材に取り付けて中にコレットを保持することによって組み立てることができる。一旦組み立てられたら、骨アンカーアセンブリ1400の使用法は、上記の骨アンカーアセンブリ100、1300のそれと実質的に同じであり得る。
図14Cに示すように、シャンク400のヘッド402はインサート1302の遠位端内に装填し、近位方向にそれを貫いて受け部材200’内まで通すことができる。軸方向力を受け部材200’に加えることで、シャンク400のヘッド402にコレット指部316をキャビティ222の中間部分226内まで押し込ませることができ、そこでコレットの指部は半径方向に拡張することができ、シャンクのヘッドがコレットリング1404内まで通るのを可能にする。コレット指部316は、シャンクヘッド402を受け部材200’内に拘束することができる。シャンクヘッド402とコレット指部316の内球との間の直径方向の締めしろは、例えば、骨アンカーアセンブリ1400の仮位置決めのため、及びばたつきを防ぐために、2つの構成要素間で抵抗を作り出すことができる。ロッドR1及び止めねじ102は、受け部材200’内に設置することができる。その後、止めねじ102を回転させることにより、受け部材200’を、骨にインプラントされ得るロッドR1及びシャンク400のヘッド402に対して上方に引くことができる。この移動は、シャンクヘッド402とインサート1302との間にコレット指部316をくさび留めして、圧迫キャップ1402をシャンクヘッドに押し付けることができる。インサート1302、コレット指部316、及び圧迫キャップ1402は、シャンクヘッド402を受け部材200’内に拘束して、それにより多軸ロック機構を作り出するように構成することができる。インサート1302の内面は、外側球形状を有するコレット指部316を受け入れて止めねじを取り外す際に多軸方向移動の再可動化を容易にするように球形であることができる。
【0155】
図14H~
図14Kは、構成要素の位置決めの様々な代表的状態にある骨アンカーアセンブリ1400を示す。
【0156】
図14Hでは、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404が、受け部材200’内で軸A1に沿ったその近位方向移動の限界にある状態でそれぞれ示されている。この状態では、コレットリング1404の近位端及び圧迫キャップ1402の近位に面する肩部1408は、受け部材200’の遠位に面する肩部242と接触する。
【0157】
図14Iでは、圧迫キャップ1402は、受け部材200’内で軸A1に沿ってその近位方向移動の限界にある状態で示され、コレットリング1404、受け部材200’内で軸A1に沿ってその遠位方向移動の限界にある状態で示されている。この状態では、コレット指部316はリテーニングリング1302の座部234と接触して、コレットリング1404が遠位方向に落下して受け部材200’から外れることを防ぐ。示されるように、この状態では、様々な肩部とアセンブリ1400の停止面との間の軸方向間隔は、圧迫キャップ1402とコレットリング1404との間で軸方向の重なり合いが常に存在して、その結果、例えば、圧迫キャップの少なくとも一部がコレットリングの中央開口部内に配置された状態を常に保つように選択することができる。これは、アセンブリ1400の内部構成要素の不慮の分離、トグリング、ジャミングなどを防ぐのに役立ち得る。
【0158】
図14Jでは、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404が、受け部材200’内における軸A1に沿ったその遠位方向移動の限界にある状態でそれぞれ示されている。この状態では、コレット指部316はリテーニングリング1302の座部234と接触して、コレットリング1404が遠位方向に落下して受け部材200’から外れることを防ぐ。更にこの状態では、圧迫キャップ1402の遠位に面する肩部1412がコレットリング1404の近位に面する肩部1414と接触して、圧迫キャップの遠位方向移動が制限される。
【0159】
図14Kでは、圧迫キャップ1402及びコレットリング1404が、アセンブリ1400がロックされてシャンク400と受け部材200’との間の多軸方向移動を防いでいる典型的なロック位置で示される。この状態では、コレット指部316はシャンク400のヘッド402とリテーニングリング1302の座部234との間にくさび留めされて、シャンクヘッドの遠位区域にロック力が加えられる。更にこの状態では、圧迫キャップ1402の遠位に面する軸受面1420がシャンクヘッド402に対して圧迫されて、シャンクヘッドの近位区域にロック力が加えられる。コレットリング1404の近位に面する肩部1414は、ロック中、コレットリング内で底につく前に、先ず圧迫キャップ1402がシャンクヘッド402と接触することを確実にする十分な深さでコレットリングの中央開口部内に形成されることができる。
【0160】
上記の説明若しくは添付図面において表現された又は示唆された方法工程の任意の順序は、その順序でステップ工程を実施することに開示された方法を限定するものと解釈すべきではないことに留意すべきである。むしろ、本明細書で開示された方法のそれぞれの様々なステップは、任意の様々な順序で行うことができる。更に、説明された方法は、例示的な実施形態に過ぎず、追加の工程を含む、又はより少ない工程を含む、様々な他の方法も本開示の範囲内である。
【0161】
本明細書で図示及び説明される方法は、一般に脊椎ロッドを複数の椎骨に取り付けることを含むが、本明細書の装置及び方法は、任意の骨、非骨組織、又は非生物若しくは非組織対象物内で、様々なその他の種類の固定化又は安定化機器と共に用いることができることを理解されたい。本明細書に開示される骨アンカーアセンブリ及びその他のインプラントは、完全にインプラントすることもでき、あるいは外部固定化又は安定化システムの一部として使用することができる。本明細書で開示された装置及び方法は、最小侵襲性手術及び/又は切開手術で用いることができる。
【0162】
本明細書で開示される装置及びそれらの様々な構成部品は、様々な既知の材料のいずれかから構築することができる。例示的な材料は、例えば、ステンレス鋼、チタン、コバルト-クロム、チタン-モリブデン、又はそれらの合金のような金属、PEEK、セラミックス、炭素繊維などのポリマーを含む、外科用途で使用するのに適した材料を含む。本明細書で開示された装置の様々な構成要素は、剛性又は可撓性であり得る。装置の1つ又は複数の構成要素又は部分は、蛍光透視法及び他の画像処理技法の下での視覚化を容易にするために、放射線不透過性材料から形成することができ、あるいは他の構造物の可視化を干渉しないように放射線透過性材料から形成することができる。例示的な放射線透過性の材料としては、炭素繊維及び高強度のポリマーが挙げられる。
【0163】
以上、特定の実施形態を記載したが、記載された概念の趣旨及び範囲内で多くの変更がなされ得る点を理解されたい。
【0164】
〔実施の態様〕
(1) 骨アンカーアセンブリであって、
キャビティを画定するヘッドであって、前記ヘッドは、中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を含む、ヘッドと、
前記キャビティ内に配置されたコレットであって、前記コレットは、前記キャビティ内の前記コレットを保持するために半径方向外方に拡張するように構成された複数の指部を備える、コレットと、
前記コレット内に保持されたヘッド部分を有するシャンクと、を備える、アセンブリ。
(2) 前記ヘッドは、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを備える、実施態様1記載のアセンブリ。
(3) 各アームは、取付器具とのダブテール式一側嵌合を容易にする断面を含む、実施態様2に記載のアセンブリ。
(4) 各アームは、外面と、内面と、前記内面と前記外面との間を延在する第1及び第2の係合面と、によって画定される断面を含む、実施態様2に記載のアセンブリ。
(5) 前記第1及び第2の係合面は、前記ヘッドの前記中心近位-遠位軸と、前記ロッド受け凹部の中心軸と、によって画定される平面に対して斜角で延在する、実施態様4に記載のアセンブリ。
【0165】
(6) 前記第1及び第2の係合面は、前記面が前記ヘッドの前記中心近位-遠位軸に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられている、実施態様4に記載のアセンブリ。
(7) 前記キャビティは、前記コレットが前記ヘッドに対して長手方向に並進することを可能にしながら、前記コレットが前記ヘッドに対して回転するのを制限するために前記コレットが摺動可能に受容される1つ又は複数のキー溝を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(8) 前記ヘッドは対向する第1及び第2のアームを含んで、前記アームのそれぞれはそこから近位方向に延在する整復タブを有する、実施態様1に記載のアセンブリ。
(9) 前記ヘッドは、間に第1のロッド受け凹部を画定する対向する第1及び第2のアームと、中に第2のロッド受け凹部を画定する側方翼部と、を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(10) 前記ヘッドは、一体型ロッド部を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
【0166】
(11) 前記コレットは、前記ヘッドの遠位端に挿入可能である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(12) 前記コレットは、前記キャビティ内で長手方向に並進可能である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(13) 前記コレットは、前記ヘッド内に形成されたキー溝に摺動可能に受容された1つ又は複数の翼を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(14) 前記コレットは、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(15) 前記コレットの各アームは、取り外し又は組み立て器具と係合するためにその内面上に形成された凹部を含む、実施態様14に記載のアセンブリ。
【0167】
(16) 前記凹部は前記アームの両方の外側端に対して開いている、実施態様15に記載のアセンブリ。
(17) 前記凹部は、前記凹部が前記アームの1つの外側端のみに対して開いているように、近位対向面と、遠位対向面と、半径方向内向き面と、前記近位対向面、前記遠位対向面、及び前記内向き面を接続する当接面と、を含む、実施態様15に記載のアセンブリ。
(18) 前記コレットは、スウェージングなしに前記ヘッド内に保持されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(19) 前記コレットの前記指部は、前記コレットが前記キャビティの遠位端に装填されると休止位置から変形するように構成されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(20) 前記キャビティは、
近位方向に面する座部を画定する近位部分と、
近位方向に面する球形座部を画定する中間部分と、
前記キャビティ内へと半径方向内方に突出する第1の棚部であって、前記第1の棚部は前記キャビティの前記近位部分と前記中間部分との間の移行部に画定されている、第1の棚部と、を含む、実施態様19に記載のアセンブリ。
【0168】
(21) 前記キャビティは、
遠位方向に面する座部を画定する遠位部分と、
前記キャビティ内へと半径方向内方に突出する第2の棚部であって、前記第2の棚部は前記キャビティの前記中間部分と前記遠位部分との間の移行部に画定されている、第2の棚部と、を含む、実施態様20に記載のアセンブリ。
(22) 前記コレットが前記キャビティ内に挿入されると、前記第1の棚部が前記指部の外面に当接して、前記指部を前記休止位置から半径方向内方に変形させる、実施態様20に記載のアセンブリ。
(23) 前記指部は、前記キャビティの前記近位部分内で半径方向外方に拡張して、前記コレットを前記キャビティ内に保持するように構成されている、実施態様20に記載のアセンブリ。
(24) 前記コレットの前記指部は、前記シャンクの前記ヘッド部分が前記コレットの遠位端内に装填されると休止位置から変形するように構成され、前記ヘッド部分が一旦前記コレット内に前進されると、前記指部は、その休止位置に向かって戻り、前記コレット内に前記ヘッド部分を捕捉するように構成されている、実施態様1に記載のアセンブリ。
(25) 前記コレットが前記ヘッドにロックされる前に前記ヘッド部分が前記コレットの前記指部内に受容された時、前記シャンクは前記コレットに対して自由に枢動可能である、実施態様1に記載のアセンブリ。
【0169】
(26) 前記ヘッドが前記コレットに対して近位方向に前進することで、前記コレット指部を前記シャンクの前記ヘッド部分と前記キャビティの前記内部との間にくさび留めし、これにより前記シャンクの前記ヘッドに対する動きをロックする、実施態様1に記載のアセンブリ。
(27) 前記シャンクの前記ヘッド部分は、前記シャンクにトルクを加えるか、又は前記シャンクに器具を取り付けるための打ち込みインターフェイスを含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(28) 前記打ち込みインターフェイスは雌ねじ山を備えるキャビティを備え、前記雌ねじ山は複数の長手方向チャネルによって中断されている、実施態様27に記載のアセンブリ。
(29) 前記シャンクの近位対向面は、前記シャンクに逆トルクを加えるために複数の近位に延在する突起部を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(30) 各突起部は、前記シャンクの中心長手方向軸を横断する平面から斜めに延在する傾斜面と、前記シャンクの前記中心長手方向軸に対して平行に延在する当接面と、を備える、実施態様29に記載のアセンブリ。
【0170】
(31) 各突起部は、前記シャンクの中心長手方向軸に対して平行に延在する第1の当接面と、前記シャンクの前記中心長手方向軸に対して平行に延在する第2の当接面と、を備える、実施態様29に記載のアセンブリ。
(32) 骨アンカーアセンブリを組み立てる方法であって、
コレットを前記骨アンカーアセンブリのヘッド内に形成されたキャビティ内に挿入することであって、
前記コレットの複数の指部を半径方向内方に変形させて、前記コレットが前記キャビティの遠位開口部を通過できるようにすること、及び
一旦前記コレットが前記キャビティ内に配設されて前記キャビティ内に前記コレットが保持されたら、前記複数の指部を半径方向外方に拡張させること、による、こと、並びに、
前記コレットが前記キャビティ内に挿入された後で、骨アンカーのヘッド部分を前記コレット内に挿入することであって、
前記コレットの前記指部を半径方向外方に変形させて、前記骨アンカーの前記ヘッド部分が前記指部によって画定された遠位開口部を通過できるようにすること、及び
一旦前記ヘッド部分が前記コレット内に配設されて前記ヘッド部分が前記コレット内に保持されたら、前記複数の指部を半径方向内方に折り畳むこと、による、こと、を含む、方法。
(33) 前記コレットを前記キャビティ内で遠位方向に並進させて、前記コレットの前記指部を前記骨アンカーの前記ヘッド部分と前記キャビティの内面との間にくさび留めすることを更に含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記コレットを遠位方向に並進させることは、止めねじを前記骨アンカーアセンブリの前記ヘッドに締め付けて、前記ヘッド内に配設されたロッドを前記コレットと接触するように付勢し、前記ヘッドを近位方向に動かすことを含む、実施態様33に記載の方法。
(35) 前記コレット及び前記ヘッドを前記骨アンカーに取り付ける前に、前記骨アンカーを骨に打ち込むことを更に含む、実施態様32に記載の方法。
【0171】
(36) ドライバ器具であって、
骨アンカーの対応する係合機構と係合するための係合機構を有するスリーブであって、玉軸受が配設される貫通孔を含む、スリーブと、
前記スリーブ内に回転可能に配設されたドライバシャフトであって、前記ドライバシャフトの遠位端は骨アンカーと係合して前記骨アンカーを骨に打ち込むように構成され、前記ドライバシャフトはその内部に形成された第1の溝を有する、ドライバシャフトと、
前記スリーブの近位部分が受容されるキャビティを画定し、内部に形成された第2の溝を有する、カラーと、を備え、
前記カラーは、前記ドライバシャフトが前記スリーブに対して一定の長手方向位置に維持され、前記スリーブに対し自由に回転できる、ロック位置と、前記ドライバシャフトが前記スリーブに対して長手方向に自由に並進でき、前記スリーブに対して自由に回転できる、非ロック位置と、の間を摺動可能である、ドライバ器具。
(37) 前記ロック位置では、前記玉軸受が前記ドライバシャフト内に形成された前記第1の溝内に部分的に配設される位置に前記カラーが前記玉軸受を保持するように、前記カラーの前記第2の溝が前記スリーブの前記貫通孔からオフセットされる、実施態様36に記載の器具。
(38) 前記非ロック位置では、前記カラーの前記第2の溝が前記スリーブの前記貫通孔と整列させられ、前記玉軸受が半径方向外方に移動して前記ドライバシャフト内に形成された前記第1の溝との係合を解除することを可能にする、実施態様36に記載の器具。
(39) 前記スリーブを前記カラーに対して遠位方向に付勢するように構成された付勢要素を更に含む、実施態様36に記載の器具。
(40) 前記スリーブの前記係合機構は、前記スリーブの前記遠位対向面から遠位方向に延在する複数の傾斜突起部を含み、各突起部が、前記スリーブの中心長手方向軸を横断する平面から斜めに延在する傾斜面と、前記スリーブの前記中心長手方向軸に対して平行に延在する当接面と、を含む、実施態様36に記載の器具。
【0172】
(41) ドライバ器具であって、
骨アンカーの対応する係合機構と係合するための係合機構を有するスリーブと、
前記スリーブ内に回転可能に配設されたドライバシャフトであって、前記ドライバシャフトの遠位端は骨アンカーと係合して前記骨アンカーを骨に打ち込むように構成され、前記ドライバシャフトはその外面上に形成されたねじ山を有する、ドライバシャフトと、
カラーであって、前記スリーブの近位部分が受容されるキャビティを画定し、前記カラーが前記ドライバシャフトと螺合するようにその内部に形成された雌ねじ山を有する、カラーと、を備え、
前記カラーは、前記スリーブを前記ドライバシャフトに対して回転させることなしに前記スリーブを前記ドライバシャフトに対して長手方向に前進させるように、前記ドライバシャフトに対して回転可能である、ドライバ器具。
(42) 前記カラーは、その内部に形成され、前記スリーブ内に形成された溝と整列する穴を含む、実施態様41に記載の器具。
(43) 前記スリーブが前記カラーに対して回転することを可能にしながら、前記スリーブを前記カラーに対して一定の長手方向位置に維持するために、前記穴を通して前記溝に挿入されるピンを更に備える、実施態様42に記載の器具。
(44) 前記スリーブの前記係合機構は、前記スリーブの骨アンカーに対する時計回り方向及び反時計回り方向の両方の回転を防ぐ、実施態様41に記載の器具。
(45) 前記スリーブの前記係合機構は、前記スリーブの前記遠位対向面から遠位方向に延在する複数の突起部を含み、前記突起部はそれぞれ、前記スリーブの中心長手方向軸に対して平行に延在する第1の当接面と、前記スリーブの前記中心長手方向軸に対して平行に延在する第2の当接面と、を備える、実施態様41に記載の器具。
【0173】
(46) 前記スリーブの前記係合機構は、複数の角度付き歯を備える、実施態様41に記載の器具。
(47) 一側式取付器具であって、
本体であって、内部に骨アンカーアセンブリの受け部材のアームを受容し、それによって前記受け部材の前記本体に対する横方向の並進及び軸方向の回転を防ぐように構成された凹部を画定し、前記本体は中心長手方向軸を画定する、本体と、
前記本体と枢動可能に連結され、骨アンカーアセンブリの受け部材のアームと係合して、前記受け部材の前記本体に対する軸方向の並進を防ぐように構成されたロックアームと、を備える、一側式取付器具。
(48) 受け部材のアームが前記凹部内に配設された時、前記本体の前記中心長手方向軸は前記受け部材の中心長手方向軸からオフセットされる、実施態様47に記載の器具。
(49) 前記本体は、前記本体の前記中心長手方向軸からオフセットされた中心長手方向軸を有する管部分を含む、実施態様47に記載の器具。
(50) 受け部材のアームが前記凹部内に配設された時、前記管部分の前記中心長手方向軸は、前記受け部材の中心長手方向軸と同軸である、実施態様49に記載の器具。
【0174】
(51) 前記管部分の内部はねじ山付きである、実施態様49に記載の器具。
(52) 前記管部分の外部は、平坦溝及び環状溝のうち少なくとも1つを含む、実施態様49に記載の器具。
(53) 前記ロックアームを前記本体に対して枢動させるように構成された解除ボタンを更に備える、実施態様47に記載の器具。
(54) 前記凹部は、受け部材のアームの複数の側面を把持するように構成されている、実施態様47に記載の器具。
(55) 前記凹部は、ダブテール結合によって受け部材と嵌合するように構成されている、実施態様47に記載の器具。
【0175】
(56) 前記凹部は、湾曲面と、前記湾曲面から延在する第1及び第2の平坦面と、を含む、実施態様47に記載の器具。
(57) ロッド受け凹部を有する受け部材と連結されると、前記第1及び第2の平坦面は、前記受け部材の中心長手方向軸及び前記ロッド受け凹部の中心軸によって画定された平面に対して斜角で延在する、実施態様56に記載の器具。
(58) 前記第1及び第2の平坦面は、前記面が前記凹部内に受容された受け部材の前記中心長手方向軸に近づくにつれて互いに向かって角度を付けられている、実施態様56に記載の器具。
(59) 前記ロックアームは、前記アームから半径方向内方に突出して、前記凹部に受容された受け部材内に形成された対応する溝と係合する隆起部を含む、実施態様47に記載の器具。
(60) 骨アンカーアセンブリであって、
中心近位-遠位軸を画定する近位端及び遠位端を有する受け部材と、
前記受け部材に取り付けられたインサートであって、前記インサート及び前記受け部材はキャビティを画定する、インサートと、
前記キャビティ内に配置され、前記インサートによって前記キャビティ内に保持されるコレットであって、前記コレットは複数の指部を含む、コレットと、
前記インサートを通って延在するシャンクであって、前記シャンクは前記コレットの前記指部内に保持されたヘッド部分を有する、シャンクと、を備える、骨アンカーアセンブリ。
【0176】
(61) 前記インサートは、前記インサートを前記受け部材に取り付けるために前記受け部材内に形成された溝内に受容される隆起部を含む、実施態様60に記載のアセンブリ。
(62) 前記インサートは、前記受け部材内への前記インサートの挿入を容易にするために半径方向に折り畳み及び拡張が可能である、実施態様60に記載のアセンブリ。
(63) 前記インサートは、前記受け部材の開放遠位端に螺入されている、実施態様60に記載のアセンブリ。
(64) 前記コレットは、前記コレットを変形させることなしに前記受け部材の前記遠位端に挿入可能である、実施態様60に記載のアセンブリ。
(65) 前記受け部材は、ロッド受け凹部を間に画定する第1及び第2の対向するアームを備える、実施態様60記載のアセンブリ。
【0177】
(66) 前記コレットの前記指部は、前記シャンクの前記ヘッド部分が前記コレットの遠位端内に装填されると休止位置から変形するように構成され、前記ヘッド部分が一旦前記コレット内に前進されると、前記指部は、その休止位置に向かって戻り、前記コレット内に前記ヘッド部分を捕捉するように構成されている、実施態様60に記載のアセンブリ。
(67) 前記コレットが前記受け部材にロックされる前に前記ヘッド部分が前記コレットの前記指部内に受容された時、前記シャンクは前記コレットに対して自由に枢動可能である、実施態様60に記載のアセンブリ。
(68) 前記受け部材が前記コレットに対して近位方向に前進することで、前記コレット指部を前記シャンクの前記ヘッド部分と前記インサートの前記内部との間にくさび留めし、これにより前記シャンクの前記受け部材に対する動きをロックする、実施態様60に記載のアセンブリ。
(69) 前記コレットは、圧迫キャップ及びコレットリングを備える、実施態様60に記載のアセンブリ。
(70) 前記圧迫キャップ及び前記コレットリングは、前記キャビティ内に配置されると前記受け部材に対して独立して長手方向に並進可能である、実施態様69に記載のアセンブリ。
【0178】
(71) 前記圧迫キャップは前記コレットリング内に形成された開口部内に摺動可能に受容されている、実施態様69に記載のアセンブリ。
(72) 前記コレットリングは、前記圧迫キャップが摺動可能に受容される近位開口部を含み、前記コレットの前記指部は前記コレットリングから遠位方向に延在する、実施態様69に記載のアセンブリ。
(73) 前記圧迫キャップは、前記受け部材の対応する1つ以上の平板と相互作用して、前記圧迫キャップが前記中心近位-遠位軸を中心に前記受け部材に対して回転することを制限する1つ以上の平板を含む、実施態様69に記載のアセンブリ。
(74) 前記キャビティは、それに前記コレットリングが受容されると前記コレットリングの円筒形の外側壁を拘束する円筒形の内側壁を有する上部を含む、実施態様69に記載のアセンブリ。
(75) 閉鎖要素を前記受け部材に締め付けることで、(i)前記圧迫キャップの軸受面が前記シャンクの前記ヘッドの近位部分に対して付勢され、かつ(ii)前記コレット指部が前記シャンクの前記ヘッドの遠位部分に対して付勢される、実施態様69に記載のアセンブリ。
【0179】
(76) 骨アンカーアセンブリを組み立てる方法であって、
コレットを変形させることなしに前記コレットを前記キャビティの遠位開口部に通すことによって、前記コレットを前記骨アンカーアセンブリの受け部材内に形成されたキャビティ内に挿入することと、
前記コレットを前記キャビティに挿入した後で、前記骨アンカーアセンブリの前記受け部材にインサートを取り付けて、前記コレットが前記キャビティの前記遠位開口部を通して遠位方向に移動するのを防ぐことと、
前記インサートを前記受け部材に取り付けた後で、骨アンカーのヘッド部分を前記インサートの中央開口部を通して前記コレット内に挿入することであって、
前記コレットの前記指部を半径方向外方に変形させて、前記骨アンカーの前記ヘッド部分が前記指部によって画定された遠位開口部を通過できるようにすること、及び
一旦前記ヘッド部分が前記コレット内に配設されて前記ヘッド部分が前記コレット内に保持されたら、前記複数の指部を半径方向内方に折り畳むこと、による、ことと、を含む、方法。
(77) 前記受け部材を前記コレットに対して近位方向に並進させることにより、前記コレットの前記指部を前記骨アンカーの前記ヘッド部分と前記インサートの内面との間にくさび留めすることを更に含む、実施態様76に記載の方法。
(78) 前記受け部材を近位方向に並進させることは、止めねじを前記受け部材に締め付けて、前記受け部材内に配設されたロッドを前記コレットと接触するように付勢して前記受け部材を近位方向に移動させることを含む、実施態様76に記載の方法。
(79) 前記コレット及び前記受け部材を前記骨アンカーに取り付ける前に、前記骨アンカーを骨に打ち込むことを更に含む、実施態様76に記載の方法。
(80) 前記コレットは圧迫キャップ及びコレットリングを備え、前記指部は前記コレットリングから遠位方向に延在する、実施態様76に記載の方法。
【0180】
(81) 前記圧迫キャップ及び前記コレットリングを前記キャビティ内で独立して長手方向に並進させることを更に含む、実施態様80に記載の方法。
(82) 前記圧迫キャップを前記コレットリング内に形成された開口部内で軸方向に摺動させることを更に含む、実施態様80に記載の方法。
(83) 前記圧迫キャップは、前記受け部材の対応する1つ以上の平板と相互作用して、前記圧迫キャップが前記受け部材の中心近位-遠位軸を中心に前記受け部材に対して回転することを制限する1つ以上の平板を含む、実施態様80に記載の方法。
(84) 閉鎖要素を前記受け部材に締め付けて、(i)前記圧迫キャップの軸受面を前記骨アンカーの前記ヘッドの近位部分に対して付勢し、(ii)前記コレット指部を前記骨アンカーの前記ヘッドの遠位部分に対して付勢する、ことを更に含む、実施態様80に記載の方法。