(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】キャビティ構造を有する無線周波数フィルター
(51)【国際特許分類】
H01P 1/207 20060101AFI20221108BHJP
H01P 1/208 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H01P1/207 Z
H01P1/208 Z
(21)【出願番号】P 2019520385
(86)(22)【出願日】2017-10-17
(86)【国際出願番号】 KR2017011444
(87)【国際公開番号】W WO2018080078
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2019-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2016-0139478
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-フェ キム
【合議体】
【審判長】角田 慎治
【審判官】赤穂 美香
【審判官】土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204927465号明細書(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0204493号明細書(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P1/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターにおいて、
キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開口面を有するハウジングと、
前記ハウジングの中空に位置する共振素子と、
前記共振素子に対応する位置に、あらかじめ設定した直径を有する雌ネジ構造の貫通型ホールを備え、前記ハウジングの開口面を密封するカバーと、
前記カバーと前記ハウジングとの間に配置する前記カバーのサイズに対応するサイズのチューニングの金属板と、
前記カバーの前記貫通型ホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、
前記周波数チューニングネジが前記貫通型ホールにネジ結合する場合に、前記周波数チューニングネジによって前記金属板の対応する部位が前記共振素子側に押入るように変形するものであり、
前記ハウジングは、少なくとも2つのキャビティを有し、
前記少なくとも2つのキャビティの間には、接続通路の構造であるカップリングウィンドウを形成し、
前記カバーには、前記カップリングウィンドウに対応する位置にネジ穴を形成し、
前記金属板には、前記カバーに形成された前記ネジ穴に対応する位置にカップリングチューニング用の貫通穴を形成し、
カップリングチューニングネジが前記ネジ穴にネジ結合方式で結合し、前記ネジ穴及び前記カップリングチューニング用の貫通穴を介して前記カップリングウィンドウ側に突出し、
前記カバーの前記貫通型ホールの下端は、他の部位の直径より広い直径を有するように段差をなして形成され、
前記周波数チューニングネジの下端
には、周波数チューニングネジのネジ形成部分よりも小さな直径を有
する突出部が形成され、
前記金属板は、カバーとはんだ付け方式によって固定されるように取り付けられていることを特徴とする無線周波数フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムで使用される無線信号処理装置に関し、特にキャビティフィルターのように、キャビティ構造を有する無線周波数フィルター(以下、「フィルター」と称する場合がある)に関する。
【0002】
キャビティ構造を有する無線周波数フィルターは、通常、金属製のハウジングを介して直方体などの収容空間、すなわちキャビティを多数個備え、各キャビティ構造の内部に誘電体共振素子(DR:Dielectric Resonance element)または金属共振棒で構成された共振素子をそれぞれ備えて超高周波の共振を発生させる。また、このようなキャビティ構造を有する無線周波数フィルターにて、通常キャビティ構造の上部には、該当キャビティの開口面を遮蔽するカバーが備えられ、カバーには、該当無線周波数フィルターのフィルターリング特性をチューニングするためのチューニング構造であって、多数のチューニングネジおよび該当チューニングネジを固定するためのナットが設けられる。キャビティ構造を有する無線周波数フィルターの一例としては、本出願人によって先出願された韓国公開特許公報第10-2004-100084号(名称:「無線周波数フィルター」、公開日:2004年12月02日、発明者:パク・ジョンギュの他2人)にて開示した例が挙げられる。
【0003】
このようなキャビティ構造を有する無線周波数フィルターは、無線通信システムで送受信無線信号の処理のために用いられ、特に、移動通信システムでは、基地局や中継器などに代表的に適用される。
【0004】
一方、本出願人によって先出願された韓国公開特許公報第10-2014-0026235号(名称:「キャビティ構造を有する無線周波数フィルター」、公開日:2014年03月05日、発明者:バクナムシンの他2人)は、チューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用せずに、周波数のチューニングが可能な、シンプルで簡素化されたフィルター構造を提案している。前記公開特許公報第10-2014-0026235号は、アルミニウムやマグネシウム素材(合金を含む)の板状の母材を利用し、プレス加工やダイカスト加工などを通じてカバーを製作時に、カバーにて共振素子と対応する位置に1つまたは複数の陥没部位を形成する技術を提供する。また、このような陥没部位に、外部打刻装置の打刻ピン(pin)による打刻又は押しによってドットピン(dot peen)構造を多数個形成する。このような陥没部位及びドットピン構造は、周波数チューニングのために一般的に使用されたチューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を代替するためのものであり、該当陥没部位(及びドットピン構造)と共振素子との間の距離が縮むようにして適切なチューニング作業ができるようにする。
【0005】
前記公開特許公報第10-2014-0026235号に開示された技術は、通常のチューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用しておらず、小型化及び軽量化のためのフィルター構造に適している。また、このような構造は、従来の周波数チューニングネジとハウジングのネジ穴との間の不連続的かつ不均一な接触面や異種金属間の接合などの要因によって発生するPIMD(Passive Intermodulation Distortion)成分を除去することができる。
【0006】
ところで、前記公開特許公報第10-2014-0026235号に開示された技術は、周波数チューニングのために、外部打刻装置を別途備えなければならないという問題点がある。また、外部打刻装置を用いてフィルターの陥没部位にドットピン構造を形成する方式は、一度形成したドットピン構造を除去して陥没部位を元のかたちに復元することが事実上不可能になる。これにより、周波数のチューニング作業が不可逆的に行われ、周波数のチューニング作業時に困難があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の少なくとも一部の実施例による目的は、従来の周波数チューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用せずに、周波数のチューニングが可能であり、より簡単な製造作業及び低コストの製作が可能なキャビティ構造を有する無線周波数フィルターを提供することにある。
【0008】
本発明の少なくとも一部の他実施例では、前記した目的に加え、周波数チューニングを可逆的に行うことができ、チューニング作業がより容易にできるキャビティ構造を有する無線周波数フィルターを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した目的を達成するために、本発明の一実施例によると、キャビティ構造を有する無線周波数フィルターとして、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開口面を有するハウジングと、前記ハウジングの中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、あらかじめ設定された直径及び深さで陥没し、底の部分が他の部分よりも薄薄形状に形成されている雌ネジ構造の溝を備え、前記ハウジングの開口面を密封するカバーと、前記カバーの前記溝にネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記周波数チューニングネジが前記溝にネジ結合するときに、前記周波数チューニングネジによって前記溝の底面が、前記共振素子側に押入るように変形することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施例によると、キャビティ(cavity)構造を有する無線周波数フィルターとして、キャビティを有するために、内部が中空であり、一側に開口面を有するハウジングと、前記ハウジングの中空に位置する共振素子と、前記共振素子に対応する位置に、あらかじめ設定された直径を有する雌ネジ構造の貫通型ホールを備え、前記ハウジングの開口面を密封するカバーと、前記カバーと前記ハウジングとの間に配置される前記カバーのサイズに対応するサイズのチューニングの金属板、及び、前記カバーの前記貫通型ホールにネジ結合する周波数チューニングネジを含み、前記周波数チューニングネジが前記貫通型ホールにネジ結合する場合に、前記周波数チューニングネジによって前記金属板の対応する部位が前記共振素子側に押入るように変形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記したように、本発明の一部の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターは、従来の周波数チューニングネジ及び固定用ナットの締結構造を採用せずに、周波数のチューニングを可能にする構造を提供し、より簡単な製造作業及び低コストの製作が可能になる。また、本発明の少なくとも一部の他実施例では、さらに周波数チューニング作業を可逆的に行うことができ、チューニング作業がより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターの一部分離切断面図である。
【
図3】
図1の周波数チューニングネジの斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターの一部分離切断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る好適な実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。下の図面では、同一の構成要素に対しては、可能な限り同一の参照番号を付与し、説明の便宜のために、そのサイズや形状などは、多少簡略化したり、一部は誇張して図示した。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターの一部分離切断面図であり、周波数チューニングネジ31が分離された状態を示す。
図2は
図1にて分離した部分(つまり、周波数チューニングネジ)の結合図であり、
図3は、
図1の周波数チューニングネジの斜視図である。
図1ないし
図3を参照すると、本発明の第1の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターは、従来と同様に、内部が中空であり、外部から遮断されるキャビティを少なくとも一つ以上有する筐体を備える。筐体はキャビティを形成し、一側(例えば、上側)が開口されたハウジング21と、前記ハウジング21の開口面を密封するカバー11を含むように形成する。ハウジング21内に形成したキャビティの中心部には、共振素子41がハウジング21内部の底面に固定的に設置する形態で備えられる。
【0015】
図1ないし
図3の例では、説明の便宜のために、ハウジング21が、例えば、一つのキャビティ構造を形成することを示す。しかし、このような構造の他にも、ハウジング21が多数のキャビティを多段に接続する構造を有してもよく、各キャビティは、その中心部に、それぞれ共振素子を備えてもよい。また、
図1ないし
図3は、図示しないが、該当無線周波数フィルターの入力端子及び出力端子がハウジング21の一側及び他側に形成される。ハウジングが多数のキャビティを有するように構成する場合に、前記入力端子及び出力端子は、それぞれ入力端キャビティ及び出力端キャビティ構造と、それぞれ接続するようにハウジングに取り付ける。
【0016】
前記した構成では、ハウジング21及びハウジング21によって形成されるキャビティ構造と共振素子41の構造は、従来と同様に構成することができ、ハウジング21及び共振素子41は、すべてアルミ系(合金)の材質で構成される。また、本発明の一実施例に係るカバー11も、従来と同様に、ハウジング21の材質と同じ材質、すなわち、アルミニウム系の材質で構成される。
【0017】
しかし、カバー11には、ハウジング21のキャビティ内の共振素子41に対応する部位にあらかじめ設定された直径及び深さで陥没した溝112が形成される。前記溝112の底部aの厚さは、カバー11の残りの他の部位とは異なり、薄い薄膜状に形成される。例えば、カバー11にて他の部位の厚さが約2.0~3.0mmである場合に、前記溝112の底部の厚さは0.1~0.3mm程度で形成する。また、溝112の直径は、約4.0~4.5mmで形成する。
【0018】
前記溝112の側面は、周波数チューニングのための周波数チューニングネジ31が結合するにネジ結合構造を形成する。即ち、前記溝112は、全体的に、前記周波数チューニングネジ31がネジ結合方式で結合されるための雌ネジのネジ溝構造を有する。
【0019】
周波数チューニングネジ31は、側面に前記溝112とネジ結合するための雄ネジ構造を有し、上端(つまり、頭の部分)には、外部のドライバ装置(ドライバ、レンチなど)が接続されてネジ締め作業をするための適切な型の結合溝312が形成される。
図1ないし
図3の例では、前記結合溝312は、一字(slotted)状であることを図示した。周波数チューニングネジ31の下端、すなわち前記溝112の底部aと当接する部分には、一部が下側に突出する突出部313を形成する。前記突出部313は、周波数チューニングネジ31の下端部がより小さい直径を有するように段差をなした構造で形成される。例えば、周波数チューニングネジ31の直径が約4.0~4.5mmである場合に、前記突出部313の直径は約2.5~3.5mmにする。また、突起313は、約0.5~1.0mmの高さに形成する。
【0020】
前記のようなフィルター構造にて、周波数のチューニング作業時には、周波数チューニングネジ31をカバー11の溝112に結合して締めることになるが、周波数チューニングネジ31を締めるに応じて周波数チューニングネジ31の突出部313が溝112の底部aを押すようになる。これにより、
図2により明確に示すように、カバー11の溝112の底部aは、キャビティ内部の共振素子41側に押入ることになる。したがってカバー11の下側、すなわち溝112の底部aと共振素子41との間の距離(すなわち、
図1のd1、
図2のd2が調整されることにより、カバー11と共振素子41との間の静電容量成分を調整し、該当フィルターリング周波数の特性を調節する。
【0021】
このとき、カバー11の溝112の底部aをいくらかの付勢力を有するように具現する場合に、周波数チューニングネジ31を締めたり緩めたりする作業を繰り返し並行して周波数特性をチューニングすることも可能である。
【0022】
また、突起313を含む周波数チューニングネジ31の全高さは、カバー11の厚さ及び前記チューニング作業時の締める状態などを考慮し、周波数チューニング作業完了後には、チューニングネジ31の上端がカバー11の上面から少なくとも突出しないように適切に設定する。その場合に、フィルター全体の外形およびサイズを最適化することができる。
【0023】
一方、周波数チューニング作業が完了した後には、周波数チューニングネジ31の固定状態を維持するためにエポキシなどの接着用樹脂(図示せず)を周波数チューニングネジ31とカバー11の溝112との結合部位に追加で塗布する。
【0024】
図4は、本発明の第2の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターの一部分離切断面図であり、
図5は、
図4の分離した部分の結合図であり、
図6は、
図4の斜視図である。
図4ないし
図6を参照すると、本発明の第2の実施例に係る無線周波数フィルターは、前記
図1ないし
図3に示した第1の実施例の構造と同様に、上側が開口したハウジング22と、前記ハウジング22の上側を密封するカバー12を含む筐体を備える。ハウジング22内に形成したキャビティの中心部には、共振素子42:42-1、42-2がハウジング22の内部の底面に固定的に設けられるかたちで備えられる。
【0025】
図4ないし
図6の例では、ハウジング22が、例えば、2つのキャビティ構造を形成することを示す。2つのキャビティの間には、相互間のカップリングのための接続通路の構造であるカップリングウィンドウ224を形成する。カップリングウィンドウ224は、キャビティ構造の間の隔壁に該当する部位にて予め設定されたサイズで一定部分が除去された形態で形成される。また、
図4ないし
図6には図示しないが、該当無線周波数フィルターの入力端子がハウジング22の二つのキャビティのうちのいずれかと接続するように構成され、他のキャビティに出力端子が接続されるように構成する。
【0026】
前記のような構造を有する本発明の第2の実施例に係るフィルターにて、カバー12には、ハウジング22のキャビティ内の各共振素子42-1、42-2に対応する部位に予め設定した直径を有し、カバー12を貫通するかたちのホール122:122-1、122-2を形成する。前記ホール122の側面は、周波数チューニングのための周波数チューニングネジ32:32-1、32-2を結合するためのネジ結合構造を形成する。すなわち、前記ホール122は、全体的に、前記周波数チューニングネジ32がネジ結合方式で結合されるための雌ネジ構造を有することが分かる。
【0027】
各周波数チューニングネジ32は、側面に、前記ホール122とネジ結合するための雄ネジ構造を有する。この時、
図4ないし
図6に示した例では、周波数チューニングネジ32が上端及び下端まで全体的に均一な直径を有するものと図示した。
【0028】
また、
図4ないし
図6に図示した第2の実施例の構造では、カバー12とハウジング22との間に、例えば、周波数のチューニング作業のために、概ねカバーのサイズと同じサイズの薄い金属板62を配置する。金属板62は、例えば、アルミニウムや、銅または鉄系の材質で構成してもよく、その厚さは約0.05~0.2mmで具現する。
【0029】
金属板62は、カバー12と、はんだ付け方式によって固定するように取り付けられる。例えば、カバー12の下面の、あらかじめ設定した適正な部位にははんだやはんだクリーム(
図4のc)を供給してリフロー(reflow)はんだ付けプロセスなどを実行し、金属板62とカバー12が相互にはんだ付けする。同様に、金属板62の下面にて、ハウジング22と当接する部分も、はんだ付け方式によって相互固定するように取り付ける。
【0030】
カバー12の貫通型ホール122の下端は、貫通型ホール122の他の部位よりも直径がより広くなるように端部を追加で削除した形態である補助溝bを形成する。これにより、貫通型ホール122は、全体的に下端部の一部がもっと広い直径を有するように段差をなした構造で形成されることが分かる。
【0031】
前記補助溝bは、金属板62とのはんだ付け作業時に、例えばはんだクリームの塗布を防止するための構造物である。たとえば、はんだ付け作業時に、はんだクリームをカバー12の下部面に印刷する方法を用いることができるが、その場合に、前記補助溝bを形成した部位は、はんだクリームが印刷されなくなる。このように、前記貫通型ホール122の補助溝bにより、金属板12にてカバー12とはんだ付けされずに残された部位は、前記周波数チューニングネジ32と当接する部位を含みながらある程度遊びを有するように形成することで、金属板12にて、前記周波数チューニングネジ32に対応する部位が周波数チューニングネジ32によって幾分押入ることができる構造を有することが分かる。
【0032】
前記のようなフィルター構造にて、周波数のチューニング作業時には、周波数チューニングネジ32をカバー12の貫通型ホール122に結合して締めるようになるが、周波数チューニングネジ32を締めるに応じて周波数チューニングネジ32の下端がホール122を貫通した後、金属板62の上面にて対応する部位と当節して金属板62を押すようになる。これにより、
図5に、より明確に示すように、金属板62にて前記チューニングネジ32に対応する部位は、キャビティ内部の共振素子42側に押入るようになる。したがって、金属板62の下面と共振素子42との間の距離が調節されることによって、当該フィルターリング周波数の特性を調節する。
【0033】
一方、前記で、金属板62がいくらかの付勢力を有するように具現する場合に、周波数チューニングネジ32を締めたり緩めたりする作業を繰り返し並行して周波数特性を調整することも可能である。
【0034】
また、周波数チューニングネジ32の全高さは、カバー12の厚さ及び前記チューニング作業時にネジ締めの状態などを考慮し、周波数チューニング作業完了後には、チューニングネジ32の上端がカバー12の上面から少なくとも突出しないように適切に設定する。
【0035】
一方、
図4ないし
図6の実施例では、周波数チューニングネジ32のほかにも、キャビティ間のカップリングのためのカップリングチューニングネジ52がカバー12に追加で設けられることを図示した。つまり、カップリングチューニングネジ52は、カバー12にて、前記カップリングウィンドウ224に対応する位置に形成するネジ穴124とネジ結合方式で結合し、ネジ穴124を介してカップリングウィンドウ224側に突出するように構成する。
【0036】
前記した構造で、カップリングチューニングネジ52がカップリングウィンドウ224側に突出するように、前記金属板62には、対応する部位に貫通孔622を形成する。
【0037】
前記のように、本発明の実施例に係るキャビティ構造を有する無線周波数フィルターを構成することができ、一方、本発明では、他にも様々な実施例や変形例があり得る。例えば、前記の説明では、
図4ないし
図6に図示した第2の実施例に係る周波数チューニングネジ32が、全体的に均一な直径を有するものとして説明したが、他にも前記周波数チューニングネジ32は、前記
図1ないし
図3に示すように下部に突起部を形成した構造を有してもよい。また、その場合には、場合によって
図4ないし
図6に図示したカバー120に形成する貫通型ホール122は、下端に補助溝bが形成されない構造も可能である。
【0038】
また、共振素子は別途で製作し、ハウジングの内部底面に取り付けてもよく、また、本発明では、ハウジングと共振素子がすべて同じ材質で構成するので、ハウジングと共振素子が一体的にダイカスト方式で製作してもよい。或いは、他にも、前記公開特許公報第10-2014-0026235号に開示した技術と同様に、ハウジングと内部の共振素子が全体的にプレス加工方法で一体的に形成される構造を有してもよい。
【0039】
また、筐体に設けられるキャビティの個数と形態をはじめ、周波数チューニングネジ、溝、貫通型ホールなどの具体的な詳細コンポーネントの詳しい構造や、サイズなどは多様に設計変更できることも理解できるはずである。
【0040】
このように、本発明の様々な変形及び変更を加えることができ、したがって、本発明の範囲は、説明した実施例によって定めるものではなく、請求の範囲と特許請求の範囲に均等なものによって定めなければならない。
【0041】
CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION
本特許出願は、2016年10月25日付にて韓国で出願した特許出願番号第10-2016-0139478号に対する米国特許法119a条(35 USC§119a)に基づいて優先権を主張し、そのすべての内容は、参考文献として本特許出願に併合される。さらに、本特許出願は、米国以外の国でも、前記と同じ理由で優先権を主張し、そのすべての内容は、参考文献として本特許出願に併合される。