IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターデジタル マディソン パテント ホールディングスの特許一覧

特許7171559画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置
<>
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図1
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図2
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図3
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図4A
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図4B
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図4C
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図5A
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図5B
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図5C
  • 特許-画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/174 20170101AFI20221108BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G06T7/174
H04N5/232 290
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019522738
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2017077401
(87)【国際公開番号】W WO2018082996
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】16306441.3
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319002876
【氏名又は名称】インターデジタル マディソン パテント ホールディングス, エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】シュタウダー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ロベール,フィリッペ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンドロン,デイビッド
【審査官】佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02961169(EP,A1)
【文献】特開2007-088913(JP,A)
【文献】特開平07-023284(JP,A)
【文献】特表2014-519218(JP,A)
【文献】特開2008-165312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0254976(US,A1)
【文献】国際公開第2015/048053(WO,A1)
【文献】神納 貴生、奥田 正浩,“ゴースト抑制性能を持つ高ダイナミックレンジ画像の取得法”,映像情報メディア学会技術報告,日本,(社)映像情報メディア学会,2008年05月26日,Vol.32, No.21,pp.15-18
【文献】大倉 史生、外2名,“無人飛行船に搭載された2台の全方位カメラを用いた不可視領域のない全天球HDRビデオの生成”,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,日本,特定非営利活動法人日本バーチャルリアリティ学会,2012年09月30日,Vol.17, No.3,pp.139-149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00,7/00-7/90
G06V 10/00-10/98
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーン内の投影領域及びハイライト領域を検出する方法であって、前記シーンが、1つのLDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及び前記LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有する1つのHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジ画像によって表され、前記方法が、
HDR細部マップ計算手段が、前記1つのHDR画像から、前記HDR画像の細部レベルをこのHDR画像の各ピクセルに提供するHDR細部マップを計算するステップと、
LDR細部マップ計算手段が、前記1つのLDR画像から、前記LDR画像の細部レベルをこのLDR画像の各ピクセルに提供するLDR細部マップを計算するステップと、
検出手段が、前記HDR細部マップと前記LDR細部マップとの正の差を有する領域を検出するステップと、を含み、
前記検出された前記正の差を有する領域が、前記シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する、方法。
【請求項2】
前記LDR細部マップ計算手段は、前記LDR画像の輝度マップと、前記LDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のLDR差に基づき、前記LDR細部マップを計算し、
前記HDR細部マップ計算手段は、前記HDR画像の輝度マップと、前記HDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のHDR差に基づき、前記HDR細部マップを計算する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LDR画像の前記輝度マップに低域通過フィルタを適用することによって、前記LDR画像の前記フィルタリング済みの輝度マップが得られる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記LDR細部マップ計算手段がさらに、前記LDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、前記LDR細部マップのピクセルの前記細部レベルを低減するために、前記LDR差に輝度重み関数を適用する、請求項2又は3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記HDR画像の前記輝度マップに低域通過フィルタを適用することによって、前記HDR画像の前記フィルタリング済みの輝度マップが得られる、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記HDR細部マップ計算手段がさらに、前記HDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、前記HDR細部マップのピクセルの前記細部レベルを低減するために、前記HDR差に輝度重み関数を適用する、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記検出手段は、前記検出された領域のうち、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を含む、画像処理方法。
【請求項9】
シーン内の投影領域及びハイライト領域を検出する装置であって、前記シーンが、1つのLDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及び前記LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有する1つのHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジ画像によって表され、前記装置が、
前記1つのHDR画像から、前記HDR画像の細部レベルをこのHDR画像の各ピクセルに提供するHDR細部マップを計算し、
前記1つのLDR画像から、前記LDR画像の細部レベルをこのLDR画像の各ピクセルに提供するLDR細部マップを計算し、
前記HDR細部マップと前記LDR細部マップとの正の差を有する領域を検出する、
ように構成された、少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記検出された前記正の差を有する領域が、前記シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する、装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記LDR画像の輝度マップと、前記LDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のLDR差に基づいて、前記LDR細部マップを計算し、また前記HDR画像の輝度マップと、前記HDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のHDR差に基づいて、前記HDR細部マップを計算するようにさらに構成された、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記検出された領域のうち、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てるようにさらに構成された、請求項9又は10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項に記載の装置を組み込む、画像処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像処理装置を組み込む、電子装置。
【請求項14】
カメラ、テレビ受像機、モニタ、ヘッドマウント表示装置、セット・トップ・ボックス、ゲートウェイ、スマートフォン、及びタブレットからなるグループ内で選択される、請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
プログラムがコンピューティング装置上で実行されるとき、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するための、プログラム・コードの命令を保持する、持続的な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、画像内の投影領域及び/又はハイライト領域を推定する画像処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、光刺激を色座標に変換する。より正確には、入射光のスペクトルは、カメラ・センサによって統合された色フィルタによって重み付けされ、その結果、赤、緑、及び青での色座標RGBが得られる。
【0003】
画像処理の様々な分野での問題が、画像解析である。画像解析から推定される特定のタイプの情報は、ハイライト部分及び投影部分である。ハイライト部分は、たとえば、鏡面反射から得られる明るい画像領域である。鏡面反射はしばしば、大量の入射光のせいで、ハイライト領域内において、その最大法定レベルで色座標のクリッピングが生じる。たとえば、LDR(低ダイナミックレンジ用)画像又はSDR(スタンダードダイナミックレンジ用)画像の場合と同様に、色座標の範囲が0~255の場合、ハイライト領域での色座標は、255にクリッピングされることが多く、又は少なくとも255に近い値まで動的にかなり圧縮される。別のタイプのクリッピングは、ソフトクリッピングであり、そこでは、たとえば1000Cd/m2からの広範囲の光強度値が、たとえば250~255の狭い範囲のコード値又は色座標に、マッピング又はソフトクリッピングされる。これにより、光沢のある物体の質感など、配光における細部が品質を低下させる。鏡面反射の同じハイライト領域は一般に、こうした領域の色座標が、1つ又は少数のコード・レベルだけではなく複数のコード・レベル又は色座標内に広がっているという意味で、HDR(高ダイナミックレンジ用)画像においてより良好に表される。
【0004】
光源の光が第2の物体に到達するのを第1の物体が妨げると、投影部分が生じる。この第2の物体での投影部分は、周囲のシーンよりもはるかに暗い場合が多く、色座標の非常に小さい画像領域となる。色座標は、ゼロにクリッピングされたり、ゼロに近い値まで動的にかなり圧縮されたりすることさえある。
【0005】
画像内のハイライト領域及び/又は投影領域を検出する問題が、よく知られた多数の方法によって取り組まれてきた。これらの方法は、LDR(低ダイナミックレンジ用)画像、又はHDR(高ダイナミックレンジ用)画像に適用される。
【0006】
たとえば、投影部分を推定する方法が、「The Shadow meets the Mask: Pyramid-Based Shadow Removal」、Y. Shor及びD. Lischinski、Eurographics 2008、及び「Illumination Estimation and Cast Shadow Detection through a Higher-order Graphical Model」、A. Panagopoulosら、CVPR 2011に開示されている。
【0007】
同様に、ハイライト部分を推定する方法が、「Automatic detection and elimination of specular reflectance in color images by means of ms diagram and vector connected filters」、F Ortiz及びF Torres、IEEE Transactions on Systems Man and Cybernetics Part C Applications and Reviews、36(5):681~687、2006年、及び「Real-Time Surface Light-field Capture for Augmentation of Planar Specular Surfaces」、J. Jachnikら、ISMAR 2012に開示されている。
【0008】
このような方法は一般に、実施するのが複雑であり、及び/又は複数の画像を必要とし、及び/又は複雑なモデル若しくは演算を使用する。このような方法は、様々なダイナミックレンジ・レベルからの情報、たとえばSDR画像及びHDR画像からの情報を同時に利用することができない。
【発明の概要】
【0009】
本発明による方法は、こうした既知の方法に代わる方法である。
【0010】
本発明は、ビデオ・シーケンスが、少なくとも2つのバージョン、すなわち1つのLDR(低ダイナミックレンジ)バージョン、及び1つのHDR(高ダイナミックレンジ)バージョンにおいて同時にブロードキャストされ、また次第にブロードキャストされることになるという事実を利用する。これらのバージョンは、同じビデオ・フロー、たとえば多層のビデオ・フロー内に存在することができる。これら2つのバージョンを受け取る表示装置は、HDR画像又はLDR画像を表示するためのその能力に応じて、表示されるバージョンを選択することになる。
【0011】
本発明は、同じビデオ・シーケンスの2つのバージョンが利用可能であるとき、これら2つのバージョンの存在を使用して、このビデオ・シーケンスの各画像における投影部分及び/又はハイライト部分を検出することができるという事実を利用する。投影部分(光量が非常に少ない)及びハイライト部分(光量が非常に多い)は、HDR画像及びLDR画像において表現が異なる。投影部分又はハイライト部分の時空的な画像細部の量、質、又は解像度などの細部レベルは、LDR画像よりもHDR画像において相対的に高い。本発明は、HDR画像とLDR画像の間の細部レベルのこの差を利用して、投影領域及びハイライト領域を識別する。
【0012】
したがって、本発明は、シーン内の投影領域又はハイライト領域を推定する方法に関し、前記シーンが、LDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及びHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジ画像によって表され、前記方法が、
-LDR細部マップと呼ばれる、LDR画像の細部マップを計算するステップであって、前記LDR細部マップが、LDR画像の各ピクセルに細部レベルを関連付けるステップと、
-HDR細部マップと呼ばれる、HDR画像の細部マップを計算するステップであって、前記HDR細部マップが、HDR画像の各ピクセルに細部レベルを関連付けるステップと、
-HDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルよりも大きいシーンの領域を検出するステップであって、前記検出された領域が、シーンの投影領域又はハイライト領域に対応するステップと
を含む。
【0013】
HDR画像は、LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有する。HDR画像は、一連のLDR画像から構築することができる。HDR画像は、LDR画像の逆トーン・マッピングから得ることができる。HDR画像及びLDR画像は、互いに独立して提供することができる。
【0014】
適切な既知のソフトウェアにより、同じシーンを表すLDR画像及びHDR画像を自動的に生成できることに留意されたい。
【0015】
画像の細部マップは、画像の高周波層を表し、及び/又はこの画像の精細な細部に対応する。
【0016】
米国特許出願公開第2011/245976号には、様々な照明光の下で取り込まれた一連のK個のLDR画像から構築されたHDR画像内のゴーストを検出し、このHDR画像からこうしたゴーストを除去する方法が開示されていることに留意されたい。このようなゴーストは、この一連の画像間の動きによって生成される。この文書の[00107]によれば、こうしたゴーストは、この一連のK個の画像において輝度値の分散マップを計算することによって検出される。この文書の段落[0108]の終わりに開示されている、この方法の改良においては、このHDR画像から基準画像とみなされる一連の画像のうち1つの画像を減算することによって、ゴーストの残りが検出される。HDR画像の分散マップと別のマップとの差は、どこにも開示されていない。
【0017】
特定の実施形態では、この方法はさらに、投影領域とハイライト領域を区別するステップを含む。この実施形態では、この方法はさらに、検出された領域のうち、LDR画像又はHDR画像の各ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の各ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てるステップを含む。
【0018】
この輝度閾値は、たとえば、8ビットの色座標を有するLDR画像において128に等しい。
【0019】
具体的な実施形態では、HDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルよりも高いシーンの領域を、HDR細部マップとLDR細部マップとの差を計算することによって検出する。
【0020】
具体的な実施形態では、
-LDR画像の各ピクセルについて輝度値を規定して、LDR画像での輝度マップを取得することと、
-LDR画像の輝度マップに低域通過フィルタを適用して、フィルタリング済みの輝度マップを取得することと、
-輝度マップとフィルタリング済みの輝度マップとの差を計算して、LDR細部マップを取得することと
によって、LDR細部マップが計算される。
【0021】
たとえば、空間低域通過フィルタが、空間的な画像細部を少なくとも部分的に除去する。したがって、輝度マップとフィルタリング済みの輝度マップとの差から生じるマップは、LDR画像の細部を表すマップである。別のタイプの低域通過フィルタは、時間的細部、たとえば振動する物体をフィルタリングする時間低域通過フィルタでもよい。
【0022】
別の実施形態では、輪郭検出、シャープネス解析、LDR画像での色の局所分布の解析、このLDR画像に適用されるコントラスト・ストレッチング演算子、又は他の任意の知られている方法による、それ自体知られている方式でLDR細部マップが計算されて、画像内の細部を検出する。
【0023】
具体的な実施形態では、LDR細部マップを計算するステップはさらに、LDR細部マップに輝度重み関数を適用して、LDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、LDR細部マップの各ピクセルの細部レベルを低減することを含む。
【0024】
具体的な実施形態では、LDR細部マップを計算するステップはさらに、LDR細部マップにメディアン・フィルタを適用して、LDR細部マップ内のノイズを低減することを含む。
【0025】
HDR細部マップは、HDR画像に適用される同等のステップによって計算される。
【0026】
より具体的には、
-HDR画像の各ピクセルについて輝度値を規定して、HDR画像での輝度マップを取得することと、
-HDR画像の輝度マップに低域通過フィルタを適用して、フィルタリング済みの輝度マップを取得することと、
-輝度マップとフィルタリング済みの輝度マップとの差を計算して、HDR細部マップを取得することと
によって、HDR細部マップが計算される。
【0027】
別の実施形態では、輪郭検出、シャープネス解析、HDR画像での色の局所分布の解析、このLDR画像に適用されるコントラスト・ストレッチング演算子、又は他の任意の知られている方法による、それ自体知られている方式でHDR細部マップが計算されて、画像内の細部を検出する。
【0028】
具体的な実施形態では、HDR細部マップを計算するステップはさらに、HDR細部マップに輝度重み関数を適用して、HDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、HDR細部マップの各ピクセルの細部レベルを低減することを含む。
【0029】
本発明はまた、前述の方法を含む画像処理方法に関する。このような画像処理方法は、たとえば、自然の画像に挿入される仮想物体の影及び影付けの制御専用とすることができる。
【0030】
本発明はまた、シーン内の投影領域及びハイライト領域を推定する装置に関し、前記シーンが、LDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及びHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジによって表され、前記装置が、
-LDR細部マップと呼ばれる、LDR画像の細部マップを計算する手段であって、前記LDR細部マップが、LDR画像の各ピクセルに細部レベルを関連付ける手段と、
-HDR細部マップと呼ばれる、HDR画像の細部マップを計算する手段であって、前記HDR細部マップが、HDR画像の各ピクセルに細部レベルを関連付ける手段と、
-HDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルよりも大きいシーンの領域を検出する検出手段であって、前記検出された領域が、シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する手段と
を備える。
【0031】
具体的な実施形態では、この検出手段は、検出された領域のうち、LDR画像又はHDR画像の各ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の各ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てるように構成される。
【0032】
本発明はまた、シーン内の投影領域及びハイライト領域を推定する、前述の装置を組み込む電子装置に関する。この電子装置は、カメラ、テレビ受像機、モニタ、ヘッドマウント型の表示装置、セット・トップ・ボックス、ゲートウェイ、スマートフォン、又はタブレットであることが好ましい。
【0033】
本発明はまた、プログラムがコンピューティング装置上で実行されるときに、前述の方法の各ステップを実行するためのプログラム・コードの命令を有する持続的な記憶媒体に関する。
【0034】
例として提示され、保護範囲を限定するものではない、以下の説明及び図面を参照して、本発明をさらに良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の方法の、連続したステップの流れ図である。
図2】本発明の一実施形態による、LDR画像でのLDR細部マップを計算するステップを示す流れ図である。
図3図2の流れ図の輝度重み関数を示す図である。
図4A】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図4B】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図4C】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図5A】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図5B】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図5C】投影領域を含む画像への、本発明の方法の結果を示す。
図6】本発明の方法を実装する装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
例示的な実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が実現可能であるが、これらの実施形態は、各図面において一例として示してあり、本明細書において詳細に説明することになる。しかし、例示的な実施形態を、開示された特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、例示的な実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲にあるあらゆる修正形態、均等物、及び代替形態を包含することを理解されたい。同様の番号は、各図の説明全体を通して同様の要素を指す。
【0037】
例示的な実施形態をさらに詳細に論じる前に、流れ図として示してあるプロセス又は方法として、いくつかの例示的実施形態が説明されていることに留意されたい。この流れ図は、連続したプロセスとして各動作を説明しているが、この動作の一部を、並列に、並行して、又は同時に実行してもよい。さらに、各動作の順序を再構成してもよい。各プロセスは、その動作が完了したときに終了してもよいが、各図に含まれていない追加のステップを有していてもよい。各プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応してもよい。
【0038】
以下に説明する方法は、その一部を流れ図によって示してあり、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組合せによって実装してもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードに実装されるとき、必要なタスクを実行するためのプログラム・コード又はコード・セグメントは、記憶媒体など、マシン又はコンピュータが読取り可能な媒体に記憶してもよい。プロセッサは、必要なタスクを実行することができる。本明細書に開示された特定の構造上及び機能上の詳細は、本発明の例示的な実施形態を説明するための単に代表的なものである。しかし、本発明は、多くの代替形態で実施してもよく、本明細書で説明する各実施形態にのみ限定されるものと解釈すべきではない。
【0039】
本発明は、同じシーンの少なくとも2つの画像、すなわち少なくとも1つのLDR画像と1つのHDR画像の存在を利用して、このシーンでの投影領域及び/又はハイライト領域を決定する。HDR画像は、LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有する画像を示す。画像の色が8ビットの色座標で表されるLDR画像と、画像の色が10ビットの色座標で表されるHDR画像とを使用して、本発明の方法を説明する。こうした色座標は、たとえば、RGB色空間において表現されることになる。
【0040】
図1を参照すると、本発明の方法は以下のステップを含む。
-ステップS1:LDR細部マップと呼ばれる細部マップがLDR画像について生成され、このLDR細部マップが、このLDR画像の各ピクセルに細部レベルを割り当てる。
-ステップS2:HDR細部マップと呼ばれる細部マップがHDR画像について生成され、このHDR細部マップが、HDR画像の各ピクセルに細部レベルを割り当てる。
-ステップS3:LDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルより大きいシーンの領域が検出され、検出されたこの領域が、シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する。
-ステップS4:有利には、この投影領域が、このハイライト領域から区別される。
【0041】
以下に、前述のステップのそれぞれを詳細に説明する。
【0042】
図2には、ステップS1の実行可能な実装形態が示してある。図2を参照すると、以下のサブステップによってLDR細部マップが計算される。
【0043】
サブステップS10では、LDR画像の各ピクセルについて輝度値を規定して、LDR画像での輝度マップを得る。RGB色空間に8ビットの色座標を有するこのLDR画像について、以下の式によって輝度Yを計算することができる。
Y=0.2126*R+0.7152*G+0.0722*B
したがって、LDR画像についての輝度マップが生成される。
【0044】
サブステップS11では、低域通過フィルタをLDR画像の輝度マップに適用して、フィルタリング済み輝度マップを得る。この低域通過フィルタは、たとえば、画像にボケを挿入するよく知られたガウシアン低域通過フィルタである。たとえば、平均化窓、周波数領域でのフィルタ、又はFIR(有限インパルス応答)フィルタなど、他の低域通過フィルタを使用することができる。
【0045】
低域通過フィルタリング及び差分計算の代わりに、たとえば高域通過フィルタ又はエッジ検出アルゴリズムを使用して、細部を直接検出することもできる。
【0046】
サブステップS12では、輝度マップとフィルタリング済み輝度マップとの差を計算して、LDR細部マップを得る。このLDR細部マップは、LDR画像の各ピクセルに細部レベルを割り当てる。
【0047】
好ましい一実施形態では、サブステップS13において、輝度重み関数がLDR細部マップに適用される。重み関数の一例を図3に示す。この重み関数のねらいは、ハイライト領域又は影領域には存在しない細部を除去することである。LDR細部マップのピクセルに適用される重みは、このピクセルの輝度値(輝度マップでのこのピクセルの値)に依存する。図3において、W(x)で示される輝度重み関数の式は、W(x)=[(Y(x)-128)/128]2であり、ここで、Y(x)は、輝度マップ内のピクセルxの輝度値であり、W(x)は、ピクセルxの(LDR細部マップ内の)細部レベルに適用される重みである。この関数によれば、高い輝度値又は低い輝度値を有するピクセルの細部レベルは、実質的に維持されるが(1に近い重み)、128に近い中間輝度値を有するピクセルの細部レベルは、実質的に減少し、ゼロに設定されることさえある。
【0048】
もちろん、中間輝度値を有するピクセルの細部レベルを減少させる他の重み関数を使用してもよい。
【0049】
有利には、追加のサブステップS14において、LDR細部マップがメディアン・フィルタによってフィルタリングされて、LDRマップ細部内のノイズを除去する。
【0050】
再び図1を参照すると、ステップS2は、HDR細部マップを得るために、HDR画像に対してS10~S14と同じステップを含む。
【0051】
ステップS3において、HDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルよりも高いシーンの領域を、HDR細部マップとLDR細部マップとの差を計算することによって検出する。より具体的には、LDR細部マップがHDR細部マップから減算されて、差分マップが得られる。もちろん、この減算を実行する前に、HDRマップとSDRマップの細部レベルは、互いに調整されていることが好ましい。たとえば、HDR細部マップの細部レベルは、LDR画像(8ビット)とHDR画像(10ビット)とのビット数の差によって4つに分割される。減算の前にHDR細部マップをトーン・マッピングすること、又はHDRマップ及びLDRマップを、それぞれHDR及びLDRの拡散白色のレベルで除算することなど、他のタイプの調整も可能である。正の値を有する差分マップの領域は、画像内のハイライト部分又は投影部分になる可能性の高い領域である。
【0052】
任意選択のステップS4において、LDR画像又はHDR画像の輝度値に基づいて、ハイライト領域が投影領域と区別される。たとえば、LDR画像を使用するとき、差分マップ内で正の値を有し、輝度値が128よりも高いLDR画像内のピクセルに対応するあらゆる領域が、ハイライト領域として宣言され、差分マップ内で正の値を有し、輝度値が127よりも低い又はこれに等しいLDR画像内のピクセルに対応するあらゆる領域が、投影領域として宣言される。
【0053】
一変形形態では、3つ以上のダイナミックレンジ・レベルが利用可能であるとき、この方法も使用することができる。たとえば、低ダイナミックレンジ(LDR)、中間のダイナミックレンジ(MDR)、及び高ダイナミックレンジ(HDR)の画像が利用可能であるとき、説明したステップS1~S4を、LDR及びMDR(HDRの代わり)に適用して第1の検出結果をもたらすことができ、次いで、MDR(LDRの代わり)及びHDRに適用して第2の検出結果をもたらすことができる。次いで、この第1の検出結果と第2の検出結果が組み合わされる。この組合せは、たとえば、ハイライト部分が第1及び第2の検出結果に含まれる場合に、このハイライト部分が検出されるように、たとえば、論理積演算を使用して実現することができる。別の実現可能なことは、MDR画像での細部マップをさらに計算し、次いでステップS3をLDR及びMDR(HDRの代わり)に適用して、さらなる細部の第1の領域をもたらし、次いでMDR(LDRの代わり)及びHDRに適用して、さらなる細部の第2の領域をもたらす。次いで、たとえば論理和演算を使用して、第1の領域と第2の領域が組み合わされ、その結果、細部の第1の領域又は第2の領域のいずれかが存在するところに、さらなる細部の領域が定義される。次いで、ステップS4が、細部のこうした領域に適用される。
【0054】
図4A図4C、及び図5A図5Cには、2組の画像への本発明の方法の結果が示してある。
【0055】
図4A及び図4Bは、投影領域を含むシーンのHDR画像及びLDR画像である。図4Cには、本発明の方法によって検出される投影領域(白いピクセル)が示してある。
【0056】
図5A及び図5Bは、ハイライト領域を含むシーンのHDR画像及びLDR画像である。図4Cには、本発明の方法によって検出されるハイライト領域(白いピクセル)が示してある。
【0057】
この方法を実施する装置の一例が図6に示してある。図6を参照すると、この装置は、
-ステップS1で説明したLDR細部マップを計算するコンピュータ手段10と、
-説明したようにHDR細部マップを計算するコンピュータ手段11と、
-ステップS3及びS4で説明したように、HDR細部マップ内の細部レベルがLDR細部マップ内の細部レベルよりも大きいシーンの領域を検出し、ハイライト領域と投影領域を区別する検出手段12と
を備える。
【0058】
本発明による方法の利点は以下の利点である。すなわち、
-SDR画像とHDR画像からの互いに異なるダイナミックレンジ・レベルからの情報を同時に利用することができ、したがって、ハイライト部分及び投影部分の検出のための新規のタイプの情報を利用することができる。
-ダイナミックレンジが互いに異なる2つの画像だけが必要であり、これら必要な2つの画像は、主として階層化されたHDRコンテンツの分配で利用可能である。
-この方法は、輝度値のみに作用し、したがって色座標に作用する方法ほど複雑ではない。
-この方法は、実施するのが簡単である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態が添付図面に示され、前述の詳細な説明に記載されているが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、添付特許請求の範囲によって記載され、定義される本発明から逸脱することなく、数多くの再構成、修正、及び置換えが可能であることを理解されたい。
(付記1)
シーン内の投影領域及びハイライト領域を検出する方法であって、前記シーンが、LDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及び前記LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有するHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジ画像によって表され、前記方法が、
-前記HDR画像から計算されて(S2)、前記HDR画像の細部レベルをこのHDR画像の各ピクセルに提供するHDR細部マップと、前記LDR画像から計算されて(S1)、前記LDR画像の細部レベルをこのLDR画像の各ピクセルに提供するLDR細部マップとの正の差を有する領域を検出するステップ(S3)を含み、前記検出された領域が、前記シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する、方法。
(付記2)
前記LDR細部マップを前記計算すること(S1)が、前記LDR画像の輝度マップと、前記LDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のLDR差に基づき、前記HDR細部マップを前記計算すること(S2)が、前記HDR画像の輝度マップと、前記HDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のHDR差に基づく、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記LDR画像の前記輝度マップに低域通過フィルタを適用すること(S11)によって、前記LDR画像の前記フィルタリング済みの輝度マップが得られる、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記LDR細部マップを計算するステップがさらに、前記LDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、前記LDR細部マップのピクセルの前記細部レベルを低減するために、前記LDR差に輝度重み関数を適用することを含む、付記2又は3のいずれか一つに記載の方法。
(付記5)
前記HDR画像の前記輝度マップに低域通過フィルタを適用することによって、前記HDR画像の前記フィルタリング済みの輝度マップが得られる、付記2~4のいずれか一つに記載の方法。
(付記6)
前記HDR細部マップを計算するステップがさらに、前記HDR画像内の中間輝度値を有するピクセルに対応する、前記HDR細部マップのピクセルの前記細部レベルを低減するために、前記HDR差に輝度重み関数を適用することを含む、付記2~5のいずれか一つに記載の方法。
(付記7)
前記検出された領域のうち、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てるステップ(S4)をさらに含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
(付記8)
付記1~7のいずれか一つに記載の方法を含む、画像処理方法。
(付記9)
シーン内の投影領域及びハイライト領域を検出する装置であって、前記シーンが、LDR画像と呼ばれる低ダイナミックレンジ画像、及び前記LDR画像よりも高いダイナミックレンジを有するHDR画像と呼ばれる高ダイナミックレンジによって表され、前記装置が、前記HDR画像から計算されて(S2)、前記HDR画像の細部レベルをこのHDR画像の各ピクセルに提供するHDR細部マップと、前記LDR画像から計算されて(S1)、前記LDR画像の細部レベルをこのLDR画像の各ピクセルに提供するLDR細部マップとの正の差を有する領域を検出する(S3)ように構成された、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記検出された領域が、前記シーンの投影領域又はハイライト領域に対応する、装置。
(付記10)
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記LDR画像の輝度マップと、前記LDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のLDR差に基づいて、前記LDR細部マップを計算し(S1)、また前記HDR画像の輝度マップと、前記HDR画像のフィルタリング済みの輝度マップとの間のHDR差に基づいて、前記HDR細部マップを計算する(S2)ようにさらに構成された、付記9に記載の装置。
(付記11)
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記検出された領域のうち、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が輝度閾値よりも高い領域をハイライト領域に割り当て、前記LDR画像又はHDR画像の前記ピクセルの輝度値が前記輝度閾値よりも低い領域を投影領域に割り当てるようにさらに構成された、付記9又は10のいずれか一つに記載の装置。
(付記12)
付記9~11のいずれか一つに記載の装置を組み込む、画像処理装置。
(付記13)
付記12に記載の画像処理装置を組み込む、電子装置。
(付記14)
カメラ、テレビ受像機、モニタ、ヘッドマウント表示装置、セット・トップ・ボックス、ゲートウェイ、スマートフォン、及びタブレットからなるグループ内で選択される、付記13に記載の電子装置。
(付記15)
プログラムがコンピューティング装置上で実行されるとき、付記1~8のいずれか一つに記載の方法のステップを実行するための、プログラム・コードの命令を保持する、持続的な記憶媒体。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6