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特許7171677消耗品振動装置を含む電気化学発光を使用する分析を実行するための高スループットシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】消耗品振動装置を含む電気化学発光を使用する分析を実行するための高スループットシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
G01N35/02 D
G01N35/02 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020184053
(22)【出願日】2020-11-04
(62)【分割の表示】P 2017552457の分割
【原出願日】2016-04-06
(65)【公開番号】P2021036240
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】62/143,557
(32)【優先日】2015-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/311,752
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505243216
【氏名又は名称】メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グレザー、エリ、エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】エデンズ、カール
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリ-コーカ、バンデレ
(72)【発明者】
【氏名】コバックス、サンドー
(72)【発明者】
【氏名】フライ、クリストファー
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-518323(JP,A)
【文献】特開2004-239778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析プレートのバッチを分析するための分析システムを操作する方法であって、
(i)前記分析プレートのバッチにおける各プレートが、一連の異なる処理サイクルを受け、該一連の異なる処理サイクルの各処理サイクルの時間がNであり、
(ii)前記分析プレートのバッチにおける各プレートにおいて、前記一連の前記異なる処理サイクル内の前記異なる処理サイクルが少なくとも時間Yのインキュベーション期間によって分離され、
(iii)前記一連の異なる処理サイクルの前記異なる処理サイクルのそれぞれが、前記分析プレートのバッチにおける複数のプレートにおいて順次的に実行され、
(iv)前記分析プレートのバッチにおける前記プレートの数が、Y/N以下である、方法。
【請求項2】
前記時間Yが、時間Nの倍数であり、
前記一連の異なる処理サイクルの前記異なる処理サイクルの少なくとも1つが、長さAのプレインキュベーションサブサイクル及び長さBのポストインキュベーションサブサイクルへと分割された交互のサイクルであり、A+B=Nであり、長さAの前記プレインキュベーションサブサイクルの完了と長さBの前記ポストインキュベーションサブサイクルの開始とが時間Nの倍数である時間Yのインキュベーション期間によって分離され、
前記分析プレートのバッチにおいて前記交互のサイクルが、
(i)前記分析プレートのバッチにおいて前記プレインキュベーションサブサイクルを受けていない第1のプレートを識別し、それにおいて前記プレインキュベーションサブサイクルを実行するか、または、プレインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でない場合は、時間Aの間アイドリングし、
(ii)前記分析プレートのバッチにおいて前記インキュベーションを完了しつつも前記ポストインキュベーションサブサイクルを受けていない前記第1のプレートを識別し、それにおいて前記ポストインキュベーションサブサイクルを実行するか、または、ポストインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でない場合は、時間Bの間アイドリングし、
(iii)前記分析プレートのバッチにおける全ての前記プレートが前記プレインキュベーションサブサイクル及び前記ポストインキュベーションサブサイクルを受けるまでステップ(ii)を繰り返す、
ことによって実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異なる処理サイクルが、
(i)サンプル付加サイクルと、
(ii)検出試薬付加サイクルと、
(iii)プレート読み取りサイクルと、
を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分析システムが、プレート動作ロボット、処理デッキ、プレートホテル、ピペットディスペンサ、プレート洗浄器、振動インキュベータ、及びプレートリーダーを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異なる処理サイクルが、以下の、
a.プレート動作ロボットを使用して、前記分析プレートのバッチの単一の分析プレートを前記プレートホテルまたは前記振動インキュベータから前記処理デッキへと移動させるステップ、
b.前記プレート動作ロボットを使用して、サンプルまたは試薬プレートを前記プレートホテルまたは前記振動インキュベータから前記処理デッキへと移動させるステップ、
c.ピペッタを使用して、サンプルまたは試薬を前記処理デッキ上の前記サンプルまたは試薬プレートから前記処理デッキ上の前記分析プレートへと送るステップ、
d.前記プレート洗浄器を使用して、前記処理デッキ上の前記分析プレートのウェルを洗浄するステップ、
e.前記プレート動作ロボットを使用して、前記処理デッキ上の前記分析プレートを前記プレートホテルまたは前記振動インキュベータへと送るステップ、
f.前記プレート動作ロボットを使用して、前記分析プレートを前記プレートリーダーへと送るステップ、の1つまたは複数を備える、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記分析プレートのシーケンスがECL計測を実行するための電極を備え、前記プレートリーダーがECLリーダーである、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記一連の異なる処理サイクルが遮断サイクルをさらに備える、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記一連の異なる処理サイクルの前記異なる処理サイクルの前記少なくとも1つが、分析、サンプルまたは試薬プレートをインキュベーションし、インキュベーション時間が時間Nより短いステップをさらに備え、
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記一連の異なる処理サイクルの処理サイクルは、
a.前記分析プレートのバッチの単一のプレートを棚から取り除くこと、
b.オプションとして、前記単一のプレートを洗浄すること、
c.試験されるサンプルを前記単一のプレート上のウェル内へと付着させること、
d.前記サンプルにおける検体との複合体を形成するために少なくとも1つの試薬を付着させること、
e.オプションとして、残りの検体を取り除くために前記単一のプレートを洗浄すること、
f.洗浄後に前記単一のプレートをインキュベータ内に配置すること、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記処理サイクルは、前記インキュベータが満たされるまで前記分析プレートのバッチにおける各プレートに対して繰り返される、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記時間Yのインキュベーション期間は、前記インキュベータを前記分析プレートのバッチで満たすための時間の和によって選定される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記分析プレートのバッチにおけるプレートの数をY/Nによって計算すること、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記一連の異なる処理サイクル内の処理サイクルは、
a.前記分析プレートのバッチの完全にインキュベーションされたプレートをインキュベータから取り除くこと、
b.前記完全にインキュベーションされたプレートをECLリーダー内に配置すること、
c.前記ECLリーダーを介して結果を得ること、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記処理サイクルは、前記インキュベータが空になるまで前記分析プレートのバッチにおける各プレートに対して繰り返される、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際出願は、「Consumable Shaking Apparatus」と題する2015年4月6日の、シリアル番号62/143,557を有する仮出願と、「Throughput System for Performing Assays Using Electrochemiluminescence Including a Consumable Shaking Apparatus」と題する2016年3月22日に出願の、シリアル番号62/311,752を有する別の仮特許出願に対する優先権を主張し、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気化学発光(ECL)を用いて免疫測定を実行するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
固相における結合分析の使用は、サンプルにおいて検体のレベルを計測するための共通の手法である。多くの形式の自然及び合成結合試薬(たとえば、抗体、核酸、アプタマー、レセプター、配位子等)、固相(たとえば、容器またはウェルの表面またはマイクロ粒子の表面)、固相結合分析の技術において知られた、分析フォーマット(直接結合、サンドイッチ、コンペティティブ等)が存在する。固相結合分析の典型的な処理ステップの形式を示す1つの特定の例は、ターゲット検体に対して向けられる2つの抗体を使用するサンドイッチ免疫測定であり、その一方は固相で固定化され、他方はいくつかの検出技術(たとえば、蛍光性、化学発光、電気化学発光、吸光度、または酸素活性の計測を利用して)を通して検出可能なラベルを実行する。固相がマルチウェルプレートにおけるウェルの表面であるとき、本形式における従来のステップは、(i)ウェルへのサンプルの追加、サンプル内の検体がウェル内の固定化された抗体によって収集されるのを可能とするためのインキュベーション、(ii)ウェルへの標識検出抗体の追加、固相における標識化された「サンドイッチ」錯体を形成すべく検出抗体が収集された検体に結合するためのインキュベーション、及び(iii)固相においてサンドイッチ錯体に存在する標識の計測を含んで良い。
【0004】
オプションとして、ウェルは、新しい方法の追加の前に任意の結合されていない材料を取り除くために任意のステップの前または後に洗浄されて良い。インキュベーションステップの間、プレートは時間を削減し、結合反応の生産性を向上させるために振動されて良い。計測ステップの間に標識を計測するために使用されて良い1つの例示的検出技術は、電気化学発光(ECL)検出であり、これは、適した化学条件下において電極の酸化または還元に近いときに発光するルテニウムトリス-ビピリジンの派生物のような標識を使用する(たとえば、参照により本明細書にその全体が組み込まれる、米国特許6,808,939を参照)。ECL検出を備えたマルチウェル形式において結合分析を実行するために設計された器具及び消耗品が説明されてきた(たとえば、参照により本明細書にその全体が組み込まれる、米国特許番号7,842,246を参照)。'246特許は、抗体または抗体の配列のための固相サポートとして使用されたウェル内に結合された電極を有するマルチウェル消耗品を説明する。電極における標識錯体のフォーメーションは、電極に電圧を適用し、合成ECL信号を計測することによって計測される。効率的なECLの生成に導く化学的条件を提供するために電圧を適用する前に、トリプロピルアミンまたは別の三級アミンを含む緩衝剤(たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,919,173号を参照)のようなECLリード緩衝剤がウェルに付加されて良い。付加的なステップであってその間に溶解液から収集抗体が固定化される付加的なステップを備えた手順(たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20140256588号を参照)と、ECL計測の前の計測ステップが増幅ステップを含む手順(たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20140272939号を参照)と、を含む、ECL分析を実行するための複数の代替的手順が説明されてきた。
【0005】
特定の状況において、ECL電極または他の固相は、検体または分析試薬の非特定の結合を防ぐ材料(「遮断薬」または「遮断試薬」)で処理されて良い。この処理は、分離した「遮断」ステップとして実行されて良く、または遮断試薬が分析手順の他のステップの間に使用される緩衝剤または希釈剤に含まれて良い。有用な遮断試薬の実例は、タンパク質(たとえば、血清アルブミン及び免疫グロブリン)、核酸、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロック共重合体、ポリエチレンイミン及び洗浄剤または界面活性剤(たとえば、Brij、Triton、Tween、Thesit、Lubrol、Genapol、Pluronic、Tetronic、F108、Spanの商品名により知られる非イオン洗浄剤/界面活性剤のクラス)を含む。
【0006】
これまで、ECL免疫測定のステップは、様々な個々の機械によって実現された。たとえば、マルチウェルプレートの洗浄は、プレート洗浄機械によって実行され、サンプル及び試薬のマルチウェルプレート内へのピペット操作は多くのピペット先端を有する機械化されたピペット操作機械によって実行され、サンプル及び抗体の撹拌は、機械的振動器によって実行され、検体-抗体錯体の励起及び放出される光の検知は、プレート読み取り機械によって実行される。しかしながら、当技術分野において、全てのこれらの個々の機械を、効率を向上させ、実行中に複数のピペット先端を洗浄するための機能を提供し、試薬及び/またはサンプルの操作温度範囲を満たす熱的制御を提供する、単一の相互連結されたシステムへと統合する全体のシステムのための必要が残る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの態様は、複数の分析トレイを備えるECL免疫測定システムを操作する方法に関し、次のトレイが処理される前にそれぞれのプレートが完全に処理され、それぞれのトレイの処理期間によって分割されるプレートのインキュベーション期間が処理されるトレイの数に等しい。
【0008】
本発明の別の態様は、ECL免疫測定システムを操作する方法に関し、該システムは、ピペットディスペンサと、マルチウェルプレートに含まれる電極に取り付けられたECL複合体を保管するように適合された複数のマルチウェルプレートと、インキュベータと、ECLリーダーと、を備える。本発明の方法は、以下の、
a.単一のマルチウェルプレートを棚から取り除くステップと、
b.オプションとして、該単一のマルチウェルプレートを洗浄するステップと、
c.試験されるサンプルを該単一のマルチウェルプレートにおけるウェルへと被着するステップと、
d.サンプルにおける検体との複合体を形成するために少なくとも1つの試薬を被着するステップと、
e.オプションとして、残りの検体を取り除くために該単一のマルチウェルトレイを洗浄するステップと、
f.洗浄された単一のマルチウェルプレートをインキュベータ内に配置するステップと、
g.インキュベータが満たされるまで別の単一のマルチウェルプレートでステップ(a)~(f)を繰り返すステップであって、インキュベーションの期間は、インキュベータをマルチウェルプレートで満たすための時間の和である、繰り返すステップと、
h.完全にインキュベーションされたマルチウェルプレートをECLリーダー内に配置するステップと、を備える。
ステップ(h)は全てのインキュベーションされたプレートがECLリーダーに配置されるまで繰り返される。インキュベータ内に保存されたマルチウェルプレートの数は、ステップ(a)~(f)を完了するために時間によって分割されるインキュベーション期間に等しい。
【0009】
本発明の別の態様は、ECL免疫測定システムであって、ピペットディスペンサを包囲するハウジングと、トレイに含まれる電極に取り付けられたECL複合体を保持するように適合された複数のマルチウェルトレイと、インキュベータと、ECLリーダーと、冷却器と、を備えるECL免疫測定システムに関する。冷却器はハウジングの後部表面近傍に配置され、ハウジングが空気流れを冷却器からハウジングの前部表面へと方向付けるフロープレナムをさらに備える。1つの実施形態において、フロープレナムは、ハウジングの上部表面近傍に配置される。別の実施形態において、フロープレナムはハウジングの底部表面近傍に配置される。
【0010】
上部フロープレナムは、上部表面と上部表面の下に配置された第2の上部表面との間の空間である。第2の上部表面は、冷却器近傍の少なくとも1つの浸入開口部と、少なくとも1つの排出開口部前部表面と、を備える。冷却器は1つまたは複数の熱電冷却器であり得る。
【0011】
本発明の別の態様は、ピペット先端洗浄システムであって、少なくとも1つのピペット先端を受容するように適合された開口部を画定する少なくとも1つのチムニーを備え、少なくとも1つのピペット先端と少なくとも1つのチムニーとの間の隙間が実質的に一定であり、該少なくとも1つのチムニーが清浄流体と流体連結され、該清浄流体が該少なくとも1つのピペットの外側を清浄するように該隙間を通して送り出される、ピペット先端洗浄システムに関する。装置のハウジングの側壁にレベルセンサが取り付けられて良い。少なくとも1つのチムニーと、清浄流体と流体連通するマニホールドと、の間に流れ制限器が配置され得る。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、ピペット先端を洗浄するための方法であって、
(a)漸進的に増加する次第によりきれいな水の洗浄液の吸引体積を含むピペット先端の内側を洗浄する複数のステップと、
(b)同じ洗浄液を用いてピペット先端の外側を洗浄する複数のステップと、を備え、ピペット先端が、洗浄液の流れを制御するために、一定の厚さの隙間近傍に配置される、方法に関する。
本方法は、ステップ(a)及び(b)の前に、水及び漂白剤の溶解液中でピペット先端を洗浄するステップをさらに備えても良い。この方法は、試験されるサンプル、及び/または1つまたは複数の試薬(複数可)の持ち越しを最小化するための、ピペット先端の物理的不活性化を含んでも良い。
【0013】
本発明は、さらに(a)水平軌道台を備える軌道振動器組立体と、(b)台に配置された分析消耗品保管組立体と、を備えるカウンターバランス式分析消耗品振動装置に関する。保管組立体は、(i)複数の鉛直に配列された保管ユニットの組であって、それぞれの保管ユニットが消耗品を収容するように寸法化されて消耗品係止機構を備えた、保管ユニットの組を備える棚乗せ部分組立体と、(ii)保管組立体及び軌道台の質量中心に対応する高さで保管組立体内に配置されたカウンターウェイトと、を備える。装置は、振動器組立体から保管組立体へと鉛直方向に延びる回転軸をさらに備え、カウンターウェイトは、回転軸に作用するように接続される。
【0014】
本発明は、さらに(a)水平軌道台を備える軌道振動器組立体と、(b)台に配置された分析消耗品保管組立体と、を備えるカウンターバランス式分析消耗品振動装置に関する。保管組立体は、(i)複数の鉛直に配列された保管ユニットの組であって、それぞれの保管ユニットが消耗品を収容するように寸法化されて消耗品係止機構を備えた、保管ユニットの組を備える棚乗せ部分組立体と、(ii)保管組立体内に配置された2つまたはそれ以上のカウンターウェイトと、を備え、1つのカウンターウェイトは、上方に配置され、別のカウンターウェイトは、保管組立体及び軌道台の質量中心に対応する高さより下に対称に配置される。装置は、振動器組立体から保管組立体へと鉛直方向に延びる回転軸をさらに備え、2つまたはそれ以上のカウンターウェイトが、回転軸に作用するように接続される。あるいは、装置は、タイミングベルトと作用するように連通する2つまたはそれ以上の回転軸を備え、それぞれの回転軸はカウンターウェイトと接続される。
【0015】
本発明の別の態様は、分析プレートのバッチを分析するための分析システムを操作する方法であって、
(i)該バッチにおけるそれぞれのプレートが時間長さNの一連の異なる処理サイクルを受け、
(ii)該バッチにおける所定のプレートにおいて該一連の異なる処理サイクルが少なくとも時間Yのインキュベーション期間によって分離され、
(iii)該一連の異なる処理サイクルのそれぞれが、該バッチにおけるプレートにおいて順次的に実行され、
(iv)バッチにおけるプレートの数がY/N以下である、方法に関する。
【0016】
本発明の別の態様はさらに、分析プレートのシーケンスを分析するための分析システムを操作する方法であって、
(i)該バッチにおけるそれぞれのプレートが時間長さNの一連の異なる処理サイクルを受け、
(ii)少なくとも1つの該一連の該サイクルが、長さAのプレインキュベーションサブサイクル及び長さBのポストインキュベーションサブサイクルへと分割された交互のサイクルであり、A+B=Nであり、所定のプレートにおいて、該長さAのサブサイクルの完了と該長さBのサブサイクルの開始とが、多様な時間Nであるインキュベーション時間分離され、
(iii)
(a)プレインキュベーションサブサイクルを受けていない該シーケンスにおいて第1のプレートを識別し、それにおいて、またはプレインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Aアイドリングする場合に、該プレインキュベーションサブサイクルを実行し、
(b)インキュベーションを完了しつつもポストインキュベーションサブサイクルを受けていないシーケンスにおいて第1のプレートを識別し、それにおいて、またはポストインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Bアイドリングする場合に、該ポストインキュベーションサブサイクルを実行することによって、プレートのシーケンスにおいて交互のサイクルを実行し、
(iv)シーケンスにおける全てのプレートがプレインキュベーション及びポストインキュベーションサブサイクルを受けるまでステップ(iii)を繰り返す方法に関する。
【0017】
分析システムは、プレート動作ロボット、処理デッキ、プレートホテル(または棚)、ピペットディスペンサ、プレート洗浄器、振動インキュベータ、及びプレートリーダーを備え得る。分析プレートは、ECL計測を実行する電極を備えて良く、プレートリーダーはECLリーダーである。
【0018】
処理サイクルは、以下の、
a.該バッチの単一の分析プレートをホテルまたはインキュベータからデッキへと移動させるために該ロボットを使用するステップ、
b.サンプルまたは試薬プレートをホテルまたはインキュベータからデッキへと移動させるために該ロボットを使用するステップ、
c.サンプルまたは試薬を該デッキにおける該サンプルまたは試薬プレートから該デッキにおける該分析プレートへと送るためにピペッタを使用するステップ、
d.該デッキにおける該分析プレートのウェルを洗浄するために該プレート洗浄器を使用するステップ、
e.該デッキにおける該分析プレートを該ホテルまたはインキュベータへと送るために該ロボットを使用するステップ、
f.該分析プレートを該プレートリーダーへと送るために該ロボットを使用するステップ、の1つまたは複数を備える。
【0019】
異なる処理サイクルは、(i)サンプル付加サイクル、(ii)検出試薬付加サイクル、(iii)プレート読み取りサイクル及び(iv)遮断サイクルの少なくとも1つを備えても良い。処理サイクルは、サンプルまたは試薬プレートの分析をインキュベーションするステップをさらに備えて良く、該インキュベーション時間は時間Nより短い。
【0020】
1つの処理サイクルの少なくとも1つが、長さAのプレインキュベーションサブサイクル及び長さBのポストインキュベーションサブサイクルへと分割された交互のサイクルであって良く、A+B=Nであり、所定のプレートにおいて、該長さAのサブサイクルの完了と該長さBのサブサイクルの開始とが多様な時間Nであるインキュベーション時間によって分離される。プレートの該バッチにおいて交互のサイクルは、
(i)プレインキュベーションサブサイクルを受けていない該バッチにおいて第1のプレートを識別し、それにおいて、またはプレインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Aアイドリングする場合に、該プレインキュベーションサブサイクルを実行し、
(ii)インキュベーションを完了しつつもポストインキュベーションサブサイクルを受けていないバッチにおいて第1のプレートを識別し、それにおいて、またはポストインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Bアイドリングする場合に、該ポストインキュベーションサブサイクルを実行し、
(iii)バッチにおける全てのプレートがプレインキュベーション及びポストインキュベーションサブサイクルを受けるまでステップ(ii)を繰り返すことによって実行され得る。
【0021】
添付の図面において、これらは明細書の一部を形成し、それらと共に読まれ、これにおいて、様々な図面において同様な部分を示すために同様な参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】免疫測定における例示的レドックスECL反応を示す概略図である。
図2】本発明のECL免疫測定システムの正面図である。
図3図2のシステムの上面図である。
図4】マニホールドを洗浄するピペット先端の斜視図である。
図5】例示的ピペット先端を備えた図4の洗浄マニホールドにおける複数のチムニーの断面図である。
図6図4の洗浄マニホールドの拡大図である。
図7】明確化のためにフロープレナムを図示しない要素を備える図2及び3のシステムの筐体の斜視図である。
図8図7に示される流れ偏向プレートの拡大図である。
図9(a)】本発明のシステムを操作するための例示的方法のフローチャートである。
図9(b)】本発明のシステムを操作するための例示的方法のフローチャートである。
図10(a)】内部機構を示すためにハウジングの部分を除いた振動装置の詳細図を示す斜視正面図である。
図10(b)-(c)】図10(b)は内部機構を示すためにハウジングの部分を除いた振動装置の詳細図を示す斜視正面図である。図10(c)は図10(b)に示される上部偏心器取り付け部及びカウンターバランスの拡大図である。
図10(d)】駆動機構及び底部偏心器取り付け部の上面図である。
図11(a)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(b)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(c)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(d)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(e)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(f)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(g)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(h)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図11(i)】保管組立体(図11(c)~(i))内の鉛直に配列された保管ユニットの組の様々な代替的な構成を含む保管組立体の詳細図を示す。
図12(a)】保管組立体内の鉛直に配列された保管ユニットの組及び保管組立体の組に対する保管組立体内のカウンターバランスの配置の代替的な構成を示す。
図12(b)】保管組立体内の鉛直に配列された保管ユニットの組及び保管組立体の組に対する保管組立体内のカウンターバランスの配置の代替的な構成を示す。
図13(a)】装置の保管ユニットにおいて用いられる係止機構の1つの実施形態を示し、図13(b)はマイクロタイタープレートの部分図である。
図13(b)】装置の保管ユニットにおいて用いられる係止機構の1つの実施形態を示し、図13(b)はマイクロタイタープレートの部分図である。
図13(c)】装置の保管ユニットにおいて用いられる係止機構の1つの実施形態を示し、図13(b)はマイクロタイタープレートの部分図である。
図13(d)】装置の保管ユニットにおいて用いられる係止機構の1つの実施形態を示し、図13(b)はマイクロタイタープレートの部分図である。
図14(a)】内部空気流れ経路を備えた振動装置の実施形態を示す。
図14(b)】内部空気流れ経路を備えた振動装置の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において他に定義されない限り、本発明に関連して用いられる特定の、技術用語は、当業者に通常理解される意味を有する。「トレイ(tray)」及び「プレート(plate)」という語は、本明細書において置換可能に用いられる。「ホテル(hotel)」及び「棚(shelve(s))」という語は、本明細書において置換可能に用いられる。さらに、他に文脈により要求されない限り、単数形の語は複数形を含み、複数形の語は単数形を含む。冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的対象の1またはそれより多いもの(すなわち、少なくとも1つの)を示すように本明細書において用いられる。例示によれば、「1つの要素(an element)」は、1つの要素または1より多い要素を意味する。
【0024】
本発明の1つの実施形態は、図2及び3に示されるようなシステム10に関する。システム10は、上述される、固相結合分析(たとえば、ECL免疫測定)の好適には全てのステップを扱い、好適には複数のマルチウェルプレート4を扱うことのできる完全に自動化されたシステムである。システムは、以下に説明されるように、特にECLベースの固相結合分析を実行するためによく適合されるが、当業者は、プレートリーダー構成要素及び分析消耗品及び試薬の適した選択によって類似する処理ステップを用いて他の分析形式及び/または検出技術を実行するためにシステムを適合し得る。全ての必要な及び選択的な機械は、サンプル、試薬、緩衝剤、洗浄及び清浄液、電子機器及び廃棄保管部と共に、ハウジングまたは筐体12内に含まれる。好適には、筐体12は、システム10に可動性を付与するためのキャスター車輪によって支持される。
【0025】
図2に最もよく示されるように、筐体12は、上部区画14と下部区画16とを有する。上部区画14は、機械、サンプル及び試薬を包囲する。下部区画16は、コンピュータを含み得る電子機器18と、機械を制御し、機械からのデータ及び通信を受信するためのインタフェースと、所定のプロトコルのリストから適したプロトコルと他の使用者との遠隔通信のためのWiFiとを選択するために技術者及び他の使用者のためのグラフィカルユーザインタフェースを含む入出力装置と、を保管する。下部区画16は、界面活性剤またはせっけんを備えたまたは備えない純水を含む洗浄液を保管し、以下に説明される、廃棄または使用された水を保管するための容器20をさらに保管する。
【0026】
上部区画14は、限定されるものではないが、サンプルまたは試薬を含む複数のトレイを保管し、または分析工程において使用されるようにサイズ化され且つ寸法化されてホテル22としても知られる棚22と、棚22の下に配置されるバーコードリーダー24(図示せず)と、トレイ及び(使用可能な場合)それらの蓋を他の機械へと運び、それらを棚22へと戻すように設計されるロボットアーム26とを含む、床またはデッキ15に取り付けられた多くの設備及び機械を収容する。上部区画14は、振動器及びインキュベータ28と、マルチウェル分析プレートのウェルから取り外された材料を洗浄するように設計されたプレート洗浄器30と、液体をマルチウェル分析プレートのウェルへと運ぶためのマルチチャンネルピペッタ32と、それぞれの使用後にピペッタ32からのピペット先端を清浄するためのピペット先端洗浄マニホールド34とをさらに含む。上部区画14はさらにトレイ/プレートリーダー36と、熱電冷却器38とを収容し、これは固体冷却器であり、プレートリーダー36は好適には図1に示されるECL反応に基づいて計測を実行するためのECLプレートリーダーである。あるいは、他の形式のプレートリーダー(吸光度、蛍光性または化学発光に基づくプレートリーダー)が他の検出手法を用いた分析を実行するために使用され得る。
【0027】
デッキ15にさらに取り付けられるのは、ピペットデッキ40であり、これは本実施形態において4つのトレイと構台42を保持するようにサイズ化されて寸法化された4つの空間を含み、これは3次元におけるデッキ15に沿った移動のためにマルチチャンネルピペッタ32を支持する。好適には、ピペット先端洗浄マニホールド34は2つのマニホールド34a及び34bを備え、それぞれ、使用されるピペット先端の数に対応する複数のチムニーを含む。好適には、1つのマニホールドは遮断試薬と関連して上述したような少量の界面活性剤を備えた水を含み、他のマニホールドは、さらに以下に説明する純水を含む。
【0028】
分析システム10が開始される前に、分析工程において使用されるプレートは棚22に載せられる。機械により動作するようにプレートがサイズ化されて寸法化される限り、任意のマルチウェルプレートが使用され得る。好適には、プレートの形状及び寸法は、Society for Laboratory Automation and Screening (SLAS)によって設定された標準のような分析プレートの確立された標準と一致し、(プレート洗浄器、ピペッタ、リーダー、ロボットアーム、等のような)プレート処理部品は、同じ標準に適合するプレートを処理するように構成される。複数のサンプルの高スループット並行処理を可能とするために、分析反応を実行するために使用される分析プレート4は、好適にはマルチウェルプレートである。好適には、ウェルの数及び構成は、24-ウェル、96-ウェル、384-ウェル及び1536ウェル形式(最も好適には、96-ウェルプレート形式)のような確立された標準に従うが、任意のウェル構成が可能である。ECLベースの分析を実行するために、米国特許第7,842,246に記載されたような分析プレートが使用されて良い。最高スループットが同時にプレートにおいて全てのウェルを同時に処理する構成要素を使用することによって実現され得る。たとえば、96-ウェル分析プレートを処理するため、システム10は、好適には96-チャネルピペッタ及び96-チャネルプレート洗浄器を備える。
【0029】
分析プレートに加え、分析希釈剤、検出試薬、リード緩衝剤(たとえば、TPA溶解液)、遮断薬、先端洗浄試薬(たとえば、漂白剤溶解液)のような、試験されるサンプルまたは分析において使用される試薬を提供する他のプレートが載せられて良い。これらのプレートは、好適には分析プレートと同じウェル密度を備えたマルチウェル形式を有して良い。マルチウェルプレートの使用は、分析プレートの異なるウェルへと異なるサンプルまたは試薬を送ることが望まれるとき、好適である。プレートの全てのウェルに送られる試薬またはサンプルは、マルチウェルプレートにさらに提供され得るものであり、または単一の大きなウェル(すなわち、試薬タンク)を有するプレートにそれらは提供され得る。好適には、サンプル及び/または試薬のために使用されるプレートのウェルは、無駄な体積を低減するために円錐または丸底のウェルであって良い。プレートは液体の体積が1つの分析プレート、または複数の分析プレートに十分なようにサイズ化されて良い(たとえば、より高い体積部深さのウェルプレートの使用による)。サンプル及び試薬を保管するプレートは、棚22の所定の位置に配置される。これらの位置は、ロボットアーム26がプレートまたはタンクを引き出して戻る所を知るように、手順を画定するときにあらかじめ選択される。ロボットアーム26は下部区画16内に保管されたコンピュータによって制御され、これは、システム10を操作するためのソフトウェアも含む。
【0030】
システム10を始動するために、操作者は実行される手順のリストの中から手順を選択する。手順は部分的に実行される分析形式に基づいて選ばれる。例示的分析形式が以下に説明される。ロボットアーム26は、好適には、プレート及びタンクがそれらが予定する所に配置されたかどうか、及びサンプルまたは抗体試薬を含むプレート/タンクのような特定のプレートが蒸発を最小化するための蓋を有するかどうかをチェックする。好適には、全てのプレート及びタンクは、全てがトレイピペットデッキ40にぴったり適合し得るように、実質的に同じサイズの底部表面を有する。操作コンピュータは、操作者にトレイまたはタンクが誤って配置された場合、または蓋をなくした場合に通知し得る。棚22に配置されたそれぞれのプレート4またはタンクは、好適には図1に最もよく示されるようなバーコードを有する。バーコードリーダー24は、これらのバーコードを読み取り、操作コンピュータに対して正しいトレイまたはタンクが棚22に載せられたかどうかを通信し得る。このチェックの後、ロボットアーム26は、1つまたは複数のトレイ、たとえば、分析プレート4、試験されるサンプル及び/または試薬プレート(たとえば、希釈剤、遮断剤またはECL標識を備えた抗体標識のような検出試薬を含む、プレート)を含むサンプルプレートを引き出し、プレートをプレートピペットデッキ40に配置し得る。オプションとして、分析プレートは、プレート洗浄器に移されて良く、デッキ40に配置する前に洗浄されて良い。
【0031】
したがって、マルチチャンネルピペッタ34は、選択された手順により複数のあらかじめ選択された操作を実行して良い。1つの可能な手順において、ピペッタ34は、検出試薬を試薬プレートのウェルから吸引し、同じ所定の体積をそれぞれのウェルの表面において固定化された抗体を備える分析プレートのウェル内へと吐出するために96ピペット先端を使用する(たとえば、それぞれのウェルにおける電極において固定化された抗体を備えるECL分析プレート)。ピペッタは、次いでそれぞれサンプルの所定の体積をサンプルプレートのウェルから分析プレートのウェルへと送るために類似する工程を使用する。ロボットアーム26は、同じものをインキュベーションする間に、サンプル及び検出試薬を混合するために、サンプル及び検出試薬を備える分析プレートを振動器/インキュベータ28内へと置くことができる。プレートがインキュベーションするときの期間の間、付加的なプレートは、操作の同じセットを用いて連続して処理されて良い。
【0032】
サンプル及び検出試薬が完全にインキュベーションされた後、ロボットアーム26は、トレイを振動器/インキュベータ28から取り除き、それをプレート洗浄器30へと運ぶ。プレート洗浄器30はそれぞれのウェルのための一対の管を有する。1つの管は下部区画16に保管された容器20からウェル内へと洗浄液を吐出し、他の管は、同じウェルを吸引し、使用された液を下部区画16にさらに保管される廃棄容器20内へと廃棄する。好適には、吸引管の高度は吐出管のそれより下方である。上述のように、洗浄プレート4の1つの目的は、分析計測を妨げ得るサンプルの任意の構成要素と同様、ウェルに取り付けられていない任意の検体または検出試薬を取り除くことにある。
【0033】
プレートが洗浄器上にある間、ロボットアーム26は緩衝剤を含む試薬タンクを棚22からデッキ40へと移動させる。プレートが洗浄された後、ロボットアーム26は洗浄されたプレートをデッキ40へ運び、ここでピペッタ34はリード緩衝剤を試薬タンクからプレートへと移動させる。ロボットアーム26は次いでプレートを、分析計測が実行されるリーダー36へと移動させる(たとえば、ECL計測の場合、上述したECL反応を開始させるためにウェル内の電極に電圧を適用するリーダー36による)。リーダー36によって結果が得られ、下部区画16内に保管された操作コンピュータへと移される。完了後、ロボットアーム16はプレートを棚14へと戻す。
【0034】
本発明が上述のステップに限定されないことに留意されたい。システム10は、上述の機械及び設備を含む任意のシーケンスにおける任意の数のステップを含む任意の手順を実行できる。
【0035】
選択された手順により、ピペッタ32は、実行中のそれぞれの複数のプレートにおける複数のピペット操作ステップを実行するために使用されて良い。本発明の発明的態様は、使い捨てのピペット先端を使用するピペッタの使用であり、ここにおいて先端は実行中の特定の操作間で清浄され、実行間のような、より低い頻度で交換される。付加的な発明的態様は、特定の清浄手続き、試薬、及びサンプルの無視できる二次汚染も提供しつつ、高処理スループットを維持するために選択されてきた、先端を清浄するために用いられるサブシステムに関する。本発明の1つの実施形態において、ピペット先端は、異なる分析プレートにおけるウェルの二次汚染を防ぐため、(以下に定義されるように)分析プレートにおいて実行される、操作のそれぞれのサイクルの間で洗浄される。いくつかの手順において、1つのサイクルにおける操作の間で、特にピペット操作ステップのシーケンスがサンプルまたは試薬プレートの二次汚染の可能性を提供するときに、ピペット先端を洗浄すると好適となり得る。したがって、持ち越しの形式は、サンプル持ち越し及び試薬持ち越しを含む。本発明の先端洗浄工程は、10ppm未満の、好適には1ppm未満の、または0.1ppm未満の、好適には0.01ppmもしくは0.001ppm未満の有効持ち越しを実現しつつ、90秒未満(好適には60秒未満)実行される先端洗浄を可能とし、ここにおいて、有効持ち越しは、同じピペット先端を用いて2つの溶解液が番号付与されるように(1次いで2)ピペット操作された後に溶解液2へと移される溶解液1の量である。有効持ち越しは、たとえば、それぞれのサンプルのため未使用の(使用されていない)ピペット先端を用いて分析条件を制御するため、(洗浄され、使用されたピペット先端を用いる)試験分析条件の比較によって決定されて良い。制御条件は、所定の量の溶解液1が溶解液2へと混入された制御サンプル1の実行を含んで良い。制御条件は、溶解液2であるが溶解液1を混入されていない制御サンプル2の実行を含んでも良い。試験分析条件下における溶解液2の結果は、有効持ち越しを決定するため、分析信号、たとえば、制御条件下における制御サンプル1と制御サンプル2との間の検体濃度における差と比較される。WeibelらのJ.Lab.Automation 15:369-378 (2010)も参照されたい。当業者の1人は、持ち越しを計測する方法を異なる分析プラットフォーム及び自動化システムに適合する仕方を理解する。
【0036】
本発明の1つの実施形態において、同じ先端を用いてピペット操作される第1のサンプルから続くサンプルへのタンパク質検体の持ち越しは、好適には、検体が免疫測定によって計測されるときに、1ppm未満である。本発明の別の実施形態において、同じ先端を用いてピペット操作される第1のサンプルから続くサンプルへの核検体の持ち越しは、核酸雑種形成または増幅分析によって分析されるとき、1ppm未満である。
【0037】
有効持ち越しを最小化するため、先端洗浄手続きは、好適には(i)不正確な分析結果を導き得る、先端において物理的に材料を取り除く1つまたは複数の洗浄ステップと、(ii)洗浄ステップによってそれらが完全に取り除かれない場合であっても分析結果に影響を与えるためにこれらの材料の機能を低減し、排除するための任意のこうした材料を不活性化する不活性化条件または試薬(たとえば、溶解液)に先端が露出される不活性化ステップとを備える。不活性化ステップは、熱による、電磁放射(たとえば、サンプルまたは試薬内の核酸を不活性化するためのUV光の使用)による、及び/または持ち越し効果を生じ得る材料に反応する気体もしくは液体化学反応体による、液体による先端の処理を含み得る(たとえば、漂白剤もしくは過酸化水素のような化学酸化剤、HC1もしくはNaOH溶解液のような酸もしくは塩基、ホルムアルデヒドのような架橋剤、及び/またはエチレンオキシドのようなアルキル化剤の使用)。好適には、不活性化ステップは、漂白溶液によるピペット先端の処理を備える。これらの条件及び試薬は、同じ使い捨てのピペット先端を用いて一連のサンプルをピペット操作するときにタンパク質または核酸検体の有効持ち越しを顕著に低減する。本発明の先端洗浄手続きを用いて、未使用の先端との交換を要する前に使い捨ての先端が20またはそれ以上のサンプル、好適には100またはそれ以上のサンプルを処理するために使用されて良い。
【0038】
本発明の先端洗浄手続きの1つの実施形態は、以下の工程を用いる。ピペット先端33を清浄するため、ロボットアーム26は、不活性化試薬タンク(たとえば、以下に説明されるような漂白溶液を含むタンク)を棚22から取り除き、それを安全にプレートピペットデッキ40に配置する。図4~6を参照すると、ピペット先端洗浄マニホールド34は好適には物理的にピペット先端を洗浄するための2つのマニホールドを有する。第1のマニホールド34aはピペット先端を洗うために好適には水と界面活性剤との混合液を使用し、第2のマニホールド34bは好適には純水を使用する。両方のマニホールドは、ピペッタ32におけるピペット先端33の数に適合する複数のチムニー44を有する。ピペッタ32は構台42によって支持され、デッキ15に沿って動くために3方向に可動である。1つの実施形態において、ピペッタ32はマニホールド34aまたは34bのいずれかに亘り配置され、ピペット先端33がチムニー44の間に配置されるように配置され、言い換えれば、ピペット先端33はチムニー44の開口部と不正に配列される。次いで、任意の残りのピペット先端33の内側の内容物が入り込んでチムニー44を汚染することなくマニホールドへと排出される。したがって、ピペッタ32は漂白溶液タンクの上の位置へと動かされ、漂白溶液内へと挿入される。漂白溶液の第1の体積は、ピペット先端内へと吸引される。好適には、この第1の体積は、先行するいかなるサンプルまたは試薬(複数可)の体積より大きく、これにより漂白溶液は、サンプルまたは試薬(複数可)の前の高さに重なるようにピペット先端33の内側の十分な高さに移動する。漂白溶液は次いでピペット先端33から吐出される。漂白溶液は、未使用の漂白溶液タンクが必要とされるまで複数回、たとえば、10回再使用され得る。オプションとして、漂白剤による処理と関連したステップ(すなわち、不活性化ステップ)は、分析の持ち越しの効果が小さくなり得るピペット操作ステップのために除外されて良い。
【0039】
したがって、ピペッタ32は第1のマニホールド34aの上の位置へと動かされ、ピペット先端33はチムニー44のすぐ上に配列される。図5に最もよく示されるように、ピペッタ32はピペット先端33をチムニー44内へと沈めるが、先端33とチムニー44との間の隙間46を維持する。下部区画16の下に配置された容器からの、いくらかの界面活性剤を備えた洗浄液は、チムニー44へと分散されるように管路48及びマニホールド50を通して底部からチムニー44内へと送り出される。オプションとして、流れ制限器51は、下方のマニホールド50から隙間46内への流体の流れを一様化するのを確実とするようにそれぞれのチムニー44の上流に配置される。流れ制限器は縮径された区分であり得る。水及び界面活性剤の第2の体積は、ピペット先端34内へと吸引され、ここにおいて、この第2の体積は第1の体積より大きい。付加的な水及び界面活性剤は隙間46を通してピペット先端33の外側を洗浄するために送り出される。この外側の水の流れを最大化するため、隙間46は好適には一定のクリアランスを有する。言い換えれば、外側形状またはピペット先端33の表面は、先端33とチムニー44との間の一定のクリアランスを維持するため、チムニー44の内側表面に適合する。好適には、このクリアランスは0.25mmから1mmまでの間であり、より好適には、0.5mmから0.75mmまでの間である。
【0040】
第1のマニホールド34aにおいて界面活性剤溶解液によって洗浄された後、ピペッタ32はピペット先端33を第2のマニホールド34bに動かし、同じ洗浄が純水を用いて繰り返される。純水の第3の体積は、ピペット先端33内へと吸引され、ここにおいて、第3の体積は第2の体積より大きい。1つの実例において、第1の体積はおおよそ75mlであり、第2の体積はおおよそ100mlであり、第3の体積はおおよそ125mlである。
【0041】
ピペット先端33を清浄するため、ピペット先端の内側と外側との両方が清浄されるべきである。内部洗浄のため、それぞれの洗浄ステップにおいて吸引された体積の量は、漸進的に「よりきれいな」すなわちきれいな水により近い、溶解液により、漸進的により大きくなるべきである。たとえば、上述のように、吸引体積は、第1の体積から第3の体積へと、且つ漂白溶液から(界面活性剤を用いた)せっけんのような溶解液、純水へと漸進的に増加する。あるいは、漂白溶液は除外されて良い。洗浄は少なくとも2つのタンク(34a、34b)へと分離される。タンク34aにおける粗い洗浄及びタンク34bにおける細かい洗浄。それぞれのタンク内で、汚染物質は効果的に取り除かれる反復洗浄サイクルであり、すなわち、好適には方向性流れを用いる。外部洗浄のため、ピペット先端33はマニホールド50からの流れからのより大きなせん断力を得るために狭い隙間46近傍に配置される。流れ制限部51は、隙間46を通る流れを制御し、増加させるため、隙間の上流に配置されて良い。
【0042】
この洗浄工程は、使い捨てのピペット先端がシステム10内で再使用されるのを可能とする。未使用の使い捨てのピペット先端はそれぞれの実行の開始においてピペッタ32において搭載され、実行を通して使用され得るものであり、実行の完了まで配置される。
【0043】
図6を参照すると、第1及び第2のマニホールド34a及び34bは、好適にはその壁に配置されたレベルセンサ52を有する。1つの実施形態において、レベルセンサ52は好適にはアクリルである透過性の窓54に向かってIR(赤外線)ビームを放出する光反射センサである。窓54の屈折率は洗浄液のそれと近いが、空気のそれとは異なる。空気が窓54の後方にあるとき、窓54と空気との間の屈折率の間の差は、窓54によってより多くIRを反射させるのに十分に高い。洗浄液が窓54の後方にあるとき、窓54と洗浄液との間の屈折率の差は、より多くのIRが窓54を透過するように十分に小さい。センサ52は液位が窓54に位置することを示すより高いIR伝達を検出可能である。これは排出穴56を通して液体が排出されるまで洗浄液の流れを停止させるためにポンプを閉止するように操作コンピュータに通知し得る。排出穴56は下部区画16に配置された廃棄容器に接続される。
【0044】
好適には、レベルセンサ52は、ピペット先端洗浄マニホールド34内の一定の充填レベルを確立するために使用され得る。ポンプは閉止され得るものであり、センサ52がレベルが窓54に至るのを検知するときに排出穴56は小さくされ得る。この充填レベルは無駄な水滴がピペット先端33に付着し、ピペッタ32がチムニー44及び下部先端33から離してピペット先端33を充填レベルの上の高度に配置し得るが無駄な水滴が液体に接触するのに十分な場合に、操作コンピュータに知られる。これは、無駄な水滴が、この液体へと、ピペット先端に触れることなく洗浄マニホールド34内の液体に移されるのを可能とし、これはあらかじめピペット先端33を洗浄するために使用されて良く、汚染物質を含み得る。
【0045】
本発明の別の態様によれば、筐体12の内側で機械を包囲する利点は、筐体12の内側の温度及び/または湿度が制御され得るものであり、試薬及び他の液体の蒸発が最小化され得ることにある。筐体12は環境からシールされる必要はなく、しかしながら、上部区画14の内側は環境の外側と活発に空気を交換しない。上部区画14は上部表面、側部表面、後部表面及びデッキ15によって包囲される。前部表面は、1つまたは複数の摺動する、またはヒンジ連結された扉を備える。ある用途において、上部区画14内において温度をおおよそ23℃からおおよそ27℃までの間で、この温度範囲内において、特定の選択された、あらかじめ設定された温度において±1℃内で維持すると望ましい。
【0046】
図7を参照すると、本発明の別の発明的態様は、上部区画14の内の制御された空気流れに関する。複数の機械及び他の対象がデッキ15上に存在するため、それらは空気流れを妨害し、空気流れを制御されない仕方で方向変更させる。熱電冷却器38は、概して上部区画14の内側の空気を取り込み、おおよそそれらの中心において水平に空気を冷却/温め、それらの上部及びそれらの底部において空気を鉛直に吐出する。図7は機械を備えた筐体12と明確化のため除かれる他の構成要素とを示す。図2において参照符号58で示される筐体12の上部表面、及びデッキ15も明確化のため除かれる。筐体12の上部表面58の下に、第2の上部表面60が上部区画14の上部においてフロープレナム62を形成するように上部表面58の下に配置される。好適には、第2の上部表面60は、通過して流れる空気の吐出を可能とするように上部表面58から十分な距離離間される。フロープレナム62の寸法は、空気流れを高速化するようにより小さく調整され、またはそれを減速するようにより大きく調整され得る。第2の上部表面60は、熱電冷却器38の上部吐出部近傍に配置された少なくとも1つの浸入部64と、上部区画14の前部近くの少なくとも1つの排出部66とを有する。示されるように、上部吐出された空気は、浸入部64においてフロープレナム62に入り、それが上部区画の前部近くの排出部66に至るまでプレナムに沿って流れ、その吸引において熱電冷却器へと流し戻される前に機械の温度を変更ために下方に流れるように力を付与される。フロープレナム62がないと、吐出空気は上部区画14の前部に移動することなく水平吸引へと上部表面58で跳ね返り得るため、上部吐出空気からの流れパターンは、上部区画14の前部に至らない。
【0047】
さらに、図7及び8に示されるように、傾斜したフローダイバータ68が空気流れを上部区画14の前部へ、次いで熱電冷却器の水平吸引へと上方及び後方へと方向付けるためにデッキ15に沿った流れを偏向するために、熱電冷却器38の底部吐出部の直下に配置される。別の実施形態において、第2のフロープレナム62はデッキ15を有することができ、これにより底部表面がデッキ15及び浸入部64の下に配置され、排出部66がデッキ15に提供される。
【0048】
上部区画14の上部及び/または底部において偏向された空気流れは、熱電冷却器38の上部及び底部吐出からそれらの水平中心吸引部へと戻る、より長い空気流れ経路となる。より長い空気流れ経路は、上部区画を通る空気流れのより効率的な分散を提供し、筐体内で、上部区画14内の温度差を±1℃内に維持するために、温度勾配を低減する。
【0049】
手順
ECL免疫測定システム10は、任意の数の分析手順を実行することができる。好適には、それぞれのプレートを処理するための分析手順は、等しい継続時間の一連の時間処理サイクルへと分解され、それぞれのサイクルは、デッキ15における単一のプレートの処理を含み、個々のプレートにおいて実行される異なるサイクルは、プレートインキュベーション期間によって分離されて良い。この方法は、分析ステップのタイミングの正確な制御を維持しつつ極めて高いスループット処理を提供することができ、個々の自動操作の計画をかなり簡易化する。それぞれのサイクルがN分の継続時間を有し(これはサイクル内の操作またはステップがN分未満かかることを意味する)、所定のプレートの任意の2つの隣接したサイクルの間のインキュベーション時間が少なくともY分である限り、次いでシステム10は全てのプレートにおける全ての分析処理及びインキュベーションステップのための一定のタイミングを維持しつつ、同じ時間において2つのプレートにアクセスすることなく実行中Y/Nプレートをバッチすることができる。
【0050】
この「時間サイクル」の方法の1つの実施形態において、分析手順のための処理シーケンスを形成する個々のサイクルは、全体複合ステップサイクルを変更することによって、特定のサイクルにおいて、流体移動を含むステップのため、要求されないステップを除くことによって、及び、移動するいくつかの体積を特定することによって、形成される。変更されたサイクルは、全一般サイクルの継続時間内で実現可能であり、サイクルの全体スケジュールに対するいかなる変更も要しない。
【0051】
1つの一般サイクルの例示的フローチャートは、図9(a)においていくつかの分析特定サイクルを生成するためにサイクルを変更するための機会が存在するように、示される。ステップ70において、目的のプレートが選択される。ステップ72において、洗浄すべきプレートの決定が成される。YESの場合、次いでステップ74において洗浄手順が選択され、洗浄緩衝剤が選択される。ステップ74の後、またはステップ72からのプレート洗浄における決定がNOの場合、次いで手順は、試薬(またはサンプル)が付加されるステップ76に進む。試薬(またはサンプル)資源及び試薬(またはサンプル)体積が選択される。したがって、第2の試薬を付加すべきかどうかの別の決定がステップ78において成される。YESの場合、次いでステップ80において、別の試薬(またはサンプル)資源及び体積が選択される。ステップ80の後、またはステップ78からの決定がNOである場合、次いで手順はプレートがインキュベーションされて撹拌されるステップ82へと進む。インキュベーション時間及びインキュベーション位置、たとえば、振動器28または棚22が選択される。次いで、ステップ84において、ピペット先端を洗浄すべきかどうかの決定が成される。YESの場合、漂白剤のような不活性化溶解液によって洗浄すべきか否かの別の決定がステップ86において成される。ステップ86の後、またはステップ84からの決定がNOである場合、次いで手順はステップ88に進み、プレートをリーダー36に配置する。
【0052】
1つの実例において、1つの分析手順は図9(a)の一般サイクルを以下のステップ/操作に変更することによって形成される以下のサイクルを含んで良い。
サイクル1.分析プレート及び遮断試薬タンクを棚22から引き出し、ピペッタ32を用いて遮断試薬をプレートに付加し、プレートを振動器28に置く。
サイクル2.分析プレートを振動器28から、サンプルプレートを棚22から引き出し、プレート洗浄器30において分析プレートを洗浄し、ピペッタ32を用いてサンプルをプレートに付加し、プレートを振動器28に置く。
サイクル3.分析プレートを振動器28から、検出試薬タンクを棚22から引き出し、分析プレートを洗浄し、ピペッタ32を用いて検出試薬をプレートに付加し、プレートを振動器28に置く。
サイクル4.分析プレートを振動器28から、リード緩衝剤タンクを棚22から引き出し、分析プレートを洗浄し、ピペッタ32を用いてリード緩衝剤をプレートに付加し、リーダー36のプレートを分析のために配置する。
この実例において、それぞれのサイクルは3分またはそれ未満の時間を実行に要し、振動器28におけるインキュベーション時間が60分の場合、次いでシステム10はプレート間の干渉なく20マルチウェルプレートのバッチを実行できる。
【0053】
別の実例において、システムは短いまたは継続時間においてサイクルの継続時間、たとえば、10秒から6分の範囲におけるインキュベーション時間に相当するインキュベーションを含む手順を実行するために使用されて良い。この手順は、希釈剤を要する代わりに、短いインキュベーションによる大量の検体の分析の実行に適する。サイクルの長さに対して短いインキュベーションのため、インキュベーションは、サイクル内のステップとして実行されて良い。この場合、プレートはデッキに残って良く(ピペット操作の上下により混合させるため、インキュベーションの間振動させず、またはピペッタを用いて、のいずれか)、またはプレートは単一のサイクルの時間フレーム内に振動器に移されて良く、インキュベーションされて良く、もしくはデッキに戻されて良い。この場合、インキュベーション時間がMにサイクル時間Nを乗じたものである場合(すなわち、インキュベーション時間=M×N)、プレインキュベーション処理ステップ(継続時間Aのプレインキュベーションサブサイクル内に備えられた)と、ポストインキュベーション処理ステップ(継続時間Bのポストインキュベーションサブサイクル内に備えられた)とで交互する、交互の工程が用いられ得るものであり、ここにおいて、A+B=N(個々のサイクルの合計時間)である。この場合、交互の工程の処理サイクルは、(i)プレインキュベーションサブサイクルを用いた、またはいかなるプレートも使用できない場合(たとえば、全てのプレートが既にプレインキュベーションサブサイクルを受けた)、バッチにおいてプレートを処理し、次いで時間Aアイドリングし、(ii)ポストインキュベーションサブサイクルを用いて、またはいかなるプレートも使用できない場合(たとえば、いかなるプレートもM×Nインキュベーションを完了していない)、M×N時間のインキュベーションを完了したバッチにおいてプレートを処理することを備えて良い。この交互の方法を用いて、連続的にプレートを処理することが可能であり、バッチサイズに上限はない。分析工程が時間サイクルの方法のための上述のような時間Yのインキュベーションステップを備える場合、次いでインキュベーションステップの長さは、手順の間に実行され得るバッチサイズを決定する。
【0054】
別の例において、システム10は図9(b)に示されるように操作され得るものである。ステップ90において、システム10が開始され、ここにおいてプレート、タンク、ピペット先端等のような消耗品が上述のように載せられる。ステップ92において、操作者によって手順が選択される。ステップ94において、第1の単一のマルチウェル分析プレートが処理され、1つまたは複数の例示的処理ステップ(a)~(f)を含む第1の処理サイクルの使用が実行される。
a.単一のマルチウェルトレイを棚から取り除き、
b.オプションとして、該単一のマルチウェルトレイを洗浄し、
c.該単一のマルチウェルトレイにおいてウェル内へと試験されるサンプルを被着させ、
d.少なくとも1つの試薬を該単一のマルチウェルトレイにおいてウェル内へと被着させ、
e.オプションとして、残りの検体を取り除くために該単一のマルチウェルトレイを洗浄し、
f.オプションとして洗浄された単一のマルチウェルトレイをインキュベータに配置する。
第1の処理サイクルは、付加的な単一のマルチウェル分析トレイにより、ステップ96において示されたように、インキュベータが満たされるまで繰り返され、すなわち、(h)別の単一のマルチウェルトレイによりインキュベータが満たされるまでステップ(a)~(f)を繰り返す。この実例においてインキュベーションの期間は、マルチウェルトレイによりインキュベータを満たすための時間の合計である。処理トレイによってインキュベータが満たされた後に、ステップ(g)、ステップ96に示されるように、ここで完全にインキュベーションされた第1のトレイは、取り除かれ、オプションとして、1つまたは複数のステップ(a)~(f)を含む第2の処理サイクル94を用いて処理される。第2の処理サイクルは、使用される場合、次いで付加的な単一のマルチウェルトレイによりインキュベータが満たされるまで繰り返される。同様に、特定の分析手順のため必要に応じて付加的処理サイクル94がプレートのバッチにおいて実行されて良い。最終処理サイクルは、分析のため分析トレイがプレートリーダー(たとえば、ECLトレイリーダー)に移される、処理ステップ(h)(ステップ98として図9b)に示される)を備える。ステップ99においてリーダー内に全ての分析トレイが配置されるまで最終サイクルが繰り返され、分析される。インキュベータ内に保管されるマルチウェルトレイの数は、最も長い処理時間(すなわち、ステップ(a)~(f)及び、最終サイクル、(h)において)を完了するための時間によって分割されるインキュベーション期間に等しい。
【0055】
図9(b)に示された方法は、インキュベーション期間の間処理されてインキュベータ内に保管され得るマルチウェルトレイの数の最初の決定によって変更され得るものであり、次いでステップ(a)~(f)を処理することによりトレイを処理する。システムは残りのトレイを処理することができ、第1のトレイが完全にインキュベーションされた後、トレイはファーストインファーストアウトに基づいてECL分析のためリーダーへと動かされる。
【0056】
本明細書における教示に基づいて任意の数の手順が当業者により設計され得る。本発明はいかなる特定の手順にも限定されない。
【0057】
システム10の構成要素の説明
特に図2及び3に示されて上述された機械及び設備は、特に設計され、または商業的に購入され得る。棚22は好適には意図される用途のため特別に設計される。バーコードリーダー24は商用オフザシェルフ部品であり得る。ロボットアーム26も商用オフザシェルフ部品であり得る。プレート洗浄器30も商用オフザシェルフ部品であり得るものであり、Biotek, Incから使用可能である。リーダー36も商用オフザシェルフであり得るものであり、MESO QuickPlex SQ 120 ReaderとしてMeso Scale Diagnostics, Inc.から使用可能である。このリーダーは、共有に係る特許付与前の米国特許出願公開US2014/0191109号に記載されて特許請求されており、これは参照により本明細書においてその全体が組み込まれる。マルチチャンネルピペッタ32及び熱電冷却器38も商用オフザシェルフ部品である。ピペット洗浄マニホールド34は特別に設計され、または購入されて洗浄有効性を向上するために変更され得る。構台42は好適には、システム10のために特に設計される。
【0058】
振動器28は商用オフザシェルフ部品であり得るものであるが、しかしながら、上述のシステム10の実施形態において、振動器28は発明的であり、「Consumable Shaking Apparatus」と題され2015年4月6日に出願のシリアル番号62/143,557を有する、共有に係る仮出願に記載されて特許主張されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。この先の仮出願の関連する部分は、以下に再現される。
【0059】
振動器及びインキュベーション装置28が図10(a)~1(d)に示される。装置は、水平軌道台(102)を含む軌道振動器組立体(101)と、台(102)に配置された分析消耗品保管組立体(103)とを含む。保管組立体(103)は、棚乗せ部分組立体(104)と、装置の軌道構成要素、すなわち、保管組立体及び軌道台の質量中心に実質的に対応する高さまたは面で保管組立体内に配置されたカウンターウェイト(105)とを含む。棚乗せ部分組立体は、複数の鉛直に配列された保管ユニットの組を含む。図10(a)~1(b)に示された装置は、4つの鉛直に配列された保管ユニットの組(106~109)である。それぞれの保管ユニット(110)は分析消耗品(111)を収容するようにサイズ化され、保管ユニット内に消耗品を固定し、部分組立体内に配置されたそれぞれの消耗品が同じ軌道の振動推進力、速度及び方向を受けるのを確実とするための係止機構(112)を含む。
【0060】
本発明による使用に適した分析消耗品の実例は、限定されるものではないが、小瓶、フラスコ、ビーカー、分析カートリッジ及びカセット、たとえば、マルチウェルプレートといったマイクロタイタープレート、スライド、分析チップ、側部流れ装置(たとえば、ストリップ試験)、フロースルー装置(たとえば、ドットブロット)、及び生物学的試薬のための固相サポート等を含む。ある実施形態において、分析消耗品における試験部は、分析消耗品における区画、たとえば、ウェル、チャンバ、及びチャネルフローセル等によって定義される。特定の実施形態において、分析消耗品は、たとえば、6、24、96、384または1536ウェルを備えるマイクロタイタープレートである。より詳細には、分析消耗品は、96-ウェルマイクロタイタープレートである。
【0061】
図10(a)及び1(d)を参照すると、軌道振動器組立体101は、軌道振動器組立体(101)から分析消耗品保管組立体(103)へと鉛直Z軸に延びる回転シャフト(113)を含む。カウンターウェイト(105)は質量中心面または分析消耗品保管組立体(103)の質量中心を含む面において、または近くでシャフト(113)に作用するように接続される。上部偏心器(115)は回転シャフト(113)の上部、及びシャーシまたは以下により詳細に説明される分析消耗品保管組立体(103)の表面に作用するように接続される。
【0062】
図10(d)を参照すると、軌道振動器組立体(101)は、ベルト(127)によって回転シャフト(113)、(123)及び(125)に接続された駆動モータ(121)を備える。好適には、ベルト(127)は溝加工され、またはタイミングベルトである。1つまたは複数のプーリー(129)がシャフト駆動されるのを確実とするために配置され、実質的に同じ回転速度で駆動される。シャフト(123及び125)は、第1の底部偏心器(131)及び第2の底部偏心器(133)に作用するように接続される。底部偏心器(131、133)は組立体(103)を支持する水平軌道台(102)に作用するように接続され、組立体(103)に直接的に作用するように接続され、上述のように、上部偏心器(115)はシャーシまたは分析消耗品保管組立体(103)の表面に、分析組立体(103)の質量中心を含む面において、または近くで作用するように接続される。
【0063】
偏心器(115、131及び133)は回転シャフト(それぞれ113、123及び125)周りに配置され、同じ中心線を共有しない内径及び外径(それぞれ125及び137)を有する円筒状の構成要素である。回転シャフトは、偏心器の内径内に受容され、偏心器は、図10(a)に最もよく示されるように、分析消耗品保管組立体(103)を支持する水平軌道台(102)におけるボールベアリング受容器内、及び/または上部偏心器(115)を受容するように適合されたボールベアリング受容器内に受容される。偏心器の内径及び外径の中心線の間の距離は、装置の軌道半径を決定する。たとえば、図10(c)に示される実施形態において、内径及び外径の中心線の間の距離は、2mmであり、したがって、軌道半径は2mmであるが、この構成は本発明の精神または範囲から逸脱することなく調整され得る。1つの実施形態において、全ての回転部品(たとえば、モーター、駆動シャフト、及びカウンターウェイト)は、同じ速度で同じ方向に回転する。
【0064】
別の実施形態において、少なくとも2つの底部偏心器(131及び133)は、最小化するため、好適には分析消耗品保管組立体(103)が単一の回転軸周りに回転するのを防ぐために、水平軌道台(102)に取り付けられる。好適には、上部偏心器(115)はシャフト(113)が最小化され、またはシャフト(113)が軌道移動するのを防ぐために使用され、シャフト(113)は主に回転し、または回転のみすべきである。付加的な底部及び上部偏心器が使用され得る。全体の分析消耗品保管組立体(103)が鉛直軸周りに均一に軌道移動するのを確実とするのを支援するため、同様にサイズ化された偏心器が底部設置プレート及びシャフト(113)の上部においてシャフトを鉛直に機械的に拘束するように使用される。振動を最小化するため、全ての偏心器は好適には互いに同位相で回転する。好適には、偏心器をベルト(127)によって回転される駆動プーリーに接続するシャフト(113、131及び133)は、単一の回転軸を有する。
【0065】
さらに別の実施形態において、偏心器は回転し、保管組立体は軌道移動するが、好適には回転しない。それらのシャフトの軸周りの偏心器の回転位置は、その中心軸周りの保管組立体の軌道位置に対応する。上部偏心器(115)は好適にはカウンターウェイト(105)とおおよそ180°位相をずらして配置される。望ましくない乱流、または図10(c)に最もよく示されるように「歩く」傾向を最小化するように提供されるカウンターウェイト(105)は、カウンターウェイトの角度推進力を増加または減少させるために回転シャフト(113)に向かって、または回転シャフト(113)から離れて移動され得る調整可能な構成要素106を有する。1つの非限定的な実例において、分析消耗品保管組立体(103)の質量は、おおよそ5,000グラムであり、カウンターウェイト(105)の質量は、おおよそ412グラムである。
【0066】
分析消耗品保管組立体(103)のシステムばね定数(K)は、好適には実質的に高く、したがって共振周波数は、
【数1】
であり、ここにおいて、kはシステムのばね定数であり、mはシステムの質量であり、実質的に高い。好適には、分析組立体(103)の共振または自然周波数は軌道振動器組立体(101)の回転周波数より高い。好適には、分析消耗品保管組立体(103)はばねまたはダンパーを含む。
【0067】
棚乗せ部分組立体(104)の詳細な図面は、図11(a)~(c)に示される。棚乗せ組立体は、上部(202)、後部(203)、左及び右ハウジング壁を有するハウジング(201)を含み、これは二重の壁(それぞれ204及び205)、及び複数の鉛直に配列された保管ユニットの組であり得る。図11(a)~(b)において2つの鉛直に配列された保管ユニットの組が示される(それぞれ206及び207)。組内の保管ユニットは、配列されて積層され(たとえば、208~209)、それぞれの保管ユニットは開口部(211)を封止するように構成された導入開口部(210)及び扉を含む。
【0068】
棚乗せ部分組立体は、鉛直に配列された保管ユニットの組の配列を備える。配列は直線的、環状、または多角形であって良い。1つの実施形態において、配列は、鉛直に配列された保管ユニットの組のM×Nの直線的な配列であり、ここにおいてM及びNは整数である。直線的な配列の1つの実施形態は、図11(a)~(b)に示され、これは2×1配列を形成する部分組立体において互いに隣接した2つの保管ユニットの組(それぞれ206及び207)を含む。直線的な配列の代替的な構成は、図11(d)~(f)に示され、これは2×2配列(2(d))、3×3配列(2(e))、及び4×4配列(2(f))を示す。さらに、配列は、図11(g)~(i)に示されるように多角形または環状であり得る。配列が多角形である場合、たとえば、図11(g)及び図11(h)に示されるような三角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または十二角形といった、正多角形であり、ここにおいてXは1~7の整数である。あるいは、配列は図11(i)に示されるように環状である。図11(g)~(i)に示される実施形態において、配列は、360°/Pの保管ユニットの組を備え、ここにおいて、Pは整数であり、保管ユニットの組は中心軸周りの棚乗せ部分組立体内に配置される(それぞれ212~214)。
【0069】
それぞれの棚乗せ部分組立体は、100以下の個々の保管ユニット、好適には、40以下の個々の保管ユニット、より好適には、24以下の個々の保管ユニットを含むことができる。当業者は、装置が保管組立体及び軌道台の合成質量中心に対応する高さにおける保管組立体内に配置された十分なカウンターウェイトを含む限り、所定の組または組の収集において鉛直に配列された保管ユニットの数と同様に、組の数を変更する、棚乗せ部分組立体における保管ユニットの組の多数の構成が構成され得ることを容易に理解する。特定の実施形態において、隣接する壁(215、たとえば、206及び207)を共有する保管ユニットのそれぞれの隣接した組は、同じ数の保管ユニットを備える。
【0070】
図12(a)~(b)に示されるように、装置は、複数のカウンターウェイトの結果としての質量中心が軌道移動する構成要素の合成質量中心に一致するように複数のカウンターウェイトが均一に分散される、2つまたはそれ以上のカウンターウェイトを含むことができる。上述のように、単一のカウンターウェイトは軌道移動する構成要素の質量中心に一致するように配置され得る。図12(a)に示される実施形態において、2つまたはそれ以上のカウンターウェイト(それぞれ301及び302)は回転軸(303)と作用するように連通する。好適には、カウンターウェイト(301、302)は、対称に図12(b)に示されたシステムの質量中心面の上と下に配置される。あるいは、図12(b)に示されるように、第1のカウンターウェイト(304)は対応する第1の回転軸(305)と作用するように連通し、第2のカウンターウェイト(306)は対応する第2の回転軸(307)と作用するように連通し、ここにおいて、それぞれの軸は、それぞれの回転軸が軌道振動器組立体によって一致して駆動されるようにタイミングベルト(308)によって駆動される。好適には、カウンターウェイト(304、306)は、図12(b)に示される起動システムの質量中心面においてまたは近くに配置される。
【0071】
任意の適した軌道の振動機構が装置において使用され得る。その開示が本明細書において参照により組み込まれる米国特許第5,558,437号に記載されるように、従来の振動機構は軌道移動で台を駆動し得るものであり、オフセットを有したモーター、または上部シャフトの軸がシャフトのオフセットによって決定される半径を備えたサイクルで、すなわち、クランクスローによって移動するような、最上部のシャフトの上端におけるクランクによって駆動される1つまたは複数の鉛直なシャフトを含む。1つまたは複数の上部シャフトは、1つまたは複数の上部シャフトと台との間の回転運動から接続解除するためにベアリングを介して台の下側に接続される。複合シャフト機構において、台の回転は、概してシャフトの4つのバー結合機構によって妨げられる。台の単一のシャフト機構において、台の回転は、概して台と基部との間に付加的な結合または対応結合を接続することによって、妨げられる。
【0072】
上述のように、それぞれの保管ユニットは、分析消耗品、たとえば、マイクロタイタープレートを収容するようにサイズ化され、消耗品を保管ユニット内に固定するための係止機構を含む。例示的プレート係止機構が図13(a)~(d)に示され、これは保管ユニット台(401)(または同じ設置面積を有する消耗品及び本明細書に記載のような装置における使用のため構成されたマルチウェル/マイクロタイタープレートのような外部の物理的形状)に配置された例示的プレートを受容して係合するように構成される。プレートは少なくとも第1、第2、第3、及び第4の側部を有し、第1及び第3の側部は実質的に互いに対して平行であり、第2及び第4の側部は実質的に互いに平行である。プレートの外側縁部は、マルチウェル/マイクロタイタープレートの標準設計慣習に従い、プレートの壁を包囲し、プレートの壁より低い高さのスカート(402)を含む(拡大図は図13(b)に示される)。プレート係止機構は、プレートの2つの直交する側部においてプレート台における2つの対応する物理的停止部に対してスカートの外側縁部を押すように設計され、再現性のため、プレートスカートの上部における定義された位置において下方の物理力を適用し、プレートを固定して保持する。
【0073】
図13(a)に示される実施形態において、プレート係止機構(403)は保管ユニット(404)のプレート導入開口部と配列された台の縁に対して垂直である。プレート係止機構は、位置に取り付けるために付勢されて2つのペダル(それぞれ、406及び407)を構成する係止部材(405)を備える。ペダル(406、407)と同じ側に配置された2つの滑り止め(それぞれ408及び409)及びプレートスカートを鉛直に拘束するように構成された反対側に配置される滑り止め(421、422)。図13(c)を参照すると、第1のペダル(406)はマルチウェルプレートの第1の側をプレートスカート(402)と係合する第1の滑り止め(408)へと押すように適合される。第1の滑り止め(408)は、プレートスカートと係合し、プレートの鉛直移動に対するハード機構制限部を提供する。台の内側へとプレートが押されるとき、第2の滑り止め(409)は、プレートスカートと係合し、プレートのスカートの鉛直移動をさらに拘束する。図13(d)に示されるように、プレートが完全に台に挿入されるとき、係止機構は完全に係合され、対向する第3及び第4の滑り止め(421、422)と共に、第1及び第2の滑り止め(408、409)は、プレートスカートと係合し、プレートの鉛直移動を制限する。ペダル(407)は側部付勢をプレートに提供し、ペダル(406)は側部及び後方付勢をプレートに提供する。図13(d)に示された実施形態において、係止機構(411)の反対の台の側部と同様、プレートは、プレート導入開口部の反対の、プレート台(410)の後端に対して押される。
【0074】
本発明の別の態様によれば、選択的な空気流れ経路(425)は、図14(a)及び14(b)に最もよく示されるように、分析消耗品保管組立体(103)の内部に提供される。この空気の流れの経路(425)は、冷却空気が分析消耗品保管組立体(103)を通して、または循環して、好適には鉛直に配列された保管ユニット(106~109)の間を流れるのを可能とするように、水平軌道台(102)と下部棚乗せ部分組立体(104)との間の、複数の水平エアシャフト(429)と相互に連結する複数の鉛直エアシャフト(427)を備える。空気排出部または送風機組立体(431)は、空気をこの隙間を通して引き出すように提供される。あるいは、空気排出部または送風機組立体(431)は空気を空気流れ経路(425)へと押しても良い。別の選択的な空気シャフトが上部棚乗せ部分組立体104と下部棚乗せ部分組立体104との間の空間に提供されて良い。
【0075】
実施例1
システム10は、メリーランド州ロックビルのMeso Scale Diagnostics(「Meso Scale」)のような、ECL検出技術による臨床サンプルの超高スループット試験のために設計される。高スループットを実現するために、システム10は96-ウェルプレート形式の複数の試験を用い、20以下のプレートのバッチを処理することができる。それは、異なる分析ステップを実行する構成要素、チャネルピペッタ32、バーコードリーダー、プレート洗浄器30、プレート振動器28及びメソスケールからのプレートECLリーダー36の間でプレートを移動させる中央ロボットアーム26を有する。システム10は独立して完全に自動化されたシステムである。システム10は機能的であり、ベータユニットがメソスケールにおいて使用される。
【0076】
システム10の台の主要な特徴は、限定されるものではないが、
1.20以下の分析プレートのバッチ処理(校正器または制御器のために使用される、プレート毎に(singlicate)80サンプルと仮定した、バッチ毎に1600サンプル+16ウェル)と、
2.一日12,800サンプルのように高いスループットと(一日20プレートの8バッチ)と、
3.全てのピペット操作及び洗浄ステップがプレート内の全てのウェルを同時に処理可能な96-チャネル構成要素を用いて実行され、
4.温度制御された筐体内で分析処理が実行され、より高度に再現可能で正確な結果を提供するために全てのステップが正確に同期され、
5.20プレート能力を備えて特別に設計された振動器(共有に係る仮出願第62/143,557号に記載され、本明細書にその全体が組み込まれる)は、高速な抗体結合反応速度を提供し、蒸発を防ぐためにそれぞれのプレートが振動器内の分離して包囲されたチャンバにおいてインキュベーションされ、
6.サンプル希釈を実行するための機能、
7.簡易的に計画される方法は、分析操作のインターリービングを要しない、ことを含む。
【0077】
システム10は、1つの完全に自動化されたシステムとして個々のオフザシェルフ及び特別に設計された部品を使用する。オフザシェルフ部品は、MESO QuickPlex(登録商標) SQ 120 Reader (Meso Scaleから入手可能), a BioTek(登録商標)、96-チャネルプレート洗浄器、Precise Automation(登録商標)プレートハンドリングロボット、バーコードリーダー、及びApricot Designs(商標)96チャネルピペット操作ヘッドを含む。特別に設計された台の構成要素は、プレートホテル/棚、20-プレート振動インキュベータ、2つのピペット先端洗浄マニホールド、4つのピペット操作プレートピペットデッキ、及びピペット操作ヘッドを支持するためのピペッタ構台を含む。デッキ及び全ての構成要素は筐体を設定温度に維持する加熱/冷却ユニットによって筐体内に配置される(図2及び3)。
【0078】
台は、96-チャネル部品を用いて全96-ウェルプレートを一度に処理することによって超高スループットに至る。この方法は、処理操作がインキュベーション期間によって分離された一連の処理サイクルへと分割されるのを可能とし、ここにおいて任意の特定の処理サイクルと関連付けられた時間は、個別の時間量であり、たとえば、3分未満である。それは、したがって、3分間隔で実行されるそれぞれのプレートにおいてそれぞれのサイクルを計画することが可能であり、それぞれのサイクルにおけるタイミングに亘り厳格な制御を維持しつつ、操作の計画を簡易化する。1時間の結合反応インキュベーションによりそれぞれの分析サイクルを分離することによって、たとえば、20の、プレートのバッチは、複数の分析サイクルに亘るプレート間の3分間隔を維持しつつ実行され得る。システムは、より高いスループットにさえ拡張され得る。
【0079】
非限定的実例により、生物学的線量測定の場合(実施例2参照)、システム10は、サイクルに分割された以下の自動化分析処理ステップにより単一のインキュベーション分析を実行し、
1.サンプル付加サイクル、
a.ロボットが(サンプルを備えた)プレートと、(検出抗体溶解液を備えた)試薬タンクと、分析プレート(Meso Scaleからの、MSD(登録商標)、Multi-Array plate with capture antibody array)とをプレートホテル/棚から取り除き、デッキに配置し、
b.ピペッタアクセスを可能とするようにロボットが、資源プレートから蓋を持ち上げ、
c.ピペッタがサンプル及び検出抗体を分析プレートのウェルへと移動させ、
d.ロボットが1時間のインキュベーションのため分析プレートを振動器へと移動させ、
e.ピペット先端が洗浄マニホールドを用いて洗浄され、
2.プレート読み取りサイクル(ステップの後1時間計画される)、
a.ロボットが分析プレートを振動器から取り除き、洗浄器に配置し、
b.プレート洗浄器がサンプルを取り除くためにウェルを洗浄緩衝剤により3回洗浄し、
c.ロボットが分析プレートとリード緩衝剤を備えた試薬タンクとをデッキに動かし、
d.ピペッタが分析プレートのウェルにリード緩衝剤を移動させ、
e.ロボットが分析のためにプレートをMSD SQI20プレートリーダーに移動させる。
【0080】
プレートの間の3分間隔を維持することによって、それぞれのサイクルのタイミングの厳格な制御を維持しつつ1時間の最初の結果までの時間及び2時間の最後の結果までの時間によりバッチ内の20プレートを処理することが可能となる。オプションとして、サンプル及び検出抗体の結合は、最適な分析性能を実現するために分離した1時間のインキュベーションを備えた2つの分離したサイクルへと分離されて良い。この場合、20プレートバッチのための最初の結果までの時間は2時間であり得るものであり、最後の結果までの時間は3時間であり得る。
【0081】
20プレートのバッチにおける生物学的線量測定試験を実行するためのシステム及び試薬を準備するため、操作者は以下に説明する工程に従い、
・凍結乾燥された検出抗体が水分補給されて試薬タンクに移され、
・液体体積試薬として供給されたリード緩衝剤が第2の試薬タンクに付加され、
・凍結乾燥された校正器及び制御器(キットを備えた管内のキットで供給される)が水分補給され、
・サンプル、制御器、校正器が管から96-ウェル資源プレートへと移され、
・二重の2制御器においてプレートにおける列1及び2が7点校正曲線実行のために蓄えられ、80サンプルのため列3から12が用いられ)、
・このステップは手動でまたは多くの臨床研究所に存在する自動化サンプル送りワークステーションによってより高いスループットのため実行され得るものであり、
・使用者は彼または彼女のログイン認証を用いてシステムログインし、
・使用者は分析形式(この場合において生物学的線量測定試験)を選択し、これは分注体積、インキュベーション時間等を含む分析手順設定を定義し、
・ソフトウェアによって提供されるグラフィック的な図に従い使用者はMSD分析プレート、資源プレート及び試薬タンクをプレートラックに付加し、
・システムは、全ての資源プレート及び位置を確認するための全ての構成要素の試薬タンクの在庫を取得する設定ルーチンを実行し(バーコードが読み取られる)、システムも使用者により体積試薬が交換されたことを確認し、
・システムは自動化された(上述の)生物学的線量測定分析手順を実行し、
・使用された分析プレート/タンクがプレートホテル/棚から取り除かれ、
・結果がソフトウェアによって計算されてタッチスクリーンGUIにおいて表示される。
【0082】
システム10は2時間内に20プレートを処理することができる。最高スループットのため、次の20サンプル資源プレートの組(サンプル、校正器及び制御器を含む)が現在の20プレートの組が実行される間に準備され得る。資源プレートは手動で準備され得るものであるが、しかしながら、再形成するサンプルのための商用オフザシェルフシステムがより効率的にこのタスクを完了するためにお使用されて同じスループットをシステム10として維持し得る。多くの大きな臨床研究所に存在する自動システムは、システム10のサンプル資源プレートへのあらかじめ定義されたレイアウト内への、遠心血液チューブ、キャップを外されたチューブ、及びピペットプラズマサンプルであり得る。これらのシステムは校正器及び制御器をサンプル資源プレートへ送るためにさらにプログラムされ得るものであり、または、使用者はサンプルが処理されて資源プレートに付加されると、このタスクを手動で実行できる。システムのためのソフトウェアは、それぞれの資源プレート内(さらに固有のバーコードIDによって識別可能である)でそれぞれのサンプルの位置をアップロードするために(固有のバーコードIDによって識別される)、これらの自動システムとの通信の機能を有する。
【0083】
実施例2:生物学的線量測定分析
本発明による機器及び/または方法を用いて得られ得る生物学的線量測定分析及びアルゴリズムの詳細な説明は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願第14/348,275号(米国公開第2014/0315742号)に説明される。本願に含まれるのは、放射に露出される個々の露出する投薬を推定するための、プラズマまたは血液における6つの放射生物指標(Flt-3 L、CD20、CD 177、TPO、LBP、唾液アミラーゼ)のパネルの使用である。この特定のパネルは、例示の目的で説明される。本発明は、単独でまたは他の検体との組み合わせで、またはこれらの生物指標の2つ、3つ、4つ、または5つの任意の組み合わせで、同じ分析パネルにおける他の検体と、もしくは他の検体なしで、これらの生物指標の任意の1つの分析を実行するための、本明細書に記載の機器及び方法の使用を包含する。システム10における斯かる試験の仕様が以下に概説される。
【表1】
【表2】
【0084】
システム10において実行され得る分析形式
システム10は(上述のように)分析プレートを処理するために使用される処理サイクルの変更によって任意の数の分析形式を実行するように構成され得る。複数の例示的実例が以下で異なる免疫測定形式のため提供されるが、基本的方法は結合試薬に基づく非抗体を用いる結合分析を含む他の分析形式に明確に適用可能である(たとえば、核酸混合分析)。システム10はECL検出及びMeso Scale (MSD) MULTI-ARRAY(登録商標)を用いて分析を実行するために特に設計されるが、他のマルチウェルプレート消耗品及び検出技術を用いる方法が技術に適用可能である。
【0085】
異なる分析形式が分析工程を完了するためにシステム10によって使用される処理サイクルをリスト化した表によって説明される。それぞれのサイクルは、1つまたは複数の以下の分析ステップ、(i)ホテルまたは振動器から目的のプレートを選択するためにロボットアームを使用するステップ及びプレート洗浄のため洗浄器へプレートを移動させるステップ、(ii)ピペット操作のために目的のプレートをピペットデッキに移動させるためにロボットアームを使用するステップ、(iii)及び(iv)プレートのホテルからピペットデッキへの移動を含む2以下の資源/試薬プレートの選択、及び溶解液を目的のプレートに送るためにピペッタを使用するステップ、(v)(特定のサイクルを受けるそれぞれのプレートの後または最後のプレートのみの後)ピペット洗浄ステップ、(vi)目的のプレートをインキュベーションが振動により(すなわち、振動器において)または振動させることなく(プレートホテルにおいて)実行され得るインキュベーション位置に送るステップ、及び、(vii)分析計測を実行するためにおプレートリーダーに送るステップを備えてよい。表は、それぞれのサイクルにおいてどのステップが実行されるかをリスト化し、内容物によって目的及び資源/試薬プレートを識別し、ここにおいて「収集(capture)」、「検出(detection)」及び「サンプル(sample)」は、収集試薬、検出試薬、またはサンプルをそれぞれ含む資源/試薬プレートに関する。
【0086】
2ステップサンドイッチ免疫測定。2ステップサンドイッチ免疫測定において、(1つの収集抗体またはそれぞれのウェルの底部に固定化された収集抗体の配列を備えた)MSD分析プレートのウェルは、最初に分析希釈剤において希釈化されたサンプルで、次いで形成する標識サンドイッチ錯体の計測前に標識検出抗体でインキュベーションされる。手順は、示されるように最初のサイクルのように遮断サイクルを含み、オプションとしてこのサイクルは除外されて良い。この手順の1つのシンプルな変形例は、サイクル3及び4の間の付加的なサイクル(3a)を含む。この手順はサイクル3における検出試薬がリーダーにおいて検出される形式の標識を備えないときに使用される。サイクル3aは資源プレート1が検出試薬をリーダーに適した標識と結合する標識化された第2の試薬を含むことを除いてサイクル3のようなものである。標識化された第2の検出試薬の使用は、当技術分野でよく知られる。特定の実例は、抗体検出試薬を検出するための標識化された抗特異性抗体の使用、または検出試薬を含むビオチンを検出するための標識ストレプトアビジンの使用を含む。
【表3】
【0087】
サンドイッチ分析は抗体固定ステップを含む。この手順は、収集抗体であらかじめコートされた分析プレートを使用する代わりに、分析プレートがコートされず、またはストレプトアビジンのような一般収集試薬でコートされる、のいずれかであることを除いて上述のサンドイッチ分析と類似する。手順は、したがって、間に収集抗体がコートされていないプレートに吸収され、または収集試薬に対する結合によって収集される、付加的なサイクルを含む(たとえば、ウェル内の固定化されたストレプトアビジンに対するビオチン標識化された収集抗体の結合による)。前の表のように、遮断サイクルは除外されて良い。表に記載されるように手順は、ウェル毎の単一の収集試薬を停止させるために使用され得るものであり、または米国で公開された米国特許出願第20140256588号に記載されるように、収集された試薬の配列の溶解液相組立体のために使用され得る。たとえば、分析プレートにおけるウェルは、それぞれ異なる目的の試薬(たとえば、オリゴヌクレオチド)の固定化された配列を有して良く、収集試薬(すなわち、サイクル1における資源プレート1の内容物)は、ウェルにおいてこの混合がインキュベーションされるときに目的の試薬及びそれらのコンプリメントが結合するように、異なる目的の試薬コンプリメントに結合される異なる収集試薬の混合(たとえば、目的の物質に対するオリゴヌクレオチドコンプリメンタリー)であって良く、異なる収集試薬は収集試薬配列を形成するように目的の試薬配列の異なる要素において固定される。
【表4】
【0088】
架橋免疫原性/血清分析。この手順において、特定の抗原または薬に対する抗体は、サンドイッチ錯体を形成するために同時に抗原または薬の2つのコピーを結合するそれらの機能によって識別される。表において説明される実施形態において、ビオチン(またはいくつかの他の結合試薬)に結合された抗原及びシステム10プレートリーダー(ECL標識のような)において検出可能な標識に結合された抗原の混合(マスターミックス「mastermix」)がプレート(マスターミックスプレート)に等分される。サンプル及び酸は、サンプル内に存在し得る任意の抗体錯体を分離するためにプレート(処理プレート)内に移される。酸処理されたサンプル及び中和緩衝剤は、次いでマスターミックスと結合され、ビオチン抗原、対象の抗体、及び標識抗原のサンドイッチ錯体のフォーメーションを可能とするようにインキュベーションされる。結果として得られる溶解液は、次いで抗原に結合された結合試薬のための固定化されたストレプトアビジン(または適した結合パートナー)を備えるウェルを有する分析プレートに移され、それがプレートリーダーにおいて計測され得る、固定化されたストレプトアビジンへと収集サンドイッチ錯体にインキュベーションされる。ある場合において、酸分解することなくこの手順を実行することが好適であり得るものであり、この場合において、サイクル3において資源プレート1における酸は、非酸性希釈緩衝剤と交換されて良く、オプションとして、中和緩衝剤が除外されまたは分析希釈剤と交換されても良い。あるいは、サイクル3は完全に除外されて良く、サンプルはサイクル4において直接マスターミックスプレートに付加されても良い(すなわち、資源プレート2はサンプルプレートである)。サイクル1及び2の後にインキュベーションがプレートホテルにおいて生じるため、これらのインキュベーションはサイクル4及び5のそれぞれにおいて結果のプレートが要求されるまで後のサイクルのインキュベーションと並行して継続し得ることに留意されたい。
【表5】
【0089】
増幅された免疫測定。システム10は、感度を向上させるための増幅ステップを使用する結合分析を実行するために使用して良い。上述の2ステップ免疫測定の実例において、工程は、準備するため、または増幅手続きを実行するサイクル3及び4の間の付加的なサイクル(3a)を含んで良い。検出試薬が酵素標識を含む場合、サイクル3aは(資源プレート1において)分析プレート(目的のプレート)への酵素基質の付加を含み得るものであり、ここにおいて酵素の読み取りによる基質の変更は、リーダーによって検出可能である。あるいは、サイクル3aは除外され得るものであり、分析プレートをリーダーに送る直前に基質はサイクル4において資源プレート1または2から付加され得る。検出試薬が核酸標識を含む場合、サイクル3aは(たとえば、PCRまたは等温の核酸によって)資源プレート1及び/または2からの標識の増幅のため試薬の付加を含み得るものであり、増幅は次のインキュベーション期間において得られる。下の表は米国で公開された特許出願第20140272939号で検体結合試薬として抗体を用いる免疫測定の文脈において説明されたような増幅された結合分析を実行するための自動分析工程を記載するが、しかしながら、工程は明らかに他の形式の結合試薬を用いた分析に適用され得る。MSD分析プレートのそれぞれのウェルは、固定化された収集抗体を有し、すなわち、オプションとして、オリゴヌクレオチドを固定するシーケンスを備える固定試薬によって共に固定化される。手続きは、任意の遮断サイクル(サイクル1)を含み、検体を収集抗体に結合するためにサンプルを付加するためのサイクル(サイクル2)及び収集された検体に結合するために検出試薬を付加するためのサイクル(サイクル3)が続く。本実施形態において、検出試薬は第1の核酸プローブに結合された第1の検出抗体と第2の核酸プローブに結合された第2の検出抗体との混合であり、その両方は、収集抗体、検体及び両検出抗体を備えるウェル表面に錯体を形成するために収集された検体を結合する。結合サイクル(サイクル3)において、リガーゼ及び第1の及び第2のプローブに相補的な領域を備える線形シーケンスである1つまたは複数の接続核酸シーケンスを備える結合合成がそれぞれのウェルに負荷され、これにより収集抗体の錯体、検体及び第1及び第2の検出抗体、の1つの存在にインキュベーションされるとき、接続シーケンス(複数可)は錯体内の第1及び第2のプローブに合成された環状核酸シーケンスを形成するために結合される。任意のオリゴヌクレオチドの固定が含まれる場合、接続シーケンス(複数可)は、固定シーケンスの領域に適合する固定領域を含む(すなわち、それらは共に同じ相補的なシーケンスに合成される)。増幅サイクル(サイクル4)において、DNAポリメラーゼを備えるそれぞれのウェル及び標識化された検出プローブに増幅合成が負荷される(接続シーケンス(複数可)において検出領域に適合する検出シーケンスを備える)。増幅合成が第1及び第2のプローブに固定された環状核酸の存在においてインキュベーションされるとき、第1のプローブは回転サークル増幅によって延ばされ、標識化された検出プローブは延ばされた物を固定する。延ばされた物は存在する場合に試薬を固定するために結合もする。リードサイクルにおいて、リード緩衝剤がウェルに付加され、検体の存在を計測するために標識化されたプローブがリーダーにおいて検出される。
【表6】
【0090】
本発明は本明細書に記載の特定の実施形態による範囲に限定されるものではない。実際、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な変更が前述の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなる。こうした変更は特許請求の範囲の範囲内となることが意図される。様々な公報が本明細書において引用されたが、それらの開示は参照によりそれらの全体が組み込まれる。
以下、ここで説明した技術的特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
カウンターバランス式分析消耗品振動装置であって、
(a)水平軌道台を備える軌道振動器組立体と、
(b)前記台に配置された分析消耗品保管組立体と、を備え、前記保管組立体は、
(i)複数の鉛直に配列された保管ユニットの組であって、それぞれの保管ユニットが消耗品を収容するように寸法化されて消耗品係止機構を備えた、前記保管ユニットの組を備える棚乗せ部分組立体と、
(ii)(a)前記保管組立体及び前記軌道台の質量中心に対応する高さで前記保管組立体内に配置されたカウンターウェイト、または(b)前記保管組立体内に配置された2つまたはそれ以上のカウンターウェイトのいずれかと、を備え、前記2つまたはそれ以上のカウンターウェイトの合成質量中心が、前記保管組立体の前記質量中心と同一、または前記保管組立体の前記質量中心に相当する、前記カウンターバランス式分析消耗品振動装置。
[技術的特徴2]
前記装置が、前記振動器組立体から前記保管組立体へと鉛直方向に延びる回転軸をさらに備え、前記カウンターウェイト(複数可)が、前記回転軸に作用するように接続された、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴3]
前記保管組立体が前記台に取り付けられた、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴4]
前記棚乗せ部分組立体が、ハウジング上部と、ハウジング後部と、左及び右ハウジング壁と、を含むハウジングを備え、前記複数の鉛直に配列された保管ユニットの組が、前記ハウジング内に配置され、それぞれの保管ユニットが消耗品導入開口部と前記導入開口部を封止するように構成された扉とを含む、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴5]
前記棚乗せ部分組立体が鉛直に配列された保管ユニットの組のM×Nの直線的な配列を備え、M及びNが整数である、技術的特徴4に記載の装置。
[技術的特徴6]
前記配列が2×1、2×2、3×3、または4×4から選択される、技術的特徴5に記載の装置。
[技術的特徴7]
前記棚乗せ部分組立体が、保管ユニットの2×1配列を備える、技術的特徴6に記載の装置。
[技術的特徴8]
前記棚乗せ部分組立体が、360°/Pの増分で前記配列に配置されたPの鉛直に配列された保管ユニットの組の環状配列を備え、Pが整数である、技術的特徴4に記載の装置。
[技術的特徴9]
前記鉛直に配列された保管ユニットの組が前記環状配列における中心軸周りに配置された、技術的特徴8に記載の装置。
[技術的特徴10]
前記消耗品がマイクロタイタープレートである、技術的特徴4に記載の装置。
[技術的特徴11]
前記マイクロタイタープレートが6、24、96、384または1536ウェルプレートから選択される、技術的特徴10に記載の装置。
[技術的特徴12]
前記マイクロタイタープレートが96ウェルマイクロタイタープレートである、技術的特徴11に記載の装置。
[技術的特徴13]
前記扉がばねで負荷された、技術的特徴4に記載の装置。
[技術的特徴14]
前記扉が扉係止機構に作用するように取り付けられた、技術的特徴13に記載の装置。
[技術的特徴15]
前記棚乗せ部分組立体が360°/Pの増分で前記配列に配置されたPの鉛直に配列された保管ユニットの組の多角形の配列を備え、Pが整数である、技術的特徴4に記載の装置。
[技術的特徴16]
前記配列が正多角形を備える、技術的特徴15に記載の装置。
[技術的特徴17]
前記正多角形が、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、または十二角形を含む、技術的特徴16に記載の装置。
[技術的特徴18]
前記棚乗せ部分組立体が少なくとも2つの鉛直に配列された保管ユニットを備える、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴19]
前記棚乗せ部分組立体が20以下の鉛直に配列された保管ユニットを備える、技術的特徴18に記載の装置。
[技術的特徴20]
前記保管組立体が2つまたはそれ以上の鉛直に配列された保管ユニットの組を備える、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴21]
前記2つまたはそれ以上の鉛直に配列された保管ユニットの組が棚乗せ部分組立体のA×Bの直線的な配列において中心軸周りに前記保管組立体内に配置され、A及びBが整数である、技術的特徴20に記載の装置。
[技術的特徴22]
前記配列が2×1、2×2、3×3、または4×4から選択される、技術的特徴21に記載の装置。
[技術的特徴23]
前記配列が鉛直に配列された保管ユニットの組の2×1の配列を備える、技術的特徴22に記載の装置。
[技術的特徴24]
前記2つまたはそれ以上の鉛直に配列された保管ユニットの組が360°/R保管ユニットの環状配列において中心軸周りに前記保管組立体内に配置され、Rが整数である、技術的特徴20に記載の装置。
[技術的特徴25]
対応する回転軸を前記水平軌道台に対して軌道上で接続する複数の偏心器をさらに備える、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴26]
別の対応する回転軸を前記分析消耗品保管組立体に対して軌道上で接続する少なくとも1つの偏心器をさらに備える、技術的特徴25に記載の装置。
[技術的特徴27]
それぞれの偏心器が同じ中心線を共有しない内径及び外径を有する円筒状本体を備える、技術的特徴25または26に記載の装置。
[技術的特徴28]
前記分析消耗品保管組立体がさらに送風機組立体に流体連結された内部空気流れ経路を備える、技術的特徴1に記載の装置。
[技術的特徴29]
分析プレートのバッチを分析するための分析システムを操作する方法であって、
(i)前記バッチにおけるそれぞれのプレートが、時間長さNの一連の異なる処理サイクルを受け、
(ii)前記バッチにおける所定のプレートにおいて、前記一連の前記異なる処理サイクルが少なくとも時間Yのインキュベーション期間分離され、
(iii)前記一連の前記異なる処理サイクルのそれぞれが、前記バッチにおける前記プレートにおいて順次的に実行され、
(iv)前記バッチにおける前記プレートの数が、Y/N以下である、前記方法。
[技術的特徴30]
分析プレートのシーケンスを分析するための分析システムを操作する方法であって、
(i)前記バッチにおけるそれぞれのプレートが時間長さNの一連の異なる処理サイクルを受け、
(ii)少なくとも1つの前記一連の前記サイクルが、長さAのプレインキュベーションサブサイクル及び長さBのポストインキュベーションサブサイクルへと分割された交互のサイクルであり、A+B=Nであり、所定のプレートにおいて、前記長さAのサブサイクルの完了と前記長さBのサブサイクルの開始とが、多様な時間Nであるインキュベーション時間分離され、
(iii)
(a)前記プレインキュベーションサブサイクルを受けていない前記シーケンスにおいて前記第1のプレートを識別し、それにおいて、またはプレインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Aアイドリングする場合に、前記プレインキュベーションサブサイクルを実行し、
(b)前記インキュベーションを完了しつつも前記ポストインキュベーションサブサイクルを受けていない前記シーケンスにおいて前記第1のプレートを識別し、それにおいて、またはポストインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Bアイドリングする場合に、前記ポストインキュベーションサブサイクルを実行することによって、前記プレートのシーケンスにおいて前記交互のサイクルを実行し、
(iv)前記シーケンスにおける全ての前記プレートが前記プレインキュベーション及びポストインキュベーションサブサイクルを受けるまでステップ(iii)を繰り返す、前記方法。
[技術的特徴31]
前記システムが、プレート動作ロボット、処理デッキ、プレートホテル、ピペットディスペンサ、プレート洗浄器、振動インキュベータ、及びプレートリーダーを備える、技術的特徴29または30に記載の方法。
[技術的特徴32]
前記処理サイクルが、以下の、
a.前記バッチの単一の分析プレートを前記ホテルまたはインキュベータから前記デッキへと移動させるために前記ロボットを使用するステップ、
b.サンプルまたは試薬プレートを前記ホテルまたはインキュベータから前記デッキへと移動させるために前記ロボットを使用するステップ、
c.サンプルまたは試薬を前記デッキにおける前記サンプルまたは試薬プレートから前記デッキにおける前記分析プレートへと送るために前記ピペッタを使用するステップ、
d.前記デッキにおける前記分析プレートの前記ウェルを洗浄するために前記プレート洗浄器を使用するステップ、
e.前記デッキにおける前記分析プレートを前記ホテルまたはインキュベータへと送るために前記ロボットを使用するステップ、
f.前記分析プレートを前記プレートリーダーへと送るために前記ロボットを使用するステップ、の1つまたは複数を備える、技術的特徴31に記載の方法。
[技術的特徴33]
前記分析プレートがECL計測を実行するための電極を備え、前記プレートリーダーがECLリーダーである、技術的特徴31から32のいずれか1項に記載の方法。
[技術的特徴34]
前記異なる処理サイクルが、
(i)サンプル付加サイクルと、
(ii)検出試薬付加サイクルと、
(iii)プレート読み取りサイクルと、を備える、技術的特徴29から33のいずれか1項に記載の方法。
[技術的特徴35]
前記異なる処理サイクルが遮断サイクルをさらに備える、技術的特徴34に記載の方法。
[技術的特徴36]
前記少なくとも1つの前記処理サイクルが、サンプルまたは試薬プレートの分析をインキュベーションするステップをさらに備え、前記インキュベーション時間が時間Nより短い、技術的特徴32に記載の方法。
[技術的特徴37]
前記一連の少なくとも1つの前記サイクルが、長さAのプレインキュベーションサブサイクル及び長さBのポストインキュベーションサブサイクルへと分割された交互のサイクルであり、A+B=Nであり、所定のプレートにおいて、長さAの前記サブサイクルの前記完了と長さBの前記サブサイクルの前記開始とが多様な時間Nであるインキュベーション時間によって分離され、
プレートの前記バッチにおいて前記交互のサイクルが、
(i)前記プレインキュベーションサブサイクルを受けていない前記バッチにおいて前記第1のプレートを識別し、それにおいて、またはプレインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Aアイドリングする場合に、前記プレインキュベーションサブサイクルを実行し、
(ii)前記インキュベーションを完了しつつも前記ポストインキュベーションサブサイクルを受けていない前記バッチにおいて前記第1のプレートを識別し、それにおいて、またはポストインキュベーション処理のためいかなるプレートも使用可能でなく、次いで時間Bアイドリングする場合に、前記ポストインキュベーションサブサイクルを実行し、
(iii)前記バッチにおける全ての前記プレートが前記プレインキュベーション及びポストインキュベーションサブサイクルを受けるまでステップ(ii)を繰り返す、
ことによって実行される、技術的特徴29または30に記載の方法。
[技術的特徴38]
ECL免疫測定システムを操作する方法であって、複数の分析プレートを備え、それぞれのプレートは、次のプレートが処理される前に完全に処理され、それぞれのプレートの処理期間によって分割される前記プレートのインキュベーション期間が、処理される前記プレートの数に等しい、前記方法。
[技術的特徴39]
ECL免疫測定システムを操作する方法であって、前記システムが、ピペットディスペンサと、マルチウェルプレート内に含まれる電極に取り付けられたECL複合体を保管するように適合された複数の前記マルチウェルプレートと、インキュベータと、ECLリーダーと、を備え、前記方法が、以下の、
a.単一のマルチウェルプレートを棚から取り除くステップと、
b.オプションとして、前記単一のマルチウェルプレートを洗浄するステップと、
c.試験されるサンプルを前記単一のマルチウェルプレートにおける前記ウェルへと被着するステップと、
d.前記サンプルにおける検体との複合体を形成するために少なくとも1つの試薬を被着するステップと、
e.オプションとして、残りの検体を取り除くために前記単一のマルチウェルプレートを洗浄するステップと、
f.前記洗浄された単一のマルチウェルプレートを前記インキュベータ内に配置するステップと、
g.前記インキュベータが満たされるまで別の単一のマルチウェルプレートでステップa~fを繰り返すステップであって、インキュベーションの期間は、前記インキュベータをマルチウェルプレートで満たすための時間の和である、前記繰り返すステップと、
h.完全にインキュベーションされたマルチウェルプレートを前記ECLリーダー内に配置するステップとを備える、前記方法。
[技術的特徴40]
ステップgが全てのインキュベーションされたプレートが前記ECLリーダーに配置されるまで繰り返される、技術的特徴39に記載の方法。
[技術的特徴41]
前記インキュベータ内に保存されたマルチウェルプレートの数が、ステップa~fを完了するために時間によって分割される前記インキュベーション期間に等しい、技術的特徴39に記載の方法。
[技術的特徴42]
ピペットディスペンサを包囲するハウジングと、前記プレートに含まれる電極に取り付けられたECL複合体を保持するように適合された複数のマルチウェルプレートと、インキュベータと、ECLリーダーと、冷却器と、を備え、前記冷却器が、前記ハウジングの後部表面近傍に配置され、前記ハウジングが空気流れを前記冷却器から前記ハウジングの前部表面へと方向付けるフロープレナムをさらに備える、ECL免疫測定システム。
[技術的特徴43]
前記フロープレナムが前記ハウジングの上部表面近傍に配置された、技術的特徴42に記載のシステム。
[技術的特徴44]
前記フロープレナムが前記ハウジングの底部表面近傍に配置された、技術的特徴42に記載のシステム。
[技術的特徴45]
前記フロープレナムが前記上部表面と前記上部表面の下に配置された第2の上部表面との間の空間である、技術的特徴43に記載のシステム。
[技術的特徴46]
前記第2の上部表面が冷却器近傍の少なくとも1つの浸入開口部と、少なくとも1つの排出開口部前部表面とを備える、技術的特徴45に記載のシステム。
[技術的特徴47]
前記冷却器が少なくとも1つの熱電冷却器を含む、技術的特徴42に記載のシステム。
[技術的特徴48]
少なくとも1つのピペット先端を清浄するための装置であって、少なくとも1つのピペット先端を受容するように適合された開口部を画定する少なくとも1つのチムニーを備え、前記少なくとも1つのピペット先端と前記少なくとも1つのチムニーとの間の隙間が実質的に一定であり、前記少なくとも1つのチムニーが清浄流体と流体連結され、前記清浄流体が前記少なくとも1つのピペットの外側を清浄するように前記隙間を通して送り出される、前記装置。
[技術的特徴49]
前記装置のハウジングの側壁に取り付けられるレベルセンサをさらに備える、技術的特徴48に記載の装置。
[技術的特徴50]
前記少なくとも1つのチムニーと、前記清浄流体と流体連通するマニホールドと、の間に配置される流れ制限器をさらに備える、技術的特徴48に記載の装置。
[技術的特徴51]
ピペット先端を洗浄するための方法であって、
(a)漸進的に増加する次第によりきれいな水の洗浄液の吸引体積を含む前記ピペット先端の内側を洗浄する複数のステップと、
(b)同じ前記洗浄液を用いて前記ピペット先端の外側を洗浄する複数のステップと、を備え、前記ピペット先端が、洗浄液の流れを制御するために、一定の厚さの隙間近傍に配置される、前記方法。
[技術的特徴52]
ステップ(a)及び(b)の前に、水及び漂白剤の溶解液中でピペット先端を洗浄するステップをさらに備える、技術的特徴51に記載の方法。
[技術的特徴53]
サンプルまたは試薬の持ち越しを最小化するステップをさらに備える、技術的特徴51に記載の方法。
[技術的特徴54]
持ち越しの最小化の前記ステップが(i)前記ピペット先端において物理的に材料を取り除く少なくとも1つの洗浄するステップ及び(ii)不活性化のステップのステップを備える、技術的特徴53に記載の方法。
[技術的特徴55]
前記不活性化のステップが、分析結果に影響を与えるように前記材料の機能を低減する、技術的特徴54に記載の方法。
[技術的特徴56]
前記不活性化のステップが、前記ピペット先端を、熱、電磁放射及び/または前記材料と反応する化学反応体で処理するステップを備える、技術的特徴55に記載の方法。
[技術的特徴57]
前記化学反応体が、漂白剤、過酸化水素、酸または塩基、架橋剤またはアルキル化剤の少なくとも1つを備える、技術的特徴55に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10(a)】
図10(b)-(c)】
図10(d)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図11(d)】
図11(e)】
図11(f)】
図11(g)】
図11(h)】
図11(i)】
図12(a)】
図12(b)】
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
図14(a)】
図14(b)】