(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】不均一触媒を使用した酸化的エステル化によるメタクリル酸メチルの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 67/39 20060101AFI20221108BHJP
B01J 23/52 20060101ALI20221108BHJP
C07C 69/54 20060101ALI20221108BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20221108BHJP
【FI】
C07C67/39
B01J23/52 Z
C07C69/54 Z
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020503781
(86)(22)【出願日】2018-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018039242
(87)【国際公開番号】W WO2019022892
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-15
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラプチェトフ、ドミトリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】エルダー、ジェイムス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォーリー、ウィリアム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リンバッハ、カーク ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒックマン、ダニエル エー.
(72)【発明者】
【氏名】キリリン、アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウェンシェン
(72)【発明者】
【氏名】サスマン、ヴィクター ジェイ.
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-515645(JP,A)
【文献】国際公開第2009/054462(WO,A1)
【文献】特開2008-161869(JP,A)
【文献】特開昭58-198442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクロレインおよびメタノールからメタクリル酸メチルを調製するための方法であって、反応器内で、メタクロレイン、メタノール、および酸素を含む混合物を、担体および
金を含む不均一触媒と接触させることを含み、前記反応器出口でのpHが、3~6.7であ
り、
前記不均一触媒の粒子の平均直径が、少なくとも300ミクロンであり並びに前記金の少なくとも90重量%が、触媒体積の外側70%にある、方法。
【請求項2】
前記
金の少なくとも90重量%が、触媒体積の外側
60%にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不均一触媒の粒子の平均直径が、
400ミクロン~10mmである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記
金および前記担体の百分率としての
金の量が、0.2~5重量%である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記反応器内の温度が、40~120℃である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記
金の少なくとも95重量%が、触媒体積の外側50%にある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応器のpHが、4.5~6.5である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記担体がチタニアである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記
金の少なくとも90重量%が、触媒体積の外側
60%にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記不均一触媒の粒子の平均直径が、
400ミクロン~10mmである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不均一触媒を使用してメタクロレインおよびメタノールからメタクリル酸メチルを調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル酸メチルは、反応混合物のpHの低下が有害であることが知られている酸化的エステル化反応によって製造されている。従来技術は、そうでなければ酸性条件下で短縮されるであろう触媒寿命を延ばすためにpHを上昇させるために、反応器に塩基を添加することを教示している。この問題の解決策は、別個の容器で反応混合物の一部分に塩基を混合することであったが、例えば、米国特許出願公開第2016/0251301号を参照されたい。しかしながら、高い空時収率、改善された選択性、および低減されたコストを提供することができる、より効率的なプロセスに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、メタクロレインおよびメタノールからメタクリル酸メチルを調製するための方法であって、反応器内で、メタクロレイン、メタノール、および酸素を含む混合物を、担体および貴金属を含む不均一触媒と接触させることを含み、反応器出口でのpHが、3~6.7である、方法を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0004】
別途記載のない限り、すべての百分率組成物は重量百分率(重量%)であり、すべての温度は℃である。別途記載のない限り、平均は、算術平均である。貴金属は、金、プラチナ、イリジウム、オスミウム、銀、パラジウム、ロジウム、ルテニウムのいずれかである。2つ以上の貴金属が触媒に存在し得、その場合、制限がすべての貴金属の合計に適用される。「触媒中心」は、触媒粒子の重心、つまり、すべての座標方向のすべての点の平均位置である。直径は、触媒の中心を通過する任意の直線寸法であり、平均直径は、すべての可能な直径の算術平均である。アスペクト比は、最長の直径と最短の直径との比率である。
【0005】
好ましくは、反応器出口におけるpHは、少なくとも3.5、好ましくは少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5、好ましくは少なくとも4.8、好ましくは少なくとも5、好ましくは6.6以下、好ましくは6.5以下、好ましくは6.4以下、好ましくは6.3以下、好ましくは6.2以下である。好ましくは、塩基は、反応器、または反応器に入る液体流に添加されない。好ましくは、反応器は、塩基が導入される外部混合槽に接続されていない。反応器内のpHは、より高くなる可能性が高く、おそらく入口近くで7を超え、出口において6を下回る可能性がある。好ましくは、入口におけるpHは、8以下、好ましくは7.5以下、好ましくは7以下である。
【0006】
好ましくは、担体は、耐火性酸化物の粒子であり、好ましくは、γ-、δ-、もしくはθ-アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ハフニア、バナジア、酸化ニオブ、酸化タンタル、セリア、イットリア、酸化ランタン、またはこれらの組み合わせ、好ましくは、チタニア、またはγ-、δ-、もしくはθ-アルミナである。好ましくは、貴金属を含む触媒の部分に、担体は、10m2/g超、好ましくは30m2/g超、好ましくは50m2/g超、好ましくは100m2/g超、好ましくは120m2/g超の表面積を有する。貴金属をほとんどまたはまったく含まない触媒の部分において、担体は、50m2/g未満、好ましくは20m2/g未満の表面積を有し得る。
【0007】
好ましくは、触媒粒子のアスペクト比は、10:1以下、好ましくは5:1以下、好ましくは3:1以下、好ましくは2:1以下、好ましくは1.5:1以下、好ましくは1.1:1以下である。触媒粒子の好ましい形状としては、球、円柱、直方体、輪、多葉形状(例えば、クローバー断面)、複数の穴および「ワゴンホイール」を有する形状、好ましくは球が挙げられる。不規則な形状も使用され得る。
【0008】
好ましくは、貴金属(複数可)の少なくとも90重量%は、触媒体積(すなわち、平均触媒粒子の体積)の外側70%、好ましくは触媒体積の外側60%、好ましくは外側50%、好ましくは外側40%、好ましくは外側35%、好ましくは外側30%、好ましくは外側25%である。好ましくは、任意の粒子形状の外部体積は、外部表面に垂直な線に沿って測定された、その内部表面から外部表面(粒子の表面)まで一定の距離を有する体積に対して計算される。例えば、球形粒子の場合、体積の外側x%は球形シェルであり、その外部表面は粒子の表面であり、その体積は球全体の体積のx%である。好ましくは、貴金属の少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも99重量%は、触媒の外部体積にある。好ましくは、貴金属(複数可)の少なくとも90重量%(好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも99重量%)は、触媒直径の30%以下、好ましくは25%以下、好ましくは20%以下、好ましくは15%以下、好ましくは10%以下、好ましくは8%以下の表面からの距離内にある。表面からの距離は、表面に垂直な線に沿って測定される。
【0009】
好ましくは、貴金属は、金またはパラジウム、好ましくは金である。
【0010】
好ましくは、触媒粒子の平均直径は、少なくとも60ミクロン、好ましくは少なくとも100ミクロン、好ましくは少なくとも200ミクロン、好ましくは少なくとも300ミクロン、好ましくは少なくとも400ミクロン、好ましくは少なくとも500ミクロン、好ましくは少なくとも600ミクロン、好ましくは少なくとも700ミクロン、好ましくは少なくとも800ミクロン、好ましくは30mm以下、好ましくは20mm以下、好ましくは10mm以下、好ましくは5mm以下、好ましくは4mm以下である。担体の平均直径および最終触媒粒子の平均直径は、有意に異なっていない。
【0011】
好ましくは、貴金属および担体の百分率としての貴金属の量は、0.2~5重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも0.8重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.2重量%、好ましくは4重量%以下、好ましくは3重量%以下、好ましくは2.5重量%以下である。
【0012】
好ましくは、触媒は、担体の存在下で金属塩の水溶液から貴金属を沈殿させることにより製造される。好ましい一実施形態では、触媒は、好適な貴金属前駆体塩の水溶液を多孔性無機酸化物に添加して細孔を溶液で充填し、次いで水を乾燥により除去する初期湿潤技法によって製造される。次いで、得られた材料は、貴金属塩を金属または金属酸化物に分解するための当業者に知られている、焼成、還元、または他の前処理によって完成触媒に転化される。好ましくは、少なくとも1個のヒドロキシルまたはカルボン酸置換基を含むC2~C18チオールが、溶液中に存在する。好ましくは、少なくとも1個のヒドロキシルまたはカルボン酸置換基を含むC2~C18チオールは、2~12個、好ましくは2~8個、好ましくは3~6個の炭素原子を有する。好ましくは、チオール化合物は、合計で4個以下、好ましくは3個以下、好ましくは2個以下のヒドロキシル基およびカルボン酸基を含む。好ましくは、チオール化合物は、2個以下、好ましくは1個以下のチオール基を有する。チオール化合物がカルボン酸置換基を含む場合、それらは酸形態、共役塩基形態、またはこれらの混合物で存在し得る。特に好ましいチオール化合物としては、チオリンゴ酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、2-メルカプトエタノール、および1-チオグリセロール(それらの共役塩基も含まれる)が挙げられる。
【0013】
本発明の一実施形態では、触媒は、好適な貴金属前駆体塩を含有する水溶液に多孔性無機酸化物を浸漬し、次いで、溶液のpHを調整することにより、塩を無機酸化物の表面と相互作用させる析出沈殿により生成される。次いで、得られた処理済み固体を(例えば濾過により)回収し、次いで、貴金属塩を金属または金属酸化物に分解するための当業者に知られている、焼成、還元、または他の前処理によって完成触媒に転化される。
【0014】
好ましくは、メタクリル酸メチル(MMA)を製造するためのプロセスは、酸化的エステル化反応器(OER)内で実施される。触媒粒子は、スラリーまたは触媒床、好ましくは触媒床内に存在し得る。触媒床内の触媒粒子は、典型的には、固体壁およびスクリーンまたは触媒担体グリッドによって適所に保持される。いくつかの構成では、スクリーンまたはグリッドは、触媒床の両端にあり、固体壁は、側面(複数可)にあるが、いくつかの構成では、触媒床は、完全にスクリーンで囲まれ得る。触媒床の好ましい形状は、円柱、直方体、および円柱シェル、好ましくは円柱を含む。OERは、メタクロレイン、メタノール、およびMMAを含む液相と、酸素を含む気相と、をさらに含む。液相は、副生成物、例えば、メタクロレインジメチルアセタール(MDA)およびイソ酪酸メチル(MIB)をさらに含み得る。好ましくは、液相は、40~120℃、好ましくは少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃、好ましくは110℃以下、好ましくは100℃以下の温度である。好ましくは、触媒床は、0~2000psig(101kPa~14MPa)、好ましくは2000kPa以下、好ましくは1500kPa以下の圧力である。
【0015】
OERは、典型的には、メタクリル酸および未反応のメタノールとともにMMAを製造する。好ましくは、メタノールおよびメタクロレインは、1:10~100:1、好ましくは1:2~20:1、好ましくは1:1~10:1のメタノール:メタクロレインモル比で反応器に供給される。好ましくは、触媒床は、触媒の上方および/または下方に不活性材料をさらに含む。好ましい不活性材料としては、例えば、アルミナ、粘土、ガラス、炭化ケイ素、および石英が挙げられる。好ましくは、不活性材料は、触媒の直径以上の、好ましくは20mm以下の平均直径を有する。好ましくは、反応生成物は、メタノールおよびメタクロレインに富む塔頂流を提供するメタノール回収蒸留塔に供給され、好ましくは、この流れは、OERに戻されてリサイクルされる。メタノール回収蒸留塔からの底流は、MMA、MDA、メタクリル酸、塩、および水を含む。本発明の一実施形態では、MDAは、MMA、MDA、メタクリル酸、塩、および水を含む媒体中で加水分解される。MDAは、メタノール回収蒸留塔からの底流中で加水分解され得、上記流れは、MMA、MDA、メタクリル酸、塩、および水を含む。別の実施形態では、MDAは、メタノール回収塔底流から分離された有機相中で加水分解される。MDAの加水分解に十分な水が存在することを確実にするために、有機相に水を添加する必要があり得、これらの量は、有機相の組成から容易に測定され得る。MDA加水分解反応器の生成物は、相分離され、有機相は、1つ以上の蒸留塔を通過して、MMA生成物ならびに軽質および/または重質の副生成物を製造する。別の実施形態では、加水分解は、蒸留塔自体の中で実施することができる。
【0016】
好ましい一実施形態は、リサイクルループ内に冷却能力を備えたリサイクル反応器である。好ましい別の実施形態は、反応器間の冷却および混合能力を備えた一連の反応器である。
【0017】
好ましくは、反応器出口における酸素濃度は、少なくとも0.5モル%、好ましくは少なくとも2モル%、好ましくは少なくとも3モル%、好ましくは7モル%以下、好ましくは6.5モル%以下、好ましくは6モル%以下である。
【0018】
酸化的エステル化のための固定床反応器の好ましい一実施形態は、トリクル床反応器であり、これは触媒の固定床を含有し、気体および液体供給物の両方を下向き方向に反応器に通す。トリクルフロー中では、気相は連続流体相である。したがって、固定床の上方の反応器の上部にあるゾーンは、それらのそれぞれの蒸気圧で窒素、酸素、および揮発性液体成分の蒸気相混合物で充填されることになる。典型的な動作温度および圧力(50~90℃および60~300psig)では、ガス供給が空気である場合、この蒸気混合物は、可燃性エンベロープ内部にある。したがって、点火源のみが爆燃を開始するのに必要とされ、それにより、一次格納容器の損失、ならびに近傍の物理的なインフラストラクチャおよび人員に損害を与える可能性がある。プロセスの安全性の考慮に対処するために、可燃性ヘッドスペース雰囲気を避けながらトリクル床反応器を動作する手段は、蒸気ヘッドスペース内の酸素濃度が、限界酸素濃度(LOC)未満であることを確実にするのに十分に低い酸素モル分率を含有するガス供給物での動作である。
【0019】
LOCの知識は、問題の燃料混合物、温度、および圧力に必要とされる。LOCが温度および圧力の増加とともに減少するので、メタノールが他の2つの重要な燃料(メタクロレインおよびメタクリル酸メチル)よりも低いLOCを与えることを考えると、保守的な設計は、最高の期待動作温度および圧力でLOC未満の組成を確実にする供給酸素と窒素との比率を選択する。例えば、最大100℃および275psigで動作する反応器の場合、窒素中の供給酸素濃度は7.4モル%を超えてはならない。
【実施例】
【0020】
実施例1
主にメタクロレイン、メタノール、および場合によっては塩基からなる供給物を、MMAを製造するために固定床反応器に供給した。固定床反応器は、断熱充填気泡塔として動作した。垂直に整列された反応器の底部に空気および液体供給物を供給した(外径2インチ(51mm)(内径1.624インチ(41.2mm))×108インチ(274cm)の絶縁された316SS管)。液体供給物は、約35重量%のメタクロレインであり、供給物混合槽から容積式ポンプの吸引部にポンプで送られた。容積式ポンプは、供給物混合槽からの補給で気液分離槽からの反応器生成物をリサイクルする。反応器の底部に位置するフリットを使用して、ガスを反応器内に導入した。反応器に入る供給物のpHを測定した。液体供給物は、熱交換器を使用して所望の温度に予熱される。反応器生成物は、気液分離容器に送られ、気液分離容器は、被覆され、冷却水で冷却される。任意選択的に、塩基(水中25重量%のNaOH)を気液分離槽内にポンプで送る。塩基の添加は、反応器内で形成されたメタクリル酸を中和するように設計された。標的の酸中和は、50モル%で、それは7付近の測定されたpHに対応していた。酸塩基中和のための適切な混合を維持するために、気液分離槽を攪拌し、インペラを液体中で上から下にほぼ等しく分離した。気液分離槽からの蒸気は凝縮器を通過し、そこで非凝縮性ガスが通気口から出る。凝縮器の下流のオンライン酸素分析器を使用して、通気された非凝縮性流中の酸素濃度を監視する。重合抑制剤が凝縮器の上部にポンプで送られ、そこで気液分離槽内に戻って滴下する。抑制剤も供給物とともに入る。
【0021】
触媒1の説明:触媒は、1mmの高表面積Al2O3球上の1.44+/-0.05重量%のAu(NAA-ICPによって測定された)である。触媒は、金前駆体としてAuチオマレートを使用した初期湿潤技法によって製造され、それは、1mmのAl2O3球の周りにAuのエッグシェル装荷を提供することが示されている。
【0022】
触媒2の説明:触媒は、3.2mmの高表面積Al
2O
3球上の約1.5重量%のAuである。触媒は、金前駆体としてAuチオマレートを使用した初期湿潤技法によって製造され、それは、Auのエッグシェル装荷を提供することが示されている。
【表1】
【0023】
実施例2
20重量%のメタクロレイン、200ppmの抑制剤、および残りのメタノールを、炭化ケイ素の短い前部区分およびそれに続く10gの触媒を含有する3/8インチのステンレス鋼管状反応器に供給する一連の作業を実施した。触媒は、Norproの直径1mmの高表面積アルミナ球状担体上の1.5重量%のAuからなっていた。窒素中に8モル%の酸素を含有する空気またはガスも反応器に供給された。反応器は、60℃および160psig(1200kPa)で動作した。反応器の生成物は、気液分離器に送られ、蒸気は、液戻りを有する凝縮器に送られた。この分離器からの生成物流の一部分は、いくつかの場合では反応器の入口にリサイクルされ、反応器に入る供給物と混ぜ合わされた。結果を次の表に記載する。MIBは、100%MMA生成物に基づいて、ppmで報告される。生成物MMAは、メタクロレイン反応物として生じる生成物の中のMMAの%である。
【表2】