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特許7171734光学ガラス、ガラスプリフォーム、光学素子及びこれを有する光学機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】光学ガラス、ガラスプリフォーム、光学素子及びこれを有する光学機器
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/068 20060101AFI20221108BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
C03C3/068
G02B1/00
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020536866
(86)(22)【出願日】2018-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 CN2018101134
(87)【国際公開番号】W WO2020034210
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-08-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511111585
【氏名又は名称】シーディージーエム グラス カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.359, Sec.3, Chenglong Avenue, LongQuan YI District Chengdu, Sichuan 610100 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】スン ウェイ
【審査官】山本 佳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105293897(CN,A)
【文献】特開2014-084235(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105198206(CN,A)
【文献】特表2013-536791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00 - 14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5~25重量%のBと、
33~45重量%のLaと、
0~10重量%のYと、
15~35重量%のGdと、
4.0~15重量%のSiOと、
1~15重量%のZrOと、
0.1~5重量%のTiOと、
0~7重量%のWOと、
0~8.0重量%のTaと、
0~10重量%のZnOと、
0~2.0重量%のNbとを含有しており、
(B+SiO+ZrO+Nb+TiO+WOの総重量)/(La+ZrOの総重量)が0.68~0.70である光学ガラス。
【請求項2】
8~20重量%のB、及び/又は、
33~39重量%のLa、及び/又は、
0~8重量%のY、及び/又は、
17~35重量%のGd、及び/又は、
4.0~13重量%のSiO、及び/又は、
1~10重量%のZrO、及び/又は、
0.1~5重量%のTiO、及び/又は、
0.1~5重量%のWO、及び/又は、
0.5~8.0重量%のTa、及び/又は、
0~5重量%のZnO、及び/又は、
0~2.0重量%のNbを含有している請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
10~16重量%のB、及び/又は、
1~5重量%のY、及び/又は、
4~10重量%のSiO、及び/又は、
3~8重量%のZrO、及び/又は、
0.5~3重量%のTiO、及び/又は、
0.5~4重量%のWO、及び/又は、
3~8.0重量%のTa、及び/又は、
1~3重量%のZnO、及び/又は、
0~2.0重量%のNbを含有している請求項1又は2に記載の光学ガラス。
【請求項4】
(ZrO+TiO+Laの総重量)/(Nb+SiO+WO+Gdの総重量)が1.0~1.6である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項5】
(ZrO+TiO+Laの総重量)/(Nb+SiO+WO+Gdの総重量)が1.1~1.45である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項6】
(ZrO+TiO+Laの総重量)/(Nb+SiO+WO+Gdの総重量)が1.35~1.42である請求項1~3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項7】
0~1重量%のSb、及び/又は、
0~1重量%のSnO、及び/又は、
0~1重量%のCeO、及び/又は、
0~10重量%のYb、及び/又は、
0~10重量%のLu、及び/又は、
0~10重量%のAl、及び/又は、
0~10重量%のBi、及び/又は、
0~10重量%のGeO、及び/又は、
合計で0~10重量%のLiO,NaO及びKO、及び/又は、
合計で0~10重量%のCaO、SrO、BaO及びMgOをさらに含有している請求項1~6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項8】
屈折率が1.86よりも大きく、アッベ数が38.8よりも大きい請求項1~7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項9】
屈折率が1.87~1.89であり、アッベ数が38.8よりも大きい請求項1~7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項10】
屈折率が1.86よりも大きく、アッベ数が39.0~41.0である請求項1~7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項11】
λ70が420nm以下であり、λが360nm以下である請求項1~10のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項12】
λ70が390nm以下であり、λが360nm以下である請求項1~10のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項13】
λ70が420nm以下であり、λが350nm以下である請求項1~10のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項14】
失透温度の上限が1350℃以下である請求項1~13のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項15】
失透温度の上限が1300℃以下である請求項1~13のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項16】
耐水性が等級3以上であり、耐酸性が等級3以上であり、耐候性が等級3以上である請求項1~15のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項17】
耐水性が等級2以上であり、耐酸性が等級3以上であり、耐候性が等級3以上である請求項1~15のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項18】
耐水性が等級3以上であり、耐酸性が等級2以上であり、耐候性が等級3以上である請求項1~15のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項19】
耐水性が等級3以上であり、耐酸性が等級3以上であり、耐候性が等級2以上である請求項1~15のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項20】
脈理が等級Cより上である請求項1~19のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項21】
脈理が等級Bより上である請求項1~19のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項22】
脈理が等級Aである請求項1~19のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項23】
泡の程度が等級A以上である請求項1~22のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項24】
泡の程度が等級A以上である請求項1~22のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項25】
泡の程度が等級A00である請求項1~22のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項26】
密度が5.6g/cm以下である請求項1~25のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項27】
密度が5.5g/cm以下である請求項1~25のいずれか1項に記載の光学ガラス。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか1項による光学ガラスからなるガラスプリフォーム。
【請求項29】
請求項1~27のいずれか1項の光学ガラス又は請求項28のガラスプリフォームからなる光学素子。
【請求項30】
請求項29の光学素子を備えた光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学ガラスの分野に属し、特に本開示は光学ガラス、ガラスプリフォーム(glass preform)、光学素子及びこれを有する光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光学システムを簡略化し、球面収差、色収差及び画質歪みを除去し、レンズ視野を拡張することが可能な高屈折力且つ低分散の光学ガラスによって、光学機器の画質を著しく改善し、レンズの小型化と軽量化を実現することができる。これによって、高画質の新たなオプトエレクトロニクス製品の必要条件をよりよく満たすことができる。特に、屈折率(nd)が1.86よりも大きく且つアッベ数(vd)(Abbe number)が38.8よりも大きい高屈折力且つ低分散の光学ガラスには、市場で大きな需要がある。
【0003】
一般的に、ガラスの屈折率を向上させるために、高屈折力且つ低分散の光学ガラスの組成系には多量の希土類酸化物が導入されている。しかしながら、異なる組成系において、ランタニド酸化物が過剰になると、ガラス形成能に影響が及んで、大量生産プロセスでの製造に困難が生じる。したがって、従来技術の光学ガラス組成をさらに探求することが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、従来技術における技術的問題の一つをある程度まで解決することを目的としている。そのために、本開示の目的は、光学ガラス、ガラスプリフォーム、光学素子及びこれを有する光学機器を提案することである。ここで、光学ガラスは屈折率(nd)が1.86よりも大きく且つアッベ数(vd)が38.8よりも大きいものであり、これによって、従来技術における高屈折力且つ低分散の光学ガラスが失透しやすく大量生産が困難でしかも高コストであるという技術的課題を解決する。
【0005】
本開示の一つの観点では、本開示は光学ガラスを提案する。本開示の実施形態によると、この光学ガラスは、5~25重量%のBと、25~45重量%のLaと、0~10重量%のYと、10~35重量%のGdと、0.5~15重量%のSiOと、1~15重量%のZrOと、0~5重量%のTiOと、0~7重量%のWOと、0~15重量%のTaと、0~10重量%のZnOと、0~8.5重量%のNbとを含有しており、(B+SiO+ZrO+Nb+TiO+WOの総重量)/(La+ZrOの総重量)が0.6以上である。
【0006】
本発明者は、成分、含有量及び特定成分間の使用率を制御することによって、本開示の光学ガラスが、Taをほとんど又は全く用いずに、耐失透性及び優れた特性(屈折率(nd)が1.86よりも大きく且つアッベ数(vd)が38.8よりも大きい)を持つ高屈折力且つ低分散の光学ガラスになりうること、そして本開示の光学ガラスが製造コストが低く且つ大量生産に適していることを知見した。
【0007】
加えて、本開示の実施形態による光学ガラスは、以下のような付加的な技術的特徴をも有することができる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、8~20重量%のB、及び/又は、30~42重量%のLa、及び/又は、0~8重量%のY、及び/又は、15~28重量%のGd、及び/又は、2~13重量%のSiO、及び/又は、1~10重量%のZrO、及び/又は、0.1~5重量%のTiO、及び/又は、0.1~5重量%のWO、及び/又は、0.5~10重量%のTa、及び/又は、0~5重量%のZnO、及び/又は、0~8.5重量%のNbを含有している。これによって、この光学ガラスが優れた特性を有することを保証することができる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、10~16重量%のB、及び/又は、33~39重量%のLa、及び/又は、1~5重量%のY、及び/又は、17~25重量%のGd、及び/又は、4~10重量%のSiO、及び/又は、3~8重量%のZrO、及び/又は、0.5~3重量%のTiO、及び/又は、0.5~4重量%のWO、及び/又は、3~10重量%のTa、及び/又は、1~3重量%のZnO、及び/又は、0~8.5重量%のNbを含有している。これによって、この光学ガラスが優れた特性を有することを保証することができる。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、(B+SiO+ZrO+Nb+TiO+WOの総重量)/(La+ZrOの総重量)が0.65以上であり、好ましくは0.65~0.72であるこれによって、この光学ガラスが優れた特性を有することをより一層保証することができる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、(ZrO+TiO+Laの総重量)/(Nb+SiO+WO+Gdの総重量)が1.0~1.6であり、好ましくは1.1~1.45であり、より好ましくは1.35~1.42である。これによって、この光学ガラスが優れた特性を有することをより一層保証することができる。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、0~1重量%のSb、及び/又は、0~1重量%のSnO、及び/又は、0~1重量%のCeO、及び/又は、0~10重量%のYb、及び/又は、0~10重量%のLu、及び/又は、0~10重量%のAl、及び/又は、0~10重量%のBi、及び/又は、0~10重量%のGeO、及び/又は、合計で0~10重量%のLiO,NaO及びKO、及び/又は、合計で0~10重量%のCaO、SrO、BaO及びMgOを含有している。これによって、この光学ガラスが優れた特性を有することをより一層保証することができる。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、屈折率が1.86よりも大きく、好ましくは1.87~1.89であり、アッベ数が38.8よりも大きく、好ましくは39.0~41.0である。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、λ70が420nm以下、好ましくは390nm以下であり、λが360nm以下、好ましくは350nm以下である。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、失透(devitrification)温度の上限が1350℃以下、好ましくは1300℃以下である。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、耐水性(durability of water)が等級3以上、好ましくは等級2以上であり、耐酸性(durability of acid)が等級3以上、好ましくは等級2以上であり、耐候性(climatic resistance)が等級3以上、好ましくは等級2以上である。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、脈理(striae)が等級Cより上、好ましくは等級Bより上、より好ましくは等級Aである。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、泡の程度(extent of bubble)が等級A以上、好ましくは等級A以上、より好ましくは等級A00である。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態において、この光学ガラスは、密度が5.6g/cm以下、好ましくは5.5g/cm以下である。
【0020】
本開示の第2の観点では、本開示はガラスプリフォームを提案する。本開示の実施形態によると、ガラスプリフォームは光学ガラスからなる。これによって、高屈折力且つ高分散の光学ガラスからなるガラスプリフォームは優れた特性を持ち、市場の要求に合致する。
【0021】
本開示の第3の観点では、本開示は光学素子を提案する。本開示の実施形態によると、光学素子は光学ガラス又はガラスプリフォームからなる。これによって、高屈折力且つ高分散の光学ガラス又はガラスプリフォームからなる光学素子は優れた特性を持ち、市場の要求に合致する。
【0022】
本開示の第4の観点では、本開示は光学機器を提案する。本開示の実施形態によると、光学機器は光学素子を有している。したがって、優れた特性を持つ光学素子を用いることによって、光学機器のカスタマーエクスペリエンス(customer experience)を改善することができる。
【0023】
本開示の付加的な観点及び利点の一部が、以下において詳述される、そして、部分的に、以下の説明から明らかとなるか、本開示の具体例から習得できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は例示であって、本開示を説明することを目的としており、これを限定するものであると解釈してはならない。
【0025】
本開示の一つの観点では、本開示は光学ガラスを提案する。本開示の実施形態によると、この光学ガラスは、5~25重量%のBと、25~45重量%のLaと、0~10重量%のYと、10~35重量%のGdと、0.5~15重量%のSiOと、1~15重量%のZrOと、0~5重量%のTiOと、0~7重量%のWOと、0~15重量%のTaと、0~10重量%のZnOと、0~8.5重量%のNbとを含有しており、(B+SiO+ZrO+Nb+TiO+WOの総重量)/(La+ZrOの総重量)が0.6以上である。
【0026】
<ガラス成分>
【0027】
は、ガラスの骨格を形成する成分であり、本開示の光学ガラスの溶融性(meltability)及び耐失透性(devitrification resistance)を改善し且つ分散を低減させる機能を有する。25重量%を超える量のBを導入するとき光学ガラスの安定性及び反射率は低下し、5重量%よりも少ない量のBを含有するとき光学ガラスの溶融性は低下し、本開示によって要求される光学定数(optical constant)に到達することができない。したがって、本開示において、Bの含有量は5~25重量%であり、好ましくは8~20重量%であり、より好ましくは10~16重量%である。
【0028】
Laは、本開示によって必要とされる光学特性を得るために不可欠の成分である。Laの含有量が25重量%よりも少ないときには必要とされる光学特性を実現することが難しくなり、45重量%を超えるときには光学ガラスの耐失透性及び溶融性が悪化する。したがって、本開示において、Laの含有量は25~45重量%であり、好ましくは30~42重量%であり、より好ましくは33~39重量%である。
【0029】
は光学ガラスの溶融性及び耐失透性を改善し、光学ガラスの失透温度の上限を低下させる。しかし、その含有量が10重量%を超えると、光学ガラスの安定性及び耐失透性が低下する。したがって、本開示において、Yの含有量は0~10重量%であり、好ましくは0~8重量%であり、より好ましくは1~5重量%である。
【0030】
本開示においてGd及びLaは、共存することによって、成形光学ガラスの安定性を改善させることができる。しかし、Gdの含有量が10重量%未満であると当該効果は明確ではなく、35w%を超えると光学ガラスの耐失透性が低下し、成形光学ガラスの安定性が悪化する。したがって、本開示において、Gdの含有量は10~35重量%であり、好ましくは15~28重量%であり、より好ましくは17~25重量%である。
【0031】
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分であり、光学ガラスの耐失透性、耐候性及び熱安定性を改善する機能を有する。SiOの含有量が0.5重量%未満であるときには耐失透性を改善する機能が明確ではなく、15重量%を超えるときには溶融性が低下し、さらに本開示に必要とされる屈折率が得られなくなる。したがって、本開示において、SiOの含有量は0.5~15重量%であり、好ましくは2~13重量%であり、より好ましくは4~10重量%である。
【0032】
ZrOは、屈折率及び安定性を改善する成分であり、中間酸化物(intermediate oxide)として光学ガラスを形成するという事実のために、耐失透性及び化学耐久性を改善する機能を有している。ZrOの含有量が1重量%未満であるときには所望の効果が得られず、ZrOの含有量が15重量%を超えるときには、失透しやすくなり且つガラス化(vitrification)しにくくなるという傾向がある。したがって、本開示において、ZrOの含有量は1~15重量%であり、好ましくは1~10重量%であり、より好ましくは3~8重量%である。
【0033】
TiOは、光学ガラスの屈折率を増大させる機能を有しており、それによってガラスネットワークの形成を引き起こすことができ、適量を導入することによって光学ガラスを安定なものとすることができる。しかし、TiOの含有量が5重量%を超えると光学ガラスの分散が著しく増大し、光学ガラスの可視光域での短波長の透過率が低下し、光学ガラスが発色しやすくなってしまう。したがって、本開示において、TiOの含有量は0~5重量%であり、好ましくは0.1~5重量%であり、より好ましくは0.5~3重量%である。
【0034】
WOは、屈折率を改善する役割を有している。しかし、WOの含有量が7重量%を超えると分散が著しく増大し、光学ガラスの可視光域での短波長の長波側における透過率が低下し、光学ガラスが発色しやすくなってしまう。したがって、本開示において、WOの含有量は0~7重量%であり、好ましくは0.1~5重量%であり、より好ましくは0.5~4重量%である。
【0035】
Taは、屈折率を改善し且つ光学ガラスの低分散を維持する役割を有している。しかし、他の成分よりも高価であるため、その含有量が15重量%を超えると光学ガラスのコストが増加してしまう。したがって、Taの使用は、実用性とコストの見地から減らされる。本開示において、Taの含有量は0~15重量%であり、好ましくは0.5~10重量%であり、より好ましくは3~10重量%である。
【0036】
ZnOは、光学ガラスの屈折率及び分散を調整することができ、適量のZnOは、光学ガラスの安定性及び溶融性を改善し、圧縮成形性を高めるという役割を有している。しかし、ZnOの含有量が10重量%を超えると屈折率が減少して本開示の必要条件を満たすことができず、光学ガラスの耐失透性が低下し、失透温度の上限が上昇する。したがって、本開示において、ZnOの含有量は0~10重量%であり、好ましくは0~5重量%であり、より好ましくは1~3重量%である。
【0037】
Nbは高屈折力且つ高分散の成分であり、分散を著しく増加させることなく屈折率を増加させることが可能であり、しかも、光学ガラスの耐失透(anti-devitrification)及び化学安定性を改善する機能を有している。しかし、Nbの含有量が8.5重量%を超えると本開示の光学ガラスの光学特性が得られず、光学ガラスの耐失透性が悪化する。したがって、本開示において、Nbの含有量は0~8.5重量%であり、好ましくは0である。
【0038】
本発明者は、本願の光学ガラスが優れた光学特性、耐失透性、化学安定性、耐候性、泡等級及び脈理等級だけでなく、失透温度の上限の低さを課することを見いだした。多くの研究を経て、本願の発明者らは、La及びZrOの総重量に対するガラス成分内におけるB、SiO、ZrO、Nb、TiO及びWOの総重量の比を0.6以上に制御し、これらの成分が相乗的役割を果たすようにすることで、ガラス溶融中におけるガス溶解度を効果的に制御することができ、得られるガラスは失透しにくくなり、光学ガラスの光学定数が改善され、化学安定性及び均一性が改善されること、そして、光学ガラスは、屈折率が1.86よりも大きく、アッベ数が38.8よりも大きく、失透温度の上限が1350℃以下、耐水性が等級3以上、耐酸性が等級3以上、耐候性が等級3以上、脈理が等級Cより上、泡の程度が等級A以上であり、得られる光学ガラスは優れた耐失透性を有すること、さらに好ましくは、La及びZrOの総重量に対するガラス成分内におけるB、SiO、ZrO、Nb、TiO及びWOの総重量の比を0.65以上、より好ましくは0.65~0.72に制御することによって、得られる光学ガラスは、屈折率が1.87~1.89、アッベ数が39.0~41.0、失透温度の上限が1300℃以下、耐水性が等級2以上であり、耐酸性が等級2以上、耐候性が等級2以上、脈理が等級Bより上で好ましくは等級A以上、泡の程度が等級A以上、より好ましくは等級A00を有することを知見した。
【0039】
また、発明者らは、本願の光学ガラスが優れた透過率及び軽量性を課することを見いだした。多くの研究を経て、本願の発明者らは、Nb、SiO、WO及びGdの総重量に対するZrO、TiO及びLaの総重量の比を1.0~1.6に制御することによって、溶融中におけるガス溶解度を効果的に制御することができ、光学ガラスの透過率及び化学安定性が改善され、軽量化を実現できること、得られる光学ガラスはλ70が420nm以下、λが360nm以下、密度が5.6g/cm以下、耐水性が等級3以上、耐酸性が等級3以上、泡の程度が等級A以上であること、さらに好ましくは、Nb、SiO、WO及びGdの総重量に対するZrO、TiO及びLaの総重量の比を1.1~1.45、より好ましくは1.35~1.42に制御することによって、得られる光学ガラスはλ70が390nm以下、λが350nm以下、密度が5.5g/cm以下、耐水性が等級2以上、耐酸性が等級2以上、泡の程度が等級A以上、より好ましくは等級A00を有することを知見した。
【0040】
本開示のさらなる実施形態によると、この光学ガラスは、0~1重量%のSb、及び/又は、0~1重量%のSnO、及び/又は、0~1重量%のCeO、及び/又は、0~10重量%のYb、及び/又は、0~10重量%のLu、及び/又は、0~10重量%のAl、及び/又は、0~10重量%のBi、及び/又は、0~10重量%のGeO、及び/又は、合計で0~10重量%のLiO,NaO及びKO、及び/又は、合計で0~10重量%のCaO、SrO、BaO及びMgOを含有している。発明者らは、少量のSb及び/又はSnO及び/又はCeOを付加することによって、ガラスの清澄効果(clarification effect)を改善することができるものの、Sbの含有量が1重量%を超えると、清澄性が低下する傾向にあり、そしてその強い酸化作用によって成形型の劣化を促進することを知見した。したがって、本開示において、Sbの添加量は好ましくはは0~1重量%であり、より好ましくは0~0.5重量%であり、さらに好ましくは0である。また、SnOも清澄剤として添加され得るが、その含有量が1重量%を超えると、ガラスが発色すること、又は、二次変形のためのガラスの加熱、軟化及び圧縮成形時にSnが核生成の起点となることによって、失透が生じやすくなる。したがって、本開示において、SnOの含有量は好ましくは0~1重量%であり、より好ましくは0~0.5重量%であり、さらに好ましくは0である。CeOはSnOと同じ機能及び添加率を有しており、その含有量は好ましくは0~1重量%であり、より好ましくは0~0.5重量%であり、さらに好ましくは0である。また、Ybも本開示の光学ガラスにおいて高屈折率及び低分散をもつ成分であり、その含有量が10重量%を超えると光学ガラスの安定性及び耐失透性が低下するので、Ybの含有量は好ましくは0~10重量%であり、より好ましくは0~8重量%であり、さらに好ましくは0である。Luは光学ガラスの屈折率を改善し且つ分散を低減させることができるが、その含有量が10重量%を超えると光学ガラスの耐失透性及び溶融性が悪化し、他の成分よりも高額であるために光学ガラスのコスト増を引き起こす。したがって、本開示において、Luの含有量は0~10重量%であり、好ましくは0~8重量%であり、より好ましくは0である。少量のAlを導入することは、成形光学ガラスの安定性及び化学安定性を改善するが、その含有量が10重量%を超えると光学ガラスの溶融性が悪化し且つ耐失透性が低下する傾向がある。したがって、本開示において、Alの含有量は好ましくは0~10重量%であり、より好ましくは0~8重量%である。Biは光学ガラスの屈折率を増大させることができるが、過剰に付加すると光学ガラスの可視光域での短波長の長波側における透過率が低下し、光学ガラスが発色するという傾向がある。したがって、本開示において、Biの含有量は好ましくは0~10重量%であり、より好ましくは0~5重量%であり、さらに好ましくは0である。また、GeOも成形光学ガラスの安定性及び耐失透性を効果的に改善することができる。しかしGeOは非常に高価であるため、GeOの含有量は好ましくは0~10重量%であり、より好ましくは0~5重量%であり、さらに好ましくは0である。LiO、NaO及びKOは、分相(phase splitting)を抑制し且つ光学ガラスの安定性を改善する成分である。これらの総含有量が10重量%を超えるとき、耐候性が著しく低下する又は屈折率が低下する傾向がある。したがって、本開示において、LiO、NaO及びKOの総重量は0~10重量%であり、より好ましくは0~5重量%であり、さらに好ましくは0である。CaO、SrO、BaO及びMgOのようなアルカリ土類酸化物は、耐候性を低下させ且つ光学ガラスの失透温度の上限を著しく上昇させる。しかし、これらの総含有量が10重量%を超えると、光学ガラスの耐失透性が低下する。したがって、本開示において、CaO、SrO、BaO及びMgOの総重量は好ましくは0~10重量%であり、より好ましくは0~5重量%であり、さらに好ましくは0である。
【0041】
以下、本開示の光学ガラスの特性及び試験方法を説明する。
【0042】
1.カラーコード(λ70/λ
【0043】
本開示の光学ガラスの短波送信分光特性は、カラーコード(λ70/λ)として表される。λ70は、ガラス透過率が70%に達するときに対応した波長である。λは、ガラス透過率が5%に達するときに対応した波長である。λ70は、光学研磨された板厚10±0.1mmの相対平面である互いに平行なガラスの2片を用いて、280nmから700nmまでの波長域における分光透過率及び透過率が70%に達するときの波長を測定することによって決定される。分光透過率又は透過率は、強度Iinの光が光学ガラスの表面に垂直に入射し、光学ガラスを通過して一平面から強度Ioutの光を出射するとしたときに、Iout/Iinで表される量であり、光学ガラスの表面における表面反射損失の透過率を含んでいる。光学ガラスの屈折率が高くなるほど、表面反射損失が大きくなる。したがって、高い屈折率を有する光学ガラスにおいては、λ70の値が小さいことは光学ガラスの自己発色(self-coloring)が少ないことを意味している。本開示の光学ガラスの透過率が70%に達するとき、対応する波長(λ70)が420nm以下、好ましくは390nm以下であり、透過率が5%に達するとき、対応する波長(λ)が360nm以下、好ましくは350nm以下である。
【0044】
分光透過率は、対向する光学研磨された2つの平面を有する板厚10±0.1mmのガラス試料を用いて作成され、その結果に基づいて計算される。
【0045】
2.密度
【0046】
光学ガラスの密度は20℃における単位体積当たりの重量であって、g/cmで表される。本開示の光学ガラスは、密度が5.6g/cm以下、好ましくは5.5g/cm以下である。
【0047】
密度は、GB/T7962.20-2010に規定された方法にしたがって測定される。
【0048】
3.失透温度の上限
【0049】
光学ガラスの失透特性は、光学ガラスを180×10×10mmの大きさの試料に加工する工程と、側面を研磨する工程と、温度勾配(5℃/cm)を有する炉内に複数の試料を配置する工程と、温度を1400℃まで上昇させる工程と、4時間保持した後に試料を取り出す工程と、室温になるまで自然冷却する工程と、顕微鏡で光学ガラスの失透を観察する工程とを含み、結晶相(appearance of crystals)に対応した最大温度が光学ガラスの失透温度の上限である勾配炉法によって測定される。光学ガラスの失透温度の上限が低くなるほど、高温における光学ガラスの安定性が増し、さらに生産プロセス性能が良好になる。本開示の典型例によると、好ましくは、光学ガラスの失透温度の上限が1350℃以下、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1280℃以下である。
【0050】
4.化学安定性(耐水性(D)及び耐酸性(D))
【0051】
光学ガラス素子の製造及び使用中において、水及び酸のような腐食性媒体(erosive media)の作用に対して光学ガラスの研磨面の抵抗する力は、光学ガラスの化学安定性と称され、この力は主に光学ガラスの化学組成に依存する。本開示の光学ガラスの耐水性(D)(粉末法)は等級3以上、好ましくは等級2以上であり、より好ましくは等級1以上であり、耐酸性(D)は等級3以上、好ましくは等級2以上であり、より好ましくは等級1以上である。
【0052】
耐水性(D)及び耐酸性(D)は、GB/T 17129に規定された方法にしたがってテストされる。
【0053】
5.気泡
【0054】
泡の程度は、光学ガラスの許容可能な泡の量の等級を意味する。泡は、光学ガラスの光学特性、透明性及び機械的強度と共に、ガラス製品の外観品質に影響を与え、多くの悪影響を引き起こす。したがって、光学ガラスの泡の程度を制御することは重要である。本開示の光学ガラスは、泡の程度が等級A以上、好ましくは等級A以上、より好ましくは等級A00である。
【0055】
光学ガラスの泡品質は、GB/T7962.8-2010に規定された方法にしたがって測定される。
【0056】
6.屈折率及びアッベ数
【0057】
本開示の光学ガラスは、高屈折率及び低分散を有しており、この高屈折率及び低分散の光学ガラスからなるレンズは、通常、色収差を補正するために、高屈折率及び高分散の光学ガラスからなるレンズと組み合わせられる。加えて、この光学ガラスがレンズとして用いられる場合、屈折率が大きくなるほどレンズが薄くなって、光学機器の小型化が促される。本開示の光学ガラスにおいては、屈折率(nd)が1.86よりも大きく、好ましくは1.87~1.89であり、アッベ数(vd)が38.8よりも大きく、好ましくは39.0~41.0である。
【0058】
屈折率及びアッベ数は、GB/T7962.1-2010に規定された方法にしたがって測定される。
【0059】
7.脈理
【0060】
脈理の程度については、点光源及びレンズで構成された脈理メーターで、鮮明度(visibility)を最大とする方向から脈理が観測され、標準試料と比較される。脈理は、等級A,等級B、等級C及び等級Dの4等級に分類される。等級Aの脈理は特定テスト条件において裸眼で視認不可能であり、等級Bの脈理は特定テスト条件において微細で散乱した脈理であり、等級Cの脈理は特定テスト条件においてやや平行な脈理であり、等級Dの脈理は特定テスト条件において粗い(rough)脈理である。本開示の光学ガラスの脈理は、等級C以上、好ましくは等級B以上、より好ましくは等級Aである。
【0061】
脈理は、MLL-G-174Bに規定された方法にしたがって測定される。
【0062】
8.耐候性
【0063】
複数の試験試料が、相対湿度90%の飽和水蒸気雰囲気に曝露された試験ボックス内に配置される。試験ボックスの温度は1時間ごとに40度と50度とを交互に繰り返し、この周期的変化が15回続けられる。耐候性は、試験前後の濁度(haze)の変化に基づいて分類される。濁度は、大気侵食によって発生する無色の光学ガラスの表面上に生じる白点(fish eye)及び白化(blushing)のような変質層に関係する。光学ガラス表面の侵食の程度は、試料の侵食前後における濁度の差を測定することで決定される。濁度は、濁度表示の相対偏差が±5%以内である積分球を有する濁度計(turbidimeter)によって測定される。以下に示すテーブルは、耐候性の分類を示している。
[テーブル]

【0064】
本開示の光学ガラスの耐候性は、等級3以上であり、好ましくは等級2以上であり、より好ましくは等級1以上である。
【0065】
本開示の第2の観点では、本開示はガラスプリフォームを提案する。本開示の実施形態によると、ガラスプリフォームは光学ガラスからなる。したがって、本開示のガラスプリフォームは、高屈折率及び低分散という特性を有しており、高性能ガラスへの市場需要に合致している。具体的には、得られた光学ガラスは所定サイズに切断され、その表面に窒化ホウ素粉末からなる離型剤が均一に被覆され、そして、加熱、軟化及び圧縮成形されて、レンズ及びプリズムといった凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ及び平凹レンズのようなレンズ及びプリズムのプリフォームが形成される。なお、光学ガラスについて述べた特徴及び利点はガラスプリフォームについても成り立つので、ここでは繰り返さないことに留意すべきである。
【0066】
本開示の第3の観点では、本開示は光学素子を提案する。本開示の実施形態によると、光学素子は光学ガラス又はガラスプリフォームからなる。したがって、本開示の光学素子は、高屈折率及び低分散という特性を有しており、これを用いて低コストで優れた特性を有するレンズ及びプリズムのような光学機器を製造することができる。例えば、光学素子がレンズとして使用されるとき、光学素子は球面又は非球面のレンズ面を有する、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ又は平凹レンズとして使用することができる。このようなレンズは、色収差を補正するために高屈折率及び高分散のガラスからなるレンズと組み合わせられ、色収差の補正用レンズとして適している。加えて、このようなレンズは、小型の光学システムを作ることを促進する。加えて、プリズムを光学システムに組み入れて湾曲した光路を経て所望の方向に向けることによって、プリズムについて、その高い屈折率のために、小型広角光学システムを実現することができる。具体的には、ガラスプリフォームは、アニールが施され、そして屈折率のような光学特性が所望の値に達するように、内部変形を削減させつつトリム(trim)され、しかる後に、ガラスプリフォームは粉砕且つ細かく粉にされることによって、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ及び平凹レンズのようなレンズ及びプリズム(すなわち光学素子)が作られ、得られた光学素子の表面を反射防止フィルムで被覆することができる。なお、光学ガラス及びガラスプリフォームについて述べた特徴及び利点は光学素子についても成り立つので、ここでは繰り返さないことに留意すべきである。
【0067】
本開示の第4の観点では、本開示は光学機器を提案する。本開示の実施形態によると、光学機器は光学素子を有している。したがって、優れた特性を持つ光学素子を用いることによって、光学機器のカスタマーエクスペリエンスを改善することができる。具体的には、本開示の光学機器は、デジタルカメラ又はビデオカメラであってよい。なお、光学素子について述べた特徴及び利点は光学機器についても成り立つので、ここでは繰り返さないことに留意すべきである。
【0068】
以上、本開示の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は説明のためのものに過ぎず、本開示をいかなるようにも制限するものではないことに留意すべきである。
【0069】
表1から表5に示す成分を有する光学ガラスを得るためには、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、酸化物及びホウ酸が原材料として用いられる。光学ガラスの上記成分に対応した複数の原材料が比例計量され且つ十分に混合されて配合原材料が得られ、得られた配合原材料が白金るつぼに配置されて1200~1450℃に加熱され、溶融、撹拌及び浄化されて均一な溶融ガラスが形成される。溶融ガラスは適度に冷却されてから予熱された鋳型に注入され、650~700℃に2~4時間保持され、そして緩やかに冷却されて光学ガラスが得られる。加えて、光学ガラスの特性が上述した方法によって測定される。測定結果が表1から表5に示される。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0070】
注釈表における合計量(100%)は、測定誤差、装置精度及び不可避的な不純物を差し引くことによって得られたものである。
【0071】
本明細書において、「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「実施例」、「具体例」又は「いくつかの実施例」などの用語は、実施形態又は実施例と組み合わせて記載された具体的な特色、構成、材料又は特徴が、本開示の少なくとも一つの実施形態又は実施例に含まれていることを示すために記載されている。本明細書において、用語の説明表現は必ずしも同じ実施形態又は実施例について言及しているとは限らない。さらに、記載された特定の特色、構成、材料又は特徴は、一又は複数の実施形態又は実施例のいずれかと適切に組み合わせることができる。加えて、当業者は、矛盾を生じさせることなく、本開示に記載された複数の実施形態若しくは実施例又は複数の実施形態若しくは実施例の特徴を組み合わせたり結合することができる。
【0072】
以上のように本開示の実施形態を詳述及び説明したが、これらの実施形態は例示に過ぎず、限定するものであると解釈すべきではない。これらの実施形態には、当業者が本開示の観点内で、修正、変更、置換及び変形を施すことができる。