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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】スプレー容器
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/34 20060101AFI20221108BHJP
   B05B 11/00 20060101ALI20221108BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B05B1/34 101
B05B11/00 101B
B05B11/00 101G
B65D83/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020546881
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2019001174
(87)【国際公開番号】W WO2019177267
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0030271
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ポン、フン
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-235197(JP,A)
【文献】特開2000-153188(JP,A)
【文献】特開2011-136263(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0217322(US,A1)
【文献】特開2010-235174(JP,A)
【文献】特開2004-000954(JP,A)
【文献】特開平09-103718(JP,A)
【文献】特表2014-532013(JP,A)
【文献】米国特許第04071196(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02927551(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/34
B05B 11/00
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレー容器であって、
下端に吸い込み口が形成されるハウジングと、
前記ハウジングの内部において昇降し、一方の側に流れ込み口が形成されるシリンダと、
前記ハウジングの内壁に密着された状態で前記ハウジングの内部において昇降して前記流れ込み口を開閉するシールキャップと、
前記シリンダと前記ボタンとを接続し、前記ハウジングの内壁に密着された状態で前記シリンダとともに昇降するステムと、
前記シリンダと前記ハウジングとの間に設けられて前記シリンダを上昇させる弾性力を有する第1の弾性部材と、
前記ステムと前記シールキャップとの間に設けられて、前記ステムを基準として前記シールキャップを下降させる弾性力を有する第2の弾性部材と、
押下により前記シリンダを下降させるボタンと、
前記ボタンの出口に設けられるオリフィスと、を含み、
前記オリフィスは、
ノズルが嵌入する中空の円筒状であり、前記ノズルの周りを介して中身が流れ込む流れ込み部と、
前記流れ込み部の前面の周りから吐き出し方向に向かって一定の深さに見合う分だけ凹むリング部と、
前記リング部の中心に設けられ、前方に向かって進むにつれて断面積が小さくなる吐き出し路と、
前記リング部から前記吐き出し路に向かって延びる羽根部と、
前記吐き出し路の前端に設けられる吐き出し口と、を含み、
前記吐き出し路は、
前後方向に断面積が一定しており、かつ、周りに前記羽根部が接続される大径部と、
前記大径部から前端に向かって延びながら断面積が小さくなる縮管部と、
前記縮管部の前端に接続され、前後方向に断面積が一定しており、かつ、前記吐き出し口に接続される小径部と、を含み、
前記リング部は、前記小径部の直径に比べて0.7~1.5倍の深さを有し、前記大径部の直径に比べて0.1~0.3倍の深さを有し、
前記大径部の直径は、前記小径部の直径に比べて2~5倍であり、
前記小径部の高さは、前記大径部より0.3~0.7倍小さく、
前記オリフィスは、40±10°の噴射角度を有し、かつ、1回の吐き出し当たりに0.15±0.02mlの吐き出し量を示し、80cm以上の噴射距離を有する
ことを特徴とするスプレー容器。
【請求項2】
前記羽根部は、
前記リング部から前記吐き出し路の周りに接するように延びる
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項3】
前記羽根部は、
前記リング部に接続される一方の端から前記吐き出し路に接続される他方の端に向かって進むにつれて断面積が小さくなるような形状を有する
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項4】
前記吐き出し口は、
平らな後面を含む
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項5】
前記吐き出し口の断面積は、
前記流れ込み部の断面積よりも小さく、かつ、前記吐き出し路の断面積よりも大きい
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項6】
前記吐き出し口は、
後面に比べて周面の方が折り曲げられた形状を有する
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項7】
前記吐き出し口は、
円柱状に設けられる
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項8】
前記容器本体の開かれた一方の側に結合されるスクリュキャップを含む
請求項1に記載のスプレー容器。
【請求項9】
前記スクリュキャップ又は前記ハウジングに結合され、前記ステムの周りを縁取るアンダキャップを含む
請求項8に記載のスプレー容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリフィス及びこれを含むスプレー容器に関し、さらに詳しくは、噴射距離を十分に確保し、かつ、噴射粒子径を小さくできるオリフィス及びこれを含むスプレー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スプレー容器は、使用者が噴射ボタンを押圧すると、容器内に貯留されている液体状態の中身を霧状にして噴射するものであり、液状の化粧品又は医薬品などにおいて広く用いられている。
【0003】
このようなスプレー容器のうち、下記の特許文献1は、チューブ以外の吸い込み口とその吸い込み口を拘束する球を備えたチューブケースとインナーケース及びチューブから構成された2重吸い込み装置を備える。これにより、特許文献1は、スプレー容器が逆さまになった状態でも噴霧を可能にし、2次弁とハウジングの形状を改良して両部品が常に接触する方式を選んで、既存のスプレー装置において噴霧動作の最中に生じる2次弁の歪みにより噴霧性能の低下を防ぐというメリットがあった。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1のスプレー容器は、ボタンを押下して容器の内部に貯留された液状の中身をノズルを介して噴射する過程で、排出孔のところに別途の構造的な数値及び形状が存在しない。
【0005】
このため、特許文献1は、スプレータイプの容器の要素のうち最も重要な要素である噴射角度が、使用する目的に合わせて、最適な状態で形成されないため、使用者に身体部位別の最上の噴射性能を提供することができないという不都合があった。
【0006】
このような不都合を改善するために、本出願人は、下記の特許文献2を出願して登録されている。特許文献2は、人間の顔又は頭、上体、下体などに液状の中身を噴射するスプレー容器であって、身体部位別に液状の中身が噴射される噴射角度を考慮して最適なスプレーオリフィスを作製することにより、使用者に身体部位別の差別化した噴射性能を提供することができる。
【0007】
しかしながら、特許文献2の場合、噴射される粒子の大きさが従来と同様に微細に形成されないという限界により、噴射口に液滴が生じてしまう可能性がある。この場合、液滴により使用者がまるで中身が漏れ出るかのような不良状態と誤認してしまうという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国公開特許公報第2000-0049441号
【文献】大韓民国登録特許公報第10-1661575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような従来の技術の不都合を解決するために案出されたものであり、その目的は、吐き出し量を増やし、噴射距離を延ばすとともに、噴射角度を減らして、効率よい噴霧を可能にしたオリフィス及びこれを含むスプレー容器を提供するところにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、噴射される物質の粒子径を小さくできて、中身の無駄使いを防ぎ、使用者の満足度を高めることのできるオリフィス及びこれを含むスプレー容器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によるオリフィスは、スプレー容器の出口に設けられるオリフィスであって、ノズルが嵌入する中空の円筒状であり、前記ノズルの周りを介して中身が流れ込む流れ込み部と、前記流れ込み部の前面の周りから吐き出し方向に向かって一定の深さに見合う分だけ凹むリング部と、前記リング部の中心に設けられ、前方に向かって進むにつれて断面積が小さくなる吐き出し路と、前記リング部から前記吐き出し路に向かって延びる羽根部と、前記吐き出し路の前端に設けられる吐き出し口と、を含むことを特徴とする。
【0012】
具体的に、前記羽根部は、前記リング部から前記吐き出し路の周りに接するように延びてもよい。
【0013】
具体的に、前記羽根部は、前記リング部に接続される一方の端から前記吐き出し路に接続される他方の端に向かって進むにつれて断面積が小さくなるような形状を有していてもよい。
【0014】
具体的に、前記吐き出し口は、平らな後面を含んでいてもよい。
【0015】
具体的に、前記吐き出し口の断面積は、前記流れ込み部の断面積よりも小さく、かつ、前記吐き出し路の断面積よりも大きくてもよい。
【0016】
具体的に、前記吐き出し口は、後面に比べて周面の方が折り曲げられた形状を有していてもよい。
【0017】
具体的に、前記吐き出し口は、円柱状に設けられてもよい。
【0018】
具体的に、前記吐き出し路は、前後方向に断面積が一定しており、かつ、周りに前記羽根部が接続される大径部と、前記大径部から前端に向かって延びながら断面積が小さくなる縮管部と、前記縮管部の前端に接続され、前後方向に断面積が一定しており、かつ、前記吐き出し口に接続される小径部と、を含んでいてもよい。
【0019】
本発明の一局面によるスプレー容器は、中身を収容し、一方の側が開かれた容器本体と、前記容器本体の開かれた一方の側に結合されるスクリュキャップと、前記スクリュキャップの内側に設けられ、下端に吸い込み口が形成されるハウジングと、前記ハウジングの内部において昇降し、一方の側に流れ込み口が形成されるシリンダと、前記ハウジングの内壁に密着された状態で前記ハウジングの内部において昇降して前記流れ込み口を開閉するシールキャップと、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の前記オリフィスが設けられる出口を有し、押下により前記シリンダを加工させるボタンと、を含むことを特徴とする。
【0020】
具体的に、前記シリンダと前記ボタンとを接続し、前記ハウジングの内壁に密着された状態で前記シリンダとともに昇降するステムと、前記スクリュキャップ又は前記ハウジングに結合され、前記ステムの周りを縁取るアンダキャップと、前記シリンダと前記ハウジングとの間に設けられて前記シリンダを上昇させる弾性力を有する第1の弾性部材と、前記ステムと前記シールキャップとの間に設けられて、前記ステムを基準として前記シールキャップを下降させる弾性力を有する第2の弾性部材と、をさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るオリフィス及びこれを含むスプレー容器は、狭い角度にて遠く噴射され、かつ、粒子径が非常に小さいので、細かい粒子として噴射できることから、使用感を大幅に改善することができる。
【0022】
また、本発明に係るオリフィス及びこれを含むスプレー容器は、液滴の発生が極力抑えられることから、まるで水漏れが生じるかのように誤認されてしまうという不都合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の部分分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の部分分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のノズルの斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの正面図である。
図9】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスにおける中身の排出経路を浮彫にして表わした斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの背面斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
図13】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
図14】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
図15】本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、特定のメリット及び新規な特徴は、添付図面と結び付けられる以下の詳細な説明と好適な実施形態からなお一層明らかになる筈である。本明細書において、各図面の構成要素に参照符号を付するに当たって、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面の上に表示されたとしても、できる限り同じ番号を付しているところに留意すべきである。なお、本発明について説明するに当たって、関連する公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると思われる場合には、その詳細な説明を省略する。
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。参考までに、この明細書において、前後方向は、中身の吐き出し方向を基準としたものであり、その他の方向は図面を基準として説明するが、権利を制限しない。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図である。図3及び図4は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の部分分解斜視図である。
【0027】
図1から図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るスプレー容器1は、容器本体10と、スクリュキャップ11と、オーバキャップ20と、ハウジング30と、シリンダ40と、シールキャップ50と、ボタン60と、ステム70と、アンダキャップ80と、オリフィス100と、を含む。
【0028】
容器本体10は、中身を収容し、一方の側が開かれた形状を有する。このとき、容器本体10に収容される中身とは、霧状にして噴射できるあらゆる種類の物質のことをいい、例えば、液状の化粧品であってもよい。
【0029】
容器本体10は、材質を特に問わず、合成樹脂、金属などの硬質の材質から形成されてもよい。なお、容器本体10は、少なくとも部分的に透明又は半透明な材質から形成されて、中身の残量が外部から確認できるようにしてもよい。
【0030】
容器本体10は、上側が開かれていてもよく、注出口状に上方に突き出ていてもよい。このとき、開かれた一方の側には後述するスクリュキャップ11が結合されながら容器本体10の内部が密閉されてもよい。
【0031】
容器本体10の注出口には、外面にねじ山(符号を図示せず)が設けられていてもよく、スクリュキャップ11の内面にもねじ山が設けられて、スクリュキャップ11と容器本体10とが螺合により着脱自在に設けられていてもよい。
【0032】
スクリュキャップ11は、容器本体10の開かれた一方の側に結合される。スクリュキャップ11は、前述したように、螺合などにより容器本体10に締結されてもよく、スクリュキャップ11と容器本体10との締結部位は、水漏れがないようにシールされてもよい。
【0033】
スクリュキャップ11は、中空状を呈し、スクリュキャップ11の貫通された中央部分には後述するハウジング30が設けられる。ハウジング30は、スクリュキャップ11に結合されてもよく、又はスクリュキャップ11と一体に設けられていてもよい。
【0034】
また、スクリュキャップ11における貫通された中央部分にはアンダキャップ80が設けられてもよく、アンダキャップ80は、ハウジング30の上側に結合されてステム70の周りを包み込んで漏出を防ぐ構成要素である。アンダキャップ80については、以下において詳しく説明する。
【0035】
スクリュキャップ11の内側の上端には、ガスケット12が設けられてもよい。ガスケット12は、所定の厚さを有するリング状を呈するシールリング部材120であり、押し縮め可能な材質から形成され、例えば、合成樹脂などから作製されてもよい。
【0036】
ガスケット12は、スクリュキャップ11が容器本体10の注出口に締結される場合、スクリュキャップ11と容器本体10との間において圧着されるように設けられてもよい。また、ガスケット12は、スクリュキャップ11の中央に設けられるハウジング30を縁取るように設けられ、かつ、上面がハウジング30と当接するように設けられてもよい。したがって、ガスケット12によりスクリュキャップ11と容器本体10との間及びスクリュキャップ11とハウジング30との間のシールが実現可能になる。
【0037】
オーバキャップ20は、スクリュキャップ11に結合され、ボタン60を覆う。オーバキャップ20は、ボタン60が最大限に上昇した状態よりも高い高さを有して、オーバキャップ20の結合に際してボタン60が押下されることを防ぐことができる。
【0038】
スクリュキャップ11には、外面に突起(符号を図示せず)が設けられて、オーバキャップ20は、スクリュキャップ11に突起と溝との嵌め合いにより締結されてもよい。いうまでもなく、オーバキャップ20とスクリュキャップ11との結合方式は特に限定されない。
【0039】
ハウジング30は、スクリュキャップ11の内側に設けられ、下端に吸い込み口31が形成される。ハウジング30は、スクリュキャップ11における貫通された中央部分に設けられてもよく、スクリュキャップ11とハウジング30とは、螺合、しばり嵌め、接着などの種々様々な方式により互いに接続されてもよい。
【0040】
さらに、ハウジング30とスクリュキャップ11とが接続される個所の下面にはガスケット12が密着されるので、ハウジング30の周りにおけるシールがガスケット12により実現可能になる。
【0041】
ハウジング30は、中空状を呈するが、上側から下側に向かって進むにつれて内径が次第に小さくなるような形状を呈していてもよい。内径の大きな上側の部分にはステム70が昇降自在に設けられ、内径の小さな下側の部分にはシリンダ40が昇降自在に設けられてもよい。
【0042】
ハウジング30内において内径が縮径する一つ以上の段付き部分は、ステム70やシールキャップ50の下降を阻止するように設けられてもよく、あるいは、後述する第1の弾性部材43の下端が載置されるように設けられてもよい。
【0043】
ハウジング30の下端には吸い込み口31が設けられ、吸い込み口31を介してハウジング30の内部が容器本体10と連通されてもよい。このとき、吸い込み口31には下方にチューブ311が延びてもよく、チューブ311は、容器本体10の底面に貯留された中身を引き上げるように設けられる。
【0044】
吸い込み口31の近くには球312が設けられる。球312は、チューブ311の上側に位置付けされてもよく、ハウジング30における球312が設けられた部分は、圧力差により球312が上下動できるような形状を呈する。この場合、球312が上昇すれば、ハウジング30の内部が容器本体10と連通され、球312が下降すれば、ハウジング30の内部と容器本体10とが離間することができる。
【0045】
すなわち、球312は、弁の機能を実現することができ、いうまでもなく、球312の他にも、弁の機能を実現可能な種々様々な構成要素が制限なしに使用可能である。なお、チューブ311もまた省略可能であり、例えば、容器本体10に中身の使い尽くしにより上昇する加圧板が設けられるエアレスタイプである場合、チューブ311が備えられないこともある。
【0046】
ハウジング30の外側には第1の孔32と第2の孔33とが形成されてもよい。第1の孔32は、ハウジング30の上側壁を貫通するように設けられてもよく、中身の排出に際して、アンダキャップ80とステム70との間の隙間を介して流れ込んだ空気が容器本体10内に流れ込むようにする構成要素であってもよい。
【0047】
第2の孔33は、ハウジング30の内壁にそれぞれ密着されたステム70とシールキャップ50との間の空間に連通されるように設けられてもよい。ステム70の下降に際して、後述する第2の弾性部材71によりシールキャップ50が下降すれば、ハウジング30内部空間、特に、シールキャップ50の下部の空間の圧力が高くなる。このとき、第2の孔33は、ステム70とシールキャップ50との間の空間から空気が容器本体10に抜け出るように設けられて、ハウジング30の内部空間の圧力が十分に高くなると、第2の弾性部材71が押し縮められながら、ステム70とシールキャップ50との間の空間が押し縮められてもよい。
【0048】
シリンダ40は、ハウジング30の内部において昇降し、一方の側に流れ込み口41が形成される。シリンダ40は、上側がステム70と結合されてステム70と一体に昇降するように設けられ、ステム70はボタン60により下降するため、ボタン60が押下されれば、シリンダ40がハウジング30内において下降する。
【0049】
シリンダ40の外面には1本以上の流れ込み口41が設けられ、流れ込み口41は、シールキャップ50によりハウジング30の内部空間と離れるように設けられる。しかしながら、ハウジング30の内部空間の圧力が高くなって第2の弾性部材71が押し縮められながらシールキャップ50がシリンダ40を基準として上昇すれば、流れ込み口41が開かれてハウジング30内の中身がシリンダ40の内部に速やかに流れ込むことがある。
【0050】
シリンダ40は、流れ込み口41の下側に円環枠42が設けられて、シールキャップ50が支持されるようにしてもよい。すなわち、シールキャップ50は、シリンダ40の円環枠42に引っ掛かって下降が制限されてもよく、シールキャップ50の内面はシリンダ40の外面と密着された状態を保つことができる。
【0051】
シリンダ40の円環枠42には第1の弾性部材43の上端が支持されてもよく、第1の弾性部材43の下端はハウジング30の内側の段付きに支持されてもよい。したがって、シリンダ40は、ボタン60の押下により下降し、シリンダ40とハウジング30との間に設けられてシリンダ40を上昇させる弾性力を有する第1の弾性部材43の弾性力により上昇することができる。
【0052】
シールキャップ50は、ハウジング30の内壁に密着された状態でハウジング30の内部において昇降して流れ込み口41を開閉する。シールキャップ50は、シリンダ40の円環枠42に支持されて流れ込み口41を密閉していて、ハウジング30の内部空間の圧力により上方に押されながらシリンダ40の円環枠42から上方に向かって離れて流れ込み口41を開くことができる。
【0053】
シールキャップ50は、周りに板膜(符号を図示せず)が設けられてハウジング30の内壁に密着された状態を保ち、シールキャップ50の上側は第2の弾性部材71の下端を支持するように設けられる。シールキャップ50は、第2の弾性部材71によりステム70を基準として下降する向きに弾性力を受け、第2の弾性部材71の上端はステム70により支持されるため、ボタン60の押下によりステム70が下降すれば、シールキャップ50もまた下降する。
【0054】
このとき、シールキャップ50とシリンダ40の下降は、ハウジング30の内部空間を押し縮め、吸い込み口31は球312により密閉され、流れ込み口41はシールキャップ50により密閉された状態であるため、ハウジング30の内部空間の圧力は高くなる。
【0055】
しかしながら、ハウジング30の内部空間の圧力が第2の弾性部材71の弾性力に勝つほどに高くなると、ステム70とシールキャップ50との間の空間にあった空気が第2の孔33を介して容器本体10の内部に抜け出るとともに、シールキャップ50がシリンダ40を基準として上方に押されながら第2の弾性部材71が押し縮められてもよい。
【0056】
ハウジング30の内部空間の中身が抜け出て圧力が元の状態に戻ると、第2の弾性部材71の弾性力によりシールキャップ50はシリンダ40の円環枠42に支持される位置に戻ることができる。
【0057】
ボタン60は出口611を有し、押下によりシリンダ40を下降させる。ボタン60はステム70と結合されて、ボタン60が押下されれば、ステム70によりシリンダ40が下降することができ、ボタン60に加えられた押下力が除去されれば、シリンダ40が第1の弾性部材43により上昇しながらステム70もまた上昇してボタン60が元の状態に戻る。
【0058】
図4を参照すると、ボタン60の内部には、ステム70から抜け出た中身を排出可能にする流路61が設けられ、流路61の前端は出口611と称されてもよく、出口611はノズル62などの嵌入のために断面積が大きくなるような形状を呈していてもよい。出口611には、ノズル62とオリフィス100とが次第に結合されて流路61の断面積を縮小及び変化させて、中身が霧状に噴射されるようにすることができる。
【0059】
ノズル62は、出口611に嵌入して流路61を縮小する。ノズル62については、図5に基づいて詳しく説明する。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のノズルの斜視図である。
【0061】
図5を参照すると、ノズル62は、円筒状の胴体621と、胴体621の外面に突き出た弧状の突出部622と、を有する。このとき、胴体621は、中身が貫通できないように前面と後面とが両方とも閉塞されたような形状を呈し、突出部622は、胴体621の外面に隔設されていてもよい。
【0062】
この場合、突出部622の間には間隙623が形成されるが、ステム70からボタン60の流路61へと流れ込んだ中身は、ノズル62の間隙623を介して抜け出てオリフィス100を経て外部に噴射されてもよい。
【0063】
ステム70は、シリンダ40とボタン60とを接続し、ハウジング30の内壁に密着された状態でシリンダ40とともに昇降する。ステム70は、中空状を呈していてもよく、内側にシリンダ40がしばり嵌めされてシリンダ40と一体に昇降することができる。
【0064】
ステム70の外面にはシールキャップ50と同様に板膜が設けられて、ハウジング30の内壁に密着されてもよい。したがって、ステム70とシールキャップ50との間の空間は、上方又は下方から離れることができる。
【0065】
但し、ステム70とシールキャップ50との間の空間は、上述した第2の空間を介して容器本体10の内部に連通されていてもよく、これにより、ステム70とシールキャップ50との間の空間が縮小可能になる。
【0066】
ステム70の板膜には第2の弾性部材71の上端が支持されてもよく、第2の弾性部材71の下端はシールキャップ50の上側に支持されてもよい。したがって、第2の弾性部材71は、ステム70とシールキャップ50との間に設けられてステム70を基準としてシールキャップ50を下降させる弾性力を有するので、ステム70の下降に際して、第2の弾性部材71によりシールキャップ50もまた同時に下降することができる。
【0067】
但し、シールキャップ50は、ステム70と構造的に一体化されて下降するわけではないため、ハウジング30の内部空間の圧力が第2の弾性部材71の弾性力よりも大きくなると、ステム70及びシリンダ40の下降にも拘わらず、シールキャップ50は下降することなく、シリンダ40に比べて上昇して中身の排出が行われる。
【0068】
アンダキャップ80は、スクリュキャップ11又はハウジング30に結合され、ステム70の周りを縁取る。アンダキャップ80は、ステム70とハウジング30との間に異物が流れ込むことを防ぐように設けられてもよく、但し、ステム70との間を介して空気が容器本体10に流れ込むようにしてもよい。
【0069】
中身が外部に排出された後、容器本体10からハウジング30の内部空間へと中身が詰め込まれると、容器本体10の内部圧力が小さくなる。このとき、アンダキャップ80とステム70との間の隙間を経て空気がハウジング30の第1の孔32を介して容器本体10に流れ込むことができる。
【0070】
オリフィス100は、ボタン60の出口611に設けられて中身が霧状に噴射されるようにする。オリフィス100については、図6から図10に基づいて詳しく説明する。
【0071】
図6は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの断面図であり、図7は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの斜視図であり、図8は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの正面図である。
【0072】
図6から図8を参照すると、オリフィス100は、ボタン60の出口611の内壁に密着されるようにする形状(例えば、蛇腹状など)などの外面を有し、流れ込み部110と、リング部120と、吐き出し路130と、羽根部140と、吐き出し口150と、を含んでいてもよい。
【0073】
流れ込み部110は、ノズル62が嵌入する中空の円筒状を呈し、ノズル62の周りを介して中身が流れ込む。具体的に、流れ込み部110は、円錐台と円柱とが組み合わせられた形状を呈し、前方に向かって進むにつれて内径が縮径していて、一定に保たれるような形状を呈していてもよく、流れ込み部110の内面は、ノズル62に設けられた突出部622の外面と当接しながら、中身がノズル62の間隙623を介してのみ流れるようにしてもよい。
【0074】
すなわち、中身は、流れ込み部110から間隙623に対応する周りの部分を介して流れ、次いで、流れ込み部110の前面111に形成されたリング部120などを経て外部に噴射される。
【0075】
リング部120は、流れ込み部110の前面111の周りから吐き出し方向に向かって一定の深さに見合う分だけ凹む。リング部120は、間隙623を介して引き渡される中身が流れ込む部分であり、中身は、リング部120を経て羽根部140を介して吐き出し路130に引き渡されることが可能になる。
【0076】
リング部120は、後述する小径部133の直径に比べて0.7~1.5倍の深さを有していてもよい。例えば、小径部133の直径が0.15~0.25φであるとき、リング部120の凹み深さは、0.1mm~0.3mm、好ましくは、0.2mmであってもよい。
【0077】
また、リング部120の深さは、吐き出し路130において大径部131の直径に比べて0.1~0.3倍の深さを有していてもよい。例えば、大径部131の直径は0.7φであり、リング部120の深さは0.2mmであってもよい。
【0078】
さらに、リング部120の凹み深さは、後述する吐き出し口150の深さに比べて0.3~0.7倍であってもよく、例えば、吐き出し口150の深さは0.4mmであり、リング部120の深さは0.2mmであってもよい。なお、リング部120の凹み深さは、大径部131に連通される羽根部140の幅よりも大きくてもよく、これについては後述する。
【0079】
吐き出し路130は、リング部120の中心に設けられ、前方に向かって進むにつれて断面積が小さくなるような形状を呈する。具体的に、吐き出し路130は、前後方向に断面積が一定しており、周りに後述する羽根部140が接続される大径部131と、大径部131から前端に向かって延びながら、断面積が小さくなる縮管部132と、縮管部132の前端に接続され、前後方向に断面積が一定しており、後述する吐き出し口150に接続される小径部133と、を有していてもよい。
【0080】
大径部131の直径は、小径部133の直径に比べて2~5倍であってもよい。例えば、大径部131の直径は0.7φであってもよく、小径部133の直径は0.15~0.25φであってもよい。いうまでもなく、大径部131と小径部133の直径の数値を上記の範囲に限定するわけではなく、中身の噴霧が円滑に行われる限り、その数値は種々に変更可能である。
【0081】
大径部131の前後方向の深さは、リング部120の深さに等しいかあるいはそれよりも大きくてもよく、リング部120の深さは、羽根部140の深さに等しくてもよいため、大径部131の深さは、羽根部140の深さに等しいかあるいはそれよりも大きくてもよい。
【0082】
縮管部132と大径部131の高さは略同一であってもよく、但し、小径部133の高さは、大径部131よりも、例えば、0.3~0.7倍小さくてもよい。但し、吐き出し路130は、縮管部132を基本的に備え、大径部131と小径部133のうち少なくともどちらか一方を省略するように設けられてもよい。
【0083】
羽根部140は、リング部120から吐き出し路130に向かって延びる羽根部140は、2以上の複数(好ましくは、2つ)設けられてもよく、リング部120から大径部131の周りに接するように延びてもよい。すなわち、羽根部140は、吐き出し路130の中心ではなく、大径部131の外面に向かって延びるような形状に設けられてもよい。したがって、羽根部140は、吐き出し路130からリング部120へと向かう放射状の方向と一定の角度だけ傾くように設けられてもよい。
【0084】
羽根部140は、リング部120に接続される一方の端から吐き出し路130に接続される他方の端に向かって進むにつれて断面積が小さくなるような形状を呈していてもよい。大径部131に連通された羽根部140の終端の幅は、リング部120の深さよりも小さく、特に、小径部133の直径よりも小さくてもよい。
【0085】
例えば、小径部133の直径が0.15φ以上であるとき、羽根部140の終端の幅は、0.14mm内外の数値を有していてもよいが、数値を上記の範囲に特に限定するわけではない。
【0086】
図9は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスにおける中身の排出経路を浮彫にして表わした斜視図である。
【0087】
図9を参照すると、中身は、ノズル62の間隙623を介してリング部120に流れ込んだ後、羽根部140に沿って吐き出し路130の大径部131に流れ込むことができる。次いで、中身は、大径部131から縮管部132、小径部133を経て後述する吐き出し口150を介して外部に噴射されることができる。
【0088】
吐き出し口150は、吐き出し路130の前端に設けられる構成要素である。吐き出し口150については、図10に基づいて詳しく説明する。
【0089】
図10は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器のオリフィスの背面斜視図である。
【0090】
図10を参照すると、吐き出し口150は、吐き出し路130の前端に設けられ、平らな後面151を有していてもよい。吐き出し口150の形状は、種々さまざまであってもよい。例えば、弧状であってもよく、弧状ではなく、後面151が平らであり、かつ、後面151に比べて折り曲げられた周面152が形成された形状を呈していてもよい。
【0091】
本発明の一実施形態に係る吐き出し口150は、後面151に比べて周面152が垂直に折り曲げられた形状を呈し、円柱状を呈していてもよい。すなわち、後面151が後方に凸状に突出した皿状の代わりに、後面151が平らな円柱状を呈する。
【0092】
このとき、吐き出し口150の前後方向の深さは、リング部120の深さよりも大きくてもよく、かつ、大径部131の深さよりも大きくてもよい。但し、吐き出し口150の深さは、吐き出し路130の全体の深さよりも小さくてもよい。
【0093】
例えば、前述したように、吐き出し口150の深さは0.4mmであってもよく、これは、リング部120の深さである0.2mmに比べて約2倍内外であってもよい。なお、吐き出し口150の深さは小径部133の直径よりも大きくてもよく、約1.5~3倍大きく形成されてもよい。
【0094】
吐き出し口150の断面積は、流れ込み部110の断面積よりも小さく、かつ、吐き出し路130の断面積よりも大きくてもよい。また、吐き出し口150の直径は、大径部131の直径に比べて3~4倍であり、小径部133の直径に比べて10~20倍である約2.5φ内外であってもよい。
【0095】
本発明は、吐き出し口150の形状を既存では見当たらない円柱状にし、かつ、吐き出し口150の断面積を比較的に大きく確保することにより、小径部133を経て噴射される中身が吐き出し口150に液滴として形成されないようにでき、液滴によりまるで水漏れが生じるかような不良状態と誤認されてしまうという従来の不都合を解消することができる。
【0096】
本発明は、オリフィスの形状と数値などの諸元を上記のように改善することにより、40±10°の噴射角度を有し、かつ、1回の吐き出し当たりに0.15±0.02mlの吐き出し量を示すことができ、約80cm以上の噴射距離を確保することができるということを実験を通じて確認した。
【0097】
これは、従来に比べて噴射角度を狭めながら、細かい粒子が遠く噴射されることにつながることを確認し、これにより、この実施形態は、使用者の肌などに中身を噴射するとき、ソフトな使用感を与えて使用者の満足度を極大化させることができる。
【0098】
以下では、図11図15に基づいて、本発明の一実施形態に係るスプレー容器1の噴射過程について説明する。
【0099】
図11は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図(容器本体10を除く)であり、ボタン60を押下していない初期の状態を示す。
【0100】
図11を参照すると、ボタン60が押下されていない状態で、シリンダ40とステム70及びボタン60は第1の弾性部材43により最も高い位置に置かれており、但し、第2の弾性部材71によりシールキャップ50はステム70から下方に押されてシリンダ40の円環枠42に当接して流れ込み口41を密閉する。
【0101】
図12は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図(容器本体10を除く)であり、ボタン60を1次的に押下した状態を示す。
【0102】
図12を参照すると、ボタン60を押下してステム70とシリンダ40とを下降させると、第1の弾性部材43は押し縮められ、但し、シールキャップ50の場合、たとえハウジング30の内壁に密着されているとしても、上端がステム70により支持された第2の弾性部材71によりシールキャップ50もまたシリンダ40の流れ込み口41を密閉した状態を保ちつつ下降する。
【0103】
この場合、シリンダ40の下側のハウジング30の内部空間は、シリンダ40とシールキャップ50の下降により体積が小さくなりながら圧力が高くなる。
【0104】
図13は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図(容器本体10を除く)であり、ボタン60を2次的に押下した状態を示す。
【0105】
図13を参照すると、ボタン60をさらに押下すると、ハウジング30の内部空間の圧力が十分に高くなって、第2の弾性部材71の弾性力よりもハウジング30の内部空間の圧力の方がさらに大きくなる。
【0106】
したがって、ハウジング30の内部空間の圧力により第2の弾性部材71が押し縮められながらシールキャップ50がシリンダ40を基準として上昇して、シリンダ40が流れ込み口41から上方にずれて流れ込み口41が開かれることが可能になる。このとき、ステム70とシールキャップ50との間の空間の空気は、第2の孔33を介して容器本体10の内部に流れ込むことができる。
【0107】
ハウジング30の内部空間は既に押し縮められていた状態であるため、中身は流れ込み口41を開いたときに高速にてシリンダ40の内部及びステム70の内部を通ってボタン60の流路61を経てノズル62とオリフィス100とを介して霧状となって外部に噴射される。
【0108】
図14は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図(容器本体10を除く)であり、ボタン60を1次的に押下した状態を示す。
【0109】
図14を参照すると、ボタン60への押下を解除すると、第1の弾性部材43がシリンダ40を押し上げ、かつ、ハウジング30の内部空間は中身の排出により圧力が低下されていたため、第2の弾性部材71によりシールキャップ50は再び流れ込み口41を閉塞する向きに動く。
【0110】
この場合、シールキャップ50は、シリンダ40の円環枠42に載置されるまで第2の弾性部材71の弾性力を受けてステム70から遠ざかる方向に動き、ステム70とシールキャップ50との間の空間には第2の孔33を介して空気が流れ込むことができる。
【0111】
図15は、本発明の一実施形態に係るスプレー容器の断面図(容器本体10を除く)であり、ボタン60を2次的に押下した状態を示す。
【0112】
図15を参照すると、シリンダ40の円環枠42にシールキャップ50が載置された状態で第1の弾性部材43がシリンダ40をさらに押し上げると、シールキャップ50とシリンダ40とが一緒に上昇しながらハウジング30の内部空間の体積が大きくなる。
【0113】
このとき、ハウジング30の内部空間の圧力の減少により自然に球312が持ち上げられて、吸い込み口31を介してハウジング30の内部に中身が吸い込まれる。また、これと同時に、容器本体10内から中身が抜け出ることにより圧力が小さくなることを補償するために、外部の空気がステム70の板膜よりも上側に位置している第1の孔32を介して流れ込むことができる。
【0114】
次いで、図11に示す状態に戻ると、再びボタン60が押下されて中身が吐き出し可能な状態になることができる。
【0115】
以上、本発明を具体的な実施形態を挙げて詳しく説明したが、これは、単に本発明を具体的に説明するためのものに過ぎず、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当該分野における通常の知識を持った者によりその変形や改良が可能であるということは明らかであるといえる。
【0116】
本発明の単なる変形ないし変更は、いずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15