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<図1>
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図1
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図2
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図3a
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図3b
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図3c
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図3d
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図4
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図5
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図6a
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図6b
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図7a
  • 特許-二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ 図7b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】二重偏波アンテナ及びアンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20221108BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020562161
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 KR2019005678
(87)【国際公開番号】W WO2019216721
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2018-0053659
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0055134
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ウン セオ
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン ソク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】オ ソン チェ
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-244718(JP,A)
【文献】特表2008-505569(JP,A)
【文献】特開2005-318438(JP,A)
【文献】特表2015-511796(JP,A)
【文献】特開2002-374121(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045966(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップ面およびボトム面を含むトップ壁と、
前記トップ壁のボトム面の外縁から前記ボトム面よりも下方に延びることで前記ボトム面を取り囲むように一定の高さを有する側壁とを備え、
前記トップ面は、放射パッチを含み、
前記ボトム面には、プローブが形成され、
前記側壁は、前記プローブをとり囲むように、一定の高さを有するように形成され、
前記側壁は、その外周面を取り囲むように形成されたカップ形状のアルミニウム構造物を含み、
前記トップ壁と、前記側壁とは、一体的に形成されている、二重偏波アンテナ。
【請求項2】
前記ボトム面は長方形状を有しており、
前記プローブは、前記長方形状のボトム面の各コーナーから中心方向を向くように形成することを特徴とする、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項3】
前記二重偏波アンテナは、前記側壁の開放端側の外周に沿って前記トップ壁の方向に一定の角度を有して延びるように形成する遮蔽壁部をさらに含み、
前記遮蔽壁部に、アルミニウム構造物を形成することを特徴とする、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項4】
前記放射パッチの面積は、前記トップ面の面積と同一か、あるいは小さく形成し、長方形、ひし形、円形、三角形、八角形のうち、いずれかの形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項5】
前記プローブは、「L」字状であることを特徴とする、請求項1に記載の二重偏波アンテナ。
【請求項6】
請求項1に記載の二重偏波アンテナが平面上にアレイの形態で複数個配列され、前記各二重偏波アンテナの間隔は0.5ラムダ以上であることを特徴とする、二重偏波アンテナアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重偏波アンテナ及びアンテナアレイに関し、カップ(Cup)状のアルミニウム構造物を含み、単純化した工程で製作が可能な二重偏波アンテナ及びアンテナアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、アップリンク(uplink、UL)及びダウンリンク(downlink、DL)を含む。基地局(base station、BS)は、ダウンリンクを介してユーザー機器(user equipment、UE)に信号を送信することができ、ユーザー機器はアップリンクを介して基地局に信号を送信することができる。デュプレックス通信をサポートすると、アップリンク及びダウンリンク上で信号の並列伝送によって生じる相互干渉を避けるためには、アップリンク信号とダウンリンク信号を分離しなければならない。
【0003】
現在、無線通信システムで用いられるデュプレックスモードは、周波数分割デュプレックス(frequency division duplexing、FDD)及び時分割デュプレックス(time division duplexing、TDD)を含む。周波数分割デュプレックスモードでは、アップリンク及びダウンリンクで他の搬送波周波数が用いられ、周波数案内区間を使用してアップリンク信号をダウンリンク信号から分離し、これにより、同時的な周波数間フルデュプレックス通信を実現する。時分割デュプレックスモードでは、アップリンク及びダウンリンクで他の通信時間が用いられ、時間案内区間を使用して受信信号と送信信号を分離し、これにより、共通周波数及び非同期ハーフデュプレックス通信を実現する。ユーザーによって検知される時間と比較すると、時間デュプレックスモードで使用する時間案内区間は極めて短く、時間デュプレックスモードは、時折フルデュプレックス通信をサポートすることが考慮される。
【0004】
理論的に、フルデュプレックス技術を使用する無線通信システムにおいて、アップリンク及びダウンリンクで同じ時間及び同じ周波数が用いられ、スペクトル効果が倍増になる。しかしながら、フルデュプレックス技術は、現在研究中で実験段階にあり、リモート端からの無線信号を受信するときに局部的自己干渉信号の影響を効果的に低減することがまだフルデュプレックス技術で解決しなければならない重要な技術的課題である。現在の研究方向は、2つのタイプを含み、1つは、RFモジュールで処理する信号で局部的自己干渉信号を除去することであり、他の1つは、RFモジュールに入ってくる局部的自己干渉信号の強度が減少するように、アンテナからの最適化である。
【0005】
一般的な基地局のアンテナは、利得に基づいて垂直方向に単一のアンテナ素子を配列し、これをつなぐ回路を具現して1つのコネクタにつながる構造である。このような構造では、単一素子の特性よりも、全体の配列で合成されたビームパターン及びRF特性が性能判別の基準となる。大容量マイモ(Massive Multi Input Multi Output、 Massive MIMO)では、少なくは1つのデバイスが直にコネクタにつながり、システムに応じて水平、垂直、または任意のグループを形成してMIMOアンテナの機能を実行する。マクロ(Macro)配列アンテナとは異なり、単一のアンテナ素子のビームパターン、RFの性能によって全体システムの性能が左右されるので、単一の素子特性の重要度が高くなる。
【0006】
大容量マイモでのアンテナは小型化、低プロファイル(Low profile)を具現するために接地面積が限られており、平面状を成す。このような条件により、隣接アンテナ素子との影響が相対的に大きくなるので主偏波(Co-pol)、交差偏波(X-pol)アイソレーション(isolation)劣化現象が著しく現れる。また、素子の接地面の非対称性によりビームパターンの歪み及び非対称、XPD(交差偏波識別度)が低下し、全体の構造で外郭と中心にあるアンテナ素子のビーム特性が一定でないという問題がある。
【0007】
図1は、マクロアレイアンテナの構造を概略的に示す図であり、図2は、大容量マイモアンテナ構造を概略的に示す図である。
【0008】
図1を参照すると、マクロアレイアンテナは、同一帯域基準に最大8つのコネクタを有し、各コネクタは、垂直方向に多数がつながる。垂直方向のビーム特性は、アレイファクタ(Array Factor)によって決まる。水平ビーム特性は、アンテナ素子の左右に曲げ部のあるパネルを具現することで特性を改善することができる。 RF特性においては、コネクタとの接続部を中心にマッチング回路を具現して改善が可能であり、局部的な改善構造物を介してアイソレーションを改善することができる。
【0009】
図2にA部を介して確認できるように、大容量マイモアンテナでは、少なくとも1つのアンテナ素子が入出力コネクタを有するので、マッチング回路を具現するのに限界がある。アンテナ素子が垂直水平にカップリングが起こり、これを抑圧するための回路を個別に具現するのに制限がある。また、曲げ部を有するパネルを具現することが難しく、アンテナ素子の位置によって接地面の非対称性に起因するビームパターンの歪みが起こる。
【0010】
したがって、アンテナ素子間の相互影響を極力抑え、個々のアンテナ素子の特性を均一に保つようにする構造を開発する必要がある。全体配列の大きさ及び素子の高さを増加させることなくビームパターン、アイソレーションを改善するためにカップ状の構造が効率的である。ただし、大容量のマイモで素子の個数が多く、アンテナ素子間のスペースが狭いので、単純化した工程で安定した特性を導出できる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するために提案するものであり、アンテナ素子間の相互影響を極力抑え、個々のアンテナ素子の特性を均一に保つことができるようにする二重偏波アンテナ及びアンテナアレイを提供することにある。
【0012】
また、本発明は、カップ(Cup)状のアルミニウム構造物を含み、単純化した工程で製作が可能になるようにする二重偏波アンテナ及びアンテナアレイを提供することにある。
【0013】
また、本発明は、従来のアセンブリとは異なり、一体型で具現して構造的安定性及び均一性の確保が容易になるようにするだけでなく、工程上の自動化により、手作業に比べ、画期的な時間短縮を可能にする二重偏波アンテナ及びアンテナアレイを提供することにある。
【0014】
本発明の目的は、以上で言及したものに限られず、言及していない他の目的は、下の記載から、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記のような目的を達成するための本発明に係る二重偏波アンテナは、放射パッチ(patch)を備えるトップ部、プローブ(probe)を形成するボトム部、及び、前記トップ部の外周面に沿って一定の高さを有するように形成されるサイド部を含み、前記サイド部はカップ(cup)状のアルミニウム構造物を含み、前記トップ部、前記ボトム部、及び前記サイド部は一体に形成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、アンテナ素子間の相互影響を極力抑え、個々のアンテナ素子の特性を均一に保つようにする。
【0017】
また、本発明によると、カップ(Cup)状のアルミニウム構造物を含み、単純化した工程で製作が可能になる。
【0018】
また、本発明によると、従来のアセンブリとは異なり、一体型で具現して構造的安定性及び均一性の確保が容易になるだけでなく、工程上の自動化によって手作業に比べ、画期的な時間短縮が可能になる。
【0019】
本発明の効果は以上で言及したもので限られず、言及していない他の効果は以下の記載から、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】マクロアレイアンテナの構造を概略的に示す図である。
図2】大容量マイモアンテナ構造を概略的に示す図である。
図3a】本発明の一実施例に係るアンテナ素子の正面斜視図である。
図3b】本発明の一実施例に係るアンテナ素子の背面斜視図である。
図3c】本発明の一実施例に係るアンテナ素子からボトム部のパターニング構成を示すための透視図である。
図3d】本発明の一実施例に係るアンテナ素子のグランド構成を示すための透視図である。
図4】本発明の一実施例に係るアンテナ素子を配置した一例の側面図である。
図5】本発明の一実施例に係るアンテナ素子を配置した一例の等角図である。
図6a】本発明の他の実施例に係るアンテナ素子の正面斜視図である。
図6b】本発明の他の実施例に係るアンテナ素子の背面斜視図である。
図7a】従来技術によるアンテナ素子についてのアンテナ放射パターンを示す図である。
図7b】本発明に係るアンテナ素子についてのアンテナ放射パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の構成及び効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定するものではなく、様々な形で具現することができ、様々な変更を加えることができる。ただ、本実施例についての説明は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供したものである。添付した図面での構成要素は、説明の便宜のためにその大きさを実際より拡大して図示したものであり、各構成要素の比率は誇張、もしくは縮小する場合がある。
【0022】
ある構成要素が他の構成要素「の上に」ある、または「に接して」あると記載した場合、他の構成要素の上に直接接するか、またはつながり得るが、その間に別の構成要素が存在し得ると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素の「すぐ上に」ある、または「直接接して」あると記載した場合には、その間に他の構成要素が存在しないことが理解できる。構成要素間の関係を説明する他の表現、例えば、「~の間に」と「直接~の間に」なども同様に解釈できる。
【0023】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いられるが、前記の構成要素は、前記の用語によって限定してはならない。前記の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためだけに用いられる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せず、第1の構成要素は、第2の構成要素として命名し得るし、同様に第2の構成要素も第1構成要素として命名し得る。
【0024】
単数の表現は、文脈上明らかに異なるように表現しない限り、複数の表現を含む。「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが加わり得ると解釈することができる。
【0025】
本発明の実施例で用いられる用語は、異なるように定義しない限り、当該技術分野における通常の知識を有する者に通常知られている意味で解釈する。
【0026】
図3aは、本発明の一実施例に係るアンテナ素子の正面斜視図であり、図3bは、本発明の一実施例に係るアンテナ素子の背面斜視図である。一方、図3cは、本発明の一実施例に係る、アンテナ素子からボトム部のパターニング構成を示すための透視図であり、図3dは、本発明の一実施例に係るアンテナ素子のグランド構成を示すための透視図である。
【0027】
図3a及び図3bを参照すると、本発明の一実施例に係るアンテナ素子1は、トップ(top)部10は、ボトム(bottom)部20、及びサイド(side)部30を含み、各構成が一体を形成する誘電体構造を有する。
【0028】
まず、トップ部10は、トップ部10の面積と同一、もしくはより小さい面積を有する放射パッチ(patch)11を備える。
【0029】
ここで、放射パッチは金属の性質を有し、長方形、ひし形、円形などの様々な形で具現することができる。また、RF特性の改善のために、任意の形状に変更が可能であり、一部にスロットの形態を含むことができる。
【0030】
一方、放射パッチ11は、トップ部10は、ボトム部20及びサイド部30が結合した誘電体構造の上にLDS(Laser Direct Structuring)技術などをベースにしたレーザー(Laser)により表面加工、すなわち、エッチングすることで、直接金属(metal)の性質を有するようにしたり、別途の金属構造物を製作した後に融着させる方法で具現することができる。
【0031】
ボトム部20は、プローブ(probe)21を形成するが、このとき、各プローブは、長方形状のボトム部20の各コーナーから中心方向を向くように形成する。たとえ、図3bでは、「L」字状のプローブを示したが、これは、プローブの基本形状であるだけで、RF特性の改善のために様々な形状でも具現が可能である。一方、プローブ21の一面にパターニング部22を形成して給電信号がつながるようにする。
【0032】
サイド部30は、トップ部の外周面に沿って一定の高さを有するように形成する。このとき、サイド部30は、アイソレーション及び交差偏波を防止するためにカップ(Cup)状のアルミニウム構造物を含むが、このアルミニウム構造物は、サイド部30の外周面を取囲むように形成するアルミ材質の構造物である。また、このアルミニウム構造物は、RF特性の改善を目的とし、アンテナ素子1の高さと同じ高さ、または低い高さで具現することができ、鋸歯形態またはスロット形態で具現が可能なだけでなく、FSS(Frequency Selective Surface)の性質を有するパターンで具現することもできる。
【0033】
このアルミニウム構造物は、金属メッキを介して形成したり、LDS(Laser Direct Structuring)技術などをベースにしたレーザー(Laser)による表面加工、すなわち、エッチングすることにより、直接金属(metal)の性質を有するようにすることができる。または、別途の金属構造物を製作した後に融着させる方法で具現することができる。つまり、アルミニウム構造物は、金属をメッキする第1の方式、レーザーによって表面を加工する第2の方式、及び別途の金属構造物を融着させる第3の方式のうちのいずれかの方式を用いて形成することができる。
【0034】
しかし、図3a及び図3bに示した一体型のアンテナ素子は、一実施例に該当するだけで、PCBで構成して結合型で構成してもよい。この結合型の場合には、いつでもPCBのみを交換すれば帯域変更が可能である。
【0035】
図3cを参照すると、アンテナ素子1は、ボトム部20にパターニングをするが、この時、パターニングはボトム部20のプローブ21上で行われ、図3dを参照すると、アンテナ素子1は、トップ部10及びサイド部30にグラウンドを形成する。
【0036】
このような構成のアンテナ素子は、例えば、33大容量マイモシステムが具現されるPCB(Printed Circuit Board)上に具現することができ、その回路は、プローブとはんだ付けでつなぐことができる。一方、RF信号は、PCBからのプローブに渡され、電磁気的カップリングに通じて放射パッチにRF信号が誘起される。このように誘起されたRF信号は、放射パッチを介して空間に放射され、アンテナの役割を遂行することになる。
【0037】
図4は、本発明の一実施例に係るアンテナ素子を配置した一例の側面図である。
【0038】
一般的に、大容量マイモアンテナの配列間隔は、最小の0.5ラムダ(lamda)以上であることで、図4は、最小の0.5ラムダの配置で干渉がなく、十分な特性を有するように最適化した構造を一例として示したものである。アルミニウム構造物を含む単一のアンテナ素子で最適化した反射特性で配列間隔が広くなるにつれて大きな影響がない。また、一般的に配列間隔が広くなるにつれてアイソレーションは大きくなる方向に収束する。
【0039】
最小間隔で配置して最適化した放射パターンを配列間隔が広くなるにつれ、アレイファクターによる理論的なアレイ特性に収束することになる。
【0040】
図5は、本発明の一実施例に係るアンテナ素子を配置した一例の等角図である。
【0041】
図5を参照すると、単一のアンテナ素子は、0.5ラムダ以上の離間距離Lで水平及び垂直で自由に配置が可能であり、垂直及び水平間の離間距離は、同一または異なってよい。たとえば、同一な行と列で配置も可能であり、千鳥状の置も可能であり、その配置には制限がない。このとき、離間距離Lは、アイソレーションに最適化した長さである。
【0042】
つまり、二重偏波アンテナが平面上にアレイの形で複数個配列され、それぞれの二重偏波アンテナの間隔を0.5ラムダ以上にして二重偏波アンテナアレイを構成することができる。
【0043】
ここで、アンテナ素子1とサイド部30の特性を合わせてあるため、グラウンド(Ground)に影響がなく、まずはサイド部30が形成され、放射パターンのサイズが、その特性に合わせて決められる。
【0044】
図6aは、本発明の他の実施例に係るアンテナ素子の正面斜視図であり、図6bは、本発明の他の実施例に係るアンテナ素子の背面斜視図である。
【0045】
図6a及び図6bを参照すると、本発明の他の実施例に係るアンテナ素子2は、図3a及び図3bに示したアンテナ素子1の構造と基本的に同じであるが、さらに遮蔽壁部40を含む。このとき、遮蔽壁部40は、ボトム部20の外周面からトップ部10の方向に一定の角度を有して延びるように形成される。この他の実施例に係るアンテナ素子2の場合には、サイド部30でなく、遮蔽壁部40がカップ状のアルミニウム構造物を含むようにする。
【0046】
同様に、このアルミニウム構造物は、金属メッキによって形成したり、LDS(Laser Direct Structuring)技術などをベースにしたレーザー(Laser)によって表面加工、すなわち、エッチングすることで、直接金属(metal)の性質を有するようにすることができる。または、別途の金属構造物を製作した後に融着させる方法で具現してよい。
【0047】
このアンテナ素子2の1つのビーム幅の角度は60°ないし65°になってよく、このとき、ビーム幅は遮蔽壁部40の角度に応じて変更してよい。
【0048】
一方、Bの部分内の全体を誘電体で満たし、アンテナ素子2がパターニングで形成される構造が可能になるようにする。
【0049】
図7aは、従来技術によるアンテナ素子に対するアンテナの放射パターンを示す図であり、図7bは、本発明に係るアンテナ素子に対するアンテナの放射パターンを示す図である。
【0050】
図7a及び図7bを参照すると、本発明に係るアンテナ素子によると、後方比(F/B ratio)が改善される。既存の放射パターンで130°での後方比15dBcから25dBc以上に改善され、側後方のセクター(sector)との干渉が解決される。XPDにおいても0°基準で、既存の放射パターンで15dBcから25dBc程度に改善されてマイモ効果を向上させることができる。
【0051】
さらに、本発明は、アンテナ素子は従来のアセンブリとは異なるように一体型で具現され、構造的安定性及び均一性の確保が可能である。大容量マイモシステムを具現したPCBに実装するにあたり、自動化工程が適用可能な構造であるため、手作業による誤組み立ての防止が可能であり、組み立ての品質安定性の確保が可能である。前記すべての工程上における自動化が可能であり、手作業に比べて画期的な時間短縮が可能である。
【0052】
本明細書と図面には、本発明の好適な実施例について開示しており、たとえ特定の用語が用いられたが、これは単に本発明の技術内容を分かりやすく説明して発明の理解を助けるための一般的な意味で用いたのであって、本発明の範囲を限定するものではない。ここに開示した実施例の他にも、本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明である。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b