(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】カバレッジ拡張を伴うアップリンクチャネル設計
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20221108BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20221108BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20221108BHJP
【FI】
H04W28/18 110
H04W72/02
H04W74/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021012978
(22)【出願日】2021-01-29
(62)【分割の表示】P 2019124409の分割
【原出願日】2014-09-12
【審査請求日】2021-02-26
(32)【優先日】2013-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ハオ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ワンシ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ティンファン・ジ
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-530434(JP,A)
【文献】国際公開第2010/034354(WO,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated,RACH Channel Design for MTC Coverage Enhancements [online],3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140447,2014年02月01日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76/Docs/R1-140447.zip>
【文献】Samsung,Discussion on TTI bundling [online],3GPP TSG-RAN WG2♯83 R2-132543,2013年08月09日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132543.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 -H04B 7/26
H04W 4/00 -H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定すること、ここにおいて、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、と、
前記決定されたバンドリングサイズに従って、前記RACHプロシージャを実行することと、
を備える方法。
【請求項2】
競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、ダウンリンク経路損失の推定に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、基地局によって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RACHプロシージャは、基地局によって指示され、
前記基地局は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において前記RACHプロシージャのために使用すべきバンドリングサイズを示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されるメモリと、
前記メモリに記憶される命令と
を備え、前記命令は、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定すること、ここにおいて、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、と、
前記決定されたバンドリングサイズに従って、前記RACHプロシージャを実行することと、
を行うように前記プロセッサに実行可能である、装置。
【請求項6】
競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、ダウンリンク経路損失の推定に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項5に記載の
装置。
【請求項7】
非競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、基地局によって示される、請求項5に記載の
装置。
【請求項8】
前記RACHプロシージャは、基地局によって指示され、
前記基地局は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において前記RACHプロシージャのために使用すべきバンドリングサイズを示す、
請求項5に記載の
装置。
【請求項9】
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための装置であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定するための手段、ここにおいて、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、と、
前記決定されたバンドリングサイズに従って、前記RACHプロシージャを実行するための手段と、
を備える装置。
【請求項10】
競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、ダウンリンク経路損失の推定に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
非競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、基地局によって示される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記RACHプロシージャは、基地局によって指示され、
前記基地局は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において前記RACHプロシージャのために使用すべきバンドリングサイズを示す、
請求項9に記載の装置。
【請求項13】
記録されたプログラムを有するコンピュータ読み出し可能な記録媒体、ここにおいて、該プログラムは、コンピュータに請求項1~4の何れか一項に記載の方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、本出願の譲受人に譲渡された、2013年9月13日に出願された「カバレッジ拡張を伴うアップリンクチャネル設計(UPLINK CHANNEL DESIGN WITH COVERAGE ENHANCEMENTS)」という名称の米国特許仮出願第61/877,920号の利益を主張し、この米国特許仮出願の内容は、参照によって本願に援用される。
【0002】
[0002]本開示の特定の態様は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、アップリンクチャネルのカバレッジ拡張のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ワイヤレス通信システムが、音声やデータなどのさまざまなタイプの通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅および送信パワー)を共有することによってマルチプルなユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムであり得る。このような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、LTE(登録商標)アドバンストシステムを含む第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))ロング・ターム・エボリューション(LTE)、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。
【0004】
[0004]一般に、ワイヤレス多元接続通信システムは、マルチプルなワイヤレス端末のための通信を同時にサポートすることができる。各々の端末が、順方向リンクおよび逆方向リンクにおける伝送によって1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(または、ダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(または、アップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、1入力1出力、多入力1出力、または多入力多出力(MIMO)システムによって確立され得る。
【0005】
[0005]ワイヤレスデバイスは、ユーザ機器(以下、「UE」)およびリモートデバイスを備える。UEは、人間による直接制御のもとで動作するデバイスである。UEのいくつかの例は、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、ネットブック、タブレット、ウルトラブック、スマートブック、などを含む。リモートデバイスは、人間によって直接制御されることなく動作するデバイスである。リモートデバイスのいくつかの例は、センサ、メータ、モニタ、ロケーションタグ、などを含む。リモートデバイスは、基地局、UE、別のリモートデバイス、または何らかの他のエンティティと通信し得る。マシン型通信(MTC)は、通信の少なくとも1つのエンドに少なくとも1つのリモートデバイスが関与する通信を指す。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の特定の態様は、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための方法を提供する。この方法は、一般に、目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値(power difference value)を決定することと、決定された差に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択することと、選択されたバンドリングサイズに従ってアップリンク伝送を送信することと、を含む。
【0007】
[0007]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値を決定することと、決定された差に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択することと、選択されたバンドリングサイズに従ってアップリンク伝送を送信することと、を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0008】
[0008]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値を決定するための手段と、決定された差に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択するための手段と、選択されたバンドリングサイズに従ってアップリンク伝送を送信するための手段と、を含む。
【0009】
[0009]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な媒体を備え、一般に、目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値を決定するためのコードと、決定された差に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択するためのコードと、選択されたバンドリングサイズに従ってアップリンク伝送を送信するためのコードと、を含む。
【0010】
[0010]本開示の特定の態様は、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための方法を提供する。この方法は、一般に、第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信することと、第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを調節することと、を含む。
【0011】
[0011]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信することと、第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを調節することと、を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0012】
[0012]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信するための手段と、第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを調節するための手段と、を含む。
【0013】
[0013]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な媒体を備え、一般に、第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信するためのコードと、第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを調節するためのコードと、を含む。
【0014】
[0014]本開示の特定の態様は、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための方法を提供する。この方法は、一般に、バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを用いるアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定することと、決定された送信パワーレベルに従って、アップリンク伝送を送信することと、を含む。
【0015】
[0015]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを用いるアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定することと、決定された送信パワーレベルに従って、アップリンク伝送を送信することと、を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0016】
[0016]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを伴うアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定するための手段と、決定された送信パワーレベルに従って、アップリンク伝送を送信するための手段と、を含む。
【0017】
[0017]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な媒体を備え、一般に、バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを用いるアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定するためのコードと、決定された送信パワーレベルに従って、アップリンク伝送を送信するためのコードと、を含む。
【0018】
[0018]本開示の特定の態様は、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための方法を提供する。この方法は、一般に、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定することであって、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、決定することと、決定されたバンドリングサイズに従って、RACHプロシージャを実行することと、を含む。
【0019】
[0019]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定することであって、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、決定することと、決定されたバンドリングサイズに従って、RACHプロシージャを実行することと、を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0020】
[0020]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のための装置を提供する。この装置は、一般に、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定する手段であって、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、決定する手段と、決定されたバンドリングサイズに従って、RACHプロシージャを実行するための手段と、を含む。
【0021】
[0021]本開示の特定の態様は、UEによるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な媒体を備え、一般に、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定するためのコードであって、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、コードと、決定されたバンドリングサイズに従って、RACHプロシージャを実行するためのコードと、を含む。
【0022】
[0022]上述の方法のための動作を実行することができる装置、システム、コンピュータプログラム製品、および処理システムを含む、多数の他の態様も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】[0023]
図1は、本開示の特定の態様による例示的なワイヤレス通信ネットワークを概念的に示すブロック図である。
【
図2】[0024]
図2は、本開示の特定の態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおいてUEと通信する発展型ノードB(以下、「eNB」)の例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】[0025]
図3は、本開示の特定の態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて使用される特定の無線アクセス技術(以下、「RAT」)のための例示的なフレーム構造を概念的に示すブロック図である。
【
図4】[0026]
図4は、本開示の特定の態様によるノーマルサイクリックプレフィックスを有するダウンリンクのための例示的なサブフレームのフォーマットを示す。
【
図5】[0027]
図5は、本開示の特定の態様による、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す。
【
図6】[0028]
図6は、本開示の特定の態様による、eNBとUEとの間で交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー図を示す。
【
図7】[0029]
図7は、本開示の特定の態様による、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す。
【
図8】[0030]
図8は、本開示の特定の態様による、eNBとUEとの間で交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー図を示す。
【
図9】[0031]
図9は、本開示の特定の態様による、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す。
【
図10】[0032]
図10は、本開示の特定の態様による、eNBとUEとの間で交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー図を示す。
【
図11】[0033]
図11は、本開示の特定の態様による、例えばUEによって実行され得るワイヤレス通信のための例示的な動作を示す。
【
図12】[0034]
図12は、本開示の特定の態様による、eNBとUEとの間で交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0035]いくつかのシステムにおいて、UEは、例えば、UEが有する受信および/または送信チェーンの数、UEの位置、UEが動作しているモード、ならびにUEが動作している周波数に基づいて、異なるカバレッジ特性を有し得る。いくつかのUEは、他のUEと比べて限られたカバレッジしか有さないことがある。例えば、低コストUEは、単一の受信および/または送信チェーンを有することがあり、これは、複数の受信および/または送信チェーンを有するUEと比べてDLおよび/またはULカバレッジを制限する。本開示のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のためのTTIバンドリングの使用を提供し、これは、低コスト低データレートUEなどのいくつかのUEについてアップリンクチャネルのカバレッジ拡張を可能にし得る。
【0025】
[0036]いくつかのシステムにおいて、特定のタイプのUEが、他のタイプのUEと比べて限られたカバレッジしか有さないことがある。例えば、いくつかのタイプの低コストUEは、単一の受信または送信チェーンしか有さず、したがってDLおよび/またはULカバレッジが制限され得る一方で、他のタイプのUEは、複数の受信および/または送信チェーンの恩恵を受け得る。例えば、いくつかのUEは、ユーザが遠く離れた場所、あるいは地下などの場所にいる場合に、ボイスオーバIP(以下、「VoIP」)モードにて動作し得る。別の例として、いくつかのUEは、高い周波数帯で動作し得る。本明細書に提示の技術は、このようなUEへのカバレッジの拡張に役立ち得る。
【0026】
[0037]添付の図面に関連して以下で述べられる詳細な説明は、種々の構成の説明として意図されており、本明細書に記載の態様が実現され得る構成だけを表そうとしたものではない。詳細な説明は、本明細書において述べられる種々の態様の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの考え方が、これらの具体的な詳細を備えることなく実施され得ることは、当業者にとって明らかであろう。いくつかの場合においては、このような態様を不明瞭にしてしまわないよう、周知の構造およびコンポーネントは、ブロック図の形態で示されている。
【0027】
[0038]本明細書に記載される技術は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、およびシングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワーク、などの種々のワイヤレス通信ネットワークにおいて使用され得る。用語「ネットワーク」および「システム」は、しばしば入れ替え可能に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、CDMA2000、などの無線技術を実装し得る。UTRAは、ワイドバンドCDMA(W-CDMA(登録商標))、時分割同期CDMA(TD-SCDMA)、およびCDMAの他の変形を含む。CDMA2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格を含む。TDMAネットワークは、グローバル・システム・フォア・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュOFDM(登録商標)、などの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)の一部である。周波数分割複信(FDD)および時分割複信(TDD)の両方における3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE-A)は、E-UTRAを用いるUMTSの新たなリリースであり、これは、ダウンリンクにおけるOFDMAおよびアップリンクにおけるSC-FDMAを採用する。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、およびGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と呼ばれる団体からの文書に説明されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と呼ばれる団体からの文書に説明されている。本明細書に記載の技術は、上述のワイヤレスネットワークおよび無線技術ならびに他のワイヤレスネットワークおよび無線技術に使用され得る。明瞭さのために、技術の特定の態様が、LTE/LTE-Aに関して後述され、LTE/LTE-Aの専門用語が、以下の説明の大部分において使用される。
【0028】
[0039]例示的なワイヤレス通信システム
図1は、ワイヤレス通信ネットワーク100を示し、これは、LTEネットワークまたは何らかの他のワイヤレスネットワークであり得る。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかのeNB110および他のネットワークエンティティを含み得る。eNBは、UEと通信するエンティティであり、基地局、Node B、アクセスポイント(AP)、などと称されることもあり得る。各々のeNBは、特定の地理的領域に通信カバレッジを提供し得る。3GPPにおいては、用語「セル」が、この用語の使用の文脈に応じて、eNBのカバレッジ領域および/またはこのカバレッジ領域にサーブするeNBサブシステムを指すことがある。
【0029】
[0040]eNBは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他のタイプのセルのための通信カバレッジを提供し得る。マクロセルは、比較的大きな地理的領域(例えば、半径数キロメートル)をカバーし得、サービス契約を有するUEによる無制限のアクセスを許可し得る。ピコセルは、比較的小さな地理的領域をカバーし得、サービス契約を有するUEによる無制限のアクセスを許可し得る。フェムトセルは、比較的小さな地理的領域(例えば、家庭)をカバーし得、フェムトセルとの関連を有するUE(例えば、閉じた契約者グループ(CSG)内のUE)による制限されたアクセスを許可し得る。マクロセルのためのeNBは、マクロeNBと称され得る。ピコセルのためのeNBは、ピコeNBと称され得る。フェムトセルのためのeNBは、フェムトeNBまたはホームeNB(HeNB)と称され得る。
図1に示した例では、eNB110aが、マクロセル102aのためのマクロeNBであり得、eNB110bが、ピコセル102bのためのピコeNBであり得、eNB110cが、フェムトセル102cのためのフェムトeNBであり得る。eNBは、1つまたは複数(例えば、3つ)のセルをサポートし得る。用語「eNB」、「基地局」、および「セル」は、本明細書において入れ替え可能に使用され得る。
【0030】
[0041]ワイヤレスネットワーク100は、また、中継ステーションを含み得る。中継ステーションは、上流の局(例えば、eNBまたはUE)からデータの伝送を受信し、下流の局(例えば、UEまたはeNB)にデータの伝送を送信することができるエンティティである。中継ステーションは、他のUEのための伝送を中継できるUEでもあり得る。
図1に示した例において、中継ステーション100dは、マクロeNB110aおよびUE120dと通信して、eNB110aとUE120dとの間の通信を促進し得る。また、中継ステーションは、中継eNB、中継基地局、リレー、などと称されることもあり得る。
【0031】
[0042]ワイヤレスネットワーク100は、例えばマクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、中継eNB、などの異なるタイプのeNBを含む異種混在ネットワークであり得る。これらの異なるタイプのeNBは、異なる送信パワーレベル、異なるカバレッジ領域、およびワイヤレスネットワーク100における干渉への異なる影響を有し得る。例えば、マクロeNBが、高い送信パワーレベル(例えば、5~40W)を有し得る一方で、ピコeNB、フェムトeNB、および中継eNBは、より低い送信パワーレベル(例えば、0.1~2W)を有し得る。
【0032】
[0043]ネットワークコントローラ130が、一連のeNBと結び付き得、これらのeNBに協調および制御をもたらし得る。ネットワークコントローラ130は、バックホールを介してeNBと通信し得る。さらに、eNBは、例えばワイヤレスまたは有線のバックホールを介して直接的または間接的に互いに通信し得る。
【0033】
[0044]UE120(例えば、120a、120b、120c)は、ワイヤレスネットワーク100の至る所に散らばっていてよく、各々のUEは、固定式または可動式であり得る。UEは、アクセス端末、端末、移動局(MS)、加入者ユニット、局(STA)、などとも称され得る。UEは、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、携帯デバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話機、ワイヤレスローカルループ(WLL)ステーション、タブレット、スマートフォン、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、などであり得る。
【0034】
[0045]
図2は、基地局/eNB110およびUE120の設計のブロック図であり、これは、
図1における基地局/eNBのうちの1つおよびUEのうちの1つであり得る。基地局110は、T個のアンテナ234a~234tを備え得、UE120は、R個のアンテナ252a~252rを備え得、ここで一般的にはT≧1およびR≧1である。
【0035】
[0046]基地局110において、送信プロセッサ220が、1つまたは複数のUEのためのデータソース212からのデータを受け取り、UEから受信されるチャネル品質インジケータ(CQI)に基づいて各々のUEについて1つまたは複数の変調およびコーディングスキーム(MCS)を選択し、UEについて選択されたMCSに基づいて各々のUEのためのデータを処理(例えば、符号化および変調)し、すべてのUEのためのデータシンボルを提供し得る。また、送信プロセッサ220はまた、(例えば、半固定リソース分割情報(SRPI)などのための)システム情報および制御情報(例えば、CQI要求、グラント、上位層信号、など)を処理し、オーバーヘッドシンボルおよび制御シンボルを提供し得る。さらに、プロセッサ220は、基準信号(例えば、共通基準信号(CRS))のための基準シンボルならびに同期信号(例えば、プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS))も生成し得る。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、必要であれば、データシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、および/または基準シンボルについて空間処理(例えば、プリコーディング)を実行し得、T個の変調器(MOD)232a~232tにT個の出力シンボルストリームを提供し得る。各々の変調器232は、出力サンプルストリームを得るように(例えば、OFDMなどのために)それぞれの出力シンボルストリームを処理し得る。さらに、各々の変調器232は、ダウンリンク信号を得るように出力サンプルストリームをさらに処理(例えば、アナログへの変換、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)し得る。変調器232a~232tからのT個のダウンリンク信号が、T個のアンテナ234a~234tのそれぞれを介して送信され得る。
【0036】
[0047]UE120において、アンテナ252a~252rが、基地局110および/または他の基地局からのダウンリンク信号を受信し得、受信された信号をそれぞれの復調器(DEMOD)254a~254rに提供し得る。各々の復調器254は、入力サンプルを得るようにそれぞれの受信信号を調整(例えば、フィルタ処理、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)し得る。各々の復調器254は、受信シンボルを得るように(例えば、OFDMなどのために)入力サンプルをさらに処理し得る。MIMO検出器256が、R個のすべての復調器254a~254rから受信シンボルを取得し、必要であれば受信シンボルについてMIMO検出を実行し、検出シンボルを提供し得る。受信プロセッサ258が、検出シンボルを処理(例えば、復調および復号)し、UE120のための復号後データをデータシンク260に提供するとともに、復号された制御情報およびシステム情報をコントローラ/プロセッサ280に提供し得る。チャネルプロセッサが、基準信号受信パワー(RSRP)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信品質(RSRQ)、CQI、などを決定し得る。
【0037】
[0048]アップリンクに関して、UE120において、送信プロセッサ264が、データソース262からのデータならびにコントローラ/プロセッサ280からの(例えば、RSRP、RSSI、RSRQ、CQI、などを含む報告のための)制御情報を受け取り、処理し得る。さらに、プロセッサ264は、1つまたは複数の基準信号のための基準シンボルを生成し得る。送信プロセッサ264からのシンボルは、必要であればTX MIMOプロセッサ266によってプリコードされ、(例えば、SC-FDM、OFDM、などのために)変調器254a~254rによってさらに処理され、基地局110に送信され得る。基地局110において、復号後データおよびUE120によって送信された制御情報を得るように、UE120および他のUEからのアップリンク信号はアンテナ234によって受信され、復調器232によって処理され、必要であればMIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理され得る。プロセッサ238は、復号後データをデータシンク260に提供するとともに、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に提供し得る。基地局110は、通信ユニット244を含み、通信ユニット244を介してネットワークコントローラ130と通信し得る。ネットワークコントローラ130は、通信ユニット294、コントローラ/プロセッサ290、およびメモリ292を含み得る。
【0038】
[0049]コントローラ/プロセッサ240および280が、基地局110およびUE120のそれぞれにおける動作を管理し得る。プロセッサ240および/または基地局110における他のプロセッサおよびモジュール、ならびに/あるいはプロセッサ280および/またはUE120における他のプロセッサおよびモジュールは、本明細書に記載の技術のための処理を実行または管理し得る。メモリ242および282が、基地局110およびUE120のそれぞれのためのデータおよびプログラムコードを記憶し得る。スケジューラ246が、ダウンリンクおよび/またはアップリンクにおけるデータの伝送についてUEをスケジュールし得る。
【0039】
[0050]UE120にデータを伝送するときに、基地局110は、データ割り当てサイズに少なくとも部分的に基づいてバンドリングサイズを決定し、決定されたバンドリングサイズのバンドルされた連続するリソースブロックのデータをプリコードするように構成され得、ここにおいて、各々のバンドルにおけるリソースブロックは、共通のプリコーディング行列によってプリコードされ得る。すなわち、リソースブロック内のUE-RSなどの基準信号(RS)および/またはデータが、同じプリコーダを使用してプリコードされ得る。バンドルされたRBの各々のリソースブロック(RB)のUE-RSに使用されるパワーレベルも、同じであり得る。
【0040】
[0051]UE120は、基地局110から送信されたデータの復号を行うために、相補的な処理を実行するように構成され得る。例えば、UE120は、連続するRBのバンドルにて基地局から送信された受信データのデータ割り当てサイズに基づいてバンドリングサイズを決定し、ここにおいて、各バンドルのリソースブロックの少なくとも1つの基準信号が共通のプリコーディング行列によってプリコードされており、決定されたバンドリングサイズおよび基地局から送信された1つまたは複数のRSに基づいて少なくとも1つのプリコードされたチャネルを推定し、推定されたプリコード済みのチャネルを使用して受信されたバンドルの復号を行うように構成され得る。
【0041】
[0052]
図3は、LTEにおけるFDDのための例示的なフレーム構造300を示している。ダウンリンクおよびアップリンクの各々における伝送タイムラインは、一連の無線フレームに分割され得る。各々の無線フレームは、所定の継続時間(例えば、10ミリ秒(ms))を有し得、0~9の添え字を有する10個のサブフレームに分割され得る。各々のサブフレームは、2つのスロットを含み得る。したがって、各々の無線フレームは、0~19の添え字を有する20個のスロットを含み得る。各々のスロットは、例えばノーマルサイクリックプレフィックスにおける7個のシンボル期間(
図3に示されるとおり)または拡張サイクリックプレフィックスにおける6つのシンボル期間など、L個のシンボル期間を含み得る。各々のサブフレームの2L個のシンボル期間は、0~2L-1の添え字を割り当てられ得る。
【0042】
[0053]LTEにおいて、eNBは、eNBがサポートする各々のセルについて、システム帯域幅の中心である1.08MHzで、ダウンリンクにおけるプライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を送信し得る。PSSおよびSSSは、
図3に示されるように、ノーマルサイクリックプレフィックスを有する各々の無線フレームのサブフレーム0および5のシンボル期間6および5においてそれぞれ送信され得る。PSSおよびSSSは、UEによってセルの探索および捕捉に使用され得る。eNBは、eNBがサポートする各々のセルについて、システム帯域幅を横切るセル固有基準信号(CRS)を送信し得る。CRSは、各々のサブフレームの特定のシンボル期間において送信され得、UEによってチャネル推定、チャネル品質測定、および/または他の機能を実行するために使用され得る。さらに、eNBは、特定の無線フレームのスロット1のシンボル期間0~3において物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を送信し得る。PBCHは、何らかのシステム情報を運び得る。eNBは、特定のサブフレーム内の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)においてシステム情報ブロック(SIB)などの他のシステム情報を送信し得る。eNBは、サブフレームの最初のB個のシンボル期間の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において制御情報/データを送信し得、ここでBは、各々のサブフレームについて設定可能であり得る。eNBは、各々のサブフレームの残りのシンボル期間のPDSCHにおいてトラフィックデータおよび/または他のデータを送信し得る。
【0043】
[0054]LTEにおけるPSS、SSS、CRS、およびPBCHは、公表済みの「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA); Physical Channels and Modulation」という表題の3GPP TS 36.211に説明されている。
【0044】
[0055]
図4は、ノーマルサイクリックプレフィックスを有するダウンリンク用の2つの例示的なサブフレームフォーマット410および420を示している。ダウンリンクのための利用可能な時間周波数リソースは、リソースブロックに分割され得る。各々のリソースブロックは、1つのスロットにおいて12個のサブキャリアをカバーし得、いくつかのリソースエレメントを含み得る。各々のリソースエレメントは、1つのシンボル期間において1つのサブキャリアをカバーし得、1つの変調シンボルを送信するために使用され得、これは、実数値または複素値であり得る。
【0045】
[0056]サブフレームフォーマット410は、2つのアンテナを備えるeNBに使用され得る。CRSは、シンボル期間0、4、7、および11においてアンテナ0および1から送信され得る。基準信号は、送信機および受信機によって先験的に知られた信号であり、パイロットと称されることもある。CRSは、例えばセルアイデンティティ(ID)に基づいて生成されるセルに特有の基準信号である。
図4において、ラベルRaを有する所与のリソースエレメントに関して、変調シンボルが、アンテナaからこのリソースエレメントにおいて送信され得、いかなる変調シンボルも、他のアンテナからこのリソースエレメントにおいて送信されないことがあり得る。サブフレームフォーマット420は、4つのアンテナを備えるeNBに使用され得る。CRSが、シンボル期間0、4、7、および11においてアンテナ0および1から送信され得、シンボル期間1および8においてアンテナ2および3から送信され得る。両方のサブフレームフォーマット410および420において、CRSが、均等な間隔のサブキャリアにおいて送信され得、これは、セルIDに基づいて決定され得る。異なるeNBは、それらのCRSを、それらのセルIDに応じて同じまたは異なるサブキャリアにおいて送信し得る。両方のサブフレームフォーマット410および420において、CRSに使用されないリソースエレメントは、データ(例えば、トラフィックデータ、制御データ、および/または他のデータ)の送信に使用され得る。
【0046】
[0057]インターレース構造が、LTEにおけるFDDのためにダウンリンクおよびアップリンクの各々に使用され得る。例えば、0~Q-1の添え字を有するQ個のインターレースを定め得、ここでQは、4、6、8、10、または何らかの他の値に等しいものであり得る。各々のインターレースは、Q個のフレームによって隔てられたサブフレームを含み得る。とくには、インターレースqは、サブフレームq、q+Q、q+2Q、などを含み得、ここでq∈{0,・・・,Q-1}である。
【0047】
[0058]ワイヤレスネットワークは、ダウンリンクおよびアップリンクにおけるデータの伝送のためにハイブリッド自動再送要求(HARQ)をサポートし得る。HARQにおいて、送信機(例えば、eNB110)は、パケットが受信機(例えば、UE120)によって正しく復号されるか、あるいは何らかの他の終了条件に遭遇するまで、パケットの1つまたは複数の伝送を送信し得る。同期HARQにおいては、パケットのすべての伝送が、単一のインターレースのサブフレームにおいて送信され得る。非同期HARQにおいては、パケットの各々の伝送が、任意のサブフレームにおいて送信され得る。
【0048】
[0059]UEは、複数のeNBのカバレッジの範囲内に位置し得る。これらのeNBのうちの1つが、UEを担当するために選択され得る。担当するeNBは、受信信号の強度、受信信号の品質、経路損失、など、種々の基準に基づいて選択され得る。受信信号の品質は、信号対干渉プラス雑音比(SINR)、または基準信号受信品質(RSRQ)、あるいは何らかの他の指標によって定量化され得る。UEは、UEが1つまたは複数の干渉eNBからの高干渉を観測し得る支配的干渉の背景において動作し得る。
【0049】
[0060]例示的なアップリンクチャネルのカバレッジ拡張
本開示のいくつかの態様は、例えばアップリンク伝送(例えば、RACHまたはPUSCH伝送)のために伝送時間間隔(以下、「TTI」)バンドリングおよび/またはバンドリング依存のパワー制御を利用するアップリンクチャネルのカバレッジの拡張のための技術を提供する。これらの技術は、マシン型通信(以下、「MTC」)デバイス、ならびに何らかの理由で限られたアップリンクカバレッジしか持たない可能性がある他のタイプのデバイスに、利益をもたらし得る。例えば、アップリンクのカバレッジの拡張は、深いカバレッジホール(例えば、地下)に位置するMTCデバイス、より高い周波数(例えば、高いマイクロ波またはミリメートル波の周波数)の使用、ならびに/あるいは低データレートのユーザまたは遅延を許容し得るユーザに向けたカバレッジの拡大など、多数の場合において望まれ得る。
【0050】
[0061]従来のLTEの設計の焦点は、スペクトル効率の改善、ユビキタスなカバレッジ、および高められたサービス品質(QoS)のサポート、などにある。現在のLTEシステムのダウンリンク(以下、「DL」)およびアップリンク(以下、「UL」)のリンクバジェットは、最新型のスマートフォンおよびタブレットなどのハイエンドデバイスのカバレッジのために設計されている。しかしながら、低コスト低データレートのデバイスも、同様にサポートされる必要がある。例えば、MTCデバイスに関して、最大帯域幅が減らされ得、単一の受信無線周波数(RF)チェーンが使用され得、ピークレートが低減され得、送信パワーが低減され得、半二重動作が実行され得る。
【0051】
[0062]LTEのリリース8において、TTI(または、サブフレーム)バンドリングは、UEごとの方法で設定され得る。サブフレームバンドリング動作は、パラメータttiBundlingによって設定され、これは、上位層によってもたらされる。典型的には、TTIバンドリングは、UEから基地局にマルチプルなTTIを通じてアップリンク共有チャネルにてデータを送信することによって実行されるが、バンドリングは、他のアップリンク信号/トラフィック(例えば、アップリンク制御情報)には適用されない。バンドリングサイズは、4つのTTI(サブフレーム)に固定され、すなわち、物理アップリンク制御チャネル(PUSCH)が、4つの連続するサブフレームにて伝送される。バンドルされたサブフレームの各々において、同じハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス数が使用される。リソース割り当てサイズは、3つのリソースブロック(RB)までに制限される。変調次数は、2に設定される(四位相偏移変調(QPSK))。各々のバンドルが、単一のリソースとして取り扱われ、例えば単一のグラントおよび単一のHARQアクノレッジメントが、各々のバンドルに使用される。
【0052】
[0063]TTIバンドリングは、通常、低レートのトラフィックに使用される。例えば、VoIPパケットが、低いアップリンクのリンクバジェットゆえに単一のTTIでは送信されることができない場合に、レイヤ2(L2)セグメンテーションが適用され得る。例えば、VoIPパケットは、4つの連続するTTIにて伝送される4つの無線リンク制御(RLC)プロトコルデータユニット(PDU)にセグメント分けされ得る。2~3のHARQ再送が、充分なカバレッジを達成するために目標とされ得る。
【0053】
[0064]従来からの手法は、いくつかの欠点を抱えている。各々の追加のセグメントは、1バイトのRLC、1バイトの媒体アクセス制御(MAC)、および3バイトのL1巡回冗長検査(CRC)のオーバーヘッドを導入する。これは、例えば、33バイトのRLCサービスデータユニット(SDU)サイズを仮定すると、15%のオーバーヘッドに相当し得る。4つのセグメントの場合には、45%のさらなるL1/L2オーバーヘッドが存在する。
【0054】
[0065]従来からの手法のもう1つの欠点は、すべてのセグメントのためのHARQ送信/再送が、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)におけるグラントを必要とし、かなりのPDCCHリソースを消費し得る点にある。
【0055】
[0066]さらに、各々のHARQ送信または再送の後に、物理HARQインジケータチャネル(PHICH)におけるHARQフィードバックが続く。10-3という否定応答-肯定応答(NACK-ACK)エラー比を仮定すると、多数のHARQフィードバック信号は、高いパケット損失確率をまねく。例えば、12個のHARQフィードバック信号が送信される場合、HARQフィードバックエラー比は、1.2×10-2程度になり得る。10-2を超えるパケット損失割合は、VoIPトラフィックにおいて容認できない。
【0056】
[0067]TTIバンドルごとに1つのアップリンクグラントおよび1つのPHICHシグナルだけを使用することで、L2のセグメンテーションが必要とされないため、L1およびL2オーバーヘッドが最小限に抑えられる。
【0057】
[0068]ULにおいて、TTIバンドリングは、ランダムアクセスチャネル(RACH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、およびPUSCHについて提案されている。
【0058】
[0069]RACHの伝送に関して、UEは、通常、RACHプリアンブル(PPRACH)を送信するための送信パワーを次のように決定し、
PPRACH = min {Pcmax,c(i), PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PLc} [dBm]
ここで、Pcmax,c(i)は、サービングセルcのサブフレームiについて定められたUE送信パワーであり、PLは、サービングセルについてUEにおいて計算されたダウンリンク経路損失の推定である。RACHカバレッジを拡張させるために、RACHの反復および/またはバンドリングが使用され得る。さらに、いくつかの場合に、RACHチャネルは、UEが必要とするカバレッジ拡張の程度をeNBにシグナリングするために使用され得る。異なるユーザは、ULおよびDLの両方について異なるカバレッジ拡張を必要とし得る。これは、競合ベース対非競合ベースのRACHをどのように取り扱うか、RACHプロシージャの最中にパワーランピングを実行するか否か/どのように実行するか、ならびに/あるいは必要とされるカバレッジ拡張をどのようにシグナリングするかなど、種々の問題を呈し得る。
【0059】
[0070]特定の態様によれば、バンドリングを伴う修正されたRACHプロシージャが提供される。いくつかの場合、RACHの初期のパワー選択およびバンドリング選択は、次式のように決定され、
PPRACH = min {Pcmax,c(i), PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PLc} [dBm]
次いでUEは、パラメータ
delta_power = PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PLc - Pcmax,c(i)
を計算し得る。delta_power>0であり、RACHバンドリングがサポートされる場合、UEは、delta_powerに従ってバンドリングサイズを選択し得る。いくつかの場合、UEは、目標送信パワーと最大送信パワーとの間の差に基づいてバンドリングサイズを選択し得る。
【0060】
[0071]いくつかの場合、UEは、初期のRACH伝送が失敗した場合に後続のRACH伝送のパワーおよび/またはバンドリングを調節し得る。例えば、パワーランピングおよび/またはバンドリングサイズが、初期のRACHが失敗したときに後続のRACH伝送について増大され得る。現在の規格によれば、UEは、先行のRACHが失敗した場合、後続の試行においてRACHパワーを増加(ramp up)させる。
【0061】
[0072]本明細書に提示される特定の態様によれば、バンドリングがサポートされるとき、UEは、最初にパワーを増加させ得、所定の送信パワーレベル(例えば、最大パワー)に到達した場合に、UEは、意図されるパワーと最大パワーとの差に再び基づいて次のRACHのためのバンドリングサイズを選択し得る。
【0062】
[0073]いくつかの場合、UEは、また、最大パワーに達する前にバンドリングを適用し得、あるいはバンドリングが使用されるときにより小さいパワーで送信し得る。例えば、デフォルトのバンドリングサイズが16であり、ユーザが8という有効バンドリングサイズを有することだけを望む場合、送信パワーを減らすことができる。いくつかの場合、パワーレベルは最大値において開始され得、次いで(例えば、バンドリングサイズの増加につれて)減らされ得る。例えば、パワーが最大値であるときには、32というバンドリングサイズが使用され得、パワーが最大値の半分であるときには、64というバンドリングサイズが使用され得る。
【0063】
[0074]いくつかの場合、UEは、RACHバンドリングを適用し得、バンドリングサイズは、RACHパワーが所定のレベル(例えば、最大値)に達するときはいつも、後続のRACH試行において増大する。第1の例として、最大パワーでバンドリングなしで実行される第1のRACH試行が失敗した場合、第2のRACH試行が、最大パワーおよび2xのバンドリングで実行され得る。第2のRACH試行が失敗した場合、第3のRACH試行が、4xのバンドリングで(以下同様に、例えば最大バンドリングレベルに達するまで)実行され得る。別の例として、第1のRACH試行が4というバンドリングサイズで、第2のRACH試行が16というバンドリングサイズで、実行され得る(以下同様)。
【0064】
[0075]いくつかの場合、バンドルされたRACH処理ゆえに、バンドルされた受信によるプリアンブル受信目標パワーが、バンドルなしのRACHの目標パワーと異なる可能性がある。したがって、特定の態様によれば、異なるPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERが、バンドルされたRACHを有するUEなど、UEの異なるグループについて使用され得る。この新たなパラメータは、PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER_BUNDLEと称され得、SIBにおいてブロードキャストされ得る。このパラメータは、バンドルされた場合に限定されない。例えば、VOIP、地下のUE、などに使用され得る。これは、セル固有のパラメータであり得る。いくつかの場合、異なる目標パワーレベルを有するユーザの異なるセットをサポートするために、追加のセットが使用され得る。異なるPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用し得るユーザの1つの具体例は、バンドリングを有するユーザであろう。eNBが、バンドルされたRACHを横切ってコヒーレントおよび/または非コヒーレントな結合を適用するので、目標SNRおよび目標RACHパワーは、バンドリングなしの通常のRACHとは異なる可能性がある。
【0065】
[0076]同様の方法で、バンドルされたPUSCH伝送のための目標パワーを設定するために、バンドルが使用されるときはいつも、別個のP
O_PUSCH_bundle値が、また、P
O_PUSCHを置き換えるために以下の式に導入され得る。
【数1】
【0066】
[0077]より具体的には、新たなPO_nominal_PUSCHおよび/またはdelta_preamble_msg3が、ユーザ(例えば、MTCユーザまたはバンドリングをサポートするユーザ)の新たなグループについて導入され得る。同様に、PUCCHについて別のPO_PUCCH_bundleを導入することもできる。より具体的には、新たなPO_nominal_PUCCHが、ユーザの新たなグループについて導入され得る。
【0067】
[0078]特定の態様によれば、競合および非競合ベースのRACHのための異なるRACHバンドリングサイズがサポートされ得る。例えば、競合ベースのRACHについて、比較的控え目(conservative)なRACHバンドリングサイズ(または、DL経路損失測定によって決定されるバンドリングサイズ)が使用され得る。非競合ベースのRACHについては、eNBが示したRACHバンドリングサイズが使用され得る。
【0068】
[0079]特定の態様によれば、非競合ベースのRACHのバンドリングサイズを、SIBにおいてブロードキャストでき、RRCにてUEにシグナリングすることができ、あるいは動的にシグナリングすることができる。例えば、指示された(eNBによって指令された)RACHについて、RACHバンドリングサイズが、PDCCHにおいてシグナリングされ得る(例えば、指示されたRACHについてRACHバンドリングサイズ4をシグナリングする)。
【0069】
[0080]特定の態様によれば、例えばフォーマット1(RACH1)のRACHの反復について、UEは、サイクリックプレフィックス(CP)およびRACHのシーケンス(例えば、CP+RACH1+CP+RACH1+CP+RACH1)を有するフォーマット1の正確な反復を送信し得る。これは、ストレートフォワードな反復であり得、これは、相当に単純な実行をもたらし得る。特定の態様によれば、UEは、1つのCP部分だけを送信し、RACHシーケンスを反復し得(例えば、CP+RACH1+RACH1+RACH1)、これはオーバーヘッドを低減し得、より効率的であり得る。
【0070】
[0081]
図5が、本開示の特定の態様によるワイヤレス通信のための例示的な動作500を示している。
【0071】
[0082]動作500は、例えばUE(例えば、UE120)によって実行され得る。動作500は、502において、目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づくパワーの差の値を決定することから始まり得る。504において、UEは、決定された差に基づいてアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択し得、506において、選択されたバンドリングサイズに従ってアップリンク伝送を送信し得る。
【0072】
[0083]
図6は、例えばUE602とeNB604との間で(例えば、
図5の動作500に従って)交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー600を示している。UE602が、606において、目標プリアンブル受信パワーおよび最大プリアンブル送信パワーレベルを決定し得る。目標プリアンブル受信パワーについての情報は、例えばeNBから送信されるシステム情報メッセージを介して受信される情報に基づいて決定され得る。608において、UE602は、目標プリアンブル受信パワーと最大プリアンブル送信パワーレベルとの間の差に基づいてアップリンク伝送のためのバンドリングサイズを決定し得る。UE602は、決定されたバンドリングサイズに基づいて1つまたは複数のメッセージをeNB604に送信し得る。例えば、これらのメッセージは、RACHプリアンブル610(eNB604からのRACH応答612の伝送を求める)の送信およびeNB604への(例えば、アップリンクデータの)アップリンク伝送612の実行を含み得る。
【0073】
[0084]
図7は、本開示の特定の態様によるUEによるワイヤレス通信のための例示的な動作700を示している。
【0074】
[0085]動作700は、702において、第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信することから始まり得る。704において、UEは、第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のためにバンドリングサイズを調節し得る。
【0075】
[0086]
図8は、例えばUE802とeNB804との間で(例えば、
図7の動作700に従って)交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー800を示している。図示のとおり、UE802は、eNB804へのアップリンク伝送を実行する。アップリンク伝送806は、或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズを使用して実行され得る。図示のとおり、アップリンク伝送806が、eNB804によって受信に成功された。アップリンク伝送806のパワーレベルおよびバンドリングサイズを使用して実行されたアップリンク伝送808の失敗が、UE802に対して、810においてバンドリングサイズを調節するように促し得る。バンドリングサイズの調節後に、UE802は、前記パワーレベルおよび調節後のバンドリングサイズを使用して別のアップリンク伝送812を実行し得る。
【0076】
[0087]
図9は、本開示の特定の態様によるUEによるワイヤレス通信のための例示的な動作900を示している。
【0077】
[0088]動作900は、902において、バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを用いるアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定することから始まり得る。904において、UEは、決定された送信パワーレベルに従ってアップリンク伝送を送信し得る。
【0078】
[0089]
図10は、例えばUE1002とeNB1004とによって(例えば、
図9の動作900に従って)交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー1000を示している。UE1002は、eNB1004から情報1006を受信し得る。情報1006は、例えば、バンドリングあり、およびバンドリングなしでアップリンク伝送を実行するためのパワーレベルパラメータを含み得る。1008において、UEは、パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいてアップリンク伝送に使用すべきパワーレベルを決定し得、決定されたパワーレベルを使用してアップリンク伝送1010を実行し得る。
【0079】
[0090]
図11が、本開示の特定の態様によるUEによるワイヤレス通信のための例示的な動作1100を示している。
【0080】
[0091]動作1100は、1102において、ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定することによって始まり得、ここにおいて、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される。1104において、UEは、決定されたバンドリングサイズに従ってRACHプロシージャを実行し得る。
【0081】
[0092]
図12は、例えばUE1202とeNB1204との間で(例えば、
図11の動作1100に従って)交換され得るメッセージを示す例示的なメッセージフロー1200を示している。競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて異なるバンドリングサイズが使用され得るので、UE1202は、1206において、RACHプロシージャが競合ベースまたは非競合ベースのどちらプロシージャであるかに基づいて、使用すべきバンドリングサイズを決定し得る。決定されたバンドリングサイズを使用して、UEは、eNB1204とRACHプロシージャ1208を実行し得る。
【0082】
[0093]上述の方法の種々の動作は、対応する機能を実行することができる任意の適切な手段によって実行され得る。手段として、これらに限られるわけではないが回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含む、種々のハードウェアおよび/またはソフトウェア/ファームウェアコンポーネントおよび/またはモジュールが挙げられ得る。一般に、図面に示される動作が存在する場合、それらの動作は、任意の適切な対応する同等のミーンズプラスファンクション(means-plus-function)コンポーネントによって実行され得る。
【0083】
[0094]上記開示のプロセスにおける各ステップの特定の順序または階層は、例示的な手法の例であると理解される。設計の優先事項に基づき、プロセスにおける各ステップの特定の順序または階層は、本開示の技術的範囲から外れることなく、並べ替えられ得ると理解される。添付の方法に関する請求項は、種々のステップの構成要素を見本の順序にて提示しており、提示された具体的な順序または階層への限定を意味するものではない。
【0084】
[0095]当業者であれば、情報および信号が、種々の異なる技術および技法の任意のいずれかを使用して表現され得ることを、理解するであろう。例えば、または複数の説明の各所において言及され得るデータ、インストラクション、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光粒子、あるいはこれらの組み合わせによって表され得る。
【0085】
[0096]さらに、本明細書における開示に関連して説明される種々の例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムの各段階が、電子ハードウェア、ソフトウェア/ファームウェア、またはこれらの組み合わせとして実現され得ることを、当業者であれば理解するであろう。このハードウェアおよびソフトウェア/ファームウェアの入れ替え可能性を明確に示すために、種々の例示のコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、および段階は、広くそれらの機能に関して上述されている。このような機能がハードウェアとして実現されるか、あるいはソフトウェア/ファームウェアとして実現されるかは、個々の用途およびシステム全体に課される設計上の制約事項に依存する。当業者であれば、上述の機能を各々の個別の用途について種々の方法で実現し得るが、このような実現における決定を、本開示の技術的範囲からの離脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0086】
[0097]本明細書における開示に関連して説明される種々の例示の論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルな論理素子(PLD)、ディスクリートなゲートまたはトランジスタ論理回路、ディスクリートなハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせによって実施または実行され得る。汎用のプロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代案においては、プロセッサは、任意の在来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成など、コンピュータデバイスの組み合わせとしても実現され得る。
【0087】
[0098]本明細書における開示に関連して説明される方法またはアルゴリズムの各ステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア/ファームウェアモジュール、またはこれらの組み合わせにて直接的に具現化され得る。ソフトウェア/ファームウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、PCM(相変化メモリ)、ROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または技術的に公知の任意の他の形態の記憶媒体に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体からの情報の読み出しおよび記憶媒体への情報の書き込みを行うことができるように、プロセッサに接続さる。代案においては、記憶媒体がプロセッサに一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在し得る。ASICは、ユーザ端末に存在し得る。代案においては、プロセッサおよび記憶媒体が、ユーザ端末にディスクリートなコンポーネントとして存在し得る。
【0088】
[0099]1つまたは複数の例示的な設計において、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア/ファームウェア、またはこれらの組み合わせにて実現され得る。ソフトウェア/ファームウェアでの実行の場合、これらの機能は、コンピュータ読取可能な媒体において、1つまたは複数のインストラクションまたはコードとして保存または伝送され得る。コンピュータ読取可能媒体は、或る場所から他の場所へのコンピュータプログラムの移動を促進する任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方を含む。ストレージ媒体は、汎用または専用のコンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得る。例として、これらに限られるわけではないが、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のプログラムコードをインストラクションまたはデータ構造の形態で保持または記憶するために使用することができ、汎用または専用のコンピュータ、あるいは汎用または専用のプロセッサによるアクセスが可能である任意の他の媒体を備えることができる。また、任意の接続も、コンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれ得る。例えば、ソフトウェア/ファームウェアがウェブサイト、サーバ、または他の遠方のソースから同軸ケーブル、光ファイバケーブル、対より線、デジタル加入者線(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、対より線、DSL、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書において使用されるとき、ディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ここでディスク(disk)が、通常はデータを磁気的に再生する一方で、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。したがって、いくつかの態様において、コンピュータ読取可能媒体は、一時的でないコンピュータ読取可能媒体(例えば、有形の媒体)を備え得る。さらに、他の態様に関して、コンピュータ読取可能媒体は、一時的なコンピュータ読取可能媒体(例えば、信号)を備え得る。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0089】
[0100]本明細書において使用されるとき、アイテムのリスト「のうちの少なくとも1つ」に言及する表現は、これらのアイテムの任意の組み合わせを指し、単独の場合も含む。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、aとb、aとc、bとc、およびaとbとcを包含するように意図される。
【0090】
[0101]本開示のこれまでの説明は、本開示の製作または使用を当業者にとって可能にするために提示されている。本開示の種々の変更が、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書に定められる全体的な原理は、本開示の技術的思想または技術的範囲から離れることなく他の変形にも適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載の例および設計に限られるものではなく、本明細書に開示の原理および新規な特徴に矛盾しない最も広い範囲が与えられるべきである。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、
目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値を決定することと、
前記決定されたパワーの差の値に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択することと、
前記選択されたバンドリングサイズに従って前記アップリンク伝送を送信することと、
を備える方法。
[C2]
前記パワーの差の値は、また、ダウンリンク経路損失の推定に基づく、C1に記載の方法。
[C3]
前記アップリンク伝送は、RACHプリアンブル伝送を備える、C1に記載の方法。
[C4]
前記RACHプリアンブル伝送は、RACH反復シーケンスを備える、C3に記載の方法。
[C5]
アップリンク伝送のためのバンドリングサイズが、前記パワーの差の値がゼロよりも大きい場合にのみ、前記決定されたパワーの差の値に基づいて選択される、C3に記載の方法。
[C6]
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、
第1のアップリンク伝送を或るパワーレベルおよび或るバンドリングサイズで送信することと、
前記第1のアップリンク伝送が失敗した場合に、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のための前記バンドリングサイズを調節することと、
を備える方法。
[C7]
前記第1のアップリンク伝送は、RACHプリアンブル伝送を備える、C6に記載の方法。
[C8]
前記RACHプリアンブル伝送は、RACH反復シーケンスを備える、C7に記載の方法。
[C9]
1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のための前記バンドリングサイズを調節することが、
目標プリアンブル受信パワーレベルおよび最大プリアンブル送信パワーレベルに基づいて、パワーの差の値を決定することと、
前記決定されたパワーの差の値に基づいて、アップリンク伝送のためのバンドリングサイズを選択することと、
を備える、C6に記載の方法。
[C10]
1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のための前記バンドリングサイズを調節することが、
先行するアップリンク伝送のための送信パワーが所定のレベルに達した後で、1つまたは複数の後続のアップリンク伝送のための前記バンドリングサイズを調節すること、
を備える、C6に記載の方法。
[C11]
前記所定のレベルは、最大アップリンク送信パワーレベルに相当する、C10に記載の方法。
[C12]
前記バンドリングサイズを増大した後に、後続のアップリンク伝送のための送信パワーを低減すること、
をさらに備える、C10に記載の方法。
[C13]
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、
バンドリングなしのアップリンク伝送のための第1の値およびバンドリングを用いるアップリンク伝送のための第2の値を有する送信パワーレベルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、アップリンク伝送のための送信パワーレベルを決定することと、
前記決定された送信パワーレベルに従って、前記アップリンク伝送を送信することと、
を備える方法。
[C14]
前記アップリンク伝送は、RACHプリアンブル伝送を備える、C13に記載の方法。
[C15]
前記RACHプリアンブル伝送は、RACH反復シーケンスを備える、C14に記載の方法。
[C16]
前記アップリンク伝送は、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)伝送を備える、C13に記載の方法。
[C17]
ブロードキャストシステム情報ブロック(SIB)において前記第1および第2の値のうちの少なくとも1つを受信することをさらに備える、C13に記載の方法。
[C18]
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャに使用すべきバンドリングサイズを決定することと、ここにおいて、異なるバンドリングサイズが、競合ベースおよび非競合ベースのRACHプロシージャについて使用される、
前記決定されたバンドリングサイズに従って、前記RACHプロシージャを実行することと、
を備える方法。
[C19]
競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、ダウンリンク経路損失の推定に少なくとも部分的に基づいて決定される、C18に記載の方法。
[C20]
非競合ベースのRACHプロシージャのためのバンドリングサイズが、基地局によって示される、C18に記載の方法。
[C21]
前記RACHプロシージャは、基地局によって指示され、
前記基地局は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)において前記RACHプロシージャのために使用すべきバンドリングサイズを示す、
C18に記載の方法。