(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】シートを支持するための中央支持装置及びシートを収納するための保管装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20221108BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/86 400
(21)【出願番号】P 2021020872
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2021-02-12
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9F.,No.2,Sec.4,Zhongyang Rd.,Tucheng Dist.,New Taipei,Taiwan236
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】邱銘乾
(72)【発明者】
【氏名】沈恩年
(72)【発明者】
【氏名】潘詠晉
(72)【発明者】
【氏名】林志銘
(72)【発明者】
【氏名】鍾承恩
(72)【発明者】
【氏名】李柏廷
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-127272(JP,A)
【文献】特開平10-112493(JP,A)
【文献】中国実用新案第210556833(CN,U)
【文献】中国実用新案第201309690(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に沿って延伸し、前記高さ方向に沿って複数の仕切り部を設け、これら前記仕切り部には複数の支持部材収容溝
を形成する部位を挟持するように形成し、これら前記仕切り部は凹部を各々有し、前記凹部の底面は前記高さ方向に徐々に変化し、各前記凹部の上方は対応する前記支持部材収容溝に連通しているケースと、
一端がこれら前記支持部材収容溝の底部に
、前記一端以外の部分が微少移動可能な状態で、それぞれ連結している複数の支持部材と、
これら前記凹部中にそれぞれ設置し、前記高さ方向に沿って頂部で対応する前記支持部材収容溝に位置している前記支持部材を支持している複数の高さ調整部材と、を備えていることを特徴とするシートを支持するための中央支持装置。
【請求項2】
一端を対応する前記高さ調整部材にそれぞれ連結している複数の第一調整ユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項3】
これら前記仕切り部には第一貫通穴をそれぞれ設け、これら前記第一調整ユニットの他端はこれら前記第一貫通穴中にそれぞれ設置していることを特徴とする請求項2に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項4】
これら前記第一貫通穴にそれぞれ設置している複数の第一防湿カバーをさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項5】
これら前記支持部材収容溝中にそれぞれ設置していると共に対応する前記支持部材の前記高さ方向の上方にそれぞれ位置している複数の緊締度調整部材をさらに備え、これら前記支持部材の上面は前記高さ方向に徐々に変化していることを特徴とする請求項1に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項6】
これら前記緊締度調整部材の断面は円形を呈することを特徴とする請求項5に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項7】
一端が対応する前記緊締度調整部材にそれぞれ連結している複数の第二調整ユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項8】
これら前記仕切り部には第二貫通穴をそれぞれ設け、これら前記第二調整ユニットの他端はこれら前記第二貫通穴中にそれぞれ設置していることを特徴とする請求項7に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項9】
これら前記第二貫通穴にそれぞれ設置している複数の第二防湿カバーをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のシートを支持するための中央支持装置。
【請求項10】
対向する2つの側面に複数の側面支持フレームを各々設置しているボックスと、
前記ケースは前記ボックスの裏側に連結している請求項1乃至9の何れか1項に記載のシートを支持するための中央支持装置と、を備えていることを特徴とするシートを収納するための保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの支持装置及び保管装置に関し、更に詳しくは、シートを支持するための中央支持装置及び前述の中央支持装置を有するシートを収納するための保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシートを収納するための保管装置は、例えば、ウェハーボックスは対向する2つの側面に支持フレームを設置して複数のウェハーを支持している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、例えば、ウェハーや回路基板等の極薄のシートの中間部分は曲がりやすいため、中央支持装置を増設してこのようなシートを支持する必要があった。中央支持装置は通常一端を保管装置の裏側に連結し、一端は前方に向けて延伸している。延伸距離が長すぎると、中央支持装置の前端が垂れ下がる。垂れ下がって所定の範囲を超過すると、作業するロボットアーム(シートをピックアンドプレースする)と中央支持装置の前端とがぶつかって装置及びシートが損壊することがあった。
【0004】
そこで、本発明者は上記のシート的支持ような欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、シートを支持するための中央支持装置及びシートを収納するための保管装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
高さ方向に沿って延伸し、前記高さ方向に沿って複数の仕切り部を設け、これら前記仕切り部には複数の支持部材収容溝を挟持するように形成し、これら前記仕切り部は凹部を各々有し、前記凹部の底面は前記高さ方向に徐々に変化し、各前記凹部の上方は対応する前記支持部材収容溝に連通しているケースと、
一端がこれら前記支持部材収容溝の底部にそれぞれ連結している複数の支持部材と、
これら前記凹部中にそれぞれ設置し、前記高さ方向に沿って頂部で対応する前記支持部材収容溝に位置している前記支持部材を支持している複数の高さ調整部材と、を備えていることを特徴とするシートを支持するための中央支持装置である。
【0007】
本発明の好適例において、一端を対応する前記高さ調整部材にそれぞれ連結している複数の第一調整ユニットをさらに備えている。
【0008】
本発明の好適例において、これら前記仕切り部には第一貫通穴をそれぞれ設け、これら前記第一調整ユニットの他端はこれら前記第一貫通穴中にそれぞれ設置している。
【0009】
本発明の好適例において、これら前記第一貫通穴にそれぞれ設置している複数の第一防湿カバーをさらに備えている。
【0010】
本発明の好適例において、これら前記支持部材収容溝中にそれぞれ設置していると共に対応する前記支持部材の前記高さ方向の上方にそれぞれ位置している複数の緊締度調整部材をさらに備え、これら前記支持部材の上面は前記高さ方向に徐々に変化している。
【0011】
本発明の好適例において、これら前記緊締度調整部材の断面は円形を呈する。
【0012】
本発明の好適例において、一端が対応する前記緊締度調整部材にそれぞれ連結している複数の第二調整ユニットをさらに備えている。
【0013】
本発明の好適例において、これら前記仕切り部には第二貫通穴をそれぞれ設け、これら前記第二調整ユニットの他端はこれら前記第二貫通穴中にそれぞれ設置している。
【0014】
本発明の好適例において、これら前記第二貫通穴にそれぞれ設置している複数の第二防湿カバーをさらに備えている。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の別の態様は、シートを収納するための保管装置装置である。このシートを収納するための保管装置装置は、
対向する2つの側面に複数の側面支持フレームを各々設置しているボックスと、
前記ケースは前記ボックスの裏側に連結している前述のシートを支持するための中央支持装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0016】
これにより、本発明のシートを支持するための中央支持装置及びシートを収納するための保管装置は、支持部材の高さ方向の高さを調節することで、支持部材の前端を規定の範囲内に維持している。
【0017】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシートを収納するための保管装置を模式的に示した傾斜図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るシートを支持するための中央支持装置を模式的に示した傾斜図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るシートを支持するための中央支持装置を側面から見た概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るシートを支持するための中央支持装置を他の視角から見た傾斜図である。
【
図5】
図4に示す緊締度調整部材の他の実施形態を模式的に示した傾斜図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例】
【0020】
以下に、
図1~5を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。まず、本発明の実施例に係るシートを収納するための保管装置200は、ボックス1及びシートを支持するための中央支持装置100を備えている(
図1参照)。
【0021】
ボックス1は収容空間Sを有し、ウェハー、回路基板、ガラスシート等の複数のシートを保管している。ボックス1の対向する2つの側面には複数の側面支持フレーム11を各々設置している。
【0022】
シートを支持するための中央支持装置100はケース2と、複数の支持部材3と、複数の高さ調整部材4と、を備えている(
図2参照)。
【0023】
ケース2はボックス1の裏側12に連結し、且つ高さ方向dに沿って延伸している。ケース2は高さ方向dに沿って複数の仕切り部21を設け、仕切り部21には支持部材収容溝22を挟持するように形成している。
【0024】
複数の支持部材3の一端は支持部材収容溝22の底部にそれぞれ連結している。支持部材3及び側面支持フレーム11は共同で複数のシートを支持し、支持部材3はシートの中間部を支持するために用いている。本実施例では、支持部材3は長方形を呈するが、しかしながら本発明はこれに制限されず、支持部材3は他の構造または形状でもよい。支持部材3はアルミニウム合金や炭素繊維複合材料等の高強度で質量が他の高強度材料よりも軽量な材料で製造し、これにより重量を大幅に増加させることなく支持部材3の剛性を高めている。
【0025】
また、仕切り部21には凹部211を各々有し、凹部211の底面211aは高さ方向dに徐々に変化し、各凹部211の上方は対応する支持部材収容溝22に連通している(
図3参照)。
【0026】
高さ調整部材4はこれら凹部211中にそれぞれ設置している。高さ調整部材4は高さ方向dに沿って頂部41で対応する支持部材収容溝22に位置している支持部材3を支持している。
【0027】
凹部211の底面211aは高さ方向dに徐々に変化しているため、高さ調整部材4を凹部211中の位置に移動させるのみで(
図3の両矢印に示す)、高さ調整部材4の頂部41の高さも追随して変化し、これにより支持部材3の高さ方向dの高さを調節し、支持部材3の前端32を規定の範囲内に維持している。
【0028】
本実施例では、凹部211の底面211aが高さ方向dに徐々に変化するとは、支持部材3の延伸方向(X方向)に沿って変化することであり、すなわち凹部211の底面211aがX方向に緩い傾斜状となっている。しかしながら本発明はこれに制限されず、凹部211の底面211aが高さ方向dに徐々に変化することが、Y方向や他の方向に沿って変化することでもよい。
【0029】
さらに、本実施例では、
図3に示されるように、シートを支持するための中央支持装置100は複数の第一調整ユニット5をさらに備え、これら第一調整ユニット5の一端は対応する高さ調整部材4にそれぞれ連結している。第一調整ユニット5は高さ調整部材4が延伸されたものと見做し、作業員が手動で高さ調整部材4の位置を調整することが便利になる。本実施例では、第一調整ユニット5は止めねじであり、ロック方式で高さ調整部材4の位置を調節する。しかしながら本発明はこれに制限されない。
【0030】
さらに、本実施例では、仕切り部21には第一貫通穴212をそれぞれ設け、これら第一調整ユニット5の他端は第一貫通穴212中にそれぞれ設置している。換言すれば、第一調整ユニット5は仕切り部21中に埋設し、部材が占有する体積を縮減している。本実施例では、第一貫通穴212はX方向に沿って仕切り部21を貫通し、第一調整ユニット5はX方向に沿って高さ調整部材4に連結しているが、しかしながら本発明はこれに制限されず、第一調整ユニット5が他の方向から高さ調整部材4に連結していてもよく、例えばY方向に沿って仕切り部21を貫通し、高さ調整部材4に連結してもよく、或いは仕切り部21に直接露出し、高さ調整部材4に連結してもよい。
【0031】
さらに、本実施例では、これら第一貫通穴212にそれぞれ設置し、水気の進入を防ぐ複数の第一防湿カバー81をさらに備えている。支持部材3の高さを調節する場合、第一防湿カバー81を取り外し、ドライバー等の工具を第一貫通穴212中に挿入して第一調整ユニット5を回転させ、高さ調整部材4の位置を調節する。
【0032】
さらに、本実施例では、
図4に示されるように、シートを支持するための中央支持装置100は、支持部材収容溝22中にそれぞれ設置していると共に対応する支持部材3の高さ方向dの上方にそれぞれ位置している複数の緊締度調整部材6をさらに備えている。各支持部材3の上面31は高さ方向dに徐々に変化し、緊締度調整部材6は下方の支持部材3の上面31と上方の仕切り部21との間に当接している。これにより、緊締度調整部材6を支持部材収容溝22中の位置に移動するのみで(図の矢印に示す)、緊締度調整部材6が支持部材3を緊締し、これにより支持部材3及びケース2の係合の緊締度を調節する。
【0033】
本実施例では、各支持部材3の上面31が高さ方向dに徐々に変化するとは、支持部材3に垂直になる延伸方向(Y方向)に変化することであり、すなわち支持部材3の上面31がY方向に緩い傾斜状を呈する。しかしながら本発明はこれに制限されず、支持部材3の上面31が高さ方向dに徐々に変化しすることがX方向または他の方向に沿った変化であってもよい。
【0034】
さらに、本実施例では、
図4に示されるように、シートを支持するための中央支持装置100が複数の第二調整ユニット7をさらに備え、これら第二調整ユニット7の一端は対応する緊締度調整部材6にそれぞれ連結している。第二調整ユニット7は緊締度調整部材6が延伸されたものと見做し、作業員が手動で緊締度調整部材6の位置を調整しやすくする。本実施例では、第二調整ユニット7は止めねじであり、ロック方式で緊締度調整部材6の位置を調節する。しかしながら本発明はこれに制限されない。
【0035】
さらに、本実施例では、
図4に示されるように、仕切り部21には第二貫通穴213をそれぞれ設け、これら第二調整ユニット7の他端は第二貫通穴213中にそれぞれ設置している。換言すれば、第二調整ユニット7は仕切り部21中に埋設し、部材が占有する体積を縮減している。本実施例では、第二貫通穴213はY方向に沿って仕切り部21を貫通し、第二調整ユニット7はY方向に沿って緊締度調整部材6に連結している。しかしながら本発明はこれに制限されず、第二調整ユニット7が他の方向から緊締度調整部材6に連結してもよく、例えば、X方向に沿って仕切り部21を貫通し、緊締度調整部材6に連結しているか、或いは仕切り部21に直接露出して緊締度調整部材6に連結していてもよい。
【0036】
さらに、本実施例では、これら第二貫通穴213にそれぞれ設置し、水気の進入を防ぐ複数の第二防湿カバー82をさらに備えている。支持部材3の緊締度を調節する場合、第二防湿カバー82を取り外し、ドライバー等の工具を第二貫通穴213中に挿入し、第二調整ユニット7を回転することで、緊締度調整部材6の位置を調節可能である。
【0037】
また、本実施例では、緊締度調整部材6の断面は円形を呈し、緊締度調整部材6は丸棒である。しかしながら本発明はこれに制限されず、
図5に示されるように、緊締度調整部材6aの断面は楔形や台形でもよく、支持部材3の上面31に相互に当接する底面61を有している。
【0038】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
100 シートを支持するための中央支持装置
200 シートを収納するための保管装置
1 ボックス
11 側面支持フレーム
12 裏側
2 ケース
21 仕切り部
211 凹部
211a 底面
212 第一貫通穴
213 第二貫通穴
22 支持部材収容溝
3 支持部材
31 上面
32 前端
4 高さ調整部材
41 頂部
5 第一調整ユニット
6 緊締度調整部材
61 底面
6a 緊締度調整部材
7 第二調整ユニット
81 第一防湿カバー
82 第二防湿カバー
d 高さ方向
S 収容空間