(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20221108BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221108BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20221108BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221108BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20221108BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221108BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221108BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H05B33/02
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
H05B33/12 E
H05B33/04
H01L27/32
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/00 302
(21)【出願番号】P 2021056952
(22)【出願日】2021-03-30
(62)【分割の表示】P 2019103579の分割
【原出願日】2014-08-19
【審査請求日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2013169542
(32)【優先日】2013-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】川田 琢也
(72)【発明者】
【氏名】千田 章裕
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118082(JP,A)
【文献】特開2011-018097(JP,A)
【文献】特開2011-007904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50-51/56
H05B 33/00-33/28
H01L 27/32
G09F 9/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の第1の基板と、
前記第1の基板上の
矩形状の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の表示素子と、
前記第2の基板上の第3の基板と、を有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第3の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第3の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺は、前記第2の基板の第4の辺と重なりを有し、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各々は、有機樹脂材料を有し、
前記第3の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第3の基板の厚さは、前記第2の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
二つ折りの状態、三つ折りの状態、又はロール状に巻いた状態にすることが可能な発光装置。
【請求項2】
矩形状の第1の基板と、
前記第1の基板上の
矩形状の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の表示素子と、
前記第2の基板上の第3の基板と、
前記表示素子と前記第3の基板との間のタッチセンサと、を有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第3の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第3の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺は、前記第2の基板の第4の辺と重なりを有し、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各々は、有機樹脂材料を有し、
前記第3の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第3の基板の厚さは、前記第2の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
二つ折りの状態、三つ折りの状態、又はロール状に巻いた状態にすることが可能な発光装置。
【請求項3】
矩形状の第1の基板と、
前記第1の基板上の
矩形状の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の表示素子と、
前記第2の基板上の第3の基板と、
前記第2の基板と前記第3の基板との間の接着層と、を有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第3の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第3の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺は、前記第2の基板の第4の辺と重なりを有し、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各々は、有機樹脂材料を有し、
前記第3の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第3の基板の厚さは、前記第2の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
二つ折りの状態、三つ折りの状態、又はロール状に巻いた状態にすることが可能な発光装置。
【請求項4】
矩形状の第1の基板と、
前記第1の基板上の
矩形状の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の表示素子と、
前記第2の基板上の第3の基板と、
前記表示素子と前記第2の基板との間の着色層と、を有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第3の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第3の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺は、前記第2の基板の第4の辺と重なりを有し、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各々は、有機樹脂材料を有し、
前記第3の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第3の基板の厚さは、前記第2の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
二つ折りの状態、三つ折りの状態、又はロール状に巻いた状態にすることが可能な発光装置。
【請求項5】
矩形状の第1の基板と、
前記第1の基板上の
矩形状の第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の表示素子と、
前記第2の基板上の第3の基板と、
前記第1の基板下の第4の基板と、を有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第3の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第1乃至第3の辺と、前記第2の基板の第1乃至第3の辺とは、前記第4の基板と重なりを有し、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第3の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺と、前記第2の基板の第4の辺とは、前記第4の基板と重ならず、
前記第1の基板の第4の辺は、前記第2の基板の第4の辺と重なりを有し、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各々は、有機樹脂材料を有し、
前記第3の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第3の基板の厚さは、前記第2の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
前記第4の基板のヤング率は、前記第1の基板のヤング率又は前記第2の基板のヤング率以下であり、
前記第4の基板の厚さは、前記第1の基板の厚さの2倍以上100倍以下であり、
二つ折りの状態、三つ折りの状態、又はロール状に巻いた状態にすることが可能な発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明の一態様は、
プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター
)に関する。特に、本発明の一態様は、発光装置、表示装置、電子機器、照明装置、また
はそれらの作製方法、使用方法、操作方法などに関する。特に、エレクトロルミネッセン
ス(Electroluminescence、以下ELとも記す)現象を利用した発光
装置、表示装置、電子機器、照明装置、またはそれらの作製方法、使用方法、操作方法な
どに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光装置や表示装置は様々な用途への応用が期待されており、多様化が求められて
いる。
【0003】
例えば、携帯機器用途等の発光装置や表示装置では、薄型であること、軽量であること、
湾曲面への適用が可能であること、または破損しにくいこと等が求められている。また、
可搬性の向上などを目的として、任意の部位で屈曲可能な発光装置や表示装置が求められ
ている。
【0004】
また、EL現象を利用した発光素子(EL素子とも記す)は、薄型軽量化が容易、入力信
号に対し高速に応答可能、直流低電圧電源を用いて駆動可能などの特徴を有し、発光装置
や表示装置への応用が検討されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、シリコンウェハやガラス基板などの上に形成した薄膜デバイス
層を、プラスチック基板の積層体に転載する技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、表示装置に用いることができるプラスチック基板の材料が羅列されてい
るものの、その中にはフッ素ゴム系の材料やシリコーン樹脂などの柔軟すぎて薄膜デバイ
ス層の転載には不向きな材料も含まれている。また、特許文献1には、繰り返し屈曲可能
な表示装置に用いるための好ましい基板の材料の記載はない。
【0008】
本発明の一態様は、可搬性に優れた表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供するこ
とを目的の一とする。
【0009】
または、本発明の一態様は、繰り返し屈曲可能な表示装置、電子機器、もしくは照明装置
を提供することを目的の一とする。
【0010】
または、本発明の一態様は、信頼性が高い表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供
することを目的の一とする。
【0011】
または、本発明の一態様は、破損しにくい表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供
することを目的の一とする。
【0012】
または、本発明の一態様は、消費電力が低い表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提
供することを目的の一とする。
【0013】
または、本発明の一態様は、新規な表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供するこ
とを目的の一とする。
【0014】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様は、第1の基板と、第2の基板と、第3の基板と、第4の基板と、を有し
、第1の基板と第2の基板は、表示素子を介して重畳し、第3の基板と第4の基板は、第
1の基板と第2の基板を介して重畳し、第3の基板および第4の基板は、第1の基板およ
び第2の基板よりも柔らかいことを特徴とする表示装置である。
【0016】
本発明の一態様は、第1の基板と、第2の基板と、第3の基板と、第4の基板と、を有し
、第1の基板および第2の基板は、表示素子を介して重畳し、第3の基板および第4の基
板は、第1の基板および第2の基板を介して重畳し、第3の基板および第4の基板のヤン
グ率は、第1の基板および第2の基板のヤング率よりも小さいことを特徴とする表示装置
である。
【0017】
第1の基板および第2の基板に好適な材料のヤング率は、1GPa(1×109Pa)以
上100GPa(100×109Pa)以下、好ましくは2GPa以上50GPa以下、
より好ましくは2GPa以上20GPa以下である。
【0018】
第3の基板および第4の基板に用いる材料のヤング率は、第1の基板および第2の基板に
用いる材料のヤング率の50分の1以下が好ましく、100分の1以下がより好ましく、
500分の1以下がさらに好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様は、可搬性に優れた表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供するこ
とができる。
【0020】
または、本発明の一態様は、繰り返し屈曲可能な表示装置、電子機器、もしくは照明装置
を提供することができる。
【0021】
または、本発明の一態様は、信頼性が高い表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供
することができる。
【0022】
または、本発明の一態様は、破損しにくい表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供
することができる。
【0023】
または、本発明の一態様は、消費電力が低い表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提
供することができる。
【0024】
または、本発明の一態様は、新規な表示装置、電子機器、もしくは照明装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】表示装置の一形態を説明するブロック図及び回路図。
【
図20】電子機器および照明装置の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明の一態様は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々
に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明の一態様は以下に
示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発
明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間
で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、発
明を明瞭化するために誇張または省略されている場合がある。よって、必ずしもそのスケ
ールに限定されない。特に上面図(平面図)や斜視図において、図面をわかりやすくする
ため一部の構成要素の記載を省略する場合がある。
【0028】
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とす
るため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する
発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば
、実際の製造工程において、エッチングなどの処理によりレジストマスクなどが意図せず
に目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。
【0029】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるた
めに付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではな
い。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同
を避けるため、特許請求の範囲において序数詞を付す場合がある。
【0030】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限
定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、
その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配
線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0031】
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直
下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極
B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶
縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0032】
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回
路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わる
ため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、
本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるも
のとする。
【0033】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの
」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの
」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物
理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
【0034】
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度
で配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「
垂直」および「直交」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されてい
る状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「等しい」とは
、最大で±5%の誤差が含まれる。
【0035】
また、本明細書において、フォトリソグラフィ工程を行った後にエッチング工程を行う場
合は、特段の説明がない限り、フォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクは、エ
ッチング工程終了後に除去するものとする。
【0036】
(実施の形態1)
本発明の一態様の表示装置100の構成例について、図を用いて説明する。
図1(A)は
、表示装置100の上面図であり、
図1(B)は、
図1(A)中でA1-A2の一点鎖線
で示す部位の断面図である。また、
図1(C)は、
図1(A)中でB1-B2の一点鎖線
で示す部位の断面図である。
【0037】
なお、
図1(C)に断面図を示したが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されな
い。例えば、
図24(A)乃至(F)のような断面構造でもよい。また、
図24(B)(
C)(F)に示すように、外部電極124を基板147で覆うことにより、接続部を保護
することが出来る。なお、
図24(D)乃至(F)では、半導体チップ910が、COG
などにより、基板上に設けられている場合を示している。
図24(E)(F)に示すよう
に、半導体チップ910を基板147で覆うことにより、半導体チップ910やその接続
部を保護することが出来る。
【0038】
また、
図2(A)乃至
図2(C)に、表示装置100を屈曲させた状態の断面図を例示す
る。なお、
図2(A)乃至
図2(C)は、
図1(A)中でB1-B2の一点鎖線で示す部
位の断面図に相当する。
図2(A)は、表示装置100を二つ折りにした状態を例示して
いる。また、
図2(B)は、表示装置100を三つ折りにした状態を例示している。また
、
図2(C)は、表示装置100をロール状に巻いた状態を例示している。
図2(A)乃
至
図2(C)では、
図1(A)中でB1-B2の一点鎖線で示す方向に屈曲する例を示し
ているが、これに限定されない。本発明の一態様の表示装置100は、任意の方向に屈曲
することができる。
【0039】
また、
図3(A)は、表示装置100の斜視図であり、
図3(B)は、
図3(A)中でX
1-X2の一点鎖線で示す部位を、より詳細に説明するための断面図である。なお、断面
図は、
図3(B)のような構造だけでなく、
図25に示すような構造でもよい。
【0040】
<表示装置の構成例>
本実施の形態に示す表示装置100は、表示領域131、駆動回路132、および駆動回
路133を有する。また、表示装置100は、電極115、EL層117、電極118を
含む発光素子125と、端子電極216を有する。発光素子125は、表示領域131中
に複数形成されている。また、各発光素子125には、発光素子125の発光量を制御す
るトランジスタ232が接続されている。
【0041】
端子電極216は、異方性導電接続層123を介して外部電極124と電気的に接続され
ている。また、端子電極216は、駆動回路132および駆動回路133に電気的に接続
されている。
【0042】
駆動回路132および駆動回路133は、複数のトランジスタ252により構成されてい
る。駆動回路132および駆動回路133は、外部電極124から供給された信号を、表
示領域131中のどの発光素子125に供給するかを決定する機能を有する。
【0043】
トランジスタ232およびトランジスタ252は、ゲート電極206、ゲート絶縁層20
7、半導体層208、ソース電極209a、ドレイン電極209bを有する。また、ソー
ス電極209a、およびドレイン電極209bと同じ層に、配線219が形成されている
。また、トランジスタ232およびトランジスタ252上に絶縁層210が形成され、絶
縁層210上に絶縁層211が形成されている。また、電極115が絶縁層211上に形
成されている。電極115は、絶縁層210および絶縁層211に形成された開口を介し
てドレイン電極209bに電気的に接続されている。また、電極115上に隔壁114が
形成され、電極115および隔壁114上に、EL層117および電極118が形成され
ている。
【0044】
また、表示装置100は、接着層120を介して基板111と基板121が貼り合わされ
た構造を有する。また、基板111の一方の面に、接着層138を介して基板137が形
成されている。また、基板121の一方の面に、接着層148を介して基板147が形成
されている。
【0045】
また、基板111の他方の面には、接着層112を介して絶縁層205が形成されている
。絶縁層205は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン
、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウム等を、単層ま
たは多層で形成するのが好ましい。絶縁層205は、スパッタリング法やCVD法、熱酸
化法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能である。
【0046】
また、基板121の他方の面には、接着層142を介して絶縁層145が形成され、絶縁
層145を介して遮光層264が形成されている。また、基板121の他方の面には、絶
縁層145を介して着色層266、オーバーコート層268が形成されている。
【0047】
なお、絶縁層205は下地層として機能し、基板111や接着層112などから、トラン
ジスタや発光素子への水分や不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。ま
た、絶縁層145は下地層として機能し、基板121や接着層142などから、トランジ
スタや発光素子への水分や不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。絶縁
層145は、絶縁層205と同様の材料および方法により形成することができる。
【0048】
基板111および基板121としては、有機樹脂材料などの可撓性を有する材料などを用
いることができる。表示装置100を所謂ボトムエミッション構造(下面射出構造)の表
示装置、または両面射出型の表示装置とする場合には、基板111にEL層117からの
発光に対して透光性を有する材料を用いる。また、表示装置100を上面射出型の表示装
置、または両面射出型の表示装置とする場合には、基板121にEL層117からの発光
に対して透光性を有する材料を用いる。
【0049】
同様に、表示装置100を所謂ボトムエミッション構造(下面射出構造)の表示装置、ま
たは両面射出型の表示装置とする場合には、基板137にEL層117からの発光に対し
て透光性を有する材料を用いる。また、表示装置100を上面射出型の表示装置、または
両面射出型の表示装置とする場合には、基板147にEL層117からの発光に対して透
光性を有する材料を用いる。
【0050】
また、基板111および基板121として用いる材料の機械的強度が低すぎる場合、表示
装置100の作製時に基板が変形しやすくなるため、歩留まりの低下など、生産性低下の
一因となる。一方で、基板111および基板121として用いる材料の機械的強度が高す
ぎる場合は、表示装置が屈曲しにくくなってしまう。材料の機械的強度を表す指標の一つ
にヤング率がある。基板111および基板121に好適な材料のヤング率は、1GPa(
1×109Pa)以上100GPa(100×109Pa)以下、好ましくは2GPa以
上50GPa以下、より好ましくは2GPa以上20GPa以下である。なお、ヤング率
の測定は、ISO527、JISK7161、JISK7162、JISK7127、A
STMD638、ASTMD882などを参考にして行うことができる。
【0051】
基板111および基板121の厚さは、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm
以上50μm以下がより好ましい。また、基板111または基板121の一方、もしくは
両方を、複数の層を有する積層基板としてもよい。
【0052】
基板111および基板121は、互いに同じ材料で同じ厚さとすることが好ましい。ただ
し、目的に応じて、互いに異なる材料や、異なる厚さとしてもよい。
【0053】
基板111および基板121に用いることができる、可撓性及び可視光に対する透光性を
有する材料の一例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレー
ト樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、などがある。
また、光を透過させる必要がない場合には、非透光性の基板を用いてもよい。例えば、基
板121または基板111として、アルミニウムなどを用いてもよい。
【0054】
また、基板121および基板111の熱膨張係数は、好ましくは30ppm/K以下、さ
らに好ましくは10ppm/K以下とする。また、基板121および基板111の表面に
、予め窒化シリコンや窒化酸化シリコン等の窒素と珪素を含む膜や窒化アルミニウム等の
窒素とアルミニウムを含む膜のような透水性の低い保護膜を成膜しておいても良い。なお
、基板121および基板111として、繊維体に有機樹脂が含浸された構造物(所謂、プ
リプレグとも言う)を用いてもよい。
【0055】
このような基板を用いることにより、割れにくい表示装置を提供することができる。また
は、軽量な表示装置を提供することができる。または、屈曲しやすい表示装置を提供する
ことができる。
【0056】
基板137として、基板111よりも柔らかい材料を用いる。例えば、基板137として
、基板111よりもヤング率が小さい材料を用いる。また、基板147として、基板12
1よりも柔らかい材料を用いる。例えば、基板147として、基板121よりもヤング率
が小さい材料を用いる。
【0057】
基板137に用いる材料のヤング率は、基板111に用いる材料のヤング率の50分の1
以下が好ましく、100分の1以下がより好ましく、500分の1以下がさらに好ましい
。また、基板147に用いる材料のヤング率は、基板121に用いる材料のヤング率の5
0分の1以下が好ましく、100分の1以下がより好ましく、500分の1以下がさらに
好ましい。
【0058】
基板137および基板147に用いることができる、材料の一例として、シリコーンゴム
、フッ素ゴムなどの粘弾性を有する高分子材料がある。また、基板137および基板14
7に用いる材料は、透光性を有する材料であることが好ましい。また、基板137および
基板147は、同種の材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
【0059】
また、基板111および基板121を間に挟んで、基板137および基板147を貼り合
せる場合、基板137および基板147の厚さは等しいことが好ましい。基板137およ
び基板147の厚さを等しくすることで、基板111および基板121を、屈曲部分の中
立面付近に配置することができる。よって、屈曲時に基板111および基板121に加わ
る応力を小さくすることができる。
【0060】
また、ヤング率の小さい材料はヤング率の大きい材料よりも変形しやすいため、変形時に
生じる内部応力が分散しやすい。よって、基板137および基板147として、基板11
1および基板121よりもヤング率の小さい材料を用いることで、屈曲時に基板111お
よび基板121に生じる局在的な応力を緩和し、基板111および基板121の破損を防
ぐことができる。また、基板137および基板147は、外部からの物理的な圧迫や衝撃
を分散する緩衝材としても機能する。
【0061】
また、屈曲部内側に基板137または基板147を有することにより、屈曲部内側の曲率
半径が基板137または基板147の厚さよりも小さくなることを防ぐことができる。よ
って、基板111または基板121の、過剰に小さい曲率半径で屈曲することに起因する
破損を防ぐことができる。
【0062】
本発明の一態様によれば、表示装置100を折り曲げる際に、屈曲部内側の曲率半径が1
mm以下であっても、表示装置100の破損を防ぐことができる。
【0063】
なお、基板137の厚さは、基板111の2倍以上100倍以下が好ましく、5倍以上5
0倍以下がより好ましい。また、基板147の厚さは、基板121の2倍以上100倍以
下が好ましく、5倍以上50倍以下がより好ましい。基板137を基板111よりも厚く
、また、基板147を基板121よりも厚くすることで、応力緩和や緩衝材としての効果
を良好なものとすることができる。
【0064】
基板137および基板147は、互いに同じ材料で同じ厚さとすることが好ましい。ただ
し、目的に応じて、互いに異なる材料や、異なる厚さとしてもよい。
【0065】
また、表示装置の用途によっては、基板137または基板147のうち、どちらか一方の
みを設ける構成としてもよい。また、基板137または基板147の一方、もしくは両方
を、複数の層を有する積層基板としてもよい。
【0066】
本発明の一態様によれば、外部からの衝撃に強く、破損しにくい表示装置を実現すること
ができる。
【0067】
本発明の一態様によれば、屈曲と伸展が繰り返し行われても破損しにくく、信頼性の高い
表示装置を実現することができる。
【0068】
<画素回路構成例>
次に、
図4を用いて、表示装置100のより具体的な構成例について説明する。
図4(A
)は、表示装置100の構成を説明するためのブロック図である。表示装置100は、表
示領域131、駆動回路132、および駆動回路133を有する。駆動回路132は、例
えば走査線駆動回路として機能する。また、駆動回路133は、例えば信号線駆動回路と
して機能する。
【0069】
また、表示装置100は、各々が略平行に配設され、且つ、駆動回路132によって電位
が制御されるm本の走査線135と、各々が略平行に配設され、且つ、駆動回路133に
よって電位が制御されるn本の信号線136と、を有する。さらに、表示領域131はマ
トリクス状に配設された複数の画素134を有する。また、駆動回路132および駆動回
路133をまとめて駆動回路部という場合がある。
【0070】
各走査線135は、表示領域131においてm行n列に配設された画素134のうち、い
ずれかの行に配設されたn個の画素134と電気的に接続される。また、各信号線136
は、m行n列に配設された画素134のうち、いずれかの列に配設されたm個の画素13
4に電気的に接続される。m、nは、ともに1以上の整数である。
【0071】
図4(B)および
図4(C)は、
図4(A)に示す表示装置の画素134に用いることが
できる回路構成を示している。
【0072】
〔発光表示装置用画素回路の一例〕
また、
図4(B)に示す画素134は、トランジスタ431と、容量素子233と、トラ
ンジスタ232と、発光素子125と、を有する。
【0073】
トランジスタ431のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配
線(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ431
のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(以下、走査線GL_mという)に電気的
に接続される。
【0074】
トランジスタ431は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のノード
435への書き込みを制御する機能を有する。
【0075】
容量素子233の一対の電極の一方は、ノード435に電気的に接続され、他方は、ノー
ド437に電気的に接続される。また、トランジスタ431のソース電極およびドレイン
電極の他方は、ノード435に電気的に接続される。
【0076】
容量素子233は、ノード435に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能
を有する。
【0077】
トランジスタ232のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気
的に接続され、他方はノード437に電気的に接続される。さらに、トランジスタ232
のゲート電極は、ノード435に電気的に接続される。
【0078】
発光素子125のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続さ
れ、他方は、ノード437に電気的に接続される。
【0079】
発光素子125としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともい
う)などを用いることができる。ただし、発光素子125としては、これに限定されず、
無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
【0080】
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与え
られ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
【0081】
図4(B)の画素134を有する表示装置では、第1の駆動回路132により各行の画素
134を順次選択し、トランジスタ431をオン状態にしてデータ信号をノード435に
書き込む。
【0082】
ノード435にデータが書き込まれた画素134は、トランジスタ431がオフ状態にな
ることで保持状態になる。さらに、ノード435に書き込まれたデータの電位に応じてト
ランジスタ232のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子
125は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画
像を表示できる。
【0083】
〔液晶表示装置用画素回路の一例〕
図4(C)に示す画素134は、液晶素子432と、トランジスタ431と、容量素子2
33と、を有する。
【0084】
液晶素子432の一対の電極の一方の電位は、画素134の仕様に応じて適宜設定される
。液晶素子432は、ノード436に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。
なお、複数の画素134のそれぞれが有する液晶素子432の一対の電極の一方に、共通
の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素134毎の液晶素子432の一
対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
【0085】
例えば、液晶素子432を備える表示装置の駆動方法としては、TNモード、STNモー
ド、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Mi
cro-cell)モード、OCB(Optically Compensated B
irefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liqui
d Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liq
uid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Ver
tical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、またはTBA
(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。
また、表示装置の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、ECB(Electric
ally Controlled Birefringence)モード、PDLC(P
olymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC
(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホ
ストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子及びその駆動方式として様
々なものを用いることができる。
【0086】
また、ブルー相(Blue Phase)を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物に
より液晶素子432を構成してもよい。ブルー相を示す液晶は、配向処理を不要とするこ
とができる。また、ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短く、光学的に
等方性であるため、視野角依存性が小さい。
【0087】
なお、表示素子として、発光素子125および液晶素子432以外の表示素子を適用する
ことも可能である。例えば、表示素子として、電気泳動素子、電子インク、エレクトロウ
ェッティング素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)、デジタ
ルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、M
IRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子
などを用いることも可能である。
【0088】
m行n列目の画素134において、トランジスタ431のソース電極及びドレイン電極の
一方は、信号線DL_nに電気的に接続され、他方はノード436に電気的に接続される
。トランジスタ431のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジ
スタ431は、オン状態またはオフ状態になることにより、ノード436へのデータ信号
の書き込みを制御する機能を有する。
【0089】
容量素子233の一対の電極の一方は、特定の電位が供給される配線(以下、容量線CL
)に電気的に接続され、他方は、ノード436に電気的に接続される。また、液晶素子4
32の一対の電極の他方はノード436に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位
の値は、画素134の仕様に応じて適宜設定される。容量素子233は、ノード436に
書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
【0090】
例えば、
図4(C)の画素134を有する表示装置では、第1の駆動回路132により各
行の画素134を順次選択し、トランジスタ431をオン状態にしてノード436にデー
タ信号を書き込む。
【0091】
ノード436にデータ信号が書き込まれた画素134は、トランジスタ431がオフ状態
になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
【0092】
<変形例>
図5に、表示装置100と異なる構成を有する表示装置200を示す。
図5(A)は、表
示装置200の上面図であり、
図5(B)は、
図5(A)中でA3-A4の一点鎖線で示
す部位の断面図である。また、
図5(C)は、
図5(A)中でB3-B4の一点鎖線で示
す部位の断面図である。
【0093】
なお、
図5(C)に断面図を示したが、本発明の実施形態の一態様は、これに限定されな
い。例えば、
図26(A)乃至(H)のような断面構造でもよい。また、
図26(B)(
C)(D)(G)(H)に示すように、外部電極124を基板147で覆うことにより、
接続部を保護することが出来る。また、
図26(D)(H)に示すように、外部電極12
4を基板147と基板137とで覆うことにより、接続部を保護することが出来る。また
は、
図26(F)(G)(H)に示すように、半導体チップ910を基板147で覆うこ
とにより、半導体チップ910やその接続部を保護することが出来る。
【0094】
表示装置200は、表示装置100と、基板137および基板147の少なくとも一部が
基板111および基板121の端部を超えて延伸し、該延伸部において、基板137およ
び基板147が接続している点が異なる。他の構成は表示装置100と同様に形成するこ
とができる。なお、該延伸部における基板137および基板147は、接着層などを介し
て間接的に接続してもよいし、直接接続してもよい。
【0095】
表示装置200のような構成とすることで、基板111および基板121端部からの不純
物が侵入しにくくなるため、表示装置の信頼性をさらに高めることができる。
【0096】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0097】
(実施の形態2)
本実施の形態では、表示装置100の作製方法の一例について、
図6乃至
図12を用いて
説明する。なお、
図6乃至
図12は、
図3(A)中のX1-X2の一点鎖線で示す部位の
断面に相当する。
【0098】
<表示装置の作製方法例>
〔剥離層を形成する〕
まず、素子形成基板101上に剥離層113を形成する(
図6(A)参照。)。なお、素
子形成基板101としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、
金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を
有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0099】
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス
、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。なお、酸化バリウム(
BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガ
ラスなどを用いることができる。
【0100】
剥離層113は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コ
バルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、
シリコンから選択された元素、または前記元素を含む合金材料、または前記元素を含む化
合物材料を用いて形成することができる。また、これらの材料を単層又は積層して形成す
ることができる。なお、剥離層113の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの
場合でもよい。また、剥離層113を、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、二
酸化チタン、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはIn
GaZnO(IGZO)等の金属酸化物を用いて形成することもできる。
【0101】
剥離層113は、スパッタリング法やCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる。な
お、塗布法はスピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
【0102】
剥離層113を単層で形成する場合、タングステン、モリブデン、またはタングステンと
モリブデンを含む合金材料を用いることが好ましい。または、剥離層113を単層で形成
する場合、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物、モリブデンの酸化物若しくは酸化
窒化物、またはタングステンとモリブデンを含む合金の酸化物若しくは酸化窒化物を用い
ることが好ましい。
【0103】
また、剥離層113として、例えば、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含
む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層に接して酸化物絶縁層を形成する
ことで、タングステンを含む層と酸化物絶縁層との界面に、酸化タングステンが形成され
ることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラ
ズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含
む層を形成してもよい。
【0104】
本実施の形態では、素子形成基板101としてガラス基板を用いる。また、剥離層113
として素子形成基板101上にスパッタリング法によりタングステンを形成する。
【0105】
〔絶縁層を形成する〕
次に、剥離層113上に下地層として絶縁層205を形成する(
図6(A)参照。)。絶
縁層205は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸
化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウム等を、単層または
多層で形成するのが好ましい。例えば、絶縁層205を、酸化シリコンと窒化シリコンを
積層した2層構造としてもよいし、上記材料を組み合わせた5層構造としてもよい。絶縁
層205は、スパッタリング法やCVD法、熱酸化法、塗布法、印刷法等を用いて形成す
ることが可能である。
【0106】
絶縁層205の厚さは、30nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上400n
m以下とすればよい。
【0107】
絶縁層205は、素子形成基板101や剥離層113などからの不純物元素の拡散を防止
、または低減することができる。また、素子形成基板101を基板111に換えた後も、
基板111や接着層112などから発光素子125への不純物元素の拡散を防止、または
低減することができる。本実施の形態では、絶縁層205としてプラズマCVD法により
厚さ200nmの酸化窒化シリコンと厚さ50nmの窒化酸化シリコンの積層膜を用いる
。
【0108】
〔ゲート電極を形成する〕
次に、絶縁層205上にゲート電極206を形成する(
図6(A)参照。)。ゲート電極
206は、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンか
ら選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を
組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのい
ずれか一または複数から選択された金属元素を用いてもよい。また、ゲート電極206は
、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウ
ム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチ
タン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化
タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜
上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、
さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、
タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元
素の膜、または複数組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
【0109】
また、ゲート電極206は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸
化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化
物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加
したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、
上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
【0110】
まず、絶縁層205上にスパッタリング法、CVD法、蒸着法等により、ゲート電極20
6となる導電膜を積層し、該導電膜上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを
形成する。次に、レジストマスクを用いてゲート電極206となる導電膜の一部をエッチ
ングして、ゲート電極206を形成する。この時、他の配線および電極も同時に形成する
ことができる。
【0111】
導電膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を
用いてもよい。なお、ドライエッチング法によりエッチングを行った場合、レジストマス
クを除去する前にアッシング処理を行うと、剥離液を用いたレジストマスクの除去を容易
とすることができる。
【0112】
なお、ゲート電極206は、上記形成方法の代わりに、電解メッキ法、印刷法、インクジ
ェット法等で形成してもよい。
【0113】
ゲート電極206の厚さは、5nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上3
00nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下である。
【0114】
また、ゲート電極206を、遮光性を有する導電性材料を用いて形成することで、外部か
らの光が、ゲート電極206側から半導体層208に到達しにくくすることができる。そ
の結果、光照射によるトランジスタの電気特性の変動を抑制することができる。
【0115】
〔ゲート絶縁層を形成する〕
次に、ゲート絶縁層207を形成する(
図6(A)参照。)。ゲート絶縁層207は、例
えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウムと酸化シリコンの混合物、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたは
Ga-Zn系金属酸化物などを用いればよく、積層または単層で設ける。
【0116】
また、ゲート絶縁層207として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、窒素が添加
されたハフニウムシリケート(HfSixOyNz)、窒素が添加されたハフニウムアル
ミネート(HfAlxOyNz)、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh-
k材料を用いることでトランジスタのゲートリークを低減できる。例えば、酸化窒化シリ
コンと酸化ハフニウムの積層としてもよい。
【0117】
ゲート絶縁層207の厚さは、5nm以上400nm以下、より好ましくは10nm以上
300nm以下、より好ましくは50nm以上250nm以下とするとよい。
【0118】
ゲート絶縁層207は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で形成することができる
。
【0119】
ゲート絶縁層207として酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコ
ン膜を形成する場合、原料ガスとしては、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用
いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、
トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素
、二酸化窒素等がある。
【0120】
また、ゲート絶縁層207は、窒化物絶縁層と酸化物絶縁層をゲート電極206側から順
に積層する積層構造としてもよい。ゲート電極206側に窒化物絶縁層を設けることで、
ゲート電極206側から水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が半導体
層208に移動することを防ぐことができる。なお、一般に、窒素、アルカリ金属、また
はアルカリ土類金属等は、半導体の不純物元素として機能する。また、水素は、酸化物半
導体の不純物元素として機能する。よって、本明細書等における「不純物」には、水素、
窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が含まれるものとする。
【0121】
また、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、半導体層208側に酸化物絶
縁層を設けることで、ゲート絶縁層207と半導体層208の界面における欠陥準位密度
を低減することが可能である。この結果、電気特性の劣化の少ないトランジスタを得るこ
とができる。なお、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、酸化物絶縁層と
して、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁層を用いて形成す
ると、ゲート絶縁層207と半導体層208の界面における欠陥準位密度をさらに低減す
ることが可能であるため好ましい。
【0122】
また、ゲート絶縁層207を、上記のように窒化物絶縁層と酸化物絶縁層の積層とする場
合、酸化物絶縁層よりも窒化物絶縁層を厚くすることが好ましい。
【0123】
窒化物絶縁層は酸化物絶縁層よりも比誘電率が大きいため、ゲート絶縁層207の膜厚を
厚くしても、ゲート電極206に生じる電界を効率よく半導体層208に伝えることがで
きる。また、ゲート絶縁層207全体を厚くすることで、ゲート絶縁層207の絶縁耐圧
を高めることができる。よって、半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0124】
また、ゲート絶縁層207は、欠陥の少ない第1の窒化物絶縁層と、水素ブロッキング性
の高い第2の窒化物絶縁層と、酸化物絶縁層とが、ゲート電極206側から順に積層され
る積層構造とすることができる。ゲート絶縁層207に、欠陥の少ない第1の窒化物絶縁
層を用いることで、ゲート絶縁層207の絶縁耐圧を向上させることができる。特に、半
導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、ゲート絶縁層207に、水素ブロッキ
ング性の高い第2の窒化物絶縁層を設けることで、ゲート電極206及び第1の窒化物絶
縁層に含まれる水素が半導体層208に移動することを防ぐことができる。
【0125】
第1の窒化物絶縁層、第2の窒化物絶縁層の作製方法の一例を以下に示す。はじめに、シ
ラン、窒素、及びアンモニアの混合ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により
、欠陥の少ない窒化シリコン膜を第1の窒化物絶縁層として形成する。次に、原料ガスを
、シラン及び窒素の混合ガスに切り替えて、水素濃度が少なく、且つ水素をブロッキング
することが可能な窒化シリコン膜を第2の窒化物絶縁層として成膜する。このような形成
方法により、欠陥が少なく、且つ水素のブロッキング性を有する窒化物絶縁層が積層され
たゲート絶縁層207を形成することができる。
【0126】
また、ゲート絶縁層207は、不純物のブロッキング性が高い第3の窒化物絶縁層と、欠
陥の少ない第1の窒化物絶縁層と、水素ブロッキング性の高い第2の窒化物絶縁層と、酸
化物絶縁層とが、ゲート電極206側から順に積層される積層構造とすることができる。
ゲート絶縁層207に、不純物のブロッキング性が高い第3の窒化物絶縁層を設けること
で、ゲート電極206から水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が半導
体層208に移動することを防ぐことができる。
【0127】
第1の窒化物絶縁層乃至第3の窒化物絶縁層の作製方法の一例を以下に示す。はじめに、
シラン、窒素、及びアンモニアの混合ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法によ
り、不純物のブロッキング性が高い窒化シリコン膜を第3の窒化物絶縁層として形成する
。次に、アンモニアの流量を増加させることで、欠陥の少ない窒化シリコン膜を第1の窒
化物絶縁層として形成する。次に、原料ガスを、シラン及び窒素の混合ガスに切り替えて
、水素濃度が少なく、且つ水素をブロッキングすることが可能な窒化シリコン膜を第2の
窒化物絶縁層として成膜する。このような形成方法により、欠陥が少なく、且つ不純物の
ブロッキング性を有する窒化物絶縁層が積層されたゲート絶縁層207を形成することが
できる。
【0128】
また、ゲート絶縁層207として酸化ガリウム膜を形成する場合、MOCVD(Meta
l Organic Chemical Vapor Deposition)法を用い
て形成することができる。
【0129】
なお、トランジスタのチャネルが形成される半導体層208と、酸化ハフニウムを含む絶
縁層を、酸化物絶縁層を介して積層し、酸化ハフニウムを含む絶縁層に電子を注入するこ
とで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0130】
〔半導体層を形成する〕
半導体層208は、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体等を用いて形成すること
ができる。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウム等を用いることができる。ま
た、炭化シリコン、ガリウム砒素、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体や、
有機半導体等を用いることができる。
【0131】
また、半導体層208として有機物半導体を用いる場合は、芳香環をもつ低分子有機材料
やπ電子共役系導電性高分子などを用いることができる。例えば、ルブレン、テトラセン
、ペンタセン、ペリレンジイミド、テトラシアノキノジメタン、ポリチオフェン、ポリア
セチレン、ポリパラフェニレンビニレンなどを用いることができる。
【0132】
また、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、CAAC-OS(C Axi
s Aligned Crystalline Oxide Semiconducto
r)、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、nc-OS(nano Crysta
lline Oxide Semiconductor)非晶質酸化物半導体などを用い
ることができる。
【0133】
なお、酸化物半導体は、エネルギーギャップが3.0eV以上と大きく、可視光に対する
透過率が大きい。また、酸化物半導体を適切な条件で加工して得られたトランジスタにお
いては、オフ電流を使用時の温度条件下(例えば、25℃)において、100zA(1×
10-19A)以下、もしくは10zA(1×10-20A)以下、さらには1zA(1
×10-21A)以下とすることができる。このため、消費電力の少ない表示装置を提供
することができる。
【0134】
また、半導体層208に酸化物半導体を用いる場合は、半導体層208に接する絶縁層に
酸素を含む絶縁層を用いることが好ましい。
【0135】
半導体層208の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm
以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。本実施の形態では、半導体層2
08として、スパッタリング法により厚さ30nmの酸化物半導体膜を形成する。
【0136】
続いて、酸化物半導体膜上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて酸化物
半導体膜の一部を選択的にエッチングすることで、半導体層208を形成する。レジスト
マスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行う
ことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用し
ないため、製造コストを低減できる。
【0137】
酸化物半導体膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく
、両方を用いてもよい。酸化物半導体膜のエッチング終了後、レジストマスクを除去する
(
図6(B)参照。)。
【0138】
〔ソース電極、ドレイン電極等を形成する〕
次に、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216
を形成する(
図6(C)参照。)。まず、ゲート絶縁層207、半導体層208上に導電
膜を形成する。
【0139】
導電膜としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコ
ニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる単体金属、またはこれ
を主成分とする合金を単層構造または積層構造を用いることができる。例えば、シリコン
を含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タ
ングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム
合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステ
ン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または
窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜ま
たは窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモ
リブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さら
にその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造、タングステン膜上
に銅膜を積層し、さらにその上にタングステン膜を形成する三層構造等がある。
【0140】
なお、インジウム錫酸化物、亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸
化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化
チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジ
ウム錫酸化物などの酸素を含む導電性材料、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む
導電性材料を用いてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材
料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、
窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属
元素を含む材料、酸素を含む導電性材料、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積
層構造とすることもできる。
【0141】
また、導電膜の厚さは、5nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上300
nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下である。本実施の形態では、導電
膜として厚さ300nmのタングステン膜を形成する。
【0142】
次に、レジストマスクを用いて、導電膜の一部を選択的にエッチングし、ソース電極20
9a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216(これと同じ膜で形成
される他の電極または配線を含む)を形成する。レジストマスクの形成は、フォトリソグ
ラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスク
をインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減でき
る。
【0143】
導電膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を
用いてもよい。なお、エッチング工程により、露出した半導体層208の一部が除去され
る場合がある。導電膜のエッチング終了後、レジストマスクを除去する。
【0144】
〔絶縁層を形成する〕
次に、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216
上に、絶縁層210を形成する(
図6(D)参照。)。絶縁層210は、絶縁層205と
同様の材料および方法で形成することができる。
【0145】
また、半導体層208に酸化物半導体を用いる場合は、少なくとも絶縁層210の半導体
層208と接する領域に、酸素を含む絶縁層を用いることが好ましい。例えば、絶縁層2
10を複数層の積層とする場合、少なくとも半導体層208と接する層を酸化シリコンで
形成すればよい。
【0146】
〔開口の形成〕
次に、レジストマスクを用いて、絶縁層210の一部を選択的にエッチングし、開口12
8を形成する(
図6(D)参照。)。この時、図示しない他の開口も同時に形成する。レ
ジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用い
て行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使
用しないため、製造コストを低減できる。
【0147】
絶縁層210のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、
両方を用いてもよい。
【0148】
開口128の形成により、ドレイン電極209b、端子電極216の一部が露出する。開
口128の形成後、レジストマスクを除去する。
【0149】
〔平坦化膜を形成する〕
次に、絶縁層210上に絶縁層211を形成する(
図7(A)参照。)。絶縁層211は
、絶縁層205と同様の材料および方法で形成することができる。
【0150】
また、発光素子125の被形成面の表面凹凸を低減するために、絶縁層211に平坦化処
理を行ってもよい。平坦化処理として特に限定はないが、研磨処理(例えば、化学的機械
研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP))、
やドライエッチング処理により行うことができる。
【0151】
また、平坦化機能を有する絶縁材料を用いて絶縁層211を形成することで、研磨処理を
省略することもできる。平坦化機能を有する絶縁材料として、例えば、ポリイミド樹脂、
アクリル樹脂等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材
料(low-k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁層
を複数積層させることで、絶縁層211を形成してもよい。
【0152】
また、開口128と重畳する領域の絶縁層211の一部を除去して、開口129を形成す
る。この時、図示しない他の開口部も同時に形成する。また、後に外部電極124が接続
する領域の絶縁層211は除去する。なお、開口129等は、絶縁層211上にフォトリ
ソグラフィ工程によるレジストマスクの形成を行い、絶縁層211のレジストマスクに覆
われていない領域をエッチングすることで形成できる。開口129を形成することにより
、ドレイン電極209bの表面を露出させる。
【0153】
また、絶縁層211に感光性を有する材料を用いることで、レジストマスクを用いること
なく開口129を形成することができる。本実施の形態では、感光性のポリイミド樹脂を
用いて絶縁層211および開口129を形成する。
【0154】
〔陽極を形成する〕
次に、絶縁層211上に電極115を形成する(
図7(B)参照。)。電極115は、後
に形成されるEL層117が発する光を効率よく反射する導電性材料を用いて形成するこ
とが好ましい。なお、電極115は単層に限らず、複数層の積層構造としてもよい。例え
ば、電極115を陽極として用いる場合、EL層117と接する層を、インジウム錫酸化
物などのEL層117よりも仕事関数が大きく透光性を有する層とし、その層に接して反
射率の高い層(アルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)を設けてもよい
。
【0155】
なお、本実施の形態では、トップエミッション構造の表示装置について例示するが、ボト
ムエミッション構造(下面射出構造)、またはデュアルエミッション構造(両面射出構造
)の表示装置とすることもできる。
【0156】
表示装置100を、ボトムエミッション構造(下面射出構造)、またはデュアルエミッシ
ョン構造(両面射出構造)の表示装置とする場合は、電極115に透光性を有する導電性
材料を用いればよい。
【0157】
電極115は、絶縁層211上に電極115となる導電膜を形成し、該導電膜上にレジス
トマスクを形成し、該導電膜のレジストマスクに覆われていない領域をエッチングするこ
とで形成できる。該導電膜のエッチングは、ドライエッチング法、ウエットエッチング法
、または双方を組み合わせたエッチング法を用いることができる。レジストマスクの形成
は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる
。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製
造コストを低減できる。電極115の形成後、レジストマスクを除去する。
【0158】
〔隔壁を形成する〕
次に、隔壁114を形成する(
図7(C)参照。)。隔壁114は、隣接する画素の発光
素子125が意図せず電気的に短絡し、誤発光することを防ぐために設ける。また、後述
するEL層117の形成にメタルマスクを用いる場合、メタルマスクが電極115に接触
しないようにする機能も有する。隔壁114は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹
脂などの有機樹脂材料や、酸化シリコンなどの無機材料で形成することができる。隔壁1
14は、その側壁がテーパーまたは連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように
形成することが好ましい。隔壁114の側壁をこのような形状とすることで、後に形成さ
れるEL層117や電極118の被覆性を良好なものとすることができる。
【0159】
〔EL層を形成する〕
EL層117の構成については、実施の形態6で説明する。
【0160】
〔陰極を形成する〕
本実施の形態では電極118を陰極として用いるため、電極118を後述するEL層11
7に電子を注入できる仕事関数の小さい材料を用いて形成することが好ましい。また、仕
事関数の小さい金属単体ではなく、仕事関数の小さいアルカリ金属、またはアルカリ土類
金属を数nm形成した層を緩衝層として形成し、その上にアルミニウムなどの金属材料、
インジウム錫酸化物等の導電性を有する酸化物材料、または半導体材料を用いて形成して
もよい。また、緩衝層として、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、または、マグ
ネシウム-銀等の合金を用いることもできる。
【0161】
また、電極118を介して、EL層117が発する光を取り出す場合には、電極118は
、可視光に対し透光性を有することが好ましい。電極115、EL層117、電極118
により、発光素子125が形成される(
図7(D)参照。)。
【0162】
〔対向素子形成基板を形成する〕
遮光層264、着色層266、オーバーコート層268、絶縁層145、および剥離層1
43が形成された素子形成基板141を、接着層120を介して素子形成基板101上に
形成する(
図8(A)参照。)。なお、素子形成基板141は素子形成基板101と向か
い合うように形成されるため、素子形成基板141を「対向素子形成基板」と呼ぶ場合が
ある。素子形成基板141(対向素子形成基板)の構成については、追って説明する。
【0163】
素子形成基板141は、素子形成基板101上に、接着層120により固定される。接着
層120としては、光硬化型の接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気
型接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂等を
用いることができる。トップエミッション構造の場合は接着層120に光の波長以下の大
きさの乾燥剤(ゼオライト等)や、屈折率の大きいフィラー(酸化チタンや、ジルコニウ
ム等)を混合すると、EL層117が発する光の取り出し効率が向上するため好適である
。
【0164】
〔素子形成基板を絶縁層から剥離する〕
次に、剥離層113を介して絶縁層205と接する素子形成基板101を、絶縁層205
から剥離する(
図8(B)参照。)。剥離方法としては、機械的な力を加えること(人間
の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離する処理、超音波等)を
用いて行えばよい。たとえば、剥離層113に鋭利な刃物またはレーザ光照射等で切り込
みをいれ、その切り込みに水を注入する。または、その切り込みに霧状の水を吹き付ける
。毛細管現象により水が剥離層113と絶縁層205の間にしみこむことにより、素子形
成基板101を絶縁層205から容易に剥離することができる。
【0165】
〔基板を貼り合わせる〕
次に、接着層112を介して基板111を絶縁層205に貼り合わせる(
図9(A)、図
9(B)参照。)。接着層112は、接着層120と同様の材料を用いることができる。
本実施の形態では、基板111として、厚さ20μm、ヤング率10GPaのアラミド(
ポリアミド樹脂)を用いる。
【0166】
〔対向素子形成基板を絶縁層から剥離する〕
次に、剥離層143を介して絶縁層145と接する素子形成基板141を、絶縁層145
から剥離する(
図10(A)参照。)。素子形成基板141の剥離は、前述した素子形成
基板101の剥離と同様の方法で行うことができる。
【0167】
〔基板を貼り合わせる〕
次に、接着層142を介して基板121を絶縁層145に貼り合わせる(
図10(B)参
照。)。接着層142は、接着層120と同様の材料を用いることができる。また、基板
121は基板111と同様の材料を用いることができる。
【0168】
〔開口を形成する〕
次に、端子電極216および開口128と重畳する領域の、基板121、接着層142、
絶縁層145、着色層266、オーバーコート層268、および接着層120を除去して
、開口122を形成する(
図11(A)参照。)。開口122を形成することにより、端
子電極216の表面の一部が露出する。
【0169】
〔外部電極を形成する〕
次に、開口122に異方性導電接続層123を形成し、異方性導電接続層123上に、表
示装置100に電力や信号を入力するための外部電極124を形成する(
図11(B)参
照)。端子電極216は、異方性導電接続層123を介して外部電極124と電気的に接
続される。なお、外部電極124としては、例えばFPC(Flexible prin
ted circuit)を用いることができる。
【0170】
異方性導電接続層123は、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropi
c Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisot
ropic Conductive Paste)などを用いて形成することができる。
【0171】
異方性導電接続層123は、熱硬化性、又は熱硬化性及び光硬化性の樹脂に導電性粒子を
混ぜ合わせたペースト状又はシート状の材料を硬化させたものである。異方性導電接続層
123は、光照射や熱圧着によって異方性の導電性を示す材料となる。異方性導電接続層
123に用いられる導電性粒子としては、例えば球状の有機樹脂をAuやNi、Co等の
薄膜状の金属で被覆した粒子を用いることができる。
【0172】
〔基板を貼り合わせる〕
次に、基板137を、接着層138を介して基板111に貼り合わせる。また、基板14
7を、接着層148を介して基板121に貼り合わせる(
図12参照。)。接着層138
および接着層148は、接着層120と同様の材料を用いることができる。また、本実施
の形態では、基板137および基板147として、可視光に対して透光性を有する厚さ2
00μm、ヤング率0.03GPaのシリコーンゴムを用いる。
【0173】
〔対向素子形成基板に形成される構造物〕
次に、素子形成基板141に形成される遮光層264などの構造物について、
図13を用
いて説明する。
【0174】
まず、素子形成基板141を準備する。素子形成基板141としては、素子形成基板10
1と同様の材料を用いることができる。次に、素子形成基板141上に剥離層143と絶
縁層145を形成する(
図13(A)参照)。剥離層143は、剥離層113と同様の材
料および方法で形成することができる。また、絶縁層145は、絶縁層205と同様の材
料および方法で形成することができる。
【0175】
次に、絶縁層145上に、遮光層264を形成する(
図13(B)参照)。その後、着色
層266を形成する(
図13(C)参照)。
【0176】
遮光層264および着色層266は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、
フォトリソグラフィ法を用いて、それぞれ所望の位置に形成する。
【0177】
次に、遮光層264および着色層266上にオーバーコート層268を形成する(
図13
(D)参照)。
【0178】
オーバーコート層268としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の
有機絶縁層を用いることができる。オーバーコート層268を形成することによって、例
えば、着色層266中に含まれる不純物等を発光素子125側に拡散することを抑制する
ことができる。ただし、オーバーコート層268は、必ずしも設ける必要はなく、オーバ
ーコート層268を形成しない構造としてもよい。
【0179】
また、オーバーコート層268として透光性を有する導電膜を形成してもよい。オーバー
コート層268として透光性を有する導電膜を設けることで、発光素子125から発せら
れた光235を透過し、かつ、イオン化した不純物の透過を防ぐことができる。
【0180】
透光性を有する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:In
dium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加し
た酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、グラフェン等の他、透光性を有す
る程度に薄く形成された金属膜を用いてもよい。
【0181】
以上の工程で素子形成基板141に遮光層264などの構造物を形成することができる。
【0182】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0183】
(実施の形態3)
トップエミッション構造の表示装置100の構成を変形して、ボトムエミッション構造の
表示装置150を作製することができる。
【0184】
<ボトムエミッション構造の表示装置>
図14に、ボトムエミッション構造の表示装置150の断面構成例を示す。なお、
図14
は、表示装置100の斜視図である
図3(A)中でX1-X2の一点鎖線で示す部位と、
同等の部位の断面図である。ボトムエミッション構造の表示装置150は、遮光層264
、着色層266、およびオーバーコート層268の形成位置が、表示装置100と異なる
。具体的には、表示装置150では、遮光層264、着色層266、およびオーバーコー
ト層268が、基板111上に形成される。
【0185】
また、表示装置150では、絶縁層145を基板121に直接形成して、接着層120を
介して基板111と貼り合せることができる。すなわち、絶縁層145を素子形成基板1
41から転置する必要がないため、素子形成基板141、剥離層143、接着層142を
不要とすることができる。よって、表示装置の生産性や歩留まりなどを向上することがで
きる。なお、表示装置150の他の構成は、表示装置100と同様に形成することができ
る。
【0186】
また、ボトムエミッション構造の表示装置150は、電極115を、透光性を有する導電
性材料を用いて形成され、電極118を、EL層117が発する光を効率よく反射する導
電性材料を用いて形成される。
【0187】
表示装置150は、EL層117から発せられる光235を、着色層266を介して基板
111側から射出することができる。
【0188】
<バックゲート電極>
なお、表示装置150では、駆動回路133を構成するトランジスタとして、トランジス
タ272を用いる例を示している。トランジスタ272は、トランジスタ252と同様に
形成することができるが、絶縁層210上の半導体層208と重畳する領域に電極263
を有する点が異なる。電極263は、ゲート電極206と同様の材料および方法により形
成することができる。
【0189】
電極263は、ゲート電極として機能させることができる。なお、ゲート電極206およ
び電極263のどちらか一方を、単に「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート
電極」という場合がある。また、ゲート電極206および電極263のどちらか一方を、
「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0190】
一般に、バックゲート電極は導電膜で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体
層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電
極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位と
してもよく、GND電位や、任意の電位としてもよい。バックゲート電極の電位を変化さ
せることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0191】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電膜で形成されるため、トランジスタの外部で
生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気
に対する静電遮蔽機能)も有する。
【0192】
また、バックゲート電極側から光が入射する場合に、バックゲート電極を、遮光性を有す
る導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐ
ことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフト
するなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0193】
半導体層208を挟んでゲート電極206および電極263を設けることで、更にはゲー
ト電極206および電極263を同電位とすることで、半導体層208においてキャリア
の流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。こ
の結果、トランジスタのオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0194】
また、ゲート電極206および電極263は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能
を有するため、ゲート電極206よりも下層、電極263よりも上層に存在する電荷が、
半導体層208に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電圧を印
加する-GBT(Gate Bias-Temperature)ストレス試験)や、ゲ
ートに正の電圧を印加する+GBTストレス試験の前後におけるしきい値電圧の変動が小
さい。また、異なるドレイン電圧におけるオン電流の立ち上がり電圧の変動を抑制するこ
とができる。
【0195】
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジ
スタの特性変化(即ち、経年変化)を、短時間で評価することができる。特に、BTスト
レス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重
要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほど、
信頼性が高いトランジスタであるといえる。
【0196】
また、ゲート電極206および電極263を有し、且つゲート電極206および電極26
3を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトラン
ジスタにおける電気特性のばらつきも同時に低減される。
【0197】
なお、表示領域131中に形成されるトランジスタ232に、バックゲート電極を設けて
もよい。
【0198】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0199】
(実施の形態4)
トップエミッション構造の表示装置100の構成を変形して、着色層266、遮光層26
4、オーバーコート層268などを設けない表示装置160を作製することができる。
【0200】
図15(A)に、表示装置160の断面構成例を示す。なお、
図15は、表示装置100
の斜視図である
図3(A)中でX1-X2の一点鎖線で示す部位と、同等の部位の断面図
である。表示装置160は、遮光層264、着色層266、およびオーバーコート層26
8を設けないかわりにEL層117A、EL層117B、EL層117C(図示せず)な
どを用いることによって、カラー表示を行うことが出来る。EL層117A、EL層11
7Bなどは、それぞれ、赤、青、緑、などの異なる色で発光させることが出来る。例えば
、EL層117Aからは赤色の波長を有する光235Aが発せられ、EL層117Bから
は青色の波長を有する光235Bが発せられ、EL層117Cからは緑色の波長を有する
光235C(図示せず)が発せられる。
【0201】
また、着色層266を用いないことによって、光235A、光235B、および光235
Cが着色層266を透過する際に生じる輝度の低下を無くすことが出来る。また、光23
5A、光235B、および光235Cの波長に応じて、EL層117A、EL層117B
、およびEL層117Cの厚さを調整することで、色純度を向上させることができる。
【0202】
なお、表示装置160と同様に、ボトムエミッション構造の表示装置150の構成を変形
して、着色層266、遮光層264、オーバーコート層268などを設けない表示装置1
70も作製可能である。
図15(B)に、表示装置170の断面構成例を示す。
【0203】
なお、
図27に示すように、偏光板、位相差板、λ/4板などの光学フィルム911を追
加で配置してもよい。光学フィルム911は、接着層148Aや接着層138Aを用いて
、接着されている。このような配置とすることにより、画面表面での反射を低減すること
が出来る。また、光学フィルム911を保護することもできる。
【0204】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0205】
(実施の形態5)
図16(A)に示すように、表示装置100において、基板147の上に、タッチセンサ
を有する基板を設けてもよい。タッチセンサは、導電層991と導電層993などを用い
て構成されている。また、それらの間には、絶縁層992が設けられている。
【0206】
なお、導電層991、及び/又は、導電層993は、インジウム錫酸化物やインジウム亜
鉛酸化物などの透明導電膜を用いることが望ましい。ただし、抵抗を下げるため、導電層
991、及び/又は、導電層993の一部、または、全部に、低抵抗な材料を持つ層を用
いてもよい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジ
ルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる単体金属、または
これを主成分とする合金を単層構造または積層構造を用いることができる。または、導電
層991、及び/又は、導電層993として、金属ナノワイヤを用いてもよい。その場合
の金属としては、銀などが好適である。これにより、抵抗値を下げることが出来るため、
センサの感度を向上させることが出来る。
【0207】
絶縁層992は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、
酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウム等を、単層また
は多層で形成するのが好ましい。絶縁層992は、スパッタリング法やCVD法、熱酸化
法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能である。
【0208】
なお、タッチセンサは、基板994の上に設けられているが、本発明の実施形態の一態様
は、これに限定されない。基板994の下(基板121と基板994との間)に設けられ
ていてもよい。
【0209】
また、タッチセンサを有する基板を、表示装置150において、基板137の下側に設け
てもよい。その場合の例を
図16(B)に示す。
【0210】
また、
図28に示すように、タッチセンサを、基板121の上に、接着層148Aを介し
て配置してもよいし、基板111の下に、接着層138Aを介して配置してもよい。
【0211】
なお、基板994として、光学フィルムの機能を持たせてもよい。つまり、基板994は
、偏光板や位相差板などの機能を有していてもよい。
【0212】
また、表示装置100において、タッチセンサを基板121に形成してもよい。
図17(
A)は、基板121にタッチセンサを形成し、タッチセンサおよび接着層142を介して
基板147を形成する例を示している。
【0213】
また、表示装置150において、タッチセンサを基板111に形成してもよい。
図17(
B)は、基板111にタッチセンサを形成し、タッチセンサおよび接着層138を介して
基板137を形成する例を示している。
【0214】
また、表示装置160において、タッチセンサを基板121に形成してもよい。
図18(
A)は、基板121にタッチセンサを形成し、タッチセンサおよび接着層142を介して
基板147を形成する例を示している。
【0215】
また、表示装置170において、タッチセンサを基板111に形成してもよい。
図18(
B)は、基板111にタッチセンサを形成し、タッチセンサおよび接着層138を介して
基板137を形成する例を示している。
【0216】
なお、
図18において、光学フィルム911を配置してもよい。その場合の例を
図29に
示す。光学フィルム911は、接着層142Aや接着層138Aを介して、接着されてい
る。
【0217】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0218】
(実施の形態6)
本実施の形態では、発光素子125に用いることができる発光素子の構成例について説明
する。なお、本実施の形態に示すEL層320が、他の実施の形態に示したEL層117
に相当する。
【0219】
<発光素子の構成>
図19(A)に示す発光素子330は、一対の電極(電極318、電極322)間にEL
層320が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の形態の説明においては、例とし
て、電極318を陽極として用い、電極322を陰極として用いるものとする。
【0220】
また、EL層320は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の
機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い
物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポー
ラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体
的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせ
て用いることができる。
【0221】
図19(A)に示す発光素子330は、電極318と電極322との間に生じた電位差に
より電流が流れ、EL層320において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
つまりEL層320に発光領域が形成されるような構成となっている。
【0222】
本発明において、発光素子330からの発光は、電極318、または電極322側から外
部に取り出される。従って、電極318、または電極322のいずれか一方は透光性を有
する物質で成る。
【0223】
なお、EL層320は
図19(B)に示す発光素子331のように、電極318と電極3
22との間に複数積層されていても良い。n層(nは2以上の自然数)の積層構造を有す
る場合には、m番目(mは、1≦m<nを満たす自然数)のEL層320と、(m+1)
番目のEL層320との間には、それぞれ電荷発生層320aを設けることが好ましい。
【0224】
電荷発生層320aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物と
アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを適
宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、例
えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物
を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水
素等の低分子化合物、または、それらの低分子化合物のオリゴマー、デンドリマー、ポリ
マー等など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送
性有機化合物として正孔移動度が10-6cm2/Vs以上であるものを適用することが
好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用い
てもよい。なお、電荷発生層320aに用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリ
ア輸送性に優れているため、発光素子330の低電流駆動、および低電圧駆動を実現する
ことができる。
【0225】
なお、電荷発生層320aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合
わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供
与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わ
せて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜
とを組み合わせて形成してもよい。
【0226】
このような構成を有する発光素子331は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり
難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とす
ることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易
である。
【0227】
なお、電荷発生層320aとは、電極318と電極322に電圧を印加したときに、電荷
発生層320aに接して形成される一方のEL層320に対して正孔を注入する機能を有
し、他方のEL層320に電子を注入する機能を有する。
【0228】
図19(B)に示す発光素子331は、EL層320に用いる発光物質の種類を変えるこ
とにより様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色の異なる複数の
発光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもでき
る。
【0229】
図19(B)に示す発光素子331を用いて、白色発光を得る場合、複数のEL層の組み
合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば
、青色の蛍光材料を発光物質として含む発光層と、緑色と赤色の燐光材料を発光物質とし
て含む発光層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示す発光層と、緑色の発光
を示す発光層と、青色の発光を示す発光層とを有する構成とすることもできる。または、
補色の関係にある光を発する発光層を有する構成であっても白色発光が得られる。発光層
が2層積層された積層型素子において、発光層から得られる発光の発光色と別の発光層か
ら得られる発光の発光色を補色の関係にする場合、補色の関係としては、青色と黄色、あ
るいは青緑色と赤色などが挙げられる。
【0230】
なお、上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に電荷発生層を配置す
ることにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現することが
できる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一な発
光が可能となる。
【0231】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0232】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が適用された電子機器や照明装置の例につ
いて、図面を参照して説明する。
【0233】
フレキシブルな形状を備える表示装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン
装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジ
タルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、
携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機な
どの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0234】
また、照明装置や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装
の曲面に沿って組み込むことも可能である。
【0235】
図20(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401
に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、ス
ピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、表示
装置を表示部7402に用いることにより作製される。
【0236】
図20(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情
報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる
操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
【0237】
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示さ
れる画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュ
ー画面に切り替えることができる。
【0238】
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがっ
て、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機とすることができる。
【0239】
図20(B)は、リストバンド型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100
は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置7104を備
える。
【0240】
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信した
映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信す
ることもできる。
【0241】
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え
、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
【0242】
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがっ
て、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
【0243】
図20(C)乃至
図20(E)は、照明装置の一例を示している。照明装置7200、照
明装置7210、照明装置7220はそれぞれ、操作スイッチ7203を備える台部72
01と、台部7201に支持される発光部を有する。
【0244】
図20(C)に示す照明装置7200は、波状の発光面を有する発光部7202を備える
。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
【0245】
図20(D)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つの
発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に全
方位を照らすことができる。
【0246】
図20(E)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。した
がって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定の
範囲を明るく照らす場合に適している。
【0247】
また、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光部
はフレキシブル性を有しているため、当該発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの
部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
【0248】
ここで、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光
部には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがって、表示部を任意の形
状に湾曲可能であり、且つ信頼性の高い照明装置とすることができる。
【0249】
【0250】
図21(A)に、携帯型の表示装置の一例を示す。表示装置7300は、筐体7301、
表示部7302、操作ボタン7303、引き出し部材7304、制御部7305を備える
。
【0251】
表示装置7300は、筒状の筐体7301内にロール状に巻かれたフレキシブルな表示部
7302を備える。
【0252】
また、表示装置7300は制御部7305によって映像信号を受信可能で、受信した映像
を表示部7302に表示することができる。また、制御部7305にはバッテリーを備え
る。また、制御部7305にコネクタを備え、映像信号や電力を直接供給する構成として
もよい。
【0253】
また、操作ボタン7303によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え
等を行うことができる。
【0254】
図21(B)に、表示部7302を引き出し部材7304により引き出した状態を示す。
この状態で表示部7302に映像を表示することができる。また、筐体7301の表面に
配置された操作ボタン7303によって、片手で容易に操作することができる。
【0255】
なお、表示部7302を引き出した際に表示部7302が湾曲しないよう、表示部730
2の端部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
【0256】
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によっ
て音声を出力する構成としてもよい。
【0257】
表示部7302には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがって、表示
部7302はフレキシブルで且つ信頼性の高い表示装置であるため、表示装置7300は
軽量で且つ信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0258】
図22(A)および
図22(B)は、2つ折り可能なタブレット型端末9600を例示し
ている。
図22(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態であり、タブレット型
端末9600は、筐体9630、表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626
、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操
作スイッチ9628、を有する。
【0259】
筐体9630は、筐体9630aと筐体9630bを有し、筐体9630aと筐体963
0bは、ヒンジ部9639により結合されている。また、筐体9630は、ヒンジ部96
39により2つ折り可能となっている。
【0260】
また、表示部9631は、筐体9630a、筐体9630b、およびヒンジ部9639上
に形成されている。表示部9631に本明細書等に開示した表示装置を用いることにより
、表示部9631の屈曲が可能で、信頼性の高いタブレット型端末とすることが可能とな
る。
【0261】
表示部9631は、一部をタッチパネルの領域9632とすることができ、表示された操
作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631は
、例えば、半分の領域が表示のみの機能を有する構成とし、もう半分の領域をタッチパネ
ルの機能を有する構成とすることができる。また、表示部9631全ての領域がタッチパ
ネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631の全面にキーボードボタ
ン表示させて、データ入力端末とすることもできる。
【0262】
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切
り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイ
ッチ9625は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の
光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサ
だけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内
蔵させてもよい。
【0263】
図22(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態であり、タブレット型端末96
00は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有する。なお、図
22(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコン
バータ9636を有する構成について示している。
【0264】
表示部9631に本明細書等に開示した表示装置を用いることにより、表示部9631を
折りたたむことができる。例えば、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未
使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、可搬性に優れ、また、
筐体9630を閉じることで表示部9631を保護できるため、耐久性に優れ、長期使用
の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末とすることができる。
【0265】
また、この他にも
図22(A)及び
図22(B)に示したタブレット型端末は、様々な情
報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻など
を表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入
力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有するこ
とができる。
【0266】
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、
表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633を、筐
体9630の一面だけでなく二面に設けると、バッテリー9635の充電を効率よく行う
ことができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池を
用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0267】
また、
図22(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について
図22(C
)にブロック図を示し説明する。
図22(C)には、太陽電池9633、バッテリー96
35、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、
表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636
、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、
図22(B)に示す充放電制御回
路9634に対応する箇所となる。
【0268】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCD
Cコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽
電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ96
37で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部96
31での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー96
35の充電を行う構成とすればよい。
【0269】
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧
電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受
信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成
としてもよい。
【0270】
なお、本発明の一態様の表示装置を具備していれば、上記で示した電子機器や照明装置に
特に限定されないことは言うまでもない。
【0271】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【実施例】
【0272】
実施の形態2に例示した作製方法により表示装置500を作製した。表示素子には有機E
L材料を有する発光素子を用いた。なお、基板111および基板121には、厚さ20μ
m、ヤング率がおおよそ10GPaのアラミドを用いた。基板137および基板147に
は、厚さ200μm、ヤング率がおおよそ0.03GPaのシリコーンゴムを用いた。
【0273】
次に、表示装置500の表示領域全体を発光させて、表示領域に屈曲部分が重なるように
、表示装置500を二つ折りにした。
図23(A)に、発光中の表示装置500を二つ折
りにした状態の写真を示す。
【0274】
次に、二つ折りにした表示装置500を再び展開し、表示装置500の表示状態を確認し
た。
図23(B)に、再び展開した表示装置500の写真を示す。表示装置500は、二
つ折り終了後、再び展開した後でも表示領域全体が発光しており、良好な表示状態を保っ
ていた。
【0275】
なお、比較試料として、基板137および基板147を設けない表示装置を実施の形態2
に例示した作製方法により作製し、二つ折りにしたところ、基板111および基板121
に亀裂が生じ、表示領域全体の発光を保つことができなかった。
【符号の説明】
【0276】
100 表示装置
101 素子形成基板
111 基板
112 接着層
113 剥離層
114 隔壁
115 電極
117 EL層
118 電極
120 接着層
121 基板
122 開口
123 異方性導電接続層
124 外部電極
125 発光素子
128 開口
129 開口
131 表示領域
132 駆動回路
133 駆動回路
134 画素
135 走査線
136 信号線
137 基板
138 接着層
141 素子形成基板
142 接着層
143 剥離層
145 絶縁層
147 基板
148 接着層
150 表示装置
160 表示装置
170 表示装置
200 表示装置
205 絶縁層
206 ゲート電極
207 ゲート絶縁層
208 半導体層
210 絶縁層
211 絶縁層
216 端子電極
219 配線
232 トランジスタ
233 容量素子
235 光
252 トランジスタ
263 電極
264 遮光層
266 着色層
268 オーバーコート層
272 トランジスタ
318 電極
320 EL層
322 電極
330 発光素子
331 発光素子
431 トランジスタ
432 液晶素子
435 ノード
436 ノード
437 ノード
500 表示装置
991 導電層
992 絶縁層
993 導電層
994 基板
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 送受信装置
7200 照明装置
7201 台部
7202 発光部
7203 操作スイッチ
7210 照明装置
7212 発光部
7220 照明装置
7222 発光部
7300 表示装置
7301 筐体
7302 表示部
7303 操作ボタン
7304 部材
7305 制御部
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
9600 タブレット型端末
9625 スイッチ
9626 スイッチ
9627 電源スイッチ
9628 操作スイッチ
9629 留め具
9630 筐体
9631 表示部
9632 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ヒンジ部
117A EL層
117B EL層
117C EL層
209a ソース電極
209b ドレイン電極
235A 光
235B 光
235C 光
320a 電荷発生層
9630a 筐体
9630b 筐体