(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】計量対象の充填材料の所定の重量および/または体積を計量するための充填装置、特に食品充填装置、該装置を有するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65B 1/36 20060101AFI20221108BHJP
B01J 4/02 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B65B1/36
B01J4/02 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021082177
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10 2020 113 314.6
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521208365
【氏名又は名称】アムパック ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Ampack GmbH
【住所又は居所原語表記】Lechfeldgraben 7, 86343 Koenigsbrunn, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント コンラート ビショフ
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング シュミット
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-005875(JP,U)
【文献】特開昭52-017998(JP,A)
【文献】国際公開第2005/012101(WO,A1)
【文献】特開昭57-001019(JP,A)
【文献】特開昭57-086401(JP,A)
【文献】特開2019-058804(JP,A)
【文献】特開2001-041814(JP,A)
【文献】特開2003-170004(JP,A)
【文献】特開2001-322602(JP,A)
【文献】米国特許第03620415(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/36
B01J 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量対象の充填材料(14)の所定の重量および/または体積を計量するための充填装置
であって、計量対象の前記充填材料(14)を内部に収容するように構成された集合コンテナ(20)と、
前記充填材料(14)の計量のために、規定の体積の前記充填材料(14)を前記集合コンテナ(20)から取り出すように構成された計量要素(24,28)と、前記計量要素(24,28)を移動可能に支持する支持モジュール(26)とを備え
、
前記支持モジュール(26)は、回転軸線(36)を形成していて、前記規定の体積の前記充填材料(14)を前記集合コンテナ(20)から取り出す目的のために、前記計量要素(24,28)を前記回転軸線(36)を中心として回転させるように構成されており、
前記支持モジュール(26)は、前記計量要素(24,28)を取出し位置と移送位置との間で調整することができる少なくとも1つの直動軸受(46)を備える、
充填装置。
【請求項2】
前記規定の体積の前記充填材料を前記集合コンテナから取り出すために、前記計量要素(24,28)は、前記支持モジュール(26)により前記集合コンテナ(20)の収容容積(22)を通して移動させられるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の充填装置。
【請求項3】
前記支持モジュール(26)は、取り出された前記充填材料(14)を充填用容器(12)に移送するために、前記計量要素を前記回転軸線(36)を中心として回転させるように構成されていることを特徴とする、請求項
1または2記載の充填装置。
【請求項4】
前記充填材料(14)の移送の前に、前記計量要素(24,28)内に位置する前記充填材料(14)を所定の体積に減少させるように構成された拭い取り要素(54)によって特徴付けられている、請求項1から
3までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項5】
前記支持モジュール(26)は、前記取出し位置から前記移送位置への移動中、前記計量要素(24,28)内に位置する前記充填材料(14)を拭い取りかつ/または加圧するために、前記計量要素(24,28)を前記拭い取り要素(54)に対して通過させて案内するように構成されていることを特徴とする、請求項
4記載の充填装置。
【請求項6】
前記計量要素(24,28)の移送位置において、計量対象の前記充填材料(14)を前記計量要素(24,28)から充填用容器(12)に直接搬送することができる少なくとも1つの移送要素(60)を備えることを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項7】
前記集合コンテナ(20)は、槽として形成されており、該槽の内側輪郭は、少なくとも所定範囲にわたり均一な湾曲を有することを特徴とする、請求項1から
6までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項8】
前記集合コンテナ(20)から液体を放出するように構成された流出装置(56)を備え、前記計量要素(24,28)の最低掬い取りレベルよりも下側に出口開口(58)が配置されていることを特徴とする、請求項1から
7までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項9】
少なくとも1つの別の計量要素(28)を備え、該別の計量要素(28)は、
1つの前記計量要素(24)に対して平行に
配置され、かつ前記支持モジュール(26)によって移動可能に支持されていて、前記充填材料(14)の計量のために、規定の体積の前記充填材料(14)を前記集合コンテナ(20)から取り出すように構成されていることを特徴とする、請求項1から
8までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項10】
前記計量要素(24,28)による充填用容器(12)への充填材料(14)の充填後、所望の
総充填重量が達成されるまで、前記容器(12)に液体を充填するように構成された少なくとも1つの液体計量モジュール(72)を備えることを特徴とする、請求項1から
9までのいずれか1項記載の充填装置。
【請求項11】
計量対象の充填材料の所定の重量および/または体積を充填用容器(12)に充填するための、請求項1から
10までのいずれか1項記載の少なくとも1つの充填装置を備えるシステム。
【請求項12】
請求項1から
10までのいずれか1項記載の充填装置によって充填材料を計量するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
計量対象の充填材料の所定の重量および/または体積を計量するための充填装置、特に食品充填装置が、すでに提案されている。
【0002】
発明の概要
本発明によれば、計量対象の充填材料の所定の重量および/または体積を計量するための充填装置、特に食品充填装置であって、計量対象の充填材料を内部に集合させるように構成された集合コンテナと、特に計量レードルとして形成されていて、充填材料の計量のために、規定の体積の充填材料を集合コンテナから取り出すように構成された計量要素と、計量要素を移動可能に支持する支持モジュールとを備える充填装置が提案されている。「充填装置」により、好ましくは、材料、好ましくは充填材料を計量して、少なくとも1つの充填用容器、好ましくは複数の充填用容器に充填するように構成された装置が理解される。優先的に、充填装置は、規定の重量および/または体積の充填材料を複数の容器に同時に充填するように構成されている。「食品充填装置」により、好ましくは、充填用容器に、食品として形成された充填材料を計量して充填するように構成された充填装置が理解される。「計量対象の充填材料」により、好ましくは、注入可能な形態で存在する粉末状、粒状かつ/または微粒子状の混合物であるバルク材料が理解される。優先的に、計量対象の充填材料は、所定の含水量を有していてよい。「集合コンテナ」により、好ましくは、計量対象の充填材料を捕捉する、好ましくは集合させることが容易に可能であるコンテナが理解される。優先的に、充填材料は、計量された取出しのために、集合コンテナに配置される、すなわち、集合させられる。集合コンテナは、集合コンテナの収容容積を形成する凹状の内側輪郭を有しており、この収容容器内に、計量された取出しのために、充填材料が配置される。「計量要素」により、好ましくは、充填材料の計量のために充填材料で充填されるように構成された計量容積を形成する要素が理解される。計量要素は、好ましくは、計量容積の限界を定める凸状の計量領域を備えている。凸状の計量領域は、窪みとして実現される。好ましくは、計量要素は、計量レードルとして形成されている。「計量レードル」により、好ましくは、接続バーと、この接続バーの端部に配置され、好ましくは凸状の計量領域を形成するレードルボウルとを有する要素が理解される。「支持モジュール」により、優先的に、少なくとも1つの要素、好ましくは計量要素を移動可能に支持するように構成されたモジュールが理解される。好ましくは、支持モジュールは、好ましくは計量要素のような支持すべき要素を支持するように構成されており、それにより、この要素が回転してかつ/または直線的に変位可能である。こうして、計量対象の充填材料の特に簡単な計量が充填装置によって達成可能である。
【0003】
さらに、規定の体積の充填材料を集合コンテナから取り出すために、計量要素が、支持モジュールにより集合コンテナの収容容積を通して運動させられるように構成されていることが提案されている。「収容容積」により、好ましくは、集合コンテナ、特に集合コンテナの凹状の内側輪郭によって形成される容積が理解される。収容容積は、好ましくは、充填材料を集合させることができる空間を規定している。「収容容積を通して運動させられる」は、好ましくは、集合コンテナ内に集合させられた充填材料を計量領域によって捕捉することができるように、計量要素の少なくとも凸状の計量領域が集合コンテナを通してガイドされることを意味する。好ましくは、計量要素は、直線運動および/または回転運動で集合コンテナの収容容積を通してガイドされる。好ましくは、凸状の計量領域は、直線運動および/または回転運動で集合コンテナの収容容積を通してガイドされる。特に優先的には、計量要素は、旋回運動で集合コンテナの収容容積を通して運動させられる。主として、計量要素が、直線運動でまたは直線運動と回転運動との組合せで集合コンテナの収容容積を通してガイドされることも考えられる。こうして、充填材料を集合コンテナから除去することを特に容易に実施することができ、充填装置を特に簡単な方法で形成することができる。
【0004】
さらに、支持モジュールが、回転軸線を形成していて、規定の体積の充填材料を集合コンテナから取り出す目的のために、計量要素を回転軸線を中心として回転させるように構成されていることが提案されている。これにより、充填材料の取出しのために、支持モジュールによる計量要素の特に有利な支持が可能になる。
【0005】
支持モジュールが、取り出された充填材料を充填用容器に移送するために、計量要素を回転軸線を中心として回転させるように構成されていることも提案されている。こうして、計量要素からの充填材料の移送を特に簡単に実施することができる。
【0006】
さらに、支持モジュールが、計量要素を取出し位置と移送位置との間で調整することができる少なくとも1つの直動軸受を備えていることが提案されている。「直動軸受」とは、特に支持軸線に沿って互いに直線的に変位可能である少なくとも2つの支持要素を備えている支持体を意味する。直動軸受の第1の支持要素は、好ましくは、直線支持レールとして形成される。「直線支持レール」により、特に支持経路、好ましくは真っ直ぐな支持軸線を形成するように構成されていて、支持経路に沿って別の要素を直線支持レール上で直線的に変位させることができる直線ガイド要素が理解される。直線支持レールは、この直線支持レール上にガイド要素が形状嵌合式にかつ/または力嵌合式に接続されるように構成されており、ガイド要素は、少なくとも経路、特に支持軸線に沿って直線支持レールに対する1つの自由度を有している。直動軸受の第2の支持要素は、好ましくは、ガイド要素として形成されていてよい。第2の支持要素は、第1の支持要素に対応して形成されていて、第1の支持要素に対して相対的に移動可能に支持されているように構成されている。第2の支持要素は、好ましくは、支持経路に沿って第1の支持要素に対して相対的に移動可能に支持されている。第2の支持要素は、好ましくは、直線支持レールとして形成された第1の支持要素に対して相対的に移動可能に支持された支持台車として形成されている。第2の支持要素は、好ましくは、基体と、この基体に接続されていて、第2の支持要素の移動可能な支持のために、第1の支持体に接続されるように構成された少なくとも1つのガイド要素とを備えている。「取出し位置」は、好ましくは、充填材料を集合コンテナから取り出すために、計量要素が、集合コンテナを通してガイドすることができるように、軸線方向で位置決めされた、直動軸受に対する計量要素の軸線方向の位置決めを意味する。「移送位置」は、好ましくは、計量要素が、収容された充填材料を規定の運動、好ましくは回転によって充填用容器に移動させることができるように、軸線方向で位置決めされた、直動軸受に対する計量要素の軸線方向の位置決めを意味する。これにより、取出し位置と移送位置との間で計量要素を特に容易に調整することが可能になる。
【0007】
さらに、充填装置が、充填材料の移送の前に、計量要素内に位置する充填材料を所定の体積に減少させるように構成された拭い取り要素を備えていることが提案されている。「拭い取り要素」により、好ましくは、過度な充填材料、すなわち、最大の充填量を上回る充填材料を拭い取る、すなわち、計量要素から除去するように、また、前述の過度な充填材料を集合コンテナに戻すように構成された要素が理解される。拭い取り要素によって、計量要素により取り込まれた充填材料は、拭い取り要素を通過して移送することにより、同一の規定の体積に常に減少させられる。こうして、計量要素によって、規定の体積の充填材料の正確かつ一定の取出しが特に有利に達成可能である。
【0008】
さらに、支持モジュールが、取出し位置から移送位置への調整中、計量要素内に位置する充填材料を拭い取りかつ/または加圧するために、計量要素を拭い取り要素を通過させてガイドするように構成されていることが提案されている。「拭い取り要素を通過させてガイドする」により、特に計量要素が、少なくともその計量領域で拭い取り要素に沿ってガイドされ、拭い取り要素が、好ましくは、計量領域の上縁部に載置されることが理解される。好ましくは、計量要素は、拭い取り要素が収容容積の上端に正確に配置されて、計量容積を画定するように、拭い取り要素を通過してガイドされる。「拭い取りかつ/または加圧する」により、特に拭い取り要素が、計量容積を越えて突出した充填材料、すなわち、計量領域の上縁部を越えて突出した充填材料を少なくとも部分的に拭い取る、すなわち、計量要素から除去しかつ/または、次いで、計量領域の計量容積内に位置する計量領域を加圧するために、その充填材料の一部を計量領域の計量容積内に押し込むことが理解される。これにより、所望の体積および/または重量への、計量要素内に位置する充填材料の特に簡単かつ正確な調整が可能になる。
【0009】
充填装置が、計量要素の移送位置において、計量対象の充填材料を計量要素から充填用容器に直接搬送することができる少なくとも1つの移送要素を備えていることも提案されている。「移送要素」により、特に充填材料を第1の端部から第2の端部に搬送することができる要素が特に理解される。充填材料は、好ましくは、重力によって移送要素を通して移動させられる。移送要素は、好ましくは、充填材料が落下することができるチューブ要素として形成される。移送要素は、好ましくは下降管として形成されている。移送チューブとして形成される移送要素は、好ましくは鉛直方向に向けられており、それにより、充填材料の入口と充填材料の出口とが、一方が他方の上にあるように配置されている。主として、移送要素が、充填材料を第1の端部から第2の端部に滑動させることができる傾斜したトラフまたは傾斜したスライドシートとして形成されていてよいことも考えられる。「充填用容器」により、好ましくは、充填材料を安全に貯蔵しかつ鮮度を維持するように構成された容器が理解される。充填用容器は、例えば、充填材料、特に食品を貯蔵するように構成されていて、当業者によって適切と考えられるプラスチックカップ、金属缶、紙カップまたは別の容器であってよい。結果として、計量された充填材料は、計量要素から、特に作業上安全に充填用容器に完全に搬送されてよい。鉛直方向に向けられた下降管としての移送要素の構成により、充填材料を、特に有利に充填用容器に搬送することが可能になる。
【0010】
さらに、集合コンテナが、槽として形成されており、槽の内側輪郭が、少なくとも所定範囲に均一な湾曲を有することが提案されている。「少なくとも所定範囲に均一な湾曲を有する」内側輪郭により、好ましくは、内側輪郭の少なくとも50%、好ましくは75%、特に有利な構成では90%超が均一な輪郭を有することが理解される。特に優先的には、槽として形成された集合コンテナの内側輪郭が半円形状を形成している。主として、槽として形成された集合コンテナの内側輪郭の中間の所定範囲のみが均一な湾曲を有し、外側の範囲がより小さな湾曲または直線を形成していることも考えられる。これにより、計量要素による充填材料の取出しのための、集合コンテナの特に有利な構成が可能になる。
【0011】
さらに、充填装置が、集合コンテナから液体を放出するように構成された流出装置を備えており、計量要素の最低掬い取りレベルよりも下側に出口開口が配置されていることが提案されている。「流出装置」により、好ましくは、重力に起因して集合コンテナから液体を流出させることができるかまたは集合コンテナから液体を動的に吸い出すことができる装置が理解される。「最低掬い取りレベル」とは、好ましくは、計量要素の計量領域を最大限延ばすことができる集合コンテナ内の最も下側のレベルを意味する。「最低掬い取りレベルよりも下側」は、好ましくは、地面、すなわち、充填装置が配置された平面により近いことを意味する。こうして、液体を集合コンテナから有利に除去することができ、それにより、例えば充填材料から漏れることがある液体による充填装置の計量要素および/または他の構成要素の接着を回避することができる。結果として、充填装置の清潔さと正確さとを向上させることが特に可能である。
【0012】
さらに、充填装置が、少なくとも1つの別の計量要素を備えており、この別の計量要素が、支持モジュールを介して1つの計量要素に対して平行に移動可能に支持されていて、充填材料の計量のために、規定の体積の充填材料を集合コンテナから取り出すように構成されていることが提案されている。「別の計量要素」により、好ましくは、第1の計量要素と同様に形成されていて、第1の計量要素と同じ支持モジュールを介して接続されていて、好ましくは第1の計量要素と全く同一に形成されている計量要素が理解される。主として、別の計量要素がより大きな計量容積を形成しており、その結果として、異なるサイズの容器を充填装置により隣り合わせて充填することができることも考えられる。これにより、幾つかの容器に充填するための充填装置の特に有利な構成が可能になる。
【0013】
充填装置が、計量要素による充填用容器への充填材料の充填後、所望の総充填体積および/または総充填重量が達成されるまで、容器に液体を充填するように構成された少なくとも1つの液体計量モジュールを備えていることも提案されている。「液体計量モジュール」により、好ましくは、計量された充填材料に液体を追加して充填用容器に入れることが可能であるモジュールが理解される。好ましくは、液体は容器に注入される。好ましくは、液体計量モジュールは、計量要素および集合コンテナから離間して、すなわち、空間的に離れて配置されている。このことは、有利には、充填装置を、乾燥領域、すなわち、計量要素による計量と、湿潤領域、すなわち、液体計量モジュールによる液体の充填とに分離することを可能にする。こうして、容器内に配置された充填材料と、液体との総重量を、特に好都合に調整することができる。さらに、乾燥した充填材料の計量と、液体の充填とを分離することにより、充填装置の乾燥領域と湿潤領域との有利な分離が達成可能であり、こうして、液体に対して敏感な構成要素、例えば重量測定セルを、有利には液体領域外に配置することが可能となる。
【0014】
さらに、計量対象の充填材料の所定の重量および/または体積を充填用容器に充填するための少なくとも1つの充填装置を有するシステムが提案されている。好ましくは、本システムは、充填装置を制御するように構成された制御および/または調整ユニットを備えている。「制御および/または調整ユニット」は、特に少なくとも1つの制御電子機器構成要素を有するユニットを意味する。「制御電子機器構成要素」は、特にプロセッサユニットと、メモリユニットと、このメモリユニットに記憶された動作プログラムとを有するユニットを意味する。「構成された」は、特に特別にプログラムされかつ/または特別に装備されたことを意味する。特定の機能、特に移送パラメータを適合させるように構成されたオブジェクト、特に制御および/または調整ユニットにより、少なくとも1つの適用状態および/または作動状態において、オブジェクトが、前述の特定の機能を満たしかつ/または実行することが理解される。本発明によるシステムの構成により、容器または複数の容器への、計量された充填材料の有利な充填が達成可能である。
【0015】
さらに、充填装置によって充填材料を計量するための方法が提案されている。
【0016】
本発明による装置、本発明によるシステムおよび/または本発明による方法は、本明細書では、上述の用途および構成に限定されるものではない。具体的には、本明細書に記載される機能を満たす目的のために、本発明による装置、本発明によるシステムおよび/または本発明による方法は、本明細書で述べた数とは異なる数の個別の要素、構成要素、ユニットおよび方法のステップを含んでよい。さらに、本開示において与えられた数値範囲に関して、記載された限度内にある値も、開示されかつ適切に使用可能であるものと解される。
【0017】
更なる利点が、図面の以下の詳細な説明から明らかとなる。図面には、本発明の例示的な実施形態が示されている。図面、詳細な説明および特許請求の範囲は、複数の特徴を組み合わせて含んでいる。当業者は、意図的に、特徴を個々に考慮し、更なる適切な組合せを見出す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】コンベヤ装置を有する充填装置の別の図である。
【
図3】コンベヤ装置および液体計量モジュールを有する充填装置を通しての側面図である。
【
図4】計量要素が取出し位置にある充填装置の充填モジュールの詳細な側面図である。
【
図5】集合コンテナから充填材料を取り出す間の計量要素の更なる詳細な側面図である。
【
図6】充填材料を取り出した後の計量要素の更なる詳細な側面図である。
【
図7】移送位置への直線運動後の計量要素の更なる詳細な側面図である。
【
図8】移送位置への回転後の計量要素の更なる詳細な側面図である。
【0019】
例示的な実施形態の説明
図1から
図8は、充填装置10を有する本発明によるシステムを示す図である。充填装置10を有するシステムは、複数の容器12,12’に充填するように構成されている。これらの容器12,12’には、計量対象の充填材料14の所定の重量および/または体積が充填されることになる。充填装置10は食品充填装置として形成されている。充填装置10は、食品として形成された充填材料14を計量して充填するように構成されている。充填装置10は、計量対象の充填材料14の所定の重量および/または体積を計量するように構成されている。充填材料14は、例えばフルーツの断片であってよい。好ましくは、充填材料14は、含水量を有してよいフルーツの断片によって形成されている。主として、充填材料14が、粉末または異なる断片状のバルク材料として形成されていることも考えられる。本システムは、充填材料の供給部を備えている。充填材料の供給部は、ここでは、一例としてコンベヤベルトとして実現されている。主として、充填材料の供給部が、当業者によって適切であると考えられる別の形態で実現されることも考えられる。
【0020】
充填装置10は、2つの充填モジュール16,18を備えている。2つの充填モジュール16,18は、実質的に同一に形成されており、したがって、第1の充填モジュール16のみを以下に詳細に記載する。第2の充填モジュール18の説明については、第1の充填モジュール16の記載が参照されてよい。2つの充填モジュール16,18は、互いに連続して接続されている。
【0021】
充填装置10の充填モジュール16は、集合コンテナ20を備えている。集合コンテナ20は集合槽として形成されている。集合コンテナ20は、かなり長い槽として形成されている。集合コンテナ20は、均一な湾曲の内側輪郭を有している。集合コンテナ20は、半円形の内側輪郭を有している。集合コンテナ20は、収容容積22を形成している。集合コンテナ20の内側輪郭は、収容容積22の範囲を画定している。集合コンテナ20は、計量対象の充填材料14を内部に集合させるように構成されている。集合コンテナ20は、詳細には示されていない取付けユニットを介して取り付けられている。取付けユニットは、例えば、自立しているフレームとして実現することができる。
【0022】
充填装置10の充填モジュール16は、計量要素24を備えている。計量要素24は、充填材料14の計量の目的のために、規定の体積の充填材料14を集合コンテナ20から取り出すように構成されている。充填装置10は、計量要素24を支持するように構成された支持モジュール26を備えている。計量要素24は、支持モジュール26を介して移動可能に支持されている。計量要素24は、支持モジュール26を介して、計量要素24が集合コンテナ20に対して移動可能であるように支持されている。充填装置10の充填モジュール16は、別の計量要素28を備えている。計量要素28は、計量要素24に対して平行に配置されている。別の計量要素28も支持モジュール26によって移動可能に支持されている。充填材料14の計量のために、別の計量要素28は、規定の体積の充填材料14を集合コンテナ20から取り出すように構成されている。別の計量要素28および計量要素24により、集合コンテナ20から規定の体積の充填材料14をそれぞれ同時に取り出すことが可能になっている。図示の構成では、充填装置10の第1の充填モジュール16は、支持モジュール26によって移動可能に支持されていて、集合コンテナ20から規定の体積の充填材料14を取り出すように構成された10個の計量要素24,28を備えている。主として、第1の充填モジュール16が異なる数の計量要素24,28、例えば、4個または20個の計量要素24,28を有することも考えられる。計量要素24,28は同一に形成されている。このため、1つの計量要素24のみを以下で詳細に記載する。全ての他の計量要素28の説明のために、1つの計量要素24の以下の説明が参照されてよい。
【0023】
計量要素24は、計量レードルとして実現されている。計量レードルとして実現された計量要素24は、第1の端部に凸状の計量領域30を有している。凸状の計量領域30は、計量容積32を形成している。凸状の計量領域30は、円筒状の内側輪郭を有している。主として、計量領域30が、半球形の内側輪郭として実現されることまたは内側輪郭が、当業者によって適切であると考えられる異なる形状を有することも考えられる。計量要素24の凸状の計量領域30により形成された計量容積32は、充填材料14の計量される体積に対応する。計量要素24は接続バー34を備えている。計量領域30は、接続バー34の第1の端部に接続されている。計量領域30は接続バー34と一体に形成されていてよい。主として、計量領域30が、接続バー34とは別個に実現されていて、接続バー34に接続された要素内に取付け状態で導入されていることも考えられる。こうして、異なるサイズの計量領域30を特に簡単に接続バー34に接続することができ、異なるサイズの体積を有する計量要素24を、充填材料14の計量のために、容易に設けることができる。計量要素24の接続バー34の第2の端部には、支持モジュール26が接続されている。計量要素24は、集合コンテナ20から規定の体積の充填材料14を取り出すように構成されている。集合コンテナ20から、計量された充填材料14を取り出すために、計量要素24は、少なくともその計量容積32が集合コンテナ20の収容容積22を通るように運動させられる。
【0024】
支持モジュール26は、回転軸線36を形成している。支持モジュール26は、回転軸線36を形成する支持軸38を備えている。支持軸38は、計量要素24,28を接続するように構成されている。支持軸38は集合コンテナに対して横方向に延びている。支持軸38は、取り付けられた状態において、集合コンテナ20の横方向軸線に対して平行に延びている。支持軸38は、回転軸線36に等しいその中心軸線を中心として回転可能に支持されている。支持モジュールは、2つの支持ブロック40,42を備えている。この支持ブロック40,42上には、支持軸38が回転可能に支持されている。支持ブロック40,42は、それぞれ集合コンテナ20の互いに向かい合った長い側面に配置されている。支持ブロック40,42の各々は、軸受収容部を備えており、この軸受収容部内に支持軸38が回転可能に支持されている。2つの支持ブロック40,42はその軸受収容部で互いに同軸的に配置されている。支持モジュール26は、第1の駆動ユニット44を備えている。第1の駆動ユニット44は、電気モータとして形成されている。主として、第1の駆動ユニット44が、異なる駆動ユニット、例えば空気圧式または液圧式モータとして形成されることも考えられる。駆動ユニット44は、支持軸38を駆動するように構成されている。したがって、駆動ユニット44は、計量要素24を運動させるように構成されている。第1の駆動ユニット44は、1つの支持ブロック40に接続されている。
【0025】
支持モジュール26は、2つの直動軸受46を備えている。直動軸受46は、それぞれ1つの支持ブロック40,42を集合コンテナ20に対して支持するように構成されている。直動軸受46の各々は支持軸線を形成しており、この支持軸線に沿って、支持ブロック40,42が直線的に変位可能である。2つの直動軸受46の各支持軸線は、互いに平行に延びている。直動軸受46の各々は、支持レール48を備えている。支持レール48は、集合コンテナ20の側壁の外側に取り付けられている。主として、支持モジュール26自体がフレームを有しており、このフレーム上に直動軸受46の支持レール48が位置固定されて、それぞれ集合コンテナ20の側壁に隣接して配置されることも考えられる。直動軸受46の各々は、ガイド要素50を備えている。ガイド要素50はそれぞれ、直動軸受46の対応する支持レール48に嵌め合い式(形状結合式)に接続されている。ガイド要素50はそれぞれ、これらガイド要素50が軸線方向に変位可能であるように、支持レール48に接続されている。ガイド要素50は、支持軸線に沿って支持レール48に対して軸線方向に変位可能である。ガイド要素50の各々は、それぞれ1つの支持ブロック40,42に固く接続されている。主として、ガイド要素50が、それぞれ支持ブロック40,42と一体に形成されていることも考えられる。支持モジュール26は、支持レール48においてガイド要素50を軸線方向に変位させるように構成された第2の駆動ユニット52を備えている。第2の駆動ユニット52は、電気モータとして形成されている。支持モジュール26は、伝達ユニット(詳細には図示されていない)を備えている。この伝達ユニットは、第2の駆動ユニット52の回転動作を支持レール48に対するガイド要素50の軸線方向の動作に変換するように構成されている。伝達ユニットは、例えば、ガイド要素50に接続された歯車を備えることができる。歯車は、駆動ユニット52によって回転駆動可能であり、支持レール48に接続された歯付きロッドと係合している。
【0026】
計量要素24は、支持軸38に接続されている。計量要素24は、計量領域30とは反対側に位置する第2の端部で支持軸38に固く接続されている。好ましくは、計量要素24は、ねじ接続によって支持軸38に接続されている。主として、計量要素24が、嵌め合い結合(形状結合)によってかつ/または材料同士の結合を介して、例えば溶接または接着による接合によって支持軸38に固く結合されていることも考えられる。支持モジュール26により、計量要素24は、直動軸受46の支持軸線に沿って軸線方向に変位可能であり、支持軸38の回転軸線36を中心として集合コンテナ20に対して回転可能に支持されている。全ての計量要素24,28は、この支持軸38に接続されている。支持モジュール26により、充填装置の充填モジュール16の全ての計量要素24,28は、直動軸受46の支持軸線に沿って軸線方向に変位可能であり、支持軸38の回転軸線36を中心として集合コンテナ20に対して回転可能に支持されている。充填装置10の充填モジュール16の全ての計量要素24,28は、支持モジュール26により同時にかつ同様に軸線方向に変位可能であるとともに回転可能である。
【0027】
充填装置10の充填モジュール16は、拭い取り要素54を備えている。拭い取り要素54は、充填材料14の移送の前に、計量要素24内に位置する充填材料14を所定の体積に減少させるように構成されている。拭い取り要素54は、計量要素24の計量容積32を越えて突出した充填材料14を拭い取るように構成されている。拭い取り要素54は、さらに、計量要素24の計量容積32内に位置する充填材料14を加圧するように構成されている。計量容積32から突出した過度な充填材料14を拭い取ることにより、計量要素24によって取り込まれている充填材料14を、拭い取り要素54により、常にそれぞれを同じ体積に減少させることができる。計量要素24の計量領域30内に位置する充填材料14を加圧することにより、計量領域30への充填材料14の均等な充填が達成可能である。拭い取りおよび加圧のためには、計量要素24が拭い取り要素54に対して移動させられる。主として、拭い取り要素54が計量要素24に沿って横断するような拭い取り要素54の運動も考えられる。計量要素24が拭い取り要素54を通過して移動する際、好ましくは、計量領域30内に位置する充填材料14は、好ましくは、計量容積32内で加圧され、そして同時に、計量容積32内に押し込むことができず、ひいては、計量容積32を越えて突出している充填材料14は拭い取られる。拭い取られた充填材料14は、集合コンテナ20に戻るように落下する。計量要素24が案内されて通過する間、拭い取り要素54は、好ましくは、計量領域30の上縁部に載置されている。主として、計量要素24と拭い取り要素54との間にわずかな隙間が残っていることも考えられる。拭い取り要素54は、ロッドとして形成される。ロッドとして形成される拭い取り要素54は、集合コンテナ20の全幅にわたって延びている。ロッドとして形成される拭い取り要素54は、全ての計量要素24,28の上方に延びていて、全ての計量要素24,28を拭い取るように構成されている。拭い取り要素54は、円形断面を有している。主として、拭い取り要素54が異なる断面、例えば計量要素24,28に向いた側に、平坦なまたはテーパ状の領域を有する断面を有することも考えられる。拭い取り要素54は、好ましくは剛性材料で形成される。主として、好ましくは、拭い取り要素54が、計量要素24,28に向いた側に弾性リップを有し、この弾性リップが充填材料14を加圧し、拭い取ることが考えられる。
【0028】
充填装置10の充填モジュール16は、計量要素24,28ごとに1つの移送要素60を備えている。移送要素60は、計量対象の充填材料14を、対応する計量要素24,28から充填用容器12に直接搬送するように構成されている。移送要素60は、移送チューブとして実現されている。移送チューブとして実現されている移送要素60は、集合コンテナ20の第1の軸線方向端部に配置されている。移送要素60は、対応する計量要素24,28の移送領域に配置されている。移送要素60は、好ましくは、集合コンテナ20に固定されている。主として、移送要素60自体がフレームを有し、このフレームを介して、移送要素60が移送領域に固く固定されていることも考えられる。移送チューブとして実現されている移送要素60は、鉛直方向に向けられている。充填材料の入口を形成する移送要素60の上端は、集合コンテナ20の上縁部と同じ高さで実現されている。移送要素60の下端は、集合コンテナ20の下端よりも下方に配置されている。移送要素60の下端は、充填材料の出口を形成しており、この出口から、充填材料14は、充填用容器12内に直接落下することができる。充填中、充填用容器12は、好ましくは充填材料の出口に接続されており、計量された充填材料14が容器12内に完全に落下することを可能にする。
【0029】
充填装置10の第1の充填モジュール16は、流出装置56を備えている。流出装置56は、集合コンテナ20内に集合させられた液体が集合コンテナ20から流出することができるように構成されている。流出装置56は、集合コンテナ20の収容容積22内に集合させられた液体を放出することができるように構成されている。液体は、例えば、充填材料14から漏れ出した液体であるかまたは充填されることになる充填材料14の一部である液体であってよい。流出装置56は、計量要素24,28の最低掬い取りレベルよりも下側の液体を搬出するように構成されている。流出装置56は、出口開口58を備えている。出口開口58は、集合コンテナ20の下側の側縁部で集合コンテナ20の側壁に配設されている。出口開口58は、計量要素24,28の最低掬い取りレベルよりも下側に配置されている。出口開口58を集合コンテナ20の側壁に設けることにより、充填材料14によって出口開口58が塞がれることを有利に回避することができる。好ましくは、流出装置56は、液体が集合コンテナ20から出口開口58を介して流出することを可能にする排水構造を備えている。排水構造は下降管として実現されていてよい。この下降管内では、単に重力に起因して液体が流出することができる。主として、流出装置56が吸引装置を備えており、この吸引装置を介して、集合コンテナ20の収容容積22から液体が動的に吸引される構造も考えられる。
【0030】
支持モジュール26の直動軸受46を介して、計量要素24,28は、取出し位置と移送位置との間で軸線方向に変位可能である。
図4から
図6に示す取出し位置では、計量要素24,28は、支持モジュール26により、計量要素24,28の計量領域30が、支持軸38の回転軸線36を中心とした回転によって集合コンテナ20の収容容積22を通って、旋回可能であるように位置決めされている。
図4は、取出し位置にある計量要素24,28を示している。取出し位置では、計量要素24,28は、回転軸線36を中心とした180度の回転によって集合コンテナ20の収容容積22を通って、旋回可能であるように配置されている。取出し位置では、計量要素24,28は充填されていない。計量要素24,28は、計量要素24,28の計量領域30の開口が集合コンテナ20の収容容積22に向けられた計量位置にある。
【0031】
計量された体積の充填材料14を集合コンテナ20から取り出すために、計量要素24,28は、支持軸38の180度の回転により、集合コンテナ20の収容容積22を通して旋回させられる。計量要素24,28の180度の回転は、第1の駆動ユニット44によって駆動される。180度の回転により、計量要素24,28は、その計量容積を前向きにした状態で、計量要素24,28の取出し位置から出発して、集合コンテナ20の収容容積22を通り、つまり、収容容積22内に集合させられた充填材料14全体を通って移動させられる。計量要素24,28の計量領域30では、計量要素24,28が、対応する体積の充填材料14を取り込む。
図5は、回転軸線36を中心とした旋回の間の計量要素24,28の位置を例示的に示している。180度の回転後、計量要素24,28はその充填位置に配置されている。充填位置では、計量要素24,28の計量領域30に充填材料14が充填されている。充填材料14は、本明細書では、好ましくは計量領域30の計量容積32を越えて突出している。計量要素24は過剰充填されている。充填位置では、計量要素24,28は、その計量領域30の開口が集合コンテナ20とは反対側に向けられた状態で方向付けられている。
【0032】
計量要素24,28がその充填位置に配置されている場合、計量要素24,28は、支持モジュール26の直動軸受46によって取出し位置から移送位置に直線的に変位させられる。計量要素24,28は、本明細書では、拭い取り要素54を通過して移動させられる。拭い取り要素54は、本明細書では、計量要素24,28の計量領域30内に位置する充填材料14を加圧し、計量容積32を越えて突出した充填材料14を拭い取る。拭い取られた充填材料14は、集合コンテナ20に戻るように落下する。
図6と
図7との間では、計量要素24,28は、拭い取り要素54を通過して移動させられている。
【0033】
計量要素24,28が拭い取られ、その移送位置(
図7)にある場合、計量要素24,28は、支持軸38の180度の回転により、移送要素60の上方の移送領域へと旋回させられる。計量要素24,28の180度の旋回により、計量要素24,28はその移送位置に旋回させられる。この移送位置は
図8に示されている。移送位置では、計量要素24,28は、その計量領域30の開口が移送要素60の真上にあるように配置されている。計量領域30内に位置する計量された充填材料14は、移送要素60を通って、移送要素60の下方に配置された充填用容器12内に落下する。計量要素24,28の180度の回転は、第1の駆動ユニット44によって駆動される。移送要素60を介して充填用容器12内に計量要素24,28から充填材料14を移送した後、計量要素24,28は空になり、後続の充填材料14の取出しのために、その取出し位置に戻される。この目的のために、計量要素24,28は、支持モジュール26の直動軸受46により移送位置から取出し位置に軸線方向に変位させられる。
【0034】
本システムは、コンベヤ装置62を備えている。コンベヤ装置62は、充填用容器12を移送するように構成されている。コンベヤ装置62は、コンベヤベルト64を備えている。コンベヤベルト64は、充填用容器12を移送方向74に移送するように構成されている。コンベヤベルト64は、同時に充填用容器12を隣り合わせて配置することを可能にする幅を有して形成されている。
【0035】
第2の充填モジュール18は、第1の充填モジュール16と同一であるように形成される。第2の充填モジュール18は、好ましくは、第1の充填モジュール16に対して鏡像的に構成されている。第2の充填モジュール18も、集合コンテナ20’および支持モジュール26’を介して移動可能に支持された計量要素24’,28’と、移送要素60’とを備えている。したがって、第2の充填モジュール18は、詳細には説明されない。充填装置10は、充填材料の供給部66を備えている。充填材料の供給部66は、充填装置10の集合コンテナ20,20’内に充填材料14を供給するように構成されている。充填材料の供給部66は、充填モジュール16と充填モジュール18との間に配置されている。充填材料の供給部66は、2つのシュート68,68’を備えており、両シュート68,68’を介して、充填材料14を集合コンテナ20,20’内に滑動させることができる。本システムはコンベヤベルト70を備えており、このコンベヤベルト70を介して、充填材料の供給部66の充填材料14が充填装置10に供給される。
【0036】
充填装置10の第1の充填モジュール16は、充填用容器12ごとに1つの上昇モジュール76を備えている。上昇モジュール76は、それぞれコンベヤ装置62のコンベヤベルト64から、充填材料14の充填のために、対応する充填用容器12を持ち上げるように構成されている。上昇モジュール76は、特に充填材料14の充填のために、それぞれの移送要素60の充填材料出口に充填用容器12を持ち上げるように構成されている。上昇モジュール76の各々は、重量測定モジュール78を備えている。この重量測定モジュール78は、充填材料14で充填された容器12の重量を測定するように構成されている。重量測定モジュール78は、例えば、重量測定セルを備えており、この重量測定セルにより、充填された容器12の重量を測定することができる。重量測定モジュール78のこの配置により、重量測定セルを、容器12の重量の測定のために、充填装置10の乾燥領域に有利に配置することができる。
【0037】
充填装置10は、制御および調整ユニット80を備えている。制御および調整ユニット80は、充填装置10を制御するように構成されている。制御および調整ユニット80は、支持モジュール26のそれぞれの駆動ユニット44,52を作動させて、本明細書に記載の方法に従って計量要素24,28を運動させる。制御および調整ユニット80は、上昇モジュール76を制御するようにも構成されている。制御および調整ユニット80は、さらに、上昇モジュール76の重量測定モジュール78を制御するように、かつ充填材料14で充填された容器12の測定された重量を記憶するように構成されている。
【0038】
充填装置10は、液体計量モジュール72を備えている。コンベヤ装置62の移送方向74に見ると、液体計量モジュール72は、充填装置10の充填モジュール16,18の下流に配置されている。液体計量モジュール72は、充填用容器12ごとにスプレーノズルを備えている。このスプレーノズルを介して、液体を容器12内に放出することができる。液体計量モジュール72は、充填材料14および液体を有する容器12の必要とされる総重量を正確に達成するために、重量測定モジュール78によって測定された重量に応じて、適当な量の液体を充填用容器12に充填するように構成されている。制御および調整ユニット80は、液体計量モジュール72を制御するように構成されている。対応する重量測定モジュール78によって測定された充填重量に基づき、制御および調整ユニット80は、各充填用容器12に関して、容器12内に位置する充填材料14の所望の総充填重量を得るために必要な液体の所要量を計算する。制御および調整ユニット80は、各容器12に所要量の液体が充填されるように、液体計量モジュール72を作動させる。