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特許7171852遊園地アトラクションの車両を位置決めするためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】遊園地アトラクションの車両を位置決めするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 21/08 20060101AFI20221108BHJP
   A63G 31/16 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
A63G21/08
A63G31/16
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021128045
(22)【出願日】2021-08-04
(62)【分割の表示】P 2019087460の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2021178201
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】62/141,086
(32)【優先日】2015-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/085,910
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ボイル パトリック デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック エイ
(72)【発明者】
【氏名】クー ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】マクヴィーン キース マイケル
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-519604(JP,A)
【文献】特開平8-131658(JP,A)
【文献】特開平11-137853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00~33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地のためのアトラクションシステムであって、該アトラクションシステムは、
軌道に係合するように構成された第1のガイドであって、第1のガイド軸線の周りの前記第1のガイドの回転移動を駆動するように構成された第1のアクチュエータを含む、第1のガイドと、
第1のアームを介して前記第1のガイドに結合された第1の乗客車両と、
前記軌道に係合するように構成された第2のガイドであって、第2のガイド軸線の周りの前記第2のガイドの回転移動を駆動するように構成された第2のアクチュエータを含む、第2のガイドと、
第2のアームを介して前記第2のガイドに結合された第2の乗客車両と、
前記第1のガイドを前記第2のガイドに結合する取付部材と、
を含むことを特徴とするアトラクションシステム。
【請求項2】
前記取付部材は、作動中に前記第1のガイドを前記第2のガイドに結合するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項3】
第3のアームを介して前記第1のガイドに結合された第3の乗客車両を含むことを特徴とする請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項4】
第4のアームを介して前記第2のガイドに結合された第4の乗客車両を含むことを特徴とする請求項3に記載のアトラクションシステム。
【請求項5】
前記軌道に沿って前記第1のガイドを推進するように構成されたモータを含むことを特徴とする請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項6】
前記モータは電気モータを含むことを特徴とする請求項5に記載のアトラクションシステム。
【請求項7】
前記第1のアクチュエータ、前記第2のアクチュエータ、又はこれらの両方は、調節可能な斜板を含むことを特徴とする請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項8】
前記調節可能な斜板は、前記第1のアーム、前記第2のアーム、又はこれらの両方を回転させるように構成された1又は2以上の回転可能な板を含むことを特徴とする請求項7に記載のアトラクションシステム。
【請求項9】
娯楽のための競争車アセンブリであって、
軌道に係合するように構成された第1のガイドであって、第1のガイド軸線の周りの前記第1のガイドの回転移動を駆動するように構成された第1のアクチュエータを有する、第1のガイドと、
第1のアームを介して前記第1のガイドに結合された第1の乗客車両と、
前記軌道に係合するように構成された第2のガイドであって、第2のガイド軸線の周りの前記第2のガイドの回転移動を駆動するように構成された第2のアクチュエータを有する、第2のガイドと、
第2のアームを介して前記第2のガイドに結合された第2の乗客車両と、
作動中に前記第1のガイドを前記第2のガイドに結合するように構成された取付部材と、
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを作動させるように構成されたコントローラと、
を含むことを特徴とする競争車アセンブリ。
【請求項10】
前記コントローラは、前記競争車アセンブリの乗客から受信した入力に基づいて前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを作動させるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の競争車アセンブリ。
【請求項11】
前記コントローラは、前記第1の乗客車両及び前記第2の乗客車両の互いの相対位置を決定するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の競争車アセンブリ。
【請求項12】
前記コントローラは、モータに前記第1のガイド及び前記第2のガイドを前記軌道に沿って推進させるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の競争車アセンブリ。
【請求項13】
第3及び第4の乗客車両は、それぞれの第3及び第4のアームによって前記第1のガイドに接続されることを特徴とする請求項9に記載の競争車アセンブリ。
【請求項14】
前記コントローラは、第3のアクチュエータに前記第1のアームの段部におけるアーム軸線の周りに前記第1の乗客車両を回転させるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の競争車アセンブリ。
【請求項15】
前記コントローラは、ユーザ入力に応答して前記第1の乗客車両を回転させることによって前記第3のアクチュエータに車両スピンをシミュレートさせるように構成されることを特徴とする請求項14に記載の競争車アセンブリ。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第1のガイドが前記軌道の湾曲部分を横切ることに応答して前記第3のアクチュエータに前記第1の乗客車両を回転させるように構成されることを特徴とする請求項14に記載の競争車アセンブリ。
【請求項17】
遊園地アトラクションシステムを作動させる方法であって、
該方法は、
モータアクチュエータを介して軌道に沿って第1及び第2の乗客車両を誘導する段階と、
前記第2の乗客車両に対する前記第1の乗客車両の位置を調節するために、第1の回転アクチュエータを介して第1のガイドの第1のガイド軸線の周りで前記第1の乗客車両を回転させ段階であって、前記第1のガイドは前記軌道に係合され、前記第1の乗客車両は第1のアームを介して前記第1のガイドに結合される、第1の乗客車両を回転させる段階と、
第2の回転アクチュエータを介して第2のガイドの第2のガイド軸線の周りで前記第2の乗客車両を回転させる段階であって、前記第2のガイドは前記軌道に係合され、前記第2の乗客車両は第2のアームを介して前記第2のガイドに連結され、取付部材が前記第1のガイドを前記第2のガイドに連結させる、第2の乗客車両を回転させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記第1及び第2のガイド軸線のうちの対応するガイド軸線に対する前記第1及び第2の乗客車両の位置を示すセンサ信号をセンサから受信する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記対応するガイド軸線に対する前記第1及び第2の乗客車両の位置に基づいて前記第1及び第2の乗客車両の相互の複数の開始位置を決定する段階を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記遊園地アトラクションシステムは第1の乗客車両の車両軸線の周りに当該第1の乗客車両を回転させる第3の回転アクチュエータと第2の乗客車両の車両軸線の周りに当該第2の乗客車両を回転させる第4の回転アクチュエータとを含み、
前記方法は、
前記第3及び第4の回転アクチュエータを介して前記1及び第2の乗客車両を各乗客車両の対応する車両軸線の周りに回転させて前記第1及び第2の乗客車両を前記軌道と位置合わせする段階を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、これにより引用によってその全体が組み込まれる2015年3月31日出願の「遊園地アトラクションのポッドを位置決めするためのシステム及び方法」という名称の米国仮特許出願第62/141,086号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に遊園地の分野に関する。より具体的には、本発明の開示の実施形態は、遊園地体験を提供するのに利用されるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この節は、以下に説明及び/又は特許請求する本発明の技術の様々な態様に関連する場合がある技術の様々な態様を読者に紹介するように意図している。ここでの議論は、本発明の開示の様々な態様のより良い理解を容易にするための背景情報を読者に与えるのに役立つと考えられる。従って、これらの陳述は、これに照らして読まれるものとし、従来技術の承認ではないことは理解しなければならない。
【0004】
遊園地は、多くの場合に、アトラクション参加者間の模擬競争状況を組み込むアトラクションを含む。例えば、アトラクションは、乗り手が経路に沿って互いに競走する乗用車又は列車(例えば、競争コースター、ゴーカート)を有する場合がある。競争状況を組み込むことにより、乗り手に追加の娯楽的価値を与え、並びに乗り手がアトラクションを複数回利用するための多様性を高めることができる。しかし、従来のシステムは、模擬競争状況を提供するためにいくつかの軌道セクションを含む場合があり、それによってアトラクションの費用及び複雑さが増大する。現在、乗り手に興奮を与える模擬競争アトラクションのための改良されたシステム及び方法を提供することが望ましいと認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
オリジナルに特許請求する主題に準ずるある一定の実施形態を以下に説明する。これらの実施形態は、本発明の開示の範囲を限定するように意図していない。実際に、本発明の開示は、以下に列挙する実施形態に類似するか又は異なる場合がある様々な形態を包含することができる。
【0006】
一実施形態により、遊園地のための装置は、軌道上に位置決めされたボギー台車システムを含む。ボギー台車システムは、運動を軌道に沿って誘導する。装置はまた、ボギー台車システムから半径方向外向きに延びるアームを含む。アームは、ボギー台車システムの本体に回転可能に結合される。更に、装置は、アーム上に位置決めされた車両を含む。ボギー台車システムは、軌道に沿って作動方向に移動するように構成され、車両は、ボギー台車システムの周りに回転してボギー台車システムに対する車両の位置を変更するように構成される。
【0007】
別の実施形態により、システムは、軌道上に位置決めされて軌道に沿って移動するように構成されたボギー台車システムと、ボギー台車システムから半径方向外向きに延びてボギー台車システムの本体に各々が回転可能に結合された複数のアームと、複数のアームのうちの対応するアーム上に各々が位置決めされ、ボギー台車システムに対して互いから異なる場所に位置決めされた複数の車両とを含む。
【0008】
別の実施形態により、自動化コントローラ及びアクチュエータを用いて娯楽用乗り物を制御する方法は、共有ボギー台車システムとモータアクチュエータとを用いて軌道に沿って作動方向に複数の車両を誘導する段階と、回転アクチュエータを用いてガイド軸線の周りに複数の車両のうちの1又は2以上の車両を回転させて、複数の車両のうちの残りの車両に対する複数の車両のうちの1又は2以上の車両の位置を調節する段階とを含む。
【0009】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図の全体を通して同様な文字が同様な部分を表す添付図面を参照して以下の詳細説明を読む時により良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の開示の態様によるガイドの周りに位置決めされた3つの車両を有する競争車の実施形態の上面図である。
図2】本発明の開示の態様によるガイドの周りに位置決めされた2つの車両を有する競争車の実施形態の上面図である。
図3】本発明の開示の態様によるガイドの周りに位置決めされた1つの車両を有する競争車の実施形態の上面図である。
図4】本発明の開示の態様による図1の競争車の運動システムの実施形態の断面立面図である。
図5】本発明の開示の態様による競争車のボギー台車システムの実施形態の断面立面図である。
図6】本発明の開示の態様によるくの字部又は曲げ部を含む1又は2以上のアームを有する競争車の実施形態の上面図である。
図7】本発明の開示の態様による図1の競争車の車両結合システムの実施形態の断面立面図である。
図8】本発明の開示の態様により調節可能な斜板及びローラを使用する図6の車両結合システムの別の実施形態の断面側面図である。
図9】本発明の開示の態様により回転可能な板を含む複数の調節可能な斜板を利用する図6の車両結合システムの別の実施形態の概略図である。
図10】本発明の開示の態様により第1の車両が第1の場所位置にあり、第2の車両が第2の場所位置にあり、第3の車両が第3の場所位置にある図1の競争車の実施形態の上面図である。
図11】本発明の開示の態様により第1の車両が第1の場所位置にあり、第2の車両が第3の場所位置にあり、第3の車両が第2の場所位置にある図10の競争車の上面図である。
図12】本発明の開示の態様により軌道が湾曲セクションを含む図1の競争車の実施形態の上面図である。
図13】本発明の開示の態様により第1のガイドを第2のガイドに結合する取付機構の実施形態の上面図である。
図14】本発明の開示の態様により図1の競争車の車両の位置を制御する方法の実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の開示の1又は2以上の具体的実施形態を以下に説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実施の全ての特徴が本明細書に説明されるとは限らない。いずれのそのような実際の実施の開発においても、例えば、いずれの工学又は設計プロジェクトにおいても、多くの実施に固有の決定が行われ、実施毎に異なる場合があるシステム関連及びビジネス関連の制約の遵守のような開発者の具体的な目標を達成する必要があることを認めなければならない。更に、そのような開発努力は、複雑かつ時間を消費するが、それにもかかわらず、本発明の開示の利益を得る当業者にとっては設計、製作、及び製造の日常的な業務であることを認めなければならない。
【0012】
遊園地における競争状況(例えば、乗り手間の競争)を伴うアトラクションは、アトラクションのフットプリントの物理的な制約により、及び乗り物体験を支配する制御量によって制限される場合がある。例えば、複数車線軌道上の乗り物車両(例えば、ゴーカート)は、互いに相互作用することができるが、それらの相互作用は、一般的に個々の乗り手に基づくので、体験の性質は限定される(例えば、車両は一般的に比較的遅く走行するように構成される)。一部の競争アトラクションは、乗り物体験のより集中した制御を提供するために、取り付けた乗り物車両を有するいくつかの軌道セクション(例えば、ジェットコースター軌道)を含む。これらの軌道は、アトラクション中に乗り手が占有する個別の乗り物車両を有することができる。残念なことに、アトラクションを構築して作動させるための費用が、追加の軌道セクションのために上昇する場合がある。更に、いくつかの異なる軌道セクションがアトラクションに関わる可能性があるので、競争環境の形成に関連付けられた制御システムの複雑さが増す場合がある。更に、別々の軌道セクション上に乗り物車両を有することにより、ある一定の相互作用(例えば、1つの乗り物車両が、別の乗り物車両を追い越すか又はこれと車線を共有する)を模擬することが困難になる可能性があり、その理由は、軌道セクションは、互いに融合又は交差する必要があると考えられるからである。
【0013】
本発明の開示の実施形態は、競争の結果を制御する錯覚を乗り手に与える方式で模擬競争アトラクションを促進することに関する。本明細書に用いる時に、模擬競争は、アトラクションの持続時間にわたって乗り手を収容するように構成された車両の可変速度及び位置のシミュレーションを指すことができる。車両は、集中型ボギー台車の周りに各々が別々に操作可能である別々の着座区域又は乗り手ハウジングを含むことができる。例えば、乗り手は、同じガイド(1又は2以上のボギー台車を含む)及び軌道に結合された隣接する車両に位置決めすることができる。一部の実施形態では、別々のボギー台車又はガイドは、別々の車両を支持することができ、ボギー台車は、類似の効果を達成するために互いに連結するか又は隣接して位置決めすることができる。
【0014】
軌道は、乗り物の持続時間を通して車両同士の位置を相互に変えることができる競争軌道(例えば、曲げ、捻り、又は湾曲などを有する道路)を模擬することができる。例えば、第1の車両は、その競争で先行する第1の車両を模擬するために湾曲部に沿って第2の車両を「追い越す」ことができる。このような効果の発生は、乗り手がアトラクションを訪れる度に様々な体験をもたらすことにより、アトラクションの好感度を高めることができる(例えば、首位で終了する車両は乗り物毎に変えることができる)。
【0015】
ある一定の実施形態では、競争車は、競争車を軌道に沿って駆動するように構成されたガイドの周りに位置決めされた車両を含む。車両は、ガイドから延びてガイド軸線の周りの回転移動を許すアームに結合することができる。例えば、アクチュエータは、アーム及び/又はガイドの回転移動を駆動して、ガイド軸線の周りの車両の周方向位置を調節することができる。更に、ある一定の実施形態では、車両は、車両軸線(例えば、車両がアームに結合された場所でガイド軸線に実質的に平行な軸線)の周りに回転するように構成することができ、それによって車両は、ガイド軸線の周りの車両の周方向位置を調節することなくスピン及び/又は回転することができる。更に、車両は、ガイド軸線に対して半径方向に移動するように構成することができる。ある一定の実施形態では、制御システムは、競争車の周りに位置決めされたセンサから信号を受信することができる。例えば、制御システムは、ガイド軸線に対する車両の周方向位置を示す信号を受信することができる。更に、コントローラは、アクチュエータに信号を出力して、車両の周方向位置を調節することができる。その結果、車両は、アトラクションの作動中にガイド軸線の周りに回転するように駆動され、車両の周方向位置を調節することができる。
【0016】
以上のことを念頭において、図1は、競争車10の上面図の実施形態を示している。競争車10は、アーム16を通じてガイド14に結合された車両12を含む。ガイド14は、車両12の移動を軌道18に沿って作動方向20に向けるように構成される。すなわち、ガイド14は、軌道18に沿って駆動され、車両12は、ガイド14の移動に追従する。図示の実施形態は、実質的に直線状の軌道18を含むが、他の実施形態では、軌道18は、道路又は走行経路(例えば、河川)を模擬可能な弓形、円形、多角形、又は他のあらゆる形状とすることができる。例えば、軌道18は、作動中に乗り手に与える興奮を高めるために、S字形の曲げ部及びヘアピンカーブを含むことができる。ある一定の実施形態では、ガイド14は、軌道18に結合されてこれに沿って作動方向20に移動することができるように構成されたローラ(例えば、ホイール)を含むことができる。更に別の実施形態では、ガイド14及び/又は軌道18は、地面21(例えば、製造された競争面)の下側のスロット又は溝に配置され、ガイド14及び/又は軌道18が乗客の視界から実質的に隠れるようにすることができる。換言すれば、ガイド14及び/又は軌道18は、地面21によってポッド内の視界景色から遮ることができる。
【0017】
図1の図示の実施形態では、車両12は、ガイド軸線22の周りに第1の回転方向24(例えば、図1に関して時計回り)及び第2の回転方向26(例えば、図1に関して反時計回り)に回転するように構成される。更に、ガイド14は、ガイド軸線22の周りに第1の回転方向24及び第2の回転方向26に回転することができる。以下で詳しく説明するように、車両12及び/又はガイド14がガイド軸線22の周りに回転することにより、車両12同士の位置を相互に調節することができ、それによって競争中に1つの車両12が別の車両12の前方に移動しているとの錯覚を生じる。図示の実施形態は、ガイド14の周りに位置決めされた3つの車両12を含むが、他の実施形態では、1、2、4、5、6、7、8、9、10、又はあらゆる適切な数の車両12が存在することができることが認められるであろう。
【0018】
例えば、図2は、ガイド14の周りに位置決めされた2つの車両12を有する競争車10の上面図である。更に、図3は、ガイドの周りに位置決めされた1つの車両12を有する競争車10の上面図である。図3の図示の実施形態では、車両12の反対側に平衡錘27を配置して、車両12の重量に起因するガイド14及び/又は軌道18上に加わるいずれの応力も低減することができる。一部の実施形態では、平衡錘27は、地面21の下側のスロット又は溝に配置され、乗客の視界から隠すことができる。更に、図3の実施形態では、複数の軌道18及び/又はガイド14が存在し、複数の車両12は、互いに独立して競走可能になっている(例えば、別々の軌道18に結合された車両12は、競争を模擬するために同じ全体方向に誘導される)。他の実施形態では、競争車10は、平衡錘27を含まなくてもよい。
【0019】
図4は、競争車10の移動及び/又は回転を駆動するように構成された運動システム28の断面側面図である。運動システム28は、ローラ30を通じて軌道18に移動可能に結合される。ある一定の実施形態では、ローラ30は、その回転移動を駆動するモータ(例えば、電気モータ)を含み、競争車10を軌道18に沿って作動方向20(及び/又は反対方向)に推進することができる。従って、車両12は、競争を模擬するために軌道18に沿って走行することができる。他の実施形態では、ローラ30は、軌道18に沿って重力により、及び/又は競争車10を軌道18に沿って駆動するための他の適切な技術によって移動することができる。更に、本体32がローラ30に結合され、かつこれを支持する。理解されるように、本体32は、金属(例えば、鋼)、複合材料(例えば、炭素繊維を含む)などから形成することができる。図示の実施形態では、本体32は、ガイド軸線22に対する車両12の周方向位置を調節するために、ガイド14及びアーム16をガイド軸線22の周りに回転可能にするピボット34を含む。
【0020】
図示の実施形態では、ガイド14は、ガイド軸線22の周りのガイド14の回転移動(一部の実施形態では、ガイド軸線22の周りのアーム16の移動)を駆動するように構成された第1のアクチュエータ36を含む。例えば、第1のアクチュエータ36は、連動ギア間に回転移動を伝達するヨードライブとすることができる。更に、他の実施形態では、第1のアクチュエータ36は、制御システムからの信号の受信によってガイド14の回転を駆動するように構成された回転アクチュエータとすることができる。ガイド14の回転により、車両12の互いの相対位置が調節され、それによって競争中に1つの車両12が別の車両12を追い越しているという錯覚を与えることができる。以下に説明するように、ある一定の実施形態では、ガイド14の回転は、車両12の位置を調節しない場合がある。例えば、ある一定の実施形態では、車両12は、ガイド14に回転可能に結合されない場合がある。
【0021】
図4に示すように、車両12のアーム16は、ピボット34に回転的に結合され、第2のアクチュエータ38(例えば、各車両12又は車両12の群毎にそれぞれの第2のアクチュエータ)を通じて各車両12をガイド軸線22の周りの個別の選択的回転を可能にする。ガイド14に関して上述したように、第2のアクチュエータ38は、ガイド軸線22の周りのアーム16の回転を駆動し、車両12の位置を他の車両12に対して調節する。従って、車両12は、ガイド軸線22の周りに個々に回転され、車両12の位置を相互に独立して調節することができる。しかし、ある一定の実施形態では、アーム16は、ガイド14がガイド軸線22の周りに回転することによって各アーム16のガイド軸線22の周りの回転を駆動するようにガイド14に結合することができる。例えば、ガイド14は、付勢部材42によって駆動されるピン40を含むことができる。ある一定の実施形態では、付勢部材42は、ピン40に力を加えてアーム16に向けて駆動する線形アクチュエータ(例えば、ねじ駆動、磁気駆動、電気駆動)を含む。ピン40は、アーム16の凹部44に係合し、それによってアーム16をガイド14に着脱可能に結合することができる。理解されるように、ピン40は、ガイド14の円周の周りに位置決めされて、アーム16をガイド14の円周の周りの異なる周方向位置でガイド14に結合することができる。回転及び支持は、アームに隣接する軸受ボックス45によって容易にすることができる。
【0022】
ある一定の実施形態では、アーム16は、アーム16とガイド14との間でアーム16の上面48上に位置決めされたセンサ46を含む。しかし、アーム16がガイドの上方に(例えば、軌道18に対して)位置決めされる実施形態では、センサ46がアーム16の下面に位置決めされ、結果としてセンサ46は、アーム16とガイド14の間に位置決めされることが理解される。更に、他の実施形態では、センサ46は、ガイド14上に位置決めすることができる。センサ46は、ガイド14に対するアーム16の位置を検出するように構成される。換言すれば、センサ46は、ガイド軸線22の周りのアーム16の周方向位置を検出するように構成される。例えば、センサ46は、ホール効果センサ、容量性変位センサ、光近接度センサ、誘導センサ、ストリングポテンショメータ、電磁センサ、又は他のあらゆる適切なセンサを含むことができる。ある一定の実施形態では、センサ46は、アーム16の位置を示す信号を制御システム(例えば、局所及び/又は遠隔)に送信するように構成される。従って、センサ46を利用してアーム16の位置をガイド軸線22の周りで調節し、及び/又はピン40の係合(又は解除)を容易にすることができる。
【0023】
上述のように、運動システム28は、ガイド14及び/又はアーム16の移動及び/又は回転を制御するように構成された制御システム50を含むことができる。制御システム50は、メモリ54と1又は2以上のプロセッサ56とを有するコントローラ52を含む。例えば、コントローラ52は、プログラマブル論理コントローラ(PLC)を含むことができる自動化コントローラとすることができる。メモリ54は、プロセッサ56によって実行される実行可能な命令を含むことができる非一時的(単に信号ではない)有形コンピュータ可読媒体である。すなわち、メモリ54は、プロセッサ56と相互作用するように構成された製造物品である。
【0024】
コントローラ52は、軌道18に沿った運動システム28の相対位置を検出するセンサ46及び/又は他のセンサからのフィードバックを受信する。例えば、コントローラ52は、アーム16、従って、車両12の他のアーム16に対する位置を示すセンサ46からのフィードバックを受信することができる。フィードバックに基づいて、コントローラ52は、競争車10の作動を調整して競争を模擬することができる。例えば、図示の実施形態では、コントローラ52は、第1のアクチュエータ36、第2のアクチュエータ38、及び付勢部材42に通信的に結合される。センサ46からのフィードバックに基づいて、コントローラ52は、第1及び第2のアクチュエータ36、38にガイド14及び/又はアーム16の回転を駆動するように命令し、車両12の相互位置を変更することができる。
【0025】
アーム16の配置、及びアーム16を作動方向20に駆動するための機構の変形も本発明の開示の範囲にある。例えば、図5を簡単に参照して、各アーム16は、少なくとも何らかの重なりが生じるように個々に駆動される場合がある。そのような実施形態では、アーム同士は、そのような重なりを容易にするために、ピボット34に沿ってオフセット位置で接続することができる。図5はまた、ガイド14を持たないが、本体32及びボギー台車33を含むボギー台車システム57と呼ぶことができる競争車10の実施形態を例示している。
【0026】
更に、ある一定の実施形態では、各アーム16は、同じ長さ(例えば、ガイド軸線22からの半径方向範囲)である必要はなく、又は各車両12は、長さに沿って異なる距離にあることができ、それによって各アーム16がガイド軸線22の周りを回転する時に、車両12同士を互いに接触させることなく、アーム16同士が互いに重なることができる。更に、図6に示すように、一部の実施形態では、アーム16A及び/又は16Bは、アーム16の長さに沿ってくの字部、曲げ部、又は湾曲部を含むことができ、結果としてアーム16が重なる時に、本体32と各車両12の間の距離は縮小することができる(例えば、くの字部、曲げ部、及び/又は湾曲部により、車両同士がよりコンパクトな構成で重なることができる)。従って、乗客は、距離が縮小した結果として車両12が衝突する可能性があるという知覚から、高まった娯楽を受けることができる。
【0027】
ここで、図4に示す実施形態に戻ると、コントローラ52は、センサ46から受信したフィードバックに基づいて車両12が互いに接触することを阻止する仮想位置閾値及び/又は電子ストップを含むように構成することができる。一部の実施形態では、アーム16は、アーム16からその縦軸線に対して交差する方向に延びる阻止部材58を含むことができる。阻止部材58は、機械的ストップとして作用するように構成され、アーム16が互いの予め決められた距離内に入ることを阻止する。例えば、予め決められた距離は、車両12が作動中に互いに接触することを阻止する距離にすることができる。更に、阻止部材58は、ガイド軸線22に対してアーム16に沿ってあらゆる半径方向距離に位置決めすることができる。例えば、図示の実施形態では、阻止部材58は、アーム16の半径方向範囲の約4分の1に位置決めされる。しかし、他の実施形態では、阻止部材58は、ガイド軸線22からアーム16の半径方向範囲の約3分の1、アーム16の半径方向範囲の約2分の1、アーム16の半径方向範囲の約4分の3、又は他のあらゆる適切な距離に位置決めすることができる。本明細書に用いる時に、約とは、プラス又はマイナス5パーセントを指す。従って、阻止部材58は、アトラクションの作動中に車両12同士が互いに接触することを阻止するように構成することができる。
【0028】
図7は、車両12をアーム16に結合するように構成された車両結合システム60の実施形態の断面側面図である。図示の実施形態では、車両12は、車両ピボット64に結合された本体62を含む。車両ピボット64は、第3のアクチュエータ68を通じて車両軸線66の周りに回転するように駆動することができる。その結果、本体62は、車両軸線66の周りに回転することができ、それによってアトラクションの作動中に乗り手を車両軸線66の周りに回転可能にする。例えば、本体62は、車両軸線66の周りに回転することができ、その一方、車両12は、軌道18の回転又は湾曲部分に接近し、それによってカーブに入る自動車ステアリングを模擬する。更に、第3のアクチュエータ68の近くに回転センサ70を位置決めして、車両軸線66に対する本体62の回転位置(例えば、周方向位置)を決定することができる。例えば、本体62は、車両軸線66の周りに第1の回転方向24及び第2の回転方向26に回転するように駆動することができる。回転センサ70は、本体62の回転を示す信号をコントローラ52に出力し、それによってコントローラ52が第3アクチュエータ68に信号を出力し、本体62を回転させて軌道18に沿った運転を模擬することを可能にする。
【0029】
図示の実施形態では、第3のアクチュエータ68は、アーム16上に位置決めされたローラ74を有するプラットフォーム72に結合される。ローラ74により、プラットフォーム72、従って、本体62は、アーム16に沿って第1の半径方向76及び第2の半径方向78に移動可能になる。本明細書に用いる時に、第1の半径方向76は、内方に向けて及び/又はガイド軸線22に向けて移動することを指す。更に、第2の半径方向78は、外方に向けて及び/又はガイド軸線22から離れる方向への移動を指す。車両12がアーム16に沿って移動可能であることにより、異なる運動構成が可能になる。例えば、これは、以下で詳しく説明するように、車両12の直前に位置決めされた車両12を「追い越し」しようとする車両12の錯覚を模擬するのに利用することができる。更に、アーム16に沿った車両12の移動により、作動中に車両12同士が互いに近づくことが可能になり、それによって乗り手が体験する興奮を高める。更に、アーム16は、ローラ74を使用することなく車両12(例えば、本体62)を第1及び第2の半径方向76、78に移動可能にする伸縮式構成を含むことができる。アーム16は、アクチュエータ又は他の適切なデバイスによって動力を供給することができる伸縮式セグメントを含み、車両12がガイド軸線22に対して半径方向に移動するようにすることができる。例えば、アーム16は、第2の半径方向78に延びて車両12がガイド軸線22から遠ざかって移動し、及び第1の半径方向に後退して車両12がガイド軸線22に向う方向に移動するように構成することができる。しかし、一部の実施形態では、運動システム28は、車両12をアーム16に沿って半径方向に移動するための機構を含まない。例えば、車両12は、アーム16へ剛的に又は単にピボット可能に結合することができる。
【0030】
図7の実施形態に示すように、本体62は、ローラ74を通じてアーム16に沿って移動するように構成される。ある一定の実施形態では、ローラ74は、車両12を第1及び第2の半径方向76、78に駆動する(例えば、リンケージを通じて)ための電気モータを含むことができる。更に、プラットフォーム72上にアーム位置センサ80を位置決めすることができる。アーム位置センサ80は、アーム16に沿う車両12の半径方向位置を示す信号を出力するように構成される。例えば、アーム位置センサ80は、コントローラ52に信号を出力する容量性変位センサとすることができる。ある一定の実施形態では、アーム16に沿った移動は、別の車両12を追い越す位置内に移動する車両12を模擬するのに利用することができる。更に、図示の実施形態は、プラットフォーム72上にアーム位置センサ80を含むが、他の実施形態では、アーム位置センサ80は、アーム16上に配置することができる。
【0031】
更に別の実施形態では、本体62は、調節可能な斜板81をアーム16として用いて第1及び第2の半径方向76、78に移動するように構成することができる。例えば、図8は、調節可能な斜板81及びローラ74を用いる車両結合システム60の別の実施形態の断面側面図である。図8の実施形態に示すように、調節可能な斜板81は、1又は2以上のアクチュエータ84を通じて第1の垂直方向82及び/又は第2の垂直方向83に移動することができる。従って、電動モータを使用して本体62を第1及び第2の半径方向76、78に移動するのではなく、1又は2以上のアクチュエータ84が調節可能な斜板81の位置を調節し、本体62は、これに作用する重力(及び遠心力)の結果として第1及び第2の半径方向76、78に移動する。そのような実施形態は、乗り手が、車両12が軸線85に沿って回転する結果(例えば、軸線85が作動方向20によって定められる)、高まった娯楽を体験し、追加の自由度で移動するので、望ましい場合がある。
【0032】
一部の実施形態では、1又は2以上のアクチュエータ84は、コントローラ52に結合することができ、コントローラ52によって1又は2以上のアクチュエータ84を起動及び/又は停止して本体62を第1及び第2の半径方向76、78に移動することができる。コントローラ52は、アーム位置センサ80からフィードバックを受信して、アーム16に沿った本体62(例えば、調節可能な斜板81)の位置を決定し、かつ1又は2以上の信号をアクチュエータ84に送信して本体62の位置を望ましい場所に調節することができる。以上で考察したように、第1及び第2の半径方向76,78における本体62の移動により、車両12は相互に移動可能になり、車両12が互いに競走しているという知覚が生成される。更に、他の実施形態では、調節可能な斜板81を利用してガイド14の位置を調節し、それによってアーム16同士を互いに重ねることができる。
【0033】
図9は、複数の調節可能な斜板81を含むことができる競争車10の別の実施形態の概略図である。図9の図示の実施形態では、調節可能な斜板81は、アーム16に結合することができる回転可能な板86を含む。一部の実施形態では、回転可能な板86は、調節可能な斜板81の周囲に沿ってリングを形成することができる。回転可能な板86は、調節可能な斜板81に対して回転し、それによってアーム16及び車両12を回転させることができる。回転可能な板86を回転させるために、モータ87は、駆動デバイス88(例えば、ギア、ホイール、タイヤ、及び/又は回転可能なアクチュエータ)に動力を供給することができ、それによって回転可能な板86を第1の回転方向24及び/又は第2の回転方向26に誘導することができる。調節可能な斜板81の各々は、アクチュエータ84のうちの1又は2以上を含み、それによって車両12が第1の垂直方向82及び/又は第2の垂直方向83に移動可能にすることができる。従って、各車両12は、他の車両12とは独立して第1の回転方向24及び/又は第2の回転方向26に回転することができ、かつ各車両12は、他の車両12とは独立して第1の垂直方向82及び/又は第2の垂直方向83に移動することができる。
【0034】
図10は、車両12が軌道18に沿って作動方向20に走行している3つの車両を有する競争車10の実施形態の上面図である。図示のように、第1の車両90は、第1の場所位置92にある。第1の場所位置92にある間、第1の車両90は、ガイド軸線22と作動方向20との交差点に対して直交し、かつ面21によって形成される平面に沿って延びる移動軸95に対して第1の距離94にある。その結果、第1の車両90は、第2の車両96及び第3の車両98に対して「第1の場所」にあると説明することができる。更に、第2の車両96は第2の場所位置100にある。第2の場所位置100にある間、第2の車両96は、移動軸線95に対して第2の距離102にある。従って、第2の車両96は、第1の車両90及び第3の車両98に対して「第2の場所」にあると説明することができる。更に、第3の車両98は、第3の場所位置104にある。第3の場所位置104にある間、第3の車両98は、移動軸線95に対して第3の距離106にある。その結果、第3の車両98は、第1の車両90及び第2の車両96に対して「第3の場所」にあると説明することができる。第1、第2、及び第3の距離94、102、106のそれぞれの長さは、第1、第2、及び第3の場所位置92、100、104に対応するように変えることができることは理解されるであろう。換言すれば、第1、第2、及び第3の距離94、102、106の数値にかかわらず、第1の距離94は、第1の場所位置92に対応し、第2の距離102は、第2の場所位置100に対応し、第3の距離102は、第3の場所位置104に対応する。
【0035】
図示の実施形態では、第1の車両90は、第2の車両96に対して第1の角度108にある。理解されるように、第1の角度108は、第1のアクチュエータ36を通じて(ガイド14へのアーム16の結合を通じて)及び/又は第2のアクチュエータ38を通じて調節することができる。上述のように、第2のアクチュエータ38は、アーム16の対応するギアに係合するように構成されたヨークドライブとすることができる。ある一定の実施形態では、アーム16は、個々のアーム16を第2アクチュエータ38に選択的に係合させることにより、ガイド軸線22の周りに個々に回転可能である。その結果、第1の角度108は、アトラクションの作動中に調節することができる。更に、第1の車両90は、第3の車両98に対して第2の角度110にあることができる。更に、第2の車両96は、第3の車両98に対して第3の角度112にあることができる。以下に説明するように、第1、第2、及び第3の車両90、96、98の間の相対角度は、アトラクションの作動中に調節することができる。
【0036】
図10に示すように、第1の車両90は、第1のアーム116の遠位端114に位置決めされる。換言すれば、ローラ74は、プラットフォーム72を第2の半径方向78に駆動し、第1の車両90がガイド軸線22から第1の半径方向距離118にあるようにすることができる。しかし、第2の車両96は、例えば、ローラ74によって第1の半径方向76に移動することにより、第2のアーム120のほぼ中点に位置決めされる。その結果、第2の車両96は、ガイド軸線22から第2の半径方向距離122にある。図示の実施形態では、第2の半径方向距離122は、第1の半径方向距離118よりも小さい。しかし、他の実施形態では、第1の半径方向距離118を第2の半径方向距離122よりも小さくすることができ、又は第1の半径方向距離118を第2の半径方向距離122と同じにすることができる。更に、図示の実施形態では、第3の車両98は、第3のアーム125に沿う第1の半径方向76の移動によって第3の半径方向距離124にある。図示のように、第3の半径方向距離124は、第1の半径方向距離118よりも小さく、第2の半径方向距離122よりも大きい。従って、第1、第2、及び第3の車両90、96、98の半径方向距離は、ガイド軸線22に対して調節することができる。その結果、乗り手は、作動中に高まった興奮を体験することができ、その理由は、車両12がガイド軸線22に対して様々な方向に移動するように構成されるからである。
【0037】
上述のように、アーム16は、車両12間の競争を模擬するためにガイド軸線22の周りに回転するように構成される。図示の実施形態では、第1の車両90及び第3の車両98は、軌道18の第1の側部126に配置される。更に、第2の車両96は、第2の側部128に配置される。アトラクションの作動中に、車両12は、ガイド軸線22の周りに回転し、それによって第1の側部126と第2の側部128との間を移動することができる。ある一定の実施形態では、車両12は、軌道18と実質的に位置合わせすることができる。更に、第1の側部126から第2の側部128への移動は、第2のアクチュエータ38がアーム16の回転を選択的に駆動する時に第2のアクチュエータ38によって駆動することができる。しかし、他の実施形態では、アーム16は、ピン40を通じてガイド14にロックすることができ、第1のアクチュエータ36は、ガイド軸線22の周りでガイド14の回転を駆動し、それによって回転ガイド軸線22の周りのアーム16の対応する回転を容易にする。従って、車両12は、ガイド軸線22の周りに回転するように駆動され、アトラクションの作動中に軌道に沿った移動を模擬することができる。
【0038】
図11は、第1の車両90が第1の場所位置92にあり、第3の車両98が第2の場所位置100にある競争車10の実施形態の上面図である。第1、第2、及び第3の車両90、96、98の位置を比較すると、図10から図11では、第1の車両90は、第1の場所位置92のままであるが、軌道18の第2の側部128に移動している。更に、第3の車両98は、第2の場所位置100に移動している。更に、第2の車両96は、第3の場所位置104に移動している。図示の実施形態では、ガイド14がガイド軸線22の周りに回転することにより、車両12は、ピン40の係合を通じて駆動されてガイド軸線22の周りに回転することができる。例えば、図8及び図9に示すように、第1の車両90は、ガイド軸線22の周りに第2の回転方向26に回転して第2の側部128に移動する。更に、第1の角度108は、図8図9の間で実質的に変化しないままである。しかし、他の実施形態では、第2のアクチュエータ38は、ガイド軸線22の周りのアーム16の個々の移動を駆動することができる。換言すれば、第1の角度108、第2の角度110、及び第3の角度112は、車両12が第1の場所位置92、第2の場所位置100、及び第3の場所位置104の間を移動する時に変えることができる。
【0039】
更に、車両12は、第1の場所位置92、第2の場所位置100、及び第3の場所位置104の間を移動する時に、車両軸線66の周りに回転して車両12の前端130を作動方向20に向ける。例えば、図11の図示の実施形態では、軌道18は実質的に真っ直ぐであり、その結果、車両12の前端130は、軌道18の経路に沿って向けられる。しかし、他の実施形態では、前端130は、作動方向20に沿って向けられない。例えば、車両12は、鋭い曲線に沿って「スピン」又は「ドリフト」するように構成することができる。従って、車両12は、回転が制御されて、前端130を作動方向20から離れるように(例えば、反対方向に、実質的に垂直な方向に)向けることができる。車両12が車両軸線66の周りに回転することにより、乗り手の興奮が高まり、車両12間の競争結果の変動性を上げることができる。
【0040】
図12は、軌道18が弓形状である競争車10の上面図である。図示のように、軌道18は、回転を模擬するための曲げ部又は湾曲部分を含む。作動方向20が実質的に軌道18の湾曲部分に沿っているので、第1の車両90及び第3の車両98は、それぞれの車両軸線66の周りに回転し、前端130を作動方向20に沿って向けられるように駆動される。しかし、上述のように、図12の図示の実施形態では、第2の車両96は、スピン位置132にある可能性がある。図示のように、第2の車両96が車両軸線66の周りに回転すると、前端130が作動方向20に位置合わせされなくなる。従って、カーブの周りで乗り手は、彼ら/彼女らの車両12が制御を失うという興奮を体験することができる。ある一定の実施形態では、コントローラ52は、ガイド軸線22の周りの第2の車両96の回転を第3の場所位置104に向け、競争中の第1及び第3の車両90、98とのスピンの衝撃を模擬するように構成することができる。換言すれば、競争中にスピンした車両12は、競争中に他の車両12に後れを取る可能性がある。
【0041】
更に、図12に示すように、第1の車両90及び第3の車両98の阻止部材58は、互いに接触している。上述のように、阻止部材58は、アーム16に沿って位置決めされ、車両12がガイド軸線22の周りに回転する時に車両12間の接触を阻止する。例えば、阻止部材58は、アーム16同士が互いの予め決められた角度内に収まるようにアーム16上に位置決めすることができる。ある一定の実施形態では、予め決められた角度により、車両12は、隣接する車両12に接触することなく、車両軸線66の周りに回転することができる。
【0042】
図13は、第1のガイド134が取付部材138を通じて第2のガイド136に結合された競争車10の実施形態の上面図である。図示の実施形態では、第1のガイド134は、単一車両12を含み、第2のガイド136も、単一車両12を含む。しかし、他の実施形態では、第1及び第2のガイド134、136は、2、3、4、5、又はあらゆる適切な数の車両12を含むことができる。更に、他の実施形態では、第1及び第2のガイド134、136は、車両12の数が同じでなくてもよい。例えば、第1のガイド134は2つの車両12を含み、一方、第2のガイド136は、単一車両12を含む。図示の実施形態では、取付部材138は、第2のガイド136を第1のガイド134に結合し、それによって第1のガイド134及び第2のガイド136の乗り手が互いに競走するように構成することができる。例えば、第2ガイド136は、アトラクションの作動中に第1ガイド134に結合されて、第1ガイド134に追い付く第2ガイド136を模擬することができる。次に、それぞれの第1及び第2のガイド134、136の車両12は、以上で詳述したように、それぞれのガイド軸線22の周りに回転することができる。更に、図示の実施形態は、互いに結合された第1及び第2のガイド134、136を含むが、他の実施形態では、第1及び第2のボギー台車システム35は、アトラクション作動中に取付部材138を通じて互いに結合することができる。
【0043】
図14は、作動中に競争車10を制御する方法140の実施形態を示す流れ図である。ブロック142で、複数の車両12は、ガイド14を用いて軌道18に沿って作動方向120に誘導することができる。更に、ブロック144で、複数の車両12のうちの1又は2以上の車両12は、ガイド軸線22の周りに回転され、複数の車両12のうちの1又は2以上の車両12の位置は、複数の車両12のうちの残りの車両12に対して調節される。一部の実施形態では、作動方向120における車両12の移動(例えば、全体移動)は、自動化することができる(例えば、乗り物コントローラが、ガイド14を軌道18に沿って予め決められた速度で移動する)。しかし、ある一定の実施形態では、ガイド軸線22の周りの車両12の移動(例えば、細かい移動)は、乗り手自身によって制御することができる。従って、乗り手は、乗車の終わりには最終的に各車両12の相互の位置に対する制御を有することができる。
【0044】
これに加えて、車両12の開始位置は、例えば、コントローラ52によって決定することができる。センサ46は、ガイド14の円周に沿う各アーム16の相対位置を示す信号をコントローラ52に送信することができる。一部の実施形態では、コントローラ52は、センサ46からの信号に基づいて開始位置(例えば、第1の場所位置92、第2の場所位置100、第3の場所位置104)を決定することができる。作動方向20も決定することができる。例えば、ガイド14上に位置決めされたセンサは、軌道18に沿ったガイド14の相対位置を決定し、それによって軌道18の形状及び作動方向20を決定することができる。コントローラ52は、車両12に信号を送信して車両軸線66の周りに回転させることができる。例えば、軌道18は、作動方向20を調節する湾曲部分を含むことができる。コントローラ52は、車両12に車両軸線66の周りに回転するように命令し、車両12の前端130を作動方向20に位置合わせすることができる。更に、他の実施形態では、コントローラ52は、車両12に車両軸線66の周りに回転するように命令し、スピン又は制御不能状態を模擬することができる。更に、車両12の望ましい位置は、コントローラ52によって予め決定することができる(例えば、乗り手自身によって制御するのとは対照的に)。例えば、コントローラ52は、第1の車両90が第2の場所位置100で終了することを決定することができる。コントローラ52は、次に、車両12にガイド軸線22の周りに回転するように命令することができる。例えば、コントローラ52は、第1の車両90が第3の場所位置104で開始した後に第2の場所位置100で終了すると決定することができる。コントローラ52は、第2のアクチュエータ38に信号を送信し、第1の車両90のガイド軸線22の周りの回転を駆動して第1の車両90を第2の場所位置100に移動することができる。
【0045】
以上で詳述したように、競争車10の運動システム28は、車両12のガイド軸線22の周りの回転移動を駆動することができる。例えば、第2アクチュエータ38は、車両12に結合されたアーム16の回転を駆動するように構成することができる。更に、他の実施形態では、アーム16をガイド14に結合して車両12が回転することができるようにし、一方、ガイド14は、ガイド軸線22の周りに回転するように駆動される。ある一定の実施形態では、車両12は、車両軸線66の周りに回転するように構成される。車両軸線66の周りに回転することにより、車両12の前端130は、作動方向20に位置合わせされ、それによって軌道18に沿った走行のシミュレーションを強化することができる。更に、アトラクションの作動中に車両軸線66の周りに回転することにより、湾曲部分の周りのスピン又はドリフトが容易にされる。ある一定の実施形態では、制御システム50は、アトラクションの作動中に車両12の移動を制御するように構成することができる。例えば、コントローラ52は、車両12のガイド軸線22及び/又は車両軸線66の周りの回転を駆動するための信号を送信又は受信することができる。従って、競争車10は、車両12間の競争を模擬して乗り手にアトラクションを利用した娯楽を提供することができる。
【0046】
本発明の開示のある一定の特徴のみを本明細書に図示して説明したが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような全ての修正及び変更を本発明の開示の真の精神に属するものとして網羅するように意図していることは理解されるものとする。
【符号の説明】
【0047】
10 競争車
14 ガイド
16 アーム
18 軌道
20 作動方向
図1
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