(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】情報配信装置、情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20221108BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20221108BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20221108BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20221108BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221108BHJP
G06Q 50/10 20120101ALN20221108BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
G08G1/09 F
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021165801
(22)【出願日】2021-10-07
(62)【分割の表示】P 2018106881の分割
【原出願日】2018-06-04
【審査請求日】2021-10-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】竹森 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】溝口 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 輝彰
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-281488(JP,A)
【文献】特開2007-314014(JP,A)
【文献】特開2008-241652(JP,A)
【文献】特開2017-058766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G06Q 50/10
G08G 1/00-99/00
G16Y 10/40
20/20
40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録部と、
車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録部の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合部と、
端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信部と、
前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御部と、
前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得部と、を備え、
前記提供制御部は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、
情報配信装置。
【請求項2】
前記照合部による照合の結果に基づいて運転者判定対象のユーザが車両の運転者であるか否かを判定する運転者判断部をさらに備える、
請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記運転者判断部は、前記照合部による照合の結果、一致する場合に運転者判定対象のユーザが車両の運転者であると判断し、不一致である場合に運転者判定対象のユーザが車両の運転者ではないと判断する、
請求項2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記提供制御部は、前記提供情報送信部が前記提供情報を前記端末装置へ送信する送信タイミングの制御を行う、
請求項
1から
3のいずれか1項に記載の情報配信装置。
【請求項5】
端末装置と、情報配信装置とを備え、
前記情報配信装置は、
集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録部と、
車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録部の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合部と、
前記端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信部と、
前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御部と、
前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得部と、を備え、
前記提供制御部は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、
情報提供システム。
【請求項6】
情報配信装置が、集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録ステップと、
前記情報配信装置が、車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録ステップの登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合ステップと、
前記情報配信装置が、端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信ステップと、
前記情報配信装置が、前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得ステップと、
前記情報配信装置が、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御ステップと、を含み、
前記提供制御ステップは、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、
情報提供方法。
【請求項7】
コンピュータに、
集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録機能と、
車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録機能の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合機能と、
端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信機能と、
前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御機能と、
前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得機能と、
を実現させるためのコンピュータプログラム
であって、
前記提供制御機能は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信装置、情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の運転者に対して、店舗で利用できる割引等のクーポンを自動車のユーザインタフェースの表示装置に表示して提示する情報提供技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の情報提供技術では、自動車の運転者が運転中にクーポンを提示する可能性がある。もし、運転者が運転している最中にクーポンが提示されると、運転の妨げになりかねない。このため、自動車の運転者に対して適切なタイミングでクーポン等の提供情報を提示する技術が望まれている。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、自動車等の車両の運転者に対して適切なタイミングでクーポン等の提供情報を提示することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録部と、車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録部の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合部と、端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信部と、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御部と、前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得部と、を備え、前記提供制御部は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、情報配信装置である。
(2)本発明の一態様は、前記照合部による照合の結果に基づいて運転者判定対象のユーザが車両の運転者であるか否かを判定する運転者判断部をさらに備える、上記(1)の情報配信装置である。
(3)本発明の一態様は、前記運転者判断部は、前記照合部による照合の結果、一致する場合に運転者判定対象のユーザが車両の運転者であると判断し、不一致である場合に運転者判定対象のユーザが車両の運転者ではないと判断する、上記(2)の情報配信装置である。
【0008】
(4)本発明の一態様は、前記提供制御部は、前記提供情報送信部が前記提供情報を前記端末装置へ送信する送信タイミングの制御を行う、上記(1)から(3)のいずれかの情報配信装置である。
【0009】
本発明の一態様は、端末装置と、情報配信装置とを備え、前記情報配信装置は、集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録部と、車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録部の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合部と、前記端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信部と、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御部と、前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得部と、を備え、前記提供制御部は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、情報提供システムである。
【0010】
本発明の一態様は、情報配信装置が、集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録ステップと、前記情報配信装置が、車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録ステップの登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合ステップと、前記情報配信装置が、端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信ステップと、前記情報配信装置が、前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得ステップと、前記情報配信装置が、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御ステップと、を含み、前記提供制御ステップは、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、情報提供方法である。
【0011】
本発明の一態様は、コンピュータに、集団で共用される車両において車両を運転することができる前記集団の各個人に対して発行された個人用のイモビライザを識別するイモビライザ識別情報の登録情報を保持するイモビライザ識別情報登録機能と、車両の現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報を取得し、取得したイモビライザ識別情報と前記イモビライザ識別情報登録機能の登録情報内の運転者判定対象のユーザのイモビライザ識別情報とを照合する照合機能と、端末装置のユーザへ提供する提供情報を前記端末装置へ送信する提供情報送信機能と、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するか否かを、前記端末装置が車両と通信を行い取得した前記車両が駐車しているか否かを示す駐車状態情報に基づいて制御する提供制御機能と、前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得するユーザ種別情報取得機能と、を実現させるためのコンピュータプログラムであって、前記提供制御機能は、前記ユーザ種別情報が前記端末装置のユーザが前記車両の運転者であることを示す場合において、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していないことを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示しないように制御を行い、一方、前記駐車状態情報が前記車両が駐車していることを示すときには、前記提供情報を前記端末装置の表示画面に表示するように制御を行う、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自動車等の車両の運転者に対して適切なタイミングでクーポン等の提供情報を提示することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
【
図2】一実施形態に係る情報提供制御部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】一実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
【
図9】一実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図10】一実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図11】一実施形態に係る情報提供システムの適用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態では、車両として自動車を例に挙げて説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
図1において、情報提供システム1aは、情報配信装置30aと、端末装置40aと、自動車50と、を備える。情報配信装置30aは、情報提供制御部10を備える。端末装置40aは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。
【0016】
自動車50は、TCU(Tele Communication Unit)51と、車載インフォテイメント(In-Vehicle Infotainment:IVI)機器52と、ゲートウェイ(GW)装置53と、通信ネットワーク54と、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)55とを備える。
【0017】
ECU55は、自動車50に備わる車載コンピュータである。ECU55は、自動車50のエンジン制御等の制御機能を有する。ECU55として、例えば、エンジン制御機能を有するECU、トランスミッション制御機能を有するECU、ハンドル制御機能を有するECU、ブレーキ制御機能を有するECUなどがある。GW装置53は、自動車50に搭載されたECU55に適用されるデータのセキュリティ(保安)の機能を有する。
【0018】
GW装置53と複数のECU55は、自動車50に備わる通信ネットワーク(以下、車載ネットワークと称する)54に接続される。車載ネットワーク54は、例えば、CAN(Controller Area Network)であってもよい。CANは車両に搭載される通信ネットワークの一例として知られている。GW装置53は、車載ネットワーク54を介して、各ECU55との間でデータを交換する。ECU55は、車載ネットワーク54を介して、他のECU55との間でデータを交換する。
【0019】
なお、車載ネットワーク54として、CAN以外の通信ネットワークを自動車50に備え、CAN以外の通信ネットワークを介して、GW装置53とECU55との間のデータの交換、及び、ECU55同士の間のデータの交換が行われてもよい。例えば、LIN(Local Interconnect Network)を自動車50に備えてもよい。また、CANとLINとを自動車50に備えてもよい。
【0020】
TCU51は、IVI機器52とGW装置53とに接続されている。TCU51は通信装置である。本実施形態では、TCU51は、無線通信ネットワークを利用して通信を行う。例えば、TCU51は、無線通信ネットワークを介して、情報配信装置30aと通信を行ってもよい。例えば、TCU51は、無線通信ネットワークを介して、自動車50の車内又は車外に存在する端末装置40aと通信を行ってもよい。
【0021】
IVI機器52は、例えば、ナビゲーション機能、位置情報サービス機能、音楽や動画などのマルチメディア再生機能、音声通信機能、データ通信機能、インターネット接続機能などを備える。IVI機器52は、ユーザの操作に応じたデータ入力を行うための、キーボード、テンキー、マウス等の入力デバイスと、データ表示を行うための液晶表示装置等の表示デバイスとを備える。IVI機器52は、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルを備えてもよい。
【0022】
IVI機器52は、TCU51とGW装置53とに接続されている。IVI機器52は、GW装置53を介してECU55と通信を行う。また、IVI機器52は、GW装置53を介して、車載ネットワーク54を流れる自動車50の車両情報を取得する。
【0023】
また、IVI機器52は、近距離無線通信機能を備える。近距離無線通信は、例えば、「Wi-Fi(登録商標)」等の無線LAN(Local Area Network)の無線通信であってもよく、又は、BLE等の「Bluetooth(登録商標)」の無線通信であってもよい。IVI機器52は、近距離無線通信により端末装置40aと通信を行ってもよい。また、IVI機器52は、TCU51を介して、端末装置40aや情報配信装置30aと通信を行ってもよい。
【0024】
また、IVI機器52は、端末装置40aとの連携を行うための端末インタフェースを備える。端末インタフェースは、端末装置40aのアプリケーションが生成した画面をIVI機器52の表示デバイスにより表示する機能や、自動車50の車両情報を端末装置40aへ送信する機能などを有する。端末インタフェースによって、例えば、自動車50の車両情報の一例であるギア情報を端末装置40aへ送信することができる。ギア情報は、自動車50のトランスミッションのギアの状態を示す車両情報である。端末装置40aは、自動車50から受信したギア情報によって、自動車50のトランスミッションのギアが「パーキング(駐車)」状態になっているのか否かを認識することができる。
【0025】
情報配信装置30aは、通信路102を介して自動車50のTCU51と通信を行う。情報配信装置30aは、自動車50のTCU51を介して、自動車50に搭載された装置と通信を行う。通信路102は、TCU51が利用する無線通信ネットワークの無線通信路を含む通信路である。通信路102は、無線通信路と有線通信路とから構成されてもよい。通信路102は、例えば、TCU51が利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。
【0026】
端末装置40aは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。端末装置40aは、通信路106を介して自動車50のIVI機器52と通信を行う。通信路106は、端末装置40aとIVI機器52間の近距離無線通信の通信路であってもよい。通信路106は、TCU51経由の通信路であってもよい。通信路106は、例えば、TCU51が利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。通信路106は、通信ケーブルにより構成されてもよい。例えば、端末装置40aとIVI機器52とを通信ケーブルで接続し、端末装置40aとIVI機器52とは当該通信ケーブルを介してデータを送受してもよい。例えば、端末装置40aとIVI機器52とをUSB(universal serial bus)ケーブルで接続し、端末装置40aとIVI機器52とはUSBケーブルを介してUSB通信を行ってもよい。
【0027】
情報配信装置30aと端末装置40aとは、通信路104を介して通信を行う。通信路104は、無線通信路であってもよく、又は、有線通信路であってもよく、又は、無線通信路と有線通信路とから構成されてもよい。通信路104は、例えば、端末装置40aが利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。端末装置40aが利用する無線通信ネットワークは、携帯電話ネットワークであってもよく、又は、無線LANであってもよい。
【0028】
情報配信装置30aは、端末装置40aのユーザ(以下、端末ユーザと称する)へ提供する提供情報を配信する装置である。本実施形態の一例として、情報配信装置30aは、通信路104を介して提供情報を端末装置40aへ送信する。提供情報は、例えば、店舗で利用できる割引等の特典が付いた電子クーポンや広告、給油所や自動車整備工場等のサービス施設の紹介やサービス施設までの道案内などの情報である。情報提供制御部10は、提供情報を端末ユーザへ提供する際の制御を行う。
【0029】
図2は、本実施形態に係る情報提供制御部の機能構成例を示すブロック図である。
図2において、情報提供制御部10は、駐車状態情報受信部11と、提供制御部12と、ユーザ種別情報取得部13とを備える。
【0030】
駐車状態情報受信部11は、駐車状態情報を受信する。駐車状態情報は、自動車50が駐車しているか否かを示す情報である。本実施形態の一例として、駐車状態情報は、自動車50のギア情報である。自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示す場合、自動車50が駐車していると認識することができる。一方、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示さない場合、自動車50が駐車していると認識することはできない。
【0031】
提供制御部12は、提供情報を端末装置40aの表示画面に表示するか否かを、駐車状態情報に基づいて制御する。本実施形態の一例として、提供制御部12は、情報配信装置30aが提供情報を端末装置40aへ送信する送信タイミングの制御を行う。
【0032】
ユーザ種別情報取得部13は、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得する。ユーザ種別情報の取得方法の例を以下に示す。
【0033】
(ユーザ種別情報の取得方法の例1)
端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを情報配信装置30aへ登録する。情報配信装置30aは、当該登録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を記録する。ユーザ種別情報取得部13は、情報配信装置30aに記録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を取得する。
【0034】
(ユーザ種別情報の取得方法の例2)
自動車50の車内に運転者の顔を撮像できる撮像装置を設け、IVI機器52は当該撮像装置が撮像した運転者撮像画像をTCU51により情報配信装置30aへ送信する。情報配信装置30aは、事前に登録済みの端末ユーザの顔画像と自動車50から受信した運転者撮像画像との画像認識によるマッチングにより、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを判断する。情報配信装置30aは、当該判断の結果である端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を記録する。ユーザ種別情報取得部13は、情報配信装置30aに記録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を取得する。
【0035】
(ユーザ種別情報の取得方法の例3)
ユーザ種別情報の取得方法の例3は、自動車50のイモビライザ(immobilizer)が複数発行されている場合のものである。例えば、家族で共用される自動車50において、運転できる各個人に対して個人用のイモビライザが発行される場合などが挙げられる。IVI機器52は、自動車50に現在使用されているイモビライザのイモビライザ識別情報(イモビライザID)をTCU51により情報配信装置30aへ送信する。情報配信装置30aは、事前に登録済みの端末ユーザのイモビライザのイモビライザIDと自動車50から受信したイモビライザIDとのマッチングを行う。情報配信装置30aは、マッチングの結果が一致である場合に端末ユーザが自動車50の運転者であると判断し、マッチングの結果が不一致である場合に端末ユーザが自動車50の運転者ではないと判断する。情報配信装置30aは、当該判断の結果である端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を記録する。ユーザ種別情報取得部13は、情報配信装置30aに記録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を取得する。
【0036】
図3は、本実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3において、情報配信装置30aは、情報提供制御部10と、提供情報送信部31と、提供情報取得部32と、ユーザ登録部33と、成果処理部34と、を備える。情報提供制御部10は、
図2を参照して上述したものである。
【0037】
提供情報送信部31は、情報提供制御部10による送信タイミングの制御に基づいて、端末装置40aへ提供情報を、通信路104を介して送信する。提供情報取得部32は、端末ユーザへ提供する提供情報を取得し、取得した提供情報を保持する。ユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。成果処理部34は、端末ユーザへ提供情報を提供した結果として得られる成果を処理するための成果処理を実行する。
【0038】
情報配信装置30aの機能は、情報配信装置30aがCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報配信装置30aとして、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。
【0039】
図4は、本実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4には、端末装置40aの情報提供に係る機能構成が示される。
図4において、端末装置40aは、車両インタフェース41と、車両情報取得部42と、駐車状態情報送信部43と、提供情報受信部44と、表示部45と、を備える。
【0040】
車両インタフェース41は、通信路106を介する通信により、IVI機器52の端末インタフェースと連携を行う。車両インタフェース41は、端末装置40aのアプリケーションが生成した端末アプリケーション画面をIVI機器52へ送信し、IVI機器52の端末インタフェースにより当該端末アプリケーション画面をIVI機器52の表示デバイスにより表示させる機能や、自動車50の車両情報をIVI機器52の端末インタフェースから受信する機能などを有する。
【0041】
車両情報取得部42は、自動車50の駐車状態情報を車両インタフェース41により取得する。本実施形態の一例として、車両情報取得部42は、自動車50の駐車状態情報として自動車50のギア情報を車両インタフェース41により取得する。
【0042】
駐車状態情報送信部43は、通信路104を介して、自動車50の駐車状態情報を情報配信装置30aへ送信する。本実施形態の一例として、駐車状態情報送信部43は、自動車50の駐車状態情報として自動車50のギア情報を情報配信装置30aへ送信する。
【0043】
提供情報受信部44は、端末ユーザへ提供する提供情報を受信する。本実施形態の一例として、提供情報受信部44は、端末ユーザへ提供する提供情報を情報配信装置30aから通信路104を介して受信する。
【0044】
表示部45は、提供情報を表示する。本実施形態の一例として、表示部45は、提供情報受信部44が情報配信装置30aから受信した提供情報を表示する。
【0045】
端末装置40aの機能は、端末装置40aがCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、端末装置40aとして、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。また、端末装置40aとして、スマートフォン等の携帯通信端末装置、タブレット型のコンピュータ装置(タブレットPC)などを利用してもよい。
【0046】
図5は、本実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。
図5には、IVI機器52の情報提供に係る機能構成が示される。
図5において、IVI機器52は、端末インタフェース521と、車両情報提供部522と、を備える。
【0047】
端末インタフェース521は、通信路106を介する通信により、端末装置40aの車両インタフェース41と連携を行う。端末インタフェース521は、端末装置40aのアプリケーションが生成した端末アプリケーション画面を車両インタフェース41から受信し、受信した端末アプリケーション画面をIVI機器52の表示デバイスにより表示する機能や、自動車50の車両情報を車両インタフェース41へ送信する機能などを有する。
【0048】
車両情報提供部522は、GW装置53を介して、車載ネットワーク54を流れる自動車50の車両情報を取得する。車両情報提供部522は、GW装置53を介して取得した自動車50の車両情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。車両情報提供部522は、例えば自動車50の駐車状態情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。本実施形態の一例として、車両情報提供部522は、自動車50の駐車状態情報として自動車50のギア情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。
【0049】
IVI機器52の機能は、IVI機器52がCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0050】
次に本実施形態に係る情報提供方法の例を説明する。
【0051】
<情報提供方法の例A-1>
図6を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例A-1を説明する。
図6は、本実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0052】
端末ユーザは、事前に、情報配信装置30aにユーザ登録を行う。情報配信装置30aのユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。ユーザ登録情報は、氏名、住所、端末装置40aの端末識別情報(端末ID;例えば携帯電話番号など)、自動車50の車両識別番号(Vehicle Identification Number:VIN)、IVI機器52のナビゲーションのアプリケーション識別情報(ナビID)などを含む情報である。情報配信装置30aのユーザ登録部33は、ウェブ(Web)サイトによりユーザ登録を受け付けてもよい。
【0053】
端末ユーザの端末装置40aと自動車50のIVI機器52との間には、通信路106が確立される。端末ユーザは、自動車50の車内に居てもよく、又は、自動車50の車外に居てもよい。また、端末ユーザは、自動車50の運転者であってもよく、又は、運転者ではない同乗者であってもよい。
【0054】
(ステップS1) 端末装置40aの車両情報取得部42は、自動車50のギア情報を車両インタフェース41により取得する。自動車50のIVI機器52の車両情報提供部522は、自動車50のギア情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。端末装置40aの駐車状態情報送信部43は、車両情報取得部42が取得した自動車50のギア情報を、通信路104を介して情報配信装置30aへ送信する。
【0055】
情報配信装置30aは、通信路104を介して、端末装置40aから自動車50のギア情報を受信する。情報配信装置30aにおいて、情報提供制御部10の駐車状態情報受信部11は、端末装置40aから送信されて情報配信装置30aで受信された自動車50のギア情報を受信する。
【0056】
(ステップS2) 情報提供制御部10の提供制御部12は、駐車状態情報受信部11が受信した自動車50のギア情報に基づいて自動車50が駐車しているか否かを判断する。自動車50が駐車していると判断された場合にステップS3に進み、自動車50が駐車していないと判断された場合にステップS4に進む。具体的には、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示す場合にステップS3に進み、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示さない場合にステップS4に進む。
【0057】
(ステップS3) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40aの表示画面に表示するように制御を行う。具体的には、提供制御部12は、情報配信装置30aの提供情報送信部31へ、提供情報を端末装置40aへ送信する指示(提供情報送信指示)を送る。
【0058】
提供情報送信部31は、情報提供制御部10(提供制御部12)から提供情報送信指示を受けると、端末装置40aへ送信する提供情報を提供情報取得部32から取得し、取得した提供情報を端末装置40aへ通信路104を介して送信する。
【0059】
端末装置40aの提供情報受信部44は、通信路104を介して情報配信装置30aから提供情報を受信すると、受信した提供情報を表示部へ送る。表示部45は、提供情報受信部44から提供情報を受信すると、受信した提供情報を表示する。これにより、自動車50が駐車しているタイミングで、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。自動車50が駐車しているタイミングは、もし端末ユーザが自動車50の運転者であったとしても、端末ユーザへ提供情報を提示するのに適切なタイミングである。
【0060】
(ステップS4) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40aの表示画面に表示しないと判断し、
図6の処理を終了する。したがって、自動車50が駐車していないタイミングでは、提供情報は端末ユーザへ提示されない。これにより、もし端末ユーザが自動車50の運転者であったとしても、端末ユーザが運転している最中には提供情報が端末ユーザへ提示されないので、提供情報の提示が運転の妨げになることを未然に防止できる。
【0061】
<情報提供方法の例A-2>
図7を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例A-2を説明する。
図7は、本実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0062】
上述した情報提供方法の例A-1と同様に、端末ユーザは、事前に、情報配信装置30aにユーザ登録を行う。このユーザ登録では、上述した情報提供方法の例A-1のユーザ登録情報に加えて、さらにユーザ種別情報に係る登録を行う。上述したユーザ種別情報の取得方法の例1の場合、端末ユーザは、自分が自動車50の運転者であるか否かを登録する。上述したユーザ種別情報の取得方法の例2の場合、端末ユーザは、自分の顔画像を登録する。上述したユーザ種別情報の取得方法の例3の場合、端末ユーザは、自分のイモビライザのイモビライザIDを登録する。情報配信装置30aのユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。
【0063】
端末ユーザの端末装置40aと自動車50のIVI機器52との間には、通信路106が確立される。端末ユーザは、自動車50の車内に居てもよく、又は、自動車50の車外に居てもよい。また、端末ユーザは、自動車50の運転者であってもよく、又は、運転者ではない同乗者であってもよい。
【0064】
(ステップS11) 情報配信装置30aにおいて、情報提供制御部10のユーザ種別情報取得部13は、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得する。ユーザ種別情報の取得方法は、上述したユーザ種別情報の取得方法の例1、例2、例3のいずれかを適用する。
【0065】
(ステップS12) 情報提供制御部10の提供制御部12は、ユーザ種別情報取得部13が取得したユーザ種別情報に基づいて、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを判断する。端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合にステップS13に進み、端末ユーザが自動車50の運転者でないと判断された場合にステップS15に進む。具体的には、ユーザ種別情報が端末ユーザが自動車50の運転者であることを示す場合にステップS13に進み、ユーザ種別情報が端末ユーザが自動車50の運転者でないことを示す場合にステップS15に進む。
【0066】
(ステップS13) 端末装置40aの車両情報取得部42は、自動車50のギア情報を車両インタフェース41により取得する。自動車50のIVI機器52の車両情報提供部522は、自動車50のギア情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。端末装置40aの駐車状態情報送信部43は、車両情報取得部42が取得した自動車50のギア情報を、通信路104を介して情報配信装置30aへ送信する。
【0067】
情報配信装置30aは、通信路104を介して、端末装置40aから自動車50のギア情報を受信する。情報配信装置30aにおいて、情報提供制御部10の駐車状態情報受信部11は、端末装置40aから送信されて情報配信装置30aで受信された自動車50のギア情報を受信する。
【0068】
(ステップS14) 情報提供制御部10の提供制御部12は、駐車状態情報受信部11が受信した自動車50のギア情報に基づいて自動車50が駐車しているか否かを判断する。自動車50が駐車していると判断された場合にステップS15に進み、自動車50が駐車していないと判断された場合にステップS16に進む。具体的には、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示す場合にステップS15に進み、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示さない場合にステップS16に進む。
【0069】
(ステップS15) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40aの表示画面に表示するように制御を行う。具体的には、提供制御部12は、情報配信装置30aの提供情報送信部31へ、提供情報を端末装置40aへ送信する指示(提供情報送信指示)を送る。
【0070】
提供情報送信部31は、情報提供制御部10(提供制御部12)から提供情報送信指示を受けると、端末装置40aへ送信する提供情報を提供情報取得部32から取得し、取得した提供情報を端末装置40aへ通信路104を介して送信する。
【0071】
端末装置40aの提供情報受信部44は、通信路104を介して情報配信装置30aから提供情報を受信すると、受信した提供情報を表示部へ送る。表示部45は、提供情報受信部44から提供情報を受信すると、受信した提供情報を表示する。
【0072】
これにより、端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合には、自動車50が駐車しているタイミングで、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。自動車50が駐車しているタイミングは、自動車50の運転者である端末ユーザへ提供情報を提示するのに適切なタイミングである。
【0073】
一方、端末ユーザが自動車50の運転者でないと判断された場合には、自動車50が駐車しているか否かに関係なく、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。これにより、自動車50の運転者でない端末ユーザに対しては、常時、提供情報を提示できる。
【0074】
(ステップS16) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40aの表示画面に表示しないと判断し、
図7の処理を終了する。したがって、端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合において、自動車50が駐車していないタイミングでは、提供情報は端末ユーザへ提示されない。これにより、端末ユーザが運転している最中には提供情報が端末ユーザへ提示されないので、提供情報の提示が運転の妨げになることを未然に防止できる。
【0075】
上述した第1実施形態によれば、情報配信装置30aが情報提供制御部10を備え、情報提供制御部10は、自動車50の駐車状態情報が自動車50が駐車していることを示す場合に提供情報を端末装置40aの表示画面に表示するように制御を行う。これにより、自動車50の運転者に対して適切なタイミングでクーポン等の提供情報を提示することができるという効果が得られる。
【0076】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
図8において、
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
図8において、情報提供システム1bは、情報配信装置30bと、端末装置40bと、自動車50と、を備える。端末装置40bは、情報提供制御部10を備える。端末装置40bは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。
【0077】
情報配信装置30bは、通信路102を介して自動車50のTCU51と通信を行う。情報配信装置30bは、自動車50のTCU51を介して、自動車50に搭載された装置と通信を行う。端末装置40bは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。端末装置40bは、通信路106を介して自動車50のIVI機器52と通信を行う。情報配信装置30bと端末装置40bとは、通信路104を介して通信を行う。
【0078】
情報配信装置30bは、端末装置40bのユーザ(以下、端末ユーザと称する)へ提供する提供情報を配信する装置である。本実施形態の一例として、情報配信装置30bは、通信路104を介して提供情報を端末装置40bへ送信する。提供情報は、例えば、店舗で利用できる割引等の特典が付いた電子クーポンや店舗広告、給油所や自動車整備工場等のサービス施設の紹介やサービス施設までの道案内などの情報である。
【0079】
端末装置40bにおいて、情報提供制御部10は、提供情報を端末ユーザへ提供する際の制御を行う。
【0080】
情報提供制御部10の機能構成は、
図2と同じである。IVI機器52のの機能構成は、
図5と同じである。
【0081】
図9は、本実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。
図9において、
図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
図9において、情報配信装置30bは、提供情報送信部31と、提供情報取得部32と、ユーザ登録部33と、成果処理部34と、を備える。本実施形態では、情報配信装置30bは、情報提供制御部10を備えない。
【0082】
図10は、本実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図10において、
図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
図10には、端末装置40bの情報提供に係る機能構成が示される。
図10において、端末装置40bは、情報提供制御部10と、車両インタフェース41と、車両情報取得部42と、駐車状態情報送信部43と、提供情報受信部44と、表示部45と、を備える。
【0083】
情報提供制御部10は、
図2を参照して上述したものと同様である。但し、本実施形態の一例として、提供制御部12は、表示部45が提供情報を表示する表示タイミングの制御を行う。表示部45は、情報提供制御部10による表示タイミングの制御に基づいて、提供情報を表示する。本実施形態の一例として、表示部45は、提供情報受信部44が情報配信装置30bから受信した提供情報を、情報提供制御部10による表示タイミングの制御に基づいて表示する。提供情報受信部44は、情報配信装置30bから受信した提供情報を受信バッファに保持している。
【0084】
ユーザ種別情報取得部13は、上述したユーザ種別情報の取得方法の例1、例2、例3により、情報配信装置30bに記録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を取得してもよい。又は、上述したユーザ種別情報の取得方法の例1、例2、例3において、端末ユーザは端末装置40bにユーザ種別情報に係る登録を行い、情報配信装置30bの代わりに端末装置40bが端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を記録し、ユーザ種別情報取得部13は、端末装置40bに記録された端末ユーザのユーザ種別情報「運転者である又は運転者でない」を取得してもよい。
【0085】
次に本実施形態に係る情報提供方法の例を説明する。情報提供方法の手順は
図6、
図7と同様である。
【0086】
<情報提供方法の例B-1>
図6を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例B-1を説明する。
【0087】
端末ユーザは、事前に、情報配信装置30bにユーザ登録を行う。情報配信装置30bのユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。ユーザ登録情報は、氏名、住所、端末装置40bの端末識別情報(端末ID;例えば携帯電話番号など)、自動車50の車両識別番号(VIN)、IVI機器52のナビゲーションのアプリケーション識別情報(ナビID)などを含む情報である。情報配信装置30bのユーザ登録部33は、Webサイトによりユーザ登録を受け付けてもよい。
【0088】
端末ユーザの端末装置40bと自動車50のIVI機器52との間には、通信路106が確立される。端末ユーザは、自動車50の車内に居てもよく、又は、自動車50の車外に居てもよい。また、端末ユーザは、自動車50の運転者であってもよく、又は、運転者ではない同乗者であってもよい。
【0089】
(ステップS1) 端末装置40bの車両情報取得部42は、自動車50のギア情報を車両インタフェース41により取得する。自動車50のIVI機器52の車両情報提供部522は、自動車50のギア情報を端末インタフェース521により端末装置40bへ提供する。端末装置40bにおいて、駐車状態情報送信部43は、車両情報取得部42が取得した自動車50のギア情報を、情報提供制御部10へ送信する。情報提供制御部10の駐車状態情報受信部11は、駐車状態情報送信部43から送信された自動車50のギア情報を受信する。
【0090】
(ステップS2) 情報提供制御部10の提供制御部12は、駐車状態情報受信部11が受信した自動車50のギア情報に基づいて自動車50が駐車しているか否かを判断する。自動車50が駐車していると判断された場合にステップS3に進み、自動車50が駐車していないと判断された場合にステップS4に進む。具体的には、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示す場合にステップS3に進み、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示さない場合にステップS4に進む。
【0091】
(ステップS3) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40bの表示画面に表示するように制御を行う。具体的には、提供制御部12は、表示部45へ、提供情報を表示する指示(提供情報表示指示)を送る。表示部45は、情報提供制御部10(提供制御部12)から提供情報表示指示を受けると、提供情報受信部44が情報配信装置30bから既に受信して保持している提供情報を提供情報受信部44から取得し、取得した提供情報を表示する。
【0092】
これにより、自動車50が駐車しているタイミングで、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。自動車50が駐車しているタイミングは、もし端末ユーザが自動車50の運転者であったとしても、端末ユーザへ提供情報を提示するのに適切なタイミングである。
【0093】
(ステップS4) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40bの表示画面に表示しないと判断し、
図6の処理を終了する。したがって、自動車50が駐車していないタイミングでは、提供情報は端末ユーザへ提示されない。これにより、もし端末ユーザが自動車50の運転者であったとしても、端末ユーザが運転している最中には提供情報が端末ユーザへ提示されないので、提供情報の提示が運転の妨げになることを未然に防止できる。
【0094】
<情報提供方法の例B-2>
図7を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例B-2を説明する。
【0095】
上述した情報提供方法の例B-1と同様に、端末ユーザは、事前に、情報配信装置30bにユーザ登録を行う。このユーザ登録では、上述した情報提供方法の例B-1のユーザ登録情報に加えて、さらにユーザ種別情報に係る登録を行う。上述したユーザ種別情報の取得方法の例1の場合、端末ユーザは、自分が自動車50の運転者であるか否かを登録する。上述したユーザ種別情報の取得方法の例2の場合、端末ユーザは、自分の顔画像を登録する。上述したユーザ種別情報の取得方法の例3の場合、端末ユーザは、自分のイモビライザのイモビライザIDを登録する。情報配信装置30bのユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。なお、ユーザ種別情報に係る登録情報は、端末装置40bに記録されてもよい。
【0096】
端末ユーザの端末装置40bと自動車50のIVI機器52との間には、通信路106が確立される。端末ユーザは、自動車50の車内に居てもよく、又は、自動車50の車外に居てもよい。また、端末ユーザは、自動車50の運転者であってもよく、又は、運転者ではない同乗者であってもよい。
【0097】
(ステップS11) 端末装置40bにおいて、情報提供制御部10のユーザ種別情報取得部13は、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを示すユーザ種別情報を取得する。ユーザ種別情報の取得方法は、上述したユーザ種別情報の取得方法の例1、例2、例3のいずれかを適用する。ユーザ種別情報が情報配信装置30bに記録されている場合、ユーザ種別情報取得部13は、通信路104を介して、情報配信装置30bからユーザ種別情報を取得する。ユーザ種別情報が端末装置40bに記録されている場合、ユーザ種別情報取得部13は、端末装置40bに記録されているユーザ種別情報を取得する。
【0098】
(ステップS12) 情報提供制御部10の提供制御部12は、ユーザ種別情報取得部13が取得したユーザ種別情報に基づいて、端末ユーザが自動車50の運転者であるか否かを判断する。端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合にステップS13に進み、端末ユーザが自動車50の運転者でないと判断された場合にステップS15に進む。具体的には、ユーザ種別情報が端末ユーザが自動車50の運転者であることを示す場合にステップS13に進み、ユーザ種別情報が端末ユーザが自動車50の運転者でないことを示す場合にステップS15に進む。
【0099】
(ステップS13) 端末装置40bの車両情報取得部42は、自動車50のギア情報を車両インタフェース41により取得する。自動車50のIVI機器52の車両情報提供部522は、自動車50のギア情報を端末インタフェース521により端末装置40bへ提供する。端末装置40bにおいて、駐車状態情報送信部43は、車両情報取得部42が取得した自動車50のギア情報を、情報提供制御部10へ送信する。情報提供制御部10の駐車状態情報受信部11は、駐車状態情報送信部43から送信された自動車50のギア情報を受信する。
【0100】
(ステップS14) 情報提供制御部10の提供制御部12は、駐車状態情報受信部11が受信した自動車50のギア情報に基づいて自動車50が駐車しているか否かを判断する。自動車50が駐車していると判断された場合にステップS15に進み、自動車50が駐車していないと判断された場合にステップS16に進む。具体的には、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示す場合にステップS15に進み、自動車50のギア情報が「パーキング(駐車)」状態を示さない場合にステップS16に進む。
【0101】
(ステップS15) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40bの表示画面に表示するように制御を行う。具体的には、提供制御部12は、表示部45へ、提供情報を表示する指示(提供情報表示指示)を送る。表示部45は、情報提供制御部10(提供制御部12)から提供情報表示指示を受けると、提供情報受信部44が情報配信装置30bから既に受信して保持している提供情報を提供情報受信部44から取得し、取得した提供情報を表示する。
【0102】
これにより、端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合には、自動車50が駐車しているタイミングで、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。自動車50が駐車しているタイミングは、自動車50の運転者である端末ユーザへ提供情報を提示するのに適切なタイミングである。
【0103】
一方、端末ユーザが自動車50の運転者でないと判断された場合には、自動車50が駐車しているか否かに関係なく、端末ユーザへ提供情報を提示することができる。これにより、自動車50の運転者でない端末ユーザに対しては、常時、提供情報を提示できる。
【0104】
(ステップS16) 提供制御部12は、提供情報を端末装置40bの表示画面に表示しないと判断し、
図7の処理を終了する。したがって、端末ユーザが自動車50の運転者であると判断された場合において、自動車50が駐車していないタイミングでは、提供情報は端末ユーザへ提示されない。これにより、端末ユーザが運転している最中には提供情報が端末ユーザへ提示されないので、提供情報の提示が運転の妨げになることを未然に防止できる。
【0105】
上述した第2実施形態によれば、端末装置40bが情報提供制御部10を備え、情報提供制御部10は、自動車50の駐車状態情報が自動車50が駐車していることを示す場合に提供情報を端末装置40bの表示画面に表示するように制御を行う。これにより、自動車50の運転者に対して適切なタイミングでクーポン等の提供情報を提示することができるという効果が得られる。
【0106】
[第3実施形態]
第3実施形態は、上述した情報提供システム1a、1bの一適用例である送客ビジネスモデルを実現するものである。
図11は、本実施形態に係る情報提供システムの適用例の説明図である。
図11において、情報配信装置30及び端末装置40は、第1実施形態に係る情報提供システム1aの情報配信装置30a及び端末装置40aであってもよく、又は、第2実施形態に係る情報提供システム1bの情報配信装置30b及び端末装置40bであってもよい。
【0107】
以下、
図11を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例を説明する。
【0108】
本実施形態では、提供情報を利用して、レストラン等の店舗や給油所等のサービス施設などの広告主への送客を図る。自動車50は、送客に利用される送客ツールである。端末ユーザは端末装置40を所持して送客ツール(自動車)50に乗車している。端末ユーザは、送客ツール(自動車)50の運転者であってもよく、運転者ではない送客ツール(自動車)50の同乗者であってもよい。
【0109】
(ステップS101) 情報配信装置30は、ユーザ登録済みの端末ユーザの端末IDの端末装置40から、端末ユーザの趣向を示す趣向情報を受信する。情報配信装置30のユーザ登録部33は、受信した趣向情報を端末ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する。
【0110】
情報配信装置30は、ユーザ登録済みの端末ユーザのVINの自動車50から、自動車50の走行ログを受信する。情報配信装置30のユーザ登録部33は、受信した走行ログを端末ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する。
【0111】
(ステップS102) 情報配信装置30の提供情報取得部32は、広告主から、広告やクーポンなどの提供情報を収集する。提供情報取得部32は、収集した提供情報を蓄積する。
【0112】
(ステップS103) 情報配信装置30は、提供情報送信部31により端末装置40へ提供情報を配信する。但し、端末ユーザへの提供情報の提示は、情報提供制御部10の制御に従って行われる。
図11の例では、送客ツール(自動車)50がパーキング(駐車)している時に、広告やクーポンなどの提供情報が端末装置40へ配信されて端末装置40に表示される。
端末装置40により端末ユーザに提示された広告やクーポンなどの提供情報は、広告主の店舗やサービス施設へ、送客ツール(自動車)50に乗車している人(客)を誘導する送客効果を生む。
【0113】
(ステップS104) 端末装置40の車両インタフェース41は、送客ツール(自動車)50へ、広告やクーポンなどの提供情報に含まれる広告主の店舗やサービス施設の住所を送信する。送客ツール(自動車)50のIVI機器52は、端末インタフェース521により広告主の店舗やサービス施設の住所を受信すると、IVI機器52のナビゲーション機能により、広告主の店舗やサービス施設の住所に至る道案内を行う。これにより、送客ツール(自動車)50により客が広告主の店舗やサービス施設に訪れる。客は、広告主の店舗やサービス施設で提供情報の広告やクーポンを提示することにより、割引等の特典を受けることができる。
【0114】
(ステップS105) 広告主は、提供情報の広告やクーポンによる送客実績に応じた成果報酬を情報提供システムの運用者へ支払う。成果報酬の支払情報は、情報配信装置30の成果処理部34へ通知される。
【0115】
(ステップS106) 成果処理部34は、成果報酬の支払情報が示す成果報酬を、所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する。
図11の例では、送客ツールである自動車50の車両メーカに対して、成果報酬が分配される。
【0116】
[提供情報の選択方法]
次に端末ユーザへ提供する提供情報の選択方法を説明する。
提供情報は広告主から収集されて情報配信装置30に蓄積される。情報配信装置30は、蓄積された提供情報の中から、端末ユーザへ提供する提供情報を選択する。提供情報の選択の際には、ユーザ登録済みの端末ユーザのVINの自動車50の車両情報と、ユーザ登録済みの端末ユーザの端末IDの端末装置40の端末情報とを利用することができる。情報配信装置30は、端末ユーザに係る車両情報若しくは端末情報、又は、端末ユーザに係る車両情報及び端末情報の両方、に基づいて、蓄積された提供情報の中から端末ユーザへ提供する提供情報を選択してもよい。以下、提供情報の選択の際に利用できる車両情報及び端末情報について説明する。
【0117】
(車両情報)
提供情報の選択の際に利用できる車両情報の例を以下に示す。
(1)自動車50の車両識別番号(VIN)
(2)自動車50の購入時などに収集される、氏名、住所、年齢などの個人情報である。
(3)自動車50のIVI機器52のナビゲーション機能にセットされる目的地情報である。例えば、目的地までの経路上にあるレストランなど、立ち寄りに適した店舗の広告やクーポンなどの提供情報を選択することにより、当該店舗への送客効果が期待できる。
(4)走行ログ
(4-1)連続走行時間である。例えば、長時間運転している自動車50の端末ユーザに対して、休憩スポットの施設の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該休憩スポットの施設への送客効果が期待できる。
(4-2)運転ログである。例えば、自動車50の位置、車速、ブレーキ、舵角などの運転情報から端末ユーザの疲れ度合いを推測し、推測結果に応じて休憩スポットの施設の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該休憩スポットの施設への送客効果が期待できる。
(5)CAN等の車載ネットワーク54から取得された情報のログ
(5-1)燃料残量である。例えば、燃料残量が残り少ない自動車50の端末ユーザに対して、給油所の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該給油所への送客効果が期待できる。
(5-2)ECUエラーメッセージである。自動車50のECU55に生じるエラーメッセージに基づいて、自動車50の正規ディーラや自動車整備工場の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該正規ディーラや自動車整備工場への送客効果が期待できる。
【0118】
(端末情報)
提供情報の選択の際に利用できる端末情報の例を以下に示す。
(1)端末装置40の購入時などに収集される、氏名、住所、年齢などの個人情報である。
(2)端末IDである。端末IDとして、例えば、携帯電話番号、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、電子メールアドレスなどが挙げられる。
(3)趣向情報
(3-1)端末装置40のアプリケーションの利用頻度や利用時間である。
(3-2)端末装置40のアプリケーションにより提示された広告のうち、端末ユーザの操作によって閲覧された広告を示す広告閲覧履歴である。
(3-3)端末装置40の位置などの端末装置40の移動履歴から取得される端末ユーザの行動を示す行動履歴である。
【0119】
上述した各実施形態によれば、自動車50の運転者や同乗者に対して、適切なタイミングで広告やクーポン等の提供情報を提示することができる。これにより、端末ユーザが日常使用する自動車50を、送客に利用される送客ツールとして活用する送客ビジネスモデルを実現することに寄与できる。
【0120】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0121】
上述した実施形態では、車両として自動車を例に挙げたが、原動機付自転車や鉄道車両等の自動車以外の他の車両にも適用可能である。
【0122】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0123】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0124】
1a,1b…情報提供システム、10…情報提供制御部、11…駐車状態情報受信部、12…提供制御部、13…ユーザ種別情報取得部、30,30a,30b…情報配信装置、31…提供情報送信部、32…提供情報取得部、33…ユーザ登録部、34…成果処理部、40,40a,40b…端末装置、41…車両インタフェース、42…車両情報取得部、43…駐車状態情報送信部、44…提供情報受信部、45…表示部、50…自動車、51…TCU、52…IVI機器、53…GW装置、54…車載ネットワーク、55…ECU、521…端末インタフェース、522…車両情報提供部